本発明は、ハードウェアおよび/またはソフトウェア操作時における、ユーザの操作支援技術に関する。より具体的には、本発明は、機器、プログラム、サービスなどに関連するハードウェアおよび/またはソフトウェアをユーザが操作する時に、ユーザが行おうとする操作の確認および操作の説明を、ユーザに適応して実行する機器に関する。
機器がユーザに対して行う操作支援は、機器の機能が実行される前に自動的に操作確認を行う支援と、機能が実行された後にユーザからの要求に従ってヘルプ画面やヘルプ説明を表示する支援とに大別することができる。
機能実行前に操作確認を行う支援では、一般的には、設計者によって予め用意された機能に関する操作説明や操作確認文が自動的に表示される。例えば、新しく追加された機能に関する操作の説明や、コンテンツ消去などの操作前の状態に戻せない操作の説明が表示される。
一方、機能実行後にヘルプ説明等を表示する支援では、一般的にはユーザが「使用方法のよく分からない機能」を実行した後にヘルプ要求を出し、その要求に応答して機器はヘルプ説明を表示する。この支援方法は、ユーザから要求された機能に関する同一のヘルプ説明を、どのユーザに対しても一律に提示するため、ユーザの操作スキル(習熟度)に応じた操作説明が行えないという問題がある。
この問題に対し、特許文献1は、ユーザの習熟度に適応して操作説明を行うことを可能とする適応情報出力方法を開示している。この方法によれば、ユーザから要求があった機能操作に関して、要求された機能操作の習熟度が、ユーザが以前に使用した機器の機能操作との類似度に基づいて推定され、推定された習熟度に応じて操作説明が行われる。これにより、ユーザからの要求操作に対して、ユーザの習熟度に適応した説明を行うことができる。
日本国特開2004―38867号公報
しかしながら、機能実行前に操作確認を行う支援に関しては、ユーザのスキルや操作知識の有無に関わらず特定の機能に対して同じ説明が一律に表示されてしまう。これでは、ユーザが知っている機能であるにも関わらず操作確認が行われたり、知らない機能であるにも関わらず操作確認が行われないという操作確認の過不足が生じ、ユーザに適応した操作支援を行うことができない。
また、機能実行後にヘルプを表示する支援に関しては、特許文献1に記載の方法技術では、使用方法が分からない機能の説明要求をユーザから受け取る必要がある。ユーザは、操作方法がわからず困った状態に陥るたびに機器に対して要求操作の入力を行うことになり、煩雑な作業を強いられる。
そのため、ユーザが誤りそうな操作を予め正しく推定し、ユーザに適した操作確認や操作の説明の表示を自動的に行うことができれば、ユーザから要求操作を受け取る必要はなくなる。機能が実行される前に、ユーザが誤りそうな操作に対して操作の説明や確認を行うことは、ユーザの操作理解の支援や誤操作防止として有効である。
本発明の目的は、ユーザの入力操作時にユーザの知識に応じて誤りそうな操作を推定し、その入力が誤っている確率が高い操作に対して、自動的に操作確認を表示する等の操作支援を行う機器を提供することである。
本発明による電子機器は、複数の誤操作パターンを含むデータベースを格納した記憶部と、ユーザの操作を受け付ける入力部と、受け付けられた操作を示す操作情報、および、前記操作を修正するか否かを示す修正情報に基づいて前記データベースを参照して決定された前記ユーザに対応する少なくとも1つの誤操作パターンから、前記操作を確認するか否かを判定する判定部と、確認すると判定されたときは操作確認メッセージを提示するための信号を出力する出力部とを備えている。各誤操作パターンは、操作対象機器以外の操作経験を有する複数ユーザの操作経験に基づいて規定された操作対象機器の各機能の誤操作の情報である。
前記電子機器は、前記操作情報、および、前記修正情報に基づいて前記データベースを参照して、前記ユーザに対応する少なくとも1つの誤操作パターンを決定し、決定された前記少なくとも1つの誤操作パターンの各操作情報に関する誤操作の確率を算出する算出部をさらに備えており、前記判定部は、前記操作情報に対応する誤操作確率に基づいて、前記操作を確認するか否かを判定してもよい。
操作確認の情報を提供するための本発明による装置は、ユーザの操作を受け付ける入力部を有し、前記操作に基づいて動作する電子機器において用いられる。前記装置は、複数の誤操作パターンを含むデータベースを格納した記憶部と、受け付けられた操作を示す操作情報、および、前記操作を修正するか否かを示す修正情報に基づいて前記データベースを参照して決定された前記ユーザに対応する少なくとも1つの誤操作パターンから、前記操作を確認するか否かを判定する判定部と、確認すると判定されたときは操作確認メッセージを提示するための信号を出力する出力部とを備えていてもよい。各誤操作パターンは、複数ユーザの操作経験に基づいて規定された操作対象機器の各機能の誤操作の情報である。
前記装置は、前記操作情報、および、前記修正情報に基づいて前記データベースを参照して、前記ユーザに対応する少なくとも1つの誤操作パターンを決定し、決定された前記少なくとも1つの誤操作パターンの各操作情報に関する誤操作の確率を算出する算出部をさらに備え、前記判定部は、前記操作情報に対応する誤操作確率に基づいて、前記操作を確認するか否かを判定してもよい。
操作を確認しないと判定されたときは、前記出力部は受け付けられた操作に基づく動作を実行させるための指示信号を出力してもよい。
前記操作確認情報提供装置は、前記確率の情報を保持する確率情報記憶部をさらに備えていてもよい。
前記判定部は、前記操作情報に対応する誤操作の確率と所定の閾値との比較結果に基づいて、前記操作を確認するか否かを判定してもよい。
前記操作確認情報提供装置は、受け付けられた前記操作に基づいて、前記操作情報および前記修正情報を選別して出力する選別部であって、受け付けられた操作に基づいて前記操作情報を出力し、前記操作の受け付け時からの経過時間および前記操作情報を生成した後に受け付けられた操作の少なくとも一方に基づいて修正情報を出力する選別部をさらに備えていてもよい。
前記操作確認メッセージを含む信号が出力されたときにおいて、確認を行った前記操作を確定する操作が行われたときは、前記選別部は前記確認を行った操作を示す操作情報と、前記操作を修正しないことを示す修正情報とを出力してもよい。
前記操作確認メッセージを含む信号が出力されたときにおいて、確認を行った前記操作を取り消す操作が行われたときは、前記選別部は前記確認を行った操作を示す操作情報と、前記操作を修正することを示す修正情報を出力してもよい。
受け付けられた前記操作を取り消す操作が行われたときは、前記選別部は前記操作を示す操作情報と、前記操作を修正することを示す修正情報を出力してもよい。
前記操作の受け付け時から所定時間内に、次の操作が受け付けられなかったときは、前記選別部は前記操作を示す操作情報と、前記操作を修正することを示す修正情報を出力してもよい。
前記記憶部に格納されたデータベースにおいて、前記各誤操作パターンは、異なる操作体系を持つ複数の操作対象機器のひとつを操作した複数ユーザの操作経験に基づいて規定されていてもよい。
各操作対象機器は、前記複数ユーザが事前に操作経験を有していた機器と共通する機能を所定数以上有していてもよい。
各操作対象機器は、前記複数ユーザが事前に操作経験を有していた機器と異なるボタンラベルを所定数以上有していてもよい。
前記共通する機能に含まれる少なくとも1つの機能に関し、前記各操作対象機器において実行するために必要な操作のステップ数は、前記複数ユーザが事前に操作経験を有していた機器において実行するために必要な操作のステップ数と異なっていてもよい。
前記記憶部に格納されたデータベースにおいて、前記各誤操作パターンは、前記複数ユーザが事前に操作経験を有していた機器と共通する少なくとも1つの機能に関する誤操作の情報であってもよい。
前記操作確認情報提供装置は、前記確率を更新する更新部をさらに備えており、前記判定部において前記操作を確認すると判定されたとき、前記更新部は、前記操作が確認された通算の回数に応じて、前記操作の操作情報に対応する前記確率を更新してもよい。
前記更新部は、前記操作が複数回確認されたときは、前記操作の操作情報に対応する前記確率を一定の割合で低くしてもよい。
前記操作確認情報提供装置は、前記確率を更新する更新部をさらに備えており、前記更新部は、前記操作が行われなかった期間に応じて、前記操作の操作情報に対応する前記確率を増加させてもよい。
前記操作が所定期間以上行われなかったときは、前記更新部は、前記操作の操作情報に対応する前記確率を一定の割合で増加させてもよい。
本発明によれば、複数ユーザの操作経験(操作対象機器以外の操作経験)に基づいて規定された操作対象機器の各機能の誤操作の情報である誤操作パターンを複数準備し、ユーザの操作履歴によってそのユーザがその誤操作パターンのいずれに該当するかを決定する。そして、該当する誤操作パターンから、操作を確認するか否かを判定する。機器は、ユーザに適応して、そのユーザが誤りそうな操作に対して機器は操作確認を自動的に行うため、使用方法のよく分からない機能に対してヘルプの要求を出す必要はない。また、そのユーザにとって誤りがなさそうな操作に対しては操作確認を行わないため、ユーザは、不必要な操作確認へ回答する負担を減らすことができる。これらによって、ユーザに対するきめ細かい操作支援が実現される。
本発明の実施形態によるDVDレコーダ1の利用環境の構成を示す図である。
DVDレコーダ1のハードウェア構成を示す図である。
実施形態1による情報提供ユニット100の機能ブロックの構成を示す図である。
(a)は機器操作DB39の具体的なデータ構造を示す図であり、(b)は機器操作DB39の一般化したデータ構造を示す図である。
誤操作グループの候補を決定する処理の手順を示すフローチャートである。
(a)および(b)は、図5の手順に従って誤操作グループの候補が決定されるまでの例を示す図である。
誤操作グループの候補から誤操作確率を算出する処理の手順を示すフローチャートである。
(a)および(b)は、推定された誤操作グループから誤操作確率テーブルを生成する例を示す図である。
録画モードボタンが押下時の、操作情報(「録画モード」)に対する操作の説明と確認を表示した操作確認の一例を示す図である。
操作情報に対する操作説明のみを表示した操作確認の例を示す図である。
判定部107の処理の手順を示すフローチャートである。
情報提供ユニット100において行われる処理の手順を示すフローチャートである。
(a)および(b)は、入力操作の履歴に基づいて誤操作確率が更新される例を示す図である。
本実施形態による操作情報提供ユニット200の機能ブロックの構成を示す図である。
情報提供ユニット200において行われる処理の手順を示すフローチャートである。
操作確認出力によって誤操作確率が更新される一例を示す図である。
実験装置の配置を示す図である。
操作実験の手順を示すフローチャートである。
被験者が学習するための解答付き問題用紙の例を示す図である。
回答用紙の一例を示す図である。
実験手順にしたがって行われた実験結果の一例を示す図である。
実験結果に基づいて操作情報ごとの誤操作確率をまとめた結果の一部を示す図である。
符号の説明
1 DVDレコーダ
2 TV
3 リモコン
39 機器操作データベース(DB)
100 操作確認情報提供ユニット100
101 入力部
102 入力内容選別部
103 制御部
104 データベース記憶部
105 誤操作確率算出部
106 確率情報記憶部
107 操作確認判定部
108 出力部
110、111 CPU
200 操作確認情報提供ユニット
201 操作確認更新部
以下、添付の図面を参照して、本発明による電子機器および操作確認情報提供装置の実施形態を説明する。
まず初めに、図17から図22を参照しながら、本願発明者らが行ったDVDレコーダを用いた操作実験を説明し、本発明の原理の根拠を説明する。その後、図1から図16を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
1.実験の概要
本実験では、評価対象でない機器(DVDレコーダ)の操作学習を事前に行い、その後、評価対象のDVDレコーダのリモコン操作における正解率の変化を観察した。
被験者は、DVDレコーダの機能操作の学習を行う組と学習を行わない組に分かれた。学習を行う組は、事前に評価対象でない機器(4台のDVDレコーダ)の内、何れかの機種の機器操作学習を行い、他の3機種を用いて20問の操作テストを行った。一方、学習を行わない組は、何れの機種の学習も行わずに、4台のDVDに対して、学習を行う組と同じく20問の操作テストを行った。
操作学習機種ごとに正解率を比較した結果、事前に操作学習を行った機器の違いにより、同一の機器の同一の操作問題に対しても異なった操作を誘発することを確認した。この結果より、ユーザからの入力の正誤から事前に使用していた機器の推定が可能であること、および、事前に使用していた機器が推定されれば、初めて行われる操作に対しても、それが誤操作であるか否かをユーザごとに予測可能であることが導かれた。
2.DVDレコーダ操作実験の詳細
本実験の目的は、事前に機器操作学習を行った条件下でのDVDレコーダのリモコン操作テストにおける正解率の変化を観察することである。
大学生の被験者15人に対して、操作体系及びリモコン、GUI、機器表示の各インタフェース等が異なる4台のDVDレコーダを準備して実験を行った。4台の内訳は、DMR−EH60(Panasonic製)、DMR−E95H(Panasonic製)、PSX DESR−7700(Sony製)、RD−XS43(東芝製)である。被験者は全員DVDレコーダを所有しておらず、最初は詳しい操作方法を知らなかった。
図17は、実験装置の配置を示す。テレビ10はTH−36DH200(panasonic製)である。テレビ10は、リモコンの操作結果を表示するために設けられている。PCモニタ12はFlex Scan L685 17inch液晶ディスプレイ(EIZO)である。PCモニタ12は被験者11にテスト問題を提示するために設けられている。
被験者11とテレビ画面10との距離13は180cmとし、通常家庭でテレビを見る距離として自然な距離として決定した。また、被験者11への問題提示、及び機器操作を行うため、実験者14は被験者11の後方にて待機した。
図18は、操作実験の手順を示す。ステップS181において、まず学習を行う被験者か学習を行わない被験者かを判定する。本実験では15人中12人の被験者を学習対象者とし、残りの3人の被験者は学習非対象とした。
ステップS182において、ステップS181で学習を行うと判定した被験者に対して1台のDVD操作の学習を行ってもらった。12人を、3人を1グループとした4グループに分けて、グループごとにDMR−EH60、DMR−E95H、PSX DESR−7700、RD−XS43のいずれかを学習することとした。
図19は、被験者が学習するための解答付き問題用紙の例を示す。問題用紙には、ある状態を実行したい時に、どのような状態でどのような操作をすればよいかが記載してある。学習方法は、図19に示す解答付き問題用紙を被験者に渡し、実際にDVDのリモコン操作を行いながら、被験者が自由に学習を行う方法を用いた。学習時間は20分とした。
ステップS183において、ステップS182で学習を行った被験者に対して学習確認テストを行った。テスト方法は、ステップS182で学習に用いたものと同じ問題を図17に示すPCモニタ12に順次出力し、各問題に対して被験者がリモコンのボタンを押し、押された操作の正誤結果を実験者が記録する方法で行った。
再び図18を参照する。ステップS184において、ステップS183で学習を行った被験者が、学習を完了したかどうかを判定した。判定方法は、ステップS183で行った学習確認テストの結果が全て正解であった時に学習完了と判定した。一方、学習確認テストの結果が全て正解ではなかった時には学習が完了していないと判定し、ステップS182に戻り、再度学習を行ってもらった。
ステップS185において、ステップS184で学習が完了したと判定した被験者と、ステップS181で学習を行わないと判定した被験者に対して、評価対象機器の操作テストを行った。ステップS184で学習が完了したと判定された被験者は、学習に用いていない他の3台のDVDレコーダを評価対象機器として操作テストを行い、ステップS181で学習を行わないと判定した被験者は、4台全ての機器を評価対象機器として操作テストを行った。操作テストはステップS183で用いた問題と同じ問題を用いた。
図20は回答用紙の一例を示す。回答方法は、各問題がPCモニタ12に表示された後、まずその問題の回答に対する確信度を記入してもらった後に、被験者が回答用紙に正解と思うリモコンボタンに印を記入する方法で行った。被験者は回答を紙に記入し、実際にリモコン操作を行わないため、操作結果による機器の反応は被験者には伝わらない。そのため、評価対象機器に対する操作知識がユーザの機器操作による機器の反応によって変わってしまうことを防ぐことができ、事前の学習条件の違いだけから、各機種の各問題を直接比較して評価することができる。
図21は、上述の手順による実験結果の一例を示す。図21はEH60使用時の各学習群の正解率を問題別に見た正解率20と、ユーザの操作情報21を示した結果の一覧である。「操作情報」とは、ユーザから取得した入力操作の情報である。例えば、再生ボタンを押した時の操作情報は「再生」である。
表中の機能23は、各問題に対応するDVDレコーダの機能を示す。また、表中の空欄部分は、被験者が正解の操作を行っている部分である(表中の正解操作22の操作)。また、空欄で無い部分は誤った操作であることを示しており、同時にどの操作で間違えたかが示されている。
