JPWO2006038595A1 - 基地局装置およびパケット通信方法 - Google Patents

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俊 程
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Abstract

システム全体のスループットを向上させることができる基地局装置。この基地局装置(100)は、タイムスロットが割り当てられた通信端末装置(端末)(150)とパケット通信を行う。干渉分散情報復号部(104)は、端末(150)に対する干渉信号の周波数軸上での分散に関する情報を取得する。スケジューラ(107)は、端末(150)の干渉信号の分散が特定のレベル以上の場合、端末(150)との間での再送パケットの伝送と異なるパケット通信により、基地局装置(100)と端末(150)との間での再送パケットの伝送を回避する。

Description

本発明は、通信端末装置との間でパケット通信を行う基地局装置およびそのパケット通信方法に関する。
複数の通信端末装置が時分割により共有する回線でパケットを送信するパケット伝送方式には、スケジューリングと呼ばれる技術が用いられる。スケジューリングとは、基地局装置がタイムスロット毎に通信端末装置の割り当てを行う技術である。
以下、一般的なパケット伝送方式について、下り回線のパケット伝送方式を例にとって説明する。パケットを受信した通信端末装置では、そのパケットを正しく復調できたか否かに応じてACK信号またはNACK信号を送信し、基地局装置では、ACK信号を受信したときはそのパケットと異なるパケット(新規パケット)を送信する一方、NACK信号を受信したときはそのパケットと同一のパケット(再送パケット)を再送する。
パケットの送信先となる通信端末装置、つまりタイムスロットが割り当てられる通信端末装置を、回線を共有する複数の通信端末装置の中のどれにするかは、例えば各通信端末装置の受信品質に基づいて決定される。例えば特許文献1に記載された従来の基地局装置では、複数の通信端末装置のうち受信品質の最も良い通信端末装置に対してパケットの送信が行われる。
特開2004−80165号公報
しかしながら、上記従来の基地局装置においては、パケット送信先となる通信端末装置を受信品質に基づいて単純に決定する、つまり、受信品質の最も良い通信端末装置をパケット送信先に決定するため、ある通信端末装置の割り当て確率が他の通端末装置に比べて高くなる傾向がある。すなわち、ある通信端末装置へのパケット送信が高頻度となる一方で、その他の通信端末装置へのパケット送信が低頻度となることがある。
ところで、ある通信端末装置に対して伝送されたパケットに誤りが発生したときは、その通信端末装置に対して再送パケットが伝送されることとなるが、再送によって誤りが訂正される可能性、換言すれば、再送効果の得られる可能性が最も高い通信端末装置は、受信品質の最も良い通信端末装置であるとは限らない。したがって、割り当て確率の高い通信端末装置に対してパケットの再送を行っても、誤りが訂正されずに何度も再送が繰り返されるという状況が起こり得る。よって、従来の基地局装置において行われるパケット通信では、システム全体のスループットの向上に一定の限界がある。
本発明の目的は、システム全体のスループットを向上させることができる基地局装置およびパケット通信方法を提供することである。
本発明の基地局装置は、複数の端末装置のうち第1の端末装置にタイムスロットを割り当てる端末割当手段と、前記第1の端末装置に対する干渉信号の周波数軸上での分散に関する情報を取得する取得手段と、前記第1の端末装置の干渉信号の分散が特定のレベル以上の場合、前記第1の端末装置宛ての再送パケットと異なるパケットを前記タイムスロットに割り当てて、前記第1の端末装置宛ての再送パケットが前記タイムスロットに割り当てられることを回避するパケット割当手段と、前記タイムスロットに割り当てられたパケットを送信する送信手段と、を有する構成を採る。
本発明によれば、システム全体のスループットを向上させることができる。
本発明の実施の形態1に係る基地局装置の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態1に係る通信端末装置の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態1に係る干渉分散の計算方法を説明するための図 本発明の実施の形態1に係るスケジューラの動作を説明するためのフロー図 本発明の実施の形態1に係るスケジューラの具体的な動作例を説明するための図 本発明の実施の形態1に係るスケジューラの具体的な動作例を説明するための図 本発明の実施の形態1に係るスケジューラの具体的な動作例を説明するための図 本発明の実施の形態1に係るスケジューラの具体的な動作例を説明するための図 干渉分散の大きさに対するパケット再送効果を説明するための図 合成処理による信号電力の変化を説明するための図 本発明の実施の形態2に係る基地局装置の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態2に係る通信端末装置の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態3に係る基地局装置の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態3に係るスケジューラの動作を説明するためのフロー図 本発明の実施の形態3に係るスケジューラの具体的な動作例を説明するための図 本発明の実施の形態3に係るスケジューラの具体的な動作例を説明するための図 本発明の実施の形態3に係るスケジューラの具体的な動作例を説明するための図 本発明の実施の形態3に係るスケジューラの具体的な動作例を説明するための図 本発明の実施の形態4に係る基地局装置の構成を示すブロック図
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る基地局装置の構成を示すブロック図である。また、図2は、図1の基地局装置100との間でパケット通信を行う通信端末装置(以下「端末」と言う)の構成を示すブロック図である。
基地局装置100は、アンテナ101、受信RF部102、復調部103、干渉分散情報復号部104、ACK/NACK信号復号部105、SINR情報復号部106、スケジューラ107、パケット生成指示部108、バッファ指示部109、MCS(Modulation and Coding Scheme)指示部110、多重方法指示信号生成部111、変調部112、パケット生成部113、バッファ114、誤り訂正符号化部115、変調部116、多重化部117および送信RF部118を有する。また、図2の通信端末装置150は、アンテナ151、受信RF部152、復調部153、合成部154、バッファ155、誤り訂正復号部156、誤り検出部157、スイッチ部158、ACK/NACK信号生成部159、干渉信号抽出部160、干渉分散計算部161、干渉分散情報生成部162、SINR(Signal to Interference and Noise Ratio)測定部163、SINR情報生成部164、変調部165および送信RF部166を有する。
基地局装置100において、受信RF部102は、現在通信中のn個の端末150から送信されたOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)信号を、アンテナ101を介して受信し、そのOFDM信号に対して所定の無線処理を行い、ベースバンドの信号を復調部103に出力する。復調部103は、受信RF部102から出力されたOFDM信号を復調する。
取得手段としての干渉分散情報復号部104は、復調部103の出力信号から、各端末150の干渉分散(後述する)を示す干渉分散情報を復号してスケジューラ107に出力する。
ACK/NACK信号復号部105は、復調部103の出力信号から、各端末150のACK(Acknowledgement)信号またはNACK(Negative Acknowledgement)信号を復号し、その復号結果をスケジューラ107に出力する。
SINR情報復号部106は、復調部103の出力信号から、各端末150のSINR情報を復号してスケジューラ107に出力する。
スケジューラ107は、干渉分散情報復号部104から入力された各端末150の干渉分散情報、ACK/NACK信号復号部105から入力された各端末150のACK/NACK信号およびSINR情報復号部106から入力された各端末150のSINR情報に基づいて、下り回線のパケット通信のスケジューリングを行う。つまり、いずれかの端末150にタイムスロットを割り当てる処理(端末割り当て)を各タイムスロットについて行う。
より具体的には、スケジューラ107は、制御手段として、タイムスロットが割り当てられた端末150の干渉分散が特定のレベル以上の場合、その端末150との間での再送パケットの伝送と異なるパケット通信を後述の通信部に行わせて、通信部とその端末150との間での再送パケット伝送を回避する制御を行う。また、端末割当手段として、複数の端末150のうちSINRが最大の端末150にタイムスロットを割り当てる。また、パケット割当手段として、各タイムスロットに新規パケットまたは再送パケットを割り当てるとともに、タイムスロットが割り当てられた端末150の干渉分散が特定のレベル以上の場合、その端末150宛ての再送パケットと異なるパケットをそのタイムスロットに割り当てて、その端末150宛ての再送パケットがそのタイムスロットに割り当てられることを回避する。
