JPWO2004081627A1 - フォトニック結晶光導波路への光入射方法およびその構造 - Google Patents
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Abstract
フォトニック結晶内に形成された光導波路へ空気中から直接光を入射させる際の反射を小さくする本発明の方法は、フォトニック結晶光導波路の導波モードの光と入射光の波数を一致させる、或いは、フォトニック結晶光導波路の導波モードの光と入射光とで、電界と磁界の強さの比を一致させるか、さらに、上記の手法に加えて、フォトニック結晶内部の光導波路の導波モードの入射端面での光強度分布を入射光のそれ一致させる方法である。さらに、その具体的構造としては、フォトニック結晶光導波路とチャネル光導波路を接合させた構造および、さらにその接合部分に楔型の構造を有するチャネル光導波路を設けた構造である。
Description
本発明は、フォトニック結晶への光の入射技術に関し、特にフォトニック結晶内部に形成された光導波路に高効率で光を入射するための方法及びその具体的構造に関する。
フォトニック結晶は、屈折率の異なる2種類以上の物質を、光の波長オーダー(通常0.3〜0.7μm)で、1次元、2次元あるいは3次元で周期的に配列させたものである。このフォトニック結晶は、フォトニックバンドギャップによる強い光閉じ込め効果を有しており、この光閉じ込め効果を利用して様々な光学素子や微小光回路などへの応用が期待される。また、フォトニック結晶に線状欠陥を導入したりすることにより、フォトニック結晶の内部に光導波路を形成できることも知られている。
しかしながら、フォトニック結晶へ空気中から直接光を入射させる場合、その表面での反射が大きく、効率的に光を入射できないケースが多々あった。また、フォトニック結晶内部に形成した光導波路への光の入射においても、高効率での入射方法は確立されていなかった。例えば、非特許文献1(M.TokushimaらによるElectronics Letters誌、2001年、Vol.37,No.24)に示される様に、その透過損失は、40〜50dBと非常に大きなものであった。
M.Tokushima他、Electronics Letters誌、1454頁−1455頁、2001年、Vol.37,No.24 J.Ushida他、Appl.Phys.Lett.誌 7頁−9頁,82,7(2003)
しかしながら、フォトニック結晶へ空気中から直接光を入射させる場合、その表面での反射が大きく、効率的に光を入射できないケースが多々あった。また、フォトニック結晶内部に形成した光導波路への光の入射においても、高効率での入射方法は確立されていなかった。例えば、非特許文献1(M.TokushimaらによるElectronics Letters誌、2001年、Vol.37,No.24)に示される様に、その透過損失は、40〜50dBと非常に大きなものであった。
M.Tokushima他、Electronics Letters誌、1454頁−1455頁、2001年、Vol.37,No.24 J.Ushida他、Appl.Phys.Lett.誌 7頁−9頁,82,7(2003)
このように、従来知られていた技術では、フォトニック結晶光導波路への高効率な光の入射が行えない。
本発明の目的は、フォトニック結晶或いはフォトニック結晶内部に形成された光導波路への光の高効率入射方法を提供すること、およびそのための具体的構造を提供することである。
本発明の第1の態様によれば、屈折率の異なる2種類以上の物質を、1次元、或いは2次元、或いは3次元周期的に配列させることによって得られるフォトニック結晶において、前記フォトニック結晶内部に光の導波が可能な構造(導波路)を有しており、その導波路に外部から高効率で光を入射させるために、フォトニック結晶内部に形成された光導波路内での光の波数と、フォトニック結晶外部での入射光の波数を一致させることを特徴とするフォトニック結晶光導波路への光の入射方法をえることができる。
本発明の第2の態様によれば、屈折率の異なる2種類以上の物質を、1次元、或いは2次元、或いは3次元周期的に配列させることによって得られるフォトニック結晶において、前記フォトニック結晶内部に光の導波が可能な構造(導波路)を有しており、その導波路に外部から高効率で光を入射させるために、フォトニック結晶内部に形成された光導波路内での光の波数ベクトルと、フォトニック結晶外部での入射光の波数ベクトルを一致させることを特徴とするフォトニック結晶光導波路への光の入射方法を得ることができる。
本発明の第3の態様によれば、屈折率の異なる2種類以上の物質を、1次元、或いは2次元、或いは3次元周期的に配列させることによって得られるフォトニック結晶において、前記フォトニック結晶内部に光の導波が可能な構造(導波路)を有しており、その導波路に外部から高効率で光を入射させるために、フォトニック結晶内部に形成された光導波路内での光の電界と磁界の強度の比と、フォトニック結晶外部での入射光の電界と磁界の強度の比を一致させることを特徴とするフォトニック結晶光導波路への光の入射方法を得ることができる。
本発明の第4の態様によれば、第3の態様における、フォトニック結晶光導波路への光の入射方法において、特にフォトニック結晶内部に形成された光導波路の入射端面での光の電界と磁界の強度の比と、フォトニック結晶外部での入射光の電界と磁界の強度の比を一致させることを特徴とするフォトニック結晶光導波路への光の入射方法を得ることができる。
本発明の第5の態様によれば、第3の態様または第4の態様におけるフォトニック結晶光導波路への光の入射方法において、フォトニック結晶内部に形成された光導波路の光入射端面での光の電界と磁界の強度の比の分布形状と、フォトニック結晶外部での入射光の電界と磁界の強度の比の分布形状とを一致させることを特徴とするフォトニック結晶光導波路への光の入射方法を得ることができる。 本発明の第6の態様によれば、第3または第4の態様におけるフォトニック結晶光導波路への光の入射方法において、フォトニック結晶内部に形成された光導波路の光入射端面での光の電界と磁界の強度の比が真空中での電界と磁界の強度比で規格化した値として、1以下であることによって、フォトニック結晶外部での入射光の電界と磁界の強度の比を一致させることを特徴とするフォトニック結晶光導波路への光の入射方法を得ることができる。
本発明の第7の態様によれば、第3または第4の態様におけるフォトニック結晶光導波路への光の入射方法において、フォトニック結晶の分散曲線におけるフォトニックバンドの第1次バンドから第2次バンド付近までを用いることによって、フォトニック結晶外部での入射光の電界と磁界の強度の比を一致させることを特徴とするフォトニック結晶光導波路への光の入射方法を得ることができる。 本発明の第8の態様によれば、第1から第5の態様におけるフォトニック結晶光導波路への光の入射方法において、フォトニック結晶内部に形成された光導波路の入射端面での導波モードの光強度分布と、フォトニック結晶外部での入射光の光強度分布とを一致させることを特徴とするフォトニック結晶光導波路への光の入射方法を得ることができる。
本発明の第9の態様によれば、第1から第5の態様における方法を実現するフォトニック結晶光導波路への高効率光入射構造として、フォトニック結晶内部に線状欠陥を導入することにより形成した線状欠光導波路と、前記線欠陥部分と同一の材料からなるチャネル導波路を接合させることを特徴とするフォトニック結晶光導波路への光の入射構造を得ることができる。
