JPWO2005090576A1 - 百日咳感染症予防用dna構築物 - Google Patents

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Abstract

180アミノ酸からなる百日咳毒素S1サブユニットのアミノ酸配列において、(a)第9番目のアルギニン残基のリジン残基への変異、および(b)第129番目のグルタミン酸残基のグリシン残基への変異からなる群から選択される少なくとも一つの変異を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドが開示されている。さらに、上記ポリペプチドをコードするDNAを発現しうる形で含んでなる、DNA構築物が開示されている。

Description

発明の背景
発明の分野
本発明は百日咳感染症の予防に用いる、ポリヌクレオチドおよびこれを発現するDNA構築物に関する。
背景技術
百日咳は、百日咳菌(Bordetella pertussis)の感染によって引き起こされる小児の急性呼吸器感染症であり、この感染症対策としては、ワクチン接種による予防が最も効果的である。現在、日本国で接種されている百日咳ワクチンは、百日咳毒素および繊維状赤血球凝集素を主要防御抗原とする無細胞ワクチンである。そして、この無細胞ワクチンに用いられる防御抗原は、百日咳菌の培養上清から分画された後、ホルマリンで無毒化されたものである。この無細胞ワクチンの製造には、百日咳菌の大量培養が必須であり、費用面およびバイオセーフティーといった安全性の面から、より安価で安全に製造できる新規ワクチンの開発が望まれている。
1988年には、百日咳毒素遺伝子の全塩基配列が決定され、それ以降、各国の研究グループにより遺伝子レベルでの新規百日咳ワクチンの研究開発が盛んに行われている。
例えば、新規百日咳ワクチンの候補物質として、リコンビナント蛋白質として発現させた毒素抗原を挙げることができるが、これらのリコンビナント抗原によって予防上有効な毒素中和抗体を誘導することは困難である。
一方、DNAワクチン技術は、ワクチン抗原遺伝子を直接生体内で発現させることによって免疫応答を誘導する技術であり、従来のワクチンに比較して安価にワクチン製造が行えるものと期待されている。そして、近年、多くの感染症に対し、その防御抗原遺伝子を用いたDNAワクチンの有効性が検討されている。
例えば、K. Kamachi et al., Vaccine, 21, 4609-4615, 2003には、百日咳毒素のS1サブユニットを発現するプラスミドDNAをマウスに接種すると、百日咳毒素中和活性が誘導されることが開示されている。
また、Castro MG, et al., Cell micorbiol, 3, 45-54, 2001には、CHO細胞において発現させた百日咳毒素のS1サブユニットは、毒性活性(ADP−リボシルトランスフェラーゼ活性)を示すことが開示されている。
また、Pizza M., et al., Science, 246, 497-500, 1989には、百日咳毒素S1サブユニットの毒性活性発現に関与するアミノ酸は同定されており、その第9番目のアルギニン残基のリジン残基への変異および第129番目のグルタミン酸残基のグリシン残基への変異を導入することにより、その毒素活性が消失することが開示されている。
発明の概要
本発明者らは、今般、百日咳毒素S1サブユニットにおける第1〜180番のアミノ酸からなるペプチド断片において、その第9番目のアルギニン残基のリジン残基への変異および/または第129番目のグルタミン酸残基のグリシン残基への変異を有するペプチド断片を発現させることにより、その毒性活性を抑制しつつ、百日咳菌に対する顕著な免疫防御効果を誘導することが可能であるとの知見を得た。本発明はこれらの知見に基づくものである。
従って、本発明は、百日咳感染症の予防または治療に用いるポリペプチド、これを発現しうるDNA構築物ならびにこれらを含んでなる医薬組成物を提供することを目的とする。
そして、本発明によるポリペプチドは、180アミノ酸からなる百日咳毒素S1サブユニットのアミノ酸配列において、
(a)第9番目のアルギニン残基のリジン残基への変異、および
(b)第129番目のグルタミン酸残基のグリシン残基への変異
からなる群から選択される少なくとも一つの変異を有するアミノ酸配列を有するものである。
また、本発明によるDNA構築物は、前記ポリペプチドをコードするDNAを発現しうる形で含んでなるものである。
また、本発明による医薬組成物は、前記ポリぺプチドまたは前記DNA構築物を含んでなるものである。
本発明によれば、毒性の消失したポリペプチドまたはこのポリペプチド遺伝子を組み込んだDNA構築物を免疫原とすることから、それらの製造において、バイオセーフティーレベル2の百日咳菌を大量培養する必要は無く、例えば、バイオセーフティーレベル1の大腸菌を取り扱えばよいため、安全に百日咳予防用組成物を製造することが可能となる。さらに、本発明によれば、ポリペプチドまたはDNA構築物を直接生体内に接種しても、宿主細胞内で毒素活性を生じることがなく、宿主に対する安全性の高い百日咳感染症の予防が可能となる。
