JPWO2004079733A1 - 光情報媒体の試験方法 - Google Patents

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Abstract

高記録密度光情報媒体の透光性基体表面の耐擦傷性を、簡便に、且つ実際の使用環境を反映した形で定量化できる試験方法、及びその際の適切な判定基準を提供する。透光性基体側から情報記録層に入射したレーザー光によって光学的に記録および/または再生がなされ、且つ、下記式(1)、R = 2Ttan[sin−1(NA/n)] (1)(式中、Tは透光性基体の厚さ(μm)、NAは記録再生装置の対物レンズ開口数、nは透光性基体の屈折率である)で定義される、透光性基体表面での記録/再生レーザー光の集光径Rが40〜400μmである光情報媒体に対し、そのレーザー光入射側表面の耐擦傷性に関する評価試験を行うにあたり、レーザー光入射側表面を、ISO9352に規定されている摩耗輪により摩耗させた後の再生信号のエラー量に基づいてレーザー光入射側表面の耐擦傷性を評価する。

Description

本発明は、高記録密度光情報媒体の透光性基体側表面の耐擦傷性を、簡便に、且つ実際の使用環境を反映した形で定量化できる試験方法に関する。
近年、大容量のデジタルデータを記録するための記録媒体として、CDやDVDに代表される光情報媒体が広く用いられている。一般に、再生専用の光情報媒体は光入射面側から、透光性基体、反射層、保護層の順に各層が積層され、書き込み可能な光情報媒体は光入射面側から、透光性基体、記録層、反射層、保護層の順に各層が積層されてなる。
再生専用の光情報媒体においては反射層が情報記録層となり、書き込み可能な光情報媒体においては記録層が情報記録層となる。これらいずれのタイプの光情報媒体においても、データの読み出しに際しては、透光性基体側から再生用レーザが照射されてその反射光が検出される。また、書き込み可能な光記録媒体におけるデータの書き込みに際しては、透光性基体側から記録用レーザが照射され、その熱エネルギー及び/又は光エネルギーによって記録層の化学的状態ないしは物理的状態が記録すべきデータに基づいて変化させられる。
ここで、光情報媒体に照射されるレーザは、反射層又は記録層において所定の径をもつビームスポットが形成されるように光学系によって集光される。このため、透光性基体の表面に傷が存在するとビームスポットが正しく形成されず、読み出しエラーや書き込みエラーが生じることがある。このような傷の発生を防止する方法としては、従来より、透光性基体の表面に硬度の高いハードコート層を設ける方法が知られている。
ところで、近年、記録/再生レーザー光を集束するための対物レンズの開口数(NA)を0.85程度まで大きくするとともに、記録/再生レーザー光の波長λを400nm程度まで短くすることによってレーザー光の集光スポット径を小さくし、これにより大容量のデジタルデータを記録する試みがなされ、最近、次世代光ディスクフォーマットとして、ブルーレイディスクの名称で公表されるに至っている。
このような高NA化を行うと、光情報媒体の反りや傾きの許容度、すなわちチルトマージンが小さくなるため、十分なチルトマージンを確保するためには、透光性基体の厚さを薄くする必要がある。例えば、NA=0.85、λ=400nm程度に設定した場合、十分なチルトマージンを確保するためには、透光性基体の厚さを100μm程度まで薄くすることが要求される。
また、高NA化を図ると、対物レンズと光記録媒体の表面との作動距離(ワーキング・ディスタンス)が小さくなり、例えば、NA=0.85程度に設定した場合、ワーキング・ディスタンスは100μm程度と、従来に比べて著しく狭くなる。
