JPWO2005040179A1 - ハタケシメジ子実体由来組成物 - Google Patents
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Abstract
本発明の課題は、人工栽培により安価に大量供給が可能となったハタケシメジを原料とする、経口投与によって抗腫瘍活性を発揮し得る組成物を提供することにある。 すなわち、本発明は、ハタケシメジ子実体の熱水処理物中の、可溶性であって排除分子量3万の限外ろ過膜を通過する画分からなるハタケシメジ子実体由来組成物を提供する。
Description
本発明は、ハタケシメジ子実体の熱水処理物(熱水抽出物)中の低分子画分からなるハタケシメジ子実体由来組成物、例えば、ハタケシメジ子実体を熱水処理後、不溶物を除去し、分子量3万以上の画分を除いて得られ得るハタケシメジ子実体由来組成物、該ハタケシメジ子実体由来組成物を含む医薬、食品、飲料又は飼料、及び該ハタケシメジ子実体由来組成物の製造方法に関するものである。
ハタケシメジは、夏から秋にかけて人家や、畑、林地等に広く発生するきのこで、形はホンシメジに良く似ている。味は非常に良く、肉質はホンシメジより固くて歯切れのよいきのこであり、好んで食用とされている。また近年人工栽培方法も確立され、K−3304株を種菌とする人工栽培品が大量供給されるようになっている。
ハタケシメジには様々な薬効があることが明らかになっており、例えば王子製紙株式会社森林資源研究所はハタケシメジ抽出物が制癌効果を有すること(例えば非特許文献1、2)、金沢大の池川らはハタケシメジ水抽出物及び子実体粉砕物のα−アミラーゼ処理物が制癌作用を有すること(非特許文献3)、株式会社永昌源らは高分子多糖が抗腫瘍活性及び免疫賦活活性を有すること(例えば、特許文献1)、蛋白多糖体が血圧調節活性を有すること(例えば、特許文献2)、また王子木材緑化株式会社らはハタケシメジが抗腫瘍効果、放射線防護効果を有すること(例えば、非特許文献4)を報告している。
第17回全国育樹祭育林技術交流会要旨集:p11〜13(1993) 三井グラフ97:p8〜9(1994) 第55回日本癌学会講演要旨集:演題番号2319(1996) 第62回日本癌学会講演要旨集:演題番号2727(2003) 特開平11−302191号公報 特開2001−131082号公報
第17回全国育樹祭育林技術交流会要旨集:p11〜13(1993) 三井グラフ97:p8〜9(1994) 第55回日本癌学会講演要旨集:演題番号2319(1996) 第62回日本癌学会講演要旨集:演題番号2727(2003)
本発明の課題は、人工栽培により安価に大量供給が可能となったハタケシメジより、経口投与によって抗腫瘍活性を発揮する組成物を見出し、該組成物を効率よく製造する方法を提供するとともに、使用に適した該組成物を含有する医薬、食品、飲料又は飼料を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するため、鋭意研究した結果、ハタケシメジ子実体の熱水抽出物中の低分子画分が、経口投与により抗腫瘍活性を発揮することを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明を概説すれば、本発明の第1の発明は、ハタケシメジ子実体の熱水処理物中の、可溶性であって排除分子量3万の限外ろ過膜を通過する画分からなるハタケシメジ子実体由来組成物に関する。本発明の第1の発明において、ハタケシメジ子実体由来組成物としては、ゲルろ過クロマトグラフィーで測定した際に分子量10000を超える物質を含まない組成物、特に好適には分子量5800を超える物質を含まないハタケシメジ子実体由来組成物が例示される。また、本発明の第1の発明のハタケシメジ子実体由来組成物としては、乾燥物中の糖含量が20〜50重量%、タンパク質含量が0.1〜10重量%、ウロン酸含量が0.1〜10重量%であるハタケシメジ子実体由来組成物が例示される。また、本発明の第1の発明において、ハタケシメジとしては、独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(〒305−8566 日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6)に寄託されているLyophyllum decastes K−3304株(FERM BP−4348)(寄託日:1990年2月26日)が例示される。本発明の第1の発明のハタケシメジ子実体由来組成物としては、抗腫瘍活性を有するハタケシメジ子実体由来組成物が例示される。
本発明の第2の発明は、本発明の第1の発明のハタケシメジ子実体由来組成物をさらに有機溶媒で処理して得られ得る可溶性画分からなるハタケシメジ子実体由来組成物に関する。本発明の第2の発明において、有機溶媒としては、例えば、エタノール又は30〜100容量%のエタノール水溶液が好適である。
本発明の第3の発明は、本発明の第1又は第2の発明のハタケシメジ子実体由来組成物を有効成分として含有することを特徴とする医薬に関する。
本発明の第4の発明は、本発明の第1又は第2の発明のハタケシメジ子実体由来組成物を含有することを特徴とする食品、飲料又は飼料に関する。本発明の第4の発明においては、グリセリンをさらに含有する食品、飲料又は飼料が例示される。
本発明の第5の発明は、(1)ハタケシメジ子実体を熱水処理して得られる熱水処理物から不溶物を除去する工程、及び(2)工程(1)で得られた可溶性画分を排除分子量3万の限外ろ過に供する工程を包含することを特徴とするハタケシメジ子実体由来組成物の製造方法に関する。本発明の第5の発明において、ハタケシメジとしては、前記Lyophyllum decastes K−3304株(FERM BP−4348)が例示される。
本発明の第6の発明は、本発明の第5の発明の製造方法により得られ得るハタケシメジ子実体由来組成物をさらに有機溶媒により処理し、可溶性画分を分取する工程を包含するハタケシメジ子実体由来組成物の製造方法に関する。本発明の第6の発明において、有機溶媒としては、例えば、エタノール又は30〜100容量%のエタノール水溶液が好適である。
本発明により、新規なハタケシメジ子実体由来の組成物が提供される。当該組成物は天然物由来であり、強い抗腫瘍活性を有する組成物である。
これまで、ハタケシメジ子実体を熱水処理し、不溶物を除去し、さらに分子量3万以上の画分を除いて得られ得る画分が抗腫瘍活性を有することは明らかとされていない。とりわけ、ハタケシメジK−3304株を種菌とする人工栽培品由来の該画分が抗腫瘍活性を有することは明らかとはされていない。
