JPWO2005043166A1 - 子宮腺癌の診断薬及び腺癌細胞の検出方法 - Google Patents
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Abstract
細胞診用に採取された子宮頸部細胞群から、腺癌細胞の有無を判定できる診断薬、特に扁平上皮癌細胞と区別して腺癌を特異的に検出できる診断薬又は診断薬キット、及び腺癌細胞の検出方法を提供する。子宮頸部細胞群のうち腺癌細胞に最も多く含まれるサイトケラチン8をサイトケラチン8抗体又はこの二次抗体を用いて腺癌細胞を検出する。HIK1083抗体を併用することにより、検出感度を上げることができる。対象とする検体は、子宮頸部組織であってもよいし、個々に分散された細胞群であってもよい。
Description
本発明は、子宮頸部の細胞群から腺癌細胞の有無を特異的に検出する腺癌診断薬及び腺癌細胞の検出方法に関する。
子宮頸部癌は、扁平上皮癌と腺癌に分類され、子宮頸部癌の95%は扁平上皮癌であると言われているが、近年腺癌の比率が増加しつつある。腺癌は比較的若年者層に多発し、予後が悪いため臨床上問題となっている(Lea JS,Sheets EE,Wenham RM,Duska LR,Coleman RL,Miller DS,Schorge JO.Gynecol Oncol.2002;84(1):115−119.)。
一般的な細胞診、すなわちパパニコロウ染色で細胞を染色し、その形態から悪性度を判定する方法では、腺癌細胞が正常と悪性細胞の形態が類似しているため、腺癌を見つけ出すことは困難である(Channg WC,Matisic JP,Zhou C,Thomson T,Clement PB,Hayes MM.Cancer.1999;87(1):5−11.)(Gallup DG,Harper RH,Stock RJ.Gynecol.1985;65(3):416−422.)。このため、腺癌については見逃されやすく、細胞診では陰性と判定されたにもかかわらず、症状と局所所見から腺癌の可能性が高い場合が多い。
病理組織診では、癌細胞による細胞配列での乱れなどを観察することができるため、細胞診より発見の度合いが高いが、生検の採取には痛みを伴うため、単なる健康診断レベルには適用できない。
一方、細胞診であっても、癌細胞に特異的なマーカーが存在すればより適格な診断が可能となる。子宮癌に関する腫瘍マーカーとしては、従来よりSCC(squamous cell carcinoma)がよく知られている。SCCは、扁平上皮癌組織より抽出されたSCC抗原であり、このSCC抗原に対するSCC抗体は、扁平上皮癌の検出に対して有効である。しかしながら、SCC抗体は腺癌に対する陽性率は低く、また腺癌に対して特異的ではないため、扁平上皮癌と区別することはできない。また、早期癌に対する陽性率も高くないので、早期発見を主目的とする検診用診断薬としては、有効とは言い難い。
この他、細胞内に存在する繊維状タンパクであるサイトケラチンをマーカーとして、このケラチンマーカーに直接結合できるサイトケラチン抗体を診断薬として利用することが提案されている(特許文献1)。
例えば、非特許文献1には、サイトケラチン8抗体を用いて大腸癌を検出することが開示されている。また、特許文献2には、サイトケラチン19と結合するモノクローナル抗体を用いる子宮癌検出試薬が開示されている。しかし、サイトケラチン19は、腺癌細胞のみならず、扁平上皮癌とも反応するため、扁平上皮癌と腺癌の区別には用いることができない。
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、細胞診用に採取された子宮頸部細胞群から、腺癌細胞の有無を判定できる診断薬、特に扁平上皮癌細胞と区別して腺癌を特異的に検出できる診断薬又は診断薬キット、及び腺癌細胞の検出方法を提供することにある。
