JPWO2006011345A1 - 無線通信装置及び無線通信方法 - Google Patents
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Abstract
秘密鍵方式が適用される無線通信システムにおいて、受信側無線通信装置と伝搬路環境の近似する第三者に無線信号を傍受されても、この第三者が生成する秘密鍵と異なる秘密鍵を生成することのできる無線通信装置を開示する。この装置では、秘密鍵生成部(207)における固有値選択部(317)は、固有値検出部(206)から入力されてくるMIMOチャネルの固有値における最大固有値を選択し、選択した最大固有値を量子化部(327)に入力する。量子化部(327)は、固有値選択部(317)から入力されてくる最大固有値の大きさを量子化して量子化データを生成し、生成した量子化データを鍵生成部(337)に入力する。鍵生成部(337)は、量子化部(327)から入力されてくる量子化データから所定の方式で秘密鍵を生成し、生成した秘密鍵を図示しない制御部等に入力する。
Description
本発明は、複数のアンテナ素子から送信された無線信号を複数のアンテナ素子で受信して無線通信を行うMIMO(Multiple Input Multiple Output)技術を利用した無線通信システムにおいて使用される無線通信装置及び無線通信方法に関する。
携帯電話システムや無線LANをはじめとする移動体無線通信システムの普及に伴い、このシステム上で個人情報や企業の機密情報等の秘密情報を送受信する機会が増加している。移動体無線通信システムでは、第三者が無線信号を容易に傍受できるため、無線信号が傍受されてもその内容を盗聴されないように、暗号化技術が用いられる場合がある。
暗号化技術の一方式に、鍵を送信側と受信側との双方で秘密裏に共有する秘密鍵方式がある。移動体無線通信システムでは、無線信号が第三者に傍受されるおそれがあるため、一方の無線通信装置が鍵を生成してその鍵を他方に無線送信することができない。そこで、双方で共通な鍵を個別に生成することが必要となる。
このような秘密鍵方式の暗号化技術を適用した移動体無線通信システムが知られている(例えば特許文献1参照)。特許文献1に記載された技術では、時分割複信(TDD:Time Division Duplex)方式を前提として、通信を行う双方において、伝搬路の遅延プロファイルを推定し、推定された遅延プロファイルの複素振幅情報、電力情報又は位相情報のいずれかを用いて秘密鍵を生成する。
特開2003−273856号公報
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、通信を行う双方で同じ秘密鍵が生成される確率は、受信側無線通信装置における遅延プロファイルの精度に依存するため、受信側無線通信装置における信号対雑音比(SNR:Signal−to−Noise Ratio)が小さくなると低下してしまう問題がある。
そこで、この問題を解決するために、無線信号の送信電力を高くすることが考えられるが、そのようにすると、受信側無線通信装置と伝搬路環境の近似する第三者の受信電力までもが高くなる。このため、この第三者が受信側無線通信装置の生成した秘密鍵と同一の秘密鍵を独自に生成してしまう危険性も高くなる。
本発明の目的は、秘密鍵方式が適用される無線通信システムにおいて、受信側無線通信装置と伝搬路環境の近似する第三者に無線信号を傍受されても、この第三者が生成する秘密鍵と異なる秘密鍵を生成することのできる無線通信装置及び無線通信方法を提供することである。
本発明に係る無線通信装置は、MIMOチャネルの無線信号を受信する複数のアンテナと、前記アンテナによる受信信号のチャネル推定値をチャネル毎に算出するチャネル推定手段と、算出されたチャネル推定値からMIMOチャネルのチャネル行列を生成するチャネル行列生成手段と、生成されたチャネル行列から線形演算もしくは非線形演算により生成される情報を用いて秘密鍵を生成する秘密鍵生成手段と、を具備する構成を採る。
本発明によれば、無線通信装置が、MIMOチャネルのチャネル行列から線形演算もしくは非線形演算により生成される情報、例えばMIMOチャネルの固有値を用いて秘密鍵を生成するため、無線信号を第三者に傍受されてもこの第三者の生成する秘密鍵と異なる秘密鍵を生成することができる。
本発明は、秘密鍵方式が適用される無線通信システムにおいてMIMO技術を利用するものであって、基地局装置(BS)や通信端末装置(MS)がMIMOチャネルのチャネル行列から線形演算もしくは非線形演算により生成される情報を用いて、秘密鍵を個別に生成するものである。
ここで、MIMO技術の概要について、図1A及び図1Bを用いて説明する。図1Aには、BSとMSとが共にアンテナ素子を1つずつ備え、このBSとMSとの間で無線通信が行われている通信態様を示す。また、図1Aでは、MSと物理的に近い所に第三者が位置しており、MSと第三者との伝搬路環境が近似しているものとする。
そのため、図1Aに示す通信態様では、BSからMSに送信された無線信号が第三者に傍受されることがある。このとき、MSと第三者とが共に受信信号から秘密鍵を同一方式で生成する場合には、MSの受信信号と第三者の受信信号との相関が高いことから、MSと第三者とがそれぞれ独自に秘密鍵を生成するとしても、生成された秘密鍵が同一となるおそれがある。
これに対し、図1Bに示すようなMIMO技術を利用した無線通信システムでは、BSの備える複数のアンテナ素子とMSの備える複数のアンテナ素子との間にそれぞれチャネルが形成される。即ち、MIMOチャネルが形成されることになる。このため、第三者がMSの近傍に位置するとしても、第三者がBSからMSに送信された全ての無線信号を傍受することは困難である上に、たとえ第三者が全ての無線信号を傍受できたとしても、第三者の傍受した全ての受信信号とMSの受信信号との相関は図1Aの通信態様の場合よりも確実に低下する。
従って、秘密鍵方式の適用される無線通信システムにおいてMIMO技術を利用すれば、第三者による無線信号の傍受を回避し易くなる上に、たとえ第三者によって全ての無線信号を傍受されたとしても、第三者がMSと同一の秘密鍵を生成してしまう危険性を低下させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図2は、本発明の実施の形態1に係る無線通信装置200の構成を示すブロック図である。なお、本実施の形態では、無線通信装置200は、無線通信システムを構成するBS及び携帯電話等のMSに共に搭載されるものとする。
図2は、本発明の実施の形態1に係る無線通信装置200の構成を示すブロック図である。なお、本実施の形態では、無線通信装置200は、無線通信システムを構成するBS及び携帯電話等のMSに共に搭載されるものとする。
無線通信装置200は、複数のアンテナ素子201−1〜201−n、複数の受信無線処理部202−1〜202−n、複数のパイロット抽出部203−1〜203−n、複数のチャネル推定部204−1〜204−n、チャネル行列生成部205、固有値検出部206、秘密鍵生成部207、パイロット発生部211及び複数の送信無線処理部212−1〜212−nを具備する。
アンテナ素子201−1〜201−nはそれぞれ、相手側装置における複数のアンテナ素子から送信された無線信号を捕捉して、その受信信号を受信無線処理部202−1〜202−nに入力する。
受信無線処理部202−1〜202−nはそれぞれ、バンドパスフィルタ、アナログ/ディジタル変換器及び低雑音アンプ等を具備して、アンテナ素子201−1〜201−nから入力されてくる受信信号に公知の受信信号処理を施し、処理後の受信信号をパイロット抽出部203−1〜203−nに入力する。
パイロット抽出部203−1〜203−nはそれぞれ、受信無線処理部202−1〜202−nから入力されてくる受信信号からパイロット信号を抽出して、抽出したパイロット信号をチャネル推定部204−1〜204−nに入力する。
チャネル推定部204−1〜204−nはそれぞれ、パイロット抽出部203−1〜203−nから入力されてくるパイロット信号を用いて、相手局装置における複数のアンテナ素子とアンテナ素子201−1〜201−nとの間に形成されるチャネル毎にチャネル推定を行い、算出されたチャネル毎のチャネル推定値をチャネル行列生成部205に入力する。
チャネル行列生成部205は、チャネル推定部204−1〜204−nからそれぞれ入力されてくるチャネル毎のチャネル推定値からMIMOチャネルのチャネル行列を生成し、生成したチャネル行列を固有値検出部206に入力する。なお、MIMOチャネルのチャネル行列及びその生成過程の詳細については後述する。
