JPWO2006046396A1 - カメラモジュール - Google Patents
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Abstract
複数の単レンズ(11a〜11d)が複数の撮像領域(17a〜17d)にそれぞれ被写体像を形成し、複数の撮像領域からの電気信号を合成して画像を得る。複数の単レンズはレンズホルダー(12)に保持され、複数の撮像領域は撮像素子ホルダー(16)に保持されている。レンズホルダーと撮像素子ホルダーとは対向して配置される。レンズホルダーと撮像素子ホルダーとは別部材からなり、それぞれの材料の線膨張係数は略同一である。レンズホルダー及び撮像素子ホルダーと複数の単レンズとは異なる材料からなる。これにより、温度変化にかかわらず安定して高画質画像を得ることができ、また、被写体までの距離測定を高精度で行うことができる。
Description
本発明は薄型、小型、高精細で、被写体までの距離測定ができ、周辺温度変化に対して性能が安定な複眼式カメラモジュールに関する。
レンズ系を介して被写体像を固体撮像素子上に結像して画像化するカメラモジュールはデジタルスチルカメラや携帯電話用カメラなどに広く用いられている。近年、カメラモジュールには高画素化と低背化の両立が求められている。一般に画素数の増大とともにレンズ系に高解像性が要求されるために、カメラモジュールの光軸方向の厚みが大きくなる傾向がある。これに対して、固体撮像素子の画素ピッチを小さくして同一画素数でも撮像素子のサイズを小さくすることによってレンズ系のスケールダウンを可能にし、高画素化と低背化とが両立されたカメラモジュールを実現する試みが取り組まれている。
しかしながら、固体撮像素子の感度と飽和出力とは画素サイズに比例するために、画素ピッチの縮小化には限界がある。
カメラモジュールとしては、光軸に沿って1又は2以上のレンズが配置された1つのレンズ系と、この光軸上に配置された1つの固体撮像素子とからなる、いわゆる単眼式が一般的である。これに対して、近年、カメラモジュールの薄型化を図るために、同一平面上に配置された複数のレンズ系と、この複数のレンズ系に一対一に対応して同一平面上に配置された複数の撮像領域とからなる、いわゆる複眼式のカメラモジュールが提案されている。
このような複眼式のカメラモジュールの一例が特開2001−61109号公報に記載されており、これを図10を用いて説明する。
同一平面上に配置された、焦点距離が数百μm程度の複数の微小レンズ101aが一体化されてなるレンズアレイ101と、多数の受光素子が単一平面上に配置された受光素子アレイ103とが、対向して配置されている。受光素子アレイ103の受光領域は、レンズアレイ101の複数の微小レンズ101aに一対一に対応する複数の撮像領域に分割されている。1つの微小レンズ101aと、この微小レンズ101aに対応する1つの撮像領域内に含まれる複数の受光素子とが、1つの結像ユニットを構成する。レンズアレイ101と受光素子アレイ103との間に、結像ユニット間での光信号の混信を避けるための隔壁層102が配置されている。結像ユニットごとに、各微小レンズ101aは受光素子アレイ103の対応する撮像領域上に被写体像を形成する。被写体に対する各微小レンズ101aの相対位置が異なるために、各結像ユニットに形成される被写体像はわずかに異なる。複数の撮像領域からの信号を演算して、それぞれの被写体像を合成することにより、高解像度の画像が得られる。
レンズアレイ101上の各微小レンズ101aは、ガラス基板上にエッチング加工で形成された回折型レンズ又は屈折型レンズである。数百μm程度の短焦点距離のレンズを用いることにより、レンズアレイ101と受光素子アレイ103との距離を非常に小さくし、薄型化を図ることができる。
複眼式のカメラモジュールの別の例が特開2001−78217号公報に記載されており、これを図11を用いて説明する。図11はカメラモジュールの主要部のみを抽出して図示している。3つのレンズ111a,111b、111cを有するレンズアレイ112と、固体撮像素子114とが対向して配置されている。レンズアレイ112の被写体側の面には、3つのレンズ111a,111b、111cにそれぞれ対向する位置に緑色分光フィルタ113a、赤色分光フィルタ113b、青色分光フィルタ113cがそれぞれ設けられている。固体撮像素子114のレンズアレイ112側の面にも、3つのレンズ111a,111b、111cにそれぞれ対向する位置に緑色分光フィルタ115a、赤色分光フィルタ115b、青色分光フィルタ115cがそれぞれ設けられている。これにより、緑色分光フィルタ113aと、レンズ111aと、緑色分光フィルタ115aと、固体撮像素子114の緑色分光フィルタ115aが設けられた撮像領域とが、緑色光の結像ユニットを構成する。同様に、赤色分光フィルタ113bと、レンズ111bと、赤色分光フィルタ115bと、固体撮像素子114の赤色分光フィルタ115bが設けられた撮像領域とが、赤色光の結像ユニットを構成し、青色分光フィルタ113cと、レンズ111cと、青色分光フィルタ115cと、固体撮像素子114の青色分光フィルタ115cが設けられた撮像領域とが、青色光の結像ユニットを構成する。3つの結像ユニットからの信号を演算して、それぞれの被写体像を合成することにより、カラー画像が得られる。
複眼式カメラモジュールにおいては、複数の結像ユニットのそれぞれから得られる複数の画像間に生じる視差を利用して被写体までの距離を測定することができる。図12は視差を用いて被写体までの距離を測定する原理を示した図である。
レンズ122aは被写体121からの光を固体撮像素子124a上に被写体像123aとして結像し、レンズ122bは被写体121からの光を固体撮像素子124b上に被写体像123bとして結像する。このとき、被写体121上の同一点からの光は視差Δだけずれて固体撮像素子124a,124bにそれぞれ至り、固体撮像素子124a,124b上の画素で受光され、電気信号に変換される。
ここで、レンズ122a,122bの光軸間の距離をD、レンズと被写体121との距離をG、レンズの焦点距離をfとし、距離Gが焦点距離fに比べて極めて大きいときには次式(1)が成り立つ。
G=Df/Δ ・・・(1)
レンズ122a,122bの光軸間の距離D、およびレンズの焦点距離fは既知である。固体撮像素子124a,124bからの電気信号に基づいて固体撮像素子124a,124b間での被写体像123a,123bの位置ずれ量、即ち視差Δを求めれば、式(1)より、被写体までの距離Gを算出することができる。このように、複眼式カメラモジュールは画像を得るだけでなく測距センサーとしての機能をも有する。
レンズ122a,122bの光軸間の距離D、およびレンズの焦点距離fは既知である。固体撮像素子124a,124bからの電気信号に基づいて固体撮像素子124a,124b間での被写体像123a,123bの位置ずれ量、即ち視差Δを求めれば、式(1)より、被写体までの距離Gを算出することができる。このように、複眼式カメラモジュールは画像を得るだけでなく測距センサーとしての機能をも有する。
図11及び図12の複眼式カメラモジュールにおいては、複数の結像ユニットから得られる複数の画像における同一点を抽出し、この同一点が相互に重なり合うようにして複数の画像を合成することで合成画像を形成する。
しかしながら周辺温度の変化により、レンズとこれに対応する撮像領域との相対的位置が変動すると、合成画像が劣化したり、画像処理時間が非常に増大したりしてしまう。
特開2001−78217号公報は、周囲温度の変化を±20℃程度以下と想定し、各撮像領域上に形成される被写体像の同一点の間隔A(mm)、レンズアレイ112の材料の線膨張係数αL、固体撮像素子114の画素ピッチP(mm)が、
2×A×(αL−0.26×10−5)×20<P/2・・・(2)
を満足することを開示している。式(2)の左辺において、「0.26×10−5」は固体撮像素子114の線膨張係数であり、「20」は温度変化量(℃)である。特開2001−78217号公報では、固体撮像素子114の画素ピッチPが2.8μm、対角長2.8mm、画素数48万個を想定した例が記載されており、この場合、αLが1.2×10−5のガラス材料がレンズアレイ112の材料として有効であると記載されている。
2×A×(αL−0.26×10−5)×20<P/2・・・(2)
を満足することを開示している。式(2)の左辺において、「0.26×10−5」は固体撮像素子114の線膨張係数であり、「20」は温度変化量(℃)である。特開2001−78217号公報では、固体撮像素子114の画素ピッチPが2.8μm、対角長2.8mm、画素数48万個を想定した例が記載されており、この場合、αLが1.2×10−5のガラス材料がレンズアレイ112の材料として有効であると記載されている。
しかしながら、特開2001−78217号公報で示された式(2)からわかるように、複眼式カメラモジュールにおいて、周辺温度変化に対して安定して良好な画像を得るためには、レンズアレイ材料として線膨張係数の小さい材料を用いることが不可欠となる。その結果、この条件を満たすレンズ用透明材料として、現実的にはガラスを使わざるを得ず、現状の単眼式カメラモジュールに広く使われている樹脂材料に比べると経済性、生産性の上で課題を有する。
また、たとえ線膨張係数の小さいガラス材料を用いても、画素ピッチPに対する各撮像領域上に形成されるそれぞれの被写体像の同一点の間隔Aの比A/Pを大きくとることができない。これにより、固体撮像素子の画素数の上限は数十万程度に制限されてしまい、高精細の画像が得られない。
また、レンズから被写体までの距離が一定であっても、周辺温度が変化すると視差Δも変化する。これは温度変化によって生じるレンズ間距離の変化量と、撮像領域間距離の変化量とが一致しないためである。これにより、周辺温度の変化があると、式(1)を用いて得られる被写体までの距離Gを精度よく測定することができなくなる。
本発明は、上記の従来の課題を解決するものであって、薄型、小型、高精細で、生産性がよく、周辺温度変化に対して性能が安定した複眼式カメラモジュールを提供することを目的とする。
本発明のカメラモジュールは、複数の単レンズと、前記複数の単レンズと一対一に対応する複数の撮像領域とを備える。前記複数の単レンズが前記複数の撮像領域にそれぞれ被写体像を形成し、前記複数の撮像領域からの電気信号を合成して画像を得る。
前記カメラモジュールは、更に、前記複数の単レンズを保持するレンズホルダーと、前記複数の撮像領域を保持する撮像素子ホルダーとを備える。前記レンズホルダーと前記撮像素子ホルダーとは対向して配置される。そして、前記レンズホルダーと前記撮像素子ホルダーとは別部材からなり、それぞれの材料の線膨張係数は略同一である。前記レンズホルダー及び前記撮像素子ホルダーと前記複数の単レンズとは異なる材料からなる。
本発明によれば、周囲の温度が変化しても単レンズとこれに対応する撮像領域との相対的位置ずれが微小であるため、温度変化にかかわらず安定して高画質画像を得ることができ、また、被写体までの距離測定を高精度で行うことができる。また、本発明によれば、薄型、小型、高精細で、生産性の良好なカメラモジュールを提供することができる。
上記の本発明のカメラモジュールにおいて、前記複数の撮像領域からの前記電気信号を比較することにより、被写体までの距離を測定することが好ましい。これにより、本発明のカメラモジュールを高精度の測距装置として利用できる。例えば、視野内の一部又は全ての被写体までの距離を測定することが可能になる。