本発明の第10の態様によれば、第1から5および8の態様における方法を実現するフォトニック結晶光導波路への高効率光入射構造として、フォトニック結晶内部に線状欠陥を導入することにより形成した線状欠光導波路と、前記線欠陥部分と同一の材料からなるチャネル導波路を接合させることを特徴とし、更に前記チャネル導波路とフォトニック結晶線欠陥光導波路の接合部分に、第1から5および8の態様に規定された条件を満たす様な接合構造を設けたチャネル導波路を有することを特徴とするフォトニック結晶光導波路への光の入射構造を得ることができる。
本発明の第11の態様によれば、第1から5および8の態様における方法を実現するフォトニック結晶光導波路への高効率光入射構造として、フォトニック結晶内部に線状欠陥を導入することにより形成した線状欠光導波路と、前記線欠陥部分と同一の材料からなるチャネル導波路を接合させることを特徴とし、更に前記チャネル導波路とフォトニック結晶線欠陥光導波路の接合部分に設けた第1の態様に記載した接合構造として、屈折率がチャネル導波路とフォトニック結晶との両者と異なる物質により形成された接合構造を設けたチャネル導波路を有することを特徴とするフォトニック結晶光導波路への光の入射構造を得ることができる。
本発明の第12の態様によれば、第1から第6の態様に記載の方法を実現するフォトニック結晶光導波路への高効率光入射構造として、フォトニック結晶内部に線状欠陥を導入することにより形成した線状欠光導波路と、前記線欠陥部分と同一の材料からなるチャネル導波路を接合させることを特徴とし、更に前記チャネル導波路とフォトニック結晶線欠陥光導波路の接合部分に設けた第10の態様に記載した接合構造として、楔型の形状を設けたチャネル導波路を有することを特徴とするフォトニック結晶光導波路への光の入射構造を得ることができる。
本発明の目的は、フォトニック結晶或いはフォトニック結晶内部に形成された光導波路への光の高効率入射方法を提供すること、およびそのための具体的構造を提供することである。
本発明の第1の態様によれば、屈折率の異なる2種類以上の物質を、1次元、或いは2次元、或いは3次元周期的に配列させることによって得られるフォトニック結晶において、前記フォトニック結晶内部に光の導波が可能な構造(導波路)を有しており、その導波路に外部から高効率で光を入射させるために、フォトニック結晶内部に形成された光導波路内での光の波数と、フォトニック結晶外部での入射光の波数を一致させることを特徴とするフォトニック結晶光導波路への光の入射方法をえることができる。
本発明の第2の態様によれば、屈折率の異なる2種類以上の物質を、1次元、或いは2次元、或いは3次元周期的に配列させることによって得られるフォトニック結晶において、前記フォトニック結晶内部に光の導波が可能な構造(導波路)を有しており、その導波路に外部から高効率で光を入射させるために、フォトニック結晶内部に形成された光導波路内での光の波数ベクトルと、フォトニック結晶外部での入射光の波数ベクトルを一致させることを特徴とするフォトニック結晶光導波路への光の入射方法を得ることができる。
本発明の第3の態様によれば、屈折率の異なる2種類以上の物質を、1次元、或いは2次元、或いは3次元周期的に配列させることによって得られるフォトニック結晶において、前記フォトニック結晶内部に光の導波が可能な構造(導波路)を有しており、その導波路に外部から高効率で光を入射させるために、フォトニック結晶内部に形成された光導波路内での光の電界と磁界の強度の比と、フォトニック結晶外部での入射光の電界と磁界の強度の比を一致させることを特徴とするフォトニック結晶光導波路への光の入射方法を得ることができる。
本発明の第4の態様によれば、第3の態様における、フォトニック結晶光導波路への光の入射方法において、特にフォトニック結晶内部に形成された光導波路の入射端面での光の電界と磁界の強度の比と、フォトニック結晶外部での入射光の電界と磁界の強度の比を一致させることを特徴とするフォトニック結晶光導波路への光の入射方法を得ることができる。
本発明の第5の態様によれば、第3の態様または第4の態様におけるフォトニック結晶光導波路への光の入射方法において、フォトニック結晶内部に形成された光導波路の光入射端面での光の電界と磁界の強度の比の分布形状と、フォトニック結晶外部での入射光の電界と磁界の強度の比の分布形状とを一致させることを特徴とするフォトニック結晶光導波路への光の入射方法を得ることができる。 本発明の第6の態様によれば、第3または第4の態様におけるフォトニック結晶光導波路への光の入射方法において、フォトニック結晶内部に形成された光導波路の光入射端面での光の電界と磁界の強度の比が真空中での電界と磁界の強度比で規格化した値として、1以下であることによって、フォトニック結晶外部での入射光の電界と磁界の強度の比を一致させることを特徴とするフォトニック結晶光導波路への光の入射方法を得ることができる。
本発明の第7の態様によれば、第3または第4の態様におけるフォトニック結晶光導波路への光の入射方法において、フォトニック結晶の分散曲線におけるフォトニックバンドの第1次バンドから第2次バンド付近までを用いることによって、フォトニック結晶外部での入射光の電界と磁界の強度の比を一致させることを特徴とするフォトニック結晶光導波路への光の入射方法を得ることができる。 本発明の第8の態様によれば、第1から第5の態様におけるフォトニック結晶光導波路への光の入射方法において、フォトニック結晶内部に形成された光導波路の入射端面での導波モードの光強度分布と、フォトニック結晶外部での入射光の光強度分布とを一致させることを特徴とするフォトニック結晶光導波路への光の入射方法を得ることができる。
本発明の第9の態様によれば、第1から第5の態様における方法を実現するフォトニック結晶光導波路への高効率光入射構造として、フォトニック結晶内部に線状欠陥を導入することにより形成した線状欠光導波路と、前記線欠陥部分と同一の材料からなるチャネル導波路を接合させることを特徴とするフォトニック結晶光導波路への光の入射構造を得ることができる。
本発明の第10の態様によれば、第1から5および8の態様における方法を実現するフォトニック結晶光導波路への高効率光入射構造として、フォトニック結晶内部に線状欠陥を導入することにより形成した線状欠光導波路と、前記線欠陥部分と同一の材料からなるチャネル導波路を接合させることを特徴とし、更に前記チャネル導波路とフォトニック結晶線欠陥光導波路の接合部分に、第1から5および8の態様に規定された条件を満たす様な接合構造を設けたチャネル導波路を有することを特徴とするフォトニック結晶光導波路への光の入射構造を得ることができる。
本発明の第11の態様によれば、第1から5および8の態様における方法を実現するフォトニック結晶光導波路への高効率光入射構造として、フォトニック結晶内部に線状欠陥を導入することにより形成した線状欠光導波路と、前記線欠陥部分と同一の材料からなるチャネル導波路を接合させることを特徴とし、更に前記チャネル導波路とフォトニック結晶線欠陥光導波路の接合部分に設けた第1の態様に記載した接合構造として、屈折率がチャネル導波路とフォトニック結晶との両者と異なる物質により形成された接合構造を設けたチャネル導波路を有することを特徴とするフォトニック結晶光導波路への光の入射構造を得ることができる。
