本発明は、無線通信装置および無線通信方法に関する。
3GPP-LTEでは、下り回線の通信方式としてOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)が採用されている。3GPP-LTEでは、無線通信基地局装置(以下、基地局と省略する)が予め定められた通信リソースを用いて参照信号(Reference Signal:RS)を送信し、無線通信端末装置(以下、端末と省略する)は受信した参照信号を用いてチャネル推定を行ってデータを復調する(非特許文献1参照)。
また、基地局が複数のアンテナポート(antenna port)を備えている場合、基地局はダイバーシチ送信を行うことが可能である。一方で、ダイバーシチ送信された信号を端末が誤りなく受信するためには、端末は、基地局での送信に用いられたアンテナポート群から端末までの伝搬路状態を知る必要がある。従って、基地局に備えられるすべてのアンテナポートからRSが互いに干渉なく送信される必要がある。これを実現するために3GPP-LTEでは、基地局の各アンテナポートから、時間軸および周波数軸で互いに異なるタイミングおよびキャリア周波数を用いてRSが送信される方法を採用する。
図1Aに3GPP-LTEで想定されている2アンテナポートの基地局(2Tx基地局)の構成を示し、図1Bに2Tx基地局におけるRS送信方法を示す。同様に、図2Aに3GPP-LTEで想定されている4アンテナポートの基地局(4Tx基地局)の構成を示し、図2Bに4Tx基地局におけるRS送信方法を示す。ただし、図1B,図2Bにおいて、縦軸(周波数軸)はサブキャリア単位であり、横軸(時間軸)はOFDMシンボル単位である。また、1スロットは7OFDMシンボルから構成される。また、R0,R1,R2,R3はそれぞれアンテナポート0,1,2,3(1番目,2番目,3番目,4番目のアンテナポート)から送信されるRSを示す。また、太線の枠で囲まれた1つのブロック(周波数軸方向に12サブキャリア、時間軸方向に7OFDMシンボル)の単位をリソースブロック(Resource Block:RB)と呼ぶ。図1Bおよび図2Bから分かるように、4Tx基地局では、RS送信にかかるオーバーヘッドを最小限に抑えるため、アンテナポート2(3番目のアンテナポート)、アンテナポート3(4番目のアンテナポート)からのRSの送信頻度を減少させている。
なお、1Tx基地局は2Tx基地局のRS配置におけるR0のリソースでのみRSを送信する。
上記のとおり、4Tx基地局ではアンテナポート2およびアンテナポート3からのRSの送信頻度が低い。よって、4Tx基地局からのRSを受信する端末では、1RB内でアンテナポート2およびアンテナポート3のチャネル推定値の内挿補間が行えず、高速移動時のチャネル推定精度が大きく劣化する。そこで、端末の高速移動時には基地局のアンテナポート2およびアンテナポート3を使用しないことにより、端末でのSNR特性が良好になることが確認された(非特許文献2参照)。
よって、従来は、4Tx基地局は4つのアンテナポートを備えているにもかかわらず、端末の高速移動時には、2つのアンテナポートのみを用いる。
または、従来は、4Tx基地局の4つの無線送信部を有効利用すべく、4Tx基地局を、図3に示すように、アンテナポート0とアンテナポート2とから構成されるバーチャルアンテナ(Virtual Antenna)0、および、アンテナポート1とアンテナポート3とから構成されるバーチャルアンテナ1を備えるバーチャル2Tx基地局として扱う。但し、図3では、バーチャルアンテナによる不必要なビームフォーミング効果を抑えるために、アンテナポート2およびアンテナポート3にCDD(Cyclic delay diversity)生成部を付加している。
このとき、図3のマッピング部から出力される信号を
とすると、4つのアンテナポートから送信される信号y
virtualは
となる。なお、DはCDDを表わす4×4の対角行列である。
3GPP TS 36.213 V1.1.0 (ftp://ftp.3gpp.org/TSG_RAN/WG1_RL1/TSGR1_49/Docs/R1-072633.zip)
Transmit Diversity Scheme for Control Channel in E-UTRA (ftp://ftp.3gpp.org/TSG_RAN/WG1_RL1/TSGR1_49/Docs/R1-072423.zip)
しかしながら、上記のようなバーチャルアンテナを用いると、基地局では2つのアンテナポートから同一のRSが送信されるため、端末では、基地局の4つのアンテナポートの伝搬路を分離することができない。このため、端末では各アンテナポートと端末との間の伝搬路状態を知ることができない。よって、4つのアンテナポート各々の送信ウェイトを基地局が制御することによって可能になる空間多重(Space division multiplexing:SDM)の最適化を行うことができなくなってしまう。この問題は、特に低速移動する端末(以下、低速端末と省略する)に対して大きな影響を及ぼす。
また、端末は、基地局からのBCH(Broadcast Channel)信号を受信するまで、その基地局のアンテナポート数が分からない。3GPP-LTEでは1Tx基地局も混在するため、基地局のアンテナポート数が分からない端末は、確実に送信されるR0のみを用いてチャネル推定を行わざるを得ない。よって、複数のアンテナポートを有する基地局がアンテナポート0以外のアンテナポートも用いてBCH信号を送信すると、基地局の送信方法と端末の受信方法とがマッチしなくなってしまう。そこで、複数のアンテナポートを有する基地局がアンテナポート0のみを用いてBCH信号を送信することにすると、基地局は複数のアンテナポートを有しているにもかかわらずBCH信号のダイバーシチ送信を行えないことになる。よって、ダイバーシチ送信が可能であるデータ信号の到達範囲に比べ、BCH信号の到達範囲が小さくなってしまう。
本発明の目的は、バーチャルアンテナを用いる際にも複数のアンテナポートの伝搬路の分離を可能にしてチャネル推定精度を向上させることができる無線通信装置および無線通信方法を提供することである。
本発明の無線通信装置は、複数のアンテナポートから形成されるバーチャルアンテナと、前記複数のアンテナポートの各々から送信される参照信号のいずれか1つの符号を反転させる反転手段と、を具備する構成を採る。
本発明の無線通信方法は、複数のアンテナポートから形成されるバーチャルアンテナを備える無線通信装置における無線通信方法であって、前記複数のアンテナポートの各々から送信される参照信号のいずれか1つの符号を反転させるようにした。
本発明によれば、バーチャルアンテナを用いる際にも複数のアンテナポートの伝搬路の分離を可能にしてチャネル推定精度を向上させることができる。
従来の2Tx基地局の構成を示すブロック図
従来の2Tx基地局におけるRS送信方法を示す図
従来の4Tx基地局の構成を示すブロック図
従来の4Tx基地局におけるRS送信方法を示す図
従来のバーチャル2Tx基地局の構成を示すブロック図
本発明の実施の形態1に係る基地局の構成を示すブロック図(バーチャルアンテナ送信を行うバーチャル2Tx基地局として動作する場合)
本発明の実施の形態1に係る基地局の構成を示すブロック図(アンテナポート送信を行う4Tx基地局として動作する場合)
本発明の実施の形態1に係るRS配置を示す図
3GPP-LTEにおけるBCHおよびSCHの時間軸上の配置を示す図
3GPP-LTEにおけるデータチャネルと、BCHおよびSCHの制御チャネルとの周波数軸上での配置を示す図
本発明の実施の形態2に係る基地局の構成を示すブロック図
本発明の実施の形態2に係るRS配置を示す図(BCHを含まない周波数帯域)
本発明の実施の形態2に係るRS配置を示す図(BCHを含む周波数帯域)
従来の1Tx基地局でのRS配置を示す図
本発明の実施の形態3に係る基地局の構成を示すブロック図(バーチャルアンテナ送信を行うバーチャル4Tx基地局として動作する場合)
本発明の実施の形態3に係る基地局の構成を示すブロック図(アンテナポート送信を行う8Tx基地局として動作する場合)
本発明の実施の形態3に係るRS配置を示す図
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
本実施の形態では、4Tx基地局が、各々が2つのアンテナポートから形成される2つのバーチャルアンテナを用いてRSとデータ信号とを送信する(バーチャルアンテナ送信)。但し、1つのバーチャルアンテナを形成するいずれか一方のアンテナポートから送信される信号の符号を時間軸上でRB毎に反転させる。
基地局がこのようにしてバーチャルアンテナを用いることにより、4つのアンテナポートを有効利用しつつ、高速移動する端末(以下、高速端末と省略する)への信号の伝送品質を最適化することができる。また、端末では2つのバーチャルアンテナからのRSを、4つのアンテナポートからのRSに分離することができるため、端末ではすべてのアンテナポートのチャネル推定が可能になる。
また、本実施の形態では、基地局が、4つのアンテナポートを用いてデータ信号の送信を行うことが適する端末、特に低速端末に対して、バーチャルアンテナを用いずに4つのアンテナポートを用いてデータ信号を送信する(アンテナポート送信)。但し、アンテナポート2およびアンテナポート3においては、バーチャルアンテナ形成時に付加していたCDD生成部を介してデータ信号を送信するのが好ましい。
これにより、基地局がカバーするセル内において、バーチャルアンテナ送信を望む端末と、アンテナポート送信を望む端末とを共存させることができる。
また、本実施の形態では、基地局が、時間軸上ではなく周波数軸上でバーチャルアンテナの符号を反転させつつRSおよびデータ信号を送信してもよい。
これにより、端末では、RSから求めたチャネル推定値を(分離前に)時間軸上で平均化できるため、端末でのチャネル推定精度を向上させることができる。
また、本実施の形態では、4Tx基地局は端末からの要求がない限り、バーチャル2Tx基地局としてバーチャルアンテナ送信を続ける。つまり、4Tx基地局は、端末からの要求に応じて、バーチャルアンテナ送信をアンテナポート送信に切り替える。このように、本実施の形態では、基地局の基本の送信方法をバーチャルアンテナ送信とする。これにより、3GPP-LTEに則した基地局を提供することができる。
以下、本実施の形態に係る基地局100について詳細に説明する。但し、基地局100の周辺には、セル間干渉が発生しない程度の距離に2Tx基地局が存在する。端末は基地局100のセルと2Tx基地局のセルとの間を移動可能なため、端末はいずれの基地局ともシームレスに通信可能である必要がある。
また、基地局100は、通常はバーチャルアンテナ送信を行うバーチャル2Tx基地局として動作し、アンテナポート送信を要求する端末に対しては、アンテナポート送信を行う4Tx基地局として動作する。
バーチャルアンテナ送信を行うバーチャル2Tx基地局として動作する基地局100の構成を図4に示す。
図4に示す基地局100において、符号化部101は送信データを符号化する。
変調部102は、符号化後のデータを変調する。
マッピング部103は、変調後のデータ信号をバーチャルアンテナ0およびバーチャルアンテナ1にそれぞれマッピングする。バーチャルアンテナ0にマッピングされるデータ信号がS0であり、バーチャルアンテナ1にマッピングされるデータ信号がS1である。また、バーチャルアンテナ0から送信されるRSがR0であり、バーチャルアンテナ1から送信されるRSがR1である。
反転部104は、反転部105と同期して、アンテナポート2から送信されるS0の符号を奇数スロットと偶数スロットとの間で反転させる。
反転部105は、反転部104と同期して、アンテナポート2から送信されるR0の符号を奇数スロットと偶数スロットとの間で反転させる。
IFFT部(Inverse Fast Fourier Transform)106は、S0およびR0に対してIFFTを行ってOFDMシンボルを生成する。
CP(Cyclic Prefix)付加部107は、OFDMシンボルの後尾部分と同じ信号をCPとしてOFDMシンボルの先頭に付加する。
無線送信部108は、CP付加後のOFDMシンボルに対しD/A変換、増幅およびアップコンバート等の送信処理を行ってアンテナポート0から送信する。
CDD生成部109は、S0およびR0に対してCDDを生成する。
IFFT部110は、S0およびR0に対してIFFTを行ってOFDMシンボルを生成する。
CP付加部111は、OFDMシンボルの後尾部分と同じ信号をCPとしてOFDMシンボルの先頭に付加する。
無線送信部112は、CP付加後のOFDMシンボルに対しD/A変換、増幅およびアップコンバート等の送信処理を行ってアンテナポート2から送信する。
反転部113は、反転部114と同期して、アンテナポート3から送信されるS1の符号を奇数スロットと偶数スロットとの間で反転させる。
反転部114は、反転部113と同期して、アンテナポート3から送信されるR1の符号を奇数スロットと偶数スロットとの間で反転させる。
IFFT部115は、S1およびR1に対してIFFTを行ってOFDMシンボルを生成する。
CP付加部116は、OFDMシンボルの後尾部分と同じ信号をCPとしてOFDMシンボルの先頭に付加する。
無線送信部117は、CP付加後のOFDMシンボルに対しD/A変換、増幅およびアップコンバート等の送信処理を行ってアンテナポート1から送信する。
CDD生成部118は、S1およびR1に対してCDDを生成する。
IFFT部119は、S1およびR1に対してIFFTを行ってOFDMシンボルを生成する。
CP付加部120は、OFDMシンボルの後尾部分と同じ信号をCPとしてOFDMシンボルの先頭に付加する。
無線送信部121は、CP付加後のOFDMシンボルに対しD/A変換、増幅およびアップコンバート等の送信処理を行ってアンテナポート3から送信する。
なお、CDD生成部109,118は、バーチャルアンテナによる不必要なビームフォーミング効果を抑えるために備えられる。
次いで、アンテナポート送信を行う4Tx基地局として動作する基地局100の構成を図5に示す。図5に示す基地局100は、図4に示す反転部104,113を有しない。以下、図5において図4と異なる点についてのみ説明する。