固有値検出部206は、チャネル行列生成部205から入力されてくるチャネル行列からMIMOチャネルの固有値を検出し、検出したMIMOチャネルの固有値を秘密鍵生成部207に入力する。なお、MIMOチャネルの固有値の検出過程の詳細についても後述する。
秘密鍵生成部207は、固有値検出部206から入力されてくるMIMOチャネルの固有値における最大固有値を選択し、選択した最大固有値を用いて秘密鍵を生成し、生成した秘密鍵を図示しない制御部等に入力する。
パイロット発生部211は、既定のタイミングでパイロット信号を生成し、生成したパイロット信号を送信無線処理部212−1〜212−nにそれぞれ入力する。
送信無線処理部212−1〜212−nはそれぞれ、バンドパスフィルタ、ディジタル/アナログ変換器及び低雑音アンプ等を具備し、パイロット発生部211から入力されてくるパイロット信号に所定の送信信号処理を施した後に、アンテナ素子201−1〜201−nを介してパイロット信号を無線送信する。
図3は、秘密鍵生成部207のより詳細な構成を示すブロック図である。秘密鍵生成部207は、固有値選択部317、量子化部327及び鍵生成部337を具備する。
固有値選択部317は、固有値検出部206から入力されてくるMIMOチャネルの固有値における最大固有値を選択し、選択した最大固有値を量子化部327に入力する。
量子化部327は、固有値選択部317から入力されてくる最大固有値の大きさを既定の量子化ビット数で量子化して量子化データを生成し、生成した量子化データを鍵生成部337に入力する。
鍵生成部337は、量子化部327から入力されてくる量子化データを所定回数繰り返してデータ長を伸長する等の所定の方式で秘密鍵を生成し、生成した秘密鍵を図示しない制御部等に入力する。
次いで、無線通信装置200における各構成部の動作について、図4〜図7を参照しつつ説明する。
図4は、無線通信装置200を具備するBSと無線通信装置200を具備するMSとにおいてそれぞれ同一の秘密鍵が生成され、これらの間で通信が開始されるまでのステップを示すフロー図である。また、図4では、BSによる各ステップに枝番号「1」を付し、同様にMSによる各ステップに枝番号「2」を付す。なお、以下では、BSとMSとの動作が同一であるステップについては、重複説明を避けるため、枝番号を付さずに説明する。
ステップST410では、BSとMSとが互いにアンテナ素子201−1〜201−nそれぞれから順にパイロット信号を無線送信し、送信されたパイロット信号を受信側装置が全てのアンテナ素子201−1〜201−nで順次受信する。
ステップST420では、BSとMSとにおいてそれぞれ、チャネル推定部204がBSのアンテナ素子201−1〜201−nとMSのアンテナ素子201−1〜201−nとの間に形成されたチャネル毎にチャネル推定を行う。
ステップST430では、BSとMSとにおいてそれぞれ、チャネル推定部204がステップST420で算出されたチャネル推定値からMIMOチャネルのチャネル行列を生成する。下記「式1」に、チャネル行列Hを例示する。このチャネル行列Hにおける各要素h(i,j)は、送信側装置におけるj番目のアンテナ素子201−jから送信されて受信側装置のi番目のアンテナ素子201−iに受信されたパイロット信号のチャネル推定値を示す。なお、Mは送信側アンテナ素子の総数を示し、Nは受信側アンテナ素子の総数を示す。よって、本実施の形態では、M及びNは共に「n」となる。
ステップST440では、BSとMSとにおいてそれぞれ、式1で示されるチャネル行列Hを用いてMIMOチャネルの固有値を検出する。この固有値の検出方法としては、例えばチャネル行列Hから相関行列を計算して、その相関行列を固有値・固有ベクトル分解することで固有値を算出する方法が挙げられる。また、チャネル行列を特異値分解することで得られる特異値を二乗して固有値を算出する方法等が挙げられる。本実施の形態では、前者の方法を採用する。相関行列Rは、チャネル行列Hを用いて下記「式2」で表される。なお、式2における上付き添え字「H」は共役転置であることを示す。
図5に、MIMOチャネルの固有値と各チャネルとの関係の意義を示す。MIMO技術では、BSとMSとの間に存在する平均電力が同じ複数のチャネルは、複数の固有空間に変換できる。そして、その固有空間の電力を表すものがMIMOチャネルの固有値である。より具体的には、MIMOチャネルの固有値とは、図5下段に示すように、BSのアンテナ素子201−1〜201−nとMSのアンテナ素子201−1〜201−nとの間にそれぞれ一対一のチャネルが形成されるとみなすために必要な条件であると言える。ここで、式3におけるMIMOチャネルの固有値Λにおける固有空間毎の固有値λを大きい方から順に並べると、下記「式4」で示すようになる。
式4において、λi(1<=i<=L)はMIMOチャネルの固有値Λにおけるi番目の大きさの固有空間の固有値を示し、Lはチャネル行列のランク(階数)、即ちBSのアンテナ素子の総数とMSのアンテナ素子の総数との少ない方の総数を示す。なお、本実施の形態では、式4におけるLはnとなる。また、この固有空間毎の固有値λの大きさは固有空間の電力を表すため、受信側装置における固有空間の固有値λの総和は、受信総電力に相当することになる。従って、総電力をPtotal、L=Nとすると、下記「式5」に示す関係が成り立つ。
式4に示すように、固有空間の固有値λの大きさは分散するため、λi>Paveとなる固有値が必ず存在する。そして、受信側アンテナ素子201−1〜201−n毎の平均受信電力に対する最大固有値の大きさの利得は、図6に示すように、受信側アンテナ素子201−1〜201−nの総数が増えるほど増大する。従って、本実施の形態では、図7に示すように、固有値選択部317がチャネル行列Hから生成されるMIMOチャネルの固有値Λにおける最大固有値λiを選択することにより、受信側アンテナ素子201−1〜201−n毎の平均SNRよりも高いSNRを確実に実現することができる。
ステップST450では、BSとMSとにおいてそれぞれ、ステップST440で選択された最大固有値を用いて秘密鍵が生成される。ステップST450では、量子化部327が固有値選択部317から入力されてくる最大固有値の大きさを既定の量子化ビット数で量子化して量子化データを生成し、生成した量子化データを鍵生成部337に入力する。そして、鍵生成部337は、この量子化データを既定の方式で繰り返したり、入れ替えたりして秘密鍵を生成する。
ステップST460では、BSとMSとがそれぞれ、個別に生成した秘密鍵が同一であるか否かを相互に確認する。本実施の形態では、BSとMSとがそれぞれ個別に生成した秘密鍵に復元不可能な不可逆変換を施し、BSがMSに対してこの不可逆変換を施した信号を無線送信する。そして、MSが、受信したこの信号と自装置で不可逆変換を施した信号とを対比して、それらの不可逆変換を施された信号が一致するか確認し、その確認結果を示す確認信号をBSに無線送信する。ちなみに、このような不可逆変換を施された信号としてハッシュ関数が例示される。
ステップST470−1では、BSは、MSから送信されてくる確認信号が不可逆変換を施された信号同士が一致することを示す場合には、引き続きステップST480−1を実行する。一方で、BSは、MSから送信されてくる確認信号が不可逆変換を施された信号同士が一致しないことを示す場合には、自装置で生成した秘密鍵を破棄して、再度ステップST410−1から実行し直す。
同様に、ステップST470−2では、MSは、不可逆変換された信号同士が一致する場合には、引き続きステップST480−2を実行し、一方で不可逆変換された信号同士が一致しない場合には、自装置の生成した秘密鍵を破棄して、再度ステップST410−2を実行し直す。
ステップST480では、BSとMSとがそれぞれ、個別に生成した秘密鍵を用いて無線通信を開始する。
このように、本実施の形態に係る無線通信装置200によれば、秘密鍵生成部207がMIMOチャネルの固有値における最大固有値を選択し、この最大固有値を用いて秘密鍵を生成するため、アンテナ素子201−1〜201−n毎の平均SNRよりも高いSNRを実現できることから、自装置と相手側装置との生成する秘密鍵が一致する確率を向上させることができる。
なお、本実施の形態に係る無線通信装置200について、次のように応用したり、変形したりしてもよい。
