JPWO2006041091A1 - 露光装置のメンテナンス方法、露光装置、デバイス製造方法、液浸露光装置のメンテナンス用の液体回収部材 - Google Patents
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Abstract
液体が残留することを防止できる露光装置のメンテナンス方法を提供する。液体(LQ)を吸収可能な液体回収部材(60)を基板ホルダ(PH)上に載置して、残留した液体(LQ)を回収する。
Description
本発明は、露光装置のメンテナンス方法、露光装置、デバイス製造方法、液浸露光装置のメンテナンス用の液体回収部材に関するものである。
本願は、2004年10月12日に出願された特願2004−297578号ならびに2005年2月21日に出願された特願2005−044018号に対し優先権を主張し、その内容をここに援用する。
本願は、2004年10月12日に出願された特願2004−297578号ならびに2005年2月21日に出願された特願2005−044018号に対し優先権を主張し、その内容をここに援用する。
半導体デバイスや液晶表示デバイス等のマイクロデバイスの製造工程の一つであるフォトリソグラフィ工程では、マスク上に形成されたパターンを感光性の基板上に投影露光する露光装置が用いられる。この露光装置は、マスクをマスクホルダを介して保持するマスクステージと、基板を基板ホルダを介して保持する基板ステージとを有し、マスクステージ及び基板ステージを逐次移動しながらマスクのパターンを投影光学系を介して基板に投影露光するものである。マイクロデバイスの製造においては、デバイスの高密度化のために、基板上に形成されるパターンの微細化が要求されている。この要求に応えるために露光装置の更なる高解像度化が望まれている。その高解像度化を実現するための手段の一つとして、下記特許文献1に開示されているような、投影光学系と基板との間を液体で満たして液浸領域を形成し、その液浸領域の液体を介して露光処理を行う液浸露光装置が案出されている。
国際公開第99/49504号パンフレット
液浸露光装置においては、基板を保持する基板ホルダ上に液体が残留する可能性がある。残留した液体を放置しておくと、基板ホルダが基板を良好に保持できなくなる等の不都合が発生し、基板を良好に露光できなくなる可能性がある。また、基板ホルダに限られず、露光光の光路空間の近傍に配置されている各種部材に液体が残留する可能性もあり、残留した液体を放置しておくと、その部材が汚染するなどの不都合が生じる可能性がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、液浸法を適用した場合にも、露光装置を所望状態に維持できる露光装置のメンテナンス方法、露光装置、デバイス製造方法、及び液浸露光装置のメンテナンス用の液体回収部材を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明は実施の形態に示す各図に対応付けした以下の構成を採用している。但し、各要素に付した括弧付き符号はその要素の例示に過ぎず、各要素を限定するものではない。
本発明の第1の態様に従えば、基板ホルダ(PH)に保持された基板(P)を液体(LQ)を介して露光する露光装置(EX)のメンテナンス方法において、液体(LQ)を吸収可能な所定部材(60)を基板ホルダ(PH)上に載置する露光装置(EX)のメンテナンス方法が提供される。
本発明の第1の態様によれば、液体を吸収可能な所定部材を基板ホルダ上に載置することで、残留した液体を良好に回収し、除去することができる。
本発明の第2の態様に従えば、基板ホルダ(PH)に保持された基板(P)を液体(LQ)を介して露光する露光装置において、液体(LQ)を吸収可能な所定部材(60)を基板ホルダ(PH)に搬送する搬送装置(150)を備えた露光装置(EX)が提供される。
本発明の第2の態様によれば、液体を吸収可能な所定部材を基板ホルダに搬送する搬送装置を設けたので、搬送装置を使って所定部材を基板ホルダ上に載置することで、残留した液体を良好に回収し、除去することができる。
本発明の第3の態様に従えば、上記態様の露光装置(EX)を用いるデバイス製造方法が提供される。
本発明の第3の態様によれば、所望状態の露光装置を使って基板を露光することができ、所望の性能を有するデバイスを製造することができる。
本発明の第4の態様に従えば、液体(LQ)を介して露光される基板(P)を保持する基板ホルダ(PH)上に載置されることにより、基板ホルダ(PH)上に残留した液体(LQ)を吸収する液浸露光装置(EX)のメンテナンス用の液体回収部材(60)が提供される。
本発明の第4の態様によれば、液体回収部材を基板ホルダ上に載置することで、基板ホルダ上に残留した液体を回収し、除去することができる。
本発明によれば、所望状態の露光装置で基板を良好に露光することができ、所望の性能を有するデバイスを製造することができる。
51…上面、60、60’…液体回収部材、61…基材、62…液体吸収部材、80…検出装置、150…搬送装置、CONT…制御装置、EX…露光装置、LQ…液体、P…基板、PH…基板ホルダ、PST…基板ステージ
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。
<第1の実施形態>
図1は露光装置EXの第1の実施形態を示す図である。図1において、露光装置EXは、マスクMを保持するマスクホルダMHを移動可能なマスクステージMSTと、基板Pを保持する基板ホルダPHを移動可能な基板ステージPSTと、マスクステージMST上のマスクホルダMHに保持されているマスクMを露光光ELで照明する照明光学系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板ステージPST上の基板ホルダPHに保持されている基板Pに投影する投影光学系PLと、露光装置EX全体の動作を統括制御する制御装置CONTとを備えている。
図1は露光装置EXの第1の実施形態を示す図である。図1において、露光装置EXは、マスクMを保持するマスクホルダMHを移動可能なマスクステージMSTと、基板Pを保持する基板ホルダPHを移動可能な基板ステージPSTと、マスクステージMST上のマスクホルダMHに保持されているマスクMを露光光ELで照明する照明光学系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板ステージPST上の基板ホルダPHに保持されている基板Pに投影する投影光学系PLと、露光装置EX全体の動作を統括制御する制御装置CONTとを備えている。
