JPWO2006043557A1 - ベアラ選択方法および装置 - Google Patents

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Abstract

アプリケーションが使用可能な少なくとも1つのベアラおよびこのベアラの優先度を示すベアラ属性情報(20)と通信端末の特性情報(21)とを突き合わせて、ベアラ属性情報のベアラのうち通信端末で使用可能なベアラとこのベアラの優先度とを含むベアラリスト(23)を作成し、データベース(DB)に格納する。このベアラリストの優先度に従ってアプリケーションに使用されるベアラを選択し、アプリケーションの通信処理を実行する。これにより、アプリケーション提供者の意思を十分に反映させたアプリケーション実行環境を実現できる。このベアラリストはユーザインタフェース(24)によってユーザによる変更が可能である。この場合、データベースに格納された範囲内でのみベアラリストの変更が可能となるので、ユーザの恣意的な設定を防止できる。

Description

本発明は通信端末のベアラ(Bearer)選択方法および装置に係り、特にアプリケーションプログラムが通信を行う時に使用するベアラを決定するベアラ選択方法および装置に関する。
携帯通信端末が通信を行う際のベアラ選択に関しては、従来から種々の提案がされている。たとえば、文献1(特開2003−169359号公報)には、アプリケーションのダウンロードに回線交換ベアラおよびパケットベアラのいずれを用いるかを選択する方法が記載されている。この方法は、ダウンロードするアプリケーションのサイズとネットワークから取得するしきい値情報とを比較して、しきい値より小さければパケットベアラを、大きければ回線交換ベアラを用いてアプリケーションをダウンロードするというものである。このしきい値情報はネットワーク側で調節でき、回線交換ベアラとパケットベアラとが使用される割合を最適化することが可能である。さらに、通信用途によってベアラを使い分ける方法も提案されている。例えばウェブにアクセスする際はパケットベアラが固定的に選択される。
また、文献2(特開2001−237976号公報)には、パケットやショートメールなどのベアラ、最大送信文字数およびメール送信料金などを含むベアラ情報を格納しておき、作成したメールに関して、このベアラ情報を参照して端末で利用可能なベアラリストを作成し、このベアラリストから最も安価なベアラを自動選択するベアラ選択方法が開示されている。
さらに、文献3(特表2003−506981号公報)には、端末のスペックを考慮してアプリケーションの要求するベアラを選択する方法が記載されている。さらに、所望のベアラをユーザに尋ね、ユーザがユーザインタフェースを用いて応答することも記載されている。
しかしながら、上記従来のベアラ選択方法は、アプリケーション提供者の意思を十分に反映することができない上に、ユーザのベアラ選択に関与する余地も限られている。
たとえば文献1のベアラ選択方法では、アプリケーション提供者の意図とは無関係に、ネットワーク側でベアラ選択の基準となるしきい値が設定され、使用されるベアラが選択される。
文献2の方法は、ベアラリストから最も安価なベアラを自動選択する方法であり、アプリケーション提供者の意図とは無関係である。さらに、ベアラ選択を手動に設定しなければユーザが実質的にベアラ選択に関与できない。
文献3の方法では、アプリケーションの要求するベアラを端末スペックを考慮して選択するが、アプリケーションの要求としてビットレートなどのサービス品質が前提とされており、アプリケーション提供者の意思が十分に反映されるとは言い難い。さらに、所望のベアラをユーザがユーザインタフェースを用いて選択できるように記載されているが、その選択範囲は端末の能力を無視することも可能であり、有意義なベアラ選択をユーザに提供するものではない。
本発明の目的は、アプリケーション提供者が、そのアプリケーションのベアラ属性を十分に設定できるようにすることにある。
また、他の目的は、設定されたベアラ属性の範囲内で、ユーザがベアラを選択できるようにすることにある。
本発明によるベアラ選択方法は、通信端末で実行されるアプリケーションが使用可能な少なくとも1つのベアラおよびこのベアラの優先度を示すベアラ属性情報と前記通信端末に予め格納された前記通信端末の特性情報とに基づいて、ベアラ属性情報のベアラのうち前記通信端末で使用可能なベアラとこのベアラに付与された優先度とを含むベアラリストを作成するステップと、作成されたベアラリストを前記通信端末のメモリに格納するステップと、前記メモリに格納されているベアラリストの優先度に従ってアプリケーションに使用されるベアラを選択するステップとを備えることを特徴とする。
