JP2001203672A - 偏波拡散通信装置 - Google Patents

偏波拡散通信装置

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JP2001203672A
JP2001203672A JP2000009344A JP2000009344A JP2001203672A JP 2001203672 A JP2001203672 A JP 2001203672A JP 2000009344 A JP2000009344 A JP 2000009344A JP 2000009344 A JP2000009344 A JP 2000009344A JP 2001203672 A JP2001203672 A JP 2001203672A
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polarization
transmission
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antenna
switching
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Norio Hama
範夫 浜
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 偏波変動がランダム或いは単一方向の偏波妨
害のある環境にあっても、データシンボルを確実に再現
する。 【解決手段】 偏波方向の異なるアンテナを複数設け、
送信側では、データシンボルを複数チップに拡散して送
信信号を生成し、この送信信号を、偏波方向をチップ単
位で切り換えて送信し且つ所定の切り換えパターンで切
り換えて送信する。そして、受信側でも前記切り換えパ
ターンでアンテナの偏波方向を切り換えて受信し且つ送
信側の切り換えパターンと同期して切り換えを行う。し
たがって、偏波妨害のある環境にあっても、偏波方向の
異なる受信信号のうち、何れかの偏波方向における受信
信号にはノイズがのるが、その他の偏波方向における受
信信号にはノイズがのらないことになり、これらを合成
してデータシンボルの復調を行うことによって、より確
実にデータシンボルを再現することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、偏波方向を切り換
えて通信を行うようにした偏波拡散通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、アンテナの偏波方向を切り換えて
通信を行うようにした方法としては、例えば偏波ダイバ
ーシティ方式が知られている。これは、偏波方向の異な
るアンテナを複数用い、複数のデータシンボルの信号強
度を観測し、信号強度の大きいアンテナを選択して通信
を行うようにしている。そして、選択したアンテナを用
いて、通信が終了するまでこのアンテナを利用するよう
になっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
偏波ダイバーシティ方式では、一旦アンテナを選択する
と、このアンテナを、通信が終了するまで利用してい
る。このため、妨害電波等が生じた場合には通信が困難
になり、必ずしもアンテナの利得を得られるものではな
い。
【0004】また、アンテナの利得を得るための方法と
して、スペクトラム拡散通信等が行われているが、この
うち直接拡散方式(DS方式)では、一次変調された狭
帯域信号をその数十倍のチップで拡散し二次変調するこ
とで、周波数方向に拡大し、システム利得を得るように
している。
【0005】しかしながら、ベースバンドにおいて処理
を行うことは電力を消費し、また、RFフロントエンド
系も帯域幅の広いLSIやフィルタを使用することにな
るという問題がある。
【0006】また、周波数ホッピング方式(FH方式)
では、一次変調された狭帯域信号をRF系に周波数コン
バートする際に、時刻により別々の周波数に変換し送信
している。したがって、特定の狭帯域妨害があったとき
には、これと同じ帯域にホッピングしたときには通信で
きないが、その他の帯域では通信することができ、シス
テム利得を得ることができる。
【0007】しかしながら、この方式では、複数周波数
間を高速でホッピングする必要があるため、高速の電圧
制御発振器(VCO)が必要である。また、データシン
ボルの信号速度よりもホッピング速度の遅いSlowF
H方式を用いれば低コスト化を実現することができる
が、得られるシステム利得は低下することになる。ま
た、RFフロントエンド系は、ホッピングレンジを確保
するために広帯域を必要としている。
