JPWO2006062207A1 - アミノ酸重合体組成物およびその用途 - Google Patents

アミノ酸重合体組成物およびその用途 Download PDF

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Abstract

【課題】 溶液状の組成物、特に水溶性で高いセット力を有する重合体およびそれを用いた毛髪処理剤を提供する。また、該組成物が増粘および/または起泡もしくは増泡し、保湿性を有し、これを毛髪に塗布したときに艶出し効果を有し、化粧料や外用剤を含有することができるアミノ酸重合体組成物を提供する。および皮膚刺激性が低く、使用感が良好で保湿効果を長時間持続させることができる保湿剤等の化粧料や外用剤を提供する。【解決手段】 分子内に一般式(1)で表される繰り返し単位を20モル%以上99モル%以下及び、一般式(2)で表される繰り返し単位を1モル%以上80モル%以下有する重合体(式中、Rはヘテロ原子を含んでもよい炭化水素基を表し、mは1又は2の整数を表し、nは1〜3から選択される整数である。)を含有するアミノ酸重合体または重合体組成物。これを用いた毛髪処理剤、化粧料または外用剤。【選択図】 なし

Description

本発明は、化粧品、香粧品基材等として有用なアミノ酸重合体に関する。特に水溶性で高いセット力を有する重合体およびそれを用いた毛髪処理剤に関する。または、アミノ酸重合体の溶液が増粘および/または起泡もしくは増泡作用を有し、その泡はきめ細かく高い強度を持ち、或いは保湿効果を示し、優れた整髪特性と高い生体適合性を同時に発現するアミノ酸重合体組成物に関する。
ポリアミノ酸は合成高分子でありながら化学構造上、生体高分子モデルとして古くより研究が行われている。そして、天然皮革、絹といった汎用の天然蛋白の代替素材としての用途に加え、人工皮膚、酵素固定化担体、圧電素子、香粧品、医薬品等への用途研究も行われてきた。たとえば、ポリアスパラギン酸誘導体を代用血漿として使用する技術(特許文献1)、ポリこはく酸イミドを各種アミンにより開環して得られるポリアスパラギン酸誘導体を医薬品又は食品用被覆剤に応用する技術(特許文献2)が開示されている。
一方、材料としては環境に対する負荷の問題から有機溶剤の含有量の少ない、または全く使用していない製品が近年各分野にて望まれている。これまで水のみの溶媒系でも有用なポリアミノ酸は得られていなかった。
化粧料分野において、皮膚または頭髪における水分保持は、これらをドライスキンなど皮膚のトラブルから守り健全な状態に保つために不可欠である。保湿を目的とした化粧科や医薬品、外用剤等は数多く市販されており、皮膚の状態を健全に保つため、または保護機能が低下した皮膚に適度な水分や油分を与えて皮膚表面の水分バランスを整えることで皮膚機能を補うという目的で使用されている。従来用いられてきたグリセリン、グリコール類およびソルビトールに代表される水溶性多価アルコール類、尿素や糖類、ポリグリセリル類などは保水性、保湿効果に優れることから化粧科や医薬品などに使用されている。しかしながら、従来の保湿剤はそれなりに効果を有するものの、保湿性、感触などの点で必ずしも満足できるものではない。すなわち、一般に液状で使用する保湿剤は保湿効果が持続せず、またゲル状態ないし粘性状態で使用する保湿剤は手に採った時の感触などの使用感に不快さを残す。上記に関しては、ポリグルタミン酸塩を有してなる湿潤剤を、化粧用保湿剤としている技術(特許文献3)、ポリアスパラギン酸と、アミノ酸、ピロリドンカルボン酸及びグリシンベタインを配合した化粧料に関する技術(特許文献4)等が開示されている。しかしながら、この化粧料は皮膚や毛髪への親和性が不十分であり、艶出し効果はあまり無く、使用時にベタつき感が生じるという問題がある。
また、親水性の高いポリアミノ酸誘導体に関する技術(特許文献5、6)が開示されている。しかしながらこれらのポリアミノ酸については水中でゲル状になり、水に対する溶解性の点では決して満足できるものではなかった。これまで水溶媒系でも高い整髪セット保持力を有するポリアミノ酸誘導体は全く得られていなかった。
また一方、チオール基を有するポリアスパラギン酸誘導体とポリ−β−アラニン基質のポリマーと組合わせて毛髪化粧料に使用する技術(特許文献7)、チオール基及び/又はジスルフィド基を有する水溶性ポリアミノ酸誘導体をもちいた毛髪処理剤組成物に関する技術(特許文献8)等が開示されている。しかしながら、これらのポリアミノ酸は、整髪セット保持力が十分とは言えず、さらに、毛髪処理剤組成物及び香粧品組成物を調製する際の作業性がよいとはいえない。また、側鎖に両性イオン基を有するポリアミノ酸誘導体を用いた毛髪処理剤に関する技術(特許文献9)が開示されている。しかしながらこれら
のポリアミノ酸については親水性が十分でないため水に対する溶解性が低く、水の多い溶剤系の処方での性能が十分とはいえなかった。
その他、側鎖に疎水性基、親水性基を有するポリアスパラギン酸誘導体を界面活性剤として使用する技術(特許文献10)が開示されている。しかしながら、これらのポリアミノ酸は、香粧品組成物を調製する際の作業性がよいとはいえない。また、側鎖に両性イオン基を有するアミノ酸重合体をもちいた毛髪処理剤に関する技術(特許文献11)が開示されている。しかしながらこれらのポリアミノ酸については水に対する溶解性が低く、エタノールが共存する溶液での使用が必須であった。
また、化粧品用等の増粘剤としては、カルボマーに代表されるポリアクリル酸やポリアクリル酸エステルなどのアクリル酸系ポリマー、またはメタクリル酸系ポリマー、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースやアルギン酸に代表される多糖類などが用いられてきた。しかしながら、これらは原料に刺激性の物質を含み、生体への適合性に問題がある。また、ポリアミノ酸系増粘剤としてはイオン性のアミノ酸樹脂が報告されている(特許文献12、特許文献13)。しかしながら、これらイオン性ポリマーの溶液はチャージを有する電解質、即ち塩などの存在下では顕著に粘度低下を招く欠点がある。一方、起泡増泡剤としては脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪酸アルカノールアミド、脂肪酸アミドプロピルベタイン、サポニンに代表される配糖体などが用いられてきた。しかしながらこれらは泡立ち性、泡の持続性、水溶解性に問題があり、特に電解質の存在や弱酸性領域での使用では、剤に沈殿を生じたり、泡立ち性を顕著に悪化させることが分かっている。また、ポリアミノ酸系起泡増泡剤の原料としては、イオン性のアミノ酸樹脂が報告されている(特許文献14、特許文献15)。しかしながら、これらイオン性ポリマーの溶液は先に述べた増粘剤と同様、チャージを有する電解質存在下では顕著に起泡性低下を招く欠点がある。上記の通り、これらの諸問題を解決するポリアミノ酸系増粘剤や起泡増泡剤はこれまで存在しなかった。
特公昭48−20638号公報 特開平3−48628号公報 特開昭59−209635号公報 特開平7−277916号公報 特開平9−358181号公報 特開2004−168917号公報 米国特許第4,363,797号公報 特開平6−248072号公報 特開平10−025344号公報 米国特許第3,846,380号公報 特開平10−251128号公報 特開平7−309943号公報 特開2000−248300号公報 特開平9−67591号公報 特開平9−183841号公報