は、C180−9K/129G遺伝子が挿入されたプラスミド(pcDNA/C180−9K/129G)の構築を示す図である。 は、百日咳毒素S1サブユニットのN末端またはC末端を欠損するC200遺伝子、C180遺伝子、C160遺伝子、およびN40遺伝子の模式図である。 は、S1遺伝子、C200遺伝子、C180遺伝子、C160遺伝子、またはN40遺伝子を導入したCOS−7細胞におけるノーザンブロット解析の結果を示す。 は、S1遺伝子、C200遺伝子、C180遺伝子、C160遺伝子、またはN40遺伝子を導入したCOS−7細胞におけるウェスタンブロット解析の結果を示す。 は、末端切断型S1遺伝子(C200遺伝子、C180遺伝子、C160遺伝子、またはN40遺伝子)を接種したマウス血清中の抗百日咳毒素抗体の濃度を示す。 は、末端切断型S1遺伝子を接種したマウスに百日咳毒素を投与した場合の末梢血白血球数を示す。 は、変異C180遺伝子(C180−9K遺伝子、C180−129G遺伝子、C180−9K/129G遺伝子)の模式図および上記変異C180遺伝子を導入したCOS−7細胞におけるウェスタンブロット解析の結果を示す。 は、変異C180遺伝子(C180−9K遺伝子、C180−129G遺伝子、またはC180−9K/129G遺伝子)を接種したマウス血清中の抗百日咳毒素抗体の濃度を示す。 は、変異C180遺伝子(C180−9K遺伝子、C180−129G遺伝子、またはC180−9K/129G遺伝子)を接種したマウスに百日咳毒素を投与した場合の末梢血白血球数を示す。 は、pcDNA、pcDNA/C180−9K、pcDNA/C180−129G、またはpcDNA/C180−9K/129GをCHO細胞に遺伝子導入して得た安定発現株の写真である。
発明の具体的説明
本発明の一つの態様によれば、本発明によるポリペプチドをコードするアミノ酸配列は、百日咳毒素S1サブユニットにおける第1〜180アミノ酸(以下「C180」という)からなり、さらに(a)第9番目のアルギニン残基のリジン残基への変異(以下「R9K変異」という)および(b)第129番目のグルタミン酸残基のグリシン残基への変異(以下「E129G変異」という)からなる群より選択される少なくとも一つの変異を有するものである。そして、本発明の好ましい態様によれば、本発明によるポリペプチドは、R9K変異を有するものである(以下「C180−9K」という)。また、本発明の別の好ましい態様によれば、本発明によるポリペプチドはE129G変異を有するものである(以下「C180−129G」という)。さらに、本発明の別の好ましい態様によれば、R9K変異およびE129G変異を有するものである(以下「C180−9K/129G」という)。
そして、変異を有さないC180のアミノ酸配列としては、配列番号2で表されるアミノ酸配列中の第2〜181アミノ酸を有するものが挙げられる。配列番号2中の第1番目のメチオニン残基は、翻訳後に脱離するものである。そして、本発明の好ましい態様によれば、変異を有さないC180のアミノ酸配列は、配列番号2における第2〜181番で表されるアミノ酸配列において、R9K変異および/またはE129G変異以外の部位において、1個または数個のアミノ酸が置換、欠失もしくは付加したものである。この変異を有さないC180のアミノ酸配列によって表される、本発明によるポリペプチドもまた、百日咳感染症に対する予防または治療に利用することが可能な免疫誘導活性を有する。ここで、「1もしくは数個」の範囲は、好ましくは1〜3個、より好ましくは1〜2個程度を意味する。
また、本発明の別の好ましい態様によれば、変異を有さないC180のアミノ酸配列は、配列番号2における第2〜181番で表されるアミノ酸配列の部分配列であってR9K変異および/またはE129G変異の部位を含む部分配列を含んでなるものである。このような部分配列によって表される、本発明によるポリペプチドもまた、百日咳感染症に対する予防または治療に利用することが可能な免疫誘導活性を有する。そして、上記部分配列としては、好ましくは配列番号2における第3〜180番で表される部分配列が挙げられる。
また、本発明によれば、本発明によるポリペプチドをコードするDNAが提供される。そして、本発明の好ましい態様によれば、本発明によるDNAは、配列番号1における第10〜549番で表されるヌクレオチド配列において、第34〜36番残基がリジン残基をコードするコドンへ置換されたヌクレオチド配列を有するものである。このような置換としては、好ましくは第34〜36番残基のアデニン残基(A)、アデニン残基(A)、およびグアニン残基(G)への置換が挙げられる。また、本発明の別の好ましい態様によれば、本発明によるDNAは、配列番号1における第10〜549番で表されるヌクレオチド配列において、第394〜396番残基がグリシン残基をコードするコドンへ置換されたヌクレオチド配列を有するものである。このような置換としては、好ましくは第395〜396番残基のグアニン残基(G)およびシトシン残基(C)への変異が挙げられる。また、本発明の別の好ましい態様によれば、本発明によるDNAは、配列番号1における第10〜549番で表されるヌクレオチド配列において、第34〜36番残基がリジン残基をコードするコドンへ置換され、かつ第394〜396番残基がグリシン残基をコードするコドンへ置換されたヌクレオチド配列を有するものである。このような置換としては、好ましくは第34〜36番残基のAAGへの置換および第395〜396番残基のGCへの置換が挙げられる。
