JPWO2005050191A1 - 酸化的損傷グアニン化合物とこれの濃度補正物質の同時分析方法及びこの分析方法に用いる分析装置 - Google Patents
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Abstract
Description
そのため、生体内における活性酸素量を知ることにより、個人個人の発癌リスク評価や、活性酸素関連の様々な疾患の予測・診断、老化度、あるいは一般健康の評価を行うことができる。
しかしながら、生体内における活性酸素は不安定であり、それらを直接検出するのは困難である。そのため、活性酸素の指標として活性酸素によって生成される8−OH−dGを測定することが提案されている。8−OH−dGの分析方法としては、(1)8−OH−dGに対する抗体を結合させたアフィニティ−カラムで精製した分画をHPLC−ECDで分析する方法、(2)2本の逆相カラムの間にカーボンカラムを接続してカラムスイッチング法により、最終的に8−OH−dGをHPLC−ECDにより検出する方法(非特許文献1)、(3)サンプリングインジェクター(一定分画を分取し、攪拌後、一定量をカラムに注入する装置)を介してマルチファンクションカラム(逆相カラム、陽イオン交換カラムの機能を併せ持つゲル濾過カラム)と、逆相カラムを接続しECDにより検出する方法(非特許文献2)等が報告されている。
ボグダノフら(Bogdanov,M.,B.,et.al.)、フリー・ラジカル・バイオロジー・アンド・メディスン(Free Rad.Biol.Med.)、1999年、第27巻、p.647−666 カサイら(Kasai,H.,et.al.)ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・キャンサー・リサーチ(Jpn.J.Cancer Res.)、2001年、第92巻、p.9−15 トップら(Topp,H.,et.al.)、アナリティカル・バイオケミストリー(Anal.Biochem.)、1987年、第161巻、p.49−56
上述の方法においては、濃度補正物質を用いて濃度補正をすることにより8−OH−dGを定量する場合、試料を最低2本の容器にとり、1本を8−OH−dG自体の分析に用い、もう1本を濃度補正物質(例えば、クレアチニン(Cre))の分析に用い、両物質の測定値から算出される値(例えば、(8−OH−dG/Cre))を酸化的DNA損傷の指標としていた。そのため、試料の採取・保存・分析・データの解析において煩雑な手続きが必要であった。
7−MGは、代謝率(metabolic rate,MR)と関係するRNA分解物であり、RNAの分解産物であるプソイドウリジンと一定の比率で尿中に排せつされることが知られており(非特許文献3)、また、クレアチニンの濃度と7−MGの濃度には強い相関があることも分かっている。したがって、7−MGによって8−OH−dGの値を補正した(8−OH−dG/7−MG)値は、クレアチニンによって8−OH−dGの値を補正した(8−OH−dG/Cre)値と同等の信頼度を持つ酸化的DNA損傷の指標となる。
このような構成をとることにより、前記酸化的損傷グアニン化合物を、簡便に分析できるので、試料の採取・保存・分析・データの解析において労力・時間をほぼ半減させることが可能となる。
また、本発明は、多量の溶離液や洗浄液を必要とせず、有毒の廃液の発生も少ないので、環境面でも優れている。
このような構成をとることにより、どこにいても試料を採取することができ、郵送等により分析機関に大量の試料を効率よく集めることが可能になる。
この場合、HPLC−1で精製した酸化的損傷グアニン化合物(8−ヒドロキシデオキシグアノシン(8−OH−dG)等)の測定は、陰イオン交換クロマトグラフィーにおいて、(1)リボヌクレオシド8−OH−rGuo等のマーカのピーク認識、(2)一定時間後の8−OH−dG分取開始、(3)一定時間後の8−OH−dG分取終了、(4)適宜、8−OH−dG分画のミキシング、の順序で行い、ついで、逆相カラムへ注入して行うことができる。
本発明の分析装置は、大掛かりな機構を必要とせず、安価で経済性にも優れている。