本発明の腺癌診断薬は、子宮頸部細胞群の検体から腺癌の有無を診断するための試薬であって、サイトケラチン8抗体を含有する。さらにHIK1083抗体を含有してもよい。
本発明の子宮腺癌の試薬キットは、サイトケラチン8抗体を含有する第1試薬、及びサイトケラチン8抗体に結合可能で且つ標識されている2次抗体を含有する第2試薬を含む。
本発明の腺癌細胞の検出方法は、子宮頸部細胞群の検体から腺癌細胞を検出する方法であって、前記細胞群とサイトケラチン8抗体とを反応させる工程を含む。さらに、未反応液を除去して、細胞群を回収する工程;及び回収された細胞群から、前記サイトケラチン8抗体と腺癌細胞の複合体を検出する工程を含んでもよい。前記検体は、子宮頸部組織であってもよいし、個々に分散された細胞群であってもよい。
本発明の分別方法は、扁平上皮癌細胞と腺癌細胞を含む子宮頸部細胞群の検体から、腺癌細胞を分別する方法であって、前記細胞群と標識されたサイトケラチン8抗体とを反応させる工程;及び前記サイトケラチン8抗体と腺癌細胞の複合体を検出する工程を含む。
本発明の診断薬及び診断薬キットは、腺癌細胞に特異的なマーカーであるサイトケラチン8と結合できるサイトケラチン8抗体を含有しているので、細胞形態的に類似している正常腺細胞と腺癌細胞を区別することができ、また扁平上皮癌細胞とも区別することができる。よって、本発明の診断薬又は診断薬キットを用いれば、組織診断はもちろん、個々の分散された細胞群からも腺癌細胞を特異的に検出することができる。
本発明の子宮頸部腺癌診断薬は、サイトケラチン8抗体を含む。
サイトケラチンは細胞質内繊維状構造物の一つで、その中の中間径フィラメントを形成するタンパク質群に属する。サイトケラチン8は、腺癌細胞の他、扁平上皮癌細胞、正常な腺細胞、扁平上皮細胞にも含まれるが、その含有量は、腺癌細胞が圧倒的に多い。従って、サイトケラチン8抗体は、腺癌細胞に優先特異的に結合するので、正常細胞、扁平上皮癌細胞の中から、腺癌細胞を検出することができる。
サイトケラチンは細胞質内繊維状構造物の一つで、その中の中間径フィラメントを形成するタンパク質群に属する。サイトケラチン8は、腺癌細胞の他、扁平上皮癌細胞、正常な腺細胞、扁平上皮細胞にも含まれるが、その含有量は、腺癌細胞が圧倒的に多い。従って、サイトケラチン8抗体は、腺癌細胞に優先特異的に結合するので、正常細胞、扁平上皮癌細胞の中から、腺癌細胞を検出することができる。
本発明に用いられるサイトケラチン8抗体は、サイトケラチン8と結合できる部位を有する抗体であればよく、Fcフラグメントの構造、Fabの不変領域などは特に限定しない。例えば、ダコ・サイトメーション社から市販されている「抗ヒトサイトケラチン8、35H11マウスモノクローナル抗体」を使用することができる。
本発明の腺癌診断薬には、サイトケラチン8抗体の溶媒として、生理食塩水、リン酸系緩衝液等が含有されることが好ましく、具体的には、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)、界面活性剤入りPBS(例えばPBST)が好ましく用いられる。
また、本発明の診断薬には、サイトケラチン8抗体の他、HIK1083抗体を含有することができる。サイトケラチン8抗体のみを用いた場合でも子宮頸部腺癌を検出できるが、特に検体に粘液が大量に含まれている場合などには、サイトケラチン8抗体と反応しにくい場合がある。この点、HIK1083抗体は、卵巣癌細胞及び子宮頸部腺癌細胞の産生する粘液(特殊なムチン)に対して特異的に反応する。よって、サイトケラチン8抗体とHIK1083抗体との併用により、子宮頸部腺癌をほぼ100%近く検出することが可能となる。
本発明の診断薬は、サイトケラチン8をマーカーとして腺癌細胞を検出するために、サイトケラチン8抗体自体を標識してもよいし、サイトケラチン8抗体を一次抗体とし、この一次抗体と結合する二次抗体を標識してもよい。この場合、本発明の試薬は、サイトケラチン8抗体を含有する第1試薬、及び標識された二次抗体を含有する第2試薬の組合わせからなる診断薬キットとなる。