本発明の第12の態様によれば、第1から第6の態様に記載の方法を実現するフォトニック結晶光導波路への高効率光入射構造として、フォトニック結晶内部に線状欠陥を導入することにより形成した線状欠光導波路と、前記線欠陥部分と同一の材料からなるチャネル導波路を接合させることを特徴とし、更に前記チャネル導波路とフォトニック結晶線欠陥光導波路の接合部分に設けた第10の態様に記載した接合構造として、楔型の形状を設けたチャネル導波路を有することを特徴とするフォトニック結晶光導波路への光の入射構造を得ることができる。
第1図は、フォトニック結晶光導波路と外部との波数整合の概念を説明するための図である。
第2図は、フォトニックバンド図上での波数整合の様子を示す図である。
第3図は、フォトニック結晶光導波路インターフェースを示す図である。
第4図は、フォトニック結晶光導波路と外部とで電界と磁界の比を一致させる手法を説明するための図である。
第5図は、電界と磁界の比の分布のFDTD計算結果を示す図である。
第6図は、フォトニック結晶の電界と磁界の比の分布の平面展開法による計算結果を示す図である。
第7図は、フォトニック結晶光導波路と外部とで電界と磁界の比の分布を一致させる手法を説明するための図である。
第8図は、フォトニック結晶光導波路と外部とで光強度分布を一致させる手法を説明するための図である。
第9図は、フォトニック結晶光導波路と外部とのインターフェース、構造を示す図である。
第10図は、楔型形状を有するフォトニック結晶光導波路と外部とのインターフェース構造を示す図である。
第11図は、フォトニック結晶光導波路との結合効率を示す図である。
第12図は、フォトニック結晶光導波路と外部との接合部での電界と磁界の比の分布のFDTD計算結果を示す図である。
第2図は、フォトニックバンド図上での波数整合の様子を示す図である。
第3図は、フォトニック結晶光導波路インターフェースを示す図である。
第4図は、フォトニック結晶光導波路と外部とで電界と磁界の比を一致させる手法を説明するための図である。
第5図は、電界と磁界の比の分布のFDTD計算結果を示す図である。
第6図は、フォトニック結晶の電界と磁界の比の分布の平面展開法による計算結果を示す図である。
第7図は、フォトニック結晶光導波路と外部とで電界と磁界の比の分布を一致させる手法を説明するための図である。
第8図は、フォトニック結晶光導波路と外部とで光強度分布を一致させる手法を説明するための図である。
第9図は、フォトニック結晶光導波路と外部とのインターフェース、構造を示す図である。
第10図は、楔型形状を有するフォトニック結晶光導波路と外部とのインターフェース構造を示す図である。
第11図は、フォトニック結晶光導波路との結合効率を示す図である。
第12図は、フォトニック結晶光導波路と外部との接合部での電界と磁界の比の分布のFDTD計算結果を示す図である。
本発明をより詳細に説述するため、添付図面にしたがってこれを説明する。
初めに、フォトニック結晶内部に形成された光導波路に高効率で光を入射させる各種の方法について示す。
本発明における第1の実施例としては、フォトニック結晶光導波路と外部との間で、波数の整合を行う手法について示す。第1図にその手法の概念図を示す。
フォトニック結晶内部に形成された光導波路内での光波数と、外部からの入射光の波数が一致した時にのみ光の入射効率が高くなる。つまり、第2図に示すように、フォトニック結晶内光導波路の導波モードの波数k1と、フォトニック結晶の外部での入射光の波数k0を、フォトニックバンド図上で波数kに一致するようにした場合(波数整合)に入射効率が高くなる。なお、第2図において、縦軸は、周波数ωを、横軸は、波数kを示している。
光の波数は、運動方程式で考えると、運動量に相当する。すなわち波数kが変化無く媒質1から媒質2へ通過することは、ある物質が媒質1から媒質2へ通り抜けようとする場合に、運動量が保存されたままで通過できる場合と等価である。運動量が保存された状態であれば、媒質1から媒質2に物質の速度や進行方向が変化することなく通過することが可能となる。
通常、フォトニック結晶内の光導波路部分を構成する材質が屈折率の大きいSiのような場合、空気中あるいは真空中から光を入射させる場合には、フォトニックバンド図上で波数が一致するようにすることは困難であるため、この場合の解決策としては、フォトニック結晶に光を入射させる媒質の屈折率を、フォトニック結晶内の光導波路部分を構成する材質の屈折率と同等とする必要がある。第3図はこの方法を示したものである。つまり、フォトニック結晶光導波路に空気中から直接光を入射させるのではなく、少なくともフォトニック結晶内の光導波路部分との屈折率差の小さい材質(例えばSi)から成る中間的な光導波路(インターフェース)に入射した上で、その中間的な光導波路からフォトニック結晶光導波路に光を入射する。このインターフェースの材質に、フォトニック結晶内の光導波路部分の材質と同じものを用いれば、理想的である。さらに、波数の整合は、その大きさだけではなく、ベクトルとしての一致(波数ベクトルの整合)を行うことが望ましい。
次に本発明における第2の実施例として、フォトニック結晶内部に形成された光導波路内での光の電界と磁界の強度の比と、フォトニック結晶外部での入射光の電界と磁界の強度の比を一致させる方法について示す。
第4図に、この方法を示す。フォトニック結晶内光導波路の導波モードの光の電界と磁界の比(Ex/Hy)と、フォトニック結晶の外部での入射光の電界と磁界の比(Ex/Hy)とを一致させる。
この方法は、電気回路でよく行われているインピーダンス整合と基本的には同じ概念であるが、電気回路の場合インピーダンスは電圧と電流の比(V/I)で規定されるのに対して、光導波路では、電界と磁界の比(E/H)で規定される点が異なる。
電界と磁界の比を一致させる場合も、フォトニック結晶内の光導波路部分を構成する材質が屈折率の大きいSiのような場合、空気中あるいは真空中から光を入射させる場合には、電界と磁界の比を一致させることは困難であり、この場合の解決策としても、フォトニック結晶光導波路に光を入射させる媒質もSiと同程度の屈折率を持つ材質を用いる必要がある。このようなフォトニック結晶光導波路における電界と磁界の強度の比の整合のためには、特に光導波路の接合端面において、異なる導波路間での電界と磁界の強度の比が一致することが重要である。 第5図は、Siからなるフォトニック結晶内光導波路と、Siチャネル光導波路の導波モードの電界と磁界の強度の比をFDTD電磁界解析により求めた結果を示している。
Siチャネル光導波路内での特定の周波数での導波モードの電界と磁界の強度の比は場所に依らず一定であるが、フォトニック結晶光導波路内での導波モードの電界と磁界の強度の比はフォトニック結晶の切断面の位置に依っても大きく異なることを示している。
例えば、第5図に示したように、フォトニック結晶の切断面がAと等価な面である場合には、電界と磁界の強度の比が光導波路断面の中央部で大きいが、切断面がBと等価な面である場合には、光導波路断面の両端で大きくなる。従って、Siチャネル光導波路とフォトニック結晶光導波路の両者を接合する場合、接合点で双方の電界と磁界の強度の比が一致するように接合することが結合効率を最大にする上で重要となる。
