JPWO2007046472A1 - タンパク質の重合度を測定する方法 - Google Patents

タンパク質の重合度を測定する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、微量な試料を用いて、簡便且つ短時間に、更に、従来よりも生体内の構造に近い構造でタンパク質の重合度を測定することができる方法を提供することを目的とする。本発明はタンパク質の重合度を測定する方法であって、当該タンパク質が、そこに含まれる全てのサブユニットについて、サブユニット1分子が蛍光色素の1分子によって標識されるように合成されること、前記タンパク質を、少なくともサブユニットレベルに崩壊すること、微小領域内で前記蛍光色素についての蛍光強度を、当該崩壊前と崩壊後に計測すること、および前記計測により得られた蛍光強度に関する情報を基に、当該タンパク質の重合度を求めること、を含む方法を提供する。

Description

本発明は、タンパク質の重合度を識別する方法に関する。
タンパク質の高次構造を解析することは、例えば、プロテオミクス研究におけるタンパク質の動態や他の生体分子との相互作用を解析する場合において、また分子レベルからの疾患解明や治療手段を開発する場合などにおいて大変有用なことである。特に、目的とするタンパク質が単量体、或いは多量体であるのか、また多量体であれば重合度はどうなっているのか、即ち幾つのサブユニットから構成されているのか、ということを解明することは、タンパク質構造解析の重要且つ基本的な課題である。
今日でも、目的とするタンパク質の重合度を解析するための手段は幾つか存在しており、それらは種々の技術分野において利用されている。
例えば、サイエンス(Science, Vol 243, pp85-88, (1988))には、X線構造解析を利用し、ストレプトアビジンが何量体であるかを解析する方法が記載されている。当該文献では、目的とするタンパク質を高純度に精製し、結晶化し、それをX線構造解析装置などを用いて解析している。
この方法では、タンパク質を高度に精製し、且つ結晶化する手順が必須である。従って、この方法には以下のような問題点が存在する。第一には、サンプルの準備に長い時間が必要とされることである。第二には、結晶化および解析に非常に高度なテクニックが要求されることである。また、解析しようとするタンパク質には、結晶化できないものも存在するため、そのような結晶化できないタンパク質の場合には、この従来方法を利用することは不可能であり、これは大きな問題である。更に、試料となるタンパク質を結晶化するためには、多くのタンパク質が試料として要求される。
更なる例は、ストラクチャー(Structure, Vol6, pp223-231, (1998))に記載される。当該文献は、NMRを使用するカルサイクリンのホモダイマーの構造解析について記載する。具体的には、当該タンパク質を同位体元素存在下で発現し、同位体元素を含んだタンパク質を作製した後でNMRを用いてタンパク質の構造を解析する方法が記載される。
この方法では、対象となる同位体ラベルしたタンパク質を高度に精製する必要があり、そのようなNMRの解析に充分な精製を行った場合には、多量体に含まれるサブユニット間の相互作用は、生体内とは異なる環境に曝されることになる。その結果、所望の溶液中で反応に関与しているタンパク質を、生体内で得られる活性を維持したままで何量体であるかを解析することは不可能となる。また、タンパク質の解析で得られるNMRのデータを解析するためには、実施者には高度な専門知識が要求され、更に、その解析には長い時間が必要となる。
ザ・EMBO・ジャーナル(The EMBO Journal, Vol16, pp3198-3206, (1997))には、SDS電気泳動を利用したタンパク質の解析法が記載されている。この文献は、転写因子のDNA結合様式の解析に関するものである。この方法ではまず、問題のタンパク質に関して、当該タンパク質を固定化処理(即ち、架橋反応)を行ったサンプルと、固定化処理を行っていないサンプルを用意する。次に、これらをSDS電気泳動し、その結果を比較することによって当該問題のタンパク質が多量体であるか否かを判定するものである。
この方法のように、タンパク質の重合度の解析にSDS電気泳動を利用する場合、対象の重合度の大きさが問題となる。即ち、SDS電気泳動による検出では、重合度が大き過ぎる場合、例えば6量体、8量体またはそれ以上になると、正確な重合度を検出することは困難である。また、SDS電気泳動を利用する場合、そのタンパク質に対する抗体が必要となる。従って、抗体を準備できないタンパク質や未知のタンパク質の多量体形成を識別することは不可能である。
