JPWO2005002009A1 - 増幅媒体性能シミュレーションの装置および方法並びに光増幅器 - Google Patents
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Abstract
Description
近年のインターネットの急速な普及に伴うデータ通信トラフィックの急増を踏まえ、ネットワークの高速・大容量化のための技術である波長多重伝送技術や、この波長多重伝送技術によって伝送される各々の波長を一つの通信パスに見立てたネットワークであるフォトニックネットワークに関する技術が注目されている。
本発明は、フォトニックネットワークを構築する際に適用される増幅媒体の性能のシミュレーションを行なう際に用いて好適の、増幅媒体性能シミュレーションの装置および方法に関し、更にこの装置で得られたシミュレーション結果をもとに構成された光増幅器に関するものである。
波長配置・波長数を大幅に変化することが想定されない従来の光ネットワークシステムに用いられる増幅媒体、例えばEDFA(Erbium Doped Fiber Amplifier)の波長特性は、単一バンド近似によって反転分布率のみに依存すると仮定できた(非特許文献1参照)。即ち、EDFAの増幅帯域全域を一つの単位として、反転分布率の値に応じて波長特性(利得スペクトラム)を近似して把握することができた。
具体的には、図24に示すように、EDFAの増幅帯域(図中入力信号光信号の波長1500nm〜1580nm)の全域にわたる波長特性としての相対利得係数分布のパターンを、反転分布率ごとに把握することができた。従って、Cバンド(Conventional Band)でのEDFAの波長平坦性は、反転分布率一定とする利得一定制御と、一定に制御された反転分布率に対応する相対利得係数分布に応じた利得等化制御とを組み合わせることで実現していた。
図25に、波長配置・波長数を大幅に変化することが想定されない従来の光ネットワークシステムに用いられる光中継器100の構成例を示す。この図25に示す光中継器100は、縦続接続された2段のEDFA増幅部101−1,101−2の間に光減衰器(VOA;Variable Optical Attenuator)102を挿入することによって構成されている。
また、各々のEDFA増幅部101−1,101−2は、ともに、分岐カプラ101a,101b,EDFA101c,フォトダイオード(PD;Photo Diode)101d,101eおよび制御回路101fをそなえて構成されている。これにより、各々のEDFA増幅部101−1,101−2においては、フォトダイオード101d,101eで入出力パワーをモニタし、制御回路101fにおける利得一定制御を受けてEDFA101cで増幅された光信号を出力するようになっている。
また、例えば図26に示すように、光中継器100の入力パワーが第1レベルから第2レベルに変化したときは、各EDFA増幅部101−1,101−2での利得を一定に保ちつつ、可変光減衰器102の損失量を調整することで、光中継器100の出力パワーを一定とするようにしている。
このとき、各EDFA増幅部101−1,101−2のEDFA101cの増幅特性を、単一バンドで近似できる光ネットワークであると仮定すれば、各EDFA103cの利得を一定に保持することから利得波長特性は常に一定となり、EDFA増幅部101−1,101−2の後段に損失特性が適当に設計された利得等化器を設けることによって、入力パワーによらず光中継器100の利得波長特性を平坦にすることができる。
つまり、従来の光中継器においては、波長配置・波長数を大幅に変化することが想定されない光ネットワークシステムに適用することを想定していたため、EDFA増幅部101−1,101−2後段に配置される利得等化器は、上述のごとき増幅媒体の波長特性を単一バンド近似することを前提として設計されていたのである。
しかしながら、近年要求されているような、波長配置・波長数が大幅に変化する光ネットワークにおいては、特に光波長が狭い帯域に集中する波長配置となった場合などでは、波長領域における局所的な利得飽和現象のスペクトラルホールバーニング(SHB;Spectral−Hole Burning)の影響による利得偏差が無視できなくなる。このSHBによる影響は、光ネットワーク中において想定される波長配置に従って異なってくるため、装置設計にあたっては予め想定される波長配置に応じたSHBに起因する利得偏差について解析しておく必要がある。
図27は、EDFAについてのSHBによる利得偏差特性を示している。1540nmの飽和信号(EDFAの利得が飽和する信号)を入力した飽和状態の利得波長特性Aと、飽和信号が入力していない非飽和状態の利得波長特性Bとを比較すると、飽和状態では、飽和信号波長周辺および1530nm周辺の利得が減少して(特性A,B間の利得差C参照)、ホールを形成していることが確認できる。
そして、この現象は、不均一拡がりを持った利得媒体の局所的な利得飽和現象によって発生する。従来の単一バンド近似では、この局所的な利得波長特性の変化は無視されている。
これに対し、SHBを考慮したEDFAモデルとして、不均一拡がりによって形成される準位間の吸収・発光過程および飽和過程をそれぞれ独立に扱ったモデル(非特許文献2参照)や、単一バンド近似によって得られた利得波長特性から別途測定結果から導出したSHBによる利得変動量を加えるモデルが報告されている(非特許文献3参照)。
また、本願発明に関連する技術として、以下に示す特許文献1および特許文献2に記載された技術もある。
しかしながら、非特許文献2に記載された技術では、利得偏差の解析のための計算式が非常に複雑であり、処理に時間がかかるという課題を持つ。また、非特許文献3に記載された技術では、信号波長周辺についてしか考慮されておらず1530nm周辺の利得変動をモデル化できないという課題を持っている。
また、増幅媒体の増幅特性を測定する手法としては、上述のごとく、数値計算によって計算する手法のほか、実際に構成された光増幅器から増幅特性を測定する手法(ハードウェアシミュレーション)がある。しかし、ハードウェアシミュレーションによっては、光中継器の広い動作条件全てについて測定を行なうのは時間や手間がかかるという課題もある。
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、簡略な近似計算式を導入することにより、短時間で且つ信号波周辺以外の利得変動をモデル化できるようにした、増幅媒体性能シミュレーションの装置および方法並びに光増幅器を提供することを目的とする。
C.R.Giles,et al.,"Modeling Erbium Doped Fiber Amplifiers,"IEEE J.of Lightwave Tchnol.,pp.271−283,vol.9,no.2,Feb,1991. E.Desurvire,"ERBIUM−DOPED FIBER AMPLIFIERS Principles and Applications,"John Wiley & Sons,Inc.,Chapter4,1994 T.Aizawa,et al,"Effect of Spectral−Hole Burning on Multi Channel EDFA Gain Profile,"OFC’99,WG1,1999
また、シミュレーション実行部は、増幅媒体中の長手方向座標の位置に応じた信号光パワーに基づく反転分布率を算出する反転分布率算出部と、該反転分布率算出部にて算出された前記反転分布率と、前記の基本データ保持部および入力信号光情報保持部にて保持された内容とを用いて、前記入力信号光の入力により該増幅媒体の始準位のイオン分布が波長領域において局所的に変動することによって生じうる反転分布率の変化量を、前記入力信号光の波長および該増幅媒体の長手方向位置の関数として算出する反転分布率変化量算出部と、該反転分布率変化量算出部にて算出された反転分布率の変化量と、前記の基本データ保持部および入力信号光情報保持部にて保持された内容と、を用いて定められた微分方程式から、該増幅媒体における信号光入力端から該増幅媒体中を伝搬する信号光についての光パワーの変化を、前記信号光入力端を起点として信号光出力端まで微小伝搬範囲を単位として算出してゆく信号光パワー変化算出部と、該入力信号光情報保持部にて保持された前記入力信号光のパワー値に、該信号光パワー変化算出部にて算出される前記微小伝搬範囲での光パワーの変化を、前記信号光入力端を起点として信号光出力端まで順次加算していくことにより、該増幅媒体中を伝搬する信号光の長手方向座標の位置に応じた信号光パワーを、前記入力信号光の入力による該増幅媒体における始準位のイオン分布の波長領域における局所的な変動分を含めて算出する信号光パワー算出部と、該信号光パワー算出部にて算出された、前記信号光出力端から出力される信号光のパワーの算出結果を、該増幅媒体の性能のシミュレーション結果として出力処理を行なう出力処理部をそなえて構成することができる。
さらに、好ましくは、該反転分布率変化量算出部においては、前記反転分布率の変化量を算出する関数として、少なくとも一つ以上のガウシアン関数を用いる。
また、該反転分布率変化量算出部が、該反転分布率の変化量を、利得飽和状態の第1波長帯を中心とする第1関数を演算する第1関数演算部と、該増幅媒体に特有の第2波長帯を中心とする関数からなる第2関数を演算する第2関数演算部と、該第1関数演算部および第2関数演算部からの算出結果について加算する加算部とをそなえて構成することとしてもよい。
また、好ましくは、該第1関数演算部で演算される該第1関数が、該入力信号光の波長に応じて与えられるガウシアン関数の総和により構成され、該第2関数演算部で演算される該第2関数が、複数のガウシアン関数の総和により構成することができる。
この場合においては、該第1関数をなす該入力信号光の波長に応じて与えられるガウシアン関数は、中心波長を該入力信号光の波長とし、半値全幅を該増幅媒体に応じた値として定められるとともに、該第2関数をなす各ガウシアン関数は、中心波長を該増幅媒体に特有の第2波長帯とし、半値全幅を該増幅媒体に応じた値として定められ、且つ、該第1関数および第2関数における各ガウシアン関数の半値全幅を、該基本データ保持部にて保持しておくようにすることができる。
さらに、前記の第1又は第2関数をなす各ガウシアン関数の深さは、前記入力信号光の総パワーの増加に伴って増加し、一定値以上で飽和する深さ関数で定義されるようにしてもよい。