そして、本発明によるDNA構築物は、本発明によるポリペプチドをコードするDNAを発現しうる形で含んでなり、これにより本発明によるポリペプチドを発現することができる。ここで「発現しうる形で含んでなる」とは、適切な調節エレメント(例えば、プロモーター、エンハンサー、転写ターミネーターなど)の制御下に、導入遺伝子(DNA)の発現を可能にする様式で、そのDNA構築物中に該導入遺伝子が挿入されていることを意味する。
C180をコードするDNAは、既に公知のBordetella pertussis遺伝子の配列情報に基づいてPCRプライマーを調製し、Bordetella pertussisゲノムDNAに対してPCR反応を行うことなどによりクローニングすることができる。これらのクローニングは、例えばMolecular Cloning 2nd Edt., Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989)等の文献に従い、当業者ならば容易に行うことができる。そして、本発明において、C180−9K、C180−129G、またはC180−9K/129GをコードするDNAは、C180をコードするDNAに対して、例えば、PCRを用いた変異導入法、部位特異的突然変異誘発法などを適用することにより容易に得ることができ、具体的には上記Molecular Cloning等の文献を参考にして容易に行うことができる。
本発明によるDNA構築物は、非ウイルスベクターあるいはウイルスベクターに発現可能なように挿入された形態で用いることができる。したがって、本発明によれば、本発明によるDNA構築物を含んでなるベクターが提供される。これらの非ウイルスベクターおよびウイルスベクターの調製法、投与法などは既に当業者に公知であり、例えば、別冊実験医学、遺伝子治療の基礎技術、羊土社、1996;別冊実験医学、遺伝子導入&発現解析実験法、羊土社、1997;遺伝子治療開発研究ハンドブック、日本遺伝子治療学会編、エヌ・ティー・エス、1999などが参考とされる。非ウイルスベクターとしては、哺乳動物の生体内で目的遺伝子を発現させることのできるベクターであれば特に限定されず、好ましくはプラスミドとされる。非ウイルスベクターとしては、例えば、pcDNA3.1、pZeoSV、pBK-CMV(Invitrogen社、Stratagene社)やpCAGGS(Gene 108,193-200(1991))などが挙げられ、好ましくはpcDNA3.1とされる。これらの発現ベクターのプロモーターの下流域に発現可能なように上記遺伝子を挿入することにより、本発明によるベクターを調製することができる。また、本発明に用いることのできるウイルスベクターの例としては、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス、ワクシニアウイルス、ポックスウイルス、ポリオウイルス、シンビスウイルス、センダイウイルス、SV40、免疫不全症ウイルス(HIV)等を挙げることができるが、これらに限定されない。
そして、本発明によるポリペプチドは、例えば、上述のベクターを好適な宿主に導入し、この宿主を培養し、培養物中に本発明によるポリペプチドを生成蓄積させ、その培養物より本発明によるポリペプチドを単離し、精製することにより得ることができる。上記宿主としては、大腸菌、昆虫細胞または哺乳類細胞などが挙げられるが、好ましくは哺乳類細胞である。また宿主へのベクターの導入方法、宿主の培養条件等は、当業者により適宜選択される。また、本発明によるポリペプチドの単離精製については、公知手法を用いることができる。
C180には、百日咳毒素に対する免疫惹起部位のみならず、毒性活性部位も含まれるが、本発明によるポリペプチドは、主に抗体産生を効率よく誘導し、毒性活性はほとんど発現しない。よって、本発明によるポリぺプチドは、哺乳動物における百日咳感染症の予防に好適に用いることができる。したがって、本発明によれば、予防上有効量の本発明によるポリペプチドを被験者に投与することを含んでなる、百日咳感染症の予防方法が提供される。また、本発明によるポリペプチドは、百日咳感染症の治療に用いることも可能である。したがって、本発明によれば、治療上有効量の本発明によるポリペプチドを被検者に投与することを含んでなる、百日咳感染症の治療方法が提供される。本明細書において、「治療」とは、確立された病態を改善することを意味し、「予防」とは、将来における病態の確立を防止することを意味する。被験者は、通常ヒトであり、好ましくは乳幼児とされる。
