JPWO2006061992A1 - 肝疾患予防・治療用組成物 - Google Patents

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Abstract

インスリン感受性増強作用を有するアミノ酸を有効成分とする肝疾患予防及び/または治療用組成物、及びアスパラギン酸、アラニン、シスチン、グルタミン、グリシン、ヒスチジンおよびそれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも1つのアミノ酸を含有することを特徴とする肝疾患予防及び/または治療用組成物を提供する。

Description

本発明は、肝疾患の予防及び/又は治療用組成物に関する。本発明は、またインスリン抵抗性関連肝疾患予防/又は治療用組成物に関する。
(発明の背景)
生活習慣病の増加は21世紀の世界的な問題であるが、特に近年、糖尿病または耐糖能異常、高血圧、脂質代謝異常(高脂血症)等を伴った患者が増加している。これらは代謝症候群(メタボリックシンドローム)、シンドロームX、インスリン抵抗性症候群、マルチプルリスクファクター症候群などと呼ばれ、多くは肥満、特に内蔵型肥満とインスリン抵抗性に伴う高インスリン血症が特徴的で、動脈硬化、心血管イベントなど重篤な病態への進展・発症リスクが高いとされている。
またインスリン抵抗性は循環器イベントのみならず脂肪肝の発症や肝炎の進展予後といった肝疾患にも関与していることが示唆されている。特に近年、アルコールを摂取しないにも関わらず脂肪肝や肝機能異常を示す非アルコール性脂肪肝(以下NAFLD)が増加しているが、これも代謝症候群関連疾患の一つのフェノタイプと考えられる。NAFLDの5〜20%は炎症性壊死、線維化といった肝組織所見を示す非アルコール性脂肪性肝炎(以下NASH)に進行すると言われているが、NASH患者は肝硬変や肝癌などの重篤な肝疾患に至るリスクが高いことが疫学的に明らかとなっており、NAFLD/NASHの予防、治療法の開発は医療上の重要な課題となっている(非特許文献1)。
NAFLD/NASHの病態ではインスリン抵抗性が悪化すると考えられており(非特許文献6)、インスリン受容体を肝特異的に破壊したマウスはインスリン抵抗性、耐糖能異常、高インスリン血症を呈するとともに、肝機能異常が認められることが報告されている(非特許文献7)。またインスリン抵抗性はTRB3、LAR、グルコース−6−フォスファターゼ(G6Pase)遺伝子と関連するとする以下の報告がある。すなわち、肥満、肝インスリン抵抗性を示すdb/dbマウスにおいてインスリンシグナル下流のAKTのリン酸化を抑制するTRB3と呼ばれる遺伝子産物の発現が増加していること(非特許文献8)、肥満で肝インスリン抵抗性を示すZuckerラットではインスリンシグナルを抑制するプロテインチロシンホスファターゼの一つであるLARの発現が肝で増加していること(非特許文献9)が報告されている。またZuckerラットやdb/dbマウスでG6Paseの発現または活性が亢進していることは多数報告されているが(非特許文献10,11)、高脂肪食を与えたイヌで肝脂肪蓄積と同時に肝インスリン抵抗性が見られ、G6Paseの発現が亢進していることも最近報告された(非特許文献12)。従って、LAR、TRB3あるいはG6Paseのような遺伝子の肝細胞での発現をin vitroあるいは in vivoで直接あるいは間接的に抑制するような組成物は、肝インスリン感受性を高めることでインスリン抵抗性を改善し、NAFLD/NASHといった肝疾患の予防・治療に有用である可能性がある。
現在インスリン抵抗性を改善する薬剤としてチアゾリジン系化合物(ピオグリタゾン、ロジグリタゾン)が2型糖尿病に対する治療薬として承認されており、これらはメタボリックシンドロームの諸症状にも有効であるという報告がある。さらにこれらがNAFLD/NASHのようなインスリン抵抗性に関連する肝疾患へも有効である可能性を示唆する偵察臨床試験結果も報告されている(非特許文献2、3)。しかし、これら薬剤の主たる作用メカニズムはPPARγの活性化による脂肪細胞への作用であり、これに起因する副作用として体重増加が投与期間中のみならず投与終了後も続き肝障害が再燃することが問題とされている(非特許文献2)。さらに、改善効果が見られるとした報告でも組織学的に門脈域の炎症は増加しているという報告(非特許文献3)や、肝でのPPARγ活性化はむしろ脂肪肝を惹起するという報告(非特許文献4、5)からも、チアゾリジン系化合物の肝疾患を有する患者への長期投与の安全性は充分に確認されていない。すなわち、NAFLD/NASHのようなインスリン抵抗性に関連する肝疾患に対し長期的な予防効果や治療効果の高い薬剤や安全な治療法は未だ確立されていない。
ところでアミノ酸は古くから知られている安全性の高い化合物であり、これまでにもアミノ酸を含む輸液については多くの栄養学的な報告がなされているが、代謝症候群に関連するNAFLD/NASHのような肝疾患に関連する薬理学的な効果の報告は少ない。
例えばアミノ酸の一つであるアスパラギン酸(Asp)については以下のような報告がある。特許文献1では生活習慣病に対するmetabolic uncoupling therapy(MUT)のための組成物が出願されており、例示されている33種の構成成分の一つとしてアスパラギン酸が開示されている。また特許文献2ではアスパラギン酸を含むアミノ酸とβグルカンに富む生薬由来の複数成分を含有する抗腫瘍活性、抗高脂血症活性、血圧降下活性、血糖値降下活性を示す生理活性組成物が出願、開示されている 。さらに特許文献3では3-グアニジノプロピオン酸のシナプトゾームへの取込に対する拮抗作用を示す化合物が血糖降下作用を示す可能性があることから、糖尿病、肥満に有効性を示す可能性のある119ないし128種の化合物が開示されているが、DL-Aspもこの表に記載されている。しかしこれらの特許文献は、用途として肝疾患に対する効果を示すものはなく、さらにL-Aspが単独で肝インスリン抵抗性を改善することを示す報告はない。
