JP2857383B2 - 波力を利用した発電設備 - Google Patents

波力を利用した発電設備

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JP2857383B2 JP9158454A JP15845497A JP2857383B2 JP 2857383 B2 JP2857383 B2 JP 2857383B2 JP 9158454 A JP9158454 A JP 9158454A JP 15845497 A JP15845497 A JP 15845497A JP 2857383 B2 JP2857383 B2 JP 2857383B2
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  • Other Liquid Machine Or Engine Such As Wave Power Use (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は波の上下動を利用し
て発電機を回転させ発電を行う波力を利用した発電設備
に関する。
【0002】
【従来の技術】波の上下動を利用して発電を行わしめる
技術はその例を数多く見ることができる。本発明に類似
するものとしてガイドタワーに沿って上下運動する波力
ブイがが知られている。この種の発電設備は、分類上、
可動物体形と呼称され高いエネルギー吸収を行うことが
できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに一般に波力の
上下動を利用した発電設備は大規模な物が多く、発電コ
スト高を招きやすい。また、津波等の海洋異常時の強度
上の問題を克服し難い欠点を抱えている。本発明はかか
る事情に鑑みなされたものであって、本発明の第1の目
的は、量産の効く程度にコンパクトで、かつ効率的に波
の上下動エネルギーを吸収し電力に変換することができ
る、波力を利用した発電設備を提供することである。本
発明の第2の目的は、津波等の海洋異状時にはフロート
を海中に沈めることができ、海上の異常なる外力による
発電設備の破壊を防ぐ事ができる波力を利用した発電設
備を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明においては上記課
題を次のように解決する。 (1)海岸からそう遠くない水深35〜50mの海域に
設けられる発電設備において、ショートリンクチェーン
の一端を海底に設置されたテトラポットに係合し、その
他端に錘を取り付ける。また、発電機と、スプロケット
と、該スプロケットの回転方向にかかわらず常に上記発
電機を同一方向に回転させるとともに、発電機が電動機
として機能したとき、発電機の電動機としての回転力を
上記スプロケットに伝達する機構を具備する可逆ユニッ
トとを備えたフロートを設け、上記ショートリンクチェ
ーンにスプロケットを係合させる。そして、上記フロー
トが波の上下動に応じて上昇、下降するときに生ずるス
プロケットの回転力を上記発電機に伝達して発電を行
い、また、津波等の海洋異状時、上記発電機を電動機と
して機能させ、上記機構を利用してスプロケットを回転
させ、フロートを海中に沈める。 (2)請求項1の発電設備を水深35〜50mの海域に
多数敷設し、各発電設備のフロートを相互に上下動が可
能なように係合体にて結合する
【0005】本発明の請求項1の発明においては、上記
(1)のように構成したので、比較的コンパクトな構成
の発電設備により、波力を利用した効率的な発電を行う
ことが可能となる。また、海上に大規模な設備を設置す
る必要がないので、発電コストの低減化を図ることがで
きる。また、波の上下動にかかわらず常に発電機の回転
方向を同一にすることができ、高効率な発電が可能とな
る。さらに、津波等の海上異常時に、フロートを、海上
の波の乱高下の影響を受け難い海中に沈めることがで
き、発電設備の破壊を防ぐことができる。その際、発電
機を電動機として機能させフロートを沈めているので、
そのための特別の動力源を必要とせず、装置をコンパク
トに構成することができ、また、比較的簡単な操作でフ
ロートを沈めることが可能となる。本発明の請求項