【0008】そこで、この発明は、上記従来の未解決の
問題に着目してなされたものであり、RFフロントエン
ド系に、広帯域を必要とすることなく、シテテム利得を
得ることの可能な、偏波拡散通信装置を提供することを
目的している。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1に係る偏波拡散通信装置は、偏波
方向の異なる偏波を出力可能なアンテナを有し、送信時
には、送信情報を複数データに分割し、前記アンテナの
偏波方向を、分割したデータ毎に所定の切り換えパター
ンで切り換えてデータ送信を行い、受信時には、前記ア
ンテナの偏波方向を、送信側の前記切り換えパターンと
同期し且つこの切り換えパターンで切り換えてデータ受
信を行い、これを復元して所定の受信情報を得るように
なっていることを特徴としている。
【0010】また、請求項2に係る偏波拡散通信装置
は、送信時には、所定の同期検出用信号を予め送信し、
受信時には、送信側からの前記同期検出用信号をもとに
前記切り換えパターンの同期検出を行い、この検出結果
をもとに前記偏波方向の切り換えを行うようになってい
ることを特徴としている。
【0011】この請求項1又は請求項2に係る偏波拡散
通信装置によれば、送信時には、送信情報が複数データ
に分割され、アンテナの偏波方向が、分割したデータ毎
に所定の切り換えパターンで切り換えられて送信され
る。逆に、受信時には、アンテナの偏波方向が、所定の
切り換えパターンで切り換えられ、このとき、例えば、
送信側から予め送信される同期検出用信号に基づいて同
期検出を行い、これに基づいて送信側の切り換えパター
ンと同期するように偏波方向の切り換えが行われて、デ
ータの受信が行われる。
【0012】つまり、送信側の偏波拡散通信装置から
は、アンテナの偏波方向が切り換えパターンで切り換え
られてデータ送信が行われ、受信側の偏波拡散通信装置
では、アンテナの偏波方向が、送信側の切り換えパター
ンと同期して切り換えられてデータ受信が行われる。よ
って、送信側と受信側とで同じタイミングで偏波方向を
切り換えて通信を行うから、受信側では的確に送信側か
らの送信信号を受信することができると共に、受信側で
は、ある偏波方向の受信信号に妨害電波がのっている場
合でも、これとは異なる偏波方向の信号をも受信してい
るから、受信側では、受信信号がうける妨害電波の影響
が低減されて、受信信号をより確実に復元をすることが
可能となる。
【0013】また、本発明の請求項3に係る偏波拡散通
信装置は、偏波方向の異なる偏波を出力可能なアンテナ
と、送信情報を変調すると共にデータシンボル毎に複数
チップに拡散する変調手段と、当該変調手段で拡散した
送信データを、前記アンテナの偏波方向を前記チップ単
位で且つ所定の切り換えパターンで切り換えて送信する
送信手段と、送信側の前記切り換えパターンの切り換え
タイミングを検出する同期検出手段と、当該同期検出手
段の検出結果をもとに、前記アンテナの偏波方向を、送
信側の前記切り換えパターンと同期し且つこの切り換え
パターンで切り換えてデータ受信を行う受信手段と、当
該受信手段で受信した受信データを復元して所定の受信
情報を生成する復元手段と、を備えることを特徴として
いる。
【0014】また、請求項4に係る偏波拡散通信装置
は、前記送信手段は、同期検出用信号を予め送信し、前
記同期検出手段は、受信した前記同期検出用信号に基づ
いて前記切り換えタイミングを検出するようになってい
ることを特徴としている。
【0015】この請求項3又は請求項4に係る偏波拡散
通信装置では、送信側では、一次変調された送信情報が
データシンボル毎に変調手段によって複数チップに拡散
され、この変調手段で拡散された複数チップは、チップ
単位でアンテナの偏波方向が切り換えられて送信され、
且つ所定の切り換えパターンで切り換えられて送信され
る。
【0016】一方、受信側では、例えば送信手段から予
め送信される同期検出用信号をもとに、その偏波方向の
切り換えパターンを検出し、この切り換えパターンと同
期して、この切り換えパターンにしたがってアンテナの
偏波方向を切り換えて受信を行う。つまり、送信側及び
受信側間で同期して偏波方向を切り換えて通信を行って
いるから、受信側ではデータ受信を行うことができると
共に、受信側では、ある偏波方向の受信信号に妨害電波
がのっている場合でも、これとは異なる偏波方向の信号
をも受信しているから、受信側での受信信号がうける妨
害電波の影響が低減されて、送信情報の復元をより確実
に行うことが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0018】図1は本発明を適用した、偏波拡散通信装
置の一例を示す概略構成図である。この偏波拡散通信装
