JPWO2005036825A1 - 高速移動体の無線伝送システム - Google Patents

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Abstract

高速移動体(100)は、第1の周波数(f1)の電波により地上局(200)から制御データを受信した際に撮影部(103)が撮影した画像データを第1の周波数(f1)の電波により送信する第1通信部(101)、同様に画像データを第2の周波数(f2)の電波により送信する第2通信部(102)を備える。地上局(200)は送信タイミングを示す制御データを所定の周波数の電波により送信する通信部(201)を備え、各地上局(200a、200b…)は、1つおきに第1の周波数(f1)の電波と第2の周波数(f2)の電波とによる通信を行う。コントロールセンター(300)は地上局(200)より送信された画像データのうち同じ撮影部(103)かつ同時刻の画像データが複数存在する場合、この中から1つの画像データを選択する選択部(302)を備える。

Description

本発明は、鉄道や地下鉄等の高速移動体と高速移動体の状態を管理する制御局との間でデータを伝送する高速移動体の無線伝送システムに関する。
近年では、有線ケーブルを使わずに電波や光等の無線で通信を行う無線LAN(Local Area Network)が普及してきている。このような無線LANとして、例えば複数の基地局を設け、通信中の端末が移動しても基地局を切り替えて通信を行えるようにしたシステムがある。
このような無線LANのローミング方法として、隣接するアクセスポイントの最新の無線状況を把握し、接続中のアクセスポイントの無線状況が悪化した場合に、最も通信環境のよい隣接アクセスポイントへ加入動作を行い、短時間にローミングを行うことができる無線LANの高速ローミング方法が提案されている(例えば、特開2002−26931号公報参照。)。
ところで、近年このような無線LANを用いて、鉄道や地下鉄等の高速移動体の運行中の車両内の様子をテレビカメラで撮影した画像データを基地局を介してコントロールセンターへ送信し、コントロールセンターのモニタ等に車両内の様子を表示させることが考えられている。
しかしながら、上記のような従来の無線LANシステムでは、高速で移動する車両から通信を行っている駅に設置された基地局を切り替えるハンドオーバを行うと、基地局間でハンドオーバ制御情報を交換する必要があるので、切り替え制御に時間がかかるという問題がある。
また、例えばIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11b等の無線LANで画像データを伝送した場合、エラー発生時には、パケットの再送を繰り返すことによりリアルタイム伝送を行うことができない。さらに、再送の繰り返し回数の制限によりパケットを受信できないという状況も発生し、この場合には映像が欠落することになる。また、ヘッダが長くプロトコルが複雑であるので、利用効率がよくない。
そこで、本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、高速移動体からのデータ伝送時の高速なハンドオーバを実現し、データ伝送を確実に行うことができる高速移動体の無線伝送システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る高速移動体の無線伝送システムは、高速移動体と前記高速移動体の状態を管理する制御局との間でデータを伝送する高速移動体の無線伝送システムであって、前記高速移動体の移動経路に沿って、第1の周波数の電波により前記高速移動体とデータを送受信するとともに、ネットワークを介して前記制御局とデータを送受信する第1の通信手段を有する第1の地上局と、第2の周波数の電波により前記高速移動体とデータを送受信するとともに、前記ネットワークを介して前記制御局とデータを送受信する第2の通信手段を有する第2の地上局とを交互に備え、前記高速移動体は、前記第1の周波数の電波によりデータを送受信する第1の通信手段と、前記第2の周波数の電波によりデータを送受信する第2の通信手段とを備え、前記制御局は、前記第1および第2の地上局と前記ネットワークを介して前記データを送受信する通信手段と、受信した前記データのうち同様の情報を有するデータが複数存在する場合、この複数のデータの中から1つのデータを選択する選択手段とを備えることを特徴とする。
また、前記第1の地上局の第1の通信手段は、送信タイミングを示す制御データを所定の時間間隔で第1の周波数の電波により送信するとともに、前記第1の周波数の電波により前記高速移動体から送信されたデータを受信し、このデータをネットワークを介して前記制御局へ送信し、前記第2の地上局の第2の通信手段は、送信タイミングを示す制御データを所定の時間間隔で第2の周波数の電波により送信するとともに、前記第2の周波数の電波により前記高速移動体から送信されたデータを受信し、このデータをネットワークを介して前記制御局へ送信し、前記高速移動体は、さらに、当該高速移動体の車両内を撮影する少なくとも1つの撮影手段を備え、前記第1の通信手段は、前記第1の周波数の電波により前記制御データを受信した際に、前記撮影手段が撮影した画像データを前記データとして前記第1の周波数の電波により送信し、前記第2の通信手段は、前記第2の周波数の電波により前記制御データを受信した際に、前記撮影手段が撮影した画像データを前記データとして前記第2の周波数の電波により送信し、前記制御局の前記選択手段は、前記画像データのうち同じ撮影手段で撮影され、かつ同時刻の画像データが複数存在する場合、この複数の画像データの中から1っの画像データを選択し、前記制御局は、さらに、前記受信された画像データまたは前記選択された画像データを、前記撮影手段単位で表示する表示手段を備えてもよい。
これによって、高速移動体は、常に第1の周波数および第2の周波数の電波を受信できる状態にあり、第1の周波数または第2の周波数の電波で地上局から制御データを受信した場合には、それぞれ第1の周波数または第2の周波数の電波で画像データを送信する。すなわち、高速移動体は、第1の周波数および第2の周波数の電波の両方で地上局から制御データを受信した場合には、第1の周波数および第2の周波数の電波の両方で同じ画像データを送信し、制御局において2つの画像データの中から画質の良好な方の画像データを選択しているので、高速移動体と通信を行う地上局を切り替える処理を行うことなく、画像データを送信することができる。
また、前記高速移動体は、さらに、前記高速移動体の走行位置を検出する位置検出手段と、検出された前記高速移動体の走行位置に基づいて、前記第1および第2の通信手段が前記データを送信する際の特性を制御する制御手段とを備えてもよい。
これによって、例えば電波が届かないで通信不良が発生したり、電波が届きすぎて他の地上局への妨害となったりすることもなく、地上局での通信状態を最適に保つことができる。
また、前記制御局は、さらに、前記高速移動体の走行位置と前記特性とを対応付ける特性テーブルを、前記高速移動体に送信する設定手段を備え、前記高速移動体の前記制御手段は、検出された前記高速移動体の走行位置および前記特性テーブルに基づいて、前記第1および第2の通信手段が前記データを送信する際の前記特性を制御してもよい。
これによって、例えば高速移動体への特性テーブル等を初期設定する時や、特性テーブルを変更する時等のシステム調整を容易に行うことができる。
また、前記制御局は、さらに、前記高速移動体の位置を検出する位置検出手段と、検出された前記高速移動体の位置に基づいて、前記制御データを送信するように前記第1および第2の地上局に送信指示する制御手段とを備え、前記第1および第2の地上局の前記第1および第2の通信手段は、前記制御局からの前記送信指示により前記制御データを送信してもよい。
これによって、対応する領域に高速移動体が存在していない場合には第1および第2の地上局は電波を送信しないので、同じ周波数を利用する他の無線機器に妨害を与えることがなく、電波の利用効率を向上することができる。
また、前記高速移動体は、さらに、前記第1の通信手段に接続され、当該高速移動体の移動方向の一端部に外側向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第1の指向性アンテナと、前記第2の通信手段に接続され、当該高速移動体の移動方向の他端部に外側向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第2の指向性アンテナとを備え、前記第1および前記第2の地上局は、さらに、前記第1または前記第2の地上局が設けられる駅のホームの長手方向における一端部に前記高速移動体の第1の指向性アンテナに対向する向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第1の指向性アンテナと、前記第1または前記第2の地上局が設けられる駅のホームの長手方向における他端部に前記高速移動体の第2の指向性アンテナに対向する向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第2の指向性アンテナとを備え、前記第1の地上局の第1の通信手段および前記第2の地上局の前記第2の通信手段は、前記第1の指向性アンテナおよび前記第2の指向性アンテナに接続され、前記第1の指向性アンテナを介して前記第1の周波数の電波、および前記第2の指向性アンテナを介して前記第2の周波数の電波により、送信タイミングを示す制御データを所定の時間間隔で送信するとともに、前記第1の周波数の電波および前記第2の周波数の電波により前記高速移動体から送信されたデータを受信し、このデータを前記ネットワークを介して前記制御局へ送信してもよい。
これによって、各地上局がそれぞれ第1の周波数f1の電波および第2の周波数f2の電波により、高速移動体と指向性アンテナを介して通信を行うので、無指向性アンテナに比較して電波の到達距離が伸び、設置するアンテナの数を減らすことができ、例えば駅だけに地上局を設置することで通信が可能になる。また、アンテナの数が減ることによって、他から受ける影響を抑えることができる。
また、前記高速移動体は、さらに、前記第1の通信手段に接続され、当該高速移動体の移動方向の一端部に外側向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第1の指向性アンテナと、前記第2の通信手段に接続され、当該高速移動体の移動方向の他端部に外側向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第2の指向性アンテナとを備え、前記第1および前記第2の地上局は、さらに、前記第1または前記第2の地上局が設けられる駅のホームの長手方向における一端部に前記高速移動体の第1の指向性アンテナに対向する向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第1の指向性アンテナと、前記第1または前記第2の地上局が設けられる駅のホームの長手方向における他端部に前記高速移動体の第2の指向性アンテナに対向する向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第2の指向性アンテナと、前記第1の指向性アンテナと背中合う位置に、前記高速移動体の第2の指向性アンテナに対向する向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第3の指向性アンテナと、前記第2の指向性アンテナと背中合う位置に、前記高速移動体の第1の指向性アンテナに対向する向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第4の指向性アンテナとを備え、前記第1の地上局の第1の通信手段および前記第2の地上局の前記第2の通信手段は、前記第1の指向性アンテナおよび前記第3の指向性アンテナに接続され、前記第1の指向性アンテナを介して前記第1の周波数の電波、および前記第3の指向性アンテナを介して前記第2の周波数の電波により、送信タイミングを示す制御データを所定の時間間隔で送信するとともに、前記第1の周波数の電波および前記第2の周波数の電波により前記高速移動体から送信されたデータを受信し、このデータを前記ネットワークを介して前記制御局へ送信し、前記第1および前記第2の地上局は、さらに、前記第2指向性アンテナおよび前記第4指向性アンテナに接続され、前記第2指向性アンテナを介して前記第2の周波数の電波、および前記第4指向性アンテナを介して前記第1の周波数の電波により、送信タイミングを示す制御データを前記第1または前記第2の通信手段が送信する前記制御データと交互に出力されるように前記第1または前記第2の通信手段と同期して前記所定の時間間隔で送信する第3の通信手段を備えてもよい。
これによって、例えば駅のホームに高速移動体の車両が停車中であっても、他の高速移動体と通信することができる。また、例えば駅のホームに電波干渉源が存在したとしても、指向性アンテナは指向性を有しているため影響を受けにくく、高速移動体と地上局とにおいて安定した通信を行うことができる。
また、前記高速移動体は、さらに、前記第1の通信手段に接続され、当該高速移動体の移動方向の一端部に外側向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第1の指向性アンテナと、前記第2の通信手段に接続され、当該高速移動体の移動方向の他端部に外側向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第2の指向性アンテナとを備え、前記第1および前記第2の地上局は、さらに、前記第1または前記第2の地上局が設けられる駅のホームの長手方向における一端部に前記高速移動体の第1の指向性アンテナに対向する向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第1の指向性アンテナと、前記第1または前記第2の地上局が設けられる駅のホームの長手方向における他端部に前記高速移動体の第2の指向性アンテナに対向する向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第2の指向性アンテナとを備え、前記第1の地上局の第1の通信手段は、前記第1の指向性アンテナおよび前記第2の指向性アンテナに接続され、前記第1の指向性アンテナを介して前記第1の周波数の電波、および前記第2の指向性アンテナを介して第4の周波数の電波により、送信タイミングを示す制御データを所定の時間間隔で送信するとともに、前記第1の周波数の電波および前記第4の周波数の電波により前記高速移動体から送信されたデータを受信し、このデータを前記ネットワークを介して前記制御局へ送信し、前記第2の地上局の第2の通信手段は、前記第1の指向性アンテナおよび前記第2の指向性アンテナに接続され、前記第1の指向性アンテナを介して第3の周波数の電波、および前記第2の指向性アンテナを介して前記第2の周波数の電波により、送信タイミングを示す制御データを所定の時間間隔で送信するとともに、前記第3の周波数の電波および前記第2の周波数の電波により前記高速移動体から送信されたデータを受信し、このデータを前記ネットワークを介して前記制御局へ送信し、前記高速移動体の前記第1の通信手段は、前記第1または前記第3の周波数の電波により前記制御データを受信した際に、前記データを対応する前記第1または前記第3の周波数の電波により送信し、前記高速移動体の前記第2の通信手段は、前記第4または前記第2の周波数の電波により前記制御データを受信した際に、前記データを対応する前記第4または前記第2の周波数の電波により送信してもよい。
また、前記高速移動体は、さらに、第3の周波数の電波により前記制御データを受信した際に、前記データを前記第3の周波数の電波により送信する第3の通信手段と、第4の周波数の電波により前記制御データを受信した際に、前記データを前記第4の周波数の電波により送信する第4の通信手段と、当該高速移動体の移動方向の一端部に外側向きに、一定方向に対して電波を送受信するための、前記第1の通信手段に接続される第1の指向性アンテナおよび前記第3の通信手段に接続される第3の指向性アンテナと、当該高速移動体の移動方向の他端部に外側向きに、一定方向に対して電波を送受信するための、前記第2の通信手段に接続される第2の指向性アンテナおよび前記第4の通信手段に接続される第4の指向性アンテナとを備え、前記第1および前記第2の地上局は、さらに、前記第1または前記第2の地上局が設けられる駅のホームの長手方向における一端部に前記高速移動体の第1の指向性アンテナに対向する向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第1の指向性アンテナと、前記第1または前記第2の地上局が設けられる駅のホームの長手方向における他端部に前記高速移動体の第2の指向性アンテナに対向する向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第2の指向性アンテナとを備え、前記第1の地上局の第1の通信手段は、前記第1の指向性アンテナおよび前記第2の指向性アンテナに接続され、前記第1の指向性アンテナを介して前記第1の周波数の電波、および前記第2の指向性アンテナを介して前記第4の周波数の電波により、送信タイミングを示す制御データを所定の時間間隔で送信するとともに、前記第1の周波数の電波および前記第4の周波数の電波により前記高速移動体から送信されたデータを受信し、このデータを前記ネットワークを介して前記制御局へ送信し、前記第2の地上局の第2の通信手段は、前記第1の指向性アンテナおよび前記第2の指向性アンテナに接続され、前記第1の指向性アンテナを介して前記第3の周波数の電波、および前記第2の指向性アンテナを介して前記第2の周波数の電波により、送信タイミングを示す制御データを所定の時間間隔で送信するとともに、前記第3の周波数の電波および前記第2の周波数の電波により前記高速移動体から送信されたデータを受信し、このデータを前記ネットワークを介して前記制御局へ送信してもよい。
これによって、例えば隣り合う地上局で同じ周波数となる2種類の周波数の電波を使用する場合のように、設置状況によって電波は届きすぎて隣の地上局の電波が妨害となるのを防止することができる。
また、前記高速移動体は、前記第1の指向性アンテナ、前記第2の指向性アンテナ、前記第3の指向性アンテナ、前記第4の指向性アンテナ、前記第1の通信手段、前記第2の通信手段、前記第3の通信手段、および前記第4の通信手段を備えるユニットが複数接続され、前記ユニット同士が接続される側の端部に備えられた前記指向性アンテナは、前記ユニット間の通信に使用し、前記ユニットが複数接続された状態における両端部に備えられた前記指向性アンテナは、前記第1および前記第2の地上局との通信に使用してもよい。
これによって、高速移動体が複数のユニットで構成されている場合に、高速移動体と地上局との通信に使用していない周波数の電波および通信部をユニット間の通信に使用して、例えば有線等の伝送装置を別途設けることなく、ユニット間の伝送を行うことができる。
なお、本発明は、このような高速移動体の無線伝送システムとして実現することができるだけでなく、このような高速移動体の無線伝送システムが備える特徴的な手段をステップとする高速移動体の無線伝送方法として実現したり、それらのステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現したりすることもできる。そして、そのようなプログラムは、CD−ROM等の記録媒体やインターネット等の伝送媒体を介して配信することができるのは言うまでもない。
以上の説明から明らかなように、本発明に係る高速移動体の無線伝送システムによれば、高速移動体と通信を行う地上局を切り替える処理を行うことなく、画像データを送信することができるので、高速移動体からのデータ伝送時の高速なハンドオーバを実現し、データ伝送を確実に行うことができる。
また、各地上局がそれぞれ第1の周波数f1の電波および第2の周波数f2の電波により、高速移動体と指向性アンテナを介して通信を行っているので、無指向性アンテナに比較して電波の到達距離が伸び、設置するアンテナの数を減らすことができ、例えば駅だけに地上局を設置することで通信が可能になる。また、アンテナの数が減ることによって、他から受ける影響を抑えることができる。
図1は、本発明の実施の形態1に係る高速移動体の無線伝送システムのシステム構成を示す概略図である。
図2は、本発明の実施の形態1に係る高速移動体の無線伝送システムの各構成要素の内部構成を示すブロック図である。
図3は、本発明の実施の形態1に係る高速移動体の車両内を示す概略図である。
図4は、本発明の実施の形態1に係るアクセス制御方式の概念を示す模式図である。
図5は、本発明の実施の形態1に係る誤り訂正方式の概念を示す模式図である。
図6は、本発明の実施の形態1に係る高速移動体での動作を示すフローチャートである。
図7は、本発明の実施の形態1に係るコントロールセンターでの動作を示すフローチャートである。
図8は、本発明の実施の形態2に係る高速移動体の無線伝送システムのシステム構成を示す概略図であり、(a)全体構成、(b)高速移動体の車両構成、を示す概略図である。
図9は、本発明の実施の形態2に係る高速移動体の無線伝送システムの各構成要素の内部構成を示すブロック図である。
図10は、本発明の実施の形態3に係る高速移動体の無線伝送システムのシステム構成を示す概略図である。
図11は、本発明の実施の形態4に係る高速移動体の無線伝送システムのシステム構成を示す概略図であり、(a)全体構成、(b)高速移動体の車両構成、を示す概略図である。
図12は、本発明の実施の形態4に係る高速移動体の無線伝送システムの各構成要素の内部構成を示すブロック図である。
図13は、本発明の実施の形態5に係る高速移動体の無線伝送システムのシステム構成を示す概略図であり、(a)全体構成、(b)高速移動体の車両構成、を示す概略図である。
図14は、本発明の実施の形態5に係る高速移動体の無線伝送システムの各構成要素の内部構成を示すブロック図である。
図15は、本発明の実施の形態5に係る高速移動体の無線伝送システムにおける高速移動体の位置と、高速移動体と地上局との通信に使用する電波の周波数、およびユニット間の通信に使用する電波の周波数(上り線および下り線)との対応関係を示す説明図である。
図16は、本発明の実施の形態6に係る高速移動体の無線伝送システムの高速移動体の内部構成を示すブロック図である。
図17は、制御部が有する特性テーブルの一例を示す概略図である。
図18は、本発明の実施の形態6に係る高速移動体で電波の出力強度を決定する際の動作を示すフローチャートである。
図19は、本発明の実施の形態6に係る高速移動体の他の内部構成を示すブロック図である。
図20は、本発明の実施の形態7に係る高速移動体の無線伝送システムのコントロールセンターの内部構成を示すブロック図である。
図21は、本発明の実施の形態7に係るコントロールセンターで制御データの送信を行う地上局を決定する際の動作を示すフローチャートである。