また非特許文献13-15にはアスパラギン酸と他のアミノ酸との塩化合物に関して、肝疾患治療についての記載があるが、いずれもインスリン抵抗性に関連する肝疾患への効果に関する記載はない。また非特許文献16は標識脂肪酸の短期的な肝への集積に関する検討であるが、アスパラギン酸がインスリン抵抗性に関連する肝疾患の予防・治療効果を示すか否かについては示されていない。
US2004/0043013 A1 特開2003-212775 特表平6−510760 Gastroenterology, 2002; 123: 1702-1704、1705-1725 Hepatology, 2004; 39: 188-196 Hepatology, 2003; 38: 1008-1017 J. Lipid Res., 2002; 43: 1809-1817 J. Clin. Invest., 2000; 106: 1221-1228 Semin. Liver Dis., 2004; 24: 3-20 Mol Cell., 2000; 6: 87-97 Science, 2003 ; 300: 1574-1577 Diabetes, 2000; 49: 810-819. J. Biol. Chem., 1998; 273: 31615-31620 Diabetes, 1999; 48: 1579-1585 Am J Physiol Endocrinol Metab., 2004 Nov 2 [Epub ahead of print] Fortschritte der Medizin (GERMANY), 1996; 114: 141-146, Zeitschrift fur Allgemeinmedizin (GERMANY, WEST), 1973; 49: 469-472 Recherche europeenne en toxicologie (FRANCE), 1978; 1: 303-309 Therapie (FRANCE), 1966; 21: 719-731
本発明は、肝疾患の予防や治療に有効な組成物を提供することを目的とする。
より詳細に言えば、TRB3のような肝インスリン抵抗性に関与する遺伝子の発現レベルを低下させるアミノ酸を発見し、これを含むNAFLD/NASHのようなインスリン抵抗性に関連する肝疾患の予防及び/または治療用組成物やキットを提供することを目的とする。
本発明は、又、上記肝疾患予防及び/または治療用組成物を含有する食品を提供することを目的とする。
本発明は、又、インスリン抵抗性関連疾患予防及び/または治療用組成物、あるいはこれらを含有する機能性食品を提供することを目的とする。
本発明は、又、インスリン感受性増強剤及びインスリン抵抗性改善剤を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題解決に向けて鋭意研究を重ねた結果、ある種のアミノ酸が、インスリン感受性増強作用を有し、又肝TRB3またはLARの少なくとも1つの発現抑制作用をも有し、このようなアミノ酸が、肝疾患予防及び治療に有効であるとの知見に基づいてなされたものである。
すなわち、本発明は、インスリン感受性増強作用を有するアミノ酸を有効成分とする肝疾患予防及び/または治療用組成物を提供する。
本発明は、又、アスパラギン酸、アラニン、シスチン、グルタミン、グリシン、ヒスチジンおよびそれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも1つのアミノ酸を含有することを特徴とする肝疾患予防及び/または治療用組成物を提供する。
本発明は、又、L-アスパラギン酸および/またはその塩を単独の有効成分とすることを特徴とする肝疾患予防及び/または治療用組成物を提供する。
本発明は、又、L-アスパラギン酸および/またはその塩を有効成分として、第二の有効成分として1)アラニン、シスチン、グルタミン、グリシン、ヒスチジンおよびそれらの塩、あるいは2)アミノ酸及びその塩以外の肝疾患予防・治療薬の少なくとも一つを含有するような肝疾患予防及び/または治療用組成物、あるいはこれらを組み合わせた肝疾患予防及び/または治療用キットを提供する。
本発明は、又、上記肝疾患予防及び/または治療用組成物を含有する食品を提供する。
本発明は、又、インスリン感受性増強作用を有するアミノ酸を有効成分とするインスリン抵抗性関連疾患予防及び/または治療用組成物、あるいはこれらを含有する食品を提供する。
本発明は、又、アスパラギン酸、アラニン、シスチン、グルタミン、グリシン、ヒスチジンおよびそれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを含むインスリン感受性増強剤又はインスリン抵抗性改善剤を提供する。
本発明における「インスリン作用」とはインスリンが体の組織にて代謝調節能を発揮することをいう。より詳細に言えばインスリンが肝臓、筋肉、脂肪組織などのインスリン感受性のある細胞のインスリン受容体に結合し、それらの細胞でグルコースの細胞内への取り込み、エネルギー利用や貯蔵の促進、蛋白質合成促進、細胞増殖などの細胞生物学的な働きを現すこと全般をさす。例えばin vitroでのG6Pase発現抑制による肝糖新生抑制やこれらを介したin vivoでの生理学的な血糖値の低下はインスリン作用である。
