JPWO2009072189A1 - アンテナ装置及び通信装置 - Google Patents

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Abstract

アンテナの持つ偏波特性を切り替えることができ、時々刻々と変化する基地局と端末間の偏波状況により低下、又は変動する受信信号に対して通信容量の減少を防いで、多様な偏波環境、使用形態においても伝送容量を向上させることのできるアンテナ装置及び通信装置。アンテナ装置(110)は、第1の偏波方向用の複数の第1のアンテナ素子(111,112)と、第1の偏波方向と直交する方向に設けられた第2のアンテナ素子(121)と、複数の第1のアンテナ素子(111,112)と第2のアンテナ素子(121)の接続を切り替える複数のスイッチ(131,132)と、複数の第1のアンテナ素子(111,112)にそれぞれ設けられた給電部(141,142)とを備える。

Description

本発明は、携帯電話機等のアンテナ装置及び通信装置に関し、特に、ダイバーシチ動作、MIMO(Multiple-Input Multiple-Output)通信、又はアダプティブアレーアンテナ動作を行う複数アンテナ素子を用いるアンテナ装置及び通信装置に関する。
アンテナ装置は、各種の通信機器に備えられて所定周波数帯域の電波を送受信する。携帯電話機に代表される携帯無線機の普及と共にその応用範囲が拡大してきたため、携帯無線機のアンテナの広帯域性がより一層求められている。また、携帯無線機においては、急速的な普及に伴って1つの無線通信システムにおける回線数だけでは不足する傾向にある。このため、異なる周波数帯域を使用している他の無線通信システムと併用し、必要な回線数を確保することが考えられており、小型軽量化技術の著しい進歩により1つの携帯無線機で2種類の無線通信システムを利用することが可能な端末が開発されている。さらに、例えば、地上波デジタルテレビジョン放送の受信には、UHF帯で数百MHzの帯域幅が必要と考えられている。また、1基のアンテナにより周波数帯を異にする無線LAN(以下、WLAN:Wireless Local Area Networkという)の複数の規格に対応して無線装置の小型化を図るには、例えば2.4GHz帯と5.2GHz帯をカバーするアンテナが必要である。
また、移動体通信システムの移動局と基地局との通信においては、様々な電波伝搬環境により受信信号レベルが変動するフェージングを生じる場合が多い。フェージングに対する効果的な対策としてアンテナ選択ダイバーシチや合成ダイバーシチがある。アンテナ選択ダイバーシチでは、通常アンテナを複数個設置して、フェージングで受信状態が悪化したときに条件の良いアンテナを選択して通信を行う。例えば、同一周波数を時分割して複数ユーザで共有するTDMA(Time Division Multiple Access)通信方式におけるアンテナ選択ダイバーシチ装置がある。
また近年、無線通信においては、伝送効率の向上を図ることができる技術としてMIMO通信が注目されている。MIMO通信においては、複数の送信アンテナを備えた送信装置が各送信アンテナから複数のビットで構成されるストリームを同時に送信し、複数の受信アンテナを備えた受信装置が送信装置におけるストリームを分離して復調する。したがって、送信装置のすべての送信アンテナから互いに異なるストリームが同時に送信される場合は、理論的には送信アンテナが1本の場合に比べて伝送効率を送信アンテナ数倍に向上することができる。
複数のアンテナ素子を搭載し、ダイバーシチ動作、MIMO通信、アダプティブアレーアンテナ動作を用いる通信では、時々刻々と変化する基地局と端末間の偏波状況の変動、受信信号の変動に対して、あるアンテナ単一の指向性のみでは、受信信号の特に偏波特性変動に対応することは困難である。通信容量の確保には偏波特性変動に柔軟に対応するアンテナシステムが必要である。
この対策として、偏波を利用し、通信容量の向上を図る、特許文献1乃至特許文献4に記載されたものが知られている。
特許文献1には、基地局が偏波特性を切り替えて、また端末側もその基地局からの偏波特性に一致した偏波で受信を行う適応アレーアンテナを用いた通信装置及び方法が記載されている。特許文献1記載の装置は、基地局が垂直偏波を出力した場合、端末側も垂直偏波で受信を行う。これにより、端末及び基地局のアンテナ偏波が一致し、通信容量の向上を図ることができる。さらに、この通信を各端末ごとに異なる偏波で行うことで、各端末対基地局の通信パスの干渉を抑える。
特許文献2には、基地局に偏波の異なるアンテナ素子を複数持たせ、このアンテナ群の中で選択ダイバーシチ及びMIMO動作を行い、通信容量の向上を図る電波送受信装置が記載されている。
特許文献3には、多数のアンテナ素子から複数のアンテナ素子を用いて指向性合成を行った上でMIMOを行うアンテナ装置が記載されている。
特許文献4には、基地局及び端末ともに偏波の異なる複数のアンテナ素子を用意しMIMOを行うMIMO無線通信システムが記載されている。これにより、各MIMOの伝播パスにおける送受信のアンテナ素子の指向性及び偏波が異なり、各伝播パスの分離度が向上することで、通信容量の向上を図る。
特開2004−80353号公報 特開2004−312381号公報 特開2005−86518号公報 特表2004−517549号公報
しかしながら、このような従来の複数のアンテナ素子を搭載する携帯無線機にあっては、以下のような問題があった。
(1)特許文献1の記載の装置は、基地局がアンテナにより偏波特性を切り替えて端末と通信し、端末毎に基地局からの偏波を切り替えることで各通信のパスの分離特性を改善する。しかしこの技術では、基地局からの偏波は伝搬環境によって変化してしまうので、端末においてパスの分離度を維持することが困難である。また、携帯電話では端末の偏波も一定ではないためパスの分離は困難である。
(2)特許文献2に記載の装置は、互いに異なる偏波の複数のアンテナ素子を持つアンテナ群の中で最良と思われるアンテナ素子を選択し、そのアンテナ素子を用いてダイバーシチ、MIMOを行う。しかしこの技術では、偏波をアンテナ毎に変えてMIMOの伝送容量を向上させようとするものの、端末が傾くことが考慮されていないため、傾き条件によっては伝送容量が劣化する場合がある。
(3)特許文献3に記載の装置は、多数のアンテナ素子から複数のアンテナ素子を用いて指向性合成を行った上でMIMOを行う。つまり、複数のアンテナ素子を用いて振幅、位相を調整後に指向性合成を行うことで、各種伝播特性、偏波特性に適応した指向性を得ている。この技術では、基地局、伝播環境、端末の運用状態の依存しない最適な偏波特性のアンテナを端末側で得ることについては開示されていない。また、電力損失が極力少なく、場所・時間により変化する偏波特性に対応した各種偏波バリエーションをアンテナ装置で提供することについては開示されていない。
(4)特許文献4に記載の装置は、基地局、端末ともに偏波の異なる複数のアンテナ素子を用意しMIMOを行う。伝播環境の変化に応じて各アンテナの偏波を切り替えなどを行っているわけではなく、常に同じ指向性、偏波特性のアンテナを用いている。この技術では、特許文献3に記載の装置と同様に、基地局、伝播環境、端末の運用状態の依存しない最適な偏波特性のアンテナを端末側で得ることについて、また、電力損失が極力少なく、場所・時間により変化する偏波特性に対応した各種偏波バリエーションをアンテナ装置で提供することについては開示されていない。
したがって、従来の複数アンテナ素子を用いるアンテナ装置及び通信装置にあっては、基地局と端末で通信を行う場合、基地局アンテナの偏波、基地局と端末間の電波伝搬特性による偏波特性の変化、端末における使用者の使用方法、傾きなどによる各種状況に応じて発生する偏波の変化に対して、アンテナとして偏波変化に追従して対応し、より高い、より安定した通信容量を得る必要がある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、アンテナの持つ偏波特性を切り替えることができ、時々刻々と変化する基地局と端末間の偏波状況により低下、又は変動する受信信号に対して通信容量の減少を防いで、多様な偏波環境、使用形態においても伝送容量を向上させることのできるアンテナ装置及び通信装置を提供することを目的とする。
本発明のアンテナ装置は、第1の偏波方向用の少なくとも2つの第1のアンテナ素子と、前記第1の偏波方向と直交する方向に設けられた第2のアンテナ素子と、前記複数の第1のアンテナ素子と前記第2のアンテナ素子の接続を切り替えるスイッチと、前記複数の第1のアンテナ素子にそれぞれ設置した給電部と、を備える構成を採る。
本発明の通信装置は、MIMO又はダイバーシチに使用されるアンテナ装置を備える通信装置であって、上記アンテナ装置を備える構成を採る。
本発明によれば、アンテナの持つ偏波特性を切り替えることにより、時々刻々と変化する基地局と端末間の偏波状況により低下、又は変動する受信信号に対して、最適なアンテナ性能を提供することができ、ダイバーシチ動作、MIMO通信、又はアダプティブアレーアンテナ動作を行う複数アンテナ素子を用いる通信において、通信容量の減少を防ぐ効果を奏する。例えば、基地局アンテナの偏波特性、基地局と端末間の電波伝搬特性、端末における使用者の使用方法、傾きなどによる各種状況に応じて発生する偏波の変化に対して柔軟に対応することが可能になり、最良の信号強度を得ることができ、通信容量の減少を防いで、多様な偏波環境、使用形態においても伝送容量を向上させることができる。
本発明の実施の形態1に係るアンテナ装置を搭載する携帯無線機の概略構成を示す図 上記実施の形態1に係るアンテナ装置を搭載する携帯無線機の概略構成を示す図 上記実施の形態1に係るアンテナ装置の偏波特性の切り替えを説明する図 上記実施の形態1に係るアンテナ装置の偏波特性の切り替えを説明する図 上記実施の形態1に係るアンテナ装置の偏波特性の切り替えを説明する図 図3A−Cの偏波特性の切り替えを表にして示す図 本発明の実施の形態2に係るアンテナ装置を搭載する携帯無線機の概略構成を示す図 上記実施の形態2に係るアンテナ装置の偏波特性の切り替えを説明する図 上記実施の形態2に係るアンテナ装置の偏波特性の切り替えを説明する図 上記実施の形態2に係るアンテナ装置の偏波特性の切り替えを説明する図 図6A−Cの偏波特性の切り替えを表にして示す図 本発明の実施の形態3に係る複数アンテナ素子を用いるアンテナ装置を搭載する携帯無線機の概略構成を示す図 上記実施の形態3に係るアンテナ装置を搭載する携帯無線機の概略構成を示す斜視図 上記実施の形態3に係るアンテナ装置を搭載する携帯無線機の概略構成を示す斜視図 上記実施の形態3に係るアンテナ装置の偏波特性の切り替えを説明する図 上記実施の形態3に係るアンテナ装置の偏波特性の切り替えを説明する図 上記実施の形態3に係るアンテナ装置の偏波特性の切り替えを説明する図 上記実施の形態3に係るアンテナ装置の偏波特性の切り替えを説明する図 上記実施の形態3に係るアンテナ装置の偏波特性の切り替えを説明する図 上記実施の形態3に係るアンテナ装置の偏波特性の切り替えを説明する図 上記実施の形態3に係るアンテナ装置の偏波特性の切り替えを説明する図 上記実施の形態3に係るアンテナ装置の偏波特性の切り替えを説明する図 上記実施の形態3に係るアンテナ装置の偏波特性の切り替えを説明する図 図10A−Cの偏波特性の切り替えを表にして示す図 図10D−Fの偏波特性の切り替えを表にして示す図 図10G−Iの偏波特性の切り替えを表にして示す図 上記実施の形態3に係るアンテナ装置の給電点直結の接続方法を説明する図 本発明の実施の形態4に係る複数アンテナ素子を用いるアンテナ装置を搭載する携帯無線機の概略構成を示す斜視図 上記実施の形態4に係る複数アンテナ素子を用いるアンテナ装置を搭載する携帯無線機の概略構成を示す斜視図 本発明の実施の形態5に係る複数アンテナ素子を用いるアンテナ装置を搭載する携帯無線機の概略構成を示す斜視図
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る複数アンテナ素子を用いるアンテナ装置を搭載する携帯無線機の概略構成を示す図である。本実施の形態は、MIMO通信、又はダイバーシチ通信に使用される端末用アンテナ装置を搭載する携帯無線機に適用した例である。
図1において、携帯無線機100は、筐体内部にMIMO通信、又はダイバーシチ通信に使用される複数アンテナ素子を用いるアンテナ装置110を搭載する。