この場合において、前記の第1関数をなす該入力信号光の波長に応じて与えられる各ガウシアン関数についての深さ関数を、該入力信号光の波長λiと、該入力信号光の波長λiについての該増幅媒体の長手方向座標zにおける光パワーPi(z)と、該増幅媒体の長手方向座標zにおける入力信号光の総パワーPtotal(z)とを変数とする関数で定義し、前記の第2関数をなす各ガウシアン関数についての深さ関数を、前記第2波長帯の波長λjと、該増幅媒体の長手方向座標zにおける、入力信号光の総パワーPtotal(z)および該増幅媒体の反転分布率n(z)とを変数とする関数で定義し、且つ、該第1および第2関数をなす各ガウシアン関数についての深さ関数を定める係数を、該基本データ保持部にて保持しておくようにすることができる。
また、該基本データ保持部を、該増幅媒体の基本データとして、少なくとも該増福媒体についての全長と、入力信号光波長についての関数式で表される利得係数g(λ),吸収係数α(λ)および損失l(λ)とともに、該増幅媒体における前記始準位のイオン分布の波長領域における局所的な変動を加味しない反転分布率n(z)を保持するように構成し、該信号光パワー変化算出部を、該信号光パワー算出部にて算出される該増幅媒体中を伝搬する信号光の長手方向座標の位置に応じた信号光パワーから前記反転分布率n(z)を計算するとともに、前記反転分布率n(z)と、該反転分布率変化量算出部にて算出された反転分布率の変化量Δn(λ,z)と、該基本データ保持部にて保持されている前記基本データとを用いた、該増幅媒体の長手方向に対して長さの微小単位ごとの光パワー変化
dP(z)/dz=
{(g(λ)+α(λ))(n(z)+Δn(λ,z))−(α(λ)+l(λ))}・P(z)
を用いることにより、該増幅媒体の長手方向座標zの位置を伝搬する信号光についての光パワーの微少変化を算出していくようにすることもできる。
また、好ましくは、シミュレーション実行部を、スペクトラルホールバーニングによって生じる信号光波長間の利得偏差を近似算出するように構成する。
さらに、本発明の増幅媒体性能シミュレーション方法は、励起光源からの励起光により励起されて、信号光を増幅する増幅媒体の性能のシミュレーションを行なう増幅媒体性能シミュレーション方法であって、前記信号光の入力により該増幅媒体の始準位のイオン分布が波長領域において局所的に変動することによって生じうる反転分布率の変化量を算出する反転分布率変化量算出ステップと、該反転分布率変化量算出ステップにて算出された反転分布率の変化量によって補正された補正後反転分布率に基づく該増幅媒体の伝搬方程式をもとに、該増幅媒体の信号光入力端から該増幅媒体中を伝搬する信号光についての光パワーの変化を、前記信号光入力端を起点として信号光出力端まで微小伝搬範囲を単位として算出してゆく光パワー変化算出ステップと、前記入力信号光のパワー値に、該光パワー変化算出ステップにて算出される前記微小伝搬範囲での光パワーの変化を、前記信号光入力端を起点として信号光出力端まで順次加算していくことにより、該増幅媒体中から出力される出力信号光パワーを、前記入力信号光の入力による該増幅媒体における始準位のイオン分布の波長領域における局所的な変動分を含めて算出する出力信号光パワー算出ステップと、該出力信号光パワー算出ステップにて算出された算出結果を該増幅媒体の性能のシミュレーション結果として出力処理を行なう出力処理ステップと、をそなえて構成されたことを特徴としている。
また、本発明の光増幅器は、励起光を出力する励起光源と、該励起光源からの励起光により励起されて、入力信号光を増幅する信号光増幅媒体と、該信号光増幅媒体から出力された出力信号光の利得を等化する利得等化器とをそなえ、該利得等化器の利得等化特性が、励起光源からの励起光により励起されて、信号光を増幅する増幅媒体の性能のシミュレーションを行なう増幅媒体性能シミュレーション装置であって、該増幅媒体についての基本データを保持する基本データ保持部と、前記シミュレーションの対象となる増幅媒体に入力すべき入力信号光に関する情報として、前記入力信号光の波長値および光パワー値について保持する入力信号光情報保持部と、前記の基本データ保持部および入力信号光情報保持部にて保持された内容を用いて、前記入力信号光の入力による該増幅媒体における始準位のイオン分布の波長領域における局所的な変動分を含めて、該増幅媒体中から出力される出力信号光パワーを信号光波長ごとに近似算出して、この算出結果を該増幅媒体の性能のシミュレーション結果として出力するシミュレーション実行部とをそなえて構成された増幅媒体性能シミュレーション装置から出力された前記シミュレーション結果に基づいて、前記入力信号光の入力による該増幅媒体における始準位のイオン分布の変動による利得偏差が補償されるように設計されていることを特徴している。
また、本発明の光増幅器は、励起光を出力する励起光源と、該励起光源からの励起光により励起されて、入力信号光を増幅する信号光増幅媒体と、該励起光源を制御する励起光源制御部とをそなえ、該励起光源制御部が、励起光源からの励起光により励起されて、信号光を増幅する増幅媒体の性能のシミュレーションを行なう増幅媒体性能シミュレーション装置であって、該増幅媒体についての基本データを保持する基本データ保持部と、前記シミュレーションの対象となる増幅媒体に入力すべき入力信号光に関する情報として、前記入力信号光の波長値および光パワー値について保持する入力信号光情報保持部と、前記の基本データ保持部および入力信号光情報保持部にて保持された内容を用いて、前記入力信号光の入力による該増幅媒体における始準位のイオン分布の波長領域における局所的な変動分を含めて、該増幅媒体中から出力される出力信号光パワーを信号光波長ごとに近似算出して、この算出結果を該増幅媒体の性能のシミュレーション結果として出力するシミュレーション実行部とをそなえて構成された増幅媒体性能シミュレーション装置から出力された前記シミュレーション結果に基づいて、前記入力信号光の入力による該増幅媒体における始準位のイオン分布の変動による利得偏差が補償されるように該励起光源を制御することを特徴としている。
この場合においては、該励起光源制御部を、前記入力信号光および出力信号光のパワーをモニタする第1パワーモニタと、該増幅媒体を伝搬する信号光の波長配置情報を取得する波長配置情報取得部と、該第1パワーモニタにてモニタされた前記入出力信号光のパワーから、利得が一定となるように、該励起光源を制御するための信号を出力する利得一定制御部と、該波長配置情報取得部にて取得された波長配置情報をもとに、前記スペクトルホールバーニングによる波長帯における利得偏差を減少させるように、該利得一定制御部における該励起光源に対する制御量を補正する補正部と、をそなえて構成してもよい。
また、該波長配置情報取得部を、該増幅媒体に入力または出力される信号光の波長配置をモニタするスペクトルアナライザにより構成したり、該信号光とともに伝送される制御信号光から、波長配置情報を取得するように構成したりすることができる。
また、励起光源制御部を、該増幅媒体性能シミュレーション装置により得られた前記シミュレーション結果をもとに分割された複数の帯域ごとに、前記の入力信号光および出力信号光のパワーをそれぞれ取得する第2パワーモニタと、該第2パワーモニタにて取得した各帯域の入力信号光および出力信号光のパワーをもとに、前記各帯域の平均利得が一致するように、該励起光源を制御するための信号を出力する平均利得一定制御部と、をそなえて構成することもできる。
このように、本発明の増幅媒体性能シミュレーションの装置および方法によれば、シミュレーション実行部において、簡略な近似計算式を導入することにより、短時間の処理で、増幅媒体の長手方向に対して長さの微小単位ごとに始準位の波長領域における局所的なイオン分布の変動によって生じる利得偏差を、信号波周辺以外での利得偏差を含んでシミュレーション結果として出力することができる利点がある。
また、本発明の光増幅器によれば、本発明の増幅媒体性能シミュレーション装置のシミュレーション実行部から短時間の処理で得られる高精度のシミュレーション結果に基づいて、増幅媒体における始準位の波長領域における局所的なイオン分布の変動による利得偏差が補償されるように、励起光源制御部で励起光源を制御したり、利得等化器を設計したりすることができるので、利得一定制御の安定度を飛躍的に高めることができる利点がある。
特に、信号光の波長配置がダイナミックに変動しうるフォトニックネットワークにおけるノードの構成要素となる光増幅器において、大幅な波長配置・波長数変化に対応して、増幅特性の安定化を図ることができる利点がある。
図2および図3はともに、本実施形態にかかる装置1における演算処理について説明するための図である。
図4は本発明の第1実施形態にかかる増幅媒体性能シミュレーション装置における動作を説明するためのフローチャートである。
図5〜図7はいずれも、第1実施形態にかかる増幅媒体性能シミュレーション装置によるシミュレーション結果と、実験により得られた測定値とを比較する図である。
図8は本発明の第2実施形態にかかる光増幅器を示すブロック図である。
図9は、図8に示すようなEDFAの後段に設けられる利得等化器による利得等化特性について説明するための図である。
図10は本発明の第3実施形態にかかる光増幅器を示すブロック図である。
図11は第3実施形態の変形例を示すブロック図である。
図12は第3実施形態にかかる光増幅器の動作を説明するためのフローチャートである。
図13〜図18はいずれも、第3実施形態にかかる光増幅器において、利得一定制御にSHBによる利得変動の補正を重畳したことによる作用効果を説明するための図である。
図19は本発明の第4実施形態にかかる光増幅器を示すブロック図である。
図20は本発明の第5実施形態にかかる光増幅器を示すブロック図である。
図21は本発明の第5実施形態にかかる光増幅器の動作を説明するためのフローチャートである。
図22,図23はともに、本発明の第5実施形態にかかる光増幅器による作用効果を説明するための図である。
図24は、EDFAの増幅帯域全域を一つの単位として、反転分布率の値に応じて波長特性(利得スペクトラム)を近似して把握する例を説明するための図である。
図25は、波長配置・波長数を大幅に変化することが想定されない従来の光ネットワークシステムに用いられる光中継器の構成例を示すブロック図である。
図26は、図25に示す可変光減衰器の損失量を調整することで、光中継器の出力パワーを一定とする例を説明するための図である。
図27は、EDFAについてのSHBによる利得偏差特性を示す図である。
(a)本発明の第1実施形態の説明