本発明における「インスリン抵抗性」とは「インスリン感受性の低下」をいい、より詳細かつ細胞生物学的に言えば、インスリン受容体数の減少、インスリン拮抗物質の存在、その他インスリン受容体を介する細胞内への情報伝達能力の低下状態をいう。例えばインスリンシグナル伝達の第一段階である基質リン酸化を脱リン酸化するLARや同じくインスリンシグナル伝達過程の一部作用に必須なAKTリン酸化を抑制するTRB3の発現の増加は、細胞レベルでのインスリン抵抗性の存在(インスリン感受性の低下)を意味する。
また本発明における「インスリン抵抗性」、「インスリン感受性の低下」は、生理学的(in vivo)には血中のインスリン濃度に見合ったインスリン作用(血糖値の低下)が得られない状態をさす。臨床的にはHOMA-IR(空腹時血中インスリン値と空腹時血糖値の積に比例する)やQUICKIが簡便な指標として用いられる。また糖負荷試験、インスリン負荷試験、グルコースクランプ法、ミニマルモデル法などを単独および組み合わせることでより詳細、厳密に評価することもできる。例えば病態動物においても空腹時血中インスリン値と空腹時血糖値の積の上昇、糖負荷時の高インスリン分泌/耐糖能低下はインスリン抵抗性の存在(インスリン感受性の低下)を意味する。
本発明における「インスリン感受性増強作用」とは上記インスリン感受性を増強する作用であればどのような機作に基づくものでも良く、直接もしくは間接に細胞もしくは生体のインスリン抵抗性を改善しインスリンの作用を高めるものであれば良い。のみならず、インスリン作用のすべてあるいは一部をインスリン非存在下で代替する作用、および/またはインスリン供給を補う作用をあわせ持っていても良く、最終的にin vivo でのインスリン作用不足を改善する作用であれば良い。すなわち「インスリン感受性増強作用」は、「インスリン抵抗性」を改善する効果も有する。
本発明における「代謝症候群(メタボリック・シンドローム)」は狭義には米国コレステロール教育プログラム(National Cholesterol Education Program; NCEP)成人治療委員会(Adult Treatment Panel; ATP)が2001年に発表した下記表Aの診断基準ガイドライン(NCEP-ATPIII)を満たす疾患、患者を指す。
表A
項目(危険因子) 異常判定基準
1)腹部肥満(ウエスト周囲径) 男性 >102cm
女性 >88cm
2)トリグリセリド ≧150mg/dL
3)HDLコレステロール 男性 <40mg/dL
女性 <50mg/dL
4)血圧 収縮期 ≧130mmHg
拡張期 ≧85mmHg
5)空腹時血糖 ≧110mg/dL
上記危険因子5項目中3項目以上に該当する場合、代謝症候群と診断する(JAMA.2001: 285: 2486-2497)
また本発明における「代謝症候群関連疾患」とはシンドロームX、インスリン抵抗性症候群、マルチプルリスクファクター症候群などの統合的概念としてのWHO提唱に準じ、上記ATPIIIの危険因子、基準値に限定されず、肥満(内臓脂肪蓄積)、インスリン抵抗性(高インスリン血症)とこれに関連する2型糖尿病(耐糖能異常)、脂質代謝異常(高トリグリセリド血症、VLDL-トリグリセリド上昇、HDL-コレステロール低下)、脂肪肝、高血圧、尿中微量アルブミンなど、共通する分子病態基盤に立脚すると考えられる疾患・症状を包括した呼称として用いる。
本発明における「非アルコール性脂肪肝(NAFLD)/非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)」とは、例えば米国消化器病学会及び米国肝臓病学会が2002年に発表したステートメント並びにテクニカルレビュー(非特許文献1)で提示したように、脂肪肝、炎症、線維化で診断(Grading、Staging)され、肥満、糖尿病、高脂血症、インスリン抵抗性と関連する疾患とする。
本発明における「インスリン抵抗性関連肝疾患」とは、その発症または病態の形成においてインスリン抵抗性が主に関与している肝疾患をいい、例えば非アルコール性脂肪肝(NAFLD)や非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)などが含まれる。
本発明における「インスリン抵抗性関連疾患」とは、その発症または病態の形成においてインスリン抵抗性が主に関与している肝疾患をいい、例えばメタボリックシンドロームや代謝症候群関連疾患などを含む。
本発明における「疾患予防及び/または治療」とは上記疾患と診断されないこと、上記疾患と診断された者がその定義を外れること、上記疾患と診断された測定値の異常が改善されること、もしくは上記疾患と診断された異常の増悪・進展を遅らせることをさし、例えば空腹時血糖値、空腹時インスリン値、耐糖能、肝脂肪量の維持・改善をいう。
インスリン感受性増強作用を有するアミノ酸は、細胞、例えばラット肝癌由来細胞株Faoを、1種類もしくは数種類のアミノ酸を添加した培地で30分から1週間、より望ましくは3時間培養し、そのインスリン感受性を、例えばTRB3の発現レベルを指標に、アミノ酸を含まない培地で培養した細胞と比較測定することで見出すことができる。Fao 細胞は例えばEuropean Collection of Animal Cell Cultures (Porton Down, UK)からECACC No. 89042701として入手することができる。
あるいはあるアミノ酸が実際にインスリン作用を増強するか否かを細胞、例えばラット肝癌由来細胞株Faoを、1種類もしくは数種類のアミノ酸を添加した培地で30分から1週間、より望ましくは6時間培養し、そのインスリン様作用ならびにインスリン作用増強作用を、例えばG6Paseの発現レベルの抑制を指標に、アミノ酸を含まない培地で培養した細胞と比較測定することで確認することができる。
