JPWO2008026349A1 - 休止期脱毛症治療剤 - Google Patents

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Abstract

本発明はレプチンまたはその部分ペプチドを有効成分として含有することを特徴とする休止期脱毛症の治療剤である。該治療剤は、毛周期の休止期を、成長期に誘導して休止期脱毛症(例えば、男性型脱毛症)を治療するのに有用である。

Description

本発明は、休止期脱毛症治療剤に関し、さらに詳しくは、レプチンまたはその部分ペプチドを有効成分として含有する休止期脱毛症治療剤に関する。
毛髪はその部位により、頭髪、眉毛、睫毛、ヒゲ、腋毛、陰毛、体毛などと区別される。しかし、その構造は共通で、一本の毛髪は包根部の毛母において細胞分裂により新しい毛髪成分としての角質が新生されて成長し、それを包む固有の上皮性の毛包で支持、固定される。
頭皮における発毛は連続して起こるものではなく、発育と休止の期間を交互に繰り返す活性サイクルにより起こるものである。このサイクルは主に、成長期、退行期、および休止期という3つの段階に分けられ、これを毛周期と呼ぶ。成長期はサイクルの発育段階であり、毛包が真皮に深く浸透し、細胞が急速に増殖し、分化して毛髪を形成することを特徴とする。次の段階は退行期であり、これは細胞分裂が停止し、この間に毛包が真皮において退行し、発毛が停止することを特徴とする推移段階である。次の段階の休止期は休止段階として特徴づけられ、この間に退行した毛包は真皮乳頭細胞群と近接した毛根を有する。その後、毛根中で急速に細胞が増殖し、真皮乳頭が膨張し、基底膜成分が同化して、新たな成長期が始まる。ところで、充分な成長期が維持されず、休止期へ移行し、休止期が延期するといわゆる休止期脱毛症が生じる。
現在では、このような休止期脱毛症の治療剤として、休止期脱毛症の一種である男性型脱毛症の治療のために、局所用ミノキシジル(ROGAINE(登録商標)としてPharmacia&Upjohnから市販されている)および経口用フィナステライド(PROPECIA(登録商標)として Merck & Co.,Inc.から市販されている)が知られている。
なお、特許文献1には、ニコチン酸エステルを投与するとレプチンレベルが増加し、皮膚腫瘍の退化、皮膚のホモオスタシスおよび再構築、創傷治癒、毛髪の成長をもたらすことが記載されている。しかしながら、この文献には、レプチンを投与することにより毛周期の休止期から成長期を誘導して、休止期脱毛症を治療しうることにつては記載されていない。
特表2004−519488号公報
本発明は、毛周期の休止期から成長期を誘導して休止期脱毛症(特に、男性型脱毛症)を治療するのに有用な薬剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、レプチンまたはその部分ペプチドが、毛周期の休止期から成長期を誘導し、休止期脱毛症の治療に優れた効果を有することを見出し、この知見に基づいてさらに研究を進め、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
[1] レプチンまたはその部分ペプチドを有効成分として含有することを特徴とする休止期脱毛症の治療剤、
[2] 有効成分がレプチンである上記[1]に記載の治療剤、
[3] 有効成分がレプチンの部分ペプチドである上記[1]に記載の治療剤、
[4] レプチンがヒトレプチンである上記[2]に記載の治療剤、
[5] ヒトレプチンがヒトリコンビナントレプチンである上記[4]に記載の治療剤、
[6] 部分ペプチドが配列番号4で示される上記[3]に記載の治療剤、
[7] 休止期脱毛症が男性型脱毛症である上記[1]〜[6]のいずれかに記載の治療剤、
[8] 製剤型が皮下投与用注射剤である上記[1]〜[7]のいずれかに記載の治療剤、
[9] 製剤型が局所塗布用製剤である上記[1]〜[7]のいずれかに記載の治療剤、
