JPWO2005065702A1 - GPR103−like受容体蛋白質に対するリガンドの新規用途 - Google Patents

GPR103−like受容体蛋白質に対するリガンドの新規用途 Download PDF

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Abstract

本発明の目的は、NPXと病態との関連を明らかにするとともに、NPXを直接、又はスクリーニングに用いることによって、今までにない新規な作用機序を有する医薬品を開発することである。本発明によれば、配列番号:1又は3に記載のアミノ酸配列からなるペプチドを含有する抗うつ剤または抗不安剤が提供される。

Description

本発明は、脳内のポリペプチドNPXの新規用途に関する。より詳細には、本発明は、脳内のポリペプチドNPXを用いた抗うつ剤または抗不安剤に関する。さらに本発明は、NPX又はNPXとその受容体であるGPR103−like受容体蛋白質を用いたうつ病および不安神経症の予防・治療薬のスクリーニング方法及び該スクリーニング方法によって得られる物質に関する。
精神科領域の薬剤は臨床において偶然効力が認められた薬剤およびそれらの薬剤の発展型である薬剤開発が主流である。現在、抗不安薬としてベンゾジアゼピン(BZ)類および5−HT1A受容体作用薬が、抗うつ薬としてSSRIなどが臨床において使用されている。これらの薬剤の発見および創出により薬剤治療は飛躍的に進歩したが、これらの薬剤は発症原因に基づいて創出されたものではないため、難治性の患者や奏効しない症状が残される結果となっている。
SSRIはうつ病の他、不安神経症の症状であるパニック障害および強迫性障害にも有効であることが報告されている(Int.Clin.Psychopharmacol.,6,5,1992)。また、BZ類がうつ病に対して有効であるとする見解があり、実際に臨床において処方される場合が多い。実際、臨床においてうつ病患者の60〜70%は不安症を併発しており、不安症の40〜90%はうつ病を併発していると言われている(J.Clin.Psychiatry,54,75,1993)。
このように、不安神経症およびうつ病の発症には類似性があると示唆されており、薬剤開発においてもこれまでの概念とは異なるアプローチが求められている。また、精神疾患の診断基準(DSM−III)で不安神経症がパニック障害と全般性不安症(GAD;generalized anxiety disorder)に分類されたことからも明確なように、最近、精神疾患の概念と治療は大きく変化しつつある。
最近の病態生理学の進歩により、不安神経症およびうつ病の発症機序として両者ともストレスが深く関与していることが示唆されている。ストレスにより引き起こされる脳内反応としては、視床下部−下垂体−副腎系の機能異常を代表とする神経内分泌系の機能異常が知られている。このような背景から、最近、視床下部に存在し、神経内分泌系に影響を与える神経ペプチドがうつ・不安の発症原因として注目されている。
このような神経ペプチドとしてコルチコトロピン・リリーシング・ファクター(CRF)、POMCなどが挙げられる。CRFは視床下部−下垂体−副腎系の亢進などストレス反応の中心的役割を果たすことが示され、不安・うつ症の関連も示唆されている。視床下部に存在する神経ペプチドはストレス応答と密接な関係を持つ視床下部−下垂体−副腎系の活性制御に関与することが知られている。ヒト脳由来の受容体蛋白質は、上記の他にも多数発見されている。
しかし、これらの受容体の多くは、そのリガンドが同定されていないため、どのような生理作用に関与しているかは全く知られていない。そのような受容体蛋白質の一つとしてGPR103−like受容体が知られている(WO2001/16316号)。
近年、NPXがHEK293細胞に発現させたGPR103−like受容体蛋白質と高い結合親和性を有することが明らかとなり、NPXがGPR103−like受容体蛋白質のリガンドであることが示された。NPXはヒトゲノム配列から機能未知の蛋白質をコードすると予測された遺伝子から合成されたペプチドで、C末端がアミド化されたRFアミドファミリーに属する。NPX前駆体からプロセッシングされ、C末端のアルギニン−フェニルアラニンのモチーフから、C末端がアミド化されることが予測されている。NPXおよびGPR103−like受容体蛋白質は脳内に多く分布し、視床下部にも多く分布しているペプチドであることが報告されているが(The Journal of Biological Chemistry Vol.278,No.30,Issue of July 25,pp.27652−27657,2003)、これまでうつ・不安症に関する作用については全く報告されていない。さらに、ストレス反応との関連も明確にされていない。さらに、うつ・不安症にターゲットを当て、これに特異的に作用する化合物についての報告は何もない。