すなわち、マッピング部103は、変調後のデータ信号をアンテナポート0,2,1,3にそれぞれマッピングする。アンテナポート0にマッピングされるデータ信号がS0であり、アンテナポート2にマッピングされるデータ信号がS1であり、アンテナポート1にマッピングされるデータ信号がS2であり、アンテナポート3にマッピングされるデータ信号がS3である。また、アンテナポート0およびアンテナポート2から送信されるRSがR0であり、アンテナポート1およびアンテナポート3から送信されるRSがR1である。
CDD生成部109は、S1およびR0に対してCDDを生成する。
IFFT部110は、S1およびR0に対してIFFTを行ってOFDMシンボルを生成する。
IFFT部115は、S2およびR1に対してIFFTを行ってOFDMシンボルを生成する。
CDD生成部118は、S3およびR1に対してCDDを生成する。
IFFT部119は、S3およびR1に対してIFFTを行ってOFDMシンボルを生成する。
ここで、図4に示す基地局100(バーチャル2Tx基地局)は、バーチャルアンテナ0およびバーチャルアンテナ1の2つのバーチャルアンテナを用いてRSおよびデータ信号を送信する。つまり、基地局100の基本の送信方法をバーチャルアンテナ送信とする。
但し、奇数スロットと偶数スロットとの間では、1つのバーチャルアンテナを形成する2つのアンテナポートのうちのいずれか一方のアンテナポートにおける信号の符号を反転させる。図4においては、バーチャルアンテナ0を形成するアンテナポート0およびアンテナポート2のうちアンテナポート2におけるR0およびS0の符号を奇数スロットと偶数スロットとの間で反転させる。同様に、バーチャルアンテナ1を形成するアンテナポート1およびアンテナポート3のうちアンテナポート3におけるR1およびS1の符号を奇数スロットと偶数スロットとの間で反転させる。
基地局100は通常はバーチャル2Tx基地局として動作するため、基地局100からのRSは基地局100の周辺に存在する2Tx基地局からのRSと同じリソース(同じタイミングおよび同じサブキャリア)で送信される。このときのRSの配置を図6に示す。但し、図6におけるR0’は、アンテナポート0およびアンテナポート2からR0が送信されるリソース(タイミングおよび周波数)を示し、R0”は、アンテナポート0からR0が送信される一方でアンテナポート2からR0の符号が反転されたRSが送信されるリソースを示す。同様に、図6におけるR1’は、アンテナポート1およびアンテナポート3からR1が送信されるリソースを示し、R1”は、アンテナポート1からR1が送信される一方でアンテナポート3からR1の符号が反転されたRSが送信されるリソースを示す。
よって、基地局100(バーチャル2Tx基地局)からの送信信号yは以下のように表される。
図6から明らかなように、本実施の形態でのRS送信に必要なオーバーヘッドは2Tx基地局と同等である。つまり、本実施の形態によれば、オーバーヘッドの増加によるスループットの減少は発生しない。
また、1つのバーチャルアンテナあたり2つの無線送信部を使用できるため、RSの送信電力およびデータ信号の送信電力は2Tx基地局でのそれらの2倍となる。よって、端末での受信品質を向上させることができる。
さらに、1RB内でのRSおよびデータ信号に対しては同一のバーチャルアンテナが用いられてバーチャル2Tx基地局として動作するため、高速端末でのSNR特性の劣化は生じない。
基地局100は、通常、高速端末および低速端末の双方に対して同様に、RSおよびデータ信号の双方をバーチャルアンテナ0およびバーチャルアンテナ1を用いて送信する。
端末は、まず、受信したRSをそのまま用いてデータ信号を復調する。
また、端末は、時間軸上で2スロット分のRSを保持する。このようにして保持されるR0’,R0”,R1’,R1”には以下に示す関係がある。
R0’での受信信号=アンテナポート0からの信号+アンテナポート2からの信号
R1’での受信信号=アンテナポート1からの信号+アンテナポート3からの信号
R0”での受信信号=アンテナポート0からの信号−アンテナポート2からの信号
R1”での受信信号=アンテナポート1からの信号−アンテナポート3からの信号
よって、端末は以下の計算によりアンテナポート0,2,1,3からの信号を分離し、各アンテナポート毎のチャネル推定を行うことができる。
アンテナポート0からの信号=R0’での受信信号+R0”での受信信号
アンテナポート2からの信号=R0’での受信信号−R0”での受信信号
アンテナポート1からの信号=R1’での受信信号+R1”での受信信号
アンテナポート3からの信号=R1’での受信信号−R1”での受信信号
端末はアンテナポート0,2,1,3の4つのチャネル推定値より、基地局100の自端末に対する最適な送信方法としてバーチャルアンテナ送信またはアンテナポート送信のいずれかを選択し、選択結果を送信モード要求として基地局100にフィードバックする。例えば、アンテナポート0,2,1,3の4つの伝搬路の相関が低くSDM送信が行える場合には、一般にバーチャルアンテナ送信を行わない方が良いため、アンテナポート送信が選択される。但し、アンテナポート2,3のチャネル推定結果にはCDD生成部109,118による伝搬特性も含まれるため、基地局100が図5に示す構成によりアンテナポート送信を行う場合であっても、バーチャルアンテナ送信時(図4)に用いられたCDD生成部と同一のCDD生成部が用いられる。
なお、基地局100は、バーチャルアンテナ送信(図4)またはアンテナポート送信(図5)のいずれであっても、アンテナポート2,3における符号を反転させながらRSを送信し続ける。
ここで、図5に示す基地局100(4Tx基地局)におけるマッピング部103からの出力を
とすると、4つのアンテナポートから送信される信号y
realportは
となる。
バーチャルアンテナ送信を選択する端末とアンテナポート送信を選択する端末とがOFDMによって多重されるため、基地局100は各端末からの要求に従ってバーチャルアンテナ送信(図4)とアンテナポート送信(図5)とを端末毎に切り替える。すなわち、基地局100は、各端末からの要求に従ってバーチャルアンテナ送信(図4)とアンテナポート送信(図5)とを端末毎に切り替える切替部を有し、バーチャルアンテナ送信を要求する低速端末に対しては図4に示す構成によりRSおよびデータ信号をバーチャルアンテナ送信し、アンテナポート送信を要求する低速端末に対しては図5に示す構成によりデータ信号をアンテナポート送信する。
各端末は、バーチャルアンテナ送信時にはRSをそのまま用いてチャネル推定を行う。一方、アンテナポート送信時には、各端末は、各アンテナポート毎にRSを分離し、分離後のRSを用いてチャネル推定を行う。
ここで、高速端末または4アンテナポートによるアンテナポート送信に未対応の端末は、基地局100にバーチャルアンテナ送信を要求し、低速端末またはSDMできる端末は基地局100にアンテナポート送信を要求すればよい。
なお、端末はバーチャルチャネルアンテナ送信またはアンテナポート送信のいずれかの送信モードを基地局100に要求する際に、併せてデータ信号のマッピング(Precoding Matrix)変更を基地局100に要求してもよい。
基地局100は、バーチャルチャネルアンテナ送信を要求された場合、図4に示すように、バーチャルアンテナへの2アンテナポート用のマッピングを行った後、さらにバーチャルアンテナにおいて4つのアンテナポートへの振り分けを行う。このため、端末は、基地局100のアンテナポート数が4つであるにもかかわらず、2アンテナポート用の複数のマッピングパターンのうち最適なマッピングパターンを基地局100に要求する。
一方、端末が基地局100にアンテナポート送信を要求する場合には、4アンテナポート用の複数のマッピングパターンのうち最適なマッピングパターンを基地局100に要求する。
本実施の形態によれば、従来の4Tx基地局に比べ、RSの送信に必要なオーバーヘッドを減少させることができる。また、アンテナポート2,3からのRSの密度(合計電力)が高いため、端末におけるチャネル推定精度を向上させることができる。また、バーチャルアンテナを用いた送信により、セル半径を大きくすることができる。さらに、端末はバーチャルアンテナからのRSを各アンテナポートのRSに分離することができるため、基地局がSDM送信する際の最適な送信方法を基地局に要求することができる。
なお、本実施の形態では、端末がバーチャル2Tx基地局として動作する基地局100(図4)からの信号を受信する際に1スロット毎に独立なチャネル推定を行うものと想定し、1スロット毎にバーチャルアンテナの符号を変化させる場合について説明した。しかし、例えば端末がnスロット毎にチャネル推定を行う場合には、nスロット毎にバーチャルアンテナの符号を変化させるとよい。
また、図4および図5における基地局100はCDD生成部109,118を備えなくてもよい。
また、本実施の形態では、バーチャルアンテナの特性を
とした。しかし、例えば以下の特性を有するバーチャルアンテナを用いてもよい。
この場合、端末は以下の計算によりアンテナポート0,1,2,3からの信号を分離する。
アンテナポート0からの信号=R0’での受信信号+R0”での受信信号
アンテナポート1からの信号=R0’での受信信号−R0”での受信信号
アンテナポート2からの信号=R1’での受信信号+R1”での受信信号
アンテナポート3からの信号=R1’での受信信号−R1”での受信信号
つまり、バーチャルアンテナの特性を表わす4×2の上記行列から列成分で構成されるベクトルを偶数スロットと奇数スロットとにおいて2つずつ取り出した場合に、これら合計4つのベクトルが互いに直交していればよい。より一般的には、端末が複数回受信されるRSを用いて、同一時刻および同一周波数で信号を送信する複数のアンテナポートの伝搬路を分離できるように各アンテナポートの信号が多重されていればよい。
また、本実施の形態では、時間軸上でスロット毎にバーチャルアンテナの符号を変化(反転)させる一方で、バーチャルアンテナの周波数軸上での符号を固定とした。しかし、周波数軸上でRB毎にバーチャルアンテナの符号を変化(反転)させる一方で、バーチャルアンテナの時間軸上での符号を固定としてもよい。この場合、RS送信に用いるバーチャルアンテナの特性が時間軸上で変化しないため、端末によって受信されるRSを複数スロットに渡って平均化することにより、端末でのチャネル推定精度を向上させることができる。但し、この場合、周波数選択性フェージングに対する耐性が低くなるので、時間軸上でバーチャルアンテナの符号を変化させるモードと、周波数軸上でバーチャルアンテナの符号を変化させるモードとを伝搬路状態に応じて適応的に切り替えてもよい。
また、本実施の形態では、基地局が2つのアンテナポートから1つのバーチャルアンテナを形成する場合について説明した。しかし、本発明では、1つのバーチャルアンテナを形成するアンテナポート数は2つに限定されない。例えば、基地局は4つのアンテナポートから1つのバーチャルアンテナを形成してもよい。ただし、端末がアンテナポート毎の伝搬路を分離するためには、2つのアンテナポートから1つのバーチャルアンテナを形成する場合には2スロットのRS(例えば、図6に示すR0’およびR0”)が必要であるのに対して、4つのアンテナポートから1つのバーチャルアンテナを形成する場合には4スロットのRSが必要となる。例えば、4つのアンテナポートから1つのバーチャルアンテナを形成する基地局は、時間軸上でスロット毎にバーチャルアンテナの符号を変化させたR0’、R0''、R0'''、R0''''を送信する。端末は、R0’、R0''、R0'''、R0''''を用いてアンテナポート毎の信号を分離し、アンテナポート毎のチャネル推定を行う。
また、基地局は、端末の状況に応じて1つのバーチャルアンテナを形成するアンテナポート数を適応的に変更してもよい。すなわち、基地局が4つのアンテナポートを具備する場合、基地局は、端末の状況に応じて、本実施の形態に示したように2つのアンテナポートから1つのバーチャルアンテナを形成する動作と、4つのアンテナポートから1つのバーチャルアンテナを形成する動作とを切り替えてもよい。
例えば、端末が高速移動しており時間軸方向での伝搬路変動が激しい場合、時間軸方向に4つのRSを送信している間に伝搬路状態が変化し、端末は正しく信号を分離できないことがある。そこで、基地局は、端末の移動速度に応じてバーチャルアンテナを形成するアンテナポート数を切り替えてもよい。例えば、基地局は、高速移動する端末に対しては、2つのアンテナポートから1つのバーチャルアンテナを形成し、符号を変化させた2つのRS’を2つのスロットに配置する。一方、基地局は、低速移動する端末に対しては、4つのアンテナポートから1つのバーチャルアンテナを形成し、符号を変化させた4つのRSを4つのスロットに配置する。これにより、RSのオーバーヘッドを最小限に抑えつつ、端末の移動速度に応じた最適な運用が可能となる。
(実施の形態2)
本実施の形態は、アンテナポート数を通知するためのBCHにおいて、常にバーチャルアンテナ送信によってRSおよびBCH信号を送信する点において実施の形態1と相違する。
よって、本実施の形態によれば、端末はBCHにおいて基地局のアンテナポート数にかかわらずダイバーシチ効果を得ることができる。また、端末が2つのアンテナポートの伝搬路を分離してチャネル推定を行うことにより、端末は、BCH信号受信後に基地局の送信ウェイトの最適化を行うことができる。
ここで、BCHでは、同一情報を有するBCH信号が繰り返し送信される。また、BCH信号は一部の周波数帯域を常に占有して送信され続ける。また、BCH信号はすべての端末によって受信される。また、端末では、BCH信号の受信時には、基地局のアンテナポート数が未知である。
そこで、本実施の形態では、アンテナポート数によらず共通のRS配置を行うことにより、端末での受信負荷を低減させるとともに、SFBC(Space-frequency block coding)と同等のダイバーシチゲインを得る。
以下、本実施の形態に係るBCH信号の送信について説明する。
3GPP-LTEの手順では、端末は、基地局との通信開始時に、SCH(Synchronization Channel)を捕捉して基地局とのタイミング同期を確立した後、BCH信号を受信する。3GPP-LTEにおけるBCHおよびSCHの時間軸上の配置を図7に示す。図7における1スロットが1RBの時間に相当する。
また、3GPP-LTEにおけるデータチャネルと、BCHおよびSCHの制御チャネルとの周波数軸上での配置を図8に示す。こられの制御チャネル信号は72サブキャリア=6RBを用いて基地局から送信される。