本発明の目的は、上記のような従来の問題点を解決し、溶液状の組成物が、増粘および/または起泡もしくは増泡することができ、保湿性を有するアミノ酸重合体及びその組成物を提供し、また、これを毛髪に塗布したときに水溶性で高いセット力があり、艶出し効果を有し、ベタツキを改善することができる前記重合体およびその組成物を提供することにある。そして化粧料や外用剤を含有することができるアミノ酸重合体組成物を提供すること、および皮膚刺激性が低く、使用感が良好で保湿効果を長時間持続させることができ
る保湿剤等の化粧料や外用剤を提供することである。さらに、本発明が解決しようとする別の課題は、該起泡増泡剤、保湿剤が配合された化粧料、および外用剤を提供することである。
本発明者らは上記の目的を達成するために鋭意検討した結果、以下のことを見出し、本発明を完成した。
(1)水系にて高いセット力を有するアミノ酸重合体である。
(2)生体適合性に優れたアミノ酸を原料とした特定の構造単位を有するアミノ酸重合体で、特定の溶媒に溶解して増粘作用そして/または起泡増泡作用を有し、その非イオン性によって、塩類など電解質の存在に対して増粘増泡作用の低下を防止することができる。(3)該重合体組成物を各種化粧料や外用剤に配合して肌や頭髪などに使用した場合、表面で皮膜を形成して、優れた保湿性を発現すると共に使用感に優れ、髪においては艶出し効果が長時間にわたって持続することができる。
(4)本発明の該重合体組成物は肌や毛髪表面で皮膜形成するアミノ酸重合体を含有することを特徴とする増粘、起泡増泡剤であり、保湿剤である。また、本発明の該重合体組成物は、該保湿剤等が配合されたことを特徴とする化粧料、及び外用剤である。
(5)また、この皮膜形成機能或いは界面活性能を利用して、香料、酸化防止剤、着色料、紫外線吸収剤などを含有させた化粧水、乳液、クリーム、オイル等の化粧料、例えばヘアグロスやヘアマニキュア、ヘアカラー、一連のヘアセット剤、ネイルカラー、リップグロス、リップクリーム、日焼け止め、洗顔オイル、クレンジングオイル、クレンジングローション、マッサージオイル、モイスチャークリーム、シェービングオイル、シェービングローション、ボディーローション、ヘアートリートメント等、或いは皮膚、粘膜における外用剤、例えば、口腔内や皮膚の炎症や傷を治癒するための軟膏、皮膚に添付して使用する化粧用パックや消炎シート、除熱シート、湿布剤、鎮痛剤、冷却剤、除毛剤、脱色剤、除熱剤、保温剤、消毒殺菌剤、角質軟化剤、抗真菌剤、日焼防止剤、皮膚漂白剤、皮膚着色剤、肉芽発生剤、表皮形成剤、養毛発毛剤、防臭剤、発汗抑制剤、ビタミン剤などに適用すること等、多種に及ぶ。
以上より、本発明は、下記一般式(1)〜(2)で示されるアミノ酸重合体及びそれを用いた化粧料、起泡増粘剤、保湿剤、毛髪処理剤等を含む化粧料、および/または外用剤に関する。
即ち、本発明は、以下の[1]〜[18]に関する。
[1]分子内に一般式(1)で表される繰り返し単位を20モル%以上99モル%以下及び、一般式(2)で表される繰り返し単位を1モル%以上80モル%以下有するアミノ酸重合体(式中、Rはヘテロ原子を含んでもよい炭化水素基を表し、mは1または2の整数を表し、nは1〜3から選択される整数である。)。
Figure 2006062207
[2]炭化水素基が炭素数3〜20の炭化水素基である、前記[1]記載のアミノ酸重合体。
[3]炭化水素基が炭素数12の炭化水素基である、前記[1]または[2]に記載のアミノ酸重合体。
[4]mが1である前記[1]〜[3]のいずれかに記載のアミノ酸重合体。
[5]水に対して5重量%以上溶解することを特徴とする、前記[1]〜[4]の何れかに記載のアミノ酸重合体。
[6]架橋構造を有することを特徴とする、前記[1]〜[5]の何れかに記載のアミノ酸重合体。
[7]架橋構造を構成する架橋剤にポリアミンを使用することを特徴とする、前記[6]記載のアミノ酸重合体。
[8]架橋構造を構成する架橋剤に塩基性アミノ酸を使用することを特徴とする、前記[7]記載のアミノ酸重合体。
[9]前記塩基性アミノ酸が、リジンおよび/またはオルニチンであることを特徴とする、前記[8]記載のアミノ酸重合体。
[10]前記[1]〜[9]の何れかに記載のアミノ酸重合体を含有することを特徴とするアミノ酸重合体組成物。
[11]前記組成物が、化粧料添加物および/または外用剤添加物を含有することを特徴とする前記[10]記載のアミノ酸重合体組成物。
[12]前記組成物が、水を含有することを特徴とする前記[10]または[11]記載のアミノ酸重合体組成物。
[13]前記組成物が、エタノールを含有することを特徴とする前記[10]または[11]記載のアミノ酸重合体組成物。
[14]化粧料添加物が香料、酸化防止剤、着色料、紫外線吸収剤、防腐剤、安定剤、ミネラル成分、洗浄剤のうちから選択される1種以上であり、外用剤添加物が軟膏、消炎剤、除毛剤、脱色剤のうちから選択される1種以上であることを特徴とする前記[11]記載のアミノ酸重合体組成物。
[15]前記[1]〜[9]の何れかに記載のアミノ酸重合体を用いた毛髪処理剤組成物。
[16]前記[10]〜[14]のいずれかに記載のアミノ酸重合体組成物が配合された化粧料。
[17]前記[10]〜[14]のいずれかに記載のアミノ酸重合体組成物が配合された外用剤。
[18]前記[10]記載のアミノ酸重合体組成物を、増粘剤、起泡剤、増泡剤、保湿剤、毛髪の艶出し剤、毛髪のセット剤、感触改善剤、界面活性剤から選択される1種以上の剤として用いることを特徴とするアミノ酸重合体組成物の使用方法。
本発明によれば、生体適合性に優れたアミノ酸を原料とした特定の構造単位を有するアミノ酸重合体を含有する組成物が水系にて高いセット力および優れた感触を持つ毛髪処理剤を得ることができる。また、増粘作用および/または起泡増泡作用を有し、その非イオン性によって、塩類など電解質の存在に対して増粘作用の低下を防止することができる。さらに、該アミノ酸重合体組成物は保湿作用を有する。毛髪に適用すれば表面における皮膜形成によって艶出し効果を有する。そして高い生体適合性と生分解性を併せ持つアミノ酸重合体組成物を提供することができる。
本発明のアミノ酸重合体組成物は、親水性基と疎水性基をあわせ持つ刺激性の少ないアミノ酸重合体を含有し、該アミノ酸重合体は化粧料や外用剤で最も使用される溶媒である水やエタノールまたはその混合溶媒に容易に溶解することができ、必要な添加剤、即ち、香料、酸化防止剤、着色料、紫外線吸収剤などを添加するだけで化粧料、または外用剤を調製できる。
本発明のアミノ酸重合体組成物は、刺激性が少なく種々の化粧品用途に利用することができる。
本願の表2に記載した保湿性試験における経過時間と水分残存率との関係を示した説明図である。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
本発明のアミノ酸重合体とは、分子内に一般式(1)で表される繰り返し単位を20モル%以上99モル%以下及び、一般式(2)で表される繰り返し単位を1モル%以上80モル%以下有する重合体(式中、Rはヘテロ原子を含んでもよい炭化水素基を表し、mは1または2の整数を表し、nは1〜3から選択される整数である)である。
Figure 2006062207
(1)重合体の構造
本発明の重合体は、その構造上から、大きく分けると重合体のポリマー主鎖、側鎖部分、架橋部分からなる。以下、これらを3つに分けて説明する。
(1−1)重合体のポリマー主鎖
本発明の重合体のポリマー主鎖は、ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸等の酸性ポリアミノ酸であるので、グルタミン酸又はアスパラギン酸を繰り返し単位として構成される。これらは、他のアミノ酸を繰り返し単位として含んでいても構わない。