本発明の目的は、NPXと病態との関連を明らかにするとともに、NPXを直接、又はスクリーニングに用いることによって、今までにない新規な作用機序を有する医薬品を開発することである。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、NPXが投与後一定時間経過後に抗うつ作用を示すことを見出した。さらにNPXとNPX受容体であるGPR103−like受容体蛋白質の結合を調節する化合物がうつ病または不安神経症の予防・治療薬として有効であることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成したものである。
すなわち本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1) 配列番号:1又は3に記載のアミノ酸配列からなるペプチドを含有する抗うつ剤または抗不安剤。
(2) 配列番号:1又は3に記載のアミノ酸配列からなるペプチドを含有するうつ症状または不安神経症状の予防または治療剤。
(3) 配列番号:1又は3に記載のアミノ酸配列において1又は複数のアミノ酸が置換、欠失、付加および/または挿入されたアミノ酸配列からなり、かつうつ症状または不安神経症状抑制活性を有するペプチドを含有する、抗うつ剤または抗不安剤。
(4) 配列番号:1又は3に記載のアミノ酸配列において1又は複数のアミノ酸が置換、欠失、付加および/または挿入されたアミノ酸配列からなり、かつうつ症状または不安神経症状抑制活性を有するペプチドを含有する、うつ症状または不安神経症状の予防または治療剤。
(5) 配列番号:2又は4に記載の塩基配列からなるDNA、またはその相補配列にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAによりコードされ、かつうつ症状または不安神経症状抑制活性を有するペプチドを含有する、抗うつ剤または抗不安剤。
(6) 配列番号:2又は4に記載の塩基配列からなるDNA、またはその相補配列にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAによりコードされ、かつうつ症状または不安神経症状抑制活性を有するペプチドを含有する、うつ症状または不安神経症状の予防または治療剤。
(7) 下記の(i)から(iii)の何れかのペプチドの有効量を投与することを含む、うつ症状または不安神経症状の抑制、予防または治療方法。
(i)配列番号:1又は3に記載のアミノ酸配列からなるペプチド;
(ii)配列番号:1又は3に記載のアミノ酸配列において1又は複数のアミノ酸が置換、欠失、付加および/または挿入されたアミノ酸配列からなり、かつうつ症状または不安神経症状抑制活性を有するペプチド;または
(iii)配列番号:2又は4に記載の塩基配列からなるDNA、またはその相補配列にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAによりコードされ、かつうつ症状または不安神経症状抑制活性を有するペプチド:
(8) 抗うつ剤、抗不安剤あるいはうつ症状または不安神経症状の予防または治療剤を製造するための、下記の(i)から(iii)の何れかのペプチドの使用。
(i)配列番号:1又は3に記載のアミノ酸配列からなるペプチド;
(ii)配列番号:1又は3に記載のアミノ酸配列において1又は複数のアミノ酸が置換、欠失、付加および/または挿入されたアミノ酸配列からなり、かつうつ症状または不安神経症状抑制活性を有するペプチド;または
(iii)配列番号:2又は4に記載の塩基配列からなるDNA、またはその相補配列にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAによりコードされ、かつうつ症状または不安神経症状抑制活性を有するペプチド:
(9) 下記の(i)から(iii)の何れかのペプチドを用いることを特徴とする、該ペプチドの活性を促進することによりうつ症状または不安神経症状を抑制する物質をスクリーニングする方法。
(i)配列番号:1又は3に記載のアミノ酸配列からなるペプチド;
(ii)配列番号:1又は3に記載のアミノ酸配列において1又は複数のアミノ酸が置換、欠失、付加および/または挿入されたアミノ酸配列からなり、かつうつ症状または不安神経症状抑制活性を有するペプチド;または
(iii)配列番号:2又は4に記載の塩基配列からなるDNA、またはその相補配列にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAによりコードされ、かつうつ症状または不安神経症状抑制活性を有するペプチド:
(10) さらに、下記の(iv)から(vi)の何れかに記載の蛋白質または該蛋白質の部分ペプチドを用いる、(9)に記載のスクリーニング方法。
(iv)配列番号:5に記載のアミノ酸配列からなる蛋白質。