この分析機構(制御プログラムを含む)は、本発明の分析装置において利用することにより、酸化的損傷グアニン化合物の効率的且つ正確な分析を自動化することが可能になる。
また、本発明の分析方法は、高精度で再現性が良く、分析時間も短く、連続運転を行うことにより、大量処理が可能である。
本発明の分析装置は、上記の効果を奏する分析方法を提供することができ、また、安価で経済性に優れている。
尚、本願においては、「酸化的損傷グアニン化合物」には、「酸化的損傷グアニンヌクレオシド」及び「酸化的損傷グアニン」の双方が含まれる。
8−OH−dGをはじめDNA、RNA又はヌクレオチドの酸化的損傷化合物とは、生体内の活性酸素(酸素ラジカル)等によってDNAやRNA又はヌクレオチドが損傷を受けた結果生じるものであり、活性酸素の指標として用いられる。8−OH−dG以外の酸化的損傷化合物としては、2−ヒドロキシデオキシアデノシン(2−OH−dA)、5−ヒドロキシデオキシシチジン(5−OH−dC)、5−ホルミルデオキシウリジン(5−CHO−dU)、8−OH−rGuo、8−ヒドロキシグアニン(8−OH−Gua)等が挙げられる。これら酸化的損傷化合物は、不要物として尿により生体外へ排出される。また、これらのうち8−OH−dG、8−OH−rGuo、8−OH−Gua等の酸化的損傷グアニン化合物は負の電荷を帯びているため、後段で説明する陰イオン交換カラムにより容易に精製、回収することができる。これらの中でも活性酸素の指標として、特に8−OH−dGを用いることが好ましい。なお、本出願(請求項、明細書、等)における酸化的損傷グアニン化合物とは、DNA又はRNA又はヌクレオチド中のグアニンが活性酸素によって損傷を受けた結果生じる8−OH−dG、8−OH−rGuo、8−OH−Gua等であり、酸化的損傷とはヒドロキシル化されることを示す。
本発明の酸化的損傷グアニン化合物(8−OH−dGを含む)と、適宜この酸化的損傷グアニン化合物の濃度補正物質とを、(一時に)分析する分析方法に使用される試料としては、尿、血清、髄液、唾液、細胞培養後の培地等、全ての生体試料を挙げることができる。これらの中でも、尿は採取し易く、また尿中で酸化的損傷グアニン化合物は安定であるため、特に尿が好ましい。
以下、酸化的損傷グアニン化合物として8−OH−dGを、またこの酸化的損傷グアニン化合物の濃度補正物質として、7−MG及びCreを例にとって説明する。
本発明の実施形態に係る8−OH−dGと、適宜7−MG及び/又はCreとを分析するための装置は、1)8−OH−dGを特異的に吸着する陰イオン交換カラム(HPLC−1)と、2)8−OH−dGの溶出位置の指標となる8−OH−rGuo等のマーカを感知し、7−MG又はCreを測定するUV検出器等の検出器と、3)陰イオン交換カラム(HPLC−1)から得られた8−OH−dGを含有する画分を更に精製する逆相カラム(HPLC−2)と、4)逆相カラム(HPLC−2)から得られた精製8−OH−dGを測定する検出器を具備する。
また、カラムに吸着した分子を溶出するための溶離液(陰イオン交換カラム(HPLC−1)11に用いられる溶離液をA液、逆相カラム(HPLC−2)12に用いられる溶離液をB液とする)、上記カラムスイッチングバルブ15に接続されたガードカラム(陰イオン交換カラム(HPLC−1)11と同一の陰イオン交換樹脂を充填)を洗浄するための洗浄液(C液)を各カラムに送り込むためのポンプ21、22、23が設けられ、ポンプ21はオートサンプラー17、ポンプ22はカラムスイッチングバルブ16、ポンプ23はカラムスイッチングバルブ15に各々接続されている。
なお、この例において、オートサンプラー17の代わりに、8−OH−rGuoのピーク感知により、カラムスイッチングバルブ16を自動的に作動させる機能を持つサンプリングインジェクター(「231XL」、ギルソン製)等を用いることができる。
一方、本発明の方法を実施にあたっては上記のような方法に代えて、231XLに新たなプログラムを搭載して測定を行うこともできる。このプログラムは、(1)リボヌクレオシド8−OH−rGuo等のマーカのピーク認識、(2)一定時間後の8−OH−dG分取開始、(3)一定時間後の8−OH−dG分取終了、(4)HPLC−2への注入を行うものであり(図3を参照)、予め、8−OH−dG等の酸化的損傷グアニン化合物の分取範囲(時間)を設定しておく必要がない。より詳しくは、以下のフローにより機能を実現している。
