JPWO2005063294A1 - γ−セクレターゼ複合体形成阻害剤 - Google Patents

γ−セクレターゼ複合体形成阻害剤 Download PDF

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Abstract

本発明は、コレステロール合成阻害剤、又は蛋白ゲラニルゲラニル化抑制剤を有効成分とするγ−セクレターゼ複合体形成阻害剤、及びそれを製造するためのコレステロール合成阻害剤、又は蛋白ゲラニルゲラニル化抑制剤の使用を提供する。また、本発明は、コレステロールの合成阻害活性を測定すること、又は細胞の脂質ラフトにおけるコレステロールの蓄積量を測定することからなるγ−セクレターゼの活性複合体の形成を阻害する作用を有する物質をスクリーニングする方法に関する。また、本発明は、γ−セクレターゼの活性複合体の形成を阻害する作用を測定することからなるコレステロール合成阻害剤、蛋白ゲラニルゲラニル化抑制剤、又はHMG−CoA還元酵素阻害剤をスクリーニングする方法に関する。さらに、本発明は、細胞内におけるγ−セクレターゼが、その活性複合体を形成するに必要とされるニカストリン(nicastrin)、APH−1、Pen−2などの構成成分の細胞内における分布を測定することにより、被検物質のγ−セクレターゼに対する作用をスクリーニングする方法に関する。

Description

本発明は、コレステロール合成阻害剤、又は蛋白ゲラニルゲラニル化抑制剤を有効成分とするγ−セクレターゼ複合体形成阻害剤又はγ−セクレターゼの活性複合体の脂質ラフト分布低下剤、及びコレステロールの合成阻害活性を測定すること、又は細胞の脂質ラフトにおけるコレステロールの蓄積量を測定することからなるγ−セクレターゼの活性複合体の形成を阻害する作用を有する物質をスクリーニングする方法又はγ−セクレターゼの脂質ラフトにおける分布を低下させる作用を有する物質をスクリーニングする方法に関する。また、本発明は、γ−セクレターゼの活性複合体の形成を阻害する作用を測定することからなるコレステロール合成阻害剤、蛋白ゲラニルゲラニル化抑制剤、又はHMG−CoA還元酵素阻害剤をスクリーニングする方法に関する。さらに、本発明は、コレステロール合成阻害剤、又は蛋白ゲラニルゲラニル化抑制剤を用いて、γ−セクレターゼの活性複合体の形成を阻害する方法又はγ−セクレターゼの活性複合体の脂質ラフトにおける分布を低下させる方法に関する。また、本発明は、γ−セクレターゼ複合体形成阻害剤又はγ−セクレターゼの活性複合体の脂質ラフト分布低下剤を製造するためのコレステロール合成阻害剤,又は蛋白ゲラニルゲラニル化抑制剤の使用に関する。また、本発明は、細胞内におけるγ−セクレターゼが、その活性複合体を形成するに必要とされるニカストリン(nicastrin)、APH−1、Pen−2などの構成成分の細胞内における分布を測定することにより、被検物質のγ−セクレターゼに対する作用をスクリーニングする方法に関する。
老人性痴呆症の代表的疾患であるアルツハイマー病(AD)は、脳の萎縮、老人斑の沈着および神経原線維の形成を特徴とする変性疾患で、神経細胞の脱落が痴呆症状を引き起こすと考えられている(N Engl J Med 2003;348:1356)。ADでは、1回膜貫通蛋白であるアミロイド前駆体タンパク質(APP)が、細胞膜に存在するα−セクレターゼよりも脂質ラフト(lipid rafts:スフィンゴ脂質とコレステロールが集積した細胞膜のミクロドメイン)(J Clin Invest. 2002;110:597-603)に存在するβ−セクレターゼで細胞外部分が切断され、更にγ−セクレターゼによって膜貫通部が切断されてAβ40、Aβ42ペプチドを生じ、これらのペプチドとりわけ凝集性の強いAβ42が脳に沈着して神経細胞が脱落し脳の萎縮が生じる。γ−セクレターゼは、単一の膜貫通蛋白であるβ−セクレターゼと異なり、活性サブユニットであるプレセニリン(presenilin)がニカストリン(nicastrin)、APH-1、Pen-2とγ−セクレターゼ複合体を形成して作用し(生体の科学2003;291-296)、脂質ラフトが、Aβ40、Aβ42産生の場になると考えられている。セクレターゼの活性はコレステロールレベルの影響を受け、コレステロールレベルの増加はα−セクレターゼ活性を低下させ、β−セクレターゼ活性を上昇させるが、γ−セクレターゼの活性には大きな影響を受けないとされている(Biochem Soc Transact 2002;30:525-529)。コレステロール包接剤(J Lipid Res. 1999;40:781-96)による脂質ラフトからのコレステロールの除去ではγ−セクレターゼ活性が消失したという報告(Neurobiol Dis. 2002;9:11-23)と影響がなかったという報告(Biochemistry 2003;42:13977- 86)がある。
コレステロールの生合成過程は、HMG−CoA合成酵素によりアセチル−CoAから生成された3−ヒドロキシ−3−メチル−グルタリル−CoA(HMG−CoA)が、HMG−CoA還元酵素により還元されて、メバロン酸を生成する過程から始まる。生成されたメバロン酸は、活性イソプレン単位と呼ばれるイソペンテニルピロリン酸とされ、ゲラニルピロリン酸を経て、ファルネシルピロリン酸合成酵素によりファルネシルピロリン酸とされる。そして、スクアレン合成酵素によりスクアレンとされ、スクアレンエポキシダーゼにより2,3−エポキシスクアレンとされる。そして、ラノステロール合成酵素によりラノステロールとされてコレステロールの母体構造が形成された後、各種の修飾反応を経てコレステロールが生成される。
ファルネシルピロリン酸合成酵素により生成されたファルネシルピロリン酸の一部は、イソペンテニルピロリン酸と反応してゲラニルゲラニルピロリン酸となり、ゲラニルゲラニル転移酵素によりRhoやRacなどのタンパク質のゲラニルゲラニル化が行われる。
