JPWO2009054032A1 - ラベルスイッチングネットワークにおける通信装置 - Google Patents
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Abstract
ラベルスイッチングネットワークにおいて、通常時には、主系エッジノード装置と対向エッジノード装置の間に設定された保護対象ラベルスイッチングパスを用いてパケット転送が行われる。そして、主系エッジノード装置の障害時には、従系エッジノード装置が主系エッジノード装置からラベルスイッチングパスセッションを引き継いで、保護対象ラベルスイッチングパスの始点ノードまたは終点ノードとして動作し、バックアップラベルスイッチングパスを用いてパケット転送を継続する。
Description
本発明は、1段以上のラベルを持つパケットによりサービスを提供するラベルスイッチングネットワークにおけるエッジノード冗長化システムおよびエッジノード装置に関する。
MPLS(Multi Protocol Label Switching)を用いたネットワークにおいては、RFC(Request for Comments)4090で規定されるFRR(Fast Reroute)というプロテクション技術が広く用いられている。
FRRは、Local Repairと呼ばれる高速障害回復方法の1つであり、保護したいMPLSトンネルLSP(Protected LSP(Label Switching Path))に対して、あらかじめ局所的な迂回路(Backup LSP)を設定しておき、リンクやコアノードの障害時に迂回路へ高速切替を行う。
例えば、リンクプロテクションの場合は、図1に示すように、ノード101とノード104の間に設けられたProtected LSP111に対して、ノード102とノード103の間にノード106および107を経由するBackup LSP112が設定される。そして、ノード101とノード104の間のリンクに障害が発生すると、その間のパスがBackup LSP112に切り替えられる。
また、ノードプロテクションの場合は、図2に示すように、Protected LSP111に対して、ノード102とノード104の間にノード106〜108を経由するBackup LSP113が設定される。そして、ノード103に障害が発生すると、ノード102とノード104の間のパスがBackup LSP113に切り替えられる。
一方、end−to−endであらかじめ迂回路を設定しておく方法は、Global Repairと呼ばれる。この場合、図3に示すように、Protected LSP111に対して、ノード101とノード104の間にノード105〜108を経由するBackup LSP114が設定される。そして、ノード101とノード104の間のリンクに障害が発生すると、Protected LSP111全体がBackup LSP114に切り替えられる。
FRRは、50msで切替可能であり、Global Repairの場合と比較してend−to−endでトンネルLSPの数が半分で済むため、高速かつ効率的なプロテクション技術である。しかし、LSP経路のリンクやコアノードの障害は救済できるものの、トンネルLSPの始点あるいは終点であるエッジノードの障害を救済することはできない。
例えば、図4に示すMPLSネットワーク401の場合、エッジノード421とエッジノード426の間にProtected LSP431が設けられている。これらのエッジノードは、PE(Provider Edge )と呼ばれる。顧客装置411は、このProtected LSP431を用いて顧客装置412と通信する。
Protected LSP431にはコアノード422〜425が含まれており、ノード422とノード423の間には、コアノード427を経由するBackup LSP432が設けられる。また、ノード423とノード425の間には、コアノード428を経由するBackup LSP433が設けられる。
ノード422はBackup LSP432の始点ノードに対応し、ノード423はBackup LSP432の終点ノードに対応するとともに、Backup LSP433の始点ノードに対応し、ノード425はBackup LSP433の終点ノードに対応する。Backup LSPの始点ノードはPLR(Point of Local Repair )と呼ばれ、終点ノードはMP(Merge Point )と呼ばれる。
Backup LSP432は、始点ノード422と終点ノード423の間のリンクを対象とする、ネクストホッププロテクションに用いられる。一方、Backup LSP433は、始点ノード423とノード424の間のリンク、ノード424、およびノード424と終点ノード425の間のリンクを対象とする、ネクストネクストホッププロテクションに用いられる。しかしながら、エッジノード421および426のプロテクションのためのBackup LSPを設けることはできない。
MPLSにより提供されるVPN(Virtual Private Network )サービスとしては、例えば、イーサネット(登録商標)回線をエミュレートしたLAN(Local Area Network)サービスが考えられる。このサービスでは、RFC4762で規定されるVPLS(Virtual Private LAN Service) over LDPのように、顧客拠点を2つのエッジノードに収容し、一方を主系(Primary )、他方を従系(Secondary )として使用することで、エッジノードを冗長化する方法が提唱されている。
しかし、RFC4762に記載された方法では、仮想回線(pseudo wire ,PW)と呼ばれるイーサネット(登録商標)エミュレート回線が非冗長時の2倍必要である。この問題に対して、先願である国際出願(PCT/JP2007/000317)では、PW数を非冗長時と同数にする技術が提案されている。この場合、冗長化時には、PW数が従来技術と比べて半減することになる。
図5は、このようなVPLSサービスの例を示している。MPLSネットワーク501上にはエッジノード531〜534が配置され、主系エッジノード531(PE A)と従系エッジノード532(PE A’)は、顧客拠点収容ノード(スイッチ)521を介して拠点aの顧客装置511に接続される。エッジノード533(PE B)およびエッジノード534(PE C)には、拠点bの顧客装置512および拠点cの顧客装置513がそれぞれ接続されている。
エッジノード531〜534のIP(Internet Protocol )アドレスは、それぞれA、A’、B、およびCである。顧客装置511〜513には、顧客識別子としてVPN10が付与されている。
主系エッジノード531は、ループバックインタフェース管理部541と仮想回線制御部542を備え、仮想回線制御部542は、PWラベルデータベース543を保持する。同様に、従系エッジノード532は、ループバックインタフェース管理部551と仮想回線制御部552を備え、仮想回線制御部552は、PWラベルデータベース553を保持する。
まず、通常時において、主系エッジノード531の仮想回線制御部542は、対向エッジノード(顧客遠隔拠点を収容するPE)533および534との間で、LDP Helloメッセージ561および563をやり取りする。