携帯無線機100は、MIMO通信、又はダイバーシチ通信に使用される複数アンテナ素子を用いるアンテナ装置110を搭載する携帯無線機であればよく、例えば、携帯電話機/PHS(Personal Handy-Phone System)である。また、PDA(Personal Digital Assistants)等の携帯情報端末、ノート型パソコン等の情報処理装置にも適用可能である。
携帯無線機100筐体は、絶縁体である樹脂の成型品、例えば非導電性のABS樹脂により構成される。また、筐体は、アンテナ素子の近接時のアンテナ効率劣化対策として、メタマテリアルなどを用いるとアンテナ効率低下の対策となる。なお、図示は省略するが、携帯無線機100本体には、LCD表示部、サブ画面表示部、着信音等を出力するスピーカ、画像を撮影するカメラ部、外部機器と接続するコネクタ部などが設けられる。
アンテナ装置110は、第1の偏波方向用の複数の第1のアンテナ素子111,112と、第1の偏波方向と直交する方向に設けられた第2のアンテナ素子121と、複数の第1のアンテナ素子111,112と第2のアンテナ素子121の接続を切り替える複数のスイッチ131,132と、複数の第1のアンテナ素子111,112にそれぞれ設けられた給電部141,142とを備えて構成される。
図1に示すように、アンテナ装置110は、3つのアンテナ素子(第1のアンテナ素子111,112及び第2のアンテナ素子121)をコの字型に配置し、各アンテナ素子間に2つのスイッチ(スイッチ131,132)を配置し、第1のアンテナ素子111,112の一端に2つの給電部(給電部141,142)を配置する構成を採る。
第1のアンテナ素子111,112及び第2のアンテナ素子121は、金属フレームから構成され、長手方向に約λ(λは波長)/4の長さとする。筐体と平行となるアンテナ素子に関して、なるべくアンテナ素子を筐体から離した方がアンテナ効率が向上し有利である。材質は電波が伝搬する材質であることは勿論のこと、使用周波数でロスの少ない、高い導電性を有し、かつ軽量で強度が高い金属、例えば銅、鉄、マグネシウム合金を用いる。
スイッチ131,132は、図示しない制御部からの制御信号に従って、第2のアンテナ素子121と第1のアンテナ素子111及び/又は第1のアンテナ素子112との接続を切り替える。また、図示しない制御部は、偏波方向により接続を切り替えるための制御信号をスイッチ131,132に出力する。
スイッチ131,132は、スイッチONの場合、極力使用周波数でロスがなく、スイッチOFFの場合、スイッチ両端子で使用周波数において極力アイソレーションがあるスイッチを用いる。また、スイッチ131,132は、送信時に送信波の大電力に耐えうる必要がある。例えば、低損失なMEMS(Microelectoromechanical Systems)スイッチを用いることが好ましい。なお、スイッチ131,132の切り替えの組み合わせの具体例については後述する。
給電部141,142は、導電性の金属から構成され、第1のアンテナ素子111,112に接続し給電する。
上記第1のアンテナ素子111及び給電部141は、スイッチ131がOFFし、第1のアンテナ素子111と第2のアンテナ素子121とが切り離されている場合、モノポールアンテナとして動作する。上記第1のアンテナ素子112及び給電部142についても同様に、スイッチ132がOFFし、第1のアンテナ素子112と第2のアンテナ素子121とが切り離されている場合、モノポールアンテナとして動作する。また、この2つのモノポール給電間を繋ぐように第1のアンテナ素子111,112と直交して第2のアンテナ素子121が配置される。
ここで、携帯無線機100に内蔵されるアンテナ装置110を、携帯無線機100筐体に対して横置きに搭載してもよい。
図2は、上記アンテナ装置110を搭載する携帯無線機100の概略構成を示す図である。図1と同一構成部分には、同一符号を付している。
図2に示すように、アンテナ装置110は、携帯無線機100筐体に対して、コの字型の3つのアンテナ素子が横置きに配置される。アンテナ装置110を横置きに配置しても図1の場合と特性上の優劣はない。アンテナ装置110を横置きに配置することで、筐体内における部品配置の自由度を高めることができる。
以下、上述のように構成されたアンテナ装置110の動作について説明する。
各種偏波に対応するため、状況に応じて偏波特性を切り替えるMIMO通信を行う場合を例に採る。
図3A−Cは、アンテナ装置110の偏波特性の切り替えを説明する図であり、図3AはMIMOの垂直偏波、図3Bは斜め偏波(MIMO+)、図3Cは斜め偏波(MIMO−)を示す。また、図4は、図3A−Cの偏波特性の切り替えを表にして示す図である。図3A−C及び図4において、斜め偏波は垂直偏波に対する+45°及び−45°である。偏波の方向は、図中矢印の向きで示している。SW1,SW2は、スイッチ131,132を示し、Rx1,Rx2はアンテナ装置110が接続される携帯無線機100の受信端をそれぞれ示す。Vは垂直偏波を示す。なお、本アンテナ装置110が、MIMO通信を行う基地局側に適用される場合は、Rx1,Rx2をTx1,Tx2と読み替えればよい。
〔第1方式(Mode1)〕
図3A及び図4に示すように、スイッチ131(SW1)及びスイッチ132(SW2)をいずれもOFFする。すると、第2のアンテナ素子121は、第1のアンテナ素子111及び第1のアンテナ素子112と切り離され、第1の偏波方向を受ける第1のアンテナ素子111,112のみがモノポールアンテナ動作をする。したがって、アンテナ装置110は、垂直−垂直の偏波のアンテナ特性となる。
〔第2方式(Mode2)〕
図3B及び図4に示すように、スイッチ131(SW1)をON、スイッチ132(SW2)をOFFする。すると、第1のアンテナ素子111と第2のアンテナ素子121が接続されるとともに、第2のアンテナ素子121と第1のアンテナ素子112とが切り離される。第2のアンテナ素子121は、第1のアンテナ素子111に対して直交する方向に配置されているので、第1のアンテナ素子111と第2のアンテナ素子121とが接続されると、第1のアンテナ素子111及び第2のアンテナ素子121から構成されるアンテナ素子は垂直偏波に対して、+45°傾いた斜め偏波となる。第1の偏波方向を受ける第1のアンテナ素子112は、モノポールアンテナ動作をする。したがって、アンテナ装置110は、+45°−垂直の偏波のアンテナ特性となる。
〔第3方式(Mode3)〕
図3C及び図4に示すように、スイッチ131(SW1)をOFF、スイッチ132(SW2)をONする。すると、第1のアンテナ素子112と第2のアンテナ素子121が接続されるとともに、第2のアンテナ素子121と第1のアンテナ素子111とが切り離される。第2のアンテナ素子122は、第2のアンテナ素子121と同様に、第1のアンテナ素子111に対して直交する方向に配置されているので、第1のアンテナ素子112と第2のアンテナ素子121とが接続されると、第1のアンテナ素子112及び第2のアンテナ素子121から構成されるアンテナ素子は垂直偏波に対して、−45°傾いた斜め偏波となる。第1の偏波方向を受ける第1のアンテナ素子111は、モノポールアンテナ動作をする。したがって、アンテナ装置110は、垂直−(−45°)の偏波のアンテナ特性となる。
図4の表に示すように、スイッチ131(SW1)及びスイッチ132(SW2)を切り替えることで、アンテナ装置110は、垂直−垂直、45°−垂直、及び垂直−(−45°)の3通りの偏波のアンテナ特性を得ることが可能になる。これにより、基地局のアンテナ構成、伝播中の偏波の回転、端末(携帯無線機100)の傾きなどにより、受信アンテナにおいて偏波の不整合が起きた場合においても、アンテナ偏波の3バリエーションにより受信強度の改善が可能であり、MIMO、ダイバーシチ通信の受信信号強度改善に有効である。
以上のように、本実施の形態によれば、アンテナ装置110は、第1の偏波方向用の複数の第1のアンテナ素子111,112と、第1の偏波方向と直交する方向に設けられた第2のアンテナ素子121と、複数の第1のアンテナ素子111,112と第2のアンテナ素子121の接続を切り替える複数のスイッチ131,132と、複数の第1のアンテナ素子111,112にそれぞれ設けられた給電部141,142とを備え、スイッチ131,132を切り替え、動作するアンテナ素子を変化させることによって、アンテナ装置110の持つ偏波特性を切り替えることが可能となり、時々刻々と変化する基地局と端末間の偏波状況に対応するアンテナ性能を提供することができる。これにより、多様な偏波環境、使用形態においても伝送容量を向上させることができる。例えば、図1に示すアンテナ装置110を搭載する携帯無線機100の場合、MIMO通信又はダイバーシチ通信において、基地局の偏波、伝播中の偏波の変動、端末の傾きによる偏波の変化による各種原因による偏波の変動が生じた場合でも、アンテナ装置110の装荷されているスイッチ131,132を制御し、運用状態に応じて最適な偏波特性のアンテナ指向性を得ることで、伝送容量が高いMIMO通信又はダイバーシチ通信が可能となる。
また、本実施の形態では、スイッチ131,132に、低損失なMEMSスイッチを用いることで、切り替えによる電力損失が軽減され、通信容量の低下を防止することができる。
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2に係る複数アンテナ素子を用いるアンテナ装置を搭載する携帯無線機の概略構成を示す図である。本実施の形態の説明にあたり、図1と同一構成部分には、同一符号を付して重複箇所の説明を省略する。
図5において、携帯無線機200は、筐体内部にMIMO通信、又はダイバーシチ通信に使用される複数アンテナ素子を用いるアンテナ装置210を搭載する。
アンテナ装置210は、第1の偏波方向用の複数の第1のアンテナ素子111,112と、第1の偏波方向と直交する方向に設けられた第2のアンテナ素子121と、複数の第1のアンテナ素子111,112の一端に設けられ、第1のアンテナ素子111,112と第2のアンテナ素子121の接続を切り替える複数のスイッチ131,132と、複数の第1のアンテナ素子111,112の他端にそれぞれ設けられた給電部141,142とを備えて構成される。
アンテナ装置210は、第2のアンテナ素子121及びスイッチ131,132の配置が、図1の第1のアンテナ素子111,112の給電部141,142側から、その反対側に設置されている点のみが異なる。このため、アンテナ装置210は、図1のアンテナ装置110と同様に、3つのアンテナ素子(第1のアンテナ素子111,112及び第2のアンテナ素子121)をコの字型に配置し、各アンテナ素子間に2つのスイッチ(スイッチ131,132)を配置し、第1のアンテナ素子111,112の一端に2つの給電部(給電部141,142)を配置する構成を採る。
なお、図示は省略するが、携帯無線機200に内蔵されるアンテナ装置210を、前記図2の場合と同様に、携帯無線機200筐体に対して横置きに搭載してもよい。
以下、上述のように構成されたアンテナ装置210の動作について説明する。
基本動作は、実施の形態1と同様である。状況に応じて偏波特性を切り替えるMIMO通信を行う場合を例に採る。
図6A−Cは、アンテナ装置210の偏波特性の切り替えを説明する図であり、図6AはMIMOの垂直偏波、図6Bは斜め偏波(MIMO−)、図6Cは斜め偏波(MIMO+)を示す。また、図7は、図6A−Cの偏波特性の切り替えを表にして示す図である。図6A−C及び図7において、斜め偏波は垂直偏波に対する+45°及び−45°である。SW1,SW2は、スイッチ131,132を示し、Rx1,Rx2はアンテナ装置210が接続される携帯無線機200の受信端をそれぞれ示す。Vは垂直偏波を示す。なお、本アンテナ装置210が、MIMO通信を行う基地局側に適用される場合は、Rx1,Rx2をTx1,Tx2と読み替えればよい。
〔第4方式(Mode4)〕
図6A及び図7に示すように、スイッチ131(SW1)及びスイッチ132(SW2)をいずれもOFFする。すると、第2のアンテナ素子121は、第1のアンテナ素子111及び第1のアンテナ素子112と切り離され、第1の偏波方向を受ける第1のアンテナ素子111,112のみがモノポールアンテナ動作をする。したがって、アンテナ装置210は、垂直−垂直の偏波のアンテナ特性となる。
〔第5方式(Mode5)〕
