JPWO2007122913A1 - 対物レンズ駆動装置、光ピックアップ及び情報記録再生装置 - Google Patents

対物レンズ駆動装置、光ピックアップ及び情報記録再生装置 Download PDF

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Abstract

対物レンズ駆動装置(11)は、対物レンズ(16)と、これを保持するレンズホルダ(12)と、このレンズホルダを一端にて夫々支持する一対の線状サスペンションバネ(171及び172)と、このバネの他端側が夫々固定されるバネホルダ(13)と、対物レンズをレンズホルダごと、少なくともトラッキング駆動する駆動手段とを備える。そして、一対の線状サスペンションバネは、光軸方向から平面的に見て、一端側が他端側と比べて狭まっているか又は広がっており、レンズホルダは、この一端を夫々通過すると共に線状サスペンションバネの延在方向に対して夫々垂直である二本の線分の交点を駆動中心としてトラッキング駆動されるように支持される。

Description

本発明は、例えばCD(Compact Disc:CD)、DVD、或いはBD(Blu−ray Disc:BD)、HD(High Definition)−DVD等の光ディスクを記録又は再生する際に発生しうる共振を解消或いは低減可能な対物レンズ駆動装置、光ピックアップ及び情報記録再生装置の技術分野に関する。
この種の対物レンズ駆動装置(即ち、アクチュエータ)には、光スポットを光ディスクのトラック上に集光させるため、対物レンズを光ディスクのフォーカシング方向に駆動させるフォーカス駆動機構が備えられる。加えて、光スポットを光ディスクのトラックに追従させるため、対物レンズを光ディスクのトラッキング方向に駆動させるトラッキング駆動機構が備えられる。この際、フォーカス変位或いはトラッキング変位に伴い、対物レンズに傾きが生じ得る。また、光ディスクの回転周波数(例えば、160kHz)等と、ローリング周波数とが同期すると、フォーカシング方向の「ピッチング共振」、或いはトラッキング方向の「ヨーイング共振」が発生し得る。このような傾き或いは共振は、光ディスクの再生或いは記録品質の低下を招く虞がある。
このような不具合に対処するため、対物レンズ駆動装置を構成する可動部と固定部との間をハの字型に開く2本のサスペンションバネ2組によって支持する、いわゆるハの字構造にする技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このハの字構造を採用すると、回転剛性が向上し対物レンズの傾きが低減される。加えて対称な駆動回路を両端に設け、対物レンズをレンズホルダ部の略中央に配置することで、対物レンズ駆動装置の応答周波数特性も改善され、共振を抑えられる。
或いは、上記ハの字バネ構造を採らない場合、例えばサスペンションバネが平行に配置されるSlim系の対物レンズ駆動装置においては、漏洩磁束を利用して、高次共振モードの回転中心回りの回転モーメントをキャンセルさせることで共振を抑える技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2001−126280号公報 特開平11−86307号公報
しかしながら、例えば前述の特許文献1及び2に開示されている対物レンズ駆動装置は、以下のごとき技術的問題を有する虞がある。即ち、フォーカシング駆動或いはトラッキング駆動の際に、ハの字型に開いたサスペンションバネに夫々作用する力が伸縮力として働き、依然としてピッチング共振或いはヨーイング共振の共振源として作用し得る。しかも、両共振は、トレードオフの関係にあり、一方の共振を解消するためには、他方の共振が犠牲になる虞がある。加えて、特許文献2に開示されている平行構造に係る技術によると、回転モーメントをキャンセルするために、意図的に推進方向と逆向きの力を発生させることになるので、推力が低下する虞があるという技術的問題点がある。
本発明は、例えば上述した問題点に鑑みてなされたものであり、比較的簡単な構成によって、上記共振を好適に低減或いは解消可能な対物レンズ駆動装置、光ピックアップ及び情報記録再生装置を提供することを課題とする。
(対物レンズ駆動装置)
本発明に係る対物レンズ駆動装置は上述の課題を解決するために、ディスク状記録媒体に対してレーザ光を集光する対物レンズと、該対物レンズを保持すると共に、前記ディスク状記録媒体の少なくともトラッキング方向に駆動されるレンズホルダと、前記レンズホルダを、前記対物レンズの光軸方向から平面的に見て前記レンズホルダの両側から挟み込むようにその一端にて夫々支持する一対の線状サスペンションバネと、該一対の線状サスペンションバネの他端側が夫々固定されるバネホルダと、前記対物レンズを前記レンズホルダごと、少なくともトラッキング駆動する駆動手段とを備え、前記一対の線状サスペンションバネは、前記光軸方向から平面的に見て、前記一端側が前記他端側と比べて狭まっているか又は広がっており、前記レンズホルダは、前記光軸方向から平面的に見て、前記一端を夫々通過すると共に前記線状サスペンションバネの延在方向に対して夫々垂直である二本の線分の交点を駆動中心として、前記ディスク状記録媒体に対して所定方向にトラッキング駆動されるように、前記一対の線状サスペンションバネにより支持されつつ前記駆動手段により駆動される。