また、仮想回線制御部542は、エッジノード533および534からLDP Label Mappingメッセージ562および564をそれぞれ受信し、それらのメッセージに含まれるPWラベルを、仮想回線の設定情報としてPWラベルデータベース543に格納する。この例では、エッジノード533および534に対する仮想回線のPWラベルとして、abおよびacがそれぞれ格納される。
次に、仮想回線制御部542は、主系エッジノード531と従系エッジノード532で設定情報を共有(ミラー)するために、従系エッジノード532の仮想回線制御部552に設定情報を転送する。仮想回線制御部552は、受信した設定情報をPWラベルデータベース553に格納する。
主系エッジノード531のループバックインタフェース管理部531は、ループバックアドレス(セッション識別子)としてIPアドレスAを保持し、これを有効(アクティブ)にしておくとともに、従系エッジノード532のループバックインタフェース管理部532にループバックアドレスAを転送する。ループバックインタフェース管理部532は、ループバックアドレスAを保持し、これを無効(非アクティブ)にしておく。従系エッジノード532は、主系エッジノード531からのHelloメッセージ565により主系エッジノード531の死活監視を行う。
次に、図6に示すように、Helloメッセージ565が途切れて主系エッジノード531の障害が検知されると、ループバックインタフェース管理部532は、ループバックアドレスAを有効化する。そして、仮想回線制御部552は、有効化されたループバックアドレスAを用いて、対向エッジノード533および534との通信を継続する。
こうして、従系エッジノード532と対向エッジノード533および534との間で、LDP Helloメッセージ601および602がやり取りされ、LDPセッションが維持される。また、顧客装置511からMAC(Media Access Control)フレーム603が送出されると、仮想回線制御部552は、PWラベルデータベース553を参照してPWラベルabおよびacを付加し、パケット604および605を生成する。パケット604および605は、それぞれエッジノード533および534宛に転送される。
入力インタフェース(トンネル)が異なっていても、受信したパケットに同じPWラベルが付加されていれば、エッジノード533および534には、障害発生前と同じ仮想回線のパケットとして認識される。したがって、主系エッジノード531と従系エッジノード532とで、別々のPWラベルを用意する必要はない。
しかしながら、この方法では、従来技術と比べてPW数は半減可能なものの、従系エッジノードと対向エッジノードの間でトンネルLSPは必要であるため、トンネルLSP数の削減にまでは至っていない。
例えば、図7に示すように、主系エッジノード531と対向エッジノード533の間に、コアノード701および702を経由するトンネルLSP711が設けられ、従系エッジノード532と対向エッジノード533の間に、コアノード703および704を経由するトンネルLSP712が設けられた場合を考えてみる。ノード701〜704のIPアドレスは、それぞれW、Y、X、およびZである。
まず、通常時においては、トンネルLSP711を用いてパケットが転送される。顧客装置511からMACフレーム721が送出されると、主系エッジノード531は、MACフレーム721にPWラベルabおよびトンネルラベルAWを付加して、パケット722を生成する。
ノード701は、主系エッジノード531から受信したパケット722のトンネルラベルAWをWYに変更して、パケット723を生成する。ノード702は、ノード701から受信したパケット723のトンネルラベルWYをYBに変更して、パケット724を生成する。そして、対向エッジノード533は、ノード702から受信したパケット724に含まれるMACフレームを顧客装置512に転送する。
次に、図8に示すように、主系エッジノード531に障害が発生して、従系エッジノード532が有効化されると、トンネルLSP712を用いてパケットが転送される。従系エッジノード532は、MACフレームにPWラベルabおよびトンネルラベルA’Xを付加して、パケット801を生成する。
ノード703は、従系エッジノード532から受信したパケット801のトンネルラベルA’XをXZに変更して、パケット802を生成する。ノード704は、ノード703から受信したパケット802のトンネルラベルXZをZBに変更して、パケット803を生成する。そして、対向エッジノード533は、ノード704から受信したパケット803に含まれるMACフレームを顧客装置512に転送する。
このように、障害発生前後において、対向エッジノード533が受信するパケットのPWラベルは同一であるが、トンネルラベルは変化している。つまり、従系エッジノードと対向エッジノードの間で別のトンネルLSPが必要なため、従来技術と比べてトンネルLSP数は削減されない。
下記の特許文献1は、MPLSのFRR機能付き通信装置に関する。
特開2003−124971号公報
本発明の課題は、ラベルスイッチングネットワークにおいて、ネットワークリソースとしてのトンネルLSP数の増加を小さく抑えたまま、エッジノードを冗長化することである。
本発明のエッジノード冗長化システムは、トンネルラベルを有するパケットを転送するラベルスイッチングネットワークにおいて、主系エッジノード装置と従系エッジノード装置から構成される冗長化されたエッジノードを有する。
主系エッジノード装置は、第1のトンネル制御部、第1のトンネルラベルデータベース、および第1のトンネル処理部を備え、従系エッジノード装置は、第2のトンネル制御部、第2のトンネルラベルデータベース、および第2のトンネル処理部を備える。
第1のトンネル制御部は、ラベルスイッチングネットワーク上の対向エッジノード装置と主系エッジノード装置の間に保護対象ラベルスイッチングパスを設定し、従系エッジノード装置を経由し、保護対象ラベルスイッチングパスに対する迂回路として用いられるバックアップラベルスイッチングパスを設定して、保護対象ラベルスイッチングパスのセッション情報を従系エッジノード装置に送信する。
第1のトンネルラベルデータベースは、保護対象ラベルスイッチングパスのトンネルラベルと、バックアップラベルスイッチングパスのトンネルラベルを格納する。第1のトンネル処理部は、第1のトンネルラベルデータベースを用いて、対向エッジノード装置と主系エッジノード装置の間のパケット転送を行う。
第2のトンネル制御部は、主系エッジノード装置から保護対象ラベルスイッチングパスのセッション情報を受信する。第2のトンネルラベルデータベースは、バックアップラベルスイッチングパスのトンネルラベルを格納する。
第2のトンネル処理部は、主系エッジノード装置の障害時に、保護対象ラベルスイッチングパスのセッション情報に従って主系エッジノード装置からラベルスイッチングパスセッションを引き継ぎ、第2のトンネルラベルデータベースを用いて、対向エッジノード装置と従系エッジノード装置の間のパケット転送を行う。従系エッジノード装置は、主系エッジノード装置の障害時に、保護対象ラベルスイッチングパスの始点ノードまたは終点ノードとして動作する。