上記の本発明のカメラモジュールにおいて、前記レンズホルダー及び前記撮像素子ホルダーがいずれもシリコンよりなることが好ましい。撮像素子ホルダーの材料がシリコンであれば、撮像素子ホルダーは固体撮像素子やデジタル信号プロセッサ(DSP)と線膨張係数がほぼ同一になるため、実装や配線形成が容易となり、十分な信頼性を確保することができる。また、レンズホルダーと前記撮像素子ホルダーとが同一材料からなることにより、両者の線膨張係数が同一となるので、温度変化に対する性能変化を抑えることができる。
上記の本発明のカメラモジュールは、更に、前記レンズホルダーと前記撮像素子ホルダーとの間にスペーサを備えることが好ましい。これにより、カメラモジュールの周辺から撮像領域へ不要光が入射するのを防止することができる。
上記の本発明のカメラモジュールにおいて、前記複数の単レンズは互いに独立し分離した樹脂よりなることが好ましい。これにより、各レンズの膨張収縮がレンズ毎に分断されるため、レンズの間隔とは関係なく周辺温度に対して安定な画像を得ることができる。
上記の本発明のカメラモジュールは、更に、前記複数の単レンズと一対一に対応する複数のカラーフィルターを備え、前記複数のカラーフィルターのうちの少なくとも一つは赤色波長帯域の光を前記撮像領域に入射させ、他の少なくとも一つは緑色波長帯域の光を前記撮像領域に入射させ、他の少なくとも一つは青色波長帯域の光を前記撮像領域に入射させることが好ましい。これにより、各レンズは可視光域の全波長帯域を受け持つ必要が無く、赤、緑、青それぞれの波長帯域の光のみに対して収差の少ないレンズであればよく、単レンズで十分な性能を確保できる。従って、カメラ光学系を薄型化することができる。
特に、前記複数のカラーフィルターのうち少なくとも2つは同じ波長帯域の光を透過することが好ましい。これにより、同じ波長帯域の光によって得られた少なくとも2つの被写体像を比較することで視差を求めることができ、カメラから被写体までの距離を測定できる。
上記の本発明のカメラモジュールにおいて、前記複数の単レンズのそれぞれが両面に回折格子を備えていることが好ましい。これにより、収差を少なくでき、細かい画素ピッチの撮像領域の解像度を損なうことなく、高画質な画像を得ることができる。また、非球面レンズと同等の性能をより薄いレンズで得ることができるのでカメラモジュールをより薄型化できる。
上記の本発明のカメラモジュールにおいて、前記複数の単レンズのそれぞれの光軸は、対応する前記撮像領域の受光面と垂直で、且つ前記撮像領域の中心をほぼ通過することが好ましい。これにより、高解像度の像を撮像領域の広い領域上に結像させることができるので、画素数を増やすことで解像度の高い画像を得ることができる。好ましくは、単レンズの光軸と撮像領域の中心とのずれ量は10μm以下である。
上記の本発明のカメラモジュールは、更に、被写体像の焦点位置の検出手段と、前記レンズホルダーと前記撮像素子ホルダーとの光軸に沿った間隔を変化させるするアクチュエータと、前記検出手段が検出した前記焦点位置に応じて前記アクチュエータを駆動する制御手段とを備えることが好ましい。これにより、周辺温度が変化することによって、光軸に沿った方向の焦点位置がずれても、ぼけのない画像を得ることができる。
前記スペーサーは、前記撮像領域に、これに対応する前記単レンズ以外の前記単レンズを通過した光が入射するのを防止することが好ましい。これにより、各撮像領域に、不要な色の光が入射するのを防止し、画像の色再現劣化を防ぐことができる。
上記の本発明のカメラモジュールにおいて、前記レンズホルダーの前記撮像素子ホルダーに対向する面、及び前記撮像素子ホルダーの前記レンズホルダーに対向する面に、表面反射を抑制するコーティングが施されていることが好ましい。これにより、不要な光が撮像領域に入射すること防ぎ、フレアやゴーストの発生を抑止することができる。
前記コーティングが、屈折率2.1、膜厚140nmの単層膜からなり、前記単層膜の材料が硫化亜鉛、酸化セリウム、酸化タンタル、酸化チタンのいずれかであることが好ましい。これにより、レンズホルダー、および撮像素子ホルダーがシリコンからなる場合に単層膜で十分な反射防止効果が得られ、不要光の反射を防ぐことができる。
上記の本発明のカメラモジュールにおいて、前記複数の単レンズを保持する前記レンズホルダーは、前記レンズホルダーを一対の成形駒で挟み、前記レンズホルダーと前記一対の成形駒とで形成されたキャビティ内に樹脂を射出成形することにより得られたものであることが好ましい。これにより、簡単な工程で複数のレンズ形成と、レンズホルダー上への各レンズの実装とを同時に行うことができる。
あるいは、上記の本発明のカメラモジュールにおいて、前記複数の単レンズを保持する前記レンズホルダーは、前記レンズホルダーを一対の成形駒で挟み、前記レンズホルダーと前記一対の成形駒とで形成されたキャビティ内に紫外線硬化樹脂を注入し、前記紫外線硬化樹脂に紫外線を照射して硬化させることにより得られたものであることが好ましい。これにより、簡単な工程で複数のレンズ形成と、レンズホルダー上への各レンズの実装とを同時に行うことができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1に係るカメラモジュールの概略構成を示した分解斜視図、図2は、本実施の形態1に係るカメラモジュールの光軸に沿った断面図である。
図1は本発明の実施の形態1に係るカメラモジュールの概略構成を示した分解斜視図、図2は、本実施の形態1に係るカメラモジュールの光軸に沿った断面図である。
4つのレンズ11a、11b、11c、11dは互いに独立した両面非球面単レンズであり、レンズホルダー12にてほぼ同一平面上に配置され位置決めされている。4つのレンズ11a、11b、11c、11dの各光軸13a、13b、13c、13dはいずれもレンズホルダー12の主面の法線と平行である。ここで、図1に示すように、光軸13a、13b、13c、13dと平行な方向をZ軸、Z軸に垂直な一方向をX軸、Z軸及びX軸に垂直な方向をY軸とする。レンズ11a、11b、11c、11dは、XY平面上において、X軸に平行な直線及びY軸に平行な直線により形成される格子点上に配置される。
各レンズの第1面(被写体側の面)には光の3原色である赤、青、緑のいずれかの波長帯の光を透過するカラーフィルターが塗布されている。その結果、レンズ11aとレンズ11dは緑色光を透過し、レンズ11bは赤色光を透過し、レンズ11cは青色光を透過する。
レンズホルダー12はシリコンからなる。レンズを保持する部分には穴あけ加工が施されている。レンズホルダー12の裏面側(被写体とは反対側の面)には反射を防止するコーティングが施されている。具体的には屈折率2.1、膜厚140nmの硫化亜鉛の単層膜が形成されている。屈折率が2.1程度であれば硫化亜鉛に限るものではなく、例えば酸化セリウム、酸化タンタル、酸化チタンなどでもよい。
レンズホルダー12の被写体とは反対側の面に、遮光スペーサー14が貼り合わされている。遮光スペーサ14は、4つのレンズの光軸13a、13b、13c、13dをそれぞれ中心とする開口(貫通孔)15a、15b、15c、15dを備える。各開口を形成する内壁面には光の反射防止処理がされている。具体的には、表面での反射を抑制するように、黒塗りをし、表面を荒らすなどによるつや消し処理が施されている。これにより、内壁面で反射した迷光が固体撮像素子に入射することを避けることができる。
遮光スペーサー14の被写体とは反対側の面に、撮像素子ホルダー16が貼り合わされている。撮像素子ホルダー16はシリコンよりなり、そのレンズホルダー12に対向する面には、レンズホルダー12に設けたのと同様の、反射を防止するコーティングが施されている。撮像素子ホルダー16の遮光スペーサー14側の面に、4つの固体撮像素子17a、17b、17c、17dがほぼ同一平面上(XY平面上)に配置されている。4つのレンズの光軸13a、13b、13c、13dは4つの固体撮像素子のそれぞれの中心(矩形状の固体撮像素子の対角線の交点)をほぼ通過する。従って、各固体撮像素子の中心間隔と、各レンズの中心間隔とはほぼ等しい。各固体撮像素子は白黒のセンシングを行い、内部にカラーフィルタを有しない。
図2は図1に示したカメラモジュールの光軸13a、13dを含む面での断面図である。撮像素子ホルダー16上にデジタル信号プロセッサー(DSP)を含む基板21が設けられ、この上に4個の固体撮像素子17a、17b、17c、17dが配置されている。
本実施の形態のカメラモジュールでは、単レンズ11a、11dに入射した被写体からの光のうち、緑色の光が固体撮像素子17a、17dにそれぞれ入射する。また、単レンズ11bに入射した被写体からの光のうち、赤色の光が固体撮像素子17bに入射する。また、単レンズ11cに入射した被写体からの光のうち、青色の光が固体撮像素子17cに入射する。このように被写体からの光は緑色波長帯域光、赤色波長帯域光、青色波長帯域光に分離されて固体撮像素子17a、17b、17c、および17dで撮影される。これら4つの固体撮像素子17a、17b、17c、および17dで撮影された4個の画像を合成してカラー画像を得る。これらの合成はデジタル信号プロセッサー(DSP)により行う。
本実施の形態のカメラモジュールでは、1つのレンズとこれに対応する1つの固体撮像素子とを含む結像ユニットを4つ備えている。
遮光スペーサー14は、4つの結像ユニットに対応して独立した4つの開口15a、15b、15c、15dを備えるので、各固体撮像素子に、それぞれに対応するレンズ以外のレンズからの光が入射するのが防止される。従って、画質劣化を防止できる。
被写体に対する4つのレンズ11a、11b、11c、11dの相対位置が異なるために、4つの固体撮像素子17a、17b、17c、17dで撮影された4個の画像間には視差に基づくズレが生じる。図1のように対角の象限に配置された緑色波長帯域の光を受ける固体撮像素子17a、17dが撮像した2つの緑色波長帯域画像が一致するように合成すれば、両者間の視差(ズレ)のX方向成分及びY方向成分を求めることができ、これより、X方向及びY方向における画像の合成規則を導き出すことができる。この2方向の合成規則を適用して赤色波長帯域画像及び青色波長帯域画像を緑色波長帯域画像に合成することで、カラー画像を得ることができる。ここで視差に基づく画像ズレを補正するために2つの緑色波長帯域画像を用いているのは、人間の眼に感じやすい緑色の光信号を多くすることによって鮮明な画像を得ることができるためである。
4つの固体撮像素子17a、17b、17c、および17dからそれぞれ得られた4個の画像を合成する際の前提として、同じ被写体をとらえている画素が、それぞれの固体撮像素子のどこにあるかを認知する必要がある。その認知方法の一例を図3A及び図3Bを用いて説明する。
図3Aに示すように、実質的に無限遠(例えば10m離した距離)に置かれた白色光源(実施的に点光源と見なせる光源が好ましい)を撮影し、光量がピークになる位置(画素)を、各固体撮像素子17a、17b、17c、17dの原点31,32,33,34とすることで、各固体撮像素子を構成する多数の画素の位置を特定することが可能になる。カメラモジュールを組み立てた後に、この方法によって各固体撮像素子の原点31,32,33,34を求めることにより、各固体撮像素子の実装等の組立時に正確な位置合わせが不要となり、カメラモジュールの製作が容易となる。
実質的に無限遠の略点光源でも、一つの画素だけがその像を撮像するわけではない。略白色光源からの光の固体撮像素子の受光面での光量分布は例えば図3Bのようになる。この場合には、画素35a,35b,35cのうち、受光光量が最大となる画素35bを、この固体撮像素子の原点とする。
このようにして特定した各固体撮像素子の原点に基づいて、結像ユニット間の上述した視差を求めることができる。
