JPWO2009041130A1 - 物質内包カーボンナノホーン集合体、およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

内包物が外部と遮蔽されることで化学的安定性を高め、かつ内包物を集合させて保持することで体外から誘導可能なターゲッティング材料、あるいは造影剤などに用いることができる物質内包カーボンナノホーン集合体およびその製造方法を提供すること。外部から遮蔽された状態で内包物がカーボンナノホーン集合体の中心部もしくはその近傍に集まり安定化していることを特徴とする物質内包カーボンナノホーン集合体であり、その製造方法は、熱処理により内包する物質を中心部もしくはその近傍に集める工程を有する。

Description

本発明は、微粒子等の物質を内包したカーボンナノホーンの集合体、及び、その製造方法に関するものである。
近年、ドラッグデリバリーシステム(DDS)における薬物の担体として様々な無機物質や有機物質を活用することが検討されてきている。このような担体として、ナノテクノロジーの急速な発展により、特にナノ粒子が注目されておりこれまで多くの報告がされている。
このような状況において、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン等のナノサイズの大きさを有するナノ炭素材に関する関心が高まり、これらのナノ炭素材を修飾して、ナノサイズ物質として特徴的な構造に由来する性質とともに、生態適合性や薬物特性等の機能をも発現させようとする試みがなされている。
例えば、特許文献1には、カーボンナノホーンの特異な構造に着目し、ナノホーンの鞘の内部に生理活性や薬理活性を有する機能性分子を導入した新規な集合体とその製造方法に関する技術が開示されている。また、非特許文献1には、上記の薬物を内部に導入したカーボンナノホーン集合体が徐放性を有し、内部物質が薬物活性を示すことからドラッグデリバリーシステム(DDS)薬剤に応用できることが述べられている。
また、特許文献2では、MRIの造影剤の担持体としてカーボンナノホーンを利用する用途も報告され、FeやGdを内部に担持することにより、低毒性の要望を満たし、微細領域での診断が行え、しかも大量合成が容易な造影剤を提供している。
また、特許文献3では、開孔したカーボンナノホーン集合体に金属微粒子を内包させた後、その穴を閉じることで体内での金属などの微粒子の溶出を防ぐことが報告されている。
特開2005−343885号公報 特開2006−182657号公報 特開2007−204310号公報 Mol.Pharm.,2004,1,399.
特許文献2で開示されるようなMRI用の造影剤においては、造影効果のある物質がナノホーンの内部に担持されているものの、ナノホーンの鞘の部分は開口されたままであるため、造影効果のある物質が周囲と接する場合もあった。このため、該物質が体内で溶出または物性が変化することが大きな問題であり、実用上大きな課題であった。
また、特許文献3で開示される金属微粒子を内包したカーボンナノホーン集合体では、内包された金属微粒子はナノホーンの先端に近い部分に存在するため、直径が2nm程度の微粒子になっているのが一般的である。この場合には、Feなどの強磁性を示す金属を内包した場合でも強磁性が十分発現しないため、たとえば体外から磁石を用いてカーボンナノホーンを目的とする場所に運搬すること、すなわち、ターゲッティングを行うことができないという課題があった。また、内包された微粒子がカーボンナノホーンの鞘の先端にナノサイズで分散しているため、造影剤として用いる場合であっても十分な造影効果が期待できないといった問題があった。
そこで、本発明は、以上の事情に鑑みてなされたものであり、本発明の第一の目的は、内包物が外部と遮蔽され、体内などの環境であっても溶出などを起こさず化学的安定性が高い物質内包カーボンナノホーン集合体およびその製造方法を提供することにある。
また、本発明の第二の目的は、分散して存在する内包物を集合させて保持することを可能とすることで、体外から誘導可能なターゲッティング材料や造影剤などに用いることができる物質内包カーボンナノホーン集合体およびその製造方法を提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決するものとして、以下のことを特長としている。
すなわち、本発明に係る物質内包カーボンナノホーン集合体は、酸化処理により開孔したカーボンナノホーンに金属などの機能性物質を内包させ、熱処理により周囲の不純物炭素を使い、あるいは、自己変形により閉孔させつつ、内包物をカーボンナノホーン集合体の中心部に集め安定化させる。
