JPWO2007049695A1 - 凝集性glp−1アナログおよび徐放性医薬組成物 - Google Patents
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Abstract
本発明は、高い凝集会合性を有するGLP−1アナログ、または医薬として許容されるその塩、並びにこれを用いた糖尿病、高血糖症、若しくはそれらに起因する糖尿病性合併症、または肥満症の予防または治療のために使用される医薬品組成物を提供する。
Description
本発明は、糖尿病、高血糖症、およびそれらに起因する糖尿病性合併症、ならびに肥満症の予防または治療のための医薬品として有用な、凝集性GLP−1アナログ、及びこれを含有する医薬組成物に関する。
グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)は、食物摂取に応答して、アミノ酸160残基のプログルカゴンから小腸L−細胞のプロセッシング酵素により生成し、分泌されるペプチドである。プログルカゴンのアミノ酸番号72−108からなるペプチド(GLP−1(1−37)に相当)のほか、当該ペプチドのN末端部の1−6位を取り除いたGLP−1(7−37)および36位のC末端がアミド化されているGLP−1(7−36)NH2は、膵臓ベータ細胞に作用し、インスリン分泌を促進し、血清中グルコース量を減少させることが知られている(非特許文献1)。この作用は血糖値が低い時には見られないことから低血糖のリスクが低いこと、さらに、GLP−1にはインスリンを産生するベータ細胞の増殖、前駆細胞からの分化誘導作用、グルカゴン分泌抑制作用、胃排出遅延作用あるいは摂食抑制作用などがあることが知られており(非特許文献1)、糖尿病治療薬としての利用への期待が高い。しかし、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPPIV)による分解と腎からの排泄により、GLP−1の血中半減期は数分と短く、糖尿病医薬として使用するためには頻回投与が必要になる。生物活性を維持し、DPPIV耐性を付与した様々なGLP−1類縁体、誘導体(アナログ)(例えば[Gly8]−GLP−1(7−37)など)が報告されている(特許文献1〜8)が、腎排泄は回避できないため血中滞留性の延長は大きくない。
また、GLP−1アナログの徐放製剤の報告もある(特許文献9)が、放出期間は1日以下と短い。
国際公開WO91/11457号パンフレット
特開平11−310597号公報
国際公開WO99/43705号パンフレット
国際公開WO00/69911号パンフレット
国際公開WO95/31214号パンフレット
国際公開WO00/07617号パンフレット
国際公開WO03/103572号パンフレット
国際公開WO97/29180号パンフレット
特開平7−2695号公報
Int.J.Peptide Protein Research 第40巻、第333−343頁、1992年
糖尿病、高血糖症、およびそれらに起因する糖尿病性合併症、ならびに肥満症から選択される疾患の予防または治療のために使用される医薬品として有用な、長期間の徐放を可能にするために、これまでにない会合凝集性を有する高活性な徐放用凝集性GLP−1アナログ、並びにこれを含有する糖尿病、高血糖症若しくはこれらに起因する糖尿病性合併症、または肥満症の予防薬または治療薬を提供することにある。
本発明者は、かかる課題を解決する為に、生物活性を低下させずに会合凝集性を向上させた変異体の探索を鋭意検討したところ、ヒトGLP−1およびそのアナログの30位のアラニンをアルギニンに置換したGLP−1アナログにこれまでにない会合凝集性を見出し、さらにこれを凝集させたものが長期間の放出挙動を示すことを見出すことにより本発明を完成させた。
すなわち、本発明の1つの側面によれば、グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)またはGLP−1アナログの30位のアラニン(Ala30)がLys(Lys30)またはアルギニン(Arg30)である、GLP−1アナログ、または医薬として許容されるその塩が提供される。
本発明の別の側面によれば、グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)またはGLP−1アナログの30位のアラニン(Ala30)がアルギニン(Arg30)に置換されている、請求項1に記載のGLP−1アナログ、または医薬として許容されるその塩が提供される。
本発明の更なる別の側面によれば、糖尿病、高血糖症、およびそれらに起因する糖尿病性合併症、ならびに肥満症から選択される疾患の予防または治療のために使用され、グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)またはGLP−1アナログの30位のアラニン(Ala30)がアルギニン(Arg30)に置換されているGLP−1アナログ([Arg30]−GLP−1アナログ)が提供される。本発明の[Arg30]−GLP−1アナログは、天然型ヒトGLP−1(7−37)の生物活性を有し、且つ凝集性を有するアナログであり、好ましくは、in vitro生物活性が天然型ヒトGLP−1(7−37)と同等以上であるアナログであり、更に好ましくは凝集性評価試験においてモノマー残存率が20%以下のアナログである。
ここで、置換されるGLP−1およびGLP−1アナログは、特に限定はされないが、哺乳動物由来、特にヒト由来のアミノ酸配列を有するGLP−1(hGLP−1)またはそのアナログが好ましい。また、プログルカゴンの任意の断片であってインクレチン活性を有するタンパク質またはペプチド、およびその断片の配列に1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列を有するタンパク質またはペプチドであってもよい。GLP−1アナログとしては、特に限定はされないが、例えば、GLP−1(1−37)、GLP−1(7−37)、GLP−1(7−36)、GLP−1(1−37)NH2、GLP−1(7−37)NH2、およびGLP−1(7−36)NH2などの配列に1若しくは数個(例えば1〜4個)のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列を有するペプチドが挙げられる。