本発明によると、当該対物レンズ駆動装置を備えた光ピックアップ装置或いはこれを含む光学式情報装置の動作時に、レーザ光源からレーザ光が照射されると、このレーザ光が、対物レンズによって、例えばCD、DVD、或いはBD等のディスク状記録媒体に対して集光される。この対物レンズは、レンズホルダによって保持されており、該レンズホルダはディスク状記録媒体の少なくともトラッキング方向に駆動される。ここでの「少なくとも」とは、例えばフォーカシング方向のような他の方向に駆動されることを制限しない趣旨である。このレンズホルダは、例えばサスペンションワイヤ等を有する一対の線状サスペンションバネによって、対物レンズの光軸方向から平面的に見てレンズホルダの両側から挟み込むようにその一端にて夫々支持される。該一対の線状サスペンションバネの他端側は、バネホルダによって、夫々固定される。そして対物レンズはレンズホルダごと、例えばマグネット等を有する駆動手段によって、少なくともトラッキング駆動される。
ここで、一対の線状サスペンションバネは、光軸方向から平面的に見て、一端側が他端側と比べて狭まっているか又は広がっている。典型的には、光軸方向から平面的に見て、ハの字型となっている。加えて、レンズホルダは、光軸方向から平面的に見て、一端を夫々通過すると共に線状サスペンションバネの延在方向に対して夫々垂直である(即ち、直交する)二本の線分の交点を駆動中心として、ディスク状記録媒体に対して所定方向にトラッキング駆動されるように、一対の線状サスペンションバネにより支持されつつ駆動手段により駆動される。尚、ここでの「垂直」とは、狭義には互いのなす角が90度であることを示し、広義には若干のマージンを持たせてよく、本発明の効果が大なり小なり得られる限りにおいて、例えば互いのなす角が90度±5度であってもよい趣旨である。
ここで仮に通常の設計セオリーに従い、駆動中心を、上記交点でなく、例えば一対の線状サスペンションバネの一端を夫々結んだ線分の中点とする。すると、この線分と一対の線状サスペンションバネとは夫々直交しない。そのため、駆動中心にトラッキング方向の駆動力が与えられると、一対の線状サスペンションバネの各々に沿った成分が残存することになり、この残存する成分が伸縮力として働き、一対の線状サスペンションバネの各々で共振(所謂、ヨーイング共振)が発生する虞がある。特に、サスペンションバネの伸縮方向に固有の共振周波数で振動する場合には、この共振が顕著に現れる可能性もある。
然るに、本発明によると、一対の線状サスペンションバネの一端を結んだ線分と一対の線状サスペンションバネとが夫々直交する。そのため、駆動中心にトラッキング方向の駆動力が与えられても、一対の線状サスペンションバネの各々と直交する成分しか残存しないので、或いはこの直交する成分に比べると伸縮力として働く成分は無い或いは殆ど無いので、一対の線状サスペンションバネの各々が著しく共振する虞は無い或いは殆ど無い。尚、文字通りの「交点」のみならず、上述した共振を低減する効果が大なり小なり得られる限りにおいて、設計セオリーに従った線分の中点に比べて交点側に寄った点を駆動中心としてもよい。
以上、本発明によると、駆動中心が好適に調整されているので、例えばトラッキング方向の駆動力が与えられても共振が発生することは無い或いは殆ど無い。即ち、設計セオリーに従って設計された対物レンズ駆動装置に比べて、共振が低減或いは解消されることとなる。従って、サーボ制御の品質、ディスク状記録媒体に対する信号の読み書きの品質も向上し、実践上非常に有利である。加えて、共振を抑えるために、何らかの抑制力を与えることもないので、駆動力のロスも低減或いは解消され、非常に効率良く対物レンズを駆動することができる。
本発明に係る対物レンズ駆動装置の一態様では、前記レンズホルダは、少なくとも2つの前記対物レンズを保持する。
この態様によると、レンズホルダは、例えばCD及びBDのような複数種類のディスク状記録媒体に対応すべく、異なる波長のレーザ光を利用し、且つ異なる焦点距離が要されるような対物レンズを、少なくとも2つ保持する。このように対物レンズを複数有すると、レンズホルダの構造が複雑化し、特に駆動中心からレンズ中心までの距離が遠くなるので、共振の悪影響が顕著に増大する虞がある。かかる場合でも、上述のように駆動中心の位置を調整することが有効である。尚、本発明は、少なくとも2つの対物レンズの配置については、特に制限する趣旨ではない。これらは例えばラジアル方向に並べて配置されてもよいし、或いはトラッキング方向に並べて配置されてもよい。
この少なくとも2つの対物レンズを保持する態様によると、かかる少なくとも二つの対物レンズは、光軸方向から平面的に見て、一対の線状サスペンションバネの間に挟まれ且つ駆動中心を通る線分の上に、配列されてもよい。
このように配列されていると、少なくとも駆動中心から相対的に遠い対物レンズについて、更に悪影響が増大する虞がある。かかる場合でも、上述のように駆動中心の位置を調整することが有効である。例えばトラッキング方向の駆動力が与えられても共振が発生することは無い或いは殆ど無い。従って、複数種類のディスク状記録媒体に好適に対応可能となる。
本発明に係る対物レンズ駆動装置の他の態様では、前記一対の線状サスペンションバネは、前記両側の夫々において、前記光軸方向に配列された複数本の線状サスペンションバネを含む。
この態様によると、本発明は、線状サスペンションバネが一対である場合のみならず、複数本のサスペンションバネを含む場合にも適用可能である。例えば複数本のうち対となる線状サスペンションバネに関して、その一端を夫々通過すると共に、延在方向に対して夫々垂直である二本の線分の交点を各々の対に関して求める。そして、これらの交点を互いに結んだ線分上に、駆動中心を位置させることで、上述の対物レンズ駆動装置と同様の趣旨に基づき、共振が低減或いは解消されることとなる。尚、サスペンションバネを三対以上有する場合、その中からサスペンションの機能的観点に基いて、主の二対を決めることで、該主の二対に対して、上述のように駆動中心を位置させても、大なり小なり有効である。
