JPWO2009014213A1 - 無線タグ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

従来よりも広帯域の通過帯域(周波数対通信距離)特性をもつ金属対応の無線タグを実現する。そのため、本発明の無線タグは、チップが接続されるチップ接続部(211)と前記チップとのインピーダンス整合を調整しうるインダクタンス部(212)とを有する第1の共振器パターン(21)と、前記インダクタンス部(212)を介した電磁誘導結合により給電される第2の共振器パターン(22)と、をそなえる。

Description

本件は、無線タグ及びその製造方法に関する。前記無線タグは、例えば、金属に貼り付けることのできる金属対応の無線タグとして用いられる場合がある。
無線通信システムの1つとして、RFID(Radio Frequency Identification)システムが知られている。このRFIDシステムは、一般に、無線タグ(RFIDタグとも呼ばれる)と、リーダライタ(RW)装置とを備え、RW装置から無線タグに対して無線通信により情報の読み書きが行なわれる。
無線タグには、無線タグ自体が内蔵する電源により動作するタイプ(アクティブタグと呼ばれる)のものと、RW装置からの受信電波を駆動電力として動作するタイプ(パッシブタグと呼ばれる)のものとが知られている。
パッシブタグを用いたRFIDシステムの場合、無線タグは、RW装置からの無線信号を駆動電力として、内蔵するICやLSI等の集積回路を動作させて、受信無線信号(制御信号)に応じた各種処理を行なう。無線タグからRW装置への送信は、前記受信無線信号の反射波を利用して行なう。即ち、この反射波にタグIDや前記各種処理の結果などの情報をのせて、RW装置への送信を行なう。
なお、RFIDシステムには様々な周波数帯が利用されているが、最近では、UHF帯(860MHz〜960MHz)が注目されている。UHF帯は、既存の13.56MHz帯や2.45GHz帯に比べて長距離通信が可能である。欧州では868MHz、米国では915MHz、日本では953MHz付近の周波数を使用する。UHF帯の無線タグ(以下、単に「タグ」ともいう)の通信距離は、タグ内に用いるICチップやLSI等の集積回路の性能にもよるが、およそ3〜5mである。また、RW装置の出力は1ワット(W)程度である。
なお、従来の無線タグとして、例えば、後記の特許文献1及び特許文献2に記載されたものがある。
特許文献1には、地板における所定の端辺から所定形状に切り込まれて形成された切り込み部を有し、切り込み部のみ折り返し構造にすることで、インピーダンスを下げることができ、インピーダンス変換回路などの別の回路を設けなくても、50Ωの給電線路に整合させることができ、構造を簡略化できて、コスト削減を図れる、平面アンテナが記載されている。
特許文献2には、無線タグにおいてアンテナインピーダンスを低く抑えながら、広帯域化を達成することを目的として、一対のアンテナパターンからなる平面アンテナと、その平面アンテナの給電点に接続されたICチップとを有する無線タグにおいて、平面アンテナを構成するアンテナパターンを、給電点側の端部に対し、給電点から遠い側の端部のパターン幅を大きくした面パターンとして、平面アンテナの広帯域化(89MHz幅のカバー)を達成するとともに、平面アンテナに隣接して形成する補助パターンを、線状ではなく、平面アンテナの1つのアンテナパターンと同じ面積を有する面パターンとして、アンテナインピーダンスを低く抑えることが記載されている。
ところで、ダンボールやプラスチックに貼り付けることを想定した通常のシート状の無線タグは、200MHz程度の通過帯域幅をもつため、欧州、米国、日本でのすべての使用周波数をカバーすることができる。しかしながら、金属に貼り付けることのできる金属対応のタグは、通過帯域が非常に狭く各国専用設計のものしか存在していない。
例えば、図16に示すような形状の平面アンテナで、図15に示すような周波数対通信距離特性をもつ場合、中心周波数を米国(US)での使用周波数に合わせると、両サイドの欧州(EU)及び日本(JP)での使用周波数では通信距離が極端に落ちてしまう。中心周波数を欧州や日本での使用周波数に合わせた場合も、同様に、それ以外の地域での使用周波数では通信距離が極端に落ちてしまう。また、同一国で使用する場合でも、タグを曲面に貼り付けたり、タグの構成要素である誘電体基板(スペーサ基板)の誘電率(εr)や厚さ(t)が変わると、周波数特性がずれるため、通信距離が落ちてしまうことになる。
そのため、欧州、米国、日本での使用周波数をすべてカバーするような広帯域の周波数特性をもち、金属に貼り付けることのできるタグが望まれている。
このような金属対応のタグには、パッチアンテナを用いることが多いが、広帯域化を図るには、例えば、大きさの異なるパッチアンテナを複数並べることが考えられる。後記の非特許文献1は、RFIDタグ用ではないが、その例を記載している。
この非特許文献1によれば、パッチアンテナを同一平面に複数並べる場合、そのFig.1に示されるように、パッチアンテナ同士の干渉を防ぐために、両パッチアンテナを少なくとも半波長(0.5λ)の間隔をあけて並べる必要がある。
特開2006−140735号公報 特開2006−109396号公報 Desai, B.; Gupta, S.、"Dual-band microstrip patch antenna"、Microwave, Antenna, Propagation and EMC Technologies for Wireless Communications, 2005. MAPE 2005. IEEE International Symposium on Volume 1, 8-12 Aug. 2005 Page(s):180 - 184 Vol. 1
しかしながら、UHF帯のRFIDタグでは、半波長という間隔は約17cmに相当するから、RFIDタグとしては巨大になってしまい、実用的でない。金属対応でない通常のRFIDタグは、メーカによって様々であるが、およそ100mm×20mm程度のサイズである。これと同程度のサイズにコンパクトに収め、かつ、周波数特性を欧州、米国、日本での使用周波数のすべてをカバーできるように可能な限りフラットにしたい。
従来のように単にパッチアンテナを並べる場合は、少なくとも半波長程度の間隔をあける必要があり、両パッチアンテナを近づけすぎると、パッチアンテナ同士が干渉し合ってしまい、中心周波数付近の通信距離が極端に落ちるといった不具合が発生する。
なお、前記の特許文献1及び特許文献2に記載の技術は、いずれも、タグの貼り付け対象として金属を想定していないから、前記課題を解決することはできない。
本件の目的の一つは、従来よりも広帯域の通過帯域(周波数対通信距離)特性をもつ金属対応の無線タグを提供することにある。
なお、前記目的に限らず、後述する発明を実施するための最良の形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも他の目的の一つとして位置付けることができる。
例えば、以下の無線タグを用いることができる。
(1)即ち、チップが接続されるチップ接続部と前記チップとのインピーダンス整合を調整しうるインダクタンス部とを有する第1の共振器パターンと、前記インダクタンス部を介した電磁誘導結合により給電される第2の共振器パターンと、をそなえる無線タグを用いることができる。
