JPWO2006126312A1 - 光触媒を用いた医療用具 - Google Patents
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Abstract
感染を有効に防ぐことができる医療用具であって、哺乳類の体内に埋め込んで、あるいは哺乳類の体と接触させて用いることができる、安全性に優れた医療用具及び医療用具用の被覆材を提供することを課題とする。哺乳類の体内に一部あるいは全部を埋め込んで、あるいは哺乳類の体に接触させて用いられる医療用具であって、表面の一部あるいは全部がチタンで形成され、さらに該チタン表面の少なくとも一部に酸化チタン光触媒被膜が境界面なく形成されている、医療用具。
Description
本発明は、体内あるいは体に接触させて用いられる医療用具、及びそのような医療用具に適用する被覆材に関する。より詳しくは、感染症の予防・治療に有効な医療用具及び医療用具用被覆材に関する。
医療分野、特に、整形外科の領域では、手術治療で人工物を用いる局面が多いがため、ひとたび感染を起こすとその治療は非常に難渋する。特に無菌領域である骨、関節の感染は、非常に大きな問題となっている。整形外科では、治療のために金属製の医療用具を体内に適用することも多いが、感染により細菌が金属表面にバイオフィルムを形成するため、抗生物質の効果が得られにくく、医療用具の抜去が必要となり、治療を中断せざるを得ないこともある。特に、金属ピンを体外から刺入して行う経皮鋼線固定や創外固定術では、体表面に露出した金属への皮膚常在菌の付着(colonization)が避けられないため感染率が高く、整形外科において、ピン感染は重要な合併症となっている。
このため、感染の予防が肝心となるが、ピンケアの徹底、洗浄によっても感染を完全に防ぐことは難しい。また、創外固定治療と平行して抗生物質の投与が行われることも多いが、MRSAに代表される多剤耐性菌の出現からも明らかなように、薬剤による治療には耐性菌出現の危険が常につきまとう。
また、抗菌金属材料を用いた感染予防の試みもなされているが、抗生物質、消毒剤や銀の添加で作用を発揮しているため、安全性やコスト面から問題が残る。
一方、光触媒を利用して院内感染を防ごうとする試みがある。しかし現在は、床、窓枠等の病院施設自体や、輸液時に用いるカニューラ部の内面等が対象となっており、体内あるいは体に直接接触させて用いる医療用具への適用は報告されていない。創外固定ピンのように、体内に直接用いる医療用具に適用するためには、安全性、耐久性等、様々な問題をクリアする必要がある。
特開平7−102678号公報
特開2003−260134号公報
本発明は、以上のような問題点を考慮してなされたものであり、感染を有効に防ぐことができる医療用具であって、哺乳類の体内に埋め込んで、あるいは哺乳類の体と接触させて用いることができる安全性等に優れた医療用具及び医療用具用の被覆材を提供することを課題とする。
本発明は、哺乳類の体内に一部あるいは全部を埋め込んで、あるいは哺乳類の体に接触させて用いられる医療用具であって、表面の一部あるいは全部がチタンで形成され、さらに該チタン表面の少なくとも一部に酸化チタン光触媒被膜が境界面なく形成されている医療用具に関する。
チタン基材上に酸化チタン光触媒を塗布することによってチタン基材上に光触媒被膜を形成させた場合は、コーティング被膜と基材との境界面が明確で剥がれやすく、また、バインダーや分散剤などの使用が不可欠であるが、本発明では、チタンを表面処理することによって、酸化チタン光触媒被膜をチタンに境界面なく析出させているため、剥離の恐れがなく、バインダーや分散剤も一切使用されていない。そのため、耐久性に優れるとともに、光触媒被膜が剥離して体内に残存する虞も小さい。さらに、バインダーや分散剤を使用していないため、生体に用いてもチタンアレルギー以外の金属アレルギーを考慮しなくてよい。チタン及び酸化チタンは生体親和性に優れ化学的安定性が高いため、生体に用いるのに非常に適している。
