JPWO2006109682A1 - 情報記録装置及び方法、記録制御用のコンピュータプログラム、並びに情報記録媒体 - Google Patents
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Abstract
情報記録装置(300)は、(i)レーザ光が透過する第1記録層(L0層)が記録済み状態である場合に良好な再生品質を取得可能な記録パワーを保持する一のレーザ光、又は(iv)第1記録層が未記録状態である場合に良好な再生品質を取得可能な記録パワーを保持する他のレーザ光によって、第2記録層(L1層)に第2情報を記録する記録手段(301等)と、第1記録層の一部を、所定のタイミングで、一又は他の状態にフォーマットするフォーマット手段(301、305等)と、フォーマットされた第1記録層の状態に基づいて、一又は他のレーザ光によって記録するように、記録手段を制御する制御手段(305等)とを備える。
Description
本発明は、例えば2層型のDVD、CD(Compact Disc)等の多層型の情報記録媒体に情報を記録するためのDVDレコーダ等の情報記録装置及び方法、記録制御用のコンピュータプログラム、並びに、情報記録媒体の技術分野に関する。
例えば、CD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)、CD−R(Compact Disc−Recordable)、DVD−ROM、DVD−R、DVD−RW、及び、DVD+R等の情報記録媒体では、特許文献1、2等に記載されているように、同一基板上に複数の記録層が積層、または貼り合わされてなる多層型若しくはデュアルレイヤ型の光ディスク等の情報記録媒体も開発されている。そして、このようなデュアルレイヤ型、即ち、2層型の光ディスクに記録を行う、DVDレコーダ等の情報記録装置では、レーザ光の照射側から見て最も手前側(即ち、光ピックアップに近い側)に位置する記録層(本願では適宜「L0層」と称する)に対して記録用のレーザ光を集光することで、L0層に対して情報を加熱などによる非可逆変化記録方式や書換え可能方式で記録する。他方、L0層等を介して、レーザ光の照射側から見てL0層の奥側(即ち、光ピックアップから遠い側)に位置する記録層(本願では適宜「L1層」と称する)に対して該レーザ光を集光することで、L1層に対して情報を加熱などによる非可逆変化記録方式や書換え可能方式で記録することになる。
このような2層型の光ディスクを構成するL1層に情報を記録する際には、例えば図15(a)に示されるように、記録済みのL0層を介してL1層に照射されたレーザ光の最適な記録パワーは、図15(c)の細線(白三角印)の放物線上におけるジッタ値が最小となる44.5(mW:ミリワット)である。他方、図15(b)に示されるように、記録済みのL0層とは光透過率の異なる未記録状態のL0層を介してL1層に照射されたレーザ光の最適な記録パワーは、図15(c)の太線(黒三角印)の放物線上におけるジッタ値が最小となる46(mW:ミリワット)であり、L1層の記録においてはL0層が記録されているか否かを考慮する必要性がある。これに対しては、例えば記録済みの状態のL0層を透過した記録用のレーザ光が照射されなければならないという、所謂、記録要件(Recording Order)を満たす記録方法が考案されている。具体的には、L0層を記録済みの状態にしてから、この記録済みのL0層に対応される最適な記録パワーを保持するレーザ光によって、L1層に情報が記録される。他方、L0層を未記録の状態にしておき、この未記録の状態のL0層に対応される最適な記録パワーを保持するレーザ光によって、L1層に情報が記録される。或いは、情報を記録予定のL1層の領域に対向されるL0層の領域が記録済みであるか否かを、例えばスペースビットマップ(SBM:Space Bit Map)等の管理情報に基づいて判断し、その判断に基づいて、L1層に情報が記録される。ここに、本願発明に係る「対向する」とは、第1記録層の一部と第2記録層の一部とが対応して相向き合っている、即ち、概ね同一の半径位置に存在する位置関係を意味するようにしてもよい。更に、偏心等の誤差も考慮した位置関係を意味するようにしてもよい。
しかしながら、上述した記録要件を満たす記録方法においては、L1層の記録領域に情報を記録するために、例えば、L0層を、例えば記録済みの状態にさせる等の各種処理によって実効的な記録動作を中断させなくてはならない。従って、記録制御処理が複雑になってしまい、記録制御処理の負荷を高めてしまうという技術的な問題点を有している。
或いは、上述した記録要件を満たす記録方法においては、情報を記録予定のL1層の記録領域に対向されるL0層の記録領域の状態が、例えば記録済みであるか否かを、例えばSBM等の管理情報に基づいて判断しつつ、L1層の記録領域に情報を記録するためのレーザ光の最適な記録パワーを動的に変化させなければならないため、記録制御処理が複雑になってしまい、記録制御処理への負荷を高めてしまうという技術的な問題点を有している。
本発明は、例えば上述した従来の問題点に鑑みなされたものであり、例えば複数の記録層を有する情報記録媒体に対しても、より効率的に情報の記録を行うことが可能であると共に、記録時間を短縮させることが可能である情報記録装置及び方法、コンピュータをこのような情報記録装置として機能させるコンピュータプログラム、並びに、情報記録媒体を提供することを課題とする。
(情報記録装置)
以下、本発明に係る情報記録装置について説明する。
以下、本発明に係る情報記録装置について説明する。
本発明の情報記録装置は上記課題を解決するために、第1情報を記録するための第1トラックが形成された第1記録層(L0層)、及び前記第1トラックに対応されると共に、第2情報を記録するための第2トラックが形成された第2記録層(L1層)を少なくとも備える情報記録媒体において、前記第1記録層(L0層)を透過したレーザ光によって、少なくとも前記第2記録層(L1層)に記録する情報記録装置であって、(i)前記レーザ光が透過する前記第1記録層(L0層)が一の状態(記録済み状態)である場合に良好な再生品質を取得可能な特性(記録パワー)を保持する一のレーザ光、又は(ii)前記レーザ光が透過する前記第1記録層が他の状態(未記録状態)である場合に良好な再生品質を取得可能な特性(記録パワー)を保持する他のレーザ光によって、少なくとも前記第2記録層(L1層)に前記第2情報を記録する記録手段と、少なくとも前記第1記録層(L0層)の一部を、所定のタイミング(媒体の挿入時や、記録動作と平行して)で、前記一の状態、又は前記他の状態にフォーマットするフォーマット手段と、フォーマットされた前記第1記録層(L0層)の状態に基づいて、前記一のレーザ光、又は前記他のレーザ光によって、少なくとも前記第2記録層(L1層)に前記第2情報を記録するように、前記記録手段を制御する制御手段とを備える。
本発明の情報記録装置によれば、制御手段の制御下で、記録手段によって、第1トラックが形成された、例えばL0層等の第1記録層に第1情報が記録される。概ね同様にして、この第1トラックに対応される第2トラックが形成された、例えばL1層等の第2記録層に第2情報が記録される。詳細には、第1記録層においては、第1情報を記録するために第1プリフォーマットアドレス情報が形成されていてもよい。第2記録層においては、第2情報を記録するために第2プリフォーマットアドレス情報が形成されていてもよい。尚、任意のタイミングで、且つ、任意の位置に第1情報、又は第2情報を記録するために、第1トラック、又は第2トラックには、例えばLPP(Land PrePit)等のプリフォーマットアドレス情報が形成されていてもよい。
特に、本発明によれば、少なくとも第2記録層(L1層)に対しては、記録手段によって、(i)レーザ光が透過する第1記録層が、例えば記録済み状態等の一の状態である場合に良好な再生品質を取得可能な、例えば記録パワー等の特性を保持する一のレーザ光によって、第2情報が記録される。他方、(ii)レーザ光が透過する第1記録層が、例えば未記録状態等の他の状態である場合に良好な再生品質を取得可能な特性を保持する他のレーザ光によって、第2情報が記録される。
加えて、フォーマット手段によって、少なくとも第1記録層(L0層)の一部が、所定のタイミングで、一の状態、又は他の状態にフォーマットされる。ここに、本願発明に係る「所定のタイミング」とは、光ディスク100が、情報記録再生装置に挿入されるタイミング等のフォーマットを行うに際して、利便性が高く且つ効率的なタイミングを意味するようにしてもよい。
そして、制御手段の制御下で、記録手段は、フォーマットされた第1記録層(L0層)の状態に基づいて、一のレーザ光、又は他のレーザ光によって、少なくとも、この第1記録層の一部に対向される第2記録層の記録領域において、第2情報を記録する。
この結果、少なくとも、第1記録層の一部に対向される第2記録層の記録領域において、良好な品質を確保しつつ第2情報を記録する際に、第1記録層を一の状態、又は他の状態に変化させる等の各種処理によって実効的な記録動作を中断させることなく、任意のタイミングで、且つ、任意の位置に、或いは、第1記録層への記録動作と連続させて、第2記録層に第2情報を記録することが可能となる。従って、記録制御処理をより簡便にさせ、高い負荷が記録制御処理に掛かるのを抑制させることも可能となる。