次に、本実施の形態のカメラモジュールにおいて周辺温度が変化したときの影響について図4を用いて説明する。図4は図2と同様に本実施の形態のカメラモジュールの光軸13a、13dを含む面での断面図である。
図3A及び図3Bを用いて説明した各固体撮像素子の原点を特定する操作を行った後に、周辺温度が△τ(℃)だけ上昇したとする。
このとき、レンズホルダー12及び撮像素子ホルダー16はそれぞれ膨張するので、レンズの中心間隔及び固体撮像素子の中心間隔は広がる。レンズの中心間隔の変化量と固体撮像素子の中心間隔の変化量とが相違すれば、予め特定した各固体撮像素子上の上記の原点位置にずれが発生することになる。
各レンズ直径をL(mm)、レンズ、固体撮像素子、レンズホルダー、及び撮像素子ホルダーの線膨張係数をそれぞれα、β、γ、δとし、対角方向に隣り合う光軸13a,13d(または13b,13c)間の間隔をDとしたとき、周辺温度が△τ(℃)だけ上昇することによる、各固体撮像素子上での原点ずれ量△dは次式で与えられる。
△d=D・|γ−δ|・△τ/2 ・・・(3)
式(3)より、本実施の形態のカメラモジュールでは原点ずれ量△dは、レンズ及び固体撮像素子の線膨張係数α,β、レンズ直径Lにはまったく無関係であることがわかる。
式(3)より、本実施の形態のカメラモジュールでは原点ずれ量△dは、レンズ及び固体撮像素子の線膨張係数α,β、レンズ直径Lにはまったく無関係であることがわかる。
例として、固体撮像素子17a、17b、17c、17dが各々100万個の画素(受光部)を有し、対角方向(光軸13a,13dを結ぶ方向)における画素ピッチが2.8μmである場合、それぞれの固体撮像素子の対角線長さTは約2.8mmである。各レンズ11a、11b、11c、11dの直径Lを1.6mm、焦点距離を2.5mmとする。レンズ材料として一般的に用いられているポリオレフィン系の熱可塑性樹脂(例えば日本ゼオン社、ZEONEX480、線膨張係数αは6×10−5)を想定する。
レンズ光軸間距離Dが固体撮像素子の対角線長さTよりやや大きい3mmとし、周辺温度変化Δτが20℃であるときに、原点ずれ量△dが画素ピッチ2.8μmの10分の1以下になる条件は式(3)を用いると、
|γ−δ|≦0.94×10−5/℃ ・・・(4)
である。ここで、原点ずれ量△dの許容上限値を画素ピッチの10分の1としたのは、合成した画像の解像度劣化を抑えるのに必要な画像合成精度がこの程度であることに基づく。
|γ−δ|≦0.94×10−5/℃ ・・・(4)
である。ここで、原点ずれ量△dの許容上限値を画素ピッチの10分の1としたのは、合成した画像の解像度劣化を抑えるのに必要な画像合成精度がこの程度であることに基づく。
上記の式(4)の関係を満足するようにレンズホルダー12及び撮像素子ホルダー16の材料を選択すれば、固体撮像素子17a、17dの各原点を特定した後、原点特定時の温度に対して20℃程度の温度変化が生じても原点位置は実質的に不変で画像合成には影響が生じないことがわかる。
具体的には、例えばレンズホルダー12の材料が石英(線膨張係数が0.04×10−5)、撮像素子ホルダー16の材料がシリコン(0.3×10−5)である場合は式(4)を満足する。
このように、本実施の形態のカメラモジュールにおいては、使用時に温度変化があっても、4つの固体撮像素子により得た4個の画像を合成してカラー画像を得る際の演算を変更する必要がない。即ち、温度変化にかかわらず、同じ画素を原点として同じ条件で画像合成を行えばよい。よって、デジタル信号プロセッサー(DSP)を簡素化できる。このように、本実施の形態により、薄型で、周辺温度変化に対して劣化のない、100万画素以上の高精細画像を得ることができる。
また、固体撮像素子17a、17dが撮像した2つの緑色波長帯域画像を比較し、その視差を算出し、式(1)を用いて演算することによって、カメラから被写体までの距離を測定することができる。このとき、上記式(4)を満足する場合には、周辺温度変化が20℃程度以下であれば、これによる視差への影響は画素ピッチの10分の1以下、すなわち0.28μm以下に抑えられる。したがって、本実施の形態のカメラモジュールによれば、使用時に温度変化があっても、被写体までの距離測定における精度の劣化はまったく問題にならない。
本実施の形態では、レンズホルダー12及び撮像素子ホルダー16の各材料が略同一の線膨張係数を有していればよい。一般に固体撮像素子17a、17b、17c、17dやデジタル信号プロセッサ(DSP)の基板の材料はシリコンを主成分とする。撮像素子ホルダー16の線膨張係数が、この上に搭載される固体撮像素子やデジタル信号プロセッサ(DSP)の線膨張係数と略同一であれば、実装、配線形成、そり防止、信頼性向上に有利である。従って、撮像素子ホルダー16の材料はシリコンが好ましい。更に、周辺温度変化Δτの変化による原点ずれ量Δdを小さくするために、レンズホルダー12の材料もシリコンが好ましい。
本実施の形態の複眼式カメラモジュールでは、被写体からの光は結像ユニットごとに緑色波長帯域光、赤色波長帯域光、青色波長帯域光に分離され、それぞれの固体撮像素子は3原色のうちのいずれかの色の画像を撮像する。ここで、緑色波長帯域光の画像を撮像する結像ユニットの数は2つである。この2つの結像ユニットで得た2つの緑色画像を比較し、視差を求めることにより、被写体までの距離を測定し、且つ、緑、赤、青の各色画像を合成してカラー画像を得ている。同色の画像を比較することで、より正確に視差を求めることができるので、距離測定の精度を向上することができ、また、高画質のカラー画像を得ることができる。
本実施の形態の複眼式カメラモジュールでは、被写体からの光は結像ユニットごとに緑色波長帯域光、赤色波長帯域光、青色波長帯域光に分離され、それぞれの固体撮像素子は3原色のうちのいずれかの色の画像を撮像する。しかしながら、本発明のカメラモジュールはこのような方式に限定されない。例えば、各結像ユニットで色分離を行わず、各固体撮像素子がフルカラーの画像を撮像する複眼式カメラモジュール(例えば特開2001−61109号公報参照)であってもよい。この方式でも各固体撮像素子で得たカラー画像を一つの画像に合成する処理は必要であり、その場合も上記に述べた原点画素の特定が必要である。従って、本発明は複眼式カメラモジュール全般にわたって広く適用できる。
次に本実施の形態のカメラモジュールにおいて、レンズホルダー12に各レンズ11a、11b、11c、11dを光軸のずれなく形成し保持させる方法を図5を用いて説明する。
本実施の形態のカメラモジュールでは、レンズホルダー12と固体撮像素子ホルダー16とが相互に独立した別部材からなるため、以下に説明するようなレンズ形成方法を採用することができる。
予め作製したレンズホルダー12をレンズ形状の反転形状がそれぞれ形成された上下の成形駒51a、51bで挟み込む。このとき、成形駒51a、51bのそれぞれの基準面52a、52bは、成形駒51a、51bにそれぞれ形成された反転したレンズ形状の光軸53a、53bと垂直である。上側の成形駒51aの基準面52aとレンズホルダー12の上面55aとを密着させ、下側の成形駒51bの基準面52bとレンズホルダー12の下面55bとを密着させることにより、光軸53a,53bと平行な方向において、レンズホルダー12と成形駒51a,51bとを相対的に位置規制する。更に、レンズホルダー12の周縁に形成されたストッパ54a、54b、54c、54dを上下の成形駒51a,51bの側面に当接させることにより、光軸53a,53bと直交する方向において、レンズホルダー12と成形駒51a,51bとを相対的に位置規制する。これらにより、上側の成形駒51aに形成された反転したレンズ形状の光軸53aと、下側の成形駒51bに形成された反転したレンズ形状の光軸53bとが一致する。この状態で成形駒のゲート(図示せず)から加熱して低粘度となった熱可塑性樹脂を、レンズホルダー12に形成された開口と成形駒51a、51bとによって形成されたキャビティ56に流し込んで射出成形を行う。
このような方法により、任意の非球面形状を有するレンズ11a、11b、11c、11dを得ることができ、しかも、各レンズの光軸13a、13b、13c、13dをレンズホルダー12の法線と平行にして各レンズをレンズホルダー12に位置決めして保持させることができる。
レンズ成形した後、図6のように、隣り合うレンズ間のレンズホルダー12の表面に樹脂層61が付着することがある。この樹脂層61は、レンズの信頼性や画像において問題となることがあるので、後加工で除去し、各レンズを互いに分離、独立させることが望ましい。
図5では成形駒51a、51bがそれぞれ複数のレンズの反転形状を有する例を説明したが、1つのレンズの反転形状を有する成形駒をレンズホルダー12の上下に各4つ配置して4つのレンズを成形しても良い。
図5ではレンズ材料として熱可塑性樹脂を用いたが、透明な紫外線硬化樹脂を用いることも可能である。成形駒内へのレンズ材料の充填方法としては図5の場合と同様にゲートを用いてもよい。石英など紫外線を透過する素材からなる成形駒を用いることにより、成形駒を通じてレンズ材料に紫外線を照射して、図5の場合と同様にレンズホルダー12にレンズを一体に成形することができる。
従来から、透明で樹脂より線膨張係数が小さな基材、例えばガラス板の表面に、種々の方法で樹脂レンズを形成する方法が用いられている。しかしながら、この方法では、両面が曲面であるレンズを形成することは困難であった。これに対して、上記の方法を用いればレンズの両面の形状を自由に設定できる。例えば両面非球面レンズや両面回折格子レンズなどを作成でき、このようなレンズを用いることにより、従来では実現が困難であった、解像度の高い画像を得ることができる。この高解像度の画像を画素ピッチの細かい固体撮像素子で解像すれば、より高精度で視差を求めることができるので、被写体までの距離測定精度は一層向上する。
(実施の形態2)
図7は本発明の実施の形態2に係るカメラモジュールの概略構成を示した分解斜視図、図8は、本実施の形態2に係るカメラモジュールの光軸に沿った断面図である。
図7は本発明の実施の形態2に係るカメラモジュールの概略構成を示した分解斜視図、図8は、本実施の形態2に係るカメラモジュールの光軸に沿った断面図である。
4つのレンズ71a、71b、71c、71dは互いに独立した両面回折格子付きの非球面単レンズであり、レンズホルダー72にてほぼ同一平面上に配置されて位置決めされている。4つのレンズ71a、71b、71c、71dの光軸73a、73b、73c、73dはいずれもレンズホルダー72の主面の法線と平行である。ここで、図7に示すように、光軸73a、73b、73c、73dと平行な方向をZ軸、Z軸に垂直な一方向をX軸、Z軸及びX軸に垂直な方向をY軸とする。レンズ71a、71b、71c、71dは、XY平面上において、X軸に平行な直線及びY軸に平行な直線により形成される格子点上に配置される。
レンズ71aとレンズ71dは緑色の光に対して回折効率と結像性能が最適化された両面回折格子付きの非球面単レンズであり、レンズ71bは赤色の光に対して回折効率と結像性能が最適化された両面回折格子付きの非球面単レンズであり、レンズ71cは青色の光に対して回折効率と結像性能が最適化された両面回折格子付きの非球面単レンズである。
レンズホルダー72はシリコンからなり、実施の形態1のレンズホルダー12と同様であるので詳細な説明を省略する。
レンズホルダー72の被写体とは反対側の面に、遮光スペーサー74が貼り合わされている。遮光スペーサ74は、4つのレンズの光軸73a、73b、73c、73dが通過する1つの開口(貫通孔)77を備える。遮光スペーサー74は、カメラモジュールの周辺から各固体撮像素子に入射する光を遮る。開口77を形成する内壁面には光の反射防止処理がなされている。具体的には、表面での反射を抑制するように、黒塗りをし、表面を荒らすなどによるつや消し処理が施されている。これにより、内壁面で反射した迷光が固体撮像素子に入射することを避けることができる。