本発明に係る対物レンズ駆動装置の他の態様では、前記駆動手段は、トラッキング駆動するのに加えて前記対物レンズをフォーカシング駆動する。
この態様によると、対物レンズが、駆動手段によって、トラッキング駆動のみならず、フォーカシング駆動されることとなる。
このフォーカシング駆動する態様では、前記駆動中心は、前記対物レンズをフォーカシング駆動する際の駆動中心でもあってよい。
この態様によると、駆動中心は、対物レンズをフォーカシング駆動する際の駆動中心でもあってよい。即ち、駆動中心は、トラッキング駆動及びフォーカシング駆動する際の共通の駆動中心となる。
そしてこのフォーカシング駆動する態様では、前記レンズホルダは、前記トラッキング方向に駆動する際に発生しうるピッチング共振と、前記フォーカシング方向に駆動する際に発生しうるヨーイング共振とが、相対的に低減されるように、前記一対の線状サスペンションバネにより支持されつつ前記駆動手段により駆動されるとよい。
この態様によると、実践上よくあるようにトラッキング駆動とフォーカシング駆動とがともになされる場合にも有効である。即ち、両駆動に係る共振の低減を両立させることが比較的困難である場合にも、レンズホルダは、ピッチング共振とヨーイング共振とが、相対的に低減されるように、一対の線状サスペンションバネにより支持されつつ駆動手段により駆動されるので、両共振が共に低減或いは解消されることとなる。
本発明に係る対物レンズ駆動装置の他の態様では、前記駆動手段は、前記レンズホルダを前記トラッキング方向に駆動させるためのトラッキング駆動コイルと、前記レンズホルダを前記フォーカシング方向に駆動させるためのフォーカシング駆動コイルと、異磁極を対向して配置されるマグネットとを有する。
この態様によると、これら駆動手段が有するトラッキング駆動コイル、フォーカシング駆動コイル、マグネットの間で働く電磁気的或いは力学的な力によって、駆動中心にトラッキング方向或いはフォーカシング方向の駆動力が与えられ、対物レンズが駆動される。かかる場合でも、駆動中心が好適に調整されて駆動されるので、駆動時の共振が好適に低減或いは解消されることとなる。
このトラッキング駆動コイル、フォーカシング駆動コイル及びマグネットを備える態様では、駆動中心が交点に近付くように、マグネットの各々の配置、対向する面の面積の比及び質量の比のうち少なくとも一つが調整されてもよい。
この態様によると、例えば、対向するマグネットのうち、所望の駆動中心の位置に近い側のマグネットの質量が増やされる。このようにマグネットに係る各種特性を調整することで、駆動中心が上記交点に近づけられ、好適には一致し、もって共振が低減或いは解消されることとなる。
或いは、このトラッキング駆動コイル、フォーカシング駆動コイル及びマグネットを備える態様では、駆動中心が交点に近付くように、トラッキング駆動コイルとフォーカシング駆動コイルとの、巻き数及び電流の比のうち少なくとも一方が調整されている。
この態様によると、例えば、対向するマグネットのうち、所望の駆動中心の位置に近い側のマグネットの磁力が、他の側のマグネットの磁力に比べて強くなるように、巻き数の比が調整される。このように両コイルに係る各種特性を調整することで、駆動中心が上記交点に近づけられ、好適には一致し、もって共振が低減或いは解消されることとなる。
(光ピックアップ)
本発明に係る光ピックアップは上記課題を解決するために、本発明に記載の対物レンズ駆動装置(但し、その各種態様を含む)と、前記レーザ光を照射するレーザ光源と、該レーザ光を前記対物レンズ駆動装置へと導く光学系とを備える。
本発明に係る光ピックアップによると、当該光ピックアップは上述した対物レンズ駆動装置を備えるので、上述した本発明の対物レンズ駆動装置の場合と同様に、共振が低減或いは解消されることとなる。
尚、本発明の光ピックアップにおいても、上述した本発明の対物レンズ駆動装置における各種態様と同様の各種態様を採ることが可能である。
(情報記録再生装置)
本発明に係る情報記録再生装置は上記課題を解決するために、本発明に記載の光ピックアップ(但し、その各種態様を含む)と、前記ディスク状記録媒体に対して信号の記録或いは再生を行うために、前記光ピックアップに対して前記記録に係る信号を与え、或いは前記再生に係る信号を受け取る信号記録再生手段と、前記記録或いは再生に伴い、前記ディスク状記録媒体を回転させる回転手段とを備える。
本発明に係る情報記録再生装置によると、当該情報記録再生装置は上述した対物レンズ駆動装置を備える光ピックアップを備えるので、上述した本発明の対物レンズ駆動装置の場合と同様に、共振が低減或いは解消されることとなる。
尚、本発明の情報記録再生装置においても、上述した本発明の対物レンズ駆動装置における各種態様と同様の各種態様を採ることが可能である。
以上、説明したように、本発明の対物レンズ駆動装置によれば、対物レンズ、レンズホルダ、線状サスペンションバネ、バネホルダ及び駆動手段を備え、本発明の光ピックアップによれば、上記対物レンズ駆動装置に加えてレーザ光源及び光学系を備え、更に、本発明の情報記録再生装置によれば、上記光ピックアップに加えて信号記録再生手段及び回転手段を備えるので、比較的簡単な構成によって、例えばトラッキング方向へ対物レンズを駆動する際に生じうる共振が、低減或いは解消される。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施例から明らかにされよう。