更に、上述した何れの従来方法も、溶液として存在して生理的状態にあるタンパク質をその活性を維持したままで、重合度を測定することは不可能である。また、何れの方法も実施するには、手間も時間も掛かり、且つ解析に必要な試料も多量に必要とされる。
Patricia C. Weber 著、サイエンス、Vol 243, pp85-88, (1989) Mallika Sastry 著、ストラクチャー、Vol 16, pp223-231, (1998) Igor Antoshechkin 著、ザ・EMBO・ジャーナル、Vol16, pp3198-3206, (1997)
以上のような状況に鑑み、本発明の目的は、微量な試料を用いて、簡便且つ短時間に、更に、従来よりも生体内の構造に近い構造でタンパク質の重合度を測定することができる方法を提供することである。
また、本発明の更なる目的は、生理的な動的構造を反映した環境下でのタンパク質の重合度解析をハイスループットで行える方法を提供することである。
本発明者は、上記目的を解決するための手段を鋭意研究の結果として見出した。即ち、本発明は、以下に記載する手段を提供する。
(1) タンパク質の重合度を測定する方法であって;
当該タンパク質が、そこに含まれる全てのサブユニットについて、サブユニット1分子が蛍光色素の1分子によって標識されるように合成されること;
前記タンパク質を、少なくともサブユニットレベルに崩壊すること;
微小領域内で前記蛍光色素についての蛍光強度を、当該崩壊前と崩壊後に計測すること;および
前記計測により得られた蛍光強度に関する情報を基に、当該タンパク質の重合度を求めること;
を含む方法。
(2) (1)に記載の方法であって、前記合成が、前記タンパク質をコードするmRNAに基づくタンパク質合成を介して行われる方法。
(3) (1)または(2)の何れか1に記載の方法であって、前記タンパク質の合成が;
前記mRNAの任意位置のコドンを、標識するためのtRNAのアンチコドンに対応するコドンに置換し、改変mRNAを得ること;および
前記改変mRNAと、標識のためのtRNAと、天然アミノ酸に対応するtRNAとを含む無細胞タンパク質合成系において、タンパク質合成可能な条件の下で、前記タンパク質を合成すること;
を含む方法。
(4) (1)から(3)の何れか1に記載の方法であって、前記タンパク質合成の後に、更に、合成産物を精製することを含む方法。
(5) (3)または(4)の何れか1に記載の方法であって、前記アンチコドンが3塩基以上からなる方法。
(6) (3)から(5)の何れか1に記載の方法であって、前記任意のコドンが、アンバーコドン、オーカーコドンおよびオパールコドンからなる群より選択される方法。
(7) (3)から(6)の何れか1に記載の方法であって、前記任意のコドンが、少なくとも1の第1の人工核酸を含み、それに対応する前記アンチコドンが少なくとも1の第2の人工核酸を含む方法。
(8) (3)から(7)の何れか1に記載の方法であって、前記標識のためのtRNAが3’末端に蛍光標識されたアミノ酸を有する方法。
(9) (1)から(8)の何れか1に記載の方法であって、前記蛍光強度に関する情報が、任意の継続する時間内で生じる蛍光強度の揺らぎとして得られ、得られた情報を解析する方法。
(10) (1)から(9)の何れか1に記載の方法であって、前記崩壊することが、適切な条件下でタンパク質分解酵素、界面活性剤、若しくは還元剤、又はこれらの組合せを用いることによって行われる方法。
(11) (1)から(10)の何れか1に記載の方法であって、前記方法が、蛍光相関分光法、蛍光交差相関分光法、蛍光強度分布解析法、蛍光強度多重分布解析法および蛍光偏光解析法からなる群より選択される手段を利用して実施される方法。
(12) (1)から(11)の何れか1に記載の方法であって、前記タンパク質がホモポリマーである方法。
本発明により、微量な試料を用いて、簡便且つ短時間に、更に、従来よりも生体内の構造に近い構造でタンパク質の重合度を測定することができる方法が提供される。
また更に、本発明により、生理的な動的構造を反映した環境下でのタンパク質の重合度解析をハイスループットで行える方法が提供される。
本発明の好ましい1態様におけるタンパク質の合成の概念を示す模式図である。 測定対象となるタンパク質を示す模式図である。 従来の標識手段によって標識されたタンパク質を示す模式図である。
符号の説明
1 mRNA
2 標識用コドン
3,10 tRNA
4 アンチコドン
5 蛍光標識されたアミノ酸
6 tRNA