本発明のハタケシメジ子実体由来組成物は、これまでにハタケシメジより得られた抗腫瘍効果を有する組成物と比較して、組成物中の構成成分が全く異なり、特に排除分子量3万の限外ろ過膜を通過する程度の低分子画分であり、さらに糖含量が、例えば、20〜50重量%と比較的少ないという点で新規な組成物である。従来、ハタケシメジの抗腫瘍活性は、熱水抽出物中の高分子多糖類や、子実体粉砕物のα−アミラーゼ処理物により発揮されるものと思われていたところ、本発明者らは、多種多様に加工・処理して得たハタケシメジ子実体由来物を抗腫瘍活性に関してマウスへの経口投与により試験した結果、意外にもハタケシメジ子実体を熱水処理後、不溶物を除去し、さらに排除分子量3万の限外ろ過膜を通過する画分こそ抗腫瘍活性の発揮にとって重要であることを初めて明らかにした。かかる知見は従来の知見からは全く予想外のことである。従って、本発明の組成物によれば、従来のハタケシメジ由来の抗腫瘍効果を有する組成物に比べ、より効果的な抗腫瘍活性の発現が期待できる。また、その原料であるハタケシメジは安価であり、その処理工程も酵素処理を必要とせず簡易であることから、本発明の組成物は従来のものと比べてより安価に製造することができ、さらに経口投与により充分に抗腫瘍活性を発揮し得ることから、より汎用性に富む健康素材であるといえる。
本発明のハタケシメジ子実体由来組成物は、ハタケシメジ子実体の熱水処理物中の、可溶性であって排除分子量3万の限外ろ過膜を通過する画分からなる組成物であって、例えば、ハタケシメジ子実体を熱水処理して得られる熱水処理物より、不溶物及び分子量3万以上の画分を除去して得られ得る。
本発明に使用されるハタケシメジは学名 Lyophyllum decastesに属する担子菌であり、天然のものでも人工栽培のものでもよい。人工栽培が可能なハタケシメジ菌株としては、特に限定するものではない。例えば特開平4−211308号公報、特開平5−192055号公報に記載のものが例示されるが、好適にはLyophyllum decastes K−3304(FERM BP−4348)が使用される。該菌株は人工栽培の種菌として使用され、商品名「グルメマッシュ(登録商標)」として市場に流通している。
例えば、本発明のハタケシメジ子実体由来組成物(以下、本発明の組成物と称することがある)を得るためには、まずハタケシメジ子実体を熱水処理することが必要である。子実体は生のものでも加熱乾燥、天日乾燥、凍結乾燥等で乾燥された子実体乾燥物でもよく、また子実体は株のままでも粉砕した後でも熱水処理を行ってもよいが、操作効率の点から好適には加熱乾燥した子実体粉末を熱水処理に供するのがよい。熱水処理とは、子実体をそのまま、もしくは上記記載のように乾燥処理したものに水を加え、一定時間加熱を行うことをいう。熱水とは、いわゆる加熱された水をいい、その温度は特に限定されるものではないが、水温は好適には後述の処理温度と同様の温度範囲である。
熱水処理に用いる水としては、蒸留水、精製水、イオン交換水、水道水等を使用することができ、また塩化ナトリウムや塩化カリウム等の塩類;エタノール等の親水性有機溶媒;クエン酸、リンゴ酸、酢酸等の酸;アスコルビン酸、アスコルビン酸塩、エリソルビン酸、エリソルビン酸塩、システイン、グルタチオン等の還元剤をそれぞれ単独で、若しくは2種以上含む水溶液を使用してもよい。
子実体として生鮮子実体を使用する場合は生鮮子実体1重量に対して好適には1〜10倍量、より好適には1〜5倍量の水を使用でき、また子実体乾燥物を使用する場合は乾燥物1重量に対して好適には5〜50倍量、より好適には15〜40倍量の水を使用することができる。処理温度は好ましくは80〜100℃、より好ましくは90〜100℃で、処理時間は好ましくは1〜48時間、より好ましくは2〜24時間の範囲で処理操作を行うのがよい。熱水処理は、静置して行っても、撹拌下に行ってもよい。以上の熱水処理によりハタケシメジ子実体由来の熱水処理物が得られる。
上記の操作で得られた熱水処理物からの不溶物の除去は通常の方法で行えばよく、例えばろ過又は遠心分離により不溶物を除去することができる。ここで、不溶物とは、ろ過の場合、市販のろ紙(例えば、アドバンテック社製No.#327)によりろ別される熱水処理物中の不溶性の成分を、遠心分離の場合、少なくとも5000×gの遠心力により沈降し得る熱水処理物中の不溶性の成分をいう。
上記操作の結果、得られた可溶物、すなわち、熱水処理物中の水可溶性画分を次いで排除分子量3万の限外ろ過に供することにより、限外ろ過膜通過画分として本発明の組成物を得ることができる。すなわち、本発明の組成物は、分子量3万未満の成分を主成分とする新規な組成物である。本発明の組成物における分子量3万とは限外ろ過に使用する限外ろ過膜の排除分子量により決まる分子量をいうが、前記可溶性画分を排除分子量3万の限外ろ過に供した場合と同様な分子量範囲の画分を分取可能な、分子量3万以上の画分の排除手段であれば、排除分子量3万の限外ろ過の代わりに当該手段を任意に使用することができる。また、本発明の組成物において分子量3万は前記の通り定義されるため、当該分子量の値は、本発明の組成物の構成成分の実際の分子量を示すものではない。なお、本発明の組成物において「画分」とは2以上の成分を含む混合物の意味で用い、例えば、ハタケシメジ子実体を熱水処理後、不溶物を除去し、分子量3万以上の画分を除く操作で得られ得る混合物(組成物)が例示される。
分子量3万以上の画分の除去には、限外ろ過膜、ホロファイバー、カラムクロマトグラフィー等のいかなる方法でも使用することができ、例えば、排除分子量3万のホロファイバーを用いて限外ろ過することにより、本発明の組成物を得ることができる。また、本発明の組成物は、標準プルラン〔例えば、Shodex STANDARD P−82(昭和電工社製)〕を標準物質として用いてゲルろ過クロマトグラフィーで測定した際に分子量10000を超える物質を含まないものが好ましい。なお下記実施例1〜4に記載のとおり、本発明者らはハタケシメジの熱水処理物から排除分子量3万のホロファイバーを用いて限外ろ過を行うことにより、得られる組成物がゲルろ過用カラムによる分子量分析で分子量5800のプルラン標準物質P−5より保持時間が短い物質を含まないことを確認している。よって本発明の組成物としては、より好ましくは分子量5800を超える物質を含まないものが例示される。
また、本発明の組成物は上記製法により得られるものであれば特に限定されるものではないが、組成物が乾燥物である場合、良好な抗腫瘍活性の発現を得る観点から、好適には糖含量が20〜50重量%、タンパク質含量が0.1〜10重量%、ウロン酸含量が0.1〜10重量%であり、より好適には糖含量が25〜40重量%、タンパク質含量が0.1〜2重量%、ウロン酸含量が0.1〜3重量%の成分組成のものが例示される。