図6B及び図7に示すように、スイッチ131(SW1)をON、スイッチ132(SW2)をOFFする。すると、第1のアンテナ素子111と第2のアンテナ素子121が接続されるとともに、第2のアンテナ素子121と第1のアンテナ素子112とが切り離される。第2のアンテナ素子121は、第1のアンテナ素子111に対して直交する方向に配置されているので、第1のアンテナ素子111と第2のアンテナ素子121とが接続されると、第1のアンテナ素子111及び第2のアンテナ素子121から構成されるアンテナ素子は垂直偏波に対して、−45°傾いた斜め偏波となる。第1の偏波方向を受ける第1のアンテナ素子112は、モノポールアンテナ動作をする。したがって、アンテナ装置210は、−45°−垂直の偏波のアンテナ特性となる。
〔第6方式(Mode6)〕
図6C及び図7に示すように、スイッチ131(SW1)をOFF、スイッチ132(SW2)をONする。すると、第1のアンテナ素子112と第2のアンテナ素子121が接続されるとともに、第2のアンテナ素子121と第1のアンテナ素子111とが切り離される。第2のアンテナ素子121は、第2のアンテナ素子121と同様に、第1のアンテナ素子111に対して直交する方向に配置されているので、第1のアンテナ素子112と第2のアンテナ素子121とが接続されると、第1のアンテナ素子112及び第2のアンテナ素子121から構成されるアンテナ素子は垂直偏波に対して、+45°傾いた斜め偏波となる。第1の偏波方向を受ける第1のアンテナ素子111は、モノポールアンテナ動作をする。したがって、アンテナ装置210は、垂直−45°の偏波のアンテナ特性となる。
このように、図7の表に示すように、スイッチ131(SW1)及びスイッチ132(SW2)を切り替えることで、アンテナ装置210は、垂直−垂直、−45°−垂直、及び垂直−45°の3通りの偏波のアンテナ特性を得ることが可能になる。これにより、基地局のアンテナ構成、伝播中の偏波の回転、端末(携帯無線機200)の傾きなどにより、受信アンテナにおいて偏波の不整合が起きた場合においても、アンテナ偏波の3バリエーションにより受信強度の改善が可能であり、MIMO、ダイバーシチ通信の受信信号強度改善に有効である。すなわち、実施の形態1の場合と同様に、スイッチ131,132を切り替え、動作するアンテナ素子を変化させることによって、アンテナ装置110の持つ偏波特性を切り替えることが可能となり、時々刻々と変化する基地局と端末間の偏波状況に対応するアンテナ性能を提供することができる。これにより、多様な偏波環境、使用形態においても伝送容量を向上させることができる。
(実施の形態3)
実施の形態1,2では、2×2MIMO通信、又はダイバーシチ通信に使用される複数アンテナ素子を用いるアンテナ装置について説明した。実施の形態3は、3×3MIMO通信、又はダイバーシチ通信に使用される複数アンテナ素子を用いるアンテナ装置について説明する。
図8は、本発明の実施の形態3に係る複数アンテナ素子を用いるアンテナ装置を搭載する携帯無線機の概略構成を示す図である。本実施の形態の説明にあたり、図1と同一構成部分には、同一符号を付して重複箇所の説明を省略する。
図8において、携帯無線機300は、筐体内部にMIMO通信、又はダイバーシチ通信に使用される複数アンテナ素子を用いるアンテナ装置310を搭載する。
アンテナ装置310は、第1の偏波方向用の複数の第1のアンテナ素子111,112,113と、第1の偏波方向と直交する方向に設けられた第2のアンテナ素子121,122と、複数の第1のアンテナ素子111,112,113と第2のアンテナ素子121,122の接続を切り替える複数のスイッチ131,132,133,134と、複数の第1のアンテナ素子111,112,113にそれぞれ設けられた給電部141,142,143とを備えて構成される。
アンテナ装置310は、図1のアンテナ装置110に、さらに第1のアンテナ素子113、第2のアンテナ素子122、スイッチ133,134及び給電部143が追加された構成となっている。
本実施の形態は、3×3MIMO通信のアンテナ装置の構成例である。本アンテナ装置のアンテナ素子数、スイッチ数、及び給電点数を一般化して示すと以下の通りである。
N(Nは任意の自然数)×N MIMOを想定した場合、
給電点数:N
素子数:N+(N−1)
スイッチ数:(N−1)×2である。
なお、図示は省略するが、携帯無線機300に内蔵されるアンテナ装置310を、前記図2の場合と同様に、携帯無線機300筐体に対して横置きに搭載してもよい。
また、図8では、アンテナ装置310を、携帯無線機300筐体に内蔵した例を示したが、アンテナ装置310を携帯無線機300外部に露出させるなど、どのような箇所に設置してもよい。
図9A,Bは、上記アンテナ装置310を搭載する携帯無線機の概略構成を示す斜視図である。図9Aに示すように、アンテナ装置310を携帯無線機300Aの上部に配置してもよく、さらに図9Bに示すように、アンテナ装置310をカバー320で覆ってもよい。
以下、上述のように構成されたアンテナ装置310の動作について説明する。
基本動作は、実施の形態1と同様である。状況に応じて偏波特性を切り替える3×3MIMO通信を行う場合を例に採る。
図10A−Iは、アンテナ装置310の偏波特性の切り替えを説明する図であり、図10A,BはMIMOの垂直偏波、図10C−Iは携帯無線機300の受信端に少なくとも一つの斜め偏波を示す。また、図11〜図13は、図10A−Iの偏波特性の切り替えを表にして示す図である。図10A−I及び図11〜図13において、斜め偏波は垂直偏波に対する+45°及び−45°である。SW1,SW2,SW3は、スイッチ131,132,133を示し、Rx1,Rx2,Rx3はアンテナ装置310が接続される携帯無線機300の受信端をそれぞれ示す。なお、本アンテナ装置310が、MIMO通信を行う基地局側に適用される場合は、Rx1,Rx2,Rx3をTx1,Tx2,Tx3と読み替えればよい。
〔第1方式(Mode1)〕
図10A及び図11に示すように、スイッチ131(SW1)〜スイッチ134(SW4)をいずれもOFFする。すると、第2のアンテナ素子121,122は、第1のアンテナ素子111,112,113と切り離され、第1の偏波方向を受ける第1のアンテナ素子111,112,113のみがモノポールアンテナ動作をする。したがって、アンテナ装置310は、垂直−垂直−垂直の偏波のアンテナ特性となる。
〔第2方式(Mode2)〕
図10B及び図7に示すように、スイッチ131(SW1),134(SW4)をON、スイッチ132(SW2),133(SW3)をOFFする。すると、第1のアンテナ素子112と第2のアンテナ素子121,122が接続されるとともに、第2のアンテナ素子121と第1のアンテナ素子112とが切り離され、また第2のアンテナ素子122と第1のアンテナ素子113とが切り離される。第2のアンテナ素子121,122は、第1のアンテナ素子111,112,113に対して直交する方向に配置されているが、第1のアンテナ素子112の左右両側に均等に第2のアンテナ素子121,122が接続されているため、第2のアンテナ素子121、第1のアンテナ素子112及び第2のアンテナ素子122から構成されるアンテナ素子は垂直偏波となる。第1の偏波方向を受ける第1のアンテナ素子111,112,113は、モノポールアンテナ動作をする。したがって、アンテナ装置310は、垂直−垂直−垂直のアンテナ特性となる。
〔第3方式(Mode3)〕
図10C及び図11に示すように、スイッチ131(SW1)をON、スイッチ132(SW2)をOFF、スイッチ133(SW3)をOFF、スイッチ134(SW4)をONする。すると、第1のアンテナ素子111と第2のアンテナ素子121が接続され、第1のアンテナ素子113と第2のアンテナ素子122が接続され、第2のアンテナ素子121,122と第1のアンテナ素子112とが切り離される。第2のアンテナ素子121,122は、第1のアンテナ素子111,112,113に対して直交する方向に配置されているので、第1のアンテナ素子111と第2のアンテナ素子121とが接続されると、第1のアンテナ素子111及び第2のアンテナ素子121から構成されるアンテナ素子は垂直偏波に対して、+45°傾いた斜め偏波となる。同様に、第1のアンテナ素子113と第2のアンテナ素子122とが接続されると、第1のアンテナ素子113及び第2のアンテナ素子122から構成されるアンテナ素子は垂直偏波に対して、−45°傾いた斜め偏波となる。第1の偏波方向を受ける第1のアンテナ素子112は、モノポールアンテナ動作をする。したがって、アンテナ装置310は、45°−垂直−(−45°)の偏波のアンテナ特性となる。
〔第4方式(Mode4)〕
図10D及び図12に示すように、スイッチ131(SW1)をOFF、スイッチ132(SW2)をOFF、スイッチ133(SW3)をON、スイッチ134(SW4)をOFFする。すると、第1のアンテナ素子112と第2のアンテナ素子122が接続され、第2のアンテナ素子121と第1のアンテナ素子111とが切り離され、第2のアンテナ素子122と第1のアンテナ素子113とが切り離される。第2のアンテナ素子122は、第1のアンテナ素子111,112,113に対して直交する方向に配置されているので、第1のアンテナ素子112と第2のアンテナ素子122とが接続されると、第1のアンテナ素子112及び第2のアンテナ素子122から構成されるアンテナ素子は垂直偏波に対して、+45°傾いた斜め偏波となる。第1の偏波方向を受ける第1のアンテナ素子112,113は、モノポールアンテナ動作をする。したがって、アンテナ装置310は、垂直−45°−垂直の偏波のアンテナ特性となる。
〔第5方式(Mode5)〕
図10E及び図12に示すように、スイッチ131(SW1)をOFF、スイッチ132(SW2)をOFF、スイッチ133(SW3)をOFF、スイッチ134(SW4)をONする。すると、第1のアンテナ素子113と第2のアンテナ素子122が接続され、第2のアンテナ素子121と第1のアンテナ素子111とが切り離され、第2のアンテナ素子122と第1のアンテナ素子112とが切り離される。第2のアンテナ素子122は、第1のアンテナ素子111,112,113に対して直交する方向に配置されているので、第1のアンテナ素子113と第2のアンテナ素子122とが接続されると、第1のアンテナ素子113及び第2のアンテナ素子122から構成されるアンテナ素子は垂直偏波に対して、−45°傾いた斜め偏波となる。第1の偏波方向を受ける第1のアンテナ素子111,112は、モノポールアンテナ動作をする。したがって、アンテナ装置310は、垂直−垂直−(−45°)の偏波のアンテナ特性となる。
〔第6方式(Mode6)〕
図10F及び図12に示すように、スイッチ131(SW1)をOFF、スイッチ132(SW2)をON、スイッチ133(SW3)をOFF、スイッチ134(SW4)をONする。すると、第1のアンテナ素子112と第2のアンテナ素子121が接続され、第1のアンテナ素子113と第2のアンテナ素子122が接続され、第2のアンテナ素子121と第1のアンテナ素子111とが切り離され、第2のアンテナ素子122と第1のアンテナ素子112とが切り離される。第2のアンテナ素子121,122は、第1のアンテナ素子111,112,113に対して直交する方向に配置されているので、第1のアンテナ素子112と第2のアンテナ素子121とが接続されると、第1のアンテナ素子112及び第2のアンテナ素子121から構成されるアンテナ素子は垂直偏波に対して、−45°傾いた斜め偏波となる。また、第1のアンテナ素子113と第2のアンテナ素子122とが接続されると、第1のアンテナ素子113及び第2のアンテナ素子122から構成されるアンテナ素子も垂直偏波に対して、−45°傾いた斜め偏波となる。第1の偏波方向を受ける第1のアンテナ素子111は、モノポールアンテナ動作をする。したがって、アンテナ装置310は、垂直−(−45°)−(−45°)の偏波のアンテナ特性となる。
〔第7方式(Mode7)〕
図10G及び図13に示すように、スイッチ131(SW1)をOFF、スイッチ132(SW2)をON、スイッチ133(SW3)をOFF、スイッチ134(SW4)をOFFする。すると、第1のアンテナ素子112と第2のアンテナ素子121が接続され、第2のアンテナ素子122と第1のアンテナ素子112,113とが切り離される。第2のアンテナ素子121は、第1のアンテナ素子111,112,113に対して直交する方向に配置されているので、第1のアンテナ素子112と第2のアンテナ素子121とが接続されると、第1のアンテナ素子112及び第2のアンテナ素子121から構成されるアンテナ素子は垂直偏波に対して、−45°傾いた斜め偏波となる。第1の偏波方向を受ける第1のアンテナ素子111,113は、モノポールアンテナ動作をする。したがって、アンテナ装置310は、垂直−(−45°)−垂直の偏波のアンテナ特性となる。