次に、本発明における第3の実施例としての方法について述べる。第6図右のBand1あるいはBand2のように、真空中での電界と磁界の強度比で規格化した、フォトニック結晶光導波路の電界と磁界の強度比の値が、正の値であり1以下であることが望ましい。これは、以下の理由による。
非特許文献2(J.UshidaらによるAppl.Phys.Lett.82,7頁−9頁(2003))の手法によると、任意の1次元フォトニック結晶の反射率が解析的に導かれたことにより真空中の電界と磁界の強度比で規格化したフォトニック結晶表面での電界と磁界の強度比の逆数は、フォトニック結晶のフレネル反射を考える上での屈折率に相当することがわかる。
その値をフォトニック結晶の外側、すなわち、光入射側の媒質の屈折率で割った値をαとするときαが1より大きいときはいつでも、フォトニック結晶への無反射コーティングが可能となる。無反射コーティングが可能であることはすなわち、フォトニック結晶への光の結合損失を原理的にゼロにすることが可能であることを意味する。一方、αが1より小さい場合は、真空中から屈折率が1より小さい媒質に光を入射することに相当する。しかしながら、真空中での屈折率が1より小さい媒質は実際には存在しないため、このような場合、光の入射損失をゼロにすることは、実際上非常に考え難い。
第6図右はフォトニック結晶のある断面での電界と磁界の強度を示したものであるが、実空間上の3次元でのフォトニック結晶光導波路についても同様の条件があてはめられる。このことから、αが1以下であるとき、Siチャネル光導波路とフォトニック結晶光導波路の接合において、両者の電界と磁界の強度を一致させることが可能となる。従って、αが1以下であることが望ましい。更に言うならば、接合点において両者の電界と磁界の強度比の分布が一致する方が望ましい 次に、本発明における第4の実施例として、第7図に示すように、Siチャネル導波路とフォトニック結晶光導波路の接合点において電界と磁界の強度比の分布が一致する方法について述べる。
第2の実施例で示したように、異なる導波路間でのフォトニック結晶光導波路の接合端面における電界と磁界の強度の比が一致することが重要である。さらに、フォトニック結晶光導波路の接合端面における電界と磁界の強度の分布を一致させると、接合断面のどこをみても接合界面で電界と磁界の強度の比が等しいことになるため、両者の結合損失を、さらに低減することができる。
次に、本発明における第5の実施例としての方法について述べる。第6図の右は、光導波路と光が結合する第6図の左の結合モードのバンドAについて、フォトニックバンドの第1次バンドから高次バンドまで、電界と磁界の強度の比のフォトニック結晶断面での分布を示した図である。第4バンドと第5バンドでは電界と磁界の強度の分布が光導波路面内で大きく変化するが、第1次および第2次のバンドでは、比較的分布が小さい。フォトニック結晶バンド内に形成される光導波路モードで考えると、第4バンドや第5バンドなど高次のバンド付近にバンドに付随する光導波路モードでは、光導波路面内で電界と磁界の強度の分布が大きく変化するが、第1次バンドと第2次バンドの付近の光導波路モードでは、光導波路面内での電界と磁界の強度の分布の変化が比較的緩やかで小さくなるような周波数が存在する。
すなわち、フォトニック結晶の第1次のバンドから第2次のバンド付近までに存在するフォトニック結晶内の光導波路の導波モードを用いることによりSiチャネル光導波路との電界と磁界の強度比の分布を一致させることができる。
次に本発明における第6の実施例としての、フォトニック結晶内部に形成された光導波路の導波モードの光強度分布と、フォトニック結晶外部での入射光の光強度分布とを一致させる方法について示す。第8図にこの様子を示すが、フォトニック結晶内光導波路の導波モードの光入射端面での光強度分布と、入射光の光強度分布を一致させることにより、フォトニック結晶内光導波路への光入射効率が改善できる。
一般には、導波モードが変化した場合、結合損失が大きくなる。光強度分布を一致させたままでフォトニック結晶外部からフォトニック結晶光導波路に光を導波させることは、フォトニック結晶の外と内側で光の導波モードを変化させることなく導波する事を意味する。この方法を実現するための構造としては、フォトニック結晶光導波路の入射部分にチャネル光導波路などを取り付ける構造が考えられる。
この構造は、フォトニック結晶内光導波路の導波モードの電界分布がガウス分布に比較的近い場合に有効である。つまり、チャネル導波路内での基本モードの光の強度分布はガウス分布に近い形をしており、フォトニック結晶光導波路内での導波モードの光強度分布がガウス分布に近い場合は、チャネル導波路から効率良く光を入射させることができる。勿論、単にガウス型の光強度分布を有する入射光ビームを得るためだけなら、敢えてチャネル導波路を用いる必要は無いが、チャネル導波路をインターフェースに用いることは、先に述べた波数整合や電界と磁界の強度の比の整合を実現する意味と合わせて重要である。
次に、本発明による第7の実施例について以下に述べる。第6図右上は三角格子空気中Siロッド(ロッド半径r=0.4335a,格子定数:a,Si屈折率=3.45)の単位胞(面積2倍)を示しており、第6図左はこのフォトニック結晶におけるTM偏光(電場がロッドに平行)の成分についての、ΓM方向のフォトニックバンド図を示している。第2図中の各バンドに示されている記号AとBは、フォトニック結晶外部からの光と結合できる結合モード(A)と非結合モード(B)を示している。これらのフォトニックバンドの第6図左図中で丸印で示された結合モード(波数=2ΓM/3)での、第6図右上図中の矢印で示された線上における表面での電界と磁界の強度の比(真空の表面での電界と磁界の強度の比で規格化)を第6図右下図に示す。
この第6図右上図中の矢印で示された線上は、無限フォトニック結晶における鏡映面になっているため、表面での電界と磁界の強度の比の値は実数である。第6図右下図からわかるようにBand1およびBand2の電界と磁界の強度の比の空間分布は、Band4とBand5の空間分布より変化が緩やかであり、その値は正で1以下である。真空中での電界と磁界の強度の比で規格化された、電界と磁界の強度の比が、1以下の場合で空間分布が平坦な場合は、近似的に1次元の電界と磁界の強度の比が整合するための手法、すなわち、本発明の実施例3と同様の方法により接合損失の低減が可能である。そのためBand1とBand2は表面に一様媒質膜をつけることで近似的に電界と磁界の強度の比の整合をとることが可能であることがわかる。
実際に、このようなBand1とBand2の近傍では線欠陥モードでも電界と磁界の強度の分布が比較的緩やかであり、規格化した値も1以下になっている。第5図に、第1バンドギャップ内にある線欠陥モードについて、規格化した電界と磁界の強度の比の分布を示す。チャネル導波路とフォトニック結晶光導波路の両者共に電界と磁界の強度の比が1以下となっている。これは、本発明の第3の実施例で説明した手法によって、Siチャネル光導波路との電界と磁界の強度比の分布を一致させることができる条件を満たしていることを示す。
第9図は、本発明の第8の実施例としてのチャネル導波路インターフェースを示す。フォトニック結晶は、厚さ約0.2〜0.3μmのSi層に、直径約0.3μmの丸い孔を三角格子状に開けた構造をしており、格子の周期は約0.45μmである。光導波路は、Γ−K方向に線状欠陥を1列抜いた形で形成されており、従って、光導波路部分の媒質はSi(屈折率約3.5)である。Si層の上下は、SiO2であっても空気であっても構わない。