医療用具表面の酸化チタン光触媒被膜に光を照射すると、活性酸素種が発生し、被膜に付着した細菌が分解されるため、殺菌効果が得られる。また、光触媒親水化反応により痂皮の付着などの防汚効果が期待できるため、感染予防効果がより高まる。光触媒による抗菌活性は、酸化チタンの有機物分解活性に基づいていると考えられる。触媒作用は、細菌種による差が見られにくく、増殖能を失う静菌効果でなく、殺菌効果と考えられる。
本発明に係る医療用具は抗生物質を用いないため耐性菌が出現する心配がなく、小児や老人等、免疫機能が低い患者にも安心して使用することができる。
本発明に係る医療用具は抗生物質を用いないため耐性菌が出現する心配がなく、小児や老人等、免疫機能が低い患者にも安心して使用することができる。
酸化チタン光触媒は一般に380nm以下の波長の光に反応するため、本発明に係る医療用具を適用した患者は、患部を太陽光にさらすことで感染を予防・治療することができる。ブラックライトを用いる場合は、局所に約30分照射すれば殺菌効果が得られる。また、蛍光灯からも微量の紫外線が出ているので、長時間の蛍光灯への暴露でも効果が期待できる。
さらに、可視光(波長範囲:約400nm〜800nm)でも光触媒機能を発現できる酸化チタンを用いることにより、治療をより簡便に行うことができる。可視光線は、太陽だけでなく様々な照明から発せられているため、可視光応答型酸化チタン光触媒を用いることにより、患部を太陽光やブラックライトに曝さなくても、室内光により高い感染治療・予防効果を得ることができる。また、太陽光の90%以上は可視光であるため、可視光にも活性な酸化チタン光触媒を用いることにより、太陽光を利用して感染症を治療する際の治療効果がより高効率になる。また、可視光は紫外光より無害であるため、可視光応答型酸化チタン光触媒を用いることにより、治療の安全性をより高めることができる。
さらに、可視光(波長範囲:約400nm〜800nm)でも光触媒機能を発現できる酸化チタンを用いることにより、治療をより簡便に行うことができる。可視光線は、太陽だけでなく様々な照明から発せられているため、可視光応答型酸化チタン光触媒を用いることにより、患部を太陽光やブラックライトに曝さなくても、室内光により高い感染治療・予防効果を得ることができる。また、太陽光の90%以上は可視光であるため、可視光にも活性な酸化チタン光触媒を用いることにより、太陽光を利用して感染症を治療する際の治療効果がより高効率になる。また、可視光は紫外光より無害であるため、可視光応答型酸化チタン光触媒を用いることにより、治療の安全性をより高めることができる。
本発明に係る医療用具の代表例として、体内に挿入して用いられるピンあるいはワイヤー等の金属材料(骨折などの外傷治療や脚延長術などに使用される)や、創面を覆うためのドレッシング材(創傷被覆材)などを挙げることができる。
本発明はまた、哺乳類の体内に一部あるいは全部を埋め込んで、あるいは哺乳類の体に接触させて用いられる医療用具の少なくとも一部を光触媒被膜で覆うためのチタン製被覆材であって、該被覆材表面の少なくとも一部に酸化チタン光触媒被膜が境界面なく形成されている被覆材に関する。
本発明に係る被覆材を用いることにより、既存の医療用具を利用しつつ感染を予防・治療することができる。また、力学的強度が必要とされ、チタンのみでは所望の強度が得られない場合は、本発明に係る被覆材を利用することによって、必要とされる強度を確保しつつ、感染を予防することができる。例えば、下肢に用いる創外固定ピンあるいはワイヤーなどは、力学的強度が必要とされるが、現在流通しているステンレスや6Al-4Vチタン合金製のピンもしくはワイヤーを利用し、これらが軟部組織を通過する部分だけに、筒状に形成した本発明に係る被覆材を被せて感染症の予防を図ることも可能である。