しかしながら、ワーキング・ディスタンスが非常に狭くなると、光情報媒体の回転中に、光情報媒体の表面と対物レンズやこれを支持する支持体とが接触を起こす可能性が非常に高くなり、光情報媒体の回転中にこのような接触が発生すると、光情報媒体の透光性基体表面には致命的な傷が生じる恐れがある。このような接触による傷の発生は、上述したハードコート層を設けることによってある程度抑制することができるが、透光性基体を100μm程度まで薄膜化した場合、透光性基体表面における記録/再生レーザー光の集光径も著しく小さくなるため、CD、DVD等の従来の光情報媒体では読み取りエラーや書き込みエラーとならないようなサイズの傷であっても、容易に読み取りエラーや書き込みエラーとなってしまう。このため、従来よりもより性能を高めたハードコートが要求される。
なお、透光性基体表面での記録/再生レーザー光の集光径Rは、理想的には下記式(1)、
R = 2Ttan[sin−1(NA/n)] (1)
(式中、Tは光情報媒体の透光性基体の厚さ(μm)、NAは光情報媒体の記録再生装置の対物レンズ開口数、nは光情報媒体の透光性基体の屈折率である)で表される。
従って、NA=0.60、T=0.6mmであるDVDでは、n=1.58程度と仮定すれば、R=500μm程度となる。これに対し、NA=0.85、T=100μmのシステムでは、R=130μm程度となり、透光性基体表面での集光スポット径は著しく小さくなる。
このような、透光性基体表面における集光スポット径の著しい減少は、対物レンズの接触によって生じる傷だけでなく、ユーザーによる取り扱いによって生じる傷に対しても極めて敏感になることを意味する。このような観点からも、従来よりもハードコートの性能を大幅に高めることが必要となる。
ところで、ブルーレイディスクのように、従来の光情報媒体に比べて透光性基体表面における集光スポット径が著しく小さい光情報媒体において、その開発過程で適切なハードコート材料を選定する場合や、生産工程で品質管理を行う場合には、何らかの方法で透光性基体表面の耐擦傷性を評価する必要がある。しかしながら、その手段としては、先に本願出願人により出願され公開された特開2002−260280号公報に記載の光情報媒体の評価方法以外、現在適当なものが存在しないのが実情である。
一般に、塗料被膜や樹脂材料の耐擦傷性の評価に際しては、所定の摩耗手段によって試料表面を摩耗させ、それによって生じた試験片の摩耗量を、試験片の質量、厚さ、または光透過率などの各種パラメータの変化量を用いて定量化することが多い。光情報媒体のハードコート層材料のように、光学的に透明で表面硬度が比較的高い材料の場合、光透過率や光拡散の変化量によって定量化することが最も適当である。その理由のひとつは、摩耗量が、試験片の質量や厚さの変化量で表せるほど大きくないことである。具体的には、前記試験片に白色並行光を入射させ、その曇価(ヘイズ値)を測定することが一般的に行われる。
しかしながら、上記曇価の測定による評価方法は、透明な試験片の透過光を測定するものであるから、直接光情報媒体の透光性基体表面に対して適用することはできない。
もうひとつの問題点として、ブルーレイディスク等の高記録密度光情報媒体の透光性基体表面に関して、その耐擦傷性の適当な判定基準を定めること自体が困難であるという点が挙げられる。CD、DVD等の、既に商品化され、広く普及している光情報媒体においては、多くのユーザーによる使用実績があるため、透光性基体の表面がどの程度の耐擦傷性を有していれば、日常の使用に際して問題がないか、という判定基準を、それらの実績をもとに定めることが可能である。しかしながら、ブルーレイディスク等の、記録密度が著しく高められた光情報媒体、すなわち、高性能なハードコート層材料が必要とされる光情報媒体は、ユーザーによる使用実績がなく、十分な使用実績を積むまでにはある程度の期間を要する。このため、どの程度の耐磨耗性を有していれば実用上問題ないか、という判定基準を、ユーザーの過去の使用実績をもとに定めることができない。