遮光スペーサー74の被写体とは反対側の面に、撮像素子ホルダー75が貼り合わされている。撮像素子ホルダー75はシリコンよりなり、そのレンズホルダー72に対向する面には、レンズホルダー72に設けたのと同様の、反射を防止するコーティングが施されている。撮像素子ホルダー75の遮光スペーサー74側の面に、4つの固体撮像素子76a、76b、76c、76dがほぼ同一平面上(XY平面上)に配置されている。4つのレンズの光軸73a、73b、73c、73dは4つの固体撮像素子のそれぞれの中心(矩形状の固体撮像素子の対角線の交点)をほぼ通過する。従って、各固体撮像素子の中心間隔と、各レンズの中心間隔とはほぼ等しい。
緑色の光に対して最適化されたレンズ71a、71dに対応する固体撮像素子76a、76dの内部(受光部よりもレンズ側)には緑の波長帯の光を透過するカラーフィルタが設けられており、同様に、赤色の光に対して最適化されたレンズ71bに対応する固体撮像素子76bの内部(受光部よりもレンズ側)には赤の波長帯の光を透過するカラーフィルタが設けられており、青色の光に対して最適化されたレンズ71cに対応する固体撮像素子76cの内部(受光部よりもレンズ側)には青の波長帯の光を透過するカラーフィルタが設けられている。
図8は図7に示したカメラモジュールの光軸73a、73dを含む面での断面図である。撮像素子ホルダー75上にデジタル信号プロセッサー(DSP)を含む基板81が設けられ、この上に4個の固体撮像素子76a、76b、76c、76dが配置されている。
本実施の形態のカメラモジュールでは、各レンズ71a、71b、71c、71dに入射した被写体からの光は、それぞれ対向する固体撮像素子76a、76b、76c、76dへ到達する。固体撮像素子76a、76cは、その内部に設けられた緑のカラーフィルタにより、緑色の光を検知する。同様に、固体撮像素子76bは赤色の光を検知し、固体撮像素子76dは青色の光を検知する。これら4つの固体撮像素子76a、76b、76c、および76dで撮影された4個の画像を合成してカラー画像を得る。これらの合成はデジタル信号プロセッサー(DSP)により行う。
本実施の形態のカメラモジュールにおける画像処理手順、各固体撮像素子の原点位置特定、周辺温度変化による原点位置ずれ、レンズ材料、レンズホルダーへのレンズの保持方法は、実施の形態1と同じであるのでこれらの説明は省略する。
本実施の形態のカメラモジュールは両面回折格子付きの非球面レンズを用いているために、収差を少なくできる。よって、細かい画素ピッチの固体撮像素子の解像度を損なうことなく、高画質な画像を得ることができる。また、非球面レンズと同等の性能をより薄いレンズ厚みで得ることができるのでカメラモジュールをより薄型化できる。
一方、回折格子付きレンズには表面に微細な形状を付与する必要があるため、レンズ材料がガラスの場合は金型成形を用いたレンズ加工は必ずしも生産性がよいとはいえない。成形回数が増えるとともに、金型である成形駒表面にコーティングされた保護膜が磨耗もしくは変形するために、形状精度が早期に劣化するからである。しかしながら、本実施の形態のカメラモジュールではレンズ材料として樹脂を用いることができるため、金型の耐久性が格段に向上し、これに伴って安く且つ大量に両面回折格子付きの非球面レンズを作成することができる。回折格子を作成する方法としては、金型成形の他にドライエッチングや切削加工があるが、ドライエッチングでは任意の曲面上に回折格子を加工することは困難であり、切削加工ではレンズの1面ごとに加工する必要があり、いずれも生産性に劣るなどの課題を有している。金型成形が両面回折格子付きの非球面レンズの加工法として最も適している。これは本実施の形態のカメラモジュールの利点の一つである。
(実施の形態3)
本実施の形態におけるカメラモジュールの光軸73a,73dを含む面での断面図を図9に示す。本実施の形態のカメラモジュールは、撮像素子ホルダー75をレンズホルダー72に対して光軸に沿って相対的に移動させるアクチュエーター90を付加した点で、図8に示した実施の形態2のカメラモジュールと相違する。実施の形態2のカメラモジュールと同一の構成部材には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
本実施の形態におけるカメラモジュールの光軸73a,73dを含む面での断面図を図9に示す。本実施の形態のカメラモジュールは、撮像素子ホルダー75をレンズホルダー72に対して光軸に沿って相対的に移動させるアクチュエーター90を付加した点で、図8に示した実施の形態2のカメラモジュールと相違する。実施の形態2のカメラモジュールと同一の構成部材には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
アクチュエーター90は、圧電素子91、その長手方向をZ軸に平行に配置された棒状の駆動軸92、Z方向に対向する一対の支持ブロック93a,93b、及び、摩擦稼動部94を含む。圧電素子91の一端は支持ブロック93aに固定され、他端は駆動軸92の一端に接続されている。駆動軸92の他端は支持ブロック93bに固定されている。一対の支持ブロック93a,93bは筐体98の内壁面に固定されている。駆動軸92は摩擦稼働部94を貫通し、摩擦力により摩擦稼働部94を保持している。摩擦稼働部94は、連結アーム95を介して撮像素子ホルダー75を保持している。
撮像素子ホルダー75は複数のアクチュエーター90を介して筐体98内に保持されている。
圧電素子91にゆっくり電圧を加えて伸長させて駆動軸92とともに摩擦稼動部94をZ軸に沿って移動させた後、急に電圧を除くと、圧電素子91は瞬時に縮んで元に戻るが、摩擦稼動部94は慣性で動かない。
あるいは、圧電素子91に急峻に立ち上がる電圧を加えると駆動軸92は瞬時に移動するが摩擦稼動部94は慣性で移動しない。従って、摩擦稼働部94は駆動軸92に対してZ軸方向に相対的に移動する。その後、圧電素子91に印加した電圧をゆっくり除くと、摩擦稼動部94は駆動軸92とともに移動する。
このような動作を繰り返すことにより、摩擦稼動部95をZ軸方向に移動させることができる。複数のアクチュエーター90を同期して駆動すれば、摩擦稼動部95を介して撮像素子ホルダー75、デジタル信号プロセッサ(DSP)を含む基板81、及び4つの固体撮像素子76a、76b、76c、76dを一体にしてZ軸方向に移動させることができる。
本実施の形態のカメラモジュールは、更に、焦点位置を検出する手段と、その焦点位置に応じて圧電素子91への電圧制御を行う制御手段とを備えたオートフォーカス機能付きのカメラモジュールである。焦点位置の検出方法としては、特に制限はなく、例えば固体撮像素子から得た画像から視野中央部の被写体像のコントラストを解析し、そのコントラストが向上するようにアクチュエータ90を駆動する方法などを用いることができる。圧電素子91の制御手段としては、特に制限はなく、圧電素子を用いたアクチュエーター用の周知の駆動回路を用いることができる。
周辺温度が変化した場合、実施の形態1,2にて述べたようにレンズ間の間隔及び固体撮像素子間の間隔に変化が生じるが、同時にZ軸方向、すなわちレンズの光軸方向に焦点位置ずれが発生する。光軸方向の焦点位置ずれは、温度変化によるレンズの厚み及び形状の変化やレンズ材質の屈折率の変化に起因する。Fナンバーが小さくて明るいレンズほど焦点深度が浅いため、温度変化による焦点位置ずれは画像の劣化として表れやすい。
本実施の形態のカメラモジュールでは、光軸方向に固体撮像素子を移動することができるので、周辺温度の変化により被写体像の結像位置が光軸方向にシフトしても、これを補正することが容易である。従って、温度変化による画質劣化が更に低減されたカメラモジュールを実現できる。
なお、本実施の形態では固体撮像素子を移動させたが、レンズを移動してもかまわない。また、アクチュエータとしては、例えば電磁方式など、変位を制御できる方式であれば、圧電素子を利用したものに限定されない。
図9では実施の形態2で説明した遮光スペーサー74の図示を省略している。レンズホルダー72と撮像素子ホルダー75との間隔を可変にするために、本実施の形態では、図示しない遮光スペーサーは、撮像素子ホルダー75及びレンズホルダー72のうちの一方とは分離している必要がある。あるいは、筐体98に遮光機能を付与することにより、遮光スペーサー74を省略しても良い。
また、本実施の形態では、実施の形態2のカメラモジュールにアクチュエーターを付加した例を示したが、実施の形態1のカメラモジュールにアクチュエーターを付加することもできる。
実施の形態1〜3のカメラモジュールでは、4つのレンズにそれぞれ対応する4つの固体撮像素子を用いた。しかしながら、本発明のカメラモジュールはこれに限定されない。例えば、単一の固体撮像素子を用い、これを4つのレンズにそれぞれ対応するように4つの撮像領域に分割してもよい。この場合には、固体撮像素子の実装が容易になり、低コスト化できる。この場合であっても、分割された4つの撮像領域の各原点画素を特定する作業は必要である。
実施の形態1〜3のカメラモジュールでは、固体撮像素子の画素は、4つのレンズの光軸の配置と対応するように、X軸方向及びY軸方向に沿って格子点状に配置されていた。しかしながら、本発明のカメラモジュールはこれに限定されない。例えば、画素が、対角位置に配置されたレンズの光軸を結ぶ方向(実施の形態1であれば、光軸13a,13dを結ぶ方向、及び光軸13b,13cを結ぶ方向)に沿って格子点状に配置されていても良い。また、画素は、格子点状に配置されていなくても良い。
以上に説明した実施の形態は、いずれもあくまでも本発明の技術的内容を明らかにする意図のものであって、本発明はこのような具体例にのみ限定して解釈されるものではなく、その発明の精神と請求の範囲に記載する範囲内でいろいろと変更して実施することができ、本発明を広義に解釈すべきである。
本発明によれば、薄型、小型、高精細で周辺温度変化に対しても安定な画像を得ることができるカメラモジュールを実現できる。このため、本発明は、携帯機器搭載用のカメラ、監視用カメラ、あるいは車載用のカメラ等の用途に好ましく利用することが可能である。
本発明は薄型、小型、高精細で、被写体までの距離測定ができ、周辺温度変化に対して性能が安定な複眼式カメラモジュールに関する。
レンズ系を介して被写体像を固体撮像素子上に結像して画像化するカメラモジュールはデジタルスチルカメラや携帯電話用カメラなどに広く用いられている。近年、カメラモジュールには高画素化と低背化の両立が求められている。一般に画素数の増大とともにレンズ系に高解像性が要求されるために、カメラモジュールの光軸方向の厚みが大きくなる傾向がある。これに対して、固体撮像素子の画素ピッチを小さくして同一画素数でも撮像素子のサイズを小さくすることによってレンズ系のスケールダウンを可能にし、高画素化と低背化とが両立されたカメラモジュールを実現する試みが取り組まれている。
しかしながら、固体撮像素子の感度と飽和出力とは画素サイズに比例するために、画素ピッチの縮小化には限界がある。
カメラモジュールとしては、光軸に沿って1又は2以上のレンズが配置された1つのレンズ系と、この光軸上に配置された1つの固体撮像素子とからなる、いわゆる単眼式が一般的である。これに対して、近年、カメラモジュールの薄型化を図るために、同一平面上に配置された複数のレンズ系と、この複数のレンズ系に一対一に対応して同一平面上に配置された複数の撮像領域とからなる、いわゆる複眼式のカメラモジュールが提案されている。