本実施の形態に係る無線通信装置200では、固有値選択部317が固有値検出部206から入力されてくるMIMOチャネルの固有値における最大固有値を選択する場合について説明したが、本発明はこの場合に限定されるものではなく、例えば固有値選択部317が固有値検出部206から入力されてくるMIMOチャネルの固有値の総和に対する比が所定値以上である固有値、即ち固有空間の固有値を選択し、図8に示す例ではMIMOチャネルの固有値における大きい方から順に3つの固有値を選択し、選択した固有値を量子化部327に入力するようにしてもよい。このようにすれば、量子化部327が量子化ビット数を増やすことなく量子化データのデータ量を増やすことができるため、BSとMSとが個別に生成する秘密鍵の一致する確率を低下させることなく、秘密鍵の安全性を向上させることができる。
また、本実施の形態では、ステップST410においてBS及びMSがアンテナ素子201−1〜201−nそれぞれから順にパイロット信号を無線送信する場合について説明したが、本発明はこの場合に限定されるものではなく、例えばステップST410においてBS及びMSがアンテナ素子201−1〜201−nそれぞれに固有の拡散符号を割り当てて、それらの拡散符号によって符号分割されたパイロット信号をアンテナ素子201−1〜201−nそれぞれから同時に無線送信するようにしてもよい。このようにすれば、受信側装置において、一つの受信信号がチャネル別に符号分割多重されていることになるため、パイロット信号の送受信に要する時間を短縮して秘密鍵を用いた通信を早期に開始することができる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2では、無線通信装置200が生成した秘密鍵に誤り訂正復号処理を行い、さらにその誤り訂正能力を最大固有値の大きさを基準にして制御する。そのため、本実施の形態に係る無線通信装置200は、実施の形態1に係る無線通信装置200における秘密鍵生成部207の代わりに図9に示す秘密鍵生成部907を具備する。以下、本実施の形態について、重複を避けるため、実施の形態1と相違する点についてのみ説明する。
本発明の実施の形態2では、無線通信装置200が生成した秘密鍵に誤り訂正復号処理を行い、さらにその誤り訂正能力を最大固有値の大きさを基準にして制御する。そのため、本実施の形態に係る無線通信装置200は、実施の形態1に係る無線通信装置200における秘密鍵生成部207の代わりに図9に示す秘密鍵生成部907を具備する。以下、本実施の形態について、重複を避けるため、実施の形態1と相違する点についてのみ説明する。
図9は、本実施の形態における秘密鍵生成部907の構成を示すブロック図である。秘密鍵生成部907は、固有値選択部317、量子化部327、鍵生成部337、不一致訂正制御部917及び不一致訂正部927を具備する。
不一致訂正制御部917は、固有値選択部317から入力されてくる最大固有値の大きさに基づいて、量子化部327に対して量子化ビット数を増減するように指示すると伴に、不一致訂正部927に対しても誤り訂正処理に利用する冗長データのデータ量を増減するように指示する。
不一致訂正部927は、鍵生成部337から入力されてくる秘密鍵について、誤り訂正符号化処理された信号とみなして、そのデータの一部、即ち不一致訂正制御部917から指示されたデータ量を冗長データとして扱うことにより、誤り訂正復号処理を行う。そして、不一致訂正部927は、誤り訂正復号処理後の秘密鍵を図示しない制御部等に入力する。なお、不一致訂正部927は、不一致訂正制御部917から冗長データとして利用するデータの位置を指示された場合には、その指示に従って秘密鍵に誤り訂正処理を施す。
次いで、秘密鍵生成部907の動作について、不一致訂正制御部917の動作を中心に図10を用いて詳細に説明する。
不一致訂正制御部917は、固有値選択部317から入力されてくる最大固有値の大きさに応じて、最大固有値が大きい場合(図10左枠内)には、量子化部327に対して量子化ビット数を減らして、生成する量子化データのデータ量を抑制するように指示する。また、不一致訂正部927に対して鍵生成部337から入力されてくる秘密鍵に含まれる抑制された冗長データのデータ量を通知する。
ここで、不一致訂正制御部917における最大固有値の大小の判定方法としては、例えばMIMOチャネルの固有値における固有空間毎の固有値の総和に対する最大固有値の大きさの割合で判定する方法が挙げられる。また、アンテナ素子201−1〜201−nの平均受信電力に対する最大固有値の大きさで判定する方法等が挙げられる。
固有値選択部317から入力されてくる最大固有値が大きいと不一致訂正制御部917が判定した場合は、その最大固有値について雑音の影響が小さい、即ちSNRが大きいことを意味するので、量子化部327における量子化ビット数を増やす必要はない。
一方で、不一致訂正制御部917は、固有値選択部317から入力されてくる最大固有値が小さい場合(図10右枠内)には、量子化部327に対して量子化ビット数を増やして、生成する量子化データのデータ量を増大するように指示する。また、不一致訂正部927に対して鍵生成部337から入力されてくる秘密鍵に含まれる増大された冗長データのデータ量を通知する。
固有値選択部317に入力されてくる最大固有値が小さいと不一致訂正制御部917が判定した場合には、その最大固有値については雑音の影響が大きい、即ちSNRが小さいことを意味するので、この雑音に由来する秘密鍵に潜在する誤差を訂正する必要が生じる。そこで、この場合には、不一致訂正制御部917は、量子化部327における量子化ビット数を増大させて秘密鍵に含まれる冗長データのデータ量を増やすことにより、不一致訂正部927による秘密鍵の誤り訂正能力を向上させる。
このように、本実施の形態に係る無線通信装置200によれば、秘密鍵生成部907において秘密鍵を誤り訂正符号化処理された信号とみなして誤り訂正復号処理するため、自装置と相手側装置とで個別に生成された秘密鍵同士が一致する確率をさらに向上させることができる。
また、本実施の形態では、不一致訂正制御部917が量子化部327における量子化ビット数と不一致訂正部927での冗長データのデータ量と共に制御するため、誤り訂正復号処理後の秘密鍵のデータ長(ビット数)を一定に保つことができ、図示しない制御部等における信号処理の負荷の増大を抑制することができる。
(実施の形態3)
一般に、秘密鍵は、そのデータ長が長いほど安全性が向上する。そこで、本発明に係る実施の形態3では、無線通信装置1100がMIMOチャネルの固有値の周波数応答を検出して、その固有値の周波数応答を組み合わせて秘密鍵を生成することにより、秘密鍵のデータ長を長くしてその安全性を高める態様について説明する。
一般に、秘密鍵は、そのデータ長が長いほど安全性が向上する。そこで、本発明に係る実施の形態3では、無線通信装置1100がMIMOチャネルの固有値の周波数応答を検出して、その固有値の周波数応答を組み合わせて秘密鍵を生成することにより、秘密鍵のデータ長を長くしてその安全性を高める態様について説明する。
本実施の形態に係る無線通信装置1100は、実施の形態1に係る無線通信装置200における各構成部と同様の機能を発揮する構成部を多く具備する。そこで、本実施の形態では、重複を避けるため、実施の形態1と実質的に相違する点についてのみ説明する。
図11は、本実施の形態に係る無線通信装置1100の構成を示すブロック図である。無線通信装置1100は、実施の形態1に係る無線通信装置200において、チャネル推定部204−1〜204−nの代わりにチャネル周波数応答推定部1104−1〜1104−nを、またチャネル行列生成部205の代わりにチャネル行列周波数応答生成部1105を、また固有値検出部206の代わりに固有値周波数応答検出部1106を、また秘密鍵生成部207の代わりに秘密鍵生成部1107を具備するものである。また、本実施の形態では、無線信号としてマルチキャリア信号、例えばOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)信号が使用される。
チャネル周波数応答推定部1104−1〜1104−nはそれぞれ、パイロット抽出部203−1〜203−nから入力されてくるパイロット信号のインパルス応答からチャネル毎の周波数応答を推定する。具体的には、チャネル周波数応答推定部1104−1〜1104−nは、パイロット信号であるOFDM信号のチャネル推定値の周波数応答、即ちOFDM信号のチャネル毎で、かつ、サブキャリア毎のチャネル推定値を算出する。チャネル周波数応答推定部1104−1〜1104−nは、算出したチャネル推定値の周波数応答をチャネル行列周波数応答生成部1105に入力する。
チャネル行列周波数応答生成部1105は、チャネル周波数応答推定部1104−1〜1104−nから入力されてくるチャネル推定値の周波数応答からチャネル行列の周波数応答、即ちOFDM信号のチャネル毎で、かつ、サブキャリア毎のチャネル推定値を要素とするMIMOチャネルのチャネル行列を生成する。そして、チャネル行列周波数応答生成部1105は、生成したチャネル行列の周波数応答を固有値周波数応答検出部1106に入力する。