当該GLP−1アナログとして好ましくは、体内のDPPIVなどの代謝酵素に対する耐性やその他の安定性などを付与するために天然或いは非天然型のアミノ酸変異が導入されたアナログが好ましい。これらの変異を導入するアミノ酸配列の部位としては、7位、8位、9位、10位、15位、16位、18位、21位、22位、23位、24位、26位、31位、34位、35位、36位などのアミノ酸が置換されたGLP−1アナログが知られており(WO98/19698、WO91/11457、WO00/34331など)、本発明のGLP−1アナログもこれらのアミノ酸配列のうち一つ又は二つ以上他の天然或いは非天然型のアミノ酸に置換されていてもよい。代謝が抑制されたアナログとしては、8位のAlaがGly、Ser、Val、Leu、Ile、Thr、Lys、Cys,Sar,D−アラニン、β−アラニン、Aib(α−アミノイソ酪酸)、N−メチル−アラニン、N−メチル−D−アラニン、N−エチル−D−アラニン、N−メチル−グリシン、2−メチル−アゼチジン−2−カルボン酸、α−メチル−(L)−プロリン、2−メチルピペリジン−2−カルボン酸、イソバリン、1−アミノシクロプロパンカルボン酸、1−アミノシクロブタンカルボン酸、1−アミノシクロペンタンカルボン酸、1−アミノシクロヘキサンカルボン酸、1−アミノシクロヘプタンカルボン酸、1−アミノシクロオクタンカルボン酸などの天然または非天然アミノ酸で置換されたものが好ましく、特に、8位のAlaがGly、Ser、Val、Leu、Ile、Thr、または、Aib(α−アミノイソ酪酸)で置換されたものがより好ましい。
当該GLP−1およびGLP−1アナログとしては、例えば、GLP−1(7−37)、GLP−1(7−36)NH2、[Gly8]−GLP−1(7−37)、[Gly8]−GLP−1(7−36)NH2、[Ser8]−GLP−1(7−37)、[Ser8]−GLP−1(7−36)NH2、[Val8]−GLP−1(7−37)、[Val8]−GLP−1(7−36)NH2、[Leu8]−GLP−1(7−37)、[Leu8]−GLP−1(7−36)NH2、[Ile8]−GLP−1(7−37)、[Ile8]−GLP−1(7−36)NH2、[Thr8]−GLP−1(7−37)、[Thr8]−GLP−1(7−36)NH2、[Aib8]−GLP−1(7−36)NH2、[Aib8、35]−GLP−1(7−36)NH2などが挙げられ、好ましくは、[Gly8]−GLP−1(7−37)および[Gly8]−GLP−1(7−36)NH2、[Aib8]−GLP−1(7−36)NH2、[Aib8、35]−GLP−1(7−36)NH2が挙げられる。
本発明のある態様においては、本発明に係るGLP−1アナログは、アミノ酸配列は、[Gly8]−[Arg30]−GLP−1(7−37)であり、以下の配列:
His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Arg−Trp−Leu−Val−Lys−Gly−Arg−Gly(配列番号1)
で表される。
His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Arg−Trp−Leu−Val−Lys−Gly−Arg−Gly(配列番号1)
で表される。
本発明の別の側面によれば、上記のGLP−1アナログを含有する医薬組成物が提供される。本発明の一つの側面において、上記のGLP−1アナログは会合凝集化していてもよい。この会合凝集化は、例えば、振盪や攪拌といった物理的ストレスや結晶化、非晶質化などに用いる一般的手法によって達成されうる。
また、上記のGLP−1アナログと金属イオンを共存させることによっても達成されうる。従って、本発明のGLP−1アナログは、会合凝集体または金属イオンを含む金属錯体を形成していてもよい。上記金属イオンは、例えば、亜鉛、銅、鉄、マンガン、カルシウム、ニッケル、アルミニウム、ナトリウムおよびカリウムから選択される。本発明のGLP―1アナログは、後述の実施例において示すとおり天然型と比べて顕著に少量の金属イオンで凝集体を形成することができ、徐放化医薬組成物として好ましい性質を有する。
本発明のある態様において、上記医薬組成物は、糖尿病(インスリン依存性糖尿病(1型糖尿病)またはインスリン非依存性糖尿病(2型糖尿病))、高血糖症、およびそれらに起因する糖尿病性合併症、ならびに肥満症から選択される疾患の予防または治療のために使用されうる。また、本発明の別の態様において、上記の医薬組成物は徐放性医薬組成物として使用されうる。
本発明のさらに別の側面によれば、上記のGLP−1アナログの有効治療量を患者に投与することを含む、インスリン依存性糖尿病(1型糖尿病)、インスリン非依存性糖尿病(2型糖尿病)などの糖尿病、高血糖症、およびそれらに起因する糖尿病性合併症、ならびに肥満症から選択される疾患の予防または治療方法が提供される。
本発明のGLP−1アナログは、従来のGLP−1アナログでは得られない凝集性を有し、本発明のGLP−1アナログの凝集会合体を用いることで、従来のGLP−1アナログでは達成できなかった、長期間の徐放を示す糖尿病、高血糖症、若しくはそれらに起因する糖尿病性合併症、または肥満症の予防薬または治療薬を提供することが可能である。
以下、本発明を更に具体的に説明する。
本発明は、高活性で長期間の徐放を可能にするこれまでにない凝集会合性を有する徐放用凝集性GLP−1アナログに関する。
本発明に係るペプチドまたはタンパク質の合成は、通常用いられる、固相法、液相法による化学合成法でも、大腸菌や動物細胞を宿主として製造される組み換え培養法でも良い。C末端はカルボン酸体でもアミド体でも良いが安定性の点からアミド体の方が好ましい。
本GLP−1アナログを用いた徐放製剤を調製するには、会合凝集化させることが好ましい。例えば、単独、あるいは、金属イオン等の沈殿剤共存下で会合凝集化させればよい。凝集方法としては、特に限定されないが、例えば、PBS等中性pHの緩衝液にGLP−1アナログを溶解し(例えば1mg/mL濃度)攪拌する方法、酸性条件下(pH4以下)の溶媒にGLP−1アナログを溶解してpHを中性付近に戻し攪拌する方法、あるいは、酸性条件下(pH4以下)の溶媒にGLP−1アナログと金属イオンを溶解、pHを中性付近に戻し攪拌する方法が挙げられる。酸性pHではGLP−1アナログの溶解度が上がる為、より高い濃度まで溶解でき、沈殿させやすい利点がある。
「医薬として許容される塩」とは、GLP−1アナログと、医薬品の製造に使用可能である酸または塩基とを接触させることにより製造される、医薬品として使用されうる塩である。ここで、当該塩基は、GLP−1アナログを会合凝集化する際に用いられる金属イオンを与える化合物(例えば、塩化亜鉛、酸化亜鉛、酢酸亜鉛、塩化第二鉄、塩化カルシウム、酸化カルシウム、酢酸カルシウム、臭化カルシウム、炭酸カルシウム、クエン酸カルシウム、水酸化カルシウム、乳酸カルシウム、硫酸カルシウム、塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化カリウム、酢酸カリウム、水酸化カリウム、塩化ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウムなど)であってもよい。