本発明によるポリペプチドを被験者に投与する方法としては、免疫を誘導する公知の方法を用いることが可能であり、例えば、所望により公知のアジュバントとともに、液剤、懸濁剤などに調製し、皮下注射、筋肉注射または経口などにより投与することができる。
投与される本発明によるポリペプチドの量は予防上または治療上有効量であればよいが、具体的な量は当業者により決定される。また、投与量は、被検者の年齢、体重等によって調整することが好ましいが、このような投与量の調整は、医師によって適宜行なわれる。例えば、投与量は、通常1〜10μg/体重kgであり、好ましくは2〜5μg/体重kgとされる。本発明によるポリペプチドは上記の投与量の範囲内において、医薬上安全である。
さらに、本発明によるポリペプチドを発現しうる、本発明によるDNA構築物もまた、DNAワクチンとして、哺乳動物における百日咳感染症の予防に好適に用いることができる。したがって、本発明によれば、予防上有効量の本発明によるDNA構築物またはベクターを被験者に投与することを含んでなる、百日咳感染症の予防方法が提供される。また、本発明によるDNA構築物は、百日咳感染症の治療に用いることも可能である。したがって、本発明によれば、治療上有効量の本発明によるDNA構築物またはベクターを被検者に投与することを含んでなる、百日咳感染症の治療方法が提供される。
また、本発明によるDNA構築物を被験者に導入する方法としては、例えば、DNA構築物を直接体内に導入するin vivo法、被験者からある種の細胞を取り出して体外でDNA構築物を細胞に導入し、その細胞を体内に戻すex vivo法などがある(遺伝子治療開発研究ハンドブック、日本遺伝子治療学会編、エヌ・ティー・エス、1999)。in vivo法としては、例えば、本発明によるDNA構築物を適当な溶剤(PBS等の緩衝液、生理食塩水、滅菌水など)に溶解した後、必要に応じてフィルター等で濾過滅菌し、次いで無菌的な容器に充填して注射剤を調製して、被験者へ注射することにより投与することができる。この注射剤は、被験者の筋肉または他の組織に、皮下、皮内、静脈内、または脊髄液に直接注射することができる。注射剤には必要に応じて慣用の担体等を加えてもよい。また、本発明によるDNA構築物は、経口および経鼻的に呼吸器粘膜細胞に投与することができる。また、脂質二重膜で作られたリポソーム中に本発明によるDNA構築物を封入し、さらにこのリポソームと不活化したセンダイウイルス(Hemagglutinating virus of Japan : HVJ)とを融合させ、HVJ−リポソームとして投与することもできる(実験医学別冊、遺伝子治療の基礎技術、羊土社、1996;遺伝子導入&発現解析実験法、羊土社、1994)。また、本発明によるDNA構築物を金微小粒子にコーティングして、粒子衝突装置、または「遺伝子銃」によって経皮輸送してもよい(Tang、1992、Nature 356:152〜154)。ex vivo法としては、例えば、エレクトロポレーション法、リポフェクション法、リン酸−カルシウム共沈法、DEAE−デキストラン法、微小ガラス管などを用いて細胞内へ本発明によるDNA構築物を直接注入する方法などが挙げられる。
投与される本発明によるDNA構築物の量は予防上または治療上有効量であればよいが、具体的な量は遺伝子治療分野の当業者により決定される。また、投与量は、被検者の年齢、体重等によって調整することが好ましいが、このような投与量の調整は、医師によって適宜行なわれる。例えば、投与量は、通常2〜40μg/体重kgであり、好ましくは4〜36μg/体重kgとされる。本発明によるDNA構築物は上記の投与量の範囲内において、医薬上安全である。
また、本発明による、ポリぺプチドまたはDNA構築物もしくはベクターは、医薬組成物として被験者に投与することができる。したがって、本発明の一つの態様によれば、本発明によるポリペプチドを含んでなる、医薬組成物が提供される。さらに、本発明の別の態様によれば、本発明によるDNA構築物または本発明によるベクターを含んでなる、医薬組成物が提供される。そして、上記の医薬組成物は、百日咳感染症の予防、さらには治療に用いることができる。したがって、本発明の一つの態様によれば、百日咳感染症の予防剤または治療剤の製造における、本発明によるポリペプチドの使用が提供される。さらに、本発明の別の態様によれば、百日咳感染症の予防剤または治療剤の製造における、本発明によるDNA構築物またはベクターの使用が提供される。
本発明による医薬組成物は、医薬上許容される担体をさらに含むことができる。このような医薬上許容される担体、例えば、ベヒクル、賦形剤、希釈液、アジュバント等は、投与経路などに応じて、当業者により適宜選択される。
以下、本発明を実施例によってより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
参考例1
百日咳毒素S1サブユニット(PT−S1)を発現するプラスミドベクター(pcDNA/S1)の構築