そこで本発明の目的は、高記録密度光情報媒体の透光性基体表面の耐擦傷性を、簡便に、且つ実際の使用環境を反映した形で定量化できる試験方法を提供することにあり、また、その際の適切な判定基準を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、所定の方法で表面を摩耗させた高記録密度光情報媒体の摩耗の程度と、摩耗後における再生信号のエラー量との間に、良好な相関関係が存在することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の光情報媒体の試験方法は、支持基体と、情報記録層と、透光性基体とを少なくともこの順にて有し、前記透光性基体側から前記情報記録層に入射したレーザー光によって光学的に記録および/または再生がなされ、且つ、下記式(1)、
R = 2Ttan[sin−1(NA/n)] (1)
(式中、Tは光情報媒体の透光性基体の厚さ(μm)、NAは光情報媒体の記録再生装置の対物レンズ開口数、nは光情報媒体の透光性基体の屈折率である)で定義される、前記透光性基体表面での記録/再生レーザー光の集光径Rが40μm以上400μm以下である光情報媒体に対し、そのレーザー光入射側表面の耐擦傷性に関する評価試験を行うにあたり、
前記レーザー光入射側表面を、ISO9352に規定されている摩耗輪により摩耗させた後の再生信号のエラー量に基づいて該レーザー光入射側表面の耐擦傷性を評価することを特徴とするものである。
第1図は、本発明に係る高記録密度光情報媒体の一構成例を示す部分断面図である。
第2図は、DVD−ROMにおける摩耗サイクル数とPIエラー値との関係を表わすグラフである。
第3図は、試験例3〜8における摩耗サイクル数とビットエラーレートとの関係を表わすグラフである。
第4図は、試験例9〜11における摩耗サイクル数とヘイズ値(%)との関係をグラフである。
以下、本発明の実施の形態について具体的に説明する。
本発明においては、先ず、対象となる光情報媒体のレーザー光入射側表面を、ISO9352に規定されている摩耗輪により摩耗させる。この摩耗手段は、摩耗を再現性よく生じさせることができる。
ここで、ISO9352に規定された摩耗輪による摩耗試験方法とは、一般的にテーバー摩耗試験と呼ばれる試験方法である。この方法では、摩耗輪と呼ばれる車輪状の研削砥石2個が、ターンテーブル上の所定の位置に配置されている試験機を用い、このターンテーブル上に試料を載せる。その後、摩耗輪に所定の荷重をかけ、ターンテーブルをモーターにより回転させる。その際、摩耗輪は、ターンテーブルの回転する方向に対して一定の傾きを保ちながら試料表面を研削する仕組みとなっている。
摩耗輪は、その材質や砥石粒度の異なるものが数種類用意されており、摩耗輪の種類や、摩耗の際の荷重、およびターンテーブルの回転数などを適宜選択することにより、供試光情報媒体の耐擦傷性を知ることができる。ここで、本明細書では摩耗輪による摩耗回数とターンテーブルの回転数とは同じ意味である。
なお、摩耗輪の種類としては、CS−10、CS−10F、CS−17のいずれかの弾力性の摩耗輪を用いることが好ましく、CS−10Fを用いることが、より好ましい。また、2.5N以上4.9N以下の荷重にてターンテーブルを回転させて摩耗させることが好ましい。より好ましくは、2.5Nの荷重にてターンテーブルを回転させて摩耗させる。これにより摩耗速度を遅延させ、ターンテーブルの回転数を増すことができ、試験精度を高めることができる。なお、摩耗粉吸入孔からの吸入を行わないことで、より摩耗速度を遅延させることもできる。
次いで、本発明の試験方法では、上記に従い摩耗させた光情報媒体を、光ディスク駆動装置によって直接評価する。
本発明の試験方法において、測定対象とする再生信号のエラー量は、光情報媒体の透光性基体表面の傷に対し良好な相関を示すことが本発明者らにより確かめられた。このエラー量が少なければ、例えば、記録した動画像などを問題なく再生することが可能である。エラー量の指標としてビットエラーレート(bER)を用いた場合、一般的な光情報媒体では、その種類によらず、おおむね1×10−4程度が閾値とされている。よって、本発明の試験方法では、この閾値に達するまでの摩耗輪による摩耗回数を測定することにより、光情報媒体のレーザー光入射側表面の耐擦傷性を評価することができる。なお、具体的なエラー量の指標としては、bERのほか、バイトエラーレート(BER)、および各光情報媒体規格の規格書に定められたエラー測定方法に従って測定されたエラー量指標を用いることができる。