[10] 有効成分がリポソーム化されている上記[9]に記載の治療剤、
[11] 休止期脱毛症の治療剤を製造するためのレプチンまたはその部分ペプチドの使用、および
[12] 休止期脱毛症の患者に、治療有効量のレプチンまたはその部分ペプチドを投与することを特徴とする休止期脱毛症の治療方法、
に関する。
本発明に係る休止期脱毛症治療剤は、これをヒトに投与することにより、毛周期の休止期から成長期へと誘導し、休止期脱毛症を治療することができる。
図1は、毛周期(A)の図およびdb/dbマウスまたは正常マウスの生後35日(成長期)の毛包状態を示す写真である。Bは正常マウス、Cはdb/dbマウスを示す。
図2は、生後7週齢(第2休止期)のob/obマウスもしくは正常マウスの背部抜毛後14日目の写真およびob/obマウスもしくは正常マウスの毛包状態を示す図である。A、Bは正常マウス、C、Dはob/obマウスを示す。
図3は、生理食塩水またはレプチンを投与したob/obマウスの16日目の背部の写真である。Aは生理食塩水投与マウス、Bはレプチン投与マウスを示す。
図4は、生後7週齢の正常マウスに生理食塩水もしくはレプチンを投与した21日目の毛包状態を示す写真、およびレプチンまたは生理食塩水を投与した正常マウスの21日目の背部の写真である。Aは生理食塩水投与マウス、Bはレプチン投与マウスを示す。Cの上はレプチン投与マウス、Cの下は生理食塩水投与マウスを示す。
図5は、生後7週齢の正常マウスに生理食塩水もしくはレプチンの部分ペプチド(配列番号4)を投与した正常マウスの21日目の背部の写真である。
本発明に係る脱毛症治療剤の有効成分は、レプチンまたはその部分ペプチドである。本発明に係るレプチンとしては、マウスレプチンでもよく、ヒトレプチンでもよいが、好ましくはヒトレプチンである。シグナルペプチド(21アミノ酸)を含めたヒトレプチンのアミノ酸配列は、配列番号1で示され、マウスのそれは、配列番号2で示される。
また、本発明に係るレプチンは、レプチン機能が維持されていれば、数アミノ酸が欠失してもよく、付加してもよく、置換されていてもよい。
一方、本発明に係るレプチンの部分ペプチドとしては、前記レプチンの活性部位を含む部分ペプチド、すなわち低分子機能性ペプチドが挙げられる。部分ペプチドとしては、レプチンの起源となる動物(特にヒト)が本来有している酵素により切断されて生じる部分ペプチドが、抗原性が低いという点で好ましく、具体的には例えば配列番号4で示されるペプチドが挙げられる。
本発明に係るレプチンおよびレプチンの部分ペプチドは、常法により作製することができ、ヒトリコンビナントレプチン(R&D システムズ社製)またはヒトレプチンの部分ペプチド(BRACHEM社製)などの市販品を用いることもできる。作製する場合、遺伝子工学的手法により常法に従って製造することができる。例えば、レプチンを例に挙げて説明すると次のとおりであるが、部分ペプチドの場合も、これに準じて製造することができる。まず、レプチンをコードする遺伝子(レプチン遺伝子)を、通常の遺伝子工学的方法(例えば、Sambrook J.,Frisch E.F.,Maniatis T.著、モレキュラークローニング第2版(Molecular Cloning 2nd edition)、コールド スプリング ハーバー ラボラトリー発行(Cold Spring Harbor Laboratory press)などに記載されている方法)に準じて取得する。レプチン遺伝子は、ヒトレプチン遺伝子が好ましく、シグナルペプチドをコードした配列を含むそのDNA配列は配列番号3のとおりである。次いで、得られたレプチン遺伝子を用い、通常の遺伝子工学的方法に準じてレプチンを製造することができる。
例えば、レプチン遺伝子が宿主細胞中で発現できるようなプラスミドを作製し、これを宿主細胞に導入して形質転換し、さらに形質転換された宿主細胞(形質転換体)を培養することで得られる培養物からレプチンを取得すればよい。