固有値周波数応答検出部1106は、チャネル行列周波数応答生成部1105から入力されてくるチャネル行列の周波数応答を用いてMIMOチャネルの固有値の周波数応答、即ちOFDM信号のチャネル毎で、かつ、サブキャリア毎の固有値の集合を検出する。そして、固有値周波数応答検出部1106は、検出したMIMOチャネルの固有値の周波数応答を秘密鍵生成部1107に入力する。
秘密鍵生成部1107は、固有値周波数応答検出部1106から入力されてくるMIMOチャネルの固有値の周波数応答を用いて秘密鍵を生成する。この秘密鍵生成部1107における秘密鍵の生成の具体的態様について、次に説明する。
図12に、秘密鍵生成部1107の動作をより具体的に示す。図12の上段には、固有値周波数応答検出部1106から入力されてくるMIMOチャネルの固有値の周波数応答における特定固有空間の固有値の周波数応答が記載されている。なお、MIMOチャネルの固有値の周波数応答から図12の上段に示す特定固有空間の固有値の周波数応答を選択する態様としては、例えば固有空間毎の固有値の周波数応答の平均値が最大の固有空間を選択する態様が挙げられる。
また、秘密鍵生成部1107は、選択した特定固有空間の固有値の周波数応答について、各周波数、即ちサブキャリア毎の固有値の大きさを既定の量子化ビット数で量子化して量子化データを生成する。ここで、秘密鍵生成部1107は、量子化ビット数を決定する際に、特定固有空間のサブキャリア毎の固有値のSNRを参照して量子化の幅を雑音の大きさよりも十分大きくとることにより、雑音の影響の小さい量子化データを生成することができる。
そして、秘密鍵生成部1107は、生成した量子化データを適宜選択して組み合わせることにより、データ長が長く安全性の高い秘密鍵を生成することができる。また、秘密鍵生成部1107は、この量子化データを適宜選択して組み合わせる際に、SNRが高い固有値から生成された量子化データのみを選択することにより、自装置と相手側装置とで個別に生成された秘密鍵が一致する確立を向上させることができる。
このように、本実施の形態に係る無線通信装置1100によれば、MIMOチャネルの固有値における特定固有空間の固有値の周波数応答から量子化データが生成されるため、雑音の影響が少ない良質な量子化データを多量に得ることができる。さらに、この良質な多量の量子化データを用いて秘密鍵が生成されるため、秘密鍵のデータ長を長くすることができ、その安全性を高めることができる。
なお、本実施の形態では、秘密鍵のデータ長を長くするために、周波数応答を用いて多量の量子化データを得ているが、時間応答を用いて多量の量子化データを得ることも可能である。つまり、長い時間にわたりMIMOチャネルの固有値を得ることで、多量の量子化データを得ることができ、本実施の形態と同様に、秘密鍵のデータ長を長くすることができ、その安全性を高めることができる。
なお、前記各実施の形態では、MIMOチャネルのチャネル行列から線形演算もしくは非線形演算により生成される情報としてMIMOチャネルの固有値を用いる場合について説明したが、本発明はこの場合に限定されるものではなく、例えばチャネル行列から線形演算もしくは非線形演算により生成される情報としてチャネル間の相関関係を示す相関係数、チャネル行列同士の相関関係を示す相関行列又は固有値分解で得られる固有ベクトルを用いてもよい。
前記各実施の形態では、本発明をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本発明はソフトウェアで実現することも可能である。
また、前記各実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適応等が可能性としてありえる。
本発明の第1の態様は、MIMOチャネルの無線信号を受信する複数のアンテナと、前記アンテナによる受信信号のチャネル推定値をチャネル毎に算出するチャネル推定手段と、算出されたチャネル推定値からMIMOチャネルのチャネル行列を生成するチャネル行列生成手段と、生成されたチャネル行列から線形演算もしくは非線形演算により生成される情報を用いて秘密鍵を生成する秘密鍵生成手段と、を具備する無線通信装置である。
本発明の第2の態様は、前記発明において、生成されたチャネル行列からMIMOチャネルの固有値を検出する固有値検出手段をさらに具備し、前記秘密鍵生成手段は、検出されたMIMOチャネルの固有値を用いて秘密鍵を生成する、無線通信装置である。
本発明の第3の態様は、前記発明において、前記秘密鍵生成手段は、検出されたMIMOチャネルの固有値における最大固有値を用いて秘密鍵を生成する、無線通信装置である。
本発明の第4の態様は、前記発明において、前記秘密鍵生成手段は、検出されたMIMOチャネルの固有値の総和に対する比が所定値以上である固有値を用いて秘密鍵を生成する、無線通信装置である。
本発明の第5の態様は、前記発明において、前記秘密鍵生成手段は、検出されたMIMOチャネルの固有値の大きさを量子化して量子化データを生成する量子化手段と、生成された量子化データから鍵データを生成する鍵生成手段と、生成された鍵データの一部を冗長データとして用いて前記鍵データを誤り訂正処理する訂正手段と、を具備する無線通信装置である。
本発明の第6の態様は、前記発明において、前記秘密鍵生成手段は、検出されたMIMOチャネルの固有値の大きさを測定し、測定された固有値の大きさに応じて、前記量子化手段の量子化ビット数を減少させる場合には、前記訂正手段に冗長データとして用いるデータ量を減少させ、一方で前記量子化手段の量子化ビット数を増加させる場合には、前記訂正手段に冗長データとして用いるデータ量を増加させる、制御手段をさらに具備する無線通信装置である。
本発明の第7の態様は、前記発明において、前記アンテナによる受信信号がマルチキャリア信号であって、前記チャネル推定手段は、受信されたマルチキャリア信号のチャネル推定値の周波数応答を算出し、前記チャネル行列生成手段は、算出されたチャネル推定値の周波数応答からチャネル行列の周波数応答を生成し、前記固有値検出手段は、生成されたチャネル行列の周波数応答からMIMOチャネルの固有値の周波数応答を検出し、前記秘密鍵生成手段は、前記固有値検出手段によって検出されたMIMOチャネルの固有値の周波数応答を用いて秘密鍵を生成する、無線通信装置である。
本発明の第8の態様は、MIMOチャネルの無線信号を複数のアンテナで受信する受信ステップと、前記アンテナによる受信信号のチャネル推定値をチャネル毎に算出するチャネル推定ステップと、算出されたチャネル推定値からMIMOチャネルのチャネル行列を生成するチャネル行列生成ステップと、生成されたチャネル行列から線形演算もしくは非線形演算により生成される情報を用いて秘密鍵を生成する秘密鍵生成ステップと、を具備する無線通信方法である。
本明細書は、2004年7月29日出願の特願2004−222389に基づくものである。この内容は全てここに含めておく。
本発明に係る無線通信装置は、MIMO技術の特性を活用することによって無線信号を第三者に傍受されてもこの第三者の生成する秘密鍵と異なる秘密鍵を生成することができるという効果を有し、MIMO技術を利用した無線通信システムで使用される無線通信方法等として有用である。
本発明は、複数のアンテナ素子から送信された無線信号を複数のアンテナ素子で受信して無線通信を行うMIMO(Multiple Input Multiple Output)技術を利用した無線通信システムにおいて使用される無線通信装置及び無線通信方法に関する。
携帯電話システムや無線LANをはじめとする移動体無線通信システムの普及に伴い、このシステム上で個人情報や企業の機密情報等の秘密情報を送受信する機会が増加している。移動体無線通信システムでは、第三者が無線信号を容易に傍受できるため、無線信号が傍受されてもその内容を盗聴されないように、暗号化技術が用いられる場合がある。
暗号化技術の一方式に、鍵を送信側と受信側との双方で秘密裏に共有する秘密鍵方式がある。移動体無線通信システムでは、無線信号が第三者に傍受されるおそれがあるため、一方の無線通信装置が鍵を生成してその鍵を他方に無線送信することができない。そこで、双方で共通な鍵を個別に生成することが必要となる。
このような秘密鍵方式の暗号化技術を適用した移動体無線通信システムが知られている(例えば特許文献1参照)。特許文献1に記載された技術では、時分割複信(TDD:Time Division Duplex)方式を前提として、通信を行う双方において、伝搬路の遅延プロファイルを推定し、推定された遅延プロファイルの複素振幅情報、電力情報又は位相情報のいずれかを用いて秘密鍵を生成する。