本実施の形態に係る2Tx基地局は、図8に示すBCHおよびSCHを含む周波数帯域においてRS、BCH信号およびSCH信号を送信する際に、2つのアンテナポートを1つのバーチャルアンテナとして扱う。但し、時間軸上でRB毎にアンテナポート1からの信号の符号を反転させる。また、BCHおよびSCHを含まない周波数帯域では、通常の2Tx基地局(図1A)として動作する。
本実施の形態に係る基地局200の構成を図9に示す。
図9に示す基地局200において、符号化部201は送信データ(データチャネル)を符号化する。
変調部202は、符号化後のデータを変調する。
マッピング部203は、変調後のデータ信号をアンテナポート0およびアンテナポート1にそれぞれマッピングする。アンテナポート0にマッピングされるデータ信号がS0であり、アンテナポート1にマッピングされるデータ信号がS1である。また、S0に付加されてアンテナポート0から送信されるRSがR0であり、S1に付加されてアンテナポート1から送信されるRSがR1である。
一方、符号化部204はBCHデータ(BCH)を符号化する。
変調部205は、符号化後のBCHデータを変調する。
マッピング部206は、変調後のBCHデータ信号を、アンテナポート0およびアンテナポート1から形成されるバーチャルアンテナ0にマッピングする。バーチャルアンテナ0にマッピングされるBCHデータ信号がB0である。
反転部207は、反転部208と同期して、アンテナポート0から送信されるB0の符号を奇数スロットと偶数スロットとの間で反転させる。
反転部208は、反転部207と同期して、B0に付加されてアンテナポート0から送信されるR0の符号を奇数スロットと偶数スロットとの間で反転させる。
CDD生成部209は、B0およびR0に対してCDDを生成する。
IFFT部210は、S0,R0およびB0,R0に対してIFFTを行ってOFDMシンボルを生成する。
CP付加部211は、OFDMシンボルの後尾部分と同じ信号をCPとしてOFDMシンボルの先頭に付加する。
無線送信部212は、CP付加後のOFDMシンボルに対しD/A変換、増幅およびアップコンバート等の送信処理を行ってアンテナポート0から送信する。
IFFT部213は、S1,R1およびB0,R0に対してIFFTを行ってOFDMシンボルを生成する。
CP付加部214は、OFDMシンボルの後尾部分と同じ信号をCPとしてOFDMシンボルの先頭に付加する。
無線送信部215は、CP付加後のOFDMシンボルに対しD/A変換、増幅およびアップコンバート等の送信処理を行ってアンテナポート1から送信する。
このように、アンテナポート0およびアンテナポート1は、BCHにおいてバーチャルアンテナ0として機能する。
なお、CDD生成部209は、バーチャルアンテナによる不必要なビームフォーミング効果を抑えるために備えられる。
次いで、本実施の形態に係るRSの配置を図10Aおよび図10Bに示す。図10AはBCHを含まない周波数帯域、すなわち、データチャネルの帯域でのRS配置を示し、図10BはBCHを含む周波数帯域でのRS配置を示す。また、従来の1Tx基地局でのRS配置を図11に示す。なお、図10BにおけるR0’は、アンテナポート0およびアンテナポート1からR0が送信されるリソースを示し、R0”は、アンテナポート0からR0が送信される一方でアンテナポート1からR0の符号が反転されたRSが送信されるリソースを示す。
このように、基地局200では、BCHを含む周波数帯域でのRS配置(図10B)を、1Tx基地局でのRS配置(図11)と同一にする。
これに対し、端末は、基地局から送信されるSCH(図7)を受信して同期を捕捉する。このSCHは端末に既知の系列であるため、端末は、予め保持しているSCH既知系列と受信信号系列との相互相関を求めることによって同期を捕捉することができる。なお、SCHもBCHと同様にしてバーチャルアンテナ送信される。
端末は、同期を捕捉した後、R0’またはR0”を受信してチャネル推定を行い、BCH系列を復号する。
ここで、基地局200では、BCHの符号とR0’(またはR0”)の送信に用いるバーチャルアンテナの符号とを同期させている。よって、端末は受信信号がR0’またはR0”のいずれであるかを判別する必要がない。
さらに、基地局200では図7において、第1サブフレームの第1スロットで用いられるバーチャルアンテナの符号と第6サブフレームの第1スロットで用いられるバーチャルアンテナの符号とを反転させているため、通常ならばBCHおよびSCHが到達しないエリアにおいても、ダイバーシチ効果によりBCHおよびSCHの受信が可能となる。
端末は、BCH受信後、BCHデータに基づいて基地局のアンテナポート数を判断し、そのアンテナポート数に従って、データが送信される周波数帯域でのRS送信方法を判断する。
本実施の形態によれば、1Tx基地局と2Tx基地局とが混在する通信システムにおいて、端末は1Tx基地局と2Tx基地局とに共通の受信方法によりBCHを受信することができる。よって、端末は、基地局のアンテナポート数を知らなくてもBCHを誤りなく受信することができる。つまり、BCHにおける2Tx基地局のダイバーシチ送信が可能となる。
また、従来同様の方法により、2つのアンテナポートを1つのバーチャルアンテナとして扱ってBCHを送信すると、RSもバーチャルアンテナによって送信されるため、端末では2つのアンテナポートの伝搬路を分離することができない。これに対し、本実施の形態では、基地局がバーチャルアンテナの符号を変化させつつ(反転させつつ)RSを送信するため、端末では2つのアンテナポートの伝搬路を分離することができる。
また、本実施の形態では、バーチャルアンテナを用いる周波数帯域を、BCHを含む一部の帯域に限定している。よって、バーチャルを用いない周波数帯域(例えば、データチャネルの周波数帯域)では、端末が受信されたRSを時間軸上で平均化することにより、チャネル推定精度を向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、アンテナポート数が異なる複数の基地局が混在する通信システムにおいて、共通のRS配置を実現しつつ、端末が各基地局毎のダイバーシチ効果を享受することができるため、通信システムの設計の自由度を高めることができる。
なお、BCH以外の制御情報の送信もBCHの上記送信と同様にして行うことができる。
また、SCHもBCHと同様にしてバーチャルアンテナ送信される場合には、BCHに対してのみCDD生成を行い、SCHに対するCDD生成を行わないのが好ましい。これにより、複数のアンテナポート間においてCDDによる付加的な到来時間差が無くなるため、SCHを用いた同期補足の性能を向上させることができる。
また、本実施の形態に係るBCH送信とSFBCを用いたBCH送信とにおいてダイバーシチ効果を比較すると以下のようになる。ここでは、基地局の送信アンテナポート数を2、端末の受信アンテナポート数を1、基地局のアンテナポート0から端末のアンテナポートまでの伝搬路特性をh0(f)、基地局のアンテナポート1から端末のアンテナポートまでの伝搬路特性をh1(f)とする。
SFBCを用いたBCH送信では、端末の受信電力は、
となる。
一方で、本実施の形態に係るBCH送信では、端末の受信電力は、
となる。但し、e
-j2πfδはCDDの成分である。
よって、本実施の形態によれば、端末でのBCHの平均受信電力は、
となり、SFBCの平均受信電力と等しい。
また、本実施の形態に係るBCH送信の最大受信電力はSFBCによるBCH送信の最大受信電力より大きくなる。よって、本実施の形態に係るBCH送信によれば、BCHの最大到達距離をSFBCによるBCH送信より大きくすることができる。よって、本実施の形態によれば、BCHのように複数回繰り返し送信される情報に対し、SFBCを上回るダイバーシチ効果を得ることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態は、8アンテナポートの基地局(8Tx基地局)がデータ信号を送信する点において実施の形態1と相違する。
3GPP-LTEにおける基地局のアンテナポート数は最大4つである。そのため、3GPP-LTEに対応する端末は、最大4つのアンテナポートを具備する基地局(4Tx基地局)から送信されたRSを用いて、データの復調および下り信号の品質測定を行うことができる。
これに対し、3GPP-LTEの発展形であるLTE-advancedでは、最大8つのアンテナポートを具備する基地局(8Tx基地局)が検討されている。ただし、LTE-advancedでも、3GPP-LTEにおける基地局(4Tx基地局)のみに対応する端末が通信できるようにするために、3GPP-LTEに則した基地局を提供する必要がある。換言すれば、4Tx基地局(3GPP-LTEにおける基地局)と8Tx基地局(LTE-advancedにおける基地局)とが混在する通信システムにおいて、4Tx基地局のみに対応する端末(以下、LTE端末という)と8Tx基地局にも対応する端末(以下、LTE+端末という)とが同一の周波数帯域で通信できる必要がある。
そこで、本実施の形態における8Tx基地局は、LTE端末に対して、各々が2つのアンテナポートから形成される4つのバーチャルアンテナを用いてRSとデータ信号とを送信する(バーチャルアンテナ送信)。また、本実施の形態における8Tx基地局は、8アンテナポートを用いてデータ信号の送信を行うことが適するLTE+端末に対して、バーチャルアンテナを用いずに8つのアンテナポートを用いてRSとデータ信号とを送信する(アンテナポート送信)。
ただし、本実施の形態における8Tx基地局は、アンテナポート送信の際には、アンテナポート送信されるデータ信号が送信される周波数帯域のみに配置されるRSであって、1つのバーチャルアンテナを形成する2つのアンテナポートの各々から共通に送信される2つのRSのいずれか1つの符号を反転させる。
本実施の形態に係る基地局300について詳細に説明する。
バーチャルアンテナ送信を行うバーチャル4Tx基地局として動作する基地局300の構成を図12に示す。
図12に示す基地局300において、符号化部301は送信データを符号化する。
変調部302は、符号化後のデータを変調する。
マッピング部303は、変調後のデータ信号をバーチャルアンテナ0、バーチャルアンテナ1、バーチャルアンテナ2およびバーチャルアンテナ3にそれぞれマッピングする。バーチャルアンテナ0にマッピングされるデータ信号がS0であり、バーチャルアンテナ1にマッピングされるデータ信号がS1であり、バーチャルアンテナ2にマッピングされるデータ信号がS2であり、バーチャルアンテナ3にマッピングされるデータ信号がS3である。また、バーチャルアンテナ0から送信されるRSがR0であり、バーチャルアンテナ1から送信されるRSがR1であり、バーチャルアンテナ2から送信されるRSがR2であり、バーチャルアンテナ3から送信されるRSがR3である。
IFFT部304は、S0およびR0に対してIFFTを行ってOFDMシンボルを生成する。
CP付加部305は、OFDMシンボルの後尾部分と同じ信号をCPとしてOFDMシンボルの先頭に付加する。
無線送信部306は、CP付加後のOFDMシンボルに対しD/A変換、増幅およびアップコンバート等の送信処理を行ってアンテナポート0から送信する。
CDD生成部307は、S0およびR0に対してCDDを生成する。
IFFT部308は、S0およびR0に対してIFFTを行ってOFDMシンボルを生成する。
CP付加部309は、OFDMシンボルの後尾部分と同じ信号をCPとしてOFDMシンボルの先頭に付加する。
無線送信部310は、CP付加後のOFDMシンボルに対しD/A変換、増幅およびアップコンバート等の送信処理を行ってアンテナポート1から送信する。
IFFT部311は、S1およびR1に対してIFFTを行ってOFDMシンボルを生成する。
CP付加部312は、OFDMシンボルの後尾部分と同じ信号をCPとしてOFDMシンボルの先頭に付加する。
無線送信部313は、CP付加後のOFDMシンボルに対しD/A変換、増幅およびアップコンバート等の送信処理を行ってアンテナポート2から送信する。
CDD生成部314は、S1およびR1に対してCDDを生成する。
IFFT部315は、S1およびR1に対してIFFTを行ってOFDMシンボルを生成する。
CP付加部316は、OFDMシンボルの後尾部分と同じ信号をCPとしてOFDMシンボルの先頭に付加する。
無線送信部317は、CP付加後のOFDMシンボルに対しD/A変換、増幅およびアップコンバート等の送信処理を行ってアンテナポート3から送信する。
IFFT部318は、S2およびR2に対してIFFTを行ってOFDMシンボルを生成する。
CP付加部319は、OFDMシンボルの後尾部分と同じ信号をCPとしてOFDMシンボルの先頭に付加する。
無線送信部320は、CP付加後のOFDMシンボルに対しD/A変換、増幅およびアップコンバート等の送信処理を行ってアンテナポート4から送信する。
CDD生成部321は、S2およびR2に対してCDDを生成する。
IFFT部322は、S2およびR2に対してIFFTを行ってOFDMシンボルを生成する。
CP付加部323は、OFDMシンボルの後尾部分と同じ信号をCPとしてOFDMシンボルの先頭に付加する。
無線送信部324は、CP付加後のOFDMシンボルに対しD/A変換、増幅およびアップコンバート等の送信処理を行ってアンテナポート5から送信する。
IFFT部325は、S3およびR3に対してIFFTを行ってOFDMシンボルを生成する。
CP付加部326は、OFDMシンボルの後尾部分と同じ信号をCPとしてOFDMシンボルの先頭に付加する。
無線送信部327は、CP付加後のOFDMシンボルに対しD/A変換、増幅およびアップコンバート等の送信処理を行ってアンテナポート6から送信する。
CDD生成部328は、S3およびR3に対してCDDを生成する。
IFFT部329は、S3およびR3に対してIFFTを行ってOFDMシンボルを生成する。
CP付加部330は、OFDMシンボルの後尾部分と同じ信号をCPとしてOFDMシンボルの先頭に付加する。
無線送信部331は、CP付加後のOFDMシンボルに対しD/A変換、増幅およびアップコンバート等の送信処理を行ってアンテナポート7から送信する。
なお、CDD生成部307、314、321、328は、バーチャルアンテナによる不必要なビームフォーミング効果を抑えるために備えられる。