また、スケジューラ107は、いずれかの端末150へのタイムスロット割り当てを決定した後、その端末150のSINR情報に基づいて、変調方式および符号化率(MCS)を決定し、MCS指示部110に通知する。また、上記の決定内容に基づいて、タイムスロットが割り当てられた端末150と生成すべきパケットのデータ量を、パケット生成指示部108に通知する。また、タイムスロットが割り当てられた端末150とACK信号またはNACK信号とをバッファ指示部109に通知する。また、タイムスロットが割り当てられた端末150とMCSとを多重方法指示信号生成部111に通知する。
パケット生成指示部108は、タイムスロットが割り当てられた端末150宛てのパケットであって、スケジューラ107から通知されたデータ量のパケットの生成を、パケット生成部113に指示する。
パケット生成部113は、パケット生成指示部108からの指示に従い、タイムスロットが割り当てられた端末150宛てのデータ(データ#1〜データ#nのいずれか)を用いて、その端末150宛てのパケットを生成してバッファ114に出力する。
バッファ指示部109は、タイムスロットが割り当てられた端末150宛てのパケットを選択するようバッファ114に指示する。また、スケジューラ107からACK信号が入力された場合、再送に備えて残していたパケットを削除するようバッファ114に指示するとともに、パケット生成部113で生成されたパケットを記憶するようバッファ114に指示する。一方、スケジューラ107からNACK信号が入力された場合、入力されたNACK信号に対応するパケットを残すようにバッファ114に指示する。
バッファ114は、バッファ指示部109からの指示に従い、タイムスロットが割り当てられた端末150宛てのパケットを選択する。その際、バッファ指示部109にACK信号が入力された場合は、バッファ114は、再送に備えて記憶していたパケットを削除し、パケット生成部113で生成されたパケットを再送に備えて記憶するとともに誤り訂正符号化部115に出力する。また、バッファ109にNACK信号が入力された場合は、バッファ114は、再送に備えて記憶しているパケットを誤り訂正符号化部115に出力する。
MCS指示部110は、スケジューラ107から通知された符号化率を誤り訂正符号化部115に指示するとともに、スケジューラ107から通知された変調方式を変調部116に指示する。
誤り訂正符号化部115は、MCS指示部110からの指示に従って、バッファ114から入力されたパケットを符号化し、変調部116に出力する。変調部116は、MCS指示部110からの指示に従って、誤り訂正符号化部115から入力されたパケットをOFDM変調し、多重化部117に出力する。
多重方法指示信号生成部111は、端末割り当てに関する情報とMCSとを示す多重方法指示信号を生成する。変調部112は、生成された多重方法指示信号を変調する。多重化部117は、それぞれ変調されたパケットと多重方法指示信号とを多重する。送信RF部118は、多重されたOFDM信号に対して所定の無線処理を行い、無線処理後のOFDM信号をアンテナ101を介してパケット送信先の端末150に対して送信する。
すなわち、多重方法指示信号生成部111、変調部112、パケット生成部113、バッファ114、誤り訂正符号化部115、変調部116、多重化部117および送信RF部118の組み合わせは、タイムスロットが割り当てられた端末150とパケット通信を行う通信部を構成するとともに、タイムスロットに割り当てられたパケットを送信する送信部を構成する。
一方、図2の端末150において、受信RF部152は、基地局装置100から送信されたOFDM信号を、アンテナ151を介して受信し、そのOFDM信号に対して所定の無線処理を行い、ベースバンドの信号を復調部153に出力する。復調部153は、受信RF部152から出力されたOFDM信号を復調する。
合成部154は、復調部153の出力信号とバッファ155に保存されている信号とを合成し、その合成によって得られた合成信号をバッファ155および誤り訂正復号部156に出力する。バッファ155は、保存している信号を合成部154に出力するとともに、合成部154から出力された新たな信号を上書き保存する。
誤り訂正復号部156は、合成部154の出力信号に対して例えばビタビ復号などの誤り訂正復号処理を行って、誤り検出部157およびスイッチ部158に出力する。
誤り検出部157は、誤り訂正復号部156の出力信号に対して誤り検出(CRC判定)を行い、誤り検出結果をACK/NACK信号生成部159に出力する。また、誤り検出によって誤りが検出された場合、誤り検出部157は、スイッチ部158を切断して、誤り訂正復号部156の出力信号(受信データ)が図示されない後工程を行う装置に出力されることを防止する。一方、誤り検出によって誤りが検出されなかった場合、誤り検出部157は、バッファ155に保存されている信号を消去するとともに、スイッチ部158を接続する。この場合、誤り訂正復号部156の出力信号(受信データ)は、前述の後工程を行う装置に出力される。
ACK/NACK信号生成部159は、誤り検出部157から入力された誤り検出結果に応じて、ACK信号またはNACK信号を生成する。誤り検出によって誤りが検出されなかった場合はACK信号を生成する一方、誤りが検出された場合はNACK信号を生成する。生成されたACK信号またはNACK信号は、変調部165に出力される。
SINR測定部163は、受信RF部152の出力信号を用いて、SINRの測定を行う。SINR情報生成部164は、SINR測定部163のSINR測定結果に基づいてSINR情報を生成する。なお、SINR情報は、予め決められたSINRを離散的に表す数字を示すものであっても良いし、測定値をそのまま示すものであっても良い。生成されたSINR情報は、変調部165に出力される。
干渉信号抽出部160は、復調部153の出力信号から、他の端末150宛ての信号を、自端末150に対する干渉信号として抽出する。つまり、受信信号から自端末150宛ての信号を取り除いた信号を干渉信号として抽出する。抽出された干渉信号は、干渉分散計算部161に出力される。
干渉分散計算部161は、干渉信号の周波数軸上での分散(以下「干渉分散」と言う)、換言すれば、周波数軸上での干渉電力のばらつき(不均一性)を計算する。計算された干渉分散は、干渉分散情報生成部162に出力される。
ここで、干渉分散の計算について、図3を用いて具体的に説明する。ここでは、4つのサブキャリアの場合の干渉分散の計算について例示する。干渉信号のサブキャリア毎の電力の実数値が、図3に示すように[0.5,0.5,1.0,2.0]の場合、干渉分散は、次の(式1)によって算出される。なお、この例示では、3番目のサブキャリアの電力を基準値に設定した上で実数値を算出しているが、基準値の設定方法はこれだけに限定されない。
10×log10(0.5+0.5+1.0+2.0)=10×log10(4)
=6[dB] …(式1)
干渉分散情報生成部162は、干渉分散計算部161の出力信号である干渉分散を基地局装置100に通知するための干渉分散情報を生成する。生成された干渉分散情報は、変調部165に出力される。
変調部165は、ACK/NACK信号生成部159、干渉分散情報生成部162およびSINR情報生成部164の各出力信号をOFDM変調して、送信RF部166に出力する。送信RF部166は、変調部165から出力されたOFDM信号に対して所定の無線処理を行い、無線処理後のOFDM信号をアンテナ151を介して基地局装置100に対して送信する。
以下、上記構成を有する基地局装置100のスケジューラ107における動作例について、図4のフロー図を用いて説明する。
まず、ステップST1001では、各端末150から通知されたSINR情報に基づいて通常のスケジューリングを行う。すなわち、SINRが最大の端末150にタイムスロットを割り当てる。
そして、ステップST1002では、タイムスロットを割り当てられた端末150から通知されたACK信号またはNACK信号に基づいて、その端末150宛てに送信されるパケットが新規パケットか再送パケットかを判断する。
ステップST1002での判断の結果、端末150宛てに送信されるパケットが新規パケットの場合(ST1002:NO)、その新規パケットをそのままタイムスロットに割り当てる(ST1003)。したがって、この場合、新規パケットが送信される。
一方、端末150宛てのパケットが再送パケットの場合(ST1002:YES)、端末150から通知された干渉分散が所定の閾値以上であるか否かを判断する(ST1004)。上記閾値は、例えば、受信した平均干渉量にマージンを加えた値に設定される。
ステップST1004での判断の結果、干渉分散が閾値未満の場合(ST1004:NO)、その再送パケットをそのままタイムスロットに割り当てる(ST1005)。したがって、この場合、再送パケットが送信される。
一方、干渉分散が閾値以上の場合(ST1004:YES)、その端末150宛ての新規パケットの送信を決定するとともに、そのデータ量をパケット生成指示部108に通知する。また、生成される新規パケットをタイムスロットに割り当てる(ST1006)。したがって、この場合、新規パケットが送信される。