あるいは特定のアミノ酸が実際にインスリン作用を増強するか否かを、インスリン作用が不足している患者あるいは病態動物、例えばGKラットに対し、特定のアミノ酸を1日から1年、望ましくは3〜8週間投与し、インスリン作用を例えば空腹時血糖、空腹時インスリンの低下、経口糖負荷試験による耐糖能の改善、及び肝臓におけるTRB3、LAR、G6Pase遺伝子の発現低下などを指標に、アミノ酸を投与しない群と比較測定することで確認することができる。
特定のアミノ酸が肝疾患、特にNAFLD/NASHを改善するかについては、脂肪肝の増加に脂肪摂取量の増加が大きな要因になっているとされていることから、非アルコール性脂肪肝患者あるいは高脂肪食を与えて作成した病態動物に対し特定のアミノ酸を1日から1年、望ましくは3〜6週間投与し、肝トリグリセリド含量、及び肝臓における脂肪合成関連酵素遺伝子(例えばリンゴ酸酵素(Malic Enzyme)、ステアロイルCoAデサチュラーゼ1(SCD1))や脂肪燃焼系(β酸化)制御関連転写因子、酵素遺伝子(PPARα、アシルCoAオキシダーゼ(ACO)、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ1(CPT1))、あるいは脂質代謝制御関連に関連する肝細胞特異的転写因子遺伝子(肝細胞核因子4α(HNF4α))の発現などを指標に、アミノ酸を投与しない群と比較測定することで確認することができる。
特定のアミノ酸がメタボリックシンドロームを改善するかについては、メタボリックシンドローム様の病態動物に対し、特定のアミノ酸を1日から1年、望ましくは3〜8週間投与し、絶食時血糖、トリグリセリド等メタボリックシンドロームの異常判定基準項目値を指標に、アミノ酸を投与しない群と比較測定することで確認することができる。脂肪肝およびインスリン感受性の低下したメタボリックシンドローム様の病態動物は、正常、あるいはGKラットのような病態動物に、蔗糖、果糖、あるいは高脂肪食などを1日から1年、望ましくは2〜8週間投与し負荷することで、作成することができる。
また予防効果については、特定のアミノ酸を高脂肪食と同時に混餌もしくは経口投与することで、治療効果同様確認することができる。
本発明で用いるアミノ酸としては、このような効果を有するものであれば、天然に存在する、しないに関わらず、またアミノ酸自体は無論のこと、その薬学的に許容される塩類を使用できる。具体的には、例えば、アスパラギン酸、アラニン、シスチン、グルタミン、グリシン、ヒスチジンおよびそれらの塩からなる群から選ばれる1種又は2種以上のアミノ酸があげられ、特にこれらのアミノ酸は、L体であるのが好ましい。これらのうちでも、特にL−アスパラギン酸が好ましい。また塩を用いる場合は、好ましくはL-アスパラギン酸のアルカリ金属塩あるいはアルカリ土類金属塩、例えばL−アスパラギン酸ナトリウム塩が好ましい。
本発明の組成物は、アミノ酸として上記アミノ酸及び/又はその塩のみとすることができるが、上記以外のアミノ酸を含有させることができる。上記以外のアミノ酸を含有させる場合には、その量はアミノ酸全体の50重量%以下とするのが好ましい。
さらに、本発明の組成物には、上記成分に加えて、薬理学的に許容し得る各種の製剤用物質を製剤学上許容される担体(補助剤)として含むこともできる。
本発明の組成物は、例えば、経口投与、腹腔内投与、経皮的投与、吸入投与等各種の投与形態に調製することができる。具体的には、適当な固形又は液状の製剤形態、例えば顆粒、粉剤、被覆錠剤、錠剤、(マイクロ)カプセル、坐剤、シロップ、ジュース、懸濁液、乳濁液、滴下剤、輸液、注射用溶液、活性物質の放出を延長する製剤等を挙げることができる。
本発明に使用するアミノ酸の摂取量については、症状に応じて適当に選択されるが、経口投与の場合は成人患者で1日当たり、アミノ酸の正味重量で表して1日当たり1g以上、好ましくは3g〜300g程度、更に好ましくは3〜20g程度摂取することができる。また、重篤な場合には更に増量することもできる。投与の回数、時期については、数日に1回でも、また1日1回でも可能であるが、通常は1日当たり数回、例えば2〜4回に分けて投与される。
本発明では、上記アミノ酸を単独で、又は他の薬剤と組み合わせた形態で使用することができる。組み合わせる薬剤としては他のアミノ酸や肝疾患予防・治療薬があげられる。アスパラギン酸と組み合わせる場合、他のアミノ酸としてはアラニン、シスチン、グルタミン、グリシン、ヒスチジンおよびそれらの塩などが好ましいものとしてあげられ、特にアラニンが好ましい。又、アミノ酸及びその塩以外の肝疾患予防・治療薬としては、ウルソデオキシコール酸、グリチルリチン、ベタインといった肝庇護剤(Hepatoprotectant)の他、肝疾患の予防・治療効果が報告されているピオグリタゾン、ロジグリタゾン、メトホルミンなどの糖尿病治療薬、クロフィブレート、ゲムフィブロジル、アトロバスタチン、ロサルタン、プロブコール、イコサペント酸エチル、ホスファチジルコリン、ポリエンホスファチジルコリンなどの循環器疾患治療薬、シブトラミン、オルリスタットなどの抗肥満薬、ビタミンC、ビタミンEなどの抗酸化剤、ペントキシフィリン、抗TNF抗体などの抗炎症剤などが好ましいものとしてあげられる。
また上記アミノ酸を上記以外の代謝症候群やインスリン抵抗性に関連する疾患に対する治療薬、例えば糖尿病に対する速効型インスリン分泌促進剤であるナテグリニドと組み合わせた形態で使用することもできる。
上記薬剤の組み合わせは、1つの医薬組成物中に両者を共に含有する形態でも、それぞれの成分を含有する2つの医薬組成物を同時に又は多少の間隔をおいて投与する形態のいずれでもよい。他のアミノ酸と組み合わせる場合は生体内で分解してこれらのアミノ酸になる前駆体、例えばペプチドを用いても良い。