本発明の医療用具及び被覆材は、感染症の予防・治療に有効である。また、安全性、耐久性に優れ、耐性菌発生の心配もないため、生体に安全に用いることができる。
チタン表面に酸化チタン光触媒被膜が境界面なく形成されているとは、チタン上に酸化チタン光触媒を塗布して得られたものではなく、チタンを表面処理することによってチタン表面に酸化チタン光触媒被膜を形成させたものを指し、例えば特許第3370290号に開示された方法で製造することができる。本発明の医療用具および被覆材の材質に好適なものとして、有限会社イールド社のTitanystar(登録商標)を挙げることができる。本発明の医療用具表面あるいは被覆材を構成するチタンは、チタン合金ではなく、95%以上、好ましくは99%以上の純チタンである。
本発明に係る医療用具は、全てチタンから構成されていてもよく、あるいは内部が他の材質からなり表層部のみがチタン製であってもよい。また、本発明に係る医療用具の表面は、少なくとも生体組織と接する部分がチタンで形成されており、体内に一部埋め込んで用いられる医療用具に関しては、さらに皮膚表面から突出する部分のうち少なくとも皮膚表面付近に位置する部分がチタンで形成されている。より好ましいのは表面全てがチタンで形成されている医療用具である。
本発明に係る医療用具及び被覆材において、チタン表面の酸化チタン光触媒被膜は、感染を防ぐのに必要な部分のみに形成されていてもよく、あるいはチタン表面全てに形成されていてもよい。感染を防ぐのに必要な部分とは、例えば、創外固定用のピンやワイヤーで言えば、これらが軟部組織を通過する部分や皮膚を通過する部分(皮膚の内外に位置する部分のうち、皮膚表面付近の部分)である。より好ましいのはチタン表面全てに光触媒被膜が形成されている医療用具・被覆材である。
本発明に係る医療用具の具体例として、整形外科で創外固定に用いられるピン・ワイヤー・ハーフピン、褥創に用いるためのチタンビーズ、創面を覆うための不織布、メッシュ状のドレッシング材、人工関節などのインプラントなどを挙げることができる。以下これらをより具体的に説明する。
ピン、ワイヤー、ハーフピン
骨折などの外傷治療や、脚延長術などは創外固定を用いて治療することが多く、また、経皮ピンニングにより骨折治療がなされることも一般的である。これらの合併症でもっとも頻度が高いものがピン刺入部の感染である。骨や軟部組織に刺さったピンが皮膚表面に出ていることで容易に常在菌をはじめとする細菌が定着し、周囲の軟部組織の刺激や壊死組織の存在などにより感染状態が惹起される。皮膚表面に異物が常に存在するということは感染がいつ起こってもおかしくない状態であり、実際minorなものも含めると感染は70〜80%の頻度で起こり得る。現在はピン周囲の清浄化、抗生物質の投与で対処しているが、これらの治療に反応しない場合はピンそのものを抜去せざるを得ない。抜去すると固定装置の強度は落ち、ゆるみの原因となり、治療成績は不良となる。このようなピン、ワイヤーに本発明を適用することにより、感染を予防することができる。上肢に用いられるピン、ワイヤーのように比較的強度が小さくてよいものは、現在使用されているピン、ワイヤーの代わりに、全体がチタンで形成された本発明に係るピン、ワイヤーを用いればよい。一方、チタンは比較的硬度の小さい金属であるため、下肢に用いられるピン、ワイヤーのように、有る程度強度が必要とされるものについては、ステンレスやチタン合金製のピン・ワイヤーを使用し、必要部分のみを、本発明に係る被覆材で覆って使用することができる。