特開2003−273856号公報
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、通信を行う双方で同じ秘密鍵が生成される確率は、受信側無線通信装置における遅延プロファイルの精度に依存するため、受信側無線通信装置における信号対雑音比(SNR:Signal-to-Noise Ratio)が小さくなると低下してしまう問題がある。
そこで、この問題を解決するために、無線信号の送信電力を高くすることが考えられるが、そのようにすると、受信側無線通信装置と伝搬路環境の近似する第三者の受信電力までもが高くなる。このため、この第三者が受信側無線通信装置の生成した秘密鍵と同一の秘密鍵を独自に生成してしまう危険性も高くなる。
本発明の目的は、秘密鍵方式が適用される無線通信システムにおいて、受信側無線通信装置と伝搬路環境の近似する第三者に無線信号を傍受されても、この第三者が生成する秘密鍵と異なる秘密鍵を生成することのできる無線通信装置及び無線通信方法を提供することである。
本発明に係る無線通信装置は、MIMOチャネルの無線信号を受信する複数のアンテナと、前記アンテナによる受信信号のチャネル推定値をチャネル毎に算出するチャネル推定手段と、算出されたチャネル推定値からMIMOチャネルのチャネル行列を生成するチャネル行列生成手段と、生成されたチャネル行列から線形演算もしくは非線形演算により生成される情報を用いて秘密鍵を生成する秘密鍵生成手段と、を具備する構成を採る。
本発明によれば、無線通信装置が、MIMOチャネルのチャネル行列から線形演算もしくは非線形演算により生成される情報、例えばMIMOチャネルの固有値を用いて秘密鍵を生成するため、無線信号を第三者に傍受されてもこの第三者の生成する秘密鍵と異なる秘密鍵を生成することができる。
本発明は、秘密鍵方式が適用される無線通信システムにおいてMIMO技術を利用するものであって、基地局装置(BS)や通信端末装置(MS)がMIMOチャネルのチャネル行列から線形演算もしくは非線形演算により生成される情報を用いて、秘密鍵を個別に生成するものである。
ここで、MIMO技術の概要について、図1A及び図1Bを用いて説明する。図1Aには、BSとMSとが共にアンテナ素子を1つずつ備え、このBSとMSとの間で無線通信が行われている通信態様を示す。また、図1Aでは、MSと物理的に近い所に第三者が位置しており、MSと第三者との伝搬路環境が近似しているものとする。
そのため、図1Aに示す通信態様では、BSからMSに送信された無線信号が第三者に傍受されることがある。このとき、MSと第三者とが共に受信信号から秘密鍵を同一方式で生成する場合には、MSの受信信号と第三者の受信信号との相関が高いことから、MSと第三者とがそれぞれ独自に秘密鍵を生成するとしても、生成された秘密鍵が同一となるおそれがある。
これに対し、図1Bに示すようなMIMO技術を利用した無線通信システムでは、BSの備える複数のアンテナ素子とMSの備える複数のアンテナ素子との間にそれぞれチャネルが形成される。即ち、MIMOチャネルが形成されることになる。このため、第三者がMSの近傍に位置するとしても、第三者がBSからMSに送信された全ての無線信号を傍受することは困難である上に、たとえ第三者が全ての無線信号を傍受できたとしても、第三者の傍受した全ての受信信号とMSの受信信号との相関は図1Aの通信態様の場合よりも確実に低下する。
従って、秘密鍵方式の適用される無線通信システムにおいてMIMO技術を利用すれば、第三者による無線信号の傍受を回避し易くなる上に、たとえ第三者によって全ての無線信号を傍受されたとしても、第三者がMSと同一の秘密鍵を生成してしまう危険性を低下させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図2は、本発明の実施の形態1に係る無線通信装置200の構成を示すブロック図である。なお、本実施の形態では、無線通信装置200は、無線通信システムを構成するBS及び携帯電話等のMSに共に搭載されるものとする。
図2は、本発明の実施の形態1に係る無線通信装置200の構成を示すブロック図である。なお、本実施の形態では、無線通信装置200は、無線通信システムを構成するBS及び携帯電話等のMSに共に搭載されるものとする。
無線通信装置200は、複数のアンテナ素子201−1〜201−n、複数の受信無線処理部202−1〜202−n、複数のパイロット抽出部203−1〜203−n、複数のチャネル推定部204−1〜204−n、チャネル行列生成部205、固有値検出部206、秘密鍵生成部207、パイロット発生部211及び複数の送信無線処理部212−1〜212−nを具備する。
アンテナ素子201−1〜201−nはそれぞれ、相手側装置における複数のアンテナ素子から送信された無線信号を捕捉して、その受信信号を受信無線処理部202−1〜202−nに入力する。
受信無線処理部202−1〜202−nはそれぞれ、バンドパスフィルタ、アナログ/ディジタル変換器及び低雑音アンプ等を具備して、アンテナ素子201−1〜201−nから入力されてくる受信信号に公知の受信信号処理を施し、処理後の受信信号をパイロット抽出部203−1〜203−nに入力する。
パイロット抽出部203−1〜203−nはそれぞれ、受信無線処理部202−1〜202−nから入力されてくる受信信号からパイロット信号を抽出して、抽出したパイロット信号をチャネル推定部204−1〜204−nに入力する。
チャネル推定部204−1〜204−nはそれぞれ、パイロット抽出部203−1〜203−nから入力されてくるパイロット信号を用いて、相手局装置における複数のアンテナ素子とアンテナ素子201−1〜201−nとの間に形成されるチャネル毎にチャネル推定を行い、算出されたチャネル毎のチャネル推定値をチャネル行列生成部205に入力する。
チャネル行列生成部205は、チャネル推定部204−1〜204−nからそれぞれ入力されてくるチャネル毎のチャネル推定値からMIMOチャネルのチャネル行列を生成し、生成したチャネル行列を固有値検出部206に入力する。なお、MIMOチャネルのチャネル行列及びその生成過程の詳細については後述する。
固有値検出部206は、チャネル行列生成部205から入力されてくるチャネル行列からMIMOチャネルの固有値を検出し、検出したMIMOチャネルの固有値を秘密鍵生成部207に入力する。なお、MIMOチャネルの固有値の検出過程の詳細についても後述する。
秘密鍵生成部207は、固有値検出部206から入力されてくるMIMOチャネルの固有値における最大固有値を選択し、選択した最大固有値を用いて秘密鍵を生成し、生成した秘密鍵を図示しない制御部等に入力する。
パイロット発生部211は、既定のタイミングでパイロット信号を生成し、生成したパイロット信号を送信無線処理部212−1〜212−nにそれぞれ入力する。
送信無線処理部212−1〜212−nはそれぞれ、バンドパスフィルタ、ディジタル/アナログ変換器及び低雑音アンプ等を具備し、パイロット発生部211から入力されてくるパイロット信号に所定の送信信号処理を施した後に、アンテナ素子201−1〜201−nを介してパイロット信号を無線送信する。
図3は、秘密鍵生成部207のより詳細な構成を示すブロック図である。秘密鍵生成部207は、固有値選択部317、量子化部327及び鍵生成部337を具備する。
固有値選択部317は、固有値検出部206から入力されてくるMIMOチャネルの固有値における最大固有値を選択し、選択した最大固有値を量子化部327に入力する。
量子化部327は、固有値選択部317から入力されてくる最大固有値の大きさを既定の量子化ビット数で量子化して量子化データを生成し、生成した量子化データを鍵生成部337に入力する。
鍵生成部337は、量子化部327から入力されてくる量子化データを所定回数繰り返してデータ長を伸長する等の所定の方式で秘密鍵を生成し、生成した秘密鍵を図示しない制御部等に入力する。
次いで、無線通信装置200における各構成部の動作について、図4〜図7を参照しつつ説明する。
図4は、無線通信装置200を具備するBSと無線通信装置200を具備するMSとにおいてそれぞれ同一の秘密鍵が生成され、これらの間で通信が開始されるまでのステップを示すフロー図である。また、図4では、BSによる各ステップに枝番号「1」を付し、同様にMSによる各ステップに枝番号「2」を付す。なお、以下では、BSとMSとの動作が同一であるステップについては、重複説明を避けるため、枝番号を付さずに説明する。
ステップST410では、BSとMSとが互いにアンテナ素子201−1〜201−nそれぞれから順にパイロット信号を無線送信し、送信されたパイロット信号を受信側装置が全てのアンテナ素子201−1〜201−nで順次受信する。