図21の正解率を問題別に比較すると、学習群ごとに誤操作する機能や誤操作時の操作が異なっている。例えば、図21の誤操作パターン24のように、Q7のHDD切替機能に関する問題ではE95Hは誤操作しないが、他の学習群は誤操作している。即ち、誤操作する機能の違いによって、前に使用した機器を推定することが可能となる。
また、例えば図21の誤操作パターン25のように、Q10の録画一覧表示機能に関する問題では、PSXを学習した被験者は「HDD」ボタン、XS43を学習した被験者は「番組表」ボタンを押して誤操作している。この結果より、機能に対する誤操作時の操作情報の違いを用いても、前に使用した機器を推定することが可能となる。
以上の結果から、前に使用した機器の操作経験が、未使用機器を操作する際に誤操作する機能が個人によって異なる要因になっていることがわかった。そして、機能の正誤パターンからユーザが前に使用した機器を推定することができ、推定された前に使用した機器によって異なる誤操作しそうな機能を予測できることがわかった。
しかし、実際の機器操作においては、ユーザから得られるのはリモコンの操作であり、機能ではない。即ち、操作の情報からだけでは、ユーザが意図した機能としてボタンを押したのか、ユーザが意図していない機能としてボタンを押したかが判別できない。そのため、上述の機能ごとに得られたデータベースをそのまま用いても、ユーザの操作からだけでは、ユーザが前に使用した機器を推定することや、推定された前に使用した機器によって異なる誤操作しそうな機能を予測することが出来ない。
そこで、前述の実験結果を問題別ではなく、操作ボタン別に検討した。図22は、実験結果に基づいて操作情報ごとの誤操作確率をまとめた結果の一部を示す。「HDD」等は操作ボタン名33に対応する操作情報である。「誤操作確率」とは、ユーザから入力された操作情報が誤操作する確率をいう。
図22によれば、操作情報である各ボタン操作の誤操作確率が学習群ごとに異なっていることが理解される。例えば操作情報「録画」に対応する誤操作確率のうち、PSX学習群の欄31の数値のみが33.3%を示している。これは、PSXを学習した被験者だけが「録画」ボタンを誤操作していることを意味する。一方、操作情報「番組表」に対応する誤操作確率のうち、XS43学習群および学習なし群の欄32の数値は0.0%ではない。これらの群に属する被験者は「番組表」ボタンを誤操作していることが理解される。
よって、事前に学習していた機器に応じて、機能ごとに誤操作の内容が異なるといえる。この結果より、操作の間違え方の違いからのみによって、誤操作グループの推定が可能であることがわかる。即ち、ある操作情報に対してその操作が誤っているか否かを知ることができれば、ユーザが前に使用した機器を推定し、推定された機器に合わせた操作支援が可能となる。
例えば、図22の操作情報「録画」に対応する誤操作確率を考慮すると、「録画」ボタンを誤って操作したのはPSXを学習した被験者だけであるため、「録画」ボタンの押下が誤操作であったユーザが以前に使用していた機器はPSXであると推定できる。
ユーザが以前PSXを使っていたことが分かると、さらに以下の推定も可能になる。たとえば、そのユーザが現在使用している機器のHDDボタンを初めて押下したとする。図22の操作情報「HDD」に対応する誤操作確率を考慮すると、PSX学習群の誤操作確率34は100%である。よってHDDボタンの押下は誤操作である可能性が非常に高いと推定できる。
この推定結果を利用すると、機器の動作をそのユーザに適応させて切り替えることができる。すなわちHDDボタンが押下されたときには、すぐにHDDボタンに対応する機能を実行するのではなく、実行に先立ってそのボタンによって実行できる機能の説明や操作確認を行えばよい。この考えによれば、初めて行った操作に対しても、機能を実行する前に理解支援や操作確認を自動的に行うことができるといえる。
以上をまとめると、本実験からは次の2つの知見が得られた。
1.操作の正誤から以前に使用していた機器の推定が可能である。
2.以前使用していた機器が判明すると、ユーザ毎に異なる、そのユーザが誤りやすい操作の予測が可能である。
以上の知見より、異なる体系で操作を間違えるユーザグループを複数準備して、各グループのユーザの操作経験に基づいて複数の誤操作パターンを規定しておく。ユーザの操作履歴と各誤操作パターンに基づいて、そのユーザがどのグループに属するかを判定し、判定後はそのグループの誤操作パターンに基づいて、各操作に対する誤操作確率を推定することにより、ユーザによって異なる誤りそうな操作を予測できる。
即ちこの知見を用いることにより、操作履歴と正誤の操作情報のみから、誤りと推定される操作に対して操作支援を行うか否かを判断できる。よって、ユーザからの要求操作を受け取ることなく各ユーザに適応した操作支援を行う処理への応用が可能である。
3.本発明の実施形態の説明
各実施形態を説明する前に、まず図1および図2を参照しながら、本発明による操作確認情報提供装置およびその装置を備えた電子機器が用いられる機器の環境を説明する。以下の説明では、電子機器はDVDレコーダとする。
図1は、本実施形態によるDVDレコーダ1の利用環境の構成を示す。DVDレコーダ1は、DVD(図示せず)に放送番組を録画し、DVDに録画された放送番組を再生する機能を有する。再生された映像および音声は、TV2の画面に表示され、そのスピーカから出力される。ユーザは、リモコン3や本体ボタン(図示せず)を利用してDVDレコーダ1を操作し、DVDレコーダ1の種々の機能を実行させることができる。
DVDレコーダ1は、操作確認情報提供ユニット100を内蔵している。操作確認情報提供ユニット100(以下「情報提供ユニット100」と記述する。)は、ユーザがリモコン3等を利用してDVDレコーダ1を操作する時において、データベースを参照してユーザから受け付けた操作が誤操作である確率を算出し、その確率に基づいて誤操作の可能性があること等をユーザに確認するか否かを判定する。そして、確認すると判定したときは、操作確認メッセージを提示するための映像信号や音声信号を出力する。それらの信号はTV2の画面やスピーカ等から映像や音声として出力される。ユーザはその操作確認画面等を見て、その操作が、自分が希望する機能の実行に適切であるか否かを判断することができる。
図2は、DVDレコーダ1のハードウェア構成を示す。DVDレコーダ1(以下、「レコーダ1」と記述する。)は、DVD4に任意のデータを書き込み、読み出すことが可能である。なお、DVD4は再生専用ディスクであってもよく、その場合にはレコーダ1はデータの読み出しのみを行う。なお、DVDレコーダ1はハードディスクドライブ(HDD)を有していてもよく、そのときDVDレコーダ1は、ハードディスクに任意のデータを書き込み、読み出すことが可能である。
レコーダ1は、バス300と、チューナ301と、ADコンバータ302と、エンコーダ303と、DVDドライブ304と、デコーダ305と、グラフィック制御部306と、出力回路307と、受光部308と、CPU309と、EEPROM310と、RAM311と、情報提供ユニット100とを備えている。
以下、各構成要素の機能を説明する。バス300は信号線である。バス300はレコーダ1の他の構成要素同士を接続して、レコーダ1内の信号を伝送する。
チューナ301は、アンテナ(図示せず)から放送波の信号を受け取り、周波数に基づいて選局を行って必要な番組の信号を取り出す。ADコンバータ302はチューナ301からの信号をデジタル変換してエンコーダ303に供給する。エンコーダ303は、録画の開始指示を受け取ると、供給されたデジタルデータを、たとえばMPEG−2形式に圧縮符号化して符号化データとして出力する。
DVDドライブ304は、たとえばディスクトレイ、光ヘッド、スピンドルモータ、スピンドルモータの回転をディスクに伝達する回転軸およびドライブ全体の動作を制御するコントローラ等(いずれも図示せず)を備えている。DVDドライブ304は、録画の開始指示を受け取ると符号化データをDVD4に書き込む。また再生の開始指示を受け取るとDVD4に書き込まれた符号化データを読み出す。
デコーダ305は、再生の開始指示を受け取ると、DVDドライブ304によって読み出された符号化データを伸長して、映像や音声の非圧縮データに変換し、グラフィック制御部306に供給する。
グラフィック制御部306は、内部メモリ(図示せず)の映像データを映像の非圧縮データに重畳することによって、オン・スクリーン・ディスプレイ(On Screen Display;OSD)機能を実現する。またグラフィック制御部306は、受け取った操作確認情報に基づいて、所定のメッセージや画面を表示する映像信号を出力する。例えば、グラフィック制御部306は、特定のユーザが所定のボタンを押下した時に操作説明文を含む映像の信号を出力したり、種々のメニュー画像と映像とを合成した映像信号(デジタルベースバンド信号)を出力する。出力回路307は、入力されたデジタル映像信号/音声信号をアナログ変換して出力する。出力先は、例えばTV2である。
受光部308は、リモコン3からの赤外線を受光し、ユーザの操作に基づく指示、例えば録画の開始/停止、録画した番組の再生の開始/停止等の指示を、バス300を介してCPU309や操作確認情報提供ユニット100に送る。
CPU309は、レコーダ1の全体の動作を制御する中央制御ユニットである。CPU309は、EEPROM310とRAM311とを利用して、レコーダ1内の信号の流れを含む全体的な処理を制御する。CPU309は、EEPROM310に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、プログラムに基づく処理を実現するための制御信号を生成し、CPUバス300を介して各構成要素に出力する。
EEPROM310は、電気的に書き換え可能な不揮発性メモリであり、レコーダ1を制御するためのソフトウェアプログラムが格納されている。添付の図面に含まれる実施形態の説明に関する種々のフローチャートは、それぞれがソフトウェアプログラムとして実装されている。なおEEPROM310は、後述する情報提供ユニット100内のCPU(後述)において実行されるソフトウェアプログラムを格納していてもよい。
RAM311は、CPU309がプログラムを実行するために必要なデータを格納するためのワーク領域を有する。例えば、CPU309は、CPUバス300を使用してEEPROM310からプログラムをRAM311に読み出し、そのプログラムを実行する。
なお、コンピュータプログラムは、CD−ROM等の記録媒体に記録して市場に流通され、または、インターネット等の電気通信回線を通じて伝送される。これにより、PC等を利用して構成されたコンピュータシステムを、本実施形態によるレコーダ1と同等の機能を有する電子機器として動作させ、または情報提供ユニット100と同等の機能を有する装置として動作させることができる。
情報提供ユニット100は、1つの集積回路または複数の集積回路を搭載した基板として実装されている。以下では、情報提供ユニット100は1つの集積回路を搭載した基板として実装されているとして説明する。
以下、レコーダ1に実装されたときの、本発明による情報提供ユニット100の実施形態を説明する。
(実施形態1)
以下、図3を参照しながら、本実施形態による情報提供ユニット100を説明する。
図3は、本実施形態による情報提供ユニット100の機能ブロックの構成を示す。情報提供ユニット100は、入力部101と、データベース記憶部104と、確率情報記憶部106と、出力部108と、CPU110とを備えている。
まず情報提供ユニット100の動作の概要を説明する。データベース記憶部104は、複数ユーザの操作経験に基づいて規定されたレコーダ1の各機能の誤操作パターン(誤操作の情報)を含むデータベースを格納している。ここでいう操作経験とは、操作対象機器であるレコーダ1以外のレコーダ(たとえば異なるメーカーのレコーダ)の操作経験である。CPU110は、ユーザの操作履歴の情報、すなわちユーザの操作を示す操作情報、および、その操作を修正するか否かを示す修正情報に基づいてデータベースを参照する。そして、そのユーザに対してどの誤操作パターンを適用すべきかを決定し、その誤操作パターンを利用して、入力されたユーザの操作が誤操作である確率を算出する。
次に、CPU110はその確率に基づいて操作を確認するか否かを判定し、確認すると判定したときは操作確認メッセージを提示するための指示信号を、出力部108を介して出力する。
たとえば誤っている確率が比較的高い操作に対しては、その操作に基づく動作が実行される前に、CPU110は「この操作を行いますか?」と操作確認を表示するための指示信号を出力する。これにより、そのユーザが誤りそうな操作に対して操作確認を行うことができる。
一方、誤っている確率が比較的低い操作に対しては、CPU110は操作確認を表示するための指示信号を出力することなく、その操作に基づく動作の実行をレコーダ1のCPU309に指示する。ユーザに毎回操作確認を行わないため、ユーザが回答を入力する負担を減らすことができる。
1.実施形態1による操作確認情報提供ユニットの各構成要素の説明
次に、情報提供ユニット100の構成を詳細に説明する。
入力部101は、情報提供ユニット100をレコーダ1のバス300に接続している。そして入力部101は、レコーダ1によって受け付けられた、ユーザからの入力操作を特定する情報を取得する。
入力操作とは、リモコン3の他、マウス、キーボード、レコーダ1本体のボタン(図示せず)等を利用してレコーダ1に対して行われる操作である。またGUIを利用したアイコンの選択も入力操作に該当する。例えばユーザがリモコンの「決定」ボタンでGUI画面の「再生」アイコンを選択した時には、入力操作はリモコンの「決定」ボタンの押下ではなく、「再生」アイコンの選択となる。「再生」ボタンが押下されたときと「再生」アイコンが選択されたときとでは、入力部101は、同じ入力操作を特定する情報を取得する。
CPU110は、情報提供ユニット100の動作を制御する。以下では、CPU110はレコーダ1のCPU309とは別の集積回路であるとして説明するが、これは例である。レコーダ1のCPU309がCPU110に代わってコンピュータプログラムを実行することにより、後述するCPU110の各機能をCPU309のみを利用して実現することもできる。このときは、情報提供ユニット100はソフトウェア的に実現される。情報提供ユニット100のための個別の基板や回路等のハードウェアは不要である。
以下、CPU110の詳細な構成を説明する。CPU110は、入力内容選別部102と、制御部103と、誤操作確率算出部105と、操作確認判定部107とを有している。これはCPU110を機能的にみたとき、CPU110は入力内容選別部102と、制御部103と、誤操作確率算出部105と、操作確認判定部107として動作することを意味する。CPU110は、実行するコンピュータプログラムの手順に従って動作することにより、これらの構成要素として機能する。
入力内容選別部102(以下「選別部102」と記述する。)は、入力部101から受け取った入力操作を特定する情報を「操作情報」と「直前操作修正情報」の組み合わせとしてそれぞれ選別する。
「操作情報」とは、ユーザが行った入力操作を特定する情報であり、たとえばユーザがリモコン3の「再生」ボタンを押した時の操作情報は「再生」である。
「直前操作修正情報」とは、ユーザが直前の操作を修正するか否かを示す情報であり、「修正有」または「修正無」のいずれかとなる。修正しない操作は「修正無操作」と呼び、直前の操作を修正する操作は「修正有操作」と呼ぶ。「再生」ボタンを押した後、再生を開始させる「決定」ボタンではなく、前のメニューに戻るための「戻る」ボタンが押されたときは、直前操作修正情報は「修正有」となる。
具体的な選別方法としては、例えば選別部102は、入力操作が操作確認結果の入力であるかどうかを判定する。操作確認結果とは、出力された操作確認画面に対するユーザの操作のことである。操作確認結果ではなかった場合は、入力部101から受け取った入力操作を(操作情報、修正無)として選別する。その応答が操作確認結果である場合は、確認した操作を実行したときに(直前の操作情報、修正無)として選別し、確認した操作を実行しなかったときには(直前の操作情報、修正有)として選別すればよい。
例えば、「録画モード」ボタンが押された時に「録画する画像の画質を設定します。XPモード(高画質)、SPモード(標準画質)、LPモード(長時間)、EPモード(さらに長時間)の4種類の画質を選べます。設定を行いますか?」という操作確認メッセージが出力されたとする。このとき、ユーザが「はい」もしくは「いいえ」を選択する操作が操作確認結果である。「はい」が押された場合は、ユーザが事前に行いたかった操作であることを示すので、選別部102は、操作情報を「録画モード」、直前操作修正情報を「修正無」として選別する。一方、「いいえ」が押された場合は、ユーザが事前に行おうとしていなかった操作であることを示すので、操作情報を「録画モード」、直前操作修正情報を「修正有」として選別する。
また、例えばユーザの入力操作が、直前の入力操作を取り消すボタンの押下であった時には、操作情報を直前の入力操作に基づいて決定し、直前操作修正情報を「修正有」として選別してもよい。また、「録画モード」ボタンを押した後にリモコンの「戻る」ボタンが押された時には、選別部は操作情報として「録画モード」、直前操作修正情報として「修正有」を選別する。
また、例えばユーザの入力操作が、次の入力操作までの間に一定時間以上経過した時には、最初の入力操作を操作情報とし、直前操作修正情報を誤操作として、すなわち「修正有」として選別してもよい。例えば、「機能選択」ボタンを押して、次の入力操作までの間に10秒以上経過した時には、入力選別部は操作情報として「機能選択」、直前操作修正情報として「修正有」と選別する。