この出願の発明によれば、体内などの様々な条件下で溶けてしまう物質や反応してしまう物質を内包した場合でも、内包物は外部から遮蔽されている。一方、外部環境と直接接触するのは化学的に安定なカーボンナノホーンであるため、酸性雰囲気等でも安定である。このため、本発明による物質内包カーボンナノホーン集合体は酸化、腐食、溶解などに対して高い安定性を持つ。また、酸化雰囲気においても内包金属等が酸化することなく安定である。
さらに内包物が外部から遮蔽された環境で5〜50nm程度のサイズを持つため、本発明による物質内包カーボンナノホーン集合体は、造影剤としての効果向上や磁性などを利用したDDSにおけるターゲッティングへの応用に最適である。
本発明の物質内包カーボンナノホーン集合体の作製プロセスの概要を摸式的に示す図である。 本発明で使用したCNHの電子顕微鏡像である。 本発明によって作製されたGd@oxCNHの電子顕微鏡像である。 本発明によって作製されたHTGd@oxCNHの電子顕微鏡像である。 本発明によって作製されたHTGdCNHの塩酸処理前のSTEM像である。 本発明で作製されたCNH、oxCNH、Gd@oxCNH、HTGd@oxCNHの77Kでの窒素による吸着等温線およびBET法によって見積もられた比表面積である。 本発明によって作製されたHTGd@oxCNHとHTGdCNHの塩酸処理前後の熱重量分析結果を示す図である。 本発明によって作製されたHTGdCNHの塩酸処理後のSTEM像である。 本発明によって作製されたHTGd@oxCNHの塩酸処理後のSTEM像である。 本発明によって作製された塩酸処理後のHTGd@oxCNHを112°連続に回転させながら観察したZ‐コントラスト像である。
この出願の発明は、上記の通りの特徴を持つものであるが、以下に実施の形態について説明する。
図1は、本発明の物質内包カーボンナノホーン集合体、および、その製造プロセスの概要を模式的に示す図である。
本発明による物質内包カーボンナノホーン集合体の作製方法は、図1に示されるように、最初に酸化開孔カーボンナノホーンを作製するための酸化処理を行う。この際、側面などの五員環や七員環を有する部位が優先的に開孔する。次に、この開孔部からカーボンナノホーン内部に金属などの内包物質を取り込む。本発明にかかる内包物質は、金属物質ないしその前駆体である。内包物質は、昇華させて直接内部に導入するか、あるいは、溶媒に溶かされた状態でナノホーン内部に導入される。次いで、真空、不活性ガス、水素、およびそれらの組み合わせでの加熱処理を行う。この処理によって、内包物はチューブ構造の鞘を移動してカーボンナノホーン中心部に集まり、サイズが2nm以上の集合体になる。
出発物質として用いるカーボンナノホーンは、各々は2〜5nmの直径を持つカーボンナノホーンがホーンの先端を外側にして球形に集合した凝集体であるが、その凝集体の直径は30〜200nmのものが使用可能である。このカーボンナノホーンに微細な孔を開けるためには、様々な酸化条件により、開孔するサイズを制御できる。酸素雰囲気中での熱処理による酸化では、酸化処理温度を変えることにより、カーボンナノホーンの孔のサイズが制御でき、350から550℃で直径0.3から1nmの孔を開けることができる。また、特開2003−95624号公報に示されるように、酸などによる処理でも開孔は可能である。硝酸溶液であれば、110℃、15分で1nmの孔を空けることが可能で、過酸化水素であれば、100℃、2時間で1nmの孔を空けることができる。開孔時の条件を制御して開孔の径を変化させることにより、カーボンナノホーンの内部に取り込む内包物質の量(サイズ)を制御することができる。後述するように、内包物質の取り込み時の条件を変えることによってもカーボンナノホーンの内部に取り込む内包物質の量を制御することができる。このように、カーボンナノホーンの内部に取り込む内包物質の量を制御することにより、カーボンナノホーン内部に担持される内包物質のサイズ、さらには、熱処理後のカーボンナノホーン中心部に内包される物質のサイズを制御することができる。
また、真空、不活性ガス、水素中およびそれらの組み合わせで加熱処理することで内包物を中心部に移動させて凝集化させる。この場合、加熱処理温度は室温〜1800℃の範囲が好ましい。加熱する温度は、内包物の融点付近で適宜温度制御することが望ましい。また、内包物の種類によっては、内包物の蒸発温度でも移動させることができる。ここで、1800℃以上では、カーボンナノホーンのグラファイト化が起こりやすく好ましくない。不活性ガスの種類としては、窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン等が好ましい。更に水素などで内包物を還元しながら移動させることも可能である。