通常時には、第1のトンネルラベルデータベースに格納された保護対象ラベルスイッチングパスのトンネルラベルを用いて、対向エッジノード装置と主系エッジノード装置の間のパケット転送が行われる。そして、主系エッジノード装置の障害時には、従系エッジノード装置がラベルスイッチングパスセッションを引き継ぎ、第2のトンネルラベルデータベースに格納されたバックアップラベルスイッチングパスのトンネルラベルを用いて、対向エッジノード装置と従系エッジノード装置の間のパケット転送が行われる。
このようなエッジノード冗長化システムによれば、従系エッジノード装置を経由するバックアップラベルスイッチングパスを部分的に追加するだけで、主系エッジノード装置と従系エッジノード装置で保護対象ラベルスイッチングパスを共用することができるので、図7および図8に示した構成と比べて、トンネルLSP数の増加が小さくなる。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。
最初に、図9から図12までを参照しながら、本実施形態で用いるRSVP−TE(Resource Reservation Protocol Traffic Extension )の概要について説明する。
最初に、図9から図12までを参照しながら、本実施形態で用いるRSVP−TE(Resource Reservation Protocol Traffic Extension )の概要について説明する。
図9は、RSVPメッセージの種類とその機能を示している。Pathメッセージは、データフロー情報を送信元から受信元へ伝送するメッセージであり、Resvメッセージは、受信元からの予約要求を伝送するメッセージである。Path−ErrメッセージとResv−Errメッセージは、エラーメッセージであり、Path−TearメッセージとResv−Tearメッセージは、取り消しメッセージであり、Resv−Confメッセージは、予約確認メッセージである。
図10は、RFC3209に規定されたRSVP−TEの拡張部分を示している。RSVP−TEは、MPLSにおけるLSPトンネルのサポートを主たる目的として定義され、明示的にルーティングされるLSP経路の設定要求をサポートしている。このプロトコルでは、Downstream−on−Demandによるラベル配布が行われる。
Ingressノード1001は、LABEL_REQUESTオブジェクトを含むPathメッセージ1011をEgressノード1002に送信し、ラベル配布を要求する。Egressノード1002は、RSVP_LABELオブジェクトを含むResvメッセージを返送して、Ingressノード1001に使用すべきラベルを通知する。Pathメッセージ1011にEXPLICIT_ROUTEを含ませることにより、明示的にLSPのルートを指定することができる。
図11は、RSVP−TEのPathメッセージに含まれるオブジェクトの内容を示している。このうち、LABEL_REQUEST、EXPLICIT_ROUTE、SESSION_ATTRIBUTE、およびFAST_REROUTEが拡張部分に該当する。LABEL_REQUESTは、MPLSラベル配布要求を表し、EXPLICIT_ROUTEは、明示的経路指定を表す。SESSION_ATTRIBUTEは、LSPのオプションや属性を指定し、FAST_REROUTEは、FRR要求を表す。
図12は、RSVP−TEのResvメッセージに含まれるオブジェクトの内容を示している。このうち、ROUTE_RECORDとRSVP_LABELが拡張部分に該当する。ROUTE_RECORDは、記録された経路を表し、RSVP_LABELは、発行されたラベルを表す。
次に、図13から図15までを参照しながら、本実施形態のエッジノード冗長化システムについて説明する。
図13および図14は、通常時におけるエッジノード冗長化システムの上り方向および下り方向の設定動作をそれぞれ示している。MPLSネットワーク1301上にはノード1331〜1337が配置され、主系エッジノード1331(PE A)と従系エッジノード1332(PE A’)は、冗長化されたエッジノードを構成する。
図13および図14は、通常時におけるエッジノード冗長化システムの上り方向および下り方向の設定動作をそれぞれ示している。MPLSネットワーク1301上にはノード1331〜1337が配置され、主系エッジノード1331(PE A)と従系エッジノード1332(PE A’)は、冗長化されたエッジノードを構成する。
主系エッジノード1331と従系エッジノード1332は、顧客拠点収容ノード(スイッチ)1321を介して拠点aの顧客装置1311に接続される。エッジノード1337(PE B)には、拠点bの顧客装置1312が接続されている。ノード1331〜1337のIPアドレスは、それぞれA、A’、W、X、Y、Z、およびBである。顧客装置1311および1312には、顧客識別子としてVPN10が付与されている。
図13に示す上り方向の設定において、主系エッジノード1331と対向エッジノード1337の間には、コアノード1333および1335を経由するMPLSトンネルLSP(Protected LSP)1351が設けられる。そして、ノード1331、1333、1335、および1337には、それぞれラベルテーブル1341、1343、1344、および1345が設定される。
また、図14に示す下り方向の設定において、対向エッジノード1337と主系エッジノード1331の間には、コアノード1335および1333を経由するProtected LSP1411が設けられる。そして、ノード1331、1333、1335、および1337には、それぞれラベルテーブル1401、1403、1404、および1404が設定される。
Protected LSP1351に対する上り方向のBackup LSP(FRR)1352と、Protected LSP1411に対する下り方向のBackup LSP1412は、ともに従系エッジノード1332を経由するように設定される。そして、Protected LSP1351および1411のセッション情報を、主系エッジノード1331から従系エッジノード1332に通知し、両者で共有する。
セッション情報には、始点ノードおよび終点ノードのIPアドレス(セッション識別子)、トンネルラベル等が含まれる。こうして、従系エッジノード1332には、Backup LSP1352および1412のラベルテーブル1342および1402が設定される。
このように、従系エッジノード1332は、主系エッジノード1331の障害時に、上り方向はLSPの始点ノードとして、下り方向は終点ノードとして動作するように、あらかじめラベルテーブル1342および1402を設定しておく。そして、主系エッジノード1331の障害時には、従系エッジノード1332が主系エッジノード1331からLSPセッションを引き継ぐとともに、ラベルテーブル1342および1402のエントリを適用(有効化)する。
これにより、従系エッジノード1332は、上り方向では本来は始点ノードではないが、始点ノードとして動作し、Backup LSP1352にMPLSネットワーク上で転送されるトラフィックを挿入(MPLSラベルでカプセル化)する。また、下り方向では本来は終点ノードではないが、終点ノードとして動作し、Backup LSP1412を終端(MPLSラベルをデカプセル化)する。
