JPWO2006003968A1 - 凍結融解による濃縮物及び懸濁固形分分離装置 - Google Patents
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Abstract
本発明は、濃縮物を簡便に製造することができる、凍結融解による濃縮物及び懸濁固形分分離装置を提供する。本発明は、特に、温度が異なる同一の流体を冷媒及び温媒として用いることにより、簡単な構造を有する、凍結融解による濃縮物及び懸濁固形分分離装置を提供する。本発明は、冷媒又は温媒が流れる流路を内部に有する凍結融解器を凍結融解槽内に備え、且つ冷媒と温媒とは温度が異なる同一流体であり、該流体の温度を制御する流体温度制御器を備える、凍結融解による濃縮物及び懸濁固形分分離装置であって、凍結融解槽に濃縮すべき液及び/又は固形分分離すべき液を満たし、流路に冷媒を流すことにより凍結融解器の外部構造に沿って濃縮すべき液及び/又は固形分分離すべき液を凍結させて外部構造に付着した凍結塊を得て、外部構造は、凍結塊の比表面積が1.7以上となる構造を有し、その後、温媒を流路に流すことにより凍結塊を融解して濃縮物及び/又は固形分を得る、装置を提供する。
Description
本発明は、凍結融解による濃縮物及び懸濁固形分分離装置に関する。特に、本発明は、比表面積が2以上の凍結物を形成し融解速度を制御することにより濃縮物を製造するか、及び/又は固形分を分離する、凍結融解による濃縮物及び懸濁固形分分離装置に関する。
成分Aを溶解する溶液Xであって懸濁固形分Bを含む溶液Xとして、多種多様なものが存在し、例えば液状食品から汚泥などの廃棄物に至るまでのものを挙げることができる。このような溶液Xから、目的成分Aの濃縮物を得るには、水分の除去、及び所望により懸濁固形分の除去を要する。また、目的が懸濁固形分Bの分離の場合にも、同様に、水分の除去が必要となる。このように、ある溶液Xから目的成分Aの濃縮物を得る技術、及び/又は懸濁固形分Bを分離する技術は、食品産業、環境産業、医薬品産業、及び化学産業など種々の産業上の応用が期待される、有用な技術である。
このような濃縮物を得る技術として、現在、a)蒸発法、b)膜濃縮法、又はc)凍結濃縮法などの濃縮法が用いられている。このうち、本発明者の一部は、凍結濃縮法を応用した方法であって、コストを低減し、且つ簡易に行うことができる濃縮物の製造方法を開発した(特許文献1参照のこと)。
WO03/072216 A1号公報。
しかしながら、上記濃縮物の製造方法を簡便に行う装置は、未だ開発されていなかった。
そこで、本発明の目的は、上記濃縮物の製造方法を簡便に行う凍結融解による濃縮物及び懸濁固形分分離装置を提供することにある。
また、本発明の目的は、上記目的の他に、温度が異なる同一の流体を冷媒及び温媒として用いることにより、簡単な構造を有する凍結融解による濃縮物及び懸濁固形分分離装置を提供することにある。
そこで、本発明の目的は、上記濃縮物の製造方法を簡便に行う凍結融解による濃縮物及び懸濁固形分分離装置を提供することにある。
また、本発明の目的は、上記目的の他に、温度が異なる同一の流体を冷媒及び温媒として用いることにより、簡単な構造を有する凍結融解による濃縮物及び懸濁固形分分離装置を提供することにある。
本発明者らは、以下の発明により、上記課題を解決できることを見出した。
<1> 冷媒又は温媒が流れる流路を内部に有する凍結融解器を凍結融解槽内に備え、且つ前記冷媒と前記温媒とは温度が異なる同一流体であり、該流体の温度を制御する流体温度制御器を備える、凍結融解による濃縮物及び懸濁固形分分離装置であって、前記凍結融解槽に濃縮すべき液及び/又は固形分分離すべき液を満たし、前記流路に冷媒を流すことにより前記凍結融解器の外部構造に沿って濃縮すべき液及び/又は固形分分離すべき液を凍結させて前記外部構造に付着した凍結塊を得て、その後、前記温媒を前記流路に流すことにより前記凍結塊を融解して濃縮物及び/又は固形分を得る装置であって、前記外部構造は凍結塊の比表面積が1.7以上、好ましくは2以上、実用的には2.0〜2.5となる構造を有する、上記装置。なお、比表面積とは、単位体積あたりの表面積(cm2/cm3)をいう。
<1> 冷媒又は温媒が流れる流路を内部に有する凍結融解器を凍結融解槽内に備え、且つ前記冷媒と前記温媒とは温度が異なる同一流体であり、該流体の温度を制御する流体温度制御器を備える、凍結融解による濃縮物及び懸濁固形分分離装置であって、前記凍結融解槽に濃縮すべき液及び/又は固形分分離すべき液を満たし、前記流路に冷媒を流すことにより前記凍結融解器の外部構造に沿って濃縮すべき液及び/又は固形分分離すべき液を凍結させて前記外部構造に付着した凍結塊を得て、その後、前記温媒を前記流路に流すことにより前記凍結塊を融解して濃縮物及び/又は固形分を得る装置であって、前記外部構造は凍結塊の比表面積が1.7以上、好ましくは2以上、実用的には2.0〜2.5となる構造を有する、上記装置。なお、比表面積とは、単位体積あたりの表面積(cm2/cm3)をいう。