発明においては、上記()のように構成したので、波
の横方向搬送力による発電設備の相互干渉を防止し、自
然エネルギーから効率的に電力を取り出すことができ
る。
【0006】
【発明の実施形態】次に、本発明の実施形態を図面に基
づき説明する。図1、図2は本発明の波力を利用した発
電設備の実施形態に関わる概略図であり、同図は水深約
35mの海域に本発電設備を設置した場合を示してい
る。本発電設備は海岸からそう遠くない海域の海面に浮
かんだフロート1、海中に吊られた錘2、海底に設置さ
れたテトラポット3とこれ等を係合するショートリンク
チェーン4から構成される。一般に水深80mを境にし
て、これより深い水深の海上に生ずる波を深海波、これ
より浅い水深の海上に生ずる波は浅海波と呼称される
が、本発電設備は、海岸に近づくにしたがって波高が高
くなる傾向にある所謂浅海波によって作り出された波の
上下動運動エネルギーをフロート1の上下動に伴うスプ
ロケット5の回転運動エネルギーとして取り出し、フロ
ート1の内部に設けられた図示しない発電機を回転させ
電力を生む。
【0007】図1には、海面が1m上昇した波の頂点に
フロート1が持ち上げられた場合、海面が1m下降した
波の底にフロート1が引き下げられた場合を示し、図2
には、津波の如き海洋異状時に外部からフロート1内部
の発電機に電力を供給し電動機として駆動させ、この駆
動力をしてフロート1を海中に沈め、海上の大波を避け
る場合を示す。錘2は次の目的で設けられる。 フロート1が波の頂点から波の底に向かって下降す
るときにスプロケット5を回転させる。 スプロケット5とショートリンクチェーン4の噛み
合いを円滑に行う為にショートリンクチェーン4に張力
を与える。 フロート1が波の横方向搬送力によって海岸方向に
押しやられるのを防止し、フロート1をテトラポット3
のほぼ真下に引き戻す張力によって発生する横方向復元
力を持たせる。 本実施例において錘2は長さが約4200mm、長手方
向に垂直な断面が800×800mmの寸法であり、海
中にて4トンの荷重を生むためにコンクリートにて製作
されている。
【0008】次にフロート1の構成を説明する。図3、
図4はフロート1の構成を示す図であり、図3(a)は
フロートを上面から見たときの機構部の配置を示す図、
図3(b)は同図(a)においてフロート1をA方向か
ら見た図、図4(a)はフロートを上面から見た図、図
4(b)は図3(a)においてフロート1をB方向から
見た図を示している。なお、フロート1の外面はスプロ
ケット5が設けられた下部中央矩形部Pを除いて鉄板で
覆われており、図3、図4はフロート1の内部構造を示
している。フロート1の大きさは、設備の規模等に応じ
て適宜選定することができるが、本実施例におけるフロ
ートの全体の大きさは直径2200mm、高さ3450
mmの円筒形である。
【0009】フロート1は所謂溶接構造物であり、フロ
ート1のフレーム6は100×100のH形鋼をベンダ
ーにて曲げ加工したリング状のものであり、これらが上
部、中部、下部の三個所に配置されている。そして、こ
れらフレーム6を8本のパイプ7にて串状に縦方向に溶
接で結合し、フロート1を構成している。フロート1の
下部には本発電設備の機構部10が配置されている。上
部中央にはこの機構部10のメンテナンス用のマンホー
ル9が設けられている。本発電設備稼動時には閉じられ
ており、図示しないガスケットにて海水が内部に浸入せ
ぬように構成されている。マンホール9の下部にはメン
テナンス用梯子8が設けられている。本溶接構造物は前
記したように肉厚1.2mm程度の鉄板にて下部中央矩
形部Pを除き全体が覆われておりフロート1を構成す
る。下部中央矩形部P内にはスプロケット5が設けられ
ており、下部中央矩形部Pは、ショートリンクチェーン
4がスプロケット5と噛み合い、波の上下動にしたがっ
てフロート1とショートリンクチェーン4を相対的に上
下動可能ならしめる為、下部に向かって開口している。
【0010】次に機構部10を説明する。図5、図6は
機構部10の構成を示す図であり、図5は、機構部10
を上面から見た図、図6(a)は図5における機構部1
0のB−B断面図、図6(b)は機構部10のA−A断
面図を示している。機構部10はスプロケットユニット