加えて、例えば記録済み状態の記録領域等の、一の状態、又は他の状態に予めフォーマットされた記録領域は、ファイナライズ処理の際に、ダミー情報(ダミーデータ)を記録する必要がない。従って、ファイナライズ処理の際に、ダミー情報を記録する必要のある記録領域の大きさを減少させる、或いは、ダミー情報を記録する必要のある記録領域を殆ど又は完全に無くすことが可能となる。
この結果、ファイナライズ処理に掛かる時間は、例えばコンテンツ情報等の実効的な情報を記録する記録時間と概ね等しくなるため、ファイナライズ処理に掛かる時間の大幅な短縮が可能となり、ユーザは、ファイナライズ処理において、より大きな快適性を体感することが可能となる。
本発明の情報記録装置の一の態様では、前記フォーマット手段は、前記一の状態、又は前記他の状態として、(i)前記第1記録層を、データエリアと同じ属性にすると共に、(ii)前記第1記録層に、ゼロ、又は所定の値を記録することで、少なくとも前記第1記録層をフォーマットする。
この態様によれば、フォーマット手段によって、的確に、且つ、迅速に、少なくとも第1記録層をフォーマットすることが可能となる。
本発明の情報記録装置の他の態様では、前記フォーマット手段は、前記一の状態、又は前記他の状態として、(iii)層間ジャンプの際の緩衝用エリアであると共に、ファイナライズ処理の際にダミー情報(ダミーデータ)を記録する必要のないミドルエリアと同じ属性にすることで、少なくとも前記第1記録層をフォーマットする。
この態様によれば、フォーマット手段によって、少なくとも第1記録層を、ミドルエリアと同じ属性にしつつ、適切にフォーマットすることが可能となる。従って、ファイナライズ処理の際に、少なくとも第1記録層において、ダミー情報を記録する必要のある記録領域の大きさを減少させる、或いは、ダミー情報を記録する必要のある記録領域を殆ど又は完全に無くすことが可能となる。
本発明の情報記録装置の他の態様では、前記フォーマット手段は、前記一の状態、又は前記他の状態として、ファイナライズ処理の際にダミー情報を記録する必要のないリードアウトエリアと同じ属性にすることで、少なくとも前記第2記録層をフォーマットする。
この態様によれば、フォーマット手段によって、少なくとも第2記録層を、リードアウトエリアと同じ属性にしつつ、適切にフォーマットすることが可能となる。従って、ファイナライズ処理の際に、少なくとも第2記録層において、ダミー情報を記録する必要のある記録領域の大きさを減少させる、或いは、ダミー情報を記録する必要のある記録領域を殆ど又は完全に無くすことが可能となる。
本発明の情報記録装置の他の態様では、前記フォーマット手段は、(i)ユーザによる指示に応答して、又は(ii)記録動作と平行して、少なくとも、前記第1記録層又は前記第2記録層をフォーマットする。
この態様によれば、任意のタイミングで、第1記録層、又は第2記録層をフォーマットすることが可能となる。
本発明の情報記録装置の他の態様では、前記情報記録媒体は、フォーマットされた少なくとも前記第1記録層に関する管理情報(RMD:フラグや位置情報)を記録可能な管理情報記録エリア(RMA)を有し、前記管理情報記録エリアに記録された前記管理情報を取得する取得手段を更に備え、前記制御手段は、取得された前記管理情報に基づいて、前記記録手段を制御する。
この態様によれば、制御手段の制御下で、記録手段によって、取得された管理情報に基づいて、適切に、且つ、的確に、第1記録層、又は第2記録層に対して、記録動作を行うことが可能となる。
上述した制御手段に係る態様では、前記制御手段は、取得された前記管理情報に含まれる、(i)少なくとも前記第1記録層が、フォーマットされているか否かを示すフラグ情報、及び(ii)少なくとも前記第1記録層において、フォーマットされている位置を示すアドレス情報のうち少なくとも一つに基づいて、前記記録手段を制御するように構成してもよい。
このように構成すれば、制御手段の制御下で、記録手段によって、取得された管理情報に含まれる、フラグ情報、又はアドレス情報に基づいて、適切に、且つ、的確に、第1記録層、又は第2記録層に対して、記録動作を行うことが可能となる。
更に、上述した制御手段に係る態様では、取得された前記管理情報を記憶する記憶手段と、記憶された前記管理情報を更新する更新手段とを更に備え、前記制御手段は、更新された前記管理情報を前記管理情報記録エリアに記録するように、前記記録手段を制御するように構成してもよい。
このように構成すれば、制御手段の制御下で、記録手段によって、更新された最新の管理情報が記録される。従って、次回の動作において、最新の管理情報に基づいて、適切に、且つ、的確に、第1記録層、又は第2記録層に対して、記録動作を行うことが可能となる。
(情報記録方法)
以下、本発明に係る情報記録方法について説明する。
以下、本発明に係る情報記録方法について説明する。
本発明の情報記録方法は上記課題を解決するために、第1情報を記録するための第1トラックが形成された第1記録層(L0層)、及び前記第1トラックに対応されると共に、第2情報を記録するための第2トラックが形成された第2記録層(L1層)を少なくとも備える情報記録媒体において、前記第1記録層(L0層)を透過したレーザ光によって、少なくとも前記第2記録層(L1層)に記録する情報記録装置における情報記録方法であって、(i)前記レーザ光が透過する前記第1記録層(L0層)が一の状態(記録済み状態)である場合に良好な再生品質を取得可能な特性(記録パワー)を保持する一のレーザ光、又は(ii)前記レーザ光が透過する前記第1記録層が他の状態(未記録状態)である場合に良好な再生品質を取得可能な特性(記録パワー)を保持する他のレーザ光によって、少なくとも前記第2記録層(L1層)に前記第2情報を記録する記録工程と、少なくとも前記第1記録層(L0層)の一部を、所定のタイミング(媒体の挿入時や、記録動作と平行して)で、前記一の状態、又は前記他の状態にフォーマットするフォーマット工程と、フォーマットされた前記第1記録層(L0層)の状態に基づいて、前記一のレーザ光、又は前記他のレーザ光によって、少なくとも前記第2記録層(L1層)に前記第2情報を記録するように、前記記録工程を制御する制御工程とを備える。
本発明の情報記録方法によれば、上述した本発明の情報記録装置が有する各種利益を享受することが可能となる。
尚、上述した本発明の情報記録装置が有する各種態様に対応して、本発明の情報記録方法も各種態様を採ることが可能である。
(コンピュータプログラム)
以下、本発明に係るコンピュータプログラムについて説明する。
以下、本発明に係るコンピュータプログラムについて説明する。
本発明の記録制御用のコンピュータプログラムは上記課題を解決するために、上述した本発明の情報記録装置(但し、その各種態様を含む)に備えられたコンピュータを制御する記録制御用のコンピュータプログラムであって、該コンピュータを、前記記録手段、前記フォーマット手段、及び、前記制御手段のうち少なくとも一部として機能させる。
本発明に係るコンピュータプログラムによれば、当該コンピュータプログラムを格納するROM、CD−ROM、DVD−ROM、ハードディスク等の記録媒体から、当該コンピュータプログラムをコンピュータに読み込んで実行させれば、或いは、当該コンピュータプログラムを、通信手段を介してコンピュータにダウンロードさせた後に実行させれば、上述した本発明の情報記録装置を比較的簡単に実現できる。
尚、上述した本発明の情報記録装置における各種態様に対応して、本発明のコンピュータプログラムも各種態様を採ることが可能である。
コンピュータ読取可能な媒体内のコンピュータプログラム製品は上記課題を解決するために、上述した本発明の情報記録装置(但し、その各種態様を含む)に備えられたコンピュータにより実行可能なプログラム命令を明白に具現化し、該コンピュータを、前記記録手段、前記フォーマット手段、及び、前記制御手段のうち少なくとも一部として機能させる。
本発明のコンピュータプログラム製品によれば、当該コンピュータプログラム製品を格納するROM、CD−ROM、DVD−ROM、ハードディスク等の記録媒体から、当該コンピュータプログラム製品をコンピュータに読み込めば、或いは、例えば伝送波である当該コンピュータプログラム製品を、通信手段を介してコンピュータにダウンロードすれば、上述した本発明の情報記録装置を比較的容易に実施可能となる。更に具体的には、当該コンピュータプログラム製品は、上述した本発明の情報記録装置として機能させるコンピュータ読取可能なコード(或いはコンピュータ読取可能な命令)から構成されてよい。
(情報記録媒体)
以下、本発明に係る情報記録媒体について説明する。
以下、本発明に係る情報記録媒体について説明する。
本発明の情報記録媒体は上記課題を解決するために、第1情報を記録するための第1トラックが形成された第1記録層と、前記第1記録層を透過したレーザ光によって第2情報を記録可能であると共に、前記第1トラックに対応した第2トラックが形成された第2記録層とを少なくとも備え、少なくとも前記第1記録層の一部は、前記レーザ光によって記録された前記第2情報における再生品質を良好とならしめる前記レーザ光の特性(記録パワー)に対応した所定の状態にフォーマットされている。