このような構成によれば、主系エッジノード1331に障害が発生しても、LSPセッション(RSVP−TEセッション)は維持されており、MPLSパケットにも発行されたラベルが付与されて転送されてくる。このため、対向エッジノード1337から見ると、あたかもFRR(Local Repair)が行われたかのように見える。Local Repairが発生したことは、RFC4090で規定されるメッセージに基づいて対向エッジノード1337に通知される。
従系エッジノード1332を経由するBackup LSPを部分的に追加するだけで、主系エッジノード1331と従系エッジノード1332でProtected LSPを共用することができるので、図7および図8に示した構成と比べて、トンネルLSP数の増加が小さくなる。
図15は、主系エッジノード1331および従系エッジノード1332の構成を示している。主系エッジノード1331は、ルーティング制御部1521、仮想回線制御部1522、MPLSトンネル制御部1523、仮想回線データ処理部1524、およびMPLSトンネル処理部1525を備える。ルーティング制御部1521は、ループバックインタフェース管理部1526を含み、仮想回線データ処理部1524およびMPLSトンネル処理部1525は、ラベルデータベース1527および1528をそれぞれ保持する。
同様に、従系エッジノード1332は、ルーティング制御部1531、仮想回線制御部1532、MPLSトンネル制御部1533、仮想回線データ処理部1534、およびMPLSトンネル処理部1535を備える。ルーティング制御部1531は、ループバックインタフェース管理部1536を含み、仮想回線データ処理部1534およびMPLSトンネル処理部1535は、ラベルデータベース1537および1538をそれぞれ保持する。
ルーティング制御部1521および1531は、送出するパケットのルーティング制御を行う。主系エッジノード1331のループバックインタフェース管理部1526は、ループバックアドレスとしてIPアドレスAを保持し、これを有効にしておくとともに、従系エッジノード1332のループバックインタフェース管理部1536にループバックアドレスAを転送する。ループバックインタフェース管理部1536は、ループバックアドレスAを保持し、これを無効にしておくとともに、ループバックインタフェース管理部1526からのHelloメッセージ1541により主系エッジノード1331の死活監視を行う。
主系エッジノード1331の仮想回線制御部1522は、仮想回線の設定を行い、顧客識別子およびPWラベルを含む設定情報をラベルデータベース1527に格納する。そして、仮想回線制御部1522は、設定情報を従系エッジノード1332の仮想回線制御部1532に転送し、仮想回線制御部1532は、受信した設定情報をラベルデータベース1537に格納する。
主系エッジノード1331のMPLSトンネル制御部1523は、Protected LSP1351および1411とBackup LSP1352および1412のトンネル設定を行う。従系エッジノード1332のMPLSトンネル制御部1533は、Backup LSP1352および1412のトンネル設定を行う。そして、MPLSトンネル制御部1523および1533は、トンネルラベルを含む設定情報をそれぞれラベルデータベース1528および1538に格納する。
このとき、MPLSトンネル制御部1523は、Protected LSP1351および1411のセッション情報を、MPLSトンネル制御部1533に転送し、MPLSトンネル制御部1533は、受信したセッション情報を保持しておく。
こうして、図13のラベルテーブル1341のエントリは、ラベルデータベース1527および1528に分割されて格納され、ラベルテーブル1342のエントリは、ラベルデータベース1537および1538に分割されて格納される。図14のラベルテーブル1401および1402のエントリについても、同様に分割されて格納される。
仮想回線データ処理部1524および1534は、ラベルデータベース1527および1537を参照して、顧客拠点収容ノード1321から受信したMACフレームにPWラベルを付加し、MPLSネットワーク1301から受信したパケットからPWラベルを除去する処理を行う。
MPLSトンネル処理部1525および1535は、ラベルデータベース1528および1538を参照して、顧客拠点収容ノード1321から受信したMACフレームにトンネルラベルを付加し、MPLSネットワーク1301から受信したパケットからトンネルラベルを除去する処理を行う。
なお、MPLSネットワーク1301上には、IPアドレスCを有する対向エッジノード1551(PE C)も配置されている。このエッジノード1551には、拠点cの顧客装置1501が接続され、顧客装置1501には、顧客識別子としてVPN10が付与されている。
一般に、MPLSネットワーク上でVPNサービスを提供する場合には、MPLSエッジノードにおいて、パケットに顧客(VPN)を識別するVPNラベル(PWラベル等)を付与し、さらにMPLSネットワーク内を転送するためのトンネルラベルを付与して転送する。この場合、MPLSコアノードは、トンネルラベルのみを参照してパケットを転送する。
本実施形態では、主系エッジノードと従系エッジノードの間でVPN設定情報も合わせて共有し、従系エッジノードがその設定情報をBackup LSPのラベルデータベースに設定しておくことにより、エッジノードの冗長化構成をMPLS−VPNサービスにも適用することができる。
なお、MPLS−VPNサービスには、前述の通り、イーサネット(登録商標)回線をエミュレートしたLANサービスを提供するVPLS、ポイントツーポイントのレイヤ2サービスを提供するVPWS(Virtual Private Wire Service,RFC4447)、およびレイヤ3パケットをカプセル化して転送するIP−VPN(IP Virtual Private Network,RFC4364)サービス等がある。これらのサービスにおけるVPN設定情報の共有方法は、上述した国際出願(PCT/JP2007/000317)に記載されている。
ただし、この国際出願に記載されたレイヤ(VPNレイヤ)と本実施形態で対象とするレイヤ(MPLSトンネルレイヤ)は別レイヤであり、それぞれ独立して動作する。
次に、図16から図19までを参照しながら、MPLSネットワーク1301においてVPLSサービスを提供する場合の動作をより詳細に説明する。
次に、図16から図19までを参照しながら、MPLSネットワーク1301においてVPLSサービスを提供する場合の動作をより詳細に説明する。
図16は、図13に示した上り方向の設定動作のシーケンスを示している。まず、冗長エッジノードを構成するために、エッジノード1331を主系エッジノードとし、エッジノード1332を従系エッジノードとして、拠点aの顧客装置1311を収容する。
ここでは、エッジノード1331とエッジノード1332の間のネゴシエーションにより、エッジノード1331が主系エッジノードとなるように設定され(手順1601)、主系エッジノード1331のループバックアドレスAが有効化される(手順1602)。これにより、顧客拠点収容ノード1321は、エッジノード1331を主系エッジノードとして認識する。
