JPWO2008026506A1 - 光学ヘッドおよび光ディスク装置 - Google Patents

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Abstract

光ディスク上でのサブビームの光スポットに発生する収差の低減と、小型化、薄型化とを両立させた光学ヘッドを提供する。3ビーム方式の光学ヘッドにおいて、赤外半導体レーザ及び赤色半導体レーザから出射された光を1つのメインビームと2つのサブビームとに分岐する回折素子12が、2つのサブビームのうちの一方のサブビームと他方のサブビームに対して同一のレンズ作用を与えるように、一方のサブビームが通過する領域121と他方のサブビームが通過する領域122とで異なる格子パターンを有する。

Description

本発明は、光ディスクのような情報記録媒体に対して情報信号を記録および/または再生する際に用いられる光学ヘッド、およびかかる光学ヘッドを搭載した光ディスク装置に関する。
従来から、いわゆる3ビーム方式の光学ヘッドが知られている。図8は、従来の光学ヘッドの概略構成図である(例えば、特許文献1、2参照)。図8において、レーザ光源51から出射されたレーザ光は、等ピッチの格子パターンが一様に形成された回折素子52によって、回折されない0次光(以下、メインビームという)と、回折および偏向された2つの±1次光(以下、2つのサブビームという)とに分岐され、メインビームと2つのサブビームは、ビームスプリッタ53を透過し、コリメートレンズ54によって発散光から平行光に変えられ、対物レンズ55によって光ディスク57上に集光されて、1つのメインスポットと2つのサブスポットからなる3つのスポットが生成される。
図9は、図8に示す回折素子52を備えた光学ヘッド50を用いた場合の光ディスク57上での3つのスポットの位置関係を示す模式図である。図9において、2つのサブスポット63、64は、それぞれ、メインスポット62に対して、情報トラック61に沿った方向で間隔Yだけ離れて配置され、また情報トラック61とは垂直な径方向で1/2トラックピッチ(Tp/2)だけ内周方向と外周方向に離れて配置される。
光ディスク57で反射されたメインビームと2つのサブビームは、対物レンズ55、コリメートレンズ54を再び透過し、ビームスプリッタ53で反射され、検出レンズ58によって受光素子59上の異なる位置に設けられた3つの4分割光検出器にそれぞれ導かれる。
図10は、図8に示す受光素子59上の3つの4分割光検出器の構成を示す模式図である。図10において、4分割光検出器71はメインスポット62を受けて、4分割光検出器71により検出された信号は、情報信号を再生するために用いられる。また、2つの4分割光検出器72、73はそれぞれサブスポット63、64を受けて、2つの4分割光検出器72、73により検出された信号は、トラッキング誤差信号とフォーカス誤差信号を生成するために用いられる。これらトラッキング誤差信号とフォーカス誤差信号とからそれぞれ生成されたトラッキングサーボ信号(TS)とフォーカスサーボ信号(FS)が、図8に示す対物レンズ55を2軸駆動するアクチュエータ56に供給され、光ディスク57の情報トラックに対する光スポットのトラッキングサーボとフォーカスサーボが行われる。
しかしながら、上記従来の光学ヘッドでは、回折素子52により分岐された2つのサブビームは、対物レンズ55に対し軸外光になるため、光ディスク57上のサブスポットはデフォーカス、非点収差、コマ収差等の収差を持った光スポットになる。ここで、光ディスク57上の情報トラック61に沿った方向における、メインスポットとサブスポットとの間隔Y(図9)は、対物レンズ55の焦点距離をfと定義し、サブビームが対物レンズ55に入射する角度をθと定義した場合、Y=f×tanθで与えられる。メインスポットとサブスポットとの間隔Yは、受光素子59上の3つの4分割光検出器71、72、73でメインビームと2つのサブビームを分離して検出する必要があるため、光ディスク57としてDVDを用いた場合、概ね15〜25μmに設定される。
上記間隔Yが一定であれば、対物レンズ55の焦点距離fに反比例して対物レンズ55へのサブビームの入射角度θは大きくなる。光学ヘッドを小型化、薄型化するためには、対物レンズ55の焦点距離fを短くする必要があり、入射角度θは大きくなる。これにより、光ディスク57上でのサブスポットは、さらに収差を持った光スポットになる。そのため、2つの4分割光検出器72、73でサブビームを受けて検出された信号から生成されるトラッキング誤差信号とフォーカス誤差信号の品質が低下し、高精度で安定なトラッキングサーボおよびフォーカスサーボが困難になる、という問題があった。
特許第3661694号公報 特開平11−259906号公報
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、光ディスク上のサブスポットに発生する収差の低減と、小型化、薄型化とを両立させた光学ヘッドを提供するとともに、かかる光学ヘッドを搭載することにより、高精度で安定なトラッキングサーボおよびフォーカスサーボを実現した光ディスク装置を提供することにある。
本発明の一局面に係る光学ヘッドは、光を出射する光源と、前記光源から出射された光を、回折されない主光束と回折および偏向された一対の副光束とに分岐する回折素子と、前記回折素子により分岐された前記主光束と前記一対の副光束を光ディスク上に集光させる対物レンズとを備え、前記回折素子は、前記一対の副光束のうちの一方の副光束と他方の副光束に対して同一のレンズ作用を与えるように前記一方の副光束が通過する領域と前記他方の副光束が通過する領域とで異なる格子パターンを有する。
この構成によれば、回折素子が、一方の副光束と他方の副光束に対して異なる格子パターンを通過させて同一のレンズ作用を与えるので、焦点距離の短い対物レンズを用いたとしても、光ディスク上に集光された一対の副光束の光スポットに発生する収差を補正することができる。これにより、光ディスク上のサブスポットに発生する収差の低減と、小型化、薄型化とを両立させた光学ヘッドを提供することが可能になる。
本発明の他の局面に係る光ディスク装置は、光ディスクに対して情報信号の記録および/または再生を行う光ディスク装置であって、前記光ディスクを回転させるスピンドルモータと、本発明に係る光学ヘッドであり、前記光ディスクで反射された前記主光束と前記一対の副光束を受光してそれぞれの光束の光量に対応した電気信号に変換する受光素子と、前記光ディスクに対して前記対物レンズを上下方向および径方向に駆動するアクチュエータとを備えた光学ヘッドと、前記光学ヘッドの前記受光素子から受け取った電気信号からトラッキング誤差信号およびフォーカス誤差信号を生成する信号処理部と、前記スピンドルモータの駆動を制御するとともに、前記信号処理部から受け取った前記トラッキング誤差信号および前記フォーカス誤差信号に基づき、前記光学ヘッドの前記アクチュエータの駆動を制御して前記光ディスクに対するトラッキングサーボおよびフォーカスサーボを行う制御部とを備える。
この構成によれば、前記光学ヘッドを用いることで、サブスポットに発生する収差を低減することができ、トラッキング誤差信号およびフォーカス誤差信号の品質を向上させることができるので、高精度で安定なトラッキングサーボおよびフォーカスサーボを実現した光ディスク装置を提供することが可能になる。
本発明によれば、サブスポットの収差の低減と小型化、薄型化とを両立させた光学ヘッドを提供するとともに、かかる光学ヘッドを搭載することにより、高精度で安定なトラッキングサーボおよびフォーカスサーボを実現した光ディスク装置を提供することが可能になる。
本発明の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
本発明の実施の形態1に係る光学ヘッドの概略構成図である。 図1の光学ヘッドにおける回折素子の格子パターンを示す平面図である。 本発明の実施の形態2に係る光学ヘッドにおける回折素子の格子パターンを示す平面図である。 実施の形態3に係る回折素子の格子パターンを形成する際の光学系配置を示す図である。 本実施の形態3における回折素子の格子パターンを示す平面図である。 1対のサブビームが重なる場合における回折素子の格子パターンを示す平面図である。 本発明の実施の形態4に係る光ディスク装置の概略構成を示す機能ブロック図である。 従来の光学ヘッドの概略構成図である。 図8に示す回折素子を備えた光学ヘッドを用いた場合の光ディスク上での3つのスポットの位置関係を示す模式図である。 図9に示す受光素子上の3つの4分割光検出器の構成を示す模式図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る光学ヘッドの概略構成を示す断面図である。図1において、本実施の形態1の光学ヘッドは、CD(Compact Disc)とDVD(Digital Versatile Disc)の両光ディスク18に対応した3ビーム方式の光学ヘッド1であり、CD用光源としての赤外半導体レーザ11と、赤外レーザビーム用の回折素子12と、ビームスプリッタ13と、コリメートレンズ14と、立上げミラー15と、光ディスク18上にレーザビームを集光させる対物レンズ16と、対物レンズ16用のアクチュエータ17と、DVD用光源としての赤色半導体レーザ19と、赤色レーザビーム用の回折素子20と、ダイクロックミラー21と、検出レンズ22と、受光素子23とから構成されている。なお、以下では、CDとDVDの両光ディスクに対して同一の符号18を付して説明を行う。
赤外半導体レーザ11から出射された波長帯域780nm〜820nmの赤外レーザビームは、回折素子12により、回折されない0次光であるメインビームと回折および偏向された±1次光である2つのサブビームとに分岐され、メインビームと2つのサブビームは、ビームスプリッタ13で反射され、コリメートレンズ14により発散光から平行光に変えられ、立上げミラー15で反射されて上方へと進み、対物レンズ16によりCD18上に集光され、図9に示すような情報トラックに対してメインスポットと2つのサブスポットが形成される。
CD18で反射されたメインビームと2つのサブビームは、対物レンズ16、立上げミラー15、およびコリメートレンズ14を経て、ビームスプリッタ13およびダイクロックミラー21を透過して、検出レンズ22により受光素子23上の、図10に示すような3つの4分割光検出器へと分離および集光されて、3つの4分割光検出器により、メインビームと2つのサブビームのそれぞれの光量に対応した電気信号として検出される。