本発明の情報記録媒体によれば、第1記録層に形成された、例えばLPP(Land Pre Pit)等のアドレス情報やクロック情報を読み出し可能な第1トラックに沿って、第1情報が記録される。と同時に又は相前後して、第2記録層に形成された、例えばLPP等のアドレス情報やクロック情報を読み出し可能な第2トラックに沿って、第2情報が記録される。詳細には、第1トラックは、情報記録媒体に備えられた、例えばディスク状の基板の内周側及び外周側のうち一方側から他方側へと向かい、これとは逆に、第2トラックは、他方側から一方側へと向かうように構成してもよい。即ち、当該2層型或いは多層型の情報記録媒体では、記録のためのトラックが2つの記録層の間で逆方向を向いている「オポジット方式」による連続記録が可能とされる。従って、第1記録層の終了端に続いて第2記録層の開始端へと、記録を連続的に行うようにすれば、情報に係る記録処理或いは再生処理の対象としての記録層を切り換える際に、基板面内におけるレーザ光の照射位置を半径方向に殆ど又は全く変えないで済むので、迅速な層間ジャンプ(即ち、層間切替動作)が可能となる。これは、例えば映画などの連続した記録情報を記録する際に、記録層の切り換えのために特別なバッファ機能を必要とすることなく、途切れのない再生を行うことが容易となるという意味で、実践上大変便利である。
或いは、また、第1トラックは、前述した内周側及び外周側のうち一方側から他方側へと向かい、第2トラックも、第1トラックと同様に、一方側から他方側へと向かうように構成してもよい。即ち、当該二層型或いは多層型の情報記録媒体では、トラックが二つの記録層の間で同一方向を向いている「パラレル方式」による連続記録が可能とされる。このパラレル方式では、第1記録層における記録又は再生が終了されると、第2記録層における記録又は再生が開始される時に、例えば、光ディスクの最外周にある光ピックアップが再度、最内周へ向かって移動する必要があるため、前述したオポジット方式と比較して、第1記録層から第2記録層への切り換え時間がその分だけ掛かってしまう。
特に、本発明によれば、少なくとも第1記録層の一部が、例えば当該情報記録媒体の製造時に、所定の状態にフォーマットされている。従って、前述した情報記録装置によって、フォーマットされた第1記録層の一部における、例えば記録済み状態等の所定の状態に基づいて、例えば良好な再生品質を取得可能な最適な記録パワーを保持するレーザ光によって、少なくとも、この第1記録層の一部に対向される第2記録層の記録領域において、第2情報が記録される。
この結果、少なくとも、第1記録層の一部に対向される第2記録層の記録領域において、良好な品質を確保しつつ第2情報を記録する際に、第1記録層を所定の状態に変化させる等の各種処理によって実効的な記録処理を中断させることなく、任意のタイミングで、且つ、任意の位置に、或いは、第1記録層への記録処理と連続させて、第2記録層に第2情報が記録されることが可能となる。従って、記録制御処理がより簡便にされ、高い負荷が記録制御処理に掛かるのを抑制させることも可能となる。
加えて、例えば記録済み状態の記録領域等の、所定の状態に予めフォーマットされた記録領域は、ファイナライズ処理の際に、ダミー情報(ダミーデータ)を記録する必要がない。従って、ファイナライズ処理の際に、ダミー情報を記録する必要のある記録領域の大きさを減少させる、或いは、ダミー情報を記録する必要のある記録領域を殆ど又は完全に無くすことが可能となる。
この結果、ファイナライズ処理に掛かる時間は、例えばコンテンツ情報等の実効的な情報を記録する記録時間と概ね等しくなるため、ファイナライズ処理に掛かる時間の大幅な短縮が可能となり、ユーザは、ファイナライズ処理において、より大きな快適性を体感することが可能となる。
本発明の情報記録媒体の一の態様では、前記第1記録層、及び前記第2記録層のうち少なくとも一方は、フォーマットされた少なくとも前記第1記録層に関する管理情報(フラグや位置情報)を記録可能な管理情報記録エリアを有する。
この態様によれば、前述した情報記録装置によって、管理情報記録エリアから取得された管理情報に基づいて、適切に、且つ、的確に、第1記録層、又は第2記録層に対して、記録動作を行うことが可能となる。
本発明の情報記録媒体の他の態様では、前記第1記録層、及び前記第2記録層においては、所定ブロック(ECCブロック)の単位で、第1情報、又は第2情報が記録され、前記所定ブロックには、データエリアの属性、リードアウトエリアの属性、又は、ミドルエリアの属性であることを示す情報が保持される。
この態様によれば、前述した情報記録装置によって、ミドルエリアと同じ属性、又はリードアウトエリアと同じ属性であることを示す情報に基づいて、第1記録層、又は第2記録層が、所定の状態にフォーマットされていることを識別することが可能となる。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施例から明らかにされる。
以上説明したように、本発明の情報記録装置及び方法によれば、記録手段及び工程、フォーマット手段及び工程、並びに、制御手段及び工程を備える。よって、少なくとも、第1記録層の一部に対向される第2記録層の記録領域において、良好な品質を確保しつつ第2情報を記録する際に、第1記録層を一の状態、又は他の状態に変化させる等の各種処理によって実効的な記録動作を中断させることなく、任意のタイミングで、且つ、任意の位置に、或いは、第1記録層への記録動作と連続させて、第2記録層に第2情報を記録することが可能となる。従って、記録制御処理をより簡便にさせ、高い負荷が記録制御処理に掛かるのを抑制させることも可能となる。加えて、例えば記録済み状態の記録領域等の、一の状態、又は他の状態に予めフォーマットされた記録領域は、ファイナライズ処理の際に、ダミー情報(ダミーデータ)を記録する必要がない。従って、ファイナライズ処理の際に、ダミー情報を記録する必要のある記録領域の大きさを減少させる、或いは、ダミー情報を記録する必要のある記録領域を殆ど又は完全に無くすことが可能となる。
また、本発明のコンピュータプログラムによれば、コンピュータを上述した本発明の情報記録装置として機能させるので、情報記録装置をして、任意のタイミングで、且つ、任意の位置に、或いは、第1記録層への記録動作と連続させて、第2記録層に第2情報を記録することが可能となる。従って、記録制御処理をより簡便にさせ、高い負荷が記録制御処理に掛かるのを抑制させることも可能となる。
更に、また、本発明の情報記録媒体によれば、少なくとも一部が所定の状態にフォーマットされている第1記録層と、第2記録層とを備える。よって、少なくとも、第1記録層の一部に対向される第2記録層の記録領域において、良好な品質を確保しつつ第2情報を記録する際に、第1記録層を一の状態、又は他の状態に変化させる等の各種処理によって実効的な記録動作を中断させることなく、任意のタイミングで、且つ、任意の位置に、或いは、第1記録層への記録動作と連続させて、第2記録層に第2情報を記録することが可能となる。従って、記録制御処理をより簡便にさせ、高い負荷が記録制御処理に掛かるのを抑制させることも可能となる。
100…光ディスク、101−0(101−1)…リードインエリア、102−0(102−1)…データエリア、103−0(103−1、103a−1)…リードアウトエリア、104−0(104a−0、104−1)…ミドルエリア、104s−0(104s−1)…Shiftedミドルエリア、105−0(105−1)…PCA、106−0(106−1)…RMA、300…情報記録再生装置、301…光ピックアップ、302…信号記録再生手段、305…CPU(ドライブ制御手段)、306…スピンドルモータ、307(402)…メモリ、308(406)…データ入出力制御手段、309(407)…バス、400…ホストコンピュータ、401…CPU(ホスト用)、403…操作制御手段、404…操作ボタン、405…表示パネル、LB…レーザ光
以下、本発明を実施するための最良の形態について実施例毎に順に図面に基づいて説明する。
(1)情報記録媒体の実施例
先ず、図1から図4を参照して、本発明の情報記録媒体の実施例について詳細に説明する。尚、本実施例に係る光ディスクにおいては、本願発明に係る「第1トラック」の一例を構成するL0層のトラックパスと、本願発明に係る「第2トラック」の一例を構成するL1層のトラックパスとが反対の記録方向であるオポジット方式が記録方式の一具体例として採用されている。
先ず、図1から図4を参照して、本発明の情報記録媒体の実施例について詳細に説明する。尚、本実施例に係る光ディスクにおいては、本願発明に係る「第1トラック」の一例を構成するL0層のトラックパスと、本願発明に係る「第2トラック」の一例を構成するL1層のトラックパスとが反対の記録方向であるオポジット方式が記録方式の一具体例として採用されている。
(1−1)基本構成
先ず図1を参照して、本発明の情報記録媒体の実施例に係る光ディスクの基本構造について説明する。ここに、図1は、本発明の情報記録媒体の実施例に係る複数の記録領域を有する光ディスクの基本構造を示した概略平面図(図1(a))、及び、該光ディスクの概略断面図に対応付けられた、その半径方向における記録領域構造の図式的概念図(図1(b))である。
先ず図1を参照して、本発明の情報記録媒体の実施例に係る光ディスクの基本構造について説明する。ここに、図1は、本発明の情報記録媒体の実施例に係る複数の記録領域を有する光ディスクの基本構造を示した概略平面図(図1(a))、及び、該光ディスクの概略断面図に対応付けられた、その半径方向における記録領域構造の図式的概念図(図1(b))である。