(2)ここで、前記第1及び第2の共振器パターンは、それぞれ、方形の導体パターンを有し、同一面において並列に設けられていてもよい。
(3)また、前記同一面は、誘電体基板の一方の面であってもよい。
(4)さらに、前記誘電体基板の他方の面に、反射層が設けられていてもよい。
(5)また、前記インダクタンス部は、前記第1の共振器パターンの一部にスリットを設けることで形成されるのが好ましい。
(6)さらに、前記第1及び第2の共振器パターンが互いに並行する方向の電気長は異なるのが好ましい。
(7)例えば、前記第1の共振器パターンの、前記第2の共振器パターンと並行する方向の長さは、前記第2の共振器パターンの長さよりも長い方が好ましい。
(8)また、前記第1及び第2の共振器パターンは、誘電体基板である樹脂製基板の一方の面に貼り付けられたシート状部材に導電性材料で形成されることとしてもよい。
(9)さらに、前記無線タグは、前記第1及び第2の共振器パターンを被覆する樹脂材が設けられることとしてもよい。
(10)また、前記チップ接続部に、前記チップが接続されていてもよい。
(11)さらに、前記第1及び第2の共振器パターンは、誘電体を介して金属に貼り付けられることとしてもよい。
(12)また、前記誘電体基板の他方の面の、前記第1及び第2の共振器パターンと対向する領域を含む部分に、導体パターンが設けられるとともに、前記導体パターンと、前記第1及び第2の共振器パターンとが、前記誘電体基板の一方の側面を経由する経路で電気的に接続されてもよい。
(13)さらに、前記一方の側面に、前記導体パターンと前記第1及び第2の共振器パターンとを電気的に接続する側面導体が設けられてもよい。
(14)また、前記側面導体は、金属メッキ又は導電性のシート状部材であってもよい。
(15)さらに、前記側面導体は、前記導体パターンと前記第1及び第2の共振器パターンとの一方又は双方と一体形成されてもよい。
(16)また、前記導体パターンは、前記第1及び第2の共振器パターンに共通の共振器パターンであってもよい。
(17)さらに、前記インダクタンス部を介した電磁誘導結合により給電される第3の共振器パターンをさらにそなえ、前記第1及び第2の共振器パターンを含む面において、前記第2及び第3の共振器パターンは、前記第1の共振器パターンを中心とした対称な位置に設けられていてもよい。
(18)また、前記第3の共振器パターンは、前記第1及び第2の共振器パターンの電気長よりも短い電気長を有する、こととしてもよい。
(19)さらに、前記第1及び第2の共振器パターンと前記導体パターンとを全体的に被覆する樹脂材が設けられてもよい。
(20)また、無線タグの製造方法として、誘電体基板の長手方向の周囲長を定める4つの面のうち前記長手方向に対向する前記誘電体基板の側面の一方を除いた3つの面を被覆可能なシート状部材の、前記誘電体基板の一方の面及び側面に相当する領域に、チップが接続されるチップ接続部と前記チップとのインピーダンス整合を調整しうるインダクタンス部とを有する第1の共振器パターンと、前記インダクタンス部を介した電磁誘導結合により給電される第2の共振器パターンと、を形成するとともに、前記シート状部材の前記誘電体基板の他方の面に相当する領域に、前記各共振器パターンと電気的に連通する導体パターンを形成する工程と、前記第1及び第2の共振器パターンが前記誘電体基板の一方の面に位置し、前記導体パターンが前記誘電体基板の他方の面に位置するように、前記シート状部材を前記誘電体基板に巻きつけて固定する工程と、を用いることができる。
(21)ここで、前記誘電体基板に、前記巻きつけ時の前記シート状部材の位置決め用ガイド部材が設けられていてもよい。
前記本発明によれば、従来よりも広帯域の通過帯域(周波数対通信距離)特性をもつ金属対応の無線タグを実現することができる。
また、前記無線タグをコンパクトに実現することも可能である。
一実施形態に係る無線タグの構成を示す模式的斜視図である。 図1に示す無線タグの通信距離特性の一例を示すグラフである。 図1に示す無線タグの反射特性の一例を示すグラフである。 図1に示す無線タグのゲイン特性の一例を示すグラフである。 図1に示す無線タグのチップインピーダンスとアンテナインピーダンスとを示すスミスチャートである。 無線タグのアンテナとチップの等価回路の一例を示す図である。 図1に示す無線タグの動作を説明する模式的平面図である。 図1に示す無線タグのアンテナパターンの指向性(図1におけるZY面及びZX面に関する指向性)を示す図である。 図1に示す無線タグのスペーサの誘電率又は厚さを変えたときの各通信距離特性の一例を示すグラフである。 図1に示す無線タグのスペーサのサイズ(主に厚さ)を変えたときの各通信距離特性の一例を示すグラフである。 図1に示す無線タグのサイズ(主に幅)を変えたときの各通信距離特性の一例を示すグラフである。 図1に示す無線タグのスペーサのサイズ(主に厚さ)を変えたときの各通信距離特性の一例を示すグラフである。 図1に示す無線タグの製造方法の一例を説明する模式図である。 図1に示す無線タグの製造方法の一例を説明する模式図である。 従来の無線タグの通信距離特性の一例を示すグラフである。 従来の無線タグの外観を示す模式的斜視図である。 変形例に係る無線タグを部分的に透視して示す模式的斜視図である。 図17に示す無線タグのチップインピーダンスとアンテナインピーダンスとを示すスミスチャートである。 図17に示す無線タグの通信距離特性の一例を示すグラフである。 図17に示す無線タグのゲイン特性の一例を示すグラフである。 図17に示す無線タグの反射特性の一例を示すグラフである。 図17に示す無線タグの動作を説明する模式的斜視図である。 図17に示す無線タグの製造方法の一例を説明する図である。 図17に示す無線タグの製造方法の他の一例を説明する図である。 図17に示す無線タグの変形例を部分的に透視して示す模式的斜視図である。 図17に示す無線タグの変形例を部分的に透視して示す模式的斜視図である。 図17に示す無線タグの変形例を部分的に透視して示す模式的斜視図である。 図17に示す無線タグの変形例を部分的に透視して示す模式的斜視図である。 図17に示す無線タグの変形例を部分的に透視して示す模式的斜視図である。 図17に示す無線タグの変形例を部分的に透視して示す模式的斜視図である。 図17に示す無線タグの変形例を部分的に透視して示す模式的斜視図である。 図31に示す無線タグの周波数対通信距離特性の一例を示す図である。 図17に示す無線タグの変形例を部分的に透視して示す模式的斜視図である。 図33に示す無線タグの周波数対通信距離特性の一例を示す図である。 図1に示す無線タグの変形例を部分的に透視して示す模式的斜視図である。 図35に示す無線タグの周波数対通信距離特性の一例を示す図である。 図1に示す無線タグの変形例を部分的に透視して示す模式的斜視図である。 図37に示す無線タグの周波数対通信距離特性の一例を示す図である。 図1に示す無線タグの変形例を部分的に透視して示す模式的斜視図である。 図1に示す無線タグの変形例を部分的に透視して示す模式的斜視図である。 図1に示す無線タグの変形例を部分的に透視して示す模式的斜視図である。
符号の説明
1,100 誘電体スペーサ(誘電体基板)
2,200 アンテナパターン
20 アンテナパターンシート
20A 導体パターンシート
21,201 第1の導体パターン(共振器パターン)