次いで、アンテナポート送信を行う8Tx基地局として動作する基地局300の構成を図13に示す。図13において図12と異なる点についてのみ説明する。
すなわち、マッピング部303は、変調後のデータ信号S0〜S7をアンテナポート0〜7にそれぞれマッピングする。また、アンテナポート0およびアンテナポート1から送信されるRSがR0およびR4であり、アンテナポート2およびアンテナポート3から送信されるRSがR1およびR5であり、アンテナポート4およびアンテナポート5から送信されるRSがR2およびR6であり、アンテナポート6およびアンテナポート7から送信されるRSがR3およびR7である。すなわち、アンテナポート送信を行う基地局300(8Tx基地局)は、図12に示すバーチャルアンテナ送信で送信したRSに加え、R4〜R7をさらに送信する。
IFFT部304は、S0、R0およびR4に対してIFFTを行ってOFDMシンボルを生成する。
反転部332は、アンテナポート1から送信されるR4の符号を反転させる。
CDD生成部307は、S1、R0およびR4に対してCDDを生成する。
IFFT部308は、S1、R0およびR4に対してIFFTを行ってOFDMシンボルを生成する。
IFFT部311は、S2、R1およびR5に対してIFFTを行ってOFDMシンボルを生成する。
反転部333は、アンテナポート3から送信されるR5の符号を反転させる。
CDD生成部314は、S3、R1およびR5に対してCDDを生成する。
IFFT部315は、S3、R1およびR5に対してIFFTを行ってOFDMシンボルを生成する。
IFFT部318は、S4、R2およびR6に対してIFFTを行ってOFDMシンボルを生成する。
反転部334は、アンテナポート5から送信されるR6の符号を反転させる。
CDD生成部321は、S5、R2およびR6に対してCDDを生成する。
IFFT部322は、S5、R2およびR6に対してIFFTを行ってOFDMシンボルを生成する。
IFFT部325は、S6、R3およびR7に対してIFFTを行ってOFDMシンボルを生成する。
反転部335は、アンテナポート7から送信されるR7の符号を反転させる。
CDD生成部328は、S7、R3およびR7に対してCDDを生成する。
IFFT部329は、S7、R3およびR7に対してIFFTを行ってOFDMシンボルを生成する。
ここで、アンテナポート送信時のみ送信されるR4〜R7に対して、図13に示す基地局300は、図12において1つのバーチャルアンテナを形成する2つのアンテナポートのうちのいずれか一方のアンテナポートから送信されるRSの符号を反転させる。すなわち、基地局300は、図12でバーチャルアンテナ0を形成するアンテナポート0およびアンテナポート1のうち、アンテナポート1から送信されるR4の符号を反転させる。同様に、基地局300は、図12でバーチャルアンテナ1を形成するアンテナポート2およびアンテナポート3のうち、アンテナポート3から送信されるR5の符号を反転させる。バーチャルアンテナ2,3(アンテナポート4〜7)についても同様である。
次に、本実施の形態に係るRSの配置を図14に示す。なお、図14におけるR0’は、アンテナポート0およびアンテナポート1からR0が送信されるリソースを示し、R1’は、アンテナポート2およびアンテナポート3からR1が送信されるリソースを示し、R2’は、アンテナポート4およびアンテナポート5からR2が送信されるリソースを示し、R3’は、アンテナポート6およびアンテナポート7からR3が送信されるリソースを示す。また、R4’は、アンテナポート0からR4が送信される一方でアンテナポート1からR4の符号が反転されたRSが送信されるリソースを示し、R5’は、アンテナポート2からR5が送信される一方でアンテナポート3からR5の符号が反転されたRSが送信されるリソースを示し、R6’は、アンテナポート4からR6が送信される一方でアンテナポート5からR6の符号が反転されたRSが送信されるリソースを示し、R7’は、アンテナポート6からR7が送信される一方でアンテナポート7からR7の符号が反転されたRSが送信されるリソースを示す。
また、図14に示すように、基地局300は周波数帯域全体(サブキャリア番号0〜23)を、4Tx基地局のみに対応するLTE端末(または、LTE+端末のうち4RS送信帯域で下りデータ信号を受信する端末)宛てのデータ信号を配置する送信帯域(サブキャリア番号0〜11,以下、4RS送信帯域という)と、8Tx基地局にも対応するLTE+端末宛てのデータ信号を配置する送信帯域(サブキャリア番号12〜23,以下、8RS送信帯域という)とに分割する。なお、基地局300は、周波数帯域の分割結果をLTE+端末にブロードキャストで通知してもよく、8RS送信帯域で8つのRSが送信されていることを示す情報を、下り制御信号(例えば、PDCCH等)を用いて、8RS送信帯域にデータ信号が割り当てられた端末のみに通知してもよい。
図14に示すR0’〜R3’は、3GPP-LTEにおける4Tx基地局からのR0〜R3(図2B)と同じリソース(同じタイミングおよび同じサブキャリア)で送信される。また、R0’〜R3’はすべての周波数帯域(図14に示すサブキャリア番号0〜23)に配置される。また、図14に示す8RS送信帯域(サブキャリア番号12〜23)では、R0〜R3に加え、R4〜R7がさらに配置される。
基地局300がバーチャル4Tx基地局として動作する場合、基地局300からのRSは、図14に示す4RS送信帯域に配置されたR0’〜R3’で送信される。つまり、バーチャル送信時のRS送信に必要なオーバーヘッドは4Tx基地局と同等である。また、図14に示すR0’はアンテナポート0およびアンテナポート1から同一時刻・同一周波数にて送信され、R1’はアンテナポート2およびアンテナポート3から同一時刻・同一周波数にて送信され、R2’はアンテナポート4およびアンテナポート5から同一時刻・同一周波数にて送信され、R3’はアンテナポート6およびアンテナポート7から同一時刻・同一周波数にて送信される。よって、1つのバーチャルアンテナあたり2つの無線送信部を使用してRSを送信できるため、RSの送信電力およびデータ信号の送信電力は4Tx基地局でのそれらの2倍となる。よって、端末での受信品質を向上させることができる。
一方、基地局300が8Tx基地局として動作する場合、基地局300からのRSは、図14に示す8RS送信帯域に配置されたR0〜R3および8RS送信帯域のみに配置されたR4〜R7で送信される。ただし、図13に示すように、R4’はアンテナポート0およびアンテナポート1から同一時刻・同一周波数で送信されるものの、アンテナポート1から送信されるR4の符号がアンテナポート0から送信されるR4に対して反転されている。R5’,R6’,R7’についても同様である。
つまり、図13に示す基地局300において、R0,R1,R2およびR3にバーチャルアンテナの重み付けとして(1,1)がかけられるのに対し、R4,R5,R6およびR7にバーチャルアンテナの重み付けとして、(1,1)と直交する(1,−1)がかけられることと等価である。
次いで、送信データについて説明する。図12に示す基地局300において、4RS送信帯域で送信される送信データは、まず、マッピング部303で4つのバーチャルアンテナ0〜3にマッピングされる。そして、各バーチャルアンテナにマッピングされた送信データに対して、R0,R1,R2,R3にかけられるバーチャルアンテナの重み付けと同一のバーチャルアンテナの重み付けがかけられる。一方、図13に示す基地局300において、8RS送信帯域で送信される送信データは、マッピング部303で8つのアンテナポートに直接マッピングされる。ただし、8RS送信帯域で送信される送信データは、マッピング部303で8つのアンテナポートにマッピングされるため、バーチャルアンテナの重み付けはかけられない。
次に、端末の動作について説明する。
例えば、LTE端末がハンドオーバまたは新規セル探索の際に用いる下り回線電力の測定(Measurement)を行う場合、LTE端末はR0’〜R3’を用いる。すなわち、LTE端末は、R0’〜R3’の受信電力をバーチャルアンテナ0〜3の信号強度としてそれぞれ測定する。そして、LTE端末は測定結果を基地局300にフィードバックする。ここで、LTE末は、測定に用いたRSが、4Tx基地局の4つのアンテナポートを介して送られたRSであるか、8Tx基地局がバーチャルアンテナを用いて送ったRSであるかを判別する必要がない。つまり、LTE端末は、4Tx基地局と8Tx基地局とを判別することなく下り回線電力を測定することができる。また、基地局300では測定に用いるR0’〜R3’がそれぞれ2つのアンテナポートから形成されるバーチャルアンテナを用いて送信されるため、LTE端末では、RSの密度(合計電力)が高くなり、精度の高い測定を行うことができる。
また、LTE端末(または、LTE+端末のうち4RS送信帯域で下りデータ信号を受信する端末)が図14に示す4RS帯域で下りデータ信号を受信する際には、LTE端末は、R0’〜R3’を用いてアンテナポート毎のチャネル推定を行う。そして、LTE端末は、4つのチャネル推定値および基地局300から予め通知されている4アンテナポート用のアンテナポートマッピングパターンを用いて、基地局300から送信されたデータ信号を受信する。ここで、基地局300はバーチャルアンテナ0〜3に対してバーチャルアンテナの重み付けをかけているので、LTE端末は基地局300のアンテナポート数が8つであることを考慮することなく、下りデータ信号を受信できる。
また、LTE+端末が図14に示す8RS送信帯域で下りデータ信号を受信する際には、LTE+端末は、以下の計算によりアンテナポート0〜7の信号を分離し、アンテナポート毎のチャネル推定を行う。
アンテナポート0からの信号=(R0’での受信信号+R4’での受信信号)/2
アンテナポート1からの信号=(R0’での受信信号−R4’での受信信号)/2
アンテナポート2からの信号=(R1’での受信信号+R5’での受信信号)/2
アンテナポート3からの信号=(R1’での受信信号−R5’での受信信号)/2
アンテナポート4からの信号=(R2’での受信信号+R6’での受信信号)/2
アンテナポート5からの信号=(R2’での受信信号−R6’での受信信号)/2
アンテナポート6からの信号=(R3’での受信信号+R7’での受信信号)/2
アンテナポート7からの信号=(R3’での受信信号−R7’での受信信号)/2
このように、LTE+端末はアンテナポート0〜7の8つのチャネル推定値および8アンテナポート用のアンテナポートマッピングパターンを用いて、基地局300から送信された下りデータ信号を受信する。
さらに、LTE+端末はアンテナポート0〜7の8つのチャネル推定値を、上り回線を通じて、基地局300にフィードバックする。基地局300はフィードバックされた情報に基づいて次回送信以降にLTE+端末宛ての下りデータに適用すべきアンテナポートマッピングパターンを決定する。
なお、バーチャルアンテナ送信を適用するLTE端末とアンテナポート送信を適用するLTE+端末とがOFDMによって多重されるため、基地局300はバーチャルアンテナ送信(図12)とアンテナポート送信(図13)とを端末毎に切り替える。すなわち、基地局300は、バーチャルアンテナ送信(図12)とアンテナポート送信(図13)とを端末毎に切り替える切替部を有する。そして、基地局300は、バーチャルアンテナ送信を適用するLTE端末に対しては図12に示す構成によりRSおよびデータ信号を図14に示す4RS送信帯域にマッピングしてバーチャルアンテナ送信する。また、基地局300は、アンテナポート送信を適用するLTE+端末に対しては図13に示す構成によりRSおよびデータ信号を図14に示す8RS送信帯域にマッピングしてアンテナポート送信する。
そして、LTE端末は、バーチャルアンテナ送信されたRSをそのまま用いてチャネル推定を行う。一方、LTE+端末は、アンテナポート送信されたRSに対して、アンテナポート毎にRSを分離し、分離後のRSを用いてチャネル推定を行う。
本実施の形態では、8Tx基地局は、LTE端末に対してバーチャルアンテナを用いることにより、8つのアンテナポートすべてを用いてバーチャルアンテナ送信する。そのため、8つのアンテナポートを有効利用することができる。つまり、LTE端末はバーチャルアンテナを形成する2つのアンテナポートから同一RSを受信するため、受信品質を向上することができる。また、バーチャルアンテナを用いた送信により、LTE端末は基地局のアンテナポート数を判別することなく、ハンドオーバおよび新規セル探索の際の測定を行うことができる。
また、本実施の形態では、8Tx基地局は、8つのアンテナポートを用いてデータ信号の送信を行うことが適するLTE+端末に対して、バーチャルアンテナを用いずに8つのアンテナポートを用いてデータ信号を送信する。ここで、8Tx基地局は、8RSの受信に対応するLTE+端末に送信するデータが配置される周波数帯域のみにRSを追加配置するため、RSのオーバーヘッドを最小限に抑えることができる。また、LTE+端末は受信したRSを8つのアンテナポートのRSにそれぞれ分離することができる。これにより、基地局がカバーするセル内において、バーチャルアンテナ送信を望むLTE端末と、アンテナポート送信を望むLTE+端末とを共存させることができる。
なお、図12および図13における基地局300はCDD生成部を備えなくてもよい。
以上、本発明の実施の形態について説明した。
なお、端末はUE、基地局はNode B、サブキャリアはトーンと称されることもある。また、CPはガードインターバル(Guard Interval;GI)と称されることもある。
また、周波数領域と時間領域との間の変換を行う方法は、IFFT、FFTに限られない。
また、本発明は、基地局および端末だけでなく、すべての無線通信装置に対して適用することができる。
また、上記実施の形態では、本発明をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本発明はソフトウェアで実現することも可能である。
また、上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
2007年8月17日出願の特願2007−213077および2008年6月23日出願の特願2008−163032の日本出願に含まれる明細書、図面および要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。
本発明は、移動体通信システム等に適用することができる。
