JPWO2004040734A1 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
ステアリングホイールに印加された操舵トルクに対応して、ブラシレスモータから補助操舵トルクを発生して、減速機により減速して操舵機構の出力軸に伝達する電動パワーステアリング装置において、ロータ(10)には、筒状の回転駆動用永久磁石(12)と、ロータの回転角度を検出するための被検出体(13)とが取付けてある。ロータに対向した筒状のステータ(30)には、コイルを巻回した積層鉄心(16)と、被検出体からロータの回転角度を検出する検出手段(17)と、コイルを結線するターミナル(19)とが一体的に樹脂モールド成形してある。ステータの内径側であって、回転駆動用永久磁石と被検出体との間に、ロータを回転自在に支持する少なくとも1個の軸受(8,9)が配置してある。
Description
本発明は、車両用電動パワーステアリング装置および該装置に好適なブラシレスモータに関する。
車両の電動パワーステアリング装置として、補助操舵トルクとなる電動モータの回転出力を歯車装置により減速して操舵機構の出力軸に伝達し、ステアリングホイールに印加された操舵力を補助して、車輪の操舵を行うように構成したものが知られている。このような電動パワーステアリング装置においては、ハウジング内に設けられた動力伝達機構を用いて、電動モータの回転を減速しつつ出力軸に動力を伝達している。
この電動パワーステアリング装置に用いる電動モータは、ブラシ付きモータが主流であったが、近年、信頼性の向上と更なる効率の改善のため、ブラシレスモータに移行しつつある。
このブラシレスモータを備えた電動パワーステアリング装置が図16に示してある。ステアリングホイール(図示略)に連結した入力軸(図示略)に、トーションバー(図示略)等を介して出力軸1が連結してあり、出力軸1に、ウォームギヤ減速機構のウォームホイール2が固定してある。
このウォームホイール2には、ギヤハウジング3に軸受4等により回転自在に支持したウォーム5が噛合してある。
ギヤハウジング3には、仕切板となっているフランジ6を介してブラシレスモータのモータカバー7が連結してある。フランジ6と、モータカバー7とには、それぞれ、軸受8,9を介して、ブラシレスモータのロータ10が回転自在に支持してある。このロータ10と、ウォーム5とは、スプライン嵌合部11により接続してあり、両者は、軸方向移動自在且つ相対回転不能になっている。
ロータ10の外径側には、筒状の回転駆動用永久磁石12が後述する積層鉄心15に対向して取付けてあると共に、リング状のセンシング用永久磁石13が取付けてある。
モータカバー7の内径側には、筒状のステータ14が設けてある。このステータ14は、コイル15を巻回した積層鉄心16と、センシング用永久磁石13の磁力を検出するホールIC17と、このホールIC17を搭載した基板18と、コイル15を結線するターミナル(ブスバー)19とを一体的に樹脂モールド成形して構成してある。
また、ターミナル(ブスバー)19には、コイル15と接続している端子、及びホールIC17の信号を出力する端子のための電線コード20がはんだ付け等により結線してある。
電動パワーステアリング装置は、昨今、搭載する車種の増加に伴って要求出力が増大しており、モータは、その出力の増大化が要望されている一方、省スペース化の観点から、そのサイズの小型化も要望されている。
また、ホールIC17は、コイル15に近付け過ぎると、コイル15から発生する磁力によって誤作動する虞れがあるため、コイル15とは、所定間隔(所定空間)離間して配置する必要があり、モータ全長を短縮することは、困難であるといったことがある。
さらに、ステータ14の外周若しくは端面に、軸受8,9を支持するブラケットやフランジを取付ける必要があり、ロータ10の軸受8,9を含めた軸方向長さを短縮することは、困難であるといったことがある。
なお、国際公開第99/65758号パンフレットには、モータの全長を短縮するため、ロータの軸受とウォームの軸受とを共用したブラシレスモータが開示してある。
しかしながら、この場合には、ウォームの負荷変動によりロータの径方向位置が変位し、これに伴って、振動が発生したり、特性が変化する等の問題がある。また、組み立てに際しても、回転駆動用永久磁石を備えたロータへの鉄屑等の付着を防止するため、管理を厳しくする必要があり、ロータやステータを別々に組み込まねばならず、組立作業性を損なうため、組立工数も増加するといった問題がある。さらに、ウォームギヤ機構とブラシレスモータを組み立た後でなければ、モータを検査することができず、モータ単体で、その性能等の検査を行えないといったことがある。
ところで、図16に示した電動パワーステアリング装置では、ウォームギヤ機構と、ブラシレスモータとの間の境界部には、フランジ6(仕切板)と、このフランジ6(仕切板)の内径に取付けた軸受8とが配置してある。
従って、ウォームギヤ機構内の鉄屑等の異物やグリースがブラシレスモータに向けて浸入しようとしたとしても、上記のフランジ6(仕切板)と、軸受8が有するシール性とによって、これら異物やグリースの浸入を阻止することができる。
ところが、ブラシレスモータの小型化を図る場合、上述した軸受8を廃止した構造、又は、軸受8の取付位置を変更した構造が考えられる。
しかしながら、軸受8の廃止・位置変更を行うと、ウォームギヤ機構と、ブラシレスモータとの間の境界部が開口して、ウォームギヤ機構と、ブラシレスモータとが連通する結果、ウォームギヤ機構内の鉄屑等の異物やグリースがブラシレスモータに向けて浸入するといった虞れがある。
さらに、電動パワーステアリング装置の小型化のためやモータ低騒音化あるいはモータの放熱の容易性などの観点から樹脂モールド成形されたブラシレスモータが望まれるようになってきている。