百日咳毒素S1サブユニットのDNAは、Bordetella pertussis Tohama由来のゲノムDNAを鋳型として、以下のプライマーを用いるPCRにて増幅した。ここで、下記のプライマーは、HindIIIおよびBamHIの制限部位(下線部)をそれぞれ含んでいる。
プライマー
mS1−F:フォワード:5'-CCCAAGCTTGCCACCATGGACGATCCTCCCGCCACC-3'(配列番号3);
mS1−R:リバース :5'-CGGGATCCTTACTAGAACGAATACGCGAT-3'(配列番号4)。
このPCRによる増幅は、Takara PCR thermal cycler MP(登録商標:宝酒造株式会社製)を用いて行った。サイクル反応の温度条件は、94℃で20秒間、68℃で3分間、および72℃で10分間を1サイクルとし、これを30サイクルとした。PCR生成物は、HindIIIおよびBamHIにて処理し、真核細胞発現ベクター(pcDNA.3.1(+);Invitrogen社製)に組み込んだ。こうして得たpcDNA/S1プラスミドは、end-free plasmid preparation kits(Qiagen社製)を用いて、大腸菌(E. coli) JM109株から精製した。
参考例2
プラスミドベクター(pcDNA/C180)の構築
百日咳毒素S1サブユニットのN末端180アミノ酸残基をコードするC180遺伝子およびそのプラスミドベクター(pcDNA/C180)は、以下のプライマーを用いて、参考例1と同様の方法により製造した。
プライマー
mS1−F:フォワード:5'-CCCAAGCTTGCCACCATGGACGATCCTCCCGCCACC-3'(配列番号3);
C180−R:リバース :5'-CGGGATCCTTACTACGATGTGTAGGGGTTGGG-3'(配列番号5)。
参考例3
プラスミドベクター(pcDNA/C200)の構築
百日咳毒素S1サブユニットのN末端200アミノ酸残基をコードするC200遺伝子およびそのプラスミドベクター(pcDNA/C200)は、以下のプライマーを用いて、参考例1と同様の方法により製造した。
プライマー
mS1−F:フォワード:5'-CCCAAGCTTGCCACCATGGACGATCCTCCCGCCACC-3'(配列番号3);
C200−R:リバース :5'-CGGGATCCTTACTAAGCGCCTATCACCGGCGC-3'(配列番号6)。
参考例4
プラスミドベクター(pcDNA/C160)の構築
百日咳毒素S1サブユニットのN末端160アミノ酸残基をコードするC160遺伝子およびそのプラスミドベクター(pcDNA/C160)は、以下のプライマーを用いて、参考例1と同様の方法により製造した。
プライマー
mS1−F:フォワード:5'-CCCAAGCTTGCCACCATGGACGATCCTCCCGCCACC-3'(配列番号3);
C160−R:リバース :5'-CGGGATCCTTACTACTCCGTGGTCGTGGTCTC-3'(配列番号7)。
参考例5
プラスミドベクター(pcDNA/N40)の構築
百日咳毒素S1サブユニットのN末端40アミノ酸残基が欠損するN40遺伝子およびこれを組み込んだプラスミドベクター(pcDNA/N40)は、以下のプライマーを用いて、参考例1と同様の方法により製造した。
プライマー
N40−F:フォワード:5'-CCCAAGCTTGCCACCATGTCCTGCCAGGTCGGCAGC-3'(配列番号8);
mS1−R:リバース :5'-CGGGATCCTTACTAGAACGAATACGCGAT-3'(配列番号4)。
実施例1
プラスミドベクター(pcDNA/C180−9K/129G)の構築
R9K変異およびE129G変異を有するC180遺伝子は、S1遺伝子を鋳型として、下記のプライマー(mS1−9K/F、E129G/R、E129G/FおよびC180R)の組み合わせを用いたPCR法により製造した。具体的には、mS1−9K/FおよびE129G/R、またはE129G/FおよびC180Rのプライマーの組み合わせを用いたPCR法により、2種のPCR産物を得た。次に、この2種のPCR産物を常法に従って精製し、mS1−9K/FおよびC180Rプライマーを用いたPCR法にて処理し、R9K変異およびE129G変異を有するC180遺伝子を得た。さらに、このようにして得た遺伝子を組み込んだプラスミドベクター(pcDNA/C180−9K/129G)を、参考例1と同様の方法により製造した。ここで、下記のプライマーは、HindIIIおよびBamHIの制限酵素部位(下線部)ならびにR9Kおよび E129Gの遺伝子変異(かっこ内)をそれぞれ含んでいる。
mS1−9K/F: 5’-CCCAAGCTTGCCACCATGGACGATCCTCCCGCCACCGTATAC[AAG]TATGACTCCCGCCCGCCG-3’(配列番号9);
E129G/F: 5’-CTGGCCACCTACCAGAGC[GGC]TATCTGGCACACCGGCGC-3’(配列番号10);
E129G/R: 5’-GCGCCGGTGTGCCAGATA[GCC]GCTCTGGTAGGTGGCCAG-3’(配列番号11);