そして、送信が回避された再送パケットを、次回の送信キューに割り当てる(ST1007)。このとき、バッファ114に保存されている再送パケットは、そのまま保存され、次回のスケジューリング周期において、再度送信候補となる。例えば2msec毎にスケジューリングを行う場合には、送信回避された2msec後に再び図4のフローが実行されることとなる。その時点で干渉分散が閾値よりも低くなっていれば、その再送パケットは送信されることとなる。
次いで、スケジューラ107の具体的な動作例について、図5を用いて説明する。
時刻t1〜t17の区間における端末A〜Cの各SINRが(a)に示されている。スケジューラ107では、これらのSINRを参照して、端末A〜Cのいずれかに、この区間に対応する送信キュー内の各タイムスロットを割り当てる。この割り当ての結果は、(b)に示されている。具体的には、時刻t1〜t3では、端末AのSINRが最も高いので、端末Aにタイムスロットが割り当てられ、時刻t4〜6では、端末BのSINRが最も高いので、端末Bにタイムスロットが割り当てられ、時刻t7〜9では、端末AのSINRが最も高いので、端末Aにタイムスロットが割り当てられ、時刻t10〜t13では、端末BのSINRが最も高いので、端末Bにタイムスロットが割り当てられ、時刻t14〜t17では、端末CのSINRが最も高いので、端末Cにタイムスロットが割り当てられる。
また、(b)に示すように、スケジューラ107では、各端末A〜CからのACK信号またはNACK信号に基づいて、各タイムスロットを割り当てられた端末宛てのパケットを新規パケットにすべきか再送パケットにすべきかを判断する。この例示では、時刻t3、t6、t8、t9、t12〜t15のタイムスロットに対応するパケットが再送パケットとなっている。
そして、スケジューラ107は、時刻t1〜t17の区間における端末A〜Cの各干渉分散を参照する。これらの干渉分散は、(c)に示されている。通知された干渉分散によれば、時刻t5〜t17の端末Aの干渉分散が閾値以上の状態となっている。
このため、(d)に示すように、時刻t8、t9での端末A宛ての再送パケットの送信が回避され、その代わりに、時刻t8、t9では、端末A宛てに新規パケットの送信が行われるように、端末A宛ての新規パケットが時刻t8、t9のタイムスロットに割り当てられる。送信回避された再送パケットは、時刻t18以降の区間に対応する送信キューに割り当てられる。
ここで、干渉分散の大きさに対するパケット再送の効果の大きさについて説明する。
図6には、SINR毎の正規化スループットが示されている。曲線Dは、干渉信号が定常的な熱雑音と同様で且つ分散が所定レベルよりも低い信号(以下「白色信号」と定義する)の場合であってARQ(Automatic Repeat Request)制御を行った場合のスループットを示す。曲線Dは、干渉信号が白色信号の場合であってARQ制御を行わなかった場合のスループットを示す。曲線Dは、干渉信号が定常的な熱雑音と異なり且つ分散が所定レベル以上である信号(以下「有色信号」と定義する)の場合であってARQ制御を行った場合のスループットを示す。曲線Dは、干渉信号が有色信号の場合であってARQ制御を行わなかった場合のスループットを示す。
ある端末(UE1)の正規化スループットともう1つの端末(UE2)の正規化スループットとがほぼ同じ(約0.3)場合であって、UE1に対する干渉信号が有色信号で且つUE2に対する干渉信号が白色信号である場合を例にとって説明する。UE2については、干渉信号が白色信号であるため、ARQ制御なしの場合に対するARQ制御ありの場合のSINRの改善の大きさ、つまりパケット再送効果は、約3dBである一方、UE1については、干渉信号が有色信号であるため、パケット再送効果は、約1dBである。
干渉信号が白色信号である場合、図7に示すように、合成後の希望信号(S)の電力(Pd)は、新規送信時の希望信号(S)の電力(Pa)と再送時の希望信号(S)の電力(Pa)とを加算した値となる。一方、合成後の雑音信号(N)の電力(Pe−Pd)は、新規送信時の雑音信号(N)の電力(Pb−Pa)および再送時の雑音信号(N)の電力(Pb−Pa)とそれぞれ同等である。また、合成後の干渉信号(I)の電力(Pf−Pe)は、新規送信時の干渉信号(I)の電力(Pc−Pb)および再送時の干渉信号(I)の電力(Pc−Pb)とそれぞれ同等である。
ところが、干渉信号が有色信号である場合は、合成後の希望信号(S)の電力(Pd)および合成後の雑音信号(N)の電力(Pe−Pd)については、干渉信号が白色信号である場合と同様であるが、干渉信号(I)が有色信号であるため、合成後の干渉信号(I)の電力(Pg−Pe)は、新規送信時の干渉信号(I)の電力(Pc−Pb)と再送時の干渉信号(I)の電力(Pc−Pb)とを加算した値になる。よって、干渉信号が有色信号である場合は、干渉信号が白色信号である場合に比べて、パケット再送によるSINR改善効果が小さい。
したがって、ある端末のSINRが高いとしても、その端末の干渉分散が大きければ、パケット再送の効果は小さくなる。このため、通常のスケジューリングによって割り当てられた端末についての干渉分散を閾値と比較し、干渉分散が閾値未満の場合にその端末宛ての再送パケットの送信を回避して、その端末宛ての新規パケットの送信を行うことにより、スループットの改善を図ることができる。
このように、本実施の形態によれば、タイムスロットが割り当てられた端末150の干渉分散が閾値以上の場合、その端末150宛ての新規パケットをタイムスロットに割り当てて、端末150宛ての再送パケットがタイムスロットに割り当てられることを回避するため、基地局装置100から再送効果の小さい端末150への再送パケットの送信が何度も繰り返されることを回避することができ、下り回線でパケット伝送方式を用いるシステムにおいてシステム全体のスループットを向上させることができる。
(実施の形態2)
図8は、本発明の実施の形態2に係る基地局装置の構成を示すブロック図である。また、図9は、本実施の形態の端末の構成を示すブロック図である。なお、図8の基地局装置200および図9の端末250は、実施の形態1で説明した基地局装置100および端末150とそれぞれ同様の基本的構成を有する。よって、実施の形態1で説明したものと同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
基地局装置200は、実施の形態1で説明した干渉分散情報復号部104およびスケジューラ107の代わりにGIVEUP信号復号部201およびスケジューラ202を有する。
取得手段としてのGIVEUP信号復号部201は、復調部103の出力信号から、いずれかの端末250の干渉分散が特定のレベル以上であることを示すGIVEUP信号を復号してスケジューラ202に出力する。
スケジューラ202は、スケジューラ107と同様の基本構成を有する。スケジューラ202は、干渉分散情報の代わりに、GIVEUP信号復号部201から入力されたいずれかの端末250のGIVEUP信号を用いるという点において、スケジューラ107と相違する。
図9の端末250は、実施の形態1で説明した干渉分散情報生成部162の代わりに、GIVEUP信号生成部251を有する。
GIVEUP信号生成部251は、干渉分散計算部161の出力信号である干渉分散との比較に用いられる所定の閾値を予め記憶している。この閾値は、実施の形態1で説明したスケジューラ107が干渉分散との比較に用いた閾値と同一のものである。そして、干渉分散をその閾値と比較する。比較の結果、干渉分散が閾値以上の場合は、GIVEUP信号を生成する。生成されたGIVEUP信号は、変調部165に出力され、変調部165でOFDM変調される。GIVEUP信号は、干渉分散が閾値以上であることを基地局装置200に通知して、自端末250宛ての再送パケットの送信を基地局装置200に回避させるための信号である。
このように、本実施の形態によれば、実施の形態1と同様の作用効果を実現できるとともに、端末250の干渉分散が閾値以上の場合のみ、その旨を基地局装置200に通知するため、シグナリングの情報量を削減することができる。
(実施の形態3)
図10は、本発明の実施の形態3に係る基地局装置の構成を示すブロック図である。なお、図10の基地局装置300は、実施の形態1で説明した基地局装置100と同様の基本的構成を有し、前述の実施の形態で説明したものと同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。また、基地局装置300は、実施の形態1で説明した端末150との間でパケット通信を行う。
基地局装置300は、実施の形態1で説明したスケジューラ107の代わりに、スケジューラ301を有する。
スケジューラ301は、スケジューラ107と同様の基本構成を有するが、端末割当手段としての構成においてスケジューラ107と相違する。すなわち、スケジューラ301は、複数の端末150のうちSINRが最大の端末150にタイムスロットを割り当てるとともに、タイムスロットが割り当てられた端末150の干渉分散が特定のレベル以上の場合に、その端末150と異なる端末150にタイムスロットを割り当てる。
以下、スケジューラ301における動作例について図11のフロー図を用いて説明する。
ステップST1001〜ST1005では、実施の形態1と同様の処理を行う。