一方、赤色半導体レーザ19から出射された波長帯域630nm〜680nmの赤色レーザビームは、回折素子20により、回折されない0次光であるメインビームと回折および偏向された±1次光である2つのサブビームとに分岐され、メインビームと2つのサブビームは、ダイクロックミラー21で反射され、ビームスプリッタ13を透過し、コリメートレンズ14により発散光から平行光に変えられ、立上げミラー15で反射されて上方へと進み、対物レンズ16によりDVD18上に集光され、図9に示すような情報トラックに対してメインスポットと2つのサブスポットが形成される。
DVD18で反射されたメインビームと2つのサブビームは、対物レンズ16、立上げミラー15、およびコリメートレンズ14を経て、ビームスプリッタ13およびダイクロックミラー21を透過して、検出レンズ22により受光素子23上の、図10に示すような3つの4分割光検出器へと分離および集光されて、3つの4分割光検出器により、メインビームと2つのサブビームのそれぞれの光量に対応した電気信号として検出される。
図2は、本実施の形態1における回折素子12、20の格子パターンを示す平面図である。なお、以下では、赤外レーザビーム用の回折素子12について説明するが、赤色レーザビーム用の回折素子20についても、赤外レーザビーム用の回折素子12と同様の格子パターンを有している。
図2において、回折素子12は、CD18の情報トラックの方向に対応した中央の分割線123により、第1の領域121と第2の領域122とに分割され、2つのサブビームのうち一方のサブビーム124aが第1の領域121を通過し、他方のサブビーム124bが第2の領域122を通過するように、赤外半導体レーザ11に近接して配置される。なお、符号125は、回折素子12を通過するメインビームを示している。
回折素子12の第1の領域121と第2の領域122は、一方のサブビーム124aと他方のサブビーム124bとに同一の凹レンズ作用を与えるように、情報トラックに沿った方向で対向する両縁部126と127に向かって格子ピッチPが大きくなる(P1<P2)とともに湾曲する格子パターンを有し、第1の領域121の格子パターンと第2の領域122の格子パターンとは、光軸(メインビーム125の中心軸)周りに回転対称である異なる形状を有する。
すなわち、回折素子12は、CD18の情報トラックに沿った方向に垂直に交わる方向に沿った回折素子12の中央を通る直線で第1の領域121と第2の領域122とに分割され、第1の領域121の格子パターンと第2の領域122の格子パターンとは光軸周りに回転対称である。
ここで、情報トラックに沿った方向で対向する両縁部126と127から中央の分割線123に向かって、格子パターンは、湾曲した形状から徐々に直線形状に近づいている。
以上のように、本実施の形態1によれば、回折素子12、20が、一方のサブビームと他方のサブビームに対して異なる格子パターンを通過させて同一の凹レンズ作用を与えるので、焦点距離の短い対物レンズ16を用いたとしても、対物レンズの像面湾曲によるデフォーカスや非点収差等、CDやDVDなどの光ディスク18上に集光された一対のサブビームの光スポットに発生する収差を補正することができる。これにより、サブスポットの収差の低減と小型化、薄型化とを両立させた光学ヘッドを提供することが可能になる。
また、第1の領域121の格子パターンと第2の領域122の格子パターンとは光軸周りに回転対称であるので、一方のサブビームと他方のサブビームに対して同一のレンズ作用を与える異なる格子パターンを容易に形成することができる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2が、実施の形態1と相違するのは、2つのサブビームが回折素子を通過する領域および回折素子の構成であり、その他の構成は、実施の形態1と同じであるので、詳細な説明を省略する。以下では、実施の形態1との相違点について説明する。
図3は、本発明の実施の形態2に係る光学ヘッドにおける回折素子の格子パターンを示す平面図である。図3において、本実施の形態2の回折素子12は、一方のサブビーム128aと他方のサブビーム128bとが情報トラックに沿った方向に対応した中央部129で部分的に重なって通過するように、赤外半導体レーザ11に近接して配置される。なお、赤外半導体レーザ11と回折素子12との間隔は、例えば1.0mm〜1.5mmであり、実施の形態1のように、2つのサブビームを完全に分離する場合よりも、その間隔を大きくすることができる。
回折素子12の中央部129は、一方のサブビーム128aの一部および他方のサブビーム128bの一部をそれぞれ一方のサブビーム128aの残部および他方のサブビーム128bの残部とは異なる方向に回折する、すなわち一方のサブビーム128aと他方のサブビーム128bとが重なった部分については光ディスク18上でのサブスポットの形成に関与しないように、より細かなピッチの格子、または、格子の延伸する方位を変えた格子パターンを有する。
すなわち、回折素子12は、一方のサブビーム128aと他方のサブビーム128bとがCD18の情報トラックに沿った方向に垂直に交わる方向に沿った回折素子12の中央部129で部分的に重なって通過するように、赤外半導体レーザ11に近接して配置され、一方のサブビーム128aと他方のサブビーム128bとが部分的に重なる中央部129は、一方のサブビーム128aの一部および他方のサブビーム128bの一部を、一方のサブビーム128aの残部および他方のサブビーム128bの残部とはそれぞれ異なる方向に回折する格子パターンを有する。
ここで、仮に上記したような中央部129が存在せず、図2のような格子パターン上で2つのサブビームが重なっているとする。重なっている領域では、±1次回折光として2つのサブビームが生成されるが、±1次回折光に同一の凹レンズ作用を与えることは不可能なため、良好な収差補正ができなくなる。
一方、本実施の形態2によれば、中央部129を通過した2つのサブビームの一部を光ディスク18上に集光させないようにすることで、実施の形態1に比べて、回折素子12上で2つのサブビームの部分的重なりを許容することができる。そのため、回折素子12と赤外半導体レーザ11との間隔を大きくすることができ、通過するビーム径を大きくすることができるため、赤外半導体レーザ11と回折素子12との位置合わせ、および赤色半導体レーザ19と回折素子20との位置合わせを高精度で行う必要がなくなり、製造コストを下げることができる。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3に係る光学ヘッドについて説明する。実施の形態1,2に係る光学ヘッドの回折素子は、光ディスクの情報トラックの方向に垂直に交わる方向に沿った回折素子の中央の分割線により、第1の領域と第2の領域とに分割され、第1の領域と第2の領域は、情報トラックに沿った方向で対向する両縁部に向かって格子ピッチが大きくなるとともに湾曲する格子パターンを有している。これに対し、実施の形態3に係る光学ヘッドの回折素子は、第1の領域と第2の領域とに分割されるのではなく、光ディスクの情報トラックに沿った方向に対応した中央付近に、情報トラックに垂直な方向に延伸する直線形状の直線格子と、その直線格子に対して概ね線対称であり、光ディスクの情報トラックに沿った方向で対向する両縁部に向かって、格子ピッチが大きくなるとともに湾曲する円弧状の格子とを含む連続的な格子パターンを有している。
図4は、実施の形態3に係る回折素子の格子パターンを形成する際の光学系配置を示す図である。図4に示す2光束干渉光学系140は、2光束干渉により回折素子に干渉縞を形成する。2光束干渉光学系140は、第1の光源141、第2の光源142、回折素子143、コリメートレンズ144及び対物レンズ145を備える。回折素子143は、前述の光学系をコンピュータシミュレーション上で構築し、回折素子143上に干渉縞パターンを数値計算で発生させ、その干渉縞パターンをフォトマスクとして作成し、フォトリソグラフ等により、ガラス基板などの透明材料に回折格子を形成させることにより作成される。
第1の光源141は、光ディスク146までの距離が光学ヘッドの光源から光ディスクまでの距離と同じとなる位置に配置され、光学ヘッドと同じ波長、例えば、波長帯域780nm〜820nmの赤外レーザビームを出射する。
第2の光源142は、一対のサブビームのうちの一方のサブビームの光ディスク146上の光スポットと共役となる位置に配置され、第1の光源141と同じ波長帯域の赤外レーザビームを出射する。また、第2の光源142は、第1の光源141から回折素子143の中心までの距離D1と、第2の光源142から回折素子143の中心までの距離D2とが略一致するように配置される。
なお、以下では、赤外レーザビーム用の回折素子143について説明するが、赤色レーザビーム用の回折素子についても、赤外レーザビーム用の回折素子143と同様の格子パターンを有している。赤色レーザビーム用の回折素子に格子パターンを形成する場合、第1の光源141及び第2の光源142はそれぞれ赤色レーザビームを出射する。
回折素子143は、一対のサブビームのそれぞれのサジタル光線の焦点位置と、メインビームのサジタル光線の焦点位置とを一致させるようなレンズ作用を備える格子パターンを有する。すなわち、回折素子143の格子パターンは、不図示の受光素子によって検出されるメインビームのプッシュプル信号の振幅のピーク値と1対のサブビームのプッシュプル信号の振幅のピーク値とが同じ焦点位置で一致するようなレンズ作用を備える。回折素子143は、第1の光源141と第2の光源142とから照射される光により干渉縞パターンが形成される。
コリメートレンズ144は、第1の光源141及び第2の光源142によって出射された光を発散光から平行光に変換する。対物レンズ145は、コリメートレンズ144を通過した光を光ディスク146上に集光する。
図5は、本実施の形態3における回折素子143の格子パターンを示す平面図である。なお、以下では、赤外レーザビーム用の回折素子143について説明するが、赤色レーザビーム用の回折素子についても、赤外レーザビーム用の回折素子143と同様の格子パターンを有している。
