JPWO2008038825A1 - 波浪エネルギ貯留装置およびそれを用いた発電装置 - Google Patents
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Abstract
波浪エネルギを発電等に利用するにあたり、波浪エネルギを簡単な装置により低コストで効率よく貯留し、かつそれを随時発電に利用できるようにする。海面に浮く浮上構造体と、その浮上構造体から海中に垂下され、かつ下端に重量物が取付けられた可撓性を有する長尺体と、波浪による海面の昇降に伴なう浮上構造体の上下動のうち、いずれか一方向の動きにより前記長尺体を浮上構造体側に巻上げて重量物の位置を上昇させ、かつその巻上げ上昇位置を保持するための巻上げ保持手段とを有してなり、波浪エネルギを重量物の位置のエネルギとして貯留するようにした。また長尺体の巻上げ保持を解除して重量物を下降させる際の下降運動を回転運動として発電機に伝達し、発電を行なうようにした。
Description
この発明は、波浪による海面の上下動のエネルギを貯留して、随時そのエネルギを利用可能とするための波浪エネルギ貯留装置、およびその貯留装置により貯留されたエネルギを用いて発電するための発電装置に関するものである。
周知のように我国は化石資源に乏しいため、少資源国と言われている。そこで、石油や石炭などの化石資源によらない自然エネルギを利用することが急務とされている。また一方、最近では地球温暖化の防止の要請が強まり、そのためいわゆるクリーンエネルギの活用が強く望まれている。
ところで我国は島国であって周囲が海に取囲まれており、その周囲の海域には、台風の襲来や季節風あるいは発達した低気圧による大波が頻繁に発生するから、我国の周囲の海域にもたらされる波浪のエネルギは莫大な量となっている。そこでこのようなクリーンな自然エネルギの一種である波浪エネルギを回収して活用することが強く望まれている。
このような波浪エネルギを利用する技術としては、従来から種々の方式が提案されており、その代表的なものは、波浪エネルギを空気エネルギとして捕捉して、その空気エネルギにより発電機のタービンを回転させ、発電させる方式があり、この方式を洋上の浮体構造物に適用した例としては、航路標識ブイ用発電機があり、また海岸等の固定構造物として適用した例としては、防波堤を兼ねたケーソン式発電機がある。そのほか、波浪エネルギを直接的に機械的エネルギに変換して発電機のタービンを回転させるようにした方式など、各種の方式が考えられている。
波浪エネルギは、全地球的規模で見ればトータル的には莫大な量となるが、エネルギ密度の点から考えれば、さほど大きなエネルギ密度とは言えず、また局所的に見れば、波浪エネルギはそのエネルギ量の変動が著しく激しいという、根本的な問題がある。そのため波浪エネルギを実際に発電に利用するにあたっては、エネルギ密度の低い波浪エネルギを効率良く捕捉して、効率良く発電させる必要があり、また変換したエネルギを平滑化したりあるいは貯蔵したりする必要がある。
しかしながら、前述のようにエネルギの密度が低い波浪エネルギを効率良く捕捉して効率良く発電させることは、実際上極めて困難であり、また変換したエネルギを平滑化あるいは貯蔵するための装置や設備も、大型化せざるを得ず、そのため発電設備としては、コストが著しく高価になって、経済的に引合わなくなったり、また設備の大型化により、海洋上の浮体構造物に適用することが不適当となったりする問題がある。これらの問題から、従来海洋上の浮体構造物に実際に適用している例としては、前述のように航路標識ブイ用発電機のような小型のものに過ぎないのが実情である。また海岸等の固定構造物としては、前述のように防波堤を兼ねたケーソン式発電機があるが、これも出力の割には構造的に極めて大型化するとともにコストも莫大となり、経済的に引合わない、と言わざるを得なかったのが実情である。
特に従来の波浪エネルギ発電装置では、不安定な発電出力を貯蔵しておくために、蓄電池等の電気エネルギ貯蔵装置を用いざるを得なかったが、このような蓄電池等の電気エネルギ貯蔵装置は、貯蔵可能な電気エネルギの割には著しく大型化して重量が増大し、コストも著しく高くなってしまう。
したがってこれらの理由から、ここ数年は、波浪エネルギによる発電についての研究熱は冷め、同じ自然エネルギである風力発電と比べて、実用化が大幅に立ち遅れているのが現状である。
この発明は以上の事情を背景としてなされたもので、自然エネルギである波浪エネルギに再び着目し、従来とは全く異なる方法によって、低コストかつ簡単な設備で波浪エネルギを貯留し、また貯留した波浪エネルギを利用した発電を、低コストかつ安定した出力で行ない得るようにした、波浪エネルギ貯留装置および波浪エネルギ利用発電装置を提供することを目的とするものである。
ところで我国は島国であって周囲が海に取囲まれており、その周囲の海域には、台風の襲来や季節風あるいは発達した低気圧による大波が頻繁に発生するから、我国の周囲の海域にもたらされる波浪のエネルギは莫大な量となっている。そこでこのようなクリーンな自然エネルギの一種である波浪エネルギを回収して活用することが強く望まれている。
このような波浪エネルギを利用する技術としては、従来から種々の方式が提案されており、その代表的なものは、波浪エネルギを空気エネルギとして捕捉して、その空気エネルギにより発電機のタービンを回転させ、発電させる方式があり、この方式を洋上の浮体構造物に適用した例としては、航路標識ブイ用発電機があり、また海岸等の固定構造物として適用した例としては、防波堤を兼ねたケーソン式発電機がある。そのほか、波浪エネルギを直接的に機械的エネルギに変換して発電機のタービンを回転させるようにした方式など、各種の方式が考えられている。
波浪エネルギは、全地球的規模で見ればトータル的には莫大な量となるが、エネルギ密度の点から考えれば、さほど大きなエネルギ密度とは言えず、また局所的に見れば、波浪エネルギはそのエネルギ量の変動が著しく激しいという、根本的な問題がある。そのため波浪エネルギを実際に発電に利用するにあたっては、エネルギ密度の低い波浪エネルギを効率良く捕捉して、効率良く発電させる必要があり、また変換したエネルギを平滑化したりあるいは貯蔵したりする必要がある。
しかしながら、前述のようにエネルギの密度が低い波浪エネルギを効率良く捕捉して効率良く発電させることは、実際上極めて困難であり、また変換したエネルギを平滑化あるいは貯蔵するための装置や設備も、大型化せざるを得ず、そのため発電設備としては、コストが著しく高価になって、経済的に引合わなくなったり、また設備の大型化により、海洋上の浮体構造物に適用することが不適当となったりする問題がある。これらの問題から、従来海洋上の浮体構造物に実際に適用している例としては、前述のように航路標識ブイ用発電機のような小型のものに過ぎないのが実情である。また海岸等の固定構造物としては、前述のように防波堤を兼ねたケーソン式発電機があるが、これも出力の割には構造的に極めて大型化するとともにコストも莫大となり、経済的に引合わない、と言わざるを得なかったのが実情である。
特に従来の波浪エネルギ発電装置では、不安定な発電出力を貯蔵しておくために、蓄電池等の電気エネルギ貯蔵装置を用いざるを得なかったが、このような蓄電池等の電気エネルギ貯蔵装置は、貯蔵可能な電気エネルギの割には著しく大型化して重量が増大し、コストも著しく高くなってしまう。
したがってこれらの理由から、ここ数年は、波浪エネルギによる発電についての研究熱は冷め、同じ自然エネルギである風力発電と比べて、実用化が大幅に立ち遅れているのが現状である。
この発明は以上の事情を背景としてなされたもので、自然エネルギである波浪エネルギに再び着目し、従来とは全く異なる方法によって、低コストかつ簡単な設備で波浪エネルギを貯留し、また貯留した波浪エネルギを利用した発電を、低コストかつ安定した出力で行ない得るようにした、波浪エネルギ貯留装置および波浪エネルギ利用発電装置を提供することを目的とするものである。
従来の波浪エネルギ発電システムでは、波浪エネルギを空気エネルギや機械的エネルギとして捕捉してこれを直ちに電気エネルギに変換する方式を適用している。しかるにこのような従来のシステムでは、波浪エネルギをそれとは異なる形態のエネルギとして捕捉する(すなわち波浪エネルギを他の形態のエネルギに変換する)ため、エネルギの捕捉効率あるいは変換効率が大きな問題となり、また直ちに電気エネルギに変換するため、エネルギの貯留形態としても電気エネルギの貯留とならざるを得ない。しかるに本発明者は、上述のような従来の方式とは全く異なる方式を考え、波浪による海面の変動を直接的に捕捉し、かつそのエネルギを、重量物の位置エネルギとして貯留するシステムを開発した。このようなシステムによれば、波浪エネルギを効率良く捕捉して貯留することができ、しかもその貯留した位置エネルギを、必要に応じて電気エネルギとして随時出力することが可能となったのである。