7 ポリペプチド
8,9 コドン
11 アミノ酸
12 サブユニット
13 リボソーム
20,30 標識化タンパク質
21,23,25,27,31,33,34,37 サブユニット
22,24,26,28,32,35,36,38,39 蛍光色素分子
1側面に従うと、本発明は、
タンパク質の重合度を測定する方法であって;
当該タンパク質が、そこに含まれる全てのサブユニットについて、サブユニット1分子が蛍光色素の1分子によって標識されるように合成されること;
前記タンパク質を、少なくともサブユニットレベルに崩壊すること;
微小領域内で前記蛍光色素についての蛍光強度を、当該崩壊前と崩壊後に計測すること;および
前記計測により得られた蛍光強度に関する情報を基に、当該タンパク質の重合度を求めること;
を含む方法である。
本発明に従うと、本タンパク質の重合度を測定する方法は、まず、測定の対象となるタンパク質に標識を付与すると同時にこれを合成し、次いで、得られた標識化タンパク質を崩壊し、サブユニット毎に付与された標識を基に当該タンパク質の重合度を求めるという2つの段階を経るものである。
1.タンパク質の合成および蛍光色素による標識
本発明に従うと、本方法は、まず、測定の対象となるタンパク質に標識を付与すると同時にこれを合成する。即ち、当該タンパク質が合成される際に、蛍光色素による標識が達成される。本発明の好ましい1態様におけるタンパク質の合成の概念を図1を用いて説明する。
図1(A)を参照されたい。本発明に従うタンパク質合成では、予め、改変mRNA1が用意される(図1(A))。本発明に従う改変mRNA1は、測定の対象となるタンパク質のアミノ酸配列をコードする天然mRNAの塩基配列の一部が改変されたものである。即ち、当該塩基配列における所望位置の1のコドンが、蛍光標識を行うためのtRNA3のアンチコドン4に対応する標識用コドン2に置換されている(図1(A))。この例では、図1(A)に示すとおり、当該アンチコドン4は、「CCCG」のアミノ酸配列を有する4塩基である。標識するためのtRNA3は、所望の標識を行うために当該アンチコドン4に加えて、蛍光標識されたアミノ酸5を3’末端に有する。言い換えれば、本来であれば3塩基からなるアンチコドンが存在する位置に、4塩基からなる標識用アンチコドン4を含み、本来であればアンチコドンの塩基配列に応じて割り当てられた天然アミノ酸が存在する3’末端に、非天然アミノ酸である蛍光標識されたアミノ酸5を有する(図1(A))。
図1(B)を参照されたい。本発明に従うタンパク質合成は、当該mRNA1と、当該標識するためのtRNA3と、tRNA6および10を含む天然アミノ酸に対応するtRNAが存在する環境で、タンパク質合成可能な条件下で行われる(図1(B))。図1(B)は、当該条件で行われるタンパク質合成の一部を模式的に示す図である。当該タンパク合成では、mRNA1の塩基配列に従って、ポリペプチド7が形成される。このとき、所望の位置の標識用コドン2には、当該標識するためのtRNA3のアンチコドン4が結合する。上述したように、当該標識するためのtRNA3は、通常の20種類のアミノ酸に代わって、非天然アミノ酸である蛍光標識されたアミノ酸5を有する。他方、アミノ酸11を有するtRNA10のように、天然アミノ酸を有するtRNAは、mRNA1の標識用コドン2以外の位置に存在する各コドンに対応する。従って、図1(C)に示す通り、タンパク質合成が終了すると、蛍光色素分子5を1分子だけ含むサブユニット12が得られる(図1(C))。
このようにして得られるサブユニットを、適切な濃度で生理的条件に近い水溶液中に存在させると、適切な重合が生じ、目的とするタンパク質が得られる。
本発明に従って得られた測定対象となるタンパク質は、生理的条件に近い水溶液中では図2(A)に示すような状態にあると考えられる。図2(A)の模式図を参照されたい。1例として4量体の標識化タンパク質20を示した。上記のように合成された測定対象のタンパク質は、サブユニット1分子毎に、蛍光色素の1分子によって標識されている。即ち、サブユニット21は蛍光色素分子22を有し、サブユニット23は蛍光色素分子24を有し、サブユニット25は蛍光色素分子26を有し、サブユニット27は蛍光色素分子28を有する(図2(A))。
以上の通り、本発明に従う方法において、所望のタンパク質の合成と蛍光標識が共に達成される。
以下、更に本発明に従う方法に含まれるタンパク質の合成および蛍光色素による標識について説明する。