22,202 第2の導体パターン(共振器パターン)
23 ウレタン樹脂シート(シート状樹脂材)
24,203 第3の導体パターン(共振器パターン)
204,205,206 側面導体
211 チップ接続部(給電点)
212 インダクタンス部
3 反射層(reflector)
30 反射シート(シート状反射部材)
4 金属(metal)
110 ガイド(位置決め部材)
300 導体パターン(共振器パターン)
600 樹脂(保護部材)
〔A〕一実施形態
図1は、一実施形態に係る無線タグの構成を示す模式的斜視図で、この図1に示す無線タグは、金属(metal)4に貼り付けられることを想定しており、厚さt=5mm,比誘電率εr=4,誘電正接tanδ=0.001の平板状の誘電体スペーサ(誘電体基板)1の一方の面(図1における表面)にアンテナパターン2(21,22)が形成されている。
誘電体スペーサ(以下、単に「スペーサ」ともいう)1の他方の面(図1における裏面)には、無線タグの貼付対象物が非金属の場合でも同等の特性を維持できるように、金属製の反射部材(reflecter)3を設けるのが好ましい。もっとも、当該反射部材3は設けないこととすることもできる。
アンテナパターン2は、図1のX軸方向の長さL1=90mmの帯状(方形)の第1の導体パターン21と、X軸方向の長さL2=86mmの帯状(方形)の第2の導体パターン22とを具備し、両者はスペーサ1上で図1のY軸方向に2mmの間隔をあけて設けられている。
第1の導体パターン21は、共振周波数f1の共振器パターンとして機能し、第2の導体パターン22は、共振周波数f1よりも大きい共振周波数f2の共振器パターンとして機能する。また、アンテナパターン2のY軸方向の長さ(幅)は前記2mmの間隔を含めて27mmである。したがって、図1に示すスペーサ1のサイズは、少なくとも長さ90mm×幅27mm×厚さ(t)5mmである。
ここで、無線タグにおけるアンテナパターン2は、無線タグ内に用いられる、ICチップやLSI等の集積回路(以下、チップともいう)とインピーダンス整合する必要がある。チップは、例えば図6の右側に示すように、並列のキャパシタンス成分Ccpと、並列の抵抗成分Rcpとで表すことができる。その値はメーカによって異なるが、Ccp=1pF(ピコファラド)前後、Rcp=200Ω〜20000Ωである。
したがって、このチップと整合するようなアンテナ等価回路は、図6の左側に示すように、キャパシタンス成分Ccpと共振する並列インダクタンス成分Lapと、抵抗成分Rcpと同程度の並列抵抗Rapとで表すことができる。
すなわち、アンテナパターン2は、インダクタンス成分Lapと放射抵抗成分Rapとをもつ必要がある。なお、このことは、金属対応の無線タグに限らず、RFIDの無線タグすべてに共通のことである。
そのため、第1の共振器パターン21には、ICチップやLSI等の集積回路(以下、チップともいう)が接続されるチップ接続部(給電点)211と、インダクタンス部212とが形成されている。
このインダクタンス部212は、第1の共振器パターン21の一部に、X軸方向の長さS2のスリット(Y軸方向の長さ(幅)は図1では2mm)を形成することで構成すると省スペース化を図ることができるので、望ましい。もっとも、スリットを設ける代わりにチップ接続部211からループ状線路を設ける等、他の方法により同等のインダクタンス成分を第1の共振器パターンの一部に付与(形成)してもよい。
なお、前記スリットの全長(ループ長)を変えることでインダクタンス値を調整できる。つまり、チップインピーダンスとの整合を調整できる。例えば、前記インダクタンス長S2を長くすればインダクタンスが大きくなる。
さらに、第1の共振器パターン21は、インダクタンス部212を含んでいるので、異なる共振周波数f1,f2(f1<f2)を得るには、第2の共振器パターン22よりもX軸方向の長さを長くした方が望ましい。その際、スペーサ1の誘電率を部分的に変えて第1の共振器パターン21の電気長の方が長くなるようにしてもよい。
上述のごとく構成された無線タグでは、第1の共振器パターン21におけるインダクタンス部212が、以下の3つの役割を果たす。
(1)チップとの整合用インダクタンス
(2)第1の共振器パターン21への直接給電
(3)第2の共振器パターン22への電磁結合給電
例えば図7に示すように、給電点211から第1の共振器パターン21に給電されると、インダクタンス部212には、矢印で示すように電流が非常に多く流れる(インダクタンス部212の電流分布が密になる)から、第2の共振器パターン22にとって、この部分(インダクタンス部212)は電源として働くことになる。即ち、インダクタンス部212と第2の共振器パターン22とは直接は接続されていない(2mmの間隔があいている)が、電磁誘導結合するから、インダクタンス部212を介して電磁結合給電されることになる。
従来、パッチアンテナ同士をこのように間隔2mmで近接配置することは、互いに干渉し合い、アンテナ性能を劣化させるので、タブーとされてきたが、このようにインダクタンス部212による電磁誘導結合を利用することで、インダクタンス部212は第2の共振器パターン22への電源とみることができる。
したがって、両共振器パターン21,22が離れすぎると、両者の結合度が弱くなるため、第2の共振器パターン22への給電が不十分になり電波が放射しにくくなる。
つまり、インダクタンス部212が第2の共振器パターン22への電源とみなせるように各共振器パターン21,22を近接配置することで、アンテナパターン2全体をコンパクトに設計することができる。
換言すれば、インダクタンス部212(スリット)を設ける位置は、第1の共振器パターン21への直接給電と、第2の共振器パターン22への電磁結合給電とが適切に行なわれる位置であるのが好ましい。例えば、第1の共振器パターン21の長さ方向(X軸方向)の中心からずれた位置、より好ましくは、図1に示すように端部近傍に設けるのがよい。
以下、本例における無線タグの特性について、3次元電磁界シミュレータを使用して計算した結果を示す。
まず、図3に、チップとアンテナパターン2の反射特性(S11)を示す。縦軸のS11は0に近いほど反射量が多く、値が小さい(マイナス)ほど整合し、アンテナパターン2の入力パワーがチップ接続部211(つまりチップ)へ伝達されやすくなることを表す。
ここでの計算例では、チップのキャパシタンス成分Ccp=1.4pF,抵抗成分Rcp=400Ωとしている。インダクタンス長S2(ここでは、S2=20mm,23mm,25mmの3種類)によって、整合の度合いが変わるが、異なる周波数f1,f2の2共振点をもつことがわかる。
共振周波数f1,f2の値は、それぞれ、共振器パターン21の長さL1,共振器パターン22の長さL2によって制御(調整)することができる。例えば、L1を長くすれば共振周波数f1は低周波数側へ、L2を短くすれば共振周波数f2が高周波数側へ変化(シフト)する。即ち、無線タグの通過帯域幅を調整することができる。なお、アンテナゲインについては、図4に示すように、欧州、米国及び日本での各使用周波数をカバーする帯域で周波数に対してほぼ一定である。
これらを総合すると、通信距離特性が計算され、図2に例示する。この図2に示すように、インダクタンス長S2=23mmとしたときが、欧州、米国及び日本での各使用周波数をカバーする帯域において最もフラットな特性を示す。なお、通信距離は図1におけるZ軸方向の通信距離であり、計算条件は、RW装置のアンテナ(RWアンテナ)が9dBiの円偏波、RWアンテナの出力27dBm(0.5W),チップの動作電力を−9dBmとしている。