露光装置EXは、露光波長を実質的に短くして解像度を向上するとともに焦点深度を実質的に広くするために液浸法を適用した液浸露光装置であって、基板P上に液体LQの液浸領域AR2を形成可能な液浸機構1を備えている。液浸機構1は、基板P(基板ステージPST)の上方に設けられ、投影光学系PLの先端の光学素子LS1を囲むように設けられた環状のノズル部材70と、ノズル部材70に設けられた液体供給口12を介して基板P上に液体LQを供給する液体供給機構10と、ノズル部材70に設けられた液体回収口22を介して基板P上の液体LQを回収する液体回収機構20とを備えている。
また、露光装置EXは、基板ホルダPH上に残留した液体LQを回収するために、液体LQを吸収可能な液体回収部材60を基板ホルダPHに搬送する搬送装置150を備えている。搬送装置150は、基板ホルダPHが基板Pを保持していないときに、その基板ホルダPH上に液体回収部材60を搬入(ロード)することができる。また、搬送装置150は、基板ホルダPHに保持されている液体回収部材60を基板ホルダPHより搬出(アンロード)することも可能である。また、搬送装置150は、基板Pを基板ホルダPHに対して搬入(ロード)及び搬出(アンロード)する機能も備えている。搬送装置150による、基板Pを基板ホルダPHに対してロード及びアンロードする動作と、液体回収部材60を基板ホルダPHに対してロード及びアンロードする動作とはほぼ同じである。
なお、搬送装置150としては、例えば、国際公開第00/02239号パンフレット(対応米国特許公開第2004/0075822号公報)に開示されている被露光基板を搬送する搬送装置を適用することができ、本国際出願で指定または選択された国の法令で許容される限りにおいて、それら開示を援用して本文の記載の一部とする。
本実施形態の露光装置EXは、マスクMと基板Pとを同期移動しつつマスクMに設けられているパターンを投影光学系PLを介して基板P上に転写する所謂スキャニングステッパである。以下の説明において、投影光学系PLの光軸AXと一致する方向をZ軸方向、Z軸方向に垂直な平面内における前記同期移動方向(走査方向)をX軸方向、Z軸方向及びX軸方向と垂直な方向(非走査方向)をY軸方向とする。更に、X軸まわり、Y軸まわり、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれθX方向、θY方向、及びθZ方向とする。また、ここでいう「基板」は半導体ウエハ上にレジスト(感光材)が塗布されたものを含み、「マスク」は基板P上に縮小投影されるデバイスパターンが形成されたレチクルを含む。
照明光学系ILは、マスクステージMSTに支持されているマスクMを露光光ELで照明するものであり、露光用光源、露光用光源から射出された光束の照度を均一化するオプティカルインテグレータ、オプティカルインテグレータからの露光光ELを集光するコンデンサレンズ、リレーレンズ系、露光光ELによるマスクM上の照明領域を設定する視野絞り等を有している。マスクM上の所定の照明領域は照明光学系ILにより均一な照度分布の露光光ELで照明される。照明光学系ILから射出される露光光ELとしては、例えば水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)や、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)及びF2レーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)などが用いられる。
本実施形態では、ArFエキシマレーザ光が用いられる。
本実施形態では、ArFエキシマレーザ光が用いられる。
マスクステージMSTは、マスクMを保持するマスクホルダMHを移動可能であって、投影光学系PLの光軸AXに垂直な平面内、すなわちXY平面内で2次元移動可能及びθZ方向に微小回転可能である。マスクステージMST上には、このマスクステージMSTの位置を計測するためのレーザ干渉計41用の移動鏡40が設けられている。マスクステージMST上のマスクMの2次元方向の位置、及び回転角はレーザ干渉計41によりリアルタイムで計測され、制御装置CONTはレーザ干渉計41の計測結果に基づいて、リニアモータ等を含むマスクステージ駆動機構を駆動することで、マスクステージMSTに支持されているマスクMの位置決めを行う。
投影光学系PLは、マスクMのパターンを所定の投影倍率βで基板Pに投影するものであって、基板P側の先端に設けられた光学素子LS1を含む複数の光学素子で構成されており、これら光学素子は鏡筒PKで支持されている。本実施形態において、投影光学系PLは、投影倍率βが例えば1/4、1/5、あるいは1/8の縮小系である。なお、投影光学系PLは等倍系及び拡大系のいずれでもよい。また、投影光学系PLは、反射素子を含まない屈折系、屈折素子を含まない反射系、屈折素子と反射素子とを含む反射屈折系のいずれであってもよい。また、先端の光学素子LS1は鏡筒PKより露出している。
基板ステージPSTは、基板Pを保持する基板ホルダPHを移動可能である。基板ステージPSTはベースBP上に支持されている。基板ステージPSTは、ベースBP上で移動可能であり、基板ホルダPHに保持されている基板PをXY方向(投影光学系PLの像面と実質的に平行な方向)、及びθZ方向(回転方向)に移動可能である。更に、基板ステージPSTは、基板ホルダPHに保持されている基板PをZ軸方向(フォーカス方向)、及びθX、θY方向(傾斜方向)に移動可能である。すなわち、基板ステージPSTは、基板ホルダPHに保持されている基板Pを、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6自由度の方向に移動可能である。
基板ステージPST上には凹部50が設けられており、基板ホルダPHは凹部50に配置されている。そして、基板ステージPSTのうち凹部50以外の上面51は、基板ホルダPHに保持された基板Pの上面とほぼ同じ高さ(面一)になるような平坦面となっている。