本発明において、測定の対象となるタンパク質は、そのアミノ酸配列の起源を問わず天然および/または合成タンパク質など、何れのタンパク質に由来するものであってもよい。また、本発明の対象となるタンパク質は、単量体(即ち、モノマー)および多量体(即ち、ポリマー)の何れのタンパク質であってもよいが、本発明において測定される好ましいタンパク質は、1種類の単量体からなるホモポリマーである。
本発明において使用される「重合度」とは、目的のタンパク質を構成するサブユニットの数、即ち、目的のタンパク質が何量体であるのかを示す値である。
本発明に従うと、当該タンパク質合成は、当業者に公知の何れかの無細胞系において行われてよい。例えば、大腸菌、小麦胚芽、昆虫培養細胞またはウサギ網状赤血球などに由来するタンパク質合成可能な何れかの環境において行われる無細胞タンパク質合成を利用してもよい。そのような環境は、タンパク質合成に必要な要素、例えば、リボソーム、アミノ酸、タンパク質性の翻訳因子群、ATP、GTP、酵素類など、mRNA以外の必要な物質を含めばよい。本発明に従うタンパク質合成は、例えば、商業的に得られる何れかのキットを利用してもよい。そのような無細胞キットは、例えば、島津製作所、東洋紡、RocheおよびPromega、並びに丸文株式会社などから入手することが可能である。
本発明に従う改変mRNAは、それ自身公知のmRNAを作製する何れかの手段によって得ることが可能である。例えば、それ自身公知の無細胞タンパク質合成の可能な条件下において、当該タンパク質合成に先駆けて発現されてもよい。その場合、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(以下、PCRと称する)などを用いて所望の人工的に一部変異を組み入れた遺伝子を用意し、それをプラスミドベクターに組み込んだ後でプラスミドを調製し、それを当該無細胞タンパク質合成の環境に添加すればよい。このような方法は当業者に公知である。更に、本発明では、更なる当業者に公知の何れの方法によって所望の改変mRNAが調製されてもよい。
本発明に従い使用される蛍光色素は、tRNAの3’末端への結合が可能なそれ自身公知の何れの蛍光色素であってもよい。そのような色素の例は、TAMRA(carboxymethylrhodamine)、TMR(tetramethlrhodamine)、ローダミングリーン(Rhodamine Green)、Alexa fluor(登録商標)488、YOYO1、EVOblue(登録商標)およびAlexa fluor
(登録商標)647 などである。しかしながら、本発明に用いられる蛍光色素はこれらに限定されるものではない。
ここで使用される「標識するためのtRNA」の語は、当該タンパク質を蛍光標識するために用いられるtRNAを指し、これは蛍光色素分子を有するtRNAであってもよい。本発明に従う蛍光色素分子を有するtRNAの調製は、例えば、PCRなどの人工的に核酸を合成する手段を用いて当該tRNAを合成し、その後、公知の核酸の修飾手段によって蛍光標識されたアミノ酸を当該tRNAに結合することによって達成されてもよい。しかしながら本発明は、これに限定されるものではなく、この他の何れかの公知手段によって、蛍光標識されたアミノ酸を有するtRNAとして調製されてもよい。ここで使用される「蛍光標識されたアミノ酸」とは、1分子の蛍光色素分子をそれ自身公知の手段の何れかによって付与されたアミノ酸をいう。
本発明において使用される生理的条件に近い水溶液の例は、リン酸バッファー、トリスバッファーおよびHEPESバッファーなどを含む何れの公知の緩衝液であってもよい。
上記の態様では、標識するためのtRNAのアンチコドンが4塩基である例を示した。しかしながら、本発明において使用される標識するためのtRNAのアンチコドンは、これに限定されるものではなく、天然のアミノ酸をコードするコドンと識別可能であれば3塩基からなるコドンであっても、5塩基以上の塩基からなるコドンを用いてもよい。例えば、3塩基からなるコドンを用いる場合、終止コドン、即ち、アンバーコドン(即ち、「UAG」)、オーカーコドン(即ち、「UAA」)およびオパールコドン(即ち、「UGA」)の何れかを利用してもよく、好ましくは「UAG」の3塩基からなるアンバーコドンを使用してよい。
また、自然界には存在しない対合する1対以上の核酸(即ち、人工核酸)を当該3塩基、4塩基および5塩基以上からなるコドンにおいて使用してもよい。そのような対合する核酸の1対を便宜上XおよびYとすると、第1の核酸であるXをmRNAの所望の位置の1塩基と置換し、第2の核酸であるYを標識するためのtRNAのアンチコドンに含ませる。それによって、本発明に従う当該所望の位置に蛍光色素を含むサブユニットを含むタンパク質を合成することが可能である。ここで使用する「対合する」の語は選択的且つ特異的に結合することを意味する。本発明に使用される人工核酸は、それ自身公知の何れの人工核酸を使用してもよい。