図1(a)及び図1(b)に示されるように、光ディスク100は、例えば、DVDと同じく直径12cm程度のディスク本体上の記録面に、センターホール1を中心として本実施例に係るリードインエリア101又はリードアウトエリア103、データエリア102、並びに、ミドルエリア104が設けられている。そして、光ディスク100の例えば、透明基板106に、L0層及びL1層等の記録層が積層されている。そして、この記録層の各記録領域には、例えば、センターホール1を中心にスパイラル状或いは同心円状に、例えば、グルーブトラック及びランドトラック等のトラック10が交互に設けられている。また、このトラック10上には、データがECCブロック11という単位で分割されて記録される。ECCブロック11は、記録情報がエラー訂正可能なデータ管理単位である。
尚、本発明は、このような三つのエリアを有する光ディスクには特に限定されない。例えば、リードインエリア101又はリードアウトエリア103、並びにミドルエリア104が存在せずとも、以下に説明するデータ構造等の構築は可能である。また、後述するように、リードインエリア101又はリードアウト103、並びにミドルエリア104は更に細分化された構成であってもよい。
本実施例に係る光ディスク100は、図1(b)に示されるように、例えば、透明基板106に、後述される本発明に係る第1及び第2記録層の一例を構成するL0層及びL1層が積層された構造をしている。このような二層型の光ディスク100の記録再生時には、図1(b)中、下側から上側に向かって照射されるレーザ光LBの集光位置をいずれの記録層に合わせるかに応じて、L0層における記録再生が行なわれるか又はL1層における記録再生が行われる。また、本実施例に係る光ディスク100は、2層片面、即ち、デュアルレイヤに限定されるものではなく、2層両面、即ちデュアルレイヤーダブルサイドであってもよい。更に、上述の如く2層の記録層を有する光ディスクに限られることなく、3層以上の多層型の光ディスクであってもよい。尚、2層型光ディスクにおけるオポジット方式による記録又は再生手順、並びに、各層におけるデータ構造については、後述される。
(1−2)詳細構成
次に、図2から図4を参照して、本発明の情報記録媒体の実施例に係る2層型光ディスクの詳細構成について説明する。より具体的には、図2から図4を参照して、2層型光ディスクのデータ構造、該光ディスクの記録領域におけるECCブロックを構成する物理的セクタ番号(以下、適宜「セクタ番号」と称す)、並びに、該光ディスクのオポジット方式による記録又は再生手順について説明する。ここに、図2は、本発明の情報記録媒体の実施例に係る2層型光ディスクのデータ構造及び該光ディスクの記録領域におけるECCブロックを構成する物理的セクタ番号並びに該光ディスクのオポジット方式による記録又は再生方法を示した一の概念的グラフである。図3は、本発明に係る「管理情報」の一例を構成するRMDに含まれる情報を示したテーブルである。図4は、本発明の情報記録媒体の実施例に係る2層型光ディスクのデータ構造及び該光ディスクの記録領域におけるECCブロックを構成する物理的セクタ番号並びに該光ディスクのオポジット方式による記録又は再生方法を示した他の概念的グラフである。尚、図2及び図4中の縦軸は、16進数で表現されたセクタ番号を示し、横軸は、光ディスクの半径方向の相対的な位置を示す。
次に、図2から図4を参照して、本発明の情報記録媒体の実施例に係る2層型光ディスクの詳細構成について説明する。より具体的には、図2から図4を参照して、2層型光ディスクのデータ構造、該光ディスクの記録領域におけるECCブロックを構成する物理的セクタ番号(以下、適宜「セクタ番号」と称す)、並びに、該光ディスクのオポジット方式による記録又は再生手順について説明する。ここに、図2は、本発明の情報記録媒体の実施例に係る2層型光ディスクのデータ構造及び該光ディスクの記録領域におけるECCブロックを構成する物理的セクタ番号並びに該光ディスクのオポジット方式による記録又は再生方法を示した一の概念的グラフである。図3は、本発明に係る「管理情報」の一例を構成するRMDに含まれる情報を示したテーブルである。図4は、本発明の情報記録媒体の実施例に係る2層型光ディスクのデータ構造及び該光ディスクの記録領域におけるECCブロックを構成する物理的セクタ番号並びに該光ディスクのオポジット方式による記録又は再生方法を示した他の概念的グラフである。尚、図2及び図4中の縦軸は、16進数で表現されたセクタ番号を示し、横軸は、光ディスクの半径方向の相対的な位置を示す。
図2に示されるように、本発明の情報記録媒体の実施例に係る2層型光ディスク100は、図示しない透明基板に積層された2層の記録層、即ち、L0層とL1層とを備えて構成されている。具体的には、L0層には、内周側から外周側にかけて、最適記録パワーの検出(較正処理:OPC:Optimum Power Control)のためのパワーキャリブレーションエリア105−0(以下適宜「PCA:Power Calibration Area」と称す)、レコーディングマネージメントエリア106−0(以下適宜「RMA:Recording Management Area」と称す)、リードインエリア101−0、データエリア102−0、及びミドルエリア104−0が設けられている。また、PCA105−0内の矢印は、較正処理のために記録領域が消費されていく方向を示している。
RMA106−0(後述される106−1)においては、本発明に係る「管理情報」の一例を構成するRMD(Recording Management Data)が記録可能である。詳細には、RMA106−0(106−1)においては、RMDが、約700回程度追記することが可能である。このRMA106−0(106−1)によって、本願発明に係る「管理情報記録エリア」の一例が構成されている。
RMDは、図3に示されるように、次の数種類の各種情報を記録するためのフィールドを保持するように構成してもよい。即ち、本発明に係る「フォーマット」に関する情報として、(i)L0層がフォーマット済みであることを示すフラグ、(ii)L1層がフォーマット済みであることを示すフラグ、(iii)例えばL0層におけるミドルエリアと同じ属性でフォーマットされた記録領域の開始位置、又は終了位置を示すアドレス、(iv)例えばL1層におけるリードアウトエリアと同じ属性でフォーマットされた記録領域の開始位置、又は終了位置を示すアドレスを記録するためのフィールドを保持するように構成してもよい。
加えて、(v)当該光ディスク100に対して、記録動作を行なった情報記録再生装置の識別番号情報、所謂、ドライブID情報(ドライブ識別情報)、(vi)ドライブIDによって指定された情報記録再生装置による較正処理の結果、検出された最適記録パワーの数値情報、(vii)未記録状態、例えばインクリメンタル記録方式等の記録方式、及び追記不可能であるファイナライズ処理が済んだ状態等を示すディスク状態情報を記録するためのフィールドを保持するように構成してもよい。
リードインエリア101−0には、コントロールデータゾーンCDZが設けられている。このコントロールデータゾーンCDZには、例えば記録層の数や記録トラックの方向やトラックピッチ等の各種情報が、例えばレーザ光等によってプリ記録される。データエリア102−0には、記録情報が記録可能である。ミドルエリア104−0は、L0層及びL1層に対する記録又は再生位置が未記録領域や基板外へ外れることを防止する基本機能を有するが、層間ジャンプの際に記録又は再生位置が未記録領域や基板外に外れることを防止する、言わば「ジャンプ緩衝用エリア」としての機能も有する。
他方、L1層には、外周側から内周側にかけて、ミドルエリア104−1、データエリア102−1、リードアウトエリア103−1、RMA106−1、及び、PCA105−1が設けられている。より詳細には、PCA105−0(105−1)、及びRMA106−0(106−1)を合わせて「Information Area」と称しても良い。また、上述したリードインエリア101−0(101−1)、データエリア102−0(102−1)、及びミドルエリア104−0(104−1)を合わせて「R-Information Area」と称しても良い。
特に、本実施例においては、例えば、上述したデータエリア102−0等が、後述される情報記録装置によって、例えば光ディスクの製造時等の所定のタイミングで、フォーマットされていてもよい。尚、このフォーマットの形態については、後述の「(2−3)第1実施例に係るフォーマットの形態」等において、詳細に説明される。
また、本実施例に係る光ディスク100においては、図4に示されるように、例えばインクリメンタル(Incremental)記録方式等において、記録情報のデータ量が光ディスクの全記録容量より比較的に少ない場合、データエリア102−0(102−1)の外周端を内周側に配置させるように構成してもよい。この場合、データエリア102−0(102−1)の外周端から外周側に向かう方向に、シフトミドルエリア104s−0(104s−1)を備えて構成してもよい。
以上のように2層型光ディスク100は構成されているので、該光ディスク100の記録又は再生の際には、後述される本発明の情報記録装置の一具体例に係る情報記録再生装置の光ピックアップ等によって、レーザ光LBは、図示しない基板の側から、即ち、図2及び図4中の下側から上側に向けて照射され、その焦点距離等が制御されると共に、光ディスク100の半径方向における移動距離及び方向が制御される。これにより、夫々の記録層にデータが記録され、又は、記録されたデータが再生される。