GLP−1アナログを会合凝集化する際に用いられる金属イオンとしては、亜鉛、銅、鉄、マンガン、カルシウム、ニッケル、アルミニウム、ナトリウム、カリウムが挙げられるが特に亜鉛が好ましい。対イオンは製剤の安定化を促進するものを選択すればよい。
凝集方法や金属イオン等の沈殿剤で会合凝集化させる方法としてはまた、結晶化や非晶質化に一般的に用いられる方法、例えば冷却法、貧溶媒法、蒸発法、溶媒媒介転移法、蒸気平衡法などが挙げられる。
また、本発明のGLP−1アナログを薬物担体に封入することでさらに長期間の徐放製剤が得られる。薬物を担持させるには、公知の各種の方法を用いることができ、例えば、エマルジョン法でポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、乳酸・グリコール酸共重合体(PLGA)を始めとしたこれらの共重合体等の生分解性ポリマーと共にマイクロスフィア化すれば良い。
あるいは、金属イオン等の沈殿剤共存のGLP−1アナログ酸性溶液で皮下や局所に投与し、皮下などの投与部位で沈殿、徐放化させることも出来る。また、この酸性溶液のGLP−1アナログ濃度や添加する金属イオン等の濃度を適宜調節することによって徐放速度や期間の制御を達成することも出来る。
また、本発明のGLP−1アナログを水溶性高分子にコンジュゲートして、血中滞留性を改善させることも可能であるし、コンジュゲート自体を皮下投与、あるいはコンジュゲート架橋体を皮下に投与することで、皮下、あるいは血中から本発明のGLP−1アナログを徐放させることも可能である。
本発明のGLP−1アナログは、1種もしくはそれ以上の薬学的に許容し得る塩、希釈剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、補助剤、防腐剤、緩衝剤、結合剤、安定剤等を含む医薬組成物として、目的とする投与経路に応じ、適当な任意の形態にして投与することができる。投与経路は非経口的経路であっても経口的経路であってもよい。希釈剤としては、例えば、ラクトース、スクロース、デキストロース、トレハロース、ソルビトール、マンニトール等が挙げられる。
本発明の医薬組成物は、非経口的に全身又は局所的に投与することができる。例えば、点滴などの静脈内注射、筋肉内注射、腹腔内注射、皮下注射、鼻腔内投与などを選択することができ、患者の年齢、症状により適宜投与方法を選択することができる。有効投与量は、投与経路、投与頻度によって異なる。副作用(悪心、嘔吐等)の発生を抑制しつつ薬効を得るための血中濃度として、2pMから1000pM、好ましくは、10pMから400pM、さらに好ましくは20pMから200pMが想定されるので、当該血中濃度となるように投与量を調整することが好ましい。
本発明のGLP-1アナログまたは医薬として許容されるその塩を医薬として投与する場合、糖尿病用医薬としての用量は、年齢、体重などの患者の状態、投与経路、病気の性質と程度などを考慮した上で調整することが望ましいが、通常は、ヒトについては、成人に対して本発明の有効成分量として、一日あたり、5μg〜500mgの範囲であるが、上記範囲未満の用量で足りる場合もあり、逆に上記範囲を超える用量を必要とする場合もある。多量に投与するときは、一日数回に分割して投与することが望ましい。
本発明を適用することができる糖尿病性合併症は特に限定されず、例えば、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害、糖尿病性動脈硬化症、糖尿病性心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病性足病変などが挙げられる。
本発明により、従来の方法では得られない、長期間の持続性糖尿病医薬を提供することが可能である。
以下、本発明の好適な実施例についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕GLP−1アナログの生物活性
本発明に係るGLP−1アナログ(ペプチド1;配列番号1)及び天然型のGLP−1(7−37)(WT−GLP−1;配列番号2)を固相合成法により得た(ペプチド研究所社及び島津製作所製)。
〔実施例1〕GLP−1アナログの生物活性
本発明に係るGLP−1アナログ(ペプチド1;配列番号1)及び天然型のGLP−1(7−37)(WT−GLP−1;配列番号2)を固相合成法により得た(ペプチド研究所社及び島津製作所製)。
96ウェルプレートに1×104cells/wellの細胞密度で播種後3日間培養したヒトGLP−1 receptor発現HEK293細胞を、0.5mmol/L IBMXで30分間処理し、次に試料を最終濃度1×10-7〜3.8×10-13mol/Lで添加し30分間反応させた後、細胞を溶解した。細胞溶解液中のcAMP濃度は、cAMP−Screen System(Applied Biosystems)を用いて測定した。各資料の配列を表1に示し、各試料のcAMP産生のEC50値を表2に示す。
本発明のGLP−1アナログ(ペプチド1)は、WT−GLP−1とほぼ同等の活性を維持していた。
〔実施例2〕GLP−1アナログの凝集性評価
実施例1のGLP−1アナログ及びWT−GLP−1を1mg/mL濃度でPBSに溶解し、RP−HPLCでモノマー量を測定した。同溶液450μLを攪拌子と共にガラスバイヤルに入れ、室温にて20時間スターラで攪拌した。攪拌後350nmの吸光度を測定し(DU640、Beckman社製)、遠心後の上清についてRP−HPLCによるモノマー定量、CD測定を行った(J−725、Jasco.Co.社製)。
〔実施例2〕GLP−1アナログの凝集性評価
実施例1のGLP−1アナログ及びWT−GLP−1を1mg/mL濃度でPBSに溶解し、RP−HPLCでモノマー量を測定した。同溶液450μLを攪拌子と共にガラスバイヤルに入れ、室温にて20時間スターラで攪拌した。攪拌後350nmの吸光度を測定し(DU640、Beckman社製)、遠心後の上清についてRP−HPLCによるモノマー定量、CD測定を行った(J−725、Jasco.Co.社製)。
RP−HPLC条件
システム: NanoSpace SI−2(資生堂製)
カラム: Capcell PAK C18,1mmX75mm(資生堂製)
流速: 0.1mL/分
検出: UV(215nm/280nm)
溶出液A: 水/アセトニトリル/TFA=949/50/1
溶出液B: 水/アセトニトリル/TFA=50/949/1