ステップST1004での判断の結果、干渉分散が閾値以上の場合(ST1004:YES)、タイムスロットが割り当てられる端末150を変更した回数が所定値に達しているか否かを判断する(ST2001)。なお、変更回数との比較に用いる値は、現在通信中の端末150の数nであっても良いし、nより小さい任意の整数であっても良い。
ステップST2001での判断の結果、変更回数が所定値に達していない場合(ST2002:NO)、タイムスロットが割り当てられる端末150を、現在処理対象になっている端末150(つまり、現在タイムスロットが割り当てられている端末150)の次に高いSINRを有する端末150に変更する(ST2002)。
そして、ステップST2003では、実施の形態1で説明したST1007と同様の処理を行う。すなわち、送信が回避された再送パケットを、次回の送信キューに割り当てる。
また、ステップST2001での判断の結果、変更回数が所定値に達している場合(ST2002:YES)、ステップST1001で選択された端末150、つまり、最大SINRの端末150宛ての新規パケットをタイムスロットに割り当てる(ST2004)。これにより、一定の再送効果が得られる端末150が所定数の端末150の中に存在しなかった場合、タイムスロットが当初割り当てられていた端末150、すなわち、最大SINRの端末150に新規パケットを送信することができる。
次いで、スケジューラ301の具体的な動作例について、図12を用いて説明する。
時刻t1〜t17の区間における端末A〜Cの各SINRが(a)に示されている。スケジューラ301では、これらのSINRを参照して、端末A〜Cのいずれかに、この区間に対応する送信キュー内の各タイムスロットを割り当てる。この割り当ての結果は、(b)に示されている。具体的には、時刻t1〜t3では、端末AのSINRが最も高いので、端末Aにタイムスロットが割り当てられ、時刻t4〜6では、端末BのSINRが最も高いので、端末Bにタイムスロットが割り当てられ、時刻t7〜9では、端末AのSINRが最も高いので、端末Aにタイムスロットが割り当てられ、時刻t10〜t13では、端末BのSINRが最も高いので、端末Bにタイムスロットが割り当てられ、時刻t14〜t17では、端末CのSINRが最も高いので、端末Cにタイムスロットが割り当てられる。
また、(b)に示すように、スケジューラ301では、各端末A〜CからのACK信号またはNACK信号に基づいて、各タイムスロットを割り当てられた端末宛てのパケットが新規パケットか再送パケットかを判断する。この例示では、時刻t3、t6、t8、t9、t12〜t15のタイムスロットに対応するパケットが再送パケットとなっている。
そして、スケジューラ301は、時刻t1〜t17の区間における端末A〜Cの各干渉分散を参照する。これらの干渉分散は、(c)に示されている。通知された干渉分散によれば、時刻t5〜t17の端末Aの干渉分散が閾値以上の状態となっている。
このため、(d)に示すように、時刻t8、t9での端末A宛ての再送パケットの送信が回避され、その代わりに、時刻t8、t9では、端末Aの次に高いSINRを有する端末B宛てにパケットの送信が行われるように、端末B宛てのパケットが時刻t8、t9のタイムスロットに割り当てられる。送信回避された端末A宛ての再送パケットは、時刻t18以降の区間に対応する送信キューに割り当てられる。なお、この例示では、時刻t8、t9に割り当てられた端末B宛てのパケットがいずれも新規パケットとなっているが、図11のフローに従って処理を行う場合、端末B宛ての再送パケットが割り当てられる場合もあり得る、ということは明らかである。
図6および図7を用いて実施の形態1で説明したとおり、ある端末のSINRが高いとしても、その端末の干渉分散が大きければ、パケット再送の効果は小さくなる。このため、通常のスケジューリングによって割り当てられた端末についての干渉分散を閾値と比較し、干渉分散が閾値未満の場合にその端末宛ての再送パケットの送信を回避して、他の端末宛てのパケットの送信を行うことができる。
このように、本実施の形態によれば、再送効果の小さい端末150と異なる端末150にパケットを送信することにより、スループットの改善を図ることができる。
(実施の形態4)
図13は、本発明の実施の形態4に係る基地局装置の構成を示すブロック図である。なお、図13の基地局装置400は、実施の形態1で説明した基地局装置100と同様の基本的構成を有し、前述の実施の形態で説明したものと同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。また、基地局装置400は、実施の形態2で説明した端末250との間でパケット通信を行う。
基地局装置400は、実施の形態1で説明した干渉分散情報復号部104の代わりに実施の形態2で説明したGIVEUP信号復号部201を有し、実施の形態1で説明したスケジューラ107の代わりにスケジューラ401を有する。
スケジューラ401は、実施の形態3で説明したスケジューラ301と同様の基本構成を有する。スケジューラ401は、干渉分散情報の代わりに、GIVEUP信号復号部201から入力されたいずれかの端末250のGIVEUP信号を用いるという点において、スケジューラ301と相違する。
このように、本実施の形態によれば、実施の形態3と同様の作用効果を実現できるとともに、端末250の干渉分散が閾値以上の場合のみ、その旨を基地局装置400に通知するため、シグナリングの情報量を削減することができる。
なお、前述の各実施の形態は、下り回線でのパケット伝送のスケジューリングを行う場合を例にとって説明したが、上り回線でのパケット伝送のスケジューリングを行う場合にも本発明を適用することができる。すなわち、タイムスロットが割り当てられた端末の干渉分散が閾値以上の場合、その端末との間での再送パケットの伝送と異なるパケット通信を通信部に行わせて、再送パケットの伝送を回避するため、基地局装置と再送効果の小さい端末との間での再送パケットの伝送が何度も繰り返されることを回避することができ、システム全体のスループットを向上させることができる。
また、各実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されても良いし、一部又は全てを含むように1チップ化されても良い。
ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現しても良い。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用しても良い。
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行っても良い。バイオ技術の適応等が可能性としてありえる。
また、誤り訂正符号化部115がターボ符号やLDPC符号等の組織符号を用いた誤り訂正符号化を行う場合は、その符号化により送信ビットそのものであるシステマチックビットと、冗長ビットであるパリティビットとが生成される。そこで、実施の形態1および3において、新規パケットをシステマチックビットおよびパリティビットの双方を含むパケットと読み替えるとともに、パリティビットのみを含むパケットを再送パケットとして本発明を実施してもよい。システマチックビットおよびパリティビットの双方を含むパケットは、新規パケット同様、単独で復号可能なパケットである一方、パリティビットのみを含むパケットは単独では復号不可能なパケットである。
本明細書は、2004年10月4日出願の特願2004−291814に基づくものである。この内容はすべてここに含めておく。
本発明の基地局装置およびパケット通信方法は、端末との間でパケット通信を行うのに有用である。
本発明は、通信端末装置との間でパケット通信を行う基地局装置およびそのパケット通信方法に関する。
複数の通信端末装置が時分割により共有する回線でパケットを送信するパケット伝送方式には、スケジューリングと呼ばれる技術が用いられる。スケジューリングとは、基地局装置がタイムスロット毎に通信端末装置の割り当てを行う技術である。
以下、一般的なパケット伝送方式について、下り回線のパケット伝送方式を例にとって説明する。パケットを受信した通信端末装置では、そのパケットを正しく復調できたか否かに応じてACK信号またはNACK信号を送信し、基地局装置では、ACK信号を受信したときはそのパケットと異なるパケット(新規パケット)を送信する一方、NACK信号を受信したときはそのパケットと同一のパケット(再送パケット)を再送する。
パケットの送信先となる通信端末装置、つまりタイムスロットが割り当てられる通信端末装置を、回線を共有する複数の通信端末装置の中のどれにするかは、例えば各通信端末装置の受信品質に基づいて決定される。例えば特許文献1に記載された従来の基地局装置では、複数の通信端末装置のうち受信品質の最も良い通信端末装置に対してパケットの送信が行われる。
特開2004−80165号公報
しかしながら、上記従来の基地局装置においては、パケット送信先となる通信端末装置を受信品質に基づいて単純に決定する、つまり、受信品質の最も良い通信端末装置をパケット送信先に決定するため、ある通信端末装置の割り当て確率が他の通信端末装置に比べて高くなる傾向がある。すなわち、ある通信端末装置へのパケット送信が高頻度となる一方で、その他の通信端末装置へのパケット送信が低頻度となることがある。