図1は本発明の第1実施形態にかかる増幅媒体性能シミュレーション装置1を示すブロック図であり、この図1に示す増幅媒体性能シミュレーション装置1は、信号光を増幅する増幅媒体の性能をシミュレーションするものであって、特に、フォトニックネットワークを構成する装置に適用される光増幅器における増幅媒体の出力パワー特性および利得特性の性能についてシミュレーションを実行することができるものである。
すなわち、波長配置・波長数が大幅に変化する光ネットワークに適用することを想定した光増幅器を設計する際に、この増幅媒体性能シミュレーション装置1で得られるシミュレーション結果により、評価対象となる増幅媒体についての利得波長特性を正確に把握することで、入出力パワー特性や利得等化器の特性を、利得平坦性を確保できるように設計することができるようになっている。
なお、増幅媒体性能シミュレーション装置1において、シミュレーションを実行する対象となる増幅媒体として、例えばEDFAを用いることができる。以下においては、増幅媒体としてEDFAを使用する場合について述べるが、これ以外の増幅媒体を使用することを妨げるものではない。
そして、第1実施形態における増幅媒体性能シミュレーション装置1においては、EDFAの基本データと入力信号光の情報を与えることによって、前述のSHBによって生じるEDFAの利得偏差特性についてシミュレートすることができるようになっている。以下においては、この増幅媒体性能シミュレーション装置1において、SHBによって生じるEDFAの利得偏差特性を算出する原理について説明する。
前述の図27に示したように、EDFAにおける利得飽和状態の波長レベルでの不均一拡がりの影響は、特に信号光波長と1530nm帯において強いことがわかる。本実施形態にかかる増幅媒体性能シミュレーション装置1においては、この不均一拡がりが特に強い帯域についての影響に着目して反転分布率の変化量を算出するようになっている。以下においては、信号光波長に発生する利得変動をメインホールとし、1530nm近辺に発生する利得変動をセカンドホールと呼ぶこととする。
図2および図3は、本実施形態にかかる装置1における演算処理について説明するための図である。ある波長におけるSHBによる利得変動は、その光波長に相当する遷移の始準位のEr3+イオン数が変化、即ち反転分布率が平均値から変化することによって起こる。
そこで、EDF50の長手方向についての座標zから微小部分Δz(図2参照)だけ信号光が伝搬した場合における、SHBによる利得変動を引き起こす反転分布率変化量をΔnSHBとすると、この微小部分Δzでの光パワーP(z+Δz)は、式(1)に示すようになる。この式(1)中において、nはEDF50の長手方向座標zにおける反転分布率、P(z)はEDF50の長手方向座標zにおける信号光パワー、G(n)は、反転分布率nの場合でのEDF50の利得を示している。
そして、EDF50の伝搬方程式は、式(2)に示すように表すことができる。尚、式(2)においては、反転分布率nを、EDF50の長手方向座標zに応じた関数値n(z)とし、ΔnSHBの値をEDF50の長手方向座標zとともに信号光波長λの関数として表記している。
ここで、式(2)中において、g(λ)はEDF50における利得係数、α(λ)は吸収係数、l(λ)は損失で、それぞれ信号光の波長λに応じた関数として予め与えられるものである。この式(2)から、EDF50の長手方向座標zにおける光パワーの微少変化量dP(z)/dzは、当該座標zにおける光パワーP(z)およびn(z)+ΔnSHBを得ることで求めることができる。尚、n(z)については、EDFAの長手方向座標zでの光パワーP(z)をもとに、公知の計算式によって得ることができる(前述の非特許文献1中の式(14)を参照)。
また、メインホールの原因となる信号光波長帯での反転分布率の変化と、セカンドホールの原因となる1530nm近辺での反転分布率の変化に着目することにより、式(2)におけるΔnSHB(λ,z)を、式(3)のように表すことができる。
上述の式(3)は、メインホールおよびセカンドホールに対応する反転分布率の変化を表すガウシアン関数を足し合わせた構成となっている。
また、メインホールに対応する反転分布率変化の項(後述の第1関数)は、信号光として伝送すべき信号光波長(チャンネル)ごとに1種類のガウシアン関数で表された反転分布率の変化分の総和によってモデル化されている。更に、セカンドホールに対応する反転分布率変化の項(後述の第2関数)は、信号光波長に依存しない複数(j個)のガウシアン関数の和によってモデル化している。
たとえば、信号光波長を1波長とした場合においては、図3に示すように、メインホールに対応する反転分布率の変化は、信号光波長(又は飽和信号波長)を中心波長とする単一のガウシアン関数G1として表すことができ、セカンドホールに対応する反転分布率の変化は1530nm帯の波長を中心波長とする2つのガウシアン関数G2,G3の足し合わせによって表すことができる。
ここで、式(3)において、第1項はメインホール、第2項はセカンドホールを表している。ここで、λiはチャンネルiの信号光波長、λjはセカンドホールのガウシアン関数の中心波長、Pi(z)は座標zの位置を伝播するチャンネルiの信号パワー、Ptotal(z)は座標zの位置を伝播する信号光の総パワー、BWiおよびBWjは各ガウシンアン関数の半値全幅である。
また、C(λi,Pi(z),Ptotal(z))はチャンネルiの信号光によって形成されるメインホールの深さを決定する深さ関数であり、Dj(λj,Ptotal(z),n(z))はセカンドホールの深さを決定する深さ関数であって、ともに座標zの位置を伝搬する信号光の総パワーの増加にともない深さが増加し、パワーが一定値以上で飽和する関数を用いることができる。
これらの関数C(λi,Pi(z),Ptotal(z)),Dj(λj,Ptotal(z),n(z))としては、例えばそれぞれ以下に示す式(4),(5)に示すように表すことができる。
上述の式(2)および(3)の関係から、信号光がEDF50に入力される時点でのパワー(Pi(0))をもとに、n(z)とともに式(3)におけるΔnSHB(λ,0)の値を計算し、計算されたΔnSHB(λ,0)を式(2)に用いることにより、EDF50の信号光入力端の微小部分Δzの位置を伝搬するときの光パワーの微少変化を算出することができる。
さらに、上述のごとく算出された光パワーの微少変化を、入力信号光パワー¥Pi(0)に加えて、位置Δzの位置を伝搬する信号光パワーPi(Δz)とすることができる。これにより、EDF50の長手方向座標z=Δzから微小部分Δzだけ更に信号光が伝搬した場合における光パワー変化についても、上述の場合と同様に計算することができる。
このようにして、上述したような計算を繰り返していくことで、EDF50の信号光入力端(z=0)から出力端(z=L)における長手方向座標zから微小部分Δzだけ更に信号光が伝搬した場合における光パワー変化を計算することができる。そして、信号光がEDF50の出力端位置から出力される時点での光パワーについても最終的に算出することができる。
すなわち、式(2)および(3)の演算処理によって、信号光波長ごとのEDF50による増幅後の光パワーを得ることができるので、入力信号光パワーと、上述のごとく算出される信号光波長ごとの光パワーとから、EDF50の信号光波長ごとに利得偏差利得特性を算出することができるのである。
ついで、本実施形態にかかる増幅媒体性能シミュレーション装置1において、EDFAの基本データと入力信号光の情報に基づき、上述のような原理に従って、SHBによって生じるEDFAの利得偏差特性についてシミュレートするための構成について説明を進める。
増幅媒体性能シミュレーション装置1は、図1に示すように、キーボード等からなる入力インタフェース(入力IF)10,ハードディスクまたはメモリからなる記憶部20,CPU(Central Processing Unit)等からなる演算処理部30およびディスプレイまたはプリンタ等からなる出力インタフェース40をそなえて構成されている。
これにより、増幅媒体性能シミュレーション装置1においては、入力インタフェース10を通じて、評価対象とするEDFAについての基本データとEDFAに入力すべき入力信号光に関する情報とを入力して、記憶部20でこれらの基本データおよび入力信号光情報を保持するとともに、記憶部20に記憶されたデータを用いた演算処理部30での演算処理を通じて、EDFAの性能のシミュレーション結果について算出し、出力インタフェース40を通じて出力するようになっている。
ここで、記憶部20は、特性評価の対象のEDFAについての基本データを保持する基本データ保持部21と、特性評価の対象となるEDFAに入力すべき入力信号光に関する情報としての入力信号光の波長値および光パワー値について保持する入力信号光情報保持部22と、をそなえている。
なお、上述の入力インタフェース10から入力され基本データ保持部21にて保持されるEDFAについての基本データとしては、例えば、特性評価の対象となるEDFAのファイバ長L,ファイバ径とともに、採用するEDFAによって特定される、上述の演算処理部30での演算処理において使用する係数,定数又は公知の関数情報等を含めることができる。
すなわち、上述の式(2)〜(5)における演算処理において用いられる利得係数g(λ),吸収係数α(λ),損失l(λ),反転分布率n(z)や、セカンドホールに対応する反転分布率のガウシアン関数式における中心波長λj,各ガウシアン関数の半値全幅BWi,BWj,各ガウシアン関数の深さ関数の係数c1〜c4,d1,d2,j,d3,jを、上述の基本データ保持部21においてEDF50の基本データとして保持しておくことができるようになっている。
また、増幅媒体性能シミュレーション装置1においては、EDFAに波長多重信号光を入力した場合にも対応して、SHBによる利得特性の変化を算出することができる。この場合においては、入力信号光情報保持部22において保持する入力信号光情報としては、波長多重された信号光をなす各波長データ,各波長の信号光のパワーおよび波長多重された入力信号光の総パワーについてのデータを保持しておく。
演算処理部30は、記憶部20に記憶されたプログラムを実行し実行結果について出力インタフェース40に出力するものであって、シミュレーション実行部31としての機能を有している。即ち、シミュレーション実行部31としての機能は、図示しない記憶媒体に記憶されたプログラムを記憶部20に展開して、このプログラムを演算処理部30で実行することにより実現することができる。