また或いは、例えば、特開2005−110595に記載の方法、シュルツらの方法(Schultz et al. (1989) Science, 244, 182-188)、およびチャンバーリンらの方法(Chambarlin, et al. (1989) J. Am. Chem, Soc., 111, 8013-8014)などを、本発明において利用してもよい。これらの文献は引用することにより本明細書に組み込まれる。
以上述べたように本発明に従って使用される標識するためのtRNAのアンチコドンは、3塩基以上からなるアンチコドンであればよい。しかしながら、目的とするタンパク質の量を十分に得るためには、本発明に従って使用される蛍光標識を行うためのtRNAのアンチコドンは、3塩基または4塩基からなるアンチコドンが好ましい。更に、コドンに対して既に割り振りされた天然のアミノ酸を有するアンチコドンとの競合を考慮した場合、当該アンチコドンは4塩基からなるものがより好ましい。しかしながら、後述するように本発明に従うと、例えば、3塩基、5塩基(例えば、Hohsakaらによる文献、Nucleic Acids Research. 2001, vol.29, pp.3646-3651を参照されたい)以上からなるアンチコドンを用いて目的とするタンパク質を合成した場合であっても、および/または、得られたタンパク量が従来では検出不可能なほど少ない量であったとしても、本発明に従う検出にはとっては十分な量である(上記の文献は引用することにより本明細書に組み込まれる)。即ち、従来のX線、NMRおよびSDS電気泳動を利用する方法の場合、X線およびNMRではおおよそmgオーダー程度、SDSでは共にμgオーダー程度のタンパク質を必要とする。しかしながら本発明に従う方法では、nMオーダー(容量は 50 μL)程度のタンパク質があれば高精度に重合度を測定することが可能である。nMオーダー程度のタンパク質量は、前述のような従来の技術で必要とされるタンパク質量に比較して非常に少ない量である。
3.タンパク質の重合度を求める
本発明に従うタンパク質の重合度を測定する方法では、上述のように合成された当該タンパク質について更にその重合度を求める。その原理を図2の標識化4量体タンパク質の例を用いて説明する。
図2を参照されたい。上述したように本発明に従うと、測定しようとするタンパク質は、図2(A)に示す通り、1のサブユニット毎に1の蛍光色素分子が付与される(図2(A))。これを少なくともサブユニットレベルに崩壊し、蛍光色素分子の数を検出すれば、そこに幾つのサブユニットが存在するのかが判明する(図2(B))。言い換えれば、図2(A)では、標識化4量体タンパク質が1分子で存在する状態であるが、その構造を崩壊することによって当該タンパク質に含まれるサブユニットが解離し、4分子のサブユニットが生じる(図2(B))。従って、図2(A)に示すような崩壊前の分子の数と、図2(B)に示すような崩壊後の分子の数を比較することによって、目的とするタンパク質の重合度を求めることが可能である。
本発明に従って、崩壊前後の分子の数を比較するためには、共焦点光学系によって作り出された微小領域内で当該蛍光色素についての蛍光強度を当該崩壊前および崩壊後に計測すればよい。本発明に従うと、例えば、金城政孝による蛍光相関分光法(Fluorescence correlation spectroscopy)を利用してよい(蛋白質核酸酵素 vol.44, 1431-1438(1999))。この方法を利用すると、任意の継続した時間内に蛍光色素分子の発する蛍光強度の揺らぎを計測し、得られた情報の自己相関により、微小領域内に存在する蛍光色素の分子の数が計測できる。ここで、「任意の継続した時間」とは、蛍光相関分光法を行うのに十分な蛍光強度の揺らぎを計測できる時間であればよい。また、本発明に従うと、当該蛍光相関分光法により分子の数を計測するための装置として1分子蛍光分析システムMF20(オリンパス社製)を使用してよい。