置100は、例えば、垂直方向に指向性を有する垂直偏
波アンテナ1aと、この垂直偏波アンテナ1aと直交す
る方向つまり水平方向に指向性を有する水平偏波アンテ
ナ1bとを備え、これら垂直偏波アンテナ1a及び水平
偏波アンテナ1bはそれぞれ複数配置されている。そし
て、これら垂直偏波アンテナ1a及び水平偏波アンテナ
1bは、偏波方向切り換えスイッチ3を介してフロント
エンド5と接続され、偏波方向切り換えスイッチ3の作
動状態によって、垂直偏波アンテナ1a又は水平偏波ア
ンテナ1bの何れか一方とフロントエンド5とが接続さ
れるようになっている。そして、前記偏波方向切り換え
スイッチ3の切り換えを、信号処理部7によって行うこ
とによって、フロントエンド5からの狭帯域信号からな
る送信信号が前記垂直偏波アンテナ1a又は水平偏波ア
ンテナ1bから送信されると共に、垂直偏波アンテナ1
a又は水平偏波アンテナ1bで受信した受信信号がフロ
ントエンド5に伝達されるようになっている。この信号
処理部7は、例えばパーソナルコンピュータ等で構成さ
れている。
【0019】図2は、フロントエンド5及び信号処理部
7の概略構成を示すブロック図である。
【0020】前記フロントエンド5は、一般の狭帯域無
線通信機と同等に構成され、図2に示すように、オペレ
ータの操作、信号処理部7を構成するパーソナルコンピ
ュータのCPU或いは専用の通信端末において通信制御
プログラムにしたがって生成される切り換え指令等によ
って切り換えられ、偏波拡散通信装置100を送信装置
として作動させるか受信装置として作動させるかを切り
換えるための送受信切り換えスイッチ11が設けられ、
この送受信切り換えスイッチ11を介して、前記偏波方
向切り換えスイッチ3と、フロントエンド5の受信系2
0及び送信系30とが選択的に接続されるようになって
いる。
【0021】そして、偏波アンテナ1a又は1bで受信
した受信信号は、偏波方向切り換えスイッチ3及び送受
信切り換えスイッチ11を経て受信系20に伝達され、
バンドパスフィルタ(BPF)21、ローノイズアンプ
(LNA)22を経て不要な周波数が除去された後ミキ
サ23に入力され、ここで、後述のVCO(電圧制御発
振器)33で発振された周波数変換用搬送波と混合され
て周波数変換された後、バンドパスフィルタ(BPF)
24、リミッタアンプ25及び検波部(Det)26を
経て、信号処理部7に伝達され、ここで、所定の受信デ
ータに復調される。
【0022】一方、信号処理部7で生成された送信デー
タは、ローパスフィルタ(LPF)34でフィルタ処理
されてVCO33の変調入力端子に入力され、後述のP
LL31で予め設定されたキャリア信号に対して狭帯域
FM変調をかけることにより周波数変換される。また、
信号処理部7からはPLL設定データがPLL31に送
り込まれ、PLLループフィルタ(LPF)32を通り
VCO33にキャリア周波数設定電圧が与えられる。そ
して、VCO33で生成された周波数変換用搬送波は、
前記PLL31にフィードバックされる。
【0023】そして、VCO33で狭帯域FM変調して
生成された送信信号は、バンドパスフィルタ(BPF)
35を経てパワーアンプ(PA)36で増幅されて送受
信切り換えスイッチ11に出力される。そして、偏波方
向切り換えスイッチ3の切り換えによって、偏波アンテ
ナ1a又は1bから送信されるようになっている。
【0024】前記信号処理部7は、通信開始時に初期送
信情報として送信される“1”,“0”,“1”,
“0”,……からなる情報をもとに、初期送信情報の偏
波方向の切り換えタイミング及びデータシンボルの同期
検出を行う同期検出部71と、受信時には、同期検出部
71で検出したタイミング情報をもとに、所定の切り換
えパターンで偏波方向切り換えスイッチ3の切り換え制
御を行い、送信時には、後述の送信処理部74からのタ
イミング情報をもとに、所定の切り換えパターンで偏波
方向切り換えスイッチ3の切り換え制御を行うアンテナ
切換部72と、前記同期検出部71からのデータシンボ
ルの同期検出情報をもとに、受信信号を所定の受信デー
タに復号する受信処理部73と、通信開始時には前記初
期送信情報を生成すると共に所定の送信データを生成
し、これをFSK或いはPSK等によって変調し、これ
をデータシンボル毎に例えば9つのチップに分割して送
信信号を生成し、その送信タイミングをアンテナ切換部
72に通知すると共に、前記PLL設定データをPLL
31に出力する送信処理部74と、を備えている。
【0025】前記同期検出部71では、受信開始時に、
アンテナ切換部72を制御して、アンテナ偏波を例えば
垂直偏波アンテナ1aに固定する。そして、この状態
で、初期信号を入力してこれを所定時間監視し、垂直偏