(1)231XLにより試料をHPLC−1に注入する。
(2)設定時間(T1)だけシステムを待機させる。
(3)231XLがUV検出器シグナルのモニターを開始する。
(4)設定UVレベルを超える(ピーク感知)まで、システムを待機させる。
(5)ピーク感知後、設定時間(T2)だけシステムを待機させた後、バルブへ接点信号を出力し、ループ内に分取を開始する。
(6)設定時間(T3)後、バルブへ接点信号を出力し、分取を終了させると同時にループ内の分画をHPLC−2に注入する。
後段でも説明するが、サンプリングインジェクター(「231XL」、ギルソン製)に使用することにより、8−OH−rGuo等のマーカとの相対的位置により自動的に8−OH−dGの分取範囲(時間)が決定されるため、予め、8−OH−dGの分取範囲(時間)を設定しておく必要がない。
また、陰イオン交換樹脂の粒子径としては、現在7μmのものにより良好な結果が得られているが、更に小粒子径(3〜5μm)の陰イオン交換樹脂をカラムに用いることにより、より分離能が高くなり、その結果、カラム長を短くできて、分析時間を短縮することも可能である。
(1)233XLにより試料をHPLC−1に注入する。
(2)設定時間(T1)だけシステムを待機させる。
(3)233XLがUV検出器シグナルのモニターを開始する。
(4)設定UVレベルを超える(ピーク感知)まで、システムを待機させる。
(5)ピーク感知後、設定時間(T2)だけシステムを待機させた後、233XLバイアルチューブ内に分取を開始する。
(6)設定時間(T3)後、分取を終了させる。
(7)得られた分画を吸引、吐出により撹拌する。
(8)分画の一部をHPLC−2に注入する。
上記陰イオン交換樹脂を充填するカラムの長さは、特に制限はないが、陰イオン交換樹脂の粒子径、交換容量等によって、カラムを短くすることが可能であり、分析時間を短縮することができる。
これと同時に、光路の短いセルを具備した当該UV検出器14は、検出器のUV波長を調整することにより、試料中の7−MG又はCreを測定することができる。
また、UV検出器14によって、8−OH−rGuo等のマーカの溶出位置に基づき、確実に精製8−OH−dGを分取する方法は、回収率、再現性に優れているといえる。この光路の短いUV検出器14は、検出器のUV波長を調整することにより、同時に8−OH−dGの濃度補正物質である7−MG又はCreをも測定することができる。このため、本実施形態の分析装置は、8−OH−dGと、7−MG又はCreとを同時に分析することも可能である。
また、連続運転を行うことにより大量の試料を処理することができる。また、上述した分析装置は比較的安価なため経済性にも優れている。
以下、図1に示す分析装置を用いて8−OH−dGと、7−MG又はCreとの分析方法について説明する。(分取範囲(時間)の決定)8−OH−dGと8−OH−rGuoと尿との混合物を図1示す分析装置に注入し、予め、8−OH−dGの分取範囲を決定しておく。
分取範囲を予め決定しておくことにより、8−OH−dGの正確な溶出時間が把握でき、それに合わせてカラムスイッチングバルブ16を作動させるように設定することで、確実に8−OH−dGを含有する画分を分取することができる。なお、上述したように、図1において、オートサンプラー17の代わりに、サンプリングインジェクター(231XL)を用いた場合は、ピーク感知により8−OH−rGuoとの相対的位置により自動的に8−OH−dGの分取範囲(時間)が決定されるため、分取範囲(時間)の設定をしておく必要がない。
本発明の実施形態に係る8−OH−dGの精製方法は、試料を陰イオン交換クロマトグラフィーによって精製する第1の精製工程を有することを特徴とする。また、上述したように、8−OH−dGのみならず、8−OH−rGuo、8−OH−Gua等の負の電荷を有する酸化的損傷グアニン化合物においても、陰イオン交換クロマトグラフィーによって容易に精製、回収することができる。