次に、図5に、使用周波数を700MHzから1200MHzまで変化させたときのスミスチャート上でのアンテナインピーダンス軌跡を示す。スミスチャート上で、チップインピーダンスに対して対称的な点(つまりチップインピーダンスの複素共役)がアンテナインピーダンスの最適点であり、この周辺にアンテナインピーダンス軌跡が小さく円を描くのが望ましい。図5では、最適点の周りにインピーダンス軌跡が2回転しているから、周波数f1(860MHz)及びf2(1000MHz)の2共振点をもつことが分かる。なお、図8に、本例のアンテナパターン2の指向性(図1におけるZY面及びZX面に関する指向性)を示す。
以上のように、本実施形態の無線タグによれば、欧州、米国及び日本での各使用周波数をカバーする広帯域な通過帯域特性をもつ金属対応の無線タグを実現できるので、各国共通で通信距離を維持可能な金属対応の無線タグを実現することができる。
また、通過帯域特性を広帯域化できるから、例えば、無線タグをボンベ等の曲面に貼り付けたり、スペーサ1の誘電率や厚さが製造誤差により異なったりして、通過帯域の周波数特性が高周波側あるいは低周波数側にずれたとしても、欧州、米国及び日本での各使用周波数をカバーする帯域幅よりも少しでも幅広く設計しておけば、常に安定した特性(通信距離)を保つことができる。
例えば図9に、製造誤差に関しての計算結果を示す。スペーサ1の誘電率εr=4.0、スペーサ1の厚さt=5mmを基準として、製造誤差により、誘電率εr=4.2となった場合や、厚さt=5.2mmとなった場合でも、欧州、米国及び日本での通信距離をほぼ一定に保つことができる。
また、図10に、スペーサ1の幅(図1のX軸方向)(つまりはアンテナパターン2の幅)を14mmに固定して、その厚さtを3mm,4mm,5mm,10mmと変化させた場合の計算結果を示す。この図10から、厚さtを大きくするほど、欧州、米国及び日本での各使用周波数をカバーする帯域において、通信距離は伸びる傾向にあることが分かる。ただし、t=10mmでは無線タグとしては厚みがありすぎて実用的でない。逆に、t=3mm程度まで薄くすると、他に比べて通信距離は落ちるものの、実用上問題ない通信距離は確保できるから、薄型タグを実現できる。
さらに、図11に、図1に示したスペーサ1のサイズ(長さ90mm×幅27mm×厚さ(t)5mm)を基準として、スペーサ1の長さ(90mm)及び幅(27mm)を変えた場合の計算結果を示す。この図11から、幅を14mmまで小さくしても、欧州、米国及び日本での各使用周波数をカバーする帯域において通信距離の劣化は少ないことが分かる。
また、図12に、図1に示したスペーサ1のサイズ(長さ90mm×幅27mm×厚さ(t)5mm)を基準として、幅27mmを固定し、長さ(90mm)及び厚さt(5mm)を変化させた場合の計算結果を示す。この図12から、幅が27mmと大きいので、厚さtを薄く(3mmに)しても、欧州、米国及び日本での各使用周波数をカバーする帯域において、3m以上の通信距離を保てることが分かる。
以上のように、必要に応じて、スペーサ1の誘電率やサイズ(無線タグのサイズ)を変更して設計することが可能であるので、既述の寸法、スペーサ1の誘電率εr、サイズ等の値はあくまでも一例にすぎないことが理解される。
(製造方法)
次に、上述した本例の無線タグは、例えば図13に模式的に示すように、フィルムや紙等のシート状部材に、銅(Cu),銀(Ag),アルミニウム(Al)等の導電性材料を印刷する等してアンテナパターン2(共振器パターン21,22)を形成したアンテナパターンシート20と、同じくフィルムや紙等のシート状部材にCu,Ag,Al等の印刷等により反射板3を形成した反射シート(シート状反射部材)30とを、ABS樹脂製のスペーサ1に、接着剤で接着あるいはラミネート加工する等の方法により一体化することで製造することができる。
また、図14に模式的に示すように、アンテナパターンシート20の両面を例えばウレタン樹脂シート(シート状樹脂材)23で覆えば、アンテナパターン2を補強ないし保護することができるから、耐環境性の向上を図ることができる。
なお、スペーサ1の一方の面に銅張板を設け(貼り付ける等)、当該銅張板の液体エッチングによりアンテナパターン2(共振器パターン21,22)を形成することも勿論可能である。
〔B〕その他
なお、前記の例では、アンテナパターン2を2つの共振器パターン21,22で構成しているが、3つ以上の共振器パターンで構成してもよい。例えば図35〜図38により後述するように、共振器パターン21,22に加えて、さらにもう1つの共振器パターン24を、例えば第1の共振器パターン21を挟んで第2の共振器パターン22の反対側へ構成して、3共振点をもつように構成することも可能である。つまり、共振器パターン数は2個に限定されないことは自明である。
また、各共振器パターン21,22の形状(面パターン)は方形に限られない。例えば図39により後述するように、それぞれをクサビ状にして、互い違いに隣接配置することもできる。この場合、アンテナパターン2の幅(図1のY軸方向)をより小さくすることができる。
〔C〕変形例1
図17は、変形例1に係る無線タグを部分的に透視して示す模式的斜視図で、この図17に示す無線タグは、例示的に、誘電体スペーサ(以下、誘電体ブロックともいう)100の一方の面(図17のZ軸方向の一方の面)に、アンテナパターン200(201,202)が形成されている。また、誘電体ブロック100の他方の面には、導体パターン300が形成されている。
誘電体スペーサ100には、比誘電率εr=2〜4程度の誘電体基板や樹脂を用いることができる。その一例としては、PP(ポリプロピレン)や、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)、PC(ポリカーボネイト)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)などが挙げられる。ただし、これらに限定されない。
誘電体ブロック100のサイズは、使用する周波数や比誘電率εrによって異なるが、例えば、UHF帯(860〜960MHz)、εr=3.1、誘電正接tanδ=0.001とした場合に、長さ50mm×幅30mm×厚さ(t)4mm程度である。つまり、図1に例示した無線タグに比して、X軸方向の長さが約半分のサイズとなっている。
アンテナパターン200は、例えば誘電体ブロック100の長手方向(図17のX軸方向)に延在する帯状(方形)の第1の導体パターン201と、この第1の導体パターン201とY軸方向に隣接する帯状(方形)の第2の導体パターン202とを具備する。
これらの導体パターン201,202は、電磁誘導結合が容易に可能となるように配置するのが好ましい。一例として、図17において、導体パターン201,202は、誘電体ブロック100上で、図17のY軸方向に例えば3mmの間隔をあけて平行に設けられている。第1の導体パターン201のX軸方向の長さL1は例えば45mmであり、第2の導体パターン202のX軸方向の長さL2は例えば43mmである。
そして、本例において、第1の導体パターン201は、共振周波数f1の共振器パターンとして機能し、第2の導体パターン202は、共振周波数f1よりも大きい共振周波数f2の共振器パターンとして機能する。また、アンテナパターン200のY軸方向の長さ(幅)は前記3mmの間隔を含めて例えば27mmである。