〔第8方式(Mode8)〕
図10H及び図13に示すように、スイッチ131(SW1)をON、スイッチ132(SW2)をOFF、スイッチ133(SW3)をOFF、スイッチ134(SW4)をOFFする。すると、第1のアンテナ素子111と第2のアンテナ素子121が接続され、第2のアンテナ素子122と第1のアンテナ素子112,113とが切り離される。第2のアンテナ素子121は、第1のアンテナ素子111,112,113に対して直交する方向に配置されているので、第1のアンテナ素子111と第2のアンテナ素子121とが接続されると、第1のアンテナ素子111及び第2のアンテナ素子121から構成されるアンテナ素子は垂直偏波に対して、+45°傾いた斜め偏波となる。第1の偏波方向を受ける第1のアンテナ素子112,113は、モノポールアンテナ動作をする。したがって、アンテナ装置310は、45°−垂直−垂直の偏波のアンテナ特性となる。
〔第9方式(Mode9)〕
図10I及び図13に示すように、スイッチ131(SW1)をON、スイッチ132(SW2)をOFF、スイッチ133(SW3)をON、スイッチ134(SW4)をOFFする。すると、第1のアンテナ素子111と第2のアンテナ素子121が接続されるとともに、第1のアンテナ素子112と第2のアンテナ素子122が接続され、第2のアンテナ素子122と第1のアンテナ素子113とが切り離される。第2のアンテナ素子121,122は、第1のアンテナ素子111,112,113に対して直交する方向に配置されているので、第1のアンテナ素子111と第2のアンテナ素子121とが接続され、かつ第1のアンテナ素子112と第2のアンテナ素子122とが接続されると、第1のアンテナ素子111及び第2のアンテナ素子121から構成されるアンテナ素子と第1のアンテナ素子112及び第2のアンテナ素子122から構成されるアンテナ素子とはいずれも垂直偏波に対して、+45°傾いた斜め偏波となる。第1の偏波方向を受ける第1のアンテナ素子113は、モノポールアンテナ動作をする。したがって、アンテナ装置310は、45°−45°−垂直の偏波のアンテナ特性となる。
このように、スイッチ131〜134(SW1〜SW4)を切り替えることで、アンテナ装置310は、図12及び図13に示す表の組み合わせの偏波のアンテナ特性を得ることが可能になる。これにより、基地局のアンテナ構成、伝播中の偏波の回転、端末(携帯無線機300)の傾きなどにより、受信アンテナにおいて偏波の不整合が起きた場合においても、アンテナ偏波の各種バリエーションにより受信強度の改善が可能であり、MIMO、ダイバーシチ通信の受信信号強度改善に有効である。すなわち、スイッチ131〜134(SW1〜SW4)を切り替え、動作するアンテナ素子を変化させることによって、実施の形態1,2の場合よりさらに多くのバリエーションで偏波特性を切り替えることが可能となり、時々刻々と変化する基地局と端末間の偏波状況に対応するアンテナ性能を提供することができる。その結果、多様な偏波環境、使用形態においても伝送容量を向上させることができる。
ここで、本アンテナ装置310は、同一の構成で受信側と送信側といずれにも使用可能である。アンテナ装置310の給電点を直結する場合について補足して説明する。
図14は、アンテナ装置310の給電点直結の接続方法を説明する図である。
アンテナ装置310を受信側で使用する場合には、アンテナ装置310の給電点を直結しても問題はない。しかし、アンテナ装置310を送信側の、例えば基地局で使用する場合には、アンテナ装置310の給電点を直結する接続はできない。例えば、アンテナ装置310を送信側で使用する場合は、図14に示すスイッチ131(SW1)とスイッチ132(SW2)がON、又はスイッチ133(SW3)とスイッチ134(SW4)がONするスイッチ動作の組み合わせは、実施できない。
(実施の形態4)
図15は、本発明の実施の形態4に係る複数アンテナ素子を用いるアンテナ装置を搭載する携帯無線機の概略構成を示す斜視図である。本実施の形態の説明にあたり、図1及び図8と同一構成部分には、同一符号を付して重複箇所の説明を省略する。
図15A,Bにおいて、携帯無線機400Aは、本体上部にMIMO通信、又はダイバーシチ通信に使用される複数アンテナ素子を用いるアンテナ装置410を配置する。
アンテナ装置410は、第1の偏波方向用の複数の第1のアンテナ素子111,112,113と、第1の偏波方向と直交する方向に設けられた第2のアンテナ素子121,122と、複数の第1のアンテナ素子111,112,113の一端に設けられ、第1のアンテナ素子111,112,113と第2のアンテナ素子121,122の接続を切り替える複数のスイッチ131,132,133,134(図15Aでは図示略)と、複数の第1のアンテナ素子111,112,113にそれぞれ設けられた給電部141,142,143(図15Aでは図示略)とを備えて構成される。
アンテナ装置410は、第2のアンテナ素子121,122及びスイッチ131,132,133,134の配置が、図8の第1のアンテナ素子111,112,113の給電部141,142,143側から、その反対側に設置されている点のみが異なる。
また、図9Bに示すように、アンテナ装置410を携帯無線機400Aの上部に配置し、さらにカバー420で覆ってもよい。
上述のように構成されたアンテナ装置410の動作は、実施の形態3と同様であるため説明を省略する。
このように、本実施の形態によれば、実施の形態3と同様に、スイッチ131〜134(SW1〜SW4)を切り替えることで、各種組み合わせの偏波のアンテナ特性を得ることが可能になる。これにより、基地局のアンテナ構成、伝播中の偏波の回転、端末(携帯無線機400)の傾きなどにより、受信アンテナにおいて偏波の不整合が起きた場合においても、アンテナ偏波の各種バリエーションにより受信強度の改善が可能であり、MIMO、ダイバーシチ通信の受信信号強度改善に有効である。また、本実施の形態では、実施の形態3と同様に、スイッチ131〜134(SW1〜SW4)を切り替え、動作するアンテナ素子を変化させることによって、実施の形態1,2の場合よりさらに多くのバリエーションで偏波特性を切り替えることが可能となり、時々刻々と変化する基地局と端末間の偏波状況に対応するアンテナ性能を提供することができる。その結果、多様な偏波環境、使用形態においても伝送容量を向上させることができる。
(実施の形態5)
図16は、本発明の実施の形態5に係る複数アンテナ素子を用いるアンテナ装置を搭載する携帯無線機の概略構成を示す斜視図である。本実施の形態の説明にあたり、図1及び図9Aと同一構成部分には、同一符号を付して重複箇所の説明を省略する。
図16において、携帯無線機500Aは、本体上部にMIMO通信、又はダイバーシチ通信に使用される複数アンテナ素子を用いるアンテナ装置310を配置する。
また、携帯無線機500Aは、本体内部にアンテナ装置310のスイッチ131,132,133,134(図示略)を切り替え制御するスイッチコントローラ501と、スイッチコントローラ501を制御するスイッチコントローラ命令部502と、通信容量を計算する通信容量計算部503とを備える。
上記スイッチコントローラ命令部502及び通信容量計算部503は、マイクロプロセッサ等により構成してもよいし、論理回路及びタイマ等の電子回路により構成してもよい。また、マイクロプロセッサ等で構成する場合は、携帯無線機500Aが本体機能として備えるCPU等の資源を使用してもよい。
以下、上述のように構成されたアンテナ装置310を備える携帯無線機500Aの動作について説明する。アンテナ装置310の動作は、実施の形態3と同様であるため説明を省略し、本実施の形態の特徴動作について述べる。
スイッチコントローラ命令部502は、スイッチコントローラ501を介して、スイッチ131,132,133,134を所定の動作モードで順次切り替える。例えば、スイッチコントローラ命令部502は、スイッチコントローラ501に対してスイッチ131,132,133,134を、前記図10A−C及び図11に示すようなMode1⇒Mode2⇒Mode3となるスイッチ構成に切り替える命令を出す。これにより、スイッチ131,132,133,134は、上記Mode1⇒Mode2⇒Mode3となるスイッチ構成に順次切替わる。
通信容量計算部503は、Mode1⇒Mode2⇒Mode3となるスイッチ構成に切り替えた場合の通信容量をそれぞれ検知する。そして、通信容量計算部503は、各Modeの通信容量を比較し、最大通信容量が得られた〔Mode〕を通知する信号をスイッチコントローラ命令部502に出力する。スイッチコントローラ命令部502は、最大通信容量が得られた〔Mode〕となるスイッチ構成に切り替える命令を出す。これにより、携帯無線機500Aは、最大通信容量が得られた〔Mode〕で通信が行われるように運用される。
以上の動作フローは、任意のタイミングで実施される。また、一定時間経過毎に実施することも可能である。
このように、本実施の形態によれば、携帯無線機500Aは、最大通信容量が得られた〔Mode〕で通信が行われるようにスイッチ131〜134(SW1〜SW4)を切り替えることで、基地局のアンテナ構成、伝播中の偏波の回転、端末(携帯無線機500A)の傾きなどにより、受信アンテナにおいて偏波の不整合が起きた場合においても、最も良い受信信号強度で偏波特性を切り替えることが可能となり、時々刻々と変化する基地局と端末間の偏波状況に対応するアンテナ性能を提供することができる。その結果、多様な偏波環境、使用形態においても伝送容量をより一層向上させることができる。
また、携帯無線機500Aが本体機能として備えるCPU等の資源を使用してスイッチコントローラ命令部502及び通信容量計算部503を構成することで、部材の追加がなく、実施が容易であるという効果がある。また、仕様の設定・変更も簡単に行える利点がある。
なお、本実施の形態と上記各実施の形態1乃至4とを組合わせてよいことは言うまでもない。
以上の説明は本発明の好適な実施の形態の例証であり、本発明の範囲はこれに限定されることはない。
ダイバーシチ動作、MIMO通信、又はアダプティブアレーアンテナ動作を行う複数アンテナ素子を用いるアンテナ装置を備える通信装置であればどのような装置にも適用できる。例えば、携帯電話機/PHS(Personal Handy-Phone System)は勿論のこと、PDA(Personal Digital Assistants)等の携帯情報端末、ノート型パソコン等の情報処理装置にも適用可能である。
また、上記各実施の形態において、使用周波数帯は、DTV帯域に限らずどのような帯域でもよい。複数の周波数帯に対応した携帯無線機として、日本では900MHz帯を使用するPDC(Personal Digital Cellular)と2GHz帯を使用するCDMA(Code Division Multiple Access)とを併用できる携帯無線機が商品化されている。海外でも900MHz帯を使用するGSM(Global System for Mobile Communications)と、1.8GHz帯を使用するDCS(Digital Communication System)と、1.9GHz帯を使用するPCS(Personal Communication Services)、2GHz帯を使用するUMTS(Universal Mobile Telecommunications System)とを併用できる携帯無線機が商品化されている。例えば、第1周波数帯が2GHzのシングルバンドであり、第2周波数帯が900MHz帯、1.8GHz帯及び1.9GHz帯の3バンドである場合でもよい。
また、上記各実施の形態では、携帯無線機という名称を用いたが、これは説明の便宜上であり、携帯電話機、無線通信装置等でもよいことは勿論である。また、アンテナ装置を備える通信装置は、送信側の例えば基地局装置であってもよい。
また、上記携帯無線機を構成する各回路部の種類、数及び接続方法などは前述した実施の形態に限られない。
本発明に係るアンテナ装置及び通信装置は、ダイバーシチ動作、MIMO通信、又はアダプティブアレーアンテナ動作を行う複数アンテナ素子を用いるアンテナ装置を備える通信装置を提供できる。また、時々刻々と変化する基地局と端末間の偏波状況により低下、又は変動する受信信号に対して、最適なアンテナ性能を提供することができ、特にダイバーシチ動作、MIMO通信、アダプティブアレーアンテナ動作を行う複数アンテナ素子を用いる通信において、通信容量の減少を防ぐ効果を有する技術に有用である。