具体的には、請求項1の発明の波浪エネルギ貯留装置は、海面に浮く浮上構造体と、その浮上構造体から海中に垂下され、かつ下端に重量物が取付けられた可撓性を有する長尺体と、波浪による海面の昇降に伴なう浮上構造体の上下動のうち、いずれか一方向の動きにより前記長尺体を浮上構造体側に巻上げて重量物の位置を上昇させ、かつその巻上げ上昇位置を保持するための巻上げ保持手段とを有してなり、波浪エネルギを重量物の位置のエネルギとして保持するようにしたことを特徴とするものである。
また請求項2の発明は、請求項1に記載の波浪エネルギの貯留装置において、前記巻上げ保持手段が、長尺体を巻上げるリールと、浮上構造体の上下動を、その上下動の方向に応じた回転方向として回転運動に変換するための変換手段と、その変換手段により得られた回転運動のうち、一方の回転方向の回転運動により前記巻上げリールを長尺体巻上げ方向に回転させるとともに、他方の回転方向の回転運動では巻上げリールを回転させないようにする回転伝達手段とを有してなることを特徴とするものである。
さらに請求項3の発明は、請求項2に記載の波浪エネルギの貯留装置において、前記変換手段が、浮上構造体に水平な軸線を中心として回転可能に取付けられた巻掛け用回転体と、その巻掛け用回転体に巻掛けられた長条物と、その長条物の一端に取付けられたアンカーと、そのアンカーよりも軽量でかつ長条物の他端に取付けられた重錘とからなり、前記アンカーが海底に投錨されるようにするとともに、投錨された際に重錘は海底面より上方に位置するようにチェーンの長さが設定されており、波浪による浮上構造体の上下動に伴なって重錘が上下動するとともに巻掛け用回転体が回転して、その巻掛け用回転体の回転のうち、一定方向の回転のみが巻上げリールに伝達されて長尺体を巻上げるように前記回転伝達手段が構成されていることを特徴とするものである。
また請求項4の発明は、請求項3に記載の波浪エネルギの貯留装置において、前記浮上構造体に水平な軸が設けられており、その軸の所定の箇所に前記巻掛け用回転体が同心状に回転可能に取付けられるとともに、その軸の他の箇所に前記巻上げリールが同心状に回転可能に取付けられており、前記回転伝達手段は、巻掛け用回転体が前記の一定方向に回転したときにはその回転を軸に伝達する一方、反対方向に巻掛け用回転体が回転したときには軸に対して巻掛け用回転体が自由回転し得るように、また軸が前記一定方向に回転したときに巻上げリールにその軸の回転を伝達する一方、巻上げリールが反対方向に回転するときには軸に対して巻上げリールが自由回転し得るように構成されていることを特徴とするものである。
そしてまた請求項5の発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の波浪エネルギの貯留装置において、前記巻上げ保持手段が、その巻上げ保持手段により巻上げられた長尺体の巻上げ位置での保持を解除して、重量物の自重により長尺体を繰出して下降させるための解除機能を備えていることを特徴とするものである。
さらにまた請求項6の発明は、請求項5に記載の波浪エネルギの貯留装置を備えるとともに、その波浪エネルギの貯留装置の浮上構造体には発電機が設けられており、前記波浪エネルギの貯留装置における解除手段による解除時の長尺体の繰出し下降運動を回転運動として発電機の回転軸に伝達し、発電を行わせるように構成されていることを特徴とするものである。
この発明の波浪エネルギ貯留装置および発電装置によれば、波浪エネルギを空気エネルギや機械的エネルギなどとして捕捉・変換することなく、そのまま重量物の位置エネルギとして貯留するため、波浪エネルギの捕捉、貯留効率が極めて高く、また空気エネルギや機械的エネルギに変換するための装置も不要となり、そのため設備が従来よりも大幅に小型化、軽量化されると同時に設備コストも著しく低くなり、しかも波浪エネルギにより直ちに発電することなく、重量物の位置エネルギとして一旦貯留しておくため、その貯留しておいたエネルギを必要に応じて随時取出して発電を行なうことができ、そのため蓄電池等の電気エネルギを貯留しておくための大型・大重量かつ高コストの装置が不要となり、その点からも設備的に小型化・軽量化されるとともに、コストも大幅に低減される。そしてまた、上述のように小型化・軽量化されることから、特に海洋上の浮体に適用して有効である。
具体的には、請求項1の発明の波浪エネルギ貯留装置は、海面に浮く浮上構造体と、その浮上構造体から海中に垂下され、かつ下端に重量物が取付けられた可撓性を有する長尺体と、波浪による海面の昇降に伴なう浮上構造体の上下動のうち、いずれか一方向の動きにより前記長尺体を浮上構造体側に巻上げて重量物の位置を上昇させ、かつその巻上げ上昇位置を保持するための巻上げ保持手段とを有してなり、波浪エネルギを重量物の位置のエネルギとして保持するようにしたことを特徴とするものである。
また請求項2の発明は、請求項1に記載の波浪エネルギの貯留装置において、前記巻上げ保持手段が、長尺体を巻上げるリールと、浮上構造体の上下動を、その上下動の方向に応じた回転方向として回転運動に変換するための変換手段と、その変換手段により得られた回転運動のうち、一方の回転方向の回転運動により前記巻上げリールを長尺体巻上げ方向に回転させるとともに、他方の回転方向の回転運動では巻上げリールを回転させないようにする回転伝達手段とを有してなることを特徴とするものである。
さらに請求項3の発明は、請求項2に記載の波浪エネルギの貯留装置において、前記変換手段が、浮上構造体に水平な軸線を中心として回転可能に取付けられた巻掛け用回転体と、その巻掛け用回転体に巻掛けられた長条物と、その長条物の一端に取付けられたアンカーと、そのアンカーよりも軽量でかつ長条物の他端に取付けられた重錘とからなり、前記アンカーが海底に投錨されるようにするとともに、投錨された際に重錘は海底面より上方に位置するようにチェーンの長さが設定されており、波浪による浮上構造体の上下動に伴なって重錘が上下動するとともに巻掛け用回転体が回転して、その巻掛け用回転体の回転のうち、一定方向の回転のみが巻上げリールに伝達されて長尺体を巻上げるように前記回転伝達手段が構成されていることを特徴とするものである。
また請求項4の発明は、請求項3に記載の波浪エネルギの貯留装置において、前記浮上構造体に水平な軸が設けられており、その軸の所定の箇所に前記巻掛け用回転体が同心状に回転可能に取付けられるとともに、その軸の他の箇所に前記巻上げリールが同心状に回転可能に取付けられており、前記回転伝達手段は、巻掛け用回転体が前記の一定方向に回転したときにはその回転を軸に伝達する一方、反対方向に巻掛け用回転体が回転したときには軸に対して巻掛け用回転体が自由回転し得るように、また軸が前記一定方向に回転したときに巻上げリールにその軸の回転を伝達する一方、巻上げリールが反対方向に回転するときには軸に対して巻上げリールが自由回転し得るように構成されていることを特徴とするものである。
そしてまた請求項5の発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の波浪エネルギの貯留装置において、前記巻上げ保持手段が、その巻上げ保持手段により巻上げられた長尺体の巻上げ位置での保持を解除して、重量物の自重により長尺体を繰出して下降させるための解除機能を備えていることを特徴とするものである。
さらにまた請求項6の発明は、請求項5に記載の波浪エネルギの貯留装置を備えるとともに、その波浪エネルギの貯留装置の浮上構造体には発電機が設けられており、前記波浪エネルギの貯留装置における解除手段による解除時の長尺体の繰出し下降運動を回転運動として発電機の回転軸に伝達し、発電を行わせるように構成されていることを特徴とするものである。
この発明の波浪エネルギ貯留装置および発電装置によれば、波浪エネルギを空気エネルギや機械的エネルギなどとして捕捉・変換することなく、そのまま重量物の位置エネルギとして貯留するため、波浪エネルギの捕捉、貯留効率が極めて高く、また空気エネルギや機械的エネルギに変換するための装置も不要となり、そのため設備が従来よりも大幅に小型化、軽量化されると同時に設備コストも著しく低くなり、しかも波浪エネルギにより直ちに発電することなく、重量物の位置エネルギとして一旦貯留しておくため、その貯留しておいたエネルギを必要に応じて随時取出して発電を行なうことができ、そのため蓄電池等の電気エネルギを貯留しておくための大型・大重量かつ高コストの装置が不要となり、その点からも設備的に小型化・軽量化されるとともに、コストも大幅に低減される。そしてまた、上述のように小型化・軽量化されることから、特に海洋上の浮体に適用して有効である。
図1は、この発明の実施例の波浪エネルギ貯留装置および発電装置の原理的な構成を示す略解図である。
図2は、この発明の実施例の波浪エネルギ貯留装置および発電装置の全体構成を示す正面図である。
図3は、図2に示される装置の平面図である。
図4は、図2に示される装置の右側面図である。
図5は、図2のA−A線矢視断面図である。
図6は、図2のB−B線矢視断面図である。