また、シミュレーション実行部31は、基本データ保持部21および入力信号光情報保持部22にて保持された内容を用いて、入力信号光の入力により評価対象とするEDFAの始準位のイオン分布の変動分を含めて、EDFAから出力される信号光パワーを信号光波長ごとに近似算出するものであり、この算出結果を、EDFAの性能のシミュレーション結果として出力するようになっている。
さらに、シミュレーション実行部31は、反転分布率変化量算出部31−1,信号光パワー変化算出部31−2,信号光パワー算出部31−3,補正前反転分布率算出部31−4および出力処理部31−5をそなえて構成されている。
ここで、反転分布率変化量算出部31−1は、後述の補正前反転分布率算出部31−4にて算出された反転分布率と、基本データ保持部21および入力信号光情報保持部22にて保持された内容とを用いて、入力信号光の入力によりEDF50の始準位のイオン分布が変動することによって生じうる反転分布率の変化量を算出するものである。
具体的には、反転分布率変化量算出部31−1においては、この反転分布率の変化量を、中心波長と幅を持つ山又は谷形の形状を有する少なくとも一つ以上の波長関数を用いた演算を通じ、入力信号光の波長およびEDF50の長手方向座標の関数として算出するようになっている。
また、信号光パワー変化算出部31−2は、反転分布率変化量算出部31−1にて算出された反転分布率の変化量と、基本データ保持部21および入力信号光情報保持部22にて保持された内容とを用いて定められた微分方程式とから、EDF50における信号光入力端からEDF50中を伝搬する信号光についての光パワーの変化を、信号光入力端を起点として信号光出力端まで微小伝搬範囲を単位として算出してゆくものである。
これにより、信号光パワー変化算出部31−2においては、基本データ保持部21および入力信号光情報保持部22にて保持されている内容を用いることにより、上述の式(2)における係数データないし定数データを取得して、EDF50の長手方向座標zの位置を伝搬する信号光についての光パワー変化を算出することができるようになっている。
また、反転分布率変化量算出部31−1においては、基本データ保持部21および入力信号光情報保持部22にて保持されている内容を用いることにより、上述の式(3)〜(5)における係数データないし定数データを取得して、上述の信号光パワー変化算出部31−2における計算で使用する反転分布率の変化量ΔnSHBを算出することができるようになっている。
すなわち、反転分布率変化量算出部31−1は、反転分布率の変化量を、利得飽和状態の第1波長帯(信号光波長帯)を中心とする第1関数としての式(3)の第1項を演算する第1関数演算部311と、EDFAに特有の第2波長帯(1530nm帯)を中心とする関数からなる第2関数としての式(3)の第2項を演算する第2関数演算部312と、第1関数演算部311および第2関数演算部312からの算出結果について加算する加算部313とをそなえて構成されている。
また、第1関数演算部311で演算される第1関数が、入力信号光の波長λiに応じて与えられるガウシアン関数の総和により構成され、第2関数演算部312で演算される第2関数が、複数の(式(3)においてはj個の)ガウシアン関数の総和により構成されている。
さらに、第1関数をなす入力信号光の波長に応じて与えられるガウシアン関数は、中心波長を入力信号光の波長λiとし、半値全幅BWiをEDFAに応じた値として定められるとともに、第2関数をなす各ガウシアン関数は、中心波長を増幅媒体に特有の第2波長帯(1530nm帯)とし、半値全幅BWjをEDFAに応じた値として定められ、且つ、第1関数および第2関数における各ガウシアン関数の半値全幅BWi,BWjを、基本データ保持部21にて保持しておくように構成されている。
また、第1関数をなす各ガウシアン関数の深さは、入力信号光の総パワーの増加に伴って増加し、一定値以上で飽和する深さ関数C(式(4)参照)で定義され、第2関数をなす各ガウシアン関数の深さについても、入力信号光の総パワーの増加に伴って増加し、一定値以上で飽和する深さ関数D(式(5)参照)で定義される。
すなわち、第1関数をなす入力信号光の波長に応じて与えられる各ガウシアン関数についての深さ関数は、前述の式(4)に示すように、入力信号光の波長λiと、入力信号光の波長λiについてのEDFAの長手方向座標zにおける光パワーPi(z)と、EDFAの長手方向座標zの位置を伝搬する信号光の総パワーPtotal(z)とを変数とする関数で定義される。
また、第2関数をなす各ガウシアン関数についての深さ関数は、前述の式(5)に示すように、第2波長帯の波長λjと、EDFAの長手方向座標zの位置を伝搬する信号光の総パワーPtotal(z)およびEDFAの反転分布率n(z)とを変数とする関数で定義される。
さらに、信号光パワー算出部31−3は、入力信号光情報保持部22にて保持された入力信号光のパワー値に、信号光パワー変化算出部31−2にて算出される微小伝搬範囲での光パワーの変化を、EDFAにおける信号光入力端を起点として信号光出力端まで順次加算していくことにより、EDFA中を伝搬する信号光の長手方向座標zの位置に応じた信号光パワーを、入力信号光の入力によるEDFAにおける始準位のイオン分布の変動分を含めて算出するものである。
補正前反転分布率算出部31−4は、光パワー変化を算出する際に用いる、EDFAにおける始準位のイオン分布の変動を加味しない反転分布率n(z)を補正前反転分布率として算出するものである。具体的には、上述の信号光パワー算出部31−3にて算出されるEDFA中を伝搬する信号光の長手方向座標の位置に応じた信号光パワーをもとに、基本データ保持部21にて保持されているn(z)の式を用いることにより算出するものである。
これにより、信号光パワー変化算出部31−2においては、補正前反転分布率算出部31−4において算出された反転分布率n(z)と、反転分布率変化量算出部31−1にて算出された反転分布率の変化量Δn(λ,z)と、基本データ保持部21にて保持されている前述の基本データとをもとにして、前述の式(2)を用いることにより、EDFAの長手方向に対して長さの微小単位ごとの光パワーの微少変化dP(z)/dzを算出する。
さらに、出力処理部31−5は、信号光パワー算出部31−3にて算出された、EDFAにおける信号光出力端から出力される信号光パワーの算出結果を、EDFAの性能のシミュレーション結果として出力処理を行なうものである。
上述の構成により、本発明の第1実施形態にかかる増幅媒体性能シミュレーション装置1における動作を、図4に示すフローチャートを用いて以下に説明する。
まず、入力インタフェース10を通じて、入力パラメータとして、前述のEDFAの基本データと、入力信号光に関するデータ(波長データおよび入力信号光パワー)とを取得し(ステップS1)、EDFAの基本データについて基本データ保持部21で保持しておくとともに、入力信号光データは入力信号光情報保持部22にて保持しておく。
ついで、反転分布率変化量算出ステップとして、信号光の入力によりEDFAの始準位のイオン分布が変動することによって生じうる反転分布率の変化量ΔnSHBを算出する。
まず、補正前反転分布率算出部31−4では、入力信号光情報保持部22において保持されている入力信号光情報をもとに、EDF50の信号光入力端における補正前反転分布率としてのn(z=0)を算出する。
そして、反転分布率変化量算出部31−1において、上述のn(n=0)とともに基本データ保持部21および入力信号光情報保持部22にて保持されているデータをもとに、上述の式(3)を用いることにより、ΔnSHB(λ,0)の値を計算する。
そして、光パワー変化算出ステップとして、反転分布率変化量算出ステップにて算出された反転分布率の変化量によって補正された補正後反転分布率に基づくEDFAの伝搬方程式をもとに、EDFAの信号光入力端から該増幅媒体中を伝搬する信号光についての光パワーの変化を、信号光入力端を起点として信号光出力端まで微小伝搬範囲を単位として算出してゆく。
具体的には、信号光パワー変化算出部31−2において、光パワー変化算出ステップとして、補正前反転分布率算出部31−4にて算出されたn(z=0)の値とともに反転分布率変化量算出部31−1で計算されたΔnSHB(λ,0)をもとにして、式(2)を用いることにより、EDF50の信号光入力端の微小部分Δzの位置を伝搬するときの光パワーの微少変化を算出する(以上、ステップS2,ステップS3)。
さらに、出力信号光パワー算出ステップとして、入力信号光のパワー値に、光パワー変化算出ステップにて算出される微小伝搬範囲での光パワーの変化を、信号光入力端を起点として信号光出力端まで順次加算していくことにより、EDFA中から出力される出力信号光パワーを、前記入力信号光の入力による該増幅媒体における始準位のイオン分布の変動分を含めて算出する。
すなわち、信号光パワー算出部31−3において、上述のごとく算出された光パワーの微少変化を、入力信号光パワーPi(0)に加えて、位置Δzの位置を伝搬する信号光パワーPi(Δz)とする(ステップS4)。
これにより、EDF50の長手方向座標z=Δzから微小部分Δzだけ更に信号光が伝搬した場合における光パワー変化についても、上述の場合と同様に、ΔnSHB(λ,Δz)を計算した上で算出することができる。このようにして、上述したような計算を繰り返していくことで、EDF50の信号光入力端(z=0)から出力端(z=L)に至るまで、微小伝搬範囲Δzずつの光パワー変化を計算することができる(ステップS5のNOルートからステップS3)。
そして、出力処理ステップとして、出力信号光パワー算出ステップにて算出された算出結果をEDFAの性能のシミュレーション結果として出力処理を行なう。即ち、信号光パワー算出部31−3において、信号光がEDF50の出力端位置から出力される時点での光パワーが得られると、出力処理部31−5においては、この出力端から出力される時点での光パワーを、EDFAの出力特性のシミュレーション結果として出力する(ステップS6)。
また、シミュレーション実行部31においては、信号光波長ごとの、EDFAに入力された時点での信号光パワーと、EDFAを出力する時点での信号光パワーとの関係から、シミュレーション結果を、入力信号光パワーに応じた波長スペクトラムに対する利得偏差の依存性として出力したり、飽和信号波長に応じた波長スペクトラムに対する利得偏差の依存性として出力したり、利得一定制御のターゲット(目標値)とする利得値に応じた波長スペクトラムに対する利得偏差の依存性として出力したりすることもできる。