次に、主系エッジノード1331は、図5に示した方法と同様にして、遠隔拠点bの顧客装置1312を収容する対向エッジノード1337との間で仮想回線を設定する。このとき、主系エッジノード1331は、仮想回線を設定するためのLDPセッション識別子としてループバックアドレスAを使用し、これを従系エッジノード1332に通知する。そして、主系エッジノード1331は、対向エッジノード1337にPWラベルbaを配布し、対向エッジノード1337は、主系エッジノード1331にPWラベルabを発行する。
次に、主系エッジノード1331は、RSVP−TEを用いてトンネルLSPを設定する。まず、主系エッジノード1331からコアノード1333および1335を経由して対向エッジノード1337にPathメッセージが転送され(手順1603)、返送されたResvメッセージによりProtected LSP1351のトンネルラベルが通知される(手順1604)。これにより、ノード1331、1333、1335、および1337のラベルテーブル1341、1343、1344、および1345が設定される。
ここでは、ラベルテーブル1341の入力として顧客識別子VPN10が設定され、出力としてPWラベルabおよびトンネルラベルAWが設定される。また、ラベルテーブル1343の入力および出力として、トンネルラベルAWおよびWYがそれぞれ設定され、ラベルテーブル1344の入力および出力として、トンネルラベルWYおよびYBがそれぞれ設定される。そして、ラベルテーブル1345の入力としてトンネルラベルYBおよびPWラベルabが設定され、出力として顧客識別子VPN10が設定される。
次に、主系エッジノード1331は、RSVP−TEを用いてBackup LSP1352を設定する。まず、主系エッジノード1331から従系エッジノード1332を経由してノード1333に、FAST_REROUTEオブジェクトを含むPathメッセージが転送され(手順1605)、返送されたResvメッセージによりBackup LSP1352のトンネルラベルが通知される(手順1606)。これにより、ノード1332のラベルテーブル1342が設定され、ノード1331および1333のラベルテーブル1341および1343にトンネルラベルが追加される。
ここでは、ラベルテーブル1342の入力および出力として、トンネルラベルAA’およびA’Wがそれぞれ設定される。そして、ラベルテーブル1341の出力にトンネルラベルAA’が追加され、ラベルテーブル1343の入力にトンネルラベルA’Wが追加される。
次に、主系エッジノード1331から従系エッジノード1332に、VPN設定情報とProtected LSP1351のRSVP−TEセッション情報を通知し、両者で共有する(手順1607)。
VPN設定情報には、顧客識別子VPN10、PWラベルbaおよびab等が含まれており、VPN設定情報を共有することで、主系エッジノード1331と従系エッジノード1332の同期を取る。また、RSVP−TEセッション情報には、始点ノードおよび終点ノードのIPアドレス(セッション識別子)、明示的な経路指定をしている場合はその経路、帯域予約している場合にはその帯域、および主系エッジノード1331に対して発行されたトンネルラベル(AW、AA’)等が含まれる。
従系エッジノード1332は、通知されたVPN設定情報およびセッション情報を保持するとともに、主系エッジノード1331の障害時にLSPの始点ノードとして動作するように、ラベルテーブル1342を変更する。この例ではVPLSサービスを提供しているので、ラベルテーブル1342の入力に顧客識別子VPN10が追加され、ラベルテーブル1342の出力に、同期を取ったPWラベルabが追加される。
図17は、図14に示した下り方向の設定動作のシーケンスを示している。まず、対向エッジノード1337からコアノード1335および1333を経由して主系エッジノード1331にPathメッセージが転送され(手順1701)、返送されたResvメッセージによりProtected LSP1411のトンネルラベルが通知される(手順1702)。これにより、ノード1331、1333、1335、および1337のラベルテーブル1401、1403、1404、および1405が設定される。
ここでは、ラベルテーブル1401の入力としてPWラベルbaおよびトンネルラベルWAが設定され、出力として顧客識別子VPN10が設定される。また、ラベルテーブル1403の入力および出力として、トンネルラベルYWおよびWAがそれぞれ設定され、ラベルテーブル1404の入力および出力として、トンネルラベルBYおよびYWがそれぞれ設定される。そして、ラベルテーブル1405の入力として顧客識別子VPN10が設定され、出力としてトンネルラベルBYおよびPWラベルbaが設定される。
次に、ノード1333から従系エッジノード1332を経由して主系エッジノード1331に、FAST_REROUTEオブジェクトを含むPathメッセージが転送され(手順1703)、返送されたResvメッセージによりBackup LSP1412のトンネルラベルが通知される(手順1704)。これにより、ノード1332のラベルテーブル1402が設定され、ノード1331および1333のラベルテーブル1401および1403にトンネルラベルが追加される。
ここでは、ラベルテーブル1402の入力および出力として、トンネルラベルWA’およびA’Aがそれぞれ設定される。そして、ラベルテーブル1401の入力にトンネルラベルA’Aが追加され、ラベルテーブル1403の出力にトンネルラベルWA’が追加される。
次に、図16の手順1607と同様にして、主系エッジノード1331から従系エッジノード1332に、VPN設定情報とProtected LSP1411のRSVP−TEセッション情報を通知し、両者で共有する(手順1705)。この場合、RSVP−TEセッション情報には、主系エッジノード1331が発行したトンネルラベルWAおよびA’Aが含まれる。
従系エッジノード1332は、通知されたVPN設定情報およびセッション情報を保持するとともに、主系エッジノード1331の障害時に終点ノードとして動作するように、ラベルテーブル1402を変更する。この場合、ラベルテーブル1402の入力に、同期を取ったPWラベルbaが追加され、ラベルテーブル1402の出力に顧客識別子VPN10が追加される。
この例では、上述したように、上り方向はコアノード1333がMPとなるようにBackup LSPを設定し、下り方向はコアノード1333がPLRとなるようにBackup LSPを設定している。しかし、従系エッジノード1332を経由しさえすれば、Backup LSPのMPおよびPLRは、必ずしもコアノード1333でなくてもかまわない。
また、RSVP−TEセッションのセッション識別子と、LDPセッション(PWセッション)のセッション識別子として、同じIPアドレスAを使用しているが、別々のアドレスを使用してもかまわない。対向エッジノード1337におけるRSVP−TEセッション識別子とLDPセッション識別子(同じIPアドレスB)についても同様である。
図18は、主系エッジノード1331の障害時の迂回動作を示している。通常時は、主系エッジノード1331が、顧客装置1311からのデータフレーム(MACフレーム)1801を受信し、対向エッジノード1337に対してProtected LSP1351上で転送する。