骨折などの外傷治療や、脚延長術などは創外固定を用いて治療することが多く、また、経皮ピンニングにより骨折治療がなされることも一般的である。これらの合併症でもっとも頻度が高いものがピン刺入部の感染である。骨や軟部組織に刺さったピンが皮膚表面に出ていることで容易に常在菌をはじめとする細菌が定着し、周囲の軟部組織の刺激や壊死組織の存在などにより感染状態が惹起される。皮膚表面に異物が常に存在するということは感染がいつ起こってもおかしくない状態であり、実際minorなものも含めると感染は70〜80%の頻度で起こり得る。現在はピン周囲の清浄化、抗生物質の投与で対処しているが、これらの治療に反応しない場合はピンそのものを抜去せざるを得ない。抜去すると固定装置の強度は落ち、ゆるみの原因となり、治療成績は不良となる。このようなピン、ワイヤーに本発明を適用することにより、感染を予防することができる。上肢に用いられるピン、ワイヤーのように比較的強度が小さくてよいものは、現在使用されているピン、ワイヤーの代わりに、全体がチタンで形成された本発明に係るピン、ワイヤーを用いればよい。一方、チタンは比較的硬度の小さい金属であるため、下肢に用いられるピン、ワイヤーのように、有る程度強度が必要とされるものについては、ステンレスやチタン合金製のピン・ワイヤーを使用し、必要部分のみを、本発明に係る被覆材で覆って使用することができる。
ドレッシング材、チタンビーズ
不織布状あるいはメッシュ状に加工したチタンの表面に酸化チタン光触媒被膜を形成させて、褥創・創傷用の被覆材(ドレッシング材)として使用することにより、創の感染を予防・治療することができる。
とりわけ、広範囲褥創や慢性骨髄炎は現在も非常に難治性の疾患であり、手術を行う場合も数回の手術治療と長期間の療養を必要とする。このような組織欠損を伴う感染に対して、表面に酸化チタン光触媒被膜を形成させたチタン製メッシュ、チタン製不織布を徒手的に創表面に密着させ、一定時間紫外線照射(可視光応答型酸化チタン光触媒を用いた場合は可視光照射)することにより、感染を治療することが可能である。
さらに、創が深くスペーサーとしての役割を持たせたい場合には現在用いられているセメントビーズではなく、酸化チタン光触媒被膜を有する穴あきチタンビーズを用いることによって耐性菌の心配をせず、感染治療を行うことができる。
なお、上記各チタン材を創面に貼付固定するため/適度な湿潤環境を維持するため/外部からの新たな細菌・水分等の侵入を防止するため、等の目的で、チタン材の背面(創傷と直接接触しないほうの面)にフィルム材を設ける場合、使用する光触媒に対応した光(光触媒を活性化できる波長の光)を透過するフィルム材を用いれば、フィルム材を外すことなく光触媒を活性化させることができ、好ましい。例えば、紫外光(可視光応答型の場合は可視光)の透過率が高い透明フィルムを用いる。
また、酸化チタン光触媒被膜にハイドロキシアパタイトを付着させ、細菌や毒素を光が当たらない時に吸着させておいて照射時に分解するという方法で治療を行うこともできる。
不織布状あるいはメッシュ状に加工したチタンの表面に酸化チタン光触媒被膜を形成させて、褥創・創傷用の被覆材(ドレッシング材)として使用することにより、創の感染を予防・治療することができる。
とりわけ、広範囲褥創や慢性骨髄炎は現在も非常に難治性の疾患であり、手術を行う場合も数回の手術治療と長期間の療養を必要とする。このような組織欠損を伴う感染に対して、表面に酸化チタン光触媒被膜を形成させたチタン製メッシュ、チタン製不織布を徒手的に創表面に密着させ、一定時間紫外線照射(可視光応答型酸化チタン光触媒を用いた場合は可視光照射)することにより、感染を治療することが可能である。
