JPWO2007094488A1 - プラネタリーギアドモーターおよびダイナモ - Google Patents

プラネタリーギアドモーターおよびダイナモ Download PDF

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保男 水島
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Abstract

従来のDCモーターで行われている直流電流の反転整流を無くし、全回転角で最大トルクでの回転を可能にするのと同時に、増減速歯車機構との組み合わせを容易にする形状および機能をもたせたDCモーターを提供する。また、本発明の形状および機能を利用し、それを発電機として用いた場合の逆向きトルクの軽減を可能にしたプラネタリーギアドダイナモを提供する。

Description

本発明は、歯車伝達機構と直流モーターの組み合わせに関し、さらに詳しくは歯車機構と組み合わせるのに最も適した、新規な形状と性能および機能を持つ二極DCモーターおよび遊星歯車機構を利用して電機子反作用による逆向きトルクを軽減させた発電機を提供するものである。
従来のギアドモーターと称する技術は、特開2001−5425号に示されるように、モーターの回転軸とギア機構とを連結させ、互いの筐体をネジ固定したものである。
あるいは、特開2003−314634によって示されるように、モーター部とギア機構部とが分かれて配置され、モーターの回転軸によって連結され、モーター部とギア機構部を一つの筐体内に分割し保持した技術である。
またモーター部の永久磁石の回転によりN極とS極が交互に鉄心スロットに対して接近し永久磁石の磁束を鉄芯に通すので、コギングトルクに加えコイルに逆起電力を作り逆向きのトルクを加えている。
また、コイル両端に生じるN極とS極とを交互に入れ替えることによって回転力を作るので、コイルに流す電流の向きを反転させる必要がありコイルの自己誘導により逆起電力を生じさせており、電流の反転ごとにコイルに流す電流が途切れ、そのオン・オフごとに高いサージ電圧を発生させ、回転が速ければ早いほど強い電磁波をコイルが生み出している。この直流の反転整流ごとに、回転力を発生させないデッドポイントを生み、回転むらの原因となり、始動位置にも自ずと制限が係っている。これらのサージ電圧やコッギングトルクやデッドポイントは、直流モーターの電機子から生じる電磁音を引き起こしている。
また従来のモーターは、回転子と固定子の位置関係は限定され固定されたものであるので、回転軸をモーター機構内部で自由な位置および角度に設計することが出来ず、モーターの回転トルクを必要としている機械装置全体の機能その形状や接続使用方法が自ずと限定されたものであった。
また、ギアドモーターと称する技術は、特許公開2003−314634によって示されるように、トルクを増すための、モーター回転軸とギア機構とを組み合わせることで回転数を可変させてモーターのトルクを調整することを目的としたモーターの回転速度を調整しトルク伝達を行う機構であり、自ずとモーター部とギア部の両体積を必要とするものである。
従来の遊星歯車を利用した発電機と称する技術は、特許公開2005−287215によって示されるように、遊星歯車機構を増速機として利用したものであつて、発電機の回転速度を増速して誘導起電圧を上げることを目的としているので、電流を流し誘導起電力を取り出した場合、発電機の回転負荷である電機子反作用による逆向きトルクは、増速回転比に正比例して増加するものとなっている。
本発明が解決しようとする課題の第一は、直流モーターの回転子と固定子の従来の関係を見直し、本発明だからこそ可能になる回転子と固定子との最も効率の良い磁気作用のある空隙を可能な限り大きく作る方法を実現させ、その拡大させた空隙に歯車などの機構を装置できるようにすることである。