導体パターン300は、例示的に、第1の共振器パターン201及び第2の共振器パターン202の面積以上で、且つ、誘電体ブロック100のXY平面における面積以下の面積を有する。例えば、導体パターン300は、アンテナパターン200全体を覆う程度のサイズ、例えば45mm×27mm程度の面積を有し、第1の共振器パターン201と第2の共振器パターン202とに共通の共振器パターンとして機能する。なお、第1の共振器パターン201は第1共振器201、第2の共振器パターン202は第2共振器202、共振器パターン300は共通共振器300とそれぞれ表記することもある。
そのため、第1及び第2共振器201,202は、それぞれ、誘電体ブロック100の一方の側面に設けられた導体パターン(側面導体)204及び205によって、共通共振器300と電気的に接続されている。すなわち、共通共振器(導体パターン)300と、第1及び第2共振器201,202とが、誘電体ブロック100の一方の側面を経由する経路で電気的に接続されている。
換言すれば、誘電体ブロック100の前記他方の面(裏面)の共通共振器300から誘電体ブロック100の長手方向の一方の側面を経由して前記一方の面(表面)へ、2つの帯状の導体パターン201,202(側面導体204,205を含む)が延在する。かかる無線タグを側面(Y軸方向)から観察すると、誘電体ブロック100の長手方向の一方の側面を残して導体パターンがループ(ハーフループ)状に誘電体ブロック100に存在していることが理解される。
したがって、誘電体ブロック100に形成された、これらの導体パターン201〜205を展開して示すと、図23や図24の(1)に示すような形状を有する。なお、側面導体204及び205は、共振器パターン201,202と導体パターン300との一方又は双方と一体的に形成されてもよい。また、導体パターン201〜205は、例示的に、それぞれ、金メッキや、銅メッキにより形成することができる。また、側面導体204,205には、例示的に、銅やアルミニウム製の導電性テープ(シート状部材)を用いることもできる。
本例においても、無線タグにおけるアンテナパターン200は、無線タグ内に用いられる、ICチップやLSI等の集積回路(以下、チップともいう)とインピーダンス整合する。チップは、図6に例示したように、並列のキャパシタンス成分Ccpと、並列の抵抗成分Rcpとで表すことができる。例示的に、Ccp=1pF(ピコファラド)前後(例えば、1.4pF)、Rcp=200Ω〜20000Ω(例えば、400Ω)である。
したがって、このチップと整合するようなアンテナ等価回路は、図6に例示したように、キャパシタンス成分Ccpと共振する並列インダクタンス成分Lapと、抵抗成分Rcpと同程度の並列抵抗Rapとで表すことができる。すなわち、アンテナパターン200には、インダクタンス成分Lapと放射抵抗成分Rapとを有することが要求される。
そのため、第1の共振器パターン201には、前記チップが接続されるチップ接続部(給電点)211が形成されている。また、この共振器パターン201には、X軸方向に長辺(長さS2)を有するスリット部212も設けられている。このスリット部212は、インダクタンス長S2のインダクタンス部として機能する。
このインダクタンス部(スリット部)212は、前記チップとインピーダンス整合できる適切なサイズに設定するとよい。例えば図22に例示するように、第2(第1)共振器202(201)、側面導体205(204)および共通共振器300の長さ(矢印500で表す電気長)が使用周波数の半波長(λ/2)となるのが好ましい。このλ/2共振長は、使用周波数fや、比誘電率εrに依存する。
そして、本例においても、インダクタンス部212は、以下の3つの役割を果たす。
(1)チップとの整合用(チップのキャパシタンス成分をキャンセルする)インダクタンス
(2)第1の共振器パターン21への直接給電
(3)第2の共振器パターン22への電磁結合給電
例えば図22に示すように、給電点211から第1の共振器パターン201に給電されると、インダクタンス部212には、矢印400で示すように電流が非常に多く流れる(インダクタンス部212の電流分布が密になる)から、インダクタンス部212は、第2の共振器パターン202にとって電源として働くことになる。即ち、インダクタンス部212と第2の共振器パターン202とは直接は接続されていないが、電磁誘導結合するから、インダクタンス部212を介して電磁的に結合して給電されることになる。
したがって、共振器パターン201,202同士をこのように近接して並べても、インダクタンス部212をうまく利用することで、第1の共振器パターン201は、第2の共振器パターン202への電源とみることができる。そのため、各共振器パターン201,202の間隔が離れすぎると、電磁的結合度が弱くなり、第2の共振器パターン202への給電が不十分になり電波が放射しにくくなる。
つまり、本例においても、インダクタンス部212が第2の共振器パターン202への電源とみなせるように各共振器パターン201,202を近接配置することで、アンテナパターン200全体をコンパクトに設計することができる。
故に、インダクタンス部212(スリット部)を設ける位置は、第1の共振器パターン201への直接給電と、第2の共振器パターン202への電磁結合給電とが適切に行なわれる位置であるのが好ましい。例えば、第1の共振器パターン201の長さ方向(X軸方向)の中心からずれた位置、より好ましくは、図17に例示するように端部近傍に設ける。
以下、上述した変形例1の無線タグの特性について、3次元電磁界シミュレータを使用して計算(シミュレーション)した結果の一例を示す。なお、本シミュレーションにおいて、インダクタンス部212のサイズは、X軸方向のインダクタンス長S2=18mm×Y軸方向のインダクタンス幅=2.5mmとした。
まず、図21に、チップとアンテナパターン200の反射特性(S11)を例示する。縦軸のS11は0に近いほど反射量が多く、値が小さい(マイナス)ほど整合し、アンテナパターン200の入力パワーがチップ接続部211(つまりチップ)へ伝達されやすくなることを表す。
ここでの計算例では、チップのキャパシタンス成分Ccp=1.4pF,抵抗成分Rcp=400Ωとしている。インダクタンス長S2によって整合の度合いが変わるが、異なる周波数f1,f2の2共振点をもつことがわかる。
共振周波数f1,f2の値は、それぞれ、共振器パターン21の長さL1,共振器パターン22の長さL2によって制御(調整)することができる。例えば、L1を長くすれば共振周波数f1は低周波数側へ、L2を短くすれば共振周波数f2が高周波数側へ変化(シフト)させることができる。即ち、無線タグの通過帯域幅を調整することができる。
アンテナゲインについては、図20に例示するように、欧州(EU)、米国(US)及び日本(JP)での各使用周波数、例えば、EU=868MHz、US=915MHz、JP=953MHzを含む帯域で周波数に対して実用上問題ない範囲に収めることができる。
これらを総合すると、通信距離(read range)特性が計算される。その一例を図19に示す。この図19に例示するように、EU、US及びJPでの各使用周波数を含む帯域において実用上問題の無い通信距離特性を得ることができる。なお、ここでの通信距離は、図17におけるZ軸方向の通信距離を意味する。計算条件は、RW装置のアンテナ(RWアンテナ)が9dBiの円偏波、RWアンテナの出力27dBm(0.5W),チップの動作電力を−9dBmとしている。