共重合体としての、グルタミン酸又はアスパラギン酸以外のアミノ酸成分の具体例としては、例えば、20種類の必須アミノ酸、L−オルニチン、L−リジン、一連のα−アミノ酸、β−アラニン、γ−アミノ酪酸、中性アミノ酸、酸性アミノ酸、酸性アミノ酸のω−エステル、塩基性アミノ酸、塩基性アミノ酸のN置換体、アスパラギン酸−L−フェニルアラニン2量体(アスパルテーム)等のアミノ酸及びアミノ酸誘導体、L−システイン酸等のアミノスルホン酸等を挙げることができる。ここでα−アミノ酸は、光学活性体(L体、D体)であっても、ラセミ体であってもよい。
また、重合体は、アミノ酸以外の繰り返し単位を含む共重合体であってもよい。
共重合体の繰り返し単位の例としては、アミノカルボン酸、アミノスルホン酸、アミノホスホン酸、ヒドロキシカルボン酸、メルカプトカルボン酸、メルカプトスルホン酸、メルカプトホスホン酸等の脱水縮合物が挙げられる。また、多価アミン、多価アルコール、多価チオール、多価カルボン酸、多価スルホン酸、多価ホスホン酸、多価ヒドラジン化合物、多価カルバモイル化合物、多価スルホンアミド化合物、多価ホスホンアミド化合物、多価エポキシ化合物、多価イソシアナート化合物、多価イソチオシアナート化合物、多価アジリジン化合物、多価カーバメイト化合物、多価カルバミン酸化合物、多価オキサゾリン化合物、多価反応性不飽和結合化合物、多価金属等の脱水縮合物、付加物、置換体が挙げられる。
共重合体である場合は、ブロック・コポリマーであっても、ランダム・コポリマーであっても構わない。また、グラフト構造を形成していても構わない。これらの中で、高い親
水性を有するポリアスパラギン酸及びポリグルタミン酸を主鎖とした場合が好ましく、さらに工業的生産に適したポリアスパラギン酸を主鎖とした場合が特に好ましい。
本発明の重合体のポリマー主鎖としては、ポリアスパラギン酸の場合は、主鎖中のアミド結合が、α結合である場合と、β結合である場合がある。ポリグルタミン酸の場合は、アミド結合が、主鎖中のアミド結合が、α結合である場合と、γ結合である場合がある。すなわち、ポリアスパラギン酸及びその共重合体の場合は、アスパラギン酸もしくは共重合体単量体のアミノ基等と、アスパラギン酸のα位のカルボキシル基と結合した場合がα結合であり、アスパラギン酸のβ位のカルボキシル基と結合した場合がβ結合である。ポリグルタミン酸及びその共重合体の場合は、グルタミン酸もしくは共重合体単量体のアミノ基等と、グルタミン酸のα位のカルボキシル基と結合した場合がα結合であり、グルタミン酸のγ位のカルボキシル基と結合した場合がγ結合である。このポリアスパラギン酸の場合のα結合とβ結合、ポリグルタミン酸の場合のα結合とγ結合は、通常混在して存在する。その結合様式は、特に限定されない。
本発明の側鎖基及び架橋基は、基本的に酸性ポリアミノ酸のカルボキシル基が置換されたカルボン酸誘導体である。その詳細を以下に説明する。
(1−2)重合体の側鎖構造
本発明の重合体は、−(CO)n−OH基および、炭化水素基を両有することを特徴とする。本発明の重合体において、一般式(1)に示される、−(CO)n−OH基を含む繰り返し単位の割合が高すぎると、整髪剤として用いたときのセット力が弱くなる可能性があり、増粘増泡作用が小さくなる可能性がある。低すぎると水やエタノールに対する溶解性が悪くなる可能性があることから、一般式(1)の単位の割合は20〜99mol%であることが好ましく、30〜80mol%であることがさらに好ましい。
本発明の重合体において、一般式(2)に示されるR基はヘテロ原子を含んでもよい炭化水素基である。炭化水素基としては特に限定されないがたとえば、疎水性で飽和又は不飽和の炭化水素基が挙げられる。Rの具体例としては、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、フェニル基、アリール基等が挙げられる。アルキル基としては例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基等が挙げられる。シクロアルキル基としては例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。アラルキル基としては例えば、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基等が挙げられる。フェニル基としては例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、クロロフェニル基、ビフェニル基等が挙げられる。アリール基としては例えば、ナフチル基、メチルナフチル基等が挙げられる。
炭化水素基の炭素数は、小さすぎると樹脂の耐湿性が弱くなり、セット力が小さくなり、または増粘増泡作用が小さくなり、皮膜形成能が下がる可能性があり、大きすぎると水に対する溶解性が悪くなる可能性があることから、3〜20が好ましく、6〜18がさらに好ましい。また、さらにより好ましいのは、炭素数が12である。
一般式(2)に示される単位の割合は、セット剤としては小さすぎると樹脂の耐湿性が弱くなりセット力が小さくなる可能性がある。増粘増泡剤としては小さすぎると増粘増泡作用が小さくなり、被膜形成能が下がる可能性があり、大きすぎると水に対する溶解性が悪くなる可能性があることから、1〜80mol%が好ましく、2〜60mol%がさらに好ましい。
また、本発明の一般式(1)及び(2)において、mは1又は2である。より好ましいのはmが1である。
また、本発明の一般式(1)において、nは1〜3である。より好ましいのはnが2である。
(1−3)重合体の架橋部分
本発明の重合体において、ポリアミノ酸主鎖に架橋構造を持たせることにより、分子量を増大させ、整髪剤等の形成剤として用いる場合の皮膜を強くし、セット力の高い樹脂とすることができる。架橋部分の構造は特に限定されない。例えばポリアミノ酸のカルボキシル基と架橋剤が縮合した構造、ペンダント基の有する極性基と架橋剤が縮合した構造、ポリアミノ酸主鎖の自己架橋体があげられる。自己架橋体としては、例えばポリアスパラギン酸主鎖を放射線架橋したものが挙げられる。ポリアミノ酸のカルボキシル基と架橋剤が縮合した構造としては、ポリアスパラギン酸の主鎖をアミド結合により架橋した構造が挙げられる。ペンダント基の有する極性基と架橋剤が縮合した構造としては、例えば水酸基を有するペンダント基の水酸基をエステル結合により架橋した構造が挙げられる。架橋の反応形式としては特に限定されないが、製造のしやすさから、縮合反応により架橋したものが好ましい。縮合による結合の種類は特に限定されないが、製造のしやすさからアミド結合、エステル結合、チオエステル結合が好ましく、さらにはアミド結合が好ましい。
上記の各種結合を形成するのに用いられる架橋剤としては、その結合を形成することができるものであればよく、特に制限されない。ここで、架橋部に使用されるアミド結合を形成するのに好ましい架橋剤としては、具体的には例えば、ポリアミンが挙げられる。ポリアミンとしては複数のアミノ基を有する化合物であればよく、特に制限されるものではないが、中でも、リジン、オルニチン、1,6−ヘキサンジアミン、1,4−ブタンジアミン等が好ましい例として挙げられる。更には化粧品や外用剤用途に使用するためには、塩基性アミノ酸の使用が安全性を高める。具体的にはリジンやオルニチンを使用することが好ましい。
また、架橋部分の割合が多すぎると重合体全体が溶媒に不溶となってしまう可能性があるため、架橋構造の割合は2mol%以下であることが好ましい。
(2)重合体の製造方法
本発明の重合体の製造方法は特に限定されないが、例えば、ポリこはく酸イミドを原料として製造できる。ポリコハク酸イミドの製造方法は特に限定されないが、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエティー(J.Amer.Chem.Soc.),80巻,3361頁〜(1958年)等に記載の方法にて容易に製造することができる。使用するポリコハク酸イミドの分子量は、特に限定されないが、分子量が高い方が溶媒を保持する能力が高くなる。一般的に、3万以上、好ましくは6万以上、より好ましくは9万以上である。