<2> 上記<1>において、流路は、凍結融解器の内部空間に仕切りを設けることにより形成され、該仕切りにより流体の流れ方向を規制するのがよい。
<3> 上記<1>又は<2>において、凍結融解槽は、その外部に温媒用流路を有するジャケット層を有し、凍結塊を融解する際に、ジャケット層の温媒用流路に温媒を流し、凍結融解層内を加温するのがよい。
<4> 上記<1>〜<3>のいずれかにおいて、外部構造が枡形構造、半球状構造、半楕円球状構造、及び略円筒状構造からなる群から選ばれる少なくとも1種の構造を複数有し、複数個の凍結塊が形成されるのがよい。
<3> 上記<1>又は<2>において、凍結融解槽は、その外部に温媒用流路を有するジャケット層を有し、凍結塊を融解する際に、ジャケット層の温媒用流路に温媒を流し、凍結融解層内を加温するのがよい。
<4> 上記<1>〜<3>のいずれかにおいて、外部構造が枡形構造、半球状構造、半楕円球状構造、及び略円筒状構造からなる群から選ばれる少なくとも1種の構造を複数有し、複数個の凍結塊が形成されるのがよい。
<5> 上記<1>〜<4>のいずれかにおいて、凍結融解器を複数個備えるのがよい。
<6> 上記<1>〜<5>のいずれかにおいて、凍結融解槽が、濃縮すべき液又は固形分分離すべき液の流入流出口を備えるのがよい。
<7> 上記<1>〜<6>のいずれかにおいて、凍結融解槽が、濃縮物の流出口を備えるのがよい。
<6> 上記<1>〜<5>のいずれかにおいて、凍結融解槽が、濃縮すべき液又は固形分分離すべき液の流入流出口を備えるのがよい。
<7> 上記<1>〜<6>のいずれかにおいて、凍結融解槽が、濃縮物の流出口を備えるのがよい。
<8> 上記<1>〜<7>のいずれかにおいて、凍結融解槽が、固形分の出口を備えるのがよい。
<9> 上記<1>〜<8>のいずれかにおいて、凍結融解器が、流体の流体流入口及び流体流出口を備え、流体温度制御器と前記凍結融解器とは、流体流入口及び流体流出口を介して導管によって接続されるのがよい。
<10> 上記<1>〜<9>のいずれかにおいて、流体温度制御器は、流体を降温させて冷媒とする冷凍機を備え、該冷凍機の凝縮器が発生する熱を、流体を温媒へと加温する熱として利用するのがよい。
<9> 上記<1>〜<8>のいずれかにおいて、凍結融解器が、流体の流体流入口及び流体流出口を備え、流体温度制御器と前記凍結融解器とは、流体流入口及び流体流出口を介して導管によって接続されるのがよい。
<10> 上記<1>〜<9>のいずれかにおいて、流体温度制御器は、流体を降温させて冷媒とする冷凍機を備え、該冷凍機の凝縮器が発生する熱を、流体を温媒へと加温する熱として利用するのがよい。
本発明により、濃縮物の製造方法を簡便に行う凍結融解による濃縮物及び懸濁固形分分離装置を提供することができる。
また、本発明により、上記効果の他に、温度が異なる同一の流体を冷媒及び温媒として用いることにより、簡単な構造を有する凍結融解による濃縮物及び懸濁固形分分離装置を提供することができる。
また、本発明により、上記効果の他に、温度が異なる同一の流体を冷媒及び温媒として用いることにより、簡単な構造を有する凍結融解による濃縮物及び懸濁固形分分離装置を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、冷媒又は温媒が流れる流路を内部に有する凍結融解器を凍結融解槽内に備え、且つ冷媒と温媒とは温度が異なる同一流体であり、該流体の温度を制御する流体温度制御器を備える、凍結融解による濃縮物及び懸濁固形分分離装置である。本発明の装置は、凍結融解槽に濃縮すべき液及び/又は固形分分離すべき液を満たし、流路に冷媒を流すことにより凍結融解器の外部構造に沿って濃縮すべき液及び/又は固形分分離すべき液を凍結させて外部構造に付着した凍結塊を得て、その後、温媒を流路に流すことにより凍結塊を融解して濃縮物及び/又は固形分を得ることを特徴とする。また、本発明の装置の凍結融解器の外部構造は、凍結塊の比表面積が1.7以上、好ましくは2以上、実用的には2.0〜2.5となる構造を有する。なお、本明細書において比表面積とは、単位体積あたりの表面積(cm2/cm3)をいう。
なお、本願において、「温媒」とは、濃縮すべき液及び/又は固形分分離すべき液を凍結させる作用を有する「冷媒」と、相対的な作用を示す流体をいう。即ち、本願において、「温媒」とは、凍結物を融解する作用を有する流体をいう。
本発明は、冷媒又は温媒が流れる流路を内部に有する凍結融解器を凍結融解槽内に備え、且つ冷媒と温媒とは温度が異なる同一流体であり、該流体の温度を制御する流体温度制御器を備える、凍結融解による濃縮物及び懸濁固形分分離装置である。本発明の装置は、凍結融解槽に濃縮すべき液及び/又は固形分分離すべき液を満たし、流路に冷媒を流すことにより凍結融解器の外部構造に沿って濃縮すべき液及び/又は固形分分離すべき液を凍結させて外部構造に付着した凍結塊を得て、その後、温媒を流路に流すことにより凍結塊を融解して濃縮物及び/又は固形分を得ることを特徴とする。また、本発明の装置の凍結融解器の外部構造は、凍結塊の比表面積が1.7以上、好ましくは2以上、実用的には2.0〜2.5となる構造を有する。なお、本明細書において比表面積とは、単位体積あたりの表面積(cm2/cm3)をいう。