溶出方法: 溶出液A/溶出液B=80/20から20/80のグラジエント
CDスペクトルを図1および図2に、結果を表3に示す。
システム: NanoSpace SI−2(資生堂製)
カラム: Capcell PAK C18,1mmX75mm(資生堂製)
流速: 0.1mL/分
検出: UV(215nm/280nm)
溶出液A: 水/アセトニトリル/TFA=949/50/1
溶出液B: 水/アセトニトリル/TFA=50/949/1
溶出方法: 溶出液A/溶出液B=80/20から20/80のグラジエント
CDスペクトルを図1および図2に、結果を表3に示す。
本発明のGLP−1アナログ(ペプチド1)は、目視で容易に白濁が確認され、350nmの吸光度(濁度)の上昇及び沈殿によるモノマー残存率の低下が認められた。ペプチド1はWT−GLP−1に比較して、著しく凝集性が増加していることが確認された。
〔実施例3〕GLP−1アナログ凝集体の徐放性評価
GLP−1アナログの定量はRP−HPLCを用いた。
〔実施例3〕GLP−1アナログ凝集体の徐放性評価
GLP−1アナログの定量はRP−HPLCを用いた。
システム: Waters Alliance2690/2487
カラム: YMC−ODS A,2.0mmX250mm(YMC)
流速: 1mL/分
検出: UV(215nm/280nm)
溶出液A: 水/アセトニトリル/TFA=949/50/1
溶出液B: 水/アセトニトリル/TFA=49/950/1
溶出方法: 溶出液A/溶出液B=65/35から0/100のグラジエント
〔実施例3−1〕Zinc/GLP−1の調製
WT−GLP−1とGLP−1アナログ(ペプチド1)各400μgを、2mg/mL塩化亜鉛を含有する1mM HCL溶液(200μL、pH=2.8)にそれぞれ溶解させた。各100μLをE−tubeに添加、1mM HCL溶液で希釈して1mg/mL溶液を調製した。20μL PB(pH=8.9,100mM)を添加することにより、Zinc/GLP−1の錯体が形成した。15,000rpmで5分間遠心した後、上澄みを除去し、Zinc/GLP−1錯体を得た。
〔実施例3−2〕インビトロにおけるZinc/GLP−1錯体からのGLP−1の放出テスト
37℃においてPBS(0.5mL,pH=7.4)をZinc/GLP−1の錯体を含有しているE−tubeに添加した。一定時間ごとにE−tubeを遠心し、上澄みをサンプリングし、新たに0.5mLのPBSを添加した。0.2M HCl(20μL)を200μLのサンプルに対して添加し、RP−HPLCにより定量を行った。結果を図3に示す。
カラム: YMC−ODS A,2.0mmX250mm(YMC)
流速: 1mL/分
検出: UV(215nm/280nm)
溶出液A: 水/アセトニトリル/TFA=949/50/1
溶出液B: 水/アセトニトリル/TFA=49/950/1
溶出方法: 溶出液A/溶出液B=65/35から0/100のグラジエント
〔実施例3−1〕Zinc/GLP−1の調製
WT−GLP−1とGLP−1アナログ(ペプチド1)各400μgを、2mg/mL塩化亜鉛を含有する1mM HCL溶液(200μL、pH=2.8)にそれぞれ溶解させた。各100μLをE−tubeに添加、1mM HCL溶液で希釈して1mg/mL溶液を調製した。20μL PB(pH=8.9,100mM)を添加することにより、Zinc/GLP−1の錯体が形成した。15,000rpmで5分間遠心した後、上澄みを除去し、Zinc/GLP−1錯体を得た。
〔実施例3−2〕インビトロにおけるZinc/GLP−1錯体からのGLP−1の放出テスト
37℃においてPBS(0.5mL,pH=7.4)をZinc/GLP−1の錯体を含有しているE−tubeに添加した。一定時間ごとにE−tubeを遠心し、上澄みをサンプリングし、新たに0.5mLのPBSを添加した。0.2M HCl(20μL)を200μLのサンプルに対して添加し、RP−HPLCにより定量を行った。結果を図3に示す。
WT−GLP−1は、14日目まで放出したのに対し、ペプチド1の放出速度はWT−GLP−1より遅く、23日目で55%程度であった。Zinc/ペプチド1錯体は、Zinc/WT−GLP−1の錯体よりもより長い徐放性能を示した。
〔比較例1〕GLP−1アナログの凝集性評価
GLP−1アナログ(ペプチド3;配列番号3)を固相合成法により得た(島津製作所製)。
〔比較例1〕GLP−1アナログの凝集性評価
GLP−1アナログ(ペプチド3;配列番号3)を固相合成法により得た(島津製作所製)。
ペプチド3について実施例2に示した方法と同様に凝集性を評価した。
CDスペクトルを図4に、結果を表5に示す。
ペプチド3は、ペプチド1と同程度の等電点を有するが、WT−GLP−1と比較して、凝集性の増加は認められなかった。
[実施例4]GLP−1アナログの凝集体の調製及び徐放性評価
本発明に係るGLP−1アナログ(ペプチド1;配列番号1)を固相合成法により得た(AMERICAN PEPTIDE COMPANY,INC.製)。
[実施例4]GLP−1アナログの凝集体の調製及び徐放性評価
本発明に係るGLP−1アナログ(ペプチド1;配列番号1)を固相合成法により得た(AMERICAN PEPTIDE COMPANY,INC.製)。
GLP−1アナログの定量はRP−HPLC(分析条件を以下に記した)を用いた。
システム: Waters Alliance2790/2487
カラム: Cadenza CD18−C(3μm) 3.0mm×50mm(Imtakt社製)
流速: 0.75mL/分
検出: UV(280nm)
溶出液A: 0.01%w/vTFA含有MilliQ水
溶出液B: 0.01%w/vTFA含有アセトニトリル
溶出方法: 溶出液A/溶出液B=80/20から50/50のリニアーグラジエント
〔実施例4−1〕GLP−1アナログ凝集体の調製
20mMリン酸緩衝液(pH7.4)に20mgのペプチド1を1mg/mL濃度で溶解し、同溶液を1mLずつ20本のエッペンドルフチューブに分注した。20本のうち1本についてRP−HPLCでペプチド濃度を測定した。19本について、室温にて24時間シェイカーで振盪した。振盪後の溶液は明らかに白濁していた。振盪後、遠心操作(10,000g、3分)およびデカンテーションによって白色沈殿物と上清を分離した。上清についてRP−HPLCによってペプチド濃度を測定したところ、振盪前の濃度に対して0.6%(6μg/mL)であり、99.4%が凝集したことが示唆された。回収した白色沈殿物はMilliQ水で3回洗浄操作を行った後、ひとつに集めた。洗浄液はデカンテーションによって除去し、凍結乾燥することでGLP−1アナログ凝集体の白色粉末を得た。得られた白色粉末の重量測定を行ったところ14.0mgであった。得られた粉末の走査型電子顕微鏡写真を図5に示す。GLP−1アナログ凝集体は、およそ50から600μmほどの粉末でその断面は層状の構造を有していた。