基板ステージPSTには、この基板ステージPSTの位置を計測するためのレーザ干渉計43用の移動鏡42が設けられている。基板ステージPST上の基板Pの2次元方向の位置、及び回転角はレーザ干渉計43によりリアルタイムで計測される。制御装置CONTは、レーザ干渉計43の計測結果に基づいて、レーザ干渉計43で規定される2次元座標系内で、リニアモータ等を含む基板ステージ駆動機構を介して基板ステージPSTを駆動することで基板ステージPSTに支持されている基板PのXY方向、及びθZ方向における位置決めを行う。また、露光装置EXは、例えば特開平8−37149号公報に開示されているような、基板Pの上面に対して斜め方向から検出光を投射することで、基板Pの上面の面位置情報を検出するフォーカス検出系を備えている。フォーカス検出系は、投影光学系PLの像面に対する基板Pの上面のZ軸方向における位置、及び基板PのθX、θY方向(傾斜方向)の姿勢を求めることができる。制御装置CONTは、基板ステージ駆動機構を介して基板ステージPSTを駆動することにより、基板ステージPSTに保持されている基板PのZ軸方向における位置(フォーカス位置)、及びθX、θY方向における位置を制御し、基板Pの上面(露光面)を投影光学系PL及び液体LQを介して形成される像面に合わせ込む。
液体供給機構10は、所定の液体LQを投影光学系PLの像面側の空間に供給するためのものであって、液体LQを送出可能な液体供給部11と、液体供給部11にその一端部を接続する供給管13とを備えている。供給管13の他端部はノズル部材70に接続されている。液体供給部11は、液体LQを収容するタンク、加圧ポンプ、及びフィルタユニット等を備えている。なお、タンク、加圧ポンプ、フィルタユニット等のすべてを露光装置EXの液体供給部11が備えている必要はなく、露光装置EXが設置される工場などの設備を代用してもよい。また、液体回収機構20は、投影光学系PLの像面側の空間の液体LQを回収するためのものであって、液体LQを回収可能な液体回収部21と、液体回収部21にその一端部を接続する回収管23とを備えている。回収管23の他端部はノズル部材70に接続されている。液体回収部21は例えば真空ポンプ等の真空系(吸引装置)、回収された液体LQと気体とを分離する気液分離器、及び回収した液体LQを収容するタンク等を備えている。なお、真空系、気液分離器、タンク等のすべてを露光装置EXの液体回収部21が備えている必要はなく、露光装置EXが設置される工場などの設備を代用してもよい。
ノズル部材70は、基板P(基板ステージPST)の上方に設けられており、ノズル部材70の下面70Aは、基板Pの上面(基板ホルダPHの上面)と対向する位置に設けられている。液体供給口12は、ノズル部材70の下面70Aに設けられている。また、ノズル部材70の内部には、供給管13と液体供給口12とを接続する内部流路(供給流路)が設けられている。また、液体回収口22もノズル部材70の下面70Aに設けられており、投影光学系PL(光学素子LS1)の光軸AXに関して、液体供給口12よりも外側に設けられている。また、ノズル部材70の内部には、回収管23と液体回収口22とを接続する内部流路(回収流路)が設けられている。
液体供給部11の動作は制御装置CONTにより制御される。基板P上に液体LQを供給する際、制御装置CONTは、液体供給部11より液体LQを送出し、供給管13、及びノズル部材70の内部流路を介して、基板Pの上方に設けられている液体供給口12より基板P上に液体LQを供給する。本実施形態においては、液体供給口12から200ml/min以上の液体LQを連続的に供給することができる。また、液体回収部21の液体回収動作は制御装置CONTにより制御される。制御装置CONTは液体回収部21による単位時間あたりの液体回収量を制御可能である。基板Pの上方に設けられた液体回収口22から回収された基板P上の液体LQは、ノズル部材70の内部流路、及び回収管23を介して液体回収部21に回収される。
制御装置CONTは、少なくともマスクMのパターン像を基板P上に転写している間、液体供給機構10から供給した液体LQにより投影光学系PLの投影領域AR1を含む基板P上の少なくとも一部に、投影領域AR1よりも大きく且つ基板Pよりも小さい液浸領域AR2を局所的に形成する。具体的には、露光装置EXは、投影光学系PLの像面側先端部の光学素子LS1と基板Pの上面(露光面)との間に液体LQを満たして液浸領域AR2を形成し、この投影光学系PLと基板Pとの間の液体LQ及び投影光学系PLを介してマスクMのパターン像を、基板ホルダPHに保持された基板P上に投影することによって、基板Pを露光する。
本実施形態において、液浸領域AR2を形成する液体LQとして純水が用いられている。純水は、露光光ELがArFエキシマレーザ光であっても透過可能である。また、純水は輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)も透過可能である。
次に、図2及び図3を参照しながら液体回収部材60について説明する。図2は液体回収部材60を示す側断面図、図3は液体回収部材60の斜視図である。図2及び図3において、液体回収部材60は、液体LQを介して露光される基板Pを保持する基板ホルダPH上に載置され、その基板ホルダPH上に残留した液体LQを吸収(回収)するものであって、基材61と、その基材61の下面61Aに設けられた液体吸収部材62とを有している。
基材61は、基板Pとほぼ同じ大きさ及び形状を有しており、平面視略円形状である。基材61は、例えば金属製であり、チタン、アルミニウム、ステンレス鋼など、所定の硬さを有し、液体(純水)LQによって錆びにくい材料によって形成されている。基材61は、ガラスや所定の硬さを有するプラスチックで形成されていてもよい。あるいは、基材61は、基板Pと同じ材料によって形成されていてもよい。すなわち、基板Pがシリコンウエハを含む場合には、基材61がシリコンで形成されていてもよい。
液体吸収部材62は、液体LQを吸収可能なものであって、本実施形態においては、毛管現象によって液体LQを吸収可能なものが用いられている。液体吸収部材62は、繊維物を含んで構成されている。繊維物としては、半導体プロセスなどで使用される清浄な紙や布などが挙げられる。あるいは、液体吸収部材62としては、合成樹脂などからなる繊維物をスポンジ状にしたものなどが挙げられる。本実施形態においては、液体吸収部材62として、椿本興業株式会社製「アルティワイプ」が使用されている。なお、液体吸収部材62は、例えばセラミックス製の多孔質部材によって構成されてもよい。
液体吸収部材62は、平面視略円形状であって、基材61よりも僅かに大きく形成されている。液体吸収部材62は、基材61の下面61Aに固定されている。本実施形態においては、液体吸収部材62は、接着剤により基材61の下面61Aに接着されることで固定されている。その基材61の下面61Aに固定されている液体吸収部材62は、基材61のエッジ部61Eよりも外側にはみ出している。