本発明が解決しようとする課題の第二は、モーターと歯車機構がモーターの回転軸によって連結された別々の二つの構成要素から成っているギアドモーターの形状を一新させ、歯車機構の中の一つの歯車をモーターのローターとすることを実現させ、モーターと歯車機構を一つの構成として、コンパクト化することである。
本発明が解決しようとする課題の第三は、本発明のモーターの特徴を生かし、モーターの設置や使用箇所、目的などに合わせて、回転子と電機子の位置関係を自由にし、回転効率におおきな影響を与えずに、回転軸を自由な位置や角度で可変させ、また同電圧での回転速度の変速などが出来ることなど、自由なモーター設計を可能にさせることである。
本発明が解決しようとする課題の第四は、遊星歯車機構を利用した従来の発電機では解決されていない増速回転比に正比例する逆向きトルクの軽減である。
本発明はスロットレスの環状鉄芯コアにトロイダルコイルが巻き回された電機子を使用し、この電機子コア内径に対して小さな回転径である二極のインナーマグネットローターを高速回転させるという単純構造である。
ゆえにこの回転径の小さなローターと環状の電機子との間は大きな空隙になるが、その空隙を利用し非磁性材であれば歯車などの機械装置を設けることを可能にする。
一例として遊星歯車減増速機である場合、小さな回転径の太陽歯車自体に永久磁石を設ければ、モーターのインナーローターとして太陽歯車を直接高速回転させることが出来て、遊星歯車がモーターとしての回転機能を持つので、従来のギアドモーターの大きさからモーター部分を差し引いた大きさの省スペースなギアドモーターとなる。
本発明の小さな回転径のインナーマグネットローターは、その回転中に必ずしも電機子ステーターの中心に位置する必要は無く、その位置や回転軸の角度を刻々と変化させても良い。
インナーマグネットローターの回転軸長さ方向に回転径を変え、電機子ステーターとインナーマグネットローターとを相対的に移動させた場合、同一直流電圧でその回転数を可変させることが出来る。
本発明の二極DCモーターの回転方法は、二極マグネットローターの磁極に対して回転角を持たせたN極S極の二極を電機子ステーターの180度対角に生じさせ、二極マグネットローターに対して常時回転トルクを生じさせた二極の回転磁界による。
この回転方法では、どの位置からでも始動出来てデッドポイントのない滑らかな回転を得ることが出来る。
トロイダルコイルには入力端子を通じて直流を負荷して回転させるが、この場合コイルには直流が向きを変えずに流れる。つまり、コイルに流れる電流のオン・オフのない状態であり、よってサージ電圧の発生を無くしているので電磁波の発生が非常に少ない。それに伴い、従来のモーターのコイルから生じている電磁音も非常に少ない。
本発明の二極DCモーターの電機子ステーターと大きな空隙を持つ小さなインナーマグネットローターとの関係では、楕円、三角、四角、または多角形などの電機子ステーターの形状であってもよい。装置箇所やデザインなどに制限がなくなり多用途な本発明の特徴を生かしたモーターとして課題を解決するための手段とする。
本発明の第一は、スロットレスの環状鉄芯コアと、前記環状鉄芯コアの全周に同一方向に等間隔回転角度で巻かれた偶数個コイルとからなり、前記偶数個コイルの巻き線両端を全て直列に結線し、その各結線部位が電力入力用入力端子とされる電機子ステーターと、磁極先端の回転径で環状鉄心コア内周と空隙を持ち、回転軸と直交する棒状
磁石磁界または板状磁石磁界を持つ二極のインナーマグネットローターと、を備え、前記電機子ステーターの入力端子の一つとその180度対角にある入力端子とに直流電圧を前記二極のインナーマグネットローターの回転に同期させて順次回転方向に途切れることなく負荷させることを特徴とするDCモーターである。
なお、前記DCモーターにおいて、
前記電機子ステーターのスロットレスの環状鉄芯コアが、円形、楕円形、三角形、四角形または多角形の形状をなす。
なお、前記DCモーターにおいて、前記二極のインナーマグネットローターの回転軸を、前記スロットレスの環状鉄芯コアの形状中心より偏心させた。