本発明のポリコハク酸イミドの製造時に、アスパラギン酸以外の他のアミノ酸を添加して共重合体を製造することもできる。アスパラギン酸以外のアミノ酸成分の具体例としては、例えば、20種類の必須アミノ酸、リジン、オルニチン、一連のα−アミノ酸、β−アラニン、γ−アミノ酪酸、中性アミノ酸、酸性アミノ酸、酸性アミノ酸のω−エステル、塩基性アミノ酸、塩基性アミノ酸のN置換体、アスパラギン酸−フェニルアラニン2量体(アスパルテーム)等のアミノ酸及びアミノ酸誘導体、システイン酸等のアミノスルホン酸等を挙げることができる。ここでα−アミノ酸は、光学活性体(L体、D体)であっても、ラセミ体であってもよい。添加するアミノ酸が、リジン、オルニチンといったアミノ基を分子内に二つ以上持つ化合物の場合、得られるポリこはく酸イミドは架橋構造をもつため分子量を大きくすることができる。
また、重合体はアミノ酸以外の単量体成分を添加して共重合体を製造することもできる。共重合体製造時に添加する単量体成分の例としては、アミノカルボン酸、アミノスルホン酸、アミノホスホン酸、ヒドロキシカルボン酸、メルカプトカルボン酸、メルカプトスルホン酸、メルカプトホスホン酸等が挙げられる。また、多価アミン、多価アルコール、多価チオール、多価カルボン酸、多価スルホン酸、多価ホスホン酸、多価ヒドラジン化合物、多価カルバモイル化合物、多価スルホンアミド化合物、多価ホスホンアミド化合物、多価エポキシ化合物、多価イソシアナート化合物、多価イソチオシアナート化合物、多価アジリジン化合物、多価カーバメイト化合物、多価カルバミン酸化合物、多価オキサゾリン化合物、多価反応性不飽和結合化合物、多価金属等が挙げられる。多価アミンを添加して重合をおこなった場合、得られるポリこはく酸イミドは架橋構造をもつため分子量を大きくすることができる。
本発明の重合体を製造する為に使用するポリこはく酸イミドの分子量は、所望の特性を有する生成物が実質的に得られれば特に制限されない。一般的には、ポリこはく酸イミドの分子量は、2000〜1000000程度が好ましく、10000〜800000程度がより好ましく、5000〜400000程度が特に好ましい。この分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーで、N,N−ジメチルホルムアミド溶液中、45℃で測定し、ポリスチレン標準で求めた値である。使用するポリこはく酸イミドの分子量が低ければ、得られるアミノ酸重合体の分子量も低くなり、ポリこはく酸イミドの分子量が高ければ、得られるアミノ酸重合体の分子量も高くなる。
本発明の重合体の製造における側鎖の導入反応は特に限定されないが、製造の容易さからポリこはく酸イミドに、目的とする側鎖構造の前駆体となりうるアミンを導入することが好ましい。使用するポリこはく酸イミドが架橋構造をもっていて分子量の大きいものであればさらに好ましい。アミンを導入する前後または同時に、アミノ基を二つ以上有する化合物を反応させることにより、架橋構造を作り分子量の大きい化合物とすることもできる。例えば、以下の製造方法が挙げられる。先ず、ポリこはく酸イミドを適当な溶媒に溶解する。この溶媒としては、ポリこはく酸イミドが溶解し、アミン類との反応で副反応を起こさなければ特に限定されない。例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン等が用いられる。この溶媒中で、ポリこはく酸イミドのイミド環に対して、アミン類を反応させる。ポリこはく酸イミドのイミド環のモル数に対して、アミン類を1倍モル添加し反応を行うと、アミン類はイミド環を開環させて付加し、側鎖のグラフト構造を形成する。次いで、得られた反応混合物を、貧溶媒中に排出する。この貧溶媒としては、アミノ酸重合体が沈殿し、その後濾過乾燥した際に、アミノ酸重合体の結晶中に残存しないような溶媒であれば特に限定されない。例えば、酢酸エチル、アセトニトリル、アセトン等が用いられる。上述のようにして得た沈殿を濾取し、貧溶媒で洗浄し、乾燥することにより、目的のアミノ酸重合体が得られる。
以上により得られる本発明の重合体は、溶媒、中でも特に水に対する溶解性に優れており、通常、水に対して5%以上(重量比)溶解し、好ましくは、10%以上、より好ましくは20%以上、さらに好ましくは30%以上溶解することが可能である。
(3)毛髪処理剤
本出願の特許請求の範囲及び明細書において用いる「毛髪処理剤」なる語の概念は、「毛髪化粧料」や「毛髪化粧品」と相互に等価であり、例えば、シャンプー、フケ取りシャンプー、リンス/コンディショナー、ヘアトリートメント、ヘアトニック、ヘアクリーム、ヘアオイル、枝毛コート剤、ブラッシング剤、トリートメントフォーム剤、ブロースタイリング剤、スタイリングフォーム、ムースワックス、スタイリングウォーター、ウォーワックス、スタイリングジェル、ヘアスプレー、ヘアリキッド、ポマード、チック、ワッ
クス、一時染毛剤、半永久染毛剤、永久染毛剤、ヘアブリーチ、パーマネントウェーブ剤、育毛・養毛剤等も含有する。本発明に係る毛髪処理剤組成物は、公知又は公用の常法により、所望の成分と混合、攪拌することにより製造することができる。これらは、可溶化系、乳化系、粉末分散系、油−水の2層系、油−水−粉末の3層系のいずれでも構わない。本発明の毛髪処理剤組成物の剤型も、液状のもの、クリーム状のもの、水性エマルジョン状のもの、ゲル状のものなど種々の剤系状にすることができる。
(4)重合体組成物
本発明のアミノ酸重合体組成物は、アミノ酸重合体を少なくとも1種以上含有するものであり、通常は、これらを適当な溶媒に溶解した溶液の形態が好ましい。本発明の組成物としては、他のアミノ酸重合体を含んでいても構わない。さらに、上記の他、必要に応じて、香料、防腐剤、安定剤、ミネラル成分、着色料、洗浄剤等の補助成分(添加剤)を含んでいても良い。
本発明のアミノ酸重合体組成物を構成する溶媒としては、特に限定されないが、例えば、以下の無機、有機溶媒が挙げられる。より具体的には例えば、水、エタノール、メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等のアルコール類、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、植物抽出水、植物エキス、植物性オイル等の植物由来液、シリコン系オイル等が挙げられる。中でも好ましいものとして水、エタノールが挙げられる。
本発明の組成物において、アミノ酸重合体と溶媒の混合比に特に制限はなく、どのような混合割合であっても構わない。通常、アミノ酸重合体濃度で0.01〜60重量%、好ましくは、0.1〜30重量%である。また場合によっては、アミノ酸重合体のみであっても構わない。
本発明のアミノ酸重合体としては、特に制限はないが、本発明においては、上記に説明したアミノ酸重合体が好適に用いられる。より具体的には、アスパラギン酸ラウリルアミド−ヒドロキシエトキシエチルアミド共重合体、アスパラギン酸デシルアミド−ヒドロキシエトキシエチルアミド共重合体、アスパラギン酸オクチルアミド−ヒドロキシエトキシエチルアミド共重合体が挙げられる。