また、AMPKはHMG−CoA還元酵素をリン酸化して失活させるのでAMPK活性化剤はHMG−CoA還元酵素阻害剤と類似の作用を有している。さらに、AMPKはアセチルCoAカルボキシラーゼをリン酸化して失活させる作用も持ち脂肪酸合成も抑制する。また、フィブラートはAMPK活性化作用を介してHMG−CoA還元酵素抑制作用をもつことが知られている。
HMG-CoA還元酵素阻害剤は、コレステロール生合成の律速段階、HMG-CoAのメバロン酸への転換を触媒する酵素であるHMG-CoA還元酵素を拮抗阻害する薬剤であり、高コレステロール血症治療剤として知られている。HMG-CoA還元酵素阻害剤を服用している患者はAD罹患率が低いというレトロスペクティブな疫学結果が報告され(Arch Neurol 2000;57:1439-1433)、又、HMG-CoA還元酵素阻害剤はin vitro、in vivoにおけるAβペプチドの生成を低下させたとの結果から、HMG-CoA還元酵素阻害剤がAD治療に有用とする特許が出願されている(WO 02/062824号、WO 01/096311号、WO 01/32161号、WO 00/28981号、WO 99/48488号、USP 6,472,421号、USP 6,440,387号、USP 6,080,778号)。これらの特許明細書では、HMG-CoA還元酵素阻害剤がAPPのプロセシング即ちセクレターゼ活性の調節を介してAβペプチドの産生を低下させた可能性が述べられているが、γ−セクレターゼ活性の低下を論じたものは無い。
γ-セクレターゼ阻害剤は、本酵素がAβ42を産生する酵素であること、活性サブユニットであるプレセニリンの遺伝子変異がAD病の原因となることなどから(Arch Neurol. 2003;60:1541-4)、AD病治療薬として、現在、盛んに検討が行われている(Adv Drug Deliv Rev. 2002;54:1579-88)。しかし、γ-セクレターゼはAPPの他、Notch、ErbB4、CD44、LRPなどを切断し、活性の強いものは副作用を発現する為(FASEB J 2003;17:79-81)、γ-セクレターゼ阻害剤の開発は必ずしもうまく進んでいない。既存の薬物では、γ-セクレターゼ阻害作用を持つ、一部の非ステロイド性抗炎症剤がAβ42の産生を特異的に阻害し、Notchの切断を阻害しないことが報告されている (J Biol Chem 2003;278:30748-30754, 18664-18670)。その機序についてはRho抑制の関与が示唆されている(Science 2003;302:1215-1217)。
本発明者らは、Aβ40、Aβ42産生の場と考えられている神経細胞の脂質ラフトにおけるγ−セクレターゼ複合体の存在量を蔗糖密度勾配法により検討した結果,コレステロールを除去し脂質ラフトの構造を破壊してしまうメチルβシクロデキストリンのようなコレステロール包接剤だけでなく、驚くべきことに、脂質ラフトのコレステロールを低下させるコレステロール合成阻害剤が、脂質ラフトのコレステロール残量に依存して脂質ラフトのγ−セクレターゼ複合体の存在量を低下させ、その活性を低下させることを見出し、本発明を完成した。従って、本発明は脂質ラフトへのγ−セクレターゼ複合体の分布量を低下させる新しいタイプのγ−セクレターゼ活性抑制剤及びそのスクリーニング方法を提供するものである。
また、本発明者らは、培養細胞に被検物質を添加して、細胞内におけるγ−セクレターゼが、その活性複合体を形成するに必要とされるニカストリン(nicastrin)、APH-1、Pen-2などの成分の細胞内における分布を測定することにより、被検物質のγ−セクレターゼに対する作用をスクリーニングできることを見出した。
本発明は、第一に、コレステロールの合成阻害活性を測定することからなる、γ−セクレターゼの活性複合体の形成を阻害する作用を有する物質をスクリーニングする方法、より詳細には、脂質ラフトに蓄積され得るコレステロールの合成阻害活性を測定することからなる、γ−セクレターゼの活性複合体の形成を阻害する作用を有する物質をスクリーニングする方法を提供するものである。
本発明は、第二に、コレステロールの合成阻害活性を測定することからなる、γ−セクレターゼの活性複合体の脂質ラフトにおける分布を低下させる作用を有する物質をスクリーニングする方法、より詳細には、脂質ラフトに蓄積され得るコレステロールの合成阻害活性を測定することからなる、γ−セクレターゼのの脂質ラフトにおける分布を低下させる作用を有する物質をスクリーニングする方法を提供するものである。
本発明は、第三に、被検物質の存在下に、細胞を培養し、細胞の脂質ラフトにおけるコレステロールの蓄積量を測定することからなるγ−セクレターゼの活性複合体の形成を阻害する作用を有する物質をスクリーニングする方法を提供するものである。
本発明は、第四に、被検物質の存在下に、細胞を培養し、細胞の脂質ラフトにおけるコレステロールの蓄積量を測定することからなる、γ−セクレターゼの脂質ラフトにおける分布を低下させる作用を有する物質をスクリーニングする方法を提供するものである。
本発明は、第五に、γ−セクレターゼの活性複合体の形成を阻害する作用を測定することからなるコレステロール合成阻害剤、蛋白ゲラニルゲラニル化抑制剤、又はHMG−CoA還元酵素阻害剤をスクリーニングする方法、より詳細には脂質ラフトにおけるγ−セクレターゼの活性複合体の形成を阻害する作用を測定することからなるコレステロール合成阻害剤、蛋白ゲラニルゲラニル化抑制剤、又はHMG−CoA還元酵素阻害剤をスクリーニングする方法を提供するものである。
本発明は、第六に、γ−セクレターゼの脂質ラフトにおける分布を低下させる作用を測定することからなるコレステロール合成阻害剤、蛋白ゲラニルゲラニル化抑制剤、又はHMG−CoA還元酵素阻害剤をスクリーニングする方法、より詳細には脂質ラフトにおけるγ−セクレターゼの分布を低下させる作用を測定することからなるコレステロール合成阻害剤、蛋白ゲラニルゲラニル化抑制剤、又はHMG−CoA還元酵素阻害剤をスクリーニングする方法を提供するものである。