図5において、回折素子143は、光ディスク146の情報トラックに沿った方向に対応した中央付近に、情報トラックに垂直な方向に延伸する直線形状の直線格子151と、直線格子151に対して概ね線対称であり、光ディスク146の情報トラックに沿った方向で対向する両縁部155,156に向かって、格子ピッチが大きくなるとともに湾曲する円弧状の格子152とを含む連続的な干渉縞パターンを有する。
なお、回折素子143は、2つのサブビームのうち一方のサブビーム153aが直線格子151よりも下方を通過し、他方のサブビーム153bが直線格子151よりも上方を通過し、サブビーム153aと153bとが重ならないように、第1の光源141に近接して配置される。なお、符号154は、回折素子143を通過するメインビームを示している。
回折素子143は、一方のサブビーム153aと他方のサブビーム153bとに同一の凹レンズ作用を与えるように、中央部から情報トラックに沿った方向で対向する両縁部155と156に向かって格子ピッチPが大きくなる(P1<P2)とともに湾曲する格子パターンを有する。
ここで、情報トラックに沿った方向で対向する両縁部155と156から中央の直線格子151に向かって、格子パターンは、湾曲した形状から徐々に直線形状に近づいている。
2光束干渉の干渉縞パターンは、第1の光源141から回折素子143の中心点までの距離D1と、第2の光源142から回折素子143の中心点までの距離D2とが等しいとき、回折素子143の中央に直線状の干渉縞(直線格子151)が生じ、この直線格子の上下にはほぼ対称な円弧状の干渉縞が生じる。この距離D1とD2とに差が生じた場合、直線格子151が生じる位置は、回折素子143の中心から上下方向にずれることとなる。
このように、一対のサブビームのそれぞれのサジタル光線の焦点位置と、メインビーム主光束のサジタル光線の焦点位置とを一致させるようなレンズ効果を備える格子パターンを回折素子143に形成することで、回折素子143に一方のサブビームが通過する領域と他方のサブビームが通過する領域とで異なる格子パターンを容易に形成することができる。
また、光学ヘッドの光源と同じ位置に第1の光源141が配置され、一対のサブビームのうちの一方のサブビームの光ディスク146上の光スポットと共役となる位置に配置されるとともに、回折素子143の中心までの距離が第1の光源141から回折素子143の中心までの距離と略一致するように第2の光源142が配置され、第1の光源141と第2の光源142とから照射される光により回折素子143に干渉縞パターンが形成されるので、回折素子143に一方のサブビームが通過する領域と他方のサブビームが通過する領域とで異なる格子パターンを容易に形成することができる。
次に、本実施の形態3において、上記の回折素子143を用いた光学ヘッドの動作について説明する。なお、実施の形態3における光学ヘッドの構成は、図1に示す光学ヘッド1の構成とほぼ同じであり、回折素子12を回折素子143に替えただけであるので、実施の形態3に係る光学ヘッドの動作については図1を用いて説明する。
光学ヘッド1の赤外半導体レーザ11は、第1の光源141と概ね同じ位置に配置される。回折素子143によって回折された1対のサブビームのうち、一方のサブビームは、第2の光源142の位置から発する無収差の光束となり、他方のサブビームは、第1の光源141を対称の中心とし、第2の光源142と概ね点対称となる位置から発する無収差の光束となる。第1の光源141から回折素子143の中心点までの距離D1と、第2の光源142から回折素子143の中心点までの距離D2とが等しい場合、回折素子143の干渉縞パターンは、回折素子143の中心線に対して概ね線対称となる。そのため、回折素子143によって回折された一対のサブビームは、共にほぼ無収差の光束となる。
以上のように、本実施の形態3によれば、回折素子143が、一方のサブビームと他方のサブビームに対して異なる格子パターンを通過させて同一の凹レンズ作用を与えるので、焦点距離の短い対物レンズ16を用いたとしても、対物レンズ16の像面湾曲によるデフォーカスや非点収差等、CDやDVDなどの光ディスク18上に集光された一対のサブビームの光スポットに発生する収差を補正することができる。これにより、サブスポットの収差の低減と小型化、薄型化とを両立させた光学ヘッドを提供することが可能になる。
また、回折素子143は、光ディスク146の情報トラックに沿った方向に垂直に交わる方向に延伸し、かつ回折素子143の中央付近を通る直線形状の直線格子151と、直線格子151に対して概ね線対称であり、光ディスク146の情報トラックに沿った方向で対向する両縁部155,156に向かって、格子ピッチPが大きくなるとともに湾曲する円弧状の格子152とを含む連続的な干渉縞パターンが形成される。
したがって、回折素子143に2光束干渉による連続的な干渉縞パターンが形成されるので、実施の形態1,2と同様の効果を有しながら、1対のサブビームが通過する領域を厳密に分ける必要が無く、光学系の配置の自由度を広げることができる。特に、第1の光源141から回折素子143の中心点までの距離D1を長くするにしたがって、従来の均一な直線の格子パターンに漸近的に近づくため、回折素子143を光源に近接して配置する場合により一層大きな効果を奏することができる。
なお、回折素子143は、光ディスク146の情報トラックに沿った方向に対応した中央付近に、情報トラックに垂直な方向に延伸する直線形状の直線格子151を有し、その直線格子151と、回折素子143の中心(メインビームの光軸が回折素子143を通過する点)との距離が、回折素子143の有効径の1/4以下となる干渉縞パターンを有することが望ましい。直線格子151と回折素子143の中心との距離が回折素子143の有効径の1/4よりも大きくなった場合、干渉縞パターンの対称性が崩れすぎ、1対のサブビームのうちの一方のサブビームは凹レンズ効果が与えられ、他方のサブビームは凸レンズ効果が与えられるため、2つのサブビームの焦点位置にずれが生じることとなる。
このように、回折素子143の直線格子151と、回折素子143の中心(メインビームの光軸が回折素子143を通過する点)との距離が、回折素子143の有効径の1/4以下となる干渉縞パターンが形成される。これにより、干渉縞パターンの直線格子151に対する対称性を確保することができ、回折素子143によって回折された1対のサブビームを共にほぼ無収差の光束にすることができる。
なお、直線格子151と回折素子143の中心との距離は回折素子143の有効径の1/8以下であることがさらに望ましい。これにより、干渉縞パターンの対称性を充分に確保することができ、回折素子143によって回折された1対のサブビームを共にほぼ無収差の光束とすることができる。
また、本実施の形態では、1対のサブビームが互いに重ならないように第1の光源141及び第2の光源142を配置して回折素子143に干渉縞パターンを形成しているが、本発明は特にこれに限定されず、1対のサブビームが回折素子143の中央部付近で重なるように第1の光源141及び第2の光源142を配置して回折素子143に干渉縞パターンを形成してもよい。
図6は、1対のサブビームが重なる場合における回折素子143の格子パターンを示す平面図である。図6に示すように、回折素子143は、2つのサブビームのうち一方のサブビーム153aと、他方のサブビーム153bとが直線格子151付近で重なるように、第1の光源141に近接して配置される。なお、一方のサブビーム153aと、他方のサブビーム153bとの重なりの範囲は、互いのビームの中心を含まない範囲であることが好ましい。
このように、許容される範囲内であれば、一方のサブビーム153aと他方のサブビーム153bとが情報トラックに沿った方向に対応した中央部で部分的に重なって通過するように、赤外半導体レーザ11又は赤色半導体レーザ19を配置してもよい。この場合、回折素子143と赤外半導体レーザ11との間隔を大きくすることができ、通過するビーム径を大きくすることができるため、赤外半導体レーザ11と回折素子143との位置合わせを高精度で行う必要がなくなり、製造コストを下げることができる。
(実施の形態4)
図7は、本発明の実施の形態4に係る光ディスク装置の概略構成を示す機能ブロック図である。本実施の形態4の光ディスク装置40は、光学ヘッド1と、光ディスク18と、スピンドルモータ41と、トラバースモータ42と、信号処理部43と、制御部44とから構成されている。
光学ヘッド1は、図1に示すような、実施の形態1または実施の形態2の光学ヘッド1である。スピンドルモータ41は、制御部44により供給される回転制御信号に基づき、一定の回転数または一定の角速度で光ディスク18を回転させる。トラバースモータ42は、制御部44により供給される移動制御信号に基づき、光学ヘッド1を光ディスク18の径方向の所定位置へと移動させる。
信号処理部43は、外部から供給された情報信号を変調して光学ヘッド1に送り、また光学ヘッド1により検出されたメインビームの光量に対応した電気信号を受けて情報信号を復調し、さらに光学ヘッド1の3つの4分割光検出器により検出されたメインビームと2つのサブビームの光量に対応した電気信号からトラッキング誤差信号TEとフォーカス誤差信号FEとを生成して、制御部44に送る。
制御部44は、スピンドルモータ41およびトラバースモータ42の駆動を制御するとともに、信号処理部43から受け取ったトラッキング誤差信号TEおよびフォーカス誤差信号FEから、トラッキングサーボ信号TSおよびフォーカスサーボ信号FSを生成し、光学ヘッド1の対物レンズ16用のアクチュエータ17(図1)の2軸駆動を制御して光ディスク18に対するトラッキングサーボおよびフォーカスサーボを行う。
以上のように、本実施の形態4によれば、実施の形態1または実施の形態2の光学ヘッド1を用いることで、光ディスク18上のサブスポットに発生する収差を低減することができ、トラッキング誤差信号TEおよびフォーカス誤差信号FEの品質を向上させることができるので、高精度で安定なトラッキングサーボおよびフォーカスサーボを実現することが可能になる。
なお、上記の各実施の形態では、CDとDVDの両光ディスクに対して互換性のある構成を有する光学ヘッドを例に挙げて説明したが、本発明は、これに限定されず、CD、DVD各々専用の光学ヘッドや、情報信号の記録/再生に波長帯域390nm〜415nmの青色レーザビームが用いられるBD(Blu−ray Disc)に対応した構成、またはCDとDVDとBDという3つの光ディスクに対して互換性のある構成を有する光学ヘッド、およびかかる光学ヘッドを搭載した光ディスク装置にも適用可能である。