本発明は、携帯電話機等のアンテナ装置及び通信装置に関し、特に、ダイバーシチ動作、MIMO(Multiple-Input Multiple-Output)通信、又はアダプティブアレーアンテナ動作を行う複数アンテナ素子を用いるアンテナ装置及び通信装置に関する。
アンテナ装置は、各種の通信機器に備えられて所定周波数帯域の電波を送受信する。携帯電話機に代表される携帯無線機の普及と共にその応用範囲が拡大してきたため、携帯無線機のアンテナの広帯域性がより一層求められている。また、携帯無線機においては、急速的な普及に伴って1つの無線通信システムにおける回線数だけでは不足する傾向にある。このため、異なる周波数帯域を使用している他の無線通信システムと併用し、必要な回線数を確保することが考えられており、小型軽量化技術の著しい進歩により1つの携帯無線機で2種類の無線通信システムを利用することが可能な端末が開発されている。さらに、例えば、地上波デジタルテレビジョン放送の受信には、UHF帯で数百MHzの帯域幅が必要と考えられている。また、1基のアンテナにより周波数帯を異にする無線LAN(以下、WLAN:Wireless Local Area Networkという)の複数の規格に対応して無線装置の小型化を図るには、例えば2.4GHz帯と5.2GHz帯をカバーするアンテナが必要である。
また、移動体通信システムの移動局と基地局との通信においては、様々な電波伝搬環境により受信信号レベルが変動するフェージングを生じる場合が多い。フェージングに対する効果的な対策としてアンテナ選択ダイバーシチや合成ダイバーシチがある。アンテナ選択ダイバーシチでは、通常アンテナを複数個設置して、フェージングで受信状態が悪化したときに条件の良いアンテナを選択して通信を行う。例えば、同一周波数を時分割して複数ユーザで共有するTDMA(Time Division Multiple Access)通信方式におけるアンテナ選択ダイバーシチ装置がある。
また近年、無線通信においては、伝送効率の向上を図ることができる技術としてMIMO通信が注目されている。MIMO通信においては、複数の送信アンテナを備えた送信装置が各送信アンテナから複数のビットで構成されるストリームを同時に送信し、複数の受信アンテナを備えた受信装置が送信装置におけるストリームを分離して復調する。したがって、送信装置のすべての送信アンテナから互いに異なるストリームが同時に送信される場合は、理論的には送信アンテナが1本の場合に比べて伝送効率を送信アンテナ数倍に向上することができる。
複数のアンテナ素子を搭載し、ダイバーシチ動作、MIMO通信、アダプティブアレーアンテナ動作を用いる通信では、時々刻々と変化する基地局と端末間の偏波状況の変動、受信信号の変動に対して、あるアンテナ単一の指向性のみでは、受信信号の特に偏波特性変動に対応することは困難である。通信容量の確保には偏波特性変動に柔軟に対応するアンテナシステムが必要である。
この対策として、偏波を利用し、通信容量の向上を図る、特許文献1乃至特許文献4に記載されたものが知られている。
特許文献1には、基地局が偏波特性を切り替えて、また端末側もその基地局からの偏波特性に一致した偏波で受信を行う適応アレーアンテナを用いた通信装置及び方法が記載されている。特許文献1記載の装置は、基地局が垂直偏波を出力した場合、端末側も垂直偏
波で受信を行う。これにより、端末及び基地局のアンテナ偏波が一致し、通信容量の向上を図ることができる。さらに、この通信を各端末ごとに異なる偏波で行うことで、各端末対基地局の通信パスの干渉を抑える。
特許文献2には、基地局に偏波の異なるアンテナ素子を複数持たせ、このアンテナ群の中で選択ダイバーシチ及びMIMO動作を行い、通信容量の向上を図る電波送受信装置が記載されている。
特許文献3には、多数のアンテナ素子から複数のアンテナ素子を用いて指向性合成を行った上でMIMOを行うアンテナ装置が記載されている。
特許文献4には、基地局及び端末ともに偏波の異なる複数のアンテナ素子を用意しMIMOを行うMIMO無線通信システムが記載されている。これにより、各MIMOの伝播パスにおける送受信のアンテナ素子の指向性及び偏波が異なり、各伝播パスの分離度が向上することで、通信容量の向上を図る。
特開2004−80353号公報 特開2004−312381号公報 特開2005−86518号公報 特表2004−517549号公報
しかしながら、このような従来の複数のアンテナ素子を搭載する携帯無線機にあっては、以下のような問題があった。
(1)特許文献1の記載の装置は、基地局がアンテナにより偏波特性を切り替えて端末と通信し、端末毎に基地局からの偏波を切り替えることで各通信のパスの分離特性を改善する。しかしこの技術では、基地局からの偏波は伝搬環境によって変化してしまうので、端末においてパスの分離度を維持することが困難である。また、携帯電話では端末の偏波も一定ではないためパスの分離は困難である。
(2)特許文献2に記載の装置は、互いに異なる偏波の複数のアンテナ素子を持つアンテナ群の中で最良と思われるアンテナ素子を選択し、そのアンテナ素子を用いてダイバーシチ、MIMOを行う。しかしこの技術では、偏波をアンテナ毎に変えてMIMOの伝送容量を向上させようとするものの、端末が傾くことが考慮されていないため、傾き条件によっては伝送容量が劣化する場合がある。
(3)特許文献3に記載の装置は、多数のアンテナ素子から複数のアンテナ素子を用いて指向性合成を行った上でMIMOを行う。つまり、複数のアンテナ素子を用いて振幅、位相を調整後に指向性合成を行うことで、各種伝播特性、偏波特性に適応した指向性を得ている。この技術では、基地局、伝播環境、端末の運用状態の依存しない最適な偏波特性のアンテナを端末側で得ることについては開示されていない。また、電力損失が極力少なく、場所・時間により変化する偏波特性に対応した各種偏波バリエーションをアンテナ装置で提供することについては開示されていない。
(4)特許文献4に記載の装置は、基地局、端末ともに偏波の異なる複数のアンテナ素
子を用意しMIMOを行う。伝播環境の変化に応じて各アンテナの偏波を切り替えなどを行っているわけではなく、常に同じ指向性、偏波特性のアンテナを用いている。この技術では、特許文献3に記載の装置と同様に、基地局、伝播環境、端末の運用状態の依存しない最適な偏波特性のアンテナを端末側で得ることについて、また、電力損失が極力少なく、場所・時間により変化する偏波特性に対応した各種偏波バリエーションをアンテナ装置で提供することについては開示されていない。
したがって、従来の複数アンテナ素子を用いるアンテナ装置及び通信装置にあっては、基地局と端末で通信を行う場合、基地局アンテナの偏波、基地局と端末間の電波伝搬特性による偏波特性の変化、端末における使用者の使用方法、傾きなどによる各種状況に応じて発生する偏波の変化に対して、アンテナとして偏波変化に追従して対応し、より高い、より安定した通信容量を得る必要がある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、アンテナの持つ偏波特性を切り替えることができ、時々刻々と変化する基地局と端末間の偏波状況により低下、又は変動する受信信号に対して通信容量の減少を防いで、多様な偏波環境、使用形態においても伝送容量を向上させることのできるアンテナ装置及び通信装置を提供することを目的とする。
本発明のアンテナ装置は、第1の偏波方向用の少なくとも2つの第1のアンテナ素子と、前記第1の偏波方向と直交する方向に設けられた第2のアンテナ素子と、前記複数の第1のアンテナ素子と前記第2のアンテナ素子の接続を切り替えるスイッチと、前記複数の第1のアンテナ素子にそれぞれ設置した給電部と、を備える構成を採る。
本発明の通信装置は、MIMO又はダイバーシチに使用されるアンテナ装置を備える通信装置であって、上記アンテナ装置を備える構成を採る。
本発明によれば、アンテナの持つ偏波特性を切り替えることにより、時々刻々と変化する基地局と端末間の偏波状況により低下、又は変動する受信信号に対して、最適なアンテナ性能を提供することができ、ダイバーシチ動作、MIMO通信、又はアダプティブアレーアンテナ動作を行う複数アンテナ素子を用いる通信において、通信容量の減少を防ぐ効果を奏する。例えば、基地局アンテナの偏波特性、基地局と端末間の電波伝搬特性、端末における使用者の使用方法、傾きなどによる各種状況に応じて発生する偏波の変化に対して柔軟に対応することが可能になり、最良の信号強度を得ることができ、通信容量の減少を防いで、多様な偏波環境、使用形態においても伝送容量を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る複数アンテナ素子を用いるアンテナ装置を搭載する携帯無線機の概略構成を示す図である。本実施の形態は、MIMO通信、又はダイバーシチ通信に使用される端末用アンテナ装置を搭載する携帯無線機に適用した例である。
図1において、携帯無線機100は、筐体内部にMIMO通信、又はダイバーシチ通信に使用される複数アンテナ素子を用いるアンテナ装置110を搭載する。
携帯無線機100は、MIMO通信、又はダイバーシチ通信に使用される複数アンテナ素子を用いるアンテナ装置110を搭載する携帯無線機であればよく、例えば、携帯電話機/PHS(Personal Handy-Phone System)である。また、PDA(Personal Digital Assistants)等の携帯情報端末、ノート型パソコン等の情報処理装置にも適用可能である。
携帯無線機100筐体は、絶縁体である樹脂の成型品、例えば非導電性のABS樹脂により構成される。また、筐体は、アンテナ素子の近接時のアンテナ効率劣化対策として、メタマテリアルなどを用いるとアンテナ効率低下の対策となる。なお、図示は省略するが、携帯無線機100本体には、LCD表示部、サブ画面表示部、着信音等を出力するスピーカ、画像を撮影するカメラ部、外部機器と接続するコネクタ部などが設けられる。
アンテナ装置110は、第1の偏波方向用の複数の第1のアンテナ素子111,112と、第1の偏波方向と直交する方向に設けられた第2のアンテナ素子121と、複数の第1のアンテナ素子111,112と第2のアンテナ素子121の接続を切り替える複数のスイッチ131,132と、複数の第1のアンテナ素子111,112にそれぞれ設けられた給電部141,142とを備えて構成される。
図1に示すように、アンテナ装置110は、3つのアンテナ素子(第1のアンテナ素子111,112及び第2のアンテナ素子121)をコの字型に配置し、各アンテナ素子間に2つのスイッチ(スイッチ131,132)を配置し、第1のアンテナ素子111,112の一端に2つの給電部(給電部141,142)を配置する構成を採る。
第1のアンテナ素子111,112及び第2のアンテナ素子121は、金属フレームから構成され、長手方向に約λ(λは波長)/4の長さとする。筐体と平行となるアンテナ素子に関して、なるべくアンテナ素子を筐体から離した方がアンテナ効率が向上し有利である。材質は電波が伝搬する材質であることは勿論のこと、使用周波数でロスの少ない、高い導電性を有し、かつ軽量で強度が高い金属、例えば銅、鉄、マグネシウム合金を用いる。
スイッチ131,132は、図示しない制御部からの制御信号に従って、第2のアンテナ素子121と第1のアンテナ素子111及び/又は第1のアンテナ素子112との接続を切り替える。また、図示しない制御部は、偏波方向により接続を切り替えるための制御信号をスイッチ131,132に出力する。
スイッチ131,132は、スイッチONの場合、極力使用周波数でロスがなく、スイッチOFFの場合、スイッチ両端子で使用周波数において極力アイソレーションがあるスイッチを用いる。また、スイッチ131,132は、送信時に送信波の大電力に耐えうる必要がある。例えば、低損失なMEMS(Microelectoromechanical Systems)スイッチを用いることが好ましい。なお、スイッチ131,132の切り替えの組み合わせの具体例については後述する。
給電部141,142は、導電性の金属から構成され、第1のアンテナ素子111,112に接続し給電する。
上記第1のアンテナ素子111及び給電部141は、スイッチ131がOFFし、第1のアンテナ素子111と第2のアンテナ素子121とが切り離されている場合、モノポールアンテナとして動作する。上記第1のアンテナ素子112及び給電部142についても同様に、スイッチ132がOFFし、第1のアンテナ素子112と第2のアンテナ素子121とが切り離されている場合、モノポールアンテナとして動作する。また、この2つのモノポール給電間を繋ぐように第1のアンテナ素子111,112と直交して第2のアンテナ素子121が配置される。