なお、本願において、「温媒」とは、濃縮すべき液及び/又は固形分分離すべき液を凍結させる作用を有する「冷媒」と、相対的な作用を示す流体をいう。即ち、本願において、「温媒」とは、凍結物を融解する作用を有する流体をいう。
本発明の装置は、凍結融解器及び凍結融解槽を有し、凍結融解器が凍結融解槽内に配置される。特に、凍結融解槽に濃縮すべき液及び/又は固形分分離すべき液が満たされた場合、凍結融解器の外部構造と該液とが十分に接触するように、凍結融解器が配置されるか又は液を満たすのがよい。
凍結融解器は、その内部には冷媒又は温媒が流れる流路を有する。ここで用いる冷媒と温媒とは、温度の異なる同一流体である。
流路は、凍結又は融解の効率を考慮して配置させることができる。流路は、凍結融解器の内部空間に仕切りを設けることにより形成することができる。この仕切りにより流体の流れ方向を規制することができる。
凍結融解器は、流体を流入することができる流体流入口、並びに流体を流出させることができる流体流出口を有するのがよい。
流路は、凍結又は融解の効率を考慮して配置させることができる。流路は、凍結融解器の内部空間に仕切りを設けることにより形成することができる。この仕切りにより流体の流れ方向を規制することができる。
凍結融解器は、流体を流入することができる流体流入口、並びに流体を流出させることができる流体流出口を有するのがよい。
流体の温度は、流体の温度を制御する流体温度制御器を用いて制御されるのがよい。流体温度制御器は、導管を介して、凍結融解器に設けられた流体流入口及び流体流出口と接続され、温度制御された流体を凍結融解器に導くことができる。流体温度制御器により、冷媒としての流体の温度、及び温媒としての流体の温度を制御することができる。特に、温媒温度を所要温度に制御し、融解速度を制御することにより、所望の濃縮物を得ることができる。なお、温媒の温度は、用いる濃縮すべき液の種類、該液に含まれる溶質の量、後述する凍結融解器の外部構造などに依存して決められる。
なお、本装置において、冷媒又は温媒として温度の異なる同一流体を用い、且つ冷媒が流れる流路と温媒が流れる流路とを同一流路とするため、凍結融解器の内部構造を単純化することができ、装置のメンテナンスを容易に行うことができる、装置全体のコストを低減することができる、などの効果を奏することができる。
ここで、冷媒及び温媒として用いることができる流体として、−30℃〜+30℃までの温度に制御することができる流体を挙げることができる。例えば、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類をベースとした流体(例えば、ナイブライン(登録商標、日曹商事社製);塩素基及び/又はフッ素基を含む炭化水素系流体(例えば、クロロジフルオロメタン(R−22)、メチルクロライドなど);アンモニアなどを挙げることができるが、これらに限定されない。ハンドリングの容易さ、環境保全などの点から、エチレングリコールをベースとした流体であるのが好ましい。
本発明の凍結融解器は、その外部に、濃縮すべき液及び/又は固形分分離すべき液と十分に接触し、凍結塊を形成する外部構造を有する。該外部構造は、その凍結塊の比表面積が1.7以上、好ましくは2以上、実用的には2.0〜2.5となるように、設計されるのがよい。
凍結塊の比表面積が上記範囲となるのであれば、凍結融解器の外部構造は、特に限定されない。外部構造は、例えば、枡形構造、半球状構造、半楕円球状構造、及び略円筒状構造、並びにこれらを組み合わせた構造を挙げることができる。例えば、外部構造として枡形構造を用いた場合、次のような構造を挙げることができる。即ち、枡形構造として例えば、1つの枡は、その深さ:横:縦の比率が0.8:1.0:1.0となる構造を有するのがよいが、この構造に限定されない。このような外部構造、特に上述の枡形構造を有することにより、1つの構造内、例えば1つの枡内に、上記範囲の比表面積を有する凍結塊が形成される。凍結塊は、上記範囲の比表面積を有することにより、温媒により加温されたとき、その形状による温度分布の幅を非常に小さく抑えられる。即ち、上述の表面積を有する凍結塊は、その凍結の際及び融解の際の温度分布を均一又はそれに近い状態にすることができるため、融解速度が均一となり、所望の濃縮率の濃縮物を得ることができる。
なお、温媒温度を上げて凍結塊の融解速度を高めることにより、固形分のみを分離するか、又は固形分分離と共に濃縮物を得ることができる。
なお、温媒温度を上げて凍結塊の融解速度を高めることにより、固形分のみを分離するか、又は固形分分離と共に濃縮物を得ることができる。
本発明の装置は、上述の凍結融解器を1つ又は2つ以上有するのがよい。装置全体を大型化する場合、即ち装置が処理能力を向上させる場合、上述の凍結融解器を1つのユニットとし、該ユニットを複数個設けることにより、処理能力向上という目的を達成することができる。