波の変化パターンを検出する。同様にして水平偏波アン
テナ1bに固定した状態で水平偏波の変化パターンを検
出する。そして、これら垂直偏波及び水平偏波の変化パ
ターンと、予め設定された偏波方向切り換えスイッチ3
の切り換えパターンとをもとに、マッチトフィルタ等に
よってデータシンボルの同期検出を行うと共に、アンテ
ナの切り換えタイミングの検出を行う。そして、これら
タイミング信号をアンテナ切換部72に出力する。
【0026】このアンテナ切換部72では、受信時に
は、前記同期検出部71からのデータシンボルのタイミ
ング信号をトリガとして、予め設定された、前記偏波方
向切り換えスイッチ3の切り換えパターン及び同期検出
部71から通知された切り換えタイミングにしたがっ
て、前記偏波方向切り換えスイッチ3の切り換え制御を
行う。また、送信時には、前記送信処理部74からのタ
イミング情報に基づいて前記切り換えパターンにしたが
って、前記偏波方向切り換えスイッチ3の切り換え制御
を行う。
【0027】前記切り換えパターンは、M系列或いはベ
ーカーコード等に基づいて設定される。そして、例え
ば、垂直偏波を“V”,水平偏波を“H”とすると、例
えば図3(a)に示すように「VHHVHVVHV」に
設定される。そして、この切り換えパターンにしたがっ
て偏波方向を切り換えて送信データを送信することによ
って、図3(b)に示すように、t軸を基準として偏波
方向が「VHHVHVVHV」のパターンで垂直及び水
平に切り換わる電波信号が送信される。
【0028】そして、このように偏波方向が切り換えら
れて送信された信号を、受信側の偏波拡散通信装置にお
いて、前記切り換えパターンにしたがって偏波方向を切
り換えて受信することにより、図4(c)に示す信号が
得られることになる。
【0029】つまり、図3(b)に示すように偏波方向
が切り換えられた電波信号を受信する場合、垂直偏波ア
ンテナ1aでは、図4(a)に示すように、偏波方向が
垂直(V)であるときのみこれを受信することになる。
また、水平偏波アンテナ1bでは、図4(b)に示すよ
うに、偏波方向が水平(H)であるときのみこれを受信
することになる。
【0030】このとき、偏波方向の切り換えパターン
「VHHVHVVHV」で、偏波アンテナ1a及び1b
が切り換えられるようになっているから、図4(c)に
示すように、垂直偏波アンテナ1a及び水平偏波アンテ
ナ1bの両方の信号値が得られることになる。
【0031】ここで、垂直偏波アンテナ1a及び水平偏
波アンテナ1bが偏波方向の異なる偏波を出力可能なア
ンテナに対応し、初期送信情報が同期検出用信号に対応
し、送信処理部74の送信データを変調した後データシ
ンボル毎に複数チップに拡散する処理が変調手段に対応
し、アンテナ切換部72において送信処理部74からの
タイミング情報に基づいて偏波方向切り換えスイッチ1
1を制御し偏波方向切り換えスイッチ11から送信信号
を出力する処理が送信手段に対応し、同期検出部71が
同期検出手段に対応し、アンテナ切換部72とアンテナ
切換部72において同期検出部71からのタイミング情
報に基づいて偏波方向切り換えスイッチ11を制御し垂
直又は水平偏波アンテナ1a,1bからの受信信号を入
力する処理が受信手段に対応し、受信処理部73で受信
信号を復元する処理が復元手段に対応している。
【0032】次に、上記実施の形態の動作を説明する。
【0033】今、同一の機能構成を有する二台の偏波拡
散通信装置100間で通信を行うものとする。送信側の
偏波拡散通信装置では、送信処理部74において、ま
ず、初期送信情報として“1”,“0”,“1”,
“0”……からなる情報を生成する。そして、この送信
データに対してFSK或いはPSK等を行って変調する
と共に、さらにデータシンボル毎に例えば9つのチップ
に拡散する。そして、これをPLL31に出力すると共
に、その出力タイミングを特定するタイミング情報をア
ンテナ切換部72に出力する。また、送信データをロー
パスフィルタ34に出力すると共に、PLL31にPL
L設定データを出力する。
【0034】PLL31に送信されたPLL設定データ
は、PLL31,PLLループフィルタ32及びVCO
33で構成されるPLLループに伝達され、局部発振周
波数が設定される。また、送信データはローパスフィル
タ34を経てVCO33の変調入力端子に入力され、P
LL31で設定されたキャリア信号を周波数変調する。
これによって、無線通信用の送信信号に変換され、さら
に、バンドパスフィルタ35、パワーアンプ36を経
て、送受信切り換えスイッチ11から偏波方向切り換え
スイッチ3に伝達される。
【0035】このとき、アンテナ切換部72では、通知
されたタイミング情報に基づいて、指定されたタイミン