また、本発明においては、上記製法によって得られ得る組成物をさらに有機溶媒によって処理し、その可溶性画分を分取する事によって得られ得るハタケシメジ子実体由来組成物も提供される。この処理に用いる有機溶媒としては親水性の有機溶媒が好ましく、例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、アセトン、ジメチルエーテル等が例示され、好適には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等のアルコール類、特に好適にはエタノールが例示される。また、この処理に用いる有機溶媒には水との混合物も包含され、その濃度としては、好ましくは30〜100容量%、より好ましくは35〜97容量%、さらに好ましくは40〜95容量%が例示される。本発明において有機溶媒としては、通常、エタノール又は30〜100容量%のエタノール水溶液が好適に用いられる。有機溶媒による処理は、具体的には、有機溶媒(水との混合物を含む)と本発明の所定の組成物とを混合し、例えば、0〜60℃で1〜24時間程度、静置又は撹拌して行うことができる。その結果、該組成物は、不溶性画分と可溶性画分とに分離するのでろ過又は遠心分離により不溶性画分を除去して有機溶媒可溶性画分(本発明のハタケシメジ子実体由来組成物)を分取すればよい。ここで、不溶性画分とは、ろ過の場合、市販のろ紙(例えば、アドバンテック社製No.#327)によりろ別される有機溶媒処理物中の不溶性の成分を、遠心分離の場合、少なくとも5000×gの遠心力により沈降し得る有機溶媒処理物中の不溶性の成分をいう。なお、以下においてはこのようにして得られた組成物も本発明の組成物と称する。本発明の組成物の形態としては、特に限定はないが、液状であってもよく、その濃縮物であってもよく、また、乾燥物であってもよい。
以上により、本発明の組成物が得られる。本発明の組成物の製造方法としては、より効率的であることから、
(1)ハタケシメジ子実体を熱水処理して得られる熱水処理物から不溶物を除去する工程、及び(2)工程(1)で得られた可溶性画分を排除分子量3万の限外ろ過に供する工程を包含することを特徴とするハタケシメジ子実体由来組成物の製造方法、又は前記製造方法により得られ得るハタケシメジ子実体由来組成物をさらに有機溶媒により処理し、可溶性画分を分取する工程を包含するハタケシメジ子実体由来組成物の製造方法が好適である。
(1)ハタケシメジ子実体を熱水処理して得られる熱水処理物から不溶物を除去する工程、及び(2)工程(1)で得られた可溶性画分を排除分子量3万の限外ろ過に供する工程を包含することを特徴とするハタケシメジ子実体由来組成物の製造方法、又は前記製造方法により得られ得るハタケシメジ子実体由来組成物をさらに有機溶媒により処理し、可溶性画分を分取する工程を包含するハタケシメジ子実体由来組成物の製造方法が好適である。
本発明の組成物は、下記実施例4に記載されているように、経口投与で強い抗腫瘍活性を有しており、医薬、食品、飲料又は飼料の素材として有用であり、特に健康食品又は健康飲料の素材として非常に有用である。本明細書において抗腫瘍活性とは、具体的には、少なくとも、該組成物が個体の免疫を賦活すること、または直接腫瘍に作用すること等により、結果的に腫瘍の増殖を抑制することをいう。かかる抗腫瘍活性は、後述の実施例4に記載の方法に従って評価することができる。個体とは生体であれば特に限定されるものではないが、主としてヒトを含む哺乳動物をいう。
次に、本発明の組成物を有効成分として含有する医薬(以下、本発明の医薬と称することがある)について詳細に説明する。なお、本発明の組成物を本発明の有効成分と称することがある。
本発明に係る有効成分には、後述するように特に毒性は認められない。また、副作用の発生の心配もない。それゆえ、安全かつ適切に疾患の治療又は予防を行うことができる。また、本発明の医薬としては、特に限定はないが、例えば抗腫瘍剤が例示される。
本発明の医薬としては、本発明の前記有効成分を公知の医薬用担体と組み合わせて製剤化したものが挙げられる。なお、本発明の組成物は経口投与の際に高い抗腫瘍活性を発揮し得るが、本発明の医薬としては、経口用医薬のみに限定されるものではない。
本発明の医薬の製造は、通常、前記有効成分を薬学的に許容できる液状又は固体状の担体と配合することにより行われ、所望により溶媒、分散剤、乳化剤、緩衝剤、安定剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等を加えて、錠剤、顆粒剤、散剤、粉末剤、カプセル剤等の固形剤、通常液剤、懸濁剤、乳剤等の液剤とすることができる。また、使用前に適当な担体の添加によって液状となし得る乾燥品や、その他、外用剤とすることもできる。
医薬用担体は、本発明の医薬の投与形態および剤型に応じて選択することができる。固体組成物からなる経口剤とする場合は、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、細粒剤、顆粒剤等とすることができ、たとえば、デンプン、乳糖、白糖、マンニット、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチ、無機塩などが利用される。また経口剤の調製に当っては、更に結合剤、崩壊剤、界面活性剤、潤沢剤、流動性促進剤、矯味剤、着色剤、香料などを配合することもできる。たとえば、錠剤または丸剤とする場合は、所望によりショ糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロースなどの糖衣または胃溶性もしくは腸溶性物質のフィルムで被覆してもよい。液体組成物からなる経口剤とする場合は、薬理学的に許容される乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤などとすることができ、たとえば、精製水、エタノールなどが担体として利用される。また、さらに所望により湿潤剤、懸濁剤のような補助剤、甘味剤、風味剤、防腐剤などを添加してもよい。
一方、非経口剤とする場合は、常法に従い本発明の前記有効成分を希釈剤としての注射用蒸留水、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、注射用植物油、ゴマ油、落花生油、大豆油、トウモロコシ油、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどに溶解ないし懸濁させ、必要に応じ、殺菌剤、安定剤、等張化剤、無痛化剤などを加えることにより調製することができる。また、固体組成物を製造し、使用前に無菌水または無菌の注射用溶媒に溶解して使用することもできる。
外用剤としては、経皮投与用または経粘膜(口腔内、鼻腔内)投与用の、固体、半固体状または液状の製剤が含まれる。また、座剤なども含まれる。たとえば、乳剤、ローション剤などの乳濁剤、外用チンキ剤、経粘膜投与用液剤などの液状製剤、油性軟膏、親水性軟膏などの軟膏剤、フィルム剤、テープ剤、パップ剤などの経皮投与用または経粘膜投与用の貼付剤などとすることができる。