図22は、本発明の実施の形態8に係る高速移動体の無線伝送システムのコントロールセンターの内部構成を示すブロック図である。
以下、本発明の各実施の形態について、それぞれ図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1に係る高速移動体の無線伝送システムのシステム構成を示す概略図である。この高速移動体の無線伝送システム1は、高速移動体100の車両内を撮影した画像データを高速移動体100の状態を管理するコントロールセンター300へ伝送するシステムであり、軌道上を走行する高速移動体100、高速移動体の状態を管理するコントロールセンター300、および駅に配置される地上局(BS)200を備えている。ここで、コントロールセンター300と地上局200とは、ネットワーク400を介して接続されている。
図2は上記高速移動体の無線伝送システムの各構成要素の内部構成を示すブロック図である。
高速移動体100は、例えば軌道上を走行する鉄道や地下鉄等の列車であって1つ以上の車両で構成されており、第1通信部101、第2通信部102、複数の撮影部103a、103b、103c…、およびアンテナ104、105を備えている。
撮影部103は、例えばテレビカメラ等であり、図3に示すように高速移動体100の車両内を撮影する。第1通信部101は、第1の周波数f1の電波により地上局200から制御データを受信した際に、撮影部103が撮影した画像データ(PIC)を第1の周波数f1の電波により送信する。第2通信部102は、第2の周波数f2の電波により地上局200から制御データを受信した際に、撮影部103が撮影した画像データを第2の周波数f2の電波により送信する。
地上局200は、高速移動体100およびコントロールセンター300と通信を行う装置であり、通信部201およびアンテナ202を備えている。
通信部201は、送信タイミングを示す制御データを所定の時間間隔で所定の周波数の電波により送信する。また、通信部201は、所定の周波数の電波により高速移動体100から送信された画像データを受信し、この画像データをネットワーク400を介してコントロールセンター300へ送信する。なお、図1において送信されるデータ中のBS1およびBS2は地上局で付加されるパケットヘッダである。
各地上局200a、200b、200c…は、1つおきに第1の周波数f1の電波と第2の周波数f2の電波とによる通信を行っている。すなわち、図1に示す例では地上局200a、200c、200eが第1の周波数f1の電波による通信を、地上局200b、200d、200fが第2の周波数f2の電波による通信を行っている。
高速移動体100と地上局200との間の通信におけるアクセス制御方式には、時分割多重方式を用いている。この時分割多重方式は、例えば図4に示すように地上局200の通信部201から送信された制御データ(下り)を基準タイミングとして各フレームをタイムスロットS(1)〜S(4)に分割して通信を行っている。高速移動体100の第1通信部101および第2通信部102は、通信部201から制御データを受信すると、制御データにより指定されたタイムスロットを用いて、画像データの送信を行う。このとき、送信が重なるのを防止するために無信号区間であるガードタイム(GT)が設けられる。また、第1通信部101および第2通信部102は、画像データとともに、撮影部103により撮影された時間を示す時間情報(TS:タイムスタンプ)を送信する。
また、高速移動体100と地上局200との間の通信における誤り発生時の処理方式には、誤り訂正方式を用いている。図5は誤り訂正方式の概念を示す模式図である。この誤り訂正方式では、例えば図5(a)に示す元のデータに対して誤り訂正データを付加した図5(b)に示すデータを作成し、このデータに対して連続するデータの順序を入れ替えて配置し、分散させるインターリーブを行い、図5(c)に示すデータを作成した後、伝送を行う。伝送後の図5(d)に示すデータに対して逆インターリーブを行い、図5(e)に示すデータを作成する。このデータを付加されている誤り訂正データに基づいて誤り訂正を行って、図5(f)に示すデータを生成する。このような誤り訂正方式を用いることによって、例えばエラーが発生して図5(d)に示すように“B2’”、“A3’”が失われたとしても、元のデータを生成することができる。
具体的には、例えば180バイトの画像データに24バイトの誤り訂正データを付加して204バイトのデータとする。次に、204バイトのデータに対して、連続するデータの順序をバイト単位でインターリーブかけて、204バイトのデータを新たに生成し、伝送することができる。
コントロールセンター300は、高速移動体100の状態を管理するセンターであり、通信部301、選択部302、表示部303、および例えば液晶表示装置やCRT等のモニタ304を備えている。
通信部301は、ネットワーク400を介して地上局200と通信を行う。
表示部303は、各地上局200からネットワークを介して送信された画像データを撮影部103単位にモニタ304へ表示する。
選択部302は、地上局200より送信された画像データのうち同じ撮影部103で撮影され、かつ同時刻の画像データが複数存在する場合、この複数の画像データの中から1つの画像データを選択する。
次に、上記のように構成された高速移動体の無線伝送システムにおける高速移動体100での動作について説明する。図6は高速移動体100での動作を示すフローチャートである。
第1通信部101および第2通信部102は、それぞれ第1の周波数f1の電波と第2の周波数f2の電波とを受信している(ステップS101)。第1通信部101は、第1の周波数f1の電波により地上局200から制御データを受信したか否かを判定する(ステップS102)。ここで、地上局200から制御データを受信した場合(ステップS102でYES)には、第1通信部101は撮影部103によって撮影された画像データを第1の周波数f1の電波により送信する(ステップS103)。一方、地上局200から制御データを受信していない場合(ステップS102でNO)には、第1通信部101は第1の周波数f1の電波での画像データの送信は行わない。
また同時に、第2通信部102は、第2の周波数f2の電波により地上局200から制御データを受信したか否かを判定する(ステップS104)。ここで、地上局200から制御データを受信した場合(ステップS104でYES)には、第2通信部102は撮影部103によって撮影された画像データを第2の周波数f2の電波により送信する(ステップS105)。一方、地上局200から制御データを受信していない場合(ステップS104でNO)には、第2通信部102は第2の周波数f2の電波での画像データの送信は行わない。
すなわち、高速移動体100は、常に第1の周波数f1および第2の周波数f2の電波を受信できる状態にあり、第1の周波数f1および第2の周波数f2の電波の両方で地上局200から制御データを受信した場合には、第1の周波数f1および第2の周波数f2の電波の両方で同じ画像データを送信する。
また、第1の周波数f1および第2の周波数f2の電波の送受信可能範囲は、図1に示すように隣り合う地上局200が送受信する電波において一部オーバーラップするようになっている。よって、高速移動体100は、その位置により第1の周波数f1の電波だけによる送受信、第2の周波数f2の電波だけによる送受信、第1の周波数f1および第2の周波数f2の電波両方による送受信のいずれかを行うことになる。例えば、図1に示すエリア10a、10e、10iにおいては、高速移動体100は第1の周波数f1の電波だけによる送受信を行うことになる。また、エリア10c、10g、10kにおいては、高速移動体100は第2の周波数f2の電波だけによる送受信を行うことになる。また、エリア10b、10d、10f、10h、10jにおいては、高速移動体100は第1の周波数f1および第2の周波数f2の電波両方による送受信を行うことになる。
次に、コントロールセンター300での動作について説明する。図7はコントロールセンター300での動作を示すフローチャートである。
通信部301は、ネットワーク400を介して各地上局200より送信される画像データを受信する(ステップS201)。選択部302は、通信部301により受信された画像データのうち同じ撮影部103で撮影され、かつ同時刻の画像データが複数存在するか否かを判定する(ステップS202)。このとき、選択部302は、画像データに付加されているタイムスタンプに基づいて同時刻の画像データであるか否かを判定する。また、選択部302は、画像データに付加されている例えば車両および撮影部を特定するためのカメラIDとタイムスタンプとに基づいて同じ撮影部103で撮影された画像データであるか否かを判定する。
この判定の結果、同じ撮影部103で撮影され、かつ同時刻の画像データが2つ存在する場合、選択部302は、この2つの画像データの中から画質の良好な方の画像データを選択する(ステップS203)。表示部303は、選択部302により選択された画像データをモニタ304へ表示する(ステップS204)。一方、同じ撮影部103で撮影され、かつ同時刻の画像データが2つ存在しない、すなわち同じ撮影部103で撮影された同時刻の画像データが1つだけ存在する場合(ステップS202でNO)には、表示部303は、この画像データをモニタ304へ表示する(ステップS204)。
以上のように、高速移動体100は、常に第1の周波数f1および第2の周波数f2の電波を受信できる状態にあり、第1の周波数f1または第2の周波数f2の電波で地上局200から制御データを受信した場合には、それぞれ第1の周波数f1または第2の周波数f2の電波で画像データを送信している。すなわち、高速移動体100は、第1の周波数f1および第2の周波数f2の電波の両方で地上局200から制御データを受信した場合には、第1の周波数f1および第2の周波数f2の電波の両方で同じ画像データを送信し、コントロールセンター300において2つの画像データの中から画質の良好な方の画像データを選択しているので、高速移動体100と通信を行う地上局200を切り替える処理を行うことなく、画像データを送信することができる。よって、高速移動体からのデータ伝送時の高速なハンドオーバを実現し、データ伝送を確実に行うことができる。
なお、本実施の形態において、コントロールセンター300に、高速移動体100に対してカメラIDにより撮影部103を指定して撮影を指示する指示部を設け、このカメラIDを含む指示を地上局200の送信する制御データに付加して高速移動体100へ送信する構成とすることも可能である。この場合、高速移動体100の第1通信部101、第2通信部102は、制御データに付加されたカメラIDに基づいて、送信する画像データを決定して送信する。
また、本実施の形態においては、コントロールセンター300の選択部302は、画像データに付加されているタイムスタンプに基づいて同時刻の画像データであるか否かを判定しているが、これに限られるものではない。例えば、選択部302は、撮影部103で画像データに付加されるシーケンス番号に基づいて同時刻の画像データであるか否かを判定しても構わない。この場合、同時刻の画像データであるか否かの判定を容易に行うことができる。シーケンス番号は、例えば、16ビット幅で、初期値をランダムとしてデータパケットごとに1ずつ加算した値を用いることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態2では実施の形態1において説明した高速移動体の無線伝送システムにおいて、高速移動体100および地上局200が共に指向性アンテナを備える場合について説明する。
図8は本発明の実施の形態2に係る高速移動体の無線伝送システムのシステム構成を示す概略図であり、図9はこの高速移動体の無線伝送システムの各構成要素の内部構成を示すブロック図である。この高速移動体の無線伝送システムにおいては、高速移動体110は、図9に示すように実施の形態1のアンテナ104、105に替えて指向性アンテナ114、115を、地上局210は実施の形態1の通信部201およびアンテナ202に替えて通信部211および指向性アンテナ212、213を備えている。なお、実施の形態1と同様の部分については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。また、図8、図9ではコントロールセンター300の記載を省略している。
高速移動体110の指向性アンテナ114、115は、一定方向に対して電波を送受信するためのアンテナであり、指向性アンテナ114は、図8(b)に示すように高速移動体110の移動方向の一端部に外側向き(例えば走行方向であれば前方向き、走行逆方向であれば後方向き)に、指向性アンテナ115は、高速移動体110の移動方向で指向性アンテナ114とは反対側の端部に外側向き(指向性アンテナ114とは反対向き)に設けられている。
第1通信部101は、指向性アンテナ114を介して第1の周波数f1の電波により地上局210から制御データを受信した際に、撮影部103が撮影した画像データを第1の周波数f1の電波により送信する。第2通信部102は、指向性アンテナ115を介して第2の周波数f2の電波により地上局210から制御データを受信した際に、撮影部103が撮影した画像データを第2の周波数f2の電波により送信する。
地上局210の指向性アンテナ212、213は、一定方向に対して電波を送受信するためのアンテナであり、指向性アンテナ212は、その地上局210が設けられる駅のホーム500の長手方向における一端部に、図8(a)に示すように高速移動体110の指向性アンテナ114に対向する向きに設けられている。一方、指向性アンテナ213は、駅のホーム500の長手方向における指向性アンテナ212とは反対側の端部に高速移動体110の指向性アンテナ115に対向する向きに設けられている。
通信部211は、指向性アンテナ212を介して第1の周波数f1の電波、および指向性アンテナ213を介して第2の周波数f2の電波により、送信タイミングを示す制御データを所定の時間間隔で送信する。また、通信部211は、第1の周波数f1の電波により高速移動体100から送信された画像データを指向性アンテナ212を介して、第2の周波数f2の電波により高速移動体100から送信された画像データを指向性アンテナ213を介して受信し、それぞれの画像データをネットワーク400を介してコントロールセンター300へ送信する。
よって、各地上局210a、210b、210c…は、それぞれ第1の周波数f1の電波および第2の周波数f2の電波による通信を行っている。
上記のように構成された高速移動体の無線伝送システムでは、第1の周波数f1および第2の周波数f2の電波の送受信可能範囲は、図8(a)に示すように地上局210が設けられる駅、および隣り合う駅の中間付近において一部オーバーラップするようになっている。よって、高速移動体110は、その位置により第1の周波数f1の電波だけによる送受信、第2の周波数f2の電波だけによる送受信、第1の周波数f1および第2の周波数f2の電波両方による送受信のいずれかを行うことになる。例えば、図8に示すエリア20a、20e、20iにおいては、高速移動体110は第2の周波数f2の電波だけによる送受信を行うことになる。また、エリア20c、20g、20kにおいては、高速移動体110は第1の周波数f1の電波だけによる送受信を行うことになる。また、エリア20b、20d、20f、20h、20jにおいては、高速移動体110は第1の周波数f1および第2の周波数f2の電波両方による送受信を行うことになる。
以上のように、高速移動体110および地上局210が共に指向性アンテナを備え、各地上局210a、210b、210c…が、それぞれ第1の周波数f1の電波および第2の周波数f2の電波による通信を行っているので、無指向性アンテナに比較して電波の到達距離が伸び、設置するアンテナの数を減らすことができ、駅だけに地上局210を設置することで通信が可能になる。また、アンテナの数が減ることによって、他から受ける影響を抑えることができる。
また、上記実施の形態1と同様に高速移動体110は、第1の周波数f1および第2の周波数f2の電波の両方で地上局210から制御データを受信した場合には、第1の周波数f1および第2の周波数f2の電波の両方で同じ画像データを送信し、コントロールセンターにおいて2つの画像データの中から画質の良好な方の画像データを選択しているので、高速移動体100と通信を行う地上局200を切り替える処理を行うことなく、画像データを送信することができる。よって、高速移動体からのデータ伝送時の高速なハンドオーバを実現し、データ伝送を確実に行うことができる。
(実施の形態3)
本実施の形態3では実施の形態2において説明した高速移動体の無線伝送システムにおいて、地上局210がさらに指向性アンテナを追加して備える場合について説明する。
図10は本発明の実施の形態3に係る高速移動体の無線伝送システムのシステム構成を示す概略図である。この高速移動体の無線伝送システムにおいては、地上局220は実施の形態2の通信部211および指向性アンテナ212、213に替えて、図10に示すように第1通信部221、第2通信部222、および指向性アンテナ223〜226を備えている。なお、実施の形態2と同様の部分については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
地上局220の指向性アンテナ223〜226は、一定方向に対して電波を送受信するためのアンテナであり、指向性アンテナ223は、実施の形態2の指向性アンテナ212と同様にその地上局220が設けられる駅のホーム500の長手方向における一端部に、図10に示すように高速移動体110の指向性アンテナ114に対向する向きに設けられている。また、指向性アンテナ224は、図10に示すように指向性アンテナ223と背中合う位置に、指向性アンテナ223と反対向き(高速移動体110の指向性アンテナ115に対向する向き)に設けられている。
また、指向性アンテナ226は、駅のホーム500の長手方向における指向性アンテナ223とは反対側の端部に高速移動体110の指向性アンテナ115に対向する向きに設けられている。また、指向性アンテナ225は、図10に示すように指向性アンテナ226と背中合う位置に、指向性アンテナ226と反対向き(高速移動体110の指向性アンテナ114に対向する向き)に設けられている。
第1通信部221は、指向性アンテナ223を介して第1の周波数f1の電波、および指向性アンテナ224を介して第2の周波数f2の電波により、送信タイミングを示す制御データを所定の時間間隔で送信する。また、第1通信部221は、第1の周波数f1の電波により高速移動体110から送信された画像データを指向性アンテナ223を介して、第2の周波数f2の電波により高速移動体110から送信された画像データを指向性アンテナ224を介して受信し、それぞれの画像データをネットワーク400を介してコントロールセンター300へ送信する。
一方、第2通信部222は、指向性アンテナ225を介して第1の周波数f1の電波、および指向性アンテナ226を介して第2の周波数f2の電波により、送信タイミングを示す制御データを所定の時間間隔で送信する。また、第2通信部222は、第1の周波数f1の電波により高速移動体110から送信された画像データを指向性アンテナ225を介して、第2の周波数f2の電波により高速移動体110から送信された画像データを指向性アンテナ226を介して受信し、それぞれの画像データをネットワーク400を介してコントロールセンター300へ送信する。
また、第1通信部221および第2通信部222は、同期をとって第1の周波数f1の電波で送信する制御データを交互に出力している。また同様に、第1通信部221および第2通信部222は、同期をとって第2の周波数f2の電波で送信する制御データを交互に出力している。
このように構成された高速移動体の無線伝送システムでは、第1の周波数f1の電波に関しては、駅に入線中は図10に示すように指向性アンテナ223を介して通信が行われ、駅の外では指向性アンテナ225を介して通信が行われる。一方、第2の周波数f2の電波に関しては、駅に入線中は指向性アンテナ226を介して通信が行われ、駅の外では指向性アンテナ224を介して通信が行われる。
以上のように、地上局220が第1の周波数f1の電波に対応する指向性アンテナを2つ、第2の周波数f2の電波に対応する指向性アンテナを2つ備えているので、例えば駅に入線中の高速移動体が障害物となって走行中の高速移動体との通信ができないというような状況を回避することができる。また、例えば図10に示すように駅のホーム500に電波干渉源Rが存在したとしても、指向性アンテナ224は指向性を有しているため影響を受けにくく、高速移動体110と地上局220とにおいて安定した通信を行うことができる。
(実施の形態4)
本実施の形態4では実施の形態2において説明した高速移動体の無線伝送システムにおいて、高速移動体110がさらに指向性アンテナを追加して備え、4種類の周波数の電波を使用する場合について説明する。
図11は本発明の実施の形態4に係る高速移動体の無線伝送システムのシステム構成を示す概略図であり、図12はこの高速移動体の無線伝送システムの各構成要素の内部構成を示すブロック図である。この高速移動体の無線伝送システムにおいては、高速移動体120は、図12に示すように実施の形態2の構成に加えて第3通信部121、第4通信部122、および指向性アンテナ123、124を備えている。なお、実施の形態2と同様の部分については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
高速移動体120の指向性アンテナ123、124は、指向性アンテナ114、115と同様に一定方向に対して電波を送受信するためのアンテナであり、指向性アンテナ123は、図11(b)に示すように高速移動体120の移動方向の一端部に指向性アンテナ114と並ぶように外側向きに設けられている。一方、指向性アンテナ124は、高速移動体120の移動方向で指向性アンテナ123とは反対側の端部に指向性アンテナ115と並ぶように外側向きに設けられている。
高速移動体120の第3通信部121は、指向性アンテナ123を介して第3の周波数f3の電波により地上局230から制御データを受信した際に、撮影部103が撮影した画像データを第3の周波数f3の電波により送信する。第4通信部122は、指向性アンテナ124を介して第4の周波数f4の電波により地上局230から制御データを受信した際に、撮影部103が撮影した画像データを第4の周波数f4の電波により送信する。
図11に示すように、地上局230a、230c…は、指向性アンテナ232a、232c…を介して第1の周波数f1の電波、および指向性アンテナ233a、233c…を介して第4の周波数f4の電波による通信を行っている。また、上局230b、230d…は、指向性アンテナ232b,232d…を介して第3の周波数f3の電波、および指向性アンテナ233b、233d…を介して第2の周波数f2の電波による通信を行っている。