本発明の装置において、流体温度制御器は、冷媒を降温させる冷凍機を備えるのがよい。一般に冷凍機は、凝縮器を有してなり、冷凍機により冷媒を降温させる際に、該凝縮器から熱が発生する。この熱を、温媒を加温する熱として利用するのがよい。
本発明の装置において、凍結融解槽は、濃縮すべき液及び/又は固形分分離すべき液の流入流出口を有するのがよい。また、凍結融解槽は、濃縮物の流出口、及び/又は固形分の出口を有するのがよい。
さらに、凍結融解槽は、その外部に温媒用流路を有するジャケット層を有し、凍結塊を融解する際に、ジャケット層の温媒用流路に温媒を流し、凍結融解層内を加温するのがよい。凍結融解槽内の空気を介することによっても、凍結塊を温度ムラのない状態で加温することができる。したがって、所望の濃縮度の濃縮物及び/又は懸濁固形分を分離することができる。
さらに、凍結融解槽は、その外部に温媒用流路を有するジャケット層を有し、凍結塊を融解する際に、ジャケット層の温媒用流路に温媒を流し、凍結融解層内を加温するのがよい。凍結融解槽内の空気を介することによっても、凍結塊を温度ムラのない状態で加温することができる。したがって、所望の濃縮度の濃縮物及び/又は懸濁固形分を分離することができる。
以下、本発明の装置の一態様を、図1〜図4を用いて説明する。
図1は、凍結融解器2及び凍結融解槽3を有する、本発明の凍結融解による濃縮物及び懸濁固形分分離装置1の一態様を示す図である。
図2は、図1の装置に用いた凍結融解器2の側面断面図である。図3は、図1の装置に用いた凍結融解器2の斜視図である。さらに、図4は、本発明の凍結融解による濃縮物及び懸濁固形分分離装置1の一態様を示す図である。
図1は、凍結融解器2及び凍結融解槽3を有する、本発明の凍結融解による濃縮物及び懸濁固形分分離装置1の一態様を示す図である。
図2は、図1の装置に用いた凍結融解器2の側面断面図である。図3は、図1の装置に用いた凍結融解器2の斜視図である。さらに、図4は、本発明の凍結融解による濃縮物及び懸濁固形分分離装置1の一態様を示す図である。
図1において、2個の凍結融解器2及び2’が凍結融解槽3内に備えられる。ノズル5及び分配器7が、凍結融解器2及び2’の上方に配置され、該ノズル5及び分配器7を介して、冷媒又は温媒の流体が凍結融解器2及び2’に流入又は流出することができる。
凍結融解槽3は、その内部に凍結融解器2及び2’が備えられるように配置される。凍結融解槽3は、温度維持などのために、その外部にジャケット9、保温材層11、及び保温カバー13を備える。
凍結融解槽3は、その内部に凍結融解器2及び2’が備えられるように配置される。凍結融解槽3は、温度維持などのために、その外部にジャケット9、保温材層11、及び保温カバー13を備える。
凍結融解槽3は、その底面側にノズル15を設け、ノズル15を介して、濃縮すべき液及び/又は固形分分離すべき液が凍結融解槽3内に流入又は流出することができる。
また、凍結融解槽3は、濃縮物流出用のノズル17を設ける。図1中において、濃縮物流出用ノズル17は、ノズル15に付随して設けられているが、凍結融解槽3の底部であれば、他の箇所に設けることもできる。
さらに、凍結融解槽3は、内部にフィルタ19を設ける。フィルタ19は、融解の際に固形分を分離した場合、該固形分を凍結融解槽3外に排出させるために設けられる。凍結融解槽3は、該固形分を排出する排出口21を設けることができる。
凍結融解槽3は、凍結塊を融解する際に槽3内の全体を加温するために、温媒の流路(図1中には図示しない)をジャケット9に設けるのがよく、図1において、その流入口23及び流出口25が図示される。
また、凍結融解槽3は、濃縮物流出用のノズル17を設ける。図1中において、濃縮物流出用ノズル17は、ノズル15に付随して設けられているが、凍結融解槽3の底部であれば、他の箇所に設けることもできる。
さらに、凍結融解槽3は、内部にフィルタ19を設ける。フィルタ19は、融解の際に固形分を分離した場合、該固形分を凍結融解槽3外に排出させるために設けられる。凍結融解槽3は、該固形分を排出する排出口21を設けることができる。
凍結融解槽3は、凍結塊を融解する際に槽3内の全体を加温するために、温媒の流路(図1中には図示しない)をジャケット9に設けるのがよく、図1において、その流入口23及び流出口25が図示される。
図2は、図1に図示した凍結融解器2の側面の断面図を示す。凍結融解器2は、冷媒又は温媒の流体を流入するノズル103a及び流出するノズル103bを有し、内部に冷媒又は温媒の流体の流れを規制する規制板105を有し、これによって流路が形成されてなる。なお、規制板105は例示であって、冷媒による冷却能力又は温媒による加温能力を効率よく外部に伝える構成、及び/又は形成される凍結塊を融解する際に凍結塊内及び凍結塊間の温度分布を均一化させる構成を有するのであれば、規制板はいかなる構成を有してもよい。凍結融解器2は、その外部に金属製のフィン107を有し、該フィン107により枡形構造が形成される。フィン107を形成する金属は、用いる濃縮すべき液及び/又は固形分分離すべき液に依存するが、熱の良伝導体であれば、特に限定されない。凍結融解器2は、その外部底面に金属線109を有するのがよい。この金属線109により、融解凍結器2の底部に形成された凍結塊が容易に落下するのを防止できる。