ステップST420では、BSとMSとにおいてそれぞれ、チャネル推定部204がBSのアンテナ素子201−1〜201−nとMSのアンテナ素子201−1〜201−nとの間に形成されたチャネル毎にチャネル推定を行う。
ステップST430では、BSとMSとにおいてそれぞれ、チャネル推定部204がステップST420で算出されたチャネル推定値からMIMOチャネルのチャネル行列を生成する。下記「式1」に、チャネル行列Hを例示する。このチャネル行列Hにおける各要素h(i,j)は、送信側装置におけるj番目のアンテナ素子201−jから送信されて受信側装置のi番目のアンテナ素子201−iに受信されたパイロット信号のチャネル推定値を示す。なお、Mは送信側アンテナ素子の総数を示し、Nは受信側アンテナ素子の総数を示す。よって、本実施の形態では、M及びNは共に「n」となる。
ステップST440では、BSとMSとにおいてそれぞれ、式1で示されるチャネル行列Hを用いてMIMOチャネルの固有値を検出する。この固有値の検出方法としては、例えばチャネル行列Hから相関行列を計算して、その相関行列を固有値・固有ベクトル分解することで固有値を算出する方法が挙げられる。また、チャネル行列を特異値分解することで得られる特異値を二乗して固有値を算出する方法等が挙げられる。本実施の形態では、前者の方法を採用する。相関行列Rは、チャネル行列Hを用いて下記「式2」で表される。なお、式2における上付き添え字「H」は共役転置であることを示す。
図5に、MIMOチャネルの固有値と各チャネルとの関係の意義を示す。MIMO技術では、BSとMSとの間に存在する平均電力が同じ複数のチャネルは、複数の固有空間に変換できる。そして、その固有空間の電力を表すものがMIMOチャネルの固有値である。より具体的には、MIMOチャネルの固有値とは、図5下段に示すように、BSのアンテナ素子201−1〜201−nとMSのアンテナ素子201−1〜201−nとの間にそれぞれ一対一のチャネルが形成されるとみなすために必要な条件であると言える。ここで、式3におけるMIMOチャネルの固有値Λにおける固有空間毎の固有値λを大きい方から順に並べると、下記「式4」で示すようになる。
式4において、λi(1<=i<=L)はMIMOチャネルの固有値Λにおけるi番目の大きさの固有空間の固有値を示し、Lはチャネル行列のランク(階数)、即ちBSのアンテナ素子の総数とMSのアンテナ素子の総数との少ない方の総数を示す。なお、本実施の形態では、式4におけるLはnとなる。また、この固有空間毎の固有値λの大きさは固有空間の電力を表すため、受信側装置における固有空間の固有値λの総和は、受信総電力に相当することになる。従って、総電力をPtotal、L=Nとすると、下記「式5」に示す関係が成り立つ。
式4に示すように、固有空間の固有値λの大きさは分散するため、λi>Paveとなる固有値が必ず存在する。そして、受信側アンテナ素子201−1〜201−n毎の平均受信電力に対する最大固有値の大きさの利得は、図6に示すように、受信側アンテナ素子201−1〜201−nの総数が増えるほど増大する。従って、本実施の形態では、図7に示すように、固有値選択部317がチャネル行列Hから生成されるMIMOチャネルの固有値Λにおける最大固有値λiを選択することにより、受信側アンテナ素子201−1〜201−n毎の平均SNRよりも高いSNRを確実に実現することができる。
ステップST450では、BSとMSとにおいてそれぞれ、ステップST440で選択された最大固有値を用いて秘密鍵が生成される。ステップST450では、量子化部327が固有値選択部317から入力されてくる最大固有値の大きさを既定の量子化ビット数で量子化して量子化データを生成し、生成した量子化データを鍵生成部337に入力する。そして、鍵生成部337は、この量子化データを既定の方式で繰り返したり、入れ替えたりして秘密鍵を生成する。
ステップST460では、BSとMSとがそれぞれ、個別に生成した秘密鍵が同一であるか否かを相互に確認する。本実施の形態では、BSとMSとがそれぞれ個別に生成した秘密鍵に復元不可能な不可逆変換を施し、BSがMSに対してこの不可逆変換を施した信号を無線送信する。そして、MSが、受信したこの信号と自装置で不可逆変換を施した信号とを対比して、それらの不可逆変換を施された信号が一致するか確認し、その確認結果を示す確認信号をBSに無線送信する。ちなみに、このような不可逆変換を施された信号としてハッシュ関数が例示される。
ステップST470−1では、BSは、MSから送信されてくる確認信号が不可逆変換を施された信号同士が一致することを示す場合には、引き続きステップST480−1を実行する。一方で、BSは、MSから送信されてくる確認信号が不可逆変換を施された信号同士が一致しないことを示す場合には、自装置で生成した秘密鍵を破棄して、再度ステップST410−1から実行し直す。
同様に、ステップST470−2では、MSは、不可逆変換された信号同士が一致する場合には、引き続きステップST480−2を実行し、一方で不可逆変換された信号同士が一致しない場合には、自装置の生成した秘密鍵を破棄して、再度ステップST410−2を実行し直す。
ステップST480では、BSとMSとがそれぞれ、個別に生成した秘密鍵を用いて無線通信を開始する。
このように、本実施の形態に係る無線通信装置200によれば、秘密鍵生成部207がMIMOチャネルの固有値における最大固有値を選択し、この最大固有値を用いて秘密鍵を生成するため、アンテナ素子201−1〜201−n毎の平均SNRよりも高いSNRを実現できることから、自装置と相手側装置との生成する秘密鍵が一致する確率を向上させることができる。
なお、本実施の形態に係る無線通信装置200について、次のように応用したり、変形したりしてもよい。
本実施の形態に係る無線通信装置200では、固有値選択部317が固有値検出部206から入力されてくるMIMOチャネルの固有値における最大固有値を選択する場合について説明したが、本発明はこの場合に限定されるものではなく、例えば固有値選択部317が固有値検出部206から入力されてくるMIMOチャネルの固有値の総和に対する比が所定値以上である固有値、即ち固有空間の固有値を選択し、図8に示す例ではMIMOチャネルの固有値における大きい方から順に3つの固有値を選択し、選択した固有値を量子化部327に入力するようにしてもよい。このようにすれば、量子化部327が量子化ビット数を増やすことなく量子化データのデータ量を増やすことができるため、BSとMSとが個別に生成する秘密鍵の一致する確率を低下させることなく、秘密鍵の安全性を向上させることができる。
また、本実施の形態では、ステップST410においてBS及びMSがアンテナ素子201−1〜201−nそれぞれから順にパイロット信号を無線送信する場合について説明したが、本発明はこの場合に限定されるものではなく、例えばステップST410においてBS及びMSがアンテナ素子201−1〜201−nそれぞれに固有の拡散符号を割り当てて、それらの拡散符号によって符号分割されたパイロット信号をアンテナ素子201−1〜201−nそれぞれから同時に無線送信するようにしてもよい。このようにすれば、受信側装置において、一つの受信信号がチャネル別に符号分割多重されていることになるため、パイロット信号の送受信に要する時間を短縮して秘密鍵を用いた通信を早期に開始することができる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2では、無線通信装置200が生成した秘密鍵に誤り訂正復号処理を行い、さらにその誤り訂正能力を最大固有値の大きさを基準にして制御する。そのため、本実施の形態に係る無線通信装置200は、実施の形態1に係る無線通信装置200における秘密鍵生成部207の代わりに図9に示す秘密鍵生成部907を具備する。以下、本実施の形態について、重複を避けるため、実施の形態1と相違する点についてのみ説明する。
本発明の実施の形態2では、無線通信装置200が生成した秘密鍵に誤り訂正復号処理を行い、さらにその誤り訂正能力を最大固有値の大きさを基準にして制御する。そのため、本実施の形態に係る無線通信装置200は、実施の形態1に係る無線通信装置200における秘密鍵生成部207の代わりに図9に示す秘密鍵生成部907を具備する。以下、本実施の形態について、重複を避けるため、実施の形態1と相違する点についてのみ説明する。
図9は、本実施の形態における秘密鍵生成部907の構成を示すブロック図である。秘密鍵生成部907は、固有値選択部317、量子化部327、鍵生成部337、不一致訂正制御部917及び不一致訂正部927を具備する。