ところで、ある通信端末装置に対して伝送されたパケットに誤りが発生したときは、その通信端末装置に対して再送パケットが伝送されることとなるが、再送によって誤りが訂正される可能性、換言すれば、再送効果の得られる可能性が最も高い通信端末装置は、受信品質の最も良い通信端末装置であるとは限らない。したがって、割り当て確率の高い通信端末装置に対してパケットの再送を行っても、誤りが訂正されずに何度も再送が繰り返されるという状況が起こり得る。よって、従来の基地局装置において行われるパケット通信では、システム全体のスループットの向上に一定の限界がある。
本発明の目的は、システム全体のスループットを向上させることができる基地局装置およびパケット通信方法を提供することである。
本発明の基地局装置は、複数の端末装置のうち第1の端末装置にタイムスロットを割り当てる端末割当手段と、前記第1の端末装置に対する干渉信号の周波数軸上での分散に関する情報を取得する取得手段と、前記第1の端末装置の干渉信号の分散が特定のレベル以上の場合、前記第1の端末装置宛ての再送パケットと異なるパケットを前記タイムスロットに割り当てて、前記第1の端末装置宛ての再送パケットが前記タイムスロットに割り当
てられることを回避するパケット割当手段と、前記タイムスロットに割り当てられたパケットを送信する送信手段と、を有する構成を採る。
本発明によれば、システム全体のスループットを向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る基地局装置の構成を示すブロック図である。また、図2は、図1の基地局装置100との間でパケット通信を行う通信端末装置(以下「端末」と言う)の構成を示すブロック図である。
基地局装置100は、アンテナ101、受信RF部102、復調部103、干渉分散情報復号部104、ACK/NACK信号復号部105、SINR情報復号部106、スケジューラ107、パケット生成指示部108、バッファ指示部109、MCS(Modulation and Coding Scheme)指示部110、多重方法指示信号生成部111、変調部112、パケット生成部113、バッファ114、誤り訂正符号化部115、変調部116、多重化部117および送信RF部118を有する。また、図2の通信端末装置150は、アン
テナ151、受信RF部152、復調部153、合成部154、バッファ155、誤り訂正復号部156、誤り検出部157、スイッチ部158、ACK/NACK信号生成部159、干渉信号抽出部160、干渉分散計算部161、干渉分散情報生成部162、SINR(Signal to Interference and Noise Ratio)測定部163、SINR情報生成部164、変調部165および送信RF部166を有する。
基地局装置100において、受信RF部102は、現在通信中のn個の端末150から送信されたOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)信号を、アンテナ101を介して受信し、そのOFDM信号に対して所定の無線処理を行い、ベースバンドの信号を復調部103に出力する。復調部103は、受信RF部102から出力されたOFDM信号を復調する。
取得手段としての干渉分散情報復号部104は、復調部103の出力信号から、各端末150の干渉分散(後述する)を示す干渉分散情報を復号してスケジューラ107に出力する。
ACK/NACK信号復号部105は、復調部103の出力信号から、各端末150のACK(Acknowledgement)信号またはNACK(Negative Acknowledgement)信号を復号し、その復号結果をスケジューラ107に出力する。
SINR情報復号部106は、復調部103の出力信号から、各端末150のSINR情報を復号してスケジューラ107に出力する。
スケジューラ107は、干渉分散情報復号部104から入力された各端末150の干渉分散情報、ACK/NACK信号復号部105から入力された各端末150のACK/NACK信号およびSINR情報復号部106から入力された各端末150のSINR情報に基づいて、下り回線のパケット通信のスケジューリングを行う。つまり、いずれかの端末150にタイムスロットを割り当てる処理(端末割り当て)を各タイムスロットについて行う。
より具体的には、スケジューラ107は、制御手段として、タイムスロットが割り当てられた端末150の干渉分散が特定のレベル以上の場合、その端末150との間での再送パケットの伝送と異なるパケット通信を後述の通信部に行わせて、通信部とその端末150との間での再送パケット伝送を回避する制御を行う。また、端末割当手段として、複数の端末150のうちSINRが最大の端末150にタイムスロットを割り当てる。また、パケット割当手段として、各タイムスロットに新規パケットまたは再送パケットを割り当てるとともに、タイムスロットが割り当てられた端末150の干渉分散が特定のレベル以上の場合、その端末150宛ての再送パケットと異なるパケットをそのタイムスロットに割り当てて、その端末150宛ての再送パケットがそのタイムスロットに割り当てられることを回避する。
また、スケジューラ107は、いずれかの端末150へのタイムスロット割り当てを決定した後、その端末150のSINR情報に基づいて、変調方式および符号化率(MCS)を決定し、MCS指示部110に通知する。また、上記の決定内容に基づいて、タイムスロットが割り当てられた端末150と生成すべきパケットのデータ量を、パケット生成指示部108に通知する。また、タイムスロットが割り当てられた端末150とACK信号またはNACK信号とをバッファ指示部109に通知する。また、タイムスロットが割り当てられた端末150とMCSとを多重方法指示信号生成部111に通知する。
パケット生成指示部108は、タイムスロットが割り当てられた端末150宛てのパケ
ットであって、スケジューラ107から通知されたデータ量のパケットの生成を、パケット生成部113に指示する。
パケット生成部113は、パケット生成指示部108からの指示に従い、タイムスロットが割り当てられた端末150宛てのデータ(データ#1〜データ#nのいずれか)を用いて、その端末150宛てのパケットを生成してバッファ114に出力する。
バッファ指示部109は、タイムスロットが割り当てられた端末150宛てのパケットを選択するようバッファ114に指示する。また、スケジューラ107からACK信号が入力された場合、再送に備えて残していたパケットを削除するようバッファ114に指示するとともに、パケット生成部113で生成されたパケットを記憶するようバッファ114に指示する。一方、スケジューラ107からNACK信号が入力された場合、入力されたNACK信号に対応するパケットを残すようにバッファ114に指示する。
バッファ114は、バッファ指示部109からの指示に従い、タイムスロットが割り当てられた端末150宛てのパケットを選択する。その際、バッファ指示部109にACK信号が入力された場合は、バッファ114は、再送に備えて記憶していたパケットを削除し、パケット生成部113で生成されたパケットを再送に備えて記憶するとともに誤り訂正符号化部115に出力する。また、バッファ109にNACK信号が入力された場合は、バッファ114は、再送に備えて記憶しているパケットを誤り訂正符号化部115に出力する。
MCS指示部110は、スケジューラ107から通知された符号化率を誤り訂正符号化部115に指示するとともに、スケジューラ107から通知された変調方式を変調部116に指示する。
誤り訂正符号化部115は、MCS指示部110からの指示に従って、バッファ114から入力されたパケットを符号化し、変調部116に出力する。変調部116は、MCS指示部110からの指示に従って、誤り訂正符号化部115から入力されたパケットをOFDM変調し、多重化部117に出力する。
多重方法指示信号生成部111は、端末割り当てに関する情報とMCSとを示す多重方法指示信号を生成する。変調部112は、生成された多重方法指示信号を変調する。多重化部117は、それぞれ変調されたパケットと多重方法指示信号とを多重する。送信RF部118は、多重されたOFDM信号に対して所定の無線処理を行い、無線処理後のOFDM信号をアンテナ101を介してパケット送信先の端末150に対して送信する。
すなわち、多重方法指示信号生成部111、変調部112、パケット生成部113、バッファ114、誤り訂正符号化部115、変調部116、多重化部117および送信RF部118の組み合わせは、タイムスロットが割り当てられた端末150とパケット通信を行う通信部を構成するとともに、タイムスロットに割り当てられたパケットを送信する送信部を構成する。
一方、図2の端末150において、受信RF部152は、基地局装置100から送信されたOFDM信号を、アンテナ151を介して受信し、そのOFDM信号に対して所定の無線処理を行い、ベースバンドの信号を復調部153に出力する。復調部153は、受信RF部152から出力されたOFDM信号を復調する。
合成部154は、復調部153の出力信号とバッファ155に保存されている信号とを合成し、その合成によって得られた合成信号をバッファ155および誤り訂正復号部15
6に出力する。バッファ155は、保存している信号を合成部154に出力するとともに、合成部154から出力された新たな信号を上書き保存する。
誤り訂正復号部156は、合成部154の出力信号に対して例えばビタビ復号などの誤り訂正復号処理を行って、誤り検出部157およびスイッチ部158に出力する。