以上の各種製剤は、それぞれ公知の医薬用担体などを利用して、適宜、常法により製造することができる。また、かかる製剤における有効成分の含有量は、その投与形態、投与方法などを考慮し、好ましくは後述の投与量範囲で当該有効成分を投与できるような量であれば特に限定されるものではない。本発明の医薬における有効成分としての本発明の組成物の含有量としては、乾燥重量で、好ましくは0.1〜100重量%程度である。
本発明の医薬は、製剤形態に応じた適当な投与経路で投与される。投与方法も特に限定はなく、内用、外用および注射によることができ、特に限定はないが、所望の効果の発現や投与の簡便性の観点から内用が好ましい。注射剤は、たとえば静脈内、筋肉内、皮下、皮内などに投与し得、外用剤では、たとえば、座剤をその適する投与方法により投与すればよい。
本発明の医薬の投与量は、その製剤形態、投与方法、使用目的および当該医薬の投与対象である患者の年齢、体重、症状によって適宜設定され一定ではない。一般には、製剤中に含有される前記有効成分の乾燥物の投与量で、好ましくは成人1日当り0.1μg〜1g/kg体重である。もちろん投与量は、種々の条件によって変動するので、上記投与量より少ない量で十分な場合もあるし、あるいは範囲を超えて必要な場合もある。投与は、所望の投与量範囲内において、1日内において単回で、または数回に分けて行ってもよい。また、本発明の医薬はそのまま経口投与するほか、任意の飲食品に添加して日常的に摂取させることもできる。また、本発明の有効成分は、本発明の有効成分と同等の作用を有する物質、例えばその他の抗腫瘍物質と併用することにより、これらの相乗効果を期待することもできる。
また、本発明は本発明の組成物を含有してなる食品、飲料又は飼料(以下、本発明の食品、飲料又は飼料と称することがある)を提供する。本発明の食品、飲料又は飼料の製造法に特に限定はない。たとえば、配合、調理、加工などは一般の食品、飲料または飼料のものに従えばよく、それらの製造法により製造することができ、得られた食品、飲料または飼料に本発明の組成物が含有されていれば良い。
なお、本発明の食品、飲料又は飼料において「本発明の組成物を含有してなる」とは「本発明の組成物を含有、添加および/または希釈してなる」の意味を有する。ここで、「含有」とは食品、飲料または飼料中に本発明で使用される有効成分が含まれる態様を、「添加」とは食品、飲料または飼料の原料に、本発明で使用される有効成分を添加する態様を、「希釈」とは本発明で使用される有効成分に、食品、飲料または飼料の原料を添加する態様をいうものである。
本発明の食品または飲料としては特に限定はないが、たとえば、本発明の組成物が含有されてなる、穀物加工品(小麦粉加工品、デンプン類加工品、プレミックス加工品、麺類、マカロニ類、パン類、あん類、そば類、麩、ビーフン、はるさめ、包装餅など)、油脂加工品(可塑性油脂、てんぷら油、サラダ油、マヨネーズ類、ドレッシングなど)、大豆加工品(豆腐類、味噌、納豆など)、食肉加工品(ハム、ベーコン、プレスハム、ソーセージなど)、水産製品(冷凍すりみ、かまぼこ、ちくわ、はんぺん、さつま揚げ、つみれ、すじ、魚肉ハム、ソーセージ、かつお節、魚卵加工品、水産缶詰、つくだ煮など)、乳製品(原料乳、クリーム、ヨーグルト、バター、チーズ、練乳、粉乳、アイスクリームなど)、野菜・果実加工品(ペースト類、ジャム類、漬け物類、果実飲料、野菜飲料、ミックス飲料など)、菓子類(チョコレート、ビスケット類、菓子パン類、ケーキ、餅菓子、米菓類など)、アルコール飲料(日本酒、中国酒、ワイン、ウイスキー、焼酎、ウオッカ、ブランデー、ジン、ラム酒、ビール、清涼アルコール飲料、果実酒、リキュールなど)、嗜好飲料(緑茶、紅茶、ウーロン茶、コーヒー、清涼飲料、乳酸飲料など)、調味料(しょうゆ、ソース、酢、みりんなど)、缶詰・瓶詰め・袋詰め食品(牛飯、釜飯、赤飯、カレー、その他の各種調理済み食品)、半乾燥または濃縮食品(レバーペースト、その他のスプレッド、そば・うどんの汁、濃縮スープ類)、乾燥食品(即席麺類、即席カレー、インスタントコーヒー、粉末ジュース、粉末スープ、即席味噌汁、調理済み食品、調理済み飲料、調理済みスープなど)、冷凍食品(すき焼き、茶碗蒸し、うなぎかば焼き、ハンバーグステーキ、シュウマイ、餃子、各種スティック、フルーツカクテルなど)、固形食品、液体食品(スープなど)、香辛料類などの農産・林産加工品、畜産加工品、水産加工品などが挙げられる。
本発明の食品または飲料は、本発明の組成物が単独もしくは複数含有、添加および/または希釈されているものであれば特にその形状に限定はなく、タブレット状、顆粒状、カプセル状等の形状の経口的に摂取可能な形状物も包含する。また、下記実施例10に記載のように、本発明の組成物にグリセリンを添加し、健康食品とすることもできる。本発明の組成物は、下記実施例4に記載のとおり、特に経口投与で強い抗腫瘍活性を有しており、本発明の食品又は飲料、特に健康食品又は健康飲料の素材としての使用に非常に有用である。よって、本発明の食品または飲料は、本発明の組成物と、その他の健康食品素材を含有させて製造することもできる。
本発明の食品又は飲料中の本発明の組成物の含有量は特に限定されず、その官能と活性発現の観点から適宜選択できるが、例えば本発明の組成物を乾燥物で使用する場合、食品又は飲料中、好ましくは0.00001重量%以上、より好ましくは0.0001〜95重量%、更に好適には0.0006〜90重量%である。また、本発明の組成物をそのまま食用とすることもできる。また本発明の食品又は飲料は、好ましくは、それらに含有される本発明の組成物が、下記実施例1で調製されたハタケシメジ子実体由来組成物を乾燥物で使用する場合、例えば成人1日当たり0.001mg〜10g/kg体重、好ましくは0.1mg〜1g/kg体重となるように摂取すればよい。
本発明の組成物には、後述するように特に毒性は認められない。また、副作用の発生の心配もない。それゆえ、安全かつ適切に抗腫瘍活性を発現させることができる。従って、当該組成物を含んでなる本発明の医薬、食品、飲料または飼料は、癌の治療または予防に有効である。
また、本発明は、本発明の組成物を含有、添加および/または希釈してなる、生物用の飼料を提供するものであり、さらに、別の一態様として、本発明の組成物を生物に投与することを特徴とする生物の飼育方法をも提供する。また、本発明の別の一態様として、本発明の組成物を含有することを特徴とする生物飼育用剤が提供される。
これらの発明において、生物とはたとえば養殖動物、ペット動物などであり、養殖動物としては家畜、実験動物、家禽、魚類、甲殻類または貝類が例示される。飼料としては体調の維持および/または改善用飼料が例示される。生物飼育用剤としては浸漬用剤、飼料添加剤、飲料用添加剤が例示される。
これらの発明によれば、それらを適用する前記例示するような生物において、本発明の組成物の抗腫瘍活性に基づき、前述の本発明の医薬と同様の効果の発現が期待できる。