併用の場合、組成物中の他の薬剤の量は、個々の薬剤の有効量として好適な使用量や投与量を採用することができる。例えばL-アスパラギン酸とL-アラニンを組み合わせる場合、L-アスパラギン酸は20mg-50g/日、好ましくは0.1-40g/日、より好ましくは1回3-10gを1日1-4回経口投与することが望ましい。一方L-アラニンは5-50g/日、より好ましくは1回6gを1日1-3回経口投与することが望ましい。
一方、本発明において食品、特に機能性食品とする場合、例えばサプリメントとして顆粒、粉剤、被覆錠剤、錠剤、(マイクロ)カプセルとしても良く、また飲料、ゼリー、ビスケットなどの菓子、プリン、ヨーグルトなどの食品、あるいはスラリー状、ペースト状、乳液状の医療用流動食などに本発明の予防及び/または治療用組成物を含有させ、そのパッケージに、用途あるいは効能を表記したものがあげられる。
パッケージとしては、例えば一定量以上含有するアミノ酸及び/またはその用途・効能や飲食方法などに関する説明事項を記載したいわゆる能書があげられる。
用途・効能としては、代謝症候群、メタボリックシンドローム、インスリン抵抗性、肝疾患、肝機能異常、脂肪肝、NAFLD、NASH、体重増加、肥満、腹部肥満、内臓型肥満、内臓脂肪蓄積、糖尿病、耐糖能異常、高血圧、脂質代謝異常(高脂血症)、高インスリン血症、動脈硬化、心血管イベントならびにこれらに関係する症状の予防や改善、あるいはこれらに関係する臨床指標や生化学検査値の悪化防止や改善があげられる。
食品とする場合のアミノ酸の含量は食品全体に対し、0.1-100重量%、好ましくは3重量%以上、より好ましくは6〜100重量%である。又、アミノ酸含量が70〜100重量%である食品、すなわち主成分が本発明のアミノ酸のみである食品(機能性食品、サプリメントなど)も好ましい。又、アミノ酸の含量が3〜6重量%であるのも好ましい。アミノ酸の含量は、食品の形態及び一日あたりの摂取量等により、本発明の効果を奏するように任意に設定することも可能である。本発明では、これらのアミノ酸として本発明で用いるアミノ酸のみを用いることができるが、これ以外のアミノ酸(他のアミノ酸という)を併用することができる。ここで、他のアミノ酸を併用する場合、アミノ酸全体の50重量%以下とするのが好ましい。
又、本発明で用いるアミノ酸としては、アミノ酸自体を用いるのが好ましいが、アミノ酸自体に限定されず、例えば前記のL-アスパラギン酸には加水分解反応、特に生体内加水分解反応によりL-アスパラギン酸になり得る物質、例えばL-アスパラギン酸を構成単位に持つ蛋白質やペプチドを用いてもよい。
又、本発明で対象とする食品には、前記の用途・効能を単独で示さない乳化剤や香料を含む機能性食品も含まれる。
本発明で対象とする食品として、前記の用途・効能を示し、他の有効成分を含まないL-アスパラギン酸またはその塩単独のサプリメントの場合は、例えばL-アスパラギン酸単独の機能性食品の場合は、通常成人で1日当たり1g以上、好ましくは3g以上、更に好ましくは3〜40gを摂取することができるような商品形態の組成物が好ましい。
またL-アスパラギン酸を含有させた医療用食品、保健機能食品、栄養機能食品、特定保健用食品といった機能性食品の場合は一定量以上の含有量、例えば1食での摂取単位量あたり2gを越えるL-アスパラギン酸を含み、L-アスパラギン酸以外の蛋白質・アミノ酸が1食あたり10g以下であるような形態の経口用濃厚流動食があげられるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
本発明によれば、インスリン感受性増強作用を有するアミノ酸を有効成分とする肝疾患予防及び/または治療用組成物、特に、非アルコール性脂肪肝もしくは非アルコール性脂肪性肝炎の予防及び治療に有効な組成物が提供される。又、アスパラギン酸、アラニン、シスチン、グルタミン、グリシン、ヒスチジンが肝インスリン抵抗性に関与するTRB3の発現を抑制することができ、さらにその中のL-アスパラギン酸が生体内投与でも肝TRB3の発現を抑制しインスリン抵抗性を改善し、病態動物における肝脂肪蓄積を改善し、更に体重増加等の副作用がないとの利点がある。
次に実施例に基づいて本発明を説明する。
(実施例1) (培養肝細胞に対するアミノ酸のTRB3発現抑制効果)
ラット肝癌由来細胞株FaoのTRB3発現に対するアミノ酸の抑制効果を22種類のアミノ酸について検討した。
Fao細胞2x105cells/wellを24well plateに播き、10%牛胎児血清含有RPMI1640培地(ナカライテスク株式会社Code No.30264-85 )で37℃CO2 5%条件下1晩培養後、翌日に10% 牛胎児血清含有RPMI1640培地(通常培地)またはアミノ酸を全て除いた10% 牛胎児血清含有RPMI培地(マイナスアミノ酸培地)、またはこれに1種類のL-アミノ酸Xxx(濃度1mM)を添加した培地(マイナスアミノ酸+L-Xxx)に交換し、37℃CO2 5%条件下でさらに3時間培養した。マイナスアミノ酸培地の組成は表1に示した。また通常培地はマイナスアミノ酸培地に表2記載のアミノ酸を添加した培地である。
表1
Figure 2006061992
pHは7.2に調整後、0.22um filterを用いてろ過滅菌する。
表2
Figure 2006061992
pHは7.2に調整後、0.22um filterを用いてろ過滅菌する。
培養後の細胞よりRNAを抽出し、定量的PCRによりTRB3の発現レベルを測定し、アミノ酸飢餓でのTRB3発現誘導に対する各アミノ酸のTRB3発現抑制効果を比較した。遺伝子発現はβ-actin発現レベルで補正した(以下記述遺伝子についても同様である)。TRB3および以下に記述する遺伝子のプライマー配列を表11,12に示す。