このような、空気穴三角格子を有するスラブ型フォトニック結晶内に設けた線欠陥光導波路に、効率良く光を入射させる方法として、フォトニック結晶光導波路部分と同じ材質のSiからなるチャネル導波路をインターフェースとして用いる方法が効果的である。このSiチャネル光導波路によるインターフェース構造を用いることにより、フォトニック結晶光導波路への入射効率は、空気中から直接入射させる場合(この場合の結合損失としては10dB以上)に比べて大幅に改善できる。計算による見積では、Siチャネル光導波路とフォトニック結晶光導波路との間の結合損は約2dB、空気中からSiチャネル光導波路への結合損も1dB以下程度にまで低減できることが知られているので、本インターフェースを用いる場合、結合損失としては全体で3dB以下に抑えることが可能である。ここで示したインターフェースの効果としては、上述の波数整合或いは、電界と磁界の比が整合する役割を果たすものである。
第9図を用いて、本発明の第9の実施例としてのSiからなるチャネル導波路インターフェースの例を示す。フォトニック結晶は、厚さ約0.2〜0.3μmのSi層に、直径約0.3μmの丸い孔を三角格子状に開けた構造をしており、格子の周期は約0.45μmである。光導波路は、Γ−K方向に線状欠陥を1列抜いた形で形成されている。従って、光導波路部分の媒質はSi(屈折率約3.5)である。Si層の上下は、SiO2であっても空気であっても構わない。
このような、空気穴三角格子を有するスラブ型フォトニック結晶内に設けた線欠陥光導波路に、効率良く光を入射させる方法として、フォトニック結晶光導波路部分Siからなるチャネル導波路の間に、屈折率が両者の中間値をとるような物質あるいは構造体を用いた接合構造をインターフェースとして用いる方法が効果的である。このような接合構造を用いることにより、フォトニック結晶光導波路への入射効率は、空気中から直接入射させる場合(この場合の結合損失としては10dB以上)に比べて大幅に改善できる。
次に、本発明の第10の実施例として、本インターフェース構造をさらに改良した楔型のSiチャネル光導波路インターフェースについて示す。第10図は、Siからなるフォトニック結晶内光導波路と、Siチャネル光導波路の導波モードの電界と磁界の強度比の分布を一致させることができる構造を示す。図に示すようにフォトニック結晶内光導波路と、Siチャネル光導波路の接合部分に楔型の構造を設けることにより、両者の接合面での電界と磁界の強度比の分布を一致させることができる。楔型の導波路長は0.3μmであり、フォトニック結晶側接合面での幅は1.26μmである。
第11図は、Siチャネル光導波路とフォトニック結晶光導波路の接合部分における光透過率の波長依存性を示す。楔形の構造をインターフェースとして設けることにより、光結合損失が、それぞれ、光の波長1.60μmにおいて0.33dBから0.14まで、1.63μmにおいて1.2dBから0.35まで格段に改善されたことがわかる。ここで、楔型の導波路長を0.3μmの場合には第11図の様な結合損失の改善が行われたが、楔形の導波路長が0.6〜0.7μmでは、むしろ結合損失は大きくなった。
第12図に、接合部に、インターフェースがない場合と設けた場合について、電界と磁界の強度比の分布を比較した例を示す。電界と磁界の強度比の分布において、インターフェースがない場合にはフォトニック結晶内に高い値の領域であることを示す暗い部分が存在するが、一方、楔形の導波路長0.3μmの場合のインターフェースを設けた場合には、このような暗い部分の領域が少なくなり、Siチャネル光導波路からフォトニック結晶中まで電界と磁界が同じような濃淡で分布していることがわかる。このことは、インターフェースの効果として、接合付近におけるフォトニック結晶光導波路の電界と磁界の強度の比の値が低減されていることを示すものである。さらに、前述の結合損失が大きくなる様な楔形インターフェースの導波路長が0.6〜0.7μmの場合には、インターフェース部分や接合付近におけるフォトニック結晶光導波路の電界と磁界の強度の比の値が大きくなっており、電界と磁界の強度の比の分布がうまく整合していないことを示していた。
本発明は、フォトニック結晶光導波路に高効率に光を入射させる手法を提供するもので、本手法はあらゆるフォトニック結晶光学素子に適用できる。また本明細書では、フォトニック結晶中に線状欠陥を導入した所謂線欠陥光導波路への入射の場合を例にとって話を進めたが、光導波路の形態としては、線欠陥型の光導波路には限らない。従来の光導波路のような屈折率差で光を導くタイプの光導波路であっても構わない。また、フォトニック結晶内に敢えて光導波路を形成していなくても、光が導波されるような構造を有していれば、上記の手法および構造は適用できることは明らかである。
初めに、フォトニック結晶内部に形成された光導波路に高効率で光を入射させる各種の方法について示す。
本発明における第1の実施例としては、フォトニック結晶光導波路と外部との間で、波数の整合を行う手法について示す。第1図にその手法の概念図を示す。
フォトニック結晶内部に形成された光導波路内での光波数と、外部からの入射光の波数が一致した時にのみ光の入射効率が高くなる。つまり、第2図に示すように、フォトニック結晶内光導波路の導波モードの波数k1と、フォトニック結晶の外部での入射光の波数k0を、フォトニックバンド図上で波数kに一致するようにした場合(波数整合)に入射効率が高くなる。なお、第2図において、縦軸は、周波数ωを、横軸は、波数kを示している。
光の波数は、運動方程式で考えると、運動量に相当する。すなわち波数kが変化無く媒質1から媒質2へ通過することは、ある物質が媒質1から媒質2へ通り抜けようとする場合に、運動量が保存されたままで通過できる場合と等価である。運動量が保存された状態であれば、媒質1から媒質2に物質の速度や進行方向が変化することなく通過することが可能となる。
通常、フォトニック結晶内の光導波路部分を構成する材質が屈折率の大きいSiのような場合、空気中あるいは真空中から光を入射させる場合には、フォトニックバンド図上で波数が一致するようにすることは困難であるため、この場合の解決策としては、フォトニック結晶に光を入射させる媒質の屈折率を、フォトニック結晶内の光導波路部分を構成する材質の屈折率と同等とする必要がある。第3図はこの方法を示したものである。つまり、フォトニック結晶光導波路に空気中から直接光を入射させるのではなく、少なくともフォトニック結晶内の光導波路部分との屈折率差の小さい材質(例えばSi)から成る中間的な光導波路(インターフェース)に入射した上で、その中間的な光導波路からフォトニック結晶光導波路に光を入射する。このインターフェースの材質に、フォトニック結晶内の光導波路部分の材質と同じものを用いれば、理想的である。さらに、波数の整合は、その大きさだけではなく、ベクトルとしての一致(波数ベクトルの整合)を行うことが望ましい。
次に本発明における第2の実施例として、フォトニック結晶内部に形成された光導波路内での光の電界と磁界の強度の比と、フォトニック結晶外部での入射光の電界と磁界の強度の比を一致させる方法について示す。