なお、上述した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が主に含まれている。
本発明の一局面に係る光学ヘッドは、光を出射する光源と、前記光源から出射された光を、回折されない主光束と回折および偏向された一対の副光束とに分岐する回折素子と、前記回折素子により分岐された前記主光束と前記一対の副光束を光ディスク上に集光させる対物レンズとを備え、前記回折素子は、前記一対の副光束のうちの一方の副光束と他方の副光束に対して同一のレンズ作用を与えるように前記一方の副光束が通過する領域と前記他方の副光束が通過する領域とで異なる格子パターンを有する。
この構成によれば、回折素子が、一方の副光束と他方の副光束に対して異なる格子パターンを通過させて同一のレンズ作用を与えるので、焦点距離の短い対物レンズを用いたとしても、光ディスク上に集光された一対の副光束の光スポットに発生する収差を補正することができる。これにより、光ディスク上のサブスポットに発生する収差の低減と、小型化、薄型化とを両立させた光学ヘッドを提供することが可能になる。
また、上記の光学ヘッドにおいて、前記回折素子は、前記光ディスクの情報トラックに沿った方向で対向する両縁部に向かって、格子ピッチが大きくなるとともに湾曲する格子パターンを有することが好ましい。
この構成によれば、一方の副光束と他方の副光束に対して同一のレンズ作用を与える異なる格子パターンを形成することができる。
また、上記の光学ヘッドにおいて、前記回折素子のレンズ作用は、凹レンズ作用であることが好ましい。
また、上記の光学ヘッドにおいて、前記回折素子は、前記一方の副光束と前記他方の副光束とが前記光ディスクの情報トラックに沿った方向にて異なる前記回折素子の領域を通過するように、前記光源に近接して配置されることが好ましい。
この構成によれば、回折素子を光源に近接して配置することで、一方の副光束と他方の副光束とが回折素子の異なる領域を通過して同一の凹レンズ作用を受けて発散するように構成できる。
また、上記の光学ヘッドにおいて、前記回折素子は、前記光ディスクの情報トラックに沿った方向に対応した中央で第1の領域と第2の領域に分割され、前記第1の領域の格子パターンと前記第2の領域の格子パターンとは光軸周りに回転対称であることが好ましい。
この構成によれば、前記第1の領域の格子パターンと前記第2の領域の格子パターンとは光軸周りに回転対称であるので、一方の副光束と他方の副光束に対して同一のレンズ作用を与える異なる格子パターンを容易に形成することができる。
また、上記の光学ヘッドにおいて、前記回折素子は、前記一方の副光束と前記他方の副光束とが前記光ディスクの情報トラックに沿った方向に対応した中央部で部分的に重なって通過するように、前記光源に近接して配置され、前記一方の副光束と前記他方の副光束とが部分的に重なる前記中央部は、前記一方の副光束の一部および前記他方の副光束の一部をそれぞれ前記一方の副光束の残部および前記他方の副光束の残部とは異なる方向に回折する格子パターンを有することが好ましい。この場合、前記中央部は、前記情報トラックに垂直な方向に延伸する直線形状の格子パターンを有することが好ましい。
この構成によれば、一方の副光束と他方の副光束とを情報トラックに沿った方向に対応した回折素子の中央部で部分的に重ならせ、この中央部に直線状の格子パターンを形成し、前記中央部を通過した光束を光ディスク上に集光させないようにすることで、光源と回折素子との位置合わせを高精度で行う必要がなくなり、製造コストを下げることができる。
また、上記の光学ヘッドにおいて、前記回折素子は、前記一対の副光束のそれぞれのサジタル光線の焦点位置と、前記主光束のサジタル光線の焦点位置とを一致させるようなレンズ作用を備える格子パターンを有することが好ましい。
この構成によれば、一対の副光束のそれぞれのサジタル光線の焦点位置と、主光束のサジタル光線の焦点位置とを一致させるようなレンズ効果を備える格子パターンを回折素子に形成することで、回折素子に一方の副光束が通過する領域と他方の副光束が通過する領域とで異なる格子パターンを容易に形成することができる。
また、上記の光学ヘッドにおいて、前記回折素子は、前記光源と同じ位置に配置された第1の光源と、前記一対の副光束のうちの一方の副光束の前記光ディスク上の光スポットと共役となる位置に配置されるとともに、前記回折素子の中心までの距離が前記第1の光源から前記回折素子の中心までの距離と略一致するように配置された第2の光源とから照射される光により形成される干渉縞パターンを有することが好ましい。
この構成によれば、光学ヘッドの光源と同じ位置に第1の光源が配置され、一対の副光束のうちの一方の副光束の光ディスク上の光スポットと共役となる位置に配置されるとともに、回折素子の中心までの距離が第1の光源から回折素子の中心までの距離と略一致するように第2の光源が配置され、第1の光源と第2の光源とから照射される光により回折素子に干渉縞パターンが形成されるので、回折素子に一方の副光束が通過する領域と他方の副光束が通過する領域とで異なる格子パターンを容易に形成することができる。
また、上記の光学ヘッドにおいて、前記回折素子は、前記光ディスクの情報トラックに沿った方向に対応した中央付近に、前記情報トラックに垂直な方向に延伸する直線形状の直線格子と、前記直線格子に対して略線対称であり、前記光ディスクの情報トラックに沿った方向で対向する両縁部に向かって、格子ピッチが大きくなるとともに湾曲する円弧状の格子とを含む連続的な干渉縞パターンを有することが好ましい。
この構成によれば、光ディスクの情報トラックに沿った方向に対応した回折素子の中央付近に、情報トラックに垂直な方向に延伸する直線形状の直線格子と、直線格子に対して略線対称であり、光ディスクの情報トラックに沿った方向で対向する両縁部に向かって、格子ピッチが大きくなるとともに湾曲する円弧状の格子とを含む連続的な干渉縞パターンが形成される。したがって、回折素子に連続的な干渉パターンが形成されるので、一対の副光束が通過する領域を厳密に分ける必要が無く、光学系の配置の自由度を広げることができる。
また、上記の光学ヘッドにおいて、前記回折素子は、前記直線格子と、メインビームの光軸が前記回折素子を通過する点である前記回折素子の中心との距離が前記回折素子の有効径の1/4以下となる干渉縞パターンを有することが好ましい。
この構成によれば、直線格子と、メインビームの光軸が前記回折素子を通過する点である回折素子の中心との距離が回折素子の有効径の1/4以下となる干渉縞パターンが形成される。これにより、干渉縞パターンの直線格子に対する対称性を充分に確保することができ、回折素子によって回折された1対の副光束を共にほぼ無収差の光束にすることができる。
本発明の他の局面に係る光ディスク装置は、光ディスクに対して情報信号の記録および/または再生を行う光ディスク装置であって、前記光ディスクを回転させるスピンドルモータと、本発明に係る光学ヘッドであり、前記光ディスクで反射された前記主光束と前記一対の副光束を受光してそれぞれの光束の光量に対応した電気信号に変換する受光素子と、前記光ディスクに対して前記対物レンズを上下方向および径方向に駆動するアクチュエータとを備えた光学ヘッドと、前記光学ヘッドの前記受光素子から受け取った電気信号からトラッキング誤差信号およびフォーカス誤差信号を生成する信号処理部と、前記スピンドルモータの駆動を制御するとともに、前記信号処理部から受け取った前記トラッキング誤差信号および前記フォーカス誤差信号に基づき、前記光学ヘッドの前記アクチュエータの駆動を制御して前記光ディスクに対するトラッキングサーボおよびフォーカスサーボを行う制御部とを備える。
この構成によれば、前記光学ヘッドを用いることで、サブスポットに発生する収差を低減することができ、トラッキング誤差信号およびフォーカス誤差信号の品質を向上させることができるので、高精度で安定なトラッキングサーボおよびフォーカスサーボを実現した光ディスク装置を提供することが可能になる。
本発明にかかる光学ヘッドは、光ディスク上のサブスポットに発生する収差の低減と、小型化、薄型化とを両立させることができるという利点を有し、かかる光学ヘッドを光ディスク装置等に適用した際に、高精度で安定なトラッキングサーボおよびフォーカスサーボを実現できる点で有用である。
本発明は、光ディスクのような情報記録媒体に対して情報信号を記録および/または再生する際に用いられる光学ヘッド、およびかかる光学ヘッドを搭載した光ディスク装置に関する。
従来から、いわゆる3ビーム方式の光学ヘッドが知られている。図8は、従来の光学ヘッドの概略構成図である(例えば、特許文献1、2参照)。図8において、レーザ光源51から出射されたレーザ光は、等ピッチの格子パターンが一様に形成された回折素子52によって、回折されない0次光(以下、メインビームという)と、回折および偏向された2つの±1次光(以下、2つのサブビームという)とに分岐され、メインビームと2つのサブビームは、ビームスプリッタ53を透過し、コリメートレンズ54によって発散光から平行光に変えられ、対物レンズ55によって光ディスク57上に集光されて、1つのメインスポットと2つのサブスポットからなる3つのスポットが生成される。
図9は、図8に示す回折素子52を備えた光学ヘッド50を用いた場合の光ディスク57上での3つのスポットの位置関係を示す模式図である。図9において、2つのサブスポット63、64は、それぞれ、メインスポット62に対して、情報トラック61に沿った方向で間隔Yだけ離れて配置され、また情報トラック61とは垂直な径方向で1/2トラックピッチ(Tp/2)だけ内周方向と外周方向に離れて配置される。
光ディスク57で反射されたメインビームと2つのサブビームは、対物レンズ55、コリメートレンズ54を再び透過し、ビームスプリッタ53で反射され、検出レンズ58によって受光素子59上の異なる位置に設けられた3つの4分割光検出器にそれぞれ導かれる。