本発明のアミノ酸重合体の一つの機能として、その溶液が増粘性を有するか、または起泡増泡性を有するか、その両方の機能を有することを特徴とする。粘度測定の具体的な方法は次の通りである。まず、アミノ酸重合体を水又はその他の溶媒を使用して溶解し任意の濃度の溶液を調製する。この溶液をレオメーターにて一定温度で粘度測定を行う。特に、塩存在下での粘度挙動を測定する場合は予め一定濃度の塩を溶解した溶液を調製し、これに任意の濃度のアミノ酸重合体を溶解することによって溶液を調製して測定する。起泡増泡性測定の具体的な方法は次の通りである。まず、アミノ酸重合体を水又はその他の溶媒を使用して溶解し任意の濃度の溶液を調製する。この溶液をメスシリンダー中に一定量入れ、任意の振幅一定数振とうする。泡量の体積を測定し経時変化を記録する。アミノ酸重合体の溶液が増粘性や起泡増泡性を有するという特性を付与する為には、例えば、水溶液中でそれらの機能を有する場合、アミノ酸重合体の側鎖基の種類と含有比率、アミノ酸重合体の分子量(例えば、原料ポリこはく酸イミドの分子量により調整可能)、その他、水に溶解するポリアミノ酸の濃度、溶媒の種類など、諸条件を所望に応じて設定すればよい。
本発明のアミノ酸重合体組成物を含有することによって得られる増粘剤や起泡増泡剤は、必要に応じて、色素、香料、アルコール、防腐剤、顔料、抗酸化剤、流動パラフィン、界面活性剤、水溶性高分子、塩類、ミネラル成分、pH調節剤などを本発明のアミノ酸重
合体の機能を損なわない範囲内で添加してもよく、これらが添加された増粘剤、或いは起泡増泡剤も本発明に含まれる。増粘剤や起泡増泡剤の形態は、特に限定されるものではなく、また製造については従来知られている方法を採用することができる。本発明の増粘剤や起泡増泡剤は、化粧料や外用剤に配合したり、増粘性、起泡増泡性を必要とする剤等に添加して用いられるものである。
本発明のアミノ酸重合体のもう一つの機能として、その溶液が保湿性を有することを特徴とする。本発明の重合体は、従来公知の保湿性を有する化合物、具体的には、グリセリン、グリセロール、トレハロースやソルビトールといった保湿剤と比較しても保湿性に優れるという優れた特性を有する。ここで、保湿性の具体的な評価方法としては、例えば次の通りである。調製した重合体の10%水溶液を予め秤量したφ35mmのシャーレ中に乗せたφ21mmの濾紙上にパスツールピペットにて2滴落とし、再び秤量する。蓋をせず恒温恒湿器中で温度35℃、湿度35%に調整し、重量の経時変化を測定する。
本発明のアミノ酸重合体のさらにもう一つの機能として、毛髪に塗布したときに艶出し効果を有することを特徴とする。本発明の重合体は、従来公知の艶出し効果を有する化合物、具体的には、FIXATE G−100(日光ケミカルズ社製)、ポリビニルピロリドンビニルアセテートやココナッツ油、ホホバ油、オリーブ油、ヒマシ油といった艶出し剤と比較しても艶出し効果に優れるという優れた特性を有する。ここで、艶出し効果の具体的な評価方法としては、例えば次の通りである。毛髪の艶出し効果の評価は、重合体の1%水溶液を調整し、毛髪束を調整した水溶液に1分間浸漬したのち、キムタオルで水分を拭き取り乾燥して見た目を評価する。
本発明のアミノ酸重合体は、化粧料および/または外用剤に添加することができる。
ここで、前記化粧料としては、具体的には以下に記載する化粧料一般、香料、酸化防止剤、着色料、紫外線吸収剤、防腐剤、安定剤、ミネラル成分、洗浄剤、保湿剤、増粘剤、ゲル化剤、分散剤、乳化剤、増泡剤、静電気防止剤、ツヤ出し剤、界面活性剤等が挙げられる。
本発明の重合体が添加されてなる組成物には、上記の「化粧料」として香料、酸化防止剤、着色料、紫外線吸収剤、防腐剤、安定剤、ミネラル成分、洗浄剤等が好ましい成分として挙げられる。
また、前記外用剤としては、具体的には、軟膏、消炎剤、除毛剤、脱色剤等が挙げられ、さらに外用医薬品に配合するもの全般が挙げられ、湿布剤、鎮痛剤、冷却剤、除熱剤、保温剤、消毒殺菌剤、角質軟化剤、抗真菌剤、日焼防止剤、皮膚漂白剤、皮膚着色剤、肉芽発生剤、表皮形成剤、養毛発毛剤、防臭剤、発汗抑制剤、ビタミン剤等が挙げられる。
本発明の重合体が添加されてなる組成物には、上記の「外用剤」として軟膏、消炎剤、除毛剤、脱色剤が好ましい成分として挙げられる。
本発明のアミノ酸重合体組成物は、化粧料添加物および/または外用剤添加物を含有することもできる。
ここで、前記化粧料添加物としては、具体的には、化粧料(品)に添加して使用するものであればよく、特に制限されないが、具体的には例えば、香料、酸化防止剤、着色料、紫外線吸収剤、防腐剤、安定剤、ミネラル成分、洗浄剤、保湿剤、増粘剤、ゲル化剤、分散剤、増泡剤、静電気防止剤、ツヤ出し剤、界面活性剤等が挙げられる。
本発明の重合体組成物には、上記の「化粧料添加物」として香料、酸化防止剤、着色料、紫外線吸収剤、防腐剤、安定剤、ミネラル成分、洗浄剤等が好ましい成分として挙げられる。
また、前記外用剤添加物としては、外用剤に添加して使用するものであればよく、特に制限されないが、具体的には、軟膏、消炎剤、除毛剤、脱色剤等の他、外用医薬品に配合するもの全般が挙げられる。より具体的には、湿布剤、鎮痛剤、冷却剤、除熱剤、保温剤、消毒殺菌剤、角質軟化剤、抗真菌剤、日焼防止剤、皮膚漂白剤、皮膚着色剤、肉芽発生剤、表皮形成剤、養毛発毛剤、防臭剤、発汗抑制剤、ビタミン剤等に添加・使用されている各種成分・各種添加物等が挙げられる。
本発明の重合体組成物には、上記の「外用剤添加物」として軟膏、消炎剤、除毛剤、脱色剤等が好ましい成分として挙げられる。
本発明の化粧料としては、以下に記載する化粧料一般、香料、酸化防止剤、着色料、紫外線吸収剤、防腐剤、安定剤、ミネラル成分、洗浄剤、保湿剤、増粘剤、ゲル化剤、分散剤、乳化剤、増泡剤、静電気防止剤、ツヤ出し剤、界面活性剤等が挙げられる。
また前記化粧料一般としては、具体的には香料、ヘアグロスやヘアマニキュア、ヘアカラー、ネイルカラー、リップグロス、リップクリーム、化粧水、保湿液、日焼け止めローション、日焼け用オイル、洗顔オイル、クレンジングオイル、クレンジングミルク、クレンジングローション、マッサージオイル、モイスチャークリーム、シェービングオイル、シェービングローション、シェービングムース、ボディーローション、ヘアートリートメント、ボディーシャンプー、ヘアシャンプー、ヘアリンス、ヘアートリートメント、養毛オイル、ヘアオイル、ヘアムース、香油、ヘアリキッド、セットローション、ヘアスプレー、ヘアブリーチ、カラーリンス、カラースプレー、パーマネントウェーブ液、ハンドローションが挙げられる。
また、外用剤としては、具体的には、軟膏、消炎剤、除毛剤、脱色剤等が挙げられ、さらに外用医薬品に配合するもの全般が挙げられ、湿布剤、鎮痛剤、冷却剤、除熱剤、保温剤、消毒殺菌剤、角質軟化剤、抗真菌剤、日焼防止剤、皮膚漂白剤、皮膚着色剤、肉芽発生剤、表皮形成剤、養毛発毛剤、防臭剤、発汗抑制剤、ビタミン剤等が挙げられる。
本発明の化粧料または外用剤におけるアミノ酸重合体の配合量としては、アミノ酸重合体の含有量0.01質量%以上が好ましく、更に好ましくは0.1質量%以上である。これよりも少ない含有量であれば充分な増粘性や起泡増泡性、保湿性や毛髪に塗布したときに艶出し効果等の機能が得られない可能性がある。
また、アミノ酸重合体の物性改善剤として水溶性および/またはエタノール溶解性高分子を使用しても良い。使用される水溶性および/またはエタノール溶解性高分子としては、アミノ酸重合体またはその組成物の特性に悪影響を与えなければ、特に制限されることなく選択使用できる。例えば、既存のポリマーから適宜選択して使用することができる。これらポリマーとしては、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸ナトリウム、またはそのエステル類等の誘導体等のポリアクリル系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ−N−ビニルアセトアミドまたはそれらの共重合体を含む誘導体等のポリビニル系樹脂、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール等のポリエーテル系樹脂、ポリアミノ酸、ナイロン類やその誘導体等のポリアミド系樹脂、ポリこはく酸イミドやその誘導体等のポリイミド樹脂、糖類などの天然物系樹脂が挙げられる。これら樹脂は単独で、或いは必要に応じて2種以上を併用することもできる。