C180R: 5’-CGGGATCCTTACTACGATGTGTAGGGGTTGGG-3’(配列番号5)。
構築したpcDNA/C180−9K/129Gは図1の通りである。
実施例2
プラスミドベクター(pcDNA/C180−9K)の構築
R9K変異を有するC180遺伝子は、S1遺伝子を鋳型として以下のプライマーを用いて、参考例1と同様の方法により製造した。また、R9K変異を有するC180遺伝子を組み込んだプラスミドベクター(pcDNA/C180−9K/129G)は、参考例1と同様の方法により製造した。ここで下記のプライマーはHindIIIおよびBamHIの制限酵素部位(下線部)およびR9K変異(かっこ内)をそれぞれ含んでいる。
mS1−9K/F: フォワード:5’-CCCAAGCTTGCCACCATGGACGATCCTCCCGCCACCGTATAC[AAG]TATGACTCCCGCCCGCCG-3’(配列番号9);
C180R: リバース:5’-CGGGATCCTTACTACGATGTGTAGGGGTTGGG-3’(配列番号5)。
実施例3
プラスミドベクター(pcDNA/C180−129G)の構築
E129G変異を有するC180遺伝子は、S1遺伝子を鋳型として、下記のプライマー(mS1−F、E129G/R、E129G/F、およびC180R)の組み合わせを用いたPCR法により製造した。具体的には、mS1−FおよびE129G/R、またはE129G/FおよびC180Rのプライマーの組み合わせを用いたPCR法により、2種のPCR産物を得た。次に、この2種のPCR産物を常法に従って精製し、mS1−FおよびC180Rプライマーを用いたPCR法にて処理し、E129G変異を有するC180遺伝子を得た。さらに、このようにして得た遺伝子を組み込んだプラスミドベクター(pcDNA/C180−129G)を、参考例1と同様の方法により製造した。ここで、下記のプライマーは、HindIIIおよびBamHIの制限酵素部位(下線部)ならびにE129Gの遺伝子変異(かっこ内)をそれぞれ含んでいる。
mS1−F: 5’- CCCAAGCTTGCCACCATGGACGATCCTCCCGCCACC-3’(配列番号3);
E129G/F: 5’-CTGGCCACCTACCAGAGC[GGC]TATCTGGCACACCGGCGC-3’(配列番号10);
E129G/R: 5’-GCGCCGGTGTGCCAGATA[GCC]GCTCTGGTAGGTGGCCAG-3’( 配列番号11);
C180R: 5’-CGGGATCCTTACTACGATGTGTAGGGGTTGGG-3’( 配列番号5)
試験例1
百日咳毒素S1サブユニットのN末端またはC末端を欠損する末端切断型S1遺伝子の発現解析
pcDNA、pcDNA/S1、pcDNA/C200、pcDNA/C180、pcDNA/C160、およびpcDNA/N40を用いて以下の発現解析を行った。ここで、上記プラスミドの発現するペプチド断片は、図2の模式図の通りである。
ノーザンブロット解析
pcDNA、pcDNA/S1、pcDNA/C200、pcDNA/C180、pcDNA/C160、およびpcDNA/N40をそれぞれ、Superfect Transfection Reagent(Qiagen社製)を用いてCOS−7細胞へ遺伝子導入し、24時間後、細胞を回収した。回収した細胞から、常法に従って全RNA画分を分離精製した。そして、5μgの全RNAを1%アガロースゲル電気泳動に供試した。百日咳毒素S1 mRNAの検出は、ECL direct nucleic acid labelling and detection system (Amersham Pharmacia Bioteck)により、標識された百日咳毒素S1遺伝子を用いて常法に従って行った。結果は図3の通りであった。
ウェスタンブロット解析
pcDNA、pcDNA/S1、pcDNA/C200、pcDNA/C180、pcDNA/C160、およびpcDNA/N40をそれぞれ、SuperFect Transfection Reagent(Qiagen社製)を用いてCOS−7細胞へ導入し、48時間60mm皿に静置し、回収した。この回収した細胞は、SDS lysis buffer(100μL)に再懸濁した。こうして得たサンプルを3分間加熱後、遠心分離した。この上清を14% SDS-PAGEゲルにて電気泳動した。そして、ニトロセルロース膜(Nippon Bio-Rad Laboratories製)に蛋白を転写した。このニトロセルロース膜を、マウス抗百日咳毒素ポリクローナル抗血清とともにインキュベートし、さらに、ヤギ抗マウスIgG−西洋ワサビペルオキシダーゼコンジュゲート(Bio-RadLab.製)およびECL Western blotting detection reagents(Amersham Biosciences製)にて処理し、抗原タンパク質の発現を解析した。この結果は図4の通りであった。C180およびC200は、COS−7細胞にて強く発現することが確認された。
試験例2