図3は、図1に図示した凍結融解器2の斜視図を示す。凍結融解器2は、フィン107によって形成される枡形構造を有する。濃縮すべき液及び/又は固形分分離すべき液を凍結させる工程において、該枡形構造によって形成される空間に、凍結塊203が形成される。図3においては、枡形構造の1つによって形成される凍結塊203を例示するが、それぞれの枡において、凍結塊が形成される。なお、図1〜3で例示する凍結融解器2の場合、形成される凍結塊は、幅(x)0.8:長さ(y)1.0:奥行き(z)1.0の比の略直方体である。
本発明の凍結融解による濃縮物及び懸濁固形分分離装置1を用いて、濃縮物を製造するか、及び/又は固形分を分離する際には、次のように操作される。即ち、ノズル15を介して、濃縮すべき液及び/又は固形分分離すべき液を凍結融解槽3に流入する。流入量は、凍結融解槽2の8割程度で凍結融解器3と濃縮すべき液及び/又は固形分分離すべき液とが十分に接触する量とする。
これらの液を流入した後、濃縮すべき液及び/又は固形分分離すべき液を凍結させる工程に移る。
これらの液を流入した後、濃縮すべき液及び/又は固形分分離すべき液を凍結させる工程に移る。
凍結工程は、凍結融解器2に冷媒を流入させることにより行う。即ち、図4に図示するバルブV1及びV2を開け、その他のバルブ(V52〜V55、V62〜V65)は全て閉じる。冷凍機301から所望温度の冷媒が導管を介して凍結融解器2に流入され、フィン107で形成される枡のそれぞれで凍結塊が徐々に形成される。凍結塊は、凍結融解器の外面に沿って、且つ枡の内部で徐々に成長し、凍結塊が枡を満たした時点で冷媒の循環を停止させる。なお、冷媒の温度は、濃縮すべき液及び/又は固形分分離すべき液に依存する。また、凍結塊の成長速度は、冷媒循環開始から1時間程度までが最も速く、以降は低下するので、生産性の観点から、1時間程度で冷媒の循環を停止させるのがよい。
冷媒の循環停止後、凍結塊の融解工程に移る。
まず、凍結融解槽3内に残存する未凍結の液をノズル15を介して外部に排出する。
次いで、図4に図示するバルブV1及びV2を閉じ、その他のバルブ(V52〜V55、V62〜V65)は全て開く。これにより、温媒タンク320から所望温度の温媒が導管を介して凍結融解器2に流入され、凍結塊が徐々に融解する。また、温媒タンク330から所望温度の温媒が導管を介して凍結融解槽3のジャケット9内に流入され、これにより凍結融解槽3内の全体を加温する。
まず、凍結融解槽3内に残存する未凍結の液をノズル15を介して外部に排出する。
次いで、図4に図示するバルブV1及びV2を閉じ、その他のバルブ(V52〜V55、V62〜V65)は全て開く。これにより、温媒タンク320から所望温度の温媒が導管を介して凍結融解器2に流入され、凍結塊が徐々に融解する。また、温媒タンク330から所望温度の温媒が導管を介して凍結融解槽3のジャケット9内に流入され、これにより凍結融解槽3内の全体を加温する。
濃縮物を得る場合、所望温度の温媒を凍結融解器2及び凍結融解槽3に流入する間、凍結融解器2の底部に設けた濃縮物流出用ノズル17を開放する。融解によって生じた濃縮物は、連続的にノズル17を介して得ることができる。
濃縮物を得るのと同時に固形分を分離する場合、または固形分のみを分離する場合、温媒を所望温度にすることにより、固形分が自然落下してフィルタ19上に堆積する。堆積した固形分は、排出口21を介して取り出すことができる。
濃縮物を得るのと同時に固形分を分離する場合、または固形分のみを分離する場合、温媒を所望温度にすることにより、固形分が自然落下してフィルタ19上に堆積する。堆積した固形分は、排出口21を介して取り出すことができる。
温媒の所望温度は、濃縮すべき液及び/又は固形分分離すべき液、並びに濃縮物を得る場合及び/又は固形分を分離する場合などに依存する。一般に、所望の濃縮物を得ることを目的とする場合、温媒温度を制御して、所望の融解速度となるように制御するのがよい。なお、この場合の温媒温度は、用いる濃縮すべき液の種類、該液に含まれる溶質の量、上述の凍結融解器の外部構造などに依存して決められる。また、固形分分離のみを目的とする場合、温媒温度の制御は、濃縮物を得る場合よりも、相対的に粗くても目的を達成することができる。
温媒の温度制御は次のように行うことができる。即ち、分配器7内の温媒温度及び凍結融解槽3内の気体温度をそれぞれ検出し、これらの温度を基に温度制御器(図4中、「TIC」と表記)を介して、電動バルブV54及びV55、並びにV64及びV65を自動的に開閉させる。これにより、温媒タンク320及び330へバイパスさせる温媒量及び冷媒量を調整することで、温媒温度を制御することができる。
より具体的には、分配器7内の温媒温度が設定温度よりも高い場合、バルブV64を開き温媒タンク320内に冷媒が流入する。これと同時にバルブV65が閉じ、温媒タンク320内の温媒温度が低下し、所望温度の温媒を凍結融解器2に流入させることができる。逆に、分配器7内の温媒温度が設定温度よりも低い場合、バルブV65が開いて、温媒タンク320のジャケット内に温水が流入する。これと同時にバルブV64が閉じ、温媒タンク320内の温媒温度を上昇させ、所望温度の温媒を凍結融解器2に流入させることができる。