本発明の化粧料または外用剤におけるアミノ酸重合体の含有量は、実質的に溶液として該誘導体が溶解していればよく、特に制限はないが、0.01質量%以上、60質量%以下が好ましく、更に好ましくは0.1質量%以上、30質量%以下である。
上記の濃度が小さい場合、目的の機能を達成し難い可能性があり、高濃度では溶媒等に溶解するのが困難になる可能性がある。
本発明の化粧料または外用剤の形態は、特に限定されるものではなく、また製造方法については従来知られている方法を採用することができる。
本発明の外用剤としては、皮膚用軟膏、口腔用軟膏、皮膚用パック剤、消炎シート、除毛剤または脱色剤等に配合して用いられるものが挙げられる。以下、さらに詳しく説明する。
前記の皮膚用軟膏や口腔用軟膏は、クリーム状やゲル状のものを含む。
前記の皮膚用軟膏や口腔用軟膏とは、本発明のアミノ酸重合体組成物が配合された皮膚用軟膏、口腔用軟膏である。本発明のアミノ酸重合体組成物が配合される、皮膚用軟膏や口腔用軟膏としては、従来公知の皮膚用軟膏や口腔用軟膏であれば良く、特に制限はない。
前記の皮膚用パック剤、消炎シートや除熱シートは、これに類するハップ剤全般を含む。
前記の皮膚用パック剤、消炎シートや除熱シートとは、本発明のアミノ酸重合体組成物が配合された皮膚用パック剤、消炎シートや除熱シートである。本発明のアミノ酸重合体組成物が配合される、皮膚用パック剤、消炎シートや除熱シートとしては、従来公知の皮膚用パック剤、消炎シートや除熱シートであれば良く、特に制限はない。
当該皮膚用パック剤、消炎シートや除熱シートにおいて、液状物を多く含んだ剤は、肌の凹凸の間にも密着することができる。
前記の除毛剤または脱色剤は、これに類する染毛剤、サンオイルや紫外線防止剤など皮膚に塗布して後に除く必要がある外用剤全般を含む。
前記の除毛剤または脱色剤とは、本発明のアミノ酸重合体組成物が配合された除毛剤または脱色剤である。本発明のアミノ酸重合体組成物が配合される、除毛剤または脱色剤としては、従来公知の除毛剤または脱色剤であれば良く、特に制限はない。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
本実施例において、原料のポリこはく酸イミド(以下PSIと略記する)としては、重量平均分子量(以下Mwと略記する)が97000のものを用いた。このMwは、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(以下GPCと略記する)で、N,N−ジメチルホルムアミド(以下DMFと略記する)溶液中、45℃で測定し、ポリスチレン標準で求めた値である。また、反応容器としては、攪拌機、ヒーター、温度計及び窒素ラインを備えたセパラブル・フラスコを使用し、反応中は反応系を充分に攪拌しながら実施した。
<1> 粘度測定は重合体の水溶液を使用して30℃恒温で行った。装置はレオメーター(
レオロジカ社製)を使用した。
<2> また、起泡、増泡性試験のは重合体の5%水溶液を調製し、室温(24℃)下200mlメスシリンダー中に20ml装入し、振とう幅15cmで30回振とうした。1分後泡の体積を初期値として測定し、泡体積/水溶液体積を増泡率とした。以降30分後と10時間後の値を採って泡持続性のデータとした。
<3> 毛髪の艶出し効果の評価は、重合体の1%水溶液を調整し、毛髪束を調整した水溶液に1分間浸漬したのち、キムタオルで水分を拭き取り乾燥して見た目を評価した。対照として、FIXATE G−100(日光ケミカルズ社製)を選択し、艶出し効果を比較した。FIXATE G−100はアクリル酸アルキル・メタクリル酸アリル共重合体のアミノメチルプロパノール塩を配合した水溶液で、ヘアセット剤用途に使用される。評価は以下の通り。
基準と比較して、○:優れる △:同等 ×:劣る
<4> 保湿性評価は以下のようにして行った。調製した重合体の10%水溶液を予め秤量したφ35mmのシャーレ中に乗せたφ21mmの濾紙上にパスツールピペットにて2滴落とし、再び秤量する。蓋をせず恒温恒湿器中で温度35℃、湿度35%に調整し、重量の経時変化を測定する。初期水分重量に対する残存水分重量の変化率はまとめて表2と図1に示した。
<5> 水溶性の評価
水溶性は、水にポリマーが10質量%の濃度で溶解させ下記のように評価した。
○;溶解した。
△;濁りがあった。
×;沈殿した。
<6> セット力の評価
カールリテンション試験にておこなった。カールリテテンション試験は人毛黒髪(100%)2g×15cmの毛束(ビューラックス製)を水道水で毛束を良く解した後、ラウリル硫酸ナトリウム0.25wt%溶液1Lに15min着けた後(液茶色になる)、毛束を水道水で解しながら洗浄し、さらに純水で洗浄したのち、室温にて終夜放置して乾燥する。毛束を樹脂の1wt%溶液90mlに5分間含浸させた後、液中から取り出す。親指と人差し指で毛髪を軽くはさんで溶液を切り、液が滴らない状態にする。毛束の上部を輪ゴムにて固定し、カーラー上にまきつけていき、毛束下部も輪ゴムで固定する。カーラーを針金つきのクリップにてつりさげ室温で終夜放置する。カーラーより毛束を外した後、カールした毛束の長さを測定した後、高温恒湿器(湿度90%/温度27℃)中に吊り下げ所定時間経過後の毛束の長さを測定する。カール保持率は
(伸ばしたときの毛束の長さ−30分後の毛束の長さ)/(伸ばしたときの毛束の長さ−カーラーからはずした直後の毛束の長さ)×100であらわされる。
<7> ベタつき
カールリテンション評価後のカール状の毛髪を、触った時の毛髪のベタつき感を下記のように評価した。
○;ベタつかない。
△;ややベタつく。
×;ベタつく。
<8> フレーキング
カールリテンション評価と同様に作成したカール状の毛髪を、櫛でといた時に脱落した
樹脂の量を下記のように評価した。
○:脱落ほとんどなし。
△:脱落すくない。
×:脱落多い。
<9> 滑らかさ
カールリテンション評価と同様に作成したカール状の毛髪を親指と人差し指ではさみ上から下に向けてスライドさせたときの感触を下記の様に評価した。
○:とても滑らかである。
△:少しひっかかりがある。
×:ひっかかりが多い。
<10> 柔軟さ
カールリテンション評価と同様に作成したカール状の毛髪を手でおりまげたときの感触を下記の様に評価した。
○:柔軟で手触りがよい。
△:ややゴワツキがあり柔軟といいにくい。
×:ゴワツキが強く、柔軟でない。
攪拌装置を備えた容器にL−アスパラギン酸133.3g、L−リジン1.46g、スルホラン266g、キシレン66.6g、35%塩酸46g装入した後、窒素気流下に160〜170℃で10時間共沸脱水重合を行った。反応後266gのN,N−ジメチルホルムアミドを装入して希釈し、メタノール3000ml中へ放出して析出させた。スラリー状の生成物を吸引ろ過し、回収した沈殿を終夜熱風乾燥機にて乾燥し架橋PSI95gが得られた。GPCで分子量測定の結果Mw350,000だった。反応容器内に架橋PSI 10gとDMF40gを入れ、完全に溶解させた。次いで、n−ドデシルアミン(以下LAと略記する)5.7g(PSI単位に対して30モル%)と、2−(2−アミノエトキシ)エタノール(以下AEEと略記する)7.4g(PSI単位に対して70モル%)を添加し、反応容器内の温度を50℃に保ちながら6時間反応させ、次いで反応容器を冷却し、室温になったところで一晩静置させた。その後、反応液を酢酸エチル600ml中に攪拌しながら排出することにより反応物を沈澱させ、濾過により回収し、得られた粉体を減圧乾燥して白色粉体のポリアスパラギン酸誘導体を18.9g得た。