酸化開孔されたカーボンナノホーンへ内包される物質は、その種類に特に制限はないが、本発明の物質内包カーボンナノホーン集合体の製作プロセスにおいて、内包物質を導入する際に、真空中や不活性ガス中で昇華するものや溶媒に溶解されて溶液中に存在する物質を対象とすることができる。このような物質であれば、有機物、無機物、金属のいずれか1種、または、2種以上の混合物を用いることができる。内包される物質が複数種であるとき、それらの物質の化学反応により目的の物性、たとえば、触媒特性等を得ることができる。その場合、内包される複数種の物質の混合比を制御することにより内包物質の組成を制御することができる。あるいは、内包される物質が複数種であるとき、それぞれを異なる触媒として機能するようにすることができる。
なお、この出願の発明において、上記のとおり物質内包カーボンナノホーン集合体への内包物質は、その種類に制限はないが、特に金属では、常磁性金属や強磁性金属などを用いることができる。これらの金属としては、Gd、Ce、Pr、Sm、Eu、Tb、Dy、Er、Ho、Tm、Ybから選ばれる希土類金属、Mn、Fe、Ni、Co、Ru、Rh、PtならびにPdなどから選ばれる金属の単体および合金を用いることができる。これらのうち、特に造影効果の点ではGdが好ましい。また、強磁性金属としては、Fe、Ni、Coの単体および合金を用いることができ、特に造影効果や体外からの磁石を使ったターゲット材料の点からFeが望ましい。無機物としては、上記金属の酸化物が好ましく、有機物は、フラーレン、金属内包フラーレン類やデキサメタゾン(DEX)、ドキソルビシン(DRX)、テトラチアフルバレン(TTF)、テトラシアノキノジメタン(TCNQ)のような有機機能性分子、フェロセン、フタロシアニン、シスプラチンなどの金属錯体を用いることが好ましい。これらを導入する雰囲気において、気相では、1気圧以下が好ましく、導入量、温度、時間など変えることでサイズや量を制御することができる。導入量は、重量比で60%程度までが好ましい。また、導入する際の温度は、室温〜1800℃程度が好ましく、時間は〜48時間程度まで可能である。液相では、溶媒の種類や溶液中のpH、濃度、温度、時間などを変えることで、その導入する物質のサイズや量を制御することができる。この時濃度は、各溶媒での飽和濃度まで利用でき、温度は室温から300℃程度が好ましく、時間は〜200時間程度まで可能である。
上記のように、様々の内包物質を導入した後、真空または不活性ガスもしくは還元性雰囲気中で熱処理を加えることで、最初に導入した物質が中心部に移動するが、このときの温度範囲が800〜1800℃であれば、開孔処理に伴って作製されたナノ開孔を閉じることができる。なお、この時、一部の内包物は、ナノホーンの鞘との接触面積が大きく安定性が高いためナノホーンの先端部にも移動する。
また、上記で記載された物質内包カーボンナノホーン集合体は、取込む内包物が金属、無機物、有機物のいずれか1種または、2種類以上の混合物あるいは、これらの化合物であることが可能であることを特徴とする。特に造影剤としては、Gd、Feまたは、ランタノイドなどの金属またはその酸化物などが効果的である。
上記で記載された物質内包カーボンナノホーン集合体は、ペタルのようなグラフェンシートを含んだカーボンナノホーン集合体(ペタル含有カーボンナノホーン集合体)、ダリア型カーボンナノホーン集合体、つぼみ型カーボンナノホーン集合体、Seed型カーボンナノホーン集合体を利用することが可能である。ここでペタルとは、グラフェンが1〜10層程度重なり、縦横寸法が、30nm〜200nm程度である構造体をさす。
上記で記載された物質内包カーボンナノホーン集合体は、熱処理により内包物を中心部に集めた後、再び酸化処理することにより親水基など置換することができる。開孔したカーボンナノホーン集合体において、開孔縁に親水基を付加することができる。置換させる親水基としては、例えば、カルボニル基、カルボキシル基、水酸基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、開孔縁に付加された親水基に有機物や生体関連分子を付加することで、溶媒分散性や生体親和性などの特性を付与することができる。
上記で記載された物質内包カーボンナノホーン集合体は、取り込まれた内包物が熱処理などで移動する際、好ましくは内包物がチューブ構造の鞘を移動することを特徴とする。
本発明にかかる物質内包カーボンナノホーン集合体の製造方法は、熱処理により内包する物質を中心部もしくはその近傍に集める工程を有する。そして、上記で記載したようにこの熱処理により、開孔されたカーボンナノホーン集合体の閉孔処理を同時に行なうことも可能である。