図5〜図7は、上述のごときシミュレーション実行部31におけるシミュレーションの実行により得られたシミュレーション結果(計算値)と、実験により得られた測定値(実験値)とを比較する図である。
ここで、図5は入力信号光パワーに応じた波長スペクトラムに対する利得偏差の依存性を示している。図5中、「●」は入力信号光パワーを2.3dBm、「□」は入力信号光パワーを0dBm、「■」は入力信号光パワーを−5dBm、「×」は入力信号光パワーを−10dBm、「◇」は入力信号光パワーを−15dBmとした場合の実験値を示しており、実線はそれぞれの実験値に対応した入力信号光パワーとした場合のシミュレーション結果を示している。
さらに、図6は飽和信号波長に応じた波長スペクトラムに対する利得偏差の依存性を示しており、図6中、「◆」は飽和信号波長を1529.7nm、「◇」は飽和信号波長を1534.7nm、「×」は飽和信号波長を1536.7nm、「■」は飽和信号波長を1540.7nm、「□」は飽和信号波長を1544.7nm、「●」は飽和信号波長を1549.7nmとした場合の実験値を示しており、実線はそれぞれの実験値に対応した入力信号光パワーとした場合のシミュレーション結果を示している。
また、図7は利得一定制御のターゲットとする利得値に応じた波長スペクトラムに対する利得偏差の依存性を示している。図7中、「◆」は利得一定制御のターゲットを20dB、「□」は利得一定制御のターゲットを25dB、「▲」は利得一定制御のターゲットを29.5dBとした場合の実験値を示しており、実線はそれぞれの実験値に対応した入力信号光パワーとした場合のシミュレーション結果を示している。
上述の図5〜図7に示すいずれのシミュレーション結果を用いた場合においても、本実施形態にかかる増幅媒体性能シミュレーション装置1においてはSHBによる利得変動を精度良く計算できることが確認できる。このシミュレーション結果をもとにEDFAの入出力パワーや利得等化器による利得等化特性を設計することによって、光中継器の利得平坦性の精度を大幅に高くすることが可能となる。
このように、本発明の第1実施形態にかかる増幅媒体性能シミュレーション装置によれば、シミュレーション実行部31において、簡略な近似計算式を導入することにより、短時間の処理で、増幅媒体の長手方向に対して長さの微小単位ごとに始準位のイオン分布の変動によって生じる利得偏差を、信号波周辺以外での利得偏差を含んでシミュレーション結果として出力することができる利点がある。
(b)第2実施形態の説明
図8は本発明の第2実施形態にかかる光増幅器60を示すブロック図であり、この図8において、61は励起光を出力する励起光源、62は励起光源61からの励起光により励起されて、入力信号光を増幅する信号光増幅媒体としてのEDFA、63はEDFA62から出力された出力信号光の利得を等化する利得等化器である。
この利得等化器63は、前述の第1実施形態におけるものと同様の増幅媒体性能シミュレーション装置1のシミュレーション実行部31からのシミュレーション結果に基づいて、入力信号光の入力によるEDFA62における始準位のイオン分布の変動による利得偏差が補償されるように設計されている。
図9は、図8に示すようなEDFA62の後段に設けられる利得等化器63による利得等化特性について説明するための図であり、図中点線は前述の第1実施形態にかかる増幅媒体性能シミュレーション装置1にて得られた利得偏差特性をもとに設計された利得等化器の利得等化特性であり、実線はEDFAの利得特性を単一バンド近似と想定した場合の利得等化器の利得等化特性を示している。
この図9から、増幅媒体性能シミュレーション装置1にて得られた利得偏差特性をもとに設計された利得等化器によれば、特に1530nm周辺の利得偏差を補償できることが期待される。
このように、本発明の第2実施形態にかかる光増幅器60によれば、利得等化器63の利得等化特性を、増幅媒体シミュレーション装置1のシミュレーション実行部31から短時間の処理で得られる高精度のシミュレーション結果に基づいて設計することができるので、入力信号光の入力によるEDFA62における始準位のイオン分布の変動を補償することができる利点がある。
特に、信号光の波長配置がダイナミックに変動しうるフォトニックネットワークにおけるノードの構成要素となる光増幅器において、大幅な波長配置・波長数変化に対応して、増幅特性の安定化を図ることができる利点がある。
(c)第3実施形態の説明
図10は本発明の第3実施形態にかかる光増幅器70Aを示すブロック図であり、この図10に示す光増幅器70Aにおいて、71は励起光を出力する励起光源、72は励起光源71からの励起光により励起されて、入力信号光を増幅する信号光増幅媒体としてのEDFA、73は励起光源71を制御する励起光源制御部、74はEDFA72に入力される信号光の一部を分岐する分岐カプラ、75はEDFA72から出力される出力信号光の一部を分岐する分岐カプラ、76は分岐カプラ75からの出力信号光のパワーについて可変減衰する可変光減衰器(VOA)である。
ここで、励起光源制御部73は、入力信号光の入力によるEDFA72における始準位のイオン分布の変動による利得偏差が補償されるように励起光源71を制御するようになっており、フォトダイオード(PD)73a,スペクトルアナライザ(SAU)73b,利得一定制御部73cおよび補正部73dをそなえて構成されている。
また、フォトダイオード73aは、分岐カプラ74によって分岐された信号光のパワーをモニタするもので、スペクトルアナライザ73bは、分岐カプラ75によって分岐された出力信号光のパワーおよび信号波長の配置情報をモニタするものである。
したがって、上述のフォトダイオード73aおよびスペクトルアナライザ73bにより、入力信号光および出力信号光のパワーをモニタする第1パワーモニタとして機能するとともに、スペクトルアナライザ73bは、増幅媒体であるEDFA72を伝搬する信号光の波長配置情報を取得する波長配置情報取得部としての機能も有している。
さらに、利得一定制御部73cは、第1パワーモニタとしてのフォトダイオード73aおよびスペクトルアナライザ73bにてモニタされた入出力信号光のパワーから、利得が一定となるように、励起光源71を制御するための信号を出力するものである。
さらに、補正部73dは、スペクトルアナライザ73bにて取得された波長配置情報をもとに、スペクトルホールバーニングによる波長帯における利得偏差を減少させるように、利得一定制御部73cにおける励起光源71に対する制御量を補正するものである。
たとえば、補正部73dにおいては、前述の第1実施形態における増幅媒体性能シミュレーション装置1においてシミュレーションが実行された結果から、利得偏差を減少させるための励起光制御情報を保持しておくテーブル73d−1をそなえるとともに、利得一定制御部73cからの信号光波長配置情報,入力信号光パワーと出力信号光のパワー比(利得)の情報,および出力パワーをキーとしてテーブル73d−1を検索することにより信号光波長配置に応じた利得偏差を減少させるための励起光制御情報を取り出す検索部73d−2をそなえて構成されている。
すなわち、補正部73dにおいては、この検索部73d−2にて検索された励起光制御情報を利得一定制御部73cに与えることにより、利得一定制御部73cにおける励起光源71に対する制御量を補正できるようになっている。
上述の構成により、第3実施形態にかかる光増幅器70Aでは、図12に示すように、励起光源71からの励起光が制御されて、SHBによる利得偏差を補償している。
励起光源制御部73の利得一定制御部73cでは、フォトダイオード73aおよびスペクトルアナライザ73bから入力信号光パワーおよび出力信号光パワーとともに、信号光の波長配置情報を取得し(ステップA1)、これら取得したデータから、EDFA72の利得状態を算出し、利得一定制御によりあらかじめ決められた利得となるように出力パワーの目標値を決定する。
このとき、補正部73dでは、信号配置情報,利得情報および出力パワーのモニタ値を利得一定制御部73cから受け取るとともに、上述のごときテーブル検索を行なうことにより、これらの値からSHBによる利得変動の補正が必要か否かを判断し、SHBの補正が必要な場合は、信号配置情報、利得、出力パワーから出力パワーの目標値に加える補正量を決定する(ステップA2)。
これにより、利得一定制御部73cでは、補正部73dにて決定された励起光制御用の補正量を受けて、励起光制御の目標とする出力パワーを決定して、スペクトルアナライザ75にてモニタされる出力信号光パワーが目標値となるように、励起光源71が供給する励起光の強度等を制御するための信号を出力する。
なお、VOA76では、補正部73dにおいてSHBによる利得変動を補償するための励起光制御量の補正を行なった場合には、EDFA72の出力パワーが当初の所望していた値から増減するため、所望の出力パワーがえられるように損失量を制御する(ステップA3)。
図13〜図18は、第3実施形態にかかる光増幅器70Aにおいて、上述のごとく光増幅器利得一定制御にSHBによる利得変動の補正を重畳したことによる作用効果を説明するための図である。
波長配置がダイナミックに変化するような自由度の高い光通信システムにおいては、SHBによる局所的な利得変動が生じ、EDFAの利得波長特性と利得等化器の特性との間に誤差が生じる。このとき、励起パワーPAGCで光増幅器を利得一定制御で駆動すると、SHBによってΔGの利得偏差が生じるが、第3実施形態にかかる光増幅器70Aのごとく、励起パワーPAGCに対して補正部73dにおける補正量に相当する励起パワーの変化量ΔPSHBを加え、光増幅器70Aの反転分布率を変動させることにより、利得偏差ΔG′がΔG>ΔG′となるように制御することができる。
たとえば、図13に示すように、40チャンネルの波長多重信号光に対して利得波長特性が平坦になるような特性を持った利得等化器(GEQ)をEDFA72の後段に挿入することを想定する。このときの利得等化器は図14に示すような損失特性とすることができる。尚、図13中において、利得等化器を挿入した場合の利得特性をA(GEQあり)とし、利得等化器を挿入しない場合の利得特性をB(GEQなし)とする。
このEDFA72に対して、長波長側に波長配置が集中する例として、短波長側1チャンネル(波長1533.5nm)、および長波長側8チャンネル(1555−1560.6nm)の波長配置を持つ波長多重信号光を入力した場合において、利得一定制御部73cで利得一定制御によって平均利得が一定となるように励起光の制御を行なうことを想定する。