しかし、現在、電動パワーステアリング装置に用いられるモータでモールド成形されたものはない。ただ、家電機器の送風機に用いられる駆動用モータではモールド成形されたものが一般的に使用されている状況である。
モールド成形された送風機駆動のモータについて図17A、17Bを用いて説明する(例えば、特開平10−271720号公報(第2頁、図1、図2、図9、図10)参照)。ここで、図17Aは送風機用のモータ200を斜め上から見た図で、図17Bは、モータ200の断面図を示したものである。図17Aおよび図17Bにおいて、ステータ201は、ステータ鉄心202と巻線203を囲むように合成樹脂204によってモールドされている。一方、シャフト211と一体になったロータ208には永久磁石209が装着され、ステータ201に納められており、シャフト211は軸受ハウジング205に納められた軸受206および軸受ブラケット213に納められた軸受214で支持されている。このような軸受構造の場合、ステータ201とロータ208との同軸度を良くすることは難しいが、家電機器の送風機用モータという使用目的から、特に、同軸度に関し、必要以上の精度の良さは求められないことはない。
そこで、上述した送風機用のモータと同じような構造で、電動パワーステアリング装置用のブラシレスモータのステータ側をモールド成形した場合、次のような問題が発生する。即ち、電動パワーステアリング装置用のモータでは、駐車時の切り返しや緊急避難時のハンドルの急操舵の場合、モータには大トルクによる正逆回転動作が求められため、騒音やトルクリップルを抑制するために極めて高い精度の同軸度が要求される。
一般的に、樹脂一体成形によるベアリング室を設けたロータ軸受支持構造では、ベアリング室は成形時の条件のバラツキ、或いは樹脂の成形方向による収縮率の違い、或いはウエルド等によって精度を上げることが困難である。ベアリング室の精度が悪い場合、或いはステータの内径に対する同軸度が悪い場合、円筒状のステータとそこに挿入され回転する円柱状のロータの同軸度が悪くなる。その結果、モータのコギングトルクの増大やフリクショントルクの増大、また、モータ騒音の増大を招く。コギングトルクの増大は直接運転手の手に伝わり運転手に不快感を与え、フリクショントルクの増大はモータのパワーロスとなるばかりでなく、モータ制御信号に対する応答性の悪化につながるといった問題がある。
この電動パワーステアリング装置に用いる電動モータは、ブラシ付きモータが主流であったが、近年、信頼性の向上と更なる効率の改善のため、ブラシレスモータに移行しつつある。
このブラシレスモータを備えた電動パワーステアリング装置が図16に示してある。ステアリングホイール(図示略)に連結した入力軸(図示略)に、トーションバー(図示略)等を介して出力軸1が連結してあり、出力軸1に、ウォームギヤ減速機構のウォームホイール2が固定してある。
このウォームホイール2には、ギヤハウジング3に軸受4等により回転自在に支持したウォーム5が噛合してある。
ギヤハウジング3には、仕切板となっているフランジ6を介してブラシレスモータのモータカバー7が連結してある。フランジ6と、モータカバー7とには、それぞれ、軸受8,9を介して、ブラシレスモータのロータ10が回転自在に支持してある。このロータ10と、ウォーム5とは、スプライン嵌合部11により接続してあり、両者は、軸方向移動自在且つ相対回転不能になっている。
ロータ10の外径側には、筒状の回転駆動用永久磁石12が後述する積層鉄心15に対向して取付けてあると共に、リング状のセンシング用永久磁石13が取付けてある。
モータカバー7の内径側には、筒状のステータ14が設けてある。このステータ14は、コイル15を巻回した積層鉄心16と、センシング用永久磁石13の磁力を検出するホールIC17と、このホールIC17を搭載した基板18と、コイル15を結線するターミナル(ブスバー)19とを一体的に樹脂モールド成形して構成してある。
また、ターミナル(ブスバー)19には、コイル15と接続している端子、及びホールIC17の信号を出力する端子のための電線コード20がはんだ付け等により結線してある。
電動パワーステアリング装置は、昨今、搭載する車種の増加に伴って要求出力が増大しており、モータは、その出力の増大化が要望されている一方、省スペース化の観点から、そのサイズの小型化も要望されている。
また、ホールIC17は、コイル15に近付け過ぎると、コイル15から発生する磁力によって誤作動する虞れがあるため、コイル15とは、所定間隔(所定空間)離間して配置する必要があり、モータ全長を短縮することは、困難であるといったことがある。
さらに、ステータ14の外周若しくは端面に、軸受8,9を支持するブラケットやフランジを取付ける必要があり、ロータ10の軸受8,9を含めた軸方向長さを短縮することは、困難であるといったことがある。
なお、国際公開第99/65758号パンフレットには、モータの全長を短縮するため、ロータの軸受とウォームの軸受とを共用したブラシレスモータが開示してある。
しかしながら、この場合には、ウォームの負荷変動によりロータの径方向位置が変位し、これに伴って、振動が発生したり、特性が変化する等の問題がある。また、組み立てに際しても、回転駆動用永久磁石を備えたロータへの鉄屑等の付着を防止するため、管理を厳しくする必要があり、ロータやステータを別々に組み込まねばならず、組立作業性を損なうため、組立工数も増加するといった問題がある。さらに、ウォームギヤ機構とブラシレスモータを組み立た後でなければ、モータを検査することができず、モータ単体で、その性能等の検査を行えないといったことがある。
ところで、図16に示した電動パワーステアリング装置では、ウォームギヤ機構と、ブラシレスモータとの間の境界部には、フランジ6(仕切板)と、このフランジ6(仕切板)の内径に取付けた軸受8とが配置してある。