本発明の第1実施例に係る、対物レンズ駆動装置を備えた情報記録再生装置の基本構成を概念的に示すブロック図である。 第1実施例に係る、対物レンズ駆動装置の基本構成を概念的に示す平面図である。 第1実施例に係る、対物レンズ駆動装置に働く力をリンクモデルとして示す平面図である。 第1実施例に係る、対物レンズ駆動装置がトラッキング方向に駆動される際の軌跡を示す平面図である。 第1実施例に係る、サスペンションバネが2本である対物レンズ駆動装置のリンクモデルの斜視図である。 第2実施例に係る、サスペンションバネが4本である対物レンズ駆動装置のリンクモデルの斜視図である。 第3実施例に係る、マグネット方式による対物レンズ駆動装置の基本構成を概念的に示す平面図である。 第3実施例に係る、対物レンズ駆動装置のフォーカシング方向の周波数特性を示す特性図である。 第3実施例に係る、対物レンズ駆動装置のトラッキング方向の周波数特性を示す特性図である。 第4実施例に係る、Slim系に係る対物レンズ駆動装置の基本構成を概念的に示す平面図及び断面図、並びにモーメント図である。
符号の説明
1 情報記録再生装置
100 光ディスク
10 光ピックアップ
11 対物レンズ駆動装置
3 スピンドルモータ
4 信号記録再生手段
2 CPU(ドライブ制御手段)
5 メモリ
6 データ入出力制御手段
7 操作制御手段
16、162 対物レンズ
12 レンズホルダ
13 バネホルダ
171 サスペンションバネ(右)
172 サスペンションバネ(左)
121、122、131、132 バネ接続部
20 サスペンション中心
1712 サスペンションバネ(右)
1722 サスペンションバネ(左)
1212、1222、1312、1322 バネ接続部
181、182 マグネット
183 マグネット(小)
185 基台
190 フォーカシングコイル
191 トラッキングコイル
21 フォーカス駆動中心及びレンズホルダAss'yの重心
22 トラッキング駆動中心
以下、本発明を実施するための最良の形態について実施例毎に順に図面に基づいて説明する。
(1)第1実施例
第1実施例に係る対物レンズ駆動装置の構成及び動作処理を、図1から図5を参照して説明する。ここに、図1は、本発明の第1実施例に係る、対物レンズ駆動装置を備えた情報記録再生装置の基本構成を概念的に示すブロック図である。
図1において、本発明に係る「情報記録再生装置」の一例である情報記録再生装置1は、光ピックアップ10、対物レンズ駆動装置11、スピンドルモータ3、信号記録再生部4、CPU2、メモリ5、データ入出力制御部6、操作制御部7等により構成されており、CPU2の制御下で、光ディスク100に情報を記録すると共に、光ディスク100に記録された情報を読み取る。
光ディスク100は、例えばCD、DVD、或いはBDのように、自身の記録面にレーザ光が照射されることで情報の記録及び再生が可能な記録媒体である。
光ピックアップ10は、本発明に係る「光ピックアップ」の一例であり、例えば半導体レーザ、光学系、対物レンズ、受光素子及び対物レンズ駆動装置11等を有する。半導体レーザから出射されて光学系によって誘導されたレーザ光は、対物レンズ駆動装置11に含まれる対物レンズによって、光ディスク100の記録面に集光され、その記録面で反射されるレーザ光は、受光素子によって受光される。このようにして、光ディスク100に対して情報の記録或いは再生が行われる。
対物レンズ駆動装置11は、本発明に係る「対物レンズ駆動装置」の一例であり、対物レンズ16を含むと共に、この対物レンズ16を光ディスク100のトラッキング方向或いはフォーカシング方向に駆動するための装置である。詳細については、図2を用いて後述する。
スピンドルモータ3は、光ディスク100を回転及び停止させるもので、光ディスク100へのアクセス時に動作する。より詳細には、スピンドルモータ3は、図示しないサーボユニット等によりスピンドルサーボを受けつつ所定速度で光ディスク100を回転及び停止させるように構成されている。
信号記録再生部4は、光ピックアップ10とスピンドルモータ3とを制御することで光ディスク100に対して記録再生を行う。
CPU2は、信号記録再生部4、メモリ5と、バスBSを介して接続され、各制御手段に指示を行うことで、情報記録再生装置1全体の制御を行う。通常、CPU2が動作するためのソフトウェアは、メモリ5に格納されている。
メモリ5は、記録再生データのバッファ領域や、信号記録再生部4で使用出来るデータに変換する時の中間バッファとして使用される領域など情報記録再生装置1におけるデータ処理全般において使用される。また、メモリ5はこれらレコーダ機器としての動作を行うためのプログラムが格納されるROM領域と、映像データの圧縮伸張で用いるバッファやプログラム動作に必要な変数が格納されるRAM領域などから構成される。
データ入出力制御部6データ入出力制御部6は、情報記録再生装置1に対する外部からデータ入出力を制御し、メモリ5上のデータバッファへの格納及び取り出しを行う。例えばデータの入出力が映像信号である場合には、データ入力時には外部から受け取ったデータをMPEGフォーマットに圧縮(エンコード)してからメモリ5へ出力し、データ出力時には、メモリ5から受け取ったMPEGフォーマットのデータを伸張(デコード)してから外部へ出力する。
操作制御部7は、情報記録再生装置1に対する動作指示受付と表示を行うもので、記録又は再生といった操作ボタン8による指示をCPU2に伝え、記録中や再生中といった情報記録再生装置1の動作状態を蛍光管などの表示パネル9に出力する。
ここで、図2を参照して、対物レンズ駆動装置11における構成についてより詳細に説明する。ここに、図2は、本実施例に係る、対物レンズ駆動装置11の基本構成を概念的に示す平面図である。
図2において、本実施例に係る対物レンズ駆動装置11は、本発明に係る「対物レンズ」の一例である対物レンズ16と、本発明に係る「レンズホルダ」の一例であるレンズホルダ12と、本発明に係る「バネホルダ」の一例であるバネホルダ13と、「一対の線状サスペンションバネ」の一例であるサスペンションバネ(右)171及びサスペンションバネ(左)172とを備える。