本発明に使用される本発明の組成物は通常、対象生物の体重1kg、1日あたり好ましくは本発明の組成物を乾燥物で0.01〜2000mg投与される。投与は、たとえば、当該有効成分を、対象生物に供する人工配合飼料の原料中に添加混合しておくか、人工配合飼料の粉末原料と混合した後、その他の原料にさらに添加混合することで行うことができる。また、本発明の組成物の飼料中の含有量は特に限定されるものではなく、目的に応じて適宜設定すれば良いが、乾燥重量で、0.001〜95重量%の割合が好適である。また、本発明の組成物をそのまま飼料とすることもできる。
本発明の飼料の製造法に特に限定はなく、また配合も一般の飼料に準ずるものであればよく、製造された飼料中に本発明の組成物が含まれていればよい。生物飼育用剤も本発明の飼料に準じて製造することができる。
本発明が適用できる生物としては限定はないが、養殖動物としては、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ラクダ、ラマなどの家畜、マウス、ラット、モルモット、ウサギなどの実験動物、ニワトリ、アヒル、七面鳥、駝鳥などの家禽、ペット動物としてはイヌ、ネコなどが挙げられ、広く適用できる。
本発明の組成物を含んでなる飼料を摂取させること、または生物飼育用剤として本発明の組成物を含有する液に対象生物を浸漬することにより、家畜、実験動物、家禽、ペット動物などの体調を良好に維持し、または、改善させたりすることができる。なお、これらの態様は、本発明の生物の飼育方法の一態様である。
本発明のハタケシメジ子実体由来組成物を乾燥物で1g/マウスで経口投与しても毒性は認められない。
以下、本発明を実施例をもって詳細に説明するが本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下、「%」は特段の事情がない限り「重量%」を表す。
実施例1
生のハタケシメジ(市販のグルメマッシュ)500kgを熱風乾燥機で乾燥し、乾燥ハタケシメジ50kgを得た。この乾燥ハタケシメジを粉砕機により粉砕し、乾燥ハタケシメジ粉末49kgを得た。ジャケット付きタンクにイオン交換水960Lを入れ、乾燥ハタケシメジ粉末40kgを徐々に添加し、ジャケットにより95℃まで加熱した。さらに、95℃で3時間攪拌後、ジャケットに冷水を入れて、25℃まで冷却した。この熱水処理液を、内外醸機工業(株)製のリンターフィルターを用いて、ADVANTEC社製No.#327の濾紙により濾過を行った。更に、イオン交換水200Lで水押しを行い、固形分を取り除いた濾過液1,000Lを得た。この濾過液を、100メッシュのストレーナーを通した後、UF装置により限外ろ過を行った。限外ろ過にはダイセンメンブレンズシステム(株)製の、ポリスルホン製の分画分子量3万の膜を使用した。限外ろ過によって透過液900Lを得て、更に、限外ろ過で残った濃縮液側に800Lのイオン交換水を順次加え、透過液700Lを得た。初めの透過液900Lと加水時の透過液700Lを混合し、1,600Lの透過液を得た。この透過液を(株)大川原製作所製のエバポールCEP−30S型を用いて、減圧加熱濃縮を行い、100Lの濃縮液を得た。この濃縮液の固形分は15%であった。この濃縮液を85℃、30分間熱水浴により加熱し、殺菌を行った後、凍結乾燥機により凍結乾燥を行い、15kgの凍結乾燥粉末(以下、ハタケシメジ子実体由来組成物と称することがある)を得た。
生のハタケシメジ(市販のグルメマッシュ)500kgを熱風乾燥機で乾燥し、乾燥ハタケシメジ50kgを得た。この乾燥ハタケシメジを粉砕機により粉砕し、乾燥ハタケシメジ粉末49kgを得た。ジャケット付きタンクにイオン交換水960Lを入れ、乾燥ハタケシメジ粉末40kgを徐々に添加し、ジャケットにより95℃まで加熱した。さらに、95℃で3時間攪拌後、ジャケットに冷水を入れて、25℃まで冷却した。この熱水処理液を、内外醸機工業(株)製のリンターフィルターを用いて、ADVANTEC社製No.#327の濾紙により濾過を行った。更に、イオン交換水200Lで水押しを行い、固形分を取り除いた濾過液1,000Lを得た。この濾過液を、100メッシュのストレーナーを通した後、UF装置により限外ろ過を行った。限外ろ過にはダイセンメンブレンズシステム(株)製の、ポリスルホン製の分画分子量3万の膜を使用した。限外ろ過によって透過液900Lを得て、更に、限外ろ過で残った濃縮液側に800Lのイオン交換水を順次加え、透過液700Lを得た。初めの透過液900Lと加水時の透過液700Lを混合し、1,600Lの透過液を得た。この透過液を(株)大川原製作所製のエバポールCEP−30S型を用いて、減圧加熱濃縮を行い、100Lの濃縮液を得た。この濃縮液の固形分は15%であった。この濃縮液を85℃、30分間熱水浴により加熱し、殺菌を行った後、凍結乾燥機により凍結乾燥を行い、15kgの凍結乾燥粉末(以下、ハタケシメジ子実体由来組成物と称することがある)を得た。
実施例2 ハタケシメジ子実体由来組成物の成分組成
実施例1で得られたハタケシメジ子実体由来組成物の糖含量、ウロン酸含量、及び蛋白質含量をそれぞれフェノール硫酸法〔アナリティカル ケミストリー(Analytical Chemistry)、第28巻、第350頁(1956)〕、カルバゾール硫酸法〔アナリティカル バイオケミストリー(Analytical Biochemistry)、第4巻、第330頁(1962)〕、及び蛋白質測定キット(Coomassie Protein Assay Reagent Kit、Pierce社)を用いて分析を行った。得られた結果を表1に示す。
実施例1で得られたハタケシメジ子実体由来組成物の糖含量、ウロン酸含量、及び蛋白質含量をそれぞれフェノール硫酸法〔アナリティカル ケミストリー(Analytical Chemistry)、第28巻、第350頁(1956)〕、カルバゾール硫酸法〔アナリティカル バイオケミストリー(Analytical Biochemistry)、第4巻、第330頁(1962)〕、及び蛋白質測定キット(Coomassie Protein Assay Reagent Kit、Pierce社)を用いて分析を行った。得られた結果を表1に示す。
実施例3 ハタケシメジ子実体由来組成物の分子量測定
実施例1で得られたハタケシメジ子実体由来組成物10mgを1mLの下記溶離液に溶解し、下記HPLC条件により分析を行った。また対照としては分子量5800のプルラン標準物質P−5(昭和電工社製)を下記溶離液に0.25%(w/v)になるように溶解したものを用いた。
装置:L−6200型(日立製作所製)
カラム:SB−802HQ(8×300mm、昭和電工社製)
溶離液:5mMアジ化ナトリウムを含む0.2MNaCl溶液
検出:示差屈折率検出器 YRD−880(島村計器製作所製)
流速:1mL/分
カラム温度:35℃
実施例1で得られたハタケシメジ子実体由来組成物10mgを1mLの下記溶離液に溶解し、下記HPLC条件により分析を行った。また対照としては分子量5800のプルラン標準物質P−5(昭和電工社製)を下記溶離液に0.25%(w/v)になるように溶解したものを用いた。