図7は、図2に示される装置のカラー部付近を拡大して示す斜視図である。
図2は、この発明の実施例の波浪エネルギ貯留装置および発電装置の全体構成を示す正面図である。
図3は、図2に示される装置の平面図である。
図4は、図2に示される装置の右側面図である。
図5は、図2のA−A線矢視断面図である。
図6は、図2のB−B線矢視断面図である。
図7は、図2に示される装置のカラー部付近を拡大して示す斜視図である。
図1に、この発明の一実施例の波浪エネルギ貯留装置および発電装置の原理的な構成を示す。なお図1は、飽くまで説明のための原理的な構成を示しているに過ぎず、各部材や装置の具体的な配置や構造を限定するものではない。
図1において浮上構造体1は、全体としてその比重が海水よりも充分に小さくなるように任意の形状に作られたものであって、例えば外壁部分を耐海水腐食性の良好な金属や樹脂等によって作り、内部に空気や発泡樹脂等を密封した構造とされている。ここで、浮上構造体1は、後述するようにその内部や上面に取付けられる各種の装置やチェーン、重錘、重量物等を含め、装置全体として海面Fに浮くように充分な浮力を有すものとする。
浮上構造体1には、巻掛け用回転体、例えば鎖車7が水平な軸を中心として回転可能に取付けられている。この鎖車7には、長条物、例えばチェーン8が巻き掛けられている。チェーン8の一端は、アンカー(錨)9が取付けられ、他端にアンカー9よりも格段に軽い重錘10が取付けられたものであり、アンカー9が海底Gに接地されるかまたは結合される一方、重錘10は海底面Gよりも上方に位置するようにチェーン8の長さが定められている。
さらに浮上構造体1には、リール11が水平な軸を中心として回転可能に配置されている。このリール11には、ポリエステル繊維等の軽量かつ薄質で引張り強度に優れた可撓性を有する布もしくはシートあるいは紐体もしくはチェーン等からなる長尺体14が巻付けられている。ここで、上記長尺体14は、その一端がリール11の巻胴もしくは鍔内面に固定され、他端側が海中に垂下されて、その先端にブロック状等の任意の形状の金属やコンクリート等からなる重量物15が取付けられている。
さらに浮上構造体1には、発電機32が固定されている。
ここで、前記リール11は、波浪による海面の昇降に伴なう浮上構造体1の上下動のうち、いずれか一方の動きにより長尺体14を浮上構造体1の側に巻上げて海中における重量物15の位置を上昇させ、かつその巻上げ位置を保持するための巻上げ保持手段を構成している。
一方、巻上げ用回転体(鎖車)7、長条物(チェーン)8、アンカー9、重錘10は、波浪による海面の昇降に伴なう浮上構造体1の上下動を、その上下動の方向に応じた回転方向として回転運動に変換するための変換手段を構成している。
そして巻上げ用回転体(鎖車)7とリール11との結合関係(回転伝達手段)は、浮上構造体1の昇降に伴なう巻上げ用回転体7の2方向の回転運動のうち、一方の方向の回転運動(図1の例では反時計方向の回転運動)をリール11に伝達して、そのリール11を長尺体巻上げ方向(図1の例では反時計方向)に回転させるようになっているとともに、他方の方向(図1の例では時計方向)の巻上げ用回転体7の回転運動ではリール11を回転させないようにされている。
さらにリール11と発電機32との関係は、リール11の保持(回転阻止状態)が解放されて、リール11が重量物15を下降させる方向(図1の例では時計方向)に回転したときに、その回転が発電機32の駆動軸に伝達されて、発電が生じるように定められている。
以上のような原理的な構成において、例えば水深100m程度の海域における海面の波浪によるエネルギを貯留し、さらにその貯留エネルギを取出して発電する場合の機能、作用を以下に説明する。
先ず波浪エネルギを貯留する過程について説明する。
浮上構造体1およびそれに固定的に取付けられた各種装置、部材は、浮力によって海面に浮いた状態が保たれ、アンカー9は海底Gに接地もしくは係合されて、浮上構造体1が潮流や風によって極端に移動することが防止される。この状態で、重錘10は海面Fと海底Gとの中間の海中において吊下げられた状態となっており、この重錘10によってチェーン8における重錘10の側の部分は緊張状態が保持される。また長尺体14および重量物15は、海中に吊下げられた状態となっている。このような状態で、周期的に波浪が来れば、海面の上下動に伴って浮上構造体1が上下動を行なう(矢印A1)。
波浪により海面が上昇するときには、それに伴なって浮上構造体1も上昇する。このとき、チェーン8は、そのアンカー9の側の部分の緊張により、鎖車7の回転中心位置を基準として浮上構造体1の上昇距離分だけ重錘10の側からアンカー9の側へ送り込まれる(矢印A2の上向き方向)とともに、鎖車7が図1の矢印AA3の反時計方向に回転し、この鎖車7の回転がリール11に伝達されてそのリール11が反時計方向(矢印A4)に回転し、長尺体14が巻上げられる。したがって海面の上昇時には、ほぼその上昇分に対応する長さだけ長尺体14が巻上げられることになる。長尺体14が巻上げられれば、その下端に取付けた重量物15の位置も上昇し(矢印A5)、したがって重量物15の位置エネルギが増大したことになる。
次いで、波浪により海面が下降する時には、それに伴なって浮上構造体1も下降する。このとき、前述の上昇過程とは逆に、重錘10の自重により、鎖車7を基準としてチェーン8がアンカー9の側から重錘10の側に送り出されるとともに、鎖車7が図1の矢印A3の時計方向に回転する。この方向への鎖車7の回転はリール11に伝達されないように構成されており、したがってその前の上昇過程で巻き上げられた長尺体14は、そのままの状態を保ち、重量物15も浮上構造体1に対し相対的に同じ位置を保つ。これは、上昇過程で貯留された重量物15の位置エネルギが、そのまま保存されたことになる。したがって波浪による上下動の過程で、海面の上昇時の位置エネルギが、重量物15の位置エネルギとして保存(貯留)されたことになる。
以上のように、波浪により周期的に海面が上下動すれば、海面の上昇過程で過程で順次長尺体14が巻上げられ、重量物15の位置が上昇して、その位置エネルギが蓄積されていくのである。そして全ての長尺体14が巻上げられて、全ての重量物15がその最上昇端(浮上構造体1の近傍の位置)まで至れば、波浪エネルギの蓄積、貯留は終了する。
このようにして波浪エネルギを重量物15の位置エネルギとして貯留した後、その位置エネルギを電気エネルギに変換する過程、すなわち貯留していた位置エネルギを放出してそれにより発電を行う過程について説明する。
この段階の初期状態では、長尺体14はリール11に巻上げられており、重量物15は浮上構造体1の近傍に位置している。この初期状態から発電を開始するにあたっては、リール11をフリーに回転し得る状態とする。これによって重量物15がその自重によって下降を開始し、矢印B1に示すようにリール11が反時計方向に回転して重量物15を先端に取付けた長尺体14がリール11から繰出される(矢印B2)。このときのリール11の回転が発電機32の回転軸に伝達されて、発電機32が発電することになる。
このようにして、重量物15の下降、すなわち位置エネルギの放出に伴なって、発電が行われる。
図2〜図7には、この発明の一実施例のより具体化した波浪エネルギ貯留装置および発電装置の構成を示す。
図2〜図7において浮上構造体1は、全体としてその比重が海水よりも充分に小さくなるように任意の形状に作られたものであって、例えば外壁部分を耐海水腐食性の良好な金属や樹脂等によって作り、内部に空気や発泡樹脂等を密封した構造とされ、図示の例では直方体形状に作られている。ここで、浮上構造体1は、後述するような上面に取付けられる各種の装置やチェーン、重錘、重量物等を含め、装置全体として海面Fに浮くように充分な浮力を有すものとする。
浮上構造体1の長さ方向両端には、上方へ突出する側壁2A、2Bが取付けられており、その側壁2A、2Bには、軸受3A、3Bにより水平な平行一対の軸4、5がそれぞれ回転自在に掛け渡されている。これらの軸4、5のうち、軸4の両端部4A、4Bは側壁2A、2Bの外側に突出しており、その外側突出部(両端部)4A、4Bには、ローラクラッチ6A、6Bを介して、巻掛け用回転体、例えば鎖車7A、7Bが取付けられている。これらの鎖車7A、7Bには、それぞれ長条物、例えばチェーン8A、8Bが巻き掛けられている。チェーン8A、8Bは、それぞれ一端にアンカー(錨)9A、9Bが取付けられ、他端にアンカー9A、9Bよりも格段に軽い重錘10A、10Bが取付けられたものであり、アンカー9A、9Bが海底に接地されるかまたは結合される一方、重錘10A、10Bは海底面Gよりも上方に位置するようにチェーン8A、8Bの長さが定められている。