なお、図2〜図4A,Bにおいては、液体吸収部材62が誇張して図示されているが、実際には非常に薄く、基材61のエッジ部61Eからのはみ出し量も小さいので、液体回収部材60は、全体として、基板Pとほぼ同じ大きさ及び形状を有している。したがって、搬送装置150は液体回収部材60を搬送可能であり、液体回収部材60を基板ホルダPHに載置することができる。
次に、露光装置EXのメンテナンス方法について図4A,Bを参照しながら説明する。上述したように、本実施形態においては、基板ホルダPHに保持された基板Pは液体LQを介して露光される。その場合、例えば基板ステージPSTの上面51と基板ホルダPHに保持されている基板Pの上面との間のギャップより液体LQが浸入し、その液体LQが基板Pと基板ホルダPHとの間に浸入する可能性がある。すると、基板ホルダPH上に液体LQが残留する可能性がある。また、基板ステージPSTの上面51上にも液体LQが残留する可能性がある。
図4Aは、基板ホルダPH上及び基板ステージPSTの上面51に液体LQが残留している状態を示す図である。ここで、基板Pは搬送装置150によって基板ホルダPH上よりアンロードされている。また、基板ホルダPHの基板Pの支持面PHaには、例えば、特開2001−244177号公報に開示されているように、基板Pを真空吸着するための周壁や基板Pを支持するための複数のピン状支持部が形成されているが、図4A,Bにおいては省略されている。制御装置CONTは、搬送装置150を使って、液体LQを吸収可能な液体回収部材60を基板ホルダPH上に載置する。搬送装置150は、基板Pを基板ホルダPH上に載置するのと同様にして、液体回収部材60の液体吸収部材62と基板ホルダPHとを接触させるように、液体吸収部材62が基板ホルダPHの支持面PHaと対向した状態で、液体回収部材60を基板ホルダPH上に載置する。
図4Bは、基板ホルダPH上に載置された液体回収部材60を示す図である。図4Bに示すように、基板ホルダPH上に残留している液体LQは、液体回収部材60の液体吸収部材62に吸収されることで回収される。また、液体吸収部材62は、基材61のエッジ部61Eよりも外側にはみ出しているため、液体回収部材60を基板ホルダPHに載置することで、液体吸収部材62の一部(基材61よりはみ出している部分)が、基板ホルダPHの周囲に設けられている基板ステージPSTの上面51にも接触する。したがって、液体回収部材60は、上面51に接触する液体吸収部材62によって、基板ステージPSTの上面51に残留している液体LQも回収することができる。
液体回収部材60によって基板ホルダPH上や基板ステージPSTの上面51に残留した液体LQを回収した後、制御装置CONTは、搬送装置150を使って、基板ホルダPH上より液体回収部材60をアンロードする。これにより、基板ホルダPH上に残留した液体LQを回収するためのメンテナンス作業が完了する。
基板ホルダPH上に残留した液体LQを除去するためのメンテナンス作業は、所定時間間隔毎、あるいは所定処理基板枚数毎など、予め定められた所定のタイミングで行われる。そして、制御装置CONTは、液体LQを除去された状態の基板ホルダPHに対して、露光するための基板Pをロードする。基板Pは、液体LQを除去された基板ホルダPHに良好に保持された状態で露光される。
以上説明したように、液体LQを吸収可能な液体回収部材60を基板ホルダPH上に載置することで、基板ホルダPH上に残留した液体LQを良好に回収し、除去することができる。したがって、液体LQを除去された基板ホルダPHによって基板Pを良好に保持した状態で、精度良く露光処理することができる。また、液体回収部材60を使って液体LQを回収することで、基板Pの汚染や液体LQの飛散などといった不都合の発生を抑え、基板Pを精度良く露光できる。
また、本実施形態においては、基板Pを基板ホルダPHに対して搬送する既存の搬送装置150を使って、液体回収部材60を基板ホルダPHに搬送するので、残留した液体LQを回収するための専用の液体回収装置を設けること無く、簡易な構成で短時間に液体LQを回収することができる。したがって、装置コストを抑えることができるばかりでなく、露光装置EXの稼働率の低下といった不都合も抑制できる。また、露光後の基板Pの搬送に起因して搬送装置150に液体LQが付着しても、液体回収部材60を搬送することによって、搬送装置150に付着した液体LQを回収(吸収)することができる。
<第2の実施形態>
次に、図5を参照しながら第2の実施形態について説明する。以下の説明において、上述した第1の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略もしくは省略する。
次に、図5を参照しながら第2の実施形態について説明する。以下の説明において、上述した第1の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略もしくは省略する。
第2の実施形態の特徴的な部分は、露光装置EXが、基板ホルダPH上に液体LQが有るか否かを検出する検出装置80を備えている点にある。本実施形態において、検出装置80は、投影光学系PLと並んだ位置に設けられ、基板ホルダPH上に液体LQが有るか否かを、基板ホルダPHの上方より光学的に検出する。検出装置80を使って、基板ホルダPH上に液体LQが有るか否かを検出するときは、制御装置CONTは、基板ステージPSTをXY方向に移動し、基板ホルダPHを検出装置80の下方に配置する。検出装置80はCCD等の撮像素子を含み、撮像結果(検出結果)を制御装置CONTに出力する。制御装置CONTは、検出装置80の検出結果を処理(画像処理)し、その処理結果に基づいて、基板ホルダPH上に液体LQが有るか否かを検出する。例えば、液体LQが残留していない清浄な状態での基板ホルダPHの支持面PHaを検出装置80で予め撮像して基準画像として記憶しておき、その後に撮像される画像を、その基準画像と比較することによって、基板ホルダPHの支持面PHaに液体LQが残留しているか否かを判断することができる。
制御装置CONTは、検出装置80の検出結果に基づいて、搬送装置150を制御する。すなわち、制御装置CONTは、検出装置80の検出結果に基づいて、基板ホルダPH上に液体LQが有ると判断した場合、搬送装置150を使って、液体回収部材60を基板ホルダPH上にロードし、液体LQの回収を行う。一方、制御装置CONTは、検出装置80の検出結果に基づいて、基板ホルダPH上に液体LQが無いと判断した場合、搬送装置150による基板ホルダPH上への液体回収部材60の搬送動作を行わない。こうすることにより、基板ホルダPH上に液体LQが無いにもかかわらず、基板ホルダPH上へ液体回収部材60を搬送する動作を行ってしまうことを防止でき、露光装置EXの稼働率の低下を防止できる。なお、検出装置80による検出動作のタイミングは、基板Pを基板ホルダPH上よりアンロードする毎、所定時間間隔毎、所定処理基板枚数毎など、予め定められた所定のタイミングで行うことができる。