(v)配列番号:5に記載のアミノ酸配列において1又は複数のアミノ酸が置換、欠失、付加および/または挿入されたアミノ酸配列からなり、かつ、(9)に記載の(i)から(iii)の何れかのペプチドと結合活性を有する蛋白質;
(vi)配列番号:6に記載の塩基配列からなるDNA、またはその相補配列にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAによりコードされ、かつ(9)に記載の(i)から(iii)の何れかのペプチドと結合活性を有する蛋白質:
(11) 配列番号:2又は4に記載の塩基配列からなるDNA、またはその相補配列にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAを用いることを特徴とする、下記の(i)から(iii)の何れかのペプチドの発現を促進または阻害することによりうつ症状または不安神経症状を抑制する物質をスクリーニングする方法。
(i)配列番号:1又は3に記載のアミノ酸配列からなるペプチド;
(ii)配列番号:1又は3に記載のアミノ酸配列において1又は複数のアミノ酸が置換、欠失、付加および/または挿入されたアミノ酸配列からなり、かつうつ症状または不安神経症状抑制活性を有するペプチド;または
(iii)配列番号:2又は4に記載の塩基配列からなるDNA、またはその相補配列にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAによりコードされ、かつうつ症状または不安神経症状抑制活性を有するペプチド:
(12) (9)から(11)の何れかに記載のスクリーニング方法により選択される物質を含有する、抗うつ剤または抗不安剤。
(13) (9)から(11)の何れかに記載のスクリーニング方法により選択される物質を含有する、うつ症状または不安神経症状の予防または治療剤。
(14) (9)から(11)の何れかに記載のスクリーニング方法により選択される物質の有効量を投与することを含む、うつ症状または不安神経症状の抑制、予防または治療方法。
(15) 抗うつ剤、抗不安剤あるいはうつ症状または不安神経症状の予防または治療剤を製造するための、(9)から(11)の何れかに記載のスクリーニング方法により選択される物質の使用。
(16) 配列番号:1又は3に記載のアミノ酸配列からなるペプチドに対するレセプターのアゴニストを含有するうつ症状または不安神経症状の予防または治療剤。
図1は、実施例におけるマウスの尾懸垂試験の測定結果を示す。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本明細書でいう「NPX」、「NPX前駆体」及び「GPR103−like受容体蛋白質」は公知のペプチド又は蛋白質である。NPX、NPX前駆体及びGPR103−like受容体蛋白質のアミノ酸配列をそれぞれ配列表の配列番号:1、3及び5に、DNA配列をそれぞれ配列表の配列番号:2、4及び6に記載する。
(A)本発明の薬剤
本発明の抗うつ剤、抗不安剤並びにうつ症状または不安神経症状の予防または治療剤においては、
(i)配列番号:1又は3に記載のアミノ酸配列からなるペプチド、
(ii)配列番号:1又は3に記載のアミノ酸配列において1又は複数のアミノ酸が置換、欠失、付加および/または挿入されたアミノ酸配列からなり、かつうつ症状または不安神経症状抑制活性を有するペプチド、または
(iii)配列番号:2又は4に記載の塩基配列からなるDNA、またはその相補配列にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAによりコードされ、かつうつ症状または不安神経症状抑制活性を有するペプチド
の何れかを有効成分として使用する。
本発明で言う「配列番号:1又は3に記載のアミノ酸配列において1又は複数のアミノ酸が置換、欠失、付加および/または挿入されたアミノ酸配列」におけるアミノ酸の変異数や変異部位は、配列番号:1又は3で表されるペプチドの機能が保持される限り制限はないが、通常、配列番号:1又は3で表されるペプチドと相同性が約80%以上、好ましくは約90%以上、さらに好ましくは約95%以上のペプチドである。アミノ酸の変異数は一般的には1〜10個であり、好ましくは1〜8個であり、より好ましくは1〜5個程度であり、特に好ましくは1〜3個である。
蛋白質の構成要素となるアミノ酸の側鎖は、疎水性、電荷、大きさなどにおいてそれぞれ異なるものであるが、実質的に蛋白質全体の3次元構造(立体構造とも言う)に影響を与えないという意味で保存性の高い幾つかの関係が、経験的にまた物理化学的な実測により知られている。例えば、アミノ酸残基の置換については、グリシン(Gly)とプロリン(Pro)、Glyとアラニン(Ala)またはバリン(Val)、ロイシン(Leu)とイソロイシン(Ile)、グルタミン酸(Glu)とグルタミン(Gln)、アスパラギン酸(Asp)とアスパラギン(Asn)、システイン(Cys)とスレオニン(Thr)、Thrとセリン(Ser)またはAla、リジン(Lys)とアルギニン(Arg)、等が挙げられる。本発明においてもこのような保存性の高いアミノ酸置換を有するペプチドを使用することができるが、これらに限定されるものではない。