このような利得一定制御部73cによる利得一定制御のみを行なった場合には、励起光源71においては、例えば前方励起光53mW、後方励起光32mWの励起パワーを有する励起光をEDFA72に供給する。図15は、このような波長配置の信号光を伝搬するEDFA72に対して、上述の利得一定制御部73cによる利得一定制御のみを行なった場合の、各波長配置における信号光の利得波長特性について示す図である。
この図15におけるCとして示す40チャンネル増幅時の利得波長特性(図中の「◆」の点参照)においては、利得偏差は各チャンネル間で0.03dBであったが、この図15におけるDとして示す(短波長側1チャンネル+長波長側8チャンネル)増幅の場合の利得波長特性(図15中の「■」の点参照)においては、利得偏差は0.51dBとなり、利得一定制御では十分利得偏差を小さくすることが困難なことがわかる。
そこで、補正部73dにおいて、信号光波長の波長配置および光出力パワーに応じた補正量で補正された制御量で励起光源71を制御することにより、励起光源71からの後方励起パワーを32mWから21mWに減少させる。このようにすれば、例えば図16におけるD′(図16中の「■」の点参照)のとして示すように、信号光の平均利得は減少するものの、利得偏差については大幅に補償して、0.09dB程度とすることができる。尚、減少したEDFA72の平均利得分は可変光減衰器76の損失量を減少させることによって補完する(図16におけるD″、「▲」の点参照)。
同様に、短波長側に波長配置が集中する例として、短波長側4チャンネル(1529.6nm−1531.9nm)、長波長側1チャンネル(1556.6nm)の波長配置を持つ波長多重信号光を入力した場合において、利得一定制御部73cで利得一定制御によって平均利得が一定となるように励起光の制御を行なうことを想定する。
このとき、利得一定制御部73cによる利得一定制御のみを行なった場合には、励起光源71においては、例えば前方励起光81.3mW、後方励起光0mWの励起パワーを有する励起光をEDFA72に供給する。図17は、このような波長配置の信号光を伝搬するEDFA72に対して、上述の利得一定制御部73cによる利得一定制御のみを行なった場合の、各波長配置における信号光の利得波長特性について示す図である。
この図17におけるCとして示す40チャンネル増幅時の利得波長特性(図17中の「◆」の点参照)においては、利得偏差は各チャンネル間で0.03dBであったが、この図17におけるEとして示す(短波長側4チャンネル+長波長側1チャンネル)増幅の場合の利得波長特性(図17中の「■」の点参照)においては、利得偏差は0.5dBとなり、利得一定制御では十分利得偏差を小さくすることが困難なことがわかる。
そこで、補正部73dにおいて、信号光波長の波長配置および光出力パワーに応じた補正量で補正された制御量で励起光源71を制御することにより、励起光源71からの後方励起パワーを0mWから15mWに増加させる。このようにすれば、例えば図18におけるE′(図18中の「■」の点参照)として示すように、信号光の平均利得は増加するものの、利得偏差については大幅に補償して、0.11dB程度とすることができる。尚、増加したEDFA72の平均利得分は可変光減衰器76の損失量を増加させることによって補完する(図18におけるE″、「▲」の点参照)。
なお、上述の説明では後方励起パワーを補正することによって利得偏差を減少させたが、調整する励起パワーは前方励起パワーを調整しても、前方後方の両方の励起パワーを調整してもよい。
このように、本発明の第3実施形態にかかる光増幅器70Aによれば、励起光源制御部73により、前述の第1実施形態における増幅媒体性能シミュレーション装置1のシミュレーション実行部31から短時間の処理で得られる高精度のシミュレーション結果に基づいて、EDFA72における始準位のイオン分布の変動による利得偏差が補償されるように励起光源71を制御することができるので、利得一定制御の安定度を飛躍的に高めることができる利点がある。
特に、信号光の波長配置がダイナミックに変動しうるフォトニックネットワークにおけるノードの構成要素となる光増幅器において、大幅な波長配置・波長数変化に対応して、増幅特性の安定化を図ることができる利点がある。
なお、第3実施形態の変形例として、図11に示す光増幅器70Bのように、EDFA72の入力側にSAU73bを配置し入力側で信号配置情報を取得するとともに、EDFA72から出力される出力信号光のパワーをフォトダイオード73aでモニタするようにしてもよい。
(d)第4実施形態の説明
図19は本発明の第4実施形態にかかる光増幅器80を示すブロック図であり、この図19に示す光増幅器80は、励起光源71,EDFA72,分岐カプラ74,75およびVOA76をそなえている点は前述の第3実施形態におけるものと同様であるが、前述の第3実施形態の場合とは異なり、WDM(Wavelength Division Multiplexing)カプラ81および励起光源制御部82をそなえて構成されている。
ここで、WDMカプラ81は、光増幅器80に入力された波長多重光のうちで、制御信号として割り当てられた波長を有する制御信号光と信号光とを波長分離するものであり、制御信号については励起光源制御部83に出力され、信号光については分岐カプラ74に出力される。
また、励起光源制御部82は、励起光源71を制御するものであるが、フォトダイオード(PD)82a,82b,制御信号解析部82c,利得一定制御部73cおよび補正部73dをそなえて構成されている。
ここで、フォトダイオード82aは分岐カプラ74によって分岐された信号光のパワーをモニタするもので、フォトダイオード82bは、分岐カプラ75によって分岐された出力信号光のパワーをモニタするものである。従って、上述のフォトダイオード82a,82bにより、入力信号光および出力信号光のパワーをモニタする第1パワーモニタとして機能する。
また、制御信号解析部82cは、信号光とともに伝送される制御信号光をWDMカプラ81を介してフォトダイオードで受光するとともに、この受光信号を解析することにより、制御情報としての波長配置情報を取り出すものであって、増幅媒体であるEDFA72を伝搬する信号光の波長配置情報を取得する波長配置情報取得部として機能する。即ち、制御信号解析部82cは、信号光とともに伝送される制御信号光から波長配置情報を取得するようになっている。
利得一定制御部73cは、前述の第3実施形態の場合と同様の機能を有するもので、第1パワーモニタとしてのフォトダイオード82a,82bにてモニタされた入出力信号光のパワーから、利得が一定となるように、励起光源71を制御するための信号を出力するものである。
また、補正部73dについても、前述の第3実施形態の場合と同様、制御信号解析部82cにて取得された波長配置情報をもとに、スペクトルホールバーニングによる波長帯における利得偏差を減少させるように、利得一定制御部73cにおける励起光源71に対する制御量を補正するものであり、テーブル73d−1および検索部73d−2をそなえている。
上述の構成による、第4実施形態にかかる光増幅器80の動作について、図12のフローチャートを参照しながら説明する。
励起光源制御部82の制御信号解析部82cにおいては、信号光とともに伝送される制御信号光から、信号光の波長配置情報を取得する。又、入出力光パワーのモニタ情報についてはフォトダイオード82a,82bから取得する(図12のステップA1参照)。
また、利得一定制御部73cにおいては、フォトダイオード82a,82bからの入出力光パワーのモニタ結果とに基づき利得一定制御を行なっているが(ステップA2)、補正部73dにおいては、制御信号解析部82cからの波長配置情報と、フォトダイオード82a,82bからの入出力光パワーのモニタ結果とに基づき、励起光源71に対する利得一定制御部73cからの制御量が補正されて、SHBによる利得偏差を補償している。尚、増減したEDFA72の平均利得分は可変光減衰器76の損失量を調整することによって補完する(ステップA3)。
このように、本発明の第4実施形態にかかる光増幅器80においても、励起光源制御部82により、前述の第1実施形態における増幅媒体性能シミュレーション装置1のシミュレーション実行部31から短時間の処理で得られる高精度のシミュレーション結果に基づいて、EDFA72における始準位のイオン分布の変動による利得偏差が補償されるように励起光源71を制御することができるので、利得一定制御の安定度を飛躍的に高めることができる利点がある。
特に、信号光の波長配置がダイナミックに変動しうるフォトニックネットワークにおけるノードの構成要素となる光増幅器において、大幅な波長配置・波長数変化に対応して、増幅特性の安定化を図ることができる利点がある。
また、波長配置情報取得部として、スペクトルアナライザを用いずに構成することができるので、第3実施形態にかかる光増幅器80に比して、装置構成のためのコストを削減させることができる。
(e)第5実施形態の説明
図20は本発明の第5実施形態にかかる光増幅器90を示すブロック図であり、この図20に示す光増幅器90は、励起光源71,EDFA72,分岐カプラ74,75およびVOA76をそなえている点は前述の第3実施形態におけるものと同様であるが、前述の第3実施形態の場合とは異なる励起光源制御部91をそなえて構成されている。
励起光源制御部91は、第1実施形態における増幅媒体性能シミュレーション装置1により得られたシミュレーション結果に基づいて設計されて、入力信号光の入力によるEDFA72における始準位のイオン分布の変動による利得偏差が補償されるようにEDFA72を制御するものであるが、第3実施形態および第4実施形態の場合と異なり、波長配置情報取得部としての機能を省略している。
すなわち、励起光源制御部91は、帯域分割フィルタ91a,91b,フォトダイオード91a−1,91a−2,91b−1,91b−2および平均利得一定制御部91cをそなえて構成されている。
ここで、帯域分割フィルタ91a,91bはそれぞれ、分岐カプラ74,75からのEDFA72入力側の信号光およびEDFA72出力側の信号光のパワー分岐光について、帯域で分割された複数(第5実施形態の場合は2つ)の信号光とするものである。
この帯域分割フィルタ91a,91bにおいては、前述の第1実施形態における増幅媒体性能シミュレーション装置1におけるシミュレーション結果をもとに、SHBによる利得偏差を想定して、各々の帯域の平均利得がほぼ等しく安定するような帯域に信号光を分割するようになっている。