ローラクラッチ6A、6Bは、鎖車7A、7Bが特定の方向に回転したときにその回転を軸4Aに伝達するとともに、反対方向に鎖車7A、7Bが回転したときにはその回転を軸4Aに伝達せずに、鎖車7A、7Bを自由回転させるためのものであり、チェーン8A、8Bの長さ方向で見て、重錘10A、10Bから鎖車7A、7Bに巻き掛けられてアンカー9A、9Bに向う方向(図4の矢印P方向)に鎖車7A、7Bが回転したときにその回転を軸4Aに伝達し、逆方向に鎖車7A、7Bが回転したときには鎖車7A、7Bが自由回転するようにクラッチの方向性が定められている。
さらに軸4の中間(側壁2A、2Bの間の部分)には、複数のリール(図示の例では5箇のリール)11a〜11eがほぼ等間隔で配置されている。各リール11a〜11eの一方の側面側にはそれぞれスプロケット12が固定され、他方の側面側にはそれぞれラチェット13が固定されている。11a〜11eには、ポリエステル繊維等の軽量かつ薄質で引張り強度に優れた可撓性を有する布もしくはシートあるいは紐体もしくはチェーン等からなる長尺体14(図示の例では長尺シート状のもの)が巻付けられている。ここで、上記長尺体14は、その一端がそれぞれリール11a〜11eの巻胴もしくは鍔内面に固定され、他端側が海中に垂下されて、その先端にブロック状等の任意の形状の金属やコンクリート等からなる重量物15が取付けられている。
ここで、前述の各リール11a〜11eと、それぞれに取付けられたスプロケット12およびラチェット13を、それぞれ全体として回転結合体16a〜16eと指称すれば、結合体16a〜16eは、それぞれ軸4に対してその軸中心に回転可能となるように、軸4の外周上に設けられた軸受17により支持されている(図5参照)。
さらに一端側の回転結合体16aと一方の側壁2Aとの間および各回転結合体16a〜16eの相互間には、軸4の外周上に回転可能に円筒状のカラー18a〜18eが設けられている。
カラー18a〜18eの付近の詳細を図7に拡大して示す。
各カラー18a〜18eの中央部の外周上にはフランジ19が形成され、またその一端側には、軸方向に沿って伸びる長孔状のガイド切欠部20が形成され、さらに他端側に外周上に突出する棒状の突起部21が形成されている。一方、軸4の外周上における前記カラー18a〜18eのガイド切欠部20に対応する各位置には、そのガイド切欠部20内に挿入されるピン22が突設されており、また前記各回転結合体16a〜16eにおけるラチェット13の側面には、前記各カラー18a〜18eの突起部21に係合し得る小軸23が突設されている。
一方、浮上構造体1の上面側には、各カラー18a〜18eのフランジ19の下側の一部をその両側から跨ぐように先端が2股状に作られたアーム24が配置されており、各アーム24は、それぞれ浮上構造体1の上面に取付けたソレノイド25によって軸4の軸線方向と平行な方向に沿って進退されるようになっている。ここで、各アーム24は、各カラー18a〜18eの回転を妨げることなくそのフランジ19に係合するように構成されている。そして各アーム24をソレノイド25によって進退させることによって、カラー18a〜18eを軸4に沿って直線移動(したがってラチェット13に近接・離隔する方向へ移動;図7の矢印Q方向)させることが可能となる。ここで、カラー18a〜18eを進出させた状態(図7に示すようにカラー18a〜18eをラチェット13に接近させた状態)では、カラー18a〜18eの外周面の突起部21がラチェット13の側面の小軸23に係合し得る状態となり、一方カラー18a〜18eを後退(図7の左方に移動させてカラー18a〜18eをラチェット13から離隔させた状態)では、上記の突起部21が小軸23に係合し得ない状態となるように定められている。
さらに浮上構造体1の上面には、各回転結合体16a〜16eのラチェット13に対応する位置に、図5に詳細に示すように、各ラチェット13に係合してその回転可能方向を規制するためのラチェット爪26と、そのラチェット爪26を作動させるための電磁石27とが設けられている。ここでラチェット13およびラチェット爪26の方向性は、これらが係合した状態では、ラチェット13を含む回転結合体16a〜16eが矢印P方向(すなわち長尺体14を巻上げる方向)へ回転する際には回転結合体16a〜16eの回転を妨げない一方、逆方向への回転結合体16a〜16eの回転は阻止するように定められている。もちろんこれらのラチェット13、ラチェット爪26の係合が外れた状態では、回転結合体16a〜16eはいずれの方向へも回転可能な状態となる。
一方浮上構造体1の上面側に、軸4と平行に設けられた軸5には、それぞれ各回転結合体16a〜16eのスプロケット12に対応する位置に、ローラクラッチ28(図5参照)を介してスプロケット29が設けられており、これらの各スプロケット29と、軸4の側の対応する各回転結合体16a〜16eのスプロケット12との間には、無端環状のチェーン30が巻き掛けられている。
さらに軸5の一端側は、側壁2Bの外面側に突出しており(図3参照)、この突出部分には、スプロケット31が固定されている。一方、その近傍の側壁2Bの内側の位置には、浮上構造体1の上面に発電機32が固定されており、その発電機32の回転軸33が側壁2Bの外側に突出して、その突出部分にスプロケット34が固定されており、スプロケット34とスプロケット31との間に無端環状のローラチェーン35が巻き掛けられている。
以上の実施例において、例えば水深100m程度の海域における海面の波浪によるエネルギを貯留し、さらにその貯留エネルギを取出して発電する場合の機能、作用を以下に説明する。
ここでは、先ず波浪エネルギを貯留する過程について説明する。
浮上構造体1およびそれに固定的に取付けられた各種装置、部材は、浮力によって海面に浮いた状態が保たれ、アンカー9A、9Bは海底Gに接地もしくは係合されて、浮上構造体1が潮流や風によって極端に移動することが防止される。この状態で、重錘10A、10Bは海面Fと海底Gとの中間において吊下げられた状態となっており、この重錘10A、10Bによってチェーン8A、8Bにおける重錘10A、10Bの側の部分は緊張状態が保持される。また長尺体14および重量物15は、海中に吊下げられた状態となっている。このような状態で、周期的に波浪が来れば、海面の上下動に伴って浮上構造体1が上下動を行なう。ここで、初期状態ではカラー18a〜18eは、回転結合体16a〜16eのラチェット13に近接した位置にある状態、すなわちカラー外周面の突起部21がラチェット側面の小軸23に係合し得る状態(図7に示す状態)となっていて、カラー18a〜18eの回転が回転結合体16a〜16eに伝達され得る状態となっているものとする。なお各ラチェット爪26は、それぞれ対応するラチェット13に係合されている状態としておく。
波浪により海面が上昇するときには、それに伴なって浮上構造体1も上昇する。このとき、チェーン8A、Bは、そのアンカー9A、9B側の部分の緊張により、鎖車7A、7Bの回転中心位置を基準として浮上構造体1の上昇距離分だけ重錘10A、10Bの側からアンカー9A、9Bの側へ送り込まれるとともに、鎖車7A、7Bが矢印P方向に回転し、この鎖車7A、7Bの回転がローラクラッチ6A、6Bを介して軸4に伝達されて、軸4が同方向に回転する。そして軸4上の各ピン22と、対応するカラー18a〜18eのガイド切欠部20との係合により、軸4の回転に伴ってカラー18a〜18eが同方向へ回転する。そしてカラー18a〜18eの各突起部21が、各回転結合体16a〜16eのラチェット13から突出する小軸23に当接して、カラー18a〜18eの回転が回転結合体16a〜16eに伝達され、回転結合体16a〜16e中のリール11a〜11eによって長尺体14が巻上げられる。したがって海面の上昇時には、ほぼその上昇分に対応する長さだけ長尺体14が巻上げられることになる。長尺体14が巻上げられれば、その下端に取付けた重量物15の位置も上昇し、したがって重量物15の位置エネルギが増大したことになる。
次いで、波浪により海面が下降する時には、それに伴なって浮上構造体1も下降する。このとき、前述の上昇過程とは逆に、重錘10A、10Bの自重により、鎖車7A、7Bを基準としてチェーン8A、8Bがアンカー9A、9Bの側から重錘10A、10Bの側に送り出されるとともに、鎖車7A、7Bが矢印P方向とは反対の方向に回転する。ここで、ローラクラッチ6A、6Bは、その方向への鎖車7A、7Bの回転は軸4に伝達しないように構成されているため、鎖車7A、7Bが回転しても軸4は回転せず、ひいてはカラー18a〜18e、回転結合体16a〜16eも回転しない。したがってその前の上昇過程で巻き上げられた長尺体14は、そのままの状態を保ち、重量物15も浮上構造体1に対し相対的に同じ位置を保つ。これは、上昇過程で貯留された重量物15の位置エネルギが、そのまま保存されたことになる。したがって波浪による上下動の過程で、海面の上昇時の位置エネルギが、重量物15の位置エネルギとして保存(貯留)されたことになる。
以上のように、波浪により周期的に海面が上下動すれば、海面の上昇過程で過程で順次長尺体14が巻上げられ、重量物15の位置エネルギが蓄積されていくのである。そして全ての長尺体14が巻上げられて、全ての重量物15がその最上昇端(浮上構造体1の近傍の位置)まで至れば、波浪エネルギの蓄積、貯留は終了する。