一次抗体(サイトケラチン8抗体)、二次抗体の標識としては、特に限定せず、蛍光物質、放射性物質、酵素など、従来より公知の標識化合物を用いることができる。
本発明の診断薬又は診断薬キットは、サイトケラチン8抗体と腺癌細胞との反応の特異性を高めるために、予め検体の組織表面を、特異性のないタンパク質(例えば血清)で覆ってしまうことが好ましい。従って、本発明の診断薬又は診断薬キットは、サイトケラチン8抗体の標的となるタンパク質以外のタンパク質に対する非特異的反応をブロックするための試薬(ブロック試薬)と組合わせて用いることが好ましい。
ブロック試薬としては、特異性のないタンパク質、すなわち血清、IgG、BSA、スキムミルクなどを用いることができ、適宜生理食塩水等で希釈したものであってもよい。
次に、本発明の腺癌検出方法について説明する。
本発明の腺癌細胞の検出方法は、検体をサイトケラチン8抗体と反応する工程を含む。
本発明の腺癌細胞の検出方法は、検体をサイトケラチン8抗体と反応する工程を含む。
本発明の腺癌検出方法の対象となる検体は、子宮頸部細胞群であって、採取した組織であってもよいし、個々の細胞に分散させた細胞群であってもよい。
ここで、組織は粘液除去処理の必要はないが、分散された細胞群においては粘液除去処理を行うことが好ましい。
ここで、組織は粘液除去処理の必要はないが、分散された細胞群においては粘液除去処理を行うことが好ましい。
粘液除去方法としては特に限定しないが、細胞の形態等に影響を与えることがないようにすることが好ましい。例えば、本発明者が提案しているシステイン系化合物を用いて粘液を除去する方法を適用してもよい。
ここで、システイン系化合物としては、メチルシステイン、アセチルシステイン、L−システインなどを用いることができ、システイン系化合物の溶媒として、水、生理食塩水、PBS(リン酸緩衝化生理食塩水)、トリス等の緩衝液を用いることができる。システイン系化合物含有率は、5質量%以上が好ましく、より好ましくは10〜20質量%である。5質量%未満では粘液除去作用が不十分だからである。
個々の細胞に分散する方法しては、細胞の形態を壊すことなく分散させることが好ましい。例えば、本発明者が提案している方法、アルデヒド化合物等で安定化した後、プロテアーゼで処理することが好ましい。
アルデヒド化合物としては、パラホルムアルデヒド、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、またはこれらの混合物を用いることができ、アルデヒド化合物の溶媒としては、アルデヒド基と反応しない溶媒であればよいが、好ましくは蒸留水、イオン交換水、精製水等の水が用いられる。他の成分として、ピクリン酸を0.1〜0.4質量%程度含有することが好ましい。ピクリン酸は、アルデヒド化合物の組織浸透性を増強することができる。
プロテアーゼとしては、トリプシン、プロナーゼ、ペプシン、エラスターゼ、コラゲナーゼなどが挙げられ、1種又は2種以上の組合わせを用いてもよい。
これらのうち、コラゲナーゼが好ましく用いられる。消化力が弱い酵素では、分散化に必要な時間を比較的広い範囲内で決めることができるため、検体個々人の差異による適切な消化時間の差異が問題にならずに済む。コラゲナーゼの種類は特に限定せず、細菌性、動物性のいずれであってもよく、また動物性コラゲナーゼについて、その基質特異性は特に限定しない。プロテアーゼの溶媒としては、プロテアーゼを変性させない溶媒であればよいが、好ましくは、蒸留水、イオン交換水、精製水等の水が用いられる。プロテアーゼの濃度は、酵素の種類に応じて適宜決定される。一般に、トリプシンのように消化力の高い酵素では、0.05〜0.1質量%程度が好ましく、コラゲナーゼでは0.1〜1.0質量%程度が好ましい。