次に、図18に、使用周波数を700MHzから1200MHzまで変化させたときのスミスチャート上でのアンテナインピーダンス軌跡を示す。スミスチャート上で、チップインピーダンスに対して対称的な点(つまりチップインピーダンスの複素共役)がアンテナインピーダンスの最適点である。この周辺にアンテナインピーダンス軌跡が小さく円を描くのが望ましい。図18では、最適点の周りにインピーダンス軌跡が2回転しているから、2共振点をもつことが分かる。なお、図18において、fUは米国(US)における使用周波数、fEは欧州(EU)における使用周波数、fJは日本(JP)における使用周波数をそれぞれ例示している。
以上のように、本変形例の無線タグによれば、既述の実施形態と同様の作用効果が得られるほか、X軸方向の長さを約半分にすることができるから、EU,US,JPでの使用周波数を実用上問題なくカバーすることが可能な広帯域の無線タグを、さらに小型化することが可能である。
即ち、EU,US,JPのいずれの使用周波数帯域においても実用上十分な通信距離特性をもつ金属対応タグを実現することができる。したがって、曲面に貼り付けたり、誘電体ブロック100の比誘電率や厚さに誤差があったとしても、安定した通信距離特性を確保することができる。また、誘電体ブロック100の両面において半波長(λ/2)共振状態を作り出すことができるで、無線タグとして、非常にコンパクトである。
(製造方法)
上述した変形例1の無線タグは、例えば図23に例示するようにして製造することができる。図23の(1)に例示するように、フィルムや紙等のシート状部材(導体パターンシート)20Aに、銅(Cu),銀(Ag),アルミニウム(Al)等の導電性材料を印刷する等して、導体パターン201,202,300を形成する。
ここで、シート状部材20Aは、例示的に、誘電体ブロック100の長手方向(X軸方向)の周囲長を定める4つの面のうち前記長手方向に対向する誘電体ブロック100の側面の一方を除いた3つの面を被覆可能なサイズを有する。
そして、シート状部材20Aの前記3つの面のうちの対向する一方の面及び側面に相当する領域に、導体パターン201(チップ接続部211及びインダクタンス部212)と、導体パターン202とが形成される。一方、シート状部材20Aの誘電体ブロック100の他方の面(3つの面のうちの残りの面)に相当する領域に、各共振器201,202と電気的に連通する導体パターン300が形成される。
これらの導体パターン201,202,300を形成したシート状部材20Aを、図23の(2)に例示するプラスチック等の誘電体ブロック100に、巻きつけるようにして接着する。この場合、導体パターン201及び202の一部がそれぞれ誘電体ブロック100の側面に位置するように位置合わせする。これにより、前記一部が側面導体204及び205として機能し、図23の(3)に例示するように、上述した変形例1の無線タグを製造することができる。
なお、図24の(2)に例示するように、誘電体ブロック100には、ガイド(位置決め部材)110を設けてもよい。これによれば、前記巻きつけ時の導体パターンシート20Aの誘電体ブロック100に対する位置合わせを容易にする(位置ずれを防止する)ことができる。ガイド110は、誘電体ブロック100の表面を、導体パターンシート20Aのサイズに応じて削る等して、形成することもできるし、誘電体ブロック100の周縁にガイド110となる部材を個別に設けることで形成することもできる。
図23や図24に例示するような製法によれば、変形例1の無線タグをより容易に製造することが可能であり、短期間に安価な無線タグを大量に製造することも可能となる。
誘電体ブロック100の両面及び一方の側面にそれぞれ銅張板を設け(貼り付ける等)、銅張板の液体エッチングにより各導体パターン201〜205のいずれか1又は複数(全部も含む)を個別に形成することも可能である。また、側面導体204及び205のいずれか一方又は双方は、金属メッキ、あるいは、図25や図27に例示するように導電性テープとして、導体パターン201(204)及び202(205)と電気的に接続するようにしてもよい。
また、図26に例示するように、無線タグ(各共振器201,202,203)全体(ただし、一部でもよい)を樹脂600で覆って保護するようにしてもよい。これによれば、無線タグに対する外力による損傷や、無線タグを取り付ける対象の損傷などを防止して、耐環境性を向上することが可能となる。
なお、樹脂600には、例えば、PP(ポリプロピレン)や、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)、PC(ポリカーボネイト)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)などを用いることができる。
〔D〕変形例2
上述した共振器パターン201,202,300は、必ずしも誘電体ブロック100の表面において四角形状を有していなくてもよい。例えば図28に例示するように、誘電体ブロック100の長辺と平行な方向から所定角度だけずれた方向をX軸とし、このX軸方向と平行な方向に、第1及び第2の共振器パターン201,202が延在するようにしてもよい。
これは、図23や図24にて説明した製造方法において、導体パターンシート20Aを誘電体ブロック100に巻きつける際に、誘電体ブロック100の長辺と非平行な方向にずらして巻きつけて、余分な導体パターン201,202,300をカットしたものに相当する。図28の例では、共振器パターン202は三角形状となっている。
また、インダクタンス部211は、スリット形状に限定されない。例えば図29に例示するように、給電線213を延長してチップ(チップ接続部211)に接続するようなインダクタンス形状としてもよい。さらには、図29及び図30に例示するように、チップ接続部211は、第2共振器202に近い側に設けてもよい。これによれば、一定の厚みの生じるチップ搭載部分を無線タグの中央側に位置させることができ、例えば、アンテナロール製造時におけるロールのバランスが良いというメリットが得られる。
また、図31に例示するように、誘電体ブロック100の一方の面には、第1の共振器パターン201を挟むように第3の共振器パターン(第3共振器)203を追加的に設けてもよい。その際、第1の共振器パターン201を中心とした対称な位置に、第2及び第3共振器202,203を設けるのが好ましい。第3共振器203も、側面導体206により誘電体ブロック100の他方の面に設けられた共通共振器300と電気的に接続される。
つまり、誘電体ブロック100の他方の面(裏面)における共通共振器300から誘電体ブロック100の一方の側面を経由して一方の面(表面)へ、3つの帯状の共振器パターン201,202,203(側面導体204〜206を含む)が延在する。
この場合の無線タグには、図32の周波数対通信距離特性に例示するように、3つの共振器201〜203に応じた3つの共振周波数f1,f2,f3をもたせることができる。したがって、利用可能な周波数帯域の拡大化を図ることができる。