このようにして波浪エネルギを重量物15の位置エネルギとして貯留した後、その位置エネルギを電気エネルギに変換する過程、すなわち貯留していた位置エネルギを放出してそれにより発電を行う過程について説明する。
この段階の初期状態では、全リール11a〜11eの長尺体14は巻上げられており、重量物15は浮上構造体1の近傍に位置している。またこの初期状態では、予め全ての回転結合体16a〜16eのラチェット13に、それぞれラチェット爪26が引掛かって、回転結合体16a〜16eが、矢印P方向(すなわち長尺体巻上げ時の回転方向)とは反対の方向には回転しないように、電磁石27によってラチェット爪26を作動させておく。これは、ラチェット爪26とラチェット13との結合が解除されない限りは、ラチェット13およびリール11a〜11eを含む各回転結合体16a〜16eが、長尺体繰出し方向(重量物降下方向)には回転しないように阻止しておくことを意味する。
上述のような初期状態から発電を開始するにあたっては、いずれか一つの系列のソレノイド25、たとえば図2、図3における最も左側の回転結合体16aに対応するソレノイド25を作動させて、その系列のカラー18aを後退位置(ラチェット13から離隔した位置)に位置させ、カラー18aの突起部21が、ラチェット爪13の側面の小軸23から離れた状態(両者が係合され得ない状態)に保持しておく。したがってカラー18aと、ラチェット13およびリール11aを含む回転結合体16aとは相互にフリーな状態となっており、カラー18aが回転してもラチェット13およびリール11aを含む回転結合体16aは回転しない状態となっている。換言すれば、波浪による海面上昇により浮上構造体1が上昇して、軸4、カラー18aが回転しても、その回転はリール11aを含む各回転結合体16aに伝達されないことを意味する。さらに、その系列の回転結合体16aに対応する電磁石27を作動させて、その系列のラチェット爪26をラチェット13から外す。これによりリール11aを含む回転結合体16aは自由回転し得る状態となり、その系列の重量物15がその自重によって下降を開始し、リール11aを含む回転結合体16aが回転して重量物15を先端に取付けた長尺体14がリール11aから繰出される。このときの回転結合体16aの回転は、スプロケット12、チェーン30、スプロケット29、ローラクラッチ28を介して軸5に伝達され、軸5が回転せしめられ、さらにその軸5の回転が、軸5からスプロケット31、ローラチェーン35、スプロケット34を介して発電機32の回転軸33に伝達されて、発電機32が発電することになる。なお回転軸5とスプロケット29との間にはローラクラッチ28が介挿されており、回転結合体16aの回転により対応するスプロケット29が回転して、軸5が回転したときも、その回転が他の回転結合体16b〜16eに伝達されることはない。したがって回転結合体16aの回転が他の回転結合体16b〜16eに影響を及ぼすことはない。
以上のようにして、回転結合体16aの系列の重量物15の下降、すなわち重量物15の下降による位置エネルギの放出に伴なって、発電が行われる。
そして上述のようにして第1番目の回転結合体16aの系列の重量物15が所定の深さに達したときには、その重量物15の沈下を停止させるため、その第1番目の系列の電磁石27を作動させてその系列のラチェット13をラチェット爪26に係合させるとともに、同系列のソレノイド25を作動させて、アーム24によりカラー18aを回転結合体16aのラチェット13に近接する方向へ前進させ、カラー18aの突起部21がラチェット13の小軸23に係合し得る状態とする。これにより第1番目の系列の重量物15は、下降が停止されるとともに、その後に浮上構造体1の上昇に伴なう重量物15の巻上げが可能な状態となる。
そして上述のような第1番目の系列の電磁石27およびソレノイド25の作動と同時もしくは若干それよりも早いタイミングで、第2番目の回転結合体16bの系列の電磁石27によりその系列のラチェット爪26をラチェット13から外す。これによって第2番目のリール11bを含む回転結合体16bが自由回転し得る状態となり、既に述べたと同様にして、その回転結合体16bのリール11bから長尺体14により吊下げられている第2番目の系列の重量物15の下降が開始されるとともに、リール11bを含む第2番目の系列の回転結合体16bが回転し、さらにその回転が軸5から発電機32の回転軸33に伝達されて、発電が行なわれる。
以上のような過程を重ねることによって、順次各系列の重量物15が沈下されるとともに、連続的な発電が行なわれることになる。
以上のところにおいては、5系列の重量物15を波浪による海面の上昇によって同時的に巻上げて、全ての系列の重量物15がその最上昇端に至っている状態から、順次各系列の重量物15を下降させるものとして説明したが、実際には、各系列の重量物の巻上げ開始のタイミングをずらして、一つの系列の重量物の下降により発電を行なっている間に、残りの他の系列の重量物の巻上げ(位置エネルギの貯留)を行なうことが望ましく、このようにすれば、途切れることなく常時連続発電が可能となる。
ここで、発電時の重量物の下降速度(沈下速度)は、海水の抵抗を受ける重量物の形状や、発電機の回生電流によるブレーキ作用等によって調整可能であり、また複数個の重量物の下降速度を等速に近付けることも可能である。
いま、1個の重量物15の重量を1000kg、沈下速度を1m/secに調整したとすれば、重量物1個あたりの発電出力は、理論的には、
1000kg×1m/sec/102=10kw
となる。
一方、1回の波による海面の上昇量(重錘10A、10Bの上昇量に等しい)と、重量物15の巻上げ量(上昇量)とが同じであるとし、日本近海での平均の有義波高を2m、有義波周期を8秒とすれば、一つの波によって重量物15は2m上昇し、8秒後に来る次の波によって再び2m上昇するから、平均すれば1秒間に0.25m上昇することになる。すなわち、平均沈下速度(1m/sec)の1/4の平均上昇速度となるから、4系列の重量物を設けておいて、その上昇、降下のタイミングを1/4ずつずらせておけば、トータル的に見て沈下速度と上昇速度とをバランスさせ、完全連続発電が可能となるのである。但し、実際は若干の余裕を見ることが望ましく、そこで実施例では5系列の重量物を設けているのであり、これらを順次上昇、下降させることにより24時間連続発電が可能となる。
なお前述の例では、長条物としてチェーン8A、8Bを用い、これを巻掛ける巻掛け用回転体として鎖車7A、7Bを用いているが、これらは、ローラチェーンとスプロケットの組合せ、あるいはタイミングプーリーとベルト、フランジ付きプーリーとロープとの組合せなどでも良いことはもちろんである。
また、請求項1で規定する巻上げ保持手段や、請求項2で規定する変換手段、回転伝達手段、さらには請求項5で規定する解除手段の具体的構成についても、これらの請求項で規定する条件を外れない限りは、実施例の構成に限られないことはもちろんである。
図1において浮上構造体1は、全体としてその比重が海水よりも充分に小さくなるように任意の形状に作られたものであって、例えば外壁部分を耐海水腐食性の良好な金属や樹脂等によって作り、内部に空気や発泡樹脂等を密封した構造とされている。ここで、浮上構造体1は、後述するようにその内部や上面に取付けられる各種の装置やチェーン、重錘、重量物等を含め、装置全体として海面Fに浮くように充分な浮力を有すものとする。
浮上構造体1には、巻掛け用回転体、例えば鎖車7が水平な軸を中心として回転可能に取付けられている。この鎖車7には、長条物、例えばチェーン8が巻き掛けられている。チェーン8の一端は、アンカー(錨)9が取付けられ、他端にアンカー9よりも格段に軽い重錘10が取付けられたものであり、アンカー9が海底Gに接地されるかまたは結合される一方、重錘10は海底面Gよりも上方に位置するようにチェーン8の長さが定められている。
さらに浮上構造体1には、リール11が水平な軸を中心として回転可能に配置されている。このリール11には、ポリエステル繊維等の軽量かつ薄質で引張り強度に優れた可撓性を有する布もしくはシートあるいは紐体もしくはチェーン等からなる長尺体14が巻付けられている。ここで、上記長尺体14は、その一端がリール11の巻胴もしくは鍔内面に固定され、他端側が海中に垂下されて、その先端にブロック状等の任意の形状の金属やコンクリート等からなる重量物15が取付けられている。
さらに浮上構造体1には、発電機32が固定されている。
ここで、前記リール11は、波浪による海面の昇降に伴なう浮上構造体1の上下動のうち、いずれか一方の動きにより長尺体14を浮上構造体1の側に巻上げて海中における重量物15の位置を上昇させ、かつその巻上げ位置を保持するための巻上げ保持手段を構成している。