〔実施例4−2〕インビトロにおけるGLP−1アナログ凝集体の溶出速度評価
実施例4−1で得られたGLP−1アナログ凝集体の白色粉末をおよそ0.5mgずつ8本の透析チャンバー(EasySep:MWCO14,000、トミー精工社製)に秤取した。1本はスタンダードとして冷凍保存し、残り7本には1mLのPBS(pH7.4)を添加し、粉末をVortexミキサーでよく分散した後、透析膜のキャップを取り付け、キャップを下側に向けた状態にした。分散した粉末が容器上部の壁面につかないようによく振ってから、フローターに装着し、1Lの0.01%w/vアジ化ナトリウムを含むPBS(pH7.4)に対して37℃で平衡透析を行った。3時間、1日、2日、1週、2週、3週、4週後に透析チャンバーを回収し、遠心操作によってGLP−1アナログ凝集体の沈殿物と上清を分離し、デカンテーションによって上清を除去した。回収した沈殿物は凍結乾燥した。
カラム: Cadenza CD18−C(3μm) 3.0mm×50mm(Imtakt社製)
流速: 0.75mL/分
検出: UV(280nm)
溶出液A: 0.01%w/vTFA含有MilliQ水
溶出液B: 0.01%w/vTFA含有アセトニトリル
溶出方法: 溶出液A/溶出液B=80/20から50/50のリニアーグラジエント
〔実施例4−1〕GLP−1アナログ凝集体の調製
20mMリン酸緩衝液(pH7.4)に20mgのペプチド1を1mg/mL濃度で溶解し、同溶液を1mLずつ20本のエッペンドルフチューブに分注した。20本のうち1本についてRP−HPLCでペプチド濃度を測定した。19本について、室温にて24時間シェイカーで振盪した。振盪後の溶液は明らかに白濁していた。振盪後、遠心操作(10,000g、3分)およびデカンテーションによって白色沈殿物と上清を分離した。上清についてRP−HPLCによってペプチド濃度を測定したところ、振盪前の濃度に対して0.6%(6μg/mL)であり、99.4%が凝集したことが示唆された。回収した白色沈殿物はMilliQ水で3回洗浄操作を行った後、ひとつに集めた。洗浄液はデカンテーションによって除去し、凍結乾燥することでGLP−1アナログ凝集体の白色粉末を得た。得られた白色粉末の重量測定を行ったところ14.0mgであった。得られた粉末の走査型電子顕微鏡写真を図5に示す。GLP−1アナログ凝集体は、およそ50から600μmほどの粉末でその断面は層状の構造を有していた。
〔実施例4−2〕インビトロにおけるGLP−1アナログ凝集体の溶出速度評価
実施例4−1で得られたGLP−1アナログ凝集体の白色粉末をおよそ0.5mgずつ8本の透析チャンバー(EasySep:MWCO14,000、トミー精工社製)に秤取した。1本はスタンダードとして冷凍保存し、残り7本には1mLのPBS(pH7.4)を添加し、粉末をVortexミキサーでよく分散した後、透析膜のキャップを取り付け、キャップを下側に向けた状態にした。分散した粉末が容器上部の壁面につかないようによく振ってから、フローターに装着し、1Lの0.01%w/vアジ化ナトリウムを含むPBS(pH7.4)に対して37℃で平衡透析を行った。3時間、1日、2日、1週、2週、3週、4週後に透析チャンバーを回収し、遠心操作によってGLP−1アナログ凝集体の沈殿物と上清を分離し、デカンテーションによって上清を除去した。回収した沈殿物は凍結乾燥した。
スタンダードおよび凍結乾燥したサンプルに、120μlの0.05%w/vTween80含有0.05N塩酸、40μlのDMSO、40μlのアセトニトリルを添加することで溶解し、RP−HPLCによってペプチド量を測定した。
透析チャンバー内に残存していたペプチド量をスタンダードに対する100分率として算出し時間に対してプロットした結果を図6に示す。
GLP−1ペプチド凝集体の溶出は、37℃、PBS中において非常に遅く、ほぼ0次的な溶出パターンを示し、4週間での溶出量はおよそ35%程度であった。
〔実施例5〕GLP−1アナログ亜鉛塩粉末の調製及び徐放性評価
本発明に係るGLP−1アナログ(ペプチド1;配列番号1)は実施例4で得たもの、天然型のGLP−1(7−37)(WT−GLP−1;配列番号2)は実施例1で得たものを用いた。
〔実施例5〕GLP−1アナログ亜鉛塩粉末の調製及び徐放性評価
本発明に係るGLP−1アナログ(ペプチド1;配列番号1)は実施例4で得たもの、天然型のGLP−1(7−37)(WT−GLP−1;配列番号2)は実施例1で得たものを用いた。
GLP−1アナログの定量は実施例4で示した方法で行った。
GLP−1アナログ亜鉛塩中の亜鉛含量定量は以下に示すZincon法によって行った。
Zincon法
13.58mgの塩化亜鉛(MW136.3)を24.91mLのMilliQ水に溶解することで、4mM塩化亜鉛スタンダードを調製した。塩化亜鉛スタンダードをMilliQ水で希釈することで2倍希釈列6列を調製した。次に13.21mgのZincon(MW462.4)を285.7μlの1N水酸化ナトリウム水溶液に溶解し、これをMilliQ水で50倍に希釈することで2mMZinconスタンダードを調製した。
Zincon法
13.58mgの塩化亜鉛(MW136.3)を24.91mLのMilliQ水に溶解することで、4mM塩化亜鉛スタンダードを調製した。塩化亜鉛スタンダードをMilliQ水で希釈することで2倍希釈列6列を調製した。次に13.21mgのZincon(MW462.4)を285.7μlの1N水酸化ナトリウム水溶液に溶解し、これをMilliQ水で50倍に希釈することで2mMZinconスタンダードを調製した。
20μlの塩化亜鉛スタンダードの希釈列それぞれに960μlの100mMホウ酸緩衝液(pH9.0)および20μlのZinconスタンダードを添加して、よく混合後30分間室温で静置した。これらのサンプルについて分光光度計で617nmの吸光度を測定し、その吸光度を塩化亜鉛濃度に対してプロットしたもの検量線として用いた。
亜鉛濃度未知の亜鉛塩サンプルは検量範囲に入るような濃度で10mM塩酸に溶解し、20μlの濃度未知溶液に960μlの100mMホウ酸緩衝液(pH9.0)および20μlのZinconスタンダードを添加して、よく混合後30分間室温で静置した。分光光度計で617nmの吸光度を測定し、先に作成した検量線によって亜鉛濃度定量を行った。
〔実施例5−1〕GLP−1アナログ亜鉛塩の調製条件検討