本発明によるベアラ選択装置は、通信端末で実行されるアプリケーションが使用可能な少なくとも1つのベアラおよびこのベアラの優先度を示すベアラ属性情報と、前記通信端末に予め格納された前記通信端末の特性情報とを格納する第1格納部と、前記第1格納部に格納されているベアラ属性情報と特性情報とを比較することで、ベアラ属性情報のベアラのうち前記通信端末で使用可能なベアラとこのベアラに付与された優先度とを含むベアラリストを作成する属性検証部と、作成されたベアラリストを格納する第2格納部と、前記第2格納部に格納されているベアラリストの優先度に従ってアプリケーションに使用されるベアラを選択してアプリケーションの通信処理を実行する通信制御部とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、アプリケーションが使用可能なベアラの種類とその優先度とに基づいて、通信端末で使用可能な最適なベアラを選択することができる。したがって、アプリケーション提供者がそのアプリケーションで推奨するベアラを通信端末に優先的に設定することが可能となり、アプリケーション提供者の意思を十分に反映させたアプリケーション実行環境を提供できる。
図1は、本発明によるベアラ選択方法を採用した通信端末の概略的構成を示すブロック図である。 図2は、本発明によるベアラ選択方法の一実施例の概略的な流れを示す模式図である。 図3は、本発明の一実施例によるベアラ選択装置のブロック図である。 図4は、図3におけるダウンローダのより詳しい構成を示すブロック図である。 図5は、図3におけるベアラ設定装置のより詳しい構成を示すブロック図である。 図6は、図3における通信制御装置のより詳しい構成を示すブロック図である。 図7は、ダウンロード時のベアラ設定処理を示すフローチャートである。 図8は、図4におけるダウンロード部のより詳しい構成を示すブロック図である。 図9は、ユーザのベアラ設定処理を示すフローチャートである。 図10は、アプリケーション実行時のベアラ設定処理を示すフローチャートである。 図11Aは、ベアラ属性の一例を示す図である。 図11Bは、端末特性情報の一例を示す図である。 図12は、アプリケーションプログラムのベアラ属性と端末の特性情報との突き合わせ処理の一例を示す図である。 図13Aは、ベアラリストに基づいて生成されたユーザインタフェースの一例を示す図である。 図13Bは、変更されたベアラリストの一例を示す図である。
1.通信端末の構成
図1は本発明によるベアラ選択方法を採用した通信端末の概略的構成を示すブロック図である。通信端末は有線あるいは無線の通信機能を有する端末であり、たとえば携帯電話やPDAなどの移動通信端末、通信機能を有するパーソナルコンピュータなどである。
通信端末には、通信制御部10、表示部11および入力部12が設けられ、表示部11および入力部12を用いてユーザインタフェースが提供される。表示部11は液晶ディスプレイ等であり、入力部12はキー操作部やタッチパネル等である。通信制御部10は、たとえば近距離無線通信、光通信および無線LAN等の所定の通信方式をサポートするものとする。この通信制御部10を通して、後述するようにアプリケーションサーバからアプリケーションプログラム等をダウンロードすることができる。
通信端末には、さらに、プログラム制御プロセッサ13、優先度付きベアラリストデータベース(第2格納部)14、メモリ(第1格納部)15およびプログラムメモリ16が設けられている。プログラム制御プロセッサ13は、端末全体の動作を制御するCPUでもよいし、本発明によるベアラ選択方法を実施するためのマイクロプロセッサでも良い。
優先度付きベアラリストデータベース14は、プログラム制御プロセッサ13の制御下でアプリケーションごとに優先度付きベアラリストを格納する。優先度付きベアラリストは、後述するように、アプリケーション提供者により提供された優先度付きのベアラ情報と端末の特性情報とに基づいて生成され、さらにユーザにより変更可能である。
メモリ15は、プログラム制御プロセッサ13の制御下でダウンロードしたアプリケーションプログラムおよびそのアプリケーション属性ファイルを格納し、さらに当該通信端末が使用可能なリソース等の特性情報を予め格納する。
プログラムメモリ16は、本発明によるベアラ選択方法をプログラム制御プロセッサ13で実施するための属性検証プログラムおよびベアラ設定プログラムを含むプログラム群を格納する。ここでは、ベアラ設定プログラムをプログラム制御プロセッサ13で実行することにより、後述するベアラ選択装置を実装することができる。属性検証プログラムおよびベアラ設定プログラムは、インターネットなどのデータ通信網を介して、または、光ディスクや磁気ディスクなどの各種の記録媒体に格納した状態で提供される。