より具体的には、分配器7内の温媒温度が設定温度よりも高い場合、バルブV64を開き温媒タンク320内に冷媒が流入する。これと同時にバルブV65が閉じ、温媒タンク320内の温媒温度が低下し、所望温度の温媒を凍結融解器2に流入させることができる。逆に、分配器7内の温媒温度が設定温度よりも低い場合、バルブV65が開いて、温媒タンク320のジャケット内に温水が流入する。これと同時にバルブV64が閉じ、温媒タンク320内の温媒温度を上昇させ、所望温度の温媒を凍結融解器2に流入させることができる。
凍結融解槽3内の温媒温度が設定温度と異なる場合も上記の分配機内の温媒温度の制御と同様に行うことができる。即ち、凍結融解槽3内の温媒温度が設定温度よりも高い場合、バルブV54を開き温媒タンク330内に冷媒が流入する。これと同時にバルブV55を閉じ、温媒タンク330内の温媒温度が低下し、所望温度の温媒を凍結融解槽3に流入させることができる。逆に、凍結融解槽3内の温媒温度が設定温度よりも低い場合、バルブV55を開いて、温媒タンク330のジャケット内に温水が流入する。これと同時にバルブV54を閉じ、温媒タンク320内の温媒温度を上昇させ、所望温度の温媒を凍結融解槽3に流入させることができる。
図4の装置1において、高濃縮物を得る場合、分配器7内の温媒温度を6℃以下、凍結融解槽3内の気体温度を12℃程度に設定するのがよい。
また、図4の装置1において、固形分を分離する場合、分配器7内の温媒温度及び凍結融解槽3内の気体温度を13℃程度に設定するのがよい。
また、図4の装置1において、固形分を分離する場合、分配器7内の温媒温度及び凍結融解槽3内の気体温度を13℃程度に設定するのがよい。
図1〜図4記載の装置1、即ち凍結塊の比表面積が2.33となる装置を用いて、濃度約3.0%の砂糖水(以下、「原液A−1」と略記する)から濃縮物B−1を製造した。
また、装置1のフィンの構成を変えて、凍結塊の比表面積が1.40となるようにした以外、装置1と同様にした比較装置Cを用いて、原液A−1から濃縮物B−2を得た。用いた原液A−1は、装置1と同一のものを用いた。
なお、冷媒温度は、平均で−10℃に設定し、分配器7内の温媒温度を平均で6℃、凍結融解槽3内の気体温度を平均で12℃に設定した。
また、装置1のフィンの構成を変えて、凍結塊の比表面積が1.40となるようにした以外、装置1と同様にした比較装置Cを用いて、原液A−1から濃縮物B−2を得た。用いた原液A−1は、装置1と同一のものを用いた。
なお、冷媒温度は、平均で−10℃に設定し、分配器7内の温媒温度を平均で6℃、凍結融解槽3内の気体温度を平均で12℃に設定した。
本発明の装置1により得られた濃縮物B−1、及び比較装置Cにより得られた濃縮物B−2について、濃縮率と融解率(%)とを測定した。その結果を図5にグラフ化して示す。
図5からわかるように、本発明の装置により得られる濃縮物B−1(実線で示す)は、融解初期では2.5倍を超える高濃度であり、融解終期では濃度ゼロの水が得られる。ここで得られた水の量は、溶液量の10%程度であり、さらなる処理の必要なく、工業廃水として廃棄することができる。
一方、比較装置Cにより得られる濃縮物B−2(点線で示す)は、融解初期から中期にかけて、1.5倍〜2倍程度の濃縮物を得ることができるが、融解終期においてもその濃度が0.3倍程度であった。この濃度では、工業廃水として廃棄することができず、さらに処理する必要があった。
図5からわかるように、本発明の装置により得られる濃縮物B−1(実線で示す)は、融解初期では2.5倍を超える高濃度であり、融解終期では濃度ゼロの水が得られる。ここで得られた水の量は、溶液量の10%程度であり、さらなる処理の必要なく、工業廃水として廃棄することができる。
一方、比較装置Cにより得られる濃縮物B−2(点線で示す)は、融解初期から中期にかけて、1.5倍〜2倍程度の濃縮物を得ることができるが、融解終期においてもその濃度が0.3倍程度であった。この濃度では、工業廃水として廃棄することができず、さらに処理する必要があった。
上記のことから、本発明の装置は、比較装置と比較して、高濃度の濃縮物を提供することができる。また、本発明の装置は、融解終期にほとんど水に近い液を得ることができるため、さらに処理することなく、工業廃水として廃棄することができる。したがって、本発明の装置は、濃縮物を得るコストを大幅に低減することができる。
以下、実施例に基づいて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
以下、実施例に基づいて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