誤り検出部157は、誤り訂正復号部156の出力信号に対して誤り検出(CRC判定)を行い、誤り検出結果をACK/NACK信号生成部159に出力する。また、誤り検出によって誤りが検出された場合、誤り検出部157は、スイッチ部158を切断して、誤り訂正復号部156の出力信号(受信データ)が図示されない後工程を行う装置に出力されることを防止する。一方、誤り検出によって誤りが検出されなかった場合、誤り検出部157は、バッファ155に保存されている信号を消去するとともに、スイッチ部158を接続する。この場合、誤り訂正復号部156の出力信号(受信データ)は、前述の後工程を行う装置に出力される。
ACK/NACK信号生成部159は、誤り検出部157から入力された誤り検出結果に応じて、ACK信号またはNACK信号を生成する。誤り検出によって誤りが検出されなかった場合はACK信号を生成する一方、誤りが検出された場合はNACK信号を生成する。生成されたACK信号またはNACK信号は、変調部165に出力される。
SINR測定部163は、受信RF部152の出力信号を用いて、SINRの測定を行う。SINR情報生成部164は、SINR測定部163のSINR測定結果に基づいてSINR情報を生成する。なお、SINR情報は、予め決められたSINRを離散的に表す数字を示すものであっても良いし、測定値をそのまま示すものであっても良い。生成されたSINR情報は、変調部165に出力される。
干渉信号抽出部160は、復調部153の出力信号から、他の端末150宛ての信号を、自端末150に対する干渉信号として抽出する。つまり、受信信号から自端末150宛ての信号を取り除いた信号を干渉信号として抽出する。抽出された干渉信号は、干渉分散計算部161に出力される。
干渉分散計算部161は、干渉信号の周波数軸上での分散(以下「干渉分散」と言う)、換言すれば、周波数軸上での干渉電力のばらつき(不均一性)を計算する。計算された干渉分散は、干渉分散情報生成部162に出力される。
ここで、干渉分散の計算について、図3を用いて具体的に説明する。ここでは、4つのサブキャリアの場合の干渉分散の計算について例示する。干渉信号のサブキャリア毎の電力の実数値が、図3に示すように[0.5,0.5,1.0,2.0]の場合、干渉分散は、次の(式1)によって算出される。なお、この例示では、3番目のサブキャリアの電力を基準値に設定した上で実数値を算出しているが、基準値の設定方法はこれだけに限定されない。
10×log10(0.5+0.5+1.0+2.0)=10×log10(4)
=6[dB] …(式1)
干渉分散情報生成部162は、干渉分散計算部161の出力信号である干渉分散を基地局装置100に通知するための干渉分散情報を生成する。生成された干渉分散情報は、変調部165に出力される。
変調部165は、ACK/NACK信号生成部159、干渉分散情報生成部162およびSINR情報生成部164の各出力信号をOFDM変調して、送信RF部166に出力
する。送信RF部166は、変調部165から出力されたOFDM信号に対して所定の無線処理を行い、無線処理後のOFDM信号をアンテナ151を介して基地局装置100に対して送信する。
以下、上記構成を有する基地局装置100のスケジューラ107における動作例について、図4のフロー図を用いて説明する。
まず、ステップST1001では、各端末150から通知されたSINR情報に基づいて通常のスケジューリングを行う。すなわち、SINRが最大の端末150にタイムスロットを割り当てる。
そして、ステップST1002では、タイムスロットを割り当てられた端末150から通知されたACK信号またはNACK信号に基づいて、その端末150宛てに送信されるパケットが新規パケットか再送パケットかを判断する。
ステップST1002での判断の結果、端末150宛てに送信されるパケットが新規パケットの場合(ST1002:NO)、その新規パケットをそのままタイムスロットに割り当てる(ST1003)。したがって、この場合、新規パケットが送信される。
一方、端末150宛てのパケットが再送パケットの場合(ST1002:YES)、端末150から通知された干渉分散が所定の閾値以上であるか否かを判断する(ST1004)。上記閾値は、例えば、受信した平均干渉量にマージンを加えた値に設定される。
ステップST1004での判断の結果、干渉分散が閾値未満の場合(ST1004:NO)、その再送パケットをそのままタイムスロットに割り当てる(ST1005)。したがって、この場合、再送パケットが送信される。
一方、干渉分散が閾値以上の場合(ST1004:YES)、その端末150宛ての新規パケットの送信を決定するとともに、そのデータ量をパケット生成指示部108に通知する。また、生成される新規パケットをタイムスロットに割り当てる(ST1006)。したがって、この場合、新規パケットが送信される。
そして、送信が回避された再送パケットを、次回の送信キューに割り当てる(ST1007)。このとき、バッファ114に保存されている再送パケットは、そのまま保存され、次回のスケジューリング周期において、再度送信候補となる。例えば2msec毎にスケジューリングを行う場合には、送信回避された2msec後に再び図4のフローが実行されることとなる。その時点で干渉分散が閾値よりも低くなっていれば、その再送パケットは送信されることとなる。
次いで、スケジューラ107の具体的な動作例について、図5を用いて説明する。
時刻t1〜t17の区間における端末A〜Cの各SINRが(a)に示されている。スケジューラ107では、これらのSINRを参照して、端末A〜Cのいずれかに、この区間に対応する送信キュー内の各タイムスロットを割り当てる。この割り当ての結果は、(b)に示されている。具体的には、時刻t1〜t3では、端末AのSINRが最も高いので、端末Aにタイムスロットが割り当てられ、時刻t4〜6では、端末BのSINRが最も高いので、端末Bにタイムスロットが割り当てられ、時刻t7〜9では、端末AのSINRが最も高いので、端末Aにタイムスロットが割り当てられ、時刻t10〜t13では、端末BのSINRが最も高いので、端末Bにタイムスロットが割り当てられ、時刻t14〜t17では、端末CのSINRが最も高いので、端末Cにタイムスロットが割り当て
られる。
また、(b)に示すように、スケジューラ107では、各端末A〜CからのACK信号またはNACK信号に基づいて、各タイムスロットを割り当てられた端末宛てのパケットを新規パケットにすべきか再送パケットにすべきかを判断する。この例示では、時刻t3、t6、t8、t9、t12〜t15のタイムスロットに対応するパケットが再送パケットとなっている。
そして、スケジューラ107は、時刻t1〜t17の区間における端末A〜Cの各干渉分散を参照する。これらの干渉分散は、(c)に示されている。通知された干渉分散によれば、時刻t5〜t17の端末Aの干渉分散が閾値以上の状態となっている。
このため、(d)に示すように、時刻t8、t9での端末A宛ての再送パケットの送信が回避され、その代わりに、時刻t8、t9では、端末A宛てに新規パケットの送信が行われるように、端末A宛ての新規パケットが時刻t8、t9のタイムスロットに割り当てられる。送信回避された再送パケットは、時刻t18以降の区間に対応する送信キューに割り当てられる。
ここで、干渉分散の大きさに対するパケット再送の効果の大きさについて説明する。
図6には、SINR毎の正規化スループットが示されている。曲線Dは、干渉信号が定常的な熱雑音と同様で且つ分散が所定レベルよりも低い信号(以下「白色信号」と定義する)の場合であってARQ(Automatic Repeat Request)制御を行った場合のスループットを示す。曲線Dは、干渉信号が白色信号の場合であってARQ制御を行わなかった場合のスループットを示す。曲線Dは、干渉信号が定常的な熱雑音と異なり且つ分散が所定レベル以上である信号(以下「有色信号」と定義する)の場合であってARQ制御を行った場合のスループットを示す。曲線Dは、干渉信号が有色信号の場合であってARQ制御を行わなかった場合のスループットを示す。
ある端末(UE1)の正規化スループットともう1つの端末(UE2)の正規化スループットとがほぼ同じ(約0.3)場合であって、UE1に対する干渉信号が有色信号で且つUE2に対する干渉信号が白色信号である場合を例にとって説明する。UE2については、干渉信号が白色信号であるため、ARQ制御なしの場合に対するARQ制御ありの場合のSINRの改善の大きさ、つまりパケット再送効果は、約3dBである一方、UE1については、干渉信号が有色信号であるため、パケット再送効果は、約1dBである。
干渉信号が白色信号である場合、図7に示すように、合成後の希望信号(S)の電力(Pd)は、新規送信時の希望信号(S)の電力(Pa)と再送時の希望信号(S)の電力(Pa)とを加算した値となる。一方、合成後の雑音信号(N)の電力(Pe−Pd)は、新規送信時の雑音信号(N)の電力(Pb−Pa)および再送時の雑音信号(N)の電力(Pb−Pa)とそれぞれ同等である。また、合成後の干渉信号(I)の電力(Pf−Pe)は、新規送信時の干渉信号(I)の電力(Pc−Pb)および再送時の干渉信号(I)の電力(Pc−Pb)とそれぞれ同等である。