本発明は、無線通信装置および無線通信方法に関する。
3GPP-LTEでは、下り回線の通信方式としてOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)が採用されている。3GPP-LTEでは、無線通信基地局装置(以下、基地局と省略する)が予め定められた通信リソースを用いて参照信号(Reference Signal:RS)を送信し、無線通信端末装置(以下、端末と省略する)は受信した参照信号を用いてチャネル推定を行ってデータを復調する(非特許文献1参照)。
また、基地局が複数のアンテナポート(antenna port)を備えている場合、基地局はダイバーシチ送信を行うことが可能である。一方で、ダイバーシチ送信された信号を端末が誤りなく受信するためには、端末は、基地局での送信に用いられたアンテナポート群から端末までの伝搬路状態を知る必要がある。従って、基地局に備えられるすべてのアンテナポートからRSが互いに干渉なく送信される必要がある。これを実現するために3GPP-LTEでは、基地局の各アンテナポートから、時間軸および周波数軸で互いに異なるタイミングおよびキャリア周波数を用いてRSが送信される方法を採用する。
図1Aに3GPP-LTEで想定されている2アンテナポートの基地局(2Tx基地局)の構成を示し、図1Bに2Tx基地局におけるRS送信方法を示す。同様に、図2Aに3GPP-LTEで想定されている4アンテナポートの基地局(4Tx基地局)の構成を示し、図2Bに4Tx基地局におけるRS送信方法を示す。ただし、図1B,図2Bにおいて、縦軸(周波数軸)はサブキャリア単位であり、横軸(時間軸)はOFDMシンボル単位である。また、1スロットは7OFDMシンボルから構成される。また、R0,R1,R2,R3はそれぞれアンテナポート0,1,2,3(1番目,2番目,3番目,4番目のアンテナポート)から送信されるRSを示す。また、太線の枠で囲まれた1つのブロック(周波数軸方向に12サブキャリア、時間軸方向に7OFDMシンボル)の単位をリソースブロック(Resource Block:RB)と呼ぶ。図1Bおよび図2Bから分かるように、4Tx基地局では、RS送信にかかるオーバーヘッドを最小限に抑えるため、アンテナポート2(3番目のアンテナポート)、アンテナポート3(4番目のアンテナポート)からのRSの送信頻度を減少させている。
なお、1Tx基地局は2Tx基地局のRS配置におけるR0のリソースでのみRSを送信する。
上記のとおり、4Tx基地局ではアンテナポート2およびアンテナポート3からのRSの送信頻度が低い。よって、4Tx基地局からのRSを受信する端末では、1RB内でアンテナポート2およびアンテナポート3のチャネル推定値の内挿補間が行えず、高速移動時のチャネル推定精度が大きく劣化する。そこで、端末の高速移動時には基地局のアンテナポート2およびアンテナポート3を使用しないことにより、端末でのSNR特性が良好になることが確認された(非特許文献2参照)。
よって、従来は、4Tx基地局は4つのアンテナポートを備えているにもかかわらず、端末の高速移動時には、2つのアンテナポートのみを用いる。
または、従来は、4Tx基地局の4つの無線送信部を有効利用すべく、4Tx基地局を、図3に示すように、アンテナポート0とアンテナポート2とから構成されるバーチャルアンテナ(Virtual Antenna)0、および、アンテナポート1とアンテナポート3とから構成さ
れるバーチャルアンテナ1を備えるバーチャル2Tx基地局として扱う。但し、図3では、バーチャルアンテナによる不必要なビームフォーミング効果を抑えるために、アンテナポート2およびアンテナポート3にCDD(Cyclic delay diversity)生成部を付加している。
このとき、図3のマッピング部から出力される信号を
とすると、4つのアンテナポートから送信される信号y
virtualは
となる。なお、DはCDDを表わす4×4の対角行列である。
3GPP TS 36.213 V1.1.0 (ftp://ftp.3gpp.org/TSG_RAN/WG1_RL1/TSGR1_49/Docs/R1-072633.zip)
Transmit Diversity Scheme for Control Channel in E-UTRA (ftp://ftp.3gpp.org/TSG_RAN/WG1_RL1/TSGR1_49/Docs/R1-072423.zip)
しかしながら、上記のようなバーチャルアンテナを用いると、基地局では2つのアンテナポートから同一のRSが送信されるため、端末では、基地局の4つのアンテナポートの伝搬路を分離することができない。このため、端末では各アンテナポートと端末との間の伝搬路状態を知ることができない。よって、4つのアンテナポート各々の送信ウェイトを基地局が制御することによって可能になる空間多重(Space division multiplexing:SDM)の最適化を行うことができなくなってしまう。この問題は、特に低速移動する端末(以下、低速端末と省略する)に対して大きな影響を及ぼす。
また、端末は、基地局からのBCH(Broadcast Channel)信号を受信するまで、その基地局のアンテナポート数が分からない。3GPP-LTEでは1Tx基地局も混在するため、基地局のアンテナポート数が分からない端末は、確実に送信されるR0のみを用いてチャネル推定を行わざるを得ない。よって、複数のアンテナポートを有する基地局がアンテナポート0以外のアンテナポートも用いてBCH信号を送信すると、基地局の送信方法と端末の受信方法とがマッチしなくなってしまう。そこで、複数のアンテナポートを有する基地局がアンテナポート0のみを用いてBCH信号を送信することにすると、基地局は複数のアンテナポートを有しているにもかかわらずBCH信号のダイバーシチ送信を行えないことになる。よって、ダイバーシチ送信が可能であるデータ信号の到達範囲に比べ、BCH信号の到達範囲が小さくなってしまう。
本発明の目的は、バーチャルアンテナを用いる際にも複数のアンテナポートの伝搬路の分離を可能にしてチャネル推定精度を向上させることができる無線通信装置および無線通信方法を提供することである。
本発明の無線通信装置は、複数のアンテナポートから形成されるバーチャルアンテナと、前記複数のアンテナポートの各々から送信される参照信号のいずれか1つの符号を反転させる反転手段と、を具備する構成を採る。
本発明の無線通信方法は、複数のアンテナポートから形成されるバーチャルアンテナを備える無線通信装置における無線通信方法であって、前記複数のアンテナポートの各々から送信される参照信号のいずれか1つの符号を反転させるようにした。
本発明によれば、バーチャルアンテナを用いる際にも複数のアンテナポートの伝搬路の分離を可能にしてチャネル推定精度を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
本実施の形態では、4Tx基地局が、各々が2つのアンテナポートから形成される2つのバーチャルアンテナを用いてRSとデータ信号とを送信する(バーチャルアンテナ送信)。但し、1つのバーチャルアンテナを形成するいずれか一方のアンテナポートから送信される信号の符号を時間軸上でRB毎に反転させる。
基地局がこのようにしてバーチャルアンテナを用いることにより、4つのアンテナポートを有効利用しつつ、高速移動する端末(以下、高速端末と省略する)への信号の伝送品質を最適化することができる。また、端末では2つのバーチャルアンテナからのRSを、
4つのアンテナポートからのRSに分離することができるため、端末ではすべてのアンテナポートのチャネル推定が可能になる。
また、本実施の形態では、基地局が、4つのアンテナポートを用いてデータ信号の送信を行うことが適する端末、特に低速端末に対して、バーチャルアンテナを用いずに4つのアンテナポートを用いてデータ信号を送信する(アンテナポート送信)。但し、アンテナポート2およびアンテナポート3においては、バーチャルアンテナ形成時に付加していたCDD生成部を介してデータ信号を送信するのが好ましい。
これにより、基地局がカバーするセル内において、バーチャルアンテナ送信を望む端末と、アンテナポート送信を望む端末とを共存させることができる。
また、本実施の形態では、基地局が、時間軸上ではなく周波数軸上でバーチャルアンテナの符号を反転させつつRSおよびデータ信号を送信してもよい。
これにより、端末では、RSから求めたチャネル推定値を(分離前に)時間軸上で平均化できるため、端末でのチャネル推定精度を向上させることができる。
また、本実施の形態では、4Tx基地局は端末からの要求がない限り、バーチャル2Tx基地局としてバーチャルアンテナ送信を続ける。つまり、4Tx基地局は、端末からの要求に応じて、バーチャルアンテナ送信をアンテナポート送信に切り替える。このように、本実施の形態では、基地局の基本の送信方法をバーチャルアンテナ送信とする。これにより、3GPP-LTEに則した基地局を提供することができる。
以下、本実施の形態に係る基地局100について詳細に説明する。但し、基地局100の周辺には、セル間干渉が発生しない程度の距離に2Tx基地局が存在する。端末は基地局100のセルと2Tx基地局のセルとの間を移動可能なため、端末はいずれの基地局ともシームレスに通信可能である必要がある。
また、基地局100は、通常はバーチャルアンテナ送信を行うバーチャル2Tx基地局として動作し、アンテナポート送信を要求する端末に対しては、アンテナポート送信を行う4Tx基地局として動作する。
バーチャルアンテナ送信を行うバーチャル2Tx基地局として動作する基地局100の構成を図4に示す。
図4に示す基地局100において、符号化部101は送信データを符号化する。
変調部102は、符号化後のデータを変調する。
マッピング部103は、変調後のデータ信号をバーチャルアンテナ0およびバーチャルアンテナ1にそれぞれマッピングする。バーチャルアンテナ0にマッピングされるデータ信号がS0であり、バーチャルアンテナ1にマッピングされるデータ信号がS1である。また、バーチャルアンテナ0から送信されるRSがR0であり、バーチャルアンテナ1から送信されるRSがR1である。
反転部104は、反転部105と同期して、アンテナポート2から送信されるS0の符号を奇数スロットと偶数スロットとの間で反転させる。
反転部105は、反転部104と同期して、アンテナポート2から送信されるR0の符
号を奇数スロットと偶数スロットとの間で反転させる。
IFFT部(Inverse Fast Fourier Transform)106は、S0およびR0に対してIFFTを行ってOFDMシンボルを生成する。
CP(Cyclic Prefix)付加部107は、OFDMシンボルの後尾部分と同じ信号をCPとしてOFDMシンボルの先頭に付加する。
無線送信部108は、CP付加後のOFDMシンボルに対しD/A変換、増幅およびアップコンバート等の送信処理を行ってアンテナポート0から送信する。
CDD生成部109は、S0およびR0に対してCDDを生成する。
IFFT部110は、S0およびR0に対してIFFTを行ってOFDMシンボルを生成する。
CP付加部111は、OFDMシンボルの後尾部分と同じ信号をCPとしてOFDMシンボルの先頭に付加する。
無線送信部112は、CP付加後のOFDMシンボルに対しD/A変換、増幅およびアップコンバート等の送信処理を行ってアンテナポート2から送信する。
反転部113は、反転部114と同期して、アンテナポート3から送信されるS1の符号を奇数スロットと偶数スロットとの間で反転させる。
反転部114は、反転部113と同期して、アンテナポート3から送信されるR1の符号を奇数スロットと偶数スロットとの間で反転させる。
IFFT部115は、S1およびR1に対してIFFTを行ってOFDMシンボルを生成する。
CP付加部116は、OFDMシンボルの後尾部分と同じ信号をCPとしてOFDMシンボルの先頭に付加する。
無線送信部117は、CP付加後のOFDMシンボルに対しD/A変換、増幅およびアップコンバート等の送信処理を行ってアンテナポート1から送信する。
CDD生成部118は、S1およびR1に対してCDDを生成する。
IFFT部119は、S1およびR1に対してIFFTを行ってOFDMシンボルを生成する。
CP付加部120は、OFDMシンボルの後尾部分と同じ信号をCPとしてOFDMシンボルの先頭に付加する。
無線送信部121は、CP付加後のOFDMシンボルに対しD/A変換、増幅およびアップコンバート等の送信処理を行ってアンテナポート3から送信する。
なお、CDD生成部109,118は、バーチャルアンテナによる不必要なビームフォーミング効果を抑えるために備えられる。
次いで、アンテナポート送信を行う4Tx基地局として動作する基地局100の構成を図5に示す。図5に示す基地局100は、図4に示す反転部104,113を有しない。以下、図5において図4と異なる点についてのみ説明する。
すなわち、マッピング部103は、変調後のデータ信号をアンテナポート0,2,1,3にそれぞれマッピングする。アンテナポート0にマッピングされるデータ信号がS0であり、アンテナポート2にマッピングされるデータ信号がS1であり、アンテナポート1にマッピングされるデータ信号がS2であり、アンテナポート3にマッピングされるデータ信号がS3である。また、アンテナポート0およびアンテナポート2から送信されるRSがR0であり、アンテナポート1およびアンテナポート3から送信されるRSがR1である。
CDD生成部109は、S1およびR0に対してCDDを生成する。
IFFT部110は、S1およびR0に対してIFFTを行ってOFDMシンボルを生成する。
IFFT部115は、S2およびR1に対してIFFTを行ってOFDMシンボルを生成する。
CDD生成部118は、S3およびR1に対してCDDを生成する。
IFFT部119は、S3およびR1に対してIFFTを行ってOFDMシンボルを生成する。
ここで、図4に示す基地局100(バーチャル2Tx基地局)は、バーチャルアンテナ0およびバーチャルアンテナ1の2つのバーチャルアンテナを用いてRSおよびデータ信号を送信する。つまり、基地局100の基本の送信方法をバーチャルアンテナ送信とする。