本発明に従う当該タンパク質を崩壊するために使用される手段は、当業者に公知のタンパク質を崩壊するための何れの手段であってもよい。これに限定するものではないが、本発明に従うと、例えば、後述する物理的作用および/または化学的作用による変性であってもよく、塩酸グアニジンおよび尿素などの変性剤、プロテアーゼK、トリプシンおよびパパインなどのタンパク質分解酵素、SDS、Triton X(登録商標)-100 などを含む Triton X 並びに Tween(登録商標)20などを含む Tween などの界面活性剤、ジチオスレイトール(DTT)や2-メルカプトエタノールなどの還元剤、などの崩壊剤を使用してよい。また、本発明に従う物理的作用による変性の例は、加熱、凍結および融解、超音波、紫外線、X線などによる処理を含み、化学的作用による変性剤の例は、極端なpHの変動を生ずる物質、並びに濃厚塩溶液を生じる物質、有機溶媒、金属塩、界面活性剤およびカオトロピック試薬などであり、カオトロピック試薬の例は、尿素、グアニジウム塩などである。本発明に従うと、上記の崩壊剤の使用および物理的変性を含む崩壊手段の何れかを単独または2以上を併用して用いてもよい。
本発明において、前記タンパク質を、「少なくともサブユニットレベルに崩壊する」ことは、前記崩壊手段によって、当該タンパク質をサブユニットの構造を維持したままで解離することと、サブユニットの構造までも分解することによって当該タンパク質を崩壊することの両方の意味を含む。図2(A)に示した通り、本発明に従うと、標識化タンパク質20を構成する各サブユニットはそれぞれに1分子ずつの蛍光色素分子を有する。従って、崩壊後にサブユニットの構造が維持されていても、維持されていなくても、結果として得られる重合度は同じである。
更に、本発明の方法に従うと、「1.タンパク質の合成および蛍光色素による標識」で合成されたタンパク質についての重合度を求める前に、簡単なタンパク質の精製を行ってもよい。そのような精製は、例えば、当該タンパク質のC末端にヒスチジンタグを形成し、ニッケルカラムで回収し、薄いイミダゾールバッファーで余分なタンパク質などを除いた後で、高濃度のイミダゾールバッファーで当該カラムを洗浄することによって実施してもよい。精製したタンパク質は、例えば、リン酸バッファー(以下、PBSと記す)などの緩衝液に溶解し、崩壊操作と蛍光強度の検出を行って重合度を求めればよい。
また更に、本発明に従うと、蛍光相関分光法以外の手段、即ち、測定を共焦点光学系によって作り出された微小領域内で行い、蛍光色素分子の発する蛍光強度を計測し、得られた情報を基にした自己相関の解析によって、蛍光色素分子と1:1で対応するサブユニットについての情報、例えば、分子の大きさ、数または明るさに関連する情報を得ることによっても、目的とするタンパク質の重合度を測定してもよい。そのような測定には、蛍光交差相関分光法(即ち、Fluorescence cross correlation spectroscopy)、蛍光強度分布解析法(即ち、Fluorescence Intensity Distribution Analysis)、蛍光強度多重分布分析法(即ち、Fluorescence Intensity Multiple Distribution Analysis)、および蛍光偏光解析法(即ち、Fluorescence Intensity Distribution Analysis - polarization)を利用してよい。何れの方法を利用しても、本発明の1の特徴である必要なサンプル量をnMオーダーに減少させることが可能である。
4.比較例
上述した本発明に従う手段以外の、例えば、化学反応を利用した従来の標識手段によってタンパク質を標識した場合の例を図3に示す。図3を参照されたい。図3(A)には、従来の標識手段で蛍光標識された4量体の標識化タンパク質30が示されている。化学反応によってタンパク質30に付与される蛍光色素分子は、サブユニットの存在とは無関係に無作為に標識化タンパク質30に結合する。この例の場合、サブユニット31には蛍光色素分子32が結合し、サブユニット33には蛍光色素分子の結合はなく、サブユニット34には蛍光色素分子35と36の2分子が結合し、サブユニット37には蛍光色素分子38と39が2分子結合している(図3(A))。従って、これを崩壊するとサブユニットは4分子存在するにも拘らず、蛍光色素分子に由来する情報から3分子が存在すると認識されてしまう(図3(B))。
1量体タンパク質であるラクダ由来の単鎖抗体(以下、CAと記す)と、4量体タンパク質であるストレプトアビジン(以下、SAと記す)の遺伝子を用意し、それぞれの遺伝子を蛍光標識タンパク質発現用プラスミドベクターpROX-FL(オリンパス)のマルチクローニングサイトに組み込んだ。このプラスミドベクターの一部は、配列表に記載のペプチド配列をコードしている。その後、大腸菌 DH5αを宿主としてプラスミドの調製を行なった。そのプラスミドと4塩基コドンに対応した TAMRA-tRNA(オリンパス)、RTS 100 E.coli HY Kit (Roche)を用いて、目的タンパク質の特定の位置に蛍光色素である TAMRA をサブユニット1分子に対して1分子の割合で標識した。ヒスチジンタグを利用した精製方法により、これを精製した。これらの標識化タンパク質を終濃度がnM オーダーとなるように溶液中に希釈調製した。当該標識化タンパク質を崩壊させる処理としては、プロテアーゼによる分解反応を用いた。プロテアーゼには Proteinase K (Promega)を使用し、反応条件は終濃度 100μg/mL で37℃、1時間以上、バッファーとしてPBS + 0.05% Tween20 を用いた。