配列番号:1又は3に記載のアミノ酸配列において1又は複数のアミノ酸が置換、欠失、付加および/または挿入されたアミノ酸配列は、好ましくは、配列番号:1又は3に記載のアミノ酸配列からなるペプチドと機能的に同等なペプチドである。ここで機能的に同等なペプチドとは、受容体との結合活性や受容体発現細胞に対する細胞刺激性等の生物学的特性が同等であり、かつ、配列番号:1又は3に記載のアミノ酸配列からなるペプチドと同様なうつ症状抑制作用又は不安神経症状抑制作用を有することを意味する。
本発明で言う「ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする」とは、例えば塩濃度が約19mM〜40mMで、温度がホルムアミドを添加していない場合は65〜75℃、50%ホルムアミド存在下では35〜45℃の条件下、サザンハイプリダイゼーションを行った場合に、ハイブリダイズする程度をいう。
ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAとしては、プローブとして使用するDNAの塩基配列と一定以上の相同性を有するDNAが挙げられ、例えば80%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは93%以上、特に好ましくは95%以上、最も好ましくは98%以上の相同性を有するDNAが挙げられる。
本発明で言う「ペプチド」とは、未修飾のペプチドのみならず、機能的に同等な全てのペプチドも含むことを意味し、例えば、ペプチドの塩、並びにアミド化またはエステル化されたペプチドでもよい。
ペプチドの塩としては、生理学的に許容される無機酸(例えば、塩酸、リン酸)、有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、シュウ酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸)または塩基(例えば、アルカリ金属)等との塩が挙げられるが、特に生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。
本発明で用いるペプチドとしては、ヒトやそれ以外の哺乳動物(例えばラット、マウス、ウサギ、ニワトリ、ヒツジ、ウシ、サル等)に由来する天然のペプチドを使用することができる。本発明で用いるペプチドは、ヒト又はそれ以外の哺乳動物の細胞または組織から当業者であれば通常行いうる精製方法を用いることにより製造することができる。例えば、ヒトやそれ以外の哺乳動物の細胞または組織をホモジナイズし、酸などで抽出後、イオン交換クロマトグラフィー等を利用することにより調製することが可能である。
あるいは、本発明で用いるペプチドは、ペプチド合成に通常用いられる固相法および液相法などの化学的手法により合成することもできる。ペプチド合成におけるアミノ基等の保護基および縮合反応の縮合剤は公知のものを使用できる。固相法では市販の各種ペプチド合成装置を利用することができる。必要に応じて、官能基の保護及び脱保護を行うことにより効率的に合成を行うことができる。保護基の導入及び脱離方法についても当業者に公知である。固相合成や液相合成は、例えば、生化学実験講座1、蛋白質の化学IV、矢島治明および榊原俊平、205、(1977年)等に記載の方法に従って行うこともできる。
さらにまた、通常の遺伝子組み換え手法に従って、ペプチドをコードするDNA配列を含む組み換えベクターを作製した後、該ベクターにより宿主(例えば、哺乳細胞や昆虫細胞等の適当な宿主細胞)を形質転換して形質転換体を作製し、該形質転換体を培養した培養物から所望のペプチドを組み換えペプチドとして分離・精製することができる。組み換えペプチドの調製は、例えば、Current Protocols in Molecular Biology edit.Ausubel et al.(1987)Publish.John Wiley & Sons Section 16.1−16.9等に記載の方法に従って行うことができる。
本発明で用いるペプチドは、生体内に存在する内因性のリガンド若しくはそれと機能的に同等なペプチドであるので、安全で低毒性な抗うつ剤、抗不安剤あるいはうつ症状または不安神経症状の予防または治療剤として使用することができる。
本発明においては、上記のペプチドをそのまま用いてもよいが、通常は、製剤学的に許容しうる1又は2種以上の製剤用添加物を用いて該ペプチドを有効成分として含む医薬組成物を製造して投与することが好ましい。ペプチドを医薬組成物として使用する場合は、通常行われる手段に従って、錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤などとして、あるいは無菌性溶液、懸濁液剤などの注射剤とすることができる。