装置:L−6200型(日立製作所製)
カラム:SB−802HQ(8×300mm、昭和電工社製)
溶離液:5mMアジ化ナトリウムを含む0.2MNaCl溶液
検出:示差屈折率検出器 YRD−880(島村計器製作所製)
流速:1mL/分
カラム温度:35℃
その結果、ゲルろ過クロマトグラフィーにおける分子量5800のプルラン標準物質P−5の保持時間が5.59分であったのに対し(図1)、ハタケシメジ子実体由来組成物に含有される成分は最も保持時間が短いものでも5.64分であった(図2)。従ってハタケシメジ子実体由来組成物は分子量5800よりも小さい物質群からなる組成物であることが明らかとなった。
実施例4 ハタケシメジ子実体由来組成物の腫瘍増殖抑制活性
ICRマウス(日本エスエルシー社)は、5週齢の雌を購入し6週齢で使用した。Sarcoma−180(以下S−180)腫瘍細胞は、ICRマウスの腹腔に移植して腹水をつくり、7日毎に別のマウスに移植して継代した。継代して7日目の腹水を採取し、リン酸緩衝液で遠心洗浄後、同緩衝液に懸濁してセルカウント後、5×107個/mLとなるように調整した。この0.1mLをICRマウスの右側腹部皮下に移植し、7日後に形成された固形腫瘍の大きさを測定した。腫瘍の大きさの平均が各群で均等になるように、また、1群10匹となるようにマウスを群分けした。実施例1で得られたハタケシメジ子実体由来組成物は、通常の粉末飼料CE−2(日本クレア社製)に混ぜてS−180移植7日目よりマウスに与えた。投与量はハタケシメジ粉末に換算して、粉末試料CE−2に対して重量比で5%又は10%混ぜて与えた場合と同等になるように用いた。コントロール群にはCE−2のみを与えた。腫瘍の大きさは、S−180移植後5週目に測定した。また、腫瘍の大きさは長径と短径を測定し、以下の計算式にしたがって体積を算出して比較した。
腫瘍体積(mm3)=(長径)×(短径)2/2
腫瘍増殖抑制活性は、以下の計算式にしたがって算出した。
腫瘍増殖抑制活性(%)=〔1−(ハタケシメジ子実体由来組成物投与群の腫瘍体積/コントロール群の腫瘍体積)〕×100
その結果を表2に示す。
ICRマウス(日本エスエルシー社)は、5週齢の雌を購入し6週齢で使用した。Sarcoma−180(以下S−180)腫瘍細胞は、ICRマウスの腹腔に移植して腹水をつくり、7日毎に別のマウスに移植して継代した。継代して7日目の腹水を採取し、リン酸緩衝液で遠心洗浄後、同緩衝液に懸濁してセルカウント後、5×107個/mLとなるように調整した。この0.1mLをICRマウスの右側腹部皮下に移植し、7日後に形成された固形腫瘍の大きさを測定した。腫瘍の大きさの平均が各群で均等になるように、また、1群10匹となるようにマウスを群分けした。実施例1で得られたハタケシメジ子実体由来組成物は、通常の粉末飼料CE−2(日本クレア社製)に混ぜてS−180移植7日目よりマウスに与えた。投与量はハタケシメジ粉末に換算して、粉末試料CE−2に対して重量比で5%又は10%混ぜて与えた場合と同等になるように用いた。コントロール群にはCE−2のみを与えた。腫瘍の大きさは、S−180移植後5週目に測定した。また、腫瘍の大きさは長径と短径を測定し、以下の計算式にしたがって体積を算出して比較した。
腫瘍体積(mm3)=(長径)×(短径)2/2
腫瘍増殖抑制活性は、以下の計算式にしたがって算出した。
腫瘍増殖抑制活性(%)=〔1−(ハタケシメジ子実体由来組成物投与群の腫瘍体積/コントロール群の腫瘍体積)〕×100
その結果を表2に示す。
本発明のハタケシメジ子実体由来組成物を投与した群において、S−180固形腫瘍増殖の用量依存的な抑制がみられた。
実施例5 ハタケシメジ子実体由来組成物の同系腫瘍に対する腫瘍増殖抑制活性
CDF1マウス(日本エスエルシー社)は、6週齢の雌を購入し7週齢で使用した。IMC carcinoma(以下IMC)腫瘍細胞は、CDF1マウスの腹腔に移植して腹水をつくり、7日毎に別のマウスに移植して継代した。継代して7日目の腹水を採取し、リン酸緩衝液で遠心洗浄後、同緩衝液に懸濁してセルカウント後、5×107個/mLとなるように細胞濃度を調整した。この0.1mLをCDF1マウスの右側腹部皮下に移植し、7日後に形成された固形腫瘍の大きさを測定した。腫瘍の大きさの平均が各群で均等になるように、また、1群10匹となるようにマウスを群分けした。実施例1で得られたハタケシメジ子実体由来組成物は、通常の粉末飼料CE−2に混ぜてマウスに与えた。投与量はハタケシメジ粉末に換算して、粉末試料CE−2に対して体積比で1.25%あるいは2.5%混ぜて与えた場合と同等になるように用いた。コントロール群にはCE−2のみを与えた。腫瘍の大きさは、IMC移植後21日目に測定した。また、腫瘍の大きさは長径と短径を測定し、以下の計算式にしたがって体積を算出して比較した。
腫瘍体積(mm3)=(長径)×(短径)2/2
腫瘍増殖抑制活性は、以下の計算式にしたがって算出した。
腫瘍増殖抑制活性(%)=〔1−(ハタケシメジ子実体由来組成物投与群の腫瘍体積/コントロール群の腫瘍体積)〕×100
その結果を表3に示す。
CDF1マウス(日本エスエルシー社)は、6週齢の雌を購入し7週齢で使用した。IMC carcinoma(以下IMC)腫瘍細胞は、CDF1マウスの腹腔に移植して腹水をつくり、7日毎に別のマウスに移植して継代した。継代して7日目の腹水を採取し、リン酸緩衝液で遠心洗浄後、同緩衝液に懸濁してセルカウント後、5×107個/mLとなるように細胞濃度を調整した。この0.1mLをCDF1マウスの右側腹部皮下に移植し、7日後に形成された固形腫瘍の大きさを測定した。腫瘍の大きさの平均が各群で均等になるように、また、1群10匹となるようにマウスを群分けした。実施例1で得られたハタケシメジ子実体由来組成物は、通常の粉末飼料CE−2に混ぜてマウスに与えた。投与量はハタケシメジ粉末に換算して、粉末試料CE−2に対して体積比で1.25%あるいは2.5%混ぜて与えた場合と同等になるように用いた。コントロール群にはCE−2のみを与えた。腫瘍の大きさは、IMC移植後21日目に測定した。また、腫瘍の大きさは長径と短径を測定し、以下の計算式にしたがって体積を算出して比較した。
腫瘍体積(mm3)=(長径)×(短径)2/2
腫瘍増殖抑制活性は、以下の計算式にしたがって算出した。
腫瘍増殖抑制活性(%)=〔1−(ハタケシメジ子実体由来組成物投与群の腫瘍体積/コントロール群の腫瘍体積)〕×100
その結果を表3に示す。
本発明のハタケシメジ子実体由来組成物を投与した群において、IMC固形腫瘍増殖の用量依存的な抑制がみられた。
実施例6 ハタケシメジ子実体由来組成物のActinase E処理物の調製