2.ベアラ選択動作
図2は本発明によるベアラ選択方法の一実施例の概略的な流れを示す模式図である。たとえばサーバからダウンロードされたアプリケーション属性ファイル20には、当該アプリケーションが使用可能な少なくとも1つのベアラの種類、およびそれぞれのベアラの優先度を指定するベアラ属性情報が含まれている。この優先度はアプリケーション提供者により設定されたものである。
まず、プログラムメモリ16に格納されたベアラ設定プログラムを実行し、それが属性検証プログラムを呼び出すことにより属性検証プロセス22を生成する。属性検証プロセス22は、アプリケーション属性ファイル20のベアラ属性情報とメモリ15に格納されている端末特性情報とのマッチング処理を実行し、共通のベアラ種類とその優先度からなるベアラリスト23を生成してデータベース14に格納する。
続いて、ベアラ設定プロセスはユーザインタフェース24を生成し、データベース14から読み出した優先度付きベアラリストを表示部11に表示する。ユーザが入力部12を用いて表示されたベアラリストを変更すると、変更されたベアラリストがデータベース14に格納される。このように一度決定されたベアラをユーザが変更することが可能である。
通信を行う場合には、通信制御プロセス25がデータベース14に格納されているベアラリストから優先度の最も高いベアラを選択し、その選択されたベアラに従って通信制御部10が制御される。
3.ベアラ選択装置の構成
図3は本発明の一実施例によるベアラ選択装置のブロック図である。ここでは、端末100にベアラ選択装置が実装されている。端末100は、例えばパーソナルコンピュータやPDA、携帯電話などであり、通信機能を備えている機器であることを前提としている。
端末100は、アプリケーションおよびアプリケーション属性ファイルのダウンロードを行うダウンローダ110、端末100の特性情報を格納している特性情報格納領域120、ベアラリストを格納するデータベース(第2格納部)130、アプリケーションを格納するアプリケーション格納領域180、アプリケーションの実行を制御するアプリケーション制御装置190、ベアラの設定を行うベアラ設定装置140、アプリケーション実行時の通信制御を行う通信制御装置150、キーボード等の入力装置160、および、ディスプレイ等の出力装置(表示部)170を含んでいる。
アプリケーション制御装置190は、アプリケーション格納領域180に格納されたアプリケーションの実行、終了などのライフサイクルを管理する装置である。また、アプリケーションが実行中に通信を要求した場合、通信制御装置150に通信の依頼を行う。
通信制御装置150は、ベアラを指定することで図示しない複数のベアラの中から1つを選択して通信を行う装置である。使用するベアラが変更されるたびにベアラを切り換えて通信を行う機能を持つ。
図4は本実施例におけるダウンローダのより詳しい構成を示すブロック図である。ダウンローダ110は、アプリケーションおよびアプリケーション属性ファイルのダウンロードを行うダウンロード部111、アプリケーション属性ファイルの検証を行う属性検証部112、および、ベアラリストをデータベース130に格納させるデータベース格納制御部113を含む。
属性検証部112は、ダウンロード部111がダウンロードしたアプリケーション属性ファイルからベアラ属性情報を取り出し、このベアラ属性情報と特性情報格納領域120内の特性情報とを比較する突き合わせ処理を行う。そして、ベアラ属性情報のベアラのうち端末100で使用可能なベアラ(すなわち、特性情報のリソースに含まれるベアラ)を選択し、このベアラとベアラに付与された優先度とを含むベアラリストを作成する。したがって、ベアラリストは、ベアラ属性情報のベアラと特性情報のリソースとが一致したベアラと、このベアラに対応する優先度とからなる。データベース格納制御部113は属性検証部112から得たベアラリストをデータベース130に格納する。
図5は本実施例におけるベアラ設定装置のより詳しい構成を示すブロック図である。ベアラ設定装置140は、ベアラリストの取得および格納を行うデータベース制御部141と、ユーザインタフェースUIを作成するユーザインタフェース作成部142とを含む。データベース制御部141は、データベース130からのベアラリストの取得および入力装置160から得られた情報を基にベアラリストを変更しデータベース130への格納を行う。ユーザインタフェース作成部142は、データベース制御部141から得られたベアラリストを基にユーザがベアラを設定するためのユーザインタフェースの作成を行う。