このような複眼式のカメラモジュールの一例が特許文献1に記載されており、これを図10を用いて説明する。
同一平面上に配置された、焦点距離が数百μm程度の複数の微小レンズ101aが一体化されてなるレンズアレイ101と、多数の受光素子が単一平面上に配置された受光素子アレイ103とが、対向して配置されている。受光素子アレイ103の受光領域は、レンズアレイ101の複数の微小レンズ101aに一対一に対応する複数の撮像領域に分割されている。1つの微小レンズ101aと、この微小レンズ101aに対応する1つの撮像領域内に含まれる複数の受光素子とが、1つの結像ユニットを構成する。レンズアレイ101と受光素子アレイ103との間に、結像ユニット間での光信号の混信を避けるための隔壁層102が配置されている。結像ユニットごとに、各微小レンズ101aは受光素子アレイ103の対応する撮像領域上に被写体像を形成する。被写体に対する各微小レンズ101aの相対位置が異なるために、各結像ユニットに形成される被写体像はわずかに異なる。複数の撮像領域からの信号を演算して、それぞれの被写体像を合成することにより、高解像度の画像が得られる。
レンズアレイ101上の各微小レンズ101aは、ガラス基板上にエッチング加工で形成された回折型レンズ又は屈折型レンズである。数百μm程度の短焦点距離のレンズを用いることにより、レンズアレイ101と受光素子アレイ103との距離を非常に小さくし、薄型化を図ることができる。
複眼式のカメラモジュールの別の例が特許文献2に記載されており、これを図11を用いて説明する。図11はカメラモジュールの主要部のみを抽出して図示している。3つのレンズ111a,111b、111cを有するレンズアレイ112と、固体撮像素子114とが対向して配置されている。レンズアレイ112の被写体側の面には、3つのレンズ111a,111b、111cにそれぞれ対向する位置に緑色分光フィルタ113a、赤色分光フィルタ113b、青色分光フィルタ113cがそれぞれ設けられている。固体撮像素子114のレンズアレイ112側の面にも、3つのレンズ111a,111b、111cにそれぞれ対向する位置に緑色分光フィルタ115a、赤色分光フィルタ115b、青色分光フィルタ115cがそれぞれ設けられている。これにより、緑色分光フィルタ113aと、レンズ111aと、緑色分光フィルタ115aと、固体撮像素子114の緑色分光フィルタ115aが設けられた撮像領域とが、緑色光の結像ユニットを構成する。同様に、赤色分光フィルタ113bと、レンズ111bと、赤色分光フィルタ115bと、固体撮像素子114の赤色分光フィルタ115bが設けられた撮像領域とが、赤色光の結像ユニットを構成し、青色分光フィルタ113cと、レンズ111cと、青色分光フィルタ115cと、固体撮像素子114の青色分光フィルタ115cが設けられた撮像領域とが、青色光の結像ユニットを構成する。3つの結像ユニットからの信号を演算して、それぞれの被写体像を合成することにより、カラー画像が得られる。
複眼式カメラモジュールにおいては、複数の結像ユニットのそれぞれから得られる複数の画像間に生じる視差を利用して被写体までの距離を測定することができる。図12は視差を用いて被写体までの距離を測定する原理を示した図である。
レンズ122aは被写体121からの光を固体撮像素子124a上に被写体像123aとして結像し、レンズ122bは被写体121からの光を固体撮像素子124b上に被写体像123bとして結像する。このとき、被写体121上の同一点からの光は視差Δだけずれて固体撮像素子124a,124bにそれぞれ至り、固体撮像素子124a,124b上の画素で受光され、電気信号に変換される。
ここで、レンズ122a,122bの光軸間の距離をD、レンズと被写体121との距離をG、レンズの焦点距離をfとし、距離Gが焦点距離fに比べて極めて大きいときには次式(1)が成り立つ。
G=Df/Δ ・・・(1)
レンズ122a,122bの光軸間の距離D、およびレンズの焦点距離fは既知である。固体撮像素子124a,124bからの電気信号に基づいて固体撮像素子124a,124b間での被写体像123a,123bの位置ずれ量、即ち視差Δを求めれば、式(1)より、被写体までの距離Gを算出することができる。このように、複眼式カメラモジュールは画像を得るだけでなく測距センサーとしての機能をも有する。
レンズ122a,122bの光軸間の距離D、およびレンズの焦点距離fは既知である。固体撮像素子124a,124bからの電気信号に基づいて固体撮像素子124a,124b間での被写体像123a,123bの位置ずれ量、即ち視差Δを求めれば、式(1)より、被写体までの距離Gを算出することができる。このように、複眼式カメラモジュールは画像を得るだけでなく測距センサーとしての機能をも有する。
図11及び図12の複眼式カメラモジュールにおいては、複数の結像ユニットから得られる複数の画像における同一点を抽出し、この同一点が相互に重なり合うようにして複数の画像を合成することで合成画像を形成する。
しかしながら周辺温度の変化により、レンズとこれに対応する撮像領域との相対的位置が変動すると、合成画像が劣化したり、画像処理時間が非常に増大したりしてしまう。
特許文献2は、周囲温度の変化を±20℃程度以下と想定し、各撮像領域上に形成される被写体像の同一点の間隔A(mm)、レンズアレイ112の材料の線膨張係数αL、固体撮像素子114の画素ピッチP(mm)が、
2×A×(αL−0.26×10-5)×20<P/2 ・・・(2)
を満足することを開示している。式(2)の左辺において、「0.26×10-5」は固体撮像素子114の線膨張係数であり、「20」は温度変化量(℃)である。特許文献2では、固体撮像素子114の画素ピッチPが2.8μm、対角長2.8mm、画素数48万個を想定した例が記載されており、この場合、αLが1.2×10-5のガラス材料がレンズアレイ112の材料として有効であると記載されている。
特開2001−61109号公報
特開2001−78217号公報
2×A×(αL−0.26×10-5)×20<P/2 ・・・(2)
を満足することを開示している。式(2)の左辺において、「0.26×10-5」は固体撮像素子114の線膨張係数であり、「20」は温度変化量(℃)である。特許文献2では、固体撮像素子114の画素ピッチPが2.8μm、対角長2.8mm、画素数48万個を想定した例が記載されており、この場合、αLが1.2×10-5のガラス材料がレンズアレイ112の材料として有効であると記載されている。
しかしながら、特許文献2で示された式(2)からわかるように、複眼式カメラモジュールにおいて、周辺温度変化に対して安定して良好な画像を得るためには、レンズアレイ材料として線膨張係数の小さい材料を用いることが不可欠となる。その結果、この条件を満たすレンズ用透明材料として、現実的にはガラスを使わざるを得ず、現状の単眼式カメラモジュールに広く使われている樹脂材料に比べると経済性、生産性の上で課題を有する。
また、たとえ線膨張係数の小さいガラス材料を用いても、画素ピッチPに対する各撮像領域上に形成されるそれぞれの被写体像の同一点の間隔Aの比A/Pを大きくとることができない。これにより、固体撮像素子の画素数の上限は数十万程度に制限されてしまい、高精細の画像が得られない。
また、レンズから被写体までの距離が一定であっても、周辺温度が変化すると視差Δも変化する。これは温度変化によって生じるレンズ間距離の変化量と、撮像領域間距離の変化量とが一致しないためである。これにより、周辺温度の変化があると、式(1)を用いて得られる被写体までの距離Gを精度よく測定することができなくなる。
本発明は、上記の従来の課題を解決するものであって、薄型、小型、高精細で、生産性がよく、周辺温度変化に対して性能が安定した複眼式カメラモジュールを提供することを目的とする。
本発明のカメラモジュールは、複数の単レンズと、前記複数の単レンズと一対一に対応する複数の撮像領域とを備える。前記複数の単レンズが前記複数の撮像領域にそれぞれ被写体像を形成し、前記複数の撮像領域からの電気信号を合成して画像を得る。
前記カメラモジュールは、更に、前記複数の単レンズを保持するレンズホルダーと、前記複数の撮像領域を保持する撮像素子ホルダーとを備える。前記レンズホルダーと前記撮像素子ホルダーとは対向して配置される。そして、前記レンズホルダーと前記撮像素子ホルダーとは別部材からなり、それぞれの材料の線膨張係数は略同一である。前記レンズホルダー及び前記撮像素子ホルダーと前記複数の単レンズとは異なる材料からなる。
本発明によれば、周囲の温度が変化しても単レンズとこれに対応する撮像領域との相対的位置ずれが微小であるため、温度変化にかかわらず安定して高画質画像を得ることができ、また、被写体までの距離測定を高精度で行うことができる。また、本発明によれば、薄型、小型、高精細で、生産性の良好なカメラモジュールを提供することができる。
上記の本発明のカメラモジュールにおいて、前記複数の撮像領域からの前記電気信号を比較することにより、被写体までの距離を測定することが好ましい。これにより、本発明のカメラモジュールを高精度の測距装置として利用できる。例えば、視野内の一部又は全ての被写体までの距離を測定することが可能になる。
上記の本発明のカメラモジュールにおいて、前記レンズホルダー及び前記撮像素子ホルダーがいずれもシリコンよりなることが好ましい。撮像素子ホルダーの材料がシリコンであれば、撮像素子ホルダーは固体撮像素子やデジタル信号プロセッサ(DSP)と線膨張係数がほぼ同一になるため、実装や配線形成が容易となり、十分な信頼性を確保することができる。また、レンズホルダーと前記撮像素子ホルダーとが同一材料からなることにより、両者の線膨張係数が同一となるので、温度変化に対する性能変化を抑えることができる。
上記の本発明のカメラモジュールは、更に、前記レンズホルダーと前記撮像素子ホルダーとの間にスペーサを備えることが好ましい。これにより、カメラモジュールの周辺から撮像領域へ不要光が入射するのを防止することができる。
上記の本発明のカメラモジュールにおいて、前記複数の単レンズは互いに独立し分離した樹脂よりなることが好ましい。これにより、各レンズの膨張収縮がレンズ毎に分断されるため、レンズの間隔とは関係なく周辺温度に対して安定な画像を得ることができる。
上記の本発明のカメラモジュールは、更に、前記複数の単レンズと一対一に対応する複数のカラーフィルターを備え、前記複数のカラーフィルターのうちの少なくとも一つは赤色波長帯域の光を前記撮像領域に入射させ、他の少なくとも一つは緑色波長帯域の光を前記撮像領域に入射させ、他の少なくとも一つは青色波長帯域の光を前記撮像領域に入射させることが好ましい。これにより、各レンズは可視光域の全波長帯域を受け持つ必要が無く、赤、緑、青それぞれの波長帯域の光のみに対して収差の少ないレンズであればよく、単レンズで十分な性能を確保できる。従って、カメラ光学系を薄型化することができる。
特に、前記複数のカラーフィルターのうち少なくとも2つは同じ波長帯域の光を透過することが好ましい。これにより、同じ波長帯域の光によって得られた少なくとも2つの被写体像を比較することで視差を求めることができ、カメラから被写体までの距離を測定できる。
上記の本発明のカメラモジュールにおいて、前記複数の単レンズのそれぞれが両面に回折格子を備えていることが好ましい。これにより、収差を少なくでき、細かい画素ピッチの撮像領域の解像度を損なうことなく、高画質な画像を得ることができる。また、非球面レンズと同等の性能をより薄いレンズで得ることができるのでカメラモジュールをより薄型化できる。