図1〜図4に示すような装置を用いて、凍結濃縮を行った。なお、凍結融解槽の容量は1.3Lであった。凍結融解器は、図3に示すような枡形構造を有し、全体が140mm×140mm×75mm(縦×横×奥行き)であり、各枡形のサイズは28mm×28mm×20mm(縦×横×奥行き)であり、枡形の数は図3に示すy方向が5個、x方向が5個、z方向が3個であった。
サンプルとして、3.03%の塩化ナトリウム濃度の海水A−1(福岡県北九州市若松北海岸にて採取したもの)を1150ml用いた。
溶液A−1を、凍結槽に投入し−20℃の冷ブラインを熱交換器に流し1時間凍結させた。凍結停止後、未凍結溶液を排出し、その量を測定すると300mlであった(実質凍結量は850ml)。なお、これにより得られた凍結塊の比表面積は約2.4(cm2/cm3)であった。
融解時には熱交換器に1.5℃に設定した温ブラインを流した。装置下部から排出される融解液は50mlずつサンプリングした。また、濃縮のターゲット成分である塩化ナトリウム濃度は電気伝導度計(CM−21P,(株)東亜DDK)で測定した。
融解時間は1時間45分、融解速度は8.1ml/分であった。図6に、横軸を融解率[%]、縦軸を濃縮率[−]とした凍結濃縮試験結果を示す。
サンプルとして、3.03%の塩化ナトリウム濃度の海水A−1(福岡県北九州市若松北海岸にて採取したもの)を1150ml用いた。
溶液A−1を、凍結槽に投入し−20℃の冷ブラインを熱交換器に流し1時間凍結させた。凍結停止後、未凍結溶液を排出し、その量を測定すると300mlであった(実質凍結量は850ml)。なお、これにより得られた凍結塊の比表面積は約2.4(cm2/cm3)であった。
融解時には熱交換器に1.5℃に設定した温ブラインを流した。装置下部から排出される融解液は50mlずつサンプリングした。また、濃縮のターゲット成分である塩化ナトリウム濃度は電気伝導度計(CM−21P,(株)東亜DDK)で測定した。
融解時間は1時間45分、融解速度は8.1ml/分であった。図6に、横軸を融解率[%]、縦軸を濃縮率[−]とした凍結濃縮試験結果を示す。
実施例1と同じ装置を用いて、凍結濃縮を行った。なお、得られる凍結塊の比表面積も、実施例1と同様であった。
サンプルとして、17.2%のBrix値の市販品のぶどう果汁A−2を1352ml用いた。
溶液A−2を、凍結槽に投入し−20℃の冷ブラインを熱交換器に流し1時間10分凍結させた。凍結停止後、未凍結溶液を排出し、その量を測定すると420mlであった(実質凍結量は932ml)。
融解時には熱交換器に3℃に設定した温ブラインを流した。装置下部から排出される融解液は48mlずつサンプリングした。また、濃縮率の指標となるBrix値は屈折率計(ATAGO N−50E・N−30E・N−10E,(株)アタゴ)で測定した。
融解時間は1時間49分、融解速度は8.6ml/分であった。図7に、横軸を融解率[%]、縦軸を濃縮率[−]とした凍結濃縮試験結果を示す。
サンプルとして、17.2%のBrix値の市販品のぶどう果汁A−2を1352ml用いた。
溶液A−2を、凍結槽に投入し−20℃の冷ブラインを熱交換器に流し1時間10分凍結させた。凍結停止後、未凍結溶液を排出し、その量を測定すると420mlであった(実質凍結量は932ml)。
融解時には熱交換器に3℃に設定した温ブラインを流した。装置下部から排出される融解液は48mlずつサンプリングした。また、濃縮率の指標となるBrix値は屈折率計(ATAGO N−50E・N−30E・N−10E,(株)アタゴ)で測定した。
融解時間は1時間49分、融解速度は8.6ml/分であった。図7に、横軸を融解率[%]、縦軸を濃縮率[−]とした凍結濃縮試験結果を示す。
実施例1と同じ装置を用いて、凍結濃縮を行った。なお、得られる凍結塊の比表面積も、実施例1と同様であった。
サンプルとして、3.1%のBrix値のコーヒー抽出液A−3を1404ml用いた。
溶液A−3を、凍結槽に投入し−26℃の冷ブラインを熱交換器に流し1時間30分凍結させた。凍結停止後、未凍結溶液を排出し、その量を測定すると600mlであった(実質凍結量は804ml)。
融解時には熱交換器に0℃に設定した温ブラインを流した。装置下部から排出される融解液は45mlずつサンプリングした。また、濃縮率の指標となるBrix値は屈折率計(ATAGO N−50E・N−30E・N−10E,(株)アタゴ)で測定した。
融解時間は3時間49分、融解速度は3.5ml/分であった。図8に,横軸を融解率[%]、縦軸を濃縮率[−]として凍結濃縮試験結果を示す。
サンプルとして、3.1%のBrix値のコーヒー抽出液A−3を1404ml用いた。
溶液A−3を、凍結槽に投入し−26℃の冷ブラインを熱交換器に流し1時間30分凍結させた。凍結停止後、未凍結溶液を排出し、その量を測定すると600mlであった(実質凍結量は804ml)。
融解時には熱交換器に0℃に設定した温ブラインを流した。装置下部から排出される融解液は45mlずつサンプリングした。また、濃縮率の指標となるBrix値は屈折率計(ATAGO N−50E・N−30E・N−10E,(株)アタゴ)で測定した。
融解時間は3時間49分、融解速度は3.5ml/分であった。図8に,横軸を融解率[%]、縦軸を濃縮率[−]として凍結濃縮試験結果を示す。