本発明の情報記録媒体の実施例に係る2層型光ディスクの記録又は再生手順として、オポジット方式が採用されている。ここに、オポジット方式とは、より詳細には、2層型光ディスクの記録又は再生手順として、後述される情報記録再生装置の光ピックアップが、L0層において、内周側から外周側へ向かって、即ち、図2及び図4中の矢印の右方向へ移動するのとは逆に、L1層においては、光ピックアップが外周側から内周側へ向かって、即ち、図2及び図4中の矢印の左方向へ移動することによって、2層型光ディスクにおける記録又は再生が行われる方式である。このオポジット方式では、L0層における記録又は再生が終了されると、L1層における記録又は再生が開始される時に、光ディスクの最外周にある光ピックアップが再度、最内周へ向かって移動する必要はなく、L0層からL1層への焦点距離だけを切り替えればよいため、L0層からL1層への切り替え時間がパラレル方式と比較して短いという利点があるため大容量のコンテンツ情報の記録には採用されている。
具体的には、図2のグラフ部分において示されるように、先ず、L0層において、光ピックアップがリードインエリア101−0、データエリア102−0及びミドルエリア104−0を内周側から外周側へ移動するにつれて光ディスク100の記録領域におけるセクタ番号は増加していく。より具体的には、光ピックアップが、セクタ番号が「02FFFFh」のリードインエリア101−0の終了位置(図2中のA地点を参照)、セクタ番号が「030000h」のデータエリア102−0の開始位置(図2中のB地点を参照)、セクタ番号が「1AFFFFh」のデータエリア102−0の終了位置(以下、適宜、L0層の「折り返し点」と称す:図2中のC地点を参照)に順次アクセスして、緩衝の役目を果たすミドルエリア104−0へと移動されることによって、L0層における記録又は再生が行われる。尚、本実施例において、「30000h」等の末尾の「h」とは16進数で表現されていることを示す。他方、L1層において、具体的には、光ピックアップがミドルエリア104−1、データエリア102−1及びリードアウトエリア103−1を外周側から内周側へ移動するにつれて光ディスク100の記録領域におけるセクタ番号は増加していく。より具体的には、光ピックアップが、緩衝の役目を果たすミドルエリア104−1、セクタ番号が「E50000h」のデータエリア102−1の開始位置(以下、適宜、L1層の「折り返し点」と称す:図2中のD地点を参照)、セクタ番号が「FCFFEFh」のデータエリア102−1の終了位置(図2中のE地点を参照)に順次アクセスして、リードアウトエリア103−1へと移動されることによって、L1層における記録又は再生が行われる。
以上説明したL0層とL1層とにおけるセクタ番号はすべて、16進数における15の補数の関係にある。より具体的には、例えば、L0層における折り返し点(セクタ番号「1AFFFFh」)とL1層における折り返し点(セクタ番号「E50000h」)は15の補数の関係にある。形式的には、「1AFFFFh」の補数は、16進数のセクタ番号「1AFFFFh」を2進数「000110101111111111111111」に変換してからビット反転(インバート:invert)「111001010000000000000000」させ、16進数「E50000h」に再変換させることによって求められる。
よって、コンテンツ等の記録情報は、例えば、L0層のデータエリア102−0のセクタ番号「030000h」から「1AFFFFh」及びL1層のデータエリア102−1のセクタ番号「E50000h」から「FCFFEFh」において、光ピックアップが連続して移動されると同時に記録又は再生される。
以上説明した物理的セクタ番号に対して、論理ブロックアドレス(LBA:Logical Block Address)が、1対1に割り付けられている。より具体的には、例えば、セクタ番号「030000h」には「000000」LBAが対応し、セクタ番号「1AFFFFh」には、「17FFFF」LBAが対応する。また、セクタ番号「E50000h」には、「180000」LBAが対応し、セクタ番号「FCFFEFh」には、「2FFFEF」LBAが対応する。よって、例えば、ホストコンピュータは、物理的セクタ番号に意識することなく、例えば、ファイルシステムによって管理された論理ブロックアドレスに従って記録及び再生動作を行うことが可能となる。
(2)情報記録装置の第1実施例
次に、図5から図8を参照して、本発明の情報記録装置の第1実施例について詳細に説明する。特に、本実施例は、本発明に係る情報記録装置を光ディスク用の情報記録再生装置に適用した例である。
次に、図5から図8を参照して、本発明の情報記録装置の第1実施例について詳細に説明する。特に、本実施例は、本発明に係る情報記録装置を光ディスク用の情報記録再生装置に適用した例である。
(2−1)基本構成
先ず、図5を参照して、本発明の情報記録装置に係る第1実施例における情報記録再生装置300及び、ホストコンピュータ400の基本構成について説明する。ここに、図5は、本発明の情報記録装置の実施例に係る情報記録再生装置、及び、ホストコンピュータの基本構成を示したブロック図である。尚、情報記録再生装置300は、光ディスク100に記録データを記録する機能と、光ディスク100に記録された記録データを再生する機能とを備える。
先ず、図5を参照して、本発明の情報記録装置に係る第1実施例における情報記録再生装置300及び、ホストコンピュータ400の基本構成について説明する。ここに、図5は、本発明の情報記録装置の実施例に係る情報記録再生装置、及び、ホストコンピュータの基本構成を示したブロック図である。尚、情報記録再生装置300は、光ディスク100に記録データを記録する機能と、光ディスク100に記録された記録データを再生する機能とを備える。
図5を参照して情報記録再生装置300の内部構成を説明する。情報記録再生装置300は、ドライブ用のCPU(Central Processing Unit)305の制御下で、光ディスク100に情報を記録すると共に、光ディスク100に記録された情報を読み取る装置である。
情報記録再生装置300は、光ディスク100、光ピックアップ301、信号記録再生手段302、アドレス検出部303、アドレス演算部304、CPU(ドライブ制御手段)305、スピンドルモータ306、メモリ307、データ入出力制御手段308、及びバス309を備えて構成されている。
また、ホストコンピュータ400は、CPU(ホスト制御手段)401、メモリ402、操作制御手段403、操作ボタン404、表示パネル405、データ入出力制御手段406、及びバス407を備えて構成される。
特に、情報記録再生装置300は、例えばモデム等の通信手段を備えたホストコンピュータ400を同一筐体内に収めることにより、外部ネットワークと通信可能となるように構成してもよい。或いは、例えばi−link等の通信手段を備えたホストコンピュータ400のCPU(ホスト制御手段)405が、データ入出力制御手段308、及びバス309を介して、直接情報記録再生装置300を制御することによって、外部ネットワークと通信可能となるように構成してもよい。
光ピックアップ301は光ディスク100への記録再生を行うもので、半導体レーザ装置とレンズから構成される。より詳細には、光ピックアップ301は、光ディスク100に対してレーザービーム等の光ビームを、再生時には読み取り光として第1のパワーで照射し、記録時には書き込み光として第2のパワーで且つ変調させながら照射する。
信号記録再生手段302は、光ピックアップ301とスピンドルモータ306とを制御することで光ディスク100に対して記録再生を行う。より具体的には、信号記録再生手段302は、例えば、レーザダイオードドライバ(LDドライバ)及びヘッドアンプ等によって構成されている。レーザダイオードドライバは、光ピックアップ301内に設けられた図示しない半導体レーザを駆動する。ヘッドアンプは、光ピックアップ301の出力信号、即ち、光ビームの反射光を増幅し、該増幅した信号を出力する。より詳細には、信号記録再生手段302は、OPC(Optimum Power Control)処理時には、CPU305の制御下で、図示しないタイミング生成器等と共に、OPCパターンの記録及び再生処理により最適なレーザパワーの決定が行えるように、光ピックアップ301内に設けられた図示しない半導体レーザを駆動する。特に、信号記録再生手段302は、光ピックアップ301と共に、本発明に係る「記録手段」の一例を構成する。
CPU(ドライブ制御手段)305は、バス309を介して、各種制御手段に指示を行うことで、情報記録再生装置300全体の制御を行う。また、CPU305が動作するためのソフトウェア又はファームウェアは、メモリ307に格納されている。特に、CPU305は、本発明に係る「制御手段」の一例を構成する。
スピンドルモータ306は光ディスク100を回転及び停止させるもので、光ディスクへのアクセス時に動作する。より詳細には、スピンドルモータ306は、図示しないサーボユニット等によりスピンドルサーボを受けつつ所定速度で光ディスク100を回転及び停止させるように構成されている。
メモリ307は、記録再生データのバッファ領域や、信号記録再生手段302で使用出来るデータに変換する時の中間バッファとして使用される領域など情報記録再生装置300におけるデータ処理全般及びOPC処理において使用される。また、メモリ307はこれらレコーダ機器としての動作を行うためのプログラム、即ちファームウェアが格納されるROM領域と、記録再生データの一時格納用バッファや、ファームウェアプログラム等の動作に必要な変数が格納されるRAM領域などから構成される。