サンプルの分解前後の蛍光分子数を、共焦点光学系によって作り出された微小領域内で、蛍光分子の発する蛍光の揺らぎを計測し、蛍光標識された分子の数を、オリンパス製1分子蛍光分析システムMF20を用いて蛍光強度分布解析(即ち、Fluorescence Intensity Distribution Analysis、以下、FIDAと記す)で計測した。使用した光源は543nm He-Neレーザで、計測は5秒計測を5回行なった。その時の結果を以下に示す。
Figure 2007046472
1量体タンパク質である CA では、分子の数の増加率が1.29であった。したがって、SAで得られた4.94をこの値で割って補正した値を評価に用いた。遊離状態の蛍光色素が混在していることや、すべてのタンパク質が4量体を形成していない可能性を考慮すると、理論値4に対して3.83という値は妥当であった。本発明に従うと、タンパク質が何量体を形成しているかが識別できた。従って、本発明に従うタンパク質の重合度を測定する方法が効果的に活用できることがわかった。
同様の実験を共焦点光学系によって作り出された微小領域内で、蛍光分子の発する蛍光の揺らぎを計測し、得られた情報の自己相関より蛍光標識された分子の数に関連するデータを得ることができるオリンパス製1分子蛍光分析システム MF20 を用いて蛍光相関分光法を利用して計測した。使用した光源は 543nm He-Ne レーザで、計測は10秒計測を5回行なった。その時の結果を以下に示す。
Figure 2007046472
1量体タンパク質である CA で増加率が1.20であった。したがって、SA で得られた4.61をこの値で割って補正した値を評価に用いた。遊離状態の蛍光色素が混在していることや、すべてのタンパク質が4量体を形成していない可能性を考慮すると、理論値4に対して3.84という値は妥当であった。本発明に従うと、目的のタンパク質が何量体を形成しているかを識別することができた。従って、本発明に従うタンパク質の重合度を測定する方法は効果的に活用できることがわかった。
実施例1と同様の操作を行い、ラクダ由来の単鎖抗体(以下、CAと記す)とストレプトアビジン(以下、SAと記す)を TAMRA 標識した。これらのタンパク質を終濃度が nM オーダーとなるように溶液中に希釈調製し、多量体形成を崩壊させる処理として、界面活性剤での反応を行った。界面活性剤として SDS を使用し、反応条件は終濃度 0.1% となるように SDS を加え、95 ℃で5分間インキュベートした。蒸発した分の純水を足した後に計測を行なった。
サンプルの界面活性剤処理前後の蛍光分子数を、オリンパス製1分子蛍光分析システムMF20 を用いて、蛍光強度分布解析を利用して計測した。使用した光源は 543nm He-Neレーザで、計測は5秒計測を5回行なった。その時の結果を以下に示す。
Figure 2007046472
1量体タンパク質である CA で増加率が1.12であった。したがって、SA で得られた4.14をこの値で割って補正した値を評価に用いた。遊離状態の蛍光色素が混在していることや、すべてのタンパク質が4量体を形成していない可能性を考慮すると、理論値4に対して3.71という値は妥当であった。本発明に従うと、目的のタンパク質が何量体を形成しているかを識別することができた。従って、本発明に従うタンパク質の重合度を測定する方法は効果的に活用できることがわかった。
以下に、本発明の更なる効果を説明する。
本発明に従うと、本測定方法は、蛍光分子の大きさや数の変化を感度よく測定することができ、それによって、多量体崩壊による蛍光標識の遊離による蛍光色素の数に関する当該崩壊前から崩壊後への増加率を感度よく測定することができる。