グで所定の切り換えパターンにしたがって、偏波方向切
り換えスイッチ3の切り換えを行うから、偏波方向切り
換えスイッチ3に伝達された送信データは、所定の切り
換えパターンで切り換えられる垂直アンテナ1a又は水
平アンテナ1bの何れかから、送信されることになる。
【0036】ここで、前記偏波方向切り換えスイッチ3
に伝達される信号波形が図4(c)に示す波形であると
すると、前記切り換えパターンは「VHHVHVVH
V」であるから、この切り換えパターンにしたがって、
偏波方向切り換えスイッチ3が切り換えられ、その結
果、垂直偏波アンテナ1aからは図4(a)に示す信号
が出力され、水平偏波アンテナ1bからは図4(b)に
示す信号が出力されることになる。
【0037】そして、送信側の偏波拡散通信装置では、
所定期間初期送信情報を送信すると、次に、所定の送信
データを生成し、これを上記と同様にして変調を行い、
データシンボル毎に9つのチップに分割して出力する。
このとき、偏波方向切り換えスイッチ3は、切り換えパ
ターンにしたがって切り換えられているから、前記送信
データもチップ単位でその偏波方向が切り換えパターン
にしたがって切り換えられて垂直偏波アンテナ1a又は
水平偏波アンテナ1bから送信される。
【0038】一方、受信側の偏波拡散通信装置では、ま
ず、アンテナを例えば垂直偏波アンテナ1aに切り換え
この状態で待機する。そして、送信側の偏波拡散通信装
置から初期送信情報が送信されると、これを受信する
が、このとき、垂直偏波アンテナ1aに固定しているか
ら、図5(a)に示すように、垂直偏波のみを受信する
ことになる。
【0039】そして、同期検出部71では、この垂直偏
波を所定時間監視し、その信号波形から、図5(c)に
示す垂直偏波の変化パターンを検出する。同様にして今
度はアンテナを水平偏波アンテナ1bに切り換え、この
状態で初期送信情報を受信し水平偏波の変化パターンを
検出する。このとき、アンテナを水平偏波アンテナ1b
に固定しているから、図5(b)に示すように、水平偏
波のみを受信することになり、その変化パターンは、図
5(d)として検出される。
【0040】続いて、同期検出部71では、これら垂直
偏波及び水平偏波の変化パターンと、予め認識している
切り換えパターン「VHHVHVVHV」とをもとに、
マッチトフィルタ等によって同期検出を行う。これによ
って、データシンボルの区切りを表す図5(e)に示す
同期タイミングが検出される。
【0041】そして、このデータシンボルの同期タイミ
ング、垂直偏波及び水平偏波の変化タイミングを特定す
る情報がアンテナ切り換え部72に出力される。
【0042】これを受けて、アンテナ切り換え部72で
は、データシンボルの同期タイミング及び偏波方向の変
化タイミングをもとに、前記切り換えパターンで偏波方
向切り換えスイッチ3の切り換え制御を行う。
【0043】そして、送信側の偏波拡散通信装置から初
期送信情報に続いて送信データが送信されると、受信側
の偏波拡散通信装置においても、前記切り換えパターン
で偏波アンテナの切り換えを行っているから、垂直及び
水平偏波アンテナの何れかにおいてデータ受信が行われ
る。ここで、送信側の偏波拡散通信装置からは切り換え
パターンで偏波方向が切り換えられてデータ送信が行わ
れており、また、受信側の偏波拡散通信装置でも切り換
えパターンでアンテナを切り換えてデータ受信を行うよ
うにしており、このとき、送信側の切り換えパターンと
同期して切り換えを行うようにしているから、結果的に
図4(c)に示すように、垂直偏波及び水平偏波を共に
受信することになり、これは、すなわち、送信側で偏波
方向を切り換える偏波拡散を行う前の送信信号である。
【0044】そして、受信側の偏波拡散通信装置におい
ては、受信信号は、偏波方向切り換えスイッチ3から送
受信切り換えスイッチ11を介して、ローパスフィルタ
21に伝達され、このローパスフィルタ21、ローノイ
ズアンプ(LNA)22を経て不要な周波数が除去され
た後、ミキサ23に入力され、ここで、後述のVCO
(電圧制御発振器)33で発振されている周波数変換用
搬送波と混合されて周波数変換された後、バンドパスフ
ィルタ(BPF)24、リミッタアンプ25、検波部
(Det)26を経て信号処理部7に伝達される。そし
て、信号処理部7において、9つのチップに拡散された
データシンボルを復調し、さらに、FSK或いはPSK
等に変調された信号を復調する。これによって、送信側
の偏波拡散通信装置で生成した送信データと同一の受信
データが得られる。
【0045】ここで、例えば垂直偏波の妨害電波が生じ
た場合には、図6(a)に示すように、垂直偏波アンテ
ナ1aの受信信号にはノイズがのることになるが、図6