制御部103は、後述する操作確認判定部107が操作確認を行わないと判定したときに、選別部102から受け取った操作情報に対応する動作の実行をレコーダ1に指示する。例えば、操作情報として「再生」が入力されると、制御部103は、レコーダ1に対して、レコーダ1に録画された番組の再生を指示する。一方、操作確認を行うと判定したときは、操作情報に対応した動作の実行を指示する前に、操作確認画面を出力するようレコーダ1に指示する。
誤操作確率算出部105(以下「算出部105」と記述する)は、選別部102から取得した操作情報および直前操作修正情報に基づいて、後述する機器操作データベース39を参照し、そのユーザに対応する少なくとも1つの誤操作パターンを決定する。そして算出部105は、決定した少なくとも1つの誤操作パターンの各操作情報に関する誤操作の確率を算出し、誤操作確率テーブルを作成する。
操作確認判定部107(以下「判定部107」と記述する)は、操作情報に対応する誤操作の確率に基づいて、その操作を確認するか否かを判定する。
なお、算出部105および判定部107については、機器操作データベース39等の詳細な構成を説明した後、さらに詳細に説明する。
データベース記憶部104は、機器操作データベース(DB)39を保持する。機器操作DB39は、レコーダ1の各機能に対する、誤操作グループ別の誤操作パターンを含んでいる。誤操作グループ別の誤操作パターンとは、複数ユーザの操作経験に基づいて規定された、操作対象機器(すなわちレコーダ1)の各機能の誤操作の情報である。
確率情報記憶部106は、算出部105において算出された誤操作確率テーブルを記憶する。
次に、図4(a)および(b)を参照しながら、機器操作DB39をより詳細に説明する。
図4(a)は機器操作DB39の具体的なデータ構造を示す。図4(a)に示されるように、機器操作DB39には誤操作グループA〜Dのそれぞれに対応する誤操作パターンが規定されている。たとえば誤操作グループAに対しては、誤操作パターン40が規定されている。表中の機能41は、「番組表」の表示、「録画番組リスト」の表示、「録画」、「再生」等の、機器が持つ各機能を示す。そして、その機能を実現するための正しいリモコンボタン操作が「正解操作」である。
ここでいう「誤操作グループ」とは、操作経験を有する機器の機能および操作方法に引きずられて、現在使用している機器の機能を実行する際に発生する誤操作のパターンが類似するユーザのグループ(ユーザ群)を意味する。
ここで、「誤操作パターン」とは、各機能に対応してユーザが行った各操作を示す操作情報の集合を表しており、「録画ボタン」や「再生ボタン」などの実際にユーザが操作したボタンにしたがって規定される。操作情報は正解を示すこともあるし、不正解(すなわち誤操作)を示すこともある。
たとえば誤操作グループAの誤操作パターン40の内容は、「番組表」、「録画番組リスト」、「録画」に関しては正解操作と同じであるから、それぞれ正解を示しているといえる。一方、誤操作グループBの誤操作パターンは、「録画番組リスト」に関してはメニューボタンが操作されたことを示しているから、この機能に関しては誤操作であることがわかる。
機器操作データベースの作成方法は、現在操作している機器、あるいは、操作経験がある機器別に被験者を集め、操作確認を行いたい機器の各機能に対して質問を行う操作実験を行い、操作情報を記録してデータベースにすればよい。すなわち、操作確認を行いたい機器の各機能に対して質問を出し、その質問に対するユーザ操作に基づく操作情報を取得する。そして各機能と得られた操作情報とを対応付けて格納すると、データベースを得ることができる。
図4(b)は機器操作DB39の一般化したデータ構造を示す。図4(a)と対応する要素には同じ参照符号を付している。以下では、図4(b)の一般化された機器操作DB39を利用して説明する。
また、以下では、誤操作を示す操作情報を特に「誤操作情報」と記述する。例えば、番組表から録画予約を行う機能を実行する操作に際し、「決定ボタン」が正解操作であるのに対して、「録画ボタン」を押下して誤操作した場合は、「録画」が誤操作情報となる。
以下に誤操作グループの構築方法について説明する。
前述の<DVDレコーダ操作実験の詳細>の項目で説明したように、E95HやPSXなどの異機種は、誤操作する機能や操作内容が異なる。したがって、各異機種の操作経験を有するユーザのそれぞれを各誤操作グループに分類することができる。
なお、同じ機能を一定数以上有する機器の操作経験を有する複数のユーザを同じ誤操作グループに属するとして分類してもよい。例えば、前述の<DVDレコーダ操作実験>で説明した方法と同じく、類似した機器の型番号のDVDレコーダの操作経験を有するユーザは同じ誤操作グループに分類すればよい。また、録画再生機器であるビデオレコーダやHDDレコーダ、再生機器であるビデオプレーヤーやDVDプレーヤーなどはそれぞれ同じ機能を多く有するので、それぞれの操作経験を有するユーザを同じ誤操作グループに分類してもよい。これにより、異機種毎に実験するのに比べて誤操作グループの数を削減でき、実験にかかる作業量の削減と機器操作データベースの容量を削減することが可能となる。
ただし、同じ機能を一定数以上有する機器であっても、リモコンやGUI、機器に付随するボタンラベルが一定数以上異なる機器の操作経験を有するユーザを、異なる誤操作グループに分類することができる。例えば、録画した番組の一覧を表示する機能に対応するボタンは、メーカーによって「再生ナビ」や「番組ナビ」などが付され異なっている。このような同じ機能に対して操作するボタンラベルが異なることは、ユーザが誤操作する原因の1つになると考えられる。そこで、機能とボタンラベルの共通性および非共通性の観点から誤操作グループを構築することは有効である。
さらに、同じ機能を一定数以上有する機器であっても、操作ステップ数が異なる機能数を一定数以上有する機器の操作経験を有するユーザを、異なる誤操作グループに分類することができる。例えば、「録画した番組の一覧を表示する機能」に対応する操作はメーカーによって1回のボタン操作の場合であったり、2回以上のボタン操作であったりするなど異なっており、このような同じ機能に対する操作ステップ数の違いは、ユーザが誤操作する原因の1つになると考えられる。そこで、機能と操作ステップ数の共通性および非共通性の観点から誤操作グループを構築することは有効である。
また、機器操作データベースを作成する場合は、操作確認を行う機器とユーザの操作経験の有る機器との共通機能に対してのみ操作テストを行ってもよい。例えば、「タイムワープ」などのユーザの操作経験の有る機器に無い新機能に関しては、誤操作というよりは機能の意味自体が分からない場合があるので、操作確認を行う必要がある機能として一律に処理する方が有効であるからである。共通機能に対してのみ実験を行うことで、被験者に尋ねる質問数を削減できる。
次に、図5〜図8を参照しながら、算出部105が誤操作確率を算出する処理の手順を説明する。「誤操作確率」とは、機器操作DB39を各入力操作別に再集計して算出した、操作に対する誤操作の確率を意味する。
算出部105は、大きく分けて2つの主要な処理を行う。すなわち、操作しているユーザに対応する誤操作パターンを決定する処理と、決定した誤操作パターンに対応する誤操作確率を算出する処理である。
以下では、まず図5および図6を利用して、算出部105が誤操作パターンを決定する処理を説明する。誤操作パターンを決定する処理とは、換言すればユーザがどの誤操作グループに属するかを推定し、その候補を決定する処理ということができる。その後、図7および図8を利用して、決定した誤操作パターンに基づいて誤操作確率を算出する処理を説明する。
図5は、誤操作グループの候補を決定する処理の手順を示す。また、図6(a)および(b)は、図5の手順に従って誤操作グループの候補が決定されるまでの例を示す。
ステップS51において、算出部105は、選別部102から操作情報を取得する。例えばボタンB1が押下されると、算出部105は操作情報B1を取得する。
ステップS52において、同じく選別部102から直前操作修正情報を取得する。例えばボタンB1の押下後に「戻る」ボタンが押下されると、直前操作修正情報は「修正有」となる。
ステップS53において、算出部105はデータベース記憶部104から機器操作DB39を取得する。
ステップS54において、算出部105は機器操作DB39の誤操作グループ候補を取得する。なお、最初に機器を操作する際は、誤操作グループ候補の初期値として、機器操作データベースに記載の全ての誤操作グループを記憶しておけばよい。
例えば、操作情報B1を取得したときは、算出部105は、図6(a)の各誤操作グループA〜Dのうち、誤操作パターン中にB1を含む誤操作グループ候補A(51)、誤操作グループ候補B(52)、誤操作グループ候補C(53)を誤操作グループ候補として取得する。
次に、図5のステップS55において、算出部105は受け取った各誤操作グループ候補の誤操作パターンから、ステップS51で取得した操作情報と同じ操作情報を選択する。例えば、図6に示す誤操作グループ候補A(51)、誤操作グループ候補B(52)、誤操作グループ候補C(53)のそれぞれの誤操作パターンから、操作情報B1(50)と同じ操作情報を選択する。
ステップS56において、算出部105はステップS55において各誤操作グループ候補別に選択した操作情報と、選択された操作情報に対する正解操作とをそれぞれ比較し、選択された全ての操作情報を正解操作と誤操作に分別する。
例えば、図6の誤操作グループ候補B(52)の誤操作パターンを参照すると、操作情報B1と同じ操作情報は2つ存在する(このとき、誤操作グループ候補Bの誤操作パターン中には、他に操作情報B1は含まれていないとする)。これらをそれぞれ正解操作欄の値と比較する。その結果、機能1については操作情報B1は正解操作となり、機能2については操作情報B1は誤操作となる。
ステップS57において、算出部105はステップS56で各誤操作グループ候補別に選択した操作情報のうち、全操作情報の中に誤操作情報が含まれる割合(確率)を算出する。算出は、数1を用いて行えばよい。
ここで、左辺P
o gは誤操作グループgにおいて操作情報oが誤操作である確率、BC
o gは、誤操作グループgにおいて操作情報oが「正解操作」となる総数、BI
o gは、誤操作グループgにおいて操作情報oが「誤操作」となる総数を示す。
例えば図6(b)は、算出部105によって算出された、操作情報B1に関する各誤操作グループ候補A,BおよびCの誤操作確率を示す。誤操作グループ候補B(52)についてみると、算出部105は、操作情報B1に対する誤操作確率を50%と算出する。操作情報B1の2つのデータのうち正解として押された操作は1つ、誤操作として押された操作は1つだからである。
ステップS58において、算出部105はステップS51で取得した操作情報が修正有か修正無かを判定する。判定に際しては、算出部105はステップS52で取得した直前操作修正情報をそのまま用いればよい。上述の例のように直前操作修正情報が「修正有」を示しているときは、処理はステップS59に進む。一方、直前操作修正情報が「修正無」を示しているときは、処理はステップS60に進む。
ステップS59において、算出部105はステップS57で算出した各誤操作グループ候補の誤操作確率が閾値以下の候補を選択する。閾値は比較的低い値(例えば30%)に設定することができる。直前操作修正情報が「修正無」であるため、ユーザはこの操作情報に関しては誤操作する確率が低いと考えられるからである。閾値を比較的低く設定して、この操作情報に関して誤操作する確率が低い誤操作グループ候補を選択することが妥当である。
なお、閾値以下の候補が複数存在する場合は、例えば閾値以下の全候補を選択してもよいし、または、最も誤操作確率が低い候補を選択してもよい。また、閾値以下の候補が存在しない場合は、候補の選択を行わない。
ステップS60においては、算出部105はステップS57で算出した各誤操作グループ候補の誤操作確率が閾値以上の候補を選択する。閾値は比較的高い値(例えば70%)に設定することができる。直前操作修正情報が「修正有」であるため、ユーザはこの操作情報に関しては誤操作する確率が高いと考えられるからである。閾値を比較的高く設定して、この操作情報に関して誤操作する確率が高い誤操作グループ候補を選択することが妥当である。
なお、閾値以上の候補が複数存在する場合は、例えば閾値以上の全候補を選択してもよいし、または、最も誤操作確率が高い候補を選択してもよい。また、閾値以上の候補が存在しない場合は、候補の選択を行わない。
例えば閾値が70%と設定されていた場合には、図6(b)に示される誤操作確率が70%を超えるグループは、誤操作確率が100%の誤操作グループC(54)である。これにより、そのユーザは誤操作グループCに所属すると推定される。
ステップS61において、算出部105はステップS59で選択された誤操作グループ候補、またはステップS60で選択された誤操作グループ候補を、内部レジスタ等に記憶する。記憶された誤操作グループ候補は、次の操作が行われた際にステップS54で取得される誤操作候補として取り扱われる。
ユーザからの操作を受け付ける度に図5に示す手順を実行することにより、ユーザが属すると推定される誤操作グループの候補を決定できる。
次に、算出部105による誤操作確率の算出方法を説明する。以下に説明する誤操作確率とは、図5の手順によって決定した少なくとも1つの誤操作グループにおいて、各操作情報に対応する操作が誤操作であるとされる確率である。
図7は、誤操作グループの候補から誤操作確率を算出する処理の手順を示す。まずステップS71において、算出部105は図5の処理の結果決定された誤操作グループ候補の情報を取得する。例えば、内部のレジスタから誤操作グループ候補の情報を取得する。
ステップS72においては、算出部105は機器操作DB39を参照して、取得した誤操作グループ候補の任意の操作情報を1種類選択する。例えば最初は操作情報B1からBnのうち、操作情報B1を選択すればよい。
ステップS73においては、算出部105は、選択された操作情報と、その操作情報に対する正解操作とをそれぞれ比較し、選択された全ての操作情報を正解操作と誤操作に分別する。
ステップS74においては、算出部105はステップS73で分別した操作情報のうち、全操作情報の中、すなわちその候補の誤操作パターン中に誤操作情報が含まれる確率を算出する。算出は、上述した数1を用いて行えばよい。操作情報B1を例にとると、数1を用いるにあたっては、誤操作パターン中に含まれる操作情報B1の総数が分母とされ、操作情報B1が誤操作であるときの総数が分子とされる。算出部105は、この結果得られた確率を操作情報に対応付けて格納した誤操作確率テーブルを作成する。
ステップS75においては、算出部105は誤操作グループ候補に対する全ての機器操作DB39において、全ての種類の操作情報が選択され、各操作情報に対して誤操作確率を算出したか否かを判定する。全ての種類の操作情報について誤操作確率が算出されていないと判定した場合は、ステップS72に戻り、全ての種類の操作について誤操作確率が算出されたと判定した場合は、処理を終了する。
上述のステップS71〜ステップS75を実行することにより、図5の処理によって決定された誤操作グループの候補に対して、各操作情報に対応する操作が誤操作である確率を算出できる。以下、図8を参照しながら、具体的に説明する。
図8(a)および(b)は、推定された誤操作グループ60から誤操作確率テーブル61を生成する例と、推定された誤操作グループ62から誤操作確率テーブル62を生成する例とをそれぞれ示している。
まず、図5の処理により、1つの誤操作グループA(60)が誤操作グループ候補であると推定され、記憶されていたとする。このとき算出部105は、機器操作DB39の誤操作グループAの誤操作パターンのみを用いてステップS71〜ステップS75の処理を行い、各操作情報に対する誤操作確率を算出する。各操作情報と算出された誤操作確率との組を順次格納することにより、図8(b)に対応する誤操作確率テーブル61が生成される。
一方、図5の処理により、複数の誤操作グループBおよびC(62)が誤操作グループ候補であると推定され、記憶されていたとする。このとき算出部105は、機器操作DB39の誤操作グループBおよびCの誤操作パターンを用いてステップS71〜ステップS75の処理を行い、各操作情報に対する誤操作確率を算出する。その結果、図8(b)に対応する1つの誤操作確率テーブル63が生成される。なお、作成された誤操作確率テーブルは、確率情報記憶部106に記憶される。
算出部105は、選別部102から取得した操作情報および直前操作修正情報に基づいて機器操作データベース39を参照し、そのユーザに対応する少なくとも1つの誤操作パターン、すなわちそのユーザが属する誤操作グループの候補を決定する。そして算出部105は、誤操作グループによって機器操作DB39に記述されたデータの選択部位を切り替えながら、各操作情報に関する誤操作の確率を算出して誤操作確率テーブルを作成する。
入力された操作によっては誤操作グループの候補が一つに特定できない場合には、算出部105は複数の候補に基づいて誤操作確率の算出を行う。このとき閾値を用いてユーザが属さないと判断される誤操作グループは除外され、誤操作確率の算出においては考慮されない。これにより、複数の誤操作グループ候補を複合して誤操作確率の算出を行うことができるので、ユーザの誤操作パターンに最も近い誤操作確率を算出することができ、誤操作を正確に推定することができる。