第1の精製工程における溶出条件としては、カラム温度は50〜65℃、内径1mmのカラムの場合、流速が17〜25μl/minとすることが好ましい。また、8−OH−dG、8−OH−Guaの同時分析のためには、第1の精製工程における溶出液としては、カルボン酸、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸(又はそれらの塩)を含むものを挙げることができる。中でも酢酸を含むものが好ましい。
上記第2の精製工程としては、逆相クロマトグラフィーにより精製することが好ましい。逆相クロマトグラフィーに用いられる溶出液(B液)、温度条件等は、使用する逆相カラム(HPLC−2)12によって異なるため、それらは適宜決定される。例えば、逆相カラムとして、YMC−Pack ODS−AM(S−5μm)(YMC社)を用いてヒト尿を分析する場合は、カラム温度が約40℃、流速が0.9ml/min程度とすることが好ましい。
本発明の実施形態に係る8−OH−dGの測定方法は、上述した精製方法によって得られた精製8−OH−dGの量を測定する測定工程を有し、上述した電気化学検出器(ECD)、液体クロマトグラフィー質量分析装置(LCMS)等を用いて精製8−OH−dG量を測定できる。なお、上記測定方法は、8−OH−dGのみならず、8−OH−rGuo(マーカとして加えない場合)、8−OH−Gua等の酸化的損傷グアニン化合物の測定にも適用できる。
また、連続運転を行う場合、図1に示すようなオートサンプラー17を具備した装置においても、図2に示すようなサンプリングインジェクター27を具備した装置においても、定期的に8−OH−dGの溶出位置をチェックすることが好ましい。
試料がマウスやラットの尿である場合は、7−MG測定のためのUV検出器の波長は254nmとしてよい。試料がヒトの尿である場合は、夾雑物と7−MGを区別するため、UV検出器の波長は254nmよりも長波長として、好ましくは、300〜310nmとする。Cre測定のためには、波長を235〜260nm、好ましくは245nmとし、光路の短い(好ましくは0.2mm程度)セルを用いる。光路の短いセルの光路の長さとしては、0.1〜1mm程度の範囲とすることができる。
即ち、尿をろ紙片などに滴下し、尿を乾燥させる。ついで、この乾燥したろ紙片から尿を再抽出し、尿を分析する。
このようにすれば、尿はいずれの場所においても採取でき、乾燥したろ紙片を分析機関に郵送などの方法で送ることにより、大量の試料を効率よく分析することができる。
本発明の分析方法では、8−OH−dGを回収率良く得られる。更に、第1の精製工程における陰イオン交換カラム(HPLC−1)の流速が微量であるため、溶離液(A液)、洗浄液(C液)の消費が極めて少なく、精製後の廃液量も少量で済むため、環境保全の面からも好ましい。本発明の8−OH−dGの精製方法によれば、確実に精製8−OH−dGを分取でき、8−OH−dGのピーク付近において夾雑物がほとんどない画分を得ることができる。また、連続運転を行っても、8−OH−rGuo等のマーカのピークを感知させる方法を用いれば、サンプル毎の分取範囲のズレに対応して、確実に8−OH−dGを含有する画分を分取することができる。また、本発明の測定方法は、上記精製方法によって得られた精製8−OH−dG又は8−OH−Gua等の精製酸化的損傷グアニン化合物を測定するので、非常に精度が高く、再現性を有する。また、連続運転を行うことにより大量処理が可能である。
本発明の酸化的損傷グアニン化合物の測定方法は、例えば、個人個人の発癌リスクの評価、活性酸素関連の様々な疾患(糖尿病等)の予測・診断、老化度、あるいは一般的健康の評価に用いることができる。
上記測定方法により得られた結果の評価方法として、例えば8−OH−dGの場合、8−OH−dG標準溶液を随時、尿試料の他に分析装置に注入し、そのピーク面積との比較により算出された試料中の8−OH−dG濃度を、UV検出器によって同時に測定された7−MG又はCreの濃度で割った値として算出する。
(尿試料の調製)
ヒトの尿を1mlずつ2本のエッペンドルフチューブに取り、−20℃で凍結した。凍結した尿を解凍して均一な液とした後、その100μlを取り、微酸性溶液(組成;0.6mM硫酸を96ml、アセトニトリル4ml)で2倍に希釈し、8−OH−rGuoを12μg加えた。更に2M酢酸ナトリウム(pH4.5)を6.7μl加え、pHを7以下にした。これをよく攪拌し、5℃で2〜3時間冷却後、15000回転、5分間遠心分離を行い、その上清を尿試料とした。なお、遠心した尿を直接231XL等のサンプリングインジェクターにセットし、希釈、ミクシング、注入を自動化することも可能である。