本発明は、第七に、コレステロール合成阻害剤、又は蛋白ゲラニルゲラニル化抑制剤を有効成分とするγ−セクレターゼ複合体形成阻害剤を提供するものである。
本発明は、第八に、コレステロール合成阻害剤、又は蛋白ゲラニルゲラニル化抑制剤を有効成分とするγ−セクレターゼの活性複合体の脂質ラフト分布低下剤を提供するものである。
本発明は、第九に、コレステロール合成阻害剤、又は蛋白ゲラニルゲラニル化抑制剤を用いて、γ−セクレターゼの活性複合体の形成を阻害する方法を提供するものである。
本発明は、第十に、コレステロール合成阻害剤、又は蛋白ゲラニルゲラニル化抑制剤を用いて、γ−セクレターゼの活性複合体の脂質ラフトにおける分布を低下させる方法を提供するものである。
本発明は、第十一に、γ−セクレターゼ複合体形成阻害剤を製造するためのコレステロール合成阻害剤、又は蛋白ゲラニルゲラニル化抑制剤の使用を提供するものである。
本発明は、第十二に、γ−セクレターゼの活性複合体の脂質ラフト分布低下剤を製造するためのコレステロール合成阻害剤,又は蛋白ゲラニルゲラニル化抑制剤の使用を提供するものである。
さらに、本発明は、培養細胞に被検物質を添加して、細胞内におけるγ−セクレターゼが、その活性複合体を形成するに必要とされるニカストリン(nicastrin)、APH-1、Pen-2などの構成成分の細胞内における分布を測定することにより、被検物質のγ−セクレターゼに対する作用をスクリーニングする方法に関する。
メチルβシクロデキストリン処理後の細胞膜分画のイムノブロティングを示す。図1のAはニカストリンについてのものであり、BはPS1CTFについてのものであり、CはPS2CTFについてのものであり、DはPEN−2についてのものであり、Eはフロチリン−1についてのものである。各々のブロッティングの図は、上からメチルβシクロデキストリンの濃度が0mM、1mM、及び2mMのものである。 図中の1〜10は、蔗糖密度勾配遠心法によるフラクションの番号を示す。
メチルβシクロデキストリンによる細胞膜分画のコレステロール及びタンパク質含量の変化を示したグラフである。四角印(□及び■)はメチルβシクロデキストリンの濃度が0mMの場合を示し、三角印(△及び▲)は1mMの場合を示し、丸印(○及び●)は2mMの場合をそれぞれ示す。白抜きの印はコレステロールの量を示し、黒抜きの印はタンパク質の量を示す。グラフの横軸はフラクションの番号を示し、左側の縦軸はコレステロールの量(μg/mL)を示し、右側の縦軸はタンパク質の量(mg/mL)を示す。
HMG-CoA還元酵素阻害剤処理後の細胞膜分画のイムノブロティングを示す。図3のAはニカストリンについてのものであり、BはPS1CTFについてのものであり、CはPS2CTFについてのものであり、Dはフロチリン−1についてのものである。各々のブロッティングの図は、上からコントロール、コンパクチン50μM添加の場合、ピタバスタチン5μM添加の場合をそれぞれ示す。
HMG-CoA還元酵素阻害剤による細胞膜分画のコレステロール及びタンパク質含量の変化を示したグラフである。四角印(□及び■)はコントロールとしてのメバロン酸250μMの場合を示し、丸印(○及び●)はコンパクチン(メバロン酸250μM及びコンパクチン50μM)の場合を示し、三角印(△及び▲)はピタバスタチン(メバロン酸250μM及びピタバスタチン5μM)の場合をそれぞれ示す。白抜きの印はコレステロールの量を示し、黒抜きの印はタンパク質の量を示す。グラフの横軸はフラクションの番号を示し、左側の縦軸はコレステロールの量(μg/mL)を示し、右側の縦軸はタンパク質の量(mg/mL)を示す。
発明の詳細な説明
本発明者らは、後述する実施例において示されるように、細胞にHMG-CoA還元酵素阻害剤を添加することにより、脂質ラフトにおけるコレステロール含有量の顕著な減少が見られるだけでなく(図3参照)、メチルβシクロデキストリンを添加した場合と同様なγ−セクレターゼ活性複合体の構成成分であるニカストリン、プレセニリン1及びプレセニリン2が脂質ラフト分画(フラクション3)から消失する(図3A、B及びC参照)ことを見出した。HMG−CoA還元酵素阻害剤の場合には、フロティリンは脂質ラフト分画に未だ残っており脂質ラフト構造は保たれていた。
このことは、脂質ラフトのコレステロールを低下させるコレステロール合成阻害剤が、脂質ラフトのコレステロール残量に依存して脂質ラフトのγ−セクレターゼ活性複合体の存在量を低下させ、その活性を低下させることを明らかにしたものである。また、Aβの産生を抑制するNSAIDsがRho抑制を介して働くと報じられていること(Science 2003;302:1215-1217)、この実験で使用したHMG−CoA還元酵素阻害剤がコレステロールの合成阻害だけでなくタンパク質のゲラニルゲラニル化をも阻害する活性を有していることから、HMG-CoA還元酵素阻害剤がRhoのゲラニルゲラニル化抑制剤として機能していることを包含するものである。
また、本発明者らは、蔗糖密度勾配法などにより細胞の構成要素をフラクション化することにより、γ−セクレターゼ活性複合体の構成成分であるニカストリン、プレセニリン1(PS1)及びプレセニリン2(PS2)などの細胞内での分布を解析できることを確立し、このような構成成分の分布を測定することにより、γ−セクレターゼの活性に対して影響を与える物質をスクリーニングできることを明らかにした。