上記の本発明のカメラモジュールにおいて、前記複数の単レンズのそれぞれの光軸は、対応する前記撮像領域の受光面と垂直で、且つ前記撮像領域の中心をほぼ通過することが好ましい。これにより、高解像度の像を撮像領域の広い領域上に結像させることができるので、画素数を増やすことで解像度の高い画像を得ることができる。好ましくは、単レンズの光軸と撮像領域の中心とのずれ量は10μm以下である。
上記の本発明のカメラモジュールは、更に、被写体像の焦点位置の検出手段と、前記レンズホルダーと前記撮像素子ホルダーとの光軸に沿った間隔を変化させるするアクチュエータと、前記検出手段が検出した前記焦点位置に応じて前記アクチュエータを駆動する制御手段とを備えることが好ましい。これにより、周辺温度が変化することによって、光軸に沿った方向の焦点位置がずれても、ぼけのない画像を得ることができる。
前記スペーサーは、前記撮像領域に、これに対応する前記単レンズ以外の前記単レンズを通過した光が入射するのを防止することが好ましい。これにより、各撮像領域に、不要な色の光が入射するのを防止し、画像の色再現劣化を防ぐことができる。
上記の本発明のカメラモジュールにおいて、前記レンズホルダーの前記撮像素子ホルダーに対向する面、及び前記撮像素子ホルダーの前記レンズホルダーに対向する面に、表面反射を抑制するコーティングが施されていることが好ましい。これにより、不要な光が撮像領域に入射すること防ぎ、フレアやゴーストの発生を抑止することができる。
前記コーティングが、屈折率2.1、膜厚140nmの単層膜からなり、前記単層膜の材料が硫化亜鉛、酸化セリウム、酸化タンタル、酸化チタンのいずれかであることが好ましい。これにより、レンズホルダー、および撮像素子ホルダーがシリコンからなる場合に単層膜で十分な反射防止効果が得られ、不要光の反射を防ぐことができる。
上記の本発明のカメラモジュールにおいて、前記レンズホルダーに保持された前記複数の単レンズは、前記レンズホルダーを一対の成形駒で挟み、前記レンズホルダーと前記一対の成形駒とで形成されたキャビティ内に樹脂を射出成形することにより得られたものであることが好ましい。これにより、簡単な工程で複数のレンズ形成と、レンズホルダー上への各レンズの実装とを同時に行うことができる。
あるいは、上記の本発明のカメラモジュールにおいて、前記レンズホルダーに保持された前記複数の単レンズは、前記レンズホルダーを一対の成形駒で挟み、前記レンズホルダーと前記一対の成形駒とで形成されたキャビティ内に紫外線硬化樹脂を注入し、前記紫外線硬化樹脂に紫外線を照射して硬化させることにより得られたものであることが好ましい。これにより、簡単な工程で複数のレンズ形成と、レンズホルダー上への各レンズの実装とを同時に行うことができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1に係るカメラモジュールの概略構成を示した分解斜視図、図2は、本実施の形態1に係るカメラモジュールの光軸に沿った断面図である。
図1は本発明の実施の形態1に係るカメラモジュールの概略構成を示した分解斜視図、図2は、本実施の形態1に係るカメラモジュールの光軸に沿った断面図である。
4つのレンズ11a、11b、11c、11dは互いに独立した両面非球面単レンズであり、レンズホルダー12にてほぼ同一平面上に配置され位置決めされている。4つのレンズ11a、11b、11c、11dの各光軸13a、13b、13c、13dはいずれもレンズホルダー12の主面の法線と平行である。ここで、図1に示すように、光軸13a、13b、13c、13dと平行な方向をZ軸、Z軸に垂直な一方向をX軸、Z軸及びX軸に垂直な方向をY軸とする。レンズ11a、11b、11c、11dは、XY平面上において、X軸に平行な直線及びY軸に平行な直線により形成される格子点上に配置される。
各レンズの第1面(被写体側の面)には光の3原色である赤、青、緑のいずれかの波長帯の光を透過するカラーフィルターが塗布されている。その結果、レンズ11aとレンズ11dは緑色光を透過し、レンズ11bは赤色光を透過し、レンズ11cは青色光を透過する。
レンズホルダー12はシリコンからなる。レンズを保持する部分には穴あけ加工が施されている。レンズホルダー12の裏面側(被写体とは反対側の面)には反射を防止するコーティングが施されている。具体的には屈折率2.1、膜厚140nmの硫化亜鉛の単層膜が形成されている。屈折率が2.1程度であれば硫化亜鉛に限るものではなく、例えば酸化セリウム、酸化タンタル、酸化チタンなどでもよい。
レンズホルダー12の被写体とは反対側の面に、遮光スペーサー14が貼り合わされている。遮光スペーサ14は、4つのレンズの光軸13a、13b、13c、13dをそれぞれ中心とする開口(貫通孔)15a、15b、15c、15dを備える。各開口を形成する内壁面には光の反射防止処理がされている。具体的には、表面での反射を抑制するように、黒塗りをし、表面を荒らすなどによるつや消し処理が施されている。これにより、内壁面で反射した迷光が固体撮像素子に入射することを避けることができる。
遮光スペーサー14の被写体とは反対側の面に、撮像素子ホルダー16が貼り合わされている。撮像素子ホルダー16はシリコンよりなり、そのレンズホルダー12に対向する面には、レンズホルダー12に設けたのと同様の、反射を防止するコーティングが施されている。撮像素子ホルダー16の遮光スペーサー14側の面に、4つの固体撮像素子17a、17b、17c、17dがほぼ同一平面上(XY平面上)に配置されている。4つのレンズの光軸13a、13b、13c、13dは4つの固体撮像素子のそれぞれの中心(矩形状の固体撮像素子の対角線の交点)をほぼ通過する。従って、各固体撮像素子の中心間隔と、各レンズの中心間隔とはほぼ等しい。各固体撮像素子は白黒のセンシングを行い、内部にカラーフィルタを有しない。
図2は図1に示したカメラモジュールの光軸13a、13dを含む面での断面図である。撮像素子ホルダー16上にデジタル信号プロセッサー(DSP)を含む基板21が設けられ、この上に4個の固体撮像素子17a、17b、17c、17dが配置されている。
本実施の形態のカメラモジュールでは、単レンズ11a、11dに入射した被写体からの光のうち、緑色の光が固体撮像素子17a、17dにそれぞれ入射する。また、単レンズ11bに入射した被写体からの光のうち、赤色の光が固体撮像素子17bに入射する。また、単レンズ11cに入射した被写体からの光のうち、青色の光が固体撮像素子17cに入射する。このように被写体からの光は緑色波長帯域光、赤色波長帯域光、青色波長帯域光に分離されて固体撮像素子17a、17b、17c、および17dで撮影される。これら4つの固体撮像素子17a、17b、17c、および17dで撮影された4個の画像を合成してカラー画像を得る。これらの合成はデジタル信号プロセッサー(DSP)により行う。
本実施の形態のカメラモジュールでは、1つのレンズとこれに対応する1つの固体撮像素子とを含む結像ユニットを4つ備えている。
遮光スペーサー14は、4つの結像ユニットに対応して独立した4つの開口15a、15b、15c、15dを備えるので、各固体撮像素子に、それぞれに対応するレンズ以外のレンズからの光が入射するのが防止される。従って、画質劣化を防止できる。
被写体に対する4つのレンズ11a、11b、11c、11dの相対位置が異なるために、4つの固体撮像素子17a、17b、17c、17dで撮影された4個の画像間には視差に基づくズレが生じる。図1のように対角の象限に配置された緑色波長帯域の光を受ける固体撮像素子17a、17dが撮像した2つの緑色波長帯域画像が一致するように合成すれば、両者間の視差(ズレ)のX方向成分及びY方向成分を求めることができ、これより、X方向及びY方向における画像の合成規則を導き出すことができる。この2方向の合成規則を適用して赤色波長帯域画像及び青色波長帯域画像を緑色波長帯域画像に合成することで、カラー画像を得ることができる。ここで視差に基づく画像ズレを補正するために2つの緑色波長帯域画像を用いているのは、人間の眼に感じやすい緑色の光信号を多くすることによって鮮明な画像を得ることができるためである。
4つの固体撮像素子17a、17b、17c、および17dからそれぞれ得られた4個の画像を合成する際の前提として、同じ被写体をとらえている画素が、それぞれの固体撮像素子のどこにあるかを認知する必要がある。その認知方法の一例を図3A及び図3Bを用いて説明する。
図3Aに示すように、実質的に無限遠(例えば10m離した距離)に置かれた白色光源(実施的に点光源と見なせる光源が好ましい)を撮影し、光量がピークになる位置(画素)を、各固体撮像素子17a、17b、17c、17dの原点31,32,33,34とすることで、各固体撮像素子を構成する多数の画素の位置を特定することが可能になる。カメラモジュールを組み立てた後に、この方法によって各固体撮像素子の原点31,32,33,34を求めることにより、各固体撮像素子の実装等の組立時に正確な位置合わせが不要となり、カメラモジュールの製作が容易となる。
実質的に無限遠の略点光源でも、一つの画素だけがその像を撮像するわけではない。略白色光源からの光の固体撮像素子の受光面での光量分布は例えば図3Bのようになる。この場合には、画素35a,35b,35cのうち、受光光量が最大となる画素35bを、この固体撮像素子の原点とする。
このようにして特定した各固体撮像素子の原点に基づいて、結像ユニット間の上述した視差を求めることができる。
次に、本実施の形態のカメラモジュールにおいて周辺温度が変化したときの影響について図4を用いて説明する。図4は図2と同様に本実施の形態のカメラモジュールの光軸13a、13dを含む面での断面図である。
図3A及び図3Bを用いて説明した各固体撮像素子の原点を特定する操作を行った後に、周辺温度が△τ(℃)だけ上昇したとする。
このとき、レンズホルダー12及び撮像素子ホルダー16はそれぞれ膨張するので、レンズの中心間隔及び固体撮像素子の中心間隔は広がる。レンズの中心間隔の変化量と固体撮像素子の中心間隔の変化量とが相違すれば、予め特定した各固体撮像素子上の上記の原点位置にずれが発生することになる。
各レンズ直径をL(mm)、レンズ、固体撮像素子、レンズホルダー、及び撮像素子ホルダーの線膨張係数をそれぞれα、β、γ、δとし、対角方向に隣り合う光軸13a,13d(または13b,13c)間の間隔をDとしたとき、周辺温度が△τ(℃)だけ上昇することによる、各固体撮像素子上での原点ずれ量△dは次式で与えられる。
△d=D・|γ−δ|・△τ/2 ・・・(3)
式(3)より、本実施の形態のカメラモジュールでは原点ずれ量△dは、レンズ及び固体撮像素子の線膨張係数α,β、レンズ直径Lにはまったく無関係であることがわかる。
式(3)より、本実施の形態のカメラモジュールでは原点ずれ量△dは、レンズ及び固体撮像素子の線膨張係数α,β、レンズ直径Lにはまったく無関係であることがわかる。
例として、固体撮像素子17a、17b、17c、17dが各々100万個の画素(受光部)を有し、対角方向(光軸13a,13dを結ぶ方向)における画素ピッチが2.8μmである場合、それぞれの固体撮像素子の対角線長さTは約2.8mmである。各レンズ11a、11b、11c、11dの直径Lを1.6mm、焦点距離を2.5mmとする。レンズ材料として一般的に用いられているポリオレフィン系の熱可塑性樹脂(例えば日本ゼオン社、ZEONEX480、線膨張係数αは6×10-5)を想定する。
レンズ光軸間距離Dが固体撮像素子の対角線長さTよりやや大きい3mmとし、周辺温度変化Δτが20℃であるときに、原点ずれ量△dが画素ピッチ2.8μmの10分の1以下になる条件は式(3)を用いると、
|γ−δ|≦0.94×10-5/℃ ・・・(4)