このとき、主系エッジノード1331は、MACフレーム1801にPWラベルabおよびトンネルラベルAWを付加して、パケット1802を生成する。ノード1333は、主系エッジノード1331から受信したパケット1802のトンネルラベルAWをWYに変更して、パケット1803を生成する。ノード1335は、ノード1333から受信したパケット1803のトンネルラベルWYをYBに変更して、パケット1804を生成する。そして、対向エッジノード1337は、ノード1335から受信したパケット1804に含まれるMACフレーム1805を顧客装置1312に転送する。
次に、対向エッジノード1337が、顧客装置1312からのMACフレーム1811を受信し、主系エッジノード1331に対してProtected LSP1411上で転送する。
このとき、対向エッジノード1337は、MACフレーム1811にPWラベルbaおよびトンネルラベルBYを付加して、パケット1812を生成する。ノード1335は、対向エッジノード1337から受信したパケット1812のトンネルラベルBYをYWに変更して、パケット1813を生成する。ノード1333は、ノード1335から受信したパケット1813のトンネルラベルYWをWAに変更して、パケット1814を生成する。そして、主系エッジノード1331は、ノード1333から受信したパケット1814に含まれるMACフレーム1815を顧客装置1311に転送する。
通常時において、他の仮想回線やMPLSトンネルを新たに構築した場合、主系エッジノード1331と従系エッジノード1332の間で適宜同期を取るとともに、主系エッジノード1331が有効であることを確認するため、Helloメッセージによる死活監視を行う。また、顧客拠点収容ノード1321と主系エッジノード1331の間でも、RFC4762に基づいてHelloメッセージによる死活監視が行われる。
そして、主系エッジノード1331にノード障害が発生し、Helloメッセージ断を検出すると、従系エッジノード1332は、ループバックアドレスAを有効にするとともに、Backup LSP1352のラベルテーブル1342とBackup LSP1412のラベルテーブル1402を有効にする。これにより、従系エッジノード1332は主系エッジノード1331に成り代わって、対向エッジノード1337とのLDPセッションおよびRSVP−TEセッションを維持する。
また、顧客拠点収容ノード1321は、主系エッジノード1331からのHelloメッセージ断を検出すると、顧客装置1311からのMACフレーム1821を従系エッジノード1332に迂回させる。
従系エッジノード1332は、ラベルテーブル1342に基づいて、迂回してきたMACフレーム1821に、PWラベルabおよびトンネルラベルA’Wを付加して、パケット1822を生成する。Backup LSP1352はノード1333においてProtected LSP1351にマージされているため、パケット1822は最終的に対向エッジノード1337に到達する。
ノード1333は、ラベルテーブル1343に基づいて、従系エッジノード1332から受信したパケット1822のトンネルラベルA’WをWYに変更して、パケット1823を生成する。ノード1335は、ノード1333から受信したパケット1823のトンネルラベルWYをYBに変更して、パケット1824を生成する。そして、対向エッジノード1337は、ノード1335から受信したパケット1824に含まれるMACフレーム1825を顧客装置1312に転送する。
次に、対向エッジノード1337は、顧客装置1312から受信したMACフレーム1831にPWラベルbaおよびトンネルラベルBYを付加して、パケット1832を生成する。ノード1335は、対向エッジノード1337から受信したパケット1832のトンネルラベルBYをYWに変更して、パケット1833を生成する。ノード1333はBackup LSP1412のPLRであるため、パケット1833は従系エッジノード1332に迂回する。
ノード1333は、ラベルテーブル1403に基づいて、ノード1335から受信したパケット1833のトンネルラベルYWをWA’に変更して、パケット1834を生成する。そして、従系エッジノード1332は、ラベルテーブル1402に基づいてBackup LSP1412を終端し、ノード1333から受信したパケット1834に含まれるMACフレーム1835を顧客装置1311に転送する。
このように、障害の発生前後において、対向エッジノード1337が送受信するパケットのPWラベルおよびトンネルラベルは同一であり、対向エッジノード1337にとっては、あたかもFRRが行われたかのように見える。
図19は、主系エッジノード1331にアクセスする回線の障害時の迂回動作を示している。顧客拠点収容ノード1321と主系エッジノード1331の間のアクセス回線(主系回線)に障害が発生した場合、主系エッジノード1331自体には障害が発生していないため、従系エッジノード1332ではHelloメッセージ断を検出しない。この場合、顧客拠点収容ノード1321がHelloメッセージ断を検出し、顧客装置1311からのトラフィックを従系エッジノード1332に迂回させる。
主系エッジノード1331は、顧客拠点収容ノード1321からのHelloメッセージ断を検出することで、アクセス回線断を検知する。そして、ノード1333からのPathメッセージを受信すると(手順1901)、Path−Errメッセージを返送する(手順1902)。そこで、ノード1333は、下り方向のトラフィックをBackup LSP1412に迂回させる。
また、主系エッジノード1331は、アクセス回線断のため主系エッジノードを返上する旨のメッセージを、従系エッジノード1332に送信する(手順1903)。そこで、従系エッジノード1332は、ループバックアドレスAを有効にするとともに、Backup LSP1352のラベルテーブル1342とBackup LSP1412のラベルテーブル1402を有効にする。これ以降のMACフレームの転送動作は、図18の場合と同様である。
以上の実施形態では、パケットを転送するためにPWラベルとトンネルラベルからなる2段のラベルスタックを使用しているが、本発明のエッジノード冗長化システムは、一般に、1段以上のラベルを使用したラベルスイッチングネットワークに適用可能である。
図20は、1段のラベルを使用したラベルスイッチングネットワークを示している。MPLSネットワーク2001上では、PWラベルは使用せず、トンネルラベルのみを使用してパケットが転送される。MPLSネットワーク2001上にはノード2031〜2037が配置され、主系エッジノード2031(PE A)と従系エッジノード2032(PE A’)は、冗長化されたエッジノードを構成する。
主系エッジノード2031と従系エッジノード2032は、顧客拠点収容ノード2021を介して拠点aの顧客装置2011に接続され、顧客拠点収容ノード2022を介して拠点aの顧客装置2012に接続される。エッジノード2037(PE B)には、拠点bの顧客装置2013および2014が接続されている。ノード2031〜2037のIPアドレスは、それぞれA、A’、W、X、Y、Z、およびBである。顧客装置2011および2013には、顧客識別子としてVPN10が付与され、顧客装置2012および2014には、顧客識別子としてVPN20が付与されている。