本発明において、コレステロール合成阻害剤とは、生体内のコレステロールの合成を阻害することができる薬剤であり、生体内におけるコレステロールの生合成経路のいずれか1つの段階又は2以上の段階を阻害することができるものであればよい。本発明のコレステロール合成阻害剤としては、例えば、HMG-CoA合成酵素阻害剤(Proc Natl Acad Sci USA.1987;84:7488-92)、HMG-CoA還元酵素阻害剤、スクアレンシンターゼ阻害剤、スクアレンエポキシダーゼ阻害剤、ラノステロール合成酵素阻害剤、フィブラート等のAMPK活性化剤(Biochemical Society Transactions.l997;25:S676)、及びビスホスホネート等のファルネシルピロリン酸合成酵素阻害剤(Biochem Biophys Res Commun 1999;264:108-111)などが挙げられる。好ましいコレステロール合成阻害剤としては、HMG-CoA還元酵素阻害剤が挙げられる。
また、本発明の蛋白ゲラニルゲラニル化抑制剤としては、生体内のゲラニルゲラニル化タンパク質の生成を阻害又は抑制することができる薬剤であればよく、生体内におけるゲラニルゲラニル化タンパク質の生合成経路のいずれか1の段階又は2以上の段階を阻害又は抑制することができるものであればよい。本発明の蛋白ゲラニルゲラニル化抑制剤としては、例えば、HMG-CoA合成酵素阻害剤、HMG-CoA還元酵素阻害剤、フィブラート等のAMPK活性化剤、ビスホスホネート等のファルネシルピロリン酸合成酵素阻害剤、ゲラニルゲラニル転移酵素阻害剤などが挙げられる。本発明の好ましい蛋白ゲラニルゲラニル化抑制剤としては、HMG-CoA還元酵素阻害剤、ゲラニルゲラニル転移酵素阻害剤などが挙げられる。
したがって、本発明のコレステロール合成阻害剤、又は蛋白ゲラニルゲラニル化抑制剤としては、HMG-CoA合成酵素阻害剤、HMG-CoA還元酵素阻害剤、スクアレン合成酵素阻害剤、スクアレンエポキシダーゼ阻害剤、ラノステロール合成酵素阻害剤、AMPK活性化剤、、ファルネシルピロリン酸合成酵素阻害剤及びゲラニルゲラニル転移酵素阻害剤からなる群から選ばれた1種又は2種以上の薬剤を使用することができる。生体内におけるコレステロールの生合成経路とゲラニルゲラニルピロリン酸の生合成経路は、ファルネシルピロリン酸の合成経路までは同じであることから、ファルネシアピロリン酸の生合成までの経路における酵素活性阻害剤の使用が好ましい。例えば、本発明の好ましいコレステロール合成阻害剤又は蛋白ゲラニルゲラニル化抑制剤としては、HMG-CoA還元酵素阻害剤が挙げられる。より好ましい薬剤としてはスタチン類が挙げられる。これらの薬剤は、製剤学的に必要であれば、塩や溶媒和物として使用することもできる。
本発明における好ましいHMG-CoA還元酵素阻害剤としては、例えば、
ロバスタチン(化学名:(+)−(1S,3R,7S,8S,8aR)−1,2,3,7,8,8a−ヘキサヒドロ−3,7−ジメチル−8−[2−[(2R,4R)−テトラヒドロ−4−ヒドロキシ−6−オキソ−2H−ピラン−2−イル]エチル]−1−ナフチル (S)−2−メチルブチレート(米国特許第4,231,938号参照));
シンバスタチン(化学名:(+)−(1S,3R,7S,8S,8aR)−1,2,3,7,8,8a−ヘキサヒドロ−3,7−ジメチル−8−[2−[(2R,4R)−テトラヒドロ−4−ヒドロキシ−6−オキソ−2H−ピラン−2−イル]エチル]−1−ナフチル 2,2−ジメチルブタノエート(米国特許第4,444,784号参照));
プラバスタチン(化学名:(+)−(3R,5R)−3,5−ジヒドロキシ−7−[(1S,2S,6S,8S,8aR)−6−ヒドロキシ−2−メチル−8−[(S)−2−メチルブチリルオキシ]−1,2,6,7,8,8a−ヘキサヒドロ−1−ナフチル]ヘプタン酸(米国特許第4,346,227号参照));
フルバスタチン(化学名:(3RS,5SR,6E)−7−[3−(4−フルオロフェニル)−1−(1−メチルエチル)−1H−インドール−2−イル]−3,5−ジヒドロキシ−6−ヘプテン酸(米国特許第5,354,772号参照));
アトルバスタチン(化学名:(3R,5R)−7−[2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4−フェニルカルバモイル−1H−ピロル−1−イル]−3,5−ジヒドロキシヘプタン酸(米国特許第5,273,995号参照));
セリバスタチン(化学名:(3R,5S)−エリスロ−(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−2,6−ジイソプロピル−5−メトキシメチル−ピリジン−3−イル]−3,5−ジヒドロキシ−6−ヘプテン酸(米国特許第5,177,080号参照));
メバスタチン(化学名:(+)−(1S,3R,7S,8S,8aR)−1,2,3,7,8,8a−ヘキサヒドロ−7−メチル−8−[2−[(2R,4R)−テトラヒドロ−4−ヒドロキシ−6−オキソ−2H−ピラン−2−イル]エチル]−1−ナフチル (S)−2−メチルブチレート(米国特許第3,983,140号参照));
ロスバスタチン(化学名:7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−(N−メチル−N−メタンスルホニルアミノピリミジン)−5−イル]−(3R,5S)−ジヒドロキシ−(E)−6−ヘプテン酸(米国特許第5,260,440号、日本国特許第2,648,897号参照));
ピタバスタチン((3R,5S,6E)−7−[2−シクロプロピル−4−(4−フルオロフェニル)−3−キノリル]−3,5−ジヒドロキシ−6−ヘプテン酸(米国特許第5,856,336号、日本国特許第2,569,746号参照)) ;
又はそれらの塩などが挙げられる。より好ましくは、ピタバスタチン、ロバスタチン、シンバスタチンなどが挙げられ、さらに好ましくは、ピタバスタチンが挙げられる。
本発明における好ましいコレステロール合成阻害剤としては、HMG-CoA還元酵素阻害剤が挙げられ、当該HMG-CoA還元酵素阻害剤としては、ロバスタチン、プラバスタチン、シンバスタチン、フルバスタチン、セリバスタチン、アトルバスタチン、ピタバスタチン又はロスバスタチン、及びそれぞれの場合においてその薬学的に許容される塩からなる群から選ばれる化合物が挙げられる。さらに好ましいHMG-CoA還元酵素阻害剤としては、ピタバスタチン又はその塩若しくはその溶媒和物が挙げられる。