ここで、携帯無線機100に内蔵されるアンテナ装置110を、携帯無線機100筐体に対して横置きに搭載してもよい。
図2は、上記アンテナ装置110を搭載する携帯無線機100の概略構成を示す図である。図1と同一構成部分には、同一符号を付している。
図2に示すように、アンテナ装置110は、携帯無線機100筐体に対して、コの字型の3つのアンテナ素子が横置きに配置される。アンテナ装置110を横置きに配置しても
図1の場合と特性上の優劣はない。アンテナ装置110を横置きに配置することで、筐体内における部品配置の自由度を高めることができる。
以下、上述のように構成されたアンテナ装置110の動作について説明する。
各種偏波に対応するため、状況に応じて偏波特性を切り替えるMIMO通信を行う場合を例に採る。
図3A−Cは、アンテナ装置110の偏波特性の切り替えを説明する図であり、図3AはMIMOの垂直偏波、図3Bは斜め偏波(MIMO+)、図3Cは斜め偏波(MIMO−)を示す。また、図4は、図3A−Cの偏波特性の切り替えを表にして示す図である。図3A−C及び図4において、斜め偏波は垂直偏波に対する+45°及び−45°である。偏波の方向は、図中矢印の向きで示している。SW1,SW2は、スイッチ131,132を示し、Rx1,Rx2はアンテナ装置110が接続される携帯無線機100の受信端をそれぞれ示す。Vは垂直偏波を示す。なお、本アンテナ装置110が、MIMO通信を行う基地局側に適用される場合は、Rx1,Rx2をTx1,Tx2と読み替えればよい。
〔第1方式(Mode1)〕
図3A及び図4に示すように、スイッチ131(SW1)及びスイッチ132(SW2)をいずれもOFFする。すると、第2のアンテナ素子121は、第1のアンテナ素子111及び第1のアンテナ素子112と切り離され、第1の偏波方向を受ける第1のアンテナ素子111,112のみがモノポールアンテナ動作をする。したがって、アンテナ装置110は、垂直−垂直の偏波のアンテナ特性となる。
〔第2方式(Mode2)〕
図3B及び図4に示すように、スイッチ131(SW1)をON、スイッチ132(SW2)をOFFする。すると、第1のアンテナ素子111と第2のアンテナ素子121が接続されるとともに、第2のアンテナ素子121と第1のアンテナ素子112とが切り離される。第2のアンテナ素子121は、第1のアンテナ素子111に対して直交する方向に配置されているので、第1のアンテナ素子111と第2のアンテナ素子121とが接続されると、第1のアンテナ素子111及び第2のアンテナ素子121から構成されるアンテナ素子は垂直偏波に対して、+45°傾いた斜め偏波となる。第1の偏波方向を受ける第1のアンテナ素子112は、モノポールアンテナ動作をする。したがって、アンテナ装置110は、+45°−垂直の偏波のアンテナ特性となる。
〔第3方式(Mode3)〕
図3C及び図4に示すように、スイッチ131(SW1)をOFF、スイッチ132(SW2)をONする。すると、第1のアンテナ素子112と第2のアンテナ素子121が接続されるとともに、第2のアンテナ素子121と第1のアンテナ素子111とが切り離される。第2のアンテナ素子122は、第2のアンテナ素子121と同様に、第1のアンテナ素子111に対して直交する方向に配置されているので、第1のアンテナ素子112と第2のアンテナ素子121とが接続されると、第1のアンテナ素子112及び第2のアンテナ素子121から構成されるアンテナ素子は垂直偏波に対して、−45°傾いた斜め偏波となる。第1の偏波方向を受ける第1のアンテナ素子111は、モノポールアンテナ動作をする。したがって、アンテナ装置110は、垂直−(−45°)の偏波のアンテナ特性となる。
図4の表に示すように、スイッチ131(SW1)及びスイッチ132(SW2)を切り替えることで、アンテナ装置110は、垂直−垂直、45°−垂直、及び垂直−(−4
5°)の3通りの偏波のアンテナ特性を得ることが可能になる。これにより、基地局のアンテナ構成、伝播中の偏波の回転、端末(携帯無線機100)の傾きなどにより、受信アンテナにおいて偏波の不整合が起きた場合においても、アンテナ偏波の3バリエーションにより受信強度の改善が可能であり、MIMO、ダイバーシチ通信の受信信号強度改善に有効である。
以上のように、本実施の形態によれば、アンテナ装置110は、第1の偏波方向用の複数の第1のアンテナ素子111,112と、第1の偏波方向と直交する方向に設けられた第2のアンテナ素子121と、複数の第1のアンテナ素子111,112と第2のアンテナ素子121の接続を切り替える複数のスイッチ131,132と、複数の第1のアンテナ素子111,112にそれぞれ設けられた給電部141,142とを備え、スイッチ131,132を切り替え、動作するアンテナ素子を変化させることによって、アンテナ装置110の持つ偏波特性を切り替えることが可能となり、時々刻々と変化する基地局と端末間の偏波状況に対応するアンテナ性能を提供することができる。これにより、多様な偏波環境、使用形態においても伝送容量を向上させることができる。例えば、図1に示すアンテナ装置110を搭載する携帯無線機100の場合、MIMO通信又はダイバーシチ通信において、基地局の偏波、伝播中の偏波の変動、端末の傾きによる偏波の変化による各種原因による偏波の変動が生じた場合でも、アンテナ装置110の装荷されているスイッチ131,132を制御し、運用状態に応じて最適な偏波特性のアンテナ指向性を得ることで、伝送容量が高いMIMO通信又はダイバーシチ通信が可能となる。
また、本実施の形態では、スイッチ131,132に、低損失なMEMSスイッチを用いることで、切り替えによる電力損失が軽減され、通信容量の低下を防止することができる。
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2に係る複数アンテナ素子を用いるアンテナ装置を搭載する携帯無線機の概略構成を示す図である。本実施の形態の説明にあたり、図1と同一構成部分には、同一符号を付して重複箇所の説明を省略する。
図5において、携帯無線機200は、筐体内部にMIMO通信、又はダイバーシチ通信に使用される複数アンテナ素子を用いるアンテナ装置210を搭載する。
アンテナ装置210は、第1の偏波方向用の複数の第1のアンテナ素子111,112と、第1の偏波方向と直交する方向に設けられた第2のアンテナ素子121と、複数の第1のアンテナ素子111,112の一端に設けられ、第1のアンテナ素子111,112と第2のアンテナ素子121の接続を切り替える複数のスイッチ131,132と、複数の第1のアンテナ素子111,112の他端にそれぞれ設けられた給電部141,142とを備えて構成される。
アンテナ装置210は、第2のアンテナ素子121及びスイッチ131,132の配置が、図1の第1のアンテナ素子111,112の給電部141,142側から、その反対側に設置されている点のみが異なる。このため、アンテナ装置210は、図1のアンテナ装置110と同様に、3つのアンテナ素子(第1のアンテナ素子111,112及び第2のアンテナ素子121)をコの字型に配置し、各アンテナ素子間に2つのスイッチ(スイッチ131,132)を配置し、第1のアンテナ素子111,112の一端に2つの給電部(給電部141,142)を配置する構成を採る。
なお、図示は省略するが、携帯無線機200に内蔵されるアンテナ装置210を、前記図2の場合と同様に、携帯無線機200筐体に対して横置きに搭載してもよい。
以下、上述のように構成されたアンテナ装置210の動作について説明する。
基本動作は、実施の形態1と同様である。状況に応じて偏波特性を切り替えるMIMO通信を行う場合を例に採る。
図6A−Cは、アンテナ装置210の偏波特性の切り替えを説明する図であり、図6AはMIMOの垂直偏波、図6Bは斜め偏波(MIMO−)、図6Cは斜め偏波(MIMO+)を示す。また、図7は、図6A−Cの偏波特性の切り替えを表にして示す図である。図6A−C及び図7において、斜め偏波は垂直偏波に対する+45°及び−45°である。SW1,SW2は、スイッチ131,132を示し、Rx1,Rx2はアンテナ装置210が接続される携帯無線機200の受信端をそれぞれ示す。Vは垂直偏波を示す。なお、本アンテナ装置210が、MIMO通信を行う基地局側に適用される場合は、Rx1,Rx2をTx1,Tx2と読み替えればよい。
〔第4方式(Mode4)〕
図6A及び図7に示すように、スイッチ131(SW1)及びスイッチ132(SW2)をいずれもOFFする。すると、第2のアンテナ素子121は、第1のアンテナ素子111及び第1のアンテナ素子112と切り離され、第1の偏波方向を受ける第1のアンテナ素子111,112のみがモノポールアンテナ動作をする。したがって、アンテナ装置210は、垂直−垂直の偏波のアンテナ特性となる。
〔第5方式(Mode5)〕
図6B及び図7に示すように、スイッチ131(SW1)をON、スイッチ132(SW2)をOFFする。すると、第1のアンテナ素子111と第2のアンテナ素子121が接続されるとともに、第2のアンテナ素子121と第1のアンテナ素子112とが切り離される。第2のアンテナ素子121は、第1のアンテナ素子111に対して直交する方向に配置されているので、第1のアンテナ素子111と第2のアンテナ素子121とが接続されると、第1のアンテナ素子111及び第2のアンテナ素子121から構成されるアンテナ素子は垂直偏波に対して、−45°傾いた斜め偏波となる。第1の偏波方向を受ける第1のアンテナ素子112は、モノポールアンテナ動作をする。したがって、アンテナ装置210は、−45°−垂直の偏波のアンテナ特性となる。
〔第6方式(Mode6)〕
図6C及び図7に示すように、スイッチ131(SW1)をOFF、スイッチ132(SW2)をONする。すると、第1のアンテナ素子112と第2のアンテナ素子121が接続されるとともに、第2のアンテナ素子121と第1のアンテナ素子111とが切り離される。第2のアンテナ素子121は、第2のアンテナ素子121と同様に、第1のアンテナ素子111に対して直交する方向に配置されているので、第1のアンテナ素子112と第2のアンテナ素子121とが接続されると、第1のアンテナ素子112及び第2のアンテナ素子121から構成されるアンテナ素子は垂直偏波に対して、+45°傾いた斜め偏波となる。第1の偏波方向を受ける第1のアンテナ素子111は、モノポールアンテナ動作をする。したがって、アンテナ装置210は、垂直−45°の偏波のアンテナ特性となる。
このように、図7の表に示すように、スイッチ131(SW1)及びスイッチ132(SW2)を切り替えることで、アンテナ装置210は、垂直−垂直、−45°−垂直、及び垂直−45°の3通りの偏波のアンテナ特性を得ることが可能になる。これにより、基地局のアンテナ構成、伝播中の偏波の回転、端末(携帯無線機200)の傾きなどにより、受信アンテナにおいて偏波の不整合が起きた場合においても、アンテナ偏波の3バリエ
ーションにより受信強度の改善が可能であり、MIMO、ダイバーシチ通信の受信信号強度改善に有効である。すなわち、実施の形態1の場合と同様に、スイッチ131,132を切り替え、動作するアンテナ素子を変化させることによって、アンテナ装置110の持つ偏波特性を切り替えることが可能となり、時々刻々と変化する基地局と端末間の偏波状況に対応するアンテナ性能を提供することができる。これにより、多様な偏波環境、使用形態においても伝送容量を向上させることができる。
(実施の形態3)
実施の形態1,2では、2×2MIMO通信、又はダイバーシチ通信に使用される複数アンテナ素子を用いるアンテナ装置について説明した。実施の形態3は、3×3MIMO通信、又はダイバーシチ通信に使用される複数アンテナ素子を用いるアンテナ装置について説明する。
図8は、本発明の実施の形態3に係る複数アンテナ素子を用いるアンテナ装置を搭載する携帯無線機の概略構成を示す図である。本実施の形態の説明にあたり、図1と同一構成部分には、同一符号を付して重複箇所の説明を省略する。
図8において、携帯無線機300は、筐体内部にMIMO通信、又はダイバーシチ通信に使用される複数アンテナ素子を用いるアンテナ装置310を搭載する。
アンテナ装置310は、第1の偏波方向用の複数の第1のアンテナ素子111,112,113と、第1の偏波方向と直交する方向に設けられた第2のアンテナ素子121,122と、複数の第1のアンテナ素子111,112,113と第2のアンテナ素子121,122の接続を切り替える複数のスイッチ131,132,133,134と、複数の第1のアンテナ素子111,112,113にそれぞれ設けられた給電部141,142,143とを備えて構成される。