ペプチドの投与方法は経口投与でも非経口投与でもよく、非経口投与の形態も特に限定されず、静脈投与、筋肉内投与、腹腔内投与、または皮下投与などを行うことができる。
ペプチドの投与量は、投与対象、投与方法等により異なるが、例えば経口投与の場合は、うつ患者(60kg)に対して、一日約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mgである。非経口投与する場合は、例えば、うつ患者(60kg)に対して、一日約0.01〜30mg、好ましくは約0.1〜20mg、より好ましくは約0.1〜10mgを静脈注射することができる。
さらに、本発明によれば、配列番号:1又は3に記載のアミノ酸配列からなるペプチドに対するレセプターのアゴニストを含有するうつ症状または不安神経症状の予防または治療剤が提供される。本明細書上記した通り、配列番号:1又は3に記載のアミノ酸配列からなるペプチドはうつ症状または不安神経症状抑制活性を有することからうつ症状または不安神経症状の予防または治療剤として有用である。従って、同様のうつ症状または不安神経症状抑制活性を有する、該ペプチドに対するレセプターのアゴニストもまたうつ症状または不安神経症状の予防または治療剤として有用である。配列番号:1又は3に記載のアミノ酸配列からなるペプチドに対するレセプターのアゴニストの種類は特に限定されず、例えば、ペプチド、ペプチド模倣体又は低分子化合物などでもよい。上記したアゴニストは、例えば、本明細書に記載のスクリーニング方法により選択することができる。なお、上記したアゴニストをうつ症状または不安神経症状の予防または治療剤として使用する場合の投与形態、投与方法、投与量などは、ペプチドについて本明細書上記した場合に準じて選択することができる。
(B)本発明のスクリーニング方法
本発明のスクリーニング方法は、うつ症状または不安神経症状を抑制する物質をスクリーニングする方法に関するものであり、下記の(i)から(iii)の何れかのペプチドを用いることを特徴とする。
(i)配列番号:1又は3に記載のアミノ酸配列からなるペプチド;
(ii)配列番号:1又は3に記載のアミノ酸配列において1又は複数のアミノ酸が置換、欠失、付加および/または挿入されたアミノ酸配列からなり、かつうつ症状または不安神経症状抑制活性を有するペプチド;または
(iii)配列番号:2又は4に記載の塩基配列からなるDNA、またはその相補配列にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAによりコードされ、かつうつ症状または不安神経症状抑制活性を有するペプチド:
本発明のスクリーニング方法では、さらに、下記の(iv)から(vi)の何れかに記載の蛋白質または該蛋白質の部分ペプチドを用いることもできる。
(iv)配列番号:5に記載のアミノ酸配列からなる蛋白質。
(v)配列番号:5に記載のアミノ酸配列において1又は複数のアミノ酸が置換、欠失、付加および/または挿入されたアミノ酸配列からなり、かつ、上記の(i)から(iii)の何れかのペプチドと結合活性を有する蛋白質;
(vi)配列番号:6に記載の塩基配列からなるDNA、またはその相補配列にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAによりコードされ、かつ上記の(i)から(iii)の何れかのペプチドと結合活性を有する蛋白質:
本発明で言う「配列番号:5に記載のアミノ酸配列において1又は複数のアミノ酸が置換、欠失、付加および/または挿入されたアミノ酸配列」におけるアミノ酸の変異数や変異部位は、配列番号:5で表されるペプチドの機能が保持される限り制限はないが、通常、配列番号:5で表されるペプチドと相同性が約80%以上、好ましくは約90%以上、さらに好ましくは約95%以上、特に好ましくは99%以上のペプチドである。アミノ酸の変異数は一般的には1〜20個であり、好ましくは1〜10個であり、より好ましくは1〜7個程度であり、特に好ましくは1〜5個である。また、アミノ酸置換の具体例としては、本明細書中上記した保存性の高い置換が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
配列番号:5に記載のアミノ酸配列において1又は複数のアミノ酸が置換、欠失、付加および/または挿入されたアミノ酸配列は、好ましくは、配列番号:5に記載のアミノ酸配列からなる蛋白質と機能的に同等な蛋白質である。ここで機能的に同等な蛋白質とは、リガンドとの結合活性やシグナル情報伝達作用等の生物学的特性が同等であることを意味する。
本発明で言う「結合活性を有する蛋白質」とは、測定方法や測定条件等により異なるが、例えば、上記ペプチドとの結合活性をFDSS6000(浜松ホトニクス)を用いて測定した場合のEC50値が1.0〜15.0nMとなるような蛋白質を意味する。