また、図33に例示するように、X軸方向において、第3共振器203の長さは、他の共振器201,202の長さとは異なる長さに設定してもよい。例えば、第3共振器203のX軸方向の長さ(電気長)を他の共振器201,202の長さ(電気長)よりも短く(半分程度に)設定すると、図34の周波数対通信距離特性に例示するように、UHF帯と2.45GHz帯の双方に対応可能な無線タグを実現することも可能である。つまり、第3共振器203の長さを調整することで、無線タグの使用周波数を調整することが可能となる。
なお、図31〜図34に例示した変形(第3共振器の付加、第3共振器のX軸方向の長さ調整)は、図35〜図38に例示するように、第1実施形態の無線タグにそれぞれ適用することも可能である。ただし、図35及び図37において、24が第3の導体(共振器)パターンを示し、第1及び第2の導体パターン21,22と共にアンテナパターン22を形成する。また、図28〜図30に例示した変形を、図39〜図41に例示するように、第1実施形態の無線タグにそれぞれ適用することも可能である。
また、上述した例では、共振器パターン203を各共振器パターン201,202(又は、201〜203)に共通としたが、個別としてもよい。その場合、2つ(又は3つ)の必要な長さの帯状の導体パターンをシート状部材20Aに形成して、誘電体ブロック100の長手方向の周囲3面に巻きつけることで、より容易に無線タグを製造することが可能となる。
以上詳述したように、上述した無線タグによれば、従来よりも広帯域の通過帯域(周波数対通信距離)特性をもつ金属対応の無線タグを提供することができるから、無線通信技術分野や、物品の生産、在庫、流通管理、POSシステム、セキュリティシステムなどの技術分野に極めて有用と考えられる。
また、図10に、スペーサ1の幅(図1の軸方向)(つまりはアンテナパターン2の幅)を14mmに固定して、その厚さtを3mm,4mm,5mm,10mmと変化させた場合の計算結果を示す。この図10から、厚さtを大きくするほど、欧州、米国及び日本での各使用周波数をカバーする帯域において、通信距離は伸びる傾向にあることが分かる。ただし、t=10mmでは無線タグとしては厚みがありすぎて実用的でない。逆に、t=3mm程度まで薄くすると、他に比べて通信距離は落ちるものの、実用上問題ない通信距離は確保できるから、薄型タグを実現できる。
共振周波数f1,f2の値は、それぞれ、共振器パターン21の長さL1,共振器パターン22の長さL2によって制御(調整)することができる。例えば、L1を長くすれば共振周波数f1は低周波数側へ、L2を短くすれば共振周波数f2が高周波数側へ変化(シフト)させることができる。即ち、無線タグの通過帯域幅を調整することができる。
即ち、EU,US,JPのいずれの使用周波数帯域においても実用上十分な通信距離特性をもつ金属対応タグを実現することができる。したがって、曲面に貼り付けたり、誘電体ブロック100の比誘電率や厚さに誤差があったとしても、安定した通信距離特性を確保することができる。また、誘電体ブロック100の両面において半波長(λ/2)共振状態を作り出すことができるで、無線タグとして、非常にコンパクトである。
誘電体ブロック100の両面及び一方の側面にそれぞれ銅張板を設け(貼り付ける等)、銅張板の液体エッチングにより各導体パターン201,202,204,205及び300のいずれか1又は複数(全部も含む)を個別に形成することも可能である。また、側面導体204及び205のいずれか一方又は双方は、金属メッキ、あるいは、図25や図27に例示するように導電性テープとして、導体パターン201(204)及び202(205)と電気的に接続するようにしてもよい。
また、図26に例示するように、無線タグ(各共振器201,202,)全体(ただし、一部でもよい)を樹脂600で覆って保護するようにしてもよい。これによれば、無線タグに対する外力による損傷や、無線タグを取り付ける対象の損傷などを防止して、耐環境性を向上することが可能となる。
なお、図31〜図34に例示した変形(第3共振器の付加、第3共振器のX軸方向の長さ調整)は、図35〜図38に例示するように、第1実施形態の無線タグにそれぞれ適用することも可能である。ただし、図35及び図37において、24が第3の導体(共振器)パターンを示し、第1及び第2の導体パターン21,22と共にアンテナパターンを形成する。また、図28〜図30に例示した変形を、図39〜図41に例示するように、第1実施形態の無線タグにそれぞれ適用することも可能である。
また、上述した例では、共振器パターンを各共振器パターン201,202(又は、201〜203)に共通としたが、個別としてもよい。その場合、2つ(又は3つ)の必要な長さの帯状の導体パターンをシート状部材20Aに形成して、誘電体ブロック100の長手方向の周囲3面に巻きつけることで、より容易に無線タグを製造することが可能となる。
そして、本発明は、以下に示すように要約することができる。
(付記1) チップが接続されるチップ接続部と前記チップとのインピーダンス整合を調整しうるインダクタンス部とを有する第1の共振器パターンと、
前記インダクタンス部を介した電磁誘導結合により給電される第2の共振器パターンと、
をそなえたことを特徴とする、無線タグ。
(付記2) 前記第1及び第2の共振器パターンは、それぞれ、方形の導体パターンを有し、同一面において並列に設けられていることを特徴とする、付記1記載の無線タグ。
(付記3) 前記同一面は、誘電体基板の一方の面であることを特徴とする、付記2記載の無線タグ。
(付記4) 前記誘電体基板の他方の面に、反射層が設けられていることを特徴とする、付記3記載の無線タグ。
(付記5) 前記インダクタンス部は、前記第1の共振器パターンの一部にスリットを設けることで形成されたことを特徴とする、付記1〜4のいずれか1つに記載の無線タグ。
(付記6) 前記第1及び第2の共振器パターンが互いに並行する方向の電気長が異なることを特徴とする、付記2記載の無線タグ。
(付記7) 前記第1の共振器パターンの、前記第2の共振器パターンと並行する方向の長さが、前記第2の共振器パターンの長さよりも長いことを特徴とする、付記6記載の無線タグ。
(付記8) 前記第1及び第2の共振器パターンは、誘電体基板である樹脂製基板の一方の面に貼り付けられたシート状部材に導電性材料で形成されたことを特徴とする、付記1〜7のいずれか1つに記載の無線タグ。
(付記9) 前記第1及び第2の共振器パターンを被覆する樹脂材が設けられたことを特徴とする、付記1〜8のいずれか1つに記載の無線タグ。
(付記10) 前記チップ接続部に、前記チップが接続されたことを特徴とする、付記1〜9のいずれか1つに記載の無線タグ。
(付記11) 前記第1及び第2の共振器パターンは、誘電体を介して金属に貼り付けられることを特徴とする、付記1〜10のいずれか1つに記載の無線タグ。
(付記12) 前記誘電体基板の他方の面の、前記第1及び第2の共振器パターンと対向する領域を含む部分に、導体パターンが設けられるとともに、
前記導体パターンと、前記第1及び第2の共振器パターンとが、前記誘電体基板の一方の側面を経由する経路で電気的に接続された、ことを特徴とする、付記3記載の無線タグ。
(付記13) 前記一方の側面に、前記導体パターンと前記第1及び第2の共振器パターンとを電気的に接続する側面導体が設けられた、ことを特徴とする、付記12記載の無線タグ。
(付記14) 前記側面導体は、金属メッキ又は導電性のシート状部材である、ことを特徴とする、付記13記載の無線タグ。