さらに、創が深くスペーサーとしての役割を持たせたい場合には現在用いられているセメントビーズではなく、酸化チタン光触媒被膜を有する穴あきチタンビーズを用いることによって耐性菌の心配をせず、感染治療を行うことができる。
なお、上記各チタン材を創面に貼付固定するため/適度な湿潤環境を維持するため/外部からの新たな細菌・水分等の侵入を防止するため、等の目的で、チタン材の背面(創傷と直接接触しないほうの面)にフィルム材を設ける場合、使用する光触媒に対応した光(光触媒を活性化できる波長の光)を透過するフィルム材を用いれば、フィルム材を外すことなく光触媒を活性化させることができ、好ましい。例えば、紫外光(可視光応答型の場合は可視光)の透過率が高い透明フィルムを用いる。
また、酸化チタン光触媒被膜にハイドロキシアパタイトを付着させ、細菌や毒素を光が当たらない時に吸着させておいて照射時に分解するという方法で治療を行うこともできる。
インプラント
人工股関節、人工膝関節などのインプラントに光触媒機能を付加させると、術中にインプラントが汚染される可能性が減少し、結果的に感染率を減らすことができる。関節の摺動面周囲やプレートやスクリュー、ネイルなどの骨折内固定材料、脊椎手術用椎体スペーサー、instrumentation用材料などの表面を酸化チタン光触媒被膜を有するチタンで形成した場合、感染を起こした場合にも細いファイバーで紫外線光(可視光応答型酸化チタン光触媒を用いた場合は可視光)を金属表面まで導入するか創を解放として紫外線(あるいは可視光)照射することで内固定材料を抜去せずに感染症の治療が可能となる。
人工股関節、人工膝関節などのインプラントに光触媒機能を付加させると、術中にインプラントが汚染される可能性が減少し、結果的に感染率を減らすことができる。関節の摺動面周囲やプレートやスクリュー、ネイルなどの骨折内固定材料、脊椎手術用椎体スペーサー、instrumentation用材料などの表面を酸化チタン光触媒被膜を有するチタンで形成した場合、感染を起こした場合にも細いファイバーで紫外線光(可視光応答型酸化チタン光触媒を用いた場合は可視光)を金属表面まで導入するか創を解放として紫外線(あるいは可視光)照射することで内固定材料を抜去せずに感染症の治療が可能となる。
以下、実施例に基づき、本発明をより詳細に説明する。
感染予防効果の検討1
本発明に係る医療用具・被覆材の感染予防効果を検証するために、菌数測定フィルム密着法を用いてその抗菌効果を検討した。本発明の実験用モデルとして、板状のチタニスター(Titanystar 登録商標)MI-C(有限会社イールド製)を用いた。チタニスターは純チタンを表面処理することによって製造されており、純チタン表面に酸化チタン光触媒被膜が境界面なく形成されている。比較には無処理の純チタンプレートを用いた。
本発明に係る医療用具・被覆材の感染予防効果を検証するために、菌数測定フィルム密着法を用いてその抗菌効果を検討した。本発明の実験用モデルとして、板状のチタニスター(Titanystar 登録商標)MI-C(有限会社イールド製)を用いた。チタニスターは純チタンを表面処理することによって製造されており、純チタン表面に酸化チタン光触媒被膜が境界面なく形成されている。比較には無処理の純チタンプレートを用いた。
「菌数測定フィルム密着法」
試料:酸化チタン光触媒プレート(チタニスターMI-C)
純チタンプレート(無処理)
形状:5cm×5cmの板状(厚さ1mm)
菌液: 105CFU入りに調整したMRSA
実験手順