Actinase E(科研製薬)400mgを脱イオン水5mLに溶解した後、100mLの脱イオン水に溶解した実施例1で得られたハタケシメジ子実体由来組成物に添加し、37℃で1時間反応させたものをActinase E処理物とした。また対照としては400mgのActinase Eを脱イオン水5mLに溶解後加熱処理(100℃、10分)し、その後は上記と同様の処理工程を経て得られたものを用いた。
Actinase E(科研製薬)400mgを脱イオン水5mLに溶解した後、100mLの脱イオン水に溶解した実施例1で得られたハタケシメジ子実体由来組成物に添加し、37℃で1時間反応させたものをActinase E処理物とした。また対照としては400mgのActinase Eを脱イオン水5mLに溶解後加熱処理(100℃、10分)し、その後は上記と同様の処理工程を経て得られたものを用いた。
実施例7 ハタケシメジ子実体由来組成物のActinase E処理物の腫瘍増殖抑制活性
ICRマウス(日本エスエルシー社)は、5週齢の雌を購入し7週齢で使用した。腫瘍増殖抑制活性は、実施例4と同様の方法で評価した。S−180を移植したマウスに、実施例6で調製したActinase E処理物および、コントロール群として加熱失活後のActinase Eを用いて同様の操作で処理したサンプルは、凍結乾燥後、通常の粉末飼料CE−2に混ぜてマウスに与えた。投与量はハタケシメジ粉末に換算して、粉末試料CE−2に対して体積比で10%混ぜて与えた場合と同等になるように用いた。コントロール群にはCE−2のみを与えた。腫瘍の大きさは、S−180移植後5週目に測定した。実験の結果を表4に示す。
ICRマウス(日本エスエルシー社)は、5週齢の雌を購入し7週齢で使用した。腫瘍増殖抑制活性は、実施例4と同様の方法で評価した。S−180を移植したマウスに、実施例6で調製したActinase E処理物および、コントロール群として加熱失活後のActinase Eを用いて同様の操作で処理したサンプルは、凍結乾燥後、通常の粉末飼料CE−2に混ぜてマウスに与えた。投与量はハタケシメジ粉末に換算して、粉末試料CE−2に対して体積比で10%混ぜて与えた場合と同等になるように用いた。コントロール群にはCE−2のみを与えた。腫瘍の大きさは、S−180移植後5週目に測定した。実験の結果を表4に示す。
実施例1で得られたハタケシメジ子実体由来組成物に比べて、この組成物のActinase E処理物は、腫瘍抑制活性が低下した。以上より、活性本体は、Actinase E処理により失活する物質である可能性が示唆された。
実施例8 ハタケシメジ子実体由来組成物の90%エタノールによる分画
実施例1で得られたハタケシメジ子実体由来組成物80gを80mLの水に溶解して水溶液を調製し、攪拌下のエタノール720mLに滴下した。ときどき攪拌しながら室温にて3時間放置した後、遠心分離により上清と沈殿に分離した。上清は減圧乾固することにより、13.3gの90%エタノール可溶画分を得た。
実施例1で得られたハタケシメジ子実体由来組成物80gを80mLの水に溶解して水溶液を調製し、攪拌下のエタノール720mLに滴下した。ときどき攪拌しながら室温にて3時間放置した後、遠心分離により上清と沈殿に分離した。上清は減圧乾固することにより、13.3gの90%エタノール可溶画分を得た。
実施例9 ハタケシメジ子実体由来組成物の90%エタノールによる分画物の腫瘍増殖抑制活性
ICRマウス(日本エスエルシー社)は、5週齢の雌を購入し6週齢で使用した。腫瘍増殖抑制活性は、実施例4と同様の方法で評価した。S−180を移植したマウスに、実施例8で調製した90%エタノールによる分画物を通常の粉末飼料CE−2に混ぜてマウスに与えた。投与量はハタケシメジ粉末に換算して、粉末試料CE−2に対して体積比で10%混ぜて与えた場合と同等になるように用いた。コントロール群にはCE−2のみを与えた。腫瘍の大きさは、S−180移植後5週目に測定した。実験の結果を表5に示す。
ICRマウス(日本エスエルシー社)は、5週齢の雌を購入し6週齢で使用した。腫瘍増殖抑制活性は、実施例4と同様の方法で評価した。S−180を移植したマウスに、実施例8で調製した90%エタノールによる分画物を通常の粉末飼料CE−2に混ぜてマウスに与えた。投与量はハタケシメジ粉末に換算して、粉末試料CE−2に対して体積比で10%混ぜて与えた場合と同等になるように用いた。コントロール群にはCE−2のみを与えた。腫瘍の大きさは、S−180移植後5週目に測定した。実験の結果を表5に示す。
表5の結果より、実施例1で得られたハタケシメジ子実体由来組成物の90%エタノール可溶画分に腫瘍増殖抑制活性が認められた。
実施例10
7Lのイオン交換水を攪拌子付きタンクで加熱し沸騰水とし、実施例1のハタケシメジ子実体由来組成物10kg又は実施例8と同様の方法で得られたエタノール可溶画分10kgを徐々に添加して完全に溶解した。この溶解液を放冷しながら、食品添加物のグリセリンを21kg添加し、合計38kgとした。この液をスポイド付きの褐色ガラス瓶に30mL入れ、2種類の健康食品を調製した。
7Lのイオン交換水を攪拌子付きタンクで加熱し沸騰水とし、実施例1のハタケシメジ子実体由来組成物10kg又は実施例8と同様の方法で得られたエタノール可溶画分10kgを徐々に添加して完全に溶解した。この溶解液を放冷しながら、食品添加物のグリセリンを21kg添加し、合計38kgとした。この液をスポイド付きの褐色ガラス瓶に30mL入れ、2種類の健康食品を調製した。
実施例11
実施例1のハタケシメジ子実体由来組成物5.6kg又は実施例8と同様の方法で得られたエタノール可溶画分5.6kg、結晶セルロース42.4kg、ショ糖脂肪酸エステル2.0kgを混合機に順次投入後、15分間攪拌した。更にロータリー式打錠機により打錠形成し、2種類の1錠当り重量250mgの三角錠剤50kgを得た。
実施例1のハタケシメジ子実体由来組成物5.6kg又は実施例8と同様の方法で得られたエタノール可溶画分5.6kg、結晶セルロース42.4kg、ショ糖脂肪酸エステル2.0kgを混合機に順次投入後、15分間攪拌した。更にロータリー式打錠機により打錠形成し、2種類の1錠当り重量250mgの三角錠剤50kgを得た。
実施例12
実施例1のハタケシメジ子実体由来組成物13.6kg又は実施例8と同様の方法で得られたエタノール可溶画分13.6kg、トレハロース(微粉)13.2kg、乳糖13.2kg、結晶セルロース13.2kg、デキストリン4.4kg、ショ糖脂肪酸エステル2.4kgを混合機に順次投入後、15分間攪拌した。その後60%エタノール水溶液を添加して練合し、押出し造粒機により押出し造粒を行った。更にこれを棚式温風乾燥機で60℃、6時間乾燥し、振動篩で整粒し2種類の20〜100メッシュの顆粒品60kgを得た。
実施例1のハタケシメジ子実体由来組成物13.6kg又は実施例8と同様の方法で得られたエタノール可溶画分13.6kg、トレハロース(微粉)13.2kg、乳糖13.2kg、結晶セルロース13.2kg、デキストリン4.4kg、ショ糖脂肪酸エステル2.4kgを混合機に順次投入後、15分間攪拌した。その後60%エタノール水溶液を添加して練合し、押出し造粒機により押出し造粒を行った。更にこれを棚式温風乾燥機で60℃、6時間乾燥し、振動篩で整粒し2種類の20〜100メッシュの顆粒品60kgを得た。