第4図に、この方法を示す。フォトニック結晶内光導波路の導波モードの光の電界と磁界の比(Ex/Hy)と、フォトニック結晶の外部での入射光の電界と磁界の比(Ex/Hy)とを一致させる。
この方法は、電気回路でよく行われているインピーダンス整合と基本的には同じ概念であるが、電気回路の場合インピーダンスは電圧と電流の比(V/I)で規定されるのに対して、光導波路では、電界と磁界の比(E/H)で規定される点が異なる。
電界と磁界の比を一致させる場合も、フォトニック結晶内の光導波路部分を構成する材質が屈折率の大きいSiのような場合、空気中あるいは真空中から光を入射させる場合には、電界と磁界の比を一致させることは困難であり、この場合の解決策としても、フォトニック結晶光導波路に光を入射させる媒質もSiと同程度の屈折率を持つ材質を用いる必要がある。このようなフォトニック結晶光導波路における電界と磁界の強度の比の整合のためには、特に光導波路の接合端面において、異なる導波路間での電界と磁界の強度の比が一致することが重要である。 第5図は、Siからなるフォトニック結晶内光導波路と、Siチャネル光導波路の導波モードの電界と磁界の強度の比をFDTD電磁界解析により求めた結果を示している。
Siチャネル光導波路内での特定の周波数での導波モードの電界と磁界の強度の比は場所に依らず一定であるが、フォトニック結晶光導波路内での導波モードの電界と磁界の強度の比はフォトニック結晶の切断面の位置に依っても大きく異なることを示している。
例えば、第5図に示したように、フォトニック結晶の切断面がAと等価な面である場合には、電界と磁界の強度の比が光導波路断面の中央部で大きいが、切断面がBと等価な面である場合には、光導波路断面の両端で大きくなる。従って、Siチャネル光導波路とフォトニック結晶光導波路の両者を接合する場合、接合点で双方の電界と磁界の強度の比が一致するように接合することが結合効率を最大にする上で重要となる。
次に、本発明における第3の実施例としての方法について述べる。第6図右のBand1あるいはBand2のように、真空中での電界と磁界の強度比で規格化した、フォトニック結晶光導波路の電界と磁界の強度比の値が、正の値であり1以下であることが望ましい。これは、以下の理由による。
非特許文献2(J.UshidaらによるAppl.Phys.Lett.82,7頁−9頁(2003))の手法によると、任意の1次元フォトニック結晶の反射率が解析的に導かれたことにより真空中の電界と磁界の強度比で規格化したフォトニック結晶表面での電界と磁界の強度比の逆数は、フォトニック結晶のフレネル反射を考える上での屈折率に相当することがわかる。
その値をフォトニック結晶の外側、すなわち、光入射側の媒質の屈折率で割った値をαとするときαが1より大きいときはいつでも、フォトニック結晶への無反射コーティングが可能となる。無反射コーティングが可能であることはすなわち、フォトニック結晶への光の結合損失を原理的にゼロにすることが可能であることを意味する。一方、αが1より小さい場合は、真空中から屈折率が1より小さい媒質に光を入射することに相当する。しかしながら、真空中での屈折率が1より小さい媒質は実際には存在しないため、このような場合、光の入射損失をゼロにすることは、実際上非常に考え難い。
第6図右はフォトニック結晶のある断面での電界と磁界の強度を示したものであるが、実空間上の3次元でのフォトニック結晶光導波路についても同様の条件があてはめられる。このことから、αが1以下であるとき、Siチャネル光導波路とフォトニック結晶光導波路の接合において、両者の電界と磁界の強度を一致させることが可能となる。従って、αが1以下であることが望ましい。更に言うならば、接合点において両者の電界と磁界の強度比の分布が一致する方が望ましい 次に、本発明における第4の実施例として、第7図に示すように、Siチャネル導波路とフォトニック結晶光導波路の接合点において電界と磁界の強度比の分布が一致する方法について述べる。
第2の実施例で示したように、異なる導波路間でのフォトニック結晶光導波路の接合端面における電界と磁界の強度の比が一致することが重要である。さらに、フォトニック結晶光導波路の接合端面における電界と磁界の強度の分布を一致させると、接合断面のどこをみても接合界面で電界と磁界の強度の比が等しいことになるため、両者の結合損失を、さらに低減することができる。
次に、本発明における第5の実施例としての方法について述べる。第6図の右は、光導波路と光が結合する第6図の左の結合モードのバンドAについて、フォトニックバンドの第1次バンドから高次バンドまで、電界と磁界の強度の比のフォトニック結晶断面での分布を示した図である。第4バンドと第5バンドでは電界と磁界の強度の分布が光導波路面内で大きく変化するが、第1次および第2次のバンドでは、比較的分布が小さい。フォトニック結晶バンド内に形成される光導波路モードで考えると、第4バンドや第5バンドなど高次のバンド付近にバンドに付随する光導波路モードでは、光導波路面内で電界と磁界の強度の分布が大きく変化するが、第1次バンドと第2次バンドの付近の光導波路モードでは、光導波路面内での電界と磁界の強度の分布の変化が比較的緩やかで小さくなるような周波数が存在する。
すなわち、フォトニック結晶の第1次のバンドから第2次のバンド付近までに存在するフォトニック結晶内の光導波路の導波モードを用いることによりSiチャネル光導波路との電界と磁界の強度比の分布を一致させることができる。
次に本発明における第6の実施例としての、フォトニック結晶内部に形成された光導波路の導波モードの光強度分布と、フォトニック結晶外部での入射光の光強度分布とを一致させる方法について示す。第8図にこの様子を示すが、フォトニック結晶内光導波路の導波モードの光入射端面での光強度分布と、入射光の光強度分布を一致させることにより、フォトニック結晶内光導波路への光入射効率が改善できる。
一般には、導波モードが変化した場合、結合損失が大きくなる。光強度分布を一致させたままでフォトニック結晶外部からフォトニック結晶光導波路に光を導波させることは、フォトニック結晶の外と内側で光の導波モードを変化させることなく導波する事を意味する。この方法を実現するための構造としては、フォトニック結晶光導波路の入射部分にチャネル光導波路などを取り付ける構造が考えられる。
この構造は、フォトニック結晶内光導波路の導波モードの電界分布がガウス分布に比較的近い場合に有効である。つまり、チャネル導波路内での基本モードの光の強度分布はガウス分布に近い形をしており、フォトニック結晶光導波路内での導波モードの光強度分布がガウス分布に近い場合は、チャネル導波路から効率良く光を入射させることができる。勿論、単にガウス型の光強度分布を有する入射光ビームを得るためだけなら、敢えてチャネル導波路を用いる必要は無いが、チャネル導波路をインターフェースに用いることは、先に述べた波数整合や電界と磁界の強度の比の整合を実現する意味と合わせて重要である。
次に、本発明による第7の実施例について以下に述べる。第6図右上は三角格子空気中Siロッド(ロッド半径r=0.4335a,格子定数:a,Si屈折率=3.45)の単位胞(面積2倍)を示しており、第6図左はこのフォトニック結晶におけるTM偏光(電場がロッドに平行)の成分についての、ΓM方向のフォトニックバンド図を示している。第2図中の各バンドに示されている記号AとBは、フォトニック結晶外部からの光と結合できる結合モード(A)と非結合モード(B)を示している。これらのフォトニックバンドの第6図左図中で丸印で示された結合モード(波数=2ΓM/3)での、第6図右上図中の矢印で示された線上における表面での電界と磁界の強度の比(真空の表面での電界と磁界の強度の比で規格化)を第6図右下図に示す。