この場合、同一拠点間の通信であっても、1つのトンネルLSPに複数の異なるVPNを多重化せずに、それぞれ別々のトンネルLSPを使用する。したがって、VPN10に属する上り方向のトラフィックは、Protected LSP2051およびBackup LSP2053を用いて転送され、VPN20に属する上り方向のトラフィックは、Protected LSP2052およびBackup LSP2054を用いて転送される。
このため、各ノードのラベルテーブルには、2種類のトンネルLSPに応じた2つのエントリが格納される。この例では、VPN10のためのトンネルラベルの末尾には“1”が付加され、VPN20のためのトンネルラベルの末尾には“2”が付加されている。
主系エッジノード2031のラベルテーブル2041には、顧客識別子VPN10を入力とし、トンネルラベルAW1を出力とするエントリと、顧客識別子VPN20を入力とし、トンネルラベルAW2を出力とするエントリが格納される。
従系エッジノード2032のラベルテーブル2042には、トンネルラベルAA’1および顧客識別子VPN10を入力とし、トンネルラベルA’W1を出力とするエントリと、トンネルラベルAA’2および顧客識別子VPN20を入力とし、トンネルラベルA’W2を出力とするエントリが格納される。
ノード2033のラベルテーブル2043には、トンネルラベルAW1およびA’W1を入力とし、トンネルラベルWY1を出力とするエントリと、トンネルラベルAW2およびA’W2を入力とし、トンネルラベルWY2を出力とするエントリが格納される。
ノード2035のラベルテーブル2044には、トンネルラベルWY1を入力とし、トンネルラベルYB1を出力とするエントリと、トンネルラベルWY2を入力とし、トンネルラベルYB2を出力とするエントリが格納される。
そして、対向エッジノード2037のラベルテーブル2045には、トンネルラベルYB1を入力とし、顧客識別子VPN10を出力とするエントリと、トンネルラベルYB2を入力とし、顧客識別子VPN20を出力とするエントリが格納される。
下り方向についても同様に、VPN10に属するトラフィックとVPN20に属するトラフィックは、それぞれ別々のProtected LSPおよびBackup LSPを用いて転送される。
図21は、3段のラベルを使用したラベルスイッチングネットワークを示している。MPLSネットワーク2101上では、PWラベルおよびトンネルラベルとともに別のPWラベルを使用して、パケットが転送される。別のPWラベルには、例えば、顧客が付与したVLAN(Virtual LAN )識別子のようなVPN識別子がマッピングされる。
MPLSネットワーク2101上にはノード2131〜2137が配置され、主系エッジノード2131(PE A)と従系エッジノード2132(PE A’)は、冗長化されたエッジノードを構成する。
主系エッジノード2131と従系エッジノード2132は、顧客拠点収容ノード2121を介して拠点aの顧客装置2111に接続される。エッジノード2137(PE B)には、拠点bの顧客装置2112が接続されている。ノード2131〜2137のIPアドレスは、それぞれA、A’、W、X、Y、Z、およびBである。顧客装置2111および2112には、顧客識別子としてVPN10が付与されている。そして、VPN10に属する上り方向のトラフィックは、Protected LSP2151およびBackup LSP2152を用いて転送される。
主系エッジノード2131のラベルテーブル2141の入力には顧客識別子VPN10が設定され、出力にはトンネルラベルAW、第1のPWラベルab、および第2のPWラベル33が設定される。従系エッジノード2132のラベルテーブル2142の入力にはトンネルラベルAA’および顧客識別子VPN10が設定され、出力にはトンネルラベルA’W、第1のPWラベルab、および第2のPWラベル33が設定される。
ノード2133のラベルテーブル2143の入力にはトンネルラベルAWが設定され、出力にはトンネルラベルWYが設定される。ノード2135のラベルテーブル2144の入力にはトンネルラベルWYが設定され、出力にはトンネルラベルYBが設定される。
そして、対向エッジノード2137のラベルテーブル2145の入力には、トンネルラベルYB、第1のPWラベルab、および第2のPWラベル33が設定され、出力には顧客識別子VPN10が設定される。
通常時には、主系エッジノード2131が、顧客装置2111からのMACフレーム2161を受信し、対向エッジノード2137に対してProtected LSP2151上で転送する。
MACフレーム2161にはVLAN識別子33が付加されており、主系エッジノード2131は、このVLAN識別子33を第2のPWラベル33にマッピングする。そして、MACフレーム2161にトンネルラベルAW、第1のPWラベルab、および第2のPWラベル33を付加して、パケット2162を生成する。
ノード2133は、主系エッジノード2131から受信したパケット2162のトンネルラベルAWをWYに変更して、パケット2163を生成する。ノード2135は、ノード2133から受信したパケット2163のトンネルラベルWYをYBに変更して、パケット2164を生成する。
そして、対向エッジノード2137は、ノード2135から受信したパケット2164に含まれる第2のPWラベル33をVLAN識別子33に再マッピングし、MACフレーム2165を顧客装置2112に転送する。下り方向についても同様に、3段のラベルを使用してトラフィックが転送される。
以上説明したように、ラベルスイッチングネットワークにおいて、従系エッジノードを経由するBackup LSPを設定することで、トンネルLSP数の増加を小さく抑えたまま、エッジノードを冗長化することが可能になる。
Claims (11)
- トンネルラベルを有するパケットを転送するラベルスイッチングネットワークにおいて、主系エッジノード装置と従系エッジノード装置から構成される冗長化されたエッジノードを有するエッジノード冗長化システムであって、
前記主系エッジノード装置は、
前記ラベルスイッチングネットワーク上の対向エッジノード装置と該主系エッジノード装置の間に保護対象ラベルスイッチングパスを設定し、前記従系エッジノード装置を経由し、該保護対象ラベルスイッチングパスに対する迂回路として用いられるバックアップラベルスイッチングパスを設定して、該保護対象ラベルスイッチングパスのセッション情報を該従系エッジノード装置に送信する第1のトンネル制御部と、
前記保護対象ラベルスイッチングパスのトンネルラベルと、前記バックアップラベルスイッチングパスのトンネルラベルを格納する第1のトンネルラベルデータベースと、
前記第1のトンネルラベルデータベースを用いて、前記対向エッジノード装置と前記主系エッジノード装置の間のパケット転送を行う第1のトンネル処理部とを備え、
前記従系エッジノード装置は、
前記主系エッジノード装置から前記保護対象ラベルスイッチングパスのセッション情報を受信する第2のトンネル制御部と、
前記バックアップラベルスイッチングパスのトンネルラベルを格納する第2のトンネルラベルデータベースと、