従って、ウォームギヤ機構内の鉄屑等の異物やグリースがブラシレスモータに向けて浸入しようとしたとしても、上記のフランジ6(仕切板)と、軸受8が有するシール性とによって、これら異物やグリースの浸入を阻止することができる。
ところが、ブラシレスモータの小型化を図る場合、上述した軸受8を廃止した構造、又は、軸受8の取付位置を変更した構造が考えられる。
しかしながら、軸受8の廃止・位置変更を行うと、ウォームギヤ機構と、ブラシレスモータとの間の境界部が開口して、ウォームギヤ機構と、ブラシレスモータとが連通する結果、ウォームギヤ機構内の鉄屑等の異物やグリースがブラシレスモータに向けて浸入するといった虞れがある。
さらに、電動パワーステアリング装置の小型化のためやモータ低騒音化あるいはモータの放熱の容易性などの観点から樹脂モールド成形されたブラシレスモータが望まれるようになってきている。
しかし、現在、電動パワーステアリング装置に用いられるモータでモールド成形されたものはない。ただ、家電機器の送風機に用いられる駆動用モータではモールド成形されたものが一般的に使用されている状況である。
モールド成形された送風機駆動のモータについて図17A、17Bを用いて説明する(例えば、特開平10−271720号公報(第2頁、図1、図2、図9、図10)参照)。ここで、図17Aは送風機用のモータ200を斜め上から見た図で、図17Bは、モータ200の断面図を示したものである。図17Aおよび図17Bにおいて、ステータ201は、ステータ鉄心202と巻線203を囲むように合成樹脂204によってモールドされている。一方、シャフト211と一体になったロータ208には永久磁石209が装着され、ステータ201に納められており、シャフト211は軸受ハウジング205に納められた軸受206および軸受ブラケット213に納められた軸受214で支持されている。このような軸受構造の場合、ステータ201とロータ208との同軸度を良くすることは難しいが、家電機器の送風機用モータという使用目的から、特に、同軸度に関し、必要以上の精度の良さは求められないことはない。
そこで、上述した送風機用のモータと同じような構造で、電動パワーステアリング装置用のブラシレスモータのステータ側をモールド成形した場合、次のような問題が発生する。即ち、電動パワーステアリング装置用のモータでは、駐車時の切り返しや緊急避難時のハンドルの急操舵の場合、モータには大トルクによる正逆回転動作が求められため、騒音やトルクリップルを抑制するために極めて高い精度の同軸度が要求される。
一般的に、樹脂一体成形によるベアリング室を設けたロータ軸受支持構造では、ベアリング室は成形時の条件のバラツキ、或いは樹脂の成形方向による収縮率の違い、或いはウエルド等によって精度を上げることが困難である。ベアリング室の精度が悪い場合、或いはステータの内径に対する同軸度が悪い場合、円筒状のステータとそこに挿入され回転する円柱状のロータの同軸度が悪くなる。その結果、モータのコギングトルクの増大やフリクショントルクの増大、また、モータ騒音の増大を招く。コギングトルクの増大は直接運転手の手に伝わり運転手に不快感を与え、フリクショントルクの増大はモータのパワーロスとなるばかりでなく、モータ制御信号に対する応答性の悪化につながるといった問題がある。
本発明は上述のような事情から成されたものであり、本願発明は、性能や組立作業性を損なうことなく、全長を短縮することができる電動パワーステアリング装置を提供することを第1の目的とする。
上記の第1の目的を達成するため、本願第1発明に係る電動パワーステアリング装置は、ステアリングホイールに印加された操舵トルクに対応して、ブラシレスモータから補助操舵トルクを発生して、減速機により減速して操舵機構の出力軸に伝達する電動パワーステアリング装置において、
ロータには、筒状の回転駆動用永久磁石と、前記ロータの回転角度を検出するための被検出体とが取付けてあり、
前記ロータに対向した筒状のステータには、コイルを巻回した積層鉄心と、前記被検出体から前記ロータの回転角度を検出する検出手段と、コイルを結線するターミナルとが一体的に樹脂モールド成形してあり、
前記ステータの内径側であって、前記回転駆動用永久磁石と前記被検出体との間に、前記ロータを回転自在に支持する少なくとも1個の軸受が配置してあることを特徴とする。
このように、第1発明によれば、ステータの内径側であって、回転駆動用永久磁石と被検出体との間に、ロータを回転自在に支持する少なくとも1個の軸受が配置してある。即ち、軸受は、検出手段とコイルとの間の誤作動を防止するための空間に配置してあり、これにより、ロータの全長を短縮することができ、ひいては、ブラシレスモータの全長を短縮することができる。
また、軸受は、検出手段とコイルとの間の誤作動を防止するための空間に配置してあり、軸受が磁性体である場合には、軸受は、コイルからの磁束を閉じ込める磁路を形成するため、コイルから発生する磁束が検出手段に与える影響が小さくなり、検出手段の感度を向上することができる。
また、第1発明の電動パワーステアリング装置において、前記ステータは、その内径が軸方向に段階的に変化していることが好ましい。この好ましい構成によれば、前記ステータは、その内径が軸方向に段階的に変化している。即ち、ステータの内径は、その開口側が大径であり、奥側に進むにつれて大径から小径に段階的に変化している。そため、樹脂成形・硬化後に、金型の芯金を引っ掛かりなく引き抜くことができ、型抜きをスムーズに行うことができる。
また、前記ステータは、その内径が軸方向に段階的に変化している。即ち、ステータの内径は、その開口側が大径であり、奥側に進むにつれて大径から小径に段階的に変化している。そのため、軸受を取付けたロータは、最大径を有する開口部側から挿入することができ、組立作業性を改善することができる。
従って、組み立てに際しても、ブラシレスモータを単体で組み立てた後、ウォームギヤ機構に組み付けることができるため、組立作業性を損なうことがなく、また、ブラシレスモータ単体で、その性能等の検査を行うことができる。