このように構成された高速移動体の無線伝送システムでは、第1の周波数f1〜第4の周波数f4の電波の送受信可能範囲は、図11に示すように地上局230が設けられる駅、および隣り合う駅の中間付近において一部オーバーラップするようになっている。よって、高速移動体120は、その位置により第1の周波数f1の電波だけによる送受信、第2の周波数f2の電波だけによる送受信、第3の周波数f3の電波だけによる送受信、第4の周波数f4の電波だけによる送受信、第1の周波数f1および第2の周波数f2の電波両方による送受信、第2の周波数f2および第3の周波数f3の電波両方による送受信、第3の周波数f3および第4の周波数f4の電波両方による送受信、第1の周波数f1および第4の周波数f4の電波両方による送受信のいずれかを行うことになる。
例えば、図11に示すエリア30a、30iにおいては、高速移動体120は第4の周波数f4の電波だけによる送受信を行うことになる。また、エリア30c、30kにおいては、高速移動体120は第1の周波数f1の電波だけによる送受信を行うことになる。また、エリア30eにおいては、高速移動体120は第2の周波数f2の電波だけ、エリア30gにおいては、高速移動体120は第3の周波数f3の電波だけによる送受信を行うことになる。また、エリア30b、30jにおいては、高速移動体120は第1の周波数f1および第4の周波数f4の電波両方による送受信を行うことになる。エリア30dにおいては、高速移動体120は第1の周波数f1および第2の周波数f2の電波両方、30fにおいては、高速移動体120は第2の周波数f2および第3の周波数f3の電波両方、30hにおいては、高速移動体120は第3の周波数f3および第4の周波数f4の電波両方による送受信を行うことになる。
以上のように、4種類の周波数の電波を使用して、隣り合う地上局230で異なる周波数を用いているので、例えば隣り合う地上局230で同じ周波数となる2種類の周波数の電波を使用する場合のように、設置状況によって電波は届きすぎて隣の地上局230の電波が妨害となるのを防止することができる。
なお、本実施の形態では、高速移動体120は、第3の周波数f3の電波に対応する指向性アンテナ123と第3通信部121、および第4の周波数f4の電波に対応する指向性アンテナ124と第4通信部122を備える構成としているが、これに限られるものではない。例えば、第1通信部101を、電波の受信状況によって周波数を切り替えて、指向性アンテナ114を介して第1の周波数f1または第3の周波数f3の電波により地上局210から制御データを受信した際に、撮影部103が撮影した画像データをそれぞれ第1の周波数f1または第3の周波数f3の電波により送信する構成とする。また、第2通信部102を、電波の受信状況によって周波数を切り替えて、指向性アンテナ115を介して第2の周波数f2または第4の周波数f4の電波により地上局210から制御データを受信した際に、撮影部103が撮影した画像データをそれぞれ第2の周波数f2または第4の周波数f4の電波により送信する構成としても構わない。
この場合、例えば図11に示すように第1の周波数f1の電波を受信できるエリア30dから第1の周波数f1の電波を受信できないエリア30eに移動した際に、第1通信部101が、指向性アンテナ114を介して受信する周波数を第1の周波数f1から第3の周波数f3の電波に切り替えればよい。この時点において、高速移動体120と地上局230との通信は、第2の周波数f2の電波によって行われており、周波数を第1の周波数f1から第3の周波数f3の電波への切り替えによる影響はない。
(実施の形態5)
本実施の形態5では実施の形態4において説明した高速移動体の無線伝送システムにおいて、高速移動体120の構成を1ユニットとして複数ユニットを接続する場合について説明する。
図13は本発明の実施の形態5に係る高速移動体の無線伝送システムのシステム構成を示す概略図であり、図14はこの高速移動体の無線伝送システムの高速移動体の内部構成を示すブロック図である。この高速移動体の無線伝送システムにおいては、高速移動体130は実施の形態4の高速移動体120の構成を1ユニットとして2ユニットを接続している。例えば、図13(b)に示すように1ユニットが2車両により構成され、2ユニットが接続されると、高速移動体130は4車両により構成されることになる。なお、実施の形態4と同様の部分については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
高速移動体130のユニット130aは、図14に示すように実施の形態4の高速移動体120と同様に第1通信部101a、第2通信部102a、第3通信部121a、第4通信部122a、指向性アンテナ114a、115a、123a、124a、および切替部131aを備えている。同様に、ユニット130bは、第1通信部101b、第2通信部102b、第3通信部121b、第4通信部122b、指向性アンテナ114b、115b、123b、124b、および切替部131bを備えている。
ここで、ユニットが2つ接続された状態における両端部に備えられているユニット130aの指向性アンテナ114a、123aおよびユニット130bの指向性アンテナ115b、124bは、高速移動体130と地上局230との通信に使用し、実施の形態4と同様に動作する。
一方、ユニット130aとユニット130bとが接続される側の端部に備えられているユニット130aの指向性アンテナ115a、12aおよびユニット130bの指向性アンテナ114b、123bは、ユニット130a、130b間の通信に使用する。ここで、本実施の形態では、ユニット間の通信に使用する電波の周波数は、上り線(図13上で右方向)に第2の周波数f2および第4の周波数f4が、下り線(図13上で左方向)に第1の周波数f1および第3の周波数f3があらかじめ割り当てられているものとする。
この場合、高速移動体130(上り線とする)のユニット130aでは、実施の形態4と同様に第2通信部102aが指向性アンテナ115aを用いて第2の周波数f2の電波を、第4通信部122aが指向性アンテナ124aを用いて第4の周波数f4の電波を送信することになる。一方、ユニット130bでは、第1通信部101bが指向性アンテナ114bを用いて第2の周波数f2の電波を、第3通信部121bが指向性アンテナ123bを用いて第4の周波数f4の電波を送信することになる。なお、ユニット間の通信を行うユニット130aの第2通信部102aまたは第4通信部122aと、ユニット130bの第1通信部101bまたは第3通信部121bとは、送信出力を減衰させて電波を送信する。
切替部131a、131bは、地上局との通信に使用されている電波の周波数に基づいて、ユニット間の通信に使用する電波の周波数を割り当てられている第2の周波数f2および第4の周波数f4から選択する。また、切替部131aは、選択した周波数に対応する第2通信部102aまたは第4通信部122aのいずれかを選択し、選択した側にユニット間の通信を行うように指示する。一方、切替部131bは、選択した周波数に対応する第1通信部101bまたは第3通信部121bのいずれかを選択し、選択した側にユニット間の通信を行うように指示する。
さらに、切替部131a、131bは、地上局との通信に使用されている電波の周波数の変更に応じて、再度ユニット間の通信に使用する電波の周波数を選択し、選択した周波数に対応する通信部に対してユニット間の通信を行うように指示する。
図15は高速移動体130の位置(図11上の位置)と、高速移動体130と地上局230との通信に使用する電波の周波数、およびユニット間の通信に使用する電波の周波数(上り線および下り線)との対応関係を示す説明図である。上り線の場合、高速移動体130は、図15に示すようにエリア30bからエリア30cへ、およびエリア30jからエリア30kへ移動する際に、ユニット間の通信に使用する電波の周波数を第2の周波数f2から第4の周波数f4へ変更する。また、エリア30fからエリア30gへ移動する際に、ユニット間の通信に使用する電波の周波数を第4の周波数f4から第2の周波数f2へ変更する。
一方、下り線の場合、高速移動体130は、図15に示すようにエリア30jからエリア30hへ、およびエリア30bからエリア30aへ移動する際に、ユニット間の通信に使用する電波の周波数を第3の周波数f3から第1の周波数f1へ変更する。また、エリア30fからエリア30eへ移動する際に、ユニット間の通信に使用する電波の周波数を第1の周波数f1から第3の周波数f3へ変更する。
以上のように、高速移動体130が複数のユニットで構成されている場合に、高速移動体130と地上局230との通信に使用していない周波数の電波および通信部をユニット間の通信に使用することにより、例えば有線等の伝送装置を別途設けることなく、ユニット間の伝送を行うことができる。また、上り線および下り線において、ユニット間の通信に使用可能な電波の周波数をあらかじめ決めることによって、例えば上り線および下り線で高速移動体130が並んで停車することがあっても、ユニット間の通信に使用する電波の周波数が重ならないようにすることができる。
(実施の形態6)
ところで、高速移動体から送信された電波の地上局での受信状態は、高速移動体から距離や、地下鉄の場合ではカーブの有無や壁面構造等のトンネル構造等の条件によって変化する。例えば、地上局で高速移動体からの電波が届きすぎる場合には、その次の地上局への妨害となる可能性が生じる。また、例えば、地上局で高速移動体からの電波が届かない場合には、通信不良が発生する。
そこで、本実施の形態6では実施の形態2において説明した高速移動体の無線伝送システムにおいて、高速移動体から送信する電波の特性を高速移動体の位置に応じて変化させる場合について説明する。
図16は本発明の実施の形態6に係る高速移動体の無線伝送システムの高速移動体の内部構成を示すブロック図である。この高速移動体の無線伝送システムにおいては、高速移動体140は、図16に示すように実施の形態2の構成に加えて位置検出部141、制御部142、第1可変減衰部143、および第2可変減衰部144を備えている。なお、実施の形態2と同様の部分については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。また、本実施の形態6おけるシステム構成、地上局およびコントロールセンターの構成は、実施の形態2と同様である。
位置検出部141は、高速移動体140が現在走行している位置を検出する。この走行位置の検出方法としては、例えば車輪の回転数により距離をカウント(駅でリセット)したり、速度を積分することによって距離を算出したりすることができる。なお、この走行位置の検出方法については、これらの方法に限られるものではなく、これら以外の方法であっても構わない。
制御部142は、例えば図17に示すような走行位置における電波強度を示す特性テーブルを有し、位置検出部141よって検出された駅(地上局)からの距離により、第1通信部101が送信する第1の周波数f1の電波、および第2通信部102が送信する第2の周波数f2の電波の出力強度をそれぞれ決定する。また、制御部142は、決定した出力強度に調整するように第1可変減衰部143および第2可変減衰部144に対して指示する。なお、特性テーブルは、例えば地下鉄の場合ではカーブの有無や壁面構造等のトンネル構造等の条件によってあらかじめ設定される。また、図17に示す特性テーブルでは、電波の出力強度を1〜10の10段階で示しているが、これに限られるものではない。
第1可変減衰部143は、制御部142からの指示により第1通信部101が送信する第1の周波数f1の電波の出力強度を調整する。第2可変減衰部144は、制御部142からの指示により第2通信部102が送信する第2の周波数f2の電波の出力強度を調整する。
次に、上記のように構成された高速移動体140で電波の出力強度を決定する際の動作について説明する。図18は高速移動体140で電波の出力強度を決定する際の動作を示すフローチャートである。
位置検出部141は、あらかじめ設定された所定の時間毎に高速移動体140が現在走行している位置を検出し、制御部142に通知する(ステップS301)。制御部142は、特性テーブルを参照して、位置検出部141から通知された駅(地上局)からの距離により、第1通信部101が送信する第1の周波数f1の電波、および第2通信部102が送信する第2の周波数f2の電波の出力強度をそれぞれ決定する(ステップS302)。例えば、位置検出部141から通知された駅からの距離が250mであれば、第1通信部101が送信する第1の周波数f1の電波の出力強度は「4」で、第2通信部102が送信する第2の周波数f2の電波の出力強度は「8」と決定する。そして、制御部142は、決定した出力強度に調整するように第1可変減衰部143および第2可変減衰部144に対して指示する(ステップS303)。
第1可変減衰部143は、第1通信部101が送信する第1の周波数f1の電波の出力強度を制御部142で決定された出力強度に調整する。同様に、第2可変減衰部144は、第2通信部102が送信する第2の周波数f2の電波の出力強度を制御部142で決定された出力強度に調整する(ステップ8304)。
以上のように、高速移動体140から送信する電波の出力強度を走行位置に応じて変化させているので、地上局での通信状態を最適に保つことができる。また、高速移動体140からの電波が届きすぎて他の地上局への妨害となることもない。
なお、本実施の形態では、高速移動体140から送信する電波の出力強度を走行位置に応じて変化させているが、これに限られるものではない。例えば、高速移動体140から送信する誤り訂正データの冗長度を走行位置に応じて変化させても構わない。
図19はこの場合の高速移動体の内部構成を示すブロック図である。この高速移動体150は、図19に示すように実施の形態2の構成に加えて位置検出部141、および制御部153を備えている。なお、上記と同様の部分については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
制御部153は、走行位置における誤り訂正データの冗長度を示す特性テーブルを有し、位置検出部141よって検出された駅(地上局)からの距離により、第1通信部101が送信するデータ、および第2通信部102が送信するデータに付加する誤り訂正データの冗長度をそれぞれ決定する。また、制御部153は、決定した冗長度の誤り訂正データを付加するように第1通信部151および第2通信部152に対して指示する。
第1通信部151および第2通信部152は、それぞれ制御部153から指示された冗長度の誤り訂正データを付加して送信するデータを生成する。
以上のように、高速移動体140から送信する誤り訂正データの冗長度を走行位置に応じて変化させているので、例えば電波が弱い場所では誤り訂正データの冗長度を大きくして誤り訂正を強化することができるので、地上局へ送信データを確実に送ることができる。
なお、本実施の形態では、高速移動体140から送信する電波の出力強度や誤り訂正データの冗長度等の特性を走行位置に応じて変化させているが、これに限られるものではない。例えば、高速移動体140において、地上局から受信する電波の強度を所定時間ごとに計測し、この電波の強度に応じて高速移動体140から送信する電波の出力強度や誤り訂正データの冗長度等の特性を変化させても構わない。
(実施の形態7)
ところで、地上局は、その地上局が対応する領域に高速移動体が存在していない時にも、電波を常に送信している。この場合、同じ周波数を利用する他の無線機器に妨害を与える可能性があり、電波の利用効率が悪いものとなる。
そこで、本実施の形態7では実施の形態2において説明した高速移動体の無線伝送システムにおいて、地上局から送信する電波の出力を高速移動体の位置に応じて行う場合について説明する。
図20は本発明の実施の形態7に係る高速移動体の無線伝送システムのコントロールセンターの内部構成を示すブロック図である。この高速移動体の無線伝送システムにおいては、コントロールセンター310は、図20示すように実施の形態1の構成に加えて位置検出部311、および制御部312を備えている。なお、実施の形態1と同様の部分については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。また、本実施の形態7おけるシステム構成、高速移動体および地上局の構成は、実施の形態2と同様である。
位置検出部311は、複数の高速移動体110が現在走行している位置をそれぞれ検出する。この走行位置の検出方法としては、例えば高速移動体110と地上局210との無線通信状況により高速移動体110の走行位置を検出したり、自動列車運転装置(ATO装置)等の車両運行システムから高速移動体110の走行位置を検出したりすることができる。なお、この走行位置の検出方法については、これらの方法に限られるものではなく、これら以外の方法であっても構わない。
制御部312は、それぞれの地上局210が対応する領域を管理しており、位置検出部311よって検出された複数の高速移動体110のそれぞれの走行位置により、それぞれの地上局210の通信部211に、第1の周波数f1の電波および第2の周波数f2の電波により、制御データを送信させるか否かを決定する。すなわち、制御部312は、高速移動体110が存在する領域に対応する地上局210の対応する周波数の電波は出力し、高速移動体110が存在しない領域に対応する地上局210の対応する周波数の電波は出力しないと決定する。
また、制御部312は、制御データを送信させると決定した地上局210に対して送信指示を、制御データを送信させないと決定した地上局210に対して不送信指示をそれぞれ行う。
次に、上記のように構成されたコントロールセンター310で制御データの送信を行う地上局210を決定する際の動作について説明する。図21はコントロールセンター310で制御データの送信を行う地上局210を決定する際の動作を示すフローチャートである。
位置検出部311は、複数の高速移動体110が現在走行している位置をそれぞれ検出し、制御部312に通知する(ステップS401)。次に、制御部312は、位置検出部311よって検出された複数の高速移動体110のそれぞれの走行位置により、それぞれの地上局210の通信部211に、第1の周波数f1の電波および第2の周波数f2の電波により、制御データを送信させるか否かを決定する(ステップ8402)。例えば、図8(a)に示す位置に高速移動体110が存在する場合、地上局(BS1)210aは、第1の周波数f1の電波だけで、地上局(BS2)210bは、第2の周波数f2の電波だけで、地上局(BS3)210cは、第1の周波数f1および第2の周波数f2の電波で、制御データを送信するものと決定する。この場合、地上局(BS1)210aは第2の周波数f2の電波での出力、地上局(BS2)210bは第1の周波数f1の電波での出力は行われない。
なお、例えば図8(a)において地上局(BS3)210cのところに示す高速移動体110が存在しない場合には、地上局(BS3)210cは、第1の周波数f1および第2の周波数f2の電波どちらとも、制御データを送信しないものと決定され、第1の周波数f1および第2の周波数f2の電波での出力は行われない。
そして、制御部312は、上記のように決定した内容に従ってそれぞれの地上局210に対して出力の指示を行う(ステップS303)。
この出力指示を受けたそれぞれの地上局210の通信部211は、指示された電波により制御データを送信することになる。
以上のように、それぞれの地上局210から電波を送信するか否かの制御をコントロールセンター310が高速移動体110の位置に応じて行い、対応する領域に高速移動体が存在していない場合に地上局は電波を送信しないので、同じ周波数を利用する他の無線機器に妨害を与えることがなく、電波の利用効率を向上することができる。
(実施の形態8)
ところで、地上局や高速移動体の数が多くなると、各機器のパラメータの調整が煩雑になる。
そこで、本実施の形態8では実施の形態6において説明した高速移動体の無線伝送システムにおいて、高速移動体に設定される特性テーブルをコントロールセンターから設定する場合について説明する。
図22は本発明の実施の形態8に係る高速移動体の無線伝送システムのコントロールセンターの内部構成を示すブロック図である。この高速移動体の無線伝送システムにおいては、コントロールセンター320は、図22示すように実施の形態1の構成に加えて設定部321を備えている。なお、実施の形態1と同様の部分については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。また、本実施の形態8おけるシステム構成、高速移動体および地上局の構成は、実施の形態6と同様である。
設定部321は、高速移動体110の走行位置に対応した電波状態に基づいて決定された特性テーブルを高速移動体110へ、地上局における電波の出力強度等の通信パラメータを地上局へ送信し、それぞれ設定を行う。
以上のように、コントロールセンター320から高速移動体110への特性テーブルの設定、地上局への通信パラメータの設定を行っているので、初期設定時や、特性テーブルおよび通信パラメータの変更時のシステム調整を容易に行うことができる。また、このように初期設定時やシステム調整を遠隔操作で行うことができるので、例えば車庫のような現地の高速移動体まで行って初期設定時やシステム調整を行う必要がない。
なお、上記各実施の形態では、高速移動体から地上局を介してコントロールセンターへ画像データを送る場合について説明したが、これに限られるものではない。画像データだけでなく、例えば車両の故障情報や走行位置情報等のあらゆるデータに適用することも可能である。また、コントロールセンターから地上局を介して高速移動体へ、例えばニュースや天気予報等のデータを送る場合にも、適用することも可能である。この場合、高速移動体において通信状態のよい方のデータを選択して使用すればよい。また、コントロールセンターにおいて通信状態を判断し、通信状態のよい方の電波でデータを送信するようにしても構わない。
以上のように、本発明に係る高速移動体の無線伝送システムは、データ伝送時の高速なハンドオーバを実現し、データ伝送を確実に行うことができ、例えば鉄道や地下鉄等の高速移動体からデータを伝送するのに有用である。
【0002】
ハンドオーバを行うと、基地局間でハンドオーバ制御情報を交換する必要があるので、切り替え制御に時間がかかるという問題がある。
また、例えばIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11b等の無線LANで画像データを伝送した場合、エラー発生時には、パケットの再送を繰り返すことによりリアルタイム伝送を行うことができない。さらに、再送の繰り返し回数の制限によりパケットを受信できないという状況も発生し、この場合には映像が欠落することになる。また、ヘッダが長くプロトコルが複雑であるので、利用効率がよくない。
【発明の開示】