次に、図3に示す判定部107を詳細に説明する。判定部107は、入力内容選別部102から受け取った操作情報および直前操作修正情報と、誤操作確率記憶部106から受け取った誤操作確率テーブルのうちその操作情報に対応する誤操作確率に基づいて閾値処理を行い、操作確認を行うかどうかを判定する。「操作確認」とは、操作を確認するための映像や音声のメッセージである。操作確認として、例えば、操作情報に対する操作の文章説明と確認を表示すればよい。
操作確認が必要であると判定した場合は、判定部107は操作確認を作成し、出力することを決定する。また、操作確認が必要でないと判定した場合は、操作確認の出力を行わないことを決定する。
まず図9および図10を参照しながら、操作確認の例を説明する。図9は、録画モードボタンが押下時の、操作情報(「録画モード」)に対する操作の説明と確認を表示した操作確認の一例を示す。図9に示すように、録画モードボタンが押された時に操作の説明をおこない、「はい」「いいえ」でユーザからのフィードバックを受けつける。「はい」を受け付けたときは、確認を行った操作を確定するための操作が行われたとして、制御部103は、番組の画質設定動作を実行させるための指示信号を出力する。「いいえ」を受け付けたときは、確認を行った操作を取り消すための操作が行われたとして、制御部103は、1つ前の操作画面に戻すことを指示する指示信号を出力する。
ユーザがよく理解していないボタンの操作に対して、操作の説明を行うことができるので、誤操作しそうな操作の理解支援を行うことができる。さらに「チャプタースキップ」ボタンなどの「戻る」ボタンによって直前の操作に戻すことが出来ない操作に関しても、ユーザが入力した操作に基づく機能の実行前に確認を行うことで、事前に誤操作を防止することができる。
また、操作確認は、例えば、操作情報に対する詳細な操作説明だけを行ってもよい。図10は、操作情報に対する操作説明のみを表示した操作確認の例を示す。図10に示すように、録画モードボタンが押された時に、操作の説明を詳細にユーザに提示する。これにより、誤操作しそうな操作の理解支援をより詳細に行うことができる。
次に、図11を参照しながら、判定部107が操作確認を提示するか否かを判断する処理の詳細を説明する。図11は、判定部107の処理の手順を示す。
ステップS111において、判定部107は、入力選別部102から操作情報を取得する。次のステップS112において、判定部107は、ステップS111から取得した操作情報に対応する誤操作確率を取得する。具体的には、誤操作確率記憶部106に記憶されている誤操作確率テーブル(例えば図8(b)に示す誤操作確率テーブル61,63)を参照して、ステップS111から取得した操作情報に対応する誤操作確率を読み込む。
ステップS113において、判定部107は、ステップS112から取得した誤操作確率が閾値以上かどうかを判定する。判定に用いる閾値は、予め設計者が80%などの固定された値を設定すればよい。誤操作確率が閾値以上であれば、処理はステップS114に進む。誤操作確率が閾値以上でなければ、処理はステップS115に進む。
ステップS114では、ユーザの操作は誤っていると推定されるため、判定部107は操作確認を出力すると判定する。この結果、判定部107は操作確認を行うためのメッセージを生成して、その信号を出力部108から出力する。
一方ステップS115においては、ユーザの操作は誤っていないと推定されるため、判定部107は操作確認を出力しないと判定する。この結果を受けて、制御部103は、その操作情報に対応する動作の実行を指示する指示信号を、出力部108を介してレコーダ1に出力する。レコーダ1は、例えばTV2などの表示装置に表示すればよい。
以上のステップS111〜ステップS115の処理により、操作確認判定部107は、入力内容選別部102から受け取った操作情報に対応する操作が、閾値を利用して誤っているか否かを推定でき、よって操作確認を出力するか否かを判定できる。
2.実施形態1による操作確認情報提供ユニットの動作の説明
次は、図12を参照しながら、情報提供ユニット100において行われる全体的な処理の手順を説明する。
図12は、情報提供ユニット100において行われる処理の手順を示す。ステップS121において、入力部101および選別部102は、受け付けられたユーザの入力操作を取得する。
ステップS122において、算出部105は、データベース記憶部104の機器操作DB39を参照して誤操作確率を算出して、新たな誤操作確率テーブルを作成する。そしてその誤操作確率テーブルを、確率情報記憶部106に格納する。
ステップS123において、判定部107は、ユーザの入力操作が誤操作でありそうか否かを判定する。入力操作が誤操作でありそうと判定された場合は処理はステップS124へ進み、誤操作ではなさそうと判定した場合はステップS125へ進む。
ステップS124において、判定部107は、ユーザに提示する操作確認メッセージを作成する。そしてステップS126において、出力部108は、ステップS124で作成された操作確認メッセージを提示するための信号を出力する。
ステップS125においては、制御部103は、ユーザから取得した入力操作に対応する機能の実行を指示する信号をレコーダ1に出力する。
上述の処理によれば、情報提供ユニット100は、ユーザの入力する操作に対して誤操作確率を更新し、更新された誤操作確率を用いることで、誤りそうな操作に対して操作確認を出力することができる。
ここで、図13を参照しながら、誤操作確率が更新される例を説明する。図13(a)および(b)は、入力操作の履歴に基づいて誤操作確率が更新される例を示す。図13(a)および(b)では、誤操作グループ候補が操作履歴によって変更される例を示している。図13(a)に示す複数種類の破線の枠は、それぞれ、機器操作DB39の参照箇所を示している。
すなわち、図13(b)に示す誤操作グループ候補(A、B、C、D)70が、順に、誤操作グループ候補(C、D)71に絞り込まれ、次は誤操作グループ候補(D)72と絞り込まれる間に、機器操作DB39の参照箇所が誤操作グループ候補に対応するデータ部分に切り替えられていく。当初の誤操作確率テーブル74は、誤操作確率テーブル75に変更され、その後誤操作確率76に変更される。これにより、ユーザが属する誤操作グループにより近いグループの誤操作確率テーブルが得られる。
具体例を挙げてより詳しく説明する。いま、レコーダ1の操作を行っているユーザが、以前、誤操作グループDに対応する機種のDVDレコーダの使用経験があると仮定する。この条件において、情報提供ユニット100が操作情報B1に対する操作確認を出力する動作を説明する。図13(a)に示すように、誤操作グループ候補Dに所属するユーザは、機能1を実行するためのボタンB1の操作を誤りやすいといえるため、操作情報B1に対しては操作確認が必要である。以下、情報提供ユニット100が、ユーザが誤操作グループ候補Dに属すると判定し、操作確認が行われることを説明する。以下の説明では、操作確認を出力する閾値は70%とする。
ユーザが操作情報B1に対応する操作以外の操作を種々行うことにより、図6(a)および(b)に関連して説明した算出部105の処理に基づいて、当初の誤操作グループ候補(A、B、C、D)70が誤操作グループ候補(C、D)71に絞り込まれる。たとえば操作情報Bkに対応する操作や、その取り消し操作を行うことにより、操作情報Bkに対する誤操作グループ候補(C、D)71の誤操作確率のみが70%を超えた場合には、誤操作グループ候補(C、D)71が特定される。
算出部105は、特定された誤操作グループ候補(C、D)71に対応する機器操作DB39のデータを読み出して、各操作情報に対応する誤操作確率を算出し、誤操作確率テーブル75を作成する。このとき、操作情報B1に対応する誤操作確率は、当初の誤操作グループ候補(A、B、C、D)70については30%であったが、誤操作グループAおよびBが誤操作確率の算出候補から外れたため、誤操作グループ候補(C、D)71については80%と算出されている。この時点で誤操作確率が閾値の70%を越えているため、判定部107は操作情報B1に対応する機能の実行前に確認出力を行うよう指示するとともに、確認出力メッセージの信号をレコーダ1に出力する。
次に、第2の例として、図13において、誤操作グループ候補(D)72に所属するユーザが、ボタンB2を押した時の操作確認の出力動作を説明する。ここで、操作確認を出力する閾値は同じく70%とする。図13(a)に示すように、誤操作グループ候補Dに所属するユーザは、機能2を実行するためのボタンB2の操作を正解しており、誤りやすいとはいえない。よって操作情報B2に対しては、操作確認は不要である。以下、情報提供ユニット100が、ユーザが誤操作グループ候補Dに属すると判定し、操作確認が行われることを説明する。なお、誤操作グループ候補(C、D)71が特定される処理、および、誤操作グループ候補(C、D)71に対応する誤操作確率テーブル75を作成する処理は、先の例と同様であるため、説明は省略する。
誤操作グループ候補(C、D)71の操作情報B2に対応する誤操作確率は、当初の誤操作グループ候補(A、B、C、D)70については80%であったが、誤操作グループAおよびBが誤操作確率の算出候補から外れたため、誤操作グループ候補(C、D)71については50%と算出されている。よって閾値を下回っているため、判定部107は操作情報B2に対応する機能の実行前に確認出力を行わないと判定する。その結果、制御部103は、操作情報B2に対応する機能の実行をレコーダ1に指示する。このとき操作確認は出力されない。
このように、ユーザが所属しない誤操作グループを判定し、誤操作確率の算出の対象からその誤操作グループを取り除くことによって、誤操作確率をより精度よく更新でき、ユーザが初めて行う操作に対して、誤操作しそうかどうかを正確に予測し判定することができる。よって、その判定結果に基づいて、ユーザにとって必要な操作確認の出力が可能となり、またはユーザにとって不要な操作確認の出力を行わなくてよくなる。
これにより、ユーザが誤操作しそうな操作に対して操作確認を行うことができ、不必要な操作確認の回数を減らすことができ、ユーザ負担を減らすことができる。
(実施形態2)
本実施形態においては、実施形態1による操作確認情報提供ユニットの構成とは異なる操作確認情報提供ユニットの構成を説明する。本実施形態においても、操作確認情報提供ユニットはDVDレコーダに組み込まれるとし、DVDレコーダの操作と関連して動作する。
まず実施形態1の情報提供ユニットを利用すると、誤操作グループが特定された後は、決まった操作情報に対して操作確認メッセージが出力される。これは比較的初期の機器操作時には有効である。
しかし、同じ操作を複数回行って何度も操作確認メッセージが出力されると、ユーザはその操作を学習していると考えられる。それにもかかわらず、情報提供ユニット100が既に学習された操作情報に対しても確認メッセージを出力するよう判定すると、ユーザにとって余分な操作確認メッセージになる可能性がある。
逆に、誤操作確率が低い場合でも、比較的長期間行わなかった操作を行ったときは、ユーザは誤操作を行う可能性が高くなる。それにもかかわらず、情報提供ユニット100が確認メッセージを出力する必要がないと判定すると、ユーザにとって必要な操作確認メッセージが提示されないこととなる。
そこで本実施形態による操作確認情報提供ユニットは、ユーザが機器を暫くの間使用した場合には、操作情報に対する操作確認の通算の回数によって、新たにその操作情報に対する誤操作確率を更新し、既に学習された操作に対してユーザに対し余分な操作確認を行わないことを可能にする。
また本実施形態による操作確認情報提供ユニットは、ユーザが機器を暫くの間使用しなかった場合には、その不使用期間に応じて、誤操作確率が比較的低い操作であっても誤操作確率を高く設定しなおし、操作確認が必要であると判定された操作に対して、操作確認を出力することを可能にする。
1.実施形態2による操作確認情報提供ユニットの各構成要素の説明
以下、初めに図14を参照しながら、操作確認情報提供ユニットの構成を説明する。図14は、本実施形態による操作情報提供ユニット200(以下「情報提供ユニット200」と記述する。)の機能ブロックの構成を示す。図14に示す構成要素のうち、図3と同じ機能を有する構成要素には同じ符号を付し、説明を省略する。
情報提供ユニット200が、実施形態1による情報提供ユニット100(図3)と相違する点は、操作確認更新部201(以下「更新部201」と記述する)を有する点にある。なお、情報提供ユニット200のCPU111は図3のCPU110に対して更新部201を付加したものであり、更新部201の有無が相違する。
更新部201は、操作確認が出力されると、その操作確認を出力する対象となった操作情報を特定し、その操作情報に対応する誤操作確率を更新する。更新方法としては、例えば、任意の操作情報に対して操作確認が出力されたとき、前記操作情報に対する誤操作確率記憶部106に記憶されている誤操作確率を操作確認の回数に応じて一定の割合で低くすればよい。より具体的には、図9に示すように「録画モード」ボタンに対する操作確認が出力されると、操作情報「録画モード」に対応する当初の誤操作確率80%を、半分の40%に更新する。これにより、ユーザが既に学習した操作に対して余分な操作確認を行わず、操作確認が必要な操作に対してのみ、操作確認の出力を行うことができる。
また、他の更新方法としては、例えば、任意の操作情報が一定時間使用されないとき、前述の操作情報に対して、誤操作確率を一定の割合で高くしてもよい。一例を挙げると、記憶されている「録画モードボタン」に対する誤操作確率が40%であった場合、「録画モードボタン」に対して1ヶ月間操作が無ければ、誤操作確率を60%に更新する。これにより、時間が経つことによって忘れてしまった操作に対しても操作確認を行うことができ、ユーザが必要な操作に対して、操作確認の出力を行うことができる。
また、さらに他の更新方法としては、操作確認の結果、確認した操作が実行された時には誤操作確率を一定の割合で低くし、確認した操作が実行されなかった時には誤操作確率を一定の割合で高くしてもよい。
一例を挙げると、「録画モード」ボタンが押された時に所定の操作確認メッセージ(「録画する画像の画質を設定します。XPモード(高画質)、SPモード(標準画質)、LPモード(長時間)、EPモード(さらに長時間)の4種類の画質を選べます。設定を行いますか?」)を出力するとする。ユーザが「はい」を選択して確認した操作を実行した時は、「録画モード」ボタンの誤操作確率を確認前の70%から30%に引き下げる。より低い値に更新した理由は、ユーザは正しく「録画モード」ボタンを操作したためである。
一方、ユーザが「いいえ」を選択し、確認した操作を実行しなかった場合は、ユーザは正しく「録画モード」ボタンを操作していないことを示すので、「録画モード」ボタンの誤操作確率を確認前の70%から90%に引き上げる。これにより、既に知っている操作に対して操作確認が出力した場合においても、次から操作確認を出力しないように誤操作確率を更新でき、ユーザが知らない操作に対してだけ操作確認を行うことができる。
2.実施形態2による操作確認情報提供ユニットの動作の説明
次は、図15を参照しながら、情報提供ユニット200において行われる全体的な処理の手順を説明する。図15は、情報提供ユニット200において行われる処理の手順を示すフローチャートである。図15において、図12と同じステップについては同じ符号を付し、説明を省略する。
図15に示す処理の手順が、実施形態1による処理の手順(図12)と相違する点は、操作確認の出力結果を使って誤操作確率の更新を行うステップS151を有する点にある。
すなわち、ステップS151において、更新部201は、確率情報記憶部106に記憶されている誤操作確率テーブル中の、特定の操作情報に対応する誤操作確率を引き上げ、または引き下げるよう更新する。
ステップS151を追加的に行うことによって、ユーザの入力する操作と操作確認の出力結果対して誤操作確率を更新し、更新された誤操作確率を用いることで、余分な操作確認を行わず、操作確認が必要な操作に対してのみ操作確認を出力することが可能になる。
以上のように、本実施形態の操作確認情報提供装置によれば、操作確認が出力された通算回数または操作が行われなかった期間等によって、誤操作確率をより精度よく更新することができる。
図16は、操作確認出力によって誤操作確率が更新される一例を示す。図16に示す通り、情報提供ユニット200は操作情報B2に対する1回目の操作確認80を出力し、その後の操作に基づく操作情報B2に対する2回目の操作確認81を出力する。この結果、操作情報B2の誤操作確率82が順に90%、70%、50%と更新される。
これにより、ユーザが機器を暫くの間使用し、操作確認の出力が複数回行われた場合においても、ユーザが既に学習した操作に対して余分な操作確認を行わず、操作確認が必要な操作に対してのみ、操作確認の出力を行うことができる。
本発明の操作確認情報提供装置には、操作対象機器以外の操作経験を有する複数ユーザの操作経験に基づいて規定された操作対象機器の各機能の誤操作の情報(誤操作パターン)が複数準備されている。ユーザの操作の履歴によってそのユーザがどの誤操作パターンに対応するかを決定することにより、ユーザの操作履歴のみから誤操作グループを推定することができる。誤操作グループの推定によって誤操作確率を精度よく更新することで、ユーザが誤操作しそうな操作に対して操作確認を行うことができる。これにより、例えばDVDや携帯電話など、複数の機能とメーカーによって異なる操作方法を有する機器に対する操作理解支援、および誤操作防止に有効である。また、文書作成ソフトなどの複数の機能とメーカーによって異なる操作方法を有するソフトウェアやサービスに対する操作理解支援、および誤操作防止にも同じく有効である。