データ入出力制御手段308は、情報記録再生装置300に対する外部からのデータ入出力を制御し、メモリ307上のデータバッファへの格納及び取り出しを行う。情報記録再生装置300と、SCSIやATAPI等のインターフェースを介して接続されている外部のホストコンピュータ400(以下、適宜ホストと称す)から発行されるドライブ制御命令は、当該データ入出力制御手段308を介してCPU305に伝達される。また、記録再生データも同様にして、当該データ入出力制御手段308を介して、ホストコンピュータ400に対して送受信される。
ホストコンピュータ400における、CPU(ホスト制御手段)401、メモリ402、データ入出力制御手段406、及びバス407は、これらに対応される、情報記録再生装置300内の構成要素と、概ね同様である。
特に、操作制御手段403は、ホストコンピュータ400に対する動作指示受付と表示を行うもので、例えば記録又は再生といった操作ボタン404による指示をCPU401に伝える。CPU401は、操作制御手段403からの指示情報を元に、データ入出力手段406を介して、情報記録再生装置300に対して制御命令(コマンド)を送信し、情報記録再生装置300全体を制御するように構成してもよい。同様に、CPU401は、情報記録再生装置300に対して、動作状態をホストに送信するように要求するコマンドを送信することができる。これにより、記録中や再生中といった情報記録再生装置300の動作状態が把握できるためCPU401は、操作制御手段403を介して蛍光管やLCDなどの表示パネル405に情報記録再生装置300の動作状態を出力することができる。
以上説明した、情報記録再生装置300とホストコンピュータ400を組み合わせて使用する一具体例は、映像を記録再生するレコーダ機器等の家庭用機器である。このレコーダ機器は放送受信チューナや外部接続端子からの映像信号をディスクに記録し、テレビなど外部表示機器にディスクから再生した映像信号を出力する機器である。メモリ402に格納されたプログラムをCPU401で実行させることでレコーダ機器としての動作を行っている。また、別の具体例では、情報記録再生装置300はディスクドライブ(以下、適宜ドライブと称す)であり、ホストコンピュータ400はパーソナルコンピュータやワークステーションである。パーソナルコンピュータ等のホストコンピュータとドライブはSCSIやATAPIといったデータ入出力制御手段308(406)を介して接続されており、ホストコンピュータにインストールされているライティングソフトウェア等のアプリケーションが、ディスクドライブを制御する。
(2−2)動作原理
次に、図6に加えて前述した図5を適宜参照して、本発明の情報記録装置の実施例に係る情報記録再生装置における動作原理について説明する。ここに、図6は、本発明の情報記録装置の実施例に係る情報記録再生装置による、フォーマット処理を含む記録動作、並びにファイナライズ処理を示したフローチャートである。
次に、図6に加えて前述した図5を適宜参照して、本発明の情報記録装置の実施例に係る情報記録再生装置における動作原理について説明する。ここに、図6は、本発明の情報記録装置の実施例に係る情報記録再生装置による、フォーマット処理を含む記録動作、並びにファイナライズ処理を示したフローチャートである。
図6に示されるように、光ディスク100が装着されると、CPU305等の制御手段の制御下で、光ピックアップ301や信号記録再生手段302等の読出手段によって、初期動作として、RMD等の管理情報が取得される(ステップS101)。
次に、CPU305等の制御手段の制御下で、取得されたRMD等の管理情報に基づいて、未記録状態の光ディスク100であるか否かが判定される(ステップS102)。ここで、光ディスク100が未記録状態である場合(ステップS102:Yes)、予め定められた初期状態のRMDが、RMA106−0(106−1)に記録される(ステップS103)。他方、ステップS102の判定の結果、光ディスク100が未記録状態でない場合(ステップS102:No)、RMA106−0(106−1)から、最新のRMDが取得される。
次に、CPU305等の制御手段の制御下で、取得されたRMD等の管理情報に基づいて、L0層は、フォーマット済みであるか否かが判定される(ステップS105)。ここで、L0層が、フォーマット済みである場合(ステップS105:Yes)、制御手段の制御下で、記録パワーは、例えば記録済みのL0層に対応した最適な記録パワーに設定される(ステップS106)。他方、L0層が、フォーマット済みでない場合(ステップS105:No)、制御手段の制御下で、更に、L0層を、フォーマットするか否かが判定される(ステップS107)。ここで、L0層を、フォーマットする場合(ステップS107:Yes)、制御手段の制御下で、L0層がフォーマットされる(ステップS108)。尚、このフォーマットについては、後述される「(2−3)第1実施例に係るフォーマットの形態」等において説明される。
他方、L0層を、フォーマットしない場合(ステップS107:No)、制御手段の制御下で、記録パワーは、例えば未記録のL0層に対応した最適な記録パワーに設定される(ステップS109)。
次に、制御手段の制御下で、設定された記録パワーで、例えばL1層において情報の記録が行われる(ステップS110)。
次に、CPU305等の制御手段の制御下で、ファイナライズ処理を行うか否かが判定される(ステップS111)。ここで、ファイナライズ処理を行う場合(ステップS111:Yes)、例えばRMD等の管理情報が、例えばメモリ等の記憶手段において更新される(ステップS111)。次に、制御手段の制御下で、更新されたRMD等の管理情報が、RMA106−0(106−1)に記録される(ステップS113)。次に、例えばダミーデータ等緩衝用データが、必要であれば、ファイナライズ処理のために、記録される(ステップS114)。尚、このファイナライズ処理については、後述される「(3−1)第2実施例に係るフォーマットの形態」等において説明される。
他方、上述したステップS111の判定の結果、ファイナライズ処理を行わない場合(ステップS111:No)、更に、制御手段の制御下で、光ディスクを排出するか否かが判定される(ステップS115)。ここで、光ディスクを排出する場合(ステップS115:Yes)、更に、制御手段の制御下で、光ディスク上のRMDは、最新の情報であるか否かが判定される(ステップS116)。ここで、光ディスク上のRMDは、最新の情報でない場合(ステップS116:No)、最新のRMDが、光ディスク上のRMAに記録される(ステップS117)。他方、光ディスク上のRMDは、最新の情報である場合(ステップS116:Yes)、ステップS117は省略される。他方、ステップS115の判定の結果、光ディスクを排出しない場合(ステップS115:No)、再度、前述したステップS105に戻る。
最後に、制御手段の制御下で、光ディスクの実際の排出動作が行われる(ステップS118)。
(2−3)第1実施例に係るフォーマットの形態
次に、図7及び図8を参照して、本発明の第1実施例に係るフォーマットの形態について説明する。ここに、図7は、本発明の第1実施例に係るフォーマットがなされた記録領域を図式的に示した模式図である。図8は、比較例に係る、フォーマットがなされていない記録領域を図式的に示した模式図である。
次に、図7及び図8を参照して、本発明の第1実施例に係るフォーマットの形態について説明する。ここに、図7は、本発明の第1実施例に係るフォーマットがなされた記録領域を図式的に示した模式図である。図8は、比較例に係る、フォーマットがなされていない記録領域を図式的に示した模式図である。
図7に示されるように、本発明の第1実施例に係るフォーマットの形態においては、例えば情報記録装置によって、少なくとも、L0層のデータエリア102−0の一部が、所定のタイミングで、フォーマットされる。ここに、本願発明に係る「フォーマット」とは、例えば情報記録装置によって、情報記録媒体の記録領域を、例えばデータエリアと同じ属性にさせると共に、当該記録領域に、「ゼロ」、又は「所定の値」を記録させることを意味してもよい。或いは、例えば情報記録装置によって、情報記録媒体の記録領域を、例えばミドルエリアと同じ属性やリードアウトエリアと同じ属性となるように、記録領域の属性を変化させることを意味してもよい。
また、本願発明に係る「所定のタイミング」とは、光ディスク100が、情報記録再生装置に挿入されるタイミング等のフォーマットを行うに際して、利便性が高く且つ効率的なタイミングを意味するようにしてもよい。例えば、光ディスク100に対する記録動作と平行して行われるタイミングでもよい。更に、例えば、ユーザによる指示に応答したタイミングでもよい。或いは、当該光ディスク100の製造時でもよい。
具体的には、図7に示されるように、例えばL0層のデータエリア102−0のうち「A点」までフォーマットされていれば、仮に、例えばL0層の「B点」までしか情報の記録が行われなかった場合でも、記録要件を満たしたレーザ光によって、任意のタイミングで、例えば記録予定の記録領域にあるL1層の「C点」において、情報を記録することが可能である。尚、L0層の「B点」までの情報の記録においては、予めフォーマットされている記録領域が、例えばデータエリアと同じ属性にされると共に、当該記録領域に、実効的な情報の記録が行われるようにしてもよい。また、本実施例におけるレーザ光の記録パワーは、当該レーザ光が記録済みのL0層を介してL1層に照射された場合の最適な記録パワーである。しかし、本発明においては、レーザ光の記録パワーは、当該レーザ光が記録済みのL0層とは光透過率の異なる未記録状態のL0層を介してL1層に照射された場合の最適な記録パワーであるようにしてもよいことは言うまでもない。