14、発電機11、可逆ユニット12、増速機13、カ
ップリング15から構成され、これらは、フレーム6に
取り付けられた支持部材10aに取り付けられている。
スプロケットユニット14は形鋼と丸棒、板材を使用し
た溶接構造物で箱状に構成され、中央部にはベアリング
で両端支持されたシャフト14aが配置され、スプロケ
ット5を2個持つ。ベアリングの近傍には、シール、O
リングが使用され、海水の内部浸入を防止する。本スプ
ロケットユニット14の最下部には図示しないガスケッ
トが敷き込まれており、前記同様海水の浸入防止の役割
を果たす。波の上下動に依る運動エネルギーはスプロケ
ット5の回転動力となり、カップリング15を通って増
速機13に入り、増速され可逆ユニット12へと導かれ
る。この可逆ユニット12の入力側の回転方向が逆転し
ても発電機11側への出力の回転方向は一定である。
【0011】次に可逆ユニット12を説明する。図7、
図8は可逆ユニット12の構成を示す図であり、図7
(a)は可逆ユニット12を入力側シャフト20方向か
ら見た図、図7(b)は図7(a)におけるZ−Z断面
図、図7(c)は可逆ユニット12を出力側のシャフト
21方向から見た図、図8(a)は図7(b)における
Y−Y断面図、図8(b)は図7(b)におけるX−X
断面図、図8(c)は図8(a)におけるU−U断面
図、図8(d)は図8(a)におけるW−W断面図〔図
8(a)に示した線に沿った展開図〕を示している。な
お、同図中では後述する動作説明図(図9、図10)中
に示されるスパーギア、ワンウェイクラッチ、電磁クラ
ッチの符号を括弧書きで示している。可逆ユニット12
は入力側ハウジング17,センターハウジング18、出
力側ハウジング19の3部材で覆われ、内部にはモジュ
ール4のスパーギア2種、スパーギア22が7個、スパ
ーギア23が3個、ワンウェイクラッチ24aが2個、
電磁クラッチ24bが1個内臓され、各部材はシャフト
とラディアルベアリング、ニードルベアリングで支持さ
れている。入力側シャフト20、出力側シャフト21の
根元にはオイルシールが装着され内部材潤滑用オイルの
漏れを防止する構造となっている。
【0012】次に可逆ユニット12の動作を説明する。
図9、図10は可逆ユニット12の動作説明図であり、
図9(a)は入力が時計回り、図9(b)は入力が反時
計回りの動作を示し、図10は発電機を電動機として機
能させたときの動作を示している。スパーギア34とス
パーギア32、電磁クラッチ42、スパーギア39のセ
ットは本ユニット機構部からあたかも上下方向に離れて
いるかのように記載されているが、これは動作説明上こ
のような記載方法を採っているものであり、図7、図8
に示すように実際はスパーギア34はスパーギア33と
スパーギア35に各々噛み合っており、スパーギア32
はスパーギア31と噛み合っている。同様にスパーギア
39はスパーギア37の真下に配置され互いに噛み合っ
ている。
【0013】動作説明に先立って約束事として、ワンウ
ェイクラッチ40、41の外輪は各々スパーギア36、
38に結合されている。ワンウェイクラッチ40、41
は本クラッチの内輪と係合するシャフトの回転方向と外
輪の回転方向が一致した場合のみクラッチ爪が噛み合っ
てシャフトの回転を外輪に伝達、あるいは外輪の回転を
内輪、シャフトへと伝達することとする。図中ワンウェ
イクラッチ40、41の外輪に沿って記載された斜めハ
ッチングを施した矢印方向が噛み合い方向であると決め
る。図9(a)の入力時計回りのときのフロート1の状
態は波の上昇中のときに相当し、同図(b)の入力反時
計回りのときのフロート1の状態は波の下降中のときに
相当すると決める。
【0014】(1)入力時計回りのときの説明〔図9
(a)〕 入力側シャフト20に与えられた入力方向が時計回りの
とき、スパーギア31は時計回りに回転する。スパーギ
ア31とスパーギア33はキーにて結合されておりスパ
ーギア33は時計回り回転、スパーギア34は反時計回
りに回転、スパーギア35は時計回りに回転する。しか
るにワンウェイクラッチ41の噛み合い方向とスパーギ
ア35の回転方向は逆の為、ワンウェイクラッチ41は
空転する。一方、スパーギア30は反時計方向に回転す
る。この回転はワンウェイクラッチ40の噛み合い方向