上記の各判定基準はそれぞれ以下の根拠に基づいている。
本発明の試験方法においてその試験対象となる光情報媒体は、主として、記録/再生レーザー光波長λが600nm以下であり、且つ、対物レンズ開口数NAが0.7以上であるような高記録密度光情報媒体、即ち、前記(1)式で表される集光径Rが40μm以上400μm以下の光情報媒体を想定している。このような光情報媒体は、現時点では商品化されておらず、また、近いうちに商品化されたとしても、市場に広く普及するまでには相当な期間を要する。従って、試験対象となる光情報媒体自体が、どの程度の透光性基体表面の耐磨耗性を有していれば実用上問題がないか、というスペックを、当該光情報媒体の使用実績をもとに定めることができない。
このため、本発明の試験方法においては、その判定基準を、既に市場に広く普及している光情報媒体をもとにして定めるものとする。本発明では、DVD(デジタル多用途ディスク)をその基準とする。
DVDには、再生専用のDVD−ROM、追記型(1回のみ記録可能)のDVD−R、DVD+R、書換型(繰返し記録可能)のDVD−RW、DVD+RW、DVD−RAMが存在する。これらの光ディスクはいずれも、透光性基体として、射出成形によって形成されたポリカーボネート基板を用いており、書換型のDVD−RW、DVD+RW、およびDVD−RAMでは前記ポリカーボネート基板の表面に、ハードコート層が設けられていることが多い。ハードコート層材料としては、一般にアクリル系の紫外線硬化型樹脂が用いられている。一方、再生専用のDVD−ROMおよび追記型のDVD−R、DVD+Rでは、原則としてハードコート層は設けられず、透光性基体表面はポリカーボネート基板が露出した状態となっている。
これらは、一部のDVD−RAM等の例外を除いては、カートリッジに納められたりはせず、そのままの状態(以下、ベアディスクと呼ぶ)で使用されている。すなわち、上記のDVDフォーマットに属する光情報媒体はすべて、その透光性基体表面にハードコート層が設けられているか否かによらず、ベアディスクとして実用上問題ないものであるとユーザーに認知されていると見做してよい。
本発明の評価方法が適用される高記録密度光情報媒体は、支持基体、情報記録層および透光性基体を少なくとも有し、前記透光性基体側から情報記録層にレーザー光が入射し、光学的に記録および/または再生が行われる。このような光情報媒体の具体的な構成例としては、例えば、第1図に示すものが挙げられる。第1図に示す光情報媒体では、支持基体20の一方の面上に、反射層5、第2誘電体層32、情報記録層としての記録層4、第1誘電体層31、透光性基体21およびハードコート層22がこの順で形成されている。透光性基体21は、樹脂シートの貼り付けや紫外線硬化型樹脂の塗布によって形成された樹脂層である。記録および/または再生のためのレーザー光は、透光性基体21を通して記録層4に入射する。第1図に示す構造の媒体は、透光性基体21を薄く出来るため、記録/再生光学系の対物レンズの高NA化に対応でき、高密度記録に適する。第1図に示す構造において、透光性基体21とハードコート層22との合計厚さは、好ましくは50〜300μm、より好ましくは80〜120μmである。この厚さが薄すぎると、媒体のレーザービーム入射側表面に付着した塵埃による光学的な影響が大きくなる。一方、この厚さが厚すぎると、ディスク盤面の記録/再生レーザー光に対する傾きの許容度(チルトマージン)が確保できなくなる。
第1図に示す光情報媒体では、透光性基体21のレーザー光入射側にハードコート層22として、無機微粒子が分散された紫外線硬化樹脂膜を有する。そのため、硬度が十分に高く、耐磨耗性、耐擦傷性に優れる。第1図の媒体が適用されるような、高NA化が図られた光ディスクシステムでは、透光性基体21が薄いため、透光性基体21表面の傷つきの影響が大きくなる。従って、無機微粒子が分散された紫外線硬化樹脂膜は、このような光情報媒体に特に好適である。