この第6図右上図中の矢印で示された線上は、無限フォトニック結晶における鏡映面になっているため、表面での電界と磁界の強度の比の値は実数である。第6図右下図からわかるようにBand1およびBand2の電界と磁界の強度の比の空間分布は、Band4とBand5の空間分布より変化が緩やかであり、その値は正で1以下である。真空中での電界と磁界の強度の比で規格化された、電界と磁界の強度の比が、1以下の場合で空間分布が平坦な場合は、近似的に1次元の電界と磁界の強度の比が整合するための手法、すなわち、本発明の実施例3と同様の方法により接合損失の低減が可能である。そのためBand1とBand2は表面に一様媒質膜をつけることで近似的に電界と磁界の強度の比の整合をとることが可能であることがわかる。
実際に、このようなBand1とBand2の近傍では線欠陥モードでも電界と磁界の強度の分布が比較的緩やかであり、規格化した値も1以下になっている。第5図に、第1バンドギャップ内にある線欠陥モードについて、規格化した電界と磁界の強度の比の分布を示す。チャネル導波路とフォトニック結晶光導波路の両者共に電界と磁界の強度の比が1以下となっている。これは、本発明の第3の実施例で説明した手法によって、Siチャネル光導波路との電界と磁界の強度比の分布を一致させることができる条件を満たしていることを示す。
第9図は、本発明の第8の実施例としてのチャネル導波路インターフェースを示す。フォトニック結晶は、厚さ約0.2〜0.3μmのSi層に、直径約0.3μmの丸い孔を三角格子状に開けた構造をしており、格子の周期は約0.45μmである。光導波路は、Γ−K方向に線状欠陥を1列抜いた形で形成されており、従って、光導波路部分の媒質はSi(屈折率約3.5)である。Si層の上下は、SiO2であっても空気であっても構わない。
このような、空気穴三角格子を有するスラブ型フォトニック結晶内に設けた線欠陥光導波路に、効率良く光を入射させる方法として、フォトニック結晶光導波路部分と同じ材質のSiからなるチャネル導波路をインターフェースとして用いる方法が効果的である。このSiチャネル光導波路によるインターフェース構造を用いることにより、フォトニック結晶光導波路への入射効率は、空気中から直接入射させる場合(この場合の結合損失としては10dB以上)に比べて大幅に改善できる。計算による見積では、Siチャネル光導波路とフォトニック結晶光導波路との間の結合損は約2dB、空気中からSiチャネル光導波路への結合損も1dB以下程度にまで低減できることが知られているので、本インターフェースを用いる場合、結合損失としては全体で3dB以下に抑えることが可能である。ここで示したインターフェースの効果としては、上述の波数整合或いは、電界と磁界の比が整合する役割を果たすものである。
第9図を用いて、本発明の第9の実施例としてのSiからなるチャネル導波路インターフェースの例を示す。フォトニック結晶は、厚さ約0.2〜0.3μmのSi層に、直径約0.3μmの丸い孔を三角格子状に開けた構造をしており、格子の周期は約0.45μmである。光導波路は、Γ−K方向に線状欠陥を1列抜いた形で形成されている。従って、光導波路部分の媒質はSi(屈折率約3.5)である。Si層の上下は、SiO2であっても空気であっても構わない。
このような、空気穴三角格子を有するスラブ型フォトニック結晶内に設けた線欠陥光導波路に、効率良く光を入射させる方法として、フォトニック結晶光導波路部分Siからなるチャネル導波路の間に、屈折率が両者の中間値をとるような物質あるいは構造体を用いた接合構造をインターフェースとして用いる方法が効果的である。このような接合構造を用いることにより、フォトニック結晶光導波路への入射効率は、空気中から直接入射させる場合(この場合の結合損失としては10dB以上)に比べて大幅に改善できる。
次に、本発明の第10の実施例として、本インターフェース構造をさらに改良した楔型のSiチャネル光導波路インターフェースについて示す。第10図は、Siからなるフォトニック結晶内光導波路と、Siチャネル光導波路の導波モードの電界と磁界の強度比の分布を一致させることができる構造を示す。図に示すようにフォトニック結晶内光導波路と、Siチャネル光導波路の接合部分に楔型の構造を設けることにより、両者の接合面での電界と磁界の強度比の分布を一致させることができる。楔型の導波路長は0.3μmであり、フォトニック結晶側接合面での幅は1.26μmである。
第11図は、Siチャネル光導波路とフォトニック結晶光導波路の接合部分における光透過率の波長依存性を示す。楔形の構造をインターフェースとして設けることにより、光結合損失が、それぞれ、光の波長1.60μmにおいて0.33dBから0.14まで、1.63μmにおいて1.2dBから0.35まで格段に改善されたことがわかる。ここで、楔型の導波路長を0.3μmの場合には第11図の様な結合損失の改善が行われたが、楔形の導波路長が0.6〜0.7μmでは、むしろ結合損失は大きくなった。
第12図に、接合部に、インターフェースがない場合と設けた場合について、電界と磁界の強度比の分布を比較した例を示す。電界と磁界の強度比の分布において、インターフェースがない場合にはフォトニック結晶内に高い値の領域であることを示す暗い部分が存在するが、一方、楔形の導波路長0.3μmの場合のインターフェースを設けた場合には、このような暗い部分の領域が少なくなり、Siチャネル光導波路からフォトニック結晶中まで電界と磁界が同じような濃淡で分布していることがわかる。このことは、インターフェースの効果として、接合付近におけるフォトニック結晶光導波路の電界と磁界の強度の比の値が低減されていることを示すものである。さらに、前述の結合損失が大きくなる様な楔形インターフェースの導波路長が0.6〜0.7μmの場合には、インターフェース部分や接合付近におけるフォトニック結晶光導波路の電界と磁界の強度の比の値が大きくなっており、電界と磁界の強度の比の分布がうまく整合していないことを示していた。
本発明は、フォトニック結晶光導波路に高効率に光を入射させる手法を提供するもので、本手法はあらゆるフォトニック結晶光学素子に適用できる。また本明細書では、フォトニック結晶中に線状欠陥を導入した所謂線欠陥光導波路への入射の場合を例にとって話を進めたが、光導波路の形態としては、線欠陥型の光導波路には限らない。従来の光導波路のような屈折率差で光を導くタイプの光導波路であっても構わない。また、フォトニック結晶内に敢えて光導波路を形成していなくても、光が導波されるような構造を有していれば、上記の手法および構造は適用できることは明らかである。
Claims (20)
- 屈折率の異なる2種類以上の物質を、1次元、或いは2次元、或いは3次元周期的に配列させることによって得られるフォトニック結晶において、
前記フォトニック結晶内部に光の導波が可能な構造(導波路)を有しており、その導波路に外部から高効率で光を入射させるために、
フォトニック結晶内部に形成された光導波路内での光の波数と、フォトニック結晶外部での入射光の波数を一致させることを特徴とするフォトニック結晶光導波路への光の入射方法。 - 屈折率の異なる2種類以上の物質を、1次元、或いは2次元、或いは3次元周期的に配列させることによって得られるフォトニック結晶において、