と同一方向の為ワンウェイクラッチ40は噛み合って、
スパーギア30の回転力はスパーギア36に伝達され、
スパーギア37は時計方向に回転する。なお、電磁クラ
ッチ42は、通常稼動時には通電せずクラッチは結合さ
れていない。スパーギア32、38、39は反時計方向
に空転する。
【0015】(2)入力反時計回りのときの説明〔図9
(b)〕 入力側シャフト20に与えられた入力方向が反時計回り
のとき、スパーギア31は反時計回りに回転する。スパ
ーギア30は時計回りに回転する。しかるにワンウェイ
クラッチ40の噛み合い方向とスパーギア30の回転方
向は逆の為、ワンウェイクラッチ40は空転する。スパ
ーギア33は反時計回り回転、スパーギア34は時計回
りに回転、スパーギア35は反時計回りに回転する。こ
の回転はワンウェイクラッチ41の噛み合い方向と同一
方向の為、ワンウェイクラッチ41は噛み合って、スパ
ーギア35の回転力はスパーギア38に伝達され、スパ
ーギア37は時計方向に回転する。電磁クラッチ42の
動作は、上記(1)の説明と同様である。スパーギア3
2は時計方向、スパーギア36、39は反時計方向に空
転する。かくして、フロート1に内蔵された発電機11
は波の上昇時にも下降時にも連続的に同一方向に回転力
を与えられ続け電力を生む。
【0016】(3)発電機側入力のときの説明(図1
0) 前記述まで発電機11として使用していた要素部材は元
来三相誘導電動機であるが、これに入力電流を外部より
加えて図中発電機側入力としてスパーギア37に与え
る。スパーギア37が反時計方向回転のとき、スパーギ
ア36、38は時計方向に回転する。しかるにワンウェ
イクラッチ40、41の噛み合い方向は反時計方向の
為、噛み合わない。したがって、図中スパーギア30、
31、33、34、35には電動機の回転力はこの経路
をして伝達されない。一方、スパーギア39は時計方向
に回転する。このとき電磁クラッチ42は通電された状
態であるとすると、両端のスパーギア32と39は機械
的に結合された状態の為、スパーギア32は時計方向に
回転、スパーギア31は反時計方向に回転する。スパー
ギア30、34は時計方向、スパーギア33、35は反
時計方向に空転する。
【0017】スパーギア31を出た回転力は、増速機1
3に入力される。本増速機13は元来減速機として使用
されているものを逆に増速機13として発電に利用して
いるもので、これにて電動機の回転速度は減速比分だけ
減速されるが、その分トルクが増大する。この増大され
た回転力はカップリング15、スプロケット5に伝達さ
れ、ショートリンクチェーン4を巻き取る。本ショート
リンクチェーン4は海底に設置されたテトラポット3に
結合されている為、相対的にフロート1は海中へと沈ん
で行く。フロート1が深度10〜15メートルに達する
と電動機への通電を切り、発電機11の後部端に具備さ
れた図示しない電気式ブレーキに通電する。本電気式ブ
レーキは通電しない状態ではバネによって機械的に電動
機軸の拘束をしない方向に働き、通電時のみ電動機軸を
拘束する機能を有する。従って、フロート1は海中に静
止したままの状態となる。
【0018】次に、フロート1を海上に戻すときの動作
を説明する。図10において、発電機側入力のスパーギ
ア31には図中記載と逆方向の時計回りの回転力がフロ
ート1の浮力によって与えられており、電気式ブレーキ
解除と電磁クラッチ42の解除によって図9(a)の入
力時計回りと同一方向の回転力がスパーギア31に加え
られ発電機11は外部浮力によって回転を与えられる。
かくしてフロート1は徐々に上昇し、しばらくの時間の
後、海上に復帰する。復帰後、電磁クラッチ42の通電
を解除すれば本発電設備は正常稼動を開始する。なお、
仮に、ワンウェイクラッチ40、41の噛み合い方向を
両方とも、前記方向と逆にした場合、(1)入力時計回
りと(2)入力反時計回りは機構として成り立つが、
(3)発電機側入力は成り立たない。
【0019】次に本発電設備を海上に多数敷設した発電
設備群の説明をする。図11は発電設備群の概要説明図
である。同図に示すようにフロート1は係合体50によ
ってフロート1の回りを互いに係合されている。係合体
50は図12に示すように、左右に配置されたブラケッ