pcDNA、pcDNA/S1、pcDNA/C200、pcDNA/C180、pcDNA/C160、およびpcDNA/N40をそれぞれ、遺伝子銃(Heilio Gene Gun;Bio-Rad Lab.社製;ヘリウムガス圧400psi)を用いてBalb/cマウス(5週齢;5匹/群)に14日間隔で計3回皮内接種した。1回の接種には2μgのプラスミドDNAおよび0.5mgのgold particle(Bio-Rad Lab.社製)を使用した。そして、試験開始から、17、25、33、および41日目にマウスの尾静脈よりそれぞれ採血し、マウス血清を得た。
マウス血清中の抗百日咳毒素IgG抗体の検出
マウス血清中の抗百日咳毒素IgG抗体(以下「抗PT−IgG抗体」という。)は、2次抗体としてアルカリホスファターゼ標識ヤギ抗マウスIgG抗体(southern Biotechnology Associates Inc., Birmingham, AL)を用い、ELISAによって測定した。
その結果を図5の通りであった。マウス血清中の抗体価については、pcDNA/C180がより高い値を示した。
試験例3
C180遺伝子接種マウスの百日咳毒素攻撃に対する防御能
試験例2と同様の方法により、pcDNA、pcDNA/S1、pcDNA/C200、pcDNA/C180、pcDNA/C160、およびpcDNA/N40を接種したマウスに、百日咳毒素(2μg:生化学工業社製)のPBS(0.5mL)溶液を腹腔内投与し、3日後に尾静脈から採血した。この血液における末梢血白血球数(WBC)をコールターカウンター(Beckman Coultor K.K.製)を用いて測定した。その結果は図6の通りであった。
試験例4
変異導入した百日咳毒素C180遺伝子の発現解析
PT−S1、C180−9K、C180−129G、およびC180−9K/129Gを用いて、試験1と同様の方法により、COS−7細胞におけるタンパク質の発現についてウエスタンブロット解析した。結果は図7の通りであった。C180−9K、C180−129G、およびC180−9K/129Gはいずれも、変異C180抗原を発現することが確認された。
試験例5
変異C180遺伝子接種による抗百日咳毒素抗体の誘導
pcDNA、pcDNA/C180、pcDNA/C180−9K、pcDNA/C180−129G、およびC180−9K/129Gを用いて、試験例2と同様の試験を行った。その結果は、図8の通りであった。pcDNA/C180−9K、pcDNA/C180−129G、およびC180−9K/129Gはいずれも、マウスに抗PT−IgG抗体を誘導することが確認された。
試験例6
pcDNA、pcDNA/C180、pcDNA/C180−9K、pcDNA/C180−129G、およびpcDNA/C180−9K/129Gを用いて、試験例3と同様の試験を行った。その結果は、図9の通りであった。pcDNA/C180−9K、pcDNA/C180−129G、およびpcDNA/C180−9K/129Gはいずれも、マウスにおいて百日咳毒素の攻撃に対する中和活性を誘導することを示している。
試験例7
変異C180遺伝子の安定発現株の形態
pcDNA(コントロール)、pcDNA/C180−9K、pcDNA/C180−129G、およびpcDNA/C180−9K/129Gをそれぞれ、SuperFect Transfection Reagent(Qiagen社製)を用いて、COS−7細胞に遺伝子導入した。遺伝子導入された細胞については、500μg/mL Geneticin(Sigma社製)を用いて、安定発現株の選択およびクローン化を行った。結果は図10に示す通りであった。C180−9K/129Gを発現する細胞株はC180−9KおよびC180−129Gを発現する細胞株よりも死細胞が少なく、CHO細胞に対する細胞毒性が顕著に低いことが示された。

Claims (28)

  1. 180アミノ酸からなる百日咳毒素S1サブユニットのアミノ酸配列において、
    (a)第9番目のアルギニン残基のリジン残基への変異、および
    (b)第129番目のグルタミン酸残基のグリシン残基への変異
    からなる群から選択される少なくとも一つの変異を有するアミノ酸配列を有する、ポリペプチド。
  2. 変異を有さない、前記180アミノ酸からなる百日咳毒素S1サブユニットのアミノ酸配列が、配列番号2における第2〜181番で表されるアミノ酸配列、または該アミノ酸配列において、前記(a)および/または(b)の変異以外の部位において、1個または数個のアミノ酸が置換、欠失もしくは付加したものである、請求項1に記載のポリペプチド。
  3. 変異を有さない、前記180アミノ酸からなる百日咳毒素S1サブユニットのアミノ酸配列が、配列番号2における第2〜181番で表されるアミノ酸配列の部分配列であって前記(a)および/または(b)の変異の部位を含む部分配列、を含んでなるものである、請求項1に記載のポリペプチド。
  4. 前記(a)の変異を有するものである、請求項1に記載のポリペプチド。
  5. 前記(b)の変異を有するものである、請求項1に記載のポリペプチド。