但し、奇数スロットと偶数スロットとの間では、1つのバーチャルアンテナを形成する2つのアンテナポートのうちのいずれか一方のアンテナポートにおける信号の符号を反転させる。図4においては、バーチャルアンテナ0を形成するアンテナポート0およびアンテナポート2のうちアンテナポート2におけるR0およびS0の符号を奇数スロットと偶数スロットとの間で反転させる。同様に、バーチャルアンテナ1を形成するアンテナポート1およびアンテナポート3のうちアンテナポート3におけるR1およびS1の符号を奇数スロットと偶数スロットとの間で反転させる。
基地局100は通常はバーチャル2Tx基地局として動作するため、基地局100からのRSは基地局100の周辺に存在する2Tx基地局からのRSと同じリソース(同じタイミングおよび同じサブキャリア)で送信される。このときのRSの配置を図6に示す。但し、図6におけるR0’は、アンテナポート0およびアンテナポート2からR0が送信されるリソース(タイミングおよび周波数)を示し、R0”は、アンテナポート0からR0が送信される一方でアンテナポート2からR0の符号が反転されたRSが送信されるリソースを示す。同様に、図6におけるR1’は、アンテナポート1およびアンテナポート3からR1が送信されるリソースを示し、R1”は、アンテナポート1からR1が送信される一方でアンテナポート3からR1の符号が反転されたRSが送信されるリソースを示す。
よって、基地局100(バーチャル2Tx基地局)からの送信信号yは以下のように表される。
図6から明らかなように、本実施の形態でのRS送信に必要なオーバーヘッドは2Tx基地局と同等である。つまり、本実施の形態によれば、オーバーヘッドの増加によるスループットの減少は発生しない。
また、1つのバーチャルアンテナあたり2つの無線送信部を使用できるため、RSの送信電力およびデータ信号の送信電力は2Tx基地局でのそれらの2倍となる。よって、端末での受信品質を向上させることができる。
さらに、1RB内でのRSおよびデータ信号に対しては同一のバーチャルアンテナが用いられてバーチャル2Tx基地局として動作するため、高速端末でのSNR特性の劣化は生じない。
基地局100は、通常、高速端末および低速端末の双方に対して同様に、RSおよびデータ信号の双方をバーチャルアンテナ0およびバーチャルアンテナ1を用いて送信する。
端末は、まず、受信したRSをそのまま用いてデータ信号を復調する。
また、端末は、時間軸上で2スロット分のRSを保持する。このようにして保持されるR0’,R0”,R1’,R1”には以下に示す関係がある。
R0’での受信信号=アンテナポート0からの信号+アンテナポート2からの信号
R1’での受信信号=アンテナポート1からの信号+アンテナポート3からの信号
R0”での受信信号=アンテナポート0からの信号−アンテナポート2からの信号
R1”での受信信号=アンテナポート1からの信号−アンテナポート3からの信号
よって、端末は以下の計算によりアンテナポート0,2,1,3からの信号を分離し、各アンテナポート毎のチャネル推定を行うことができる。
アンテナポート0からの信号=R0’での受信信号+R0”での受信信号
アンテナポート2からの信号=R0’での受信信号−R0”での受信信号
アンテナポート1からの信号=R1’での受信信号+R1”での受信信号
アンテナポート3からの信号=R1’での受信信号−R1”での受信信号
端末はアンテナポート0,2,1,3の4つのチャネル推定値より、基地局100の自端末に対する最適な送信方法としてバーチャルアンテナ送信またはアンテナポート送信のいずれかを選択し、選択結果を送信モード要求として基地局100にフィードバックする。例えば、アンテナポート0,2,1,3の4つの伝搬路の相関が低くSDM送信が行える場合には、一般にバーチャルアンテナ送信を行わない方が良いため、アンテナポート送信が選択される。但し、アンテナポート2,3のチャネル推定結果にはCDD生成部109,118による伝搬特性も含まれるため、基地局100が図5に示す構成によりアンテナポート送信を行う場合であっても、バーチャルアンテナ送信時(図4)に用いられたCDD生成部と同一のCDD生成部が用いられる。
なお、基地局100は、バーチャルアンテナ送信(図4)またはアンテナポート送信(
図5)のいずれであっても、アンテナポート2,3における符号を反転させながらRSを送信し続ける。
ここで、図5に示す基地局100(4Tx基地局)におけるマッピング部103からの出力を
とすると、4つのアンテナポートから送信される信号y
realportは
となる。
バーチャルアンテナ送信を選択する端末とアンテナポート送信を選択する端末とがOFDMによって多重されるため、基地局100は各端末からの要求に従ってバーチャルアンテナ送信(図4)とアンテナポート送信(図5)とを端末毎に切り替える。すなわち、基地局100は、各端末からの要求に従ってバーチャルアンテナ送信(図4)とアンテナポート送信(図5)とを端末毎に切り替える切替部を有し、バーチャルアンテナ送信を要求する低速端末に対しては図4に示す構成によりRSおよびデータ信号をバーチャルアンテナ送信し、アンテナポート送信を要求する低速端末に対しては図5に示す構成によりデータ信号をアンテナポート送信する。
各端末は、バーチャルアンテナ送信時にはRSをそのまま用いてチャネル推定を行う。一方、アンテナポート送信時には、各端末は、各アンテナポート毎にRSを分離し、分離後のRSを用いてチャネル推定を行う。
ここで、高速端末または4アンテナポートによるアンテナポート送信に未対応の端末は、基地局100にバーチャルアンテナ送信を要求し、低速端末またはSDMできる端末は基地局100にアンテナポート送信を要求すればよい。
なお、端末はバーチャルチャネルアンテナ送信またはアンテナポート送信のいずれかの送信モードを基地局100に要求する際に、併せてデータ信号のマッピング(Precoding Matrix)変更を基地局100に要求してもよい。
基地局100は、バーチャルチャネルアンテナ送信を要求された場合、図4に示すように、バーチャルアンテナへの2アンテナポート用のマッピングを行った後、さらにバーチャルアンテナにおいて4つのアンテナポートへの振り分けを行う。このため、端末は、基地局100のアンテナポート数が4つであるにもかかわらず、2アンテナポート用の複数のマッピングパターンのうち最適なマッピングパターンを基地局100に要求する。
一方、端末が基地局100にアンテナポート送信を要求する場合には、4アンテナポート用の複数のマッピングパターンのうち最適なマッピングパターンを基地局100に要求する。
本実施の形態によれば、従来の4Tx基地局に比べ、RSの送信に必要なオーバーヘッドを減少させることができる。また、アンテナポート2,3からのRSの密度(合計電力)が高いため、端末におけるチャネル推定精度を向上させることができる。また、バーチャルアンテナを用いた送信により、セル半径を大きくすることができる。さらに、端末はバーチャルアンテナからのRSを各アンテナポートのRSに分離することができるため、基地局がSDM送信する際の最適な送信方法を基地局に要求することができる。
なお、本実施の形態では、端末がバーチャル2Tx基地局として動作する基地局100(図4)からの信号を受信する際に1スロット毎に独立なチャネル推定を行うものと想定し、1スロット毎にバーチャルアンテナの符号を変化させる場合について説明した。しかし、例えば端末がnスロット毎にチャネル推定を行う場合には、nスロット毎にバーチャルアンテナの符号を変化させるとよい。
また、図4および図5における基地局100はCDD生成部109,118を備えなくてもよい。
また、本実施の形態では、バーチャルアンテナの特性を
とした。しかし、例えば以下の特性を有するバーチャルアンテナを用いてもよい。
この場合、端末は以下の計算によりアンテナポート0,1,2,3からの信号を分離する。
アンテナポート0からの信号=R0’での受信信号+R0”での受信信号
アンテナポート1からの信号=R0’での受信信号−R0”での受信信号
アンテナポート2からの信号=R1’での受信信号+R1”での受信信号
アンテナポート3からの信号=R1’での受信信号−R1”での受信信号
つまり、バーチャルアンテナの特性を表わす4×2の上記行列から列成分で構成されるベクトルを偶数スロットと奇数スロットとにおいて2つずつ取り出した場合に、これら合計4つのベクトルが互いに直交していればよい。より一般的には、端末が複数回受信されるRSを用いて、同一時刻および同一周波数で信号を送信する複数のアンテナポートの伝搬路を分離できるように各アンテナポートの信号が多重されていればよい。
また、本実施の形態では、時間軸上でスロット毎にバーチャルアンテナの符号を変化(反転)させる一方で、バーチャルアンテナの周波数軸上での符号を固定とした。しかし、周波数軸上でRB毎にバーチャルアンテナの符号を変化(反転)させる一方で、バーチャルアンテナの時間軸上での符号を固定としてもよい。この場合、RS送信に用いるバーチ
ャルアンテナの特性が時間軸上で変化しないため、端末によって受信されるRSを複数スロットに渡って平均化することにより、端末でのチャネル推定精度を向上させることができる。但し、この場合、周波数選択性フェージングに対する耐性が低くなるので、時間軸上でバーチャルアンテナの符号を変化させるモードと、周波数軸上でバーチャルアンテナの符号を変化させるモードとを伝搬路状態に応じて適応的に切り替えてもよい。
また、本実施の形態では、基地局が2つのアンテナポートから1つのバーチャルアンテナを形成する場合について説明した。しかし、本発明では、1つのバーチャルアンテナを形成するアンテナポート数は2つに限定されない。例えば、基地局は4つのアンテナポートから1つのバーチャルアンテナを形成してもよい。ただし、端末がアンテナポート毎の伝搬路を分離するためには、2つのアンテナポートから1つのバーチャルアンテナを形成する場合には2スロットのRS(例えば、図6に示すR0’およびR0”)が必要であるのに対して、4つのアンテナポートから1つのバーチャルアンテナを形成する場合には4スロットのRSが必要となる。例えば、4つのアンテナポートから1つのバーチャルアンテナを形成する基地局は、時間軸上でスロット毎にバーチャルアンテナの符号を変化させたR0’、R0''、R0'''、R0''''を送信する。端末は、R0’、R0''、R0'''、R0''''を用いてアンテナポート毎の信号を分離し、アンテナポート毎のチャネル推定を行う。
また、基地局は、端末の状況に応じて1つのバーチャルアンテナを形成するアンテナポート数を適応的に変更してもよい。すなわち、基地局が4つのアンテナポートを具備する場合、基地局は、端末の状況に応じて、本実施の形態に示したように2つのアンテナポートから1つのバーチャルアンテナを形成する動作と、4つのアンテナポートから1つのバーチャルアンテナを形成する動作とを切り替えてもよい。
例えば、端末が高速移動しており時間軸方向での伝搬路変動が激しい場合、時間軸方向に4つのRSを送信している間に伝搬路状態が変化し、端末は正しく信号を分離できないことがある。そこで、基地局は、端末の移動速度に応じてバーチャルアンテナを形成するアンテナポート数を切り替えてもよい。例えば、基地局は、高速移動する端末に対しては、2つのアンテナポートから1つのバーチャルアンテナを形成し、符号を変化させた2つのRS’を2つのスロットに配置する。一方、基地局は、低速移動する端末に対しては、4つのアンテナポートから1つのバーチャルアンテナを形成し、符号を変化させた4つのRSを4つのスロットに配置する。これにより、RSのオーバーヘッドを最小限に抑えつつ、端末の移動速度に応じた最適な運用が可能となる。
(実施の形態2)
本実施の形態は、アンテナポート数を通知するためのBCHにおいて、常にバーチャルアンテナ送信によってRSおよびBCH信号を送信する点において実施の形態1と相違する。
よって、本実施の形態によれば、端末はBCHにおいて基地局のアンテナポート数にかかわらずダイバーシチ効果を得ることができる。また、端末が2つのアンテナポートの伝搬路を分離してチャネル推定を行うことにより、端末は、BCH信号受信後に基地局の送信ウェイトの最適化を行うことができる。
ここで、BCHでは、同一情報を有するBCH信号が繰り返し送信される。また、BCH信号は一部の周波数帯域を常に占有して送信され続ける。また、BCH信号はすべての端末によって受信される。また、端末では、BCH信号の受信時には、基地局のアンテナポート数が未知である。
そこで、本実施の形態では、アンテナポート数によらず共通のRS配置を行うことにより、端末での受信負荷を低減させるとともに、SFBC(Space-frequency block coding)と同等のダイバーシチゲインを得る。
以下、本実施の形態に係るBCH信号の送信について説明する。
3GPP-LTEの手順では、端末は、基地局との通信開始時に、SCH(Synchronization Channel)を捕捉して基地局とのタイミング同期を確立した後、BCH信号を受信する。3GPP-LTEにおけるBCHおよびSCHの時間軸上の配置を図7に示す。図7における1スロットが1RBの時間に相当する。
また、3GPP-LTEにおけるデータチャネルと、BCHおよびSCHの制御チャネルとの周波数軸上での配置を図8に示す。こられの制御チャネル信号は72サブキャリア=6RBを用いて基地局から送信される。
本実施の形態に係る2Tx基地局は、図8に示すBCHおよびSCHを含む周波数帯域においてRS、BCH信号およびSCH信号を送信する際に、2つのアンテナポートを1つのバーチャルアンテナとして扱う。但し、時間軸上でRB毎にアンテナポート1からの信号の符号を反転させる。また、BCHおよびSCHを含まない周波数帯域では、通常の2Tx基地局(図1A)として動作する。
本実施の形態に係る基地局200の構成を図9に示す。
図9に示す基地局200において、符号化部201は送信データ(データチャネル)を符号化する。
変調部202は、符号化後のデータを変調する。
マッピング部203は、変調後のデータ信号をアンテナポート0およびアンテナポート1にそれぞれマッピングする。アンテナポート0にマッピングされるデータ信号がS0であり、アンテナポート1にマッピングされるデータ信号がS1である。また、S0に付加されてアンテナポート0から送信されるRSがR0であり、S1に付加されてアンテナポート1から送信されるRSがR1である。
一方、符号化部204はBCHデータ(BCH)を符号化する。
変調部205は、符号化後のBCHデータを変調する。
マッピング部206は、変調後のBCHデータ信号を、アンテナポート0およびアンテナポート1から形成されるバーチャルアンテナ0にマッピングする。バーチャルアンテナ0にマッピングされるBCHデータ信号がB0である。