(b)に示すように、水平偏波アンテナ1bの受信信号
にはノイズがのらない。したがって、受信側の偏波拡散
通信装置では、図6(c)に示すように、垂直偏波アン
テナ1aが選択されたときにのみ、ノイズがのった信号
を受信することになる。
【0046】したがって、例えば図7(a)に示すよう
に、妨害電波等によってノイズがのった信号であって
も、この受信信号は偏波方向の異なる二つの信号を合成
して得られた信号であって、受信信号全体にわたってノ
イズがのっているわけではないから、この受信信号を復
調することによって図7(b)に示すような比較的ノイ
ズの影響をうけない復調信号を得ることができ、これか
ら、例えば図7(c)に示す「1」及び「0」からなる
データシンボルを得ることができる。
【0047】ここで、垂直偏波にノイズがのった場合、
また、偏波変動がランダムな偏波妨害である場合に、受
信側の偏波拡散通信装置での受信アンテナの偏波方向が
偏波妨害の偏波方向と一致したときには、受信信号全体
にわたってノイズがのるため、正確なデータシンボルに
復調することが困難である。しかしながら、上述のよう
に、データシンボルを複数のチップに拡散しこれをチッ
プ単位で偏波方向を切り換えて送信するようにしている
から、データシンボルを構成するチップ全てにノイズが
のることはない。よって、ノイズによる影響を低減する
ことができ、より確実にデータシンボルを再現すること
ができる。
【0048】また、室内等反射が多い環境下にあって
も、ヌル点を保証することができ、システム利得を向上
させることができる。
【0049】また、周波数拡散を行わないから、1チッ
プトランシーバ等の狭帯域無線機を使用することがで
き、また、フィルタも低コストのものを使用することが
でき、低コストで実現することができる。
【0050】また、上述のように、偏波拡散によるシス
テム利得の向上を図ることができるから、送信出力を低
下させることも可能である。
【0051】また、このように、送信データを偏波方向
に拡散して送信することによって、システム利得を得る
ようにしているから、従来から用いられているアンテナ
をそのまま適用することができる。
【0052】また、データシンボル毎に、これを複数の
チップに分割し、チップ単位で偏波拡散するようにした
から、受信側ではより確実にデータシンボルを復調する
ことができる。なお、データシンボル単位ではなく、複
数のデータシンボル単位で偏波拡散するようにする事も
可能であり任意のデータ単位で偏波拡散することができ
る。しかしながら、例えば複数のデータシンボルを一つ
の単位として偏波拡散した場合、妨害電波がのった場合
には、複数のデータシンボル単位で妨害電波の影響を受
けることになりその識別が困難になるから、これを考慮
して偏波拡散を行うデータ単位を設定する必要がある。
【0053】なお、上記実施の形態においては、垂直偏
波アンテナ1a及び水平偏波アンテナ1bを用いて偏波
方向の異なる偏波を発生させるようにした場合について
説明したが、これに限らず、平面アンテナ(パッチアン
テナ)を用いてもよい。
【0054】つまり、図8に示すように、無線機81で
生成した狭帯域信号からなる送信信号を分配器82で分
配して、水平偏波移相器83及び垂直偏波移相器84に
出力する。そして、制御信号Vsw及びVpによって水
平偏波移相器83及び垂直偏波移相器84を制御し、水
平偏波移相器83及び垂直偏波移相器84の何れか一方
の出力のみを平面アンテナ85に出力させることによっ
て、平面アンテナ85から水平偏波又は垂直偏波の何れ
かを発生させる。
【0055】そして、受信時には、水平偏波位相器83
及び垂直偏波位相器84の何れか一方の受信信号のみを
分配器82を介して無線器81で受信し、これを復調す
る。
【0056】図9は、水平及び垂直偏波位相器83及び
84の概略構成を示したものであってこれらは同一に構
成され、例えば、エネルギ分配用の抵抗、合計でλ/2
長のストリップライン、λ/4長のストリップライン等
を含んで構成される。そして、分配器82と接続される
端子を端子TM 、平面アンテナ85と接続される端子を
端子TANT とすると、制御信号Vsw及びVpによっ
て、端子TM に印加される信号をそのまま端子TANT
出力するか、又は、πだけずらして端子TANT に出力す
るか、又は出力しないかを制御すると共に、端子TANT
に印加される信号をそのまま端子TM に出力するか、又
はπだけずらして端子TM に出力するか、又は出力しな
いか、を制御するようになっている。
【0057】つまり、図10に示すように、制御信号V
pがグランド(ローレベル)、制御信号VswがVc
(ハイレベル)のときには、例えば端子TM への送信信