本発明で言う「蛋白質」とは、天然型の蛋白質のみならず、機能的に同等な全ての蛋白質も含まれることを意味し、さらにそれらの塩やアミド化またはエステル化されたものであってもよい。
また、本発明で言う「部分ペプチド」としては、上記の蛋白質のうち、何れかの蛋白質の部分ペプチドであればよいが、特に本発明の蛋白質の細胞膜外部分であって、かつ、受容体結合活性を有するものが好ましい。
本発明で用いる上記した蛋白質または該蛋白質の部分ペプチドとしては、ヒトやそれ以外の哺乳動物(例えばラット、マウス、ウサギ、ニワトリ、ヒツジ、ウシ、サル等)に由来する天然の蛋白質を使用してもよいが、本明細書中上記した通り、ペプチド合成に通常用いられる固相法および液相法などの化学的手法により合成してもよいし、遺伝子組み換え手法に従って作製してもよい。
本発明のスクリーニング方法の具体例としては、[1]本発明のペプチドと受容体蛋白質又はその部分ペプチドとの結合活性を向上させる化合物のスクリーニング方法、並びに[2]本発明のペプチド又はその前駆体の発現量を向上させる化合物のスクリーニング方法を挙げることができる。このようなスクリーニング方法によって、うつ症状または不安神経症状を抑制させる物質を選択することができる。
本発明のペプチドと受容体蛋白質との結合活性を向上させる物質のスクリーニング方法の具体例としては、以下の(a)又は(b)の方法が挙げられる。
(a)(i)試験物質の存在下で本発明のペプチドとその受容体蛋白質を接触させ、該ペプチドと受容体蛋白質の結合活性を測定し、(ii)試験物質の非存在下での結合活性と比較して、(i)での結合活性を向上させる物質を選択する工程を含むスクリーニング方法。このようにして得られた物質であれば、うつ症状又は不安神経症状抑制効果を有する候補物質とすることができる。
(b)(i)試験物質の存在下で本発明のペプチドとその受容体蛋白質を接触させ、該受容体蛋白質を介した細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−fosの活性化、pHの低下などを侭進する活性または抑制する活性など)の結合活性を測定し、(ii)試験物質の非存在下での細胞刺激活性と比較して、(i)での結合活性を向上させる物質を選択する工程を含むスクリーニング方法。このようにして得られた物質であれば、うつ症状又は不安神経症状抑制効果を有する候補物質とすることができる。
本発明のペプチド又はその前駆体の発現量を向上させる化合物のスクリーニング方法として、具体的には、(i)試験物質の存在下で本発明のペプチド発現細胞又は組織を培養し、本発明のペプチドをコードするmRNA量を測定し、(ii)試験物質の非存在下でのmRNA量と比較して、(i)でのmRNA量を向上させる物質を選択する工程を含むスクリーニング方法が挙げられる。このときmRNA量を向上させる化合物であれば、うつ症状又は不安神経症状抑制効果を有する候補物質とすることができる。
上記の通り、本発明で得られた知見を利用することにより、うつ症状又は不安神経症状を抑制する物質のスクリーニングを行うことが可能である。
本発明のスクリーニング方法に供される試験物質としては、例えば、ペプチド、蛋白質、非ペプチド化合物、合成化合物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液等が用いられ、これらの化合物は新規な化合物であってもよいし、公知の化合物であってもよい。またペプチドライブラリーや化合物ライブラリー等を用いることもできる。
被験物質によるうつ症状又は不安神経症状を抑制させる効果は、公知の方法を用いて確認することができる。例えばうつ病モデル動物(例えば、マウス)にスクリーニングで得られた化合物を経口的に又は非経口的に投与し、該モデル動物の無動化時間を測定することにより確認することができる。
本発明のスクリーニング方法によって得られる物質は、うつ症状又は不安神経症状を抑制する効果を有するので、安全で低毒性な治療・予防などの医薬として使用することができる。得られた物質が塩を形成する場合には、その塩を医薬として使用することもできる。塩としては、生理学的に許容される無機酸(例えば、塩酸、リン酸)、有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、シュウ酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸)または塩基(例えば、アルカリ金属)等との塩が挙げられるが、特に生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。