反転部207は、反転部208と同期して、アンテナポート0から送信されるB0の符号を奇数スロットと偶数スロットとの間で反転させる。
反転部208は、反転部207と同期して、B0に付加されてアンテナポート0から送信されるR0の符号を奇数スロットと偶数スロットとの間で反転させる。
CDD生成部209は、B0およびR0に対してCDDを生成する。
IFFT部210は、S0,R0およびB0,R0に対してIFFTを行ってOFDMシンボルを生成する。
CP付加部211は、OFDMシンボルの後尾部分と同じ信号をCPとしてOFDMシンボルの先頭に付加する。
無線送信部212は、CP付加後のOFDMシンボルに対しD/A変換、増幅およびアップコンバート等の送信処理を行ってアンテナポート0から送信する。
IFFT部213は、S1,R1およびB0,R0に対してIFFTを行ってOFDMシンボルを生成する。
CP付加部214は、OFDMシンボルの後尾部分と同じ信号をCPとしてOFDMシンボルの先頭に付加する。
無線送信部215は、CP付加後のOFDMシンボルに対しD/A変換、増幅およびアップコンバート等の送信処理を行ってアンテナポート1から送信する。
このように、アンテナポート0およびアンテナポート1は、BCHにおいてバーチャルアンテナ0として機能する。
なお、CDD生成部209は、バーチャルアンテナによる不必要なビームフォーミング効果を抑えるために備えられる。
次いで、本実施の形態に係るRSの配置を図10Aおよび図10Bに示す。図10AはBCHを含まない周波数帯域、すなわち、データチャネルの帯域でのRS配置を示し、図10BはBCHを含む周波数帯域でのRS配置を示す。また、従来の1Tx基地局でのRS配置を図11に示す。なお、図10BにおけるR0’は、アンテナポート0およびアンテナポート1からR0が送信されるリソースを示し、R0”は、アンテナポート0からR0が送信される一方でアンテナポート1からR0の符号が反転されたRSが送信されるリソースを示す。
このように、基地局200では、BCHを含む周波数帯域でのRS配置(図10B)を、1Tx基地局でのRS配置(図11)と同一にする。
これに対し、端末は、基地局から送信されるSCH(図7)を受信して同期を捕捉する。このSCHは端末に既知の系列であるため、端末は、予め保持しているSCH既知系列と受信信号系列との相互相関を求めることによって同期を捕捉することができる。なお、SCHもBCHと同様にしてバーチャルアンテナ送信される。
端末は、同期を捕捉した後、R0’またはR0”を受信してチャネル推定を行い、BCH系列を復号する。
ここで、基地局200では、BCHの符号とR0’(またはR0”)の送信に用いるバーチャルアンテナの符号とを同期させている。よって、端末は受信信号がR0’またはR0”のいずれであるかを判別する必要がない。
さらに、基地局200では図7において、第1サブフレームの第1スロットで用いられるバーチャルアンテナの符号と第6サブフレームの第1スロットで用いられるバーチャルアンテナの符号とを反転させているため、通常ならばBCHおよびSCHが到達しないエ
リアにおいても、ダイバーシチ効果によりBCHおよびSCHの受信が可能となる。
端末は、BCH受信後、BCHデータに基づいて基地局のアンテナポート数を判断し、そのアンテナポート数に従って、データが送信される周波数帯域でのRS送信方法を判断する。
本実施の形態によれば、1Tx基地局と2Tx基地局とが混在する通信システムにおいて、端末は1Tx基地局と2Tx基地局とに共通の受信方法によりBCHを受信することができる。よって、端末は、基地局のアンテナポート数を知らなくてもBCHを誤りなく受信することができる。つまり、BCHにおける2Tx基地局のダイバーシチ送信が可能となる。
また、従来同様の方法により、2つのアンテナポートを1つのバーチャルアンテナとして扱ってBCHを送信すると、RSもバーチャルアンテナによって送信されるため、端末では2つのアンテナポートの伝搬路を分離することができない。これに対し、本実施の形態では、基地局がバーチャルアンテナの符号を変化させつつ(反転させつつ)RSを送信するため、端末では2つのアンテナポートの伝搬路を分離することができる。
また、本実施の形態では、バーチャルアンテナを用いる周波数帯域を、BCHを含む一部の帯域に限定している。よって、バーチャルを用いない周波数帯域(例えば、データチャネルの周波数帯域)では、端末が受信されたRSを時間軸上で平均化することにより、チャネル推定精度を向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、アンテナポート数が異なる複数の基地局が混在する通信システムにおいて、共通のRS配置を実現しつつ、端末が各基地局毎のダイバーシチ効果を享受することができるため、通信システムの設計の自由度を高めることができる。
なお、BCH以外の制御情報の送信もBCHの上記送信と同様にして行うことができる。
また、SCHもBCHと同様にしてバーチャルアンテナ送信される場合には、BCHに対してのみCDD生成を行い、SCHに対するCDD生成を行わないのが好ましい。これにより、複数のアンテナポート間においてCDDによる付加的な到来時間差が無くなるため、SCHを用いた同期補足の性能を向上させることができる。
また、本実施の形態に係るBCH送信とSFBCを用いたBCH送信とにおいてダイバーシチ効果を比較すると以下のようになる。ここでは、基地局の送信アンテナポート数を2、端末の受信アンテナポート数を1、基地局のアンテナポート0から端末のアンテナポートまでの伝搬路特性をh0(f)、基地局のアンテナポート1から端末のアンテナポートまでの伝搬路特性をh1(f)とする。
SFBCを用いたBCH送信では、端末の受信電力は、
となる。
一方で、本実施の形態に係るBCH送信では、端末の受信電力は、
となる。但し、e
-j2πfδはCDDの成分である。
よって、本実施の形態によれば、端末でのBCHの平均受信電力は、
となり、SFBCの平均受信電力と等しい。
また、本実施の形態に係るBCH送信の最大受信電力はSFBCによるBCH送信の最大受信電力より大きくなる。よって、本実施の形態に係るBCH送信によれば、BCHの最大到達距離をSFBCによるBCH送信より大きくすることができる。よって、本実施の形態によれば、BCHのように複数回繰り返し送信される情報に対し、SFBCを上回るダイバーシチ効果を得ることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態は、8アンテナポートの基地局(8Tx基地局)がデータ信号を送信する点において実施の形態1と相違する。
3GPP-LTEにおける基地局のアンテナポート数は最大4つである。そのため、3GPP-LTEに対応する端末は、最大4つのアンテナポートを具備する基地局(4Tx基地局)から送信されたRSを用いて、データの復調および下り信号の品質測定を行うことができる。
これに対し、3GPP-LTEの発展形であるLTE-advancedでは、最大8つのアンテナポートを具備する基地局(8Tx基地局)が検討されている。ただし、LTE-advancedでも、3GPP-LTEにおける基地局(4Tx基地局)のみに対応する端末が通信できるようにするために、3GPP-LTEに則した基地局を提供する必要がある。換言すれば、4Tx基地局(3GPP-LTEにおける基地局)と8Tx基地局(LTE-advancedにおける基地局)とが混在する通信システムにおいて、4Tx基地局のみに対応する端末(以下、LTE端末という)と8Tx基地局にも対応する端末(以下、LTE+端末という)とが同一の周波数帯域で通信できる必要がある。
そこで、本実施の形態における8Tx基地局は、LTE端末に対して、各々が2つのアンテナポートから形成される4つのバーチャルアンテナを用いてRSとデータ信号とを送信する(バーチャルアンテナ送信)。また、本実施の形態における8Tx基地局は、8アンテナポートを用いてデータ信号の送信を行うことが適するLTE+端末に対して、バーチャルアンテナを用いずに8つのアンテナポートを用いてRSとデータ信号とを送信する(アンテナポート送信)。
ただし、本実施の形態における8Tx基地局は、アンテナポート送信の際には、アンテナポート送信されるデータ信号が送信される周波数帯域のみに配置されるRSであって、1つのバーチャルアンテナを形成する2つのアンテナポートの各々から共通に送信される2つのRSのいずれか1つの符号を反転させる。
本実施の形態に係る基地局300について詳細に説明する。
バーチャルアンテナ送信を行うバーチャル4Tx基地局として動作する基地局300の構
成を図12に示す。
図12に示す基地局300において、符号化部301は送信データを符号化する。
変調部302は、符号化後のデータを変調する。
マッピング部303は、変調後のデータ信号をバーチャルアンテナ0、バーチャルアンテナ1、バーチャルアンテナ2およびバーチャルアンテナ3にそれぞれマッピングする。バーチャルアンテナ0にマッピングされるデータ信号がS0であり、バーチャルアンテナ1にマッピングされるデータ信号がS1であり、バーチャルアンテナ2にマッピングされるデータ信号がS2であり、バーチャルアンテナ3にマッピングされるデータ信号がS3である。また、バーチャルアンテナ0から送信されるRSがR0であり、バーチャルアンテナ1から送信されるRSがR1であり、バーチャルアンテナ2から送信されるRSがR2であり、バーチャルアンテナ3から送信されるRSがR3である。
IFFT部304は、S0およびR0に対してIFFTを行ってOFDMシンボルを生成する。
CP付加部305は、OFDMシンボルの後尾部分と同じ信号をCPとしてOFDMシンボルの先頭に付加する。
無線送信部306は、CP付加後のOFDMシンボルに対しD/A変換、増幅およびアップコンバート等の送信処理を行ってアンテナポート0から送信する。
CDD生成部307は、S0およびR0に対してCDDを生成する。
IFFT部308は、S0およびR0に対してIFFTを行ってOFDMシンボルを生成する。
CP付加部309は、OFDMシンボルの後尾部分と同じ信号をCPとしてOFDMシンボルの先頭に付加する。
無線送信部310は、CP付加後のOFDMシンボルに対しD/A変換、増幅およびアップコンバート等の送信処理を行ってアンテナポート1から送信する。
IFFT部311は、S1およびR1に対してIFFTを行ってOFDMシンボルを生成する。
CP付加部312は、OFDMシンボルの後尾部分と同じ信号をCPとしてOFDMシンボルの先頭に付加する。
無線送信部313は、CP付加後のOFDMシンボルに対しD/A変換、増幅およびアップコンバート等の送信処理を行ってアンテナポート2から送信する。
CDD生成部314は、S1およびR1に対してCDDを生成する。
IFFT部315は、S1およびR1に対してIFFTを行ってOFDMシンボルを生成する。
CP付加部316は、OFDMシンボルの後尾部分と同じ信号をCPとしてOFDMシ
ンボルの先頭に付加する。
無線送信部317は、CP付加後のOFDMシンボルに対しD/A変換、増幅およびアップコンバート等の送信処理を行ってアンテナポート3から送信する。
IFFT部318は、S2およびR2に対してIFFTを行ってOFDMシンボルを生成する。
CP付加部319は、OFDMシンボルの後尾部分と同じ信号をCPとしてOFDMシンボルの先頭に付加する。
無線送信部320は、CP付加後のOFDMシンボルに対しD/A変換、増幅およびアップコンバート等の送信処理を行ってアンテナポート4から送信する。
CDD生成部321は、S2およびR2に対してCDDを生成する。
IFFT部322は、S2およびR2に対してIFFTを行ってOFDMシンボルを生成する。
CP付加部323は、OFDMシンボルの後尾部分と同じ信号をCPとしてOFDMシンボルの先頭に付加する。
無線送信部324は、CP付加後のOFDMシンボルに対しD/A変換、増幅およびアップコンバート等の送信処理を行ってアンテナポート5から送信する。
IFFT部325は、S3およびR3に対してIFFTを行ってOFDMシンボルを生成する。
CP付加部326は、OFDMシンボルの後尾部分と同じ信号をCPとしてOFDMシンボルの先頭に付加する。
無線送信部327は、CP付加後のOFDMシンボルに対しD/A変換、増幅およびアップコンバート等の送信処理を行ってアンテナポート6から送信する。
CDD生成部328は、S3およびR3に対してCDDを生成する。
IFFT部329は、S3およびR3に対してIFFTを行ってOFDMシンボルを生成する。
CP付加部330は、OFDMシンボルの後尾部分と同じ信号をCPとしてOFDMシンボルの先頭に付加する。
無線送信部331は、CP付加後のOFDMシンボルに対しD/A変換、増幅およびアップコンバート等の送信処理を行ってアンテナポート7から送信する。
なお、CDD生成部307、314、321、328は、バーチャルアンテナによる不必要なビームフォーミング効果を抑えるために備えられる。
次いで、アンテナポート送信を行う8Tx基地局として動作する基地局300の構成を図13に示す。図13において図12と異なる点についてのみ説明する。
すなわち、マッピング部303は、変調後のデータ信号S0〜S7をアンテナポート0〜7にそれぞれマッピングする。また、アンテナポート0およびアンテナポート1から送信されるRSがR0およびR4であり、アンテナポート2およびアンテナポート3から送信されるRSがR1およびR5であり、アンテナポート4およびアンテナポート5から送信されるRSがR2およびR6であり、アンテナポート6およびアンテナポート7から送信されるRSがR3およびR7である。すなわち、アンテナポート送信を行う基地局300(8Tx基地局)は、図12に示すバーチャルアンテナ送信で送信したRSに加え、R4〜R7をさらに送信する。
IFFT部304は、S0、R0およびR4に対してIFFTを行ってOFDMシンボルを生成する。
反転部332は、アンテナポート1から送信されるR4の符号を反転させる。
CDD生成部307は、S1、R0およびR4に対してCDDを生成する。
IFFT部308は、S1、R0およびR4に対してIFFTを行ってOFDMシンボルを生成する。
IFFT部311は、S2、R1およびR5に対してIFFTを行ってOFDMシンボルを生成する。
反転部333は、アンテナポート3から送信されるR5の符号を反転させる。
CDD生成部314は、S3、R1およびR5に対してCDDを生成する。