そこで、本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、高速移動体からのデータ伝送時の高速なハンドオーバを実現し、データ伝送を確実に行うことができる高速移動体の無線伝送システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る高速移動体の無線伝送システムは、高速移動体と前記高速移動体の状態を管理する制御局との間で画像データを伝送する高速移動体の無線伝送システムであって、前記高速移動体の移動経路に沿って、送信タイミングを示す制御データを所定の時間間隔で第1の周波数の電波により送信するとともに、前記第1の周波数の電波により前記高速移動体から送信された画像データを受信し、当該画像データをネットワークを介して前記制御局へ送信する第1の通信手段を有する第1の地上局と、送信タイミングを示す制御データを所定の時間間隔で第2の周波数の電波により送信するとともに、前記第2の周波数の電波により前記高速移動体から送信された画像データを受信し、当該画像データをネットワークを介して前記制御局へ送信する第2
【0003】
の通信手段を有する第2の地上局とを交互に備え、前記高速移動体は、当該高速移動体の車両内を撮影する少なくとも1つの撮影手段と、前記第1の周波数の電波により前記制御データを受信した際に、前記撮影手段が撮影した画像データを前記第1の周波数の電波により送信する第1の通信手段と、前記第2の周波数の電波により前記制御データを受信した際に、前記撮影手段が撮影した画像データを前記第2の周波数の電波により送信する第2の通信手段とを備え、前記制御局は、前記第1および第2の地上局から前記ネットワークを介して送信された前記画像データを受信する通信手段と、前記画像データのうち同じ撮影手段で撮影され、かつ同時刻に撮影された画像データが複数存在する場合、当該複数の画像データの中から1つの画像データを選択する選択手段と、前記受信された画像データまたは前記選択された画像データを、前記撮影手段単位で表示する表示手段とを備えることを特徴とする。
これによって、高速移動体は、常に第1の周波数および第2の周波数の電波を受信できる状態にあり、第1の周波数または第2の周波数の電波で地上局から制御データを受信した場合には、それぞれ第1の周波数または第2の周波数の電波で画像データを送信する。すなわち、高速移動体は、第1の周波数および第2の周波数の電波の両方で地上局から制御データを受信した場合には、第1の周波数および第2の周波数の電波の両方で同じ画像データを送信し、制御局において2つの画像データの中から画質の良好な方の画像データを選択しているので、高速移動体と通信を行う地上局を切り替える処理を行うことなく、画像データを送信することができる。
また、本発明に係る高速移動体の無線伝送システムは、高速移動体と前記高速移動体の状態を管理する制御局との間でデータを伝送する高速移動体の無線伝送システムであって、前記高速移動体の移動経路に沿っ
【0004】
て、第1の周波数の電波により前記高速移動体とデータを送受信するとともに、ネットワークを介して前記制御局とデータを送受信する第1の通信手段を有する第1の地上局と、第2の周波数の電波により前記高速移動体とデータを送受信するとともに、前記ネットワークを介して前記制御局とデータを送受信する第2の通信手段を有する第2の地上局とを交互に備え、前記高速移動体は、前記第1の周波数の電波によりデータを送受信する第1の通信手段と、前記第2の周波数の電波によりデータを送受信する第2の通信手段と、前記高速移動体の走行位置を検出する位置検出手段と、検出された前記高速移動体の走行位置に基づいて、前記第1および第2の通信手段が前記データを送信する際の特性を制御する制御手段とを備え、前記制御局は、前記第1および第2の地上局と前記ネットワークを介して前記データを送受信する通信手段と、受信した前記データのうち同様の情報を有するデータが複数存在する場合、この複数のデータの中から1つのデータを選択する選択手段とを備えることを特徴とする。
これによって、例えば電波が届かないで通信不良が発生したり、電波が届きすぎて他の地上局への妨害となったりすることもなく、地上局での通信状態を最適に保つことができる。
また、前記制御局は、さらに、前記高速移動体の走行位置と前記特性とを対応付ける特性テーブルを、前記高速移動体に送信する設定手段を備え、前記高速移動体の前記制御手段は、検出された前記高速移動体の走行位置および前記特性テーブルに基づいて、前記第1および第2の通信手段が前記データを送信する際の前記特性を制御してもよい。
これによって、例えば高速移動体への特性テーブル等を初期設定する時や、特性テーブルを変更する時等のシステム調整を容易に行うことができる。
【0005】
また、前記制御局は、さらに、前記高速移動体の位置を検出する位置検出手段と、検出された前記高速移動体の位置に基づいて、前記制御データを送信するように前記第1および第2の地上局に送信指示する制御手段とを備え、前記第1および第2の地上局の前記第1および第2の通信手段は、前記制御局からの前記送信指示により前記制御データを送信してもよい。
これによって、対応する領域に高速移動体が存在していない場合には第1および第2の地上局は電波を送信しないので、同じ周波数を利用する他の無線機器に妨害を与えることがなく、電波の利用効率を向上することができる。
また、本発明に係る高速移動体の無線伝送システムは、高速移動体と前記高速移動体の状態を管理する制御局との間でデータを伝送する高速移動体の無線伝送システムであって、前記高速移動体の移動経路に沿って地上局を備え、前記地上局は、当該地上局が設けられる駅のホームの長手方向における一端部に前記高速移動体の第1の指向性アンテナに対向する向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第1の指向性アンテナと、当該地上局が設けられる駅のホームの長手方向における他端部に前記高速移動体の第2の指向性アンテナに対向する向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第2の指向性アンテナと、前記第1の指向性アンテナおよび前記第2の指向性アンテナに接続され、前記第1の指向性アンテナを介して第1の周波数の電波、および前記第2の指向性アンテナを介して第2の周波数の電波により、送信タイミングを示す制御データを所定の時間間隔で送信するとともに、前記第1の周波数の電波および前記第2の周波数の電波により前記高速移動体から送信されたデータを受信し、このデータを前記ネットワークを介して前記制御局へ送信する通信手段とを備え、前記高速移動体は、前記第1の周波
【0006】
数の電波によりデータを送受信する第1の通信手段と、前記第2の周波数の電波によりデータを送受信する第2の通信手段と、前記第1の通信手段に接続され、当該高速移動体の移動方向の一端部に外側向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第1の指向性アンテナと、前記第2の通信手段に接続され、当該高速移動体の移動方向の他端部に外側向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第2の指向性アンテナとを備え、前記制御局は、前記地上局と前記ネットワークを介して前記データを送受信する通信手段と、受信した前記データのうち同様の情報を有するデータが複数存在する場合、この複数のデータの中から1つのデータを選択する選択手段とを備えることを特徴とする。
これによって、各地上局がそれぞれ第1の周波数f1の電波および第2の周波数f2の電波により、高速移動体と指向性アンテナを介して通信を行うので、無指向性アンテナに比較して電波の到達距離が伸び、設置するアンテナの数を減らすことができ、例えば駅だけに地上局を設置することで通信が可能になる。また、アンテナの数が減ることによって、他から受ける影響を抑えることができる。
また、本発明に係る高速移動体の無線伝送システムは、高速移動体と前記高速移動体の状態を管理する制御局との間でデータを伝送する高速移動体の無線伝送システムであって、前記高速移動体の移動経路に沿って地上局を備え、前記地上局は、当該地上局が設けられる駅のホームの長手方向における一端部に前記高速移動体の第1の指向性アンテナに対向する向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第1の指向性アンテナと、当該地上局が設けられる駅のホームの長手方向における他端部に前記高速移動体の第2の指向性アンテナに対向する向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第2の指向性アンテナと、前記第1の指向性アンテナと背中合う位置に、前記高速移動体の第2の指向性
【0007】
アンテナに対向する向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第3の指向性アンテナと、前記第2の指向性アンテナと背中合う位置に、前記高速移動体の第1の指向性アンテナに対向する向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第4の指向性アンテナと、前記第1の指向性アンテナおよび前記第3の指向性アンテナに接続され、前記第1の指向性アンテナを介して前記第1の周波数の電波、および前記第3の指向性アンテナを介して前記第2の周波数の電波により、送信タイミングを示す制御データを所定の時間間隔で送信するとともに、前記第1の周波数の電波および前記第2の周波数の電波により前記高速移動体から送信されたデータを受信し、このデータを前記ネットワークを介して前記制御局へ送信する第1の通信手段と、前記第2指向性アンテナおよび前記第4指向性アンテナに接続され、前記第2指向性アンテナを介して前記第2の周波数の電波、および前記第4指向性アンテナを介して前記第1の周波数の電波により、送信タイミングを示す制御データを前記第1の通信手段が送信する前記制御データと交互に出力されるように前記第1の通信手段と同期して前記所定の時間間隔で送信する第2の通信手段とを備え、前記高速移動体は、前記第1の周波数の電波によりデータを送受信する第1の通信手段と、前記第2の周波数の電波によりデータを送受信する第2の通信手段と、前記第1の通信手段に接続され、当該高速移動体の移動方向の一端部に外側向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第1の指向性アンテナと、前記第2の通信手段に接続され、当該高速移動体の移動方向の他端部に外側向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第2の指向性アンテナとを備え、前記制御局は、前記第1および第2の地上局と前記ネットワークを介して前記データを送受信する通信手段と、受信した前記データのうち同様の情報を有するデータが複数存在する場合、この複数のデータの中から1つのデー
【0008】
タを選択する選択手段とを備えることを特徴とする。
これによって、例えば駅のホームに高速移動体の車両が停車中であっても、他の高速移動体と通信することができる。また、例えば駅のホームに電波干渉源が存在したとしても、指向性アンテナは指向性を有しているため影響を受けにくく、高速移動体と地上局とにおいて安定した通信を行うことができる。
また、本発明に係る高速移動体の無線伝送システムは、高速移動体と前記高速移動体の状態を管理する制御局との間でデータを伝送する高速移動体の無線伝送システムであって、前記高速移動体の移動経路に沿って第1の地上局と第2の地上局とを交互に備え、前記第1の地上局は、当該第1の地上局が設けられる駅のホームの長手方向における一端部に前記高速移動体の第1の指向性アンテナに対向する向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第1の指向性アンテナと、当該第1の地上局が設けられる駅のホームの長手方向における他端部に前記高速移動体の第2の指向性アンテナに対向する向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第2の指向性アンテナと、前記第1の指向性アンテナおよび前記第2の指向性アンテナに接続され、前記第1の指向性アンテナを介して前記第1の周波数の電波、および前記第2の指向性アンテナを介して第4の周波数の電波により、送信タイミングを示す制御データを所定の時間間隔で送信するとともに、前記第1の周波数の電波および前記第4の周波数の電波により前記高速移動体から送信されたデータを受信し、このデータを前記ネットワークを介して前記制御局へ送信する第1の通信手段とを備え、前記第2の地上局は、当該第2の地上局が設けられる駅のホームの長手方向における一端部に前記高速移動体の第1の指向性アンテナに対向する向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第1の指向性アンテナと、当該第2の地上局が設けられる駅の
【0009】
ホームの長手方向における他端部に前記高速移動体の第2の指向性アンテナに対向する向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第2の指向性アンテナと、前記第1の指向性アンテナおよび前記第2の指向性アンテナに接続され、前記第1の指向性アンテナを介して第3の周波数の電波、および前記第2の指向性アンテナを介して前記第2の周波数の電波により、送信タイミングを示す制御データを所定の時間間隔で送信するとともに、前記第3の周波数の電波および前記第2の周波数の電波により前記高速移動体から送信されたデータを受信し、このデータを前記ネットワークを介して前記制御局へ送信する第2の通信手段とを備え、前記高速移動体は、前記第1または前記第3の周波数の電波により前記制御データを受信した際に、前記データを対応する前記第1または前記第3の周波数の電波により送信する第1の通信手段と、前記第4または前記第2の周波数の電波により前記制御データを受信した際に、前記データを対応する前記第4または前記第2の周波数の電波により送信する第2の通信手段と、前記第1の通信手段に接続され、当該高速移動体の移動方向の一端部に外側向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第1の指向性アンテナと、前記第2の通信手段に接続され、当該高速移動体の移動方向の他端部に外側向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第2の指向性アンテナとを備え、前記制御局は、前記第1および第2の地上局と前記ネットワークを介して前記データを送受信する通信手段と、受信した前記データのうち同様の情報を有するデータが複数存在する場合、この複数のデータの中から1つのデータを選択する選択手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明に係る高速移動体の無線伝送システムは、高速移動体と前記高速移動体の状態を管理する制御局との間でデータを伝送する高速移動体の無線伝送システムであって、前記高速移動体の移動経路に沿っ
【0010】
て第1の地上局と第2の地上局とを交互に備え、前記第1の地上局は、当該第1の地上局が設けられる駅のホームの長手方向における一端部に前記高速移動体の第1の指向性アンテナに対向する向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第1の指向性アンテナと、当該第1の地上局が設けられる駅のホームの長手方向における他端部に前記高速移動体の第2の指向性アンテナに対向する向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第2の指向性アンテナと、前記第1の指向性アンテナおよび前記第2の指向性アンテナに接続され、前記第1の指向性アンテナを介して第1の周波数の電波、および前記第2の指向性アンテナを介して第4の周波数の電波により、送信タイミングを示す制御データを所定の時間間隔で送信するとともに、前記第1の周波数の電波および前記第4の周波数の電波により前記高速移動体から送信されたデータを受信し、このデータを前記ネットワークを介して前記制御局へ送信する第1の通信手段とを備え、前記第2の地上局は、当該第2の地上局が設けられる駅のホームの長手方向における一端部に前記高速移動体の第1の指向性アンテナに対向する向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第1の指向性アンテナと、当該第2の地上局が設けられる駅のホームの長手方向における他端部に前記高速移動体の第2の指向性アンテナに対向する向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第2の指向性アンテナと、前記第1の指向性アンテナおよび前記第2の指向性アンテナに接続され、前記第1の指向性アンテナを介して第3の周波数の電波、および前記第2の指向性アンテナを介して第2の周波数の電波により、送信タイミングを示す制御データを所定の時間間隔で送信するとともに、前記第3の周波数の電波および前記第2の周波数の電波により前記高速移動体から送信されたデータを受信し、このデータを前記ネットワークを介して前記制御局へ送信する第2の通信手段とを備え、前記高速移動体は、前記第1の周波数の電波により前記制御データを受信した際に、前記データを前記第1の周波数の電波により送信する第1の通信手段と、前記第2の周波数の電波により前記制御データを受信した際に、前記データを前記第2の周波数の電波により送信する第2の通信手段と、前記第3の周波数の電波により前記制御データを受信した際に、前記データを前記第3の周波数の電波により送信する第3の通信手段と、前記第4の周波数の電波により前記制御データを受信した際に、前記データを前記第4の周波数の電波により送信する第4の通信手段と、当該高速移動体の移動方向の一端部に外側向きに、一定方向に対して電波を送受信するための、前記第1の通信手段に接続される第1の指向性アンテナおよび前記第3の通信手段に接続される第3の指向性アンテナと、当該高速移動体の移動方向の他端部に外側向きに、一定方向に対して電波を送受信するための、前記第2の通信手段に接続される第2の指向性アンテナおよび前記第4の通信手段に接続される第4の指向性アンテナとを備え、前記制御局は、前記第1および第2の地上局と前記ネットワークを介して前記データを送受信する通信手段と、受信した前記データのうち同様の情報を有するデータが複数存在する場合、この複数のデータの中から1つのデータを選択する選択手段とを備えることを特徴とする。
これによって、例えば隣り合う地上局で同じ周波数となる2種類の周波数の電波を使用する場合のように、設置状況によって電波は届きすぎて隣の地上局の電波が妨害となるのを防止することができる。
また、前記高速移動体は、前記第1の指向性アンテナ、前記第2の指向性アンテナ、前記第3の指向性アンテナ、前記第4の指向性アンテナ、前記第1の通信手段、前記第2の通信手段、前記第3の通信手段、および前記第4の通信手段を備えるユニットが複数接続され、前記ユニット同士が接続される側の端部に備えられた前記指向性アンテナは、前記ユニット間の通信に使用し、前記ユニットが複数接続された状態における両端部に備えられた前記指向性アンテナは、前記第1および前記第2の地上局との通信に使用してもよい。
これによって、高速移動体が複数のユニットで構成されている場合に、高速移動体と地上局との通信に使用していない周波数の電波および通信部をユニット間の通信に使用して、例えば有線等の伝送装置を別途設けることなく、ユニット間の伝送を行うことができる。
なお、本発明は、このような高速移動体の無線伝送システムとして実現することができるだけでなく、このような高速移動体の無線伝送システムが備える特徴的な手段をステップとする高速移動体の無線伝送方法として実現したり、それらのステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現したりすることもできる。そして、そのようなプログラムは、CD−ROM等の記録媒体やインターネット等の伝送媒体を介して配信することができるのは言うまでもない。
本発明は、鉄道や地下鉄等の高速移動体と高速移動体の状態を管理する制御局との間でデータを伝送する高速移動体の無線伝送システムに関する。
近年では、有線ケーブルを使わずに電波や光等の無線で通信を行う無線LAN(Local Area Network)が普及してきている。このような無線LANとして、例えば複数の基地局を設け、通信中の端末が移動しても基地局を切り替えて通信を行えるようにしたシステムがある。
このような無線LANのローミング方法として、隣接するアクセスポイントの最新の無線状況を把握し、接続中のアクセスポイントの無線状況が悪化した場合に、最も通信環境のよい隣接アクセスポイントへ加入動作を行い、短時間にローミングを行うことができる無線LANの高速ローミング方法が提案されている(例えば、特開2002−26931号公報参照。)。
ところで、近年このような無線LANを用いて、鉄道や地下鉄等の高速移動体の運行中の車両内の様子をテレビカメラで撮影した画像データを基地局を介してコントロールセンターへ送信し、コントロールセンターのモニタ等に車両内の様子を表示させることが考えられている。
しかしながら、上記のような従来の無線LANシステムでは、高速で移動する車両から通信を行っている駅に設置された基地局を切り替えるハンドオーバを行うと、基地局間でハンドオーバ制御情報を交換する必要があるので、切り替え制御に時間がかかるという問題がある。
また、例えばIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11b等の無線LANで画像データを伝送した場合、エラー発生時には、パケットの再送を繰り返すことによりリアルタイム伝送を行うことができない。さらに、再送の繰り返し回数の制限によりパケットを受信できないという状況も発生し、この場合には映像が欠落することになる。また、ヘッダが長くプロトコルが複雑であるので、利用効率がよくない。
そこで、本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、高速移動体からのデータ伝送時の高速なハンドオーバを実現し、データ伝送を確実に行うことができる高速移動体の無線伝送システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る高速移動体の無線伝送システムは、高速移動体と前記高速移動体の状態を管理する制御局との間で画像データを伝送する高速移動体の無線伝送システムであって、前記高速移動体の移動経路に沿って、送信タイミングを示す制御データを所定の時間間隔で第1の周波数の電波により送信するとともに、前記第1の周波数の電波により前記高速移動体から送信された画像データを受信し、当該画像データをネットワークを介して前記制御局へ送信する第1の通信手段を有する第1の地上局と、送信タイミングを示す制御データを所定の時間間隔で第2の周波数の電波により送信するとともに、前記第2の周波数の電波により前記高速移動体から送信された画像データを受信し、当該画像データをネットワークを介して前記制御局へ送信する第2の通信手段を有する第2の地上局とを交互に備え、前記高速移動体は、当該高速移動体の車両内を撮影する少なくとも1つの撮影手段と、前記第1の周波数の電波により前記制御データを受信した際に、前記撮影手段が撮影した画像データを前記第1の周波数の電波により送信する第1の通信手段と、前記第2の周波数の電波により前記制御データを受信した際に、前記撮影手段が撮影した画像データを前記第2の周波数の電波により送信する第2の通信手段とを備え、前記制御局は、前記第1および第2の地上局から前記ネットワークを介して送信された前記画像データを受信する通信手段と、前記画像データのうち同じ撮影手段で撮影され、かつ同時刻に撮影された画像データが複数存在する場合、当該複数の画像データの中から1つの画像データを選択する選択手段と、前記受信された画像データまたは前記選択された画像データを、前記撮影手段単位で表示する表示手段とを備えることを特徴とする。