得られた重合体を水に溶解し、10%水溶液を調製し、粘度測定を行ったところ、6.5mPa・sだった。1%水溶液を調製して毛髪に塗布し艶を観察したところ、明らかな艶出し効果があった。また、5%水溶液を調製し増泡率を測定した結果、初期値で4.8、30分後4.8、10時間後4.5であった。結果を表1にまとめた。
同様に10%水溶液を調製し、保湿試験を行った。初期水分重量に対する水分残存率は30分で約26質量%だった。結果を表2及び図1にまとめた。
LAの使用量を9.6g(PSI単位に対して50モル%)、AEEの使用量を5.4g(PSI単位に対して50モル%)に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてポリアスパラギン酸誘導体を20.5g得た。
得られた重合体を水に溶解し、10%水溶液を調製し、粘度測定を行ったところ、3.5×10mPa・sだった。5%水溶液を調製し増泡率を測定した結果、初期値で4.8、30分後4.8、10時間後4.5であった。
同様に10%水溶液を調製し、保湿試験を行った。初期水分重量に対する水分残存率は30分で約86質量%だった。結果を表1、表2及び図1にまとめた。
攪拌装置を備えた容器にL−アスパラギン酸133.3g、スルホラン266g、キシレン66.6g、35%塩酸46g装入した後、窒素気流下に160〜170℃で10時間共沸脱水重合を行った。反応後266gのDMFを装入して希釈し、メタノール3000ml中へ放出して析出させた。スラリー状の生成物を吸引ろ過し、回収した沈殿を終夜熱風乾燥機にて乾燥しPSI94gが得られた。GPCで分子量測定の結果Mw95,000だった。反応容器内にPSI 10gとDMF40gを入れ、完全に溶解させた。次いで、LA5.7g(PSI単位に対して30モル%)と、AEE7.5g(PSI単位に対して70モル%)を添加し、反応容器内の温度を50℃に保ちながら6時間反応させ、次いで反応容器を冷却し、室温になったところで一晩静置させた。その後、反応液を酢酸エチル600ml中に攪拌しながら排出することにより反応物を沈澱させ、濾過により回収し、得られた粉体を減圧乾燥して白色粉体のポリアスパラギン酸誘導体を17.8g得た。
得られた重合体を水に溶解し、10%水溶液を調製し、粘度測定を行ったところ、5.5mPa・sだった。1%水溶液を調製して毛髪に塗布し艶を観察したところ、明らかな艶出し効果があった。また、5%水溶液を調製し増泡率を測定した結果、初期値で4.5、30分後4.5、10時間後4.0であった。同様に水溶液に対し0.1%(濃度となるように)塩化ナトリウムを溶解し増泡率を測定した結果、初期値で4.8、30分後4.8、10時間後4.3であった。
同様に10%水溶液を調製し、保湿試験を行った。初期水分重量に対する水分残存率は30分で約21質量%だった。結果を表1、表2及び図1にまとめた。
LAの使用量を8.6g(PSI単位に対して45モル%)、AEEの使用量を6.0g(PSI単位に対して55モル%)に変更したこと以外は、実施例3と同様にしてポリアスパラギン酸誘導体を18.1g得た。
得られた重合体を水に溶解し、10%水溶液を調製し、粘度測定を行ったところ、6.5×10mPa・sだった。1%水溶液を調製して毛髪に塗布し艶を観察したところ、明らかな艶出し効果があった。結果を表1にまとめた。
LAの使用量を9.6g(PSI単位に対して50モル%)、AEEの使用量を5.4g(PSI単位に対して50モル%)に変更したこと以外は、実施例3と同様にしてポリアスパラギン酸誘導体を18.4g得た。
得られた重合体を水に溶解し、10%水溶液を調製し、粘度測定を行ったところ、1.5×10mPa・sだった。また1%水溶液は150mPa・sだった。10%水溶液に0.1%(濃度となるように)NaClを溶解し、粘度測定を行ったところ、1.9×10mPa・sだった。また、10%水溶液に0.5%(濃度となるように)NaClを溶解し、粘度測定を行ったところ、2.3×10mPa・sだった。1%水溶液を調製して毛髪に塗布し艶を観察したところ、明らかな艶出し効果があった。
同様に10%水溶液を調製し、保湿試験を行った。初期水分重量に対する水分残存率は
30分で約78質量%だった。結果を表1、表2及び図1にまとめた。
LAの使用量を10.5g(PSI単位に対して55モル%)、AEEの使用量を4.9g(PSI単位に対して45モル%)に変更したこと以外は、実施例3と同様にしてポリアスパラギン酸誘導体を19.0g得た。
得られた重合体を水に溶解し、10%水溶液を調製し、粘度測定を行ったところ、>5.0×10mPa・sだった。また1%水溶液は650mPa・sだった。1%水溶液に0.5%(濃度となるように)NaClを溶解し、粘度測定を行ったところ、1.2×10mPa・sだった。結果を表1にまとめた。
[比較例1]
水溶性整髪剤原料であるFIXATE G−100(日光ケミカルズ社製)の10%水溶液を調製し、粘度測定を行ったところ、5.7mPa・sだった。また1%水溶液を調製して毛髪に塗布し艶を観察し、艶の程度を標準とした。5%水溶液を調製し増泡率を測定した結果、殆ど泡を形成しなかった。結果を表1、表2及び図1にまとめた。
[比較例2]
水溶性整髪剤原料であるポリビニルピロリドンビニルアセテート(ポリビニルピロリドン/ビニルアセテート=7/3共重合体;東京化成社製)の10%水溶液を調製し、粘度測定を行ったところ、9.4mPa・sだった。また1%水溶液は0.5mPa・sだった。1%水溶液を毛髪に塗布し艶を観察したところ、FIXATE G−100と同等だった。5%水溶液を調製し増泡率を測定した結果、殆ど泡を形成しなかった。結果を表1にまとめた。
[比較例3]
一般的な増粘剤であるカルボマーの1%水溶液を調製し、粘度測定を行ったところ、>5.0×10mPa・sだった。これを毛髪に塗布し艶を観察したところ、FIXATE G−100より劣った。1%水溶液に0.1%(濃度となるように)NaClを溶解し、粘度測定を行ったところ、増粘性は急激に無くなり20mPa・sだった。これを毛髪に塗布し艶を観察したところ、FIXATE G−100より劣る結果となった。結果を表1にまとめた。
[比較例4]
一般的な起泡増泡剤であるサポニンの5%水溶液を調製し増泡率を測定した結果、初期値で4.0、30分後3.5、10時間後1.3であった。また5%水溶液に0.1%の(濃度となるように)NaClを添加し、増泡率を測定した結果、初期値で1.0、30分以降殆ど泡が残らなかった。結果を表1にまとめた。
[比較例5]
トレハロースの10%水溶液を調製し、保湿試験を行った。初期水分重量に対する水分残存率は30分で約14質量%だった。結果を表2及び図1にまとめた。
[比較例6]
ソルビトールの10%水溶液を調製し、保湿試験を行った。初期水分重量に対する水分残存率は30分で約18質量%だった。結果を表2及び図1にまとめた。
上記の結果をまとめて表1、表2及び図1に示す。
表1の見方については、疎水性アミンをXとし親水性アミンをYとして、XとYの比、
測定温度、ポリマー濃度、添加した塩の濃度、粘度、髪に塗布した時の艶の評価、増泡率をまとめて示した。
まず反応容器内にポリこはく酸イミド 20gとDMF80gを入れ、完全に溶解させた。次いで、n−ドデシルアミン10.9g(こはく酸イミド単位に対して30モル%)と、2−(2−アミノエトキシ)エタノール14.0g(こはく酸イミド単位に対して70モル%)を添加し、反応容器内の温度を50℃に保ちながら6時間反応させ、次いで反応容器を冷却し、室温になったところで一晩静置させた。その後、反応液を酢酸エチル1200mL中に攪拌しながら排出することにより反応物を沈澱させ、濾過により回収し、得られた粉体を減圧乾燥して白色粉体のポリアスパラギン酸誘導体を40.8g得た。得られた重合体を上記の方法により評価した結果、その溶解性は○、カール保持率は61%、べたつき:○、フレーキング:○、滑らかさ:○、柔軟さ:○であった。