一方、巻上げ用回転体(鎖車)7、長条物(チェーン)8、アンカー9、重錘10は、波浪による海面の昇降に伴なう浮上構造体1の上下動を、その上下動の方向に応じた回転方向として回転運動に変換するための変換手段を構成している。
そして巻上げ用回転体(鎖車)7とリール11との結合関係(回転伝達手段)は、浮上構造体1の昇降に伴なう巻上げ用回転体7の2方向の回転運動のうち、一方の方向の回転運動(図1の例では反時計方向の回転運動)をリール11に伝達して、そのリール11を長尺体巻上げ方向(図1の例では反時計方向)に回転させるようになっているとともに、他方の方向(図1の例では時計方向)の巻上げ用回転体7の回転運動ではリール11を回転させないようにされている。
さらにリール11と発電機32との関係は、リール11の保持(回転阻止状態)が解放されて、リール11が重量物15を下降させる方向(図1の例では時計方向)に回転したときに、その回転が発電機32の駆動軸に伝達されて、発電が生じるように定められている。
以上のような原理的な構成において、例えば水深100m程度の海域における海面の波浪によるエネルギを貯留し、さらにその貯留エネルギを取出して発電する場合の機能、作用を以下に説明する。
先ず波浪エネルギを貯留する過程について説明する。
浮上構造体1およびそれに固定的に取付けられた各種装置、部材は、浮力によって海面に浮いた状態が保たれ、アンカー9は海底Gに接地もしくは係合されて、浮上構造体1が潮流や風によって極端に移動することが防止される。この状態で、重錘10は海面Fと海底Gとの中間の海中において吊下げられた状態となっており、この重錘10によってチェーン8における重錘10の側の部分は緊張状態が保持される。また長尺体14および重量物15は、海中に吊下げられた状態となっている。このような状態で、周期的に波浪が来れば、海面の上下動に伴って浮上構造体1が上下動を行なう(矢印A1)。
波浪により海面が上昇するときには、それに伴なって浮上構造体1も上昇する。このとき、チェーン8は、そのアンカー9の側の部分の緊張により、鎖車7の回転中心位置を基準として浮上構造体1の上昇距離分だけ重錘10の側からアンカー9の側へ送り込まれる(矢印A2の上向き方向)とともに、鎖車7が図1の矢印AA3の反時計方向に回転し、この鎖車7の回転がリール11に伝達されてそのリール11が反時計方向(矢印A4)に回転し、長尺体14が巻上げられる。したがって海面の上昇時には、ほぼその上昇分に対応する長さだけ長尺体14が巻上げられることになる。長尺体14が巻上げられれば、その下端に取付けた重量物15の位置も上昇し(矢印A5)、したがって重量物15の位置エネルギが増大したことになる。
次いで、波浪により海面が下降する時には、それに伴なって浮上構造体1も下降する。このとき、前述の上昇過程とは逆に、重錘10の自重により、鎖車7を基準としてチェーン8がアンカー9の側から重錘10の側に送り出されるとともに、鎖車7が図1の矢印A3の時計方向に回転する。この方向への鎖車7の回転はリール11に伝達されないように構成されており、したがってその前の上昇過程で巻き上げられた長尺体14は、そのままの状態を保ち、重量物15も浮上構造体1に対し相対的に同じ位置を保つ。これは、上昇過程で貯留された重量物15の位置エネルギが、そのまま保存されたことになる。したがって波浪による上下動の過程で、海面の上昇時の位置エネルギが、重量物15の位置エネルギとして保存(貯留)されたことになる。
以上のように、波浪により周期的に海面が上下動すれば、海面の上昇過程で過程で順次長尺体14が巻上げられ、重量物15の位置が上昇して、その位置エネルギが蓄積されていくのである。そして全ての長尺体14が巻上げられて、全ての重量物15がその最上昇端(浮上構造体1の近傍の位置)まで至れば、波浪エネルギの蓄積、貯留は終了する。
このようにして波浪エネルギを重量物15の位置エネルギとして貯留した後、その位置エネルギを電気エネルギに変換する過程、すなわち貯留していた位置エネルギを放出してそれにより発電を行う過程について説明する。
この段階の初期状態では、長尺体14はリール11に巻上げられており、重量物15は浮上構造体1の近傍に位置している。この初期状態から発電を開始するにあたっては、リール11をフリーに回転し得る状態とする。これによって重量物15がその自重によって下降を開始し、矢印B1に示すようにリール11が反時計方向に回転して重量物15を先端に取付けた長尺体14がリール11から繰出される(矢印B2)。このときのリール11の回転が発電機32の回転軸に伝達されて、発電機32が発電することになる。
このようにして、重量物15の下降、すなわち位置エネルギの放出に伴なって、発電が行われる。
図2〜図7には、この発明の一実施例のより具体化した波浪エネルギ貯留装置および発電装置の構成を示す。
図2〜図7において浮上構造体1は、全体としてその比重が海水よりも充分に小さくなるように任意の形状に作られたものであって、例えば外壁部分を耐海水腐食性の良好な金属や樹脂等によって作り、内部に空気や発泡樹脂等を密封した構造とされ、図示の例では直方体形状に作られている。ここで、浮上構造体1は、後述するような上面に取付けられる各種の装置やチェーン、重錘、重量物等を含め、装置全体として海面Fに浮くように充分な浮力を有すものとする。
浮上構造体1の長さ方向両端には、上方へ突出する側壁2A、2Bが取付けられており、その側壁2A、2Bには、軸受3A、3Bにより水平な平行一対の軸4、5がそれぞれ回転自在に掛け渡されている。これらの軸4、5のうち、軸4の両端部4A、4Bは側壁2A、2Bの外側に突出しており、その外側突出部(両端部)4A、4Bには、ローラクラッチ6A、6Bを介して、巻掛け用回転体、例えば鎖車7A、7Bが取付けられている。これらの鎖車7A、7Bには、それぞれ長条物、例えばチェーン8A、8Bが巻き掛けられている。チェーン8A、8Bは、それぞれ一端にアンカー(錨)9A、9Bが取付けられ、他端にアンカー9A、9Bよりも格段に軽い重錘10A、10Bが取付けられたものであり、アンカー9A、9Bが海底に接地されるかまたは結合される一方、重錘10A、10Bは海底面Gよりも上方に位置するようにチェーン8A、8Bの長さが定められている。
ローラクラッチ6A、6Bは、鎖車7A、7Bが特定の方向に回転したときにその回転を軸4Aに伝達するとともに、反対方向に鎖車7A、7Bが回転したときにはその回転を軸4Aに伝達せずに、鎖車7A、7Bを自由回転させるためのものであり、チェーン8A、8Bの長さ方向で見て、重錘10A、10Bから鎖車7A、7Bに巻き掛けられてアンカー9A、9Bに向う方向(図4の矢印P方向)に鎖車7A、7Bが回転したときにその回転を軸4Aに伝達し、逆方向に鎖車7A、7Bが回転したときには鎖車7A、7Bが自由回転するようにクラッチの方向性が定められている。
さらに軸4の中間(側壁2A、2Bの間の部分)には、複数のリール(図示の例では5箇のリール)11a〜11eがほぼ等間隔で配置されている。各リール11a〜11eの一方の側面側にはそれぞれスプロケット12が固定され、他方の側面側にはそれぞれラチェット13が固定されている。11a〜11eには、ポリエステル繊維等の軽量かつ薄質で引張り強度に優れた可撓性を有する布もしくはシートあるいは紐体もしくはチェーン等からなる長尺体14(図示の例では長尺シート状のもの)が巻付けられている。ここで、上記長尺体14は、その一端がそれぞれリール11a〜11eの巻胴もしくは鍔内面に固定され、他端側が海中に垂下されて、その先端にブロック状等の任意の形状の金属やコンクリート等からなる重量物15が取付けられている。
ここで、前述の各リール11a〜11eと、それぞれに取付けられたスプロケット12およびラチェット13を、それぞれ全体として回転結合体16a〜16eと指称すれば、結合体16a〜16eは、それぞれ軸4に対してその軸中心に回転可能となるように、軸4の外周上に設けられた軸受17により支持されている(図5参照)。
さらに一端側の回転結合体16aと一方の側壁2Aとの間および各回転結合体16a〜16eの相互間には、軸4の外周上に回転可能に円筒状のカラー18a〜18eが設けられている。
カラー18a〜18eの付近の詳細を図7に拡大して示す。
各カラー18a〜18eの中央部の外周上にはフランジ19が形成され、またその一端側には、軸方向に沿って伸びる長孔状のガイド切欠部20が形成され、さらに他端側に外周上に突出する棒状の突起部21が形成されている。一方、軸4の外周上における前記カラー18a〜18eのガイド切欠部20に対応する各位置には、そのガイド切欠部20内に挿入されるピン22が突設されており、また前記各回転結合体16a〜16eにおけるラチェット13の側面には、前記各カラー18a〜18eの突起部21に係合し得る小軸23が突設されている。