次に、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(物質内包カーボンナノホーン集合体の作製)
カーボンナノホーン(CNH)(図2)の開口処理は、酸素中で500℃で10分間熱処理を行った(oxCNH)。この時の、酸素の流量は、200ml/minで行った。次に、酢酸ガドリニウム(50mg)とoxCNH(50mg)をエタノール溶液20ml中で混合し、室温で約24時間攪拌した。その後、フィルターを使って3回ろ過した後、24時間真空乾燥を行い、含まれている溶媒などを蒸発させて完全に取り除いた(Gd@oxCNH)。このときの電子顕微鏡像を図3に示す。黒い点は酢酸ガドリニウムであり、oxCNHの内部に取り込まれていることが分かる。粒子サイズは、鞘の大きさで大体決まっており、2〜5nmである。次に、このGd@oxCNHを1200℃、アルゴン等の不活性ガス雰囲気で3時間熱処理を行った(HTGd@oxCNH)。この電子顕微鏡像が図4であり、Gd化合物が内包されている。またこの際、HTGd@oxCNHの中心部に大きなGd化合物が観察される。このことは、中心部へGd化合物が移動していると予想される。また、一部は、先端部へも移動していると思われる。比較のために未処理CNHにも上記と同様に酢酸ガドリニウムを担持した(GdCNH)。それらも同様に1200℃、不活性ガス雰囲気で3時間熱処理を行った(HTGdCNH)(図5)。図よりHTGdCNHは、3〜10nm程度のGd化合物が分散して担持されている。これは、CNHは鞘の外部しか吸着サイトがないため、熱処理によりGdが表面拡散して凝集したためであると考えられる。上記の1200℃熱処理で、HTGd@oxCNHの開孔部が閉孔された。
(物質内包カーボンナノホーン集合体の評価)
CNH、oxCNH、Gd@oxCNH、HTGd@oxCNHは、77Kでの窒素吸着測定をASAP2000で行った。そのとき得られた吸着等温線とBET法を使って比表面積を算出した結果を図6に示す。図6から、oxCNHは、CNHに比べ、吸着量が大幅に増加し、比表面積が1460m/gとなり、CNHの約4倍になっていることが分かった。このことは、CNHの表面に穴が開いて内部の細孔が窒素の吸着に利用できるようになっていることを示す。また、Gd@oxCNHの比表面積は、1100m/gになった。このことからGd化合物が内包した後も、oxCNH表面上の穴から窒素が通過し、細孔内を充填することができることわかった。しかしながらHTGd@oxCNHは、Gd化合物が内包しているもかかわらず、CNHとほぼ同じ窒素吸着量であり、穴が閉じていることが明らかになった。
穴が閉じられたHTGd@oxCNHとHTGdCNHを、5M塩酸溶液中で24時間攪拌した。その後フィルターを使って水で十分に洗浄した。これらの操作を3回行った。回収したサンプルについて、Gdが溶け出していないかを調べた。図7は、塩酸で洗浄前後のHTGd@oxCNHとHTGdCNHの熱重量分析(TGA)の結果である。ここで測定条件は、酸素中で10℃/minで昇温した。HTGdCNHは、塩酸洗浄によりGdの重量が25%減少したのに対して、HTGd@oxCNHは、7%しか重量減少せず酸への耐性が著しく増加していることが分かった。図8には、HTGdCNHの塩酸処理後のSTEM像をそれぞれ示した。塩酸処理前(図5)は、3〜10nm程度のGd化合物が分散して担持されている(図5)。しかしながら塩酸処理後は、ほとんどGd化合物が溶出してし、TGAの結果と一致している(図8)。図9の塩酸処理後のHTGd@CNHのSTEMの結果から、図4の塩酸処理前と比べ外側のGdは多少減少しているように観察されるが、中心付近に観察されるGdはほとんど残っていることが分かった。このことは、中心付近の方が安定性が高いことを示していると思われる。また、HTGd@CNHで中心付近に凝集したGd化合物のサイズは、10〜20nmであった。この中心付近に観察されるGd化合物をZ‐コントラスト像において、112°回転させたのが図10である。角度が変化しているにもかかわらずHTGd@oxCNHの中心部のGdが同じ場所に観察されていることが分かる。この結果は、Gd化合物がカーボンナノホーンの中心に存在していることを示している。したがって、ガス吸着測定、TGA、Z−コントラスト像からGd化合物は、図1に示すように外部から遮蔽された状態で中心付近に凝集している構造を持っている。
(溶媒分散性及び生体親和性)