この尿試料20μlを陰イオン交換カラム(MCI GEL CA08F、粒径7μm、sulfate型)内径1.5mm、ガードカラムの長さ4cm、本カラムの長さ12cm)によって精製した。カラムの温度は65度とし、流速は50μl/分とし、溶出液は0.3mMの硫酸(2%アセトニトリルを含む)を用いた。
この分離により、UV検出器(「UV/VIS−155」、ギルソン製)(吸光波長305nm及び245nm)を用いて、それぞれ7−MGとCreを検出した。この分析における8−OH−rGuoピーク認識は、305nmにより行った。検出の結果を図3に示す。
上記の、陰イオン交換クロマトグラフィーにより得た8−OH−dGを含有する画分を自動的に逆相クロマトグラフィーに注入した。なお、逆相カラムとして、Shiseido Capcell Pak C18 MG(S−5μm)(250x4.6mm)を用い、10mMリン酸緩衝液(pH6.7;これは0.1Mリン酸緩衝液(pH6.7)を希釈して調製したものであり、pHは多少異なる)、5%メタノール(MeOH)溶離液(B液)を用い、カラム温度は40℃、流速1ml/minとした。その分離パターンを図4に示す。なお、この分離パターンは、電気化学検出器(「ESA Coulochem II」、ESA社)(電圧:ガードセル350mV;チャンネル1、170mV;チャンネル2、300mV)を用いて検出した。
上記図3により得られた7−MG又はCreのピークの面積と、図4より得られた8−OH−dGのピークの面積から、(8−OH−dG/7−MG)又は(8−OH−dG/Cre)の値を算出し、これをもって、酸化的DNA損傷の指標とすることができる。
遠心したヒト尿をサンプリングインジェクター231XLにセットし8−OH−rGuo(120mg/ml)を含む微酸性希釈液(組成;125mM酢酸ナトリウム(pH4.5)溶液99ml;アセトニトリル1ml)で自動的に希釈(1:1)、ミクシング、HPLC−1への注入(20μl)を行った。カラムは陰イオン交換カラム(MCI GEL CA08F、粒径7μm、acetate型;内径1.5mm、ガードカラムの長さ4cm、本カラムの長さ12cm)を用い、カラム温度は55℃とし、流速は50μl/分とし、溶離液は0.5%アセトニトリルを含む5mM酢酸を用いた。8−OH−rGuoのピーク認識により分取された8−OH−dG、8−OH−Gua分画は自動的にHPLC−2に注入された。カラムはInnertsil ODS−3、粒径3μm、内径4.6mm、長さ25cm(GL Sciences Inc.)を用い、カラム温度は30℃とし、流速は0.7ml/分とし、溶離液はEDTA・3Na塩・3水和物(50mg/l)および8%メタノールを含む10mMリン酸二水素ナトリウム溶液を用いた。なおこの分析例においてはECDはエイコム社(京都)製ECD−300を用いた(設定電圧、550mV)。
結果を図5に示した。
Claims (17)
- 試料中に含まれる、DNA又はRNA又はヌクレオチド中のグアニンが損傷を受けた結果生じる酸化的損傷グアニン化合物を陰イオン交換カラム(HPLC−1)で精製する工程と、
前記酸化的損傷グアニン化合物を検出器で測定する工程とを有することを特徴とする酸化的損傷グアニン化合物の分析方法。 - 前記酸化的損傷グアニン化合物が、8−ヒドロキシデオキシグアノシン(8−OH−dG)及び/又は8−ヒドロキシグアニン(8−OH−Gua)である請求項1記載の酸化的損傷グアニン化合物の分析方法。
- 試料中に含まれる、DNA又はRNA又はヌクレオチド中のグアニンが損傷を受けた結果生じる酸化的損傷グアニン化合物を陰イオン交換カラム(HPLC−1)で精製する工程と、
前記試料中に含まれる、前記酸化的損傷グアニン化合物の濃度補正物質を検出器で測定する工程と、
前記酸化的損傷グアニン化合物を検出器で測定する工程とを有し、