本発明は、ハードウェアおよび/またはソフトウェア操作時における、ユーザの操作支援技術に関する。より具体的には、本発明は、機器、プログラム、サービスなどに関連するハードウェアおよび/またはソフトウェアをユーザが操作する時に、ユーザが行おうとする操作の確認および操作の説明を、ユーザに適応して実行する機器に関する。
機器がユーザに対して行う操作支援は、機器の機能が実行される前に自動的に操作確認を行う支援と、機能が実行された後にユーザからの要求に従ってヘルプ画面やヘルプ説明を表示する支援とに大別することができる。
機能実行前に操作確認を行う支援では、一般的には、設計者によって予め用意された機能に関する操作説明や操作確認文が自動的に表示される。例えば、新しく追加された機能に関する操作の説明や、コンテンツ消去などの操作前の状態に戻せない操作の説明が表示される。
一方、機能実行後にヘルプ説明等を表示する支援では、一般的にはユーザが「使用方法のよく分からない機能」を実行した後にヘルプ要求を出し、その要求に応答して機器はヘルプ説明を表示する。この支援方法は、ユーザから要求された機能に関する同一のヘルプ説明を、どのユーザに対しても一律に提示するため、ユーザの操作スキル(習熟度)に応じた操作説明が行えないという問題がある。
この問題に対し、特許文献1は、ユーザの習熟度に適応して操作説明を行うことを可能とする適応情報出力方法を開示している。この方法によれば、ユーザから要求があった機能操作に関して、要求された機能操作の習熟度が、ユーザが以前に使用した機器の機能操作との類似度に基づいて推定され、推定された習熟度に応じて操作説明が行われる。これにより、ユーザからの要求操作に対して、ユーザの習熟度に適応した説明を行うことができる。
特開2004―38867号公報
しかしながら、機能実行前に操作確認を行う支援に関しては、ユーザのスキルや操作知識の有無に関わらず特定の機能に対して同じ説明が一律に表示されてしまう。これでは、ユーザが知っている機能であるにも関わらず操作確認が行われたり、知らない機能であるにも関わらず操作確認が行われないという操作確認の過不足が生じ、ユーザに適応した操作支援を行うことができない。
また、機能実行後にヘルプを表示する支援に関しては、特許文献1に記載の方法技術では、使用方法が分からない機能の説明要求をユーザから受け取る必要がある。ユーザは、操作方法がわからず困った状態に陥るたびに機器に対して要求操作の入力を行うことになり、煩雑な作業を強いられる。
そのため、ユーザが誤りそうな操作を予め正しく推定し、ユーザに適した操作確認や操作の説明の表示を自動的に行うことができれば、ユーザから要求操作を受け取る必要はなくなる。機能が実行される前に、ユーザが誤りそうな操作に対して操作の説明や確認を行うことは、ユーザの操作理解の支援や誤操作防止として有効である。
本発明の目的は、ユーザの入力操作時にユーザの知識に応じて誤りそうな操作を推定し、その入力が誤っている確率が高い操作に対して、自動的に操作確認を表示する等の操作支援を行う機器を提供することである。
本発明による電子機器は、複数の誤操作パターンを含むデータベースを格納した記憶部と、ユーザの操作を受け付ける入力部と、受け付けられた操作を示す操作情報、および、前記操作を修正するか否かを示す修正情報に基づいて前記データベースを参照して決定された前記ユーザに対応する少なくとも1つの誤操作パターンから、前記操作を確認するか否かを判定する判定部と、確認すると判定されたときは操作確認メッセージを提示するための信号を出力する出力部とを備えている。各誤操作パターンは、操作対象機器以外の操作経験を有する複数ユーザの操作経験に基づいて規定された操作対象機器の各機能の誤操作の情報である。
前記電子機器は、前記操作情報、および、前記修正情報に基づいて前記データベースを参照して、前記ユーザに対応する少なくとも1つの誤操作パターンを決定し、決定された前記少なくとも1つの誤操作パターンの各操作情報に関する誤操作の確率を算出する算出部をさらに備えており、前記判定部は、前記操作情報に対応する誤操作確率に基づいて、前記操作を確認するか否かを判定してもよい。
操作確認の情報を提供するための本発明による装置は、ユーザの操作を受け付ける入力部を有し、前記操作に基づいて動作する電子機器において用いられる。前記装置は、複数の誤操作パターンを含むデータベースを格納した記憶部と、受け付けられた操作を示す操作情報、および、前記操作を修正するか否かを示す修正情報に基づいて前記データベースを参照して決定された前記ユーザに対応する少なくとも1つの誤操作パターンから、前記操作を確認するか否かを判定する判定部と、確認すると判定されたときは操作確認メッセージを提示するための信号を出力する出力部とを備えていてもよい。各誤操作パターンは、複数ユーザの操作経験に基づいて規定された操作対象機器の各機能の誤操作の情報である。
前記装置は、前記操作情報、および、前記修正情報に基づいて前記データベースを参照して、前記ユーザに対応する少なくとも1つの誤操作パターンを決定し、決定された前記少なくとも1つの誤操作パターンの各操作情報に関する誤操作の確率を算出する算出部をさらに備え、前記判定部は、前記操作情報に対応する誤操作確率に基づいて、前記操作を確認するか否かを判定してもよい。
操作を確認しないと判定されたときは、前記出力部は受け付けられた操作に基づく動作を実行させるための指示信号を出力してもよい。
前記操作確認情報提供装置は、前記確率の情報を保持する確率情報記憶部をさらに備えていてもよい。
前記判定部は、前記操作情報に対応する誤操作の確率と所定の閾値との比較結果に基づいて、前記操作を確認するか否かを判定してもよい。
前記操作確認情報提供装置は、受け付けられた前記操作に基づいて、前記操作情報および前記修正情報を選別して出力する選別部であって、受け付けられた操作に基づいて前記操作情報を出力し、前記操作の受け付け時からの経過時間および前記操作情報を生成した後に受け付けられた操作の少なくとも一方に基づいて修正情報を出力する選別部をさらに備えていてもよい。
前記操作確認メッセージを含む信号が出力されたときにおいて、確認を行った前記操作を確定する操作が行われたときは、前記選別部は前記確認を行った操作を示す操作情報と、前記操作を修正しないことを示す修正情報とを出力してもよい。
前記操作確認メッセージを含む信号が出力されたときにおいて、確認を行った前記操作を取り消す操作が行われたときは、前記選別部は前記確認を行った操作を示す操作情報と、前記操作を修正することを示す修正情報を出力してもよい。
受け付けられた前記操作を取り消す操作が行われたときは、前記選別部は前記操作を示す操作情報と、前記操作を修正することを示す修正情報を出力してもよい。
前記操作の受け付け時から所定時間内に、次の操作が受け付けられなかったときは、前記選別部は前記操作を示す操作情報と、前記操作を修正することを示す修正情報を出力してもよい。
前記記憶部に格納されたデータベースにおいて、前記各誤操作パターンは、異なる操作体系を持つ複数の操作対象機器のひとつを操作した複数ユーザの操作経験に基づいて規定されていてもよい。
各操作対象機器は、前記複数ユーザが事前に操作経験を有していた機器と共通する機能を所定数以上有していてもよい。
各操作対象機器は、前記複数ユーザが事前に操作経験を有していた機器と異なるボタンラベルを所定数以上有していてもよい。
前記共通する機能に含まれる少なくとも1つの機能に関し、前記各操作対象機器において実行するために必要な操作のステップ数は、前記複数ユーザが事前に操作経験を有していた機器において実行するために必要な操作のステップ数と異なっていてもよい。
前記記憶部に格納されたデータベースにおいて、前記各誤操作パターンは、前記複数ユーザが事前に操作経験を有していた機器と共通する少なくとも1つの機能に関する誤操作の情報であってもよい。
前記操作確認情報提供装置は、前記確率を更新する更新部をさらに備えており、前記判定部において前記操作を確認すると判定されたとき、前記更新部は、前記操作が確認された通算の回数に応じて、前記操作の操作情報に対応する前記確率を更新してもよい。
前記更新部は、前記操作が複数回確認されたときは、前記操作の操作情報に対応する前記確率を一定の割合で低くしてもよい。
前記操作確認情報提供装置は、前記確率を更新する更新部をさらに備えており、前記更新部は、前記操作が行われなかった期間に応じて、前記操作の操作情報に対応する前記確率を増加させてもよい。
前記操作が所定期間以上行われなかったときは、前記更新部は、前記操作の操作情報に対応する前記確率を一定の割合で増加させてもよい。
本発明によれば、複数ユーザの操作経験(操作対象機器以外の操作経験)に基づいて規定された操作対象機器の各機能の誤操作の情報である誤操作パターンを複数準備し、ユーザの操作履歴によってそのユーザがその誤操作パターンのいずれに該当するかを決定する。そして、該当する誤操作パターンから、操作を確認するか否かを判定する。機器は、ユーザに適応して、そのユーザが誤りそうな操作に対して機器は操作確認を自動的に行うため、使用方法のよく分からない機能に対してヘルプの要求を出す必要はない。また、そのユーザにとって誤りがなさそうな操作に対しては操作確認を行わないため、ユーザは、不必要な操作確認へ回答する負担を減らすことができる。これらによって、ユーザに対するきめ細かい操作支援が実現される。
以下、添付の図面を参照して、本発明による電子機器および操作確認情報提供装置の実施形態を説明する。
まず初めに、図17から図22を参照しながら、本願発明者らが行ったDVDレコーダを用いた操作実験を説明し、本発明の原理の根拠を説明する。その後、図1から図16を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
1.実験の概要
本実験では、評価対象でない機器(DVDレコーダ)の操作学習を事前に行い、その後、評価対象のDVDレコーダのリモコン操作における正解率の変化を観察した。
被験者は、DVDレコーダの機能操作の学習を行う組と学習を行わない組に分かれた。学習を行う組は、事前に評価対象でない機器(4台のDVDレコーダ)の内、何れかの機種の機器操作学習を行い、他の3機種を用いて20問の操作テストを行った。一方、学習を行わない組は、何れの機種の学習も行わずに、4台のDVDに対して、学習を行う組と同じく20問の操作テストを行った。
操作学習機種ごとに正解率を比較した結果、事前に操作学習を行った機器の違いにより、同一の機器の同一の操作問題に対しても異なった操作を誘発することを確認した。この結果より、ユーザからの入力の正誤から事前に使用していた機器の推定が可能であること、および、事前に使用していた機器が推定されれば、初めて行われる操作に対しても、それが誤操作であるか否かをユーザごとに予測可能であることが導かれた。
2.DVDレコーダ操作実験の詳細
本実験の目的は、事前に機器操作学習を行った条件下でのDVDレコーダのリモコン操作テストにおける正解率の変化を観察することである。
大学生の被験者15人に対して、操作体系及びリモコン、GUI、機器表示の各インタフェース等が異なる4台のDVDレコーダを準備して実験を行った。4台の内訳は、DMR−EH60(Panasonic製)、DMR−E95H(Panasonic製)、PSX DESR−7700(Sony製)、RD−XS43(東芝製)である。被験者は全員DVDレコーダを所有しておらず、最初は詳しい操作方法を知らなかった。
図17は、実験装置の配置を示す。テレビ10はTH−36DH200(panasonic製)である。テレビ10は、リモコンの操作結果を表示するために設けられている。PCモニタ12はFlex Scan L685 17inch液晶ディスプレイ(EIZO)である。PCモニタ12は被験者11にテスト問題を提示するために設けられている。
被験者11とテレビ画面10との距離13は180cmとし、通常家庭でテレビを見る距離として自然な距離として決定した。また、被験者11への問題提示、及び機器操作を行うため、実験者14は被験者11の後方にて待機した。
図18は、操作実験の手順を示す。ステップS181において、まず学習を行う被験者か学習を行わない被験者かを判定する。本実験では15人中12人の被験者を学習対象者とし、残りの3人の被験者は学習非対象とした。
ステップS182において、ステップS181で学習を行うと判定した被験者に対して1台のDVD操作の学習を行ってもらった。12人を、3人を1グループとした4グループに分けて、グループごとにDMR−EH60、DMR−E95H、PSX DESR−7700、RD−XS43のいずれかを学習することとした。
図19は、被験者が学習するための解答付き問題用紙の例を示す。問題用紙には、ある状態を実行したい時に、どのような状態でどのような操作をすればよいかが記載してある。学習方法は、図19に示す解答付き問題用紙を被験者に渡し、実際にDVDのリモコン操作を行いながら、被験者が自由に学習を行う方法を用いた。学習時間は20分とした。
ステップS183において、ステップS182で学習を行った被験者に対して学習確認テストを行った。テスト方法は、ステップS182で学習に用いたものと同じ問題を図17に示すPCモニタ12に順次出力し、各問題に対して被験者がリモコンのボタンを押し、押された操作の正誤結果を実験者が記録する方法で行った。
再び図18を参照する。ステップS184において、ステップS183で学習を行った被験者が、学習を完了したかどうかを判定した。判定方法は、ステップS183で行った学習確認テストの結果が全て正解であった時に学習完了と判定した。一方、学習確認テストの結果が全て正解ではなかった時には学習が完了していないと判定し、ステップS182に戻り、再度学習を行ってもらった。
ステップS185において、ステップS184で学習が完了したと判定した被験者と、ステップS181で学習を行わないと判定した被験者に対して、評価対象機器の操作テストを行った。ステップS184で学習が完了したと判定された被験者は、学習に用いていない他の3台のDVDレコーダを評価対象機器として操作テストを行い、ステップS181で学習を行わないと判定した被験者は、4台全ての機器を評価対象機器として操作テストを行った。操作テストはステップS183で用いた問題と同じ問題を用いた。
図20は回答用紙の一例を示す。回答方法は、各問題がPCモニタ12に表示された後、まずその問題の回答に対する確信度を記入してもらった後に、被験者が回答用紙に正解と思うリモコンボタンに印を記入する方法で行った。被験者は回答を紙に記入し、実際にリモコン操作を行わないため、操作結果による機器の反応は被験者には伝わらない。そのため、評価対象機器に対する操作知識がユーザの機器操作による機器の反応によって変わってしまうことを防ぐことができ、事前の学習条件の違いだけから、各機種の各問題を直接比較して評価することができる。
図21は、上述の手順による実験結果の一例を示す。図21はEH60使用時の各学習群の正解率を問題別に見た正解率20と、ユーザの操作情報21を示した結果の一覧である。「操作情報」とは、ユーザから取得した入力操作の情報である。例えば、再生ボタンを押した時の操作情報は「再生」である。
表中の機能23は、各問題に対応するDVDレコーダの機能を示す。また、表中の空欄部分は、被験者が正解の操作を行っている部分である(表中の正解操作22の操作)。また、空欄で無い部分は誤った操作であることを示しており、同時にどの操作で間違えたかが示されている。
図21の正解率を問題別に比較すると、学習群ごとに誤操作する機能や誤操作時の操作が異なっている。例えば、図21の誤操作パターン24のように、Q7のHDD切替機能に関する問題ではE95Hは誤操作しないが、他の学習群は誤操作している。即ち、誤操作する機能の違いによって、前に使用した機器を推定することが可能となる。
また、例えば図21の誤操作パターン25のように、Q10の録画一覧表示機能に関する問題では、PSXを学習した被験者は「HDD」ボタン、XS43を学習した被験者は「番組表」ボタンを押して誤操作している。この結果より、機能に対する誤操作時の操作情報の違いを用いても、前に使用した機器を推定することが可能となる。
以上の結果から、前に使用した機器の操作経験が、未使用機器を操作する際に誤操作する機能が個人によって異なる要因になっていることがわかった。そして、機能の正誤パターンからユーザが前に使用した機器を推定することができ、推定された前に使用した機器によって異なる誤操作しそうな機能を予測できることがわかった。
しかし、実際の機器操作においては、ユーザから得られるのはリモコンの操作であり、機能ではない。即ち、操作の情報からだけでは、ユーザが意図した機能としてボタンを押したのか、ユーザが意図していない機能としてボタンを押したかが判別できない。そのため、上述の機能ごとに得られたデータベースをそのまま用いても、ユーザの操作からだけでは、ユーザが前に使用した機器を推定することや、推定された前に使用した機器によって異なる誤操作しそうな機能を予測することが出来ない。
そこで、前述の実験結果を問題別ではなく、操作ボタン別に検討した。図22は、実験結果に基づいて操作情報ごとの誤操作確率をまとめた結果の一部を示す。「HDD」等は操作ボタン名33に対応する操作情報である。「誤操作確率」とは、ユーザから入力された操作情報が誤操作する確率をいう。
図22によれば、操作情報である各ボタン操作の誤操作確率が学習群ごとに異なっていることが理解される。例えば操作情報「録画」に対応する誤操作確率のうち、PSX学習群の欄31の数値のみが33.3%を示している。これは、PSXを学習した被験者だけが「録画」ボタンを誤操作していることを意味する。一方、操作情報「番組表」に対応する誤操作確率のうち、XS43学習群および学習なし群の欄32の数値は0.0%ではない。これらの群に属する被験者は「番組表」ボタンを誤操作していることが理解される。