ペプチド1およびWT−GLP−1を1mg/mLになるようにMilliQ水に溶解した。また塩化亜鉛を0.1mg/mLになるようにMilliQ水に溶解した。1MHEPES(N−[2−ヒドロキシエチル]ピペラジン−N'−[2−エタンスルホン酸])緩衝液(pH7.4)を別に調製した。ペプチド水溶液にHEPES緩衝液、MilliQ水、塩化亜鉛水溶液の順に添加することで、最終容量で1mL、最終濃度で100μg/mLペプチド、100mMHEPES(pH7.4)、塩化亜鉛はペプチドモル数に対して種々の比率(Z/P=0−30)になるようにサンプルを調製した。これらを室温(25℃)で18時間静置した。この混合物を遠心(10,000g、3分間)し、上清中のペプチド濃度をRP−HPLCによって定量した。結果を図7に示す。
〔実施例5−1〕GLP−1アナログ亜鉛塩の調製条件検討
ペプチド1およびWT−GLP−1を1mg/mLになるようにMilliQ水に溶解した。また塩化亜鉛を0.1mg/mLになるようにMilliQ水に溶解した。1MHEPES(N−[2−ヒドロキシエチル]ピペラジン−N'−[2−エタンスルホン酸])緩衝液(pH7.4)を別に調製した。ペプチド水溶液にHEPES緩衝液、MilliQ水、塩化亜鉛水溶液の順に添加することで、最終容量で1mL、最終濃度で100μg/mLペプチド、100mMHEPES(pH7.4)、塩化亜鉛はペプチドモル数に対して種々の比率(Z/P=0−30)になるようにサンプルを調製した。これらを室温(25℃)で18時間静置した。この混合物を遠心(10,000g、3分間)し、上清中のペプチド濃度をRP−HPLCによって定量した。結果を図7に示す。
ペプチド1の亜鉛塩は、WT−GLP−1と比較して少ない塩化亜鉛添加量において生成し、その緩衝液(pH7.4)中での溶解度は、フリー体(塩化亜鉛添加前)と比較して著しく低くなっていた。最も溶解度が低くなっていたペプチドに対する亜鉛添加比は、ペプチド1でZ/P=1付近、WT−GLP−1でZ/P=15−30であった。そのときのペプチド1亜鉛塩の溶解度はWT−GLP−1亜鉛塩と比較して低いことが示唆された。
〔実施例5−2〕徐放性評価のためのペプチド1亜鉛塩の調製
ペプチド1を5mg/mLになるようにMilliQ水に溶解した。また塩化亜鉛を1mg/mLになるようにMilliQ水に溶解した。1MHEPES緩衝液(pH7.4)を別に調製した。ペプチド水溶液にHEPES緩衝液、MilliQ水、塩化亜鉛水溶液の順に添加することで、最終容量で30mL、最終濃度で1mg/mLペプチド、100mMHEPES(pH7.4)、塩化亜鉛はペプチド1に対してZ/P=1になるようにサンプルを調製した。この溶液を室温(25℃)で18時間静置した。静置後の溶液は明らかに白濁していた。遠心操作(10,000g、3分)およびデカンテーションによって白色沈殿物と上清を分離した。上清についてRP−HPLCによってペプチド濃度を測定したところ、塩化亜鉛未添加の場合の濃度に対して1.6%であり、98.4%が亜鉛塩として沈殿したことが示唆された。回収した白色沈殿物はMilliQ水で3回洗浄操作を行った後、洗浄液はデカンテーションによって除去し、凍結乾燥することでペプチド1亜鉛塩の白色粉末を得た。得られた白色粉末の重量測定を行ったところ23.1mgであった。白色粉末中の亜鉛含量は0.8%w/wであった。得られた粉末の走査型電子顕微鏡写真を図8に示す。ペプチド1亜鉛塩は、およそ150から1000μmほどの粉末で表面形状観察から200nm程度の微粒子の集合体であることが示唆された。
〔比較例2〕徐放性評価のためのWT−GLP−1亜鉛塩の調製
WT−GLP−1を5mg/mLになるようにMilliQ水に溶解した。また塩化亜鉛を1mg/mLになるようにMilliQ水に溶解した。1MHEPES緩衝液(pH7.4)を別に調製した。ペプチド水溶液にHEPES緩衝液、MilliQ水、塩化亜鉛水溶液の順に添加することで、最終容量で30mL、最終濃度で1mg/mLペプチド、100mMHEPES(pH7.4)、塩化亜鉛はWT−GLP−1に対してZ/P=15になるようにサンプルを調製した。この溶液を室温(25℃)で18時間静置した。静置後の溶液は明らかに白濁していた。遠心操作(10,000g、3分)およびデカンテーションによって白色沈殿物と上清を分離した。上清についてRP−HPLCによってペプチド濃度を測定したところ、塩化亜鉛未添加の場合の濃度に対して4.3%であり、95.7%が亜鉛塩として沈殿したことが示唆された。回収した白色沈殿物はMilliQ水で3回洗浄操作を行った後、洗浄液はデカンテーションによって除去し、凍結乾燥することでWT−GLP−1亜鉛塩の白色粉末を得た。得られた白色粉末の重量測定を行ったところ21.9mgであった。白色固体中の亜鉛含量は1.8%w/wであった。得られた粉末の走査型電子顕微鏡写真を図9に示す。WT−GLP−1亜鉛塩は、およそ200から600μmほどの粉末でその断面は層状の構造を有しており、実施例5−2のペプチド1亜鉛塩粉末とは明らかに異なる固体構造を有していることが示唆された。
〔実施例5−3〕インビトロにおけるGLP1アナログ亜鉛塩の溶出速度評価
実施例5−2および比較例2で得られたGLP1アナログ亜鉛塩の白色粉末をそれぞれおよそ0.5mgずつ8本の透析チャンバー(EasySep:MWCO14,000)に秤取した。それぞれについて1本はスタンダードとして冷凍保存し、残り7本には1mLの150mM塩化ナトリウムを含む10mMHEPES緩衝液(pH7.4)を添加し、粉末をVortexミキサーでよく分散した後、透析膜のキャップを取り付け、キャップを下側に向けた状態にした。分散した粉末が容器上部の壁面につかないようによく振ってから、フローターに装着し、1Lの0.01%w/vアジ化ナトリウムおよび150mM塩化ナトリウムを含む10mMHEPES(pH7.4)に対して37℃で平衡透析を行った。3時間、1日、2日、1週、2週、3週、4週後に透析チャンバーを回収し、遠心操作によってGLP1アナログ亜鉛塩の沈殿物と上清を分離し、デカンテーションによって上清を除去した。回収した沈殿物は凍結乾燥した。
〔実施例5−2〕徐放性評価のためのペプチド1亜鉛塩の調製