データはマイナスアミノ酸培地を用いて3時間培養後のTRB3 mRNAレベルの平均値を1.00として補正し表現した。
その結果、アスパラギン酸、シスチン(Cyt)、グルタミン、グリシン、ヒスチジンで有意にTRB3発現抑制が認められた(p<0.05)(表3)。なお、アルギニン、アスパラギン、グルタミン酸、ヒドロキシプロリン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、システインについては有意なTRB3 発現抑制は見られなかった。
また別の実験でL-アスパラギン酸は0.03mM〜0.3mMの添加でも有意にTRB3の発現を抑制した。ベタインは1mMの添加でも抑制効果を示さず、オルニチンは0.3〜1mMの添加ではL-アスパラギン酸と同等の抑制効果を示したが、0.03〜0.06mMでの抑制効果はL-アスパラギン酸より弱いものであった。
表3
Figure 2006061992
n=4 平均値±標準偏差
〈プライマー配列〉
配列番号SEQIDNo:1〜4を用いた。
(実施例2) (培養肝細胞に対するL-Aspのインスリン感受性増強効果)
TRB3発現抑制作用を示したアミノ酸が実際に肝細胞に対するインスリン作用を増強するか、ラット肝癌由来細胞株Faoにおけるインスリンのグルコース-6-ホスファターゼ(G6Pase)発現抑制作用に対するL-Asp添加の効果を検討した。
Fao細胞を24well plateに播種し1晩培養後、L-Aspを除いた RPMI1640培地(グルコース不含、0.1%BSA含有)を基本に0, 0.3, 1.0mM L-Aspおよび0 , 10-10, 10-8, 10-6M insulinを添加し6時間培養した。その後、細胞よりRNAを抽出し定量的PCRによりG6Paseの発現量測定を行った。
グルコース飢餓により肝細胞のG6Paseの発現が増加するが、インスリンはこれを抑制する。この系でL-Aspは単独添加培養でもG6Paseの発現を低下させる作用を示すとともに、インスリンと共存させることでG6Paseの発現低下を増強した。よってL-Aspは肝細胞のインスリン感受性を増強することが確認された(表4)。
表4
Figure 2006061992
Insulin 0M , -Asp RPMIにおけるG6Pase発現レベルを1.00とする。
カッコ内は各insulin濃度で、-Asp RPMIにおけるG6Pase発現レベルを1.00とした場合の値。
〈プライマー配列〉
配列番号SEQIDNo:1,2,5,6を用いた。
(実施例3)(病態ラットに対するL-Asp長期投与での肝遺伝子発現変動及びインスリン感受性増強効果)
in vitroの培養細胞株で見られたL-Aspのインスリン感受性増強作用がin vivo の病態動物で十分な効果を示すかを、インスリン分泌不全/インスリン作用不足の糖尿病モデルラットであるGKラットにL-Aspを混餌で長期投与し、肝遺伝子発現並びに病態に対する効果を検討した。
雄性GKラットを6週齢で購入し、1週間予備飼育後1群5匹で下記の群に分け、実験食に切り替え、8週間飼育した。
CON群:コントロール食投与
3AS群: 3% L-Asp含有食投与
6AS群: 6% L-Asp含有食投与
投与6週目における絶食時血糖は、L-Asp投与量に依存して低下し、6AS群ではCON群に比べて有意に低値を示した。また絶食時インスリンレベルはCON群に比べて3AS群で有意に低値を示し、6AS群で低下傾向を示した。これらよりL-Asp投与によりGKラットにおけるインスリン抵抗性が改善する事が考えられた。絶食時血糖は一般にインスリン基礎分泌並びにインスリン抵抗性を反映する指標と考えられており、長期のAsp投与がインスリン基礎分泌の改善及び/または肝遺伝子発現を反映したインスリン感受性の増強作用を示し、血糖値の低下を促進したと考えられた。
投与8週目で18時間絶食後に肝臓を摘出し、RNAを抽出して定量的PCRにより遺伝子発現を比較した。その結果、インスリンシグナルを抑制するTRB3の発現は3AS群でCON群に比べて有意に低下し6AS群でも低下傾向が認められた。またG6Paseも6AS群で有意な低下が認められた。さらにLARの発現が3AS,6AS群で低下傾向を示した(表5)。
以上より、L-Aspは病態動物への長期投与において、in vitro同様、遺伝子発現を修飾し、肝臓のインスリン感受性を増強することが想定された。
表5
Figure 2006061992
n=5 平均値±標準偏差
mRNAレベルはCON群のレベルを1.00とする
*:t-testによりCON群に比べて有意差あり(P<0.05)
〈プライマー配列〉
配列番号SEQIDNo:1〜8を用いた。
また各群の個体の肝遺伝子を等量ずつ混合した試料を用いて遺伝子発現プロファイリングを行った。遺伝子発現プロファイリングにはGene ChipラットゲノムU34Aアレイ(Affymetrix社)を用いた。その結果、脂肪合成に関与するmalic enzyme(ME), stearoyl-CoenzymeA desaturase 1(SCD1)遺伝子の肝での発現低下が見られたことから、L-Aspの長期投与は肝脂質合成を抑制することも想定された(表6)。
表6
Figure 2006061992
n=5 平均値
mRNAレベルはCON群のレベルを1.00とする
(実施例4)(病態ラットに対するL-Asp長期投与でのインスリン抵抗性改善作用及び脂肪肝改善作用)
近年のインスリン抵抗性に関連する代謝異常疾患、例えば糖尿病や脂肪肝の増加には脂肪摂取量の増加が大きな要因になっているとされていることから、高脂肪食を与えたGKラットを用いてL-Aspの薬理作用を確認した。