アンテナ装置310は、図1のアンテナ装置110に、さらに第1のアンテナ素子113、第2のアンテナ素子122、スイッチ133,134及び給電部143が追加された構成となっている。
本実施の形態は、3×3MIMO通信のアンテナ装置の構成例である。本アンテナ装置のアンテナ素子数、スイッチ数、及び給電点数を一般化して示すと以下の通りである。
N(Nは任意の自然数)×N MIMOを想定した場合、
給電点数:N
素子数:N+(N−1)
スイッチ数:(N−1)×2
である。
なお、図示は省略するが、携帯無線機300に内蔵されるアンテナ装置310を、前記図2の場合と同様に、携帯無線機300筐体に対して横置きに搭載してもよい。
また、図8では、アンテナ装置310を、携帯無線機300筐体に内蔵した例を示したが、アンテナ装置310を携帯無線機300外部に露出させるなど、どのような箇所に設置してもよい。
図9A,Bは、上記アンテナ装置310を搭載する携帯無線機の概略構成を示す斜視図である。図9Aに示すように、アンテナ装置310を携帯無線機300Aの上部に配置してもよく、さらに図9Bに示すように、アンテナ装置310をカバー320で覆ってもよ
い。
以下、上述のように構成されたアンテナ装置310の動作について説明する。
基本動作は、実施の形態1と同様である。状況に応じて偏波特性を切り替える3×3MIMO通信を行う場合を例に採る。
図10A−Iは、アンテナ装置310の偏波特性の切り替えを説明する図であり、図10A,BはMIMOの垂直偏波、図10C−Iは携帯無線機300の受信端に少なくとも一つの斜め偏波を示す。また、図11〜図13は、図10A−Iの偏波特性の切り替えを表にして示す図である。図10A−I及び図11〜図13において、斜め偏波は垂直偏波に対する+45°及び−45°である。SW1,SW2,SW3は、スイッチ131,132,133を示し、Rx1,Rx2,Rx3はアンテナ装置310が接続される携帯無線機300の受信端をそれぞれ示す。なお、本アンテナ装置310が、MIMO通信を行う基地局側に適用される場合は、Rx1,Rx2,Rx3をTx1,Tx2,Tx3と読み替えればよい。
〔第1方式(Mode1)〕
図10A及び図11に示すように、スイッチ131(SW1)〜スイッチ134(SW4)をいずれもOFFする。すると、第2のアンテナ素子121,122は、第1のアンテナ素子111,112,113と切り離され、第1の偏波方向を受ける第1のアンテナ素子111,112,113のみがモノポールアンテナ動作をする。したがって、アンテナ装置310は、垂直−垂直−垂直の偏波のアンテナ特性となる。
〔第2方式(Mode2)〕
図10B及び図7に示すように、スイッチ131(SW1),134(SW4)をON、スイッチ132(SW2),133(SW3)をOFFする。すると、第1のアンテナ素子112と第2のアンテナ素子121,122が接続されるとともに、第2のアンテナ素子121と第1のアンテナ素子112とが切り離され、また第2のアンテナ素子122と第1のアンテナ素子113とが切り離される。第2のアンテナ素子121,122は、第1のアンテナ素子111,112,113に対して直交する方向に配置されているが、第1のアンテナ素子112の左右両側に均等に第2のアンテナ素子121,122が接続されているため、第2のアンテナ素子121、第1のアンテナ素子112及び第2のアンテナ素子122から構成されるアンテナ素子は垂直偏波となる。第1の偏波方向を受ける第1のアンテナ素子111,112,113は、モノポールアンテナ動作をする。したがって、アンテナ装置310は、垂直−垂直−垂直のアンテナ特性となる。
〔第3方式(Mode3)〕
図10C及び図11に示すように、スイッチ131(SW1)をON、スイッチ132(SW2)をOFF、スイッチ133(SW3)をOFF、スイッチ134(SW4)をONする。すると、第1のアンテナ素子111と第2のアンテナ素子121が接続され、第1のアンテナ素子113と第2のアンテナ素子122が接続され、第2のアンテナ素子121,122と第1のアンテナ素子112とが切り離される。第2のアンテナ素子121,122は、第1のアンテナ素子111,112,113に対して直交する方向に配置されているので、第1のアンテナ素子111と第2のアンテナ素子121とが接続されると、第1のアンテナ素子111及び第2のアンテナ素子121から構成されるアンテナ素子は垂直偏波に対して、+45°傾いた斜め偏波となる。同様に、第1のアンテナ素子113と第2のアンテナ素子122とが接続されると、第1のアンテナ素子113及び第2のアンテナ素子122から構成されるアンテナ素子は垂直偏波に対して、−45°傾いた斜め偏波となる。第1の偏波方向を受ける第1のアンテナ素子112は、モノポールアン
テナ動作をする。したがって、アンテナ装置310は、45°−垂直−(−45°)の偏波のアンテナ特性となる。
〔第4方式(Mode4)〕
図10D及び図12に示すように、スイッチ131(SW1)をOFF、スイッチ132(SW2)をOFF、スイッチ133(SW3)をON、スイッチ134(SW4)をOFFする。すると、第1のアンテナ素子112と第2のアンテナ素子122が接続され、第2のアンテナ素子121と第1のアンテナ素子111とが切り離され、第2のアンテナ素子122と第1のアンテナ素子113とが切り離される。第2のアンテナ素子122は、第1のアンテナ素子111,112,113に対して直交する方向に配置されているので、第1のアンテナ素子112と第2のアンテナ素子122とが接続されると、第1のアンテナ素子112及び第2のアンテナ素子122から構成されるアンテナ素子は垂直偏波に対して、+45°傾いた斜め偏波となる。第1の偏波方向を受ける第1のアンテナ素子112,113は、モノポールアンテナ動作をする。したがって、アンテナ装置310は、垂直−45°−垂直の偏波のアンテナ特性となる。
〔第5方式(Mode5)〕
図10E及び図12に示すように、スイッチ131(SW1)をOFF、スイッチ132(SW2)をOFF、スイッチ133(SW3)をOFF、スイッチ134(SW4)をONする。すると、第1のアンテナ素子113と第2のアンテナ素子122が接続され、第2のアンテナ素子121と第1のアンテナ素子111とが切り離され、第2のアンテナ素子122と第1のアンテナ素子112とが切り離される。第2のアンテナ素子122は、第1のアンテナ素子111,112,113に対して直交する方向に配置されているので、第1のアンテナ素子113と第2のアンテナ素子122とが接続されると、第1のアンテナ素子113及び第2のアンテナ素子122から構成されるアンテナ素子は垂直偏波に対して、−45°傾いた斜め偏波となる。第1の偏波方向を受ける第1のアンテナ素子111,112は、モノポールアンテナ動作をする。したがって、アンテナ装置310は、垂直−垂直−(−45°)の偏波のアンテナ特性となる。
〔第6方式(Mode6)〕
図10F及び図12に示すように、スイッチ131(SW1)をOFF、スイッチ132(SW2)をON、スイッチ133(SW3)をOFF、スイッチ134(SW4)をONする。すると、第1のアンテナ素子112と第2のアンテナ素子121が接続され、第1のアンテナ素子113と第2のアンテナ素子122が接続され、第2のアンテナ素子121と第1のアンテナ素子111とが切り離され、第2のアンテナ素子122と第1のアンテナ素子112とが切り離される。第2のアンテナ素子121,122は、第1のアンテナ素子111,112,113に対して直交する方向に配置されているので、第1のアンテナ素子112と第2のアンテナ素子121とが接続されると、第1のアンテナ素子112及び第2のアンテナ素子121から構成されるアンテナ素子は垂直偏波に対して、−45°傾いた斜め偏波となる。また、第1のアンテナ素子113と第2のアンテナ素子122とが接続されると、第1のアンテナ素子113及び第2のアンテナ素子122から構成されるアンテナ素子も垂直偏波に対して、−45°傾いた斜め偏波となる。第1の偏波方向を受ける第1のアンテナ素子111は、モノポールアンテナ動作をする。したがって、アンテナ装置310は、垂直−(−45°)−(−45°)の偏波のアンテナ特性となる。
〔第7方式(Mode7)〕
図10G及び図13に示すように、スイッチ131(SW1)をOFF、スイッチ132(SW2)をON、スイッチ133(SW3)をOFF、スイッチ134(SW4)をOFFする。すると、第1のアンテナ素子112と第2のアンテナ素子121が接続され
、第2のアンテナ素子122と第1のアンテナ素子112,113とが切り離される。第2のアンテナ素子121は、第1のアンテナ素子111,112,113に対して直交する方向に配置されているので、第1のアンテナ素子112と第2のアンテナ素子121とが接続されると、第1のアンテナ素子112及び第2のアンテナ素子121から構成されるアンテナ素子は垂直偏波に対して、−45°傾いた斜め偏波となる。第1の偏波方向を受ける第1のアンテナ素子111,113は、モノポールアンテナ動作をする。したがって、アンテナ装置310は、垂直−(−45°)−垂直の偏波のアンテナ特性となる。
〔第8方式(Mode8)〕
図10H及び図13に示すように、スイッチ131(SW1)をON、スイッチ132(SW2)をOFF、スイッチ133(SW3)をOFF、スイッチ134(SW4)をOFFする。すると、第1のアンテナ素子111と第2のアンテナ素子121が接続され、第2のアンテナ素子122と第1のアンテナ素子112,113とが切り離される。第2のアンテナ素子121は、第1のアンテナ素子111,112,113に対して直交する方向に配置されているので、第1のアンテナ素子111と第2のアンテナ素子121とが接続されると、第1のアンテナ素子111及び第2のアンテナ素子121から構成されるアンテナ素子は垂直偏波に対して、+45°傾いた斜め偏波となる。第1の偏波方向を受ける第1のアンテナ素子112,113は、モノポールアンテナ動作をする。したがって、アンテナ装置310は、45°−垂直−垂直の偏波のアンテナ特性となる。
〔第9方式(Mode9)〕
図10I及び図13に示すように、スイッチ131(SW1)をON、スイッチ132(SW2)をOFF、スイッチ133(SW3)をON、スイッチ134(SW4)をOFFする。すると、第1のアンテナ素子111と第2のアンテナ素子121が接続されるとともに、第1のアンテナ素子112と第2のアンテナ素子122が接続され、第2のアンテナ素子122と第1のアンテナ素子113とが切り離される。第2のアンテナ素子121,122は、第1のアンテナ素子111,112,113に対して直交する方向に配置されているので、第1のアンテナ素子111と第2のアンテナ素子121とが接続され、かつ第1のアンテナ素子112と第2のアンテナ素子122とが接続されると、第1のアンテナ素子111及び第2のアンテナ素子121から構成されるアンテナ素子と第1のアンテナ素子112及び第2のアンテナ素子122から構成されるアンテナ素子とはいずれも垂直偏波に対して、+45°傾いた斜め偏波となる。第1の偏波方向を受ける第1のアンテナ素子113は、モノポールアンテナ動作をする。したがって、アンテナ装置310は、45°−45°−垂直の偏波のアンテナ特性となる。
このように、スイッチ131〜134(SW1〜SW4)を切り替えることで、アンテナ装置310は、図12及び図13に示す表の組み合わせの偏波のアンテナ特性を得ることが可能になる。これにより、基地局のアンテナ構成、伝播中の偏波の回転、端末(携帯無線機300)の傾きなどにより、受信アンテナにおいて偏波の不整合が起きた場合においても、アンテナ偏波の各種バリエーションにより受信強度の改善が可能であり、MIMO、ダイバーシチ通信の受信信号強度改善に有効である。すなわち、スイッチ131〜134(SW1〜SW4)を切り替え、動作するアンテナ素子を変化させることによって、実施の形態1,2の場合よりさらに多くのバリエーションで偏波特性を切り替えることが可能となり、時々刻々と変化する基地局と端末間の偏波状況に対応するアンテナ性能を提供することができる。その結果、多様な偏波環境、使用形態においても伝送容量を向上させることができる。
ここで、本アンテナ装置310は、同一の構成で受信側と送信側といずれにも使用可能である。アンテナ装置310の給電点を直結する場合について補足して説明する。
図14は、アンテナ装置310の給電点直結の接続方法を説明する図である。