図10は、図8に示す受光素子59上の3つの4分割光検出器の構成を示す模式図である。図10において、4分割光検出器71はメインスポット62を受けて、4分割光検出器71により検出された信号は、情報信号を再生するために用いられる。また、2つの4分割光検出器72、73はそれぞれサブスポット63、64を受けて、2つの4分割光検出器72、73により検出された信号は、トラッキング誤差信号とフォーカス誤差信号を生成するために用いられる。これらトラッキング誤差信号とフォーカス誤差信号とからそれぞれ生成されたトラッキングサーボ信号(TS)とフォーカスサーボ信号(FS)が、図8に示す対物レンズ55を2軸駆動するアクチュエータ56に供給され、光ディスク57の情報トラックに対する光スポットのトラッキングサーボとフォーカスサーボが行われる。
特許第3661694号公報 特開平11−259906号公報
しかしながら、上記従来の光学ヘッドでは、回折素子52により分岐された2つのサブビームは、対物レンズ55に対し軸外光になるため、光ディスク57上のサブスポットはデフォーカス、非点収差、コマ収差等の収差を持った光スポットになる。ここで、光ディスク57上の情報トラック61に沿った方向における、メインスポットとサブスポットとの間隔Y(図9)は、対物レンズ55の焦点距離をfと定義し、サブビームが対物レンズ55に入射する角度をθと定義した場合、Y=f×tanθで与えられる。メインスポットとサブスポットとの間隔Yは、受光素子59上の3つの4分割光検出器71、72、73でメインビームと2つのサブビームを分離して検出する必要があるため、光ディスク57としてDVDを用いた場合、概ね15〜25μmに設定される。
上記間隔Yが一定であれば、対物レンズ55の焦点距離fに反比例して対物レンズ55へのサブビームの入射角度θは大きくなる。光学ヘッドを小型化、薄型化するためには、対物レンズ55の焦点距離fを短くする必要があり、入射角度θは大きくなる。これにより、光ディスク57上でのサブスポットは、さらに収差を持った光スポットになる。そのため、2つの4分割光検出器72、73でサブビームを受けて検出された信号から生成されるトラッキング誤差信号とフォーカス誤差信号の品質が低下し、高精度で安定なトラッキングサーボおよびフォーカスサーボが困難になる、という問題があった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、光ディスク上のサブスポットに発生する収差の低減と、小型化、薄型化とを両立させた光学ヘッドを提供するとともに、かかる光学ヘッドを搭載することにより、高精度で安定なトラッキングサーボおよびフォーカスサーボを実現した光ディスク装置を提供することにある。
本発明の一局面に係る光学ヘッドは、光を出射する光源と、前記光源から出射された光を、回折されない主光束と回折および偏向された一対の副光束とに分岐する回折素子と、前記回折素子により分岐された前記主光束と前記一対の副光束を光ディスク上に集光させる対物レンズとを備え、前記回折素子は、前記一対の副光束のうちの一方の副光束と他方の副光束に対して同一のレンズ作用を与えるように前記一方の副光束が通過する領域と前記他方の副光束が通過する領域とで異なる格子パターンを有する。
この構成によれば、回折素子が、一方の副光束と他方の副光束に対して異なる格子パターンを通過させて同一のレンズ作用を与えるので、焦点距離の短い対物レンズを用いたとしても、光ディスク上に集光された一対の副光束の光スポットに発生する収差を補正することができる。これにより、光ディスク上のサブスポットに発生する収差の低減と、小型化、薄型化とを両立させた光学ヘッドを提供することが可能になる。
本発明の他の局面に係る光ディスク装置は、光ディスクに対して情報信号の記録および/または再生を行う光ディスク装置であって、前記光ディスクを回転させるスピンドルモータと、本発明に係る光学ヘッドであり、前記光ディスクで反射された前記主光束と前記一対の副光束を受光してそれぞれの光束の光量に対応した電気信号に変換する受光素子と、前記光ディスクに対して前記対物レンズを上下方向および径方向に駆動するアクチュエータとを備えた光学ヘッドと、前記光学ヘッドの前記受光素子から受け取った電気信号からトラッキング誤差信号およびフォーカス誤差信号を生成する信号処理部と、前記スピンドルモータの駆動を制御するとともに、前記信号処理部から受け取った前記トラッキング誤差信号および前記フォーカス誤差信号に基づき、前記光学ヘッドの前記アクチュエータの駆動を制御して前記光ディスクに対するトラッキングサーボおよびフォーカスサーボを行う制御部とを備える。
この構成によれば、前記光学ヘッドを用いることで、サブスポットに発生する収差を低減することができ、トラッキング誤差信号およびフォーカス誤差信号の品質を向上させることができるので、高精度で安定なトラッキングサーボおよびフォーカスサーボを実現した光ディスク装置を提供することが可能になる。
本発明によれば、サブスポットの収差の低減と小型化、薄型化とを両立させた光学ヘッドを提供するとともに、かかる光学ヘッドを搭載することにより、高精度で安定なトラッキングサーボおよびフォーカスサーボを実現した光ディスク装置を提供することが可能になる。
本発明の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る光学ヘッドの概略構成を示す断面図である。図1において、本実施の形態1の光学ヘッドは、CD(Compact Disc)とDVD(Digital Versatile Disc)の両光ディスク18に対応した3ビーム方式の光学ヘッド1であり、CD用光源としての赤外半導体レーザ11と、赤外レーザビーム用の回折素子12と、ビームスプリッタ13と、コリメートレンズ14と、立上げミラー15と、光ディスク18上にレーザビームを集光させる対物レンズ16と、対物レンズ16用のアクチュエータ17と、DVD用光源としての赤色半導体レーザ19と、赤色レーザビーム用の回折素子20と、ダイクロックミラー21と、検出レンズ22と、受光素子23とから構成されている。なお、以下では、CDとDVDの両光ディスクに対して同一の符号18を付して説明を行う。
赤外半導体レーザ11から出射された波長帯域780nm〜820nmの赤外レーザビームは、回折素子12により、回折されない0次光であるメインビームと回折および偏向された±1次光である2つのサブビームとに分岐され、メインビームと2つのサブビームは、ビームスプリッタ13で反射され、コリメートレンズ14により発散光から平行光に変えられ、立上げミラー15で反射されて上方へと進み、対物レンズ16によりCD18上に集光され、図9に示すような情報トラックに対してメインスポットと2つのサブスポットが形成される。
CD18で反射されたメインビームと2つのサブビームは、対物レンズ16、立上げミラー15、およびコリメートレンズ14を経て、ビームスプリッタ13およびダイクロックミラー21を透過して、検出レンズ22により受光素子23上の、図10に示すような3つの4分割光検出器へと分離および集光されて、3つの4分割光検出器により、メインビームと2つのサブビームのそれぞれの光量に対応した電気信号として検出される。
一方、赤色半導体レーザ19から出射された波長帯域630nm〜680nmの赤色レーザビームは、回折素子20により、回折されない0次光であるメインビームと回折および偏向された±1次光である2つのサブビームとに分岐され、メインビームと2つのサブビームは、ダイクロックミラー21で反射され、ビームスプリッタ13を透過し、コリメートレンズ14により発散光から平行光に変えられ、立上げミラー15で反射されて上方へと進み、対物レンズ16によりDVD18上に集光され、図9に示すような情報トラックに対してメインスポットと2つのサブスポットが形成される。
DVD18で反射されたメインビームと2つのサブビームは、対物レンズ16、立上げミラー15、およびコリメートレンズ14を経て、ビームスプリッタ13およびダイクロックミラー21を透過して、検出レンズ22により受光素子23上の、図10に示すような3つの4分割光検出器へと分離および集光されて、3つの4分割光検出器により、メインビームと2つのサブビームのそれぞれの光量に対応した電気信号として検出される。
図2は、本実施の形態1における回折素子12、20の格子パターンを示す平面図である。なお、以下では、赤外レーザビーム用の回折素子12について説明するが、赤色レーザビーム用の回折素子20についても、赤外レーザビーム用の回折素子12と同様の格子パターンを有している。
図2において、回折素子12は、CD18の情報トラックの方向に対応した中央の分割線123により、第1の領域121と第2の領域122とに分割され、2つのサブビームのうち一方のサブビーム124aが第1の領域121を通過し、他方のサブビーム124bが第2の領域122を通過するように、赤外半導体レーザ11に近接して配置される。なお、符号125は、回折素子12を通過するメインビームを示している。
回折素子12の第1の領域121と第2の領域122は、一方のサブビーム124aと他方のサブビーム124bとに同一の凹レンズ作用を与えるように、情報トラックに沿った方向で対向する両縁部126と127に向かって格子ピッチPが大きくなる(P1<P2)とともに湾曲する格子パターンを有し、第1の領域121の格子パターンと第2の領域122の格子パターンとは、光軸(メインビーム125の中心軸)周りに回転対称である異なる形状を有する。
すなわち、回折素子12は、CD18の情報トラックに沿った方向に垂直に交わる方向に沿った回折素子12の中央を通る直線で第1の領域121と第2の領域122とに分割され、第1の領域121の格子パターンと第2の領域122の格子パターンとは光軸周りに回転対称である。
ここで、情報トラックに沿った方向で対向する両縁部126と127から中央の分割線123に向かって、格子パターンは、湾曲した形状から徐々に直線形状に近づいている。
以上のように、本実施の形態1によれば、回折素子12、20が、一方のサブビームと他方のサブビームに対して異なる格子パターンを通過させて同一の凹レンズ作用を与えるので、焦点距離の短い対物レンズ16を用いたとしても、対物レンズの像面湾曲によるデフォーカスや非点収差等、CDやDVDなどの光ディスク18上に集光された一対のサブビームの光スポットに発生する収差を補正することができる。これにより、サブスポットの収差の低減と小型化、薄型化とを両立させた光学ヘッドを提供することが可能になる。