無機微粒子が分散された紫外線樹脂硬化膜の厚さは、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1.0μm以上である。前記硬化膜が薄すぎると、十分な耐磨耗効果が得られない。
無機微粒子が分散された紫外線樹脂硬化膜は、透光性基体21のレーザービーム入射側表面に、無機微粒子が分散された紫外線硬化性樹脂ないしその溶液を塗布し、これを必要に応じて加熱乾燥後に紫外線照射によって硬化することにより形成される。無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、Snドープ型酸化インジウム(ITO)、Sbドープ型酸化スズ(ATO)等が挙げられる。無機微粒子のうち、活性エネルギー線重合性基を有する化合物で微粒子表面が修飾され、反応後に樹脂マトリクス中に固定されるものとして、例えば、特開平9−100111号公報に記載されている反応性シリカ粒子があり、本発明において好ましく用いることができる。このような無機微粒子をハードコート剤組成物に添加しておくことにより、ハードコート層の耐擦傷性をより高めることができる。無機微粒子の含有量は、例えば、ハードコート剤組成物(非反応性の希釈溶剤を含む場合は、固形分として)中に5〜80重量%程度である。無機微粒子を80重量%よりも多く含有させると、ハードコート層の脆性が低下しやすい。
透光性基体21は、好適にはポリカーボネートやポリメチルメタクリレート(PMMA)等の熱可塑性樹脂や、アクリル系紫外線硬化型樹脂等の活性エネルギー線硬化型樹脂から構成される。
また、無機微粒子分散紫外線硬化型樹脂膜は、この膜のみで極めて高い耐磨耗性が実現できるが、必要に応じて、該硬化膜表面に他の層を設けてもよい。他の層としては、潤滑性、帯電防止性、反射防止性、撥水性および撥油性から選択される少なくとも1種の機能を有する機能層が好ましい。
以下、本発明を実施例に基づき説明する。
試験例1,2
(媒体サンプル1)
ハードコート層を有しておらず、透光性基体としてポリカーボネートを採用するDVD−ROM(市販品)を供試媒体サンプル1として、その耐擦傷性の評価試験を以下のようにして行った。
先ず、供試媒体サンプル1の記録層を、バルクイレーザーで初期化(結晶化)した後、光記録媒体評価装置に載せ、レーザー波長:650nm、レーザーパワー:1.0mW、対物レンズ開口数NA:0.60、線速度:3.5m/s、の条件で、PIエラー値を光記録媒体装置(パルステック工業(株)製のDDU1000)及びケンウッド社製のデコーダを用いて測定した。
続いて、この供試媒体サンプル1をテーバー摩耗試験機にセットし、媒体サンプルのレーザービーム入射側表面を、摩耗輪CS−10Fを用いて荷重2.5Nのときと、荷重4.9Nのときとで、2通りの摩耗を行った。尚、荷重2.5Nのときは摩耗粉の吸引は行わず、荷重4.9Nのときのみ吸引を行った。摩耗回数(ターンテーブルの回転数)と、各摩耗回数のときのPIエラー値(個/8ECC)の測定結果との関係を下記の第1表および第2図に示す。
Figure 2004079733
上記第1表および第2図から、試験例2は試験例1に比し閾値を超えるまでの摩耗回数が多く、高記録密度光情報媒体のレーザービーム入射側表面の耐擦傷性の定量的評価に、より適していることが分かる。
試験例3〜8
以下の手順で第1図に示す構造を有する媒体サンプル2〜4を用意した。
(媒体サンプル2)
支持基体20(ポリカーボネート製、直径120mm、厚さ1.1mm)のグルーブが形成された面上にAl98PdCu(原子比)からなる厚さ100nmの反射層5をスパッタリング法により形成した。前記グルーブの深さは、波長λ=405nmにおける光路長で表してλ/6とした。グルーブ記録方式における記録トラックピッチは、0.32μmとした。