ところが、干渉信号が有色信号である場合は、合成後の希望信号(S)の電力(Pd)および合成後の雑音信号(N)の電力(Pe−Pd)については、干渉信号が白色信号である場合と同様であるが、干渉信号(I)が有色信号であるため、合成後の干渉信号(I)の電力(Pg−Pe)は、新規送信時の干渉信号(I)の電力(Pc−Pb)と再送時の干渉信号(I)の電力(Pc−Pb)とを加算した値になる。よって、干渉信号が有色信号である場合は、干渉信号が白色信号である場合に比べて、パケット再送によるSIN
R改善効果が小さい。
したがって、ある端末のSINRが高いとしても、その端末の干渉分散が大きければ、パケット再送の効果は小さくなる。このため、通常のスケジューリングによって割り当てられた端末についての干渉分散を閾値と比較し、干渉分散が閾値未満の場合にその端末宛ての再送パケットの送信を回避して、その端末宛ての新規パケットの送信を行うことにより、スループットの改善を図ることができる。
このように、本実施の形態によれば、タイムスロットが割り当てられた端末150の干渉分散が閾値以上の場合、その端末150宛ての新規パケットをタイムスロットに割り当てて、端末150宛ての再送パケットがタイムスロットに割り当てられることを回避するため、基地局装置100から再送効果の小さい端末150への再送パケットの送信が何度も繰り返されることを回避することができ、下り回線でパケット伝送方式を用いるシステムにおいてシステム全体のスループットを向上させることができる。
(実施の形態2)
図8は、本発明の実施の形態2に係る基地局装置の構成を示すブロック図である。また、図9は、本実施の形態の端末の構成を示すブロック図である。なお、図8の基地局装置200および図9の端末250は、実施の形態1で説明した基地局装置100および端末150とそれぞれ同様の基本的構成を有する。よって、実施の形態1で説明したものと同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
基地局装置200は、実施の形態1で説明した干渉分散情報復号部104およびスケジューラ107の代わりにGIVEUP信号復号部201およびスケジューラ202を有する。
取得手段としてのGIVEUP信号復号部201は、復調部103の出力信号から、いずれかの端末250の干渉分散が特定のレベル以上であることを示すGIVEUP信号を復号してスケジューラ202に出力する。
スケジューラ202は、スケジューラ107と同様の基本構成を有する。スケジューラ202は、干渉分散情報の代わりに、GIVEUP信号復号部201から入力されたいずれかの端末250のGIVEUP信号を用いるという点において、スケジューラ107と相違する。
図9の端末250は、実施の形態1で説明した干渉分散情報生成部162の代わりに、GIVEUP信号生成部251を有する。
GIVEUP信号生成部251は、干渉分散計算部161の出力信号である干渉分散との比較に用いられる所定の閾値を予め記憶している。この閾値は、実施の形態1で説明したスケジューラ107が干渉分散との比較に用いた閾値と同一のものである。そして、干渉分散をその閾値と比較する。比較の結果、干渉分散が閾値以上の場合は、GIVEUP信号を生成する。生成されたGIVEUP信号は、変調部165に出力され、変調部165でOFDM変調される。GIVEUP信号は、干渉分散が閾値以上であることを基地局装置200に通知して、自端末250宛ての再送パケットの送信を基地局装置200に回避させるための信号である。
このように、本実施の形態によれば、実施の形態1と同様の作用効果を実現できるとともに、端末250の干渉分散が閾値以上の場合のみ、その旨を基地局装置200に通知するため、シグナリングの情報量を削減することができる。
(実施の形態3)
図10は、本発明の実施の形態3に係る基地局装置の構成を示すブロック図である。なお、図10の基地局装置300は、実施の形態1で説明した基地局装置100と同様の基本的構成を有し、前述の実施の形態で説明したものと同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。また、基地局装置300は、実施の形態1で説明した端末150との間でパケット通信を行う。
基地局装置300は、実施の形態1で説明したスケジューラ107の代わりに、スケジューラ301を有する。
スケジューラ301は、スケジューラ107と同様の基本構成を有するが、端末割当手段としての構成においてスケジューラ107と相違する。すなわち、スケジューラ301は、複数の端末150のうちSINRが最大の端末150にタイムスロットを割り当てるとともに、タイムスロットが割り当てられた端末150の干渉分散が特定のレベル以上の場合に、その端末150と異なる端末150にタイムスロットを割り当てる。
以下、スケジューラ301における動作例について図11のフロー図を用いて説明する。
ステップST1001〜ST1005では、実施の形態1と同様の処理を行う。
ステップST1004での判断の結果、干渉分散が閾値以上の場合(ST1004:YES)、タイムスロットが割り当てられる端末150を変更した回数が所定値に達しているか否かを判断する(ST2001)。なお、変更回数との比較に用いる値は、現在通信中の端末150の数nであっても良いし、nより小さい任意の整数であっても良い。
ステップST2001での判断の結果、変更回数が所定値に達していない場合(ST2002:NO)、タイムスロットが割り当てられる端末150を、現在処理対象になっている端末150(つまり、現在タイムスロットが割り当てられている端末150)の次に高いSINRを有する端末150に変更する(ST2002)。
そして、ステップST2003では、実施の形態1で説明したST1007と同様の処理を行う。すなわち、送信が回避された再送パケットを、次回の送信キューに割り当てる。
また、ステップST2001での判断の結果、変更回数が所定値に達している場合(ST2002:YES)、ステップST1001で選択された端末150、つまり、最大SINRの端末150宛ての新規パケットをタイムスロットに割り当てる(ST2004)。これにより、一定の再送効果が得られる端末150が所定数の端末150の中に存在しなかった場合、タイムスロットが当初割り当てられていた端末150、すなわち、最大SINRの端末150に新規パケットを送信することができる。
次いで、スケジューラ301の具体的な動作例について、図12を用いて説明する。
時刻t1〜t17の区間における端末A〜Cの各SINRが(a)に示されている。スケジューラ301では、これらのSINRを参照して、端末A〜Cのいずれかに、この区間に対応する送信キュー内の各タイムスロットを割り当てる。この割り当ての結果は、(b)に示されている。具体的には、時刻t1〜t3では、端末AのSINRが最も高いので、端末Aにタイムスロットが割り当てられ、時刻t4〜6では、端末BのSINRが最
も高いので、端末Bにタイムスロットが割り当てられ、時刻t7〜9では、端末AのSINRが最も高いので、端末Aにタイムスロットが割り当てられ、時刻t10〜t13では、端末BのSINRが最も高いので、端末Bにタイムスロットが割り当てられ、時刻t14〜t17では、端末CのSINRが最も高いので、端末Cにタイムスロットが割り当てられる。
また、(b)に示すように、スケジューラ301では、各端末A〜CからのACK信号またはNACK信号に基づいて、各タイムスロットを割り当てられた端末宛てのパケットが新規パケットか再送パケットかを判断する。この例示では、時刻t3、t6、t8、t9、t12〜t15のタイムスロットに対応するパケットが再送パケットとなっている。
そして、スケジューラ301は、時刻t1〜t17の区間における端末A〜Cの各干渉分散を参照する。これらの干渉分散は、(c)に示されている。通知された干渉分散によれば、時刻t5〜t17の端末Aの干渉分散が閾値以上の状態となっている。
このため、(d)に示すように、時刻t8、t9での端末A宛ての再送パケットの送信が回避され、その代わりに、時刻t8、t9では、端末Aの次に高いSINRを有する端末B宛てにパケットの送信が行われるように、端末B宛てのパケットが時刻t8、t9のタイムスロットに割り当てられる。送信回避された端末A宛ての再送パケットは、時刻t18以降の区間に対応する送信キューに割り当てられる。なお、この例示では、時刻t8、t9に割り当てられた端末B宛てのパケットがいずれも新規パケットとなっているが、図11のフローに従って処理を行う場合、端末B宛ての再送パケットが割り当てられる場合もあり得る、ということは明らかである。
図6および図7を用いて実施の形態1で説明したとおり、ある端末のSINRが高いとしても、その端末の干渉分散が大きければ、パケット再送の効果は小さくなる。このため、通常のスケジューリングによって割り当てられた端末についての干渉分散を閾値と比較し、干渉分散が閾値未満の場合にその端末宛ての再送パケットの送信を回避して、他の端末宛てのパケットの送信を行うことができる。
このように、本実施の形態によれば、再送効果の小さい端末150と異なる端末150にパケットを送信することにより、スループットの改善を図ることができる。
(実施の形態4)
図13は、本発明の実施の形態4に係る基地局装置の構成を示すブロック図である。なお、図13の基地局装置400は、実施の形態1で説明した基地局装置100と同様の基本的構成を有し、前述の実施の形態で説明したものと同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。また、基地局装置400は、実施の形態2で説明した端末250との間でパケット通信を行う。