号がそのままTANT から出力され、制御信号Vp及び制
御信号Vsが共にグランド(ローレベル)のときには送
信信号は出力されず、制御信号VpがVc(ハイレベ
ル)、制御信号Vswがグランド(ローレベル)のとき
には、送信信号がλ/2長ストリップラインによって位
相がπだけずれ、すなわち位相が反転されて出力される
ようになっている。逆にアンテナ85から端子TANT
受信信号が入力された場合も、同様に、制御されるよう
になっている。
【0058】前記無線機81は、一般の狭帯域無線通信
機と同等に構成され、送受信切り換えスイッチ81a、
送信データを生成しこれを一次変調する一方、受信信号
を復調して受信データを得ると共に、前記水平及び垂直
偏波位相器83及び84を制御するデータ処理部81
b、データ処理部81bからの送信データを周波数変換
用搬送波と混合して周波数変換するミキサ81c、この
ミキサ81cで周波数変換した送信信号を増幅して前記
送受信切り換えスイッチ81aに出力するパワーアンプ
81dを有すると共に、送受信切り換えスイッチ81
a、ローノイズアンプ(LNA)81eを介して入力し
た受信信号を周波数変換するミキサ81fを含んで構成
される。
【0059】そして、前記データ処理部81bでは、前
記送信データを生成しこれをデータシンボル毎に9つの
チップに分割して出力すると共に、前記水平偏波位相器
83及び垂直偏波位相器84の出力が、切り換えパター
ン「VHHVHVVHV」で出力されるように、且つ、
前記送信データのデータシンボルに応じてその位相をπ
だけずらして位相変換して出力するように、前記水平偏
波位相器83への制御信号Vp(H)、Vsw(H)及
び垂直偏波位相器84への制御信号Vp(V)、Vsw
(V)を生成し、これによって、水平及び垂直偏波位相
器83及び84を制御する。
【0060】そして、無線機81から出力された送信信
号は、分配器82で分配されて各水平及び垂直偏波位相
器83及び84に出力され、ここで、前記制御信号Vp
(H)、Vsw(H)及びVp(V)、Vsw(V)に
よってそれぞれが制御され、これら位相器から「VHH
VHVVHV」のパターンで信号が出力され、且つデー
タシンボルに応じて位相変換されて出力され、これが平
面アンテナ85から送信される。これによって、平面ア
ンテナ85から、偏波方向が「VHHVHVVHV」の
パターンで切り換えられてデータ送信が行われる。
【0061】逆に、アンテナ85からの受信信号は、前
記切り換えパターン「VHHVHVVHV」にしたがっ
て、各水平及び垂直偏波位相器83及び84の切り換え
が行われ、分配器82を経て送受信切り換えスイッチ8
1aに伝達される。これによって、水平偏波及び垂直偏
波の何れかが、前記切り換えパターンにしたがって送受
信切り換えスイッチ81aに伝達され、これが、ローノ
イズアンプ81e、ミキサ81eを経てデータ処理部8
1bに伝達される。
【0062】そして、上記実施の形態と同様に、送信側
のデータ処理部81bでは、予め初期送信情報を所定時
間送信し、受信側のデータ処理部81bでは、水平偏波
又は垂直偏波の何れかに偏波方向を順次固定して同期検
出を行い、この同期タイミングにしたがって偏波方向の
切り換えを行う。これによって、送信側及び受信側の偏
波拡散通信装置では、同じタイミングで偏波方向を切り
換えて、データ通信を行うから上記と同様に、送信側及
び受信側間でデータ通信を行うことができ、妨害電波が
生じた場合でも、受信側での受信信号がうける妨害電波
の影響を低減することができ、上記と同等の作用効果を
得ることができる。
【0063】また、上記実施の形態においては、垂直及
び水平方向の二相に拡散するようにした場合について説
明したが、垂直及び水平方向に加え、さらに、45度及
び135度方向を加えた四相に拡散するようにしてもよ
く、さらに、27.5度毎に拡散し、八相に拡散するよ
うにしてもよい。また、任意の方向に拡散させるように
してもよい。
【0064】また、上記実施の形態において、例えば偏
波拡散方向が水平或いは垂直方向の偏波を送信したのに
も関わらず、反射等によって45度ずれてしまった場合
には、垂直及び水平アンテナとも同レベルの受信波が得
られることになり、そのレベルはそれぞれ送信波の1/
(√2)となる。この場合、各アンテナ1a及び1bを
常時受信可能状態にし、これらの受信波を合成すること
により、そのレベルは“1”となり、アンテナ1本使用
時で偏波方向が一致したときと同じレベルを得ることが
できる。この場合には、偏波同期をとることなく、アン
テナ1a及び1bを共に受信状態に制御することによっ
て、システム利得の向上を図るようにしてもよい。
【0065】さらに、上記実施の形態においては、デー
タシンボルを9つのチップに拡散するようにした場合に