なお、上述の第2実施形態において、検出装置80は専ら基板ホルダPH上に残留した液体を検出するものであってもよいし、基板Pをアライメントするためのマーク検出系を、基板ホルダPH上に残留した液体の検出にも使うようにしてもよい。
また、上述の第1、及び第2実施形態においては、液体回収部材60の液体吸収部材62が基材61からはみ出しているが、必ずしもはみ出す必要はない。特に、基板ステージPSTの上面51の液体LQを回収しない場合には、基材61と同じ大きさ及び形状の液体吸収部材62を用いればよい。
また、上述の第1、及び第2実施形態においては、液体回収部材60の液体吸収部材62が基材61からはみ出しているが、必ずしもはみ出す必要はない。特に、基板ステージPSTの上面51の液体LQを回収しない場合には、基材61と同じ大きさ及び形状の液体吸収部材62を用いればよい。
<第3の実施形態>
次に、第3の実施形態について図6を参照しながら説明する。上述の実施形態において、液体回収部材60は、基材61と、その基材61に固定された液体吸収部材62とを備えた構成であって、2つの要素によって構成されているが、図6に示す液体回収部材60’のように、1つの要素によって構成されていてもよい。
次に、第3の実施形態について図6を参照しながら説明する。上述の実施形態において、液体回収部材60は、基材61と、その基材61に固定された液体吸収部材62とを備えた構成であって、2つの要素によって構成されているが、図6に示す液体回収部材60’のように、1つの要素によって構成されていてもよい。
図6において、液体回収部材60’は、基板Pとほぼ同じ大きさ及び形状を有する多孔質部材によって構成されている。多孔質部材としては、例えばセラミックス製の多孔質部材によって構成されている。このように、液体回収部材60’は、所定の硬さを有する多孔質部材によって構成されていてもよい。
なお、上述の第1、第2、第3の実施形態において、液体回収部材60を用いるメンテナンス作業は、基板ステージPSTを投影光学系PLの下に移動した状態で行ってもよいし、基板ステージPSTを投影光学系PLから離したところで行ってもよい。例えば、投影光学系PLの下に基板ステージPSTが配置された状態で液体回収部材60を用いたメンテナンス作業を行う場合には、液浸領域AR2を形成する液体LQはすべて回収される。また、基板ステージPSTが投影光学系PLから離れた位置で液体回収部材60を用いるメンテナンス作業を行う場合には、液浸領域AR2を形成する液体LQをすべて回収してもよいし、基板ステージPSTとは別の部材を投影光学PLに対向させて、その別部材上に液浸領域AR2を維持してもよい。
なお、上述の第1、第2、第3の実施形態において、液体回収部材60を用いるメンテナンス作業は、基板ステージPSTを投影光学系PLの下に移動した状態で行ってもよいし、基板ステージPSTを投影光学系PLから離したところで行ってもよい。例えば、投影光学系PLの下に基板ステージPSTが配置された状態で液体回収部材60を用いたメンテナンス作業を行う場合には、液浸領域AR2を形成する液体LQはすべて回収される。また、基板ステージPSTが投影光学系PLから離れた位置で液体回収部材60を用いるメンテナンス作業を行う場合には、液浸領域AR2を形成する液体LQをすべて回収してもよいし、基板ステージPSTとは別の部材を投影光学PLに対向させて、その別部材上に液浸領域AR2を維持してもよい。
<第4の実施形態>
次に、第4の実施形態について図7を参照しながら説明する。本実施形態の特徴的な部分は、基板ホルダPHに保持された液体回収部材60’を使って、ノズル部材70に残留した液体LQを回収する点にある。
次に、第4の実施形態について図7を参照しながら説明する。本実施形態の特徴的な部分は、基板ホルダPHに保持された液体回収部材60’を使って、ノズル部材70に残留した液体LQを回収する点にある。
上述したように、ノズル部材70は、液体LQを供給する液体供給口12及び液体LQを回収する液体回収口22を有している。液体供給口12及び液体回収口22は、ノズル部材70の基板P(基板ホルダPH)と対向する下面70Aに設けられている。また、基板ホルダPHに保持された基板Pは液体LQを介して露光される。基板Pを露光するときには、制御装置CONTは、ノズル部材70の液体供給口12を介した液体供給動作と、液体回収口22を介した液体回収動作とを並行して行う。制御装置CONTは、基板Pの露光の終了に伴って、液体供給口12を介した液体供給動作を停止するとともに、液体回収口22を介して投影光学系PLの像面側の液体LQをほぼ全て回収した後に、液体回収口22を介した液体回収動作を停止する。しかしながら、ノズル部材70の下面70Aや液体供給口12、あるいは液体回収口13などに僅かながら液体LQが残留する可能性がある。また、液体供給口12と供給管13とを接続するノズル部材70の内部流路(供給流路)のうちの液体供給口12近傍、あるいは液体回収口22と回収管23とを接続するノズル部材70の内部流路(回収流路)のうちの液体回収口22近傍などにも液体LQが残留する可能性がある。
制御装置CONTは、ノズル部材70に残留した液体LQを回収するために、搬送装置150を使って、液体回収部材60’を基板ホルダPHに載置する。なお、このとき、露光後の基板Pは基板ホルダPHより既にアンロードされている。
制御装置CONTは、基板ホルダPHに載置された液体回収部材60’とノズル部材70との相対的な位置関係を調整し、液体回収部材60’とノズル部材70の下面70Aとを接触させる。具体的には、制御装置CONTは、基板ステージPSTを駆動することにより、基板ホルダPHに載置された液体回収部材60’の上面とノズル部材70の下面70Aとを接触させる。こうすることにより、ノズル部材70に残留している液体LQは、液体回収部材60’に吸収されることで回収される。
なお、液体回収部材60’とノズル部材70の下面70Aとを必ずしも接触させる必要はなく、液体回収部材60’とノズル部材70の下面70Aとを0.1〜1.0mmの間隔で接近させるだけでもよい。