なお、前記DCモーターにおいて、前記二極インナーマグネットローターを、回転軸長さ方向にその磁極先端の回転径を変えた。
なお、前記DCモーターにおいて、前記ローターの回転磁極径と前記スロットレスの環状鉄心コア内径との比が、61.80339%以下である。
なお、前記DCモーターにおいて、前記電機子ステーターと前記二極のインナーマグネットローターとの空隙に、遊星歯車機構を設ける。
なお、前記DCモーターにおいて、前記遊星歯車機構は、太陽歯車と、該太陽歯車の外側で該太陽歯車に噛合う遊星歯車と、該遊星歯車を囲んで該遊星歯車に噛合う内歯車からなり、前記内歯車の外周または側面に同心円に前記電機子ステーターを設けると共に、前記遊星歯車は、前記二極のインナーマグネットローターを内部に一体として設けた遊星歯車であり、または前記二極のインナーマグネットローターを側面に一体として設けた遊星歯車であり、または前記二極のインナーマグネットローターからなる遊星歯車である。
前記遊星歯車の太陽歯車に設けられるマグネットローターを備え、前記遊星歯車キャリアにマグネットローターの磁極に対向するコイルが設けられ、かつそのコイルは遊星歯車の自転軸が描く公転により回転する遊星歯車キャリアに固定配置され、前記遊星歯車キャリアを回転させることで前記太陽歯車に設けたマグネットローターを回転させて前記コイルに起電力を生じさせる発電機。
第1図は、本発明の二極DCモーターの作用を示す図
第2図は、第1図の補足説明図
第3図は、本発明の遊星歯車機構と二極DCモーターの正面図
第4図は、第3図の側面から見た断面図
第5図は、本発明の二極インナーマグネットローターの配置および種類の図で、そのうち、左は、側面図であり、右は正面図である
第6図は、本発明の二極インナーマグネットローターの配置および種類の図で、そのうち、左は、側面図であり、右は正面図である
第7図は、本発明の二極インナーマグネットローターの配置および種類の図で、そのうち、左は、側面図であり、右は正面図である
第8図は、本発明の二極インナーマグネットローターの配置および種類の図で、そのうち、左は、側面図であり、右は正面図である
第9図は、本発明の遊星歯車機構と二極DCモーターの応用正面図
第10図は、第9図の補足説明図
第11図は、本発明の二極インナーマグネットローターの配置および種類の図で、そのうち、左は、側面図であり、右は正面図である
第12図は、本発明の二極インナーマグネットローターの配置および種類の図で、そのうち、左は、側面図であり、右は正面図である
第13図は、本発明の遊星歯車機構と二極DCモーターの応用正面図
第14図は、第13図の補足説明図
第15図は、二極インナーマグネットローターの応用作用を説明する断面図
第16図は、二極インナーマグネットローターの応用作用を説明する断面図
第17図は、楕円形状の電機子ステーターの正面図
第18図は、プラネタリーギアドダイナモの構成を示す図
左は、側面図であり、右は正面図である
符号の説明
1、1A、1B、1C、1D・・・二極インナーマグネットローター
2・・・環状鉄芯コア
3・・・トロイダルコイル
4、4A、4B、4C、4X、4Y、4Z・・・端子
5・・・中心
6・・・太陽歯車
7・・・遊星歯車
8・・・内歯車
9・・・遊星歯車シャフト
10・・・キャリア
11・・・回転軸
第1図は、本発明の形態の基本となる二極DCモーターの電機子ステーターとマグネットローターとの関係を示す図である。スロットレスの環状鉄芯コア2に整列巻きしたトロイダルコイル3が12個全周囲に等間隔配置され、それぞれ直列に結線し、その結線部を電力の入力端子4にして環状に閉じたトロイダルコイル3を形成している。
回転トルクの発生は、トロイダルコイル3の複数の結線部分の入力端子のうち、二極インナーマグネットローター1の回転軸に直交する磁石磁界の磁極に対して回転方向に回転角を持つ範囲の中にある電機子ステーターの入力端子の一つ、本図では入力端子4とその180度対角にある入力端子4Xとに直流電圧を負荷し、順次回転方向にある入力端子4Aと入力端子4Y、入力端子4Bと入力端子4Zというように二極インナーマグネットローター1の回転に同期させて途切れることなく負荷し、直流により電機子ステーターに180度対角で二極の回転磁界を作り回転させる。