不一致訂正制御部917は、固有値選択部317から入力されてくる最大固有値の大きさに基づいて、量子化部327に対して量子化ビット数を増減するように指示すると伴に、不一致訂正部927に対しても誤り訂正処理に利用する冗長データのデータ量を増減するように指示する。
不一致訂正部927は、鍵生成部337から入力されてくる秘密鍵について、誤り訂正符号化処理された信号とみなして、そのデータの一部、即ち不一致訂正制御部917から指示されたデータ量を冗長データとして扱うことにより、誤り訂正復号処理を行う。そして、不一致訂正部927は、誤り訂正復号処理後の秘密鍵を図示しない制御部等に入力する。なお、不一致訂正部927は、不一致訂正制御部917から冗長データとして利用するデータの位置を指示された場合には、その指示に従って秘密鍵に誤り訂正処理を施す。
次いで、秘密鍵生成部907の動作について、不一致訂正制御部917の動作を中心に図10を用いて詳細に説明する。
不一致訂正制御部917は、固有値選択部317から入力されてくる最大固有値の大き
さに応じて、最大固有値が大きい場合(図10左枠内)には、量子化部327に対して量子化ビット数を減らして、生成する量子化データのデータ量を抑制するように指示する。また、不一致訂正部927に対して鍵生成部337から入力されてくる秘密鍵に含まれる抑制された冗長データのデータ量を通知する。
さに応じて、最大固有値が大きい場合(図10左枠内)には、量子化部327に対して量子化ビット数を減らして、生成する量子化データのデータ量を抑制するように指示する。また、不一致訂正部927に対して鍵生成部337から入力されてくる秘密鍵に含まれる抑制された冗長データのデータ量を通知する。
ここで、不一致訂正制御部917における最大固有値の大小の判定方法としては、例えばMIMOチャネルの固有値における固有空間毎の固有値の総和に対する最大固有値の大きさの割合で判定する方法が挙げられる。また、アンテナ素子201−1〜201−nの平均受信電力に対する最大固有値の大きさで判定する方法等が挙げられる。
固有値選択部317から入力されてくる最大固有値が大きいと不一致訂正制御部917が判定した場合は、その最大固有値について雑音の影響が小さい、即ちSNRが大きいことを意味するので、量子化部327における量子化ビット数を増やす必要はない。
一方で、不一致訂正制御部917は、固有値選択部317から入力されてくる最大固有値が小さい場合(図10右枠内)には、量子化部327に対して量子化ビット数を増やして、生成する量子化データのデータ量を増大するように指示する。また、不一致訂正部927に対して鍵生成部337から入力されてくる秘密鍵に含まれる増大された冗長データのデータ量を通知する。
固有値選択部317に入力されてくる最大固有値が小さいと不一致訂正制御部917が判定した場合には、その最大固有値については雑音の影響が大きい、即ちSNRが小さいことを意味するので、この雑音に由来する秘密鍵に潜在する誤差を訂正する必要が生じる。そこで、この場合には、不一致訂正制御部917は、量子化部327における量子化ビット数を増大させて秘密鍵に含まれる冗長データのデータ量を増やすことにより、不一致訂正部927による秘密鍵の誤り訂正能力を向上させる。
このように、本実施の形態に係る無線通信装置200によれば、秘密鍵生成部907において秘密鍵を誤り訂正符号化処理された信号とみなして誤り訂正復号処理するため、自装置と相手側装置とで個別に生成された秘密鍵同士が一致する確率をさらに向上させることができる。
また、本実施の形態では、不一致訂正制御部917が量子化部327における量子化ビット数と不一致訂正部927での冗長データのデータ量と共に制御するため、誤り訂正復号処理後の秘密鍵のデータ長(ビット数)を一定に保つことができ、図示しない制御部等における信号処理の負荷の増大を抑制することができる。
(実施の形態3)
一般に、秘密鍵は、そのデータ長が長いほど安全性が向上する。そこで、本発明に係る実施の形態3では、無線通信装置1100がMIMOチャネルの固有値の周波数応答を検出して、その固有値の周波数応答を組み合わせて秘密鍵を生成することにより、秘密鍵のデータ長を長くしてその安全性を高める態様について説明する。
一般に、秘密鍵は、そのデータ長が長いほど安全性が向上する。そこで、本発明に係る実施の形態3では、無線通信装置1100がMIMOチャネルの固有値の周波数応答を検出して、その固有値の周波数応答を組み合わせて秘密鍵を生成することにより、秘密鍵のデータ長を長くしてその安全性を高める態様について説明する。
本実施の形態に係る無線通信装置1100は、実施の形態1に係る無線通信装置200における各構成部と同様の機能を発揮する構成部を多く具備する。そこで、本実施の形態では、重複を避けるため、実施の形態1と実質的に相違する点についてのみ説明する。
図11は、本実施の形態に係る無線通信装置1100の構成を示すブロック図である。無線通信装置1100は、実施の形態1に係る無線通信装置200において、チャネル推定部204−1〜204−nの代わりにチャネル周波数応答推定部1104−1〜110
4−nを、またチャネル行列生成部205の代わりにチャネル行列周波数応答生成部1105を、また固有値検出部206の代わりに固有値周波数応答検出部1106を、また秘密鍵生成部207の代わりに秘密鍵生成部1107を具備するものである。また、本実施の形態では、無線信号としてマルチキャリア信号、例えばOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)信号が使用される。
4−nを、またチャネル行列生成部205の代わりにチャネル行列周波数応答生成部1105を、また固有値検出部206の代わりに固有値周波数応答検出部1106を、また秘密鍵生成部207の代わりに秘密鍵生成部1107を具備するものである。また、本実施の形態では、無線信号としてマルチキャリア信号、例えばOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)信号が使用される。
チャネル周波数応答推定部1104−1〜1104−nはそれぞれ、パイロット抽出部203−1〜203−nから入力されてくるパイロット信号のインパルス応答からチャネル毎の周波数応答を推定する。具体的には、チャネル周波数応答推定部1104−1〜1104−nは、パイロット信号であるOFDM信号のチャネル推定値の周波数応答、即ちOFDM信号のチャネル毎で、かつ、サブキャリア毎のチャネル推定値を算出する。チャネル周波数応答推定部1104−1〜1104−nは、算出したチャネル推定値の周波数応答をチャネル行列周波数応答生成部1105に入力する。
チャネル行列周波数応答生成部1105は、チャネル周波数応答推定部1104−1〜1104−nから入力されてくるチャネル推定値の周波数応答からチャネル行列の周波数応答、即ちOFDM信号のチャネル毎で、かつ、サブキャリア毎のチャネル推定値を要素とするMIMOチャネルのチャネル行列を生成する。そして、チャネル行列周波数応答生成部1105は、生成したチャネル行列の周波数応答を固有値周波数応答検出部1106に入力する。
固有値周波数応答検出部1106は、チャネル行列周波数応答生成部1105から入力されてくるチャネル行列の周波数応答を用いてMIMOチャネルの固有値の周波数応答、即ちOFDM信号のチャネル毎で、かつ、サブキャリア毎の固有値の集合を検出する。そして、固有値周波数応答検出部1106は、検出したMIMOチャネルの固有値の周波数応答を秘密鍵生成部1107に入力する。
秘密鍵生成部1107は、固有値周波数応答検出部1106から入力されてくるMIMOチャネルの固有値の周波数応答を用いて秘密鍵を生成する。この秘密鍵生成部1107における秘密鍵の生成の具体的態様について、次に説明する。
図12に、秘密鍵生成部1107の動作をより具体的に示す。図12の上段には、固有値周波数応答検出部1106から入力されてくるMIMOチャネルの固有値の周波数応答における特定固有空間の固有値の周波数応答が記載されている。なお、MIMOチャネルの固有値の周波数応答から図12の上段に示す特定固有空間の固有値の周波数応答を選択する態様としては、例えば固有空間毎の固有値の周波数応答の平均値が最大の固有空間を選択する態様が挙げられる。
また、秘密鍵生成部1107は、選択した特定固有空間の固有値の周波数応答について、各周波数、即ちサブキャリア毎の固有値の大きさを既定の量子化ビット数で量子化して量子化データを生成する。ここで、秘密鍵生成部1107は、量子化ビット数を決定する際に、特定固有空間のサブキャリア毎の固有値のSNRを参照して量子化の幅を雑音の大きさよりも十分大きくとることにより、雑音の影響の小さい量子化データを生成することができる。