(付記15) 前記側面導体は、前記導体パターンと前記第1及び第2の共振器パターンとの一方又は双方と一体形成された、ことを特徴とする、付記13又は14に記載の無線タグ。
(付記16) 前記導体パターンは、前記第1及び第2の共振器パターンに共通の共振器パターンである、ことを特徴とする、付記12〜15のいずれか1つに記載の無線タグ。
(付記17) 前記インダクタンス部を介した電磁誘導結合により給電される第3の共振器パターンをさらにそなえ、
前記第1及び第2の共振器パターンを含む面において、前記第2及び第3の共振器パターンは、前記第1の共振器パターンを中心とした対称な位置に設けられた、ことを特徴とする、付記16記載の無線タグ。
(付記18) 前記第3の共振器パターンは、前記第1及び第2の共振器パターンの電気長よりも短い電気長を有する、ことを特徴とする、付記17記載の無線タグ。
(付記19) 前記第1及び第2の共振器パターンと前記導体パターンとを全体的に被覆する樹脂材が設けられた、ことを特徴とする、付記12〜18のいずれか1つに記載の無線タグ。
(付記20) 誘電体基板の長手方向の周囲長を定める4つの面のうち前記長手方向に対向する前記誘電体基板の側面の一方を除いた3つの面を被覆可能なシート状部材の、前記誘電体基板の一方の面及び側面に相当する領域に、チップが接続されるチップ接続部と前記チップとのインピーダンス整合を調整しうるインダクタンス部とを有する第1の共振器パターンと、前記インダクタンス部を介した電磁誘導結合により給電される第2の共振器パターンと、を形成するとともに、前記シート状部材の前記誘電体基板の他方の面に相当する領域に、前記各共振器パターンと電気的に連通する導体パターンを形成する工程と、
前記第1及び第2の共振器パターンが前記誘電体基板の一方の面に位置し、前記導体パターンが前記誘電体基板の他方の面に位置するように、前記シート状部材を前記誘電体基板に巻きつけて固定する工程と、
を有することを特徴とする、無線タグの製造方法。
(付記21) 前記誘電体基板に、前記巻きつけ時の前記シート状部材の位置決め用ガイド部材が設けられた、ことを特徴とする、付記20記載の無線タグの製造方法。

Claims (21)

  1. チップが接続されるチップ接続部と前記チップとのインピーダンス整合を調整しうるインダクタンス部とを有する第1の共振器パターンと、
    前記インダクタンス部を介した電磁誘導結合により給電される第2の共振器パターンと、
    をそなえたことを特徴とする、無線タグ。
  2. 前記第1及び第2の共振器パターンは、それぞれ、方形の導体パターンを有し、同一面において並列に設けられていることを特徴とする、請求項1記載の無線タグ。
  3. 前記同一面は、誘電体基板の一方の面であることを特徴とする、請求項2記載の無線タグ。
  4. 前記誘電体基板の他方の面に、反射層が設けられていることを特徴とする、請求項3記載の無線タグ。
  5. 前記インダクタンス部は、前記第1の共振器パターンの一部にスリットを設けることで形成されたことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の無線タグ。
  6. 前記第1及び第2の共振器パターンが互いに並行する方向の電気長が異なることを特徴とする、請求項2記載の無線タグ。
  7. 前記第1の共振器パターンの、前記第2の共振器パターンと並行する方向の長さが、前記第2の共振器パターンの長さよりも長いことを特徴とする、請求項6記載の無線タグ。
  8. 前記第1及び第2の共振器パターンは、誘電体基板である樹脂製基板の一方の面に貼り付けられたシート状部材に導電性材料で形成されたことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の無線タグ。
  9. 前記第1及び第2の共振器パターンを被覆する樹脂材が設けられたことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の無線タグ。
  10. 前記チップ接続部に、前記チップが接続されたことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の無線タグ。
  11. 前記第1及び第2の共振器パターンは、誘電体を介して金属に貼り付けられることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の無線タグ。
  12. 前記誘電体基板の他方の面の、前記第1及び第2の共振器パターンと対向する領域を含む部分に、導体パターンが設けられるとともに、
    前記導体パターンと、前記第1及び第2の共振器パターンとが、前記誘電体基板の一方の側面を経由する経路で電気的に接続された、ことを特徴とする、請求項3記載の無線タグ。
  13. 前記一方の側面に、前記導体パターンと前記第1及び第2の共振器パターンとを電気的に接続する側面導体が設けられた、ことを特徴とする、請求項12記載の無線タグ。
  14. 前記側面導体は、金属メッキ又は導電性のシート状部材である、ことを特徴とする、請求項13記載の無線タグ。
  15. 前記側面導体は、前記導体パターンと前記第1及び第2の共振器パターンとの一方又は双方と一体形成された、ことを特徴とする、請求項13又は14に記載の無線タグ。
  16. 前記導体パターンは、前記第1及び第2の共振器パターンに共通の共振器パターンである、ことを特徴とする、請求項12〜15のいずれか1項に記載の無線タグ。
  17. 前記インダクタンス部を介した電磁誘導結合により給電される第3の共振器パターンをさらにそなえ、
    前記第1及び第2の共振器パターンを含む面において、前記第2及び第3の共振器パターンは、前記第1の共振器パターンを中心とした対称な位置に設けられた、ことを特徴とする、請求項16記載の無線タグ。
  18. 前記第3の共振器パターンは、前記第1及び第2の共振器パターンの電気長よりも短い電気長を有する、ことを特徴とする、請求項17記載の無線タグ。
  19. 前記第1及び第2の共振器パターンと前記導体パターンとを全体的に被覆する樹脂材が設けられた、ことを特徴とする、請求項12〜18のいずれか1項に記載の無線タグ。
  20. 誘電体基板の長手方向の周囲長を定める4つの面のうち前記長手方向に対向する前記誘電体基板の側面の一方を除いた3つの面を被覆可能なシート状部材の、前記誘電体基板の一方の面及び側面に相当する領域に、チップが接続されるチップ接続部と前記チップとのインピーダンス整合を調整しうるインダクタンス部とを有する第1の共振器パターンと、前記インダクタンス部を介した電磁誘導結合により給電される第2の共振器パターンと、を形成するとともに、前記シート状部材の前記誘電体基板の他方の面に相当する領域に、前記各共振器パターンと電気的に連通する導体パターンを形成する工程と、
    前記第1及び第2の共振器パターンが前記誘電体基板の一方の面に位置し、前記導体パターンが前記誘電体基板の他方の面に位置するように、前記シート状部材を前記誘電体基板に巻きつけて固定する工程と、
    を有することを特徴とする、無線タグの製造方法。
  21. 前記誘電体基板に、前記巻きつけ時の前記シート状部材の位置決め用ガイド部材が設けられた、ことを特徴とする、請求項20記載の無線タグの製造方法。
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