第2図は、二極インナーマグネットローター1Aが板状永久磁石磁界を持つものにより回転トルクの発生を示したものである。また、トロイダルコイル3への入力方法をより分かりやすくするため、一例として二極インナーマグネットローター1Aが電源と接続され入力端子4と入力端子4Xへ接点を介して入力している状態の図として描いている。
電源は直流電源で、入力端子4Xにプラス電圧、入力端子4にマイナス電圧が負荷されているが、全周囲同一方向に巻かれ閉鎖されているトロイダルコイル3には、入力端子4Xより直流電流が左右に分流して右巻き左巻きとなって入力端子4まで流れ電源にアースされる。
スロットレスの環状鉄芯コア2は入力端子4Xと入力端子4の位置で二分割された半円弧の同極を向き合わせた電磁石となり、N極とS極を180度対角に生じさせ、その漏れ磁束は二極インナーマグネットローター1Aの磁極とつながり、本図では二極インナーマグネットローター1Aに左回転のトルクを生じさせている。
二極インナーマグネットローター1Aの持つ回転角は本図では90度となっているが、回転角30度で次の入力端子4Yと4Aに入力位置を回転方向に切り替える。このとき二極インナーマグネットローター1Aは、回転角90度から60度までの回転トルクを維持させたまま、次の入力端子4Zと4Bに入力させるまでの回転角30度の範囲で回転を継続する。
つまり、二極インナーマグネットローター1Aに対して、電機子ステーターのトロイダルコイル3が生み出す回転トルクにはデッドポイントがない。回転中、ほぼ一定で一方向のトルクを保ったまま、非常に滑らかな回転を行うのと同時に、電機子ステーターのトロイダルコイル3に流す直流電流は途切らせないので、トロイダルコイル3に対する電圧のオン・オフによるサージ電圧も発生させない。
この回転トルクの発生方法を、ブラシコミュテーターで行ってもよく、また回転位置検出センサーと電子リレーによって行ってもよい。
第3図は、本発明のプラネタリーギアドモーターの正面図である。太陽歯車6に本発明の二極インナーマグネットローター1の永久磁石が一体として設けられており、遊星歯車7が四個で太陽歯車6と噛み合い保持している。遊星歯車7の個数は一例である。遊星歯車7はキャリア10によって回転できるように保持され、内歯車8と遊星歯車7の噛み合いで公転できるよう保持されている。内歯車8の外周にスロットレスの環状鉄芯コア2に整列巻きしたトロイダルコイル3が一例として12個巻かれており、入力端子4が12個設けてある。太陽歯車6の回転力の発生方法は本発明の二極DCモーターと同じ方法による。
第4図は、本発明のプラネタリーギアドモーターの側面から見た断面図である。断面からも分かるとおり、太陽歯車6、遊星歯車7、内歯車8、キャリア10が、本発明の二極DCモーターの特徴である第5図に示すとおりのスロットレスの環状鉄芯コア2とトロイダルコイル3によって構成された電機子ステーターと二極インナーマグネットローター1との空隙を利用し設けられていて、モーター部と歯車機構部が分かれていた従来のギアドモーターより遥かに小型で薄い構造となっている。
第6図は、本発明の二極インナーマグネットローター1Bが、回転径を環状鉄芯コア2の内径に対して磁極先端の回転径が黄金分割比の大きさをもったものである。環状鉄芯コア2と二極インナーマグネットローター1Bとの磁気の引き合う力による回転トルクへの影響の測定結果から導かれた比率である。
第7図は、板状磁石磁界の二極インナーマグネットローター1Aが、上記の黄金分割比による回転径で設けられたものである。
二極インナーマグネットローター1Aと二極インナーマグネットローター1Bは、第5図および第8図に示した二極インナーマグネットローター1および二極インナーマグネットローター1Cよりも力のモーメントが大きく回転速度が遅いので、低速高トルクの使用に向く。