そして、秘密鍵生成部1107は、生成した量子化データを適宜選択して組み合わせることにより、データ長が長く安全性の高い秘密鍵を生成することができる。また、秘密鍵生成部1107は、この量子化データを適宜選択して組み合わせる際に、SNRが高い固有値から生成された量子化データのみを選択することにより、自装置と相手側装置とで個別に生成された秘密鍵が一致する確立を向上させることができる。
このように、本実施の形態に係る無線通信装置1100によれば、MIMOチャネルの固有値における特定固有空間の固有値の周波数応答から量子化データが生成されるため、雑音の影響が少ない良質な量子化データを多量に得ることができる。さらに、この良質な多量の量子化データを用いて秘密鍵が生成されるため、秘密鍵のデータ長を長くすることができ、その安全性を高めることができる。
なお、本実施の形態では、秘密鍵のデータ長を長くするために、周波数応答を用いて多量の量子化データを得ているが、時間応答を用いて多量の量子化データを得ることも可能である。つまり、長い時間にわたりMIMOチャネルの固有値を得ることで、多量の量子化データを得ることができ、本実施の形態と同様に、秘密鍵のデータ長を長くすることができ、その安全性を高めることができる。
なお、前記各実施の形態では、MIMOチャネルのチャネル行列から線形演算もしくは非線形演算により生成される情報としてMIMOチャネルの固有値を用いる場合について説明したが、本発明はこの場合に限定されるものではなく、例えばチャネル行列から線形演算もしくは非線形演算により生成される情報としてチャネル間の相関関係を示す相関係数、チャネル行列同士の相関関係を示す相関行列又は固有値分解で得られる固有ベクトルを用いてもよい。
前記各実施の形態では、本発明をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本発明はソフトウェアで実現することも可能である。
また、前記各実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適応等が可能性としてありえる。
本発明の第1の態様は、MIMOチャネルの無線信号を受信する複数のアンテナと、前記アンテナによる受信信号のチャネル推定値をチャネル毎に算出するチャネル推定手段と、算出されたチャネル推定値からMIMOチャネルのチャネル行列を生成するチャネル行列生成手段と、生成されたチャネル行列から線形演算もしくは非線形演算により生成される情報を用いて秘密鍵を生成する秘密鍵生成手段と、を具備する無線通信装置である。
本発明の第2の態様は、前記発明において、生成されたチャネル行列からMIMOチャネルの固有値を検出する固有値検出手段をさらに具備し、前記秘密鍵生成手段は、検出されたMIMOチャネルの固有値を用いて秘密鍵を生成する、無線通信装置である。
本発明の第3の態様は、前記発明において、前記秘密鍵生成手段は、検出されたMIMOチャネルの固有値における最大固有値を用いて秘密鍵を生成する、無線通信装置である。
本発明の第4の態様は、前記発明において、前記秘密鍵生成手段は、検出されたMIMOチャネルの固有値の総和に対する比が所定値以上である固有値を用いて秘密鍵を生成する、無線通信装置である。
本発明の第5の態様は、前記発明において、前記秘密鍵生成手段は、検出されたMIMOチャネルの固有値の大きさを量子化して量子化データを生成する量子化手段と、生成された量子化データから鍵データを生成する鍵生成手段と、生成された鍵データの一部を冗長データとして用いて前記鍵データを誤り訂正処理する訂正手段と、を具備する無線通信装置である。
本発明の第6の態様は、前記発明において、前記秘密鍵生成手段は、検出されたMIMOチャネルの固有値の大きさを測定し、測定された固有値の大きさに応じて、前記量子化手段の量子化ビット数を減少させる場合には、前記訂正手段に冗長データとして用いるデータ量を減少させ、一方で前記量子化手段の量子化ビット数を増加させる場合には、前記訂正手段に冗長データとして用いるデータ量を増加させる、制御手段をさらに具備する無線通信装置である。
本発明の第7の態様は、前記発明において、前記アンテナによる受信信号がマルチキャリア信号であって、前記チャネル推定手段は、受信されたマルチキャリア信号のチャネル推定値の周波数応答を算出し、前記チャネル行列生成手段は、算出されたチャネル推定値の周波数応答からチャネル行列の周波数応答を生成し、前記固有値検出手段は、生成されたチャネル行列の周波数応答からMIMOチャネルの固有値の周波数応答を検出し、前記秘密鍵生成手段は、前記固有値検出手段によって検出されたMIMOチャネルの固有値の周波数応答を用いて秘密鍵を生成する、無線通信装置である。
本発明の第8の態様は、MIMOチャネルの無線信号を複数のアンテナで受信する受信ステップと、前記アンテナによる受信信号のチャネル推定値をチャネル毎に算出するチャネル推定ステップと、算出されたチャネル推定値からMIMOチャネルのチャネル行列を生成するチャネル行列生成ステップと、生成されたチャネル行列から線形演算もしくは非線形演算により生成される情報を用いて秘密鍵を生成する秘密鍵生成ステップと、を具備する無線通信方法である。
本明細書は、2004年7月29日出願の特願2004−222389に基づくものである。この内容は全てここに含めておく。
本発明に係る無線通信装置は、MIMO技術の特性を活用することによって無線信号を第三者に傍受されてもこの第三者の生成する秘密鍵と異なる秘密鍵を生成することができるという効果を有し、MIMO技術を利用した無線通信システムで使用される無線通信方法等として有用である。
Claims (8)
- MIMOチャネルの無線信号を受信する複数のアンテナと、
前記アンテナによる受信信号のチャネル推定値をチャネル毎に算出するチャネル推定手段と、
算出されたチャネル推定値からMIMOチャネルのチャネル行列を生成するチャネル行列生成手段と、
生成されたチャネル行列から線形演算もしくは非線形演算により生成される情報を用いて秘密鍵を生成する秘密鍵生成手段と、を具備する無線通信装置。 - 生成されたチャネル行列からMIMOチャネルの固有値を検出する固有値検出手段をさらに具備し、
前記秘密鍵生成手段は、検出されたMIMOチャネルの固有値を用いて秘密鍵を生成する、請求項1記載の無線通信装置。 - 前記秘密鍵生成手段は、検出されたMIMOチャネルの固有値における最大固有値を用いて秘密鍵を生成する、請求項2記載の無線通信装置。
- 前記秘密鍵生成手段は、検出されたMIMOチャネルの固有値の総和に対する比が所定値以上である固有値を用いて秘密鍵を生成する、請求項2記載の無線通信装置。
- 前記秘密鍵生成手段は、
検出されたMIMOチャネルの固有値の大きさを量子化して量子化データを生成する量子化手段と、
生成された量子化データから鍵データを生成する鍵生成手段と、
生成された鍵データの一部を冗長データとして用いて前記鍵データを誤り訂正処理する訂正手段と、を具備する請求項2記載の無線通信装置。 - 前記秘密鍵生成手段は、
検出されたMIMOチャネルの固有値の大きさを測定し、測定された固有値の大きさに応じて、前記量子化手段の量子化ビット数を減少させる場合には、前記訂正手段に冗長データとして用いるデータ量を減少させ、一方で前記量子化手段の量子化ビット数を増加させる場合には、前記訂正手段に冗長データとして用いるデータ量を増加させる、制御手段をさらに具備する、請求項5記載の無線通信装置。 - 前記アンテナによる受信信号がマルチキャリア信号であって、
前記チャネル推定手段は、受信されたマルチキャリア信号のチャネル推定値の周波数応答を算出し、
前記チャネル行列生成手段は、算出されたチャネル推定値の周波数応答からチャネル行列の周波数応答を生成し、
前記固有値検出手段は、生成されたチャネル行列の周波数応答からMIMOチャネルの固有値の周波数応答を検出し、
前記秘密鍵生成手段は、前記固有値検出手段によって検出されたMIMOチャネルの固有値の周波数応答を用いて秘密鍵を生成する、請求項2記載の無線通信装置。 - MIMOチャネルの無線信号を複数のアンテナで受信する受信ステップと、
前記アンテナによる受信信号のチャネル推定値をチャネル毎に算出するチャネル推定ステップと、
算出されたチャネル推定値からMIMOチャネルのチャネル行列を生成するチャネル行列生成ステップと、
生成されたチャネル行列から線形演算もしくは非線形演算により生成される情報を用いて秘密鍵を生成する秘密鍵生成ステップと、を具備する無線通信方法。
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