本発明は、γ−セクレターゼの活性を抑制すること、より詳細には脂質ラフトにおける活性を抑制することを、その目的のひとつとするものである。したがって、本発明のγ−セクレターゼの活性抑制剤としては、γ−セクレターゼの複合体の形成を阻害することからなるγ−セクレターゼ複合体形成阻害剤、又はγ−セクレターゼ又はその活性複合体の脂質ラフトにおける分布を低下させるためのγ−セクレターゼの活性複合体の脂質ラフト分布低下剤のいずれのものであってもよい。
本発明のγ−セクレターゼ複合体形成阻害剤、又はγ−セクレターゼの活性複合体の脂質ラフト分布低下剤は、有効成分としてのコレステロール合成阻害剤及び/又は蛋白ゲラニルゲラニル化抑制剤、並びに製薬上許容される担体を含有することができ、これらの成分を含有してなる医薬組成物として使用することもできる。
また、本発明は、γ−セクレターゼの活性を抑制することが必要とされる患者に、本発明のコレステロール合成阻害剤、又は蛋白ゲラニルゲラニル化抑制剤の有効量を投与することからなるγ−セクレターゼの活性化に伴う疾患を治療又は予防する方法を提供するものである。本発明のγ−セクレターゼの活性を抑制することが必要とされる患者としては、γ−セクレターゼの活性複合体の形成によるAβ40、Aβ42ペプチド、特にAβ42の産生を抑制し、これらのペプチドの沈着に起因する各種の疾患、例えば、アルツハイマー病(AD)などが挙げられる。
本発明のコレステロール合成阻害剤及び/又は蛋白ゲラニルゲラニル化抑制剤、又はこれらを含有してなる本発明の医薬組成物の投与経路としては、例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤等による経口投与又は静脈内注射剤、筋肉内注射剤、坐剤、吸入剤、経皮吸収剤、点眼剤、点鼻剤等による非経口投与が挙げられる。
またこのような種々の剤型の医薬製剤を調製するには、この有効成分を単独で、又は他の薬学的に許容される賦形剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、嬌味剤、香料、被膜剤、担体、希釈剤等を1種又はそれ以上と適宜組み合わせて用いることができる。
特に、HMG-CoA還元酵素阻害剤は、これらの投与経路のうち、経口投与が好ましい。経口投与用製剤の調製にあたっては、有効成分の安定性を考慮してpHを調整(特開平2−6406号、日本国特許第2,774,037号、WO97/23200号等参照)するのが好ましい。
これらの医薬の投与量は、患者の体重、年齢、性別、症状等によって異なるが、通常成人の場合、有効成分を一般式(1)で表される化合物として、一日0.01〜1000mg、特に0.1〜100mgを、1回又は数回に分けて経口投与又は非経口投与するのが好ましい。
本発明のγ−セクレターゼ複合体形成阻害剤又はγ−セクレターゼの活性複合体の脂質ラフト分布低下剤は、脂質ラフトにおけるγ−セクレターゼの活性複合体の形成を阻害する又はγ−セクレターゼ若しくはその活性複合体の脂質ラフトにおける分布を低下させることにより、γ−セクレターゼの実質的な活性を抑制し、Aβ40、Aβ42ペプチド、特にAβ42の産生を抑制し、これらのペプチドの沈着に起因する各種の疾患、例えば、アルツハイマー病(AD)などの予防や治療に有用である。
本発明のγ−セクレターゼの活性複合体の形成を阻害する方法又はγ−セクレターゼ若しくはその活性複合体の細胞内における分布を変化させる方法としては、培養細胞や生体系などの被処理系に本発明のコレステロール合成阻害剤,及び/又は蛋白ゲラニルゲラニル化抑制剤を添加することによることにより行うことができる。本発明のこの方法は、特に脂質ラフト上におけるγ−セクレターゼの活性複合体の形成を阻害する方法又はγ−セクレターゼ若しくはその活性複合体の脂質ラフトにおける分布を低下させる方法を提供するものである。
本発明のコレステロールの合成阻害活性を測定する方法としては、コレステロールの合成量を測定できる方法であればよく、特に細胞中の脂質ラフトにおけるコレステロールの蓄積量を測定できる方法が好ましい。より具体的には、標識化又は非標識化されたコレステロール合成源を含有する培地中で、スクリーニング物質の存在下又は非存在下で細胞を培養し、所定時間後における細胞中、特に脂質ラフト中におけるコレステロールの含有量を測定することにより行うことができる。標識化としては、生合成に影響を与えず、測定可能なものであれば特に制限はないが、通常は同位体による標識化が好ましい。このようにして、コントロールとの比較により、スクリーニング物質がコレステロール合成阻害活性を有するか否かを決定することができる。そして、本発明によれば、このようにしてスクリーニング物質のコレステロール合成阻害活性を測定することにより、当該スクリーニング物質がγ−セクレターゼの活性複合体の形成を阻害する作用を有するか否かをスクリーニングすることができる。
また、本発明は、被検物質の存在下に、細胞を培養し、細胞の脂質ラフトにおけるコレステロールの蓄積量を測定することからなるγ−セクレターゼの活性複合体の形成を阻害する作用を有する物質、又はγ−セクレターゼの脂質ラフトにおける分布を低下させる作用を有する物質をスクリーニングする方法を提供するものである。この方法におけるコレステロールの蓄積量の測定法としては、標識化又は非標識化されたコレステロール合成源を含有する培地中で、スクリーニング物質(被検物質)の存在下又は非存在下で細胞を培養し、細胞中、特に脂質ラフト中におけるコレステロールの含有量を測定することにより行うことができる。このようにして、コントロールとの比較により、スクリーニング物質がγ−セクレターゼの活性複合体の形成を阻害する作用を有する物質であるか、又はγ−セクレターゼの脂質ラフトにおける分布を低下させる作用を有する物質であるかを判定することができる。