これによって、高速移動体は、常に第1の周波数および第2の周波数の電波を受信できる状態にあり、第1の周波数または第2の周波数の電波で地上局から制御データを受信した場合には、それぞれ第1の周波数または第2の周波数の電波で画像データを送信する。すなわち、高速移動体は、第1の周波数および第2の周波数の電波の両方で地上局から制御データを受信した場合には、第1の周波数および第2の周波数の電波の両方で同じ画像データを送信し、制御局において2つの画像データの中から画質の良好な方の画像データを選択しているので、高速移動体と通信を行う地上局を切り替える処理を行うことなく、画像データを送信することができる。
また、本発明に係る高速移動体の無線伝送システムは、高速移動体と前記高速移動体の状態を管理する制御局との間でデータを伝送する高速移動体の無線伝送システムであって、前記高速移動体の移動経路に沿って、第1の周波数の電波により前記高速移動体とデータを送受信するとともに、ネットワークを介して前記制御局とデータを送受信する第1の通信手段を有する第1の地上局と、第2の周波数の電波により前記高速移動体とデータを送受信するとともに、前記ネットワークを介して前記制御局とデータを送受信する第2の通信手段を有する第2の地上局とを交互に備え、前記高速移動体は、前記第1の周波数の電波によりデータを送受信する第1の通信手段と、前記第2の周波数の電波によりデータを送受信する第2の通信手段と、前記高速移動体の走行位置を検出する位置検出手段と、検出された前記高速移動体の走行位置に基づいて、前記第1および第2の通信手段が前記データを送信する際の特性を制御する制御手段とを備え、前記制御局は、前記第1および第2の地上局と前記ネットワークを介して前記データを送受信する通信手段と、受信した前記データのうち同様の情報を有するデータが複数存在する場合、この複数のデータの中から1つのデータを選択する選択手段とを備えることを特徴とする。
これによって、例えば電波が届かないで通信不良が発生したり、電波が届きすぎて他の地上局への妨害となったりすることもなく、地上局での通信状態を最適に保つことができる。
また、前記制御局は、さらに、前記高速移動体の走行位置と前記特性とを対応付ける特性テーブルを、前記高速移動体に送信する設定手段を備え、前記高速移動体の前記制御手段は、検出された前記高速移動体の走行位置および前記特性テーブルに基づいて、前記第1および第2の通信手段が前記データを送信する際の前記特性を制御してもよい。
これによって、例えば高速移動体への特性テーブル等を初期設定する時や、特性テーブルを変更する時等のシステム調整を容易に行うことができる。
また、前記制御局は、さらに、前記高速移動体の位置を検出する位置検出手段と、検出された前記高速移動体の位置に基づいて、前記制御データを送信するように前記第1および第2の地上局に送信指示する制御手段とを備え、前記第1および第2の地上局の前記第1および第2の通信手段は、前記制御局からの前記送信指示により前記制御データを送信してもよい。
これによって、対応する領域に高速移動体が存在していない場合には第1および第2の地上局は電波を送信しないので、同じ周波数を利用する他の無線機器に妨害を与えることがなく、電波の利用効率を向上することができる。
また、本発明に係る高速移動体の無線伝送システムは、高速移動体と前記高速移動体の状態を管理する制御局との間でデータを伝送する高速移動体の無線伝送システムであって、前記高速移動体の移動経路に沿って地上局を備え、前記地上局は、当該地上局が設けられる駅のホームの長手方向における一端部に前記高速移動体の第1の指向性アンテナに対向する向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第1の指向性アンテナと、当該地上局が設けられる駅のホームの長手方向における他端部に前記高速移動体の第2の指向性アンテナに対向する向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第2の指向性アンテナと、前記第1の指向性アンテナおよび前記第2の指向性アンテナに接続され、前記第1の指向性アンテナを介して第1の周波数の電波、および前記第2の指向性アンテナを介して第2の周波数の電波により、送信タイミングを示す制御データを所定の時間間隔で送信するとともに、前記第1の周波数の電波および前記第2の周波数の電波により前記高速移動体から送信されたデータを受信し、このデータを前記ネットワークを介して前記制御局へ送信する通信手段とを備え、前記高速移動体は、前記第1の周波数の電波によりデータを送受信する第1の通信手段と、前記第2の周波数の電波によりデータを送受信する第2の通信手段と、前記第1の通信手段に接続され、当該高速移動体の移動方向の一端部に外側向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第1の指向性アンテナと、前記第2の通信手段に接続され、当該高速移動体の移動方向の他端部に外側向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第2の指向性アンテナとを備え、前記制御局は、前記地上局と前記ネットワークを介して前記データを送受信する通信手段と、受信した前記データのうち同様の情報を有するデータが複数存在する場合、この複数のデータの中から1つのデータを選択する選択手段とを備えることを特徴とする。
これによって、各地上局がそれぞれ第1の周波数f1の電波および第2の周波数f2の電波により、高速移動体と指向性アンテナを介して通信を行うので、無指向性アンテナに比較して電波の到達距離が伸び、設置するアンテナの数を減らすことができ、例えば駅だけに地上局を設置することで通信が可能になる。また、アンテナの数が減ることによって、他から受ける影響を抑えることができる。
また、本発明に係る高速移動体の無線伝送システムは、高速移動体と前記高速移動体の状態を管理する制御局との間でデータを伝送する高速移動体の無線伝送システムであって、前記高速移動体の移動経路に沿って地上局を備え、前記地上局は、当該地上局が設けられる駅のホームの長手方向における一端部に前記高速移動体の第1の指向性アンテナに対向する向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第1の指向性アンテナと、当該地上局が設けられる駅のホームの長手方向における他端部に前記高速移動体の第2の指向性アンテナに対向する向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第2の指向性アンテナと、前記第1の指向性アンテナと背中合う位置に、前記高速移動体の第2の指向性アンテナに対向する向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第3の指向性アンテナと、前記第2の指向性アンテナと背中合う位置に、前記高速移動体の第1の指向性アンテナに対向する向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第4の指向性アンテナと、前記第1の指向性アンテナおよび前記第3の指向性アンテナに接続され、前記第1の指向性アンテナを介して前記第1の周波数の電波、および前記第3の指向性アンテナを介して前記第2の周波数の電波により、送信タイミングを示す制御データを所定の時間間隔で送信するとともに、前記第1の周波数の電波および前記第2の周波数の電波により前記高速移動体から送信されたデータを受信し、このデータを前記ネットワークを介して前記制御局へ送信する第1の通信手段と、前記第2指向性アンテナおよび前記第4指向性アンテナに接続され、前記第2指向性アンテナを介して前記第2の周波数の電波、および前記第4指向性アンテナを介して前記第1の周波数の電波により、送信タイミングを示す制御データを前記第1の通信手段が送信する前記制御データと交互に出力されるように前記第1の通信手段と同期して前記所定の時間間隔で送信する第2の通信手段とを備え、前記高速移動体は、前記第1の周波数の電波によりデータを送受信する第1の通信手段と、前記第2の周波数の電波によりデータを送受信する第2の通信手段と、前記第1の通信手段に接続され、当該高速移動体の移動方向の一端部に外側向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第1の指向性アンテナと、前記第2の通信手段に接続され、当該高速移動体の移動方向の他端部に外側向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第2の指向性アンテナとを備え、前記制御局は、前記第1および第2の地上局と前記ネットワークを介して前記データを送受信する通信手段と、受信した前記データのうち同様の情報を有するデータが複数存在する場合、この複数のデータの中から1つのデータを選択する選択手段とを備えることを特徴とする。
これによって、例えば駅のホームに高速移動体の車両が停車中であっても、他の高速移動体と通信することができる。また、例えば駅のホームに電波干渉源が存在したとしても、指向性アンテナは指向性を有しているため影響を受けにくく、高速移動体と地上局とにおいて安定した通信を行うことができる。
また、本発明に係る高速移動体の無線伝送システムは、高速移動体と前記高速移動体の状態を管理する制御局との間でデータを伝送する高速移動体の無線伝送システムであって、前記高速移動体の移動経路に沿って第1の地上局と第2の地上局とを交互に備え、前記第1の地上局は、当該第1の地上局が設けられる駅のホームの長手方向における一端部に前記高速移動体の第1の指向性アンテナに対向する向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第1の指向性アンテナと、当該第1の地上局が設けられる駅のホームの長手方向における他端部に前記高速移動体の第2の指向性アンテナに対向する向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第2の指向性アンテナと、前記第1の指向性アンテナおよび前記第2の指向性アンテナに接続され、前記第1の指向性アンテナを介して前記第1の周波数の電波、および前記第2の指向性アンテナを介して第4の周波数の電波により、送信タイミングを示す制御データを所定の時間間隔で送信するとともに、前記第1の周波数の電波および前記第4の周波数の電波により前記高速移動体から送信されたデータを受信し、このデータを前記ネットワークを介して前記制御局へ送信する第1の通信手段とを備え、前記第2の地上局は、当該第2の地上局が設けられる駅のホームの長手方向における一端部に前記高速移動体の第1の指向性アンテナに対向する向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第1の指向性アンテナと、当該第2の地上局が設けられる駅のホームの長手方向における他端部に前記高速移動体の第2の指向性アンテナに対向する向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第2の指向性アンテナと、前記第1の指向性アンテナおよび前記第2の指向性アンテナに接続され、前記第1の指向性アンテナを介して第3の周波数の電波、および前記第2の指向性アンテナを介して前記第2の周波数の電波により、送信タイミングを示す制御データを所定の時間間隔で送信するとともに、前記第3の周波数の電波および前記第2の周波数の電波により前記高速移動体から送信されたデータを受信し、このデータを前記ネットワークを介して前記制御局へ送信する第2の通信手段とを備え、前記高速移動体は、前記第1または前記第3の周波数の電波により前記制御データを受信した際に、前記データを対応する前記第1または前記第3の周波数の電波により送信する第1の通信手段と、前記第4または前記第2の周波数の電波により前記制御データを受信した際に、前記データを対応する前記第4または前記第2の周波数の電波により送信する第2の通信手段と、前記第1の通信手段に接続され、当該高速移動体の移動方向の一端部に外側向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第1の指向性アンテナと、前記第2の通信手段に接続され、当該高速移動体の移動方向の他端部に外側向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第2の指向性アンテナとを備え、前記制御局は、前記第1および第2の地上局と前記ネットワークを介して前記データを送受信する通信手段と、受信した前記データのうち同様の情報を有するデータが複数存在する場合、この複数のデータの中から1つのデータを選択する選択手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明に係る高速移動体の無線伝送システムは、高速移動体と前記高速移動体の状態を管理する制御局との間でデータを伝送する高速移動体の無線伝送システムであって、前記高速移動体の移動経路に沿って第1の地上局と第2の地上局とを交互に備え、前記第1の地上局は、当該第1の地上局が設けられる駅のホームの長手方向における一端部に前記高速移動体の第1の指向性アンテナに対向する向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第1の指向性アンテナと、当該第1の地上局が設けられる駅のホームの長手方向における他端部に前記高速移動体の第2の指向性アンテナに対向する向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第2の指向性アンテナと、前記第1の指向性アンテナおよび前記第2の指向性アンテナに接続され、前記第1の指向性アンテナを介して第1の周波数の電波、および前記第2の指向性アンテナを介して第4の周波数の電波により、送信タイミングを示す制御データを所定の時間間隔で送信するとともに、前記第1の周波数の電波および前記第4の周波数の電波により前記高速移動体から送信されたデータを受信し、このデータを前記ネットワークを介して前記制御局へ送信する第1の通信手段とを備え、前記第2の地上局は、当該第2の地上局が設けられる駅のホームの長手方向における一端部に前記高速移動体の第1の指向性アンテナに対向する向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第1の指向性アンテナと、当該第2の地上局が設けられる駅のホームの長手方向における他端部に前記高速移動体の第2の指向性アンテナに対向する向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第2の指向性アンテナと、前記第1の指向性アンテナおよび前記第2の指向性アンテナに接続され、前記第1の指向性アンテナを介して第3の周波数の電波、および前記第2の指向性アンテナを介して第2の周波数の電波により、送信タイミングを示す制御データを所定の時間間隔で送信するとともに、前記第3の周波数の電波および前記第2の周波数の電波により前記高速移動体から送信されたデータを受信し、このデータを前記ネットワークを介して前記制御局へ送信する第2の通信手段とを備え、前記高速移動体は、前記第1の周波数の電波により前記制御データを受信した際に、前記データを前記第1の周波数の電波により送信する第1の通信手段と、前記第2の周波数の電波により前記制御データを受信した際に、前記データを前記第2の周波数の電波により送信する第2の通信手段と、前記第3の周波数の電波により前記制御データを受信した際に、前記データを前記第3の周波数の電波により送信する第3の通信手段と、前記第4の周波数の電波により前記制御データを受信した際に、前記データを前記第4の周波数の電波により送信する第4の通信手段と、当該高速移動体の移動方向の一端部に外側向きに、一定方向に対して電波を送受信するための、前記第1の通信手段に接続される第1の指向性アンテナおよび前記第3の通信手段に接続される第3の指向性アンテナと、当該高速移動体の移動方向の他端部に外側向きに、一定方向に対して電波を送受信するための、前記第2の通信手段に接続される第2の指向性アンテナおよび前記第4の通信手段に接続される第4の指向性アンテナとを備え、前記制御局は、前記第1および第2の地上局と前記ネットワークを介して前記データを送受信する通信手段と、受信した前記データのうち同様の情報を有するデータが複数存在する場合、この複数のデータの中から1つのデータを選択する選択手段とを備えることを特徴とする。
これによって、例えば隣り合う地上局で同じ周波数となる2種類の周波数の電波を使用する場合のように、設置状況によって電波は届きすぎて隣の地上局の電波が妨害となるのを防止することができる。
また、前記高速移動体は、前記第1の指向性アンテナ、前記第2の指向性アンテナ、前記第3の指向性アンテナ、前記第4の指向性アンテナ、前記第1の通信手段、前記第2の通信手段、前記第3の通信手段、および前記第4の通信手段を備えるユニットが複数接続され、前記ユニット同士が接続される側の端部に備えられた前記指向性アンテナは、前記ユニット間の通信に使用し、前記ユニットが複数接続された状態における両端部に備えられた前記指向性アンテナは、前記第1および前記第2の地上局との通信に使用してもよい。
これによって、高速移動体が複数のユニットで構成されている場合に、高速移動体と地上局との通信に使用していない周波数の電波および通信部をユニット間の通信に使用して、例えば有線等の伝送装置を別途設けることなく、ユニット間の伝送を行うことができる。
なお、本発明は、このような高速移動体の無線伝送システムとして実現することができるだけでなく、このような高速移動体の無線伝送システムが備える特徴的な手段をステップとする高速移動体の無線伝送方法として実現したり、それらのステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現したりすることもできる。そして、そのようなプログラムは、CD−ROM等の記録媒体やインターネット等の伝送媒体を介して配信することができるのは言うまでもない。
以上の説明から明らかなように、本発明に係る高速移動体の無線伝送システムによれば、高速移動体と通信を行う地上局を切り替える処理を行うことなく、画像データを送信することができるので、高速移動体からのデータ伝送時の高速なハンドオーバを実現し、データ伝送を確実に行うことができる。
また、各地上局がそれぞれ第1の周波数f1の電波および第2の周波数f2の電波により、高速移動体と指向性アンテナを介して通信を行っているので、無指向性アンテナに比較して電波の到達距離が伸び、設置するアンテナの数を減らすことができ、例えば駅だけに地上局を設置することで通信が可能になる。また、アンテナの数が減ることによって、他から受ける影響を抑えることができる。
以下、本発明の各実施の形態について、それぞれ図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1に係る高速移動体の無線伝送システムのシステム構成を示す概略図である。この高速移動体の無線伝送システム1は、高速移動体100の車両内を撮影した画像データを高速移動体100の状態を管理するコントロールセンター300へ伝送するシステムであり、軌道上を走行する高速移動体100、高速移動体の状態を管理するコントロールセンター300、および駅に配置される地上局(BS)200を備えている。ここで、コントロールセンター300と地上局200とは、ネットワーク400を介して接続されている。
図2は上記高速移動体の無線伝送システムの各構成要素の内部構成を示すブロック図である。
高速移動体100は、例えば軌道上を走行する鉄道や地下鉄等の列車であって1つ以上の車両で構成されており、第1通信部101、第2通信部102、複数の撮影部103a、103b、103c…、およびアンテナ104、105を備えている。
撮影部103は、例えばテレビカメラ等であり、図3に示すように高速移動体100の車両内を撮影する。第1通信部101は、第1の周波数f1の電波により地上局200から制御データを受信した際に、撮影部103が撮影した画像データ(PIC)を第1の周波数f1の電波により送信する。第2通信部102は、第2の周波数f2の電波により地上局200から制御データを受信した際に、撮影部103が撮影した画像データを第2の周波数f2の電波により送信する。
地上局200は、高速移動体100およびコントロールセンター300と通信を行う装置であり、通信部201およびアンテナ202を備えている。
通信部201は、送信タイミングを示す制御データを所定の時間間隔で所定の周波数の電波により送信する。また、通信部201は、所定の周波数の電波により高速移動体100から送信された画像データを受信し、この画像データをネットワーク400を介してコントロールセンター300へ送信する。なお、図1において送信されるデータ中のBS1およびBS2は地上局で付加されるパケットヘッダである。
各地上局200a、200b、200c…は、1つおきに第1の周波数f1の電波と第2の周波数f2の電波とによる通信を行っている。すなわち、図1に示す例では地上局200a、200c、200eが第1の周波数f1の電波による通信を、地上局200b、200d、200fが第2の周波数f2の電波による通信を行っている。
高速移動体100と地上局200との間の通信におけるアクセス制御方式には、時分割多重方式を用いている。この時分割多重方式は、例えば図4に示すように地上局200の通信部201から送信された制御データ(下り)を基準タイミングとして各フレームをタイムスロットS(1)〜S(4)に分割して通信を行っている。高速移動体100の第1通信部101および第2通信部102は、通信部201から制御データを受信すると、制御データにより指定されたタイムスロットを用いて、画像データの送信を行う。このとき、送信が重なるのを防止するために無信号区間であるガードタイム(GT)が設けられる。また、第1通信部101および第2通信部102は、画像データとともに、撮影部103により撮影された時間を示す時間情報(TS:タイムスタンプ)を送信する。