HTGd@oxCNH(40mg)を、100 mlの過酸化水素溶液中に分散し、室温、6hで酸化処理を行った。その後、フィルターで十分過酸化水素を洗浄し、真空中で乾燥させた。引き続き得られたサンプルをHe中で熱重量分析を行った。温度領域は、室温から600℃、昇温速度は、5℃/minで行った。その結果、400℃付近での重量減少が観察され、カルボキシル基などの表面官能基が約1%吸着していることが分かった。これらにポリエチレングリコール(PEG)などを付加し、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)に分散させ、溶媒親和性、生体親和性の向上を確認したところ、上記処理を施していないカーボンナノホーン集合体は凝集沈降したが、処理を施した物質内包カーボンナノホーン集合体では親水性が向上し、24時間たってもまったく沈殿現象は観測されなかった。
この出願は、2007年9月25日に出願された日本出願特願2007−247269を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。

Claims (14)

  1. 外部から遮蔽された状態で内包物がカーボンナノホーン集合体の中心部もしくはその近傍に集まり安定化していることを特徴とする物質内包カーボンナノホーン集合体。
  2. 前記内包物が、外部から取り込まれた後、熱処理によりナノホーンの鞘の中を移動してナノホーン集合体の中心部に集まることを特徴とする請求項1に記載の物質内包カーボンナノホーン集合体。
  3. 前記カーボンナノホーン集合体として、ペタル構造のグラフェンシートを含んだカーボンナノホーン集合体、ダリア型カーボンナノホーン集合体、つぼみ型カーボンナノホーン集合体および種型カーボンナノホーン集合体のいずれかを利用することを特徴とする請求項1または2に記載の物質内包カーボンナノホーン集合体。
  4. 前記内包物が、金属、無機物、有機物、あるいは、これらの化合物のいずれか1種または、2種類以上の混合物であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の物質内包カーボンナノホーン集合体。
  5. 前記内包物の取込み量は、気相において取込む際に、内包させる物質の仕込み量、気体の種類、気圧、温度および時間の少なくとも1以上を調節することで制御することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の物質内包カーボンナノホーン集合体。
  6. 前記内包物の取込み量は、液相において取り込む際に、内包させる物質の仕込み量、溶媒の種類、溶液中のpH、濃度、温度および時間の少なくとも1以上を調節することで制御することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の物質内包カーボンナノホーン集合体。
  7. 外部から取り込まれた内包物の直径が0.3〜5nmであることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の物質内包カーボンナノホーン集合体。
  8. 開孔したナノホーン集合体を真空中、不活性雰囲気中または水素中での熱処理、あるいはそれらを併用した熱処理により閉孔することにより、前記内包物を外部から遮蔽された状態にすることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の物質内包カーボンナノホーン集合体。
  9. 前記熱処理の際に、前記内包物が熱変性あるいは還元されることを特徴とする請求項8に記載の物質内包カーボンナノホーン集合体。
  10. 前記熱処理により内包物を中心部に集めた後、再び酸化処理することにより開孔させ、開孔縁に親水基を付加することができることを特徴とする請求項2に記載の物質内包カーボンナノホーン集合体。
  11. 前記親水基がカルボニル基、カルボキシル基および水酸基の少なくとも1以上である請求項10に記載の物質内包カーボンナノホーン集合体。
  12. 前記開孔縁に付加された親水基に有機物または生体関連分子を付加し、溶媒分散性、生体親和性などの付加的特性が付与されていることを特徴とする請求項10または11に記載の物質内包カーボンナノホーン集合体。
  13. 請求項1から12のいずれかに記載の物質内包カーボンナノホーン集合体の作製方法であって、
    熱処理により内包する物質を中心部もしくはその近傍に集める工程を有することを特徴とする物質内包カーボンナノホーン集合体の製造方法。
  14. 前記熱処理工程により、開孔されたカーボンナノホーン集合体の閉孔処理を同時に行うことを特徴とする請求項13に記載の物質内包カーボンナノホーン集合体の製造方法。
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