上記プラスミドとしては、例えば、宿主細胞中で複製可能な遺伝情報を含み、自立的に増殖できるものであって、宿主細胞からの単離・精製が容易であり、宿主細胞中で機能可能なプロモーターを有し、検出可能なマーカーをもつ発現ベクターに、レプチンをコードする遺伝子が導入されたものを好ましく挙げることができる。例えば、大腸菌での発現に使用される発現ベクターは、lac、trp、tacなどのプロモーターを含む発現ベクターであって、これらはファルマシア社、宝酒造などから市販されている。さらなる高発現を導くことが必要な場合には、レプチンをコードする遺伝子の上流にリボゾーム結合領域を連結してもよい。用いられるリボゾーム結合領域としては、Guarente L.ら(Cell 20,p543)や谷口ら(Genetics of Industrial Microorganisms,p202,講談社)による報告に記載されたものを挙げることができる。
宿主細胞としては、原核生物もしくは真核生物である微生物細胞、昆虫細胞または哺乳動物細胞などを挙げることができる。例えば、レプチンの大量調製が容易になるという観点では、大腸菌などを好ましく挙げることができる。
本発明の治療剤は、休止期脱毛症の治療に優れた効果を発揮する。本発明の治療剤が適用できる休止期脱毛症としては、男性型脱毛症、分娩後(出産後)脱毛症、ピル服用後脱毛症、ダイエット・飢餓性脱毛症、圧迫性脱毛症、甲状腺機能低下による脱毛症、下垂体機能低下による脱毛症、副甲状腺機能低下による脱毛症、薬物性脱毛症、脂漏性脱毛症、牽引性脱毛症、粃糠性脱毛症、内分泌疾患に伴う脱毛症、接触性皮膚炎による脱毛症などが挙げられ、とりわけ男性型脱毛症が好ましい。本発明の休止期脱毛症治療剤は、局所的に外用投与されたときには、局所に塗布するかあるいは皮下注射するのが好ましい。有効成分であるレプチンまたはその部分ペプチドの投与量は、対象者の性別、年齢、体重、状態(症状)によっても異なるが、局所に塗布する場合、投与する皮膚面積に応じて、適宜選択することができるが、通常、適用部位の面積約10cmに対して、1日につき、約10〜1000mg、好ましくは約10〜500mgであるのがよい。前記の投与用量を、1日あたり、1回または数回に分けて適用すると良い。また、皮下注射する場合、レプチンまたはその部分ペプチドの投与量は、投与する皮膚面積に応じて、適宜選択することができるが、通常、適用部位の面積約10cmに対して、約1〜1000mg、好ましくは約10〜100mgであるのがよい。投与回数は特に限定するものではないが、1日1回ないし数週間に1回投与が好ましい。
本発明の脱毛症治療剤は局所的に投与される。その投与剤型としては、局所に塗布する場合は、軟膏、クリームなどの半固形剤、シャンプー、リンス、ローションなどの液剤、あるいはテープ剤などが挙げられ、局所に皮下投与する場合は、注射剤が挙げられる。これらの剤型への製剤化方法については、原則として通常の方法に従うものであるが、これらの製剤を製造する場合には、その製剤形態に応じた適当量の担体もしくは添加剤を使用することができる。
例えば、注射剤とする場合、溶媒(例えば、精製水)のほかに、分散剤(例、ツイーン(Tween)80(アトラスパウダー社製、米国)、HCO60(日光ケミカルズ製)、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウムなど)、保存剤(メチルパラベン、プロピルパラベン、ベンジルアルコールなど)、等張化剤(塩化ナトリウム、マンニトール、ソルビトール、ブドウ糖など)などの添加物を適宜使用することができる。
一方、局所に塗布するのに適した製剤(例えば、軟膏、クリーム、ローションなど)とする場合には、レプチンまたはその部分ペプチドをリポソーム化するなどして経皮吸収を容易にして、レプチンまたはその部分ペプチドが毛包組織に到達しやすくなるようにしておくことが好ましい。