次いで、反射層5表面にAlターゲットを用いてスパッタリング法により、厚さ20nmの第2誘電体層32を形成した。第2誘電体層32表面に、相変化材料からなる合金ターゲットを用いてスパッタリング法により、厚さ12nmの記録層4を形成した。記録層4の組成(原子比)は、Sb74Te18(GeIn)とした。記録層4表面に、ZnS(80モル%)−SiO(20モル%)ターゲットを用いてスパッタリング法により、厚さ130nmの第1誘電体層31を形成した。
次いで、第1誘電体層31表面に、下記組成のラジカル重合性の紫外線硬化型樹脂をスピンコート法により塗布して、紫外線を照射して、硬化後の厚さ98μmとなるように透光性基体21を形成した。
透光性基体:紫外線硬化型樹脂の組成
ウレタンアクリレートオリゴマー 50重量部
(三菱レイヨン(株)製、ダイヤビームUK6035)
イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート 10重量部
(東亜合成(株)製、アロニックスM315)
イソシアヌル酸EO変性ジアクリレート 5重量部
(東亜合成(株)製、アロニックスM215)
テトラヒドロフルフリルアクリレート 25重量部
光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン) 3重量部
さらに、透光性基体21上に、下記組成の紫外線硬化型ハードコート剤をスピンコート法により塗布して被膜とし、大気中で60℃で3分間加熱することにより被膜内部の希釈溶剤を除去し、その後、紫外線を照射して、厚さ2μmのハードコート層22を形成した。
ハードコート剤の組成
反応性基修飾コロイダルシリカ(分散媒:プロピレングリコールモノメチルエー
テルアセテート、不揮発分:40重量%) 100重量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 48重量部
テトラヒドロフルフリルアクリレート 12重量部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(非反応性希釈溶剤)
40重量部
イルガキュア184(重合開始剤) 5重量部
(媒体サンプル3)
支持基体20(ポリカーボネート製、直径120mm、厚さ1.2mm)のグルーブが形成された面上にAl98PdCu(原子比)からなる反射層5をスパッタリング法により形成した。前記グルーブの深さは、波長λ=405nmにおける光路長で表してλ/6とした。グルーブ記録方式における記録トラックピッチは、0.32μmとした。
次いで、反射層5表面にAlターゲットを用いてスパッタリング法により、厚さ20nmの第2誘電体層32を形成した。第2誘電体層32表面に、相変化材料からなる合金ターゲットを用いてスパッタリング法により、厚さ12nmの記録層4を形成した。記録層4の組成(原子比)は、Sb74Te18(GeIn)とした。記録層4表面に、ZnS(80モル%)−SiO(20モル%)
ターゲットを用いてスパッタリング法により、厚さ130nmの第1誘電体層31を形成した。
次いで、第1誘電体層31表面に、ラジカル重合性の紫外線硬化型樹脂(ソニーケミカル(株)製、SK5110)をスピンコート法により塗布して、樹脂層を形成した。
次いで、真空中(0.1気圧(10kPa)以下)において、ポリカーボネートシート(厚さ100μm)を樹脂層上に載置した。前記ポリカーボネートシートとしては、流延法によって製造された、帝人社製のピュアエースを用いた。次いで、空気中に戻した後、紫外線を照射して上記樹脂層を硬化することにより透光性基体21を形成した。
(媒体サンプル4)
媒体サンプル2のハードコート剤に替えて、紫外線硬化型樹脂(大日本インキ化学工業社製のSD318)をスピンコート法によって硬化後の膜厚が2.5μmになるように塗布して硬化させ、ハードコート層を形成した。この他は媒体サンプル2と同様である。