図6は本実施例における通信制御装置のより詳しい構成を示すブロック図である。通信制御装置150は、データベース130内のベアラリストを参照するデータベース参照部151と、通信を制御する通信制御部152とを含む。通信制御部152は、データベース参照部151から受け取ったベアラ情報を基に通信時に使用するベアラを指定し、通信を行う。
4.ベアラ設定処理
4.1)アプリケーションダウンロード時のベアラ設定処理
図7は本実施例におけるダウンロード時のベアラ設定処理を示すフローチャートである。まず、アプリケーションのダウンロードはダウンローダ110によって行う。ダウンローダ110のダウンロード部111は、図示しないサーバからアプリケーションおよびアプリケーション属性ファイルをダウンロードする(ステップS201)。
ダウンロードしたアプリケーションはアプリケーション格納領域180に格納される。一方、アプリケーション属性ファイルは属性検証部112によって検証される(ステップS202)。属性検証部112は、アプリケーション属性ファイル内にアプリケーションが使用するベアラの属性(以下、ベアラ属性)が含まれているか否かを判定する(ステップS203)。
含まれていない場合は(ステップS203のNO)、ダウンロード時のベアラ設定処理は終了する。ベアラ属性が含まれている場合は(ステップS203のYES)、特性情報格納領域120から端末の特性情報を取り出し、突き合わせ処理を行う(ステップS204)。特性情報は当該端末が使用可能なリソースを示している。
突き合わせ処理ステップS204では、ベアラ属性に指定されているベアラ(アプリケーションが使用するベアラ)が端末で使用可能か否かの検証を行う。この検証処理により、アプリケーションが使用するベアラの情報を含むベアラリストが新たに作成される。作成されたベアラリストは、データベース格納制御部113によってデータベース130へと格納される(ステップS205)。
なお、ステップS201において、ダウンロード部111はダウンロードしたアプリケーション属性ファイルを、図8に示すアプリケーション属性ファイル格納領域111Aに一旦格納してもよい。この場合、属性検証部112はアプリケーション属性ファイル格納領域111Aからアプリケーション属性ファイルを取り出し、上述したステップS202〜S204の各処理を行うことになる。なお、特性情報格納領域120、アプリケーション格納領域180およびアプリケーション属性ファイル格納領域111Aは、図1におけるメモリ15の記憶領域の一部である。
4.2)ユーザのベアラ設定処理
図9は本実施例におけるユーザのベアラ設定処理を示すフローチャートである。ユーザのベアラ設定はベアラ設定装置140によって行う。まず、データベース制御部141は、データベース130からベアラ設定を行うアプリケーションのベアラリストを取り出す(ステップS301)。ユーザインタフェース作成部142は、データベース制御部141から渡されたベアラリストの情報を基に、ベアリストを表示してユーザによるベアラ選択に用いられるユーザインタフェースを作成する(ステップS302)。その後、作成したユーザインタフェースは出力装置170へと渡される。出力装置170は、ユーザインタフェース作成部142から渡されたユーザインタフェースにしたがって、ベアラリストの内容をディスプレイへ表示する(ステップS303)。ディスプレイに表示されたユーザインタフェースに対して、ユーザが入力装置160を用いて情報を入力したか否かを判断する(ステップS304)。
ユーザが入力装置160を用いて情報を入力すると(ステップS304のYES)、データベース制御部141は、ユーザインタフェースを介してユーザからの入力情報を受け取り、その情報を基にステップS301で取得したベアラリストの変更を行う(ステップS305)。例えば、ユーザからの入力情報がベアラの優先度に関するものである場合には、ベアラリストの優先度を変更する。その後、変更したベアラリストをデータベース130へ格納する(ステップS306)。
4.3)アプリケーション実行時のベアラ設定処理
図10は本実施例におけるアプリケーション実行時のベアラ設定処理を示すフローチャートである。アプリケーション実行時(通信時)のベアラ設定処理は、通信制御装置150によって行う。まず、データベース参照部151は、アプリケーション制御部190から渡されたアプリケーション名などのアプリケーション情報を基に、実行中のアプリケーションに対応したベアラリストがデータベース130内にあるか否かの検索を行う(ステップS401およびS402)。ここで対応したベアラリストがない場合(ステップS402のNO)、その旨を通信制御部152に伝え、ベアラの設定処理は終了する。この場合、通信制御部152はあらかじめ端末で規定されているベアラを設定し通信を行う。