仮に、例えば情報記録装置によって、少なくとも、L0層のデータエリア102−0の一部がフォーマットされていない場合、図8に示されるように、L1層の「記録領域Cx」に情報を記録する際には、記録要件を満たすために、L0層の「記録領域Ax」を、例えば記録済み状態にさせなくてはならない。即ち、実効的な記録動作を一旦中断させなくてはならないので、記録制御処理が複雑になってしまい、記録制御処理の負荷を高めてしまう。
これに対して、第1実施例によれば、例えば情報記録装置によって、少なくともL0層の一部が、所定のタイミングで、フォーマットされる。そして、例えば情報記録装置によって、フォーマットされたL0層の状態に基づいて、L0層の一部に対向されるL1層の記録領域において、情報が記録される。
この結果、少なくとも、L0層の一部に対向されるL1層の記録領域において、情報を記録する際に、L0層を、例えば記録済み状態にさせる等の各種処理によって実効的な記録動作を中断させることなく、任意のタイミングで、且つ、任意の位置に、或いは、L0層への記録動作と連続させて、L1層に情報を記録することが可能となる。従って、記録制御処理をより簡便にさせ、高い負荷が記録制御処理に掛かるのを抑制させることも可能となる。
(3)情報記録装置の第2実施例
次に、図9から図11を参照して、本発明の情報記録装置に係る第2実施例について説明する。尚、第2実施例における基本構成、及び動作原理は、前述した第1実施例と概ね同様であるので説明を適宜省略する。
次に、図9から図11を参照して、本発明の情報記録装置に係る第2実施例について説明する。尚、第2実施例における基本構成、及び動作原理は、前述した第1実施例と概ね同様であるので説明を適宜省略する。
(3−1)第2実施例に係るフォーマットの形態
先ず、図9から図11を参照して、本発明の第2実施例に係るフォーマットの形態について説明する。ここに、図9は、本発明の第2実施例に係るフォーマットがなされた記録領域を図式的に示した模式図である。図10は、本発明の第2実施例に係るフォーマットがなされた記録領域の一部において情報が記録された場合の記録領域を図式的に示した模式図である。図11は、本発明の第2実施例に係るフォーマットがなされた記録領域においてファイナライズ処理がなされた場合の記録領域を図式的に示した模式図である。
先ず、図9から図11を参照して、本発明の第2実施例に係るフォーマットの形態について説明する。ここに、図9は、本発明の第2実施例に係るフォーマットがなされた記録領域を図式的に示した模式図である。図10は、本発明の第2実施例に係るフォーマットがなされた記録領域の一部において情報が記録された場合の記録領域を図式的に示した模式図である。図11は、本発明の第2実施例に係るフォーマットがなされた記録領域においてファイナライズ処理がなされた場合の記録領域を図式的に示した模式図である。
図9に示されるように、本発明の第2実施例に係るフォーマットの形態においては、例えば情報記録装置によって、(i)L0層のデータエリア102−0の全部、及び(ii)ミドルエリア104−0の全部が、所定のタイミングで、例えばミドルエリアの属性に統一されてフォーマットされる。
従って、図10に示されるように、仮に、L0層のデータエリア102−0の一部において情報が記録された後に、ファイナライズ処理が行われた場合、図11に示されるように、例えば「Null」等のダミーデータ(ダミー情報)が記録される。具体的には、先ず、L0層の記録済み状態の記録領域Baに対向される、L1層の記録領域Daは、例えばリードアウトエリアと同じ属性にされつつ、当該記録領域Daには、ダミーデータが記録される(図11中の「Step1」を参照)。次に、Shiftedミドルエリア104a−1が形成される(図11中の「Step2」を参照)。よって、このShiftedミドルエリア104a−1より外周側に位置するミドルエリア104−1等を、未記録状態、即ち、ミラー状態にさせておくことが可能となるので、ダミーデータを記録する必要がない。
上述したダミーデータが記録される記録領域Daについて一般的には、光ディスクのL0層の記録領域に対向するL1層の未記録の領域においては、コンテンツ情報等の実効的な記録情報に加えて、例えば「Null」等のダミーデータを記録する必要があることが知られている。何故ならば、一般のDVD−ROMドライブの再生動作時において、光ピックアップの層間フォーカスジャンプ(層間切換え)する際のトラッキングサーボが正常に制御され、ユーザデータが正常に再生されるためである。従って、実際のファイナライズ処理に掛かる時間は、コンテンツ情報等の実効的な記録情報の記録時間に加えて、ダミーデータの記録時間だけ長くなってしまう。
より詳細には、仮に、L1層の内周側が、例えば、ダミーデータが記録されずに未記録である場合、そこに光ピックアップが突入すると、RF再生信号が無いために、トラッキングサーボがはずれて、暴走してしまうからである。具体的には、例えば、DVD−ROMドライブの光ピックアップが、2層型光ディスクにおいて、L0層の所定のセクタ番号からL1層にある目的のセクタ番号にアクセスするために、先ず、L1層への焦点合わせ、即ち、層間フォーカスジャンプ(層間切換え)を行う。この場合、層間フォーカスジャンプした先のL1層のセクタ番号が未記録であると、光ピックアップは、例えば、位相差法によるトラッキングサーボの制御を行うことができずに、暴走してしまうのである。更に、より詳細には、位相差法が採用されているDVD−ROM再生専用ドライブの光ピックアップは、プッシュプル法が採用されているDVD−Rにおける未記録領域に対してはトラッキングサーボの制御が殆ど又は完全に不可能である。このことが、DVD−ROMドライブでDVD−Rを再生できない場合があることの一例であることも付記しておく。
再び、図11に戻る。
以上の結果、例えばL0層のデータエリア102−0の大部分の記録領域やミドルエリア104−0の全部の記録領域等の、予めフォーマットされた記録領域は、ファイナライズ処理の際に、ダミーデータを記録する必要がない。従って、ファイナライズ処理の際に、ダミーデータを記録する必要のある記録領域の大きさを減少させることが可能となる。
この結果、ファイナライズ処理に掛かる時間は、例えばコンテンツ情報等の実効的な情報を記録する記録時間により近づくため、ファイナライズ処理に掛かる時間の大幅な短縮が可能となり、ユーザは、ファイナライズ処理において、より大きな快適性を体感することが可能となる。
(4)情報記録装置の第3実施例
次に、図12から図14を参照して、本発明の情報記録装置に係る第3実施例について説明する。尚、第3実施例における基本構成、及び動作原理は、前述した第1実施例と概ね同様であるので説明を適宜省略する。
次に、図12から図14を参照して、本発明の情報記録装置に係る第3実施例について説明する。尚、第3実施例における基本構成、及び動作原理は、前述した第1実施例と概ね同様であるので説明を適宜省略する。
(4−1)第3実施例に係るフォーマットの形態
先ず、図12から図14を参照して、本発明の第3実施例に係るフォーマットの形態について説明する。ここに、図12は、本発明の第3実施例に係るフォーマットがなされた記録領域を図式的に示した模式図である。図13は、本発明の第3実施例に係るフォーマットがなされた記録領域の一部において情報が記録される共に、ファイナライズ処理がなされた場合の記録領域を図式的に示した模式図である。図14は、本発明の第3実施例に係るフォーマットがなされた記録領域の他部において情報が記録される共に、ファイナライズ処理がなされた場合の記録領域を図式的に示した模式図である。
先ず、図12から図14を参照して、本発明の第3実施例に係るフォーマットの形態について説明する。ここに、図12は、本発明の第3実施例に係るフォーマットがなされた記録領域を図式的に示した模式図である。図13は、本発明の第3実施例に係るフォーマットがなされた記録領域の一部において情報が記録される共に、ファイナライズ処理がなされた場合の記録領域を図式的に示した模式図である。図14は、本発明の第3実施例に係るフォーマットがなされた記録領域の他部において情報が記録される共に、ファイナライズ処理がなされた場合の記録領域を図式的に示した模式図である。
図12に示されるように、本発明の第3実施例に係るフォーマットの形態においては、例えば情報記録装置によって、(i)L0層のミドルエリア104a−0(所謂、データエリア102−0)、並びに(ii)ミドルエリア104−0及び104−1が、所定のタイミングで、例えばミドルエリアの属性とされつつ、フォーマットされる。加えて、(iii)L1層のリードアウトエリア103a−1(所謂、データエリア102−1)が、所定のタイミングで、例えばリードアウトエリアの属性とされつつ、フォーマットされる。
従って、図13に示されるように、仮に、L0層のデータエリア102−0において情報が記録された後に、ファイナライズ処理が行われた場合、ダミーデータを記録する必要が殆ど又は完全にない。具体的には、L0層におけるミドルエリア104a−0及び104−0、並びに、L1層におけるリードアウトエリア103a−1、及びミドルエリア104−1において、ダミーデータを記録する必要が殆ど又は完全にない。