ここに対物レンズ16は、光学系を介して入射するレーザ光を光ディスク100の記録面に集光し、他方、記録面に反射された光を光学系へ戻すよう構成されている。
レンズホルダ12は、対物レンズ16を保持すると共に、例えばフォーカシング方向或いはトラッキング方向に沿って対物レンズ駆動装置11に対して可動に構成されている。
バネホルダ13は、対物レンズ駆動装置11に対して固定されている。
サスペンションバネ(右)171は、バネ接続部121及びバネ接続部131における半田付け等により、レンズホルダ12とバネホルダ13とを支持するよう構成されている。
サスペンションバネ(左)172は、バネ接続部122及びバネ接続部132における半田付け等により、レンズホルダ12とバネホルダ13とを支持するよう構成されている。
尚、サスペンションバネ(右)171とサスペンションバネ(左)172とは好適には、回転剛性を高めるために、図2に示すような平面視ハの字となるよう配置するとよい。即ち、バネ接続部121とバネ接続部122との間隔が、バネ接続部131とバネ接続部132との間隔に比べて広く又は狭くなるよう配置するとよい。
本実施例では特に、図2のように、対物レンズ16の光軸方向(即ち、図2の紙面に垂直な方向)から平面的に見て、サスペンション中心20は、バネ接続部121から引かれたサスペンションバネ(右)171に対する垂線と、バネ接続部122から引かれたサスペンションバネ(左)172に対する垂線との交点とされる。そして、このサスペンション中心20と、例えばトラッキング方向に対物レンズ16を駆動する際の駆動中心とが一致するような構成とされる。それ故、フォーカシング方向の「ピッチング共振」のみならず、トラッキング方向の「ヨーイング共振」をも好適に低減或いは解消できるのである。
続いて、この時の動作について、図3及び図4を用いて説明を加える。ここに、図3は、第1実施例に係る、対物レンズ駆動装置に働く力をリンクモデルとして示す平面図であり、図4は、第1実施例に係る、対物レンズ駆動装置がトラッキング方向に駆動される際の軌跡を示す平面図である。
先ず、図3(a)は比較例に係る対物レンズ駆動装置に働く力をリンクモデルで示し、図4(a)は、係る対物レンズが、トラッキング方向に駆動される際の軌跡を示す。これらの図によれば、比較例に係る対物レンズ駆動装置11は、通常の設計セオリーに従って、即ちフォーカシング方向の駆動中心(即ち、コイルのフォーカシング方向の推力の力学的安定点)と、トラッキング方向の駆動中心(即ち、コイルのトラッキング方向の推力の力学的安定点)とが一致しているものとして、それらとサスペンション中心20(即ち、サスペンションバネの力学的安定点)とレンズホルダAss’y(Assembly:Ass’y)の重心(即ち、対物レンズ16を含むレンズホルダ12全体の重心)とが一致するように設計されている。
ここで、図4(a)に示すように対物レンズ駆動装置11をトラッキング方向に駆動させる際には、上記トラッキング方向の駆動中心、つまり図3(a)におけるサスペンション中心20と同じ位置に、トラッキング方向に所定の大きさの力F0が作用することになる。この際、トラッキング方向と両サスペンションバネとは夫々直交していないので、上記力F0をバネ接続部121及びバネ接続部122について夫々分解すると、両サスペンションバネに沿った方向の成分が残存することとなる。この残存した成分が、両サスペンションバネに対する伸縮力として作用しており、サスペンションバネの伸縮方向に対して固有の共振周波数で対物レンズ駆動装置11を動作させると、著しい共振が発生し得るのである。
他方、図3(b)は本実施例に係る対物レンズ駆動装置に働く力をリンクモデルで示し、図4(b)は、係る対物レンズが、トラッキング方向に駆動される際の軌跡を示す。これらの図によれば、本実施例に係る対物レンズ駆動装置11は特に、バネ接続部121から引かれたサスペンションバネ(右)171に対する垂線と、バネ接続部122から引かれたサスペンションバネ(左)172に対する垂線との交点が、サスペンション中心20として定義されており、そこに、少なくともトラッキング方向の駆動中心が一致するように設計されている。
ここで、図4(b)に示すように対物レンズ駆動装置11をトラッキング方向に駆動させる際には、上記トラッキング方向の駆動中心、つまり図3(b)におけるサスペンション中心20に、トラッキング方向に所定の大きさの力F0が作用することになる。この際特に、トラッキング方向と両サスペンションバネとは夫々直交しているので、上記力F0をバネ接続部121及びバネ接続部122について夫々分解しても、両サスペンションバネに沿った方向の成分が残存しない。従って、トラッキング方向への偏倚時には、サスペンション中心20とレンズホルダAss’yの重心との位置のズレに応じてレンズホルダAss’yが僅かな回転を伴いながら偏倚するものの、両サスペンションバネに伸縮力はかからない。それ故、両サスペンションバネの伸縮方向の共振周波数で動作させたとしても、共振源となり得る伸縮力が働かないので共振は発生しない。
以上、図1から図5を参照して説明したように、本実施例に係る対物レンズ駆動装置11によると、サスペンション中心20が適切な位置となるように設計されているので、フォーカシング方向の「ピッチング共振」及びトラッキング方向の「ヨーイング共振」は好適に低減或いは解消されることとなる。従って、情報記録再生装置1を用いた光ディスク100に対する記録或いは再生の品質が一層向上することとなる。
(2)第2実施例