アルコール洗浄し、プレ照射を1時間施行して滅菌した純チタンプレート、光触媒プレートをそれぞれシャーレ上に1枚ずつ並べ、中央に0.2mlの菌液を滴下した。LDPE(low density polyethylene)フィルムで菌液ごとプレート上下を覆い、菌液の乾燥を防いだ。15Wのブラックライトで3cm上方(プレート表面の紫外線強度1.1mW/cm2)から照射を行い、25度の温度条件下でシャーレを静置した。所定時間だけ紫外線照射を行い、試料表面の菌液を滅菌生理食塩水で洗浄して洗い出し、希釈した。希釈液の内0.1mlを採取し、寒天培地に植菌の上24時間後のコロニー形成をカウントした。菌液の採取は30分、60分、120分、180分後にそれぞれ行った。光を照射せずに同様の手順を経たものを作成し、回収率が0.8〜1.1の場合を信頼できるデータとして採用し、各時間につき6つのシャーレからデータを得た(N=6)。酸化チタン光触媒プレートも純チタンプレートも置かずにLDPEフィルムで細菌を覆い、光照射したものをコントロールとした。
実験の全結果を表1に、平均値を表2及び図1に示す。表中、初期値とはプレートに滴下時の菌液のCFU値である。
試料:酸化チタン光触媒プレート(チタニスターMI-C)
純チタンプレート(無処理)
形状:5cm×5cmの板状(厚さ1mm)
菌液: 105CFU入りに調整したMRSA
実験手順
アルコール洗浄し、プレ照射を1時間施行して滅菌した純チタンプレート、光触媒プレートをそれぞれシャーレ上に1枚ずつ並べ、中央に0.2mlの菌液を滴下した。LDPE(low density polyethylene)フィルムで菌液ごとプレート上下を覆い、菌液の乾燥を防いだ。15Wのブラックライトで3cm上方(プレート表面の紫外線強度1.1mW/cm2)から照射を行い、25度の温度条件下でシャーレを静置した。所定時間だけ紫外線照射を行い、試料表面の菌液を滅菌生理食塩水で洗浄して洗い出し、希釈した。希釈液の内0.1mlを採取し、寒天培地に植菌の上24時間後のコロニー形成をカウントした。菌液の採取は30分、60分、120分、180分後にそれぞれ行った。光を照射せずに同様の手順を経たものを作成し、回収率が0.8〜1.1の場合を信頼できるデータとして採用し、各時間につき6つのシャーレからデータを得た(N=6)。酸化チタン光触媒プレートも純チタンプレートも置かずにLDPEフィルムで細菌を覆い、光照射したものをコントロールとした。
実験の全結果を表1に、平均値を表2及び図1に示す。表中、初期値とはプレートに滴下時の菌液のCFU値である。
表2に示すように、酸化チタン光触媒プレートではその表面の細菌を10万個以上という量にもかかわらず30分で1/4以下に、60分で2000個台へと激減し、無処理の純チタンプレートと明らかな差を示した。この結果から、本発明にかかる医療用具および被覆材を用いれば細菌の定着(colonization)自体が予防でき、感染の発症予防に有効であることが分かった。
感染予防効果の検討2
菌液として104CFU入りに調整したMRSAを用い、実施例1と同じ手順で実験を行った。観察は30分、60分、120分後に行った。各時間のデータ数は6とした(N=6)。また、光を照射せず同様の手順で実験を行い、光照射しなかった場合の光触媒プレートの抗菌効果を検討した。全結果を表3に、平均値を表4及び図2に示す。表及び図中、暗条件・コントロールとは、光触媒プレートも純チタンプレートも置かずにLDPEフィルムで細菌を覆い、光照射しなかったものを指す。
菌液として104CFU入りに調整したMRSAを用い、実施例1と同じ手順で実験を行った。観察は30分、60分、120分後に行った。各時間のデータ数は6とした(N=6)。また、光を照射せず同様の手順で実験を行い、光照射しなかった場合の光触媒プレートの抗菌効果を検討した。全結果を表3に、平均値を表4及び図2に示す。表及び図中、暗条件・コントロールとは、光触媒プレートも純チタンプレートも置かずにLDPEフィルムで細菌を覆い、光照射しなかったものを指す。