である。ここで、原点ずれ量△dの許容上限値を画素ピッチの10分の1としたのは、合成した画像の解像度劣化を抑えるのに必要な画像合成精度がこの程度であることに基づく。
|γ−δ|≦0.94×10-5/℃ ・・・(4)
である。ここで、原点ずれ量△dの許容上限値を画素ピッチの10分の1としたのは、合成した画像の解像度劣化を抑えるのに必要な画像合成精度がこの程度であることに基づく。
上記の式(4)の関係を満足するようにレンズホルダー12及び撮像素子ホルダー16の材料を選択すれば、固体撮像素子17a、17dの各原点を特定した後、原点特定時の温度に対して20℃程度の温度変化が生じても原点位置は実質的に不変で画像合成には影響が生じないことがわかる。
具体的には、例えばレンズホルダー12の材料が石英(線膨張係数が0.04×10-5)、撮像素子ホルダー16の材料がシリコン(0.3×10-5)である場合は式(4)を満足する。
このように、本実施の形態のカメラモジュールにおいては、使用時に温度変化があっても、4つの固体撮像素子により得た4個の画像を合成してカラー画像を得る際の演算を変更する必要がない。即ち、温度変化にかかわらず、同じ画素を原点として同じ条件で画像合成を行えばよい。よって、デジタル信号プロセッサー(DSP)を簡素化できる。このように、本実施の形態により、薄型で、周辺温度変化に対して劣化のない、100万画素以上の高精細画像を得ることができる。
また、固体撮像素子17a、17dが撮像した2つの緑色波長帯域画像を比較し、その視差を算出し、式(1)を用いて演算することによって、カメラから被写体までの距離を測定することができる。このとき、上記式(4)を満足する場合には、周辺温度変化が20℃程度以下であれば、これによる視差への影響は画素ピッチの10分の1以下、すなわち0.28μm以下に抑えられる。したがって、本実施の形態のカメラモジュールによれば、使用時に温度変化があっても、被写体までの距離測定における精度の劣化はまったく問題にならない。
本実施の形態では、レンズホルダー12及び撮像素子ホルダー16の各材料が略同一の線膨張係数を有していればよい。一般に固体撮像素子17a、17b、17c、17dやデジタル信号プロセッサ(DSP)の基板の材料はシリコンを主成分とする。撮像素子ホルダー16の線膨張係数が、この上に搭載される固体撮像素子やデジタル信号プロセッサ(DSP)の線膨張係数と略同一であれば、実装、配線形成、そり防止、信頼性向上に有利である。従って、撮像素子ホルダー16の材料はシリコンが好ましい。更に、周辺温度変化Δτの変化による原点ずれ量Δdを小さくするために、レンズホルダー12の材料もシリコンが好ましい。
本実施の形態の複眼式カメラモジュールでは、被写体からの光は結像ユニットごとに緑色波長帯域光、赤色波長帯域光、青色波長帯域光に分離され、それぞれの固体撮像素子は3原色のうちのいずれかの色の画像を撮像する。ここで、緑色波長帯域光の画像を撮像する結像ユニットの数は2つである。この2つの結像ユニットで得た2つの緑色画像を比較し、視差を求めることにより、被写体までの距離を測定し、且つ、緑、赤、青の各色画像を合成してカラー画像を得ている。同色の画像を比較することで、より正確に視差を求めることができるので、距離測定の精度を向上することができ、また、高画質のカラー画像を得ることができる。
本実施の形態の複眼式カメラモジュールでは、被写体からの光は結像ユニットごとに緑色波長帯域光、赤色波長帯域光、青色波長帯域光に分離され、それぞれの固体撮像素子は3原色のうちのいずれかの色の画像を撮像する。しかしながら、本発明のカメラモジュールはこのような方式に限定されない。例えば、各結像ユニットで色分離を行わず、各固体撮像素子がフルカラーの画像を撮像する複眼式カメラモジュール(例えば特許文献1参照)であってもよい。この方式でも各固体撮像素子で得たカラー画像を一つの画像に合成する処理は必要であり、その場合も上記に述べた原点画素の特定が必要である。従って、本発明は複眼式カメラモジュール全般にわたって広く適用できる。
次に本実施の形態のカメラモジュールにおいて、レンズホルダー12に各レンズ11a、11b、11c、11dを光軸のずれなく形成し保持させる方法を図5を用いて説明する。
本実施の形態のカメラモジュールでは、レンズホルダー12と固体撮像素子ホルダー16とが相互に独立した別部材からなるため、以下に説明するようなレンズ形成方法を採用することができる。
予め作製したレンズホルダー12をレンズ形状の反転形状がそれぞれ形成された上下の成形駒51a、51bで挟み込む。このとき、成形駒51a、51bのそれぞれの基準面52a、52bは、成形駒51a、51bにそれぞれ形成された反転したレンズ形状の光軸53a、53bと垂直である。上側の成形駒51aの基準面52aとレンズホルダー12の上面55aとを密着させ、下側の成形駒51bの基準面52bとレンズホルダー12の下面55bとを密着させることにより、光軸53a,53bと平行な方向において、レンズホルダー12と成形駒51a,51bとを相対的に位置規制する。更に、レンズホルダー12の周縁に形成されたストッパ54a、54b、54c、54dを上下の成形駒51a,51bの側面に当接させることにより、光軸53a,53bと直交する方向において、レンズホルダー12と成形駒51a,51bとを相対的に位置規制する。これらにより、上側の成形駒51aに形成された反転したレンズ形状の光軸53aと、下側の成形駒51bに形成された反転したレンズ形状の光軸53bとが一致する。この状態で成形駒のゲート(図示せず)から加熱して低粘度となった熱可塑性樹脂を、レンズホルダー12に形成された開口と成形駒51a、51bとによって形成されたキャビティ56に流し込んで射出成形を行う。
このような方法により、任意の非球面形状を有するレンズ11a、11b、11c、11dを得ることができ、しかも、各レンズの光軸13a、13b、13c、13dをレンズホルダー12の法線と平行にして各レンズをレンズホルダー12に位置決めして保持させることができる。
レンズ成形した後、図6のように、隣り合うレンズ間のレンズホルダー12の表面に樹脂層61が付着することがある。この樹脂層61は、レンズの信頼性や画像において問題となることがあるので、後加工で除去し、各レンズを互いに分離、独立させることが望ましい。
図5では成形駒51a、51bがそれぞれ複数のレンズの反転形状を有する例を説明したが、1つのレンズの反転形状を有する成形駒をレンズホルダー12の上下に各4つ配置して4つのレンズを成形しても良い。
図5ではレンズ材料として熱可塑性樹脂を用いたが、透明な紫外線硬化樹脂を用いることも可能である。成形駒内へのレンズ材料の充填方法としては図5の場合と同様にゲートを用いてもよい。石英など紫外線を透過する素材からなる成形駒を用いることにより、成形駒を通じてレンズ材料に紫外線を照射して、図5の場合と同様にレンズホルダー12にレンズを一体に成形することができる。
従来から、透明で樹脂より線膨張係数が小さな基材、例えばガラス板の表面に、種々の方法で樹脂レンズを形成する方法が用いられている。しかしながら、この方法では、両面が曲面であるレンズを形成することは困難であった。これに対して、上記の方法を用いればレンズの両面の形状を自由に設定できる。例えば両面非球面レンズや両面回折格子レンズなどを作成でき、このようなレンズを用いることにより、従来では実現が困難であった、解像度の高い画像を得ることができる。この高解像度の画像を画素ピッチの細かい固体撮像素子で解像すれば、より高精度で視差を求めることができるので、被写体までの距離測定精度は一層向上する。
(実施の形態2)
図7は本発明の実施の形態2に係るカメラモジュールの概略構成を示した分解斜視図、図8は、本実施の形態2に係るカメラモジュールの光軸に沿った断面図である。
図7は本発明の実施の形態2に係るカメラモジュールの概略構成を示した分解斜視図、図8は、本実施の形態2に係るカメラモジュールの光軸に沿った断面図である。
4つのレンズ71a、71b、71c、71dは互いに独立した両面回折格子付きの非球面単レンズであり、レンズホルダー72にてほぼ同一平面上に配置されて位置決めされている。4つのレンズ71a、71b、71c、71dの光軸73a、73b、73c、73dはいずれもレンズホルダー72の主面の法線と平行である。ここで、図7に示すように、光軸73a、73b、73c、73dと平行な方向をZ軸、Z軸に垂直な一方向をX軸、Z軸及びX軸に垂直な方向をY軸とする。レンズ71a、71b、71c、71dは、XY平面上において、X軸に平行な直線及びY軸に平行な直線により形成される格子点上に配置される。
レンズ71aとレンズ71dは緑色の光に対して回折効率と結像性能が最適化された両面回折格子付きの非球面単レンズであり、レンズ71bは赤色の光に対して回折効率と結像性能が最適化された両面回折格子付きの非球面単レンズであり、レンズ71cは青色の光に対して回折効率と結像性能が最適化された両面回折格子付きの非球面単レンズである。
レンズホルダー72はシリコンからなり、実施の形態1のレンズホルダー12と同様であるので詳細な説明を省略する。
レンズホルダー72の被写体とは反対側の面に、遮光スペーサー74が貼り合わされている。遮光スペーサ74は、4つのレンズの光軸73a、73b、73c、73dが通過する1つの開口(貫通孔)77を備える。遮光スペーサー74は、カメラモジュールの周辺から各固体撮像素子に入射する光を遮る。開口77を形成する内壁面には光の反射防止処理がなされている。具体的には、表面での反射を抑制するように、黒塗りをし、表面を荒らすなどによるつや消し処理が施されている。これにより、内壁面で反射した迷光が固体撮像素子に入射することを避けることができる。
遮光スペーサー74の被写体とは反対側の面に、撮像素子ホルダー75が貼り合わされている。撮像素子ホルダー75はシリコンよりなり、そのレンズホルダー72に対向する面には、レンズホルダー72に設けたのと同様の、反射を防止するコーティングが施されている。撮像素子ホルダー75の遮光スペーサー74側の面に、4つの固体撮像素子76a、76b、76c、76dがほぼ同一平面上(XY平面上)に配置されている。4つのレンズの光軸73a、73b、73c、73dは4つの固体撮像素子のそれぞれの中心(矩形状の固体撮像素子の対角線の交点)をほぼ通過する。従って、各固体撮像素子の中心間隔と、各レンズの中心間隔とはほぼ等しい。
緑色の光に対して最適化されたレンズ71a、71dに対応する固体撮像素子76a、76dの内部(受光部よりもレンズ側)には緑の波長帯の光を透過するカラーフィルタが設けられており、同様に、赤色の光に対して最適化されたレンズ71bに対応する固体撮像素子76bの内部(受光部よりもレンズ側)には赤の波長帯の光を透過するカラーフィルタが設けられており、青色の光に対して最適化されたレンズ71cに対応する固体撮像素子76cの内部(受光部よりもレンズ側)には青の波長帯の光を透過するカラーフィルタが設けられている。
図8は図7に示したカメラモジュールの光軸73a、73dを含む面での断面図である。撮像素子ホルダー75上にデジタル信号プロセッサー(DSP)を含む基板81が設けられ、この上に4個の固体撮像素子76a、76b、76c、76dが配置されている。
本実施の形態のカメラモジュールでは、各レンズ71a、71b、71c、71dに入射した被写体からの光は、それぞれ対向する固体撮像素子76a、76b、76c、76dへ到達する。固体撮像素子76a、76dは、その内部に設けられた緑のカラーフィルタにより、緑色の光を検知する。同様に、固体撮像素子76bは赤色の光を検知し、固体撮像素子76cは青色の光を検知する。これら4つの固体撮像素子76a、76b、76c、および76dで撮影された4個の画像を合成してカラー画像を得る。これらの合成はデジタル信号プロセッサー(DSP)により行う。