表7に示すような組成で通常食(5%ダイズ油を含む;以下SDと略す)、高脂肪食(30%牛脂を含む;以下HFDと略す)及びHFDにL-Aspを約6%添加した実験食を作成した。さらに陽性対照としてHFDに0.01%ピオグリタゾン(Pio)を添加した実験食を作成した。

表7 SD群 HFD群 HFD+Asp群 HFD+Pio群
コーンスターチ 5175 2675 2675 2675
αスターチ 1320 1320 1320 1320
大豆油 500
牛脂 3000 3000 3000
カゼイン 2000 2000 2000 2000
L-アスパラギン酸 600
セルロース 500 500 500 500
salt mix(AIN93G) 350 350 350 350
vitamin mix(AIN93) 100 100 100 100
シスチン 30 30 30 30
choline bitartrate 25 25 25 25
Tert-butylhydroquinone 0.14 0.14 0.14 0.14
ピオグリタゾン 1
(g/10kg diet)
7週令の雄性GKラットを2週間通常食で飼育後1群6匹に群分けを行った。HFD群では、SD群に比し空腹時血糖並びに空腹時血漿インスリンレベルの増加が認められ、インスリン抵抗性の存在が示唆された。これに対しHFD+Asp群ではこの上昇が抑制されており、L-Aspにインスリン抵抗性の改善効果が認められた(表8)。その作用は陽性対照としたピオグリタゾンとほぼ同等であった。
また空腹時血漿トリグリセリドについてはSD群に比しHFD群で高値を示すことはなかったが、HFD+Asp群ではこれも低下した(表8)。
次に定法に従い肝臓中のトリグリセリド含量を測定したところ、HFD群では肝臓1g当たり39.9mgと、SD群(17.1mg)に比し、肝臓中の脂肪含量の増加が認められた。これに対しHFD+Asp群では、肝臓中のトリグリセリドは肝臓1g当たり28.0mgと低下しており、その効果はピオグリタゾンより強いものであった(表8)。また組織学的な検討でも肝門脈域を中心とした脂肪滴蓄積の改善が認められ、L-Aspの脂肪肝、NASHに対する有効性が示された。
なお本試験を通じ、HFD+Pio群ではHFD群に比し有意な体重増加が認められたが、HFD+Asp投与群の体重推移はHFD群と同等であった(表8)。
また血液生化学検査(ALT、AST)、及び組織学的検査において、全群で肝機能障害は認められなかった。
表8
Figure 2006061992
n=6 平均±標準偏差
さらに6週投与後のラット肝臓中の遺伝子発現を定量的 PCRにより調べたところ、HFD群に比しHFD+Asp群ではTRB3、G6Paseの発現はそれぞれ0.58倍、0.52倍に低下しており、これまでの結果同様肝インスリン感受性の改善を示す遺伝子発現の変動が確認された。
またPPARα、ACO、CPT-1の発現はそれぞれ1.34倍、1.18倍、1.20倍に亢進しており、L-Asp投与は肝での脂肪燃焼に関わる酵素の発現を転写因子レベルで促進することも示唆された。
表9
Figure 2006061992
n=6 平均値
mRNAレベルはSD群のレベルを1.00とする
〈プライマー配列〉
配列番号SEQIDNo:1〜6 ,9〜14を用いた。
これらの結果より我々が見出したL-Aspのインスリン感受性亢進、糖新生抑制作用は、in vitro のみならず、インスリン分泌不全とインスリン抵抗性を併せ持つin vivo病態モデルでも効果を発揮すること、同時に高脂肪食摂取による脂肪肝も改善する効果を示すことが確かめられた。
(実施例5)(L-Aspのインスリン抵抗性関連遺伝子(TRB3)発現抑制および肝脂質代謝関連遺伝子(HNF4α)発現亢進に対する他アミノ酸添加の効果
L-Aspのラット肝細胞由来細胞株FaoのTRB3発現に対する抑制効果が他のアミノ酸としてL-Alaを加えることで増強されるかを調べた。 また同時にHNF4αの発現が亢進されるかを調べた。
Fao細胞2x105cells/wellを24well plateに播き、10%牛胎児血清含有RPMI1640培地(ナカライテスク株式会社Code No.30264-85 )で37℃、CO2 5%条件下1晩培養した。翌日、アミノ酸を全て除いたRPMI培地(マイナスアミノ酸培地、表1)、またはこれにL-Asp(濃度0.05mM)あるいはL-Ala(濃度0.03mM)、または両者を添加した培地に交換し、37℃、CO2 5%条件下でさらに3時間培養した。培養後、細胞からRNAを抽出し、定量的PCRによりTRB3 mRNAおよびHNF4α mRNAのレベルを測定した(表10)。各mRNA発現量は、マイナスアミノ酸培地でのレベルを1.00とした相対値で示した。
表10
Asp Ala Asp+Ala
TRB3 1.00 0.54 0.43 0.26
HNF4α 1.00 1.30 0.80 1.84
TRB3 mRNAの発現レベルは、培地にL-AspあるいはL-Alaを添加したとき54%あるいは43%まで抑制され、L-AspおよびL-Ala両者を添加したときにはより強い発現抑制(26%)が認められた(26%)。
またHNF4α mRNAの発現レベルはL-Alaを添加したときには上昇は認められなかったが、L-Asp添加では1.3倍まで上昇し、さらにL-AspおよびL-Ala両者を添加したときにはL-Asp単独よりもはるかに強い発現上昇(1.84倍)が認められた。
<プライマー配列>
配列番号SEQIDNo.3、4、15及び16を用いた。
遺伝子発現測定に用いたプライマー配列を表11、表12に示す。