上記したうつ症状又は不安神経症状を抑制する効果を有する物質は、そのまま用いてもよいが、通常は、製剤学的に許容しうる1又は2種以上の製剤用添加物を用いて該物質を有効成分として含む医薬組成物を製造して投与することが好ましい。該物質を医薬組成物として使用する場合は、通常行われる手段に従って、錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤などとして、あるいは無菌性溶液、懸濁液剤などの注射剤とすることができる。
該物質の投与方法は経口投与でも非経口投与でもよく、非経口投与の形態も特に限定されず、静脈投与、筋肉内投与、腹腔内投与、または皮下投与などを行うことができる。
該物質の投与量は、投与対象、投与方法等により異なるが、例えば経口投与の場合は、うつ患者(60kg)に対して、一日約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mgである。非経口投与する場合は、例えば、うつ患者(60kg)に対して、一日約0.01〜30mg、好ましくは約0.1〜20mg、より好ましくは約0.1〜10mgを静脈注射することができる。
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
マウス尾懸垂試験におけるNPXの抗うつ様作用を検討した。
動物は雄性ICRマウス(体重25−35g。日本チャールスリバー)を使用した。尾懸垂試験はSteruらによって報告された方法(Steru et al.,Psychopharmacology,85,367−370(1985))を僅かに修正し実施した。マウスを金属性rodに尾をテープで接着させることにより固定した。rodは机から45cmの高さに固定した。10分間尾懸垂試験を実施し、10分間における無動化時間を測定した。披検物質投与群のマウスには、所定量のNPX(固相合成法により合成)を0.1%ウシ血清アルブミンを含むリン酸緩衝化生理食塩水に溶かして調製した被検物質を、また、被検物質無投与対象群のマウスには0.1%ウシ血清アルブミンを含むリン酸緩衝化生理食塩水をそれぞれ脳室内に投与した。投与の際、マウスをhalothaneで軽麻酔し、ハミルトン注射器に27ゲージの針を付け、注射針を正中線から2mm外側部と、耳の基部の前方を通って引かれた線の交点に頭蓋骨から垂直に突き刺し、脳室内に薬液を注入した。投与用量は5μlとした。投与24時間後に尾懸垂試験を実施した。結果を図1に示した。
図1に示した結果から明らかな通り、対照群と比較して、被検薬であるNPXを脳室内投与することにより、無動化時間は用量依存的に減少した。
従って、NPXおよびその受容体であるGPR103−like受容体蛋白質に作用を示す化合物はうつ様症状を抑制する作用を有することから、うつ症又は不安神経症治療薬として有用である。
本発明のペプチドNPXはうつ病または不安神経症の予防・治療薬として有用である。特に一定時間経過後にその効果が発揮されることから、公知のうつ病または不安神経症の予防・治療薬と組み合わせることで長時間効果の持続することが可能である。さらに本発明のスクリーニング方法で得られる化合物はうつ病または不安神経症の予防・治療薬として有用である。

Claims (16)

  1. 配列番号:1又は3に記載のアミノ酸配列からなるペプチドを含有する抗うつ剤または抗不安剤。
  2. 配列番号:1又は3に記載のアミノ酸配列からなるペプチドを含有するうつ症状または不安神経症状の予防または治療剤。
  3. 配列番号:1又は3に記載のアミノ酸配列において1又は複数のアミノ酸が置換、欠失、付加および/または挿入されたアミノ酸配列からなり、かつうつ症状または不安神経症状抑制活性を有するペプチドを含有する、抗うつ剤または抗不安剤。
  4. 配列番号:1又は3に記載のアミノ酸配列において1又は複数のアミノ酸が置換、欠失、付加および/または挿入されたアミノ酸配列からなり、かつうつ症状または不安神経症状抑制活性を有するペプチドを含有する、うつ症状または不安神経症状の予防または治療剤。
  5. 配列番号:2又は4に記載の塩基配列からなるDNA、またはその相補配列にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAによりコードされ、かつうつ症状または不安神経症状抑制活性を有するペプチドを含有する、抗うつ剤または抗不安剤。
  6. 配列番号:2又は4に記載の塩基配列からなるDNA、またはその相補配列にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAによりコードされ、かつうつ症状または不安神経症状抑制活性を有するペプチドを含有する、うつ症状または不安神経症状の予防または治療剤。
  7. 下記の(i)から(iii)の何れかのペプチドの有効量を投与することを含む、うつ症状または不安神経症状の抑制、予防または治療方法。
    (i)配列番号:1又は3に記載のアミノ酸配列からなるペプチド;
    (ii)配列番号:1又は3に記載のアミノ酸配列において1又は複数のアミノ酸が置換、欠失、付加および/または挿入されたアミノ酸配列からなり、かつうつ症状または不安神経症状抑制活性を有するペプチド;または