たとえば、波長分割フィルタ91a,91bにおいては、後述の図22,図23に示すように波長帯域を2分割することができる。増幅媒体として用いるEDFA72のSHBによる利得変動特性については、増幅媒体シミュレーション装置1において、前述の図5〜図7に示すようなシミュレーション結果が得られている。このシミュレーション結果から、EDFA72については特に1530nm周辺でSHBの影響が大きいことがわかる。
そこで、SHBの強さに応じて、EDFA72を短波長側の第1帯域(1529−1536nm程度)と長波長側の第2帯域(1536−1561nm程度)の2つの帯域に分割するのである。
また、フォトダイオード91a−1,91a−2はそれぞれ、帯域分割フィルタ91aにて帯域が2分割された信号光の信号光パワーについてモニタするものである。同様に、フォトダイオード91b−1,91b−2はそれぞれ、帯域分割フィルタ91bにて帯域が2分割された信号光の信号光パワーについてモニタするものである。
たとえば、フォトダイオード91a−1,91b−1は、上述の第1帯域に分割された信号光を受光するとともに、フォトダイオード91a−2,91b−2は、上述の第2帯域に分割された信号光を受光するようになっている。
したがって、上述の帯域分割フィルタ91a,91bおよびフォトダイオード91a−1,91a−2,91b−1,91b−2により、増幅媒体性能シミュレーション装置1により得られたシミュレーション結果をもとに分割された複数の帯域ごとに、入力信号光および出力信号光のパワーをそれぞれ取得する第2パワーモニタとして機能する。
また、平均利得一定制御部91cは、フォトダイオード91a−1,91a−2,91b−1,91b−2にて取得した各帯域の入力信号光および出力信号光のパワーをもとに、各帯域の平均利得が一致するように、励起光源71を制御するための信号を出力するものである。
SHBによって発生する利得変動は増幅帯域内の波長によってその大きさが異なるため、利得偏差が生じる。従って、波長分割フィルタ91a,91bで、EDFA72の増幅帯域をSHBの強さに応じて複数の帯域に分割しておき、その上で、平均利得一定制御部91cにおいて、各々の帯域の平均利得が等しくなるように励起パワーを調整することによって利得の平坦性を保つことがっできるのである。
上述の構成による、本発明の第5実施形態にかかる光増幅器90での動作について、図21に示すフローチャートを参照しながら以下に説明する。
EDFA72の入力側信号光は、分岐カプラ74によって分岐後、帯域分割フィルタ91aによって第1帯域と第2帯域とに分割され、フォトダイオード91a−1,91a−2によって各々受光する。同様にEDFA72の出力側信号光についても、分岐カプラ75によって分岐後、帯域分割フィルタ91bによって第1帯域と第2帯域とに分割され、フォトダイオード91b−1,91b−2によって各々受光する。
そして、平均利得一定制御部91cでは、フォトダイオード91a−1,91a−2からの入力信号光パワーに応じた受光信号と、フォトダイオード91b−1,91b−2からの出力信号光パワーに応じた受光信号とを受けると(ステップB1)、まず帯域全体について従来よりの利得一定制御を行なう(ステップB2)。
すなわち、フォトダイオード91a−1,91b−1からの第1帯域についての入出力信号光から、フォトダイオード91a−2,91b−2からの第2帯域についての入出力信号光から、第1帯域と第2帯域とを合わせた帯域全体についての利得が一定となるように、励起光源71を制御する制御信号を出力する。
その後、平均利得一定制御部91cでは、分割された第1帯域,第2帯域ごとに平均利得を算出する。SHBの効果によって利得偏差が生じると、第1帯域の平均利得と第2帯域の平均利得との間で偏差が生じてくる。このとき、各帯域はSHBの強さに応じて分割しているため、第1帯域内での利得偏差および第2帯域内での利得偏差は、算出された分割帯域ごとの平均利得間の利得偏差よりも小さくなる。
ここで、平均利得一定制御部91cでは、算出された第1帯域の平均利得G1と第2帯域の平均利得G2との大小を比較し、大小比較結果に応じて、励起光源71における励起パワーを増減させるための制御信号を出力する。
すなわち、第1帯域の平均利得G1が第2帯域の平均利得G2より大きい(G1>G2)ときは、反転分布率が低くなるように励起パワーを減少させ、G1がG2より小さい(G1<G2)ときは、反転分布率が高くなるように励起パワーを増加させるように、励起光源71に対して制御信号を出力する(ステップB3)。
これにより、励起光源71からの励起光パワーの増減制御により、反転分布率を低くまたは高くなるようにして、平均利得G1およびG2をほぼ均一にすることができる。尚、励起光パワーの増減制御による出力信号光の利得利得変動分については、VOA76の損失量を可変することによって減少分を補う(ステップB4)。
図22および図23は第5実施形態における光増幅器90において、平均利得一定制御部91cによる励起光源71の制御によってSHBによる利得偏差を補償する一例を示すものである。
図22は、短波長側の第1帯域BND#1に1チャンネル、長波長側の第2帯域BND#2に8チャンネルの信号を入力することでSHBによる利得偏差が発生した場合の、平均利得一定制御部91cで算出される両帯域の平均利得を示すものである。この図22に示すように、第1帯域BND#1での平均利得G1は23.5dB、第2帯域BND#2での平均利得G2は23dBとなり、帯域間の利得偏差0.5dBが得られる。
また、第1帯域BND#1の平均利得が第2帯域BND#2の平均利得よりも大きい(G1>G2)ことから、平均利得一定制御部91cでは、前方励起光,後方励起光またはその両方の励起パワーを減少制御する。これにより、図23のように第1帯域BND#1および第2帯域BND#2双方の帯域の平均利得がほぼ等しくなり、SHBによる利得偏差を補正することができる。
なお、この場合においては、SHB補正後の利得は、所望の利得よりも小さくなるため、VOA76の損失量を小さくすることによって減少分を補う。
このように、本発明の第5実施形態にかかる光増幅器90においても、前述の第3,第4実施形態の場合と同様に、励起光源制御部91により、前述の第1実施形態における増幅媒体性能シミュレーション装置1のシミュレーション実行部31から短時間の処理で得られる高精度のシミュレーション結果に基づいて、EDFA72における始準位のイオン分布の変動による利得偏差が補償されるように励起光源71を制御することができるので、利得一定制御の安定度を飛躍的に高めることができる利点がある。
特に、信号光の波長配置がダイナミックに変動しうるフォトニックネットワークにおけるノードの構成要素となる光増幅器において、大幅な波長配置・波長数変化に対応して、増幅特性の安定化を図ることができる利点がある。
また、前述の第4実施形態の場合と異なり、制御信号に信号配置情報が含まれていないシステムにおいても、スペクトルアナライザを用いることなく、装置構成のためのコストを低減させながら、SHBによる利得偏差の補正を行なうことができる利点もある。
(f)その他
なお、上述した各実施形態に関わらず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
たとえば、上述の第1実施形態にかかる増幅媒体性能シミュレーション装置1においては、EDFAにおけるSHBによる反転分布率変化量を計算する際に、式(3)のようにガウシアン関数を用いているが、本発明によればこれに限定されず、例えばローレンツ(Lorentzian)関数やフォークト(Voigt)関数等の、中心波長と幅を持った山の形を持つ関数を用いて、第1関数および第2関数を構成することとしてもよい。
具体的には、以下に示すような、式(3)における第1関数をなすガウシアン関数(式(6)参照)や、第2関数をなすガウシアン関数(式(7)参照)を、式(8)に示すローレンツ関数や式(9)に示すフォークト関数に適宜置換することができる。
このとき、
と定義する。ここで、BWgは、ガウシアン(Gaussian)関数の半値半幅であり、BWlは、ローレンツ(Lorentzian)関数の半値半幅であり、λ0は中心波長である。
さらに、上述の本実施形態においては、EDFAにおける利得偏差特性についてシミュレーションを行なっているが、本発明によればこれに限定されず、EDFA以外の増幅媒体についてのSHBによる利得偏差についても、本実施形態に準じて、少なくとも一つ以上の関数(例えばガウシアン関数)を用いた演算をシミュレーション実行部31で実行することによって、シミュレーションを行なうことが可能である。
また、本発明の各実施形態が開示されていれば、当業者によって製造することが可能である。
Claims (17)
- 励起光源からの励起光により励起されて、信号光を増幅する増幅媒体の性能のシミュレーションを行なう増幅媒体性能シミュレーション装置であって、
該増幅媒体についての基本データを保持する基本データ保持部と、
前記シミュレーションの対象となる増幅媒体に入力すべき入力信号光に関する情報として、前記入力信号光の波長値および光パワー値について保持する入力信号光情報保持部と、
前記の基本データ保持部および入力信号光情報保持部にて保持された内容を用いて、前記入力信号光の入力による該増幅媒体における始準位のイオン分布の変動分を含めて、該増幅媒体中から出力される出力信号光パワーを信号光波長ごとに近似算出して、この算出結果を該増幅媒体の性能のシミュレーション結果として出力するシミュレーション実行部とをそなえて構成されたことを特徴とする、増幅媒体性能シミュレーション装置。 - 該シミュレーション実行部が、
該増幅媒体中の長手方向座標の位置に応じた信号光パワーに基づく反転分布率を算出する反転分布率算出部と、
該反転分布率算出部にて算出された前記反転分布率と、前記の基本データ保持部および入力信号光情報保持部にて保持された内容とを用いて、前記入力信号光の入力により該増幅媒体の始準位のイオン分布が変動することによって生じうる反転分布率の変化量を、前記入力信号光の波長および該増幅媒体の長手方向位置の関数として算出する反転分布率変化量算出部と、
該反転分布率変化量算出部にて算出された反転分布率の変化量と、前記の基本データ保持部および入力信号光情報保持部にて保持された内容と、を用いて定められた微分方程式から、該増幅媒体における信号光入力端から該増幅媒体中を伝搬する信号光についての光パワーの変化を、前記信号光入力端を起点として信号光出力端まで微小伝搬範囲を単位として算出してゆく信号光パワー変化算出部と、