本発明では、任意の位置に蛍光標識したタンパク質を合成してそれを解析することによって、X線回折法で用いられているタンパク質の結晶化という手順が不要となり、その結果、短時間で簡単にタンパク質の重合度の測定を行うことが可能である。本発明では、遺伝子が用意できれば、それから蛍光標識したタンパク質を合成することができ、タンパク質を大量に準備したり、高度に精製するという手順の必要がない。また、本発明に従うと、ほぼ全てのタンパク質が、発現、蛍光標識できるため、結晶化ができないためにタンパク質の重合度の測定ができなかった物質についても適用が可能である。また、本発明に従う対象となるタンパク質の重合度の測定は、溶液中で行うため、蛍光標識された目的となるタンパク質を活性を持っている、或いは反応している溶液の中で、生理的状態に近い状態で解析することができる。
本発明に従うタンパク質の重合度の測定では、そのデータ解析も当該タンパク質が形成する多量体を崩壊させる処理によって、蛍光標識した分子の数が何倍に増えたかを確認するだけという非常に簡易な手段によって行うことができる。従って、高度な専門知識を必要とすることなく、短時間で測定を行うことができる。
本発明に従うタンパク質の重合度の測定は、溶液中で他の物質やタンパク質が混在している状態でも行うことができ、更に、高度にタンパク質を精製する手間も必要なく、簡易に測定を行える。
また、本発明に従うタンパク質の重合度の測定は、蛍光標識したタンパク質を用いて行われるため、一部の従来の方法で必要とされたタンパク質に対する抗体などの用意をする必要がなく、従って、抗体が準備できないようなタンパク質でも重合度の測定を行うことが可能である。更に、本発明の1態様に従うタンパク質の重合度の測定は、遺伝子から蛍光標識されたタンパク質を合成して測定を実施するものであるため、これまで精製が不可能であった未知のタンパク質についてもその重合度を測定することが可能である。

Claims (12)

  1. タンパク質の重合度を測定する方法であって;
    当該タンパク質が、そこに含まれる全てのサブユニットについて、サブユニット1分子が蛍光色素の1分子によって標識されるように合成されること;
    前記タンパク質を、少なくともサブユニットレベルに崩壊すること;
    微小領域内で前記蛍光色素についての蛍光強度を、当該崩壊前と崩壊後に計測すること;および
    前記計測により得られた蛍光強度に関する情報を基に、当該タンパク質の重合度を求めること;
    を含む方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、前記合成が、前記タンパク質をコードするmRNAに基づくタンパク質合成を介して行われる方法。
  3. 請求項1または2の何れか1項に記載の方法であって、前記タンパク質の合成が;
    前記mRNAの任意位置のコドンを、標識するためのtRNAのアンチコドンに対応するコドンに置換し、改変mRNAを得ること;および
    前記改変mRNAと、標識のためのtRNAと、天然アミノ酸に対応するtRNAとを含む無細胞タンパク質合成系において、タンパク質合成可能な条件の下で、前記タンパク質を合成すること;
    を含む方法。
  4. 請求項1から3の何れか1項に記載の方法であって、前記タンパク質合成の後に、更に、合成産物を精製することを含む方法。
  5. 請求項3または4の何れか1項に記載の方法であって、前記アンチコドンが3塩基以上からなる方法。
  6. 請求項3から5の何れか1項に記載の方法であって、前記任意のコドンが、アンバーコドン、オーカーコドンおよびオパールコドンからなる群より選択される方法。
  7. 請求項3から6の何れか1項に記載の方法であって、前記任意のコドンが、少なくとも1の第1の人工核酸を含み、それに対応する前記アンチコドンが少なくとも1の第2の人工核酸を含む方法。
  8. 請求項3から7の何れか1項に記載の方法であって、前記標識のためのtRNAが3’末端に蛍光標識されたアミノ酸を有する方法。
  9. 請求項1から8の何れか1項に記載の方法であって、前記蛍光強度に関する情報が、任意の継続した時間内で生じる蛍光強度の揺らぎとして得られ、得られた情報を解析する方法。
  10. 請求項1から9の何れか1項に記載の方法であって、前記崩壊することが、適切な条件下でタンパク質分解酵素、界面活性剤、若しくは還元剤、又はこれらの組合せを用いることによって行われる方法。
  11. 請求項1から10の何れか1項に記載の方法であって、前記方法が、蛍光相関分光法、蛍光交差相関分光法、蛍光強度分布解析法、蛍光強度多重分布解析法および蛍光偏光解析法からなる群より選択される手段を利用して実施される方法。
  12. 請求項1から11の何れか1項に記載の方法であって、前記タンパク質がホモポリマーである方法。
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