ペプチド1を5mg/mLになるようにMilliQ水に溶解した。また塩化亜鉛を1mg/mLになるようにMilliQ水に溶解した。1MHEPES緩衝液(pH7.4)を別に調製した。ペプチド水溶液にHEPES緩衝液、MilliQ水、塩化亜鉛水溶液の順に添加することで、最終容量で30mL、最終濃度で1mg/mLペプチド、100mMHEPES(pH7.4)、塩化亜鉛はペプチド1に対してZ/P=1になるようにサンプルを調製した。この溶液を室温(25℃)で18時間静置した。静置後の溶液は明らかに白濁していた。遠心操作(10,000g、3分)およびデカンテーションによって白色沈殿物と上清を分離した。上清についてRP−HPLCによってペプチド濃度を測定したところ、塩化亜鉛未添加の場合の濃度に対して1.6%であり、98.4%が亜鉛塩として沈殿したことが示唆された。回収した白色沈殿物はMilliQ水で3回洗浄操作を行った後、洗浄液はデカンテーションによって除去し、凍結乾燥することでペプチド1亜鉛塩の白色粉末を得た。得られた白色粉末の重量測定を行ったところ23.1mgであった。白色粉末中の亜鉛含量は0.8%w/wであった。得られた粉末の走査型電子顕微鏡写真を図8に示す。ペプチド1亜鉛塩は、およそ150から1000μmほどの粉末で表面形状観察から200nm程度の微粒子の集合体であることが示唆された。
〔比較例2〕徐放性評価のためのWT−GLP−1亜鉛塩の調製
WT−GLP−1を5mg/mLになるようにMilliQ水に溶解した。また塩化亜鉛を1mg/mLになるようにMilliQ水に溶解した。1MHEPES緩衝液(pH7.4)を別に調製した。ペプチド水溶液にHEPES緩衝液、MilliQ水、塩化亜鉛水溶液の順に添加することで、最終容量で30mL、最終濃度で1mg/mLペプチド、100mMHEPES(pH7.4)、塩化亜鉛はWT−GLP−1に対してZ/P=15になるようにサンプルを調製した。この溶液を室温(25℃)で18時間静置した。静置後の溶液は明らかに白濁していた。遠心操作(10,000g、3分)およびデカンテーションによって白色沈殿物と上清を分離した。上清についてRP−HPLCによってペプチド濃度を測定したところ、塩化亜鉛未添加の場合の濃度に対して4.3%であり、95.7%が亜鉛塩として沈殿したことが示唆された。回収した白色沈殿物はMilliQ水で3回洗浄操作を行った後、洗浄液はデカンテーションによって除去し、凍結乾燥することでWT−GLP−1亜鉛塩の白色粉末を得た。得られた白色粉末の重量測定を行ったところ21.9mgであった。白色固体中の亜鉛含量は1.8%w/wであった。得られた粉末の走査型電子顕微鏡写真を図9に示す。WT−GLP−1亜鉛塩は、およそ200から600μmほどの粉末でその断面は層状の構造を有しており、実施例5−2のペプチド1亜鉛塩粉末とは明らかに異なる固体構造を有していることが示唆された。
〔実施例5−3〕インビトロにおけるGLP1アナログ亜鉛塩の溶出速度評価
実施例5−2および比較例2で得られたGLP1アナログ亜鉛塩の白色粉末をそれぞれおよそ0.5mgずつ8本の透析チャンバー(EasySep:MWCO14,000)に秤取した。それぞれについて1本はスタンダードとして冷凍保存し、残り7本には1mLの150mM塩化ナトリウムを含む10mMHEPES緩衝液(pH7.4)を添加し、粉末をVortexミキサーでよく分散した後、透析膜のキャップを取り付け、キャップを下側に向けた状態にした。分散した粉末が容器上部の壁面につかないようによく振ってから、フローターに装着し、1Lの0.01%w/vアジ化ナトリウムおよび150mM塩化ナトリウムを含む10mMHEPES(pH7.4)に対して37℃で平衡透析を行った。3時間、1日、2日、1週、2週、3週、4週後に透析チャンバーを回収し、遠心操作によってGLP1アナログ亜鉛塩の沈殿物と上清を分離し、デカンテーションによって上清を除去した。回収した沈殿物は凍結乾燥した。
スタンダードおよび凍結乾燥したサンプルに、120μlの0.05%w/vTween80含有0.05N塩酸、40μlのDMSO、40μlのアセトニトリルを添加することで溶解し、RP−HPLCによってペプチド量を測定した。
透析チャンバー内に残存していたペプチド量をスタンダードに対する100分率として算出し時間に対してプロットした結果を図10に示す。
GLP1アナログ亜鉛塩の溶出は、37℃、10mMHEPES(pH7.4)中において2相性を示し、1日以内で30%程度が溶出し、その後4週間はほぼ0次的な溶出パターンであった。
〔実施例6〕GLP−1アナログ亜鉛含有溶液のpH変動による固体化挙動及び徐放性評価
本発明に係るGLP−1アナログ(ペプチド1;配列番号1)は実施例4で得たものを用いた。
〔実施例6〕GLP−1アナログ亜鉛含有溶液のpH変動による固体化挙動及び徐放性評価
本発明に係るGLP−1アナログ(ペプチド1;配列番号1)は実施例4で得たものを用いた。
GLP−1アナログの定量は実施例4で示した方法で行った。
〔実施例6−1〕GLP−1アナログ亜鉛含有溶液のpH変動による固体化挙動
ペプチド1を150mg/mLになるように10mM塩酸に溶解した。また塩化亜鉛を15mg/mLになるように10mM塩酸に溶解した。ペプチド水溶液に10mM塩酸、塩化亜鉛塩酸溶液の順に添加することで、最終容量で50μL、最終濃度で10mg/mL(1%w/v)および100mg/mL(10%w/v)ペプチド、10mM塩酸、塩化亜鉛はペプチドモル数に対してZ/P=1になるようにサンプルを調製した。これらのペプチド1亜鉛含有溶液を50μlずつ2mLの500mMHEPES(pH7.4)にゆっくり滴下して外観を観察した。結果を図11に示す。
〔実施例6−1〕GLP−1アナログ亜鉛含有溶液のpH変動による固体化挙動
ペプチド1を150mg/mLになるように10mM塩酸に溶解した。また塩化亜鉛を15mg/mLになるように10mM塩酸に溶解した。ペプチド水溶液に10mM塩酸、塩化亜鉛塩酸溶液の順に添加することで、最終容量で50μL、最終濃度で10mg/mL(1%w/v)および100mg/mL(10%w/v)ペプチド、10mM塩酸、塩化亜鉛はペプチドモル数に対してZ/P=1になるようにサンプルを調製した。これらのペプチド1亜鉛含有溶液を50μlずつ2mLの500mMHEPES(pH7.4)にゆっくり滴下して外観を観察した。結果を図11に示す。
ペプチド1の亜鉛含有塩酸溶液は、緩衝液によって中性(pH7.4)になることによって速やかに自発的に白色固体となった。ペプチド濃度が1%w/vと10%w/vでは前者ではフワフワした微細な粒子状になったのに対して、後者では一塊の固体となった。このことからペプチド1亜鉛含有塩酸溶液を中性環境に投与した場合(例えば生体の皮下や局所など)、pH変動に伴い自発的に固体を形成し、またペプチド濃度によって粒子サイズの異なる固体化挙動が生じることが示唆された。
〔実施例6−2〕インビトロにおけるGLP−1アナログ亜鉛含有溶液の溶出速度評価