該入力信号光情報保持部にて保持された前記入力信号光のパワー値に、該信号光パワー変化算出部にて算出される前記微小伝搬範囲での光パワーの変化を、前記信号光入力端を起点として信号光出力端まで順次加算していくことにより、該増幅媒体中を伝搬する信号光の長手方向座標の位置に応じた信号光パワーを、前記入力信号光の入力による該増幅媒体における始準位のイオン分布の変動分を含めて算出する信号光パワー算出部と、
該信号光パワー算出部にて算出された、前記信号光出力端から出力される信号光のパワーの算出結果を、該増幅媒体の性能のシミュレーション結果として出力処理を行なう出力処理部をそなえて構成されたことを特徴とする、請求の範囲第1項記載の増幅媒体性能シミュレーション装置。 - 該反転分布率変化量算出部においては、前記反転分布率の変化量を算出する関数として、少なくとも一つ以上のガウシアン関数を用いることを特徴とする、請求の範囲第2項記載の増幅媒体性能シミュレーション装置。
- 該反転分布率変化量算出部が、該反転分布率の変化量を、利得飽和状態の第1波長帯を中心とする第1関数を演算する第1関数演算部と、該増幅媒体に特有の第2波長帯を中心とする関数からなる第2関数を演算する第2関数演算部と、該第1関数演算部および第2関数演算部からの算出結果について加算する加算部とをそなえて構成されたことを特徴とする、請求の範囲第2項記載の増幅媒体性能シミュレーション装置。
- 該第1関数演算部で演算される該第1関数が、該入力信号光の波長に応じて与えられるガウシアン関数の総和により構成され、該第2関数演算部で演算される該第2関数が、複数のガウシアン関数の総和により構成されていることを特徴とする、請求の範囲第4項記載の増幅媒体性能シミュレーション装置。
- 該第1関数をなす該入力信号光の波長に応じて与えられるガウシアン関数は、中心波長を該入力信号光の波長とし、半値全幅を該増幅媒体に応じた値として定められるとともに、該第2関数をなす各ガウシアン関数は、中心波長を該増幅媒体に特有の第2波長帯とし、半値全幅を該増幅媒体に応じた値として定められ、且つ、該第1関数および第2関数における各ガウシアン関数の半値全幅を、該基本データ保持部にて保持しておくように構成されたこと特徴とする、請求の範囲第5項記載の増幅媒体性能シミュレーション装置。
- 前記の第1又は第2関数をなす各ガウシアン関数の深さは、前記入力信号光の総パワーの増加に伴って増加し、一定値以上で飽和する深さ関数で定義されるように構成されたことを特徴とする、請求の範囲第5項記載の増幅媒体性能シミュレーション装置。
- 前記の第1関数をなす該入力信号光の波長に応じて与えられる各ガウシアン関数についての深さ関数が、該入力信号光の波長λiと、該入力信号光の波長λiについての該増幅媒体の長手方向座標zにおける光パワーPi(z)と、該増幅媒体の長手方向座標zにおける入力信号光の総パワーPtotal(z)とを変数とする関数で定義され、
前記の第2関数をなす各ガウシアン関数についての深さ関数が、前記第2波長帯の波長λjと、該増幅媒体の長手方向座標zにおける、入力信号光の総パワーPtotal(z)および該増幅媒体の反転分布率n(z)とを変数とする関数で定義されるように構成され、
且つ、該第1および第2関数をなす各ガウシアン関数についての深さ関数を定める係数を、該基本データ保持部にて保持しておくように構成されたことを特徴とする、請求の範囲第7項記載の増幅媒体性能シミュレーション装置。 - 該基本データ保持部が、該増幅媒体の基本データとして、少なくとも該増福媒体についての全長と、入力信号光波長についての関数式で表される利得係数g(λ),吸収係数α(λ)および損失l(λ)とともに、該増幅媒体における前記始準位のイオン分布の変動を加味しない反転分布率n(z)を保持するように構成され、
該信号光パワー変化算出部が、
該信号光パワー算出部にて算出される該増幅媒体中を伝搬する信号光の長手方向座標の位置に応じた信号光パワーから前記反転分布率n(z)を計算するとともに、
前記反転分布率n(z)と、該反転分布率変化量算出部にて算出された反転分布率の変化量Δn(λ,z)と、該基本データ保持部にて保持されている前記基本データとを用いた、該増幅媒体の長手方向に対して長さの微小単位ごとの光パワー変化
dP(z)/dz=
{(g(λ)+α(λ))(n(z)+Δn(λ,z))−(α(λ)+l(λ))}・P(z)
を用いることにより、該増幅媒体の長手方向座標zの位置を伝搬する信号光についての光パワーの微少変化を算出していくことを特徴とする、請求の範囲第2項〜第8項記載の増幅媒体性能シミュレーション装置。 - 該シミュレーション実行部が、スペクトラルホールバーニングによって生じる信号光波長間の利得偏差を近似算出するように構成されたことを特徴とする、請求の範囲第1項〜第9項記載の増幅媒体性能シミュレーション装置。
- 励起光源からの励起光により励起されて、信号光を増幅する増幅媒体の性能のシミュレーションを行なう増幅媒体性能シミュレーション方法であって、
前記信号光の入力により該増幅媒体の始準位のイオン分布が変動することによって生じうる反転分布率の変化量を算出する反転分布率変化量算出ステップと、
該反転分布率変化量算出ステップにて算出された反転分布率の変化量によって補正された補正後反転分布率に基づく該増幅媒体の伝搬方程式をもとに、該増幅媒体の信号光入力端から該増幅媒体中を伝搬する信号光についての光パワーの変化を、前記信号光入力端を起点として信号光出力端まで微小伝搬範囲を単位として算出してゆく光パワー変化算出ステップと、
前記入力信号光のパワー値に、該光パワー変化算出ステップにて算出される前記微小伝搬範囲での光パワーの変化を、前記信号光入力端を起点として信号光出力端まで順次加算していくことにより、該増幅媒体中から出力される出力信号光パワーを、前記入力信号光の入力による該増幅媒体における始準位のイオン分布の変動分を含めて算出する出力信号光パワー算出ステップと、
該出力信号光パワー算出ステップにて算出された算出結果を該増幅媒体の性能のシミュレーション結果として出力処理を行なう出力処理ステップと、
をそなえて構成されたことを特徴とする、増幅媒体性能シミュレーション方法。 - 励起光を出力する励起光源と、
該励起光源からの励起光により励起されて、入力信号光を増幅する信号光増幅媒体と、
該信号光増幅媒体から出力された出力信号光の利得を等化する利得等化器とをそなえ、
該利得等化器の利得等化特性が、
励起光源からの励起光により励起されて、信号光を増幅する増幅媒体の性能のシミュレーションを行なう増幅媒体性能シミュレーション装置であって、該増幅媒体についての基本データを保持する基本データ保持部と、前記シミュレーションの対象となる増幅媒体に入力すべき入力信号光に関する情報として、前記入力信号光の波長値および光パワー値について保持する入力信号光情報保持部と、前記の基本データ保持部および入力信号光情報保持部にて保持された内容を用いて、前記入力信号光の入力による該増幅媒体における始準位のイオン分布の変動分を含めて、該増幅媒体中から出力される出力信号光パワーを信号光波長ごとに近似算出して、この算出結果を該増幅媒体の性能のシミュレーション結果として出力するシミュレーション実行部とをそなえて構成された増幅媒体性能シミュレーション装置から出力された前記シミュレーション結果に基づいて、前記入力信号光の入力による該増幅媒体における始準位のイオン分布の変動による利得偏差が補償されるように設計されていることを特徴とする、光増幅器。 - 励起光を出力する励起光源と、
該励起光源からの励起光により励起されて、入力信号光を増幅する信号光増幅媒体と、
該励起光源を制御する励起光源制御部とをそなえ、
該励起光源制御部が、
励起光源からの励起光により励起されて、信号光を増幅する増幅媒体の性能のシミュレーションを行なう増幅媒体性能シミュレーション装置であって、該増幅媒体についての基本データを保持する基本データ保持部と、前記シミュレーションの対象となる増幅媒体に入力すべき入力信号光に関する情報として、前記入力信号光の波長値および光パワー値について保持する入力信号光情報保持部と、前記の基本データ保持部および入力信号光情報保持部にて保持された内容を用いて、前記入力信号光の入力による該増幅媒体における始準位のイオン分布の変動分を含めて、該増幅媒体中から出力される出力信号光パワーを信号光波長ごとに近似算出して、この算出結果を該増幅媒体の性能のシミュレーション結果として出力するシミュレーション実行部とをそなえて構成された増幅媒体性能シミュレーション装置から出力された前記シミュレーション結果に基づいて、前記入力信号光の入力による該増幅媒体における始準位のイオン分布の変動による利得偏差が補償されるように該励起光源を制御することを特徴とする、光増幅器。 - 該励起光源制御部が、
前記入力信号光および出力信号光のパワーをモニタする第1パワーモニタと、
該増幅媒体を伝搬する信号光の波長配置情報を取得する波長配置情報取得部と、
該第1パワーモニタにてモニタされた前記入出力信号光のパワーから、利得が一定となるように、該励起光源を制御するための信号を出力する利得一定制御部と、
該波長配置情報取得部にて取得された波長配置情報をもとに、前記スペクトルホールバーニングによる波長帯における利得偏差を減少させるように、該利得一定制御部における該励起光源に対する制御量を補正する補正部と、
をそなえて構成されたことを特徴とする、請求の範囲第13項記載の光増幅器。 - 該波長配置情報取得部が、該増幅媒体に入力または出力される信号光の波長配置をモニタするスペクトルアナライザにより構成されたことを特徴とする、請求の範囲第14項記載の光増幅器。
- 該波長配置情報取得部が、該信号光とともに伝送される制御信号光から、波長配置情報を取得するように構成されたことを特徴とする、請求の範囲第14項記載の光増幅器。
- 励起光源制御部が、
該増幅媒体性能シミュレーション装置により得られた前記シミュレーション結果をもとに分割された複数の帯域ごとに、前記の入力信号光および出力信号光のパワーをそれぞれ取得する第2パワーモニタと、
該第2パワーモニタにて取得した各帯域の入力信号光および出力信号光のパワーをもとに、前記各帯域の平均利得が一致するように、該励起光源を制御するための信号を出力する平均利得一定制御部と、
をそなえて構成されたことを特徴とする、請求の範囲第13項記載の光増幅器。
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