また、高速移動体100と地上局200との間の通信における誤り発生時の処理方式には、誤り訂正方式を用いている。図5は誤り訂正方式の概念を示す模式図である。この誤り訂正方式では、例えば図5(a)に示す元のデータに対して誤り訂正データを付加した図5(b)に示すデータを作成し、このデータに対して連続するデータの順序を入れ替えて配置し、分散させるインターリーブを行い、図5(c)に示すデータを作成した後、伝送を行う。伝送後の図5(d)に示すデータに対して逆インターリーブを行い、図5(e)に示すデータを作成する。このデータを付加されている誤り訂正データに基づいて誤り訂正を行って、図5(f)に示すデータを生成する。このような誤り訂正方式を用いることによって、例えばエラーが発生して図5(d)に示すように“B2’”、“A3’”が失われたとしても、元のデータを生成することができる。
具体的には、例えば180バイトの画像データに24バイトの誤り訂正データを付加して204バイトのデータとする。次に、204バイトのデータに対して、連続するデータの順序をバイト単位でインターリーブかけて、204バイトのデータを新たに生成し、伝送することができる。
コントロールセンター300は、高速移動体100の状態を管理するセンターであり、通信部301、選択部302、表示部303、および例えば液晶表示装置やCRT等のモニタ304を備えている。
通信部301は、ネットワーク400を介して地上局200と通信を行う。
表示部303は、各地上局200からネットワークを介して送信された画像データを撮影部103単位にモニタ304へ表示する。
選択部302は、地上局200より送信された画像データのうち同じ撮影部103で撮影され、かつ同時刻の画像データが複数存在する場合、この複数の画像データの中から1つの画像データを選択する。
次に、上記のように構成された高速移動体の無線伝送システムにおける高速移動体100での動作について説明する。図6は高速移動体100での動作を示すフローチャートである。
第1通信部101および第2通信部102は、それぞれ第1の周波数f1の電波と第2の周波数f2の電波とを受信している(ステップS101)。第1通信部101は、第1の周波数f1の電波により地上局200から制御データを受信したか否かを判定する(ステップS102)。ここで、地上局200から制御データを受信した場合(ステップS102でYES)には、第1通信部101は撮影部103によって撮影された画像データを第1の周波数f1の電波により送信する(ステップS103)。一方、地上局200から制御データを受信していない場合(ステップS102でNO)には、第1通信部101は第1の周波数f1の電波での画像データの送信は行わない。
また同時に、第2通信部102は、第2の周波数f2の電波により地上局200から制御データを受信したか否かを判定する(ステップS104)。ここで、地上局200から制御データを受信した場合(ステップS104でYES)には、第2通信部102は撮影部103によって撮影された画像データを第2の周波数f2の電波により送信する(ステップS105)。一方、地上局200から制御データを受信していない場合(ステップS104でNO)には、第2通信部102は第2の周波数f2の電波での画像データの送信は行わない。
すなわち、高速移動体100は、常に第1の周波数f1および第2の周波数f2の電波を受信できる状態にあり、第1の周波数f1および第2の周波数f2の電波の両方で地上局200から制御データを受信した場合には、第1の周波数f1および第2の周波数f2の電波の両方で同じ画像データを送信する。
また、第1の周波数f1および第2の周波数f2の電波の送受信可能範囲は、図1に示すように隣り合う地上局200が送受信する電波において一部オーバーラップするようになっている。よって、高速移動体100は、その位置により第1の周波数f1の電波だけによる送受信、第2の周波数f2の電波だけによる送受信、第1の周波数f1および第2の周波数f2の電波両方による送受信のいずれかを行うことになる。例えば、図1に示すエリア10a、10e、10iにおいては、高速移動体100は第1の周波数f1の電波だけによる送受信を行うことになる。また、エリア10c、10g、10kにおいては、高速移動体100は第2の周波数f2の電波だけによる送受信を行うことになる。また、エリア10b、10d、10f、10h、10jにおいては、高速移動体100は第1の周波数f1および第2の周波数f2の電波両方による送受信を行うことになる。
次に、コントロールセンター300での動作について説明する。図7はコントロールセンター300での動作を示すフローチャートである。
通信部301は、ネットワーク400を介して各地上局200より送信される画像データを受信する(ステップS201)。選択部302は、通信部301により受信された画像データのうち同じ撮影部103で撮影され、かつ同時刻の画像データが複数存在するか否かを判定する(ステップS202)。このとき、選択部302は、画像データに付加されているタイムスタンプに基づいて同時刻の画像データであるか否かを判定する。また、選択部302は、画像データに付加されている例えば車両および撮影部を特定するためのカメラIDとタイムスタンプとに基づいて同じ撮影部103で撮影された画像データであるか否かを判定する。
この判定の結果、同じ撮影部103で撮影され、かつ同時刻の画像データが2つ存在する場合、選択部302は、この2つの画像データの中から画質の良好な方の画像データを選択する(ステップS203)。表示部303は、選択部302により選択された画像データをモニタ304へ表示する(ステップS204)。一方、同じ撮影部103で撮影され、かつ同時刻の画像データが2つ存在しない、すなわち同じ撮影部103で撮影された同時刻の画像データが1つだけ存在する場合(ステップS202でNO)には、表示部303は、この画像データをモニタ304へ表示する(ステップS204)。
以上のように、高速移動体100は、常に第1の周波数f1および第2の周波数f2の電波を受信できる状態にあり、第1の周波数f1または第2の周波数f2の電波で地上局200から制御データを受信した場合には、それぞれ第1の周波数f1または第2の周波数f2の電波で画像データを送信している。すなわち、高速移動体100は、第1の周波数f1および第2の周波数f2の電波の両方で地上局200から制御データを受信した場合には、第1の周波数f1および第2の周波数f2の電波の両方で同じ画像データを送信し、コントロールセンター300において2つの画像データの中から画質の良好な方の画像データを選択しているので、高速移動体100と通信を行う地上局200を切り替える処理を行うことなく、画像データを送信することができる。よって、高速移動体からのデータ伝送時の高速なハンドオーバを実現し、データ伝送を確実に行うことができる。
なお、本実施の形態において、コントロールセンター300に、高速移動体100に対してカメラIDにより撮影部103を指定して撮影を指示する指示部を設け、このカメラIDを含む指示を地上局200の送信する制御データに付加して高速移動体100へ送信する構成とすることも可能である。この場合、高速移動体100の第1通信部101、第2通信部102は、制御データに付加されたカメラIDに基づいて、送信する画像データを決定して送信する。
また、本実施の形態においては、コントロールセンター300の選択部302は、画像データに付加されているタイムスタンプに基づいて同時刻の画像データであるか否かを判定しているが、これに限られるものではない。例えば、選択部302は、撮影部103で画像データに付加されるシーケンス番号に基づいて同時刻の画像データであるか否かを判定しても構わない。この場合、同時刻の画像データであるか否かの判定を容易に行うことができる。シーケンス番号は、例えば、16ビット幅で、初期値をランダムとしてデータパケットごとに1ずつ加算した値を用いることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態2では実施の形態1において説明した高速移動体の無線伝送システムにおいて、高速移動体100および地上局200が共に指向性アンテナを備える場合について説明する。
図8は本発明の実施の形態2に係る高速移動体の無線伝送システムのシステム構成を示す概略図であり、図9はこの高速移動体の無線伝送システムの各構成要素の内部構成を示すブロック図である。この高速移動体の無線伝送システムにおいては、高速移動体110は、図9に示すように実施の形態1のアンテナ104、105に替えて指向性アンテナ114、115を、地上局210は実施の形態1の通信部201およびアンテナ202に替えて通信部211および指向性アンテナ212、213を備えている。なお、実施の形態1と同様の部分については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。また、図8、図9ではコントロールセンター300の記載を省略している。
高速移動体110の指向性アンテナ114、115は、一定方向に対して電波を送受信するためのアンテナであり、指向性アンテナ114は、図8(b)に示すように高速移動体110の移動方向の一端部に外側向き(例えば走行方向であれば前方向き、走行逆方向であれば後方向き)に、指向性アンテナ115は、高速移動体110の移動方向で指向性アンテナ114とは反対側の端部に外側向き(指向性アンテナ114とは反対向き)に設けられている。
第1通信部101は、指向性アンテナ114を介して第1の周波数f1の電波により地上局210から制御データを受信した際に、撮影部103が撮影した画像データを第1の周波数f1の電波により送信する。第2通信部102は、指向性アンテナ115を介して第2の周波数f2の電波により地上局210から制御データを受信した際に、撮影部103が撮影した画像データを第2の周波数f2の電波により送信する。
地上局210の指向性アンテナ212、213は、一定方向に対して電波を送受信するためのアンテナであり、指向性アンテナ212は、その地上局210が設けられる駅のホーム500の長手方向における一端部に、図8(a)に示すように高速移動体110の指向性アンテナ114に対向する向きに設けられている。一方、指向性アンテナ213は、駅のホーム500の長手方向における指向性アンテナ212とは反対側の端部に高速移動体110の指向性アンテナ115に対向する向きに設けられている。
通信部211は、指向性アンテナ212を介して第1の周波数f1の電波、および指向性アンテナ213を介して第2の周波数f2の電波により、送信タイミングを示す制御データを所定の時間間隔で送信する。また、通信部211は、第1の周波数f1の電波により高速移動体100から送信された画像データを指向性アンテナ212を介して、第2の周波数f2の電波により高速移動体100から送信された画像データを指向性アンテナ213を介して受信し、それぞれの画像データをネットワーク400を介してコントロールセンター300へ送信する。
よって、各地上局210a、210b、210c…は、それぞれ第1の周波数f1の電波および第2の周波数f2の電波による通信を行っている。
上記のように構成された高速移動体の無線伝送システムでは、第1の周波数f1および第2の周波数f2の電波の送受信可能範囲は、図8(a)に示すように地上局210が設けられる駅、および隣り合う駅の中間付近において一部オーバーラップするようになっている。よって、高速移動体110は、その位置により第1の周波数f1の電波だけによる送受信、第2の周波数f2の電波だけによる送受信、第1の周波数f1および第2の周波数f2の電波両方による送受信のいずれかを行うことになる。例えば、図8に示すエリア20a、20e、20iにおいては、高速移動体110は第2の周波数f2の電波だけによる送受信を行うことになる。また、エリア20c、20g、20kにおいては、高速移動体110は第1の周波数f1の電波だけによる送受信を行うことになる。また、エリア20b、20d、20f、20h、20jにおいては、高速移動体110は第1の周波数f1および第2の周波数f2の電波両方による送受信を行うことになる。
以上のように、高速移動体110および地上局210が共に指向性アンテナを備え、各地上局210a、210b、210c…が、それぞれ第1の周波数f1の電波および第2の周波数f2の電波による通信を行っているので、無指向性アンテナに比較して電波の到達距離が伸び、設置するアンテナの数を減らすことができ、駅だけに地上局210を設置することで通信が可能になる。また、アンテナの数が減ることによって、他から受ける影響を抑えることができる。
また、上記実施の形態1と同様に高速移動体110は、第1の周波数f1および第2の周波数f2の電波の両方で地上局210から制御データを受信した場合には、第1の周波数f1および第2の周波数f2の電波の両方で同じ画像データを送信し、コントロールセンターにおいて2つの画像データの中から画質の良好な方の画像データを選択しているので、高速移動体100と通信を行う地上局200を切り替える処理を行うことなく、画像データを送信することができる。よって、高速移動体からのデータ伝送時の高速なハンドオーバを実現し、データ伝送を確実に行うことができる。
(実施の形態3)
本実施の形態3では実施の形態2において説明した高速移動体の無線伝送システムにおいて、地上局210がさらに指向性アンテナを追加して備える場合について説明する。
図10は本発明の実施の形態3に係る高速移動体の無線伝送システムのシステム構成を示す概略図である。この高速移動体の無線伝送システムにおいては、地上局220は実施の形態2の通信部211および指向性アンテナ212、213に替えて、図10に示すように第1通信部221、第2通信部222、および指向性アンテナ223〜226を備えている。なお、実施の形態2と同様の部分については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
地上局220の指向性アンテナ223〜226は、一定方向に対して電波を送受信するためのアンテナであり、指向性アンテナ223は、実施の形態2の指向性アンテナ212と同様にその地上局220が設けられる駅のホーム500の長手方向における一端部に、図10に示すように高速移動体110の指向性アンテナ114に対向する向きに設けられている。また、指向性アンテナ224は、図10に示すように指向性アンテナ223と背中合う位置に、指向性アンテナ223と反対向き(高速移動体110の指向性アンテナ115に対向する向き)に設けられている。
また、指向性アンテナ226は、駅のホーム500の長手方向における指向性アンテナ223とは反対側の端部に高速移動体110の指向性アンテナ115に対向する向きに設けられている。また、指向性アンテナ225は、図10に示すように指向性アンテナ226と背中合う位置に、指向性アンテナ226と反対向き(高速移動体110の指向性アンテナ114に対向する向き)に設けられている。
第1通信部221は、指向性アンテナ223を介して第1の周波数f1の電波、および指向性アンテナ224を介して第2の周波数f2の電波により、送信タイミングを示す制御データを所定の時間間隔で送信する。また、第1通信部221は、第1の周波数f1の電波により高速移動体110から送信された画像データを指向性アンテナ223を介して、第2の周波数f2の電波により高速移動体110から送信された画像データを指向性アンテナ224を介して受信し、それぞれの画像データをネットワーク400を介してコントロールセンター300へ送信する。
一方、第2通信部222は、指向性アンテナ225を介して第1の周波数f1の電波、および指向性アンテナ226を介して第2の周波数f2の電波により、送信タイミングを示す制御データを所定の時間間隔で送信する。また、第2通信部222は、第1の周波数f1の電波により高速移動体110から送信された画像データを指向性アンテナ225を介して、第2の周波数f2の電波により高速移動体110から送信された画像データを指向性アンテナ226を介して受信し、それぞれの画像データをネットワーク400を介してコントロールセンター300へ送信する。
また、第1通信部221および第2通信部222は、同期をとって第1の周波数f1の電波で送信する制御データを交互に出力している。また同様に、第1通信部221および第2通信部222は、同期をとって第2の周波数f2の電波で送信する制御データを交互に出力している。
このように構成された高速移動体の無線伝送システムでは、第1の周波数f1の電波に関しては、駅に入線中は図10に示すように指向性アンテナ223を介して通信が行われ、駅の外では指向性アンテナ225を介して通信が行われる。一方、第2の周波数f2の電波に関しては、駅に入線中は指向性アンテナ226を介して通信が行われ、駅の外では指向性アンテナ224を介して通信が行われる。
以上のように、地上局220が第1の周波数f1の電波に対応する指向性アンテナを2つ、第2の周波数f2の電波に対応する指向性アンテナを2つ備えているので、例えば駅に入線中の高速移動体が障害物となって走行中の高速移動体との通信ができないというような状況を回避することができる。また、例えば図10に示すように駅のホーム500に電波干渉源Rが存在したとしても、指向性アンテナ224は指向性を有しているため影響を受けにくく、高速移動体110と地上局220とにおいて安定した通信を行うことができる。
(実施の形態4)
本実施の形態4では実施の形態2において説明した高速移動体の無線伝送システムにおいて、高速移動体110がさらに指向性アンテナを追加して備え、4種類の周波数の電波を使用する場合について説明する。
図11は本発明の実施の形態4に係る高速移動体の無線伝送システムのシステム構成を示す概略図であり、図12はこの高速移動体の無線伝送システムの各構成要素の内部構成を示すブロック図である。この高速移動体の無線伝送システムにおいては、高速移動体120は、図12に示すように実施の形態2の構成に加えて第3通信部121、第4通信部122、および指向性アンテナ123、124を備えている。なお、実施の形態2と同様の部分については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
高速移動体120の指向性アンテナ123、124は、指向性アンテナ114、115と同様に一定方向に対して電波を送受信するためのアンテナであり、指向性アンテナ123は、図11(b)に示すように高速移動体120の移動方向の一端部に指向性アンテナ114と並ぶように外側向きに設けられている。一方、指向性アンテナ124は、高速移動体120の移動方向で指向性アンテナ123とは反対側の端部に指向性アンテナ115と並ぶように外側向きに設けられている。
高速移動体120の第3通信部121は、指向性アンテナ123を介して第3の周波数f3の電波により地上局230から制御データを受信した際に、撮影部103が撮影した画像データを第3の周波数f3の電波により送信する。第4通信部122は、指向性アンテナ124を介して第4の周波数f4の電波により地上局230から制御データを受信した際に、撮影部103が撮影した画像データを第4の周波数f4の電波により送信する。
図11に示すように、地上局230a、230c…は、指向性アンテナ232a、232c…を介して第1の周波数f1の電波、および指向性アンテナ233a、233c…を介して第4の周波数f4の電波による通信を行っている。また、上局230b、230d…は、指向性アンテナ232b、232d…を介して第3の周波数f3の電波、および指向性アンテナ233b、233d…を介して第2の周波数f2の電波による通信を行っている。
このように構成された高速移動体の無線伝送システムでは、第1の周波数f1〜第4の周波数f4の電波の送受信可能範囲は、図11に示すように地上局230が設けられる駅、および隣り合う駅の中間付近において一部オーバーラップするようになっている。よって、高速移動体120は、その位置により第1の周波数f1の電波だけによる送受信、第2の周波数f2の電波だけによる送受信、第3の周波数f3の電波だけによる送受信、第4の周波数f4の電波だけによる送受信、第1の周波数f1および第2の周波数f2の電波両方による送受信、第2の周波数f2および第3の周波数f3の電波両方による送受信、第3の周波数f3および第4の周波数f4の電波両方による送受信、第1の周波数f1および第4の周波数f4の電波両方による送受信のいずれかを行うことになる。
例えば、図11に示すエリア30a、30iにおいては、高速移動体120は第4の周波数f4の電波だけによる送受信を行うことになる。また、エリア30c、30kにおいては、高速移動体120は第1の周波数f1の電波だけによる送受信を行うことになる。また、エリア30eにおいては、高速移動体120は第2の周波数f2の電波だけ、エリア30gにおいては、高速移動体120は第3の周波数f3の電波だけによる送受信を行うことになる。また、エリア30b、30jにおいては、高速移動体120は第1の周波数f1および第4の周波数f4の電波両方による送受信を行うことになる。エリア30dにおいては、高速移動体120は第1の周波数f1および第2の周波数f2の電波両方、30fにおいては、高速移動体120は第2の周波数f2および第3の周波数f3の電波両方、30hにおいては、高速移動体120は第3の周波数f3および第4の周波数f4の電波両方による送受信を行うことになる。
以上のように、4種類の周波数の電波を使用して、隣り合う地上局230で異なる周波数を用いているので、例えば隣り合う地上局230で同じ周波数となる2種類の周波数の電波を使用する場合のように、設置状況によって電波は届きすぎて隣の地上局230の電波が妨害となるのを防止することができる。
なお、本実施の形態では、高速移動体120は、第3の周波数f3の電波に対応する指向性アンテナ123と第3通信部121、および第4の周波数f4の電波に対応する指向性アンテナ124と第4通信部122を備える構成としているが、これに限られるものではない。例えば、第1通信部101を、電波の受信状況によって周波数を切り替えて、指向性アンテナ114を介して第1の周波数f1または第3の周波数f3の電波により地上局210から制御データを受信した際に、撮影部103が撮影した画像データをそれぞれ第1の周波数f1または第3の周波数f3の電波により送信する構成とする。また、第2通信部102を、電波の受信状況によって周波数を切り替えて、指向性アンテナ115を介して第2の周波数f2または第4の周波数f4の電波により地上局210から制御データを受信した際に、撮影部103が撮影した画像データをそれぞれ第2の周波数f2または第4の周波数f4の電波により送信する構成としても構わない。
この場合、例えば図11に示すように第1の周波数f1の電波を受信できるエリア30dから第1の周波数f1の電波を受信できないエリア30eに移動した際に、第1通信部101が、指向性アンテナ114を介して受信する周波数を第1の周波数f1から第3の周波数f3の電波に切り替えればよい。この時点において、高速移動体120と地上局230との通信は、第2の周波数f2の電波によって行われており、周波数を第1の周波数f1から第3の周波数f3の電波への切り替えによる影響はない。
(実施の形態5)
本実施の形態5では実施の形態4において説明した高速移動体の無線伝送システムにおいて、高速移動体120の構成を1ユニットとして複数ユニットを接続する場合について説明する。