表4に示すように、光触媒プレートは紫外線照射時には60分でその表面の細菌をほぼ死滅させ、120分時には細菌は検出不可能となったが、紫外線を照射しなかった場合は60分時には細菌数半減に留まり、120分時には、細菌が再び増加していた。この結果から、本発明にかかる医療用具および被覆材が抗菌効果を有効に発揮するためには、光照射が必要であることが分かった。
感染予防効果の検討3
ブラックライトの照射位置を5cm(表面紫外線強度0.65mW/cm2)および10cm上方 (表面紫外線強度0.40mW/cm2) に変更して、実施例1と同じ手順で実験を行った。観察は30分、60分、120、180分後に行った。各時間のデータ数は6とした(N=6)。全結果を表5および表6に、平均値を表7および表8に示す。
また、プレート表面の紫外線強度と菌の生存率を表9にまとめた
ブラックライトの照射位置を5cm(表面紫外線強度0.65mW/cm2)および10cm上方 (表面紫外線強度0.40mW/cm2) に変更して、実施例1と同じ手順で実験を行った。観察は30分、60分、120、180分後に行った。各時間のデータ数は6とした(N=6)。全結果を表5および表6に、平均値を表7および表8に示す。
また、プレート表面の紫外線強度と菌の生存率を表9にまとめた
表9に示すように、ブラックライトとの距離が広がり、光触媒プレート表面の紫外線強度が小さくなるにつれ、各時間における菌の生存率は高くなり、殺菌効果が緩やかになることが分かった。しかし、距離を離しても(紫外線強度が落ちても)全体の傾向は変わらず、光触媒プレート上の細菌数は60分以降も確実に減少し続け、120分後にはほぼ0になった。これに対し、純チタンプレート及びコントロールにおける細菌数は経時的な変化が一定せず、減少がごくゆるやかになるか若しくは増加する傾向を示した。この結果から、光触媒プレート表面の紫外線強度を0.40mW/cm2まで弱めても、数時間以内で十分な殺菌効果が得られることが分かった。
感染予防効果の検討4
グラム陰性桿菌の代表として105CFU入りに調整した緑膿菌を菌液として用い、ブラックライトの照射位置を3cm (表面紫外線強度1.1mW/cm2) とし、実施例1と同じ手順で実験を行った。観察は30分、60分、120、180分後に行った。各時間のデータ数は6とした(N=6)。全結果を表10に、平均値を表11および図3に示す。
グラム陰性桿菌の代表として105CFU入りに調整した緑膿菌を菌液として用い、ブラックライトの照射位置を3cm (表面紫外線強度1.1mW/cm2) とし、実施例1と同じ手順で実験を行った。観察は30分、60分、120、180分後に行った。各時間のデータ数は6とした(N=6)。全結果を表10に、平均値を表11および図3に示す。
表11に示すように、代表的なグラム陰性桿菌である緑膿菌を用いて実験を行った場合も、酸化チタン光触媒プレートは十分な殺菌効果を示し、その表面の20万個近い緑膿菌を30分で1/3以下に、60分で5000個台へと激減させ、無処理の純チタンプレートと明らかな差を示した。この結果から、本発明にかかる医療用具および被覆材が、菌の種類にかかわらず十分な殺菌効果を示すことが分かった。
対象との距離と紫外線強度の関係を調べるため、紫外線計を用いて照射距離と紫外線強度の関係を調べた。試験は、40Wブラックライトを用い、紫外線計との垂直距離と紫外線強度の関係を調べた。結果を表12及び図4に示す。
太陽光の紫外線強度は夏で2−3mW/cm2であるため、40Wのブラックライトを用いた場合には、50mm以上の距離を開ければ、太陽光以上の紫外線を患者に照射せず治療を行うことができることが分かった。
in vivoにおける安全性の検討