また、本発明のγ−セクレターゼの活性複合体の形成を阻害する作用を測定する方法、又はγ−セクレターゼの脂質ラフトにおける分布を低下させる作用を測定する方法としては、例えば、スクリーニング物質の存在下、及び非存在下に細胞を培養し、培養された細胞の脂質ラフトを分離し、その中に含まれるγ−セクレターゼの構成成分を測定する方法が挙げられる。脂質ラフトを分離する具体的方法としては、細胞膜分画を界面活性剤で処理する方法、蔗糖密度勾配法により分画する方法及びそれらの組み合わせが挙げられる。γ−セクレターゼの構成成分を測定する具体的方法としてはプレセニリン、ニカストリン、APH-1又はPen-2を免疫学的に測定する方法が挙げられる。
この方法により、スクリーニング物質が、コレステロール合成阻害剤、蛋白ゲラニルゲラニル化抑制剤、又はHMG−CoA還元酵素阻害剤としての作用を有しているか否かを判定することができる。
本発明のこれらにスクリーニング方法において使用される細胞としては、脂質ラフトが存在し、培養が容易なものであれば特に制限はないが、例えば、SH-SY5Y細胞(Invitrogen)などが好ましい。
本発明の細胞の成分をフラクション化する方法としては、細胞をプロテアーゼなどを用いて消化して可溶化し、これを蔗糖(スクロース)、塩化セシウム、トリフルオロ酢酸セシウムなどを用いた密度勾配法などによりフラクション化することができる。このようなマクロドメインの生化学的分画法として,細胞を界面活性剤中でホモジネートとし,蔗糖密度勾配遠心法で界面活性剤不溶性画分を得る方法が知られているが、これに限定されるものではない。
脂質ラフトはプロテアーゼなどの消化によっては破壊されないので、脂質ラフトを特定のフラクションとして同定することが可能となり、脂質ラフトのフラクションと他のフラクションにおけるγ−セクレターゼ活性複合体の構成成分の検出、定量化をイムノブロッティング法などにより行うことができる。この場合に、脂質ラフトを同定するためのマーカーとして、フロチリン(flotillin)を用いることができるが、これに限定されるものではない。
本発明のこの方法によりγ−セクレターゼ活性複合体の各構成成分の細胞内での、より正確には細胞膜における分布を測定することが可能となる。この分布によりγ−セクレターゼ活性複合体の形成を検出、定量化することも可能となり、当該細胞におけるγ−セクレターゼの活性を測定することができる。
したがって、培養細胞に被検物質を添加して、被検物質を添加しない場合をコントロールとして、当該培養細胞におけるγ−セクレターゼ活性複合体の構成成分の分布を前記した本発明の方法で測定することにより、被検物質のγ−セクレターゼに対する作用、例えば、活性促進作用や活性阻害作用をスクリーニングすることができ、本発明はγ−セクレターゼの活性をスクリーニングする新規な方法を提供する。
γ−セクレターゼ活性複合体を形成するに必要とされる構成成分としては、ニカストリン(nicastrin)、APH−1、Pen−2、及びγ−セクレターゼの活性サブユニットであるプレセニリン(presenilin)からなる群、好ましくは ニカストリン(nicastrin)、APH−1、及びPen−2からなる群から選ばれる1種又は2種以上を採用することができる。
本発明のこれらにスクリーニング方法において使用される細胞としては、脂質ラフトが存在し、培養が容易なものであれば特に制限はないが、例えば、SH-SY5Y細胞(Invitrogen)などが好ましい。
実施例
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
参考例1:細胞の培養
SH-SY5Y細胞(Invitrogen)は、完全培地(10%ウシ胎児血清(Sigma)、100 units/mLペニシリンおよび100 mg/mLストレプトマイシンを含むDMEM(Sigma))で37℃で15 cm径ディッシュに継代培養した。
参考例2:界面活性剤不溶性膜ドメイン(detergent insoluble membrane domain (raft))の調製
SH-SY5Y細胞を15 cm径のディッシュに培養し、コンフレントになったものについてPBSで洗浄した。さらにセルスクレイパーを用いてPBS中に細胞を回収し、9807 m/s2で、5分間遠心した。沈殿した細胞を200μLの2% CHAPSOとプロテアーゼ混合物(Complete protease mixture )(Roche) を含むバッファーR(buffer R) (20 mM Tris-HCl pH 7.6、150 mM NaCl、1mM EDTA)に懸濁した。氷上に20分間静置することで可溶化を行った。可溶化後、800μLの56.25% 蔗糖を含むバッファーR(buffer R)を加え、終濃度が45% 蔗糖、0.4% CHAPSOとなるように希釈し、遠心用チューブの底に添加した。さらにその上に3mLの35% 蔗糖を含むバッファーR(buffer R)を重ね、続けて1 mLの5% 蔗糖を含むバッファーR(buffer R)を重ねた。ベックマン超遠心器によりSW55ローターで980700 m/s2 (32.000 rpm)で、4℃で16時間遠心後、上部より500μLずつ分取した。
参考例3:SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動とイムノブロティング
前記の参考例2で分取した各画分についてSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動後、イムノブロティングを行った。ニカストリンを認識する抗体としてニカストリン (N-19) (santa cruz)、プレセニリン1のC端側を認識する抗体として抗G1L3(anti-G1L3)、プレセニリン2のC端側を認識する抗体として抗G2L(anti-G2L)、PEN-2を認識する抗体として抗PNT(anti-PNT3)、フロティリン-1を認識する抗体としてフロテリン−1(Flotillin-1) (BD sciences)、カルネキシンを認識する抗体としてカルネキシン (BD biosciences)を用いた。