図13は本発明の実施の形態5に係る高速移動体の無線伝送システムのシステム構成を示す概略図であり、図14はこの高速移動体の無線伝送システムの高速移動体の内部構成を示すブロック図である。この高速移動体の無線伝送システムにおいては、高速移動体130は実施の形態4の高速移動体120の構成を1ユニットとして2ユニットを接続している。例えば、図13(b)に示すように1ユニットが2車両により構成され、2ユニットが接続されると、高速移動体130は4車両により構成されることになる。なお、実施の形態4と同様の部分については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
高速移動体130のユニット130aは、図14に示すように実施の形態4の高速移動体120と同様に第1通信部101a、第2通信部102a、第3通信部121a、第4通信部122a、指向性アンテナ114a、115a、123a、124a、および切替部131aを備えている。同様に、ユニット130bは、第1通信部101b、第2通信部102b、第3通信部121b、第4通信部122b、指向性アンテナ114b、115b、123b、124b、および切替部131bを備えている。
ここで、ユニットが2つ接続された状態における両端部に備えられているユニット130aの指向性アンテナ114a、123aおよびユニット130bの指向性アンテナ115b、124bは、高速移動体130と地上局230との通信に使用し、実施の形態4と同様に動作する。
一方、ユニット130aとユニット130bとが接続される側の端部に備えられているユニット130aの指向性アンテナ115a、124aおよびユニット130bの指向性アンテナ114b、123bは、ユニット130a、130b間の通信に使用する。ここで、本実施の形態では、ユニット間の通信に使用する電波の周波数は、上り線(図13上で右方向)に第2の周波数f2および第4の周波数f4が、下り線(図13上で左方向)に第1の周波数f1および第3の周波数f3があらかじめ割り当てられているものとする。
この場合、高速移動体130(上り線とする)のユニット130aでは、実施の形態4と同様に第2通信部102aが指向性アンテナ115aを用いて第2の周波数f2の電波を、第4通信部122aが指向性アンテナ124aを用いて第4の周波数f4の電波を送信することになる。一方、ユニット130bでは、第1通信部101bが指向性アンテナ114bを用いて第2の周波数f2の電波を、第3通信部121bが指向性アンテナ123bを用いて第4の周波数f4の電波を送信することになる。なお、ユニット間の通信を行うユニット130aの第2通信部102aまたは第4通信部122aと、ユニット130bの第1通信部101bまたは第3通信部121bとは、送信出力を減衰させて電波を送信する。
切替部131a、131bは、地上局との通信に使用されている電波の周波数に基づいて、ユニット間の通信に使用する電波の周波数を割り当てられている第2の周波数f2および第4の周波数f4から選択する。また、切替部131aは、選択した周波数に対応する第2通信部102aまたは第4通信部122aのいずれかを選択し、選択した側にユニット間の通信を行うように指示する。一方、切替部131bは、選択した周波数に対応する第1通信部101bまたは第3通信部121bのいずれかを選択し、選択した側にユニット間の通信を行うように指示する。
さらに、切替部131a、131bは、地上局との通信に使用されている電波の周波数の変更に応じて、再度ユニット間の通信に使用する電波の周波数を選択し、選択した周波数に対応する通信部に対してユニット間の通信を行うように指示する。
図15は高速移動体130の位置(図11上の位置)と、高速移動体130と地上局230との通信に使用する電波の周波数、およびユニット間の通信に使用する電波の周波数(上り線および下り線)との対応関係を示す説明図である。上り線の場合、高速移動体130は、図15に示すようにエリア30bからエリア30cへ、およびエリア30jからエリア30kへ移動する際に、ユニット間の通信に使用する電波の周波数を第2の周波数f2から第4の周波数f4へ変更する。また、エリア30fからエリア30gへ移動する際に、ユニット間の通信に使用する電波の周波数を第4の周波数f4から第2の周波数f2へ変更する。
一方、下り線の場合、高速移動体130は、図15に示すようにエリア30jからエリア30hへ、およびエリア30bからエリア30aへ移動する際に、ユニット間の通信に使用する電波の周波数を第3の周波数f3から第1の周波数f1へ変更する。また、エリア30fからエリア30eへ移動する際に、ユニット間の通信に使用する電波の周波数を第1の周波数f1から第3の周波数f3へ変更する。
以上のように、高速移動体130が複数のユニットで構成されている場合に、高速移動体130と地上局230との通信に使用していない周波数の電波および通信部をユニット間の通信に使用することにより、例えば有線等の伝送装置を別途設けることなく、ユニット間の伝送を行うことができる。また、上り線および下り線において、ユニット間の通信に使用可能な電波の周波数をあらかじめ決めることによって、例えば上り線および下り線で高速移動体130が並んで停車することがあっても、ユニット間の通信に使用する電波の周波数が重ならないようにすることができる。
(実施の形態6)
ところで、高速移動体から送信された電波の地上局での受信状態は、高速移動体から距離や、地下鉄の場合ではカーブの有無や壁面構造等のトンネル構造等の条件によって変化する。例えば、地上局で高速移動体からの電波が届きすぎる場合には、その次の地上局への妨害となる可能性が生じる。また、例えば、地上局で高速移動体からの電波が届かない場合には、通信不良が発生する。
そこで、本実施の形態6では実施の形態2において説明した高速移動体の無線伝送システムにおいて、高速移動体から送信する電波の特性を高速移動体の位置に応じて変化させる場合について説明する。
図16は本発明の実施の形態6に係る高速移動体の無線伝送システムの高速移動体の内部構成を示すブロック図である。この高速移動体の無線伝送システムにおいては、高速移動体140は、図16に示すように実施の形態2の構成に加えて位置検出部141、制御部142、第1可変減衰部143、および第2可変減衰部144を備えている。なお、実施の形態2と同様の部分については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。また、本実施の形態6おけるシステム構成、地上局およびコントロールセンターの構成は、実施の形態2と同様である。
位置検出部141は、高速移動体140が現在走行している位置を検出する。この走行位置の検出方法としては、例えば車輪の回転数により距離をカウント(駅でリセット)したり、速度を積分することによって距離を算出したりすることができる。なお、この走行位置の検出方法については、これらの方法に限られるものではなく、これら以外の方法であっても構わない。
制御部142は、例えば図17に示すような走行位置における電波強度を示す特性テーブルを有し、位置検出部141よって検出された駅(地上局)からの距離により、第1通信部101が送信する第1の周波数f1の電波、および第2通信部102が送信する第2の周波数f2の電波の出力強度をそれぞれ決定する。また、制御部142は、決定した出力強度に調整するように第1可変減衰部143および第2可変減衰部144に対して指示する。なお、特性テーブルは、例えば地下鉄の場合ではカーブの有無や壁面構造等のトンネル構造等の条件によってあらかじめ設定される。また、図17に示す特性テーブルでは、電波の出力強度を1〜10の10段階で示しているが、これに限られるものではない。
第1可変減衰部143は、制御部142からの指示により第1通信部101が送信する第1の周波数f1の電波の出力強度を調整する。第2可変減衰部144は、制御部142からの指示により第2通信部102が送信する第2の周波数f2の電波の出力強度を調整する。
次に、上記のように構成された高速移動体140で電波の出力強度を決定する際の動作について説明する。図18は高速移動体140で電波の出力強度を決定する際の動作を示すフローチャートである。
位置検出部141は、あらかじめ設定された所定の時間毎に高速移動体140が現在走行している位置を検出し、制御部142に通知する(ステップS301)。 制御部142は、特性テーブルを参照して、位置検出部141から通知された駅(地上局)からの距離により、第1通信部101が送信する第1の周波数f1の電波、および第2通信部102が送信する第2の周波数f2の電波の出力強度をそれぞれ決定する(ステップS302)。例えば、位置検出部141から通知された駅からの距離が250mであれば、第1通信部101が送信する第1の周波数f1の電波の出力強度は「4」で、第2通信部102が送信する第2の周波数f2の電波の出力強度は「8」と決定する。そして、制御部142は、決定した出力強度に調整するように第1可変減衰部143および第2可変減衰部144に対して指示する(ステップS303)。
第1可変減衰部143は、第1通信部101が送信する第1の周波数f1の電波の出力強度を制御部142で決定された出力強度に調整する。同様に、第2可変減衰部144は、第2通信部102が送信する第2の周波数f2の電波の出力強度を制御部142で決定された出力強度に調整する(ステップS304)。
以上のように、高速移動体140から送信する電波の出力強度を走行位置に応じて変化させているので、地上局での通信状態を最適に保つことができる。また、高速移動体140からの電波が届きすぎて他の地上局への妨害となることもない。
なお、本実施の形態では、高速移動体140から送信する電波の出力強度を走行位置に応じて変化させているが、これに限られるものではない。例えば、高速移動体140から送信する誤り訂正データの冗長度を走行位置に応じて変化させても構わない。
図19はこの場合の高速移動体の内部構成を示すブロック図である。この高速移動体150は、図19に示すように実施の形態2の構成に加えて位置検出部141、および制御部153を備えている。なお、上記と同様の部分については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
制御部153は、走行位置における誤り訂正データの冗長度を示す特性テーブルを有し、位置検出部141よって検出された駅(地上局)からの距離により、第1通信部101が送信するデータ、および第2通信部102が送信するデータに付加する誤り訂正データの冗長度をそれぞれ決定する。また、制御部153は、決定した冗長度の誤り訂正データを付加するように第1通信部151および第2通信部152に対して指示する。
第1通信部151および第2通信部152は、それぞれ制御部153から指示された冗長度の誤り訂正データを付加して送信するデータを生成する。
以上のように、高速移動体140から送信する誤り訂正データの冗長度を走行位置に応じて変化させているので、例えば電波が弱い場所では誤り訂正データの冗長度を大きくして誤り訂正を強化することができるので、地上局へ送信データを確実に送ることができる。
なお、本実施の形態では、高速移動体140から送信する電波の出力強度や誤り訂正データの冗長度等の特性を走行位置に応じて変化させているが、これに限られるものではない。例えば、高速移動体140において、地上局から受信する電波の強度を所定時間ごとに計測し、この電波の強度に応じて高速移動体140から送信する電波の出力強度や誤り訂正データの冗長度等の特性を変化させても構わない。
(実施の形態7)
ところで、地上局は、その地上局が対応する領域に高速移動体が存在していない時にも、電波を常に送信している。この場合、同じ周波数を利用する他の無線機器に妨害を与える可能性があり、電波の利用効率が悪いものとなる。
そこで、本実施の形態7では実施の形態2において説明した高速移動体の無線伝送システムにおいて、地上局から送信する電波の出力を高速移動体の位置に応じて行う場合について説明する。
図20は本発明の実施の形態7に係る高速移動体の無線伝送システムのコントロールセンターの内部構成を示すブロック図である。この高速移動体の無線伝送システムにおいては、コントロールセンター310は、図20示すように実施の形態1の構成に加えて位置検出部311、および制御部312を備えている。なお、実施の形態1と同様の部分については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。また、本実施の形態7おけるシステム構成、高速移動体および地上局の構成は、実施の形態2と同様である。
位置検出部311は、複数の高速移動体110が現在走行している位置をそれぞれ検出する。この走行位置の検出方法としては、例えば高速移動体110と地上局210との無線通信状況により高速移動体110の走行位置を検出したり、自動列車運転装置(ATO装置)等の車両運行システムから高速移動体110の走行位置を検出したりすることができる。なお、この走行位置の検出方法については、これらの方法に限られるものではなく、これら以外の方法であっても構わない。
制御部312は、それぞれの地上局210が対応する領域を管理しており、位置検出部311よって検出された複数の高速移動体110のそれぞれの走行位置により、それぞれの地上局210の通信部211に、第1の周波数f1の電波および第2の周波数f2の電波により、制御データを送信させるか否かを決定する。すなわち、制御部312は、高速移動体110が存在する領域に対応する地上局210の対応する周波数の電波は出力し、高速移動体110が存在しない領域に対応する地上局210の対応する周波数の電波は出力しないと決定する。
また、制御部312は、制御データを送信させると決定した地上局210に対して送信指示を、制御データを送信させないと決定した地上局210に対して不送信指示をそれぞれ行う。
次に、上記のように構成されたコントロールセンター310で制御データの送信を行う地上局210を決定する際の動作について説明する。図21はコントロールセンター310で制御データの送信を行う地上局210を決定する際の動作を示すフローチャートである。
位置検出部311は、複数の高速移動体110が現在走行している位置をそれぞれ検出し、制御部312に通知する(ステップS401)。次に、制御部312は、位置検出部311よって検出された複数の高速移動体110のそれぞれの走行位置により、それぞれの地上局210の通信部211に、第1の周波数f1の電波および第2の周波数f2の電波により、制御データを送信させるか否かを決定する(ステップS402)。例えば、図8(a)に示す位置に高速移動体110が存在する場合、地上局(BS1)210aは、第1の周波数f1の電波だけで、地上局(BS2)210bは、第2の周波数f2の電波だけで、地上局(BS3)210cは、第1の周波数f1および第2の周波数f2の電波で、制御データを送信するものと決定する。この場合、地上局(BS1)210aは第2の周波数f2の電波での出力、地上局(BS2)210bは第1の周波数f1の電波での出力は行われない。
なお、例えば図8(a)において地上局(BS3)210cのところに示す高速移動体110が存在しない場合には、地上局(BS3)210cは、第1の周波数f1および第2の周波数f2の電波どちらとも、制御データを送信しないものと決定され、第1の周波数f1および第2の周波数f2の電波での出力は行われない。
そして、制御部312は、上記のように決定した内容に従ってそれぞれの地上局210に対して出力の指示を行う(ステップS303)。
この出力指示を受けたそれぞれの地上局210の通信部211は、指示された電波により制御データを送信することになる。
以上のように、それぞれの地上局210から電波を送信するか否かの制御をコントロールセンター310が高速移動体110の位置に応じて行い、対応する領域に高速移動体が存在していない場合に地上局は電波を送信しないので、同じ周波数を利用する他の無線機器に妨害を与えることがなく、電波の利用効率を向上することができる。
(実施の形態8)
ところで、地上局や高速移動体の数が多くなると、各機器のパラメータの調整が煩雑になる。
そこで、本実施の形態8では実施の形態6において説明した高速移動体の無線伝送システムにおいて、高速移動体に設定される特性テーブルをコントロールセンターから設定する場合について説明する。
図22は本発明の実施の形態8に係る高速移動体の無線伝送システムのコントロールセンターの内部構成を示すブロック図である。この高速移動体の無線伝送システムにおいては、コントロールセンター320は、図22示すように実施の形態1の構成に加えて設定部321を備えている。なお、実施の形態1と同様の部分については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。また、本実施の形態8おけるシステム構成、高速移動体および地上局の構成は、実施の形態6と同様である。
設定部321は、高速移動体110の走行位置に対応した電波状態に基づいて決定された特性テーブルを高速移動体110へ、地上局における電波の出力強度等の通信パラメータを地上局へ送信し、それぞれ設定を行う。
以上のように、コントロールセンター320から高速移動体110への特性テーブルの設定、地上局への通信パラメータの設定を行っているので、初期設定時や、特性テーブルおよび通信パラメータの変更時のシステム調整を容易に行うことができる。また、このように初期設定時やシステム調整を遠隔操作で行うことができるので、例えば車庫のような現地の高速移動体まで行って初期設定時やシステム調整を行う必要がない。
なお、上記各実施の形態では、高速移動体から地上局を介してコントロールセンターへ画像データを送る場合について説明したが、これに限られるものではない。画像データだけでなく、例えば車両の故障情報や走行位置情報等のあらゆるデータに適用することも可能である。また、コントロールセンターから地上局を介して高速移動体へ、例えばニュースや天気予報等のデータを送る場合にも、適用することも可能である。この場合、高速移動体において通信状態のよい方のデータを選択して使用すればよい。また、コントロールセンターにおいて通信状態を判断し、通信状態のよい方の電波でデータを送信するようにしても構わない。
以上のように、本発明に係る高速移動体の無線伝送システムは、データ伝送時の高速なハンドオーバを実現し、データ伝送を確実に行うことができ、例えば鉄道や地下鉄等の高速移動体からデータを伝送するのに有用である。
図1は、本発明の実施の形態1に係る高速移動体の無線伝送システムのシステム構成を示す概略図である。 図2は、本発明の実施の形態1に係る高速移動体の無線伝送システムの各構成要素の内部構成を示すブロック図である。 図3は、本発明の実施の形態1に係る高速移動体の車両内を示す概略図である。 図4は、本発明の実施の形態1に係るアクセス制御方式の概念を示す模式図である。 図5は、本発明の実施の形態1に係る誤り訂正方式の概念を示す模式図である。 図6は、本発明の実施の形態1に係る高速移動体での動作を示すフローチャートである。 図7は、本発明の実施の形態1に係るコントロールセンターでの動作を示すフローチャートである。 図8は、本発明の実施の形態2に係る高速移動体の無線伝送システムのシステム構成を示す概略図であり、(a)全体構成、(b)高速移動体の車両構成、を示す概略図である。 図9は、本発明の実施の形態2に係る高速移動体の無線伝送システムの各構成要素の内部構成を示すブロック図である。 図10は、本発明の実施の形態3に係る高速移動体の無線伝送システムのシステム構成を示す概略図である。 図11は、本発明の実施の形態4に係る高速移動体の無線伝送システムのシステム構成を示す概略図であり、(a)全体構成、(b)高速移動体の車両構成、を示す概略図である。 図12は、本発明の実施の形態4に係る高速移動体の無線伝送システムの各構成要素の内部構成を示すブロック図である。 図13は、本発明の実施の形態5に係る高速移動体の無線伝送システムのシステム構成を示す概略図であり、(a)全体構成、(b)高速移動体の車両構成、を示す概略図である。 図14は、本発明の実施の形態5に係る高速移動体の無線伝送システムの各構成要素の内部構成を示すブロック図である。 図15は、本発明の実施の形態5に係る高速移動体の無線伝送システムにおける高速移動体の位置と、高速移動体と地上局との通信に使用する電波の周波数、およびユニット間の通信に使用する電波の周波数(上り線および下り線)との対応関係を示す説明図である。 図16は、本発明の実施の形態6に係る高速移動体の無線伝送システムの高速移動体の内部構成を示すブロック図である。 図17は、制御部が有する特性テーブルの一例を示す概略図である。 図18は、本発明の実施の形態6に係る高速移動体で電波の出力強度を決定する際の動作を示すフローチャートである。 図19は、本発明の実施の形態6に係る高速移動体の他の内部構成を示すブロック図である。 図20は、本発明の実施の形態7に係る高速移動体の無線伝送システムのコントロールセンターの内部構成を示すブロック図である。 図21は、本発明の実施の形態7に係るコントロールセンターで制御データの送信を行う地上局を決定する際の動作を示すフローチャートである。 図22は、本発明の実施の形態8に係る高速移動体の無線伝送システムのコントロールセンターの内部構成を示すブロック図である。

Claims (30)

  1. 高速移動体と前記高速移動体の状態を管理する制御局との間でデータを伝送する高速移動体の無線伝送システムであって、
    前記高速移動体の移動経路に沿って、
    第1の周波数の電波により前記高速移動体とデータを送受信するとともに、ネットワークを介して前記制御局とデータを送受信する第1の通信手段を有する第1の地上局と、
    第2の周波数の電波により前記高速移動体とデータを送受信するとともに、前記ネットワークを介して前記制御局とデータを送受信する第2の通信手段を有する第2の地上局とを交互に備え、
    前記高速移動体は、
    前記第1の周波数の電波によりデータを送受信する第1の通信手段と、
    前記第2の周波数の電波によりデータを送受信する第2の通信手段とを備え、
    前記制御局は、
    前記第1および第2の地上局と前記ネットワークを介して前記データを送受信する通信手段と、
    受信した前記データのうち同様の情報を有するデータが複数存在する場合、この複数のデータの中から1つのデータを選択する選択手段とを備える
    ことを特徴とする高速移動体の無線伝送システム。
  2. 前記第1の地上局の第1の通信手段は、送信タイミングを示す制御データを所定の時間間隔で第1の周波数の電波により送信するとともに、前記第1の周波数の電波により前記高速移動体から送信されたデータを受信し、このデータをネットワークを介して前記制御局へ送信し、
    前記第2の地上局の第2の通信手段は、送信タイミングを示す制御データを所定の時間間隔で第2の周波数の電波により送信するとともに、前記第2の周波数の電波により前記高速移動体から送信されたデータを受信し、このデータをネットワークを介して前記制御局へ送信し、
    前記高速移動体は、さらに、
    当該高速移動体の車両内を撮影する少なくとも1つの撮影手段を備え、
    前記第1の通信手段は、前記第1の周波数の電波により前記制御データを受信した際に、前記撮影手段が撮影した画像データを前記データとして前記第1の周波数の電波により送信し、