また、上記の説明においては、基板ステージPSTを動かして、ノズル部材70の下面70Aと液体回収部材60’とを相対的に移動させているが、基板ステージPSTに設けられた基板Pを昇降するための機構(搬送機構)を用いるようにしてもよい。ノズル部材70をZ方向に可動な場合には、ノズル部材70を動かして液体回収部材60’とノズル部材70の下面70Aとを接近または接触させるようにしてもよい。
また、第3及び第4実施形態において、基板ホルダPHに保持された液体回収部材60’の近傍であって、基板ホルダPH及び基板ステージPSTの少なくとも一方にバキューム孔を設けておき、液体回収部材60’に吸収された液体を、そのバキューム孔から回収するようにしてもよい。
以上説明したように、液体LQを吸収可能な液体回収部材60’を基板ホルダPH上に載置することで、基板ホルダPHと対向する位置に設けられたノズル部材70に残留した液体LQを回収することができる。これにより、残留した液体LQに起因するノズル部材70の汚染を防止することができる。また、液体回収部材60’は、ノズル部材70の近傍に設けられている第1光学素子LS1に残留した液体LQも回収することができる。もちろん、液体回収部材60’を使って基板ホルダPH上に残留した液体LQも回収することができる。
なお第4実施形態においては、第3の実施形態で説明した多孔質部材からなる液体回収部材60’を用いているが、第1、第2の実施形態で説明した液体回収部材60を用いることも可能である。その場合、搬送装置150は、ノズル部材70の下面70Aと液体回収部材60の液体吸収部材62とが対向するように、液体回収部材60を搬送する。あるいは、基材61の両面に液体吸収部材62を固定してもよい。
なお本実施形態のノズル部材70は液体供給口12及び液体回収口22の両方を有しているが、液体供給口12及び液体回収口22のいずれか一方を有するノズル部材に残留した液体LQを回収するときにも、液体回収部材60’(60)を用いることができる。また、ノズル部材70の下面70Aに液体供給口、液体回収口のいずれもが形成されていない場合であっても、ノズル部材70の下面70Aに残留した液体を液体回収部材60’(60)を用いて回収(除去)することができる。
なお、第4の実施形態において、ノズル部材70に液体LQが残留しているか否かを検出する検出装置を設け、その検出結果に基づいて、ノズル部材70に液体LQが残留していると判断したとき、液体回収部材60’(60)を使って、ノズル部材70に残留した液体LQを回収するようにしてもよい。
なお本実施形態においては、制御装置CONTは、基板ホルダPHに載置された液体回収部材60’(60)とノズル部材70とを接触(又は接近)させているが、液体回収部材60’を基板ホルダPHに載置せずに、搬送装置150に保持された液体回収部材60’とノズル部材70とを接触(又は接近)させるようにしてもよい。この場合、制御装置CONTは、搬送装置150の位置を制御して、ノズル部材70に対して液体回収部材60を相対移動させることができる。
なお、上述した各実施形態において、液体回収部材60(60’)は、基板Pとほぼ同じ大きさ及び形状を有しているが、基板ホルダPHに載置可能であって搬送装置150で搬送可能であれば、その大きさ及び形状の少なくとも一方は、基板Pと異なっていてもよい。
上述の各実施形態においては、搬送装置150が液体回収部材60(60’)を搬送しているが、露光装置EXのメンテナンス時に、オペレータが液体回収部材60(60’)を基板ホルダPHに載置してもよい。
なお、液体回収部材60(60’)のうち、基板ホルダPHや基板ステージPSTの上面51と接触する部分に、塩化コバルト等の試薬を塗布しておくことにより、液体回収部材60が液体LQを回収したか否かを確認することができる。あるいは、紙等の繊維物からなる液体吸収部材62に塩化コバルトをしみ込ませておいてもよい。塩化コバルトをしみ込ませた紙(繊維物)は、乾燥状態では水色であり、濡れるとピンク色となるため、液体回収部材60が液体LQを吸収したか否かを視覚的に確認することができる。
なお、上述の実施形態の搬送装置150は、基板ホルダPHに対して基板Pをロード及びアンロード可能であるとともに、液体回収部材60(60’)をロード及びアンロード可能であるが、基板ホルダPHに対して基板Pをロード及びアンロードする搬送装置と、基板ホルダPHに対して液体回収部材60をロード及びアンロードする搬送装置とが別の搬送装置であってもよい。あるいは、基板ホルダPHに対して基板P及び液体回収部材60をロード可能な搬送装置と、基板ホルダPHより基板P及び液体回収部材60をアンロード可能な搬送装置とが別の搬送装置で構成されていてもよい。
なお、上述の実施形態においては、投影光学系PLの光学素子LS1の下面LSA、及びノズル部材70の下面70Aのそれぞれは平坦面となっており、これら投影光学系PLの光学素子LS1の下面LSAとノズル部材70の下面70Aとはほぼ面一となっている。また、上述したように、基板ホルダPHに保持された基板Pの上面と基板ステージPSTの上面51とは面一となっている。したがって、ノズル部材70の下面70A及び光学素子LS1の下面LSAと、基板Pの上面及び基板ステージPSTの上面51との間に液浸領域AR2を良好に形成することができる。また、上面51を設けたことにより、基板Pの周縁部を液浸露光するときにおいても、投影光学系PLの像面側に液体LQを保持して液浸領域AR2を良好に形成することができる。
また、光学素子LS1のうち液浸領域AR2の液体LQに接触する液体接触面(下面LSAを含む)は、液体LQに対して親液性であることが好ましい。また、ノズル部材70のうち液浸領域AR2の液体LQに接触する液体接触面(下面70Aを含む)も、液体LQに対して親液性であることが好ましい。上記光学素子LS1やノズル部材70の液体接触面を親液性にするために、本実施形態においては、例えばMgF2、Al2O3、SiO2等の親液性材料を前記液体接触面に被覆する親液化処理が施されている。一方、基板ステージPSTの上面51は、液体LQに対して撥液性であることが好ましい。基板ステージPSTの上面51を撥液性にするために、本実施形態においては、例えばフッ素系樹脂材料あるいはアクリル系樹脂材料等の撥液性材料を前記液体接触面に被覆する撥液化処理が施されている。ここで、光学素子LS1、ノズル部材70、基板ステージPST等に設ける材料としては、液体LQに対して非溶解性の材料が用いられる。また、基板Pのうち、基材(半導体ウエハ等)上に被覆されている感光材としては、液体LQに対して撥液性を有する材料が使用されているため、基板Pの上面も、液体LQに対して撥液性を有している。基板Pの上面や基板ステージPSTの上面51を撥液性にすることで、液浸領域AR2を良好に維持できるとともに、基板Pの上面や基板ステージPSTの上面51に液体LQが残留する不都合を防止できる。