よって、事前に学習していた機器に応じて、機能ごとに誤操作の内容が異なるといえる。この結果より、操作の間違え方の違いからのみによって、誤操作グループの推定が可能であることがわかる。即ち、ある操作情報に対してその操作が誤っているか否かを知ることができれば、ユーザが前に使用した機器を推定し、推定された機器に合わせた操作支援が可能となる。
例えば、図22の操作情報「録画」に対応する誤操作確率を考慮すると、「録画」ボタンを誤って操作したのはPSXを学習した被験者だけであるため、「録画」ボタンの押下が誤操作であったユーザが以前に使用していた機器はPSXであると推定できる。
ユーザが以前PSXを使っていたことが分かると、さらに以下の推定も可能になる。たとえば、そのユーザが現在使用している機器のHDDボタンを初めて押下したとする。図22の操作情報「HDD」に対応する誤操作確率を考慮すると、PSX学習群の誤操作確率34は100%である。よってHDDボタンの押下は誤操作である可能性が非常に高いと推定できる。
この推定結果を利用すると、機器の動作をそのユーザに適応させて切り替えることができる。すなわちHDDボタンが押下されたときには、すぐにHDDボタンに対応する機能を実行するのではなく、実行に先立ってそのボタンによって実行できる機能の説明や操作確認を行えばよい。この考えによれば、初めて行った操作に対しても、機能を実行する前に理解支援や操作確認を自動的に行うことができるといえる。
以上をまとめると、本実験からは次の2つの知見が得られた。
1.操作の正誤から以前に使用していた機器の推定が可能である。
2.以前使用していた機器が判明すると、ユーザ毎に異なる、そのユーザが誤りやすい操作の予測が可能である。
以上の知見より、異なる体系で操作を間違えるユーザグループを複数準備して、各グループのユーザの操作経験に基づいて複数の誤操作パターンを規定しておく。ユーザの操作履歴と各誤操作パターンに基づいて、そのユーザがどのグループに属するかを判定し、判定後はそのグループの誤操作パターンに基づいて、各操作に対する誤操作確率を推定することにより、ユーザによって異なる誤りそうな操作を予測できる。
即ちこの知見を用いることにより、操作履歴と正誤の操作情報のみから、誤りと推定される操作に対して操作支援を行うか否かを判断できる。よって、ユーザからの要求操作を受け取ることなく各ユーザに適応した操作支援を行う処理への応用が可能である。
3.本発明の実施形態の説明
各実施形態を説明する前に、まず図1および図2を参照しながら、本発明による操作確認情報提供装置およびその装置を備えた電子機器が用いられる機器の環境を説明する。以下の説明では、電子機器はDVDレコーダとする。
図1は、本実施形態によるDVDレコーダ1の利用環境の構成を示す。DVDレコーダ1は、DVD(図示せず)に放送番組を録画し、DVDに録画された放送番組を再生する機能を有する。再生された映像および音声は、TV2の画面に表示され、そのスピーカから出力される。ユーザは、リモコン3や本体ボタン(図示せず)を利用してDVDレコーダ1を操作し、DVDレコーダ1の種々の機能を実行させることができる。
DVDレコーダ1は、操作確認情報提供ユニット100を内蔵している。操作確認情報提供ユニット100(以下「情報提供ユニット100」と記述する。)は、ユーザがリモコン3等を利用してDVDレコーダ1を操作する時において、データベースを参照してユーザから受け付けた操作が誤操作である確率を算出し、その確率に基づいて誤操作の可能性があること等をユーザに確認するか否かを判定する。そして、確認すると判定したときは、操作確認メッセージを提示するための映像信号や音声信号を出力する。それらの信号はTV2の画面やスピーカ等から映像や音声として出力される。ユーザはその操作確認画面等を見て、その操作が、自分が希望する機能の実行に適切であるか否かを判断することができる。
図2は、DVDレコーダ1のハードウェア構成を示す。DVDレコーダ1(以下、「レコーダ1」と記述する。)は、DVD4に任意のデータを書き込み、読み出すことが可能である。なお、DVD4は再生専用ディスクであってもよく、その場合にはレコーダ1はデータの読み出しのみを行う。なお、DVDレコーダ1はハードディスクドライブ(HDD)を有していてもよく、そのときDVDレコーダ1は、ハードディスクに任意のデータを書き込み、読み出すことが可能である。
レコーダ1は、バス300と、チューナ301と、ADコンバータ302と、エンコーダ303と、DVDドライブ304と、デコーダ305と、グラフィック制御部306と、出力回路307と、受光部308と、CPU309と、EEPROM310と、RAM311と、情報提供ユニット100とを備えている。
以下、各構成要素の機能を説明する。バス300は信号線である。バス300はレコーダ1の他の構成要素同士を接続して、レコーダ1内の信号を伝送する。
チューナ301は、アンテナ(図示せず)から放送波の信号を受け取り、周波数に基づいて選局を行って必要な番組の信号を取り出す。ADコンバータ302はチューナ301からの信号をデジタル変換してエンコーダ303に供給する。エンコーダ303は、録画の開始指示を受け取ると、供給されたデジタルデータを、たとえばMPEG−2形式に圧縮符号化して符号化データとして出力する。
DVDドライブ304は、たとえばディスクトレイ、光ヘッド、スピンドルモータ、スピンドルモータの回転をディスクに伝達する回転軸およびドライブ全体の動作を制御するコントローラ等(いずれも図示せず)を備えている。DVDドライブ304は、録画の開始指示を受け取ると符号化データをDVD4に書き込む。また再生の開始指示を受け取るとDVD4に書き込まれた符号化データを読み出す。
デコーダ305は、再生の開始指示を受け取ると、DVDドライブ304によって読み出された符号化データを伸長して、映像や音声の非圧縮データに変換し、グラフィック制御部306に供給する。
グラフィック制御部306は、内部メモリ(図示せず)の映像データを映像の非圧縮データに重畳することによって、オン・スクリーン・ディスプレイ(On Screen Display;OSD)機能を実現する。またグラフィック制御部306は、受け取った操作確認情報に基づいて、所定のメッセージや画面を表示する映像信号を出力する。例えば、グラフィック制御部306は、特定のユーザが所定のボタンを押下した時に操作説明文を含む映像の信号を出力したり、種々のメニュー画像と映像とを合成した映像信号(デジタルベースバンド信号)を出力する。出力回路307は、入力されたデジタル映像信号/音声信号をアナログ変換して出力する。出力先は、例えばTV2である。
受光部308は、リモコン3からの赤外線を受光し、ユーザの操作に基づく指示、例えば録画の開始/停止、録画した番組の再生の開始/停止等の指示を、バス300を介してCPU309や操作確認情報提供ユニット100に送る。
CPU309は、レコーダ1の全体の動作を制御する中央制御ユニットである。CPU309は、EEPROM310とRAM311とを利用して、レコーダ1内の信号の流れを含む全体的な処理を制御する。CPU309は、EEPROM310に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、プログラムに基づく処理を実現するための制御信号を生成し、CPUバス300を介して各構成要素に出力する。
EEPROM310は、電気的に書き換え可能な不揮発性メモリであり、レコーダ1を制御するためのソフトウェアプログラムが格納されている。添付の図面に含まれる実施形態の説明に関する種々のフローチャートは、それぞれがソフトウェアプログラムとして実装されている。なおEEPROM310は、後述する情報提供ユニット100内のCPU(後述)において実行されるソフトウェアプログラムを格納していてもよい。
RAM311は、CPU309がプログラムを実行するために必要なデータを格納するためのワーク領域を有する。例えば、CPU309は、CPUバス300を使用してEEPROM310からプログラムをRAM311に読み出し、そのプログラムを実行する。
なお、コンピュータプログラムは、CD−ROM等の記録媒体に記録して市場に流通され、または、インターネット等の電気通信回線を通じて伝送される。これにより、PC等を利用して構成されたコンピュータシステムを、本実施形態によるレコーダ1と同等の機能を有する電子機器として動作させ、または情報提供ユニット100と同等の機能を有する装置として動作させることができる。
情報提供ユニット100は、1つの集積回路または複数の集積回路を搭載した基板として実装されている。以下では、情報提供ユニット100は1つの集積回路を搭載した基板として実装されているとして説明する。
以下、レコーダ1に実装されたときの、本発明による情報提供ユニット100の実施形態を説明する。
(実施形態1)
以下、図3を参照しながら、本実施形態による情報提供ユニット100を説明する。
図3は、本実施形態による情報提供ユニット100の機能ブロックの構成を示す。情報提供ユニット100は、入力部101と、データベース記憶部104と、確率情報記憶部106と、出力部108と、CPU110とを備えている。
まず情報提供ユニット100の動作の概要を説明する。データベース記憶部104は、複数ユーザの操作経験に基づいて規定されたレコーダ1の各機能の誤操作パターン(誤操作の情報)を含むデータベースを格納している。ここでいう操作経験とは、操作対象機器であるレコーダ1以外のレコーダ(たとえば異なるメーカーのレコーダ)の操作経験である。CPU110は、ユーザの操作履歴の情報、すなわちユーザの操作を示す操作情報、および、その操作を修正するか否かを示す修正情報に基づいてデータベースを参照する。そして、そのユーザに対してどの誤操作パターンを適用すべきかを決定し、その誤操作パターンを利用して、入力されたユーザの操作が誤操作である確率を算出する。
次に、CPU110はその確率に基づいて操作を確認するか否かを判定し、確認すると判定したときは操作確認メッセージを提示するための指示信号を、出力部108を介して出力する。
たとえば誤っている確率が比較的高い操作に対しては、その操作に基づく動作が実行される前に、CPU110は「この操作を行いますか?」と操作確認を表示するための指示信号を出力する。これにより、そのユーザが誤りそうな操作に対して操作確認を行うことができる。
一方、誤っている確率が比較的低い操作に対しては、CPU110は操作確認を表示するための指示信号を出力することなく、その操作に基づく動作の実行をレコーダ1のCPU309に指示する。ユーザに毎回操作確認を行わないため、ユーザが回答を入力する負担を減らすことができる。
1.実施形態1による操作確認情報提供ユニットの各構成要素の説明
次に、情報提供ユニット100の構成を詳細に説明する。
入力部101は、情報提供ユニット100をレコーダ1のバス300に接続している。そして入力部101は、レコーダ1によって受け付けられた、ユーザからの入力操作を特定する情報を取得する。
入力操作とは、リモコン3の他、マウス、キーボード、レコーダ1本体のボタン(図示せず)等を利用してレコーダ1に対して行われる操作である。またGUIを利用したアイコンの選択も入力操作に該当する。例えばユーザがリモコンの「決定」ボタンでGUI画面の「再生」アイコンを選択した時には、入力操作はリモコンの「決定」ボタンの押下ではなく、「再生」アイコンの選択となる。「再生」ボタンが押下されたときと「再生」アイコンが選択されたときとでは、入力部101は、同じ入力操作を特定する情報を取得する。
CPU110は、情報提供ユニット100の動作を制御する。以下では、CPU110はレコーダ1のCPU309とは別の集積回路であるとして説明するが、これは例である。レコーダ1のCPU309がCPU110に代わってコンピュータプログラムを実行することにより、後述するCPU110の各機能をCPU309のみを利用して実現することもできる。このときは、情報提供ユニット100はソフトウェア的に実現される。情報提供ユニット100のための個別の基板や回路等のハードウェアは不要である。
以下、CPU110の詳細な構成を説明する。CPU110は、入力内容選別部102と、制御部103と、誤操作確率算出部105と、操作確認判定部107とを有している。これはCPU110を機能的にみたとき、CPU110は入力内容選別部102と、制御部103と、誤操作確率算出部105と、操作確認判定部107として動作することを意味する。CPU110は、実行するコンピュータプログラムの手順に従って動作することにより、これらの構成要素として機能する。
入力内容選別部102(以下「選別部102」と記述する。)は、入力部101から受け取った入力操作を特定する情報を「操作情報」と「直前操作修正情報」の組み合わせとしてそれぞれ選別する。
「操作情報」とは、ユーザが行った入力操作を特定する情報であり、たとえばユーザがリモコン3の「再生」ボタンを押した時の操作情報は「再生」である。
「直前操作修正情報」とは、ユーザが直前の操作を修正するか否かを示す情報であり、「修正有」または「修正無」のいずれかとなる。修正しない操作は「修正無操作」と呼び、直前の操作を修正する操作は「修正有操作」と呼ぶ。「再生」ボタンを押した後、再生を開始させる「決定」ボタンではなく、前のメニューに戻るための「戻る」ボタンが押されたときは、直前操作修正情報は「修正有」となる。
具体的な選別方法としては、例えば選別部102は、入力操作が操作確認結果の入力であるかどうかを判定する。操作確認結果とは、出力された操作確認画面に対するユーザの操作のことである。操作確認結果ではなかった場合は、入力部101から受け取った入力操作を(操作情報、修正無)として選別する。その応答が操作確認結果である場合は、確認した操作を実行したときに(直前の操作情報、修正無)として選別し、確認した操作を実行しなかったときには(直前の操作情報、修正有)として選別すればよい。
例えば、「録画モード」ボタンが押された時に「録画する画像の画質を設定します。XPモード(高画質)、SPモード(標準画質)、LPモード(長時間)、EPモード(さらに長時間)の4種類の画質を選べます。設定を行いますか?」という操作確認メッセージが出力されたとする。このとき、ユーザが「はい」もしくは「いいえ」を選択する操作が操作確認結果である。「はい」が押された場合は、ユーザが事前に行いたかった操作であることを示すので、選別部102は、操作情報を「録画モード」、直前操作修正情報を「修正無」として選別する。一方、「いいえ」が押された場合は、ユーザが事前に行おうとしていなかった操作であることを示すので、操作情報を「録画モード」、直前操作修正情報を「修正有」として選別する。
また、例えばユーザの入力操作が、直前の入力操作を取り消すボタンの押下であった時には、操作情報を直前の入力操作に基づいて決定し、直前操作修正情報を「修正有」として選別してもよい。また、「録画モード」ボタンを押した後にリモコンの「戻る」ボタンが押された時には、選別部は操作情報として「録画モード」、直前操作修正情報として「修正有」を選別する。
また、例えばユーザの入力操作が、次の入力操作までの間に一定時間以上経過した時には、最初の入力操作を操作情報とし、直前操作修正情報を誤操作として、すなわち「修正有」として選別してもよい。例えば、「機能選択」ボタンを押して、次の入力操作までの間に10秒以上経過した時には、入力選別部は操作情報として「機能選択」、直前操作修正情報として「修正有」と選別する。
制御部103は、後述する操作確認判定部107が操作確認を行わないと判定したときに、選別部102から受け取った操作情報に対応する動作の実行をレコーダ1に指示する。例えば、操作情報として「再生」が入力されると、制御部103は、レコーダ1に対して、レコーダ1に録画された番組の再生を指示する。一方、操作確認を行うと判定したときは、操作情報に対応した動作の実行を指示する前に、操作確認画面を出力するようレコーダ1に指示する。
誤操作確率算出部105(以下「算出部105」と記述する)は、選別部102から取得した操作情報および直前操作修正情報に基づいて、後述する機器操作データベース39を参照し、そのユーザに対応する少なくとも1つの誤操作パターンを決定する。そして算出部105は、決定した少なくとも1つの誤操作パターンの各操作情報に関する誤操作の確率を算出し、誤操作確率テーブルを作成する。
操作確認判定部107(以下「判定部107」と記述する)は、操作情報に対応する誤操作の確率に基づいて、その操作を確認するか否かを判定する。
なお、算出部105および判定部107については、機器操作データベース39等の詳細な構成を説明した後、さらに詳細に説明する。
データベース記憶部104は、機器操作データベース(DB)39を保持する。機器操作DB39は、レコーダ1の各機能に対する、誤操作グループ別の誤操作パターンを含んでいる。誤操作グループ別の誤操作パターンとは、複数ユーザの操作経験に基づいて規定された、操作対象機器(すなわちレコーダ1)の各機能の誤操作の情報である。
確率情報記憶部106は、算出部105において算出された誤操作確率テーブルを記憶する。
次に、図4(a)および(b)を参照しながら、機器操作DB39をより詳細に説明する。
図4(a)は機器操作DB39の具体的なデータ構造を示す。図4(a)に示されるように、機器操作DB39には誤操作グループA〜Dのそれぞれに対応する誤操作パターンが規定されている。たとえば誤操作グループAに対しては、誤操作パターン40が規定されている。表中の機能41は、「番組表」の表示、「録画番組リスト」の表示、「録画」、「再生」等の、機器が持つ各機能を示す。そして、その機能を実現するための正しいリモコンボタン操作が「正解操作」である。