    前記第2の通信手段は、前記第2の周波数の電波により前記制御データを受信した際に、前記撮影手段が撮影した画像データを前記データとして前記第2の周波数の電波により送信し、
    前記制御局の前記選択手段は、前記画像データのうち同じ撮影手段で撮影され、かつ同時刻の画像データが複数存在する場合、この複数の画像データの中から1つの画像データを選択し、
    前記制御局は、さらに、
    前記受信された画像データまたは前記選択された画像データを、前記撮影手段単位で表示する表示手段を備える
    ことを特徴とする請求の範囲1記載の高速移動体の無線伝送システム。
  3. 前記撮影手段は、撮影した時間を示す時間情報を撮影した画像データに付加し、
    前記選択手段は、前記同じ撮影手段で撮影され、かつ同時刻の画像データであるか否かを前記時間情報に基づいて判断する
    ことを特徴とする請求の範囲2記載の高速移動体の無線伝送システム。
  4. 前記撮影手段は、さらに、当該撮影手段を特定するためのID情報を撮影した画像データに付加し、
    前記選択手段は、前記同じ撮影手段で撮影され、かつ同時刻の画像データであるか否かを前記ID情報および前記時間情報に基づいて判断する
    ことを特徴とする請求の範囲3記載の高速移動体の無線伝送システム。
  5. 前記撮影手段は、撮影した画像データの所定単位ごとにシーケンス番号を付加し、
    前記選択手段は、前記同じ撮影手段で撮影され、かつ同時刻の画像データであるか否かを前記シーケンス番号に基づいて判断する
    ことを特徴とする請求の範囲2記載の高速移動体の無線伝送システム。
  6. 前記撮影手段は、さらに、当該撮影手段を特定するためのID情報を撮影した画像データに付加し、
    前記選択手段は、前記同じ撮影手段で撮影され、かつ同時刻の画像データであるか否かを前記ID情報および前記シーケンス番号に基づいて判断する
    ことを特徴とする請求の範囲5記載の高速移動体の無線伝送システム。
  7. 前記制御局は、さらに、
    前記高速移動体に対して前記撮影手段を特定するためのID情報により前記撮影手段を指定して撮影を指示する指示手段を備え、
    前記制御局の前記通信手段は、前記ID情報を含む指示を前記ネットワークを介して前記第1および第2の地上局へ送信し、
    前記第1および第2の地上局の前記第1および第2の通信手段は、前記ID情報を前記制御データに付加して送信し、
    前記高速移動体の前記第1および第2の通信手段は、前記制御データに付加された前記ID情報に基づいて、前記送信する画像データを決定する
    ことを特徴とする請求の範囲2記載の高速移動体の無線伝送システム。
  8. 前記高速移動体の前記第1および第2の通信手段は、前記データに誤り訂正データを付加して送信し、
    前記第1および第2の地上局の前記第1および第2の通信手段は、前記誤り訂正データを用いて前記データの誤り訂正を行う
    ことを特徴とする請求の範囲1記載の高速移動体の無線伝送システム。
  9. 前記高速移動体の前記第1および第2の通信手段は、前記データを所定のサイズ単位で分散配置して送信し、
    前記第1および第2の地上局の前記第1および第2の通信手段は、前記分散配置された前記データを元の並びに再配置する
    ことを特徴とする請求の範囲1記載の高速移動体の無線伝送システム。
  10. 前記高速移動体は、さらに、
    前記高速移動体の走行位置を検出する位置検出手段と、
    検出された前記高速移動体の走行位置に基づいて、前記第1および第2の通信手段が前記データを送信する際の特性を制御する制御手段とを備える
    ことを特徴とする請求の範囲1記載の高速移動体の無線伝送システム。
  11. 前記高速移動体は、さらに、
    前記第1および第2の通信手段が送信する電波の出力強度を調整する可変減衰手段を備え、
    前記制御手段は、検出された前記高速移動体の位置に基づいて、前記第1および第2の通信手段が送信する電波の出力強度を決定し、決定した前記出力強度に調整するように可変減衰手段を制御する
    ことを特徴とする請求の範囲10記載の高速移動体の無線伝送システム。
  12. 前記制御手段は、検出された前記高速移動体の走行位置に基づいて、前記データに対する誤り訂正データの冗長度を決定し、決定した前記冗長度を前記高速移動体の前記第1および第2の通信手段に通知し、
    前記高速移動体の前記第1および第2の通信手段は、前記データに前記冗長度前記誤り訂正データを付加して送信し、
    前記第1および第2の地上局の前記第1および第2の通信手段は、前記誤り訂正データを用いて前記データの誤り訂正を行う
    ことを特徴とする請求の範囲10記載の高速移動体の無線伝送システム。
  13. 前記制御局は、さらに、
    前記高速移動体の走行位置と前記特性とを対応付ける特性テーブルを、前記高速移動体に送信する設定手段を備え、
    前記高速移動体の前記制御手段は、検出された前記高速移動体の走行位置および前記特性テーブルに基づいて、前記第1および第2の通信手段が前記データを送信する際の前記特性を制御する
    ことを特徴とする請求の範囲10記載の高速移動体の無線伝送システム。
  14. 前記高速移動体は、さらに、
    前記第1および第2の地上局から受信した電波の強度を計測する計測手段と、
    計測された前記電波の強度に基づいて、前記第1および第2の通信手段が前記データを送信する際の特性を制御する制御手段とを備える
    ことを特徴とする請求の範囲1記載の高速移動体の無線伝送システム。
  15. 前記制御局は、さらに、
    前記高速移動体の位置を検出する位置検出手段と、
    検出された前記高速移動体の位置に基づいて、前記制御データを送信するように前記第1および第2の地上局に送信指示する制御手段とを備え、
    前記第1および第2の地上局の前記第1および第2の通信手段は、前記制御局からの前記送信指示により前記制御データを送信する
    ことを特徴とする請求の範囲2記載の高速移動体の無線伝送システム。
  16. 前記高速移動体は、さらに、
    前記第1の通信手段に接続され、当該高速移動体の移動方向の一端部に外側向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第1の指向性アンテナと、
    前記第2の通信手段に接続され、当該高速移動体の移動方向の他端部に外側向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第2の指向性アンテナとを備え、
    前記第1および前記第2の地上局は、さらに、
    前記第1または前記第2の地上局が設けられる駅のホームの長手方向における一端部に前記高速移動体の第1の指向性アンテナに対向する向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第1の指向性アンテナと、
    前記第1または前記第2の地上局が設けられる駅のホームの長手方向における他端部に前記高速移動体の第2の指向性アンテナに対向する向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第2の指向性アンテナとを備え、
    前記第1の地上局の第1の通信手段および前記第2の地上局の前記第2の通信手段は、前記第1の指向性アンテナおよび前記第2の指向性アンテナに接続され、前記第1の指向性アンテナを介して前記第1の周波数の電波、および前記第2の指向性アンテナを介して前記第2の周波数の電波により、送信タイミングを示す制御データを所定の時間間隔で送信するとともに、前記第1の周波数の電波および前記第2の周波数の電波により前記高速移動体から送信されたデータを受信し、このデータを前記ネットワークを介して前記制御局へ送信する
    ことを特徴とする請求の範囲1記載の高速移動体の無線伝送システム。
  17. 前記高速移動体は、さらに、
    前記第1の通信手段に接続され、当該高速移動体の移動方向の一端部に外側向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第1の指向性アンテナと、
    前記第2の通信手段に接続され、当該高速移動体の移動方向の他端部に外側向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第2の指向性アンテナとを備え、
    前記第1および前記第2の地上局は、さらに、
    前記第1または前記第2の地上局が設けられる駅のホームの長手方向における一端部に前記高速移動体の第1の指向性アンテナに対向する向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第1の指向性アンテナと、
    前記第1または前記第2の地上局が設けられる駅のホームの長手方向における他端部に前記高速移動体の第2の指向性アンテナに対向する向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第2の指向性アンテナと、
    前記第1の指向性アンテナと背中合う位置に、前記高速移動体の第2の指向性アンテナに対向する向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第3の指向性アンテナと、
    前記第2の指向性アンテナと背中合う位置に、前記高速移動体の第1の指向性アンテナに対向する向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第4の指向性アンテナとを備え、
    前記第1の地上局の第1の通信手段および前記第2の地上局の前記第2の通信手段は、前記第1の指向性アンテナおよび前記第3の指向性アンテナに接続され、前記第1の指向性アンテナを介して前記第1の周波数の電波、および前記第3の指向性アンテナを介して前記第2の周波数の電波により、送信タイミングを示す制御データを所定の時間間隔で送信するとともに、前記第1の周波数の電波および前記第2の周波数の電波により前記高速移動体から送信されたデータを受信し、このデータを前記ネットワークを介して前記制御局へ送信し、
    前記第1および前記第2の地上局は、さらに、
    前記第2指向性アンテナおよび前記第4指向性アンテナに接続され、前記第2指向性アンテナを介して前記第2の周波数の電波、および前記第4指向性アンテナを介して前記第1の周波数の電波により、送信タイミングを示す制御データを前記第1または前記第2の通信手段が送信する前記制御データと交互に出力されるように前記第1または前記第2の通信手段と同期して前記所定の時間間隔で送信する第3の通信手段を備える
    ことを特徴とする請求の範囲1記載の高速移動体の無線伝送システム。
  18. 前記高速移動体は、さらに、
    前記第1の通信手段に接続され、当該高速移動体の移動方向の一端部に外側向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第1の指向性アンテナと、
    前記第2の通信手段に接続され、当該高速移動体の移動方向の他端部に外側向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第2の指向性アンテナとを備え、
    前記第1および前記第2の地上局は、さらに、
    前記第1または前記第2の地上局が設けられる駅のホームの長手方向における一端部に前記高速移動体の第1の指向性アンテナに対向する向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第1の指向性アンテナと、
    前記第1または前記第2の地上局が設けられる駅のホームの長手方向における他端部に前記高速移動体の第2の指向性アンテナに対向する向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第2の指向性アンテナとを備え、
    前記第1の地上局の第1の通信手段は、前記第1の指向性アンテナおよび前記第2の指向性アンテナに接続され、前記第1の指向性アンテナを介して前記第1の周波数の電波、および前記第2の指向性アンテナを介して第4の周波数の電波により、送信タイミングを示す制御データを所定の時間間隔で送信するとともに、前記第1の周波数の電波および前記第4の周波数の電波により前記高速移動体から送信されたデータを受信し、このデータを前記ネットワークを介して前記制御局へ送信し、
    前記第2の地上局の第2の通信手段は、前記第1の指向性アンテナおよび前記第2の指向性アンテナに接続され、前記第1の指向性アンテナを介して第3の周波数の電波、および前記第2の指向性アンテナを介して前記第2の周波数の電波により、送信タイミングを示す制御データを所定の時間間隔で送信するとともに、前記第3の周波数の電波および前記第2の周波数の電波により前記高速移動体から送信されたデータを受信し、このデータを前記ネットワークを介して前記制御局へ送信し、
    前記高速移動体の前記第1の通信手段は、前記第1または前記第3の周波数の電波により前記制御データを受信した際に、前記データを対応する前記第1または前記第3の周波数の電波により送信し、
    前記高速移動体の前記第2の通信手段は、前記第4または前記第2の周波数の電波により前記制御データを受信した際に、前記データを対応する前記第4または前記第2の周波数の電波により送信する
    ことを特徴とする請求の範囲1記載の高速移動体の無線伝送システム。
  19. 前記高速移動体は、さらに、
    第3の周波数の電波により前記制御データを受信した際に、前記データを前記第3の周波数の電波により送信する第3の通信手段と、
    第4の周波数の電波により前記制御データを受信した際に、前記データを前記第4の周波数の電波により送信する第4の通信手段と、
    当該高速移動体の移動方向の一端部に外側向きに、一定方向に対して電波を送受信するための、前記第1の通信手段に接続される第1の指向性アンテナおよび前記第3の通信手段に接続される第3の指向性アンテナと、
    当該高速移動体の移動方向の他端部に外側向きに、一定方向に対して電波を送受信するための、前記第2の通信手段に接続される第2の指向性アンテナおよび前記第4の通信手段に接続される第4の指向性アンテナとを備え、
    前記第1および前記第2の地上局は、さらに、
    前記第1または前記第2の地上局が設けられる駅のホームの長手方向における一端部に前記高速移動体の第1の指向性アンテナに対向する向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第1の指向性アンテナと、
    前記第1または前記第2の地上局が設けられる駅のホームの長手方向における他端部に前記高速移動体の第2の指向性アンテナに対向する向きに、一定方向に対して電波を送受信するための第2の指向性アンテナとを備え、
    前記第1の地上局の第1の通信手段は、前記第1の指向性アンテナおよび前記第2の指向性アンテナに接続され、前記第1の指向性アンテナを介して前記第1の周波数の電波、および前記第2の指向性アンテナを介して前記第4の周波数の電波により、送信タイミングを示す制御データを所定の時間間隔で送信するとともに、前記第1の周波数の電波および前記第4の周波数の電波により前記高速移動体から送信されたデータを受信し、このデータを前記ネットワークを介して前記制御局へ送信し、
    前記第2の地上局の第2の通信手段は、前記第1の指向性アンテナおよび前記第2の指向性アンテナに接続され、前記第1の指向性アンテナを介して前記第3の周波数の電波、および前記第2の指向性アンテナを介して前記第2の周波数の電波により、送信タイミングを示す制御データを所定の時間間隔で送信するとともに、前記第3の周波数の電波および前記第2の周波数の電波により前記高速移動体から送信されたデータを受信し、このデータを前記ネットワークを介して前記制御局へ送信する
    ことを特徴とする請求の範囲1記載の高速移動体の無線伝送システム。
  20. 前記高速移動体は、前記第1の指向性アンテナ、前記第2の指向性アンテナ、前記第3の指向性アンテナ、前記第4の指向性アンテナ、前記第1の通信手段、前記第2の通信手段、前記第3の通信手段、および前記第4の通信手段を備えるユニットが複数接続され、
    前記ユニット同士が接続される側の端部に備えられた前記指向性アンテナは、前記ユニット間の通信に使用し、
    前記ユニットが複数接続された状態における両端部に備えられた前記指向性アンテナは、前記第1および前記第2の地上局との通信に使用する
    ことを特徴とする請求の範囲19記載の高速移動体の無線伝送システム。
  21. 前記第1および前記第2の地上局との通信に使用されている電波の周波数に基づいて、前記ユニット間の通信に使用する電波の周波数を前記第1〜第4の周波数の中から選択するとともに、前記ユニット間の通信に使用する通信手段を前記第1〜第4の通信手段の中から選択する切替手段を備え、
    前記選択された通信手段は、前記選択された周波数の電波を用いて前記ユニット間の通信を行う
    ことを特徴とする請求の範囲20記載の高速移動体の無線伝送システム。
  22. 前記切替手段は、前記第1および前記第2の地上局との通信に使用されている電波の周波数の変更に応じて、前記ユニット間の通信に使用する電波の周波数および通信手段の選択を行い、この選択された周波数および通信手段への切り替えを行う
    ことを特徴とする請求の範囲21記載の高速移動体の無線伝送システム。
  23. 前記選択された通信手段は、前記電波の送信出力を減衰させる
    ことを特徴とする請求の範囲21記載の高速移動体の無線伝送システム。
  24. 前記ユニット間の通信に使用する電波の周波数が、上下線それぞれに前記第1〜第4の周波数の中から2つの周波数があらかじめ割り当てられ、
    前記第1および前記第2の地上局との通信に使用されている電波の周波数に基づいて、前記ユニット間の通信に使用する電波の周波数を前記割り当てられた周波数の中から選択するとともに、前記ユニット間の通信に使用する通信手段を前記第1〜第4の通信手段の中から選択する切替手段を備え、
    前記選択された通信手段は、前記選択された周波数の電波を用いて前記ユニット間の通信を行う
    ことを特徴とする請求の範囲20記載の高速移動体の無線伝送システム。
  25. 当該高速移動体の車両内を撮影する少なくとも1つの撮影手段と、
    当該高速移動体の移動経路に沿って複数設けられる地上局から第1の周波数の電波により送信タイミングを示す制御データを受信した際に、前記撮影手段が撮影した画像データを前記第1の周波数の電波により送信する第1の通信手段と、
    前記地上局から第2の周波数の電波により前記制御データを受信した際に、前記撮影手段が撮影した画像データを前記第2の周波数の電波により送信する第2の通信手段とを備える
    ことを特徴とする高速移動体。
  26. 高速移動体と前記高速移動体の状態を管理する制御局との間で伝送されるデータを中継する地上局であって、
    前記高速移動体の移動経路に沿って、
    第1の周波数の電波により前記高速移動体とデータを送受信するとともに、ネットワークを介して前記制御局とデータを送受信する第1の通信手段を有する第1の地上局と、
    第2の周波数の電波により前記高速移動体とデータを送受信するとともに、前記ネットワークを介して前記制御局とデータを送受信する第2の通信手段を有する第2の地上局とを交互に備える
    ことを特徴とする地上局。
  27. 高速移動体の状態を管理する制御局であって、
    前記高速移動体の移動経路に沿って複数設けられる地上局を介して前記高速移動体とデータを送受信する通信手段と、
    受信した前記データのうち同様の情報を有するデー夕が複数存在する場合、この複数のデータの中から1つのデータを選択する選択手段とを備える
    ことを特徴とする制御局。
  28. 高速移動体と前記高速移動体の状態を管理する制御局との間で、前記高速移動体の移動経路に沿って交互に設けられる第1の地上局および第2の地上局を介してデータを伝送する高速移動体の無線伝送方法であって、
    前記第1の地上局においては、
    第1の周波数の電波により前記高速移動体とデータを送受信するとともに、ネットワークを介して前記制御局とデータを送受信する第1の通信ステップを含み、
    前記第2の地上局においては、
    第2の周波数の電波により前記高速移動体とデータを送受信するとともに、前記ネットワークを介して前記制御局とデータを送受信する第2の通信ステップを含み、
    前記高速移動体においては、
    前記第1の周波数の電波によりデータを送受信する第1の通信ステップと、
    前記第2の周波数の電波によりデータを送受信する第2の通信ステップとを含み、
    前記制御局においては、
    前記第1および第2の地上局と前記ネットワークを介して前記データを送受信する通信ステップと、
    受信した前記データのうち同様の情報を有するデータが複数存在する場合、この複数のデータの中から1つのデータを選択する選択ステップとを含む
    ことを特徴とする高速移動体の無線伝送方法。
  29. 高速移動体と送受信可能な無線エリアを構築する無線エリアの構築方法であって、
    前記高速移動体の移動経路に沿って、第1の周波数の電波により送受信可能な第1の無線エリアと、第2の周波数の電波により送受信可能な第2の無線エリアとを、互いに一部エリアが重なるように交互に配置する
    ことを特徴とする無線エリアの構築方法。
  30. 高速移動体と前記高速移動体の状態を管理する制御局との間で、前記高速移動体の移動経路に沿って交互に設けられる第1の地上局および第2の地上局を介してデータを伝送するためのプログラムであって、
    前記第1の地上局においては、
    第1の周波数の電波により前記高速移動体とデータを送受信するとともに、ネットワークを介して前記制御局とデータを送受信する第1の通信ステップを、
    前記第2の地上局においては、
    第2の周波数の電波により前記高速移動体とデータを送受信するとともに、前記ネットワークを介して前記制御局とデータを送受信する第2の通信ステップを、
    前記高速移動体においては、
    前記第1の周波数の電波によりデータを送受信する第1の通信ステップと、
    前記第2の周波数の電波によりデータを送受信する第2の通信ステップとを、
    前記制御局においては、
    前記第1および第2の地上局と前記ネットワークを介して前記データを送受信する通信ステップと、
    受信した前記データのうちデータが複数存在する場合、この複数のデータの中から1つのデータを選択する選択ステップと
    をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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