    (iii)配列番号:2又は4に記載の塩基配列からなるDNA、またはその相補配列にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAによりコードされ、かつうつ症状または不安神経症状抑制活性を有するペプチド:
  8. 抗うつ剤、抗不安剤あるいはうつ症状または不安神経症状の予防または治療剤を製造するための、下記の(i)から(iii)の何れかのペプチドの使用。
    (i)配列番号:1又は3に記載のアミノ酸配列からなるペプチド;
    (ii)配列番号:1又は3に記載のアミノ酸配列において1又は複数のアミノ酸が置換、欠失、付加および/または挿入されたアミノ酸配列からなり、かつうつ症状または不安神経症状抑制活性を有するペプチド;または
    (iii)配列番号:2又は4に記載の塩基配列からなるDNA、またはその相補配列にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAによりコードされ、かつうつ症状または不安神経症状抑制活性を有するペプチド:
  9. 下記の(i)から(iii)の何れかのペプチドを用いることを特徴とする、該ペプチドの活性を促進することによりうつ症状または不安神経症状を抑制する物質をスクリーニングする方法。
    (i)配列番号:1又は3に記載のアミノ酸配列からなるペプチド;
    (ii)配列番号:1又は3に記載のアミノ酸配列において1又は複数のアミノ酸が置換、欠失、付加および/または挿入されたアミノ酸配列からなり、かつうつ症状または不安神経症状抑制活性を有するペプチド;または
    (iii)配列番号:2又は4に記載の塩基配列からなるDNA、またはその相補配列にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAによりコードされ、かつうつ症状または不安神経症状抑制活性を有するペプチド:
  10. さらに、下記の(iv)から(vi)の何れかに記載の蛋白質または該蛋白質の部分ペプチドを用いる、請求項9に記載のスクリーニング方法。
    (iv)配列番号:5に記載のアミノ酸配列からなる蛋白質。
    (v)配列番号:5に記載のアミノ酸配列において1又は複数のアミノ酸が置換、欠失、付加および/または挿入されたアミノ酸配列からなり、かつ、請求項9に記載の(i)から(iii)の何れかのペプチドと結合活性を有する蛋白質;
    (vi)配列番号:6に記載の塩基配列からなるDNA、またはその相補配列にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAによりコードされ、かつ請求項9に記載の(i)から(iii)の何れかのペプチドと結合活性を有する蛋白質:
  11. 配列番号:2又は4に記載の塩基配列からなるDNA、またはその相補配列にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAを用いることを特徴とする、下記の(i)から(iii)の何れかのペプチドの発現を促進または阻害することによりうつ症状または不安神経症状を抑制する物質をスクリーニングする方法。
    (i)配列番号:1又は3に記載のアミノ酸配列からなるペプチド;
    (ii)配列番号:1又は3に記載のアミノ酸配列において1又は複数のアミノ酸が置換、欠失、付加および/または挿入されたアミノ酸配列からなり、かつうつ症状または不安神経症状抑制活性を有するペプチド;または
    (iii)配列番号:2又は4に記載の塩基配列からなるDNA、またはその相補配列にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAによりコードされ、かつうつ症状または不安神経症状抑制活性を有するペプチド:
  12. 請求項9から11の何れかに記載のスクリーニング方法により選択される物質を含有する、抗うつ剤または抗不安剤。
  13. 請求項9から11の何れかに記載のスクリーニング方法により選択される物質を含有する、うつ症状または不安神経症状の予防または治療剤。
  14. 請求項9から11の何れかに記載のスクリーニング方法により選択される物質の有効量を投与することを含む、うつ症状または不安神経症状の抑制、予防または治療方法。
  15. 抗うつ剤、抗不安剤あるいはうつ症状または不安神経症状の予防または治療剤を製造するための、請求項9から11の何れかに記載のスクリーニング方法により選択される物質の使用。
  16. 配列番号:1又は3に記載のアミノ酸配列からなるペプチドに対するレセプターのアゴニストを含有するうつ症状または不安神経症状の予防または治療剤。
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