これらのうち、コラゲナーゼが好ましく用いられる。消化力が弱い酵素では、分散化に必要な時間を比較的広い範囲内で決めることができるため、検体個々人の差異による適切な消化時間の差異が問題にならずに済む。コラゲナーゼの種類は特に限定せず、細菌性、動物性のいずれであってもよく、また動物性コラゲナーゼについて、その基質特異性は特に限定しない。プロテアーゼの溶媒としては、プロテアーゼを変性させない溶媒であればよいが、好ましくは、蒸留水、イオン交換水、精製水等の水が用いられる。プロテアーゼの濃度は、酵素の種類に応じて適宜決定される。一般に、トリプシンのように消化力の高い酵素では、0.05〜0.1質量%程度が好ましく、コラゲナーゼでは0.1〜1.0質量%程度が好ましい。
検体をサイトケラチン8抗体と反応させるにあたり、前処理として、ブロック試薬で非特異的反応が生じ得る検体のタンパク質をブロックしておくことが好ましい。
ブロック試薬としては、上記本発明の診断薬で挙げたような、血清、IgG、BSA、スキムミルク等を用いることができる。
非特異的反応をブロックした検体を、サイトケラチン8抗体と反応させる。ここで、検体が組織の場合には、組織表面にサイトケラチン8抗体含有液と組織を接触させた状態で、30分ほど、静置しておくだけでよい。
検体が個々に分散された細胞群の場合には、サイトケラチン8抗体含有液と細胞群とが均一になるように混和することにより反応させる。
反応後、過剰な抗体含有液を除去する。
反応後、過剰な抗体含有液を除去する。
サイトケラチン8抗体自体が標識付けられている場合には、未反応のサイトケラチン8抗体を除去した後、腺癌細胞とサイトケラチン8抗体の結合物を、サイトケラチン8抗体の標識に基づいて検出すればよい。
一方、サイトケラチン8抗体が標識されていない場合、別途標識化合物と反応させる必要がある。サイトケラチン8抗体との結合部位を有し且つ標識化合物が結合された二次抗体と反応させ、標識に基づいてサイトケラチン8抗体と腺癌細胞の複合体を検出する。
本発明で用いることができる標識化合物は、特に限定しないが、Cy3(Amersham Life Science社の登録商標)等のシアニン系色素、フルオレセインイソチアシネート(FITC)、ローダミン、量子ドットなどの蛍光物質;金粒子などの光散乱物質;フェライトなどの吸光物質;ヨード(125I)等の放射性物質;ペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、DAB(3,3’−ジアミノベンチジンテトラヒドロクロライド)、グルコースオキシダーゼ等の酵素などが挙げられる。
標識化合物(二次抗体)を反応させた後、余分な標識液を除外し、標識に適した方法で観察する。例えば、蛍光標識であれば、蛍光を検出すればよい。
なお、各工程と工程の間で、適宜検体を洗浄することが好ましい。
なお、各工程と工程の間で、適宜検体を洗浄することが好ましい。
本発明の検出方法において、さらにHIK1083抗体と反応させる工程を含んでいてもよい。サイトケラチン8抗体は、細胞骨格に対する抗体であり、粘液を産生する一部の細胞とは反応しにくい。一方、HIK1083抗体は、癌細胞から産生される粘液と特異的に反応する。よって、サイトケラチン8抗体とHIK1083抗体を併用することにより、癌細胞を100%の効率で検出することが可能となる。また、サイトケラチン8抗体とHIK1083抗体との併用により、検体たる細胞や組織の粘液除去状況等にそれ程、影響されることなく、腺癌細胞を、高感度で検出することができる。
ここで、HIK1083抗体とサイトケラチン8抗体を併用する場合、サイトケラチン8抗体との反応工程と、HIK1083抗体との反応工程の順番は、特に限定しない。HIK1083抗体と反応させ、洗浄後、サイトケラチン8抗体と反応させてもよいし、まずサイトケラチン8抗体と反応させ、洗浄後、HIK1083抗体と反応させてもよい。また、サイトケラチン8抗体とHIK1083抗体の双方を含有する試薬を用いて、これを検体と反応させてもよい。