リポソーム化とは、リポソーム(すなわち、膜状に集合した脂質および内部の水相から構成される閉鎖小胞)の内部に薬物を包含させることを意味し、レプチンまたはその部分ペプチドはリポソームを構成する膜状に集合した脂質層に包含されていてもよくリポソーム内部の水相に包含されてもよい。
本発明に係るリポソームには、脂質膜中および内水相中にそれぞれ親油性もしくは親水性の種々の成分を内包させることができる。
レプチンまたはその部分ペプチドのリポソーム化は、常法によって実施することができる。例えば、レプチンまたはその部分ペプチドの膜構成脂質成分への溶解、膜構成脂質成分とともに水溶性の非揮発性有機溶媒に混合、水性溶液への溶解もしくは懸濁などにより、レプチンまたはその部分ペプチドを脂質膜もしくは内水相へ内包させることができる。上記により調製したリポソーム化レプチンまたはその部分ペプチドを治療剤基剤に分散させて、休止期脱毛症の治療剤を得る。
リポソーム化に用いられる脂質としては、グリセロリン脂質、グリセロ糖脂質、スフィンゴリン脂質、スフィンゴ糖脂質、ステロール類などが挙げられる。前記グリセロリン脂質としては、ホスファチジルコリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルセリンなどが挙げられ、グリセロ糖脂質としては、ジガラクトシルジグリセリド、ガラクトシルジグリセリドなどが挙げられ、スフィンゴリン脂質としては、スフィンゴミエリンなどが挙げられ、スフィンゴ糖脂質としては、セレブロシド、ガングリオシドなどが挙げられ、ステロール類としては、コレステロール、コレステロールヘミサクシネートなどが挙げられる。ここで、ホスファチジルコリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルセリン、スフィンゴミエリン、ガングリオシドなどは各々二本ずつ飽和または不飽和の脂肪酸エステル鎖を有するが、その脂肪酸(アルカノイルまたはアルケノイル基)部分の炭素数が10〜18である脂質をリポソーム構成成分として使用することができる。炭素数が10〜18であるアルカノイルまたはアルケノイル基としては、例えば、デシリル、ウンデシリル、ラウロイル、トリデシリル、ミリストイル、ペンタデシリル、パルミトイル、ヘプタデシリル、ステアロイル、オレオイル基などを挙げることができるが、好ましくはラウロイル、ミリストイル、パルミトイル及びステアロイル基である。リポソーム内部を構成する水相には、通常、塩化ナトリウム水溶液、緩衝液(リン酸緩衝液、酢酸緩衝液など)、単糖類もしくは二糖類の水溶液(グルコース水溶液、トレハロース水溶液など)を使用することができる。
上記のようにして得られるリポソーム化レプチンまたはその部分ペプチドを用いて、前記した局所塗布に適した製剤とするには、この分野で採用されている方法に準じて行えばよい。
以下に試験例を用いて本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[試験例1]
(1)db/db(レプチン受容体欠損)マウスにおける毛周期の検討
日本クレア(株)より入手した生後35日のC57BL/KsJ−db/dbマウス(レプチン受容体欠損マウス)および同系統正常マウス(各n=3)の背部皮膚を切除し、ホルマリン固定後、公知の方法を用いてヘマトキシリン・エオジン染色標本を作製し、毛包の状態を観察した。その結果、全ての個体において正常マウスでは成長期毛包を認めた(図1のB)が、db/dbマウスでは休止期毛包のみが認められた(図1のC)。このことから、db/dbマウスは第2成長期へ移行できないことが検証された。なお、図1のAにマウスの正常な毛周期を示す。
(2)ob/ob(レプチン欠損)マウスにおける抜毛による成長期誘導
日本クレア(株)より入手した生後7週齢(第2休止期)のC57BL/6J−ob/obマウスレプチン欠損マウス)および同系統正常マウス(各n=3)の背部体毛を抜毛し、14日後に背部皮膚を切除し、ホルマリン固定後ヘマトキシリン・エオジン染色標本を作製し、毛包の状態を観察した。その結果、全ての個体において正常マウスでは成長期毛包を認めたが(図2のB)、ob/obマウスでは休止期毛包のみが認められた(図2のD)。このことから、ob/obマウスは抜毛刺激による成長期誘導ができないことが検証された。なお、図2のA、Cは背部皮膚切除直前のマウス背部の写真である。