本発明に係る医療用具及び被覆材の安全性を検証するために、創外固定用ピンモデルを作成し、動物実験でその安全性を調べた。
本発明に係る医療用具及び被覆材の安全性を検証するために、創外固定用ピンモデルを作成し、動物実験でその安全性を調べた。
12週齢のSDラットの右下腿部皮下にチタニスターMI-Cからなるピン、左下腿部皮下に純チタン(無処理)からなるピンを挿入したモデル(以下、モデル1とする)を作成し、当日から連日14日間40Wのブラックライトを5cmの距離から埋没部に垂直に照射した。紫外線強度は皮膚表面で約3mW/cm2に該当し、これは夏の屋外での紫外線強度に相当する。
同様にラットの右下腿にチタニスターMI-Cからなるピン、左下腿に純チタン(無処理)からなるピンを骨に垂直に貫通して刺入したモデル(以下、モデル2とする)を作成し、同じ条件で紫外線を照射した。
さらに、モデル1と同様に作成したモデル(以下、モデル3とする)を1ヵ月、2ヵ月、3ヵ月間それぞれ飼育し、期間終了後にこれらの組織学的検討を行った。
同様にラットの右下腿にチタニスターMI-Cからなるピン、左下腿に純チタン(無処理)からなるピンを骨に垂直に貫通して刺入したモデル(以下、モデル2とする)を作成し、同じ条件で紫外線を照射した。
さらに、モデル1と同様に作成したモデル(以下、モデル3とする)を1ヵ月、2ヵ月、3ヵ月間それぞれ飼育し、期間終了後にこれらの組織学的検討を行った。
2週間後にモデル1およびモデル2のラットを安楽死させ、ピン周囲組織の組織学的検討を行った。
組織学的にはピン周囲に軽度の炎症細胞の浸潤を認めたが、これは純チタンと酸化チタン光触媒の間で明らかな差はなく、異物に対する反応と考えられた。また、酸化チタン光触媒周囲の細胞、組織に壊死は見られず、少なくとも組織学的には酸化チタン光触媒表面に発生する活性酸素種による影響はないと考えられる。
また、モデル3で1ヵ月、2ヵ月、3ヵ月と長期間埋没後の周囲組織への影響を検討したが、これにおいても周囲への炎症細胞の浸潤のみで、明らかな壊死像など周囲組織への悪影響は見られなかった。
組織学的にはピン周囲に軽度の炎症細胞の浸潤を認めたが、これは純チタンと酸化チタン光触媒の間で明らかな差はなく、異物に対する反応と考えられた。また、酸化チタン光触媒周囲の細胞、組織に壊死は見られず、少なくとも組織学的には酸化チタン光触媒表面に発生する活性酸素種による影響はないと考えられる。
また、モデル3で1ヵ月、2ヵ月、3ヵ月と長期間埋没後の周囲組織への影響を検討したが、これにおいても周囲への炎症細胞の浸潤のみで、明らかな壊死像など周囲組織への悪影響は見られなかった。
以上の結果から、本発明に係る医療用具および被覆材を生体に用いた際の安全性を確認することができた。
Claims (5)
- 哺乳類の体内に一部あるいは全部を埋め込んで、あるいは哺乳類の体に接触させて用いられる医療用具であって、表面の一部あるいは全部がチタンで形成され、さらに該チタン表面の少なくとも一部に酸化チタン光触媒被膜が境界面なく形成されている、医療用具。
- 前記医療用具が、体内に挿入して用いられる金属材料である、請求項1に記載の医療用具。
- 前記医療用具がドレッシング材である、請求項1に記載の医療用具。
- 哺乳類の体内に一部あるいは全部を埋め込んで、あるいは哺乳類の体に接触させて用いられる医療用具の少なくとも一部を光触媒被膜で覆うためのチタン製被覆材であって、該被覆材表面の少なくとも一部に酸化チタン光触媒被膜が境界面なく形成されている、被覆材。
- 前記医療用具が、体内に挿入して用いられる金属材料である、請求項4に記載の被覆材。
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