実施例13
実施例1のハタケシメジ子実体由来組成物11.2kg又は実施例8と同様の方法で得られたエタノール可溶画分11.2kg、結晶セルロース21.2kg、乳糖24.0kg、ショ糖脂肪酸エステル3.6kgを秤量し、混合機に順次投入後15分間攪拌し60kgの混合粉末を得た。その後この混合粉末を300mgずつ1号カプセルに充填し、2種類のカプセルを得た。
実施例1のハタケシメジ子実体由来組成物11.2kg又は実施例8と同様の方法で得られたエタノール可溶画分11.2kg、結晶セルロース21.2kg、乳糖24.0kg、ショ糖脂肪酸エステル3.6kgを秤量し、混合機に順次投入後15分間攪拌し60kgの混合粉末を得た。その後この混合粉末を300mgずつ1号カプセルに充填し、2種類のカプセルを得た。
実施例14
混合機にベースオイルとして大豆油27.8kgを入れ、それに実施例1のハタケシメジ子実体由来組成物11.2kg又は実施例8と同様の方法で得られたエタノール可溶画分11.2kg、ビタミンE3.0kg、グリセリン脂肪酸エステル4.0kg、ミツロウ4.0kgを添加し乳化した。更にゼラチンとグリセリンを被包材としたソフトカプセルに250mgずつ充填し、2種類のソフトカプセルを得た。
混合機にベースオイルとして大豆油27.8kgを入れ、それに実施例1のハタケシメジ子実体由来組成物11.2kg又は実施例8と同様の方法で得られたエタノール可溶画分11.2kg、ビタミンE3.0kg、グリセリン脂肪酸エステル4.0kg、ミツロウ4.0kgを添加し乳化した。更にゼラチンとグリセリンを被包材としたソフトカプセルに250mgずつ充填し、2種類のソフトカプセルを得た。
実施例15
実施例1と同様に熱水処理、濾過、限外ろ過を行った後、固形分濃度が10%になるまで濃縮した「ハタケシメジ熱水可溶性低分子画分の濃縮液」(以下、ハタケシメジ子実体由来組成物(濃縮液)と称する)を用い、レトルトパウチ製品を製造した。イオン交換水730Lに、この「ハタケシメジ熱水可溶性低分子画分の濃縮液」を70L混合した。この液を55〜60℃まで加熱した後、レトルトパウチに50mLずつ充填した。更にレトルト殺菌装置により110℃、10分の殺菌を行った。
実施例1と同様に熱水処理、濾過、限外ろ過を行った後、固形分濃度が10%になるまで濃縮した「ハタケシメジ熱水可溶性低分子画分の濃縮液」(以下、ハタケシメジ子実体由来組成物(濃縮液)と称する)を用い、レトルトパウチ製品を製造した。イオン交換水730Lに、この「ハタケシメジ熱水可溶性低分子画分の濃縮液」を70L混合した。この液を55〜60℃まで加熱した後、レトルトパウチに50mLずつ充填した。更にレトルト殺菌装置により110℃、10分の殺菌を行った。
実施例16
実施例15のハタケシメジ子実体由来組成物(濃縮液)を用い、清涼飲料水を調製した。配合を表6に示す。
実施例15のハタケシメジ子実体由来組成物(濃縮液)を用い、清涼飲料水を調製した。配合を表6に示す。
表の材料を順次混合し、均一化させた後、プレートヒーターで95℃、15秒間加熱殺菌し、50mL容量のガラス瓶に充填した。その後、パストライザーにより更に75℃、15分間の殺菌を行った。分析値を以下の表7に示す。
実施例17
実施例15のハタケシメジ子実体由来組成物(濃縮液)を用い、清涼飲料水を調製した。配合を表8に示す。
実施例15のハタケシメジ子実体由来組成物(濃縮液)を用い、清涼飲料水を調製した。配合を表8に示す。
表8の材料を順次混合し、均一化させた後、プレートヒーターで98℃、15秒間加熱殺菌し、200mL容量の缶に190g充填した後、パストライザーにより更に85℃、5分間の殺菌を行った。分析値を以下の表9に示す。
本発明により、人工栽培により安価に大量供給が可能となったハタケシメジ子実体を熱水処理し、不溶物を除去し、分子量3万以上の画分を除いて得られ得る、抗腫瘍活性を有する組成物、該組成物を効率よく製造する方法、及び使用に適した該組成物を含有する医薬、食品、飲料又は飼料を提供することが可能となった。
Claims (15)
- ハタケシメジ子実体の熱水処理物中の、可溶性であって排除分子量3万の限外ろ過膜を通過する画分からなるハタケシメジ子実体由来組成物。
- ゲルろ過クロマトグラフィーで測定した際に分子量10000を超える物質を含まない請求項1記載のハタケシメジ子実体由来組成物。
- ゲルろ過クロマトグラフィーで測定した際に分子量5800を超える物質を含まない請求項1又は2記載のハタケシメジ子実体由来組成物。
- 乾燥物中の糖含量が20〜50重量%、タンパク質含量が0.1〜10重量%、ウロン酸含量が0.1〜10重量%である請求項1〜3いずれか1項に記載のハタケシメジ子実体由来組成物。
- 請求項1〜4いずれか1項に記載のハタケシメジ子実体由来組成物をさらに有機溶媒で処理して得られ得る可溶性画分からなるハタケシメジ子実体由来組成物。
- 有機溶媒が、エタノール又は30〜100容量%のエタノール水溶液である請求項5記載のハタケシメジ子実体由来組成物。
- ハタケシメジが、リオフィラム・デカステス(Lyophyllum decastes)K−3304株(FERM BP−4348)である請求項1〜6いずれか1項に記載のハタケシメジ子実体由来組成物。
- 抗腫瘍活性を有する請求項1〜7いずれか1項に記載のハタケシメジ子実体由来組成物。
- 請求項1〜8いずれか1項に記載のハタケシメジ子実体由来組成物を有効成分として含有することを特徴とする医薬。
- 請求項1〜8いずれか1項に記載のハタケシメジ子実体由来組成物を含有することを特徴とする食品、飲料又は飼料。
- グリセリンをさらに含有することを特徴とする請求項10記載の食品、飲料又は飼料。
- (1)ハタケシメジ子実体を熱水処理して得られる熱水処理物から不溶物を除去する工程、及び(2)工程(1)で得られた可溶性画分を排除分子量3万の限外ろ過に供する工程を包含することを特徴とするハタケシメジ子実体由来組成物の製造方法。
- 請求項12に記載の方法により得られ得るハタケシメジ子実体由来組成物をさらに有機溶媒により処理し、可溶性画分を分取する工程を包含するハタケシメジ子実体由来組成物の製造方法。
- 有機溶媒が、エタノール又は30〜100容量%のエタノール水溶液である請求項13記載のハタケシメジ子実体由来組成物の製造方法。
- ハタケシメジがリオフィラム・デカステス(Lyophyllum decastes)K−3304株(FERM BP−4348)である請求項12〜14いずれか1項に記載のハタケシメジ子実体由来組成物の製造方法。
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