1mLの150mM塩化ナトリウムを含有する500mMHEPES(pH7.4)を14本の透析チャンバー(EasySep:MWCO14,000)に分注した。ここに実施例6−1と同様の方法で得られたペプチド1の1%w/vおよび10%w/v亜鉛含有溶液をそれぞれ7本ずつ、前者は100μl、後者は10μl(それぞれペプチド量として1mg)ずつ、ゆっくり滴下したところ、自発的な固体化挙動が観察された。またHEPES緩衝液を分注していない透析チャンバーにそれぞれのGLP−1アナログ亜鉛含有溶液を100μlおよび10μl分注し、スタンダードとして冷凍保存した。それぞれ7本のサンプルについてVortexミキサーで軽く分散した後、透析膜のキャップを取り付け、キャップを下側に向けた状態にした。分散した粉末が容器上部の壁面につかないように振ってから、フローターに装着し、2Lの0.01%w/vアジ化ナトリウムおよび150mM塩化ナトリウムを含む10mMHEPES(pH7.4)に対して37℃で平衡透析を行った。3時間、1日、2日、1週、2週、3週、4週後に透析チャンバーを回収し、遠心操作によってGLP1アナログ亜鉛塩の沈殿物と上清を分離し、デカンテーションによって上清を除去した。回収した沈殿物は凍結乾燥した。
〔実施例6−2〕インビトロにおけるGLP−1アナログ亜鉛含有溶液の溶出速度評価
1mLの150mM塩化ナトリウムを含有する500mMHEPES(pH7.4)を14本の透析チャンバー(EasySep:MWCO14,000)に分注した。ここに実施例6−1と同様の方法で得られたペプチド1の1%w/vおよび10%w/v亜鉛含有溶液をそれぞれ7本ずつ、前者は100μl、後者は10μl(それぞれペプチド量として1mg)ずつ、ゆっくり滴下したところ、自発的な固体化挙動が観察された。またHEPES緩衝液を分注していない透析チャンバーにそれぞれのGLP−1アナログ亜鉛含有溶液を100μlおよび10μl分注し、スタンダードとして冷凍保存した。それぞれ7本のサンプルについてVortexミキサーで軽く分散した後、透析膜のキャップを取り付け、キャップを下側に向けた状態にした。分散した粉末が容器上部の壁面につかないように振ってから、フローターに装着し、2Lの0.01%w/vアジ化ナトリウムおよび150mM塩化ナトリウムを含む10mMHEPES(pH7.4)に対して37℃で平衡透析を行った。3時間、1日、2日、1週、2週、3週、4週後に透析チャンバーを回収し、遠心操作によってGLP1アナログ亜鉛塩の沈殿物と上清を分離し、デカンテーションによって上清を除去した。回収した沈殿物は凍結乾燥した。
スタンダードおよび凍結乾燥したサンプルに、120μlの0.05%w/vTween80含有0.05N HCl、40μlのDMSO、40μlのアセトニトリルを添加することで溶解し、RP−HPLCによってペプチド量を測定した。
透析チャンバー内に残存していたペプチド量をスタンダードに対する100分率として算出し時間に対してプロットした結果を図12に示す。
亜鉛溶液から自発的に固体化したペプチド1亜鉛塩の溶出は、37℃、10mMHEPES(pH7.4)中において2相性を示し、1日で20%程度の溶出し、その後4週間はほぼ0次的は溶出パターンであり、溶出量は1%w/v溶液では50%程度、10%w/vでは25%程度であった。実施例6−1の結果と併せて、ペプチド1亜鉛含有溶液は、中性環境で固体化した場合そのペプチド濃度によって固体化挙動および溶出速度が異なった。
Claims (11)
- グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)またはGLP−1アナログの30位のアラニン(Ala30)がLys(Lys30)またはアルギニン(Arg30)であるGLP−1アナログ、または医薬として許容されるその塩。
- グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)またはGLP−1アナログの30位のアラニン(Ala30)がアルギニン(Arg30)に置換されている、請求項1に記載のGLP−1アナログ、または医薬として許容されるその塩。
- 置換されているGLP−1またはGLP−1アナログが、GLP−1(7−37)、GLP−1(7−36)NH2、[Gly8]−GLP−1(7−37)、[Gly8]−GLP−1(7−36)NH2、[Ser8]−GLP−1(7−37)、[Ser8]−GLP−1(7−36)NH2、[Val8]−GLP−1(7−37)、[Val8]−GLP−1(7−36)NH2、[Leu8]−GLP−1(7−37)、[Leu8]−GLP−1(7−36)NH2、[Ile8]−GLP−1(7−37)、[Ile8]−GLP−1(7−36)NH2、[Thr8]−GLP−1(7−37)、[Aib8]−GLP−1(7−36)NH2、[Aib8、35]−GLP−1(7−36)NH2および[Thr8]−GLP−1(7−36)NH2から選択される、請求項1に記載のGLP−1アナログ、または医薬として許容されるその塩。
- アミノ酸配列が、
His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Arg−Trp−Leu−Val−Lys−Gly−Arg−Gly(配列番号1)
で表される、請求項1に記載のGLP−1アナログ、または医薬として許容されるその塩。 - 会合凝集化した、請求項1〜4のいずれか1項に記載のGLP−1アナログ、または医薬として許容されるその塩。
- 亜鉛、銅、鉄、マンガン、カルシウム、ニッケル、アルミニウム、ナトリウムおよびカリウムから選択される1種以上の金属イオンを含む、請求項5に記載のGLP−1アナログ、または医薬として許容されるその塩。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載のGLP−1アナログ、または医薬として許容されるその塩を含有する医薬組成物。
- 会合凝集化したGLP−1アナログまたは医薬として許容されるその塩が、亜鉛、銅、鉄、マンガン、カルシウム、ニッケル、アルミニウム、ナトリウムおよびカリウムから選択される1種以上の金属イオンの添加により調製される、請求項7に記載の医薬組成物。
- 糖尿病、高血糖症、およびそれらに起因する糖尿病性合併症、ならびに肥満症から選択される疾患の予防または治療のために使用される、請求項7または8に記載の化合物を含む医薬組成物。
- 糖尿病がインスリン依存性糖尿病(1型糖尿病)またはインスリン非依存性糖尿病(2型糖尿病)である、請求項9に記載の医薬組成物。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載のGLP−1アナログまたは医薬として許容されるその塩の有効治療量を患者に投与することを含む、インスリン依存性糖尿病(1型糖尿病)、インスリン非依存性糖尿病(2型糖尿病)などの糖尿病、高血糖症、およびそれらに起因する糖尿病性合併症、ならびに肥満症から選択される疾患の予防または治療方法。
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