本実施の形態のカメラモジュールにおける画像処理手順、各固体撮像素子の原点位置特定、周辺温度変化による原点位置ずれ、レンズ材料、レンズホルダーへのレンズの保持方法は、実施の形態1と同じであるのでこれらの説明は省略する。
本実施の形態のカメラモジュールは両面回折格子付きの非球面レンズを用いているために、収差を少なくできる。よって、細かい画素ピッチの固体撮像素子の解像度を損なうことなく、高画質な画像を得ることができる。また、非球面レンズと同等の性能をより薄いレンズ厚みで得ることができるのでカメラモジュールをより薄型化できる。
一方、回折格子付きレンズには表面に微細な形状を付与する必要があるため、レンズ材料がガラスの場合は金型成形を用いたレンズ加工は必ずしも生産性がよいとはいえない。成形回数が増えるとともに、金型である成形駒表面にコーティングされた保護膜が磨耗もしくは変形するために、形状精度が早期に劣化するからである。しかしながら、本実施の形態のカメラモジュールではレンズ材料として樹脂を用いることができるため、金型の耐久性が格段に向上し、これに伴って安く且つ大量に両面回折格子付きの非球面レンズを作成することができる。回折格子を作成する方法としては、金型成形の他にドライエッチングや切削加工があるが、ドライエッチングでは任意の曲面上に回折格子を加工することは困難であり、切削加工ではレンズの1面ごとに加工する必要があり、いずれも生産性に劣るなどの課題を有している。金型成形が両面回折格子付きの非球面レンズの加工法として最も適している。これは本実施の形態のカメラモジュールの利点の一つである。
(実施の形態3)
本実施の形態におけるカメラモジュールの光軸73a,73dを含む面での断面図を図9に示す。本実施の形態のカメラモジュールは、撮像素子ホルダー75をレンズホルダー72に対して光軸に沿って相対的に移動させるアクチュエーター90を付加した点で、図8に示した実施の形態2のカメラモジュールと相違する。実施の形態2のカメラモジュールと同一の構成部材には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
本実施の形態におけるカメラモジュールの光軸73a,73dを含む面での断面図を図9に示す。本実施の形態のカメラモジュールは、撮像素子ホルダー75をレンズホルダー72に対して光軸に沿って相対的に移動させるアクチュエーター90を付加した点で、図8に示した実施の形態2のカメラモジュールと相違する。実施の形態2のカメラモジュールと同一の構成部材には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
アクチュエーター90は、圧電素子91、その長手方向をZ軸に平行に配置された棒状の駆動軸92、Z方向に対向する一対の支持ブロック93a,93b、及び、摩擦稼動部94を含む。圧電素子91の一端は支持ブロック93aに固定され、他端は駆動軸92の一端に接続されている。駆動軸92の他端は支持ブロック93bに固定されている。一対の支持ブロック93a,93bは筐体98の内壁面に固定されている。駆動軸92は摩擦稼働部94を貫通し、摩擦力により摩擦稼働部94を保持している。摩擦稼働部94は、連結アーム95を介して撮像素子ホルダー75を保持している。
撮像素子ホルダー75は複数のアクチュエーター90を介して筐体98内に保持されている。
圧電素子91にゆっくり電圧を加えて伸長させて駆動軸92とともに摩擦稼動部94をZ軸に沿って移動させた後、急に電圧を除くと、圧電素子91は瞬時に縮んで元に戻るが、摩擦稼動部94は慣性で動かない。
あるいは、圧電素子91に急峻に立ち上がる電圧を加えると駆動軸92は瞬時に移動するが摩擦稼動部94は慣性で移動しない。従って、摩擦稼働部94は駆動軸92に対してZ軸方向に相対的に移動する。その後、圧電素子91に印加した電圧をゆっくり除くと、摩擦稼動部94は駆動軸92とともに移動する。
このような動作を繰り返すことにより、摩擦稼動部94をZ軸方向に移動させることができる。複数のアクチュエーター90を同期して駆動すれば、摩擦稼動部94を介して撮像素子ホルダー75、デジタル信号プロセッサ(DSP)を含む基板81、及び4つの固体撮像素子76a、76b、76c、76dを一体にしてZ軸方向に移動させることができる。
本実施の形態のカメラモジュールは、更に、焦点位置を検出する手段と、その焦点位置に応じて圧電素子91への電圧制御を行う制御手段とを備えたオートフォーカス機能付きのカメラモジュールである。焦点位置の検出方法としては、特に制限はなく、例えば固体撮像素子から得た画像から視野中央部の被写体像のコントラストを解析し、そのコントラストが向上するようにアクチュエータ90を駆動する方法などを用いることができる。圧電素子91の制御手段としては、特に制限はなく、圧電素子を用いたアクチュエーター用の周知の駆動回路を用いることができる。
周辺温度が変化した場合、実施の形態1,2にて述べたようにレンズ間の間隔及び固体撮像素子間の間隔に変化が生じるが、同時にZ軸方向、すなわちレンズの光軸方向に焦点位置ずれが発生する。光軸方向の焦点位置ずれは、温度変化によるレンズの厚み及び形状の変化やレンズ材質の屈折率の変化に起因する。Fナンバーが小さくて明るいレンズほど焦点深度が浅いため、温度変化による焦点位置ずれは画像の劣化として表れやすい。
本実施の形態のカメラモジュールでは、光軸方向に固体撮像素子を移動することができるので、周辺温度の変化により被写体像の結像位置が光軸方向にシフトしても、これを補正することが容易である。従って、温度変化による画質劣化が更に低減されたカメラモジュールを実現できる。
なお、本実施の形態では固体撮像素子を移動させたが、レンズを移動してもかまわない。また、アクチュエータとしては、例えば電磁方式など、変位を制御できる方式であれば、圧電素子を利用したものに限定されない。
図9では実施の形態2で説明した遮光スペーサー74の図示を省略している。レンズホルダー72と撮像素子ホルダー75との間隔を可変にするために、本実施の形態では、図示しない遮光スペーサーは、撮像素子ホルダー75及びレンズホルダー72のうちの一方とは分離している必要がある。あるいは、筐体98に遮光機能を付与することにより、遮光スペーサー74を省略しても良い。
また、本実施の形態では、実施の形態2のカメラモジュールにアクチュエーターを付加した例を示したが、実施の形態1のカメラモジュールにアクチュエーターを付加することもできる。
実施の形態1〜3のカメラモジュールでは、4つのレンズにそれぞれ対応する4つの固体撮像素子を用いた。しかしながら、本発明のカメラモジュールはこれに限定されない。例えば、単一の固体撮像素子を用い、これを4つのレンズにそれぞれ対応するように4つの撮像領域に分割してもよい。この場合には、固体撮像素子の実装が容易になり、低コスト化できる。この場合であっても、分割された4つの撮像領域の各原点画素を特定する作業は必要である。
実施の形態1〜3のカメラモジュールでは、固体撮像素子の画素は、4つのレンズの光軸の配置と対応するように、X軸方向及びY軸方向に沿って格子点状に配置されていた。しかしながら、本発明のカメラモジュールはこれに限定されない。例えば、画素が、対角位置に配置されたレンズの光軸を結ぶ方向(実施の形態1であれば、光軸13a,13dを結ぶ方向、及び光軸13b,13cを結ぶ方向)に沿って格子点状に配置されていても良い。また、画素は、格子点状に配置されていなくても良い。
以上に説明した実施の形態は、いずれもあくまでも本発明の技術的内容を明らかにする意図のものであって、本発明はこのような具体例にのみ限定して解釈されるものではなく、その発明の精神と請求の範囲に記載する範囲内でいろいろと変更して実施することができ、本発明を広義に解釈すべきである。
本発明によれば、薄型、小型、高精細で周辺温度変化に対しても安定な画像を得ることができるカメラモジュールを実現できる。このため、本発明は、携帯機器搭載用のカメラ、監視用カメラ、あるいは車載用のカメラ等の用途に好ましく利用することが可能である。
Claims (15)
- 複数の単レンズと、前記複数の単レンズと一対一に対応する複数の撮像領域とを備え、前記複数の単レンズが前記複数の撮像領域にそれぞれ被写体像を形成し、前記複数の撮像領域からの電気信号を合成して画像を得るカメラモジュールであって、
更に、前記複数の単レンズを保持するレンズホルダーと、前記複数の撮像領域を保持する撮像素子ホルダーとを備え、
前記レンズホルダーと前記撮像素子ホルダーとは対向して配置され、
前記レンズホルダーと前記撮像素子ホルダーとは別部材からなり、それぞれの材料の線膨張係数は略同一であり、
前記レンズホルダー及び前記撮像素子ホルダーと前記複数の単レンズとは異なる材料からなることを特徴とするカメラモジュール。 - 前記複数の撮像領域からの前記電気信号を比較することにより、被写体までの距離を測定する請求項1に記載のカメラモジュール。
- 前記レンズホルダー及び前記撮像素子ホルダーがいずれもシリコンよりなる請求項1に記載のカメラモジュール。
- 更に、前記レンズホルダーと前記撮像素子ホルダーとの間にスペーサを備える請求項1に記載のカメラモジュール。
- 前記複数の単レンズは互いに独立し分離した樹脂よりなる請求項1に記載のカメラモジュール。
- 更に、前記複数の単レンズと一対一に対応する複数のカラーフィルターを備え、
前記複数のカラーフィルターのうちの少なくとも一つは赤色波長帯域の光を前記撮像領域に入射させ、他の少なくとも一つは緑色波長帯域の光を前記撮像領域に入射させ、他の少なくとも一つは青色波長帯域の光を前記撮像領域に入射させる請求項1に記載のカメラモジュール。 - 前記複数のカラーフィルターのうち少なくとも2つは同じ波長帯域の光を透過する請求項6に記載のカメラモジュール。
- 前記複数の単レンズのそれぞれが両面に回折格子を備えている請求項1に記載のカメラモジュール。
- 前記複数の単レンズのそれぞれの光軸は、対応する前記撮像領域の受光面と垂直で、且つ前記撮像領域の中心をほぼ通過する請求項1に記載のカメラモジュール。
- 更に、被写体像の焦点位置の検出手段と、前記レンズホルダーと前記撮像素子ホルダーとの光軸に沿った間隔を変化させるするアクチュエータと、前記検出手段が検出した前記焦点位置に応じて前記アクチュエータを駆動する制御手段とを備える請求項1に記載のカメラモジュール。
- 前記スペーサーは、前記撮像領域に、これに対応する前記単レンズ以外の前記単レンズを通過した光が入射するのを防止する請求項3に記載のカメラモジュール。
- 前記レンズホルダーの前記撮像素子ホルダーに対向する面、及び前記撮像素子ホルダーの前記レンズホルダーに対向する面に、表面反射を抑制するコーティングが施されている請求項1に記載のカメラモジュール。
- 前記コーティングが、屈折率2.1、膜厚140nmの単層膜からなり、前記単層膜の材料が硫化亜鉛、酸化セリウム、酸化タンタル、酸化チタンのいずれかである請求項12に記載のカメラモジュール。
- 前記複数の単レンズを保持する前記レンズホルダーは、前記レンズホルダーを一対の成形駒で挟み、前記レンズホルダーと前記一対の成形駒とで形成されたキャビティ内に樹脂を射出成形することにより得られたものである請求項1に記載のカメラモジュール。
- 前記複数の単レンズを保持する前記レンズホルダーは、前記レンズホルダーを一対の成形駒で挟み、前記レンズホルダーと前記一対の成形駒とで形成されたキャビティ内に紫外線硬化樹脂を注入し、前記紫外線硬化樹脂に紫外線を照射して硬化させることにより得られたものである請求項1に記載のカメラモジュール。
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