ベアラリストがある場合(ステップS402のYES)、データベース参照部151はベアラリストに指定された最も優先度が高いベアラ情報を取り出し(ステップS403)、通信制御部152に渡す。通信制御部152は、データベース参照部151から渡されたベアラが現在使用できるか否かの検証を行う(ステップS404)。
ベアラが使用できない場合(ステップS404のNO)、他のベアラ指定があるかをデータベース参照部151に要求する(ステップS405)。ここでベアラ指定がない場合(ステップS405のNO)、データベース参照部151はその旨を通信制御部152に伝えベアラの設定処理は終了する。この場合、通信制御部152はあらかじめ端末で規定されているベアラが設定される。
ベアラ指定がある場合(ステップS405のYES)、データベース参照部151は次に優先度が高いベアラ情報を通信制御部152へ渡す(ステップS403)。通信制御部152は、データベース参照部151から渡されたベアラが使用できるか否かの検証を行い、ステップS403〜S405を、使用できるベアラが見つかるか、あるいは、ベアラ指定がなくなるまで繰り返し実行する。通信制御部152は、使用できるベアラが見つかった場合(ステップS404のYES)、そのベアラを通信時に使用するベアラに指定し(ステップS406)、通信処理を行う。
本実施例では、アプリケーションが使用するベアラ属性と端末内の特性情報からベアラリストを作成することで、アプリケーション提供者の意図を考慮しつつ端末に合ったベアラ設定が可能である。また、ベアラリストからベアラ選択のためのユーザインタフェースを提供することにより、ユーザの利便性を考慮したベアラ選択が可能である。
なお、本実施例では、アプリケーション属性はダウンロードするアプリケーションとともにダウンロードする場合を説明したが、これに限定されない。すなわち、アプリケーションが使用するベアラの情報を取得できればよく、アプリケーションをダウンロードする前にアプリケーション属性をダウンロードしてもよい。また、アプリケーションとアプリケーション属性ファイルとは異なるサーバからダウンロードしてもよい。
データベースからのベアラリストの取得およびデータベースへのベアラリストの格納(図7のステップS205および図9のステップS306)については、本発明では特に規定しない。例えば、アプリケーション名をキーとしてベアラリストの取得および格納を行う方法が考えられる。
また、図10のステップS402においてベアラリストがない場合、およびステップS405においてベアラ指定がない場合の処理について、本実施例では予め端末で規定されているベアラを使用すると述べたが、これに限定されるものでもない。すなわち、通信を中断する処理を行ってもよいし、使用可能なベアラ一覧を表示しユーザに選択させる処理を行ってもよい。使用可能なベアラ一覧を表示しユーザに選択させる場合、図3の特性情報格納領域120に格納されている特性情報を基にユーザインタフェースを作成するなどの方法が考えられる。
本発明の一実施例によるベアラ選択方法を具体的なベアラリストを用いて説明する。
ベアラ選択処理はアプリケーションプログラムのダウンロード処理から始まる。ダウンロードするアプリケーションプログラム(以下、アプリAという。)には、アプリケーション属性ファイルが含まれており、アプリケーション属性ファイル内にはベアラ属性が含まれているものとする。
図11Aはベアラ属性の一例を示す図であり、図11Bは端末特性情報の一例を示す図である。ベアラ属性には、アプリAが使用するベアラの種類およびそれらの優先度が示されている。図11Aに示す例では、3種類のベアラが指定されており、ベアラn(nは整数)の数値nによって優先度が指定されている。ここでは、nの値が小さいほど優先度が高いものとする。したがって、アプリAは通信時にBluetooth等の近距離無線通信ベアラを使用することを最も要求していることが分かる。また、図11Bに示す例では、端末は、赤外線、USBおよび無線LANに対応している(使用できる)ことが分かる。
上述したように、ダウンロード部111はアプリケーションとアプリケーション属性ファイルを図示しないサーバからダウンロードする。ダウンロードしたアプリケーションはアプリケーション格納領域180へ格納される。一方、アプリケーション属性ファイルは属性検証部112によって検証される。属性検証部112は、アプリケーション属性ファイルからアプリAのベアラ属性を取り出し、端末の特性情報との突き合わせ処理を行う。