室温で1時間、または4℃で終夜反応させた後、TBS-tween (20 mM Tris-buffered saline, pH7.4, 0.05% Tween 20) で2回洗浄を行った。つぎにHRP結合型抗マウスIgG抗体、または抗ヤギIgG抗体、または抗ウサギIgG抗体で1時間反応させ、TBS-tweenで洗浄した。さらにスーパーシグナルウエストドラ(Supersignal west dura)(pierce)で化学発光させ、X線フィルムに感光させた。
メチルβシクロデキストリンによる処理(図1、図2参照)
SH-SY5Y細胞を15 cm径のディッシュに培養し、コンフレントになったものについてPBSで洗浄後、メチルβシクロデキストリン(sigma)を最終濃度が0〜2mMとなるように溶かしたDMEMを加え、37℃でさらに30分間培養を行った。これらの細胞について前記した参考例2に記載の方法に準じて分画を行い、イムノブロティングを行った。
結果を図1に示す。また、コレステロール量及びタンパク質量を定量化した結果を図2にグラフ化して示す。図1及び図2における1−10の番号は細胞のフラクションを示し、脂質ラフトはフラクション3である。
図1は、メチルβシクロデキストリン(MβCD)処理後の細胞膜分画のイムノブロティングを示す。図1中の1−10のフラクションは、蔗糖密度勾配遠心法による細胞ホモジネートの分画の番号で、低比重のものが浮上し先の分画に出てきている。脂質ラフトのマーカーとしてウロチリン−1(flotillin-1)が使用されている(図1E参照)。図1のAはニカストリンについてのものであり、Bはγ−セクレターゼの活性サブユニットのプレセニリン−1(PS1)についてのものであり、Cはプレセニリン−2(PS2)についてのものであり、DはPEN−2についてのものであり、Eは脂質ラフトのマーカーとしてのフロチリン−1についてのものである。図1中のPS1及びPS2における「CTF」はCarboxy Terminal Fragment の意味で、PS1及びPS2のそれぞれのC末端部分を認識する抗体でイムノブロッティングを行ったことを示す。
各々のブロッティングの図は、上からメチルβシクロデキストリンの濃度が0mM、1mM、及び2mMのものである。
図2は、メチルβシクロデキストリンによる細胞膜分画のコレステロール及びタンパク質含量の変化を示したグラフである。
この結果、メチルβシクロデキストリンによりコレステロールが脂質ラフト(フラクション3)より除去され(図2の白抜き部分参照)、脂質ラフトのマーカータンパクであるフロティリンが本来の脂質ラフト分画であるフラクション3からフラクション9及び10に移行した(図1E参照)。同様にγ−セクレターゼの構成成分であるニカストリン、プレセニリン1、プレセニリン2及びPen-2が脂質ラフト分画(フラクション3)から消失した(図1A、B、C及びD参照)。これによって、メチルβシクロデキストリンは脂質ラフトからコレステロールを引き抜くことによりラフト構造を破壊し、脂質ラフトにおけるγ−セクレターゼの活性複合体の形成を阻害することが確認された。
HMG-CoA還元酵素阻害剤処理による処理(図3、図4参照)
SH-SY5Y細胞を15 cm径のディッシュに培養し、コンフレントになる前の細胞について、PBSで洗浄した。DMEMに5% LPDS、250μMのメバロン酸を加え、さらにコレステロールの生合成の阻害剤として50μMのコンパクチンまたは5μMのピタバスタチンを加えた培地を調製し、48時間培養した。これらの細胞について前記した参考例2に記載の方法に準じて分画を行い、イムノブロティングを行った。
結果を図3に示す。また、コレステロール量及びタンパク質量を定量化した結果をグラフ化して図4に示す。図3及び図4における1−10の番号は細胞のフラクションを示し、脂質ラフトはフラクション3である。図3は、HMG-CoA還元酵素阻害剤処理後の細胞膜分画のイムノブロティングを示す。図3のAはニカストリンについてのものであり、BはPS1CTFについてのものであり、CはPS2CTFについてのものであり、Dはフロチリン−1についてのものである。各々のブロッティングの図は、上からコントロール、即ち、HMG-CoA還元酵素阻害剤を添加していない場合、中段はコンパクチンを50μM添加した場合、下段はピタバスタチンを5μM添加した場合をそれぞれ示す。図4は、HMG-CoA還元酵素阻害剤による細胞膜分画のコレステロール及びタンパク質含量の変化を示したグラフである。四角印(□及び■)はコントロールとしてのメバロン酸250μMの場合を示し、丸印(○及び●)はコンパクチン(メバロン酸250μM及びコンパクチン50μM)の場合を示し、三角印(△及び▲)はピタバスタチン(メバロン酸250μM及びピタバスタチン5μM)の場合をそれぞれ示す。白抜きの印はコレステロールの量を示し、黒抜きの印はタンパク質の量を示す。
この結果、HMG-CoA還元酵素阻害剤であるコンパクチン及びピタバスタチンにより脂質ラフト(フラクション3)のコレステロールが減少し(図3参照)、実施例1と同様にγ−セクレターゼの構成成分であるニカストリン、プレセニリン1及びプレセニリン2が脂質ラフト分画(フラクション3)から消失した(図3A、B及びC参照)。フロティリンは脂質ラフト分画に未だ残っておりラフト構造は保たれているが、コンパクチン及びピタバスタチンは脂質ラフトにおけるγ−セクレターゼの活性複合体の形成を阻害することが確認された。