一方、浮上構造体1の上面側には、各カラー18a〜18eのフランジ19の下側の一部をその両側から跨ぐように先端が2股状に作られたアーム24が配置されており、各アーム24は、それぞれ浮上構造体1の上面に取付けたソレノイド25によって軸4の軸線方向と平行な方向に沿って進退されるようになっている。ここで、各アーム24は、各カラー18a〜18eの回転を妨げることなくそのフランジ19に係合するように構成されている。そして各アーム24をソレノイド25によって進退させることによって、カラー18a〜18eを軸4に沿って直線移動(したがってラチェット13に近接・離隔する方向へ移動;図7の矢印Q方向)させることが可能となる。ここで、カラー18a〜18eを進出させた状態(図7に示すようにカラー18a〜18eをラチェット13に接近させた状態)では、カラー18a〜18eの外周面の突起部21がラチェット13の側面の小軸23に係合し得る状態となり、一方カラー18a〜18eを後退(図7の左方に移動させてカラー18a〜18eをラチェット13から離隔させた状態)では、上記の突起部21が小軸23に係合し得ない状態となるように定められている。
さらに浮上構造体1の上面には、各回転結合体16a〜16eのラチェット13に対応する位置に、図5に詳細に示すように、各ラチェット13に係合してその回転可能方向を規制するためのラチェット爪26と、そのラチェット爪26を作動させるための電磁石27とが設けられている。ここでラチェット13およびラチェット爪26の方向性は、これらが係合した状態では、ラチェット13を含む回転結合体16a〜16eが矢印P方向(すなわち長尺体14を巻上げる方向)へ回転する際には回転結合体16a〜16eの回転を妨げない一方、逆方向への回転結合体16a〜16eの回転は阻止するように定められている。もちろんこれらのラチェット13、ラチェット爪26の係合が外れた状態では、回転結合体16a〜16eはいずれの方向へも回転可能な状態となる。
一方浮上構造体1の上面側に、軸4と平行に設けられた軸5には、それぞれ各回転結合体16a〜16eのスプロケット12に対応する位置に、ローラクラッチ28(図5参照)を介してスプロケット29が設けられており、これらの各スプロケット29と、軸4の側の対応する各回転結合体16a〜16eのスプロケット12との間には、無端環状のチェーン30が巻き掛けられている。
さらに軸5の一端側は、側壁2Bの外面側に突出しており(図3参照)、この突出部分には、スプロケット31が固定されている。一方、その近傍の側壁2Bの内側の位置には、浮上構造体1の上面に発電機32が固定されており、その発電機32の回転軸33が側壁2Bの外側に突出して、その突出部分にスプロケット34が固定されており、スプロケット34とスプロケット31との間に無端環状のローラチェーン35が巻き掛けられている。
以上の実施例において、例えば水深100m程度の海域における海面の波浪によるエネルギを貯留し、さらにその貯留エネルギを取出して発電する場合の機能、作用を以下に説明する。
ここでは、先ず波浪エネルギを貯留する過程について説明する。
浮上構造体1およびそれに固定的に取付けられた各種装置、部材は、浮力によって海面に浮いた状態が保たれ、アンカー9A、9Bは海底Gに接地もしくは係合されて、浮上構造体1が潮流や風によって極端に移動することが防止される。この状態で、重錘10A、10Bは海面Fと海底Gとの中間において吊下げられた状態となっており、この重錘10A、10Bによってチェーン8A、8Bにおける重錘10A、10Bの側の部分は緊張状態が保持される。また長尺体14および重量物15は、海中に吊下げられた状態となっている。このような状態で、周期的に波浪が来れば、海面の上下動に伴って浮上構造体1が上下動を行なう。ここで、初期状態ではカラー18a〜18eは、回転結合体16a〜16eのラチェット13に近接した位置にある状態、すなわちカラー外周面の突起部21がラチェット側面の小軸23に係合し得る状態(図7に示す状態)となっていて、カラー18a〜18eの回転が回転結合体16a〜16eに伝達され得る状態となっているものとする。なお各ラチェット爪26は、それぞれ対応するラチェット13に係合されている状態としておく。
波浪により海面が上昇するときには、それに伴なって浮上構造体1も上昇する。このとき、チェーン8A、Bは、そのアンカー9A、9B側の部分の緊張により、鎖車7A、7Bの回転中心位置を基準として浮上構造体1の上昇距離分だけ重錘10A、10Bの側からアンカー9A、9Bの側へ送り込まれるとともに、鎖車7A、7Bが矢印P方向に回転し、この鎖車7A、7Bの回転がローラクラッチ6A、6Bを介して軸4に伝達されて、軸4が同方向に回転する。そして軸4上の各ピン22と、対応するカラー18a〜18eのガイド切欠部20との係合により、軸4の回転に伴ってカラー18a〜18eが同方向へ回転する。そしてカラー18a〜18eの各突起部21が、各回転結合体16a〜16eのラチェット13から突出する小軸23に当接して、カラー18a〜18eの回転が回転結合体16a〜16eに伝達され、回転結合体16a〜16e中のリール11a〜11eによって長尺体14が巻上げられる。したがって海面の上昇時には、ほぼその上昇分に対応する長さだけ長尺体14が巻上げられることになる。長尺体14が巻上げられれば、その下端に取付けた重量物15の位置も上昇し、したがって重量物15の位置エネルギが増大したことになる。
次いで、波浪により海面が下降する時には、それに伴なって浮上構造体1も下降する。このとき、前述の上昇過程とは逆に、重錘10A、10Bの自重により、鎖車7A、7Bを基準としてチェーン8A、8Bがアンカー9A、9Bの側から重錘10A、10Bの側に送り出されるとともに、鎖車7A、7Bが矢印P方向とは反対の方向に回転する。ここで、ローラクラッチ6A、6Bは、その方向への鎖車7A、7Bの回転は軸4に伝達しないように構成されているため、鎖車7A、7Bが回転しても軸4は回転せず、ひいてはカラー18a〜18e、回転結合体16a〜16eも回転しない。したがってその前の上昇過程で巻き上げられた長尺体14は、そのままの状態を保ち、重量物15も浮上構造体1に対し相対的に同じ位置を保つ。これは、上昇過程で貯留された重量物15の位置エネルギが、そのまま保存されたことになる。したがって波浪による上下動の過程で、海面の上昇時の位置エネルギが、重量物15の位置エネルギとして保存(貯留)されたことになる。
以上のように、波浪により周期的に海面が上下動すれば、海面の上昇過程で過程で順次長尺体14が巻上げられ、重量物15の位置エネルギが蓄積されていくのである。そして全ての長尺体14が巻上げられて、全ての重量物15がその最上昇端(浮上構造体1の近傍の位置)まで至れば、波浪エネルギの蓄積、貯留は終了する。
このようにして波浪エネルギを重量物15の位置エネルギとして貯留した後、その位置エネルギを電気エネルギに変換する過程、すなわち貯留していた位置エネルギを放出してそれにより発電を行う過程について説明する。
この段階の初期状態では、全リール11a〜11eの長尺体14は巻上げられており、重量物15は浮上構造体1の近傍に位置している。またこの初期状態では、予め全ての回転結合体16a〜16eのラチェット13に、それぞれラチェット爪26が引掛かって、回転結合体16a〜16eが、矢印P方向(すなわち長尺体巻上げ時の回転方向)とは反対の方向には回転しないように、電磁石27によってラチェット爪26を作動させておく。これは、ラチェット爪26とラチェット13との結合が解除されない限りは、ラチェット13およびリール11a〜11eを含む各回転結合体16a〜16eが、長尺体繰出し方向(重量物降下方向)には回転しないように阻止しておくことを意味する。
上述のような初期状態から発電を開始するにあたっては、いずれか一つの系列のソレノイド25、たとえば図2、図3における最も左側の回転結合体16aに対応するソレノイド25を作動させて、その系列のカラー18aを後退位置(ラチェット13から離隔した位置)に位置させ、カラー18aの突起部21が、ラチェット爪13の側面の小軸23から離れた状態(両者が係合され得ない状態)に保持しておく。したがってカラー18aと、ラチェット13およびリール11aを含む回転結合体16aとは相互にフリーな状態となっており、カラー18aが回転してもラチェット13およびリール11aを含む回転結合体16aは回転しない状態となっている。換言すれば、波浪による海面上昇により浮上構造体1が上昇して、軸4、カラー18aが回転しても、その回転はリール11aを含む各回転結合体16aに伝達されないことを意味する。さらに、その系列の回転結合体16aに対応する電磁石27を作動させて、その系列のラチェット爪26をラチェット13から外す。これによりリール11aを含む回転結合体16aは自由回転し得る状態となり、その系列の重量物15がその自重によって下降を開始し、リール11aを含む回転結合体16aが回転して重量物15を先端に取付けた長尺体14がリール11aから繰出される。このときの回転結合体16aの回転は、スプロケット12、チェーン30、スプロケット29、ローラクラッチ28を介して軸5に伝達され、軸5が回転せしめられ、さらにその軸5の回転が、軸5からスプロケット31、ローラチェーン35、スプロケット34を介して発電機32の回転軸33に伝達されて、発電機32が発電することになる。なお回転軸5とスプロケット29との間にはローラクラッチ28が介挿されており、回転結合体16aの回転により対応するスプロケット29が回転して、軸5が回転したときも、その回転が他の回転結合体16b〜16eに伝達されることはない。したがって回転結合体16aの回転が他の回転結合体16b〜16eに影響を及ぼすことはない。