図12はアプリAのベアラ属性と端末の特性情報との突き合わせ処理の一例を示す図である。図13Aはベアラリストに基づいて生成されたユーザインタフェースの一例を示す図であり、図13Bは変更されたベアラリストの一例を示す図である。
図12に示すように、属性検証部112は、ベアラ属性210および特性情報220からベアラリスト230を生成する。ベアラ属性に含まれているベアラの種類のうち、端末が使用できるリソース(すなわち特性情報)は赤外線および無線LANであり、アプリAは赤外線よりも無線LANを優先して使用する。したがって、属性検証部112によりベアラリスト230が作成され、作成されたベアラリストはデータベースに格納される。このように、アプリケーションの属性と端末の特性情報との突き合わせ処理を行うことで、アプリケーション提供者の意図を考慮しつつ端末に合ったベアラ設定が可能である。
続いて、属性検証部112により作成されたベアラリスト230に対して、ユーザのベアラ設定処理が行われる。本実施例では、ユーザからのベアラ設定は、ベアラを変更したいアプリケーションを入力装置160を用いて指定するところから始まる。
アプリAが選択されると、データベース制御部141はアプリケーションを特定する情報(アプリケーション名)をキーとして、データベース130から対応するベアラリストの取得を行う。取得したベアラリストを基に、ベアラ変更のためのユーザインタフェースが作成される。
ここでは、ベアラリスト230に無線LANと赤外線が設定されており、無線LANは赤外線より優先度が高いため、図13Aに示すようなユーザインタフェースが作成される。この例では、優先度の高いベアラは優先度の低いベアラよりも画面上部に表示され、また必要に応じて「推奨」という文字が付加されてもよい。これらにより、優先度の高いベアラがより選択されやすいようになる。ただし、優先度を表示する方法はこの例に限定されず、例えば、優先度が高いベアラは色を変えるなどの方法でもよい。すなわち、優先度の高いベアラが選択されやすいような仕組みであればよい。
ユーザインタフェース表示後、ユーザが赤外線を選択したとする。この場合、データベース制御部141はベアラリストの変更処理を行い、図13Bに示す変更後のベアラリストが得られる。すなわち、ユーザが赤外線を選択したため、赤外線が無線LANよりも優先して使用されることになる。変更されたベアラリストは、データベース制御部141によってデータベース130に格納される。
なお、この例では変更前のベアラリストに直接変更を与えたが、変更前の情報を残してもよい。すなわち、データベース130に異なるファイルとして格納されてもよいし、同じファイル内に変更前と変更後の両方の情報が格納されていてもよい。また、ユーザが変更したベアラ(この例では赤外線)のみを使用するという仕様にしてもよい。
以上がユーザのベアラ選択処理である。ユーザがベアラを設定するためのユーザインタフェースはダウンロード時に作成されたベアラリストが基になっているため、ユーザは勝手にベアラを設定できるわけではなく、ベアラリストの範囲内でのみ設定が可能である。これは、アプリケーション提供者の意図を考慮しつつ、ユーザの利便性を考慮している方法である。
次に、アプリケーション実行時のベアラ選択処理について説明する。アプリケーションの実行は、アプリケーション制御装置190が行う。実行しているアプリケーションが通信を要求したとき、アプリケーション制御装置190は実行しているアプリケーションを特定するためのキーを付加し通信制御装置150に通信を依頼する。この特定キーは、例えばアプリケーション名やアプリケーションIDといったものである。
通信制御装置150内のデータベース参照部151は、アプリケーション制御装置190から渡された特定キーを基に、データベース130内でアプリケーションに対応するベアラリストを検索する。
ベアラリストがない場合の処理としては、端末内であらかじめ規定されたベアラを使用する、通信を中断する、あるいは、ユーザインタフェースを表示しユーザにベアラを選択させる、などの処理が考えられるが、ここでは特に規定しない。
ベアラリストがある場合、最も優先度が高いベアラを選択し、通信制御部152へベアラ情報を渡す。図13Bの例では、赤外線が選択される。この場合、通信制御部152は赤外線を使用して通信を行う。
もし何らかの理由で赤外線が使用できない状況である場合、次に指定されているベアラがあるかをデータベース参照部151に要求する。図13Bでは赤外線の次に無線LANが指定されているため、データベース参照部151は、無線LANを通信制御部152に指定し、通信制御部152は無線LANで通信を行う。ここで、無線LANも使用できない場合には、その旨をユーザに知らせて通信を中断するか、あるいは、端末内であらかじめ規定されているベアラを選択してもよい。