  6. 前記(a)および前記(b)の変異を有するものである、請求項1に記載のポリペプチド。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリペプチドをコードする、DNA。
  8. 配列番号1における第10〜549番で表されるヌクレオチド配列において、第34〜36番残基がAAGへ置換されたヌクレオチド配列を有するものである、請求項7に記載のDNA。
  9. 配列番号1における第10〜549番で表されるヌクレオチド配列において、第395〜396番残基がGCへ置換されたヌクレオチド配列を有するものである、請求項7に記載のDNA。
  10. 配列番号1における第10〜549番で表されるヌクレオチド配列において、第34〜36番残基がAAGへ置換され、かつ第395〜396番残基がGCへ置換されたヌクレオチド配列を有するものである、請求項7に記載のDNA。
  11. 180アミノ酸からなる百日咳毒素S1サブユニットのアミノ酸配列において、
    (a)第9番目のアルギニン残基のリジン残基への変異、および
    (b)第129番目のグルタミン酸残基のグリシン残基への変異
    からなる群から選択される少なくとも一つの変異を有するアミノ酸配列をコードするDNAを発現しうる形で含んでなる、DNA構築物。
  12. 変異を有さない、前記180アミノ酸からなる百日咳毒素S1サブユニットのアミノ酸配列が、配列番号2における第2〜181番で表されるアミノ酸配列である、請求項11に記載のDNA構築物。
  13. 変異を有さない、前記180アミノ酸からなる百日咳毒素S1サブユニットのアミノ酸配列が、配列番号2における第2〜181番で表されるアミノ酸配列、または該アミノ酸配列において、前記(a)および/または(b)の変異以外の部位において、1個または数個のアミノ酸が置換、欠失もしくは付加したものである、請求項11に記載のDNA構築物。
  14. 変異を有さない、前記180アミノ酸からなる百日咳毒素S1サブユニットのアミノ酸配列が、配列番号2における第2〜181番で表されるアミノ酸配列の部分配列であって前記(a)および/または(b)の変異の部位を含む部分配列、を含んでなるものである、請求項11に記載のDNA構築物。
  15. 前記DNAによりコードされるアミノ酸配列が、前記(a)の変異を有するものである、請求項11〜14のいずれか一項に記載のDNA構築物。
  16. 前記DNAが、配列番号1における第10〜549番で表されるヌクレオチド配列において、第34〜36番残基がAAGへ置換されたヌクレオチド配列を有するものである、請求項15に記載のDNA構築物。
  17. 前記DNAによりコードされるアミノ酸配列が、前記(b)の変異を有するものである、請求項11〜14のいずれか一項に記載のDNA構築物。
  18. 前記DNAが、配列番号1における第10〜549番で表されるヌクレオチド配列において、第395〜396番残基がGCへ置換されたヌクレオチド配列を有するものである、請求項17に記載のDNA構築物。
  19. 前記アミノ酸配列が、前記(a)および前記(b)の変異を有するものである、請求項11〜14のいずれか一項に記載のDNA構築物。
  20. 前記DNAが、配列番号1における第10〜549番で表されるヌクレオチド配列において、第34〜36番残基がAAGへ置換され、かつ第395〜396番残基がGCへ置換されたヌクレオチド配列を有するものである、請求項19に記載のDNA構築物。
  21. 請求項11〜20のいずれか一項に記載のDNA構築物を含んでなる、ベクター。
  22. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリペプチドを含んでなる、医薬組成物。
  23. 請求項11〜20のいずれか一項に記載のDNA構築物または請求項21に記載のベクターを含んでなる、医薬組成物。
  24. 百日咳感染症の予防または治療に用いられるものである、請求項22または23に記載の医薬組成物。
  25. 百日咳感染症の予防剤または治療剤の製造における、請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリペプチドの使用。
  26. 百日咳感染症の予防剤または治療剤の製造における、請求項11〜20のいずれか一項に記載のDNA構築物または請求項21に記載のベクターの使用。
  27. 予防または治療上有効量の請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリペプチドを被検者に投与することを含んでなる、百日咳感染症の予防または治療する方法。
  28. 予防または治療上有効量の請求項11〜20のいずれか一項に記載のDNA構築物または請求項21に記載のベクターを被検者に投与することを含んでなる、百日咳感染症の予防または治療する方法。
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