まず反応容器内にポリこはく酸イミド 20gとDMF80gを入れ、完全に溶解させた。次いで、n−ドデシルアミン14.5g(こはく酸イミド単位に対して40モル%)と、2−(2−アミノエトキシ)エタノール11.8g(こはく酸イミド単位に対して60モル%)を添加し、反応容器内の温度を50℃に保ちながら6時間反応させ、次いで反応容器を冷却し、室温になったところで一晩静置させた。その後、反応液を酢酸エチル1200mL中に攪拌しながら排出することにより反応物を沈澱させ、濾過により回収し、得られた粉体を減圧乾燥して白色粉体のポリアスパラギン酸誘導体を41.2g得た。得られた重合体を上記の方法により評価した結果、その溶解性は○、カール保持率は62%、べたつき:○、フレーキング:○、滑らかさ:○、柔軟さ:○であった。
攪拌装置を備えた容器にL−アスパラギン酸133.3g、L−リジン1.46g、スルホラン266g、キシレン66.6g、35%塩酸46g装入した後、窒素気流下に160〜170℃で10時間共沸脱水重合を行った。反応後266gのN,N−ジメチルホルムアミドを装入して希釈し、メタノール3000ml中へ放出して析出させた。スラリー状の生成物を吸引ろ過し、回収した沈殿を終夜熱風乾燥機にて乾燥し架橋ポリこはく酸イミド95gが得られた。反応容器内に架橋ポリこはく酸イミド10gとDMF40gを入れ、完全に溶解させた。次いで、n−ドデシルアミン5.8g(こはく酸イミド単位に対して30モル%)と、2−(2−アミノエトキシ)エタノール7.4g(こはく酸イミド単位に対して70モル%)を添加し、反応容器内の温度を50℃に保ちながら6時間反応させ、次いで反応容器を冷却し、室温になったところで一晩静置させた。その後、反応液を酢酸エチル600ml中に攪拌しながら排出することにより反応物を沈澱させ、濾過により回収し、得られた粉体を減圧乾燥して白色粉体のポリアスパラギン酸誘導体を18.9g得た。得られた重合体を上記の方法により評価した結果、その溶解性は○、カール保持率は70%、べたつき:○、フレーキング:○、滑らかさ:○、柔軟さ:○であった。
[比較例7]
東京化成製ポリビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体(組成70/30)について実施例と同様の評価をおこなった。その結果、カール保持率は40%、べたつき:△、フレーキング:○、滑らかさ:△、柔軟さ:△であった。
Figure 2006062207
* 表中記号の説明:「☆:基準」
基準と比較して、○:優れる、△:同等、×:劣る
Figure 2006062207
本発明によれば、生体適合性に優れたアミノ酸を原料とした特定の構造単位を有するアミノ酸重合体を含有する組成物が増粘作用および/または起泡増泡作用を有し、その非イオン性によって、塩類など電解質の存在に対して増粘作用の低下を防止することができる。また、該アミノ酸重合体組成物は保湿作用を有する。また、毛髪に適用すれば表面における皮膜形成によって艶出し効果を有する。そして高い生体適合性と生分解性を併せ持つアミノ酸重合体組成物を提供することができる。
本発明のアミノ酸重合体を用いることにより、水系にて高いセット力および優れた感触を持つ毛髪処理剤を提供することができるようになった。
本発明のアミノ酸重合体組成物は、化粧料や外用剤を含有することもできる。
本発明のアミノ酸重合体組成物は、親水性基と疎水性基をあわせ持つ刺激性の少ないアミノ酸重合体を含有し、該アミノ酸重合体は化粧料や外用剤で最も使用される溶媒である水やエタノールまたはその混合溶媒に容易に溶解することができ、必要な添加剤、即ち、香料、酸化防止剤、着色料、紫外線吸収剤などを添加するだけで化粧料、または外用剤を調製できる。
本発明のアミノ酸重合体組成物は、刺激性が少なく種々の化粧品用途に利用することができる。
その具体的な用途としては、香料、酸化防止剤、着色料、紫外線吸収剤などを含有させた化粧水、乳液、クリームやオイルなどの化粧料、例えばヘアグロスやヘアマニキュア、ヘアカラー、一連のヘアセット剤、ネイルカラー、リップグロス、リップクリーム、日焼け止め、洗顔オイル、クレンジングオイル、クレンジングローション、マッサージオイル、モイスチャークリーム、シェービングオイル、シェービングローション、ボディーローション、ヘアートリートメント等、或いは皮膚、粘膜における外用剤、例えば、口腔内や皮膚の炎症や傷を治癒するための軟膏、皮膚に添付して使用する化粧用パックや消炎シート、除熱シート、湿布剤、鎮痛剤、冷却剤、除毛剤、脱色剤、除熱剤、保温剤、消毒殺菌剤、角質軟化剤、抗真菌剤、日焼防止剤、皮膚漂白剤、皮膚着色剤、肉芽発生剤、表皮形成剤、養毛発毛剤、防臭剤、発汗抑制剤、ビタミン剤などに適用することが可能であり、多種に及ぶ。

Claims (18)

  1. 分子内に一般式(1)で表される繰り返し単位を20モル%以上99モル%以下及び、一般式(2)で表される繰り返し単位を1モル%以上80モル%以下有するアミノ酸重合体(式中、Rはヘテロ原子を含んでもよい炭化水素基を表し、mは1または2の整数を表し、nは1〜3から選択される整数である。)。
    Figure 2006062207
  2. 炭化水素基が炭素数3〜20の炭化水素基である、請求項1記載のアミノ酸重合体。
  3. 炭化水素基が炭素数12の炭化水素基である、請求項1または2に記載のアミノ酸重合体。
  4. mが1である請求項1〜3のいずれかに記載のアミノ酸重合体。
  5. 水に対して5重量%以上溶解することを特徴とする、請求項1〜4の何れかに記載のアミノ酸重合体。
  6. 架橋構造を有することを特徴とする、請求項1〜5の何れかに記載のアミノ酸重合体。
  7. 架橋構造を構成する架橋剤にポリアミンを使用することを特徴とする、請求項6記載のアミノ酸重合体。
  8. 架橋構造を構成する架橋剤に塩基性アミノ酸を使用することを特徴とする、請求項7記載のアミノ酸重合体。
  9. 前記塩基性アミノ酸が、リジンおよび/またはオルニチンであることを特徴とする、請求項8記載のアミノ酸重合体。
  10. 請求項1〜9の何れかに記載のアミノ酸重合体を含有することを特徴とするアミノ酸重合体組成物。
  11. 前記組成物が、化粧料添加物および/または外用剤添加物を含有することを特徴とする請
    求項10記載のアミノ酸重合体組成物。
  12. 前記組成物が、水を含有することを特徴とする請求項10または11記載のアミノ酸重合体組成物。
  13. 前記組成物が、エタノールを含有することを特徴とする請求項10または11記載のアミノ酸重合体組成物。
  14. 化粧料添加物が香料、酸化防止剤、着色料、紫外線吸収剤、防腐剤、安定剤、ミネラル成分、洗浄剤のうちから選択される1種以上であり、外用剤添加物が軟膏、消炎剤、除毛剤、脱色剤のうちから選択される1種以上であることを特徴とする請求項11記載のアミノ酸重合体組成物。
  15. 請求項1〜9の何れかに記載のアミノ酸重合体を用いた毛髪処理剤組成物。
  16. 請求項10〜14のいずれかに記載のアミノ酸重合体組成物が配合された化粧料。
  17. 請求項10〜14のいずれかに記載のアミノ酸重合体組成物が配合された外用剤。
  18. 請求項10記載のアミノ酸重合体組成物を、増粘剤、起泡剤、増泡剤、保湿剤、毛髪の艶出し剤、毛髪のセット剤、感触改善剤、界面活性剤から選択される1種以上の剤として用いることを特徴とするアミノ酸重合体組成物の使用方法。
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