他方、図14示されるように、仮に、L0層のデータエリア102−0、及びL1層のデータエリア102−1において情報が記録された後に、ファイナライズ処理が行われた場合、ダミーデータを記録する必要が殆ど又は完全にない。具体的には、L0層におけるミドルエリア104−0、並びに、L1層におけるリードアウトエリア103a−1、及びミドルエリア104−1において、ダミーデータを記録する必要が殆ど又は完全にない。
以上の結果、例えばL0層のミドルエリア104a−0、ミドルエリア104−0及び104−1、並びに、L1層のリードアウトエリア103a−1の記録領域等の、予めフォーマットされた記録領域は、ファイナライズ処理の際に、ダミーデータを記録する必要がない。従って、ファイナライズ処理の際に、ダミーデータを記録する必要のある記録領域を殆ど又は完全に無くすことが可能となる。
この結果、ファイナライズ処理に掛かる時間は、例えばコンテンツ情報等の実効的な情報を記録する記録時間により近づくため、ファイナライズ処理に掛かる時間の大幅な短縮が可能となり、ユーザは、ファイナライズ処理において、より大きな快適性を体感することが可能となる。
上述した実施例では、記録方式の一具体例として、オポジット方式について説明したが、本発明をパラレル方式等の他の記録方式に適用することも可能である。
また、上述した実施例では、情報記録媒体の一具体例として、例えば、2層型のDVD−RW又はDVD+RW等の書き換え型の光ディスクについて説明したが、本発明は、例えば、3層型等のマルチプルレイヤ型の光ディスクにも適用可能である。更に、ブルーレーザーを記録再生に用いるディスク等の他の高密度記録或いは高転送レート対応の各種の情報記録媒体にも適用可能である。
また、上述した実施例では、情報記録装置の一具体例として、例えば、DVD−RWレコーダー又はDVD+RWレコーダー等の書き換え用の情報記録再生装置に適用可能である。更に、ブルーレーザーを記録再生に用いるディスク等の他の高密度記録或いは高転送レート対応の各種の情報記録媒体用の情報記録再生装置にも適用可能である。
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う情報記録装置及び方法、記録制御用のコンピュータプログラム、並びに、情報記録媒体もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
本発明に係る情報記録装置及び方法、記録制御用のコンピュータプログラム、並びに情報記録媒体は、例えば2層型のDVD、CD(Compact Disc)等の多層型の情報記録媒体に利用可能であり、更にDVDレコーダ等の情報記録装置に利用可能である。また、例えば民生用或いは業務用の各種コンピュータ機器に搭載される又は各種コンピュータ機器に接続可能な情報記録装置等にも利用可能である。
Claims (13)
- 第1情報を記録するための第1トラックが形成された第1記録層、及び前記第1トラックに対応されると共に、第2情報を記録するための第2トラックが形成された第2記録層を少なくとも備える情報記録媒体において、前記第1記録層を透過したレーザ光によって、少なくとも前記第2記録層に記録する情報記録装置であって、
(i)前記レーザ光が透過する前記第1記録層が一の状態である場合に良好な再生品質を取得可能な特性を保持する一のレーザ光、又は(ii)前記レーザ光が透過する前記第1記録層が他の状態である場合に良好な再生品質を取得可能な特性を保持する他のレーザ光によって、少なくとも前記第2記録層に前記第2情報を記録する記録手段と、
少なくとも前記第1記録層の一部を、所定のタイミングで、前記一の状態、又は前記他の状態にフォーマットするフォーマット手段と、
フォーマットされた前記第1記録層の状態に基づいて、前記一のレーザ光、又は前記他のレーザ光によって、少なくとも前記第2記録層に前記第2情報を記録するように、前記記録手段を制御する制御手段と
を備えることを特徴とする情報記録装置。 - 前記フォーマット手段は、前記一の状態、又は前記他の状態として、(i)前記第1記録層を、データエリアと同じ属性にすると共に、(ii)前記第1記録層に、ゼロ、又は所定の値を記録することで、少なくとも前記第1記録層をフォーマットすることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の情報記録装置。
- 前記フォーマット手段は、前記一の状態、又は前記他の状態として、(iii)層間ジャンプの際の緩衝用エリアであると共に、ファイナライズ処理の際にダミー情報を記録する必要のないミドルエリアと同じ属性にすることで、少なくとも前記第1記録層をフォーマットすることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の情報記録装置。
- 前記フォーマット手段は、前記一の状態、又は前記他の状態として、ファイナライズ処理の際にダミー情報を記録する必要のないリードアウトエリアと同じ属性にすることで、少なくとも前記第2記録層をフォーマットすることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の情報記録装置。
- 前記フォーマット手段は、(i)ユーザによる指示に応答して、又は(ii)記録動作と平行して、少なくとも、前記第1記録層又は前記第2記録層をフォーマットすることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の情報記録装置。
- 前記情報記録媒体は、フォーマットされた少なくとも前記第1記録層に関する管理情報を記録可能な管理情報記録エリアを有し、
前記管理情報記録エリアに記録された前記管理情報を取得する取得手段を更に備え、
前記制御手段は、取得された前記管理情報に基づいて、前記記録手段を制御することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の情報記録装置。 - 前記制御手段は、取得された前記管理情報に含まれる、(i)少なくとも前記第1記録層が、フォーマットされているか否かを示すフラグ情報、及び(ii)少なくとも前記第1記録層において、フォーマットされている位置を示すアドレス情報のうち少なくとも一つに基づいて、前記記録手段を制御することを特徴とする請求の範囲第6項に記載の情報記録装置。
- 取得された前記管理情報を記憶する記憶手段と、
記憶された前記管理情報を更新する更新手段とを更に備え、
前記制御手段は、更新された前記管理情報を前記管理情報記録エリアに記録するように、前記記録手段を制御することを特徴とする請求の範囲第6項に記載の情報記録装置。 - 第1情報を記録するための第1トラックが形成された第1記録層、及び前記第1トラックに対応されると共に、第2情報を記録するための第2トラックが形成された第2記録層を少なくとも備える情報記録媒体において、前記第1記録層を透過したレーザ光によって、少なくとも前記第2記録層に記録する情報記録装置における情報記録方法であって、
(i)前記レーザ光が透過する前記第1記録層が一の状態である場合に良好な再生品質を取得可能な特性を保持する一のレーザ光、又は(ii)前記レーザ光が透過する前記第1記録層が他の状態である場合に良好な再生品質を取得可能な特性を保持する他のレーザ光によって、少なくとも前記第2記録層に前記第2情報を記録する記録工程と、
少なくとも前記第1記録層の一部を、所定のタイミングで、前記一の状態、又は前記他の状態にフォーマットするフォーマット工程と、
フォーマットされた前記第1記録層の状態に基づいて、前記一のレーザ光、又は前記他のレーザ光によって、少なくとも前記第2記録層に前記第2情報を記録するように、前記記録工程を制御する制御工程と
を備えることを特徴とする情報記録方法。 - 請求の範囲第1項に記載の情報記録装置に備えられたコンピュータを制御する記録制御用のコンピュータプログラムであって、該コンピュータを、前記記録手段、前記フォーマット手段、及び、前記制御手段のうち少なくとも一部として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
- 第1情報を記録するための第1トラックが形成された第1記録層と、
前記第1記録層を透過したレーザ光によって第2情報を記録可能であると共に、前記第1トラックに対応した第2トラックが形成された第2記録層と
を少なくとも備え、
少なくとも前記第1記録層の一部は、前記レーザ光によって記録された前記第2情報における再生品質を良好とならしめる前記レーザ光の特性に対応した所定の状態にフォーマットされていることを特徴とする情報記録媒体。 - 前記第1記録層、及び前記第2記録層のうち少なくとも一方は、フォーマットされた少なくとも前記第1記録層に関する管理情報を記録可能な管理情報記録エリアを有することを特徴とする請求の範囲第11項に記載の情報記録媒体。
- 前記第1記録層、及び前記第2記録層においては、所定ブロックの単位で、第1情報、又は第2情報が記録され、
前記所定ブロックには、データエリアの属性、リードアウトエリアの属性、又は、ミドルエリアの属性であることを示す情報が保持されることを特徴とする請求の範囲第11項に記載の情報記録媒体。
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