基地局装置400は、実施の形態1で説明した干渉分散情報復号部104の代わりに実施の形態2で説明したGIVEUP信号復号部201を有し、実施の形態1で説明したスケジューラ107の代わりにスケジューラ401を有する。
スケジューラ401は、実施の形態3で説明したスケジューラ301と同様の基本構成を有する。スケジューラ401は、干渉分散情報の代わりに、GIVEUP信号復号部201から入力されたいずれかの端末250のGIVEUP信号を用いるという点において、スケジューラ301と相違する。
このように、本実施の形態によれば、実施の形態3と同様の作用効果を実現できるとと
もに、端末250の干渉分散が閾値以上の場合のみ、その旨を基地局装置400に通知するため、シグナリングの情報量を削減することができる。
なお、前述の各実施の形態は、下り回線でのパケット伝送のスケジューリングを行う場合を例にとって説明したが、上り回線でのパケット伝送のスケジューリングを行う場合にも本発明を適用することができる。すなわち、タイムスロットが割り当てられた端末の干渉分散が閾値以上の場合、その端末との間での再送パケットの伝送と異なるパケット通信を通信部に行わせて、再送パケットの伝送を回避するため、基地局装置と再送効果の小さい端末との間での再送パケットの伝送が何度も繰り返されることを回避することができ、システム全体のスループットを向上させることができる。
また、各実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されても良いし、一部又は全てを含むように1チップ化されても良い。
ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現しても良い。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用しても良い。
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行っても良い。バイオ技術の適応等が可能性としてありえる。
また、誤り訂正符号化部115がターボ符号やLDPC符号等の組織符号を用いた誤り訂正符号化を行う場合は、その符号化により送信ビットそのものであるシステマチックビットと、冗長ビットであるパリティビットとが生成される。そこで、実施の形態1および3において、新規パケットをシステマチックビットおよびパリティビットの双方を含むパケットと読み替えるとともに、パリティビットのみを含むパケットを再送パケットとして本発明を実施してもよい。システマチックビットおよびパリティビットの双方を含むパケットは、新規パケット同様、単独で復号可能なパケットである一方、パリティビットのみを含むパケットは単独では復号不可能なパケットである。
本明細書は、2004年10月4日出願の特願2004−291814に基づくものである。この内容はすべてここに含めておく。
本発明の基地局装置およびパケット通信方法は、端末との間でパケット通信を行うのに有用である。
本発明の実施の形態1に係る基地局装置の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態1に係る通信端末装置の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態1に係る干渉分散の計算方法を説明するための図 本発明の実施の形態1に係るスケジューラの動作を説明するためのフロー図 本発明の実施の形態1に係るスケジューラの具体的な動作例を説明するための図 本発明の実施の形態1に係るスケジューラの具体的な動作例を説明するための図 本発明の実施の形態1に係るスケジューラの具体的な動作例を説明するための図 本発明の実施の形態1に係るスケジューラの具体的な動作例を説明するための図 干渉分散の大きさに対するパケット再送効果を説明するための図 合成処理による信号電力の変化を説明するための図 本発明の実施の形態2に係る基地局装置の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態2に係る通信端末装置の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態3に係る基地局装置の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態3に係るスケジューラの動作を説明するためのフロー図 本発明の実施の形態3に係るスケジューラの具体的な動作例を説明するための図 本発明の実施の形態3に係るスケジューラの具体的な動作例を説明するための図 本発明の実施の形態3に係るスケジューラの具体的な動作例を説明するための図 本発明の実施の形態3に係るスケジューラの具体的な動作例を説明するための図 本発明の実施の形態4に係る基地局装置の構成を示すブロック図

Claims (11)

  1. 複数の端末装置のうち第1の端末装置にタイムスロットを割り当てる端末割当手段と、
    前記第1の端末装置に対する干渉信号の周波数軸上での分散に関する情報を取得する取得手段と、
    前記第1の端末装置の干渉信号の分散が特定のレベル以上の場合、前記第1の端末装置宛ての再送パケットと異なるパケットを前記タイムスロットに割り当てて、前記第1の端末装置宛ての再送パケットが前記タイムスロットに割り当てられることを回避するパケット割当手段と、
    前記タイムスロットに割り当てられたパケットを送信する送信手段と、
    を有する基地局装置。
  2. 前記パケット割当手段は、
    前記第1の端末装置の干渉信号の分散が前記特定のレベル以上の場合、前記第1の端末装置宛ての新規パケット、または、システマチックビットおよびパリティビットの双方を含むパケットを前記タイムスロットに割り当てる、
    請求項1記載の基地局装置。
  3. 前記端末割当手段は、
    前記第1の端末装置の干渉信号の分散が前記特定のレベル以上の場合、前記タイムスロットが割り当てられる端末装置を、前記複数の端末装置のうち前記第1の端末装置と異なる第2の端末装置に変更する、
    請求項1記載の基地局装置。
  4. 前記パケット割当手段は、
    前記第2の端末装置宛ての新規パケット、または、システマチックビットおよびパリティビットの双方を含むパケットを前記タイムスロットに割り当てる、
    請求項3記載の基地局装置。
  5. 前記取得手段は、
    前記第2の端末装置に対する干渉信号の周波数軸上での分散に関する情報をさらに取得し、
    前記パケット割当手段は、
    前記第2の端末装置の干渉信号の分散が前記特定のレベル未満の場合、前記第2の端末装置宛ての再送パケットを前記タイムスロットに割り当てる、
    請求項3記載の基地局装置。
  6. 前記端末割当手段は、
    前記複数の端末装置の中で、前記第1の端末装置の次に受信品質の良い端末装置を前記第2の端末装置として選択する、
    請求項3記載の基地局装置。
  7. 前記端末割当手段は、
    前記複数の端末装置の中で、前記第1の端末装置の次に優先度の高い端末装置を前記第2の端末装置として選択する、
    請求項3記載の基地局装置。
  8. 前記取得手段は、
    前記複数の端末装置のうち前記第1の端末装置と異なる複数の端末装置の各々に対する干渉信号の周波数軸上での分散に関する情報をさらに取得し、
    前記パケット割当手段は、
    前記第1の端末装置と異なる複数の端末装置の各々の干渉信号の分散が前記特定のレベル以上の場合、前記第1の端末装置宛ての新規パケット、または、システマチックビットおよびパリティビットの双方を含むパケットを前記タイムスロットに割り当てる、
    請求項1記載の基地局装置。
  9. タイムスロットが割り当てられた端末装置とパケット通信を行う通信手段と、
    前記端末装置に対する干渉信号の周波数軸上での分散に関する情報を取得する取得手段と、
    前記端末装置の干渉信号の分散が特定のレベル以上の場合、前記端末装置との間での再送パケットの伝送と異なるパケット通信を前記通信手段に行わせて、前記通信手段と前記端末装置との間での再送パケットの伝送を回避する制御を行う制御手段と、
    を有する基地局装置。
  10. 複数の端末装置のうちタイムスロットが割り当てられた端末装置に対する干渉信号の周波数軸上での分散に関する情報を取得する取得ステップと、
    前記端末装置の干渉信号の分散が特定のレベル以上の場合、前記端末装置宛ての再送パケットと異なるパケットを前記タイムスロットに割り当てて、前記第1の端末装置宛ての再送パケットが前記タイムスロットに割り当てられることを回避するパケット割当ステップと、
    前記タイムスロットに割り当てられたパケットを送信する送信ステップと、
    パケット通信方法。
  11. 基地局装置とタイムスロットが割り当てられた端末装置との間でパケット通信を行うときに用いられるパケット通信方法であって、
    前記端末装置に対する干渉信号の周波数軸上での分散に関する情報を取得し、前記端末装置の干渉信号の分散が特定のレベル以上の場合、前記端末装置との間での再送パケットの伝送と異なるパケット通信を行わせて、前記基地局装置と前記端末装置との間での再送パケットの伝送を回避する、
    パケット通信方法。
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