以上のように、本発明によれば、アプリケーションが使用可能なベアラの種類とその優先度とに基づいて、通信端末で使用可能な最適なベアラを選択することができる。したがって、アプリケーション提供者がそのアプリケーションで推奨するベアラを通信端末に優先的に設定することが可能となり、アプリケーション提供者の意思を十分に反映させたアプリケーション実行環境を提供できる。
さらに、通信に使用するベアラを選択する元となるベアラリストが変更可能であり、ユーザに選択させる余地を残している。特に、ユーザがベアラリストの優先度を変更することで、どのベアラを当該アプリケーションの通信処理に使用するかを柔軟に決定することができる。この場合、ユーザによって優先的に決定されたベアラが使用できなくても、通信端末は次の優先度のベアラを選択して通信処理を実行することができる。
また、ユーザのベアラリスト変更は表示されたベアラリストの範囲内でのみ可能であるから、ユーザの恣意的な設定を防止できる。
本発明は、アプリケーションプログラムの実行時に通信を行い、通信時に通信方式(ベアラ)を選択する方式の通信機器一般に適用可能である。

Claims (18)

  1. 通信端末で実行されるアプリケーションが使用可能な少なくとも1つのベアラおよびこのベアラの優先度を示すベアラ属性情報と前記通信端末に予め格納された前記通信端末の特性情報とに基づいて、ベアラ属性情報のベアラのうち前記通信端末で使用可能なベアラとこのベアラに付与された優先度とを含むベアラリストを作成するステップと、
    作成されたベアラリストを前記通信端末のメモリに格納するステップと、
    前記メモリに格納されているベアラリストの優先度に従ってアプリケーションに使用されるベアラを選択するステップと
    を備えることを特徴とするベアラ選択方法。
  2. 前記メモリに格納されたベアラリストを表示するステップをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のベアラ選択方法。
  3. 表示されたベアラリストを前記通信端末の入力装置からの入力に基づいて変更するステップと、
    変更されたベアラリストを前記メモリに格納するステップと
    をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載のベアラ選択方法。
  4. 前記通信端末の特性情報は、前記通信端末で使用可能なリソースを示す情報であり、
    前記作成するステップは、前記通信端末で使用可能なベアラとして、ベアラ属性情報のベアラのうち特性情報のリソースに含まれるベアラを選択してベアラリストを作成することを特徴とする請求項1に記載のベアラ選択方法。
  5. ベアラ属性情報をアプリケーションサーバからダウンロードするステップをさらに備え、
    前記作成するステップは、ダウンロードされたベアラ属性情報に基づいてベアラリストを作成することを特徴とする請求項4に記載のベアラ選択方法。
  6. 前記表示するステップは、前記メモリに格納されたベアラリストをユーザインタフェースに従って表示することを特徴とする請求項2に記載のベアラ選択方法。
  7. 前記メモリに格納されたベアラリストをユーザインタフェースに従って対話形式で変更するステップをさらに備えることを特徴とする請求項6に記載のベアラ選択方法。
  8. 前記メモリに格納されたベアラリストの優先度を変更するステップをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のベアラ選択方法。
  9. 前記選択するステップは、前記メモリに格納されているベアラリストの優先度が高い順にベアラを選択することを特徴とする請求項1に記載のベアラ選択方法。
  10. 前記メモリに格納されているベアラリストにアプリケーションが使用可能なベアラがない場合に、前記通信端末にあらかじめ設定されたベアラを使用するステップをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のベアラ選択方法。
  11. 通信端末で実行されるアプリケーションが使用可能な少なくとも1つのベアラおよびこのベアラの優先度を示すベアラ属性情報と、前記通信端末に予め格納された前記通信端末の特性情報とを格納する第1格納部と、
    前記第1格納部に格納されているベアラ属性情報と特性情報とを比較することで、ベアラ属性情報のベアラのうち前記通信端末で使用可能なベアラとこのベアラに付与された優先度とを含むベアラリストを作成する属性検証部と、