また、第1の領域121の格子パターンと第2の領域122の格子パターンとは光軸周りに回転対称であるので、一方のサブビームと他方のサブビームに対して同一のレンズ作用を与える異なる格子パターンを容易に形成することができる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2が、実施の形態1と相違するのは、2つのサブビームが回折素子を通過する領域および回折素子の構成であり、その他の構成は、実施の形態1と同じであるので、詳細な説明を省略する。以下では、実施の形態1との相違点について説明する。
図3は、本発明の実施の形態2に係る光学ヘッドにおける回折素子の格子パターンを示す平面図である。図3において、本実施の形態2の回折素子12は、一方のサブビーム128aと他方のサブビーム128bとが情報トラックに沿った方向に対応した中央部129で部分的に重なって通過するように、赤外半導体レーザ11に近接して配置される。なお、赤外半導体レーザ11と回折素子12との間隔は、例えば1.0mm〜1.5mmであり、実施の形態1のように、2つのサブビームを完全に分離する場合よりも、その間隔を大きくすることができる。
回折素子12の中央部129は、一方のサブビーム128aの一部および他方のサブビーム128bの一部をそれぞれ一方のサブビーム128aの残部および他方のサブビーム128bの残部とは異なる方向に回折する、すなわち一方のサブビーム128aと他方のサブビーム128bとが重なった部分については光ディスク18上でのサブスポットの形成に関与しないように、より細かなピッチの格子、または、格子の延伸する方位を変えた格子パターンを有する。
すなわち、回折素子12は、一方のサブビーム128aと他方のサブビーム128bとがCD18の情報トラックに沿った方向に垂直に交わる方向に沿った回折素子12の中央部129で部分的に重なって通過するように、赤外半導体レーザ11に近接して配置され、一方のサブビーム128aと他方のサブビーム128bとが部分的に重なる中央部129は、一方のサブビーム128aの一部および他方のサブビーム128bの一部を、一方のサブビーム128aの残部および他方のサブビーム128bの残部とはそれぞれ異なる方向に回折する格子パターンを有する。
ここで、仮に上記したような中央部129が存在せず、図2のような格子パターン上で2つのサブビームが重なっているとする。重なっている領域では、±1次回折光として2つのサブビームが生成されるが、±1次回折光に同一の凹レンズ作用を与えることは不可能なため、良好な収差補正ができなくなる。
一方、本実施の形態2によれば、中央部129を通過した2つのサブビームの一部を光ディスク18上に集光させないようにすることで、実施の形態1に比べて、回折素子12上で2つのサブビームの部分的重なりを許容することができる。そのため、回折素子12と赤外半導体レーザ11との間隔を大きくすることができ、通過するビーム径を大きくすることができるため、赤外半導体レーザ11と回折素子12との位置合わせ、および赤色半導体レーザ19と回折素子20との位置合わせを高精度で行う必要がなくなり、製造コストを下げることができる。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3に係る光学ヘッドについて説明する。実施の形態1,2に係る光学ヘッドの回折素子は、光ディスクの情報トラックの方向に垂直に交わる方向に沿った回折素子の中央の分割線により、第1の領域と第2の領域とに分割され、第1の領域と第2の領域は、情報トラックに沿った方向で対向する両縁部に向かって格子ピッチが大きくなるとともに湾曲する格子パターンを有している。これに対し、実施の形態3に係る光学ヘッドの回折素子は、第1の領域と第2の領域とに分割されるのではなく、光ディスクの情報トラックに沿った方向に対応した中央付近に、情報トラックに垂直な方向に延伸する直線形状の直線格子と、その直線格子に対して概ね線対称であり、光ディスクの情報トラックに沿った方向で対向する両縁部に向かって、格子ピッチが大きくなるとともに湾曲する円弧状の格子とを含む連続的な格子パターンを有している。
図4は、実施の形態3に係る回折素子の格子パターンを形成する際の光学系配置を示す図である。図4に示す2光束干渉光学系140は、2光束干渉により回折素子に干渉縞を形成する。2光束干渉光学系140は、第1の光源141、第2の光源142、回折素子143、コリメートレンズ144及び対物レンズ145を備える。回折素子143は、前述の光学系をコンピュータシミュレーション上で構築し、回折素子143上に干渉縞パターンを数値計算で発生させ、その干渉縞パターンをフォトマスクとして作成し、フォトリソグラフ等により、ガラス基板などの透明材料に回折格子を形成させることにより作成される。
第1の光源141は、光ディスク146までの距離が光学ヘッドの光源から光ディスクまでの距離と同じとなる位置に配置され、光学ヘッドと同じ波長、例えば、波長帯域780nm〜820nmの赤外レーザビームを出射する。
第2の光源142は、一対のサブビームのうちの一方のサブビームの光ディスク146上の光スポットと共役となる位置に配置され、第1の光源141と同じ波長帯域の赤外レーザビームを出射する。また、第2の光源142は、第1の光源141から回折素子143の中心までの距離D1と、第2の光源142から回折素子143の中心までの距離D2とが略一致するように配置される。
なお、以下では、赤外レーザビーム用の回折素子143について説明するが、赤色レーザビーム用の回折素子についても、赤外レーザビーム用の回折素子143と同様の格子パターンを有している。赤色レーザビーム用の回折素子に格子パターンを形成する場合、第1の光源141及び第2の光源142はそれぞれ赤色レーザビームを出射する。
回折素子143は、一対のサブビームのそれぞれのサジタル光線の焦点位置と、メインビームのサジタル光線の焦点位置とを一致させるようなレンズ作用を備える格子パターンを有する。すなわち、回折素子143の格子パターンは、不図示の受光素子によって検出されるメインビームのプッシュプル信号の振幅のピーク値と1対のサブビームのプッシュプル信号の振幅のピーク値とが同じ焦点位置で一致するようなレンズ作用を備える。回折素子143は、第1の光源141と第2の光源142とから照射される光により干渉縞パターンが形成される。
コリメートレンズ144は、第1の光源141及び第2の光源142によって出射された光を発散光から平行光に変換する。対物レンズ145は、コリメートレンズ144を通過した光を光ディスク146上に集光する。
図5は、本実施の形態3における回折素子143の格子パターンを示す平面図である。なお、以下では、赤外レーザビーム用の回折素子143について説明するが、赤色レーザビーム用の回折素子についても、赤外レーザビーム用の回折素子143と同様の格子パターンを有している。
図5において、回折素子143は、光ディスク146の情報トラックに沿った方向に対応した中央付近に、情報トラックに垂直な方向に延伸する直線形状の直線格子151と、直線格子151に対して概ね線対称であり、光ディスク146の情報トラックに沿った方向で対向する両縁部155,156に向かって、格子ピッチが大きくなるとともに湾曲する円弧状の格子152とを含む連続的な干渉縞パターンを有する。
なお、回折素子143は、2つのサブビームのうち一方のサブビーム153aが直線格子151よりも下方を通過し、他方のサブビーム153bが直線格子151よりも上方を通過し、サブビーム153aと153bとが重ならないように、第1の光源141に近接して配置される。なお、符号154は、回折素子143を通過するメインビームを示している。
回折素子143は、一方のサブビーム153aと他方のサブビーム153bとに同一の凹レンズ作用を与えるように、中央部から情報トラックに沿った方向で対向する両縁部155と156に向かって格子ピッチPが大きくなる(P1<P2)とともに湾曲する格子パターンを有する。
ここで、情報トラックに沿った方向で対向する両縁部155と156から中央の直線格子151に向かって、格子パターンは、湾曲した形状から徐々に直線形状に近づいている。
2光束干渉の干渉縞パターンは、第1の光源141から回折素子143の中心点までの距離D1と、第2の光源142から回折素子143の中心点までの距離D2とが等しいとき、回折素子143の中央に直線状の干渉縞(直線格子151)が生じ、この直線格子の上下にはほぼ対称な円弧状の干渉縞が生じる。この距離D1とD2とに差が生じた場合、直線格子151が生じる位置は、回折素子143の中心から上下方向にずれることとなる。
このように、一対のサブビームのそれぞれのサジタル光線の焦点位置と、メインビーム主光束のサジタル光線の焦点位置とを一致させるようなレンズ効果を備える格子パターンを回折素子143に形成することで、回折素子143に一方のサブビームが通過する領域と他方のサブビームが通過する領域とで異なる格子パターンを容易に形成することができる。
また、光学ヘッドの光源と同じ位置に第1の光源141が配置され、一対のサブビームのうちの一方のサブビームの光ディスク146上の光スポットと共役となる位置に配置されるとともに、回折素子143の中心までの距離が第1の光源141から回折素子143の中心までの距離と略一致するように第2の光源142が配置され、第1の光源141と第2の光源142とから照射される光により回折素子143に干渉縞パターンが形成されるので、回折素子143に一方のサブビームが通過する領域と他方のサブビームが通過する領域とで異なる格子パターンを容易に形成することができる。
次に、本実施の形態3において、上記の回折素子143を用いた光学ヘッドの動作について説明する。なお、実施の形態3における光学ヘッドの構成は、図1に示す光学ヘッド1の構成とほぼ同じであり、回折素子12を回折素子143に替えただけであるので、実施の形態3に係る光学ヘッドの動作については図1を用いて説明する。
光学ヘッド1の赤外半導体レーザ11は、第1の光源141と概ね同じ位置に配置される。回折素子143によって回折された1対のサブビームのうち、一方のサブビームは、第2の光源142の位置から発する無収差の光束となり、他方のサブビームは、第1の光源141を対称の中心とし、第2の光源142と概ね点対称となる位置から発する無収差の光束となる。第1の光源141から回折素子143の中心点までの距離D1と、第2の光源142から回折素子143の中心点までの距離D2とが等しい場合、回折素子143の干渉縞パターンは、回折素子143の中心線に対して概ね線対称となる。そのため、回折素子143によって回折された一対のサブビームは、共にほぼ無収差の光束となる。