一例として、第6図に示した棒状磁石状磁界の二極インナーマグネットローター1Bの回転径直径80mmで、スロットレスの環状鉄芯コア2の内径130mm厚み10mm奥行き40mmの環状鉄芯に、0.5mm径のエナメル銅線250回巻きのトロイダルコイル3を12個全周囲に均等に設けた本発明の二極DCモーターに、回転位置検出センサーと電子リレーにより第1図および第2図の説明で示したとおりの入力方法により、直流24ボルトを負荷し二極インナーマグネットローター1Bを支持した軸に0.066ニュートン・メートルの回転負荷をかけ回転テストを行い次の計測結果を示した。
回転負荷0.066N・m、回転数1400rpm、入力電力24V、0.45A、消費電力10.8Wであった。
よって、第9図および第10図に示すとおり、一例としてプラネタリーギアドモーターのキャリアに、二極インナーマグネットローター1B、または二極インナーマグネットローター1Aを一体として設けた遊星歯車増速機などとしての使用が望ましい。
第9図および第10図は、キャリア10に本発明の二極インナーマグネットローター1Bまたは二極インナーマグネットローター1Aの永久磁石が一体として設けられており、遊星歯車7を四個保持している。遊星歯車7の個数は一例である。遊星歯車7はキャリア10によって回転できるように保持され、内歯車8と遊星歯車7の噛み合いで公転できるよう保持されている。内歯車8の外周にスロットレスの環状鉄芯コア2に整列巻きしたトロイダルコイル3が一例として12個巻かれており、入力端子4が12個設けてある。キャリア10の回転力の発生方法は本発明の二極DCモーターと同じ方法による。
第11図および第12図は、棒磁石磁界の二極インナーマグネットローター1あるいは板状磁石磁界の二極インナーマグネットローター1Cを、スロットレス環状鉄芯コア2の中心5より偏心した位置に設けた図である。
本発明の特徴である環状鉄芯コア2と二極インナーマグネットローター1あるいは二極インナーマグネットローター1Cとの空隙も偏り、電機子の中心5にも非磁性材からなる歯車などの機械装置を設けられる形状となる。
一例として、第11図に示した棒磁石状磁界の二極インナーマグネットローター1の回転径直径33mm、スロットレスの環状鉄芯コア2の内径130mm厚み10mm奥行き40mmの環状鉄芯に、0.5mm径のエナメル銅線250回巻きのトロイダルコイル3を12個全周囲に均等に設けた本発明の二極DCモーターに、回転位置検出センサーと電子リレーにより第1図および第2図の説明で示したとおりの入力方法により、直流24ボルトを負荷し二極インナーマグネットローター1を支持した軸に0.033ニュートン・メートルの回転負荷をかけ回転テストを行い次の計測結果を示した。
回転負荷0.033N・m、回転数3300rpm、入力電力24V、0.50A、消費電力12W。
このように二極インナーマグネットローター1あるいは二極インナーマグネットローター1Cを電機子ステーターの中心5より偏心させて回転させた場合、一例としてプラネタリーギアドモーターに次のような応用が可能である。
第13図は、遊星歯車7に二極インナーマグネットローター1を一体として設けた図である。遊星歯車7は自転しながら公転する歯車であるが、二極インナーマグネットローター1はスロットレスの環状鉄芯コア2およびトロイダルコイル3から構成される電機子ステーターの中心5に対して偏心した位置に設けても回転させることが出来るので、遊星歯車7に二極インナーマグネットローター1が一体で設けてあれば、キャリア10に保持され自転し内歯車8との噛み合いで公転する。この場合、第14図に示すように太陽歯車6は基本的に不要となる。
第15図は、本発明の二極DCモーターの側面から見た断面図である。二極インナーマグネットローター1Dは、回転軸長さ方向に回転径を変えてあり、スロットレスの環状鉄芯コア2およびトロイダルコイル3によって構成される電機子ステーターと相対的に動かした場合、二極インナーマグネットローター1Dと環状鉄芯コア2との間に働くトルクも変化し、二極インナーマグネットローター1の回転数が一定の電圧負荷で可変する。