前記酸化的損傷グアニン化合物と前記濃度補正物質とを一時に分析することを特徴とする酸化的損傷グアニン化合物の分析方法。 - 前記酸化的損傷グアニン化合物が、8−ヒドロキシデオキシグアノシン(8−OH−dG)及び/又は8−ヒドロキシグアニン(8−OH−Gua)であり、
前記酸化的損傷グアニン化合物の濃度補正物質が、7−メチルグアニン(7−MG)及び/又はクレアチニン(Cre)である請求項3に記載の酸化的損傷グアニン化合物の分析方法。 - 試料中に含まれる、DNA又はRNA又はヌクレオチド中のグアニンが損傷を受けた結果生じる酸化的損傷グアニン化合物を陰イオン交換カラム(HPLC−1)で精製する工程と、
予め前記試料中に加えておいたマーカの溶出位置を感知し、適宜、前記試料中に含まれる前記酸化的損傷グアニン化合物の濃度補正物質を検出器で測定する工程と、
前記酸化的損傷グアニン化合物を検出器で測定する工程とを有し、
前記酸化的損傷グアニン化合物と前記濃度補正物質とを一時に分析することを特徴とする酸化的損傷グアニン化合物の分析方法。 - 前記酸化的損傷グアニン化合物が、8−ヒドロキシデオキシグアノシン(8−OH−dG)及び/又は8−ヒドロキシグアニン(8−OH−Gua)であり、
前記酸化的損傷グアニン化合物の濃度補正物質が、7−メチルグアニン(7−MG)及び/又はクレアチニン(Cre)であり、
前記マーカが、8−ヒドロキシグアノシン(リボヌクレオシド)(8−OH−rGuo)である請求項5に記載の酸化的損傷グアニン化合物の分析方法。 - 前記試料が尿である請求項1に記載の酸化的損傷グアニン化合物の分析方法。
- 前記試料が尿である請求項3に記載の酸化的損傷グアニン化合物の分析方法。
- 前記試料が尿である請求項5に記載の酸化的損傷グアニン化合物の分析方法。
- 前記尿を紙片に滴下して乾燥させたものを再抽出することにより分析する請求項7に記載の酸化的損傷グアニン化合物の分析方法。
- 前記尿を紙片に滴下して乾燥させたものを再抽出することにより分析する請求項8に記載の酸化的損傷グアニン化合物の分析方法。
- 前記尿を紙片に滴下して乾燥させたものを再抽出することにより分析する請求項9に記載の酸化的損傷グアニン化合物の分析方法。
- 前記陰イオン交換カラム(HPLC−1)で精製する工程において、カルボン酸型のカラムおよびカルボン酸又はその塩を含む溶出液を用いる請求項1乃至12のいずれか一項に記載の酸化的損傷グアニン化合物の分析方法。
- 前記陰イオン交換カラム(HPLC−1)により精製された前記酸化的損傷グアニン化合物を含む分画を、更に逆相カラム(HPLC−2)により精製する工程;及び
HPLC−2により精製された精製酸化的損傷グアニン化合物を検出器で測定する工程;
を更に有する請求項1乃至12の何れか一項に記載の酸化的損傷グアニン化合物の分析方法。 - 1)試料中に含まれる、DNA又はRNA又はヌクレオチド中のグアニンが損傷を受けた結果生じる酸化的損傷グアニン化合物を特異的に吸着する陰イオン交換カラム(HPLC−1);
2)前記陰イオン交換カラム(HPLC−1)で精製して得られた酸化的損傷グアニン化合物を含有する分画を、更に精製する逆相カラム(HPLC−2);及び
3)前記陰イオン交換カラム(HPLC−1)により酸化的損傷グアニン化合物を含有する分画を得るために用いる検出器、及び前記逆相カラム(HPLC−2)で精製して得られた精製酸化的損傷グアニン化合物を測定する検出器;
を備えたことを特徴とする酸化的損傷グアニン化合物の分析装置。 - 前記陰イオン交換カラム(HPLC−1)により酸化的損傷グアニン化合物を含有する分画を得るために用いる検出器が、光路の短いセルを備えた検出器である、請求項15記載の分析装置。
- 予め試料中に加えておいたマーカのピークシグナルを検出器より受け、一定時間後の酸化的損傷グアニン化合物の溶出時にバルブを開くシグナルを出力し、分取を開始し、
更に一定時間後に分取終了シグナルを出力し、
次いで、得られた酸化的損傷グアニン化合物を含有する分画を逆相カラム(HPLC−2)へ注入するためのシグナルを出力し、該逆相カラム(HPLC−2)から溶出する前記酸化的損傷グアニン化合物を精製・回収する処理を行わせるための酸化的損傷グアニン化合物の分析機構(制御プログラムを含む)。
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