〔サイトケラチン8抗体の特異性〕
(1)免疫組織化学での検定
ヒト子宮腺癌の生検サンプルで、ホルマリンで固定したパラフィン包埋薄切標本の脱パラフィン処理を行った後、100%キシレン中に、室温で10分間静置した。次いで100%エタノール中に、室温で30秒間静置した後、80%エタノール、続いて70%エタノール中で、それぞれ室温で30秒間静置した。次に、蒸留水中に、室温で30秒間静置した。
(1)免疫組織化学での検定
ヒト子宮腺癌の生検サンプルで、ホルマリンで固定したパラフィン包埋薄切標本の脱パラフィン処理を行った後、100%キシレン中に、室温で10分間静置した。次いで100%エタノール中に、室温で30秒間静置した後、80%エタノール、続いて70%エタノール中で、それぞれ室温で30秒間静置した。次に、蒸留水中に、室温で30秒間静置した。
1%ヤギ血清を含むPBST(0.05%Tween20を含有するPBS(リン酸緩衝生理食塩水)液)中で、室温で10分間静置することにより、非特異的タンパク質をブロックした。
5μg/mlのサイトケラチン8抗体含有液(溶媒は1%ヤギ血清を含むPBST)を、サンプル上に静置し、室温にて30分間静置して、抗体反応をさせた。
5μg/mlのサイトケラチン8抗体含有液(溶媒は1%ヤギ血清を含むPBST)を、サンプル上に静置し、室温にて30分間静置して、抗体反応をさせた。
反応後、未反応の抗体反応液を吸引除去した後、PBST中で、室温で5分間の振盪洗浄を3回繰り返した。
蛍光色素Alexa488(Molecular Probes社の商品名)で標識されたヤギ由来の抗マウスIgGのF(ab)2フラグメント(溶媒は1%ヤギ血清を含むPBST)5μg/mlを組織上に静置し、抗体反応をさせた。反応終了後、未反応の抗体含有液を吸引除去した後、PBST中で、室温で5分間の振盪洗浄を3回行った。洗浄後、50%マウンティングメディウムを含むPBSTを重層し、カバーグラスをかけて、蛍光顕微鏡で観察したところ、図1に示す写真をえた。
参考のために、同生検サンプルをヘマトキシリンエオジンで染色した場合の写真を図2に示す。
図2からわかるように、異常部位(腺癌部分)では、核が大きくなっている。これと対応する図1において、異常部位には蛍光で染色されたことが確認された。従って、サイトケラチン8抗体は、正常な組織には反応せず、腺癌部分にだけ反応することがわかる。
図2からわかるように、異常部位(腺癌部分)では、核が大きくなっている。これと対応する図1において、異常部位には蛍光で染色されたことが確認された。従って、サイトケラチン8抗体は、正常な組織には反応せず、腺癌部分にだけ反応することがわかる。
(2)正常扁平上皮組織及び正常腺組織とサイトケラチン8抗体での検定採取した生検サンプルで、正常扁平上皮組織及び正常腺組織について、上記と同様の操作を行った。
蛍光染色した正常扁平上皮組織の蛍光顕微鏡写真を図3に示す。
蛍光染色した正常腺組織の蛍光顕微鏡写真を図4に示す。
蛍光染色した正常扁平上皮組織の蛍光顕微鏡写真を図3に示す。
蛍光染色した正常腺組織の蛍光顕微鏡写真を図4に示す。
(3)免疫細胞化学での検定
検体として、正常扁平上皮細胞である口腔粘膜扁平上皮細胞の培養細胞(ネガティブコントロール)、子宮頸部扁平上皮癌細胞由来の培養細胞系であるC33A、及び子宮頸部腺癌由来の培養細胞系であるHeLa細胞を用いた。
検体として、正常扁平上皮細胞である口腔粘膜扁平上皮細胞の培養細胞(ネガティブコントロール)、子宮頸部扁平上皮癌細胞由来の培養細胞系であるC33A、及び子宮頸部腺癌由来の培養細胞系であるHeLa細胞を用いた。
各培養細胞サンプル液を100%メタノールで固定した後、遠心分離(10000rpm、1分、4℃)にかけて、上清を除去して、細胞を回収した。