なお、基板ステージPSTの凹部50に配置されている基板ホルダPHは、基板ステージPSTと一体的に形成されていてもよいし、基板ステージPSTとは別々に形成して、基板ステージPSTに着脱可能に配置してもよい。また、基板ステージPSTの上面(平坦部)51は、基板ステージPSTと一体的に形成されているが、基板ステージPSTの上面を着脱可能な別部材で形成することもできる。
また、ノズル部材70などの液浸機構1の構造は、上述のものに限られず、例えば、欧州特許公開第1420298号公報、国際公開第2004/055803号公報、国際公開第2004/057589号公報、国際公開第2004/057590号公報、国際公開第2005/029559号公報に記載されているものも用いることができる。
また、ノズル部材70などの液浸機構1の構造は、上述のものに限られず、例えば、欧州特許公開第1420298号公報、国際公開第2004/055803号公報、国際公開第2004/057589号公報、国際公開第2004/057590号公報、国際公開第2005/029559号公報に記載されているものも用いることができる。
上述したように、本実施形態における液体LQは純水である。純水は、半導体製造工場等で容易に大量に入手できるとともに、基板P上の感光材や光学素子(レンズ)等に対する悪影響がない利点がある。また、純水は環境に対する悪影響がないとともに、不純物の含有量が極めて低いため、基板Pの上面、及び投影光学系PLの先端面に設けられている光学素子の表面を洗浄する作用も期待できる。なお工場等から供給される純水の純度が低い場合には、露光装置が超純水製造器を持つようにしてもよい。
そして、波長が193nm程度の露光光ELに対する純水(水)の屈折率nはほぼ1.44と言われており、露光光ELの光源としてArFエキシマレーザ光(波長193nm)を用いた場合、基板P上では1/n、すなわち約134nmに短波長化されて高い解像度が得られる。更に、焦点深度は空気中に比べて約n倍、すなわち約1.44倍に拡大されるため、空気中で使用する場合と同程度の焦点深度が確保できればよい場合には、投影光学系PLの開口数をより増加させることができ、この点でも解像度が向上する。
本実施形態では、投影光学系PLの先端に光学素子(レンズ)LS1が取り付けられており、このレンズにより投影光学系PLの光学特性、例えば収差(球面収差、コマ収差等)の調整を行うことができる。なお、投影光学系PLの先端に取り付ける光学素子としては、投影光学系PLの光学特性の調整に用いる光学プレートであってもよい。あるいは露光光ELを透過可能な平行平面板であってもよい。
なお、液体LQの流れによって生じる投影光学系PLの先端の光学素子と基板Pとの間の圧力が大きい場合には、その光学素子を交換可能とするのではなく、その圧力によって光学素子が動かないように堅固に固定してもよい。
なお、本実施形態では、投影光学系PLと基板Pの上面との間は液体LQで満たされている構成であるが、例えば基板Pの上面に平行平面板からなるカバーガラスを取り付けた状態で液体LQを満たす構成であってもよい。
また上述の実施形態においては、投影光学系PLの光学素子LS1の光射出側の光路空間を液体LQで満たす露光装置について説明しているが、他の光路空間を液体(水)で満たすようにしてもよい。例えば、国際公開第2004/019128号に開示されているように、第1光学素子LS1の光入射側の光路空間も液体(純水)で満たすようにしてもよい。
また上述の実施形態においては、投影光学系PLの光学素子LS1の光射出側の光路空間を液体LQで満たす露光装置について説明しているが、他の光路空間を液体(水)で満たすようにしてもよい。例えば、国際公開第2004/019128号に開示されているように、第1光学素子LS1の光入射側の光路空間も液体(純水)で満たすようにしてもよい。
なお、本実施形態の液体LQは水であるが、水以外の液体であってもよい、例えば、露光光ELの光源がF2レーザである場合、このF2レーザ光は水を透過しないので、液体LQとしてはF2レーザ光を透過可能な例えば、過フッ化ポリエーテル(PFPE)やフッ素系オイル等のフッ素系流体であってもよい。この場合、液体LQと接触する部分には、例えばフッ素を含む極性の小さい分子構造の物質で薄膜を形成することで親液化処理する。また、液体LQとしては、その他にも、露光光ELに対する透過性があってできるだけ屈折率が高く、投影光学系PLや基板P(基材)の上面に塗布されている感光材に対して安定なもの(例えばセダー油)を用いることも可能である。この場合も表面処理は用いる液体LQに応じて行われる。
なお、上記各実施形態の基板Pとしては、半導体デバイス製造用の半導体ウエハのみならず、ディスプレイデバイス用のガラス基板や、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
露光装置EXとしては、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)の他に、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)にも適用することができる。
また、露光装置EXとしては、第1パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で第1パターンの縮小像を投影光学系(例えば1/8縮小倍率で反射素子を含まない屈折型投影光学系)を用いて基板P上に一括露光する方式の露光装置にも適用できる。この場合、更にその後に、第2パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で第2パターンの縮小像をその投影光学系を用いて、第1パターンと部分的に重ねて基板P上に一括露光するスティッチ方式の一括露光装置にも適用できる。また、スティッチ方式の露光装置としては、基板P上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写し、基板Pを順次移動させるステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用できる。また、上記実施形態では投影光学系PLを備えた露光装置を例に挙げて説明してきたが、投影光学系PLを用いない露光装置及び露光方法に本発明を適用することができる。