前記フォトニック結晶内部に光の導波が可能な構造(導波路)を有しており、その導波路に外部から高効率で光を入射させるために、
フォトニック結晶内部に形成された光導波路内での光の波数ベクトルと、フォトニック結晶外部での入射光の波数ベクトルを一致させることを特徴とするフォトニック結晶光導波路への光の入射方法。 - 屈折率の異なる2種類以上の物質を、1次元、或いは2次元、或いは3次元周期的に配列させることによって得られるフォトニック結晶において、
前記フォトニック結晶内部に光の導波が可能な構造(導波路)を有しており、その導波路に外部から高効率で光を入射させるために、
フォトニック結晶内部に形成された光導波路内での光の電界と磁界の強度の比と、フォトニック結晶外部での入射光の電界と磁界の強度の比を一致させることを特徴とするフォトニック結晶光導波路への光の入射方法。 - 請求の範囲第3項に記載のフォトニック結晶内部に形成された光導波路の入射端面での光の電界と磁界の強度の比と、フォトニック結晶外部での入射光の電界と磁界の強度の比を一致させることを特徴とするフォトニック結晶光導波路への光の入射方法。
- 請求の範囲第3項又は第4項に記載のフォトニック結晶光導波路への光の入射方法において、フォトニック結晶内部に形成された光導波路の光入射端面での光の電界と磁界の強度の比が真空中での電界と磁界の強度比で規格化した値として、1以下であることによって、フォトニック結晶外部での入射光の電界と磁界の強度の比を一致させることを特徴とするフォトニック結晶光導波路への光の入射方法。
- 請求の範囲第3項又は第4項に記載のフォトニック結晶光導波路への光の入射方法において、フォトニック結晶の分散曲線におけるフォトニックバンドの第1次バンドから第2次バンド付近までを用いることによって、フォトニック結晶外部での入射光の電界と磁界の強度の比を一致させることを特徴とするフォトニック結晶光導波路への光の入射方法。
- 請求の範囲第3項乃至第6項のいずれか1項に記載のフォトニック結晶光導波路への光の入射方法において、フォトニック結晶内部に形成された光導波路の光入射端面での光の電界と磁界の強度の比の分布形状と、フォトニック結晶外部での入射光の電界と磁界の強度の比の分布形状とを一致させることを特徴とするフォトニック結晶光導波路への光の入射方法。
- 請求の範囲第1項乃至第7項のいずれか1項に記載のフォトニック結晶光導波路への光の入射方法において、フォトニック結晶内部に形成された光導波路の入射端面での導波モードの光強度分布と、フォトニック結晶外部での入射光の光強度分布とを一致させることを特徴とするフォトニック結晶光導波路への光の入射方法。
- 請求の範囲第1項乃至第8項のいずれか1項に記載の方法を実現するフォトニック結晶光導波路への高効率光入射構造として、フォトニック結晶内部に線状欠陥を導入することにより形成した線状欠光導波路と、前記線欠陥部分と同一の材料からなるチャネル導波路を接合させることを特徴とするフォトニック結晶光導波路への光の入射構造。
- 請求の範囲第1項乃至第8項のいずれか1項に記載の方法を実現するフォトニック結晶光導波路への高効率光入射構造として、フォトニック結晶内部に線状欠陥を導入することにより形成した線状欠光導波路と、前記線欠陥部分と同一の材料からなるチャネル導波路を接合させることを特徴とし、更に前記チャネル導波路とフォトニック結晶線欠陥光導波路の接合部分に、請求の範囲第1項乃至第8項のいずれか一項を、満たす様な接合構造を設けたチャネル導波路を有することを特徴とするフォトニック結晶光導波路への光の入射構造。
- 請求の範囲第1項乃至第8項のいずれか1項に記載の方法を実現するフォトニック結晶光導波路への高効率光入射構造として、フォトニック結晶内部に線状欠陥を導入することにより形成した線状欠光導波路と、前記線欠陥部分と同一の材料からなるチャネル導波路を接合させることを特徴とし、更に前記チャネル導波路とフォトニック結晶線欠陥光導波路の接合部分に設けた、請求の範囲第10項に記載した接合構造として、屈折率がチャネル導波路とフォトニック結晶との両者と異なる物質により形成された接合構造を設けたチャネル導波路を有することを特徴とするフォトニック結晶光導波路への光の入射構造。
- 請求の範囲第1項乃至第8項のいずれか1項に記載の方法を実現するフォトニック結晶光導波路への高効率光入射構造として、フォトニック結晶内部に線状欠陥を導入することにより形成した線状欠光導波路と、前記線欠陥部分と同一の材料からなるチャネル導波路を接合させることを特徴とし、更に前記チャネル導波路とフォトニック結晶線欠陥光導波路の接合部分に設けた請求の範囲第10項に記載した接合構造として、楔型の形状を設けたチャネル導波路を有することを特徴とするフォトニック結晶光導波路への光の入射構造。
- 屈折率の異なる2種類以上の部材が周期的に配列されてなり、光導波路を有するフォトニック結晶と、
前記フォトニック結晶の光導波路の入射端に一端が当接してなる第2の光導波路と、
を備え、
前記第2の光導波路に入射された光が、前記第2の光導波路を介して、前記フォトニック結晶内の光導波路に入射される、ことを特徴とするフォトニック結晶装置。 - 屈折率の異なる2種類以上の部材が周期的に配列されてなり、光導波路を有するフォトニック結晶と、
前記フォトニック結晶内の光導波路の入射端に一側端が当接してなる接合部材と、
前記接合部材の前記一側端と対向する他側端に一側端が当接してなる第2の光導波路と、
を備え、
前記第2の光導波路の他側端から入射された光が、前記第2の光導波路及び前記接合部材を介して、前記フォトニック結晶内の光導波路に入射される、ことを特徴とするフォトニック結晶装置。 - 前記第2の光導波路は、前記第2の光導波路の屈折率と、前記フォトニック結晶内の光導波路の屈折率との差が相対的に小さい部材よりなる、ことを特徴とする請求の範囲第13項又は14項に記載のフォトニック結晶装置。
- 前記接合部材の屈折率は、前記第2の光導波路の屈折率と前記フォトニック結晶内の光導波路の屈折率との間の値とされる、ことを特徴とする請求の範囲第14項に記載のフォトニック結晶装置。
- 前記フォトニック結晶内の光導波路と前記第2の光導波路との接合点でのそれぞれの光導波路の電界と磁界の強度の比が一致している、ことを特徴とする請求の範囲第13項に記載のフォトニック結晶装置。
- 前記フォトニック結晶内の光導波路と前記第2の光導波路との接合面でそれぞれの光導波路の電界と磁界の強度比の分布が一致している、ことを特徴とする請求の範囲第13項又は第14項に記載のフォトニック結晶装置。
- 前記フォトニック結晶の所定のバンドに存在するフォトニック結晶内の光導波路の所定バンドの導波モードを用い、フォトニック結晶内の光導波路と前記第2の光導波路とのそれぞれの電界と磁界の強度比の分布を一致させてなる、ことを特徴とする請求の範囲第13項又は14項に記載のフォトニック結晶装置。
- 前記接合部材は、前記フォトニック結晶内の光導波路と当接する側の幅が、前記第2の光導波路と当接する他側の幅よりも大とされる、ことを特徴とする請求の範囲第14項に記載のフォトニック結晶装置。
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