さらに、第1発明の電動パワーステアリング装置において、前記ステータは、電線接続端子を一体的に有していることが好ましい。この好ましい構成によれば、ステータは、電線接続端子を一体的に有している。即ち、ステータには、コイルと接続している端子、及び検出手段の信号を出力する端子のための電線接続端子(コネクター)が一体的に成形してあるため、従来電線コードをはんだ付け等により結線していた作業を不要にすることができ、部品点数や組立工数を削減することができる。
さらに、第1発明の電動パワーステアリング装置において、前記被検出体は、モータ出力側端部と反対側のロータ端部に設置されていることが好ましい。この好ましい構成によれば、被検出体を、モータ出力側端部と反対側のロータ端部に備えることにより、ギヤハウジングと電線接続端子の干渉部分をなくし、形状の簡略化、防塵、防水性の向上を図ることができ、モータ組立単体時の内部への鉄くず等の侵入を防止することが可能となる。
さらに、第1発明の電動パワーステアリング装置において、前記ステータは、その外面に、前記ブラシレスモータを前記減速機に装着するためのフランジを有し、そのフランジは、ステータ軸長方向中心付近に配置してあることが好ましい。この好ましい構成によれば、ステータは、その外面に、減速機に装着するためのフランジを有している。そのため、このステータのフランジにより、ブラシレスモータを減速機に装着することができ、従来の金属製のモータカバーやその取付フランジを不要にすることができ、部品点数や組立工数の削減を図ることができ、製造コストを低減することができる。さらに、このフランジが、ステータ軸長方向中心付近に備えられることにより、モータ重心とフランジの距離を短くすることが出来、振動等によりフランジに発生する力が減少するので、フランジの必要強度を下げる、すなわち、重量や大きさを小さくすることができる。
上記第1の目的を達成するため、第2発明に係る電動パワーステアリング装置は、ステアリングホイールに印加された操舵トルクに対応して、ブラシレスモータから補助操舵トルクを発生して、減速機により減速して操舵機構の出力軸に伝達する電動パワーステアリング装置において、
ロータには、筒状の回転駆動用永久磁石と、前記ロータの回転角度を検出するための被検出体とが取付けてあり、
前記ロータに対向した筒状のステータには、コイルを巻回した積層鉄心と、前記被検出体から前記ロータの回転角度を検出する検出手段と、コイルを結線するターミナルとが一体的に樹脂モールド成形してあり、
前記ロータを回転自在に支持する2個の軸受は、前記ステータに支持してあることを特徴とする。
このように、第2発明によれば、ロータを回転自在に支持する2個の軸受は、ステータに支持してあることから、ステータの積層鉄心と、ロータとの間の径方向ギャップは、厳密に一定に維持することができ、振動等の伝達を少なくして、低騒音であって常に安定した性能を確保することができる。
また、ステータは、コイル、積層鉄心、検出手段及びターミナルを被覆して一体的に樹脂モールド成形してあるため、従来の金属製のモータカバーの役目も兼用することができる。従って、ステータにより、ブラシレスモータを減速機に装着することができ、従来の金属製のモータカバーを不要にすることができ、部品点数や組立工数の削減を図ることができ、製造コストを低減することができる。
また、第2発明の電動パワーステアリング装置において、前記ステータは、反減速機側の開口を閉塞すると共に、前記2個の軸受のうち一方の軸受を保持する閉塞壁を有することが好ましい。この好ましい構成にによれば、ステータは、反減速機側の開口を閉塞すると共に、2個の軸受のうち一方の軸受を保持する閉塞壁を有している。そのため、この一方の軸受を容易に閉塞壁に取付けることができる。
さらに、第2発明の電動パワーステアリング装置において、前記2個の軸受のうち他方の軸受は、前記ステータの内径側であって、前記回転駆動用永久磁石と前記被検出体との間に、配置してあることが好ましい。この好ましい構成によれば、2個の軸受のうち他方の軸受は、ステータの内径側であって、回転駆動用永久磁石と被検出体との間に、配置してある。即ち、軸受は、検出手段とコイルとの間の誤作動を防止するための空間に配置してあり、これにより、ロータの全長を短縮することができ、ひいては、ブラシレスモータの全長を短縮することができる。
また、軸受は、検出手段とコイルとの間の誤作動を防止するための空間に配置してあり、軸受が磁性体である場合には、軸受は、コイルからの磁束を閉じ込める磁路を形成するため、コイルから発生する磁束が検出手段に与える影響が小さくなり、検出手段の感度を向上することができる。
さらに、第2発明の電動パワーステアリング装置において、前記ステータは、その内径が軸方向に段階的に変化していることが好ましい。この好ましい構成によれば、前記ステータは、その内径が軸方向に段階的に変化している。即ち、ステータの内径は、その開口側が大径であり、奥側に進むにつれて大径から小径に段階的に変化している。そため、樹脂成形・硬化後に、金型の芯金を引っ掛かりなく引き抜くことができ、型抜きをスムーズに行うことができる。
また、前記ステータは、その内径が軸方向に段階的に変化している。即ち、ステータの内径は、その開口側が大径であり、奥側に進むにつれて大径から小径に段階的に変化している。そのため、軸受を取付けたロータは、最大径を有する開口部側から挿入することができ、組立作業性を改善することができる。
従って、組み立てに際しても、ブラシレスモータを単体で組み立てた後、減速機に組み付けることができるため、組立作業性を損なうことがなく、また、ブラシレスモータ単体で、その性能等の検査を行うことができる。
さらに、第2発明の電動パワーステアリング装置において、前記ステータは、電線接続端子を一体的に有していることが好ましい。この好ましい構成によれば、ステータは、電線接続端子を一体的に有している。即ち、ステータには、コイルと接続している端子、及び検出手段の信号を出力する端子のための電線接続端子(コネクター)が一体的に成形してあるため、従来電線コードをはんだ付け等により結線していた作業を不要にすることができ、部品点数や組立工数を削減することができる。
さらに、第2発明の電動パワーステアリング装置において、前記ステータは、その外面に、前記ブラシレスモータを前記減速機に装着するためのフランジを有し、そのフランジは、ステータ軸長方向中心付近に配置してあることが好ましい。この好ましい構成によれば、ステータは、その外面に、減速機に装着するためのフランジを有している。そのため、このステータのフランジにより、ブラシレスモータを減速機に装着することができ、従来の金属製のモータカバーやその取付フランジを不要にすることができ、部品点数や組立工数の削減を図ることができ、製造コストを低減することができる。さらに、このフランジが、ステータ軸長方向中心付近に備えられることにより、モータ重心とフランジの距離を短くすることが出来、振動等によりフランジに発生する力が減少するので、フランジの必要強度を下げる、すなわち、重量や大きさを小さくすることができる。
さらに、第2発明の電動パワーステアリング装置において、前記被検出体は、モータ出力側端部と反対側のロータ端部に設置されていることが好ましい。この好ましい構成によれば、被検出体を、モータ出力側端部と反対側のロータ端部に備えることにより、ギヤハウジングと電線接続端子の干渉部分をなくし、形状の簡略化、防塵、防水性の向上を図ることができ、モータ組立単体時の内部への鉄くず等の侵入を防止することが可能となる。
本願発明は、減速機内の鉄屑等の異物やグリースが電動モータ内に浸入することを確実に阻止することができる電動パワーステアリング装置を提供することを第2の目的とする。
上記第2の目的を達成するため、本願第3の発明に係る電動パワーステアリング装置は、ステアリングホイールに印加された操舵トルクに対応して、電動モータから補助操舵トルクを発生して、減速機により減速して操舵機構の出力軸に伝達する電動パワーステアリング装置において、
前記減速機と前記電動モータとの間の境界部を遮蔽し、前記電動モータのロータに取付けて当該ロータと共に回転すると共に、前記電動モータ又は前記減速機の静止側との間に所定の微小隙間を有する遮蔽部材を具備することを特徴とする。
このように、第3発明によれば、減速機と電動モータとの間の境界部を遮蔽し、電動モータのロータに取付けてロータと共に回転すると共に、電動モータ又は減速機の静止側との間に所定の微小隙間を有する遮蔽部材を具備している。従って、減速機内の鉄屑等の異物やグリースが電動モータに向けて浸入しようとしたとしても、遮蔽部材によって、これら異物やグリースの浸入を確実に阻止することができる。
また、第3発明の電動パワーステアリング装置は、前記遮蔽部材と、前記電動モータ又は前記減速機の静止側とは、協働して、両者間の所定の微小隙間をラビリンス効果を発揮する微小隙間としていることが好ましい。この好ましい構成によれば、遮蔽部材と、電動モータ又は減速機の静止側とは、協働して、両者間の所定の微小隙間をラビリンス効果を発揮する微小隙間としていることから、より一層、異物やグリースの浸入を確実に阻止することができる。
さらに、第3発明の電動パワーステアリング装置において、前記電動モータは、ブラシレスモータであり、
前記ロータには、筒状の回転駆動用永久磁石と、前記ロータの回転角度を検出するための被検出体とが取付けてあり、
前記ロータに対向した筒状のステータには、コイルを巻回した積層鉄心と、前記被検出体から前記ロータの回転角度を検出する検出手段と、前記コイルを結線するターミナルと、これら前記コイル、前記積層鉄心、前記検出手段及び前記ターミナルを被覆する筒状樹脂ハウジング部とが一体的に樹脂モールド成形してあり、
前記ロータを回転自在に支持する2個の軸受は、前記筒状樹脂ハウジング部に支持してあることが好ましい。このロータの角度検出のための検出手段・被検出体は、ホールIC・永久磁石だけでなく、レゾルバやインダクトコーダ等を用いてもよい。この好ましい構成によれば、ロータを回転自在に支持する2個の軸受は、筒状樹脂ハウジング部に支持してあることから、ステータの積層鉄心と、ロータとの間の径方向ギャップは、厳密に一定に維持することができ、振動等の伝達を少なくして、低騒音であって常に安定した性能を確保することができる。
また、この好ましい構成によれば、筒状樹脂ハウジング部は、コイル、積層鉄心、検出手段及びターミナルを被覆して一体的に樹脂モールド成形してあるため、従来の金属製のモータカバーの役目も兼用することができる。従って、筒状樹脂ハウジング部により、ブラシレスモータを減速機に装着することができ、従来の金属製のモータカバーを不要にすることができ、部品点数や組立工数の削減を図ることができ、製造コストを低減することができる。
さらに、第3発明の電動パワーステアリング装置において、前記筒状樹脂ハウジング部は、反減速機側の開口を閉塞すると共に、前記2個の軸受のうち一方の軸受を保持する閉塞壁を有することが好ましい。この好ましい構成によれば、筒状樹脂ハウジング部は、反減速機側の開口を閉塞すると共に、2個の軸受のうち一方の軸受を保持する閉塞壁を有している。そのため、この一方の軸受を容易に閉塞壁に取付けることができる。
さらに、第3発明の電動パワーステアリング装置において、前記2個の軸受のうち他方の軸受は、前記ステータの内径側であって、前記回転駆動用永久磁石と前記被検出体との間に、配置してあることが好ましい。この好ましい構成によれば、2個の軸受のうち他方の軸受は、ステータの内径側であって、回転駆動用永久磁石と被検出体との間に、配置してある。即ち、軸受は、検出手段とコイルとの間の誤作動を防止するための空間に配置してあり、これにより、ロータの全長を短縮することができ、ひいては、ブラシレスモータの全長を短縮することができる。また、この好ましい構成において、軸受は、検出手段とコイルとの間の誤作動を防止するための空間に配置してあり、軸受が磁性体である場合には、軸受は、コイルからの磁束を閉じ込める磁路を形成するため、コイルから発生する磁束が検出手段に与える影響が小さくなり、検出手段の感度を向上することができる。
さらに、第3発明の電動パワーステアリング装置において、前記ステータは、その内径が軸方向に段階的に変化していることが好ましい。この好ましい構成によれば、前記ステータは、その内径が軸方向に段階的に変化している。即ち、ステータの内径は、その開口側が大径であり、奥側に進むにつれて大径から小径に段階的に変化している。そのため、樹脂成形・硬化後に、金型の芯金を引っ掛かりなく引き抜くことができ、型抜きをスムーズに行うことができる。また、前記ステータは、その内径が軸方向に段階的に変化している。即ち、ステータの内径は、その開口側が大径であり、奥側に進むにつれて大径から小径に段階的に変化している。そのため、軸受を取付けたロータは、最大径を有する開口部側から挿入することができ、組立作業性を改善することができる。
従って、組み立てに際しても、ブラシレスモータを単体で組み立てた後、減速機に組み付けることができるため、組立作業性を損なうことがなく、また、ブラシレスモータ単体で、その性能等の検査を行うことができる。
さらに、第3発明の電動パワーステアリング装置において、前記ステータは、電線接続端子を一体的に有していることが好ましい。この好ましい構成によれば、ステータは、電線接続端子を一体的に有している。即ち、ステータには、コイルと接続している端子、及び検出手段の信号を出力する端子のための電線接続端子(コネクター)が一体的に成形してあるため、従来電線コードをはんだ付け等により結線していた作業を不要にすることができ、部品点数や組立工数を削減することができる。
さらに、第3発明の電動パワーステアリング装置において、前記筒状樹脂ハウジング部は、その外面に、前記ブラシレスモータを前記減速機に装着するためのフランジを有することが好ましい。この好ましい構成によれば、筒状樹脂ハウジング部は、その外面に、ブラシレスモータを減速機に装着するためのフランジを有している。そのため、この筒状樹脂ハウジング部のフランジにより、ブラシレスモータを減速機に装着することができ、従来必要とされてきた金属製のモータカバーやその取付フランジを不要にすることができ、部品点数や組立工数の削減を図ることができ、製造コストを低減することができる。また、このフランジがステータ軸長方向中心付近に備えられることにより、モータ重心とモータ取付けの為のフランジの距離を短くすることが出来振動等によりフランジに発生する力が減少するので、フランジの必要強度を下げるすなわち重量や大きさを小さくすることが出来る。
上述のような本発明の第3の目的は、モールド成形されたステータの内径とロータの軸受の中心との同軸精度を向上させ、騒音が少なくハンドル操舵感触の良さを保持しながら、放熱性のより優れた電動パワーステアリング装置用のブラシレスモータを提供することにある。
第3目的を達成する第4発明は、円柱状のロータと、全体が樹脂モールド成形され、前記ロータを内側に挿入して収納する円筒状のステータとを有するブラシレスモータにおいて、前記ステータに、前記ロータを支持するための軸受を固定する軸受支持部材が少なくとも一つ設置され、前記軸受支持部材が前記ステータと一体で樹脂モールド成形されていることを特長とする。
また、第4発明のブラシレスモータにおいて、前記ロータと前記ステータとの同軸度を良くするために、前記軸受支持部材に設置したボスと、前記ステータを構成するステータコアの内周に、外周に,内周に近い端面に、又は外周に近い端面に設置した切欠きとを有し、前記ボスと前記切欠きとを嵌合させることが好ましい。
さらに、好ましくは、前記切欠きの位置は、前記切欠きによって発生する前記ステータコアの磁束の変化が最小となる位置である。また、第4発明のブラシレスモータにおいて、前記切欠きの位置は、前記切欠きによって発生する前記ステータコアの磁束の変化が最小となる位置であることが好ましく、前記切欠きの位置は、前記ステータコアのティースの中心線上にある。
また、第4発明のブラシレスモータにおいて、前記ロータと前記ステータとの同軸度を良くするために、前記ステータを構成するステータコアの外径に対して嵌合可能な範囲で最小の口径となる内径を有する前記軸受支持部材を有し、前記軸受支持部材と前記ステータとを嵌合させることが好ましい。
また、第4発明のブラシレスモータにおいて、前記軸受支持部材が剛性を有する部材よりなること好ましい。また、前記剛性を有する部材が好ましくは、鉄材、アルミ材又は樹脂系部材からなる。また、好ましくは、前記ブラシレスモータは電動パワーステアリング装置に用いられる。
上記の第1の目的を達成するため、本願第1発明に係る電動パワーステアリング装置は、ステアリングホイールに印加された操舵トルクに対応して、ブラシレスモータから補助操舵トルクを発生して、減速機により減速して操舵機構の出力軸に伝達する電動パワーステアリング装置において、
ロータには、筒状の回転駆動用永久磁石と、前記ロータの回転角度を検出するための被検出体とが取付けてあり、
前記ロータに対向した筒状のステータには、コイルを巻回した積層鉄心と、前記被検出体から前記ロータの回転角度を検出する検出手段と、コイルを結線するターミナルとが一体的に樹脂モールド成形してあり、
前記ステータの内径側であって、前記回転駆動用永久磁石と前記被検出体との間に、前記ロータを回転自在に支持する少なくとも1個の軸受が配置してあることを特徴とする。
このように、第1発明によれば、ステータの内径側であって、回転駆動用永久磁石と被検出体との間に、ロータを回転自在に支持する少なくとも1個の軸受が配置してある。即ち、軸受は、検出手段とコイルとの間の誤作動を防止するための空間に配置してあり、これにより、ロータの全長を短縮することができ、ひいては、ブラシレスモータの全長を短縮することができる。
また、軸受は、検出手段とコイルとの間の誤作動を防止するための空間に配置してあり、軸受が磁性体である場合には、軸受は、コイルからの磁束を閉じ込める磁路を形成するため、コイルから発生する磁束が検出手段に与える影響が小さくなり、検出手段の感度を向上することができる。
また、第1発明の電動パワーステアリング装置において、前記ステータは、その内径が軸方向に段階的に変化していることが好ましい。この好ましい構成によれば、前記ステータは、その内径が軸方向に段階的に変化している。即ち、ステータの内径は、その開口側が大径であり、奥側に進むにつれて大径から小径に段階的に変化している。そため、樹脂成形・硬化後に、金型の芯金を引っ掛かりなく引き抜くことができ、型抜きをスムーズに行うことができる。
また、前記ステータは、その内径が軸方向に段階的に変化している。即ち、ステータの内径は、その開口側が大径であり、奥側に進むにつれて大径から小径に段階的に変化している。そのため、軸受を取付けたロータは、最大径を有する開口部側から挿入することができ、組立作業性を改善することができる。
従って、組み立てに際しても、ブラシレスモータを単体で組み立てた後、ウォームギヤ機構に組み付けることができるため、組立作業性を損なうことがなく、また、ブラシレスモータ単体で、その性能等の検査を行うことができる。
さらに、第1発明の電動パワーステアリング装置において、前記ステータは、電線接続端子を一体的に有していることが好ましい。この好ましい構成によれば、ステータは、電線接続端子を一体的に有している。即ち、ステータには、コイルと接続している端子、及び検出手段の信号を出力する端子のための電線接続端子(コネクター)が一体的に成形してあるため、従来電線コードをはんだ付け等により結線していた作業を不要にすることができ、部品点数や組立工数を削減することができる。
さらに、第1発明の電動パワーステアリング装置において、前記被検出体は、モータ出力側端部と反対側のロータ端部に設置されていることが好ましい。この好ましい構成によれば、被検出体を、モータ出力側端部と反対側のロータ端部に備えることにより、ギヤハウジングと電線接続端子の干渉部分をなくし、形状の簡略化、防塵、防水性の向上を図ることができ、モータ組立単体時の内部への鉄くず等の侵入を防止することが可能となる。
さらに、第1発明の電動パワーステアリング装置において、前記ステータは、その外面に、前記ブラシレスモータを前記減速機に装着するためのフランジを有し、そのフランジは、ステータ軸長方向中心付近に配置してあることが好ましい。この好ましい構成によれば、ステータは、その外面に、減速機に装着するためのフランジを有している。そのため、このステータのフランジにより、ブラシレスモータを減速機に装着することができ、従来の金属製のモータカバーやその取付フランジを不要にすることができ、部品点数や組立工数の削減を図ることができ、製造コストを低減することができる。さらに、このフランジが、ステータ軸長方向中心付近に備えられることにより、モータ重心とフランジの距離を短くすることが出来、振動等によりフランジに発生する力が減少するので、フランジの必要強度を下げる、すなわち、重量や大きさを小さくすることができる。
上記第1の目的を達成するため、第2発明に係る電動パワーステアリング装置は、ステアリングホイールに印加された操舵トルクに対応して、ブラシレスモータから補助操舵トルクを発生して、減速機により減速して操舵機構の出力軸に伝達する電動パワーステアリング装置において、
ロータには、筒状の回転駆動用永久磁石と、前記ロータの回転角度を検出するための被検出体とが取付けてあり、
前記ロータに対向した筒状のステータには、コイルを巻回した積層鉄心と、前記被検出体から前記ロータの回転角度を検出する検出手段と、コイルを結線するターミナルとが一体的に樹脂モールド成形してあり、
前記ロータを回転自在に支持する2個の軸受は、前記ステータに支持してあることを特徴とする。
このように、第2発明によれば、ロータを回転自在に支持する2個の軸受は、ステータに支持してあることから、ステータの積層鉄心と、ロータとの間の径方向ギャップは、厳密に一定に維持することができ、振動等の伝達を少なくして、低騒音であって常に安定した性能を確保することができる。
また、ステータは、コイル、積層鉄心、検出手段及びターミナルを被覆して一体的に樹脂モールド成形してあるため、従来の金属製のモータカバーの役目も兼用することができる。従って、ステータにより、ブラシレスモータを減速機に装着することができ、従来の金属製のモータカバーを不要にすることができ、部品点数や組立工数の削減を図ることができ、製造コストを低減することができる。
また、第2発明の電動パワーステアリング装置において、前記ステータは、反減速機側の開口を閉塞すると共に、前記2個の軸受のうち一方の軸受を保持する閉塞壁を有することが好ましい。この好ましい構成にによれば、ステータは、反減速機側の開口を閉塞すると共に、2個の軸受のうち一方の軸受を保持する閉塞壁を有している。そのため、この一方の軸受を容易に閉塞壁に取付けることができる。
さらに、第2発明の電動パワーステアリング装置において、前記2個の軸受のうち他方の軸受は、前記ステータの内径側であって、前記回転駆動用永久磁石と前記被検出体との間に、配置してあることが好ましい。この好ましい構成によれば、2個の軸受のうち他方の軸受は、ステータの内径側であって、回転駆動用永久磁石と被検出体との間に、配置してある。即ち、軸受は、検出手段とコイルとの間の誤作動を防止するための空間に配置してあり、これにより、ロータの全長を短縮することができ、ひいては、ブラシレスモータの全長を短縮することができる。
また、軸受は、検出手段とコイルとの間の誤作動を防止するための空間に配置してあり、軸受が磁性体である場合には、軸受は、コイルからの磁束を閉じ込める磁路を形成するため、コイルから発生する磁束が検出手段に与える影響が小さくなり、検出手段の感度を向上することができる。
さらに、第2発明の電動パワーステアリング装置において、前記ステータは、その内径が軸方向に段階的に変化していることが好ましい。この好ましい構成によれば、前記ステータは、その内径が軸方向に段階的に変化している。即ち、ステータの内径は、その開口側が大径であり、奥側に進むにつれて大径から小径に段階的に変化している。そため、樹脂成形・硬化後に、金型の芯金を引っ掛かりなく引き抜くことができ、型抜きをスムーズに行うことができる。
また、前記ステータは、その内径が軸方向に段階的に変化している。即ち、ステータの内径は、その開口側が大径であり、奥側に進むにつれて大径から小径に段階的に変化している。そのため、軸受を取付けたロータは、最大径を有する開口部側から挿入することができ、組立作業性を改善することができる。
従って、組み立てに際しても、ブラシレスモータを単体で組み立てた後、減速機に組み付けることができるため、組立作業性を損なうことがなく、また、ブラシレスモータ単体で、その性能等の検査を行うことができる。
さらに、第2発明の電動パワーステアリング装置において、前記ステータは、電線接続端子を一体的に有していることが好ましい。この好ましい構成によれば、ステータは、電線接続端子を一体的に有している。即ち、ステータには、コイルと接続している端子、及び検出手段の信号を出力する端子のための電線接続端子(コネクター)が一体的に成形してあるため、従来電線コードをはんだ付け等により結線していた作業を不要にすることができ、部品点数や組立工数を削減することができる。
さらに、第2発明の電動パワーステアリング装置において、前記ステータは、その外面に、前記ブラシレスモータを前記減速機に装着するためのフランジを有し、そのフランジは、ステータ軸長方向中心付近に配置してあることが好ましい。この好ましい構成によれば、ステータは、その外面に、減速機に装着するためのフランジを有している。そのため、このステータのフランジにより、ブラシレスモータを減速機に装着することができ、従来の金属製のモータカバーやその取付フランジを不要にすることができ、部品点数や組立工数の削減を図ることができ、製造コストを低減することができる。さらに、このフランジが、ステータ軸長方向中心付近に備えられることにより、モータ重心とフランジの距離を短くすることが出来、振動等によりフランジに発生する力が減少するので、フランジの必要強度を下げる、すなわち、重量や大きさを小さくすることができる。
さらに、第2発明の電動パワーステアリング装置において、前記被検出体は、モータ出力側端部と反対側のロータ端部に設置されていることが好ましい。この好ましい構成によれば、被検出体を、モータ出力側端部と反対側のロータ端部に備えることにより、ギヤハウジングと電線接続端子の干渉部分をなくし、形状の簡略化、防塵、防水性の向上を図ることができ、モータ組立単体時の内部への鉄くず等の侵入を防止することが可能となる。
本願発明は、減速機内の鉄屑等の異物やグリースが電動モータ内に浸入することを確実に阻止することができる電動パワーステアリング装置を提供することを第2の目的とする。
上記第2の目的を達成するため、本願第3の発明に係る電動パワーステアリング装置は、ステアリングホイールに印加された操舵トルクに対応して、電動モータから補助操舵トルクを発生して、減速機により減速して操舵機構の出力軸に伝達する電動パワーステアリング装置において、
前記減速機と前記電動モータとの間の境界部を遮蔽し、前記電動モータのロータに取付けて当該ロータと共に回転すると共に、前記電動モータ又は前記減速機の静止側との間に所定の微小隙間を有する遮蔽部材を具備することを特徴とする。
このように、第3発明によれば、減速機と電動モータとの間の境界部を遮蔽し、電動モータのロータに取付けてロータと共に回転すると共に、電動モータ又は減速機の静止側との間に所定の微小隙間を有する遮蔽部材を具備している。従って、減速機内の鉄屑等の異物やグリースが電動モータに向けて浸入しようとしたとしても、遮蔽部材によって、これら異物やグリースの浸入を確実に阻止することができる。
また、第3発明の電動パワーステアリング装置は、前記遮蔽部材と、前記電動モータ又は前記減速機の静止側とは、協働して、両者間の所定の微小隙間をラビリンス効果を発揮する微小隙間としていることが好ましい。この好ましい構成によれば、遮蔽部材と、電動モータ又は減速機の静止側とは、協働して、両者間の所定の微小隙間をラビリンス効果を発揮する微小隙間としていることから、より一層、異物やグリースの浸入を確実に阻止することができる。
さらに、第3発明の電動パワーステアリング装置において、前記電動モータは、ブラシレスモータであり、
前記ロータには、筒状の回転駆動用永久磁石と、前記ロータの回転角度を検出するための被検出体とが取付けてあり、
前記ロータに対向した筒状のステータには、コイルを巻回した積層鉄心と、前記被検出体から前記ロータの回転角度を検出する検出手段と、前記コイルを結線するターミナルと、これら前記コイル、前記積層鉄心、前記検出手段及び前記ターミナルを被覆する筒状樹脂ハウジング部とが一体的に樹脂モールド成形してあり、
前記ロータを回転自在に支持する2個の軸受は、前記筒状樹脂ハウジング部に支持してあることが好ましい。このロータの角度検出のための検出手段・被検出体は、ホールIC・永久磁石だけでなく、レゾルバやインダクトコーダ等を用いてもよい。この好ましい構成によれば、ロータを回転自在に支持する2個の軸受は、筒状樹脂ハウジング部に支持してあることから、ステータの積層鉄心と、ロータとの間の径方向ギャップは、厳密に一定に維持することができ、振動等の伝達を少なくして、低騒音であって常に安定