以上のように、本実施の形態3によれば、回折素子143が、一方のサブビームと他方のサブビームに対して異なる格子パターンを通過させて同一の凹レンズ作用を与えるので、焦点距離の短い対物レンズ16を用いたとしても、対物レンズ16の像面湾曲によるデフォーカスや非点収差等、CDやDVDなどの光ディスク18上に集光された一対のサブビームの光スポットに発生する収差を補正することができる。これにより、サブスポットの収差の低減と小型化、薄型化とを両立させた光学ヘッドを提供することが可能になる。
また、回折素子143は、光ディスク146の情報トラックに沿った方向に垂直に交わる方向に延伸し、かつ回折素子143の中央付近を通る直線形状の直線格子151と、直線格子151に対して概ね線対称であり、光ディスク146の情報トラックに沿った方向で対向する両縁部155,156に向かって、格子ピッチPが大きくなるとともに湾曲する円弧状の格子152とを含む連続的な干渉縞パターンが形成される。
したがって、回折素子143に2光束干渉による連続的な干渉縞パターンが形成されるので、実施の形態1,2と同様の効果を有しながら、1対のサブビームが通過する領域を厳密に分ける必要が無く、光学系の配置の自由度を広げることができる。特に、第1の光源141から回折素子143の中心点までの距離D1を長くするにしたがって、従来の均一な直線の格子パターンに漸近的に近づくため、回折素子143を光源に近接して配置する場合により一層大きな効果を奏することができる。
なお、回折素子143は、光ディスク146の情報トラックに沿った方向に対応した中央付近に、情報トラックに垂直な方向に延伸する直線形状の直線格子151を有し、その直線格子151と、回折素子143の中心(メインビームの光軸が回折素子143を通過する点)との距離が、回折素子143の有効径の1/4以下となる干渉縞パターンを有することが望ましい。直線格子151と回折素子143の中心との距離が回折素子143の有効径の1/4よりも大きくなった場合、干渉縞パターンの対称性が崩れすぎ、1対のサブビームのうちの一方のサブビームは凹レンズ効果が与えられ、他方のサブビームは凸レンズ効果が与えられるため、2つのサブビームの焦点位置にずれが生じることとなる。
このように、回折素子143の直線格子151と、回折素子143の中心(メインビームの光軸が回折素子143を通過する点)との距離が、回折素子143の有効径の1/4以下となる干渉縞パターンが形成される。これにより、干渉縞パターンの直線格子151に対する対称性を確保することができ、回折素子143によって回折された1対のサブビームを共にほぼ無収差の光束にすることができる。
なお、直線格子151と回折素子143の中心との距離は回折素子143の有効径の1/8以下であることがさらに望ましい。これにより、干渉縞パターンの対称性を充分に確保することができ、回折素子143によって回折された1対のサブビームを共にほぼ無収差の光束とすることができる。
また、本実施の形態では、1対のサブビームが互いに重ならないように第1の光源141及び第2の光源142を配置して回折素子143に干渉縞パターンを形成しているが、本発明は特にこれに限定されず、1対のサブビームが回折素子143の中央部付近で重なるように第1の光源141及び第2の光源142を配置して回折素子143に干渉縞パターンを形成してもよい。
図6は、1対のサブビームが重なる場合における回折素子143の格子パターンを示す平面図である。図6に示すように、回折素子143は、2つのサブビームのうち一方のサブビーム153aと、他方のサブビーム153bとが直線格子151付近で重なるように、第1の光源141に近接して配置される。なお、一方のサブビーム153aと、他方のサブビーム153bとの重なりの範囲は、互いのビームの中心を含まない範囲であることが好ましい。
このように、許容される範囲内であれば、一方のサブビーム153aと他方のサブビーム153bとが情報トラックに沿った方向に対応した中央部で部分的に重なって通過するように、赤外半導体レーザ11又は赤色半導体レーザ19を配置してもよい。この場合、回折素子143と赤外半導体レーザ11との間隔を大きくすることができ、通過するビーム径を大きくすることができるため、赤外半導体レーザ11と回折素子143との位置合わせを高精度で行う必要がなくなり、製造コストを下げることができる。
(実施の形態4)
図7は、本発明の実施の形態4に係る光ディスク装置の概略構成を示す機能ブロック図である。本実施の形態4の光ディスク装置40は、光学ヘッド1と、光ディスク18と、スピンドルモータ41と、トラバースモータ42と、信号処理部43と、制御部44とから構成されている。
光学ヘッド1は、図1に示すような、実施の形態1または実施の形態2の光学ヘッド1である。スピンドルモータ41は、制御部44により供給される回転制御信号に基づき、一定の回転数または一定の角速度で光ディスク18を回転させる。トラバースモータ42は、制御部44により供給される移動制御信号に基づき、光学ヘッド1を光ディスク18の径方向の所定位置へと移動させる。
信号処理部43は、外部から供給された情報信号を変調して光学ヘッド1に送り、また光学ヘッド1により検出されたメインビームの光量に対応した電気信号を受けて情報信号を復調し、さらに光学ヘッド1の3つの4分割光検出器により検出されたメインビームと2つのサブビームの光量に対応した電気信号からトラッキング誤差信号TEとフォーカス誤差信号FEとを生成して、制御部44に送る。
制御部44は、スピンドルモータ41およびトラバースモータ42の駆動を制御するとともに、信号処理部43から受け取ったトラッキング誤差信号TEおよびフォーカス誤差信号FEから、トラッキングサーボ信号TSおよびフォーカスサーボ信号FSを生成し、光学ヘッド1の対物レンズ16用のアクチュエータ17(図1)の2軸駆動を制御して光ディスク18に対するトラッキングサーボおよびフォーカスサーボを行う。
以上のように、本実施の形態4によれば、実施の形態1または実施の形態2の光学ヘッド1を用いることで、光ディスク18上のサブスポットに発生する収差を低減することができ、トラッキング誤差信号TEおよびフォーカス誤差信号FEの品質を向上させることができるので、高精度で安定なトラッキングサーボおよびフォーカスサーボを実現することが可能になる。
なお、上記の各実施の形態では、CDとDVDの両光ディスクに対して互換性のある構成を有する光学ヘッドを例に挙げて説明したが、本発明は、これに限定されず、CD、DVD各々専用の光学ヘッドや、情報信号の記録/再生に波長帯域390nm〜415nmの青色レーザビームが用いられるBD(Blu−ray Disc)に対応した構成、またはCDとDVDとBDという3つの光ディスクに対して互換性のある構成を有する光学ヘッド、およびかかる光学ヘッドを搭載した光ディスク装置にも適用可能である。
なお、上述した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が主に含まれている。
本発明の一局面に係る光学ヘッドは、光を出射する光源と、前記光源から出射された光を、回折されない主光束と回折および偏向された一対の副光束とに分岐する回折素子と、前記回折素子により分岐された前記主光束と前記一対の副光束を光ディスク上に集光させる対物レンズとを備え、前記回折素子は、前記一対の副光束のうちの一方の副光束と他方の副光束に対して同一のレンズ作用を与えるように前記一方の副光束が通過する領域と前記他方の副光束が通過する領域とで異なる格子パターンを有する。
この構成によれば、回折素子が、一方の副光束と他方の副光束に対して異なる格子パターンを通過させて同一のレンズ作用を与えるので、焦点距離の短い対物レンズを用いたとしても、光ディスク上に集光された一対の副光束の光スポットに発生する収差を補正することができる。これにより、光ディスク上のサブスポットに発生する収差の低減と、小型化、薄型化とを両立させた光学ヘッドを提供することが可能になる。
また、上記の光学ヘッドにおいて、前記回折素子は、前記光ディスクの情報トラックに沿った方向で対向する両縁部に向かって、格子ピッチが大きくなるとともに湾曲する格子パターンを有することが好ましい。
この構成によれば、一方の副光束と他方の副光束に対して同一のレンズ作用を与える異なる格子パターンを形成することができる。
また、上記の光学ヘッドにおいて、前記回折素子のレンズ作用は、凹レンズ作用であることが好ましい。
また、上記の光学ヘッドにおいて、前記回折素子は、前記一方の副光束と前記他方の副光束とが前記光ディスクの情報トラックに沿った方向にて異なる前記回折素子の領域を通過するように、前記光源に近接して配置されることが好ましい。
この構成によれば、回折素子を光源に近接して配置することで、一方の副光束と他方の副光束とが回折素子の異なる領域を通過して同一の凹レンズ作用を受けて発散するように構成できる。
また、上記の光学ヘッドにおいて、前記回折素子は、前記光ディスクの情報トラックに沿った方向に対応した中央で第1の領域と第2の領域に分割され、前記第1の領域の格子パターンと前記第2の領域の格子パターンとは光軸周りに回転対称であることが好ましい。
この構成によれば、前記第1の領域の格子パターンと前記第2の領域の格子パターンとは光軸周りに回転対称であるので、一方の副光束と他方の副光束に対して同一のレンズ作用を与える異なる格子パターンを容易に形成することができる。
また、上記の光学ヘッドにおいて、前記回折素子は、前記一方の副光束と前記他方の副光束とが前記光ディスクの情報トラックに沿った方向に対応した中央部で部分的に重なって通過するように、前記光源に近接して配置され、前記一方の副光束と前記他方の副光束とが部分的に重なる前記中央部は、前記一方の副光束の一部および前記他方の副光束の一部をそれぞれ前記一方の副光束の残部および前記他方の副光束の残部とは異なる方向に回折する格子パターンを有することが好ましい。この場合、前記中央部は、前記情報トラックに垂直な方向に延伸する直線形状の格子パターンを有することが好ましい。
この構成によれば、一方の副光束と他方の副光束とを情報トラックに沿った方向に対応した回折素子の中央部で部分的に重ならせ、この中央部に直線状の格子パターンを形成し、前記中央部を通過した光束を光ディスク上に集光させないようにすることで、光源と回折素子との位置合わせを高精度で行う必要がなくなり、製造コストを下げることができる。