また、本発明は、特開平10−163099号公報、特開平10−214783号公報、特表2000−505958号公報などに開示されているツインステージ型の露光装置にも適用できる。
更に、特開平11−135400号公報に開示されているように、基板を保持する基板ステージと基準マークが形成された基準部材や各種の光電センサを搭載した計測ステージとを備えた露光装置にも本発明を適用することができる。
また、上述の実施形態においては、投影光学系PLと基板Pとの間に局所的に液体を満たす露光装置を採用しているが、本発明は、特開平6−124873号公報や特開平10−303114号公報、米国特許第5,825,043号などに開示されているような、基板表面全体を液浸した状態で基板の露光を行う液浸露光装置にも適用可能である。
露光装置EXの種類としては、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
基板ステージPSTやマスクステージMSTにリニアモータ(米国特許5,623,853または米国特許5,528,118参照)を用いる場合は、エアベアリングを用いたエア浮上型およびローレンツ力またはリアクタンス力を用いた磁気浮上型のどちらを用いてもよい。また、各ステージPST、MSTは、ガイドに沿って移動するタイプでもよく、ガイドを設けないガイドレスタイプであってもよい。
各ステージPST、MSTの駆動機構としては、二次元に磁石を配置した磁石ユニットと、二次元にコイルを配置した電機子ユニットとを対向させ電磁力により各ステージPST、MSTを駆動する平面モータを用いてもよい。この場合、磁石ユニットと電機子ユニットとのいずれか一方をステージPST、MSTに接続し、磁石ユニットと電機子ユニットとの他方をステージPST、MSTの移動面側に設ければよい。
基板ステージPSTの移動により発生する反力は、投影光学系PLに伝わらないように、特開平8−166475号公報(米国特許5,528,118)に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。
マスクステージMSTの移動により発生する反力は、投影光学系PLに伝わらないように、特開平8−330224号公報(米国特許第5,874,820)に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。
以上のように、本願実施形態の露光装置EXは、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図8に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、前述した実施形態の露光装置EXによりマスクのパターンを基板に露光する基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
Claims (22)
- 基板ホルダに保持された基板を液体を介して露光する露光装置のメンテナンス方法において、
液体を吸収可能な所定部材を前記基板ホルダ上に載置することを特徴とする露光装置のメンテナンス方法。 - 前記所定部材を使って前記基板ホルダ上に残留した液体を回収する請求項1記載のメンテナンス方法。
- 前記所定部材は前記基板とほぼ同じ大きさ及び形状を有する請求項1又は2記載のメンテナンス方法。
- 前記所定部材を搬送装置を使って前記基板ホルダに搬送する請求項1〜3のいずれか一項記載のメンテナンス方法。
- 前記所定部材は、基材とその基材の一方の面に設けられた液体吸収部材とを有し、
前記液体吸収部材と前記基板ホルダとを接触させる請求項1〜4のいずれか一項記載のメンテナンス方法。 - 前記液体吸収部材は前記基材のエッジ部よりも外側にはみ出している請求項5記載のメンテナンス方法。
- 前記基板ホルダを移動可能なステージを有し、
前記ステージは前記基板ホルダの周囲に設けられた上面を有し、
前記所定部材を使って前記上面の液体も回収する請求項1〜6のいずれか一項記載のメンテナンス方法。 - 前記基板ホルダと対向する位置に設けられた液体供給口及び液体回収口の少なくとも一方を有するノズル部材を有し、
前記所定部材を使って前記ノズル部材に残留した液体を回収する請求項1〜7のいずれか一項記載のメンテナンス方法。 - 基板ホルダに保持された基板を液体を介して露光する露光装置において、
液体を吸収可能な所定部材を前記基板ホルダに搬送する搬送装置を備えたことを特徴とする露光装置。 - 前記搬送装置は、前記基板ホルダ上に残留した液体を回収するために、前記所定部材を搬送する請求項9記載の露光装置。
- 前記所定部材は前記基板とほぼ同じ大きさ及び形状を有する請求項9又は10記載の露光装置。
- 前記所定部材は、基材とその基材の一方の面に設けられた液体吸収部材とを有する請求項9〜11のいずれか一項記載の露光装置。
- 前記液体吸収部材は前記基材のエッジ部よりも外側にはみ出している請求項12記載の露光装置。
- 前記液体吸収部材は繊維物を含む請求項12又は13記載の露光装置。
- 前記所定部材は多孔質部材を含む請求項9〜14のいずれか一項記載の露光装置。
- 前記基板ホルダ上に液体が有るか否かを検出する検出装置と、
前記検出装置の検出結果に基づいて、前記搬送装置を制御する制御装置とを備えた請求項9〜15のいずれか一項記載の露光装置。 - 前記基板ホルダに搬送された前記所定部材を使って、前記基板ホルダと対向する位置に設けられた液体供給口及び液体回収口の少なくとも一方を有するノズル部材に残留した液体を回収する請求項9〜16のいずれか一項記載の露光装置。
- 請求項9〜請求項17のいずれか一項記載の露光装置を用いるデバイス製造方法。
- 液体を介して露光される基板を保持する基板ホルダ上に載置されることにより、前記基板ホルダ上に残留した液体を吸収することを特徴とする液浸露光装置のメンテナンス用の液体回収部材。
- 前記基板とほぼ同じ大きさ及び形状を有する請求項19記載の液体回収部材。
- 基材とその基材の一方の面に設けられた液体吸収部材とを有し、
前記液体吸収部材は前記基材のエッジ部よりも外側にはみ出している請求項19又は20記載の液体回収部材。 - 前記基板上に液体を供給する供給口及び液体を回収する回収口の少なくとも一方を有するノズル部材に接触されることにより、前記ノズル部材に残留した液体を吸収する請求項19〜21のいずれか一項記載の液体回収部材。
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