IFFT部315は、S3、R1およびR5に対してIFFTを行ってOFDMシンボルを生成する。
IFFT部318は、S4、R2およびR6に対してIFFTを行ってOFDMシンボルを生成する。
反転部334は、アンテナポート5から送信されるR6の符号を反転させる。
CDD生成部321は、S5、R2およびR6に対してCDDを生成する。
IFFT部322は、S5、R2およびR6に対してIFFTを行ってOFDMシンボルを生成する。
IFFT部325は、S6、R3およびR7に対してIFFTを行ってOFDMシンボルを生成する。
反転部335は、アンテナポート7から送信されるR7の符号を反転させる。
CDD生成部328は、S7、R3およびR7に対してCDDを生成する。
IFFT部329は、S7、R3およびR7に対してIFFTを行ってOFDMシンボルを生成する。
ここで、アンテナポート送信時のみ送信されるR4〜R7に対して、図13に示す基地局300は、図12において1つのバーチャルアンテナを形成する2つのアンテナポートのうちのいずれか一方のアンテナポートから送信されるRSの符号を反転させる。すなわち、基地局300は、図12でバーチャルアンテナ0を形成するアンテナポート0およびアンテナポート1のうち、アンテナポート1から送信されるR4の符号を反転させる。同様に、基地局300は、図12でバーチャルアンテナ1を形成するアンテナポート2およびアンテナポート3のうち、アンテナポート3から送信されるR5の符号を反転させる。バーチャルアンテナ2,3(アンテナポート4〜7)についても同様である。
次に、本実施の形態に係るRSの配置を図14に示す。なお、図14におけるR0’は、アンテナポート0およびアンテナポート1からR0が送信されるリソースを示し、R1’は、アンテナポート2およびアンテナポート3からR1が送信されるリソースを示し、R2’は、アンテナポート4およびアンテナポート5からR2が送信されるリソースを示し、R3’は、アンテナポート6およびアンテナポート7からR3が送信されるリソースを示す。また、R4’は、アンテナポート0からR4が送信される一方でアンテナポート1からR4の符号が反転されたRSが送信されるリソースを示し、R5’は、アンテナポート2からR5が送信される一方でアンテナポート3からR5の符号が反転されたRSが送信されるリソースを示し、R6’は、アンテナポート4からR6が送信される一方でアンテナポート5からR6の符号が反転されたRSが送信されるリソースを示し、R7’は、アンテナポート6からR7が送信される一方でアンテナポート7からR7の符号が反転されたRSが送信されるリソースを示す。
また、図14に示すように、基地局300は周波数帯域全体(サブキャリア番号0〜23)を、4Tx基地局のみに対応するLTE端末(または、LTE+端末のうち4RS送信帯域で下りデータ信号を受信する端末)宛てのデータ信号を配置する送信帯域(サブキャリア番号0〜11,以下、4RS送信帯域という)と、8Tx基地局にも対応するLTE+端末宛てのデータ信号を配置する送信帯域(サブキャリア番号12〜23,以下、8RS送信帯域という)とに分割する。なお、基地局300は、周波数帯域の分割結果をLTE+端末にブロードキャストで通知してもよく、8RS送信帯域で8つのRSが送信されていることを示す情報を、下り制御信号(例えば、PDCCH等)を用いて、8RS送信帯域にデータ信号が割り当てられた端末のみに通知してもよい。
図14に示すR0’〜R3’は、3GPP-LTEにおける4Tx基地局からのR0〜R3(図2B)と同じリソース(同じタイミングおよび同じサブキャリア)で送信される。また、R0’〜R3’はすべての周波数帯域(図14に示すサブキャリア番号0〜23)に配置される。また、図14に示す8RS送信帯域(サブキャリア番号12〜23)では、R0〜R3に加え、R4〜R7がさらに配置される。
基地局300がバーチャル4Tx基地局として動作する場合、基地局300からのRSは、図14に示す4RS送信帯域に配置されたR0’〜R3’で送信される。つまり、バーチャル送信時のRS送信に必要なオーバーヘッドは4Tx基地局と同等である。また、図14に示すR0’はアンテナポート0およびアンテナポート1から同一時刻・同一周波数にて送信され、R1’はアンテナポート2およびアンテナポート3から同一時刻・同一周波数にて送信され、R2’はアンテナポート4およびアンテナポート5から同一時刻・同一周波数にて送信され、R3’はアンテナポート6およびアンテナポート7から同一時刻・同一周波数にて送信される。よって、1つのバーチャルアンテナあたり2つの無線送信部を使用してRSを送信できるため、RSの送信電力およびデータ信号の送信電力は4Tx基地局でのそれらの2倍となる。よって、端末での受信品質を向上させることができる。
一方、基地局300が8Tx基地局として動作する場合、基地局300からのRSは、図
14に示す8RS送信帯域に配置されたR0〜R3および8RS送信帯域のみに配置されたR4〜R7で送信される。ただし、図13に示すように、R4’はアンテナポート0およびアンテナポート1から同一時刻・同一周波数で送信されるものの、アンテナポート1から送信されるR4の符号がアンテナポート0から送信されるR4に対して反転されている。R5’,R6’,R7’についても同様である。
つまり、図13に示す基地局300において、R0,R1,R2およびR3にバーチャルアンテナの重み付けとして(1,1)がかけられるのに対し、R4,R5,R6およびR7にバーチャルアンテナの重み付けとして、(1,1)と直交する(1,−1)がかけられることと等価である。
次いで、送信データについて説明する。図12に示す基地局300において、4RS送信帯域で送信される送信データは、まず、マッピング部303で4つのバーチャルアンテナ0〜3にマッピングされる。そして、各バーチャルアンテナにマッピングされた送信データに対して、R0,R1,R2,R3にかけられるバーチャルアンテナの重み付けと同一のバーチャルアンテナの重み付けがかけられる。一方、図13に示す基地局300において、8RS送信帯域で送信される送信データは、マッピング部303で8つのアンテナポートに直接マッピングされる。ただし、8RS送信帯域で送信される送信データは、マッピング部303で8つのアンテナポートにマッピングされるため、バーチャルアンテナの重み付けはかけられない。
次に、端末の動作について説明する。
例えば、LTE端末がハンドオーバまたは新規セル探索の際に用いる下り回線電力の測定(Measurement)を行う場合、LTE端末はR0’〜R3’を用いる。すなわち、LTE端末は、R0’〜R3’の受信電力をバーチャルアンテナ0〜3の信号強度としてそれぞれ測定する。そして、LTE端末は測定結果を基地局300にフィードバックする。ここで、LTE末は、測定に用いたRSが、4Tx基地局の4つのアンテナポートを介して送られたRSであるか、8Tx基地局がバーチャルアンテナを用いて送ったRSであるかを判別する必要がない。つまり、LTE端末は、4Tx基地局と8Tx基地局とを判別することなく下り回線電力を測定することができる。また、基地局300では測定に用いるR0’〜R3’がそれぞれ2つのアンテナポートから形成されるバーチャルアンテナを用いて送信されるため、LTE端末では、RSの密度(合計電力)が高くなり、精度の高い測定を行うことができる。
また、LTE端末(または、LTE+端末のうち4RS送信帯域で下りデータ信号を受信する端末)が図14に示す4RS帯域で下りデータ信号を受信する際には、LTE端末は、R0’〜R3’を用いてアンテナポート毎のチャネル推定を行う。そして、LTE端末は、4つのチャネル推定値および基地局300から予め通知されている4アンテナポート用のアンテナポートマッピングパターンを用いて、基地局300から送信されたデータ信号を受信する。ここで、基地局300はバーチャルアンテナ0〜3に対してバーチャルアンテナの重み付けをかけているので、LTE端末は基地局300のアンテナポート数が8つであることを考慮することなく、下りデータ信号を受信できる。
また、LTE+端末が図14に示す8RS送信帯域で下りデータ信号を受信する際には、LTE+端末は、以下の計算によりアンテナポート0〜7の信号を分離し、アンテナポート毎のチャネル推定を行う。
アンテナポート0からの信号=(R0’での受信信号+R4’での受信信号)/2
アンテナポート1からの信号=(R0’での受信信号−R4’での受信信号)/2
アンテナポート2からの信号=(R1’での受信信号+R5’での受信信号)/2
アンテナポート3からの信号=(R1’での受信信号−R5’での受信信号)/2
アンテナポート4からの信号=(R2’での受信信号+R6’での受信信号)/2
アンテナポート5からの信号=(R2’での受信信号−R6’での受信信号)/2
アンテナポート6からの信号=(R3’での受信信号+R7’での受信信号)/2
アンテナポート7からの信号=(R3’での受信信号−R7’での受信信号)/2
このように、LTE+端末はアンテナポート0〜7の8つのチャネル推定値および8アンテナポート用のアンテナポートマッピングパターンを用いて、基地局300から送信された下りデータ信号を受信する。
さらに、LTE+端末はアンテナポート0〜7の8つのチャネル推定値を、上り回線を通じて、基地局300にフィードバックする。基地局300はフィードバックされた情報に基づいて次回送信以降にLTE+端末宛ての下りデータに適用すべきアンテナポートマッピングパターンを決定する。
なお、バーチャルアンテナ送信を適用するLTE端末とアンテナポート送信を適用するLTE+端末とがOFDMによって多重されるため、基地局300はバーチャルアンテナ送信(図12)とアンテナポート送信(図13)とを端末毎に切り替える。すなわち、基地局300は、バーチャルアンテナ送信(図12)とアンテナポート送信(図13)とを端末毎に切り替える切替部を有する。そして、基地局300は、バーチャルアンテナ送信を適用するLTE端末に対しては図12に示す構成によりRSおよびデータ信号を図14に示す4RS送信帯域にマッピングしてバーチャルアンテナ送信する。また、基地局300は、アンテナポート送信を適用するLTE+端末に対しては図13に示す構成によりRSおよびデータ信号を図14に示す8RS送信帯域にマッピングしてアンテナポート送信する。
そして、LTE端末は、バーチャルアンテナ送信されたRSをそのまま用いてチャネル推定を行う。一方、LTE+端末は、アンテナポート送信されたRSに対して、アンテナポート毎にRSを分離し、分離後のRSを用いてチャネル推定を行う。
本実施の形態では、8Tx基地局は、LTE端末に対してバーチャルアンテナを用いることにより、8つのアンテナポートすべてを用いてバーチャルアンテナ送信する。そのため、8つのアンテナポートを有効利用することができる。つまり、LTE端末はバーチャルアンテナを形成する2つのアンテナポートから同一RSを受信するため、受信品質を向上することができる。また、バーチャルアンテナを用いた送信により、LTE端末は基地局のアンテナポート数を判別することなく、ハンドオーバおよび新規セル探索の際の測定を行うことができる。
また、本実施の形態では、8Tx基地局は、8つのアンテナポートを用いてデータ信号の送信を行うことが適するLTE+端末に対して、バーチャルアンテナを用いずに8つのアンテナポートを用いてデータ信号を送信する。ここで、8Tx基地局は、8RSの受信に対応するLTE+端末に送信するデータが配置される周波数帯域のみにRSを追加配置するため、RSのオーバーヘッドを最小限に抑えることができる。また、LTE+端末は受信したRSを8つのアンテナポートのRSにそれぞれ分離することができる。これにより、基地局がカバーするセル内において、バーチャルアンテナ送信を望むLTE端末と、アンテナポート送信を望むLTE+端末とを共存させることができる。
なお、図12および図13における基地局300はCDD生成部を備えなくてもよい。
以上、本発明の実施の形態について説明した。
なお、端末はUE、基地局はNode B、サブキャリアはトーンと称されることもある。また
、CPはガードインターバル(Guard Interval;GI)と称されることもある。
また、周波数領域と時間領域との間の変換を行う方法は、IFFT、FFTに限られない。
また、本発明は、基地局および端末だけでなく、すべての無線通信装置に対して適用することができる。
また、上記実施の形態では、本発明をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本発明はソフトウェアで実現することも可能である。
また、上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
2007年8月17日出願の特願2007−213077および2008年6月23日出願の特願2008−163032の日本出願に含まれる明細書、図面および要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。
本発明は、移動体通信システム等に適用することができる。
従来の2Tx基地局の構成を示すブロック図
従来の2Tx基地局におけるRS送信方法を示す図
従来の4Tx基地局の構成を示すブロック図
従来の4Tx基地局におけるRS送信方法を示す図
従来のバーチャル2Tx基地局の構成を示すブロック図
本発明の実施の形態1に係る基地局の構成を示すブロック図(バーチャルアンテナ送信を行うバーチャル2Tx基地局として動作する場合)
本発明の実施の形態1に係る基地局の構成を示すブロック図(アンテナポート送信を行う4Tx基地局として動作する場合)
本発明の実施の形態1に係るRS配置を示す図
3GPP-LTEにおけるBCHおよびSCHの時間軸上の配置を示す図
3GPP-LTEにおけるデータチャネルと、BCHおよびSCHの制御チャネルとの周波数軸上での配置を示す図
本発明の実施の形態2に係る基地局の構成を示すブロック図
本発明の実施の形態2に係るRS配置を示す図(BCHを含まない周波数帯域)
本発明の実施の形態2に係るRS配置を示す図(BCHを含む周波数帯域)
従来の1Tx基地局でのRS配置を示す図
本発明の実施の形態3に係る基地局の構成を示すブロック図(バーチャルアンテナ送信を行うバーチャル4Tx基地局として動作する場合)
本発明の実施の形態3に係る基地局の構成を示すブロック図(アンテナポート送信を行う8Tx基地局として動作する場合)
本発明の実施の形態3に係るRS配置を示す図