実施例1と同じ装置を用いて、凍結濃縮を行った。なお、得られる凍結塊の比表面積も、実施例1と同様であった。
サンプルとして、7.9%のBrix値のレモン果汁A−4を1369ml用いた。
溶液A−4を、凍結槽に投入し−26℃の冷ブラインを熱交換器に流し2時間凍結させた。凍結停止後、未凍結溶液を排出し、その量を測定すると550mlであった(実質凍結量は819ml)。
融解時には熱交換器に0℃に設定した温ブラインを流した。装置下部から排出される融解液は45mlずつサンプリングした。また、濃縮率の指標となるBrix値は屈折率計(ATAGO N−50E・N−30E・N−10E,(株)アタゴ)で測定した。
融解時間は3時間5分、融解速度は4.4ml/分であった。図9に,横軸を融解率[%]、縦軸を濃縮率[−]とした凍結濃縮試験結果を示す。
サンプルとして、7.9%のBrix値のレモン果汁A−4を1369ml用いた。
溶液A−4を、凍結槽に投入し−26℃の冷ブラインを熱交換器に流し2時間凍結させた。凍結停止後、未凍結溶液を排出し、その量を測定すると550mlであった(実質凍結量は819ml)。
融解時には熱交換器に0℃に設定した温ブラインを流した。装置下部から排出される融解液は45mlずつサンプリングした。また、濃縮率の指標となるBrix値は屈折率計(ATAGO N−50E・N−30E・N−10E,(株)アタゴ)で測定した。
融解時間は3時間5分、融解速度は4.4ml/分であった。図9に,横軸を融解率[%]、縦軸を濃縮率[−]とした凍結濃縮試験結果を示す。
実施例1と同じ装置を用いて、凍結濃縮を行った。なお、得られる凍結塊の比表面積も、実施例1と同様であった。
サンプルとして、9.8%のBrix値の市販品のレモン果汁A−5を1372ml用いた。
溶液A−5を、凍結槽に投入し−26℃の冷ブラインを熱交換器に流し1時間30分凍結させた。凍結停止後、未凍結溶液を排出し、その量を測定すると700mlであった(実質凍結量は672ml)。
融解時には熱交換器に0℃に設定した温ブラインを流した。装置下部から排出される融解液は45mlずつサンプリングした。また、濃縮率の指標となるBrix値は屈折率計(ATAGO N−50E・N−30E・N−10E,(株)アタゴ)で測定した。
融解時間は2時間49分、融解速度は4.0ml/分であった。図10に、横軸を融解率[%]、縦軸を濃縮率[−]とした凍結濃縮試験結果を示す。
サンプルとして、9.8%のBrix値の市販品のレモン果汁A−5を1372ml用いた。
溶液A−5を、凍結槽に投入し−26℃の冷ブラインを熱交換器に流し1時間30分凍結させた。凍結停止後、未凍結溶液を排出し、その量を測定すると700mlであった(実質凍結量は672ml)。
融解時には熱交換器に0℃に設定した温ブラインを流した。装置下部から排出される融解液は45mlずつサンプリングした。また、濃縮率の指標となるBrix値は屈折率計(ATAGO N−50E・N−30E・N−10E,(株)アタゴ)で測定した。
融解時間は2時間49分、融解速度は4.0ml/分であった。図10に、横軸を融解率[%]、縦軸を濃縮率[−]とした凍結濃縮試験結果を示す。
Claims (7)
- 冷媒又は温媒が流れる流路を内部に有する凍結融解器を凍結融解槽内に備え、且つ前記冷媒と前記温媒とは温度が異なる同一流体であり、該流体の温度を制御する流体温度制御器を備える、凍結融解による濃縮物及び懸濁固形分分離装置であって、前記凍結融解槽に濃縮すべき液及び/又は固形分分離すべき液を満たし、前記流路に冷媒を流すことにより前記凍結融解器の外部構造に沿って濃縮すべき液及び/又は固形分分離すべき液を凍結させて前記外部構造に付着した凍結塊を得て、その後、前記温媒を前記流路に流すことにより前記凍結塊を融解して濃縮物及び/又は固形分を得る装置であって、前記外部構造は凍結塊の比表面積が1.7以上となる構造を有する、上記装置。
- 前記流路は、前記凍結融解器の内部空間に仕切りを設けることにより形成され、該仕切りにより流体の流れ方向を規制する請求項1記載の装置。
- 前記凍結融解槽は、その外部に温媒用流路を有するジャケット層を有し、凍結塊を融解する際に、ジャケット層の温媒用流路に温媒を流し、前記凍結融解層内を加温する請求項1又は2記載の装置。
- 前記外部構造が枡形構造、半球状構造、半楕円球状構造、及び略円筒状構造からなる群から選ばれる少なくとも1種の構造を複数有し、複数個の凍結塊が形成される請求項1〜3のいずれか1項記載の装置。
- 前記凍結融解器を複数個備えた請求項1〜4のいずれか1項記載の装置。
- 凍結融解器が、流体の流体流入口及び流体流出口を備え、流体温度制御器と前記凍結融解器とは、流体流入口及び流体流出口を介して導管によって接続される請求項1〜5のいずれか1項記載の装置。
- 前記流体温度制御器は、流体を降温させて冷媒とする冷凍機を備え、該冷凍機の凝縮器が発生する熱を、流体を温媒へと加温する熱として利用する請求項1〜6のいずれか1項記載の装置。
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