(3)ob/ob(レプチン欠損)マウスにおけるレプチンによる成長期誘導
上記生後7週齢(第2休止期)のob/obマウス(n=3)の背部体毛を抜毛し、マウスリコンビナントレプチン(R&D システムズ社製)の生理食塩水溶液(10μg/0.1ml)を単回皮下注射したところ、16日目には背部皮膚は黒色に変化し、成長期が誘導されていることが確認された(図3のB)。なお、生理食塩水のみを投与したコントロール群では、背部皮膚はほとんど変化しなかった(図3のA)。このことから、レプチン欠損個体において、レプチンは休止期から成長期を誘導することが検証された。
(4)C57BL/6Jマウス(正常マウス)におけるレプチンによる成長期誘導
上記生後7週齢(第2休止期)のC57BL/6Jマウス(正常マウス,n=3)の背部体毛を剃毛し、上記マウスリコンビナントレプチンの生理食塩水溶液(10μg/0.1ml)または生理食塩水のみを単回皮下注射したところ、レプチンを皮下注射したマウスでは21日目には皮下注射部位に一致して発毛を認め(図4のC、矢印部分)、組織学的にも明らかに成長期毛包であることが確認されたが(図4のB、矢印部分)、生理食塩水を皮下注射したマウスでは発毛は認めず(図4のC、下部)、組織学的にも休止期のままであった(図4のA)。このことから、正常個体においても、レプチンは休止期から成長期を誘導することが検証された。
[試験例2]
C57BL/6Jマウス(正常マウス)における部分ペプチドによる成長期誘導
上記生後7週齢(第2休止期)のC57BL/6Jマウス(正常マウス,n=3)の背部体毛を剃毛し、ヒトレプチンの部分ペプチド(22−56残基、配列番号4、BRACHEM社製)の生理食塩水溶液(10μg/0.1ml)または生理食塩水のみを単回皮下注射したところ、部分ペプチドを皮下注射したマウスでは21日目には皮下注射部位に一致して発毛を認め(図5のB)、生理食塩水を皮下注射したマウスでは発毛は認めなかった(図5のA)。このことから、正常個体においても、部分ペプチドは休止期から成長期を誘導することが検証された。
(5)考察
以上の実験から、レプチンまたはその部分ペプチドは休止期脱毛症に対する治療効果を有することがわかった。
本発明に係る休止期脱毛症の治療剤は、休止期脱毛症の治療のための医薬として利用し得る。

Claims (12)

  1. レプチンまたはその部分ペプチドを有効成分として含有することを特徴とする休止期脱毛症の治療剤。
  2. 有効成分がレプチンである請求の範囲第1項に記載の治療剤。
  3. 有効成分がレプチンの部分ペプチドである請求の範囲第1項に記載の治療剤。
  4. レプチンがヒトレプチンである請求の範囲第2項に記載の治療剤。
  5. ヒトレプチンがヒトリコンビナントレプチンである請求の範囲第4項に記載の治療剤。
  6. 部分ペプチドが配列番号4で示される請求の範囲第3項に記載の治療剤。
  7. 休止期脱毛症が男性型脱毛症である請求の範囲第1〜6項のいずれかに記載の治療剤。
  8. 製剤型が皮下投与用注射剤である請求の範囲第1〜7項のいずれかに記載の治療剤。
  9. 製剤型が局所塗布用製剤である請求の範囲第1〜7項のいずれかに記載の治療剤。
  10. 有効成分がリポソーム化されている請求の範囲第9項に記載の治療剤。
  11. 休止期脱毛症の治療剤を製造するためのレプチンまたはその部分ペプチドの使用。
  12. 休止期脱毛症の患者に、治療有効量のレプチンまたはその部分ペプチドを投与することを特徴とする休止期脱毛症の治療方法。
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