ト53に軸51が通され、リンク52を支持している。
リンク52は軸51を中心に回転自由である。すなわ
ち、本係合体50による四方への拘束は固定にあらず、
波の上下動によるエネルギー吸収の妨げとはならない程
度に上下方向及び水平方向に対してある程度の自由度を
持つ。図11のように、係合体50により連結されたフ
ロート1を多数配置した発電設備群は波の搬送力や上下
動によってフロート1が互いに干渉し合うのを防ぐこと
ができる。
【0020】次に本発電設備の発電量について説明す
る。説明の為に以下に一つの例として条件を列挙する。
なお、本例は前記述までに図面に使用されている機械要
素部材を使用したものであり、下記の1),2),3)
は総て市販されている生産財である。 1)発電機 5.5KW6極200V60HZ三
相誘導電動機 2)増速機 速度比40 3)スプロケット PCD=Φ193.65 4)錘 海中での重量 4000Kg 5)浅海波 周期10秒 波高2メートル 図13は発電機11とスプロケット5の回転数変化を示
したグラフである。横軸は波の周期を示し、縦軸は発電
機とスプロケットの一分間あたりの回転数を示す。図中
山なりの回転数ピークが2個所見られるが、一方がフロ
ート1が波の頂上に持ち上げられたときの回転数ピーク
であり、もう一方がフロート1が波の底に達したときの
回転数ピークである。もしフロートが波の上昇時または
下降時のいずれか一方の運動エネルギーしか発電に利用
できないとすると、本図にはピークが一周期中一つしか
できないことになり発電効率が悪くなる。
【0021】もし仮に可逆ユニット12を付加しない発
電設備の場合は、本図中のピークのいずれか一方が回転
数0rpmの横軸を対称とする曲線を描くが波の上下動
に従う発電機11や増速機13の連続回転運動を一周期
中一回逆転せねばならなくなる。増速機13の出力側た
る発電機11の慣性モーメントは増速比の2乗で160
0倍もの値となり瞬時の発電機11の逆転動作を妨げる
こととなる。しかるに可逆ユニット12の機能にて波の
上下動いずれの場合にても発電機11の回転方向は同一
の為、本図の如くピークが二つでき効率の良い発電が可
能である。6極60HZの発電機11の同期速度は12
00rpmである。これ以上の回転数にて三相誘導電動
機は三相誘導発電機となり発電がおこなわれる。滑りが
5%とすると1260rpmの回転数にて定格の出力が
得られる。本図中5.5KWの例にては1260rpm
にて3.6KW、最高回転数2400rpm近傍にて2
1.4KW程度の発電量となる。本図中山なりのカーブ
にて1200rpm以上の面積を積分したものが総発電
量となる。概算にて14kwh程度となる。
【0022】図13の曲線変化は波の単弦波コサインカ
ーブを単純に発電機回転数として表現したものである
が、実際には発電機ローター及び回転部材の慣性モーメ
ントにより一つ目のピークから下降する曲線は170〜
180rpmまで下がらず中央部の落ち込みはある程度
緩和され、本図の如く急峻ではなくなる。この回転体の
慣性モーメントを増大させたものとして発電機のシャフ
トにフライホイールを直結することにより、前記発電量
を増大させることも可能である。なお、本発電設備は波
高1メートル以上にて発電可能である。本実施例は最小
規模のものを示しているが、各機械要素部材の強度が破
断のそれ以下になるように設計すれば、ある程度の大型
化が可能である。また、上記実施例では発電機11とし
て三相誘導電動機を用いる場合を示したが、発電機とし
て同期発電機等のその他の発電機を用いることもでき
る。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように本発明においては、
以下の効果を得ることができる。 (1)発電設備を、海底に設置されたテトラポットと、
一端が上記テトラポットに係合し他端に錘が取り付けら
れたショートリンクチェーンと、発電機と上記ショート
リンクチェーンに係合するスプロケットとを備えたフロ
ートから構成したので、比較的コンパクトな設備によ
り、波力を利用した効率的な発電を行うことが可能とな
る。また、海上に大規模な設備を設置する必要がないの
で、発電コストの低減化を図ることができる。 (2)スプロケットと発電機を、入力軸の回転方向にか