以上のようにして、回転結合体16aの系列の重量物15の下降、すなわち重量物15の下降による位置エネルギの放出に伴なって、発電が行われる。
そして上述のようにして第1番目の回転結合体16aの系列の重量物15が所定の深さに達したときには、その重量物15の沈下を停止させるため、その第1番目の系列の電磁石27を作動させてその系列のラチェット13をラチェット爪26に係合させるとともに、同系列のソレノイド25を作動させて、アーム24によりカラー18aを回転結合体16aのラチェット13に近接する方向へ前進させ、カラー18aの突起部21がラチェット13の小軸23に係合し得る状態とする。これにより第1番目の系列の重量物15は、下降が停止されるとともに、その後に浮上構造体1の上昇に伴なう重量物15の巻上げが可能な状態となる。
そして上述のような第1番目の系列の電磁石27およびソレノイド25の作動と同時もしくは若干それよりも早いタイミングで、第2番目の回転結合体16bの系列の電磁石27によりその系列のラチェット爪26をラチェット13から外す。これによって第2番目のリール11bを含む回転結合体16bが自由回転し得る状態となり、既に述べたと同様にして、その回転結合体16bのリール11bから長尺体14により吊下げられている第2番目の系列の重量物15の下降が開始されるとともに、リール11bを含む第2番目の系列の回転結合体16bが回転し、さらにその回転が軸5から発電機32の回転軸33に伝達されて、発電が行なわれる。
以上のような過程を重ねることによって、順次各系列の重量物15が沈下されるとともに、連続的な発電が行なわれることになる。
以上のところにおいては、5系列の重量物15を波浪による海面の上昇によって同時的に巻上げて、全ての系列の重量物15がその最上昇端に至っている状態から、順次各系列の重量物15を下降させるものとして説明したが、実際には、各系列の重量物の巻上げ開始のタイミングをずらして、一つの系列の重量物の下降により発電を行なっている間に、残りの他の系列の重量物の巻上げ(位置エネルギの貯留)を行なうことが望ましく、このようにすれば、途切れることなく常時連続発電が可能となる。
ここで、発電時の重量物の下降速度(沈下速度)は、海水の抵抗を受ける重量物の形状や、発電機の回生電流によるブレーキ作用等によって調整可能であり、また複数個の重量物の下降速度を等速に近付けることも可能である。
いま、1個の重量物15の重量を1000kg、沈下速度を1m/secに調整したとすれば、重量物1個あたりの発電出力は、理論的には、
1000kg×1m/sec/102=10kw
となる。
一方、1回の波による海面の上昇量(重錘10A、10Bの上昇量に等しい)と、重量物15の巻上げ量(上昇量)とが同じであるとし、日本近海での平均の有義波高を2m、有義波周期を8秒とすれば、一つの波によって重量物15は2m上昇し、8秒後に来る次の波によって再び2m上昇するから、平均すれば1秒間に0.25m上昇することになる。すなわち、平均沈下速度(1m/sec)の1/4の平均上昇速度となるから、4系列の重量物を設けておいて、その上昇、降下のタイミングを1/4ずつずらせておけば、トータル的に見て沈下速度と上昇速度とをバランスさせ、完全連続発電が可能となるのである。但し、実際は若干の余裕を見ることが望ましく、そこで実施例では5系列の重量物を設けているのであり、これらを順次上昇、下降させることにより24時間連続発電が可能となる。
なお前述の例では、長条物としてチェーン8A、8Bを用い、これを巻掛ける巻掛け用回転体として鎖車7A、7Bを用いているが、これらは、ローラチェーンとスプロケットの組合せ、あるいはタイミングプーリーとベルト、フランジ付きプーリーとロープとの組合せなどでも良いことはもちろんである。
また、請求項1で規定する巻上げ保持手段や、請求項2で規定する変換手段、回転伝達手段、さらには請求項5で規定する解除手段の具体的構成についても、これらの請求項で規定する条件を外れない限りは、実施例の構成に限られないことはもちろんである。
以上のように、この発明の波浪エネルギ貯留装置および発電装置は、これを海洋上に設置しておけば、貯留する装置として、またその波浪エネルギを用いて発電する装置として、有用である。
Claims (6)
- 海面に浮く浮上構造体と;
その浮上構造体から海中に垂下され、かつ下端に重量物が取付けられた可撓性を有する長尺体と;
波浪による海面の昇降に伴なう浮上構造体の上下動のうち、いずれか一方向の動きにより前記長尺体を浮上構造体側に巻上げて重量物の位置を上昇させ、かつその巻上げ上昇位置を保持するための巻上げ保持手段と;
を有してなり、波浪エネルギを重量物の位置のエネルギとして保持するようにしたことを特徴とする、波浪エネルギの貯留装置。 - 請求項1に記載の波浪エネルギの貯留装置において、
前記巻上げ保持手段が、長尺体を巻上げるリールと、浮上構造体の上下動を、その上下動の方向に応じた回転方向として回転運動に変換するための変換手段と、その変換手段により得られた回転運動のうち、一方の回転方向の回転運動により前記巻上げリールを長尺体巻上げ方向に回転させるとともに、他方の回転方向の回転運動では巻上げリールを回転させないようにする回転伝達手段とを有してなることを特徴とする、波浪エネルギの貯留装置。 - 請求項2に記載の波浪エネルギの貯留装置において、
前記変換手段が、浮上構造体に水平な軸線を中心として回転可能に取付けられた巻掛け用回転体と、その巻掛け用回転体に巻掛けられた長条物と、その長条物の一端に取付けられたアンカーと、そのアンカーよりも軽量でかつ長条物の他端に取付けられた重錘とからなり、
前記アンカーが海底に投錨されるようにするとともに、投錨された際に重錘は海底面より上方に位置するようにチェーンの長さが設定されており、波浪による浮上構造体の上下動に伴なって重錘が上下動するとともに巻掛け用回転体が回転して、その巻掛け用回転体の回転のうち、一定方向の回転のみが巻上げリールに伝達されて長尺体を巻上げるように前記回転伝達手段が構成されていることを特徴とする、波浪エネルギの貯留装置。請求項2に記載の波浪エネルギの貯留装置において、
前記変換手段が、浮上構造体に水平な軸線を中心として回転可能に取付けられた巻掛け用回転体と、その巻掛け用回転体に巻掛けられた長条物と、その長条物の一端に取付けられたアンカーと、そのアンカーよりも軽量でかつ長条物の他端に取付けられた重錘とからなり、
前記アンカーが海底に投錨されるようにするとともに、投錨された際に重錘は海底面より上方に位置するようにチェーンの長さが設定されており、波浪による浮上構造体の上下動に伴なって重錘が上下動するとともに巻掛け用回転体が回転して、その巻掛け用回転体の回転のうち、一定方向の回転のみが巻上げリールに伝達されて長尺体を巻上げるように前記回転伝達手段が構成されていることを特徴とする、波浪エネルギの貯留装置。 - 請求項3に記載の波浪エネルギの貯留装置において、
前記浮上構造体に水平な軸が設けられており、その軸の所定の箇所に前記巻掛け用回転体が同心状に回転可能に取付けられるとともに、その軸の他の箇所に前記巻上げリールが同心状に回転可能に取付けられており、前記回転伝達手段は、巻掛け用回転体が前記の一定方向に回転したときにはその回転を軸に伝達する一方、反対方向に巻掛け用回転体が回転したときには軸に対して巻掛け用回転体が自由回転し得るように、また軸が前記一定方向に回転したときに巻上げリールにその軸の回転を伝達する一方、巻上げリールが反対方向に回転するときには軸に対して巻上げリールが自由回転し得るように構成されていることを特徴とする、波浪エネルギの貯留装置。 - 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の波浪エネルギの貯留装置において、
前記巻上げ保持手段が、その巻上げ保持手段により巻上げられた長尺体の巻上げ位置での保持を解除して、重量物の自重により長尺体を繰出して下降させるための解除機能を備えていることを特徴とする、波浪エネルギの貯留装置。 - 請求項5に記載の波浪エネルギの貯留装置を備えるとともに、その波浪エネルギの貯留装置の浮上構造体には発電機が設けられており、
前記波浪エネルギの貯留装置における解除手段による解除時の長尺体の繰出し下降運動を回転運動として発電機の回転軸に伝達し、発電を行わせるように構成されていることを特徴とする、波浪エネルギの貯留装置を用いた発電装置。
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