ついて説明したが、これに限らず、任意数のチップに拡
散することもできる。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
及び請求項2に係る偏波拡散通信装置によれば、送信側
の偏波方向の切り換えパターンと同期して、受信側でも
前記切り換えパターンでアンテナの偏波方向を切り換え
るようにしたから、受信側での受信信号がうける妨害電
波の影響を低減することができ、受信側ではより確実に
受信データを復調することができる。
【0067】また、請求項3及び請求項4に係る偏波拡
散通信装置によれば、データシンボル毎に、複数のチッ
プに拡散し、チップ毎に偏波方向を切り換えパターンを
切り換えて送信し、受信側では送信側の切り換えパター
ンと同期して、偏波方向を前記切り換えパターンで切り
換えるようにしたから、受信側での受信信号がうける妨
害電波の影響を低減することができ、受信側では、デー
タシンボル単位でより確実に復調することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した偏波拡散通信装置の一例を示
す概略構成図である。
【図2】図1のフロントエンド及び信号処理部の概略構
成を示すブロック図である。
【図3】本発明の動作説明に供する説明図である。
【図4】正常時の垂直偏波アンテナの受信信号、水平偏
波アンテナの受信信号及び本発明による受信信号の一例
を示す波形図である。
【図5】本発明の動作説明に供する説明図である。
【図6】妨害電波がある場合の垂直偏波アンテナの受信
信号、水平偏波アンテナの受信信号及び本発明による受
信信号の一例を示す波形図である。
【図7】復調時の動作説明に供する波形図である。
【図8】偏波拡散通信装置のその他の例を示す概略構成
図である。
【図9】図9の移相器の概略構成を示すブロック図であ
る。
【図10】図9における偏波方向切換信号及び位相切換
信号と出力信号との関係を表す対応図である。
【符号の説明】
1a 垂直偏波アンテナ 1b 水平偏波アンテナ 3 偏波方向切り換えスイッチ 5 フロントエンド 7 信号処理部 11 送受信切り換えスイッチ 20 受信系 30 送信系 71 アンテナ切換部 72 同期検出部 73 受信処理部 74 送信処理部 81 無線機 82 分配器 83 水平偏波移相器 84 垂直偏波移相器 85 平面アンテナ 100 偏波拡散通信装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 偏波方向の異なる偏波を出力可能なアン
    テナを有し、 送信時には、送信情報を複数データに分割し、前記アン
    テナの偏波方向を、分割したデータ毎に所定の切り換え
    パターンで切り換えてデータ送信を行い、 受信時には、前記アンテナの偏波方向を、送信側の前記
    切り換えパターンと同期し且つこの切り換えパターンで
    切り換えてデータ受信を行い、これを復元して所定の受
    信情報を得るようになっていることを特徴とする偏波拡
    散通信装置。
  2. 【請求項2】 送信時には、所定の同期検出用信号を予
    め送信し、受信時には、送信側からの前記同期検出用信
    号をもとに前記切り換えパターンの同期検出を行い、こ
    の検出結果をもとに前記偏波方向の切り換えを行うよう
    になっていることを特徴とする請求項1記載の偏波拡散
    通信装置。
  3. 【請求項3】 偏波方向の異なる偏波を出力可能なアン
    テナと、 送信情報を変調すると共にデータシンボル毎に複数チッ
    プに拡散する変調手段と、 当該変調手段で拡散した送信データを、前記アンテナの
    偏波方向を前記チップ単位で且つ所定の切り換えパター
    ンで切り換えて送信する送信手段と、 送信側の前記切り換えパターンの切り換えタイミングを
    検出する同期検出手段と、 当該同期検出手段の検出結果をもとに、前記アンテナの
    偏波方向を、送信側の前記切り換えパターンと同期し且
    つこの切り換えパターンで切り換えてデータ受信を行う
    受信手段と、 当該受信手段で受信した受信データを復元して所定の受
    信情報を生成する復元手段と、を備えることを特徴とす
    る偏波拡散通信装置。
  4. 【請求項4】 前記送信手段は、同期検出用信号を予め
    送信し、前記同期検出手段は、受信した前記同期検出用
    信号に基づいて前記切り換えタイミングを検出するよう
    になっていることを特徴とする請求項3記載の偏波拡散
    通信装置。
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