各媒体サンプル2〜4の記録層を、バルクイレーザーで初期化(結晶化)した後、光記録媒体評価装置に載せ、レーザー波長:405nm、レーザーパワー:5.0mW、対物レンズ開口数NA:0.85、線速度:線速度5.3m/s、の条件で、半径37〜38mmの領域に、(1,7)RLL変調信号の記録を行った。次いで、記録した信号をレーザーパワー0.4mWにて再生し、ビットエラーレート(bER)を測定した。
bERは、ディスクの半径37〜38mmの領域から任意の3箇所を選び、ほぼ1周分に相当する信号列(42msec)を読み出した際の信号誤り率として測定した。測定結果は、前記3箇所のbERの平均値をとった。なお、測定には、光ディスク評価装置(パルステック工業(株)製のDDU1000)を用いた。
続いて、前記各媒体サンプルをテーバー摩耗試験機にセットし、サンプルのレーザービーム入射側表面を、摩耗輪CS−10Fを用いて荷重2.5Nのときと、荷重4.9Nのときとで、夫々1サンプルについて2通りの摩耗を行った。尚、荷重2.5Nのときは摩耗粉の吸引は行わず、荷重4.9Nのときのみ吸引を行った。摩耗回数(ターンテーブルの回転数)と、各摩耗回数のときのビットエラーレート値(bER)の測定結果との関係を第2表および第3図に示す。尚、第2表および第3図中の値は、ビットエラーレート(bER)を10(10の7乗)した値を示す。表記方法として、「1.0E+01」は10を示し、Eの右側の符号が「+」ならば10を、「−」ならば10分の1(1/10)を示す。よって「1.0E+02」であれば100を、「1.0E−02」であれば100分の1(1/100)を示すことになる。
Figure 2004079733
上記第2表および第3図から、試験例3、4、7、8は、試験例5、6に比し閾値を超えるまでの摩耗回数が多く、高記録密度光情報媒体のレーザービーム入射側表面の耐擦傷性の定量的評価に、より適していることが分かる。
試験例9〜11
摩耗粉吸入孔からの摩耗粉の吸入の有無による摩耗速度の違いを、媒体サンプル2を使用し、それに白色平行光を入射させ、その曇価(ヘイズ値)を測定することにより調べた。媒体サンプル2をテーバー摩耗試験機にセットし、サンプルのレーザービーム入射側表面を、摩耗輪CS−10Fを用いて荷重2.5Nのとき(摩耗粉の吸引がありの場合となしの場合)と、荷重4.9Nのとき(摩耗粉の吸引があり)とで、3通りの摩耗を行った。摩耗回数(ターンテーブルの回転数)と、各摩耗回数のときのヘイズ値(%)との関係を第4図に示す。この第4図から、摩耗粉吸入孔からの吸入を行わない場合、摩耗速度を良好に遅延させることができることが分かる。
以上説明してきたように、本発明の試験方法によれば、透光性基体表面の傷や汚れに対しこれまで以上に敏感な高記録密度光情報媒体であっても、その記録/再生光入射側表面の耐擦傷性を、簡便に、かつ実際の使用環境を反映した形で定量化することができる。

Claims (2)

  1. 支持基体と、情報記録層と、透光性基体とを少なくともこの順にて有し、前記透光性基体側から前記情報記録層に入射したレーザー光によって光学的に記録および/または再生がなされ、且つ、下記式(1)、
    R = 2Ttan[sin−1(NA/n)] (1)
    (式中、Tは光情報媒体の透光性基体の厚さ(μm)、NAは光情報媒体の記録再生装置の対物レンズ開口数、nは光情報媒体の透光性基体の屈折率である)で定義される、前記透光性基体表面での記録/再生レーザー光の集光径Rが40μm以上400μm以下である光情報媒体に対し、そのレーザー光入射側表面の耐擦傷性に関する評価試験を行うにあたり、
    前記レーザー光入射側表面を、ISO9352に規定されている摩耗輪により摩耗させた後の再生信号のエラー量に基づいて該レーザー光入射側表面の耐擦傷性を評価することを特徴とする光情報媒体の試験方法。
  2. 前記摩耗輪の荷重を2.5〜4.9Nとする請求項1記載の試験方法。
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