前記主系エッジノード装置の障害時に、前記保護対象ラベルスイッチングパスのセッション情報に従って該主系エッジノード装置からラベルスイッチングパスセッションを引き継ぎ、前記第2のトンネルラベルデータベースを用いて、前記対向エッジノード装置と前記従系エッジノード装置の間のパケット転送を行う第2のトンネル処理部とを備え、
前記主系エッジノード装置の障害時に、前記保護対象ラベルスイッチングパスの始点ノードまたは終点ノードとして動作することを特徴とするエッジノード冗長化システム。 - 前記ラベルスイッチングネットワークは、前記トンネルラベルと1つ以上のバーチャルプライベートネットワークラベルを含む複数のラベルを有するパケットを転送し、
前記主系エッジノード装置は、
前記保護対象ラベルスイッチングパスを用いて転送されるパケットのバーチャルプライベートネットワークラベルを、前記従系エッジノード装置に送信する第1のバーチャルプライベートネットワーク制御部と、
前記バーチャルプライベートネットワークラベルを格納する第1のバーチャルプライベートネットワークラベルデータベースと、
前記第1のバーチャルプライベートネットワークラベルデータベースを用いて、前記パケットのバーチャルプライベートネットワークラベルの付加または除去を行う第1のバーチャルプライベートネットワーク処理部をさらに備え、
前記従系エッジノード装置は、
前記主系エッジノード装置から前記バーチャルプライベートネットワークラベルを受信する第2のバーチャルプライベートネットワーク制御部と、
前記バーチャルプライベートネットワークラベルを格納する第2のバーチャルプライベートネットワークラベルデータベースと、
前記主系エッジノード装置の障害時に、前記第2のバーチャルプライベートネットワークラベルデータベースを用いて、前記パケットのバーチャルプライベートネットワークラベルの付加または除去を行う第2のバーチャルプライベートネットワーク処理部をさらに備えることを特徴とする請求項1記載のエッジノード冗長化システム。 - 前記複数のラベルは、前記トンネルラベルと2つ以上のバーチャルプライベートネットワークラベルを含むことを特徴とする請求項2記載のエッジノード冗長化システム。
- 前記従系エッジノード装置は、前記主系エッジノード装置からのメッセージにより死活監視を行い、前記第2のトンネル処理部は、該主系エッジノード装置からのメッセージが途絶えたとき、前記第2のトンネルラベルデータベースを有効にすることを特徴とする請求項1記載のエッジノード冗長化システム。
- 前記主系エッジノード装置は、該主系エッジノード装置に収容されるアクセス回線の障害時に、前記従系エッジノード装置に回線障害メッセージを送信し、前記第2のトンネル処理部は、該回線障害メッセージを受信したとき、前記第2のトンネルラベルデータベースを有効にすることを特徴とする請求項1記載のエッジノード冗長化システム。
- トンネルラベルを有するパケットを転送するラベルスイッチングネットワークにおいて、主系エッジノード装置とともに冗長化されたエッジノードを構成する従系エッジノード装置であって、
前記ラベルスイッチングネットワーク上の対向エッジノード装置と前記主系エッジノード装置の間に設定された保護対象ラベルスイッチングパスのセッション情報を、該主系エッジノード装置から受信するトンネル制御部と、
前記従系エッジノード装置を経由し、前記保護対象ラベルスイッチングパスに対する迂回路として用いられるバックアップラベルスイッチングパスのトンネルラベルを格納するトンネルラベルデータベースと、
前記主系エッジノード装置の障害時に、前記保護対象ラベルスイッチングパスのセッション情報に従って該主系エッジノード装置からラベルスイッチングパスセッションを引き継ぎ、前記トンネルラベルデータベースを用いて、前記対向エッジノード装置と前記従系エッジノード装置の間のパケット転送を行う第2のトンネル処理部とを備え、
前記主系エッジノード装置の障害時に、前記保護対象ラベルスイッチングパスの始点ノードまたは終点ノードとして動作することを特徴とする従系エッジノード装置。 - 前記ラベルスイッチングネットワークは、前記トンネルラベルと1つ以上のバーチャルプライベートネットワークラベルを含む複数のラベルを有するパケットを転送し、
前記従系エッジノード装置は、
前記保護対象ラベルスイッチングパスを用いて転送されるパケットのバーチャルプライベートネットワークラベルを、前記主系エッジノード装置から受信するバーチャルプライベートネットワーク制御部と、
前記バーチャルプライベートネットワークラベルを格納するバーチャルプライベートネットワークラベルデータベースと、
前記主系エッジノード装置の障害時に、前記バーチャルプライベートネットワークラベルデータベースを用いて、前記パケットのバーチャルプライベートネットワークラベルの付加または除去を行うバーチャルプライベートネットワーク処理部をさらに備えることを特徴とする請求項6記載の従系エッジノード装置。 - 前記複数のラベルは、前記トンネルラベルと2つ以上のバーチャルプライベートネットワークラベルを含むことを特徴とする請求項7記載の従系エッジノード装置。
- 前記従系エッジノード装置は、前記主系エッジノード装置からのメッセージにより死活監視を行い、前記トンネル処理部は、該主系エッジノード装置からのメッセージが途絶えたとき、前記トンネルラベルデータベースを有効にすることを特徴とする請求項6記載の従系エッジノード装置。
- 前記主系エッジノード装置は、該主系エッジノード装置に収容されるアクセス回線の障害時に、前記従系エッジノード装置に回線障害メッセージを送信し、前記トンネル処理部は、該回線障害メッセージを受信したとき、前記トンネルラベルデータベースを有効にすることを特徴とする請求項6記載の従系エッジノード装置。
- 主系エッジノード装置と従系エッジノード装置から構成される冗長化されたエッジノードを有するラベルスイッチングネットワークにおいて、トンネルラベルを有するパケットを転送するパケット転送方法であって、
前記主系エッジノード装置と前記ラベルスイッチングネットワーク上の対向エッジノード装置の間に保護対象ラベルスイッチングパスを設定し、
前記従系エッジノード装置を経由し、前記保護対象ラベルスイッチングパスに対する迂回路として用いられるバックアップラベルスイッチングパスを設定し、
前記保護対象ラベルスイッチングパスのセッション情報を前記従系エッジノード装置に送信し、
前記保護対象ラベルスイッチングパスのトンネルラベルと、前記バックアップラベルスイッチングパスのトンネルラベルを、前記主系エッジノード装置のトンネルラベルデータベースに格納し、
前記バックアップラベルスイッチングパスのトンネルラベルを、前記従系エッジノード装置のトンネルラベルデータベースに格納し、
前記主系エッジノード装置と前記対向エッジノード装置の間のパケット転送を行い、
前記主系エッジノード装置の障害時に、前記従系エッジノード装置が、前記保護対象ラベルスイッチングパスのセッション情報に従って該主系エッジノード装置からラベルスイッチングパスセッションを引き継ぎ、該保護対象ラベルスイッチングパスの始点ノードまたは終点ノードとしてパケット転送を行う
ことを特徴とするパケット転送方法。
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