    作成されたベアラリストを格納する第2格納部と、
    前記第2格納部に格納されているベアラリストの優先度に従ってアプリケーションに使用されるベアラを選択してアプリケーションの通信処理を実行する通信制御部と
    を備えることを特徴とするベアラ選択装置。
  12. 前記第2格納部に格納されたベアラリストを表示するためのユーザインタフェースを作成するユーザインタフェース作成部をさらに備えることを特徴とする請求項11に記載のベアラ選択装置。
  13. 前記通信端末の特性情報は、前記通信端末で使用可能なリソースを示す情報であり、
    前記属性検証部は、前記通信端末で使用可能なベアラとして、ベアラ属性情報のベアラのうち特性情報のリソースに含まれるベアラを選択してベアラリストを作成することを特徴とする請求項11に記載のベアラ選択装置。
  14. ベアラ属性情報をアプリケーションサーバからダウンロードして前記第1格納部に格納させるダウンロード部をさらに備えることを特徴とする請求項11に記載のベアラ選択装置。
  15. 前記ユーザインタフェース作成部に作成されたユーザインタフェースに従って、前記第2格納部に格納されたベアラリストの内容を表示する表示部と、
    前記ユーザインタフェース作成部に作成されたユーザインタフェースに従って、対話形式で前記第2格納部に格納されたベアラリストの内容を変更するベアラリスト変更部と
    をさらに備えることを特徴とする請求項12に記載のベアラ選択装置。
  16. 通信端末として機能するコンピュータに、
    前記通信端末で実行されるアプリケーションが使用可能な少なくとも1つのベアラおよびこのベアラの優先度を示すベアラ属性情報と前記通信端末に予め格納された前記通信端末の特性情報とに基づいて、ベアラ属性情報のベアラのうち前記通信端末で使用可能なベアラとこのベアラに付与された優先度とを含むベアラリストを作成するステップと、
    作成されたベアラリストを前記通信端末のメモリに格納するステップと、
    前記メモリに格納されたベアラリストを表示するステップと、
    前記メモリに格納されているベアラリストの優先度に従ってアプリケーションに使用されるベアラを選択するステップと
    を実行させるためのプログラム。
  17. 通信端末として機能するコンピュータシステムであって、
    メモリと、
    プログラムによって制御されるプロセッサと、
    通信処理を行う通信制御部とを備え、
    前記プログラムは、
    前記通信端末で実行されるアプリケーションが使用可能な少なくとも1つのベアラおよびこのベアラの優先度を示すベアラ属性情報と、前記通信端末に予め格納された前記通信端末の特性情報とを前記メモリに格納するステップと、
    格納されたベアラ属性情報と特性情報とを比較することで、ベアラ属性情報のベアラのうち前記通信端末で使用可能なベアラとこのベアラに付与された優先度とを含むベアラリストを作成するステップと、
    作成されたベアラリストを前記メモリに格納するステップと、
    前記メモリに格納されたベアラリストを表示するためのユーザインタフェースを作成するステップと、
    前記メモリに格納されているベアラリストの優先度に従ってアプリケーションに使用されるベアラを選択するステップと、
    選択されたベアラを使用して前記通信制御部にアプリケーションの通信処理を実行させるステップと
    を前記プロセッサに実行させることを特徴とするコンピュータシステム。
  18. 通信機能およびアプリケーションの実行機能を備える通信端末であって、
    アプリケーションが使用可能な少なくとも1つのベアラおよびこのベアラの優先度を示すベアラ属性情報と、予め格納された前記通信端末の特性情報とを格納する第1格納部と、
    前記第1格納部に格納されているベアラ属性情報と特性情報とを比較することで、ベアラ属性情報のベアラのうち前記通信端末で使用可能なベアラとこのベアラに付与された優先度とを含むベアラリストを作成する属性検証部と、
    作成されたベアラリストを格納する第2格納部と、
    前記第2格納部に格納されたベアラリストを表示するためのユーザインタフェースを作成するユーザインタフェース作成部と、
    前記第2格納部に格納されているベアラリストの優先度に従ってアプリケーションに使用されるベアラを選択してアプリケーションの通信処理を実行する通信制御部と
    を備えることを特徴とする通信端末。
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