次に、第2実施例に係る対物レンズ駆動装置11の構成及び動作処理を、図2に加えて図5及び図6を参照して説明する。尚、図5及び図6において、上記図面に係る構成と同一の構成には同一の符号を付し、その説明は適宜省略する。ここに、図5は、第1実施例に係るサスペンションバネが2本である対物レンズ駆動装置のリンクモデルの斜視図であり、図6は、本実施例に係るサスペンションバネが4本である対物レンズ駆動装置のリンクモデルの斜視図である。
本実施例において特に、第1実施例と比べて異なるのは、サスペンションバネの数及び配置の違いからくる、サスペンション中心20の位置である。具体的には、本実施例に係るサスペンションバネ(図6参照)は、第1実施例に係るサスペンションバネ(図5参照)がz方向に2段重ねて配置された構成となっている。即ち、第1実施例と比べて、サスペンションバネ(右)1712、サスペンションバネ(左)1722、バネ接続部1212、バネ接続部1222、バネ接続部1312及びバネ接続部1322が追加されている。係る構成においては、サスペンション中心20を以下のように定義するとよい。即ち、先ずバネ接続部121から引かれたサスペンションバネ(右)171に対する垂線と、バネ接続部122から引かれたサスペンションバネ(左)172に対する垂線との交点を交点201とし、同様に、バネ接続部1212から引かれたサスペンションバネ(右)1712に対する垂線と、バネ接続部1222から引かれたサスペンションバネ(左)1722に対する垂線との交点を交点202とする。そして、これら2つの交点、即ち交点201と交点202とを結ぶ線分上に、サスペンション中心20を定義するとよい。係るサスペンション中心20は、典型的には交点201と交点202とを結ぶ線分の中点である。そして、駆動中心がサスペンション中心20と一致するような構成とされる。この構成によると、仮にサスペンション中心20でトラッキング方向(z方向)或いはフォーカシング方向(y方向)へ向かう力が作用しても、何れのサスペンションバネに対しても直交する成分しかないことになるので、両サスペンションバネに伸縮力はかからず、共振は発生しない。
以上、図6を参照して説明したように、本実施例に係る対物レンズ駆動装置11によると、サスペンションバネの数及び配置が変わっても、それに応じてサスペンション中心20が適切な位置となるように設計されているので、少なくともトラッキング方向の「ヨーイング共振」が好適に低減或いは解消されることとなる。
尚、例えばサスペンションバネが6本、8本・・・と追加される場合にも、その内のいずれか2本ないし4本が主に構造の決定要因であり、残りは補助的な役割であると考えることができるのであれば、本実施例は有効である。即ち、主となる2本ないし4本について、サスペンション中心20を定義するとよい。
(3)第3実施例
次に、第3実施例に係る対物レンズ駆動装置11の構成及び動作処理を、図2に加えて図7から図9を参照して説明する。尚、図7から図9おいて、上記図面に係る構成と同一の構成には同一の符号を付し、その説明は適宜省略する。ここに、図7は、第3実施例に係る、マグネット方式による対物レンズ駆動装置の基本構成を概念的に示す平面図であり、図8は、第3実施例に係る、対物レンズ駆動装置のフォーカシング方向の周波数特性を示す特性図であり、図9は、第3実施例に係る、対物レンズ駆動装置のトラッキング方向の周波数特性を示す特性図である。より詳しくは、図7(a)は、比較例に係る対物レンズ駆動装置11の基本構成を示し、図8(a)は、該構成におけるフォーカシング方向の電流感度のゲイン[dB]及び位相遅れ[deg]を示し、図9(a)は、その際のトラッキング方向の電流感度のゲイン[dB]及び位相遅れ[deg]を示す。他方、図7(b)は、比較例に係る対物レンズ駆動装置11の基本構成を示し、図8(b)は、該構成におけるフォーカシング方向の電流感度のゲイン[dB]及び位相遅れ[deg]を示し、図9(b)は、その際のトラッキング方向の電流感度のゲイン[dB]及び位相遅れ[deg]を示す。
本実施例において特に、上記実施例と比べて異なるのは、対物レンズ16に加えて、対物レンズ161が更に備わる点であり、それに応じてサスペンション中心20に駆動中心を一致させるための具体的な構成としてマグネット方式を採る点である。そして、図7において、比較例に係る、マグネット方式による対物レンズ駆動装置11(図7(a)参照)に比べて、本実施例に係る、マグネット方式による対物レンズ駆動装置11(図7(b)参照)が主に異なるのは、サスペンション中心20の位置であり、そこに駆動中心を一致させるための、マグネットによる磁力の大きさである。
より詳しくは、比較例に係る図7(a)では、互いに対向する面の面積が略等しいマグネット181とマグネット182とを、レンズホルダ12の両サイドに対向配置させた構成を採る。ここで、マグネット181とマグネット182との間隔は、図8(a)においてピッチング共振を解消すべく、ピッチング共振調整が施されたピッチングベスト位置とされている。ところが、この構成によると、図9(a)において3kHz付近でヨーイング共振が発生している。逆に、図9(a)においてヨーイング共振を解消すべくヨーイング共振調整を施すと、今度は、図8(a)においてピッチング共振が発生してしまう。即ち、図7(a)の構成だと、ピッチング共振とヨーイング共振とがトレードオフの問題となる。
それに対し、本実施例に係る図7(b)では、マグネット181に代えて、マグネット182と対向する面の面積がマグネット182に比べて小さいマグネット183を配置させた構成を採る。この構成によると、各駆動中心、換言すればモーメント釣り合い点が、その面積の差に応じた磁力の差分、バネホルダ13側にシフトして、サスペンション中心20と一致するよう調整可能となる。その結果、図8(b)及び図9(b)に示すように、ピッチング共振とヨーイング共振とを共に解消或いは低減することが可能となる。
以上、図7から図9を参照して説明したように、本実施例に係る対物レンズ駆動装置11によると、対物レンズ16を複数備える場合であっても、それに応じてマグネットの面積等を適宜変更して、電磁的、或いは力学的な力関係を調整することで、サスペンション中心20に各駆動中心を一致させることが可能であり、もって、ピッチング共振とヨーイング共振とを共に解消或いは低減することが可能となる。
尚、対物レンズを複数備える場合、x方向でなくy方向に並べてもよい。
更に、各駆動中心の位置を変更するにあたり、磁力を調整する場合には、磁力の決定要因であるマグネットの各種パラメータ、例えば透磁率μ、磁束密度B、或いは面積Sを変更してもよいし、或いはコイルの巻き数或いはコイルに流す電流の比率を変更してもよい。
(4)第4実施例
次に、第4実施例に係る対物レンズ駆動装置の構成及び動作処理を、図2に加えて図10を参照して説明する。尚、図10おいて、上記図面に係る構成と同一の構成には同一の符号を付し、その説明は適宜省略する。ここに、図10は、第4実施例に係る、Slim系に係る対物レンズ駆動装置の基本構成を概念的に示す平面図及び断面図、並びにモーメント図である。より詳しくは、図10(a)は比較例に係る対物レンズ駆動装置11の、また図10(b)は本実施例に係る対物レンズ駆動装置11の、平面図(xy平面)、断面図(xz平面)及びモーメント図(xz平面)を上から示す。
図10(a)において、比較例に係る対物レンズ駆動装置11は、特に基台185と、フォーカシングコイル190と、トラッキングコイル191とを備える、標準的なSlim系の構成である。基台185は、例えばコの字型をしており、マグネット181及びマグネット182を夫々が対向するように固着する。フォーカシングコイル190は、フォーカシング用のコイルであり、例えば銅線などの線材を螺旋状に巻いたものから成る。トラッキングコイル191は、トラッキング用のコイルであり、例えば銅線などの線材を螺旋状に巻いたものから成る。
ここで、この比較例に係る構成によるとサスペンションバネ171及びサスペンションバネ172は、互いに略平行となるように設置されており、両サスペンションバネのレンズホルダ側のサスペンション中心20は、バネ接続部121とバネ接続部122とを結ぶ線分の中点とされている。そして、係るサスペンション中心20に、フォーカシング方向の駆動中心と、トラッキング方向の駆動中心と、レンズホルダAss’yの重心とが一致するよう構成されている。
この際、サスペンション中心20とフォーカシング加振力Fmの作用点L1とに位置のズレが生じるので、言い換えると点O(重心点・トラッキング駆動中心)と点L1との間隔は0より大きい値を持つので、点L1に力Fmが働くと、点Oの周りにFm×L1の回転モーメントが発生することとなる。
そこで、係る回転モーメントをキャンセルすべく、点L2に、Fm×L1=Fl×L2(Fは推力、Lは点Oからの距離)となるような推力Flが発生するように漏洩磁束を持たせることで、点O回りの回転モーメントが釣り合い、フォーカシングの駆動中心を点Oに一致させることができる。ただし、このように、フォーカシングの駆動中心を調整するにあたりフォーカシング方向の推力は駆動方向とは逆向きの力(推力Fl)を発生させることになるので、結果的に全体のフォーカシング方向の推力が低下する。具体的に、例えば約20%ロスする。
これに対し、図10(b)において、本実施例に係る対物レンズ駆動装置11では、特にサスペンションバネ171及びサスペンションバネ172は、互いに平行とならないように、言い換えると平面視でハの字型(開く側は、レンズホルダ12側、バネホルダ13側何れも可)に設置されている。そして、トラッキング駆動中心22は、バネ接続部121から引かれたサスペンションバネ(右)171に対する垂線と、バネ接続部122から引かれたサスペンションバネ(左)172に対する垂線との交点とされている。加えて、フォーカス駆動中心及びレンズホルダAss'yの重心21は、バネ接続部121とバネ接続部122とを結ぶ線分の中点とされている。
このように、構成されていると、下記のようなメリットを享受できる。即ち、バネをハの字型に配置にすることで、レンズの傾きが改善され、ローリング周波数を増加させることができるので、スピンドルモータの回転周波数と共振周波数とが同期することを回避可能となる。加えて、L1=0であり、点O回りの回転モーメントは、Fm×L1=Fm×0=0、即ちFmに依らず一定であるので、回転モーメントをキャンセルさせるための漏洩磁束を持たせる必要はない。従って、駆動力のロスも回避され、駆動時の推力も向上する。例えば、比較例に比べて約25%向上する。
更に、トラッキング駆動中心22及びフォーカス駆動中心が、共振源とならないよう好適に調整されているので、ピッチング共振とヨーイング共振とを共に解消或いは低減することも可能となる。
以上、図10を参照して説明したように、本実施例に係る対物レンズ駆動装置11によると、Slim系においても、推力のロスを極力回避しながらも、ピッチング共振とヨーイング共振とを共に解消或いは低減することが可能となる。
以上、上述の各実施例によると、駆動中心が好適に調整されているので、例えばトラッキング方向の駆動力が与えられても共振が発生することは無い或いは殆ど無い。即ち、設計セオリーに従って設計された対物レンズ駆動装置に比べて、共振が低減或いは解消されることとなる。従って、サーボ制御の品質、ディスク状記録媒体に対する信号の読み書きの品質も向上するので実践上非常に有利である。加えて、共振を抑えるために、何らかの抑制力を与えることもないので、駆動力のロスも低減或いは解消され、非常に効率良く対物レンズを駆動することができる。
尚、本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨、或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う対物レンズ駆動装置、並びに該対物レンズ駆動装置を備えた光ピックアップ或いは情報記録再生装置もまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。
本発明に係る対物レンズ駆動装置、光ピックアップ及び情報記録再生装置は、例えばCD(Compact Disc:CD)、DVD、或いはBD(Blu−ray Disc:BD)、HD(High Definition)−DVD等の光ディスクを記録又は再生する際に発生しうる共振を解消或いは低減可能な対物レンズ駆動装置、光ピックアップ及び情報記録再生装置に利用可能である。

Claims (12)

  1. ディスク状記録媒体に対してレーザ光を集光する対物レンズと、
    該対物レンズを保持すると共に、前記ディスク状記録媒体の少なくともトラッキング方向に駆動されるレンズホルダと、
    前記レンズホルダを、前記対物レンズの光軸方向から平面的に見て前記レンズホルダの両側から挟み込むようにその一端にて夫々支持する一対の線状サスペンションバネと、
    該一対の線状サスペンションバネの他端側が夫々固定されるバネホルダと、
    前記対物レンズを前記レンズホルダごと、少なくともトラッキング駆動する駆動手段と
    を備え、
    前記一対の線状サスペンションバネは、前記光軸方向から平面的に見て、前記一端側が前記他端側と比べて狭まっているか又は広がっており、
    前記レンズホルダは、前記光軸方向から平面的に見て、前記一端を夫々通過すると共に前記線状サスペンションバネの延在方向に対して夫々垂直である二本の線分の交点を駆動中心として、前記ディスク状記録媒体に対して所定方向にトラッキング駆動されるように、前記一対の線状サスペンションバネにより支持されつつ前記駆動手段により駆動される
    ことを特徴とする対物レンズ駆動装置。
  2. 前記レンズホルダは、少なくとも2つの前記対物レンズを保持する
    ことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の対物レンズ駆動装置。
  3. 前記少なくとも二つの対物レンズは、前記光軸方向から平面的に見て、前記一対の線状サスペンションバネの間に挟まれ且つ前記駆動中心を通る線分の上に、配列されている
    ことを請求の範囲第2項に記載の対物レンズ駆動装置。
  4. 前記一対の線状サスペンションバネは、前記両側の夫々において、前記光軸方向に配列された複数本の線状サスペンションバネを含む
    ことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の対物レンズ駆動装置。
  5. 前記駆動手段は、トラッキング駆動するのに加えて前記対物レンズをフォーカシング駆動する
    ことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の対物レンズ駆動装置。
  6. 前記駆動中心は、前記対物レンズをフォーカシング駆動する際の駆動中心でもある
    ことを特徴とする請求の範囲第5項に記載の対物レンズ駆動装置。
  7. 前記レンズホルダは、前記トラッキング方向に駆動する際に発生しうるピッチング共振と、前記フォーカシング方向に駆動する際に発生しうるヨーイング共振とが、相対的に低減されるように、前記一対の線状サスペンションバネにより支持されつつ前記駆動手段により駆動される
    ことを特徴とする請求の範囲第5項に記載の対物レンズ駆動装置。
  8. 前記駆動手段は、
    前記レンズホルダを前記トラッキング方向に駆動させるためのトラッキング駆動コイルと、
    前記レンズホルダを前記フォーカシング方向に駆動させるためのフォーカシング駆動コイルと、
    互いに異磁極を対向して配置されるマグネットと
    を有する
    ことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の対物レンズ駆動装置。
  9. 前記駆動中心が前記交点に近付くように、前記マグネットの各々の配置、対向する面の面積の比及び質量の比のうち少なくとも一つが調整されている
    ことを特徴とする請求の範囲第8項に記載の対物レンズ駆動装置。
  10. 前記駆動中心が前記交点に近付くように、前記トラッキング駆動コイルと前記フォーカシング駆動コイルとの、巻き数及び電流の比のうち少なくとも一方が調整されている
    ことを特徴とする請求の範囲第9項に記載の対物レンズ駆動装置。
  11. 請求の範囲第1項に記載の対物レンズ駆動装置と、
    前記レーザ光を照射するレーザ光源と、
    該レーザ光を前記対物レンズ駆動装置へと導く光学系と
    を備えることを特徴とする光ピックアップ。
  12. 請求の範囲第11項に記載の光ピックアップと、
    前記ディスク状記録媒体に対して信号の記録或いは再生を行うために、前記光ピックアップに対して前記記録に係る信号を与え、或いは前記再生に係る信号を受け取る信号記録再生手段と、
    前記記録或いは再生に伴い、前記ディスク状記録媒体を回転させる回転手段と
    を備えることを特徴とする情報記録再生装置。
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