また、上記の光学ヘッドにおいて、前記回折素子は、前記一対の副光束のそれぞれのサジタル光線の焦点位置と、前記主光束のサジタル光線の焦点位置とを一致させるようなレンズ作用を備える格子パターンを有することが好ましい。
この構成によれば、一対の副光束のそれぞれのサジタル光線の焦点位置と、主光束のサジタル光線の焦点位置とを一致させるようなレンズ効果を備える格子パターンを回折素子に形成することで、回折素子に一方の副光束が通過する領域と他方の副光束が通過する領域とで異なる格子パターンを容易に形成することができる。
また、上記の光学ヘッドにおいて、前記回折素子は、前記光源と同じ位置に配置された第1の光源と、前記一対の副光束のうちの一方の副光束の前記光ディスク上の光スポットと共役となる位置に配置されるとともに、前記回折素子の中心までの距離が前記第1の光源から前記回折素子の中心までの距離と略一致するように配置された第2の光源とから照射される光により形成される干渉縞パターンを有することが好ましい。
この構成によれば、光学ヘッドの光源と同じ位置に第1の光源が配置され、一対の副光束のうちの一方の副光束の光ディスク上の光スポットと共役となる位置に配置されるとともに、回折素子の中心までの距離が第1の光源から回折素子の中心までの距離と略一致するように第2の光源が配置され、第1の光源と第2の光源とから照射される光により回折素子に干渉縞パターンが形成されるので、回折素子に一方の副光束が通過する領域と他方の副光束が通過する領域とで異なる格子パターンを容易に形成することができる。
また、上記の光学ヘッドにおいて、前記回折素子は、前記光ディスクの情報トラックに沿った方向に対応した中央付近に、前記情報トラックに垂直な方向に延伸する直線形状の直線格子と、前記直線格子に対して略線対称であり、前記光ディスクの情報トラックに沿った方向で対向する両縁部に向かって、格子ピッチが大きくなるとともに湾曲する円弧状の格子とを含む連続的な干渉縞パターンを有することが好ましい。
この構成によれば、光ディスクの情報トラックに沿った方向に対応した回折素子の中央付近に、情報トラックに垂直な方向に延伸する直線形状の直線格子と、直線格子に対して略線対称であり、光ディスクの情報トラックに沿った方向で対向する両縁部に向かって、格子ピッチが大きくなるとともに湾曲する円弧状の格子とを含む連続的な干渉縞パターンが形成される。したがって、回折素子に連続的な干渉パターンが形成されるので、一対の副光束が通過する領域を厳密に分ける必要が無く、光学系の配置の自由度を広げることができる。
また、上記の光学ヘッドにおいて、前記回折素子は、前記直線格子と、メインビームの光軸が前記回折素子を通過する点である前記回折素子の中心との距離が前記回折素子の有効径の1/4以下となる干渉縞パターンを有することが好ましい。
この構成によれば、直線格子と、メインビームの光軸が前記回折素子を通過する点である回折素子の中心との距離が回折素子の有効径の1/4以下となる干渉縞パターンが形成される。これにより、干渉縞パターンの直線格子に対する対称性を充分に確保することができ、回折素子によって回折された1対の副光束を共にほぼ無収差の光束にすることができる。
本発明の他の局面に係る光ディスク装置は、光ディスクに対して情報信号の記録および/または再生を行う光ディスク装置であって、前記光ディスクを回転させるスピンドルモータと、本発明に係る光学ヘッドであり、前記光ディスクで反射された前記主光束と前記一対の副光束を受光してそれぞれの光束の光量に対応した電気信号に変換する受光素子と、前記光ディスクに対して前記対物レンズを上下方向および径方向に駆動するアクチュエータとを備えた光学ヘッドと、前記光学ヘッドの前記受光素子から受け取った電気信号からトラッキング誤差信号およびフォーカス誤差信号を生成する信号処理部と、前記スピンドルモータの駆動を制御するとともに、前記信号処理部から受け取った前記トラッキング誤差信号および前記フォーカス誤差信号に基づき、前記光学ヘッドの前記アクチュエータの駆動を制御して前記光ディスクに対するトラッキングサーボおよびフォーカスサーボを行う制御部とを備える。
この構成によれば、前記光学ヘッドを用いることで、サブスポットに発生する収差を低減することができ、トラッキング誤差信号およびフォーカス誤差信号の品質を向上させることができるので、高精度で安定なトラッキングサーボおよびフォーカスサーボを実現した光ディスク装置を提供することが可能になる。
本発明にかかる光学ヘッドは、光ディスク上のサブスポットに発生する収差の低減と、小型化、薄型化とを両立させることができるという利点を有し、かかる光学ヘッドを光ディスク装置等に適用した際に、高精度で安定なトラッキングサーボおよびフォーカスサーボを実現できる点で有用である。
本発明の実施の形態1に係る光学ヘッドの概略構成図である。 図1の光学ヘッドにおける回折素子の格子パターンを示す平面図である。 本発明の実施の形態2に係る光学ヘッドにおける回折素子の格子パターンを示す平面図である。 実施の形態3に係る回折素子の格子パターンを形成する際の光学系配置を示す図である。 本実施の形態3における回折素子の格子パターンを示す平面図である。 1対のサブビームが重なる場合における回折素子の格子パターンを示す平面図である。 本発明の実施の形態4に係る光ディスク装置の概略構成を示す機能ブロック図である。 従来の光学ヘッドの概略構成図である。 図8に示す回折素子を備えた光学ヘッドを用いた場合の光ディスク上での3つのスポットの位置関係を示す模式図である。 図9に示す受光素子上の3つの4分割光検出器の構成を示す模式図である。

Claims (12)

  1. 光を出射する光源と、
    前記光源から出射された光を、回折されない主光束と回折および偏向された一対の副光束とに分岐する回折素子と、
    前記回折素子により分岐された前記主光束と前記一対の副光束を光ディスク上に集光させる対物レンズとを備え、
    前記回折素子は、前記一対の副光束のうちの一方の副光束と他方の副光束に対して同一のレンズ作用を与えるように前記一方の副光束が通過する領域と前記他方の副光束が通過する領域とで異なる格子パターンを有することを特徴とする光学ヘッド。
  2. 前記回折素子は、前記光ディスクの情報トラックに沿った方向で対向する両縁部に向かって、格子ピッチが大きくなるとともに湾曲する格子パターンを有することを特徴とする請求項1記載の光学ヘッド。
  3. 前記回折素子は、前記一方の副光束と前記他方の副光束とが前記光ディスクの情報トラックに沿った方向にて異なる前記回折素子の領域を通過するように、前記光源に近接して配置されることを特徴とする請求項1または2記載の光学ヘッド。
  4. 前記回折素子のレンズ作用は、凹レンズ作用であることを特徴とする請求項1記載の光学ヘッド。
  5. 前記回折素子は、前記光ディスクの情報トラックに沿った方向に対応した中央で第1の領域と第2の領域に分割され、前記第1の領域の格子パターンと前記第2の領域の格子パターンとは光軸周りに回転対称であることを特徴とする請求項3または4記載の光学ヘッド。
  6. 前記回折素子は、前記一方の副光束と前記他方の副光束とが前記光ディスクの情報トラックに沿った方向に対応した中央部で部分的に重なって通過するように、前記光源に近接して配置され、前記一方の副光束と前記他方の副光束とが部分的に重なる前記中央部は、前記一方の副光束の一部および前記他方の副光束の一部を、前記一方の副光束の残部および前記他方の副光束の残部とはそれぞれ異なる方向に回折する格子パターンを有することを特徴とする請求項1または2記載の光学ヘッド。
  7. 前記回折素子の前記中央部は、前記情報トラックに垂直な方向に延伸する直線形状の格子パターンを有することを特徴とする請求項6記載の光学ヘッド。
  8. 前記回折素子は、前記一対の副光束のそれぞれのサジタル光線の焦点位置と、前記主光束のサジタル光線の焦点位置とを一致させるようなレンズ作用を備える格子パターンを有することを特徴とする請求項1又は2記載の光学ヘッド。
  9. 前記回折素子は、前記光源と同じ位置に配置された第1の光源と、前記一対の副光束のうちの一方の副光束の前記光ディスク上の光スポットと共役となる位置に配置されるとともに、前記回折素子の中心までの距離が前記第1の光源から前記回折素子の中心までの距離と略一致するように配置された第2の光源とから照射される光により形成される干渉縞パターンを有することを特徴とする請求項8記載の光学ヘッド。
  10. 前記回折素子は、前記光ディスクの情報トラックに沿った方向に対応した中央付近に、前記情報トラックに垂直な方向に延伸する直線形状の直線格子と、前記直線格子に対して略線対称であり、前記光ディスクの情報トラックに沿った方向で対向する両縁部に向かって、格子ピッチが大きくなるとともに湾曲する円弧状の格子とを含む連続的な干渉縞パターンを有することを特徴とする請求項9記載の光学ヘッド。
  11. 前記回折素子は、前記直線格子と、メインビームの光軸が前記回折素子を通過する点である前記回折素子の中心との距離が、前記回折素子の有効径の1/4以下となる干渉縞パターンを有することを特徴とする請求項10記載の光学ヘッド。
  12. 光ディスクに対して情報信号の記録および/または再生を行う光ディスク装置であって、
    前記光ディスクを回転させるスピンドルモータと、
    請求項1から11のいずれか一項記載の光学ヘッドであり、前記光ディスクで反射された前記主光束と前記一対の副光束を受光してそれぞれの光束の光量に対応した電気信号に変換する受光素子と、前記光ディスクの前記情報トラックに対して前記対物レンズを上下方向および径方向に駆動するアクチュエータとを備えた光学ヘッドと、
    前記光学ヘッドの前記受光素子から受け取った電気信号からフォーカス誤差信号およびトラッキング誤差信号を生成する信号処理部と、
    前記スピンドルモータの駆動を制御するとともに、前記信号処理部から受け取った前記フォーカス誤差信号および前記トラッキング誤差信号に基づき、前記光学ヘッドの前記アクチュエータの駆動を制御して前記光ディスクに対するフォーカスサーボおよびトラッキングサーボを行う制御部とを備えることを特徴とする光ディスク装置。
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