回収した細胞を、PBSおよびPBSTを各1ml添加し、洗浄する。再度遠心分離(10000rpm、1分、4℃)に掛け、上清を分離して、細胞を回収した。続けて、1%ヤギ血清を含むPBSTを1ml添加し、室温にて10分間振盪混和して、細胞表面の非特異的タンパクのブロックを行った。ブロック後、遠心分離(10000rpm、1分、4℃)にかけて、余分なブロッキング液を除去した。
回収した細胞を、PBSおよびPBSTを各1ml添加し、洗浄する。再度遠心分離(10000rpm、1分、4℃)に掛け、上清を分離して、細胞を回収した。続けて、1%ヤギ血清を含むPBSTを1ml添加し、室温にて10分間振盪混和して、細胞表面の非特異的タンパクのブロックを行った。ブロック後、遠心分離(10000rpm、1分、4℃)にかけて、余分なブロッキング液を除去した。
次に、5μg/mlのサイトケラチン8抗体含有液(溶媒は1%ヤギ血清を含むPBST)を添加し、室温にて30分間振盪混和して、抗体反応をさせた。反応後、遠心分離(10000rpm、1分、4℃)にかけて、未反応の抗体液を除去した。
PBSTを1ml添加して細胞を洗浄し、上清を除去して、細胞を回収した。
PBSTを1ml添加して細胞を洗浄し、上清を除去して、細胞を回収した。
蛍光色素Alexa488で標識されたヤギ由来の抗マウスIgGのF(ab)2フラグメント含有液(溶媒は1%ヤギ血清を含むPBST)5μg/mlを添加し、室温にて30分間振盪混和して、抗体反応をさせた。反応後、遠心分離(10000rpm、1分、4℃)にかけ、上清を除去して細胞を回収した。
PBSTを1ml添加して細胞を洗浄し、遠心分離(10000rpm、1分、4℃)にかけ、上清を除去して、細胞を回収した。
50%グリセロールを含むPBS液中に再懸濁して、蛍光顕微鏡で観察した。結果を図5〜7に示す。
50%グリセロールを含むPBS液中に再懸濁して、蛍光顕微鏡で観察した。結果を図5〜7に示す。
図6及び図7より、扁平上皮細胞にはサイトケラチン8抗体は反応しないことが認められた。一方、子宮頸部腺癌細胞に対しては、蛍光部分が観察され、サイトケラチン8抗体と腺癌細胞が反応することが確認できた(図5)。
本発明の腺癌診断薬は、子宮頸部細胞群の組織及び個々に分散した細胞群から、腺癌を特異的に検出できるので、子宮頸部腺癌、特に扁平上皮癌と腺癌とを区別したい診断薬、診断に利用できる。本発明の腺癌細胞検出方法は、子宮頸部細胞群の組織及び個々に分散した細胞群から、腺癌を特異的に検出したい場合に利用できる。
Claims (8)
- 子宮頸部細胞群の検体から腺癌の有無を診断するための試薬であって、サイトケラチン8抗体を含有する診断薬。
- さらにHIK1083抗体を含有する請求項1に記載の診断薬。
- サイトケラチン8抗体を含有する第1試薬、及び
サイトケラチン8抗体に結合可能で且つ標識されている2次抗体を含有する第2試薬を含む子宮腺癌の試薬キット。 - 子宮頸部細胞群の検体から腺癌細胞を検出する方法であって、
前記細胞群とサイトケラチン8抗体とを反応させる工程を含む検出方法。 - 子宮頸部細胞群の検体から腺癌細胞を検出する方法であって、
前記細胞群とサイトケラチン8抗体を含む試薬とを反応させる工程;
未反応液を除去して、細胞群を回収する工程;及び
回収された細胞群から、前記サイトケラチン8抗体と腺癌細胞の複合体を検出する工程
を含む腺癌細胞の検出方法。 - 前記検体は、子宮頸部組織又は個々に分散された細胞群である請求項4に記載の検出方法。
- 前記検体は、子宮頸部組織又は個々に分散された細胞群である請求項5に記載の検出方法。
- 扁平上皮癌細胞と腺癌細胞を含む子宮頸部細胞群の検体から、腺癌細胞を分別する方法であって、
前記細胞群と標識されたサイトケラチン8抗体とを反応させる工程;及び
前記サイトケラチン8抗体と腺癌細胞の複合体を検出する工程
を含む分別方法。
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