かわらず常に出力軸を同一方向に回転させる可逆ユニッ
トを介して連結したので、波の上下動にかかわらず常に
発電機の回転方向を同一にすることができ、高効率な発
電が可能となる。
【0024】(3)津波等の海洋異状時、上記発電機を
電動機として機能させ、スプロケットを回転させフロー
トを海中に沈めるように構成したので、津波等の海上異
常時に、フロートを、海上の波の乱高下の影響を受け難
い海中に沈めることができ、発電設備の破壊を防ぐこと
ができる。また、発電機を電動機として機能させフロー
トを沈めているので、そのための特別の動力源を必要と
せず、装置をコンパクトに構成することができる。さら
に、比較的簡単な操作でフロートを沈めることが可能と
なる。 (4)フロートを相互に上下動が可能なように係合体に
て結合した発電設備を水深35〜50mの海域に多数敷
設することにより、波の横方向搬送力による発電設備の
相互干渉を防止し、自然エネルギーから効率的に電力を
取り出すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の発電設備に関する概略図
(1)である。
【図2】本発明の実施形態の発電設備に関する概略図
(2)である。
【図3】フロート1の構成を示す図(1)である。
【図4】フロート1の構成を示す図(2)である。
【図5】機構部10の構成を示す図(1)である。
【図6】機構部10の構成を示す図(2)である。
【図7】可逆ユニット12の構成を示す図(1)であ
る。
【図8】可逆ユニット12の構成を示す図(2)であ
る。
【図9】可逆ユニット12の動作説明図(1)である。
【図10】可逆ユニット12の動作説明図(2)であ
る。
【図11】発電設備群の概要説明図である。
【図12】係合体50の構成を示す図である。
【図13】発電機とスプロケットの回転数変化を示した
グラフである。
【符号の説明】 1 フロート 2 錘 3 テトラポット 4 ショートリンクチェーン 5 スプロケット 6 フレーム 7 パイプ 8 梯子 9 マンホール 10 機構部 11 発電機 12 可逆ユニット 13 増速機 14 スプロケットユニット 15 カップリング 17 入力側ハウジング 18 センターハウジング 19 出力側ハウジング 20 入力側シャフト 21 出力側シャフト 22 スパーギア 23 スパーギア 24a ワンウェイクラッチ 24b 電磁クラッチ 30 スパーギア 31 スパーギア 32 スパーギア 33 スパーギア 34 スパーギア 35 スパーギア 36 スパーギア 37 スパーギア 38 スパーギア 39 スパーギア 40 ワンウェイクラッチ 41 ワンウェイクラッチ 42 電磁クラッチ 50 係合体 51 軸 52 リンク 53 ブラケット

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 海岸からそう遠くない水深35〜50m
    の海域に設けられる発電設備であって、 海底に設置されたテトラポットと、 一端が上記テトラポットに係合し、他端に錘が取り付け
    られたショートリンクチェーンと、 発電機と、上記ショートリンクチェーンに係合するスプ
    ロケットと、上記スプロケットの回転方向にかかわらず常に上記発電
    機を同一方向に回転させるとともに、発電機が電動機と
    して機能したとき、発電機の電動機としての回転力を上
    記スプロケットに伝達する機構を具備する可逆ユニット
    とを備えた フロートから構成され、 上記フロートが波の上下動に応じて上昇、下降するとき
    に生ずるスプロケットの回転力を上記発電機に伝達して
    発電を行い、 津波等の海洋異状時、上記発電機を電動機として機能さ
    せ、上記機構を利用してスプロケットを回転させ、フロ
    ートを海中に沈める ことを特徴とする波力を利用した発
    電設備。
  2. 【請求項2】請求項1の発電設備を水深35〜50mの
    海域に多数敷設し、各発電設備のフロートを相互に上下
    動が可能なように係合体にて結合したことを特徴とする
    波力を利用した発電設備。
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