ここでいう「誤操作グループ」とは、操作経験を有する機器の機能および操作方法に引きずられて、現在使用している機器の機能を実行する際に発生する誤操作のパターンが類似するユーザのグループ(ユーザ群)を意味する。
ここで、「誤操作パターン」とは、各機能に対応してユーザが行った各操作を示す操作情報の集合を表しており、「録画ボタン」や「再生ボタン」などの実際にユーザが操作したボタンにしたがって規定される。操作情報は正解を示すこともあるし、不正解(すなわち誤操作)を示すこともある。
たとえば誤操作グループAの誤操作パターン40の内容は、「番組表」、「録画番組リスト」、「録画」に関しては正解操作と同じであるから、それぞれ正解を示しているといえる。一方、誤操作グループBの誤操作パターンは、「録画番組リスト」に関してはメニューボタンが操作されたことを示しているから、この機能に関しては誤操作であることがわかる。
機器操作データベースの作成方法は、現在操作している機器、あるいは、操作経験がある機器別に被験者を集め、操作確認を行いたい機器の各機能に対して質問を行う操作実験を行い、操作情報を記録してデータベースにすればよい。すなわち、操作確認を行いたい機器の各機能に対して質問を出し、その質問に対するユーザ操作に基づく操作情報を取得する。そして各機能と得られた操作情報とを対応付けて格納すると、データベースを得ることができる。
図4(b)は機器操作DB39の一般化したデータ構造を示す。図4(a)と対応する要素には同じ参照符号を付している。以下では、図4(b)の一般化された機器操作DB39を利用して説明する。
また、以下では、誤操作を示す操作情報を特に「誤操作情報」と記述する。例えば、番組表から録画予約を行う機能を実行する操作に際し、「決定ボタン」が正解操作であるのに対して、「録画ボタン」を押下して誤操作した場合は、「録画」が誤操作情報となる。
以下に誤操作グループの構築方法について説明する。
前述の<DVDレコーダ操作実験の詳細>の項目で説明したように、E95HやPSXなどの異機種は、誤操作する機能や操作内容が異なる。したがって、各異機種の操作経験を有するユーザのそれぞれを各誤操作グループに分類することができる。
なお、同じ機能を一定数以上有する機器の操作経験を有する複数のユーザを同じ誤操作グループに属するとして分類してもよい。例えば、前述の<DVDレコーダ操作実験>で説明した方法と同じく、類似した機器の型番号のDVDレコーダの操作経験を有するユーザは同じ誤操作グループに分類すればよい。また、録画再生機器であるビデオレコーダやHDDレコーダ、再生機器であるビデオプレーヤーやDVDプレーヤーなどはそれぞれ同じ機能を多く有するので、それぞれの操作経験を有するユーザを同じ誤操作グループに分類してもよい。これにより、異機種毎に実験するのに比べて誤操作グループの数を削減でき、実験にかかる作業量の削減と機器操作データベースの容量を削減することが可能となる。
ただし、同じ機能を一定数以上有する機器であっても、リモコンやGUI、機器に付随するボタンラベルが一定数以上異なる機器の操作経験を有するユーザを、異なる誤操作グループに分類することができる。例えば、録画した番組の一覧を表示する機能に対応するボタンは、メーカーによって「再生ナビ」や「番組ナビ」などが付され異なっている。このような同じ機能に対して操作するボタンラベルが異なることは、ユーザが誤操作する原因の1つになると考えられる。そこで、機能とボタンラベルの共通性および非共通性の観点から誤操作グループを構築することは有効である。
さらに、同じ機能を一定数以上有する機器であっても、操作ステップ数が異なる機能数を一定数以上有する機器の操作経験を有するユーザを、異なる誤操作グループに分類することができる。例えば、「録画した番組の一覧を表示する機能」に対応する操作はメーカーによって1回のボタン操作の場合であったり、2回以上のボタン操作であったりするなど異なっており、このような同じ機能に対する操作ステップ数の違いは、ユーザが誤操作する原因の1つになると考えられる。そこで、機能と操作ステップ数の共通性および非共通性の観点から誤操作グループを構築することは有効である。
また、機器操作データベースを作成する場合は、操作確認を行う機器とユーザの操作経験の有る機器との共通機能に対してのみ操作テストを行ってもよい。例えば、「タイムワープ」などのユーザの操作経験の有る機器に無い新機能に関しては、誤操作というよりは機能の意味自体が分からない場合があるので、操作確認を行う必要がある機能として一律に処理する方が有効であるからである。共通機能に対してのみ実験を行うことで、被験者に尋ねる質問数を削減できる。
次に、図5〜図8を参照しながら、算出部105が誤操作確率を算出する処理の手順を説明する。「誤操作確率」とは、機器操作DB39を各入力操作別に再集計して算出した、操作に対する誤操作の確率を意味する。
算出部105は、大きく分けて2つの主要な処理を行う。すなわち、操作しているユーザに対応する誤操作パターンを決定する処理と、決定した誤操作パターンに対応する誤操作確率を算出する処理である。
以下では、まず図5および図6を利用して、算出部105が誤操作パターンを決定する処理を説明する。誤操作パターンを決定する処理とは、換言すればユーザがどの誤操作グループに属するかを推定し、その候補を決定する処理ということができる。その後、図7および図8を利用して、決定した誤操作パターンに基づいて誤操作確率を算出する処理を説明する。
図5は、誤操作グループの候補を決定する処理の手順を示す。また、図6(a)および(b)は、図5の手順に従って誤操作グループの候補が決定されるまでの例を示す。
ステップS51において、算出部105は、選別部102から操作情報を取得する。例えばボタンB1が押下されると、算出部105は操作情報B1を取得する。
ステップS52において、同じく選別部102から直前操作修正情報を取得する。例えばボタンB1の押下後に「戻る」ボタンが押下されると、直前操作修正情報は「修正有」となる。
ステップS53において、算出部105はデータベース記憶部104から機器操作DB39を取得する。
ステップS54において、算出部105は機器操作DB39の誤操作グループ候補を取得する。なお、最初に機器を操作する際は、誤操作グループ候補の初期値として、機器操作データベースに記載の全ての誤操作グループを記憶しておけばよい。
例えば、操作情報B1を取得したときは、算出部105は、図6(a)の各誤操作グループA〜Dのうち、誤操作パターン中にB1を含む誤操作グループ候補A(51)、誤操作グループ候補B(52)、誤操作グループ候補C(53)を誤操作グループ候補として取得する。
次に、図5のステップS55において、算出部105は受け取った各誤操作グループ候補の誤操作パターンから、ステップS51で取得した操作情報と同じ操作情報を選択する。例えば、図6に示す誤操作グループ候補A(51)、誤操作グループ候補B(52)、誤操作グループ候補C(53)のそれぞれの誤操作パターンから、操作情報B1(50)と同じ操作情報を選択する。
ステップS56において、算出部105はステップS55において各誤操作グループ候補別に選択した操作情報と、選択された操作情報に対する正解操作とをそれぞれ比較し、選択された全ての操作情報を正解操作と誤操作に分別する。
例えば、図6の誤操作グループ候補B(52)の誤操作パターンを参照すると、操作情報B1と同じ操作情報は2つ存在する(このとき、誤操作グループ候補Bの誤操作パターン中には、他に操作情報B1は含まれていないとする)。これらをそれぞれ正解操作欄の値と比較する。その結果、機能1については操作情報B1は正解操作となり、機能2については操作情報B1は誤操作となる。
ステップS57において、算出部105はステップS56で各誤操作グループ候補別に選択した操作情報のうち、全操作情報の中に誤操作情報が含まれる割合(確率)を算出する。算出は、数1を用いて行えばよい。
ここで、左辺P
o gは誤操作グループgにおいて操作情報oが誤操作である確率、BC
o gは、誤操作グループgにおいて操作情報oが「正解操作」となる総数、BI
o gは、誤操作グループgにおいて操作情報oが「誤操作」となる総数を示す。
例えば図6(b)は、算出部105によって算出された、操作情報B1に関する各誤操作グループ候補A,BおよびCの誤操作確率を示す。誤操作グループ候補B(52)についてみると、算出部105は、操作情報B1に対する誤操作確率を50%と算出する。操作情報B1の2つのデータのうち正解として押された操作は1つ、誤操作として押された操作は1つだからである。
ステップS58において、算出部105はステップS51で取得した操作情報が修正有か修正無かを判定する。判定に際しては、算出部105はステップS52で取得した直前操作修正情報をそのまま用いればよい。上述の例のように直前操作修正情報が「修正有」を示しているときは、処理はステップS59に進む。一方、直前操作修正情報が「修正無」を示しているときは、処理はステップS60に進む。
ステップS59において、算出部105はステップS57で算出した各誤操作グループ候補の誤操作確率が閾値以下の候補を選択する。閾値は比較的低い値(例えば30%)に設定することができる。直前操作修正情報が「修正無」であるため、ユーザはこの操作情報に関しては誤操作する確率が低いと考えられるからである。閾値を比較的低く設定して、この操作情報に関して誤操作する確率が低い誤操作グループ候補を選択することが妥当である。
なお、閾値以下の候補が複数存在する場合は、例えば閾値以下の全候補を選択してもよいし、または、最も誤操作確率が低い候補を選択してもよい。また、閾値以下の候補が存在しない場合は、候補の選択を行わない。
ステップS60においては、算出部105はステップS57で算出した各誤操作グループ候補の誤操作確率が閾値以上の候補を選択する。閾値は比較的高い値(例えば70%)に設定することができる。直前操作修正情報が「修正有」であるため、ユーザはこの操作情報に関しては誤操作する確率が高いと考えられるからである。閾値を比較的高く設定して、この操作情報に関して誤操作する確率が高い誤操作グループ候補を選択することが妥当である。
なお、閾値以上の候補が複数存在する場合は、例えば閾値以上の全候補を選択してもよいし、または、最も誤操作確率が高い候補を選択してもよい。また、閾値以上の候補が存在しない場合は、候補の選択を行わない。
例えば閾値が70%と設定されていた場合には、図6(b)に示される誤操作確率が70%を超えるグループは、誤操作確率が100%の誤操作グループC(54)である。これにより、そのユーザは誤操作グループCに所属すると推定される。
ステップS61において、算出部105はステップS59で選択された誤操作グループ候補、またはステップS60で選択された誤操作グループ候補を、内部レジスタ等に記憶する。記憶された誤操作グループ候補は、次の操作が行われた際にステップS54で取得される誤操作候補として取り扱われる。
ユーザからの操作を受け付ける度に図5に示す手順を実行することにより、ユーザが属すると推定される誤操作グループの候補を決定できる。
次に、算出部105による誤操作確率の算出方法を説明する。以下に説明する誤操作確率とは、図5の手順によって決定した少なくとも1つの誤操作グループにおいて、各操作情報に対応する操作が誤操作であるとされる確率である。
図7は、誤操作グループの候補から誤操作確率を算出する処理の手順を示す。まずステップS71において、算出部105は図5の処理の結果決定された誤操作グループ候補の情報を取得する。例えば、内部のレジスタから誤操作グループ候補の情報を取得する。
ステップS72においては、算出部105は機器操作DB39を参照して、取得した誤操作グループ候補の任意の操作情報を1種類選択する。例えば最初は操作情報B1からBnのうち、操作情報B1を選択すればよい。
ステップS73においては、算出部105は、選択された操作情報と、その操作情報に対する正解操作とをそれぞれ比較し、選択された全ての操作情報を正解操作と誤操作に分別する。
ステップS74においては、算出部105はステップS73で分別した操作情報のうち、全操作情報の中、すなわちその候補の誤操作パターン中に誤操作情報が含まれる確率を算出する。算出は、上述した数1を用いて行えばよい。操作情報B1を例にとると、数1を用いるにあたっては、誤操作パターン中に含まれる操作情報B1の総数が分母とされ、操作情報B1が誤操作であるときの総数が分子とされる。算出部105は、この結果得られた確率を操作情報に対応付けて格納した誤操作確率テーブルを作成する。
ステップS75においては、算出部105は誤操作グループ候補に対する全ての機器操作DB39において、全ての種類の操作情報が選択され、各操作情報に対して誤操作確率を算出したか否かを判定する。全ての種類の操作情報について誤操作確率が算出されていないと判定した場合は、ステップS72に戻り、全ての種類の操作について誤操作確率が算出されたと判定した場合は、処理を終了する。
上述のステップS71〜ステップS75を実行することにより、図5の処理によって決定された誤操作グループの候補に対して、各操作情報に対応する操作が誤操作である確率を算出できる。以下、図8を参照しながら、具体的に説明する。
図8(a)および(b)は、推定された誤操作グループ60から誤操作確率テーブル61を生成する例と、推定された誤操作グループ62から誤操作確率テーブル62を生成する例とをそれぞれ示している。
まず、図5の処理により、1つの誤操作グループA(60)が誤操作グループ候補であると推定され、記憶されていたとする。このとき算出部105は、機器操作DB39の誤操作グループAの誤操作パターンのみを用いてステップS71〜ステップS75の処理を行い、各操作情報に対する誤操作確率を算出する。各操作情報と算出された誤操作確率との組を順次格納することにより、図8(b)に対応する誤操作確率テーブル61が生成される。
一方、図5の処理により、複数の誤操作グループBおよびC(62)が誤操作グループ候補であると推定され、記憶されていたとする。このとき算出部105は、機器操作DB39の誤操作グループBおよびCの誤操作パターンを用いてステップS71〜ステップS75の処理を行い、各操作情報に対する誤操作確率を算出する。その結果、図8(b)に対応する1つの誤操作確率テーブル63が生成される。なお、作成された誤操作確率テーブルは、確率情報記憶部106に記憶される。
算出部105は、選別部102から取得した操作情報および直前操作修正情報に基づいて機器操作データベース39を参照し、そのユーザに対応する少なくとも1つの誤操作パターン、すなわちそのユーザが属する誤操作グループの候補を決定する。そして算出部105は、誤操作グループによって機器操作DB39に記述されたデータの選択部位を切り替えながら、各操作情報に関する誤操作の確率を算出して誤操作確率テーブルを作成する。
入力された操作によっては誤操作グループの候補が一つに特定できない場合には、算出部105は複数の候補に基づいて誤操作確率の算出を行う。このとき閾値を用いてユーザが属さないと判断される誤操作グループは除外され、誤操作確率の算出においては考慮されない。これにより、複数の誤操作グループ候補を複合して誤操作確率の算出を行うことができるので、ユーザの誤操作パターンに最も近い誤操作確率を算出することができ、誤操作を正確に推定することができる。
次に、図3に示す判定部107を詳細に説明する。判定部107は、入力内容選別部102から受け取った操作情報および直前操作修正情報と、誤操作確率記憶部106から受け取った誤操作確率テーブルのうちその操作情報に対応する誤操作確率に基づいて閾値処理を行い、操作確認を行うかどうかを判定する。「操作確認」とは、操作を確認するための映像や音声のメッセージである。操作確認として、例えば、操作情報に対する操作の文章説明と確認を表示すればよい。
操作確認が必要であると判定した場合は、判定部107は操作確認を作成し、出力することを決定する。また、操作確認が必要でないと判定した場合は、操作確認の出力を行わないことを決定する。
まず図9および図10を参照しながら、操作確認の例を説明する。図9は、録画モードボタンが押下時の、操作情報(「録画モード」)に対する操作の説明と確認を表示した操作確認の一例を示す。図9に示すように、録画モードボタンが押された時に操作の説明をおこない、「はい」「いいえ」でユーザからのフィードバックを受けつける。「はい」を受け付けたときは、確認を行った操作を確定するための操作が行われたとして、制御部103は、番組の画質設定動作を実行させるための指示信号を出力する。「いいえ」を受け付けたときは、確認を行った操作を取り消すための操作が行われたとして、制御部103は、1つ前の操作画面に戻すことを指示する指示信号を出力する。
ユーザがよく理解していないボタンの操作に対して、操作の説明を行うことができるので、誤操作しそうな操作の理解支援を行うことができる。さらに「チャプタースキップ」ボタンなどの「戻る」ボタンによって直前の操作に戻すことが出来ない操作に関しても、ユーザが入力した操作に基づく機能の実行前に確認を行うことで、事前に誤操作を防止することができる。
また、操作確認は、例えば、操作情報に対する詳細な操作説明だけを行ってもよい。図10は、操作情報に対する操作説明のみを表示した操作確認の例を示す。図10に示すように、録画モードボタンが押された時に、操作の説明を詳細にユーザに提示する。これにより、誤操作しそうな操作の理解支援をより詳細に行うことができる。
次に、図11を参照しながら、判定部107が操作確認を提示するか否かを判断する処理の詳細を説明する。図11は、判定部107の処理の手順を示す。