一例として、二極インナーマグネットローター1の回転径直径33mmから二極インナーマグネットローター1B直径80mmまでのテーパー付インナーマグネットローター1Dで、スロットレスの環状鉄芯コア2の内径130mm厚み10mm奥行き40mmの環状鉄芯に、0.5mm径のエナメル銅線250回巻きのトロイダルコイル3を12個全周囲に均等に設けた本発明の二極DCモーターに、回転位置検出センサーと電子リレーにより図1および図2の説明で示したとおりの入力方法により、直流24ボルトを負荷しテーパー付インナーマグネットローター1Dの無負荷回転テストを行い次の計測結果を示した。
入力電圧24Vを一定負荷した状態で回転数6000rpmから1830rpmにリニアに可変した。
第16図は、本発明の二極DCモーターを側面から見た断面図である。二極インナーマグネットローター1の回転軸位置を可変させ、又は角度を可変させ場合も、本発明の二極DCモーターは正常に駆動できる。
一例として、第16図に示した棒状磁石磁界の二極インナーマグネットローター1の回転径直径33mmで、スロットレスの環状鉄芯コア2の内径130mm厚み10mm奥行き40mmの環状鉄芯に、0.5mm径のエナメル銅線250回巻きのトロイダルコイル3を12個全周囲に均等に設けた本発明の二極DCモーターに、回転位置検出センサーと電子リレーにより第1図および第2図の説明で示したとおりの入力方法により、直流24ボルトを負荷し二極インナーマグネットローター1を支持した軸の位置および角度を可変させ駆動テストを行い次の計測結果を示した。
回転負荷0.033N・m、回転数3300rpm、入力電力24V、0.50A、消費電力12W。
第17図は、本発明の二極DCモーターの電機子ステーターの形状の一例である。本図では楕円の形状であるが、三角、四角などの多角形形状でもよい。楕円鉄芯コア2に整列巻きしたトロイダルコイル3が、楕円中心より一例で回転角30度ずつ全周囲同一方向に巻かれ合計12個設けられている。それぞれのトロイダルコイル3の巻き線両端は直列に全て結線されていて、その結線部位は電力入力のための入力接点4となっている。
第18図は本発明の第二であるプラネタリーギアドダイナモの一例である。第18図に示すように、遊星歯車機構によって構成される。内歯歯車8は固定歯車で、太陽歯車6には二極インナーマグネットローター1Bが一体に設けられていて、トロイダルコイル3が一体に設けられたキャリア10の回転軸11を外部より回転させることで、二極インナーマグネットローター1Bがキャリア10に設けたトロイダルコイル3の回転速度よりも速い速度で追い越す回転により誘導起電力を生じさせる。一例として第18図の場合、二極インナーマグネットローター1Bは、キャリア10が右方向に一回転するのに対して右方向に3回転する。
回転軸11を右回転させると、キャリア10により遊星歯車7を右方向に公転させるトルクが伝達され、キャリア10に設けられたトロイダルコイル3および太陽歯車6と一体で回転する二極インナーマグネットローター1Bは、速度の違う右回転を行う。
誘導起電力はトロイダルコイル3のコイル結線部位の端子を出力端子として電力出力させる。
例えば、第18図を参考にすると、端子4および端子4Xを出力端子として利用した場合、単相交流が出力される。
また、端子4、端子4Z、端子4Cを出力端子として利用した場合、三相交流が出力される。
この時に生じる電機子反作用の方向はマグネットローター1Bの回転方向と同じで例えば時針方向であり、キャリア10の回転方向の回転と同じ時針方向である。
誘導起電力の出力は、二極インナーマグネットローター1Bに対して左方向の反時針方向である逆向きトルクを生じさせるが、キャリア10に一体に設けられたトロイダルコイル3による電機子反作用によって生じたキャリア10の右向きトルクにより逆向きトルクが打ち消される、つまり、逆向きトルクの軽減を、遊星歯車機構の太陽歯車6に設けた二極マグネットローター1Bの回転によって遊星歯車キャリア10に設けたトロイダルコイル3に誘導起電力を生じさせ、キャリア10に生じさせた電機子反作用を利用して、その電機子反作用の力を太陽歯車6に正トルクとして伝達し軽減させるのである。