表11
Figure 2006061992
表12
Primer name primer name SEQ ID NO sequence
HNF4α-F HNF4α-F SEQ ID NO: 15 CATAGTTGCCAACACGATGC
HNF4α-R HNF4α-R SEQ ID NO: 16 TGGCAGGAGCTTGTAGGATT
(実施例6)(正常ラット-高脂肪食負荷モデルに対するL-Asp長期投与での脂肪肝改善作用)
高脂肪食を与えたWistarラットを用いてL-Aspの薬理作用を確認した。表7に示すような組成で高脂肪食(30%牛脂を含む;以下HFDと略す)及びHFDにL-Aspを約6%添加した実験食を作成した。
7週令の雄性Wistarラットを2週間通常食(CRF-1)で飼育後1群6匹に群分けを行った。4週間実験食を摂餌させたところ、HFD群に対しHFD+Asp群では体重が低下傾向にあり、L-Aspに体重抑制作用が認められた(表13)。
次に定法に従い肝臓中のトリグリセリド含量を測定したところ、HFD群では肝臓1g当たり57.6mgを示したのに対し、HFD+Asp群では、肝臓中のトリグリセリドは肝臓1g当たり43.4mgと低下しており、L-Aspの肝TG蓄積抑制作用が認められた(表13)。また全肝臓当たりに換算しても、HFD群では全肝臓当たり1047.5mgを示したのに対し、HFD+Asp群では743.4mgと低下しており、同様の作用が認められた(表13)。以上の結果から、L-Aspは高脂肪食による体重増加や肝の脂肪化を予防・軽減する有効性が示された。
表13
Figure 2006061992
n=6 平均±標準偏差

Claims (18)

  1. インスリン感受性増強作用を有するアミノ酸を有効成分とする肝疾患予防及び/または治療用組成物。
  2. 肝疾患が、インスリン抵抗性関連肝疾患である請求項1記載の肝疾患予防及び/または治療用組成物。
  3. インスリン抵抗性関連肝疾患が非アルコール性脂肪肝もしくは非アルコール性脂肪性肝炎である請求項2記載の肝疾患予防及び/または治療用組成物。
  4. インスリン感受性増強作用を有するアミノ酸が、アスパラギン酸、アラニン、シスチン、グルタミン、グリシン、ヒスチジンおよびそれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを含むものである請求項1〜3いずれか1項記載の肝疾患予防及び/または治療用組成物。
  5. インスリン感受性増強作用を有するアミノ酸が、L-アスパラギン酸またはその塩である請求項1〜4のいずれか1項記載の肝疾患予防及び/または治療用組成物。
  6. L-アスパラギン酸および/またはその塩、および第二の有効成分としてアラニン、シスチン、グルタミン、グリシン、ヒスチジンおよびそれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも1つのアミノ酸を有効成分として含有することを特徴とする肝疾患予防及び/または治療用組成物。
  7. L-アスパラギン酸および/またはその塩、および第二の有効成分としてアラニンまたはその塩を有効成分として含有することを特徴とする肝疾患予防及び/または治療用組成物。
  8. L-アスパラギン酸および/またはその塩、および第二の有効成分としてアミノ酸及びその塩以外の肝疾患予防・治療薬を含有する肝疾患予防及び/または治療用組成物。
  9. L-アスパラギン酸および/またはその塩を単独の有効成分とする組成物と、請求項6〜8記載の第二の有効成分を含有してなる組成物の少なくとも一つとを組み合わせたことを特徴とする肝疾患予防及び/または治療用キット。
  10. インスリン感受性増強作用を有するアミノ酸を有効成分とするインスリン抵抗性関連疾患予防及び/または治療用組成物。
  11. インスリン抵抗性関連疾患が、メタボリックシンドロームもしくは代謝症候群関連疾患である請求項10記載のインスリン抵抗性関連疾患予防及び/または治療用組成物。
  12. インスリン感受性増強作用を有するアミノ酸が、アスパラギン酸、アラニン、シスチン、グルタミン、グリシン、ヒスチジンおよびそれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを含むものである請求項10又は11記載のインスリン抵抗性関連疾患予防及び/または治療用組成物。
  13. インスリン感受性増強作用を有するアミノ酸が、L-アスパラギン酸および/またはその塩である請求項10〜12のいずれか1項記載のインスリン抵抗性関連疾患予防及び/または治療用組成物。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項記載の予防及び/または治療用組成物を含有する食品。
  15. L-アスパラギン酸またはその塩を有効成分とする肝疾患予防及び/または治療用組成物を含有する機能性食品。
  16. L-アスパラギン酸またはその塩を有効成分とするインスリン抵抗性関連疾患予防及び/または治療用組成物を含有する機能性食品。
  17. アスパラギン酸、アラニン、シスチン、グルタミン、グリシン、ヒスチジンおよびそれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを含むインスリン感受性増強剤。
  18. アスパラギン酸、アラニン、シスチン、グルタミン、グリシン、ヒスチジンおよびそれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを含むインスリン抵抗性改善剤。
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