ステップS111において、判定部107は、入力選別部102から操作情報を取得する。次のステップS112において、判定部107は、ステップS111から取得した操作情報に対応する誤操作確率を取得する。具体的には、誤操作確率記憶部106に記憶されている誤操作確率テーブル(例えば図8(b)に示す誤操作確率テーブル61,63)を参照して、ステップS111から取得した操作情報に対応する誤操作確率を読み込む。
ステップS113において、判定部107は、ステップS112から取得した誤操作確率が閾値以上かどうかを判定する。判定に用いる閾値は、予め設計者が80%などの固定された値を設定すればよい。誤操作確率が閾値以上であれば、処理はステップS114に進む。誤操作確率が閾値以上でなければ、処理はステップS115に進む。
ステップS114では、ユーザの操作は誤っていると推定されるため、判定部107は操作確認を出力すると判定する。この結果、判定部107は操作確認を行うためのメッセージを生成して、その信号を出力部108から出力する。
一方ステップS115においては、ユーザの操作は誤っていないと推定されるため、判定部107は操作確認を出力しないと判定する。この結果を受けて、制御部103は、その操作情報に対応する動作の実行を指示する指示信号を、出力部108を介してレコーダ1に出力する。レコーダ1は、例えばTV2などの表示装置に表示すればよい。
以上のステップS111〜ステップS115の処理により、操作確認判定部107は、入力内容選別部102から受け取った操作情報に対応する操作が、閾値を利用して誤っているか否かを推定でき、よって操作確認を出力するか否かを判定できる。
2.実施形態1による操作確認情報提供ユニットの動作の説明
次は、図12を参照しながら、情報提供ユニット100において行われる全体的な処理の手順を説明する。
図12は、情報提供ユニット100において行われる処理の手順を示す。ステップS121において、入力部101および選別部102は、受け付けられたユーザの入力操作を取得する。
ステップS122において、算出部105は、データベース記憶部104の機器操作DB39を参照して誤操作確率を算出して、新たな誤操作確率テーブルを作成する。そしてその誤操作確率テーブルを、確率情報記憶部106に格納する。
ステップS123において、判定部107は、ユーザの入力操作が誤操作でありそうか否かを判定する。入力操作が誤操作でありそうと判定された場合は処理はステップS124へ進み、誤操作ではなさそうと判定した場合はステップS125へ進む。
ステップS124において、判定部107は、ユーザに提示する操作確認メッセージを作成する。そしてステップS126において、出力部108は、ステップS124で作成された操作確認メッセージを提示するための信号を出力する。
ステップS125においては、制御部103は、ユーザから取得した入力操作に対応する機能の実行を指示する信号をレコーダ1に出力する。
上述の処理によれば、情報提供ユニット100は、ユーザの入力する操作に対して誤操作確率を更新し、更新された誤操作確率を用いることで、誤りそうな操作に対して操作確認を出力することができる。
ここで、図13を参照しながら、誤操作確率が更新される例を説明する。図13(a)および(b)は、入力操作の履歴に基づいて誤操作確率が更新される例を示す。図13(a)および(b)では、誤操作グループ候補が操作履歴によって変更される例を示している。図13(a)に示す複数種類の破線の枠は、それぞれ、機器操作DB39の参照箇所を示している。
すなわち、図13(b)に示す誤操作グループ候補(A、B、C、D)70が、順に、誤操作グループ候補(C、D)71に絞り込まれ、次は誤操作グループ候補(D)72と絞り込まれる間に、機器操作DB39の参照箇所が誤操作グループ候補に対応するデータ部分に切り替えられていく。当初の誤操作確率テーブル74は、誤操作確率テーブル75に変更され、その後誤操作確率76に変更される。これにより、ユーザが属する誤操作グループにより近いグループの誤操作確率テーブルが得られる。
具体例を挙げてより詳しく説明する。いま、レコーダ1の操作を行っているユーザが、以前、誤操作グループDに対応する機種のDVDレコーダの使用経験があると仮定する。この条件において、情報提供ユニット100が操作情報B1に対する操作確認を出力する動作を説明する。図13(a)に示すように、誤操作グループ候補Dに所属するユーザは、機能1を実行するためのボタンB1の操作を誤りやすいといえるため、操作情報B1に対しては操作確認が必要である。以下、情報提供ユニット100が、ユーザが誤操作グループ候補Dに属すると判定し、操作確認が行われることを説明する。以下の説明では、操作確認を出力する閾値は70%とする。
ユーザが操作情報B1に対応する操作以外の操作を種々行うことにより、図6(a)および(b)に関連して説明した算出部105の処理に基づいて、当初の誤操作グループ候補(A、B、C、D)70が誤操作グループ候補(C、D)71に絞り込まれる。たとえば操作情報Bkに対応する操作や、その取り消し操作を行うことにより、操作情報Bkに対する誤操作グループ候補(C、D)71の誤操作確率のみが70%を超えた場合には、誤操作グループ候補(C、D)71が特定される。
算出部105は、特定された誤操作グループ候補(C、D)71に対応する機器操作DB39のデータを読み出して、各操作情報に対応する誤操作確率を算出し、誤操作確率テーブル75を作成する。このとき、操作情報B1に対応する誤操作確率は、当初の誤操作グループ候補(A、B、C、D)70については30%であったが、誤操作グループAおよびBが誤操作確率の算出候補から外れたため、誤操作グループ候補(C、D)71については80%と算出されている。この時点で誤操作確率が閾値の70%を越えているため、判定部107は操作情報B1に対応する機能の実行前に確認出力を行うよう指示するとともに、確認出力メッセージの信号をレコーダ1に出力する。
次に、第2の例として、図13において、誤操作グループ候補(D)72に所属するユーザが、ボタンB2を押した時の操作確認の出力動作を説明する。ここで、操作確認を出力する閾値は同じく70%とする。図13(a)に示すように、誤操作グループ候補Dに所属するユーザは、機能2を実行するためのボタンB2の操作を正解しており、誤りやすいとはいえない。よって操作情報B2に対しては、操作確認は不要である。以下、情報提供ユニット100が、ユーザが誤操作グループ候補Dに属すると判定し、操作確認が行われることを説明する。なお、誤操作グループ候補(C、D)71が特定される処理、および、誤操作グループ候補(C、D)71に対応する誤操作確率テーブル75を作成する処理は、先の例と同様であるため、説明は省略する。
誤操作グループ候補(C、D)71の操作情報B2に対応する誤操作確率は、当初の誤操作グループ候補(A、B、C、D)70については80%であったが、誤操作グループAおよびBが誤操作確率の算出候補から外れたため、誤操作グループ候補(C、D)71については50%と算出されている。よって閾値を下回っているため、判定部107は操作情報B2に対応する機能の実行前に確認出力を行わないと判定する。その結果、制御部103は、操作情報B2に対応する機能の実行をレコーダ1に指示する。このとき操作確認は出力されない。
このように、ユーザが所属しない誤操作グループを判定し、誤操作確率の算出の対象からその誤操作グループを取り除くことによって、誤操作確率をより精度よく更新でき、ユーザが初めて行う操作に対して、誤操作しそうかどうかを正確に予測し判定することができる。よって、その判定結果に基づいて、ユーザにとって必要な操作確認の出力が可能となり、またはユーザにとって不要な操作確認の出力を行わなくてよくなる。
これにより、ユーザが誤操作しそうな操作に対して操作確認を行うことができ、不必要な操作確認の回数を減らすことができ、ユーザ負担を減らすことができる。
(実施形態2)
本実施形態においては、実施形態1による操作確認情報提供ユニットの構成とは異なる操作確認情報提供ユニットの構成を説明する。本実施形態においても、操作確認情報提供ユニットはDVDレコーダに組み込まれるとし、DVDレコーダの操作と関連して動作する。
まず実施形態1の情報提供ユニットを利用すると、誤操作グループが特定された後は、決まった操作情報に対して操作確認メッセージが出力される。これは比較的初期の機器操作時には有効である。
しかし、同じ操作を複数回行って何度も操作確認メッセージが出力されると、ユーザはその操作を学習していると考えられる。それにもかかわらず、情報提供ユニット100が既に学習された操作情報に対しても確認メッセージを出力するよう判定すると、ユーザにとって余分な操作確認メッセージになる可能性がある。
逆に、誤操作確率が低い場合でも、比較的長期間行わなかった操作を行ったときは、ユーザは誤操作を行う可能性が高くなる。それにもかかわらず、情報提供ユニット100が確認メッセージを出力する必要がないと判定すると、ユーザにとって必要な操作確認メッセージが提示されないこととなる。
そこで本実施形態による操作確認情報提供ユニットは、ユーザが機器を暫くの間使用した場合には、操作情報に対する操作確認の通算の回数によって、新たにその操作情報に対する誤操作確率を更新し、既に学習された操作に対してユーザに対し余分な操作確認を行わないことを可能にする。
また本実施形態による操作確認情報提供ユニットは、ユーザが機器を暫くの間使用しなかった場合には、その不使用期間に応じて、誤操作確率が比較的低い操作であっても誤操作確率を高く設定しなおし、操作確認が必要であると判定された操作に対して、操作確認を出力することを可能にする。
1.実施形態2による操作確認情報提供ユニットの各構成要素の説明
以下、初めに図14を参照しながら、操作確認情報提供ユニットの構成を説明する。図14は、本実施形態による操作情報提供ユニット200(以下「情報提供ユニット200」と記述する。)の機能ブロックの構成を示す。図14に示す構成要素のうち、図3と同じ機能を有する構成要素には同じ符号を付し、説明を省略する。
情報提供ユニット200が、実施形態1による情報提供ユニット100(図3)と相違する点は、操作確認更新部201(以下「更新部201」と記述する)を有する点にある。なお、情報提供ユニット200のCPU111は図3のCPU110に対して更新部201を付加したものであり、更新部201の有無が相違する。
更新部201は、操作確認が出力されると、その操作確認を出力する対象となった操作情報を特定し、その操作情報に対応する誤操作確率を更新する。更新方法としては、例えば、任意の操作情報に対して操作確認が出力されたとき、前記操作情報に対する誤操作確率記憶部106に記憶されている誤操作確率を操作確認の回数に応じて一定の割合で低くすればよい。より具体的には、図9に示すように「録画モード」ボタンに対する操作確認が出力されると、操作情報「録画モード」に対応する当初の誤操作確率80%を、半分の40%に更新する。これにより、ユーザが既に学習した操作に対して余分な操作確認を行わず、操作確認が必要な操作に対してのみ、操作確認の出力を行うことができる。
また、他の更新方法としては、例えば、任意の操作情報が一定時間使用されないとき、前述の操作情報に対して、誤操作確率を一定の割合で高くしてもよい。一例を挙げると、記憶されている「録画モードボタン」に対する誤操作確率が40%であった場合、「録画モードボタン」に対して1ヶ月間操作が無ければ、誤操作確率を60%に更新する。これにより、時間が経つことによって忘れてしまった操作に対しても操作確認を行うことができ、ユーザが必要な操作に対して、操作確認の出力を行うことができる。
また、さらに他の更新方法としては、操作確認の結果、確認した操作が実行された時には誤操作確率を一定の割合で低くし、確認した操作が実行されなかった時には誤操作確率を一定の割合で高くしてもよい。
一例を挙げると、「録画モード」ボタンが押された時に所定の操作確認メッセージ(「録画する画像の画質を設定します。XPモード(高画質)、SPモード(標準画質)、LPモード(長時間)、EPモード(さらに長時間)の4種類の画質を選べます。設定を行いますか?」)を出力するとする。ユーザが「はい」を選択して確認した操作を実行した時は、「録画モード」ボタンの誤操作確率を確認前の70%から30%に引き下げる。より低い値に更新した理由は、ユーザは正しく「録画モード」ボタンを操作したためである。
一方、ユーザが「いいえ」を選択し、確認した操作を実行しなかった場合は、ユーザは正しく「録画モード」ボタンを操作していないことを示すので、「録画モード」ボタンの誤操作確率を確認前の70%から90%に引き上げる。これにより、既に知っている操作に対して操作確認が出力した場合においても、次から操作確認を出力しないように誤操作確率を更新でき、ユーザが知らない操作に対してだけ操作確認を行うことができる。
2.実施形態2による操作確認情報提供ユニットの動作の説明
次は、図15を参照しながら、情報提供ユニット200において行われる全体的な処理の手順を説明する。図15は、情報提供ユニット200において行われる処理の手順を示すフローチャートである。図15において、図12と同じステップについては同じ符号を付し、説明を省略する。
図15に示す処理の手順が、実施形態1による処理の手順(図12)と相違する点は、操作確認の出力結果を使って誤操作確率の更新を行うステップS151を有する点にある。
すなわち、ステップS151において、更新部201は、確率情報記憶部106に記憶されている誤操作確率テーブル中の、特定の操作情報に対応する誤操作確率を引き上げ、または引き下げるよう更新する。
ステップS151を追加的に行うことによって、ユーザの入力する操作と操作確認の出力結果対して誤操作確率を更新し、更新された誤操作確率を用いることで、余分な操作確認を行わず、操作確認が必要な操作に対してのみ操作確認を出力することが可能になる。
以上のように、本実施形態の操作確認情報提供装置によれば、操作確認が出力された通算回数または操作が行われなかった期間等によって、誤操作確率をより精度よく更新することができる。
図16は、操作確認出力によって誤操作確率が更新される一例を示す。図16に示す通り、情報提供ユニット200は操作情報B2に対する1回目の操作確認80を出力し、その後の操作に基づく操作情報B2に対する2回目の操作確認81を出力する。この結果、操作情報B2の誤操作確率82が順に90%、70%、50%と更新される。
これにより、ユーザが機器を暫くの間使用し、操作確認の出力が複数回行われた場合においても、ユーザが既に学習した操作に対して余分な操作確認を行わず、操作確認が必要な操作に対してのみ、操作確認の出力を行うことができる。
本発明の操作確認情報提供装置には、操作対象機器以外の操作経験を有する複数ユーザの操作経験に基づいて規定された操作対象機器の各機能の誤操作の情報(誤操作パターン)が複数準備されている。ユーザの操作の履歴によってそのユーザがどの誤操作パターンに対応するかを決定することにより、ユーザの操作履歴のみから誤操作グループを推定することができる。誤操作グループの推定によって誤操作確率を精度よく更新することで、ユーザが誤操作しそうな操作に対して操作確認を行うことができる。これにより、例えばDVDや携帯電話など、複数の機能とメーカーによって異なる操作方法を有する機器に対する操作理解支援、および誤操作防止に有効である。また、文書作成ソフトなどの複数の機能とメーカーによって異なる操作方法を有するソフトウェアやサービスに対する操作理解支援、および誤操作防止にも同じく有効である。
本発明の実施形態によるDVDレコーダ1の利用環境の構成を示す図である。
DVDレコーダ1のハードウェア構成を示す図である。
実施形態1による情報提供ユニット100の機能ブロックの構成を示す図である。
(a)は機器操作DB39の具体的なデータ構造を示す図であり、(b)は機器操作DB39の一般化したデータ構造を示す図である。
誤操作グループの候補を決定する処理の手順を示すフローチャートである。
(a)および(b)は、図5の手順に従って誤操作グループの候補が決定されるまでの例を示す図である。
誤操作グループの候補から誤操作確率を算出する処理の手順を示すフローチャートである。
(a)および(b)は、推定された誤操作グループから誤操作確率テーブルを生成する例を示す図である。
録画モードボタンが押下時の、操作情報(「録画モード」)に対する操作の説明と確認を表示した操作確認の一例を示す図である。
操作情報に対する操作説明のみを表示した操作確認の例を示す図である。
判定部107の処理の手順を示すフローチャートである。
情報提供ユニット100において行われる処理の手順を示すフローチャートである。
(a)および(b)は、入力操作の履歴に基づいて誤操作確率が更新される例を示す図である。
本実施形態による操作情報提供ユニット200の機能ブロックの構成を示す図である。
情報提供ユニット200において行われる処理の手順を示すフローチャートである。
操作確認出力によって誤操作確率が更新される一例を示す図である。
実験装置の配置を示す図である。
操作実験の手順を示すフローチャートである。
被験者が学習するための解答付き問題用紙の例を示す図である。
回答用紙の一例を示す図である。
実験手順にしたがって行われた実験結果の一例を示す図である。
実験結果に基づいて操作情報ごとの誤操作確率をまとめた結果の一部を示す図である。
符号の説明
1 DVDレコーダ
2 TV
3 リモコン
39 機器操作データベース(DB)
100 操作確認情報提供ユニット100
101 入力部
102 入力内容選別部
103 制御部
104 データベース記憶部
105 誤操作確率算出部
106 確率情報記憶部
107 操作確認判定部
108 出力部
110、111 CPU
200 操作確認情報提供ユニット
201 操作確認更新部