本発明は、γ−セクレターゼの活性複合体の形成を阻害し、γ−セクレターゼの活性複合体の形成によるAβ40、Aβ42ペプチド、特にAβ42の産生を抑制し、これらのペプチドの沈着に起因する各種の疾患、例えば、アルツハイマー病(AD)などの治療や予防に有用な医薬組成物を提供するものであり、産業上の利用性を有する。また、本発明は、γ−セクレターゼの活性複合体の形成を阻害する作用を有する物質をスクリーニングする方法や、γ−セクレターゼの脂質ラフトにおける分布を低下させる作用を有する物質をスクリーニングする方法を提供するものであり、有用な医薬品としての活性成分を簡便な手法で探索可能な方法を提供するものであり、産業上の利用性を有する。

Claims (23)

  1. コレステロール合成阻害剤、又は蛋白ゲラニルゲラニル化抑制剤を有効成分とするγ−セクレターゼ複合体形成阻害剤。
  2. コレステロール合成阻害剤、又は蛋白ゲラニルゲラニル化抑制剤が、HMG−CoA合成酵素阻害剤、HMG−CoA還元酵素阻害剤、スクアレン合成酵素阻害剤、スクアレンエポキシダーゼ阻害剤、ラノステロール合成酵素阻害剤、AMPK活性化剤、ファルネシルピロリン酸合成酵素阻害剤及びゲラニルゲラニル転移酵素阻害剤からなる群から選ばれた1種又は2種以上の薬剤である請求項1に記載のγ−セクレターゼ複合体形成阻害剤。
  3. コレステロール合成阻害剤、又は蛋白ゲラニルゲラニル化抑制剤が、HMG−CoA還元酵素阻害剤である請求項1に記載のγ−セクレターゼ複合体形成阻害剤。
  4. コレステロール合成阻害剤、又は蛋白ゲラニルゲラニル化抑制剤が、ピタバスタチンである請求項1に記載のγ−セクレターゼ複合体形成阻害剤。
  5. コレステロール合成阻害剤、又は蛋白ゲラニルゲラニル化抑制剤を用いて、γ−セクレターゼの活性複合体の形成を阻害する方法。
  6. 脂質ラフト上におけるγ−セクレターゼの活性複合体の形成を阻害する方法である請求項5に記載の方法。
  7. コレステロール合成阻害剤、又は蛋白ゲラニルゲラニル化抑制剤が、HMG−CoA合成酵素阻害剤、HMG−CoA還元酵素阻害剤、スクアレン合成酵素阻害剤、スクアレンエポキシダーゼ阻害剤、ラノステロール合成酵素阻害剤、AMPK活性化剤、ファルネシルピロリン酸合成酵素阻害剤、及び、ゲラニルゲラニル転移酵素阻害剤からなる群から選ばれた1種又は2種以上の薬剤である請求項5に記載のγ−セクレターゼの活性複合体の形成を阻害する方法。
  8. コレステロール合成阻害剤、又は蛋白ゲラニルゲラニル化抑制剤が、HMG−CoA還元酵素阻害剤である請求項5に記載のγ−セクレターゼの活性複合体の形成を阻害する方法。
  9. コレステロール合成阻害剤、又は蛋白ゲラニルゲラニル化抑制剤が、ピタバスタチンである請求項5に記載のγ−セクレターゼの活性複合体の形成を阻害する方法。
  10. γ−セクレターゼ複合体形成阻害剤を製造するためのコレステロール合成阻害剤、又は蛋白ゲラニルゲラニル化抑制剤の使用。
  11. γ−セクレターゼ複合体形成阻害剤が、脂質ラフト上におけるγ−セクレターゼの活性複合体の形成を阻害するものである請求項10に記載の使用。
  12. コレステロール合成阻害剤、又は蛋白ゲラニルゲラニル化抑制剤が、HMG−CoA合成酵素阻害剤、HMG−CoA還元酵素阻害剤、スクアレン合成酵素阻害剤、スクアレンエポキシダーゼ阻害剤、ラノステロール合成酵素阻害剤、AMPK活性化剤、ファルネシルピロリン酸合成酵素阻害剤、ゲラニルゲラニル転移酵素阻害剤からなる群から選ばれた1種又は2種以上の薬剤である請求項10に記載の使用。
  13. コレステロール合成阻害剤、又は蛋白ゲラニルゲラニル化抑制剤が、HMG−CoA還元酵素阻害剤である請求項10に記載の使用。
  14. コレステロール合成阻害剤、又は蛋白ゲラニルゲラニル化抑制剤が、ピタバスタチンである請求項10に記載の使用。
  15. コレステロールの合成阻害活性を測定することからなる、γ−セクレターゼの活性複合体の形成を阻害する作用を有する物質をスクリーニングする方法。
  16. コレステロールの合成阻害活性が、脂質ラフトに蓄積され得るコレステロールの合成阻害活性である請求項15に記載のスクリ−ニング方法。
  17. コレステロールの合成阻害活性が、HMG−CoA合成酵素の阻害活性、HMG−CoA還元酵素の阻害活性、スクアレン合成酵素の阻害活性、スクアレンエポキシダーゼの阻害活性、ラノステロール合成酵素の阻害活性、AMPKの活性化、及びファルネシルピロリン酸合成酵素の阻害活性からなる群から選ばれたコレステロールの合成阻活性である請求項15に記載のスクリーニング方法。
  18. コレステロールの合成阻害活性が、HMG−CoA還元酵素の阻害活性である請求項15に記載のスクリーニング方法。
  19. γ−セクレターゼの活性複合体の形成を阻害する作用を測定することからなるコレステロール合成阻害剤、蛋白ゲラニルゲラニル化抑制剤又はHMG−CoA還元酵素阻害剤をスクリーニングする方法。
  20. γ−セクレターゼの活性複合体の形成を阻害する作用を測定することからなる、HMG−CoA合成酵素阻害剤、HMG−CoA還元酵素阻害剤、スクアレン合成酵素阻害剤、スクアレンエポキシダーゼ阻害剤、ラノステロール合成酵素阻害剤、AMPK活性化剤、ファルネシルピロリン酸合成酵素阻害剤、ゲラニルゲラニル転移酵素阻害剤からなる群から選ばれたコレステロール合成阻害剤をスクリーニングする方法。
  21. γ−セクレターゼの活性複合体の形成を阻害する作用を測定することからなる、HMG−CoA還元酵素阻害剤をスクリーニングする方法。
  22. 培養細胞に被検物質を添加して、細胞内におけるγ−セクレターゼが、その活性複合体を形成するに必要とされる構成成分の細胞内における分布を測定することにより、被検物質のγ−セクレターゼに対する作用をスクリーニングする方法
  23. γ−セクレターゼ活性複合体を形成するに必要とされる構成成分が、ニカストリン、APH−1、及びPen−2からなる群から選ばれる1種又は2種以上である請求項22に記載の方法。

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