アンテナ装置310を受信側で使用する場合には、アンテナ装置310の給電点を直結しても問題はない。しかし、アンテナ装置310を送信側の、例えば基地局で使用する場合には、アンテナ装置310の給電点を直結する接続はできない。例えば、アンテナ装置310を送信側で使用する場合は、図14に示すスイッチ131(SW1)とスイッチ132(SW2)がON、又はスイッチ133(SW3)とスイッチ134(SW4)がONするスイッチ動作の組み合わせは、実施できない。
(実施の形態4)
図15は、本発明の実施の形態4に係る複数アンテナ素子を用いるアンテナ装置を搭載する携帯無線機の概略構成を示す斜視図である。本実施の形態の説明にあたり、図1及び図8と同一構成部分には、同一符号を付して重複箇所の説明を省略する。
図15A,Bにおいて、携帯無線機400Aは、本体上部にMIMO通信、又はダイバーシチ通信に使用される複数アンテナ素子を用いるアンテナ装置410を配置する。
アンテナ装置410は、第1の偏波方向用の複数の第1のアンテナ素子111,112,113と、第1の偏波方向と直交する方向に設けられた第2のアンテナ素子121,122と、複数の第1のアンテナ素子111,112,113の一端に設けられ、第1のアンテナ素子111,112,113と第2のアンテナ素子121,122の接続を切り替える複数のスイッチ131,132,133,134(図15Aでは図示略)と、複数の第1のアンテナ素子111,112,113にそれぞれ設けられた給電部141,142,143(図15Aでは図示略)とを備えて構成される。
アンテナ装置410は、第2のアンテナ素子121,122及びスイッチ131,132,133,134の配置が、図8の第1のアンテナ素子111,112,113の給電部141,142,143側から、その反対側に設置されている点のみが異なる。
また、図9Bに示すように、アンテナ装置410を携帯無線機400Aの上部に配置し、さらにカバー420で覆ってもよい。
上述のように構成されたアンテナ装置410の動作は、実施の形態3と同様であるため説明を省略する。
このように、本実施の形態によれば、実施の形態3と同様に、スイッチ131〜134(SW1〜SW4)を切り替えることで、各種組み合わせの偏波のアンテナ特性を得ることが可能になる。これにより、基地局のアンテナ構成、伝播中の偏波の回転、端末(携帯無線機400)の傾きなどにより、受信アンテナにおいて偏波の不整合が起きた場合においても、アンテナ偏波の各種バリエーションにより受信強度の改善が可能であり、MIMO、ダイバーシチ通信の受信信号強度改善に有効である。また、本実施の形態では、実施の形態3と同様に、スイッチ131〜134(SW1〜SW4)を切り替え、動作するアンテナ素子を変化させることによって、実施の形態1,2の場合よりさらに多くのバリエーションで偏波特性を切り替えることが可能となり、時々刻々と変化する基地局と端末間の偏波状況に対応するアンテナ性能を提供することができる。その結果、多様な偏波環境、使用形態においても伝送容量を向上させることができる。
(実施の形態5)
図16は、本発明の実施の形態5に係る複数アンテナ素子を用いるアンテナ装置を搭載する携帯無線機の概略構成を示す斜視図である。本実施の形態の説明にあたり、図1及び
図9Aと同一構成部分には、同一符号を付して重複箇所の説明を省略する。
図16において、携帯無線機500Aは、本体上部にMIMO通信、又はダイバーシチ通信に使用される複数アンテナ素子を用いるアンテナ装置310を配置する。
また、携帯無線機500Aは、本体内部にアンテナ装置310のスイッチ131,132,133,134(図示略)を切り替え制御するスイッチコントローラ501と、スイッチコントローラ501を制御するスイッチコントローラ命令部502と、通信容量を計算する通信容量計算部503とを備える。
上記スイッチコントローラ命令部502及び通信容量計算部503は、マイクロプロセッサ等により構成してもよいし、論理回路及びタイマ等の電子回路により構成してもよい。また、マイクロプロセッサ等で構成する場合は、携帯無線機500Aが本体機能として備えるCPU等の資源を使用してもよい。
以下、上述のように構成されたアンテナ装置310を備える携帯無線機500Aの動作について説明する。アンテナ装置310の動作は、実施の形態3と同様であるため説明を省略し、本実施の形態の特徴動作について述べる。
スイッチコントローラ命令部502は、スイッチコントローラ501を介して、スイッチ131,132,133,134を所定の動作モードで順次切り替える。例えば、スイッチコントローラ命令部502は、スイッチコントローラ501に対してスイッチ131,132,133,134を、前記図10A−C及び図11に示すようなMode1⇒Mode2⇒Mode3となるスイッチ構成に切り替える命令を出す。これにより、スイッチ131,132,133,134は、上記Mode1⇒Mode2⇒Mode3となるスイッチ構成に順次切替わる。
通信容量計算部503は、Mode1⇒Mode2⇒Mode3となるスイッチ構成に切り替えた場合の通信容量をそれぞれ検知する。そして、通信容量計算部503は、各Modeの通信容量を比較し、最大通信容量が得られた〔Mode〕を通知する信号をスイッチコントローラ命令部502に出力する。スイッチコントローラ命令部502は、最大通信容量が得られた〔Mode〕となるスイッチ構成に切り替える命令を出す。これにより、携帯無線機500Aは、最大通信容量が得られた〔Mode〕で通信が行われるように運用される。
以上の動作フローは、任意のタイミングで実施される。また、一定時間経過毎に実施することも可能である。
このように、本実施の形態によれば、携帯無線機500Aは、最大通信容量が得られた〔Mode〕で通信が行われるようにスイッチ131〜134(SW1〜SW4)を切り替えることで、基地局のアンテナ構成、伝播中の偏波の回転、端末(携帯無線機500A)の傾きなどにより、受信アンテナにおいて偏波の不整合が起きた場合においても、最も良い受信信号強度で偏波特性を切り替えることが可能となり、時々刻々と変化する基地局と端末間の偏波状況に対応するアンテナ性能を提供することができる。その結果、多様な偏波環境、使用形態においても伝送容量をより一層向上させることができる。
また、携帯無線機500Aが本体機能として備えるCPU等の資源を使用してスイッチコントローラ命令部502及び通信容量計算部503を構成することで、部材の追加がなく、実施が容易であるという効果がある。また、仕様の設定・変更も簡単に行える利点がある。
なお、本実施の形態と上記各実施の形態1乃至4とを組合わせてよいことは言うまでもない。
以上の説明は本発明の好適な実施の形態の例証であり、本発明の範囲はこれに限定されることはない。
ダイバーシチ動作、MIMO通信、又はアダプティブアレーアンテナ動作を行う複数アンテナ素子を用いるアンテナ装置を備える通信装置であればどのような装置にも適用できる。例えば、携帯電話機/PHS(Personal Handy-Phone System)は勿論のこと、PDA(Personal Digital Assistants)等の携帯情報端末、ノート型パソコン等の情報処理装置にも適用可能である。
また、上記各実施の形態において、使用周波数帯は、DTV帯域に限らずどのような帯域でもよい。複数の周波数帯に対応した携帯無線機として、日本では900MHz帯を使用するPDC(Personal Digital Cellular)と2GHz帯を使用するCDMA(Code Division Multiple Access)とを併用できる携帯無線機が商品化されている。海外でも900MHz帯を使用するGSM(Global System for Mobile Communications)と、1.8GHz帯を使用するDCS(Digital Communication System)と、1.9GHz帯を使用するPCS(Personal Communication Services)、2GHz帯を使用するUMTS(Universal Mobile Telecommunications System)とを併用できる携帯無線機が商品化されている。例えば、第1周波数帯が2GHzのシングルバンドであり、第2周波数帯が900MHz帯、1.8GHz帯及び1.9GHz帯の3バンドである場合でもよい。
また、上記各実施の形態では、携帯無線機という名称を用いたが、これは説明の便宜上であり、携帯電話機、無線通信装置等でもよいことは勿論である。また、アンテナ装置を備える通信装置は、送信側の例えば基地局装置であってもよい。
また、上記携帯無線機を構成する各回路部の種類、数及び接続方法などは前述した実施の形態に限られない。
本発明に係るアンテナ装置及び通信装置は、ダイバーシチ動作、MIMO通信、又はアダプティブアレーアンテナ動作を行う複数アンテナ素子を用いるアンテナ装置を備える通信装置を提供できる。また、時々刻々と変化する基地局と端末間の偏波状況により低下、又は変動する受信信号に対して、最適なアンテナ性能を提供することができ、特にダイバーシチ動作、MIMO通信、アダプティブアレーアンテナ動作を行う複数アンテナ素子を用いる通信において、通信容量の減少を防ぐ効果を有する技術に有用である。
本発明の実施の形態1に係るアンテナ装置を搭載する携帯無線機の概略構成を示す図 上記実施の形態1に係るアンテナ装置を搭載する携帯無線機の概略構成を示す図 上記実施の形態1に係るアンテナ装置の偏波特性の切り替えを説明する図 上記実施の形態1に係るアンテナ装置の偏波特性の切り替えを説明する図 上記実施の形態1に係るアンテナ装置の偏波特性の切り替えを説明する図 図3A−Cの偏波特性の切り替えを表にして示す図 本発明の実施の形態2に係るアンテナ装置を搭載する携帯無線機の概略構成を示す図 上記実施の形態2に係るアンテナ装置の偏波特性の切り替えを説明する図 上記実施の形態2に係るアンテナ装置の偏波特性の切り替えを説明する図 上記実施の形態2に係るアンテナ装置の偏波特性の切り替えを説明する図 図6A−Cの偏波特性の切り替えを表にして示す図 本発明の実施の形態3に係る複数アンテナ素子を用いるアンテナ装置を搭載する携帯無線機の概略構成を示す図 上記実施の形態3に係るアンテナ装置を搭載する携帯無線機の概略構成を示す斜視図 上記実施の形態3に係るアンテナ装置を搭載する携帯無線機の概略構成を示す斜視図 上記実施の形態3に係るアンテナ装置の偏波特性の切り替えを説明する図 上記実施の形態3に係るアンテナ装置の偏波特性の切り替えを説明する図 上記実施の形態3に係るアンテナ装置の偏波特性の切り替えを説明する図 上記実施の形態3に係るアンテナ装置の偏波特性の切り替えを説明する図 上記実施の形態3に係るアンテナ装置の偏波特性の切り替えを説明する図 上記実施の形態3に係るアンテナ装置の偏波特性の切り替えを説明する図 上記実施の形態3に係るアンテナ装置の偏波特性の切り替えを説明する図 上記実施の形態3に係るアンテナ装置の偏波特性の切り替えを説明する図 上記実施の形態3に係るアンテナ装置の偏波特性の切り替えを説明する図 図10A−Cの偏波特性の切り替えを表にして示す図 図10D−Fの偏波特性の切り替えを表にして示す図 図10G−Iの偏波特性の切り替えを表にして示す図 上記実施の形態3に係るアンテナ装置の給電点直結の接続方法を説明する図 本発明の実施の形態4に係る複数アンテナ素子を用いるアンテナ装置を搭載する携帯無線機の概略構成を示す斜視図 上記実施の形態4に係る複数アンテナ素子を用いるアンテナ装置を搭載する携帯無線機の概略構成を示す斜視図 本発明の実施の形態5に係る複数アンテナ素子を用いるアンテナ装置を搭載する携帯無線機の概略構成を示す斜視図

Claims (4)

  1. 第1の偏波方向用の少なくとも2つの第1のアンテナ素子と、
    前記第1の偏波方向と直交する方向に設けられた第2のアンテナ素子と、
    前記複数の第1のアンテナ素子と前記第2のアンテナ素子の接続を切り替えるスイッチと、
    前記複数の第1のアンテナ素子にそれぞれ設置した給電部と、
    を備えるアンテナ装置。
  2. 前記スイッチは、偏波方向により接続を切り替える請求項1記載のアンテナ装置。
  3. 前記給電部の給電点数がN(Nは任意の自然数)の場合、
    前記複数の第1のアンテナ素子及び前記第2のアンテナ素子数がN+(N−1)、
    前記スイッチ数が(N−1)×2である請求項1記載のアンテナ装置。
  4. MIMO(Multiple-Input Multiple-Output)又はダイバーシチに使用されるアンテナ装置を備える通信装置であって、
    前記アンテナ装置は、請求項1記載のアンテナ装置である通信装置。
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