本発明の遊星歯車キャリア10に一体として設けられた発電を行うコイルは空芯コイルでもよく、また、太陽歯車と一体で回転するマグネットローターは多極数のマグネットローターでもよい。
発電電力が大きくなればそれに正比例して逆向きトルクも増加するが、それを打ち消す正トルクも大きくなるので、この電機子反作用による逆向きトルクの軽減の比率は出力させる電力の大小に関わらず一定の比率で作用する。

Claims (9)

  1. スロットレスの環状鉄芯コアと、前記環状鉄芯コアの全周に同一方向に等間隔回転角度で巻かれた偶数個コイルとからなり、前記偶数個コイルの巻き線両端を全て直列に結線し、その各結線部位が電力入力用入力端子とされる電機子ステーターと、
    磁極先端の回転径で環状鉄心コア内周と空隙を持ち、回転軸と直交する棒状磁石磁界または板状磁石磁界を持つ二極のインナーマグネットローターと、を備え、
    前記電機子ステーターの入力端子の一つとその180度対角にある入力端子とに直流電圧を前記二極のインナーマグネットローターの回転に同期させて順次回転方向に途切れることなく負荷させることを特徴とするDCモーター。
  2. 前記電機子ステーターのスロットレスの環状鉄芯コアが、円形、楕円形、三角形、四角形または多角形の形状をなすことを特徴とする請求項1記載のDCモーター。
  3. 前記二極のインナーマグネットローターの回転軸を、前記スロットレスの環状鉄芯コアの形状中心より偏心させたことを特徴とする請求項1記載のDCモーター。
  4. 前記二極インナーマグネットローターを、回転軸長さ方向にその磁極先端の回転径を変えたことを特徴とする請求項1記載のDCモーター。
  5. 前記二極のインナーマグネットローターの回転磁極径と前記スロットレスの環状鉄心コア内径との比が、61.80339%以下であることを特徴とする請求項1のDCモーター。
  6. 前記電機子ステーターと前記二極のインナーマグネットローターとの空隙に、遊星歯車機構を設けたことを特徴とする請求項5記載のDCモーター。
  7. 前記遊星歯車機構は、太陽歯車と、該太陽歯車の外側で該太陽歯車に噛合う遊星歯車と、該遊星歯車を囲んで該遊星歯車に噛合う内歯車からなり、前記内歯車の外周または側面に同心円に前記電機子ステーターを設けると共に、前記遊星歯車は、前記二極のインナーマグネットローターを内部に一体として設けた遊星歯車であり、または前記二極のインナーマグネットローターを側面に一体として設けた遊星歯車であり、または前記二極のインナーマグネットローターからなる遊星歯車であることを特徴とする請求項6記載のDCモーター。
  8. 前記遊星歯車機構は、太陽歯車と、該太陽歯車の外側で該太陽歯車に噛合う遊星歯車と、該遊星歯車を囲んで該遊星歯車に噛合う内歯車からなり、前記内歯車の外周または側面に同心円に前記電機子ステーターを設けると共に、前記太陽歯車は、前記二極のインナーマグネットローターを内部に一体として設けた太陽遊星歯車であることを特徴とする請求項6記載のDCモーター。
  9. 前記遊星歯車機構は、太陽歯車と、該太陽歯車の外側で該太陽歯車に噛合う遊星歯車と、該遊星歯車を囲んで該遊星歯車に噛合う内歯車からなり、太陽歯車に設けられるマグネットローターを備え、遊星歯車キャリアにマグネットローターの磁極に対向するコイルが設けられ、かつそのコイルは遊星歯車の自転軸が描く公転により回転する遊星歯車キャリアに固定配置され、前記遊星歯車キャリアを回転させることで前記太陽歯車に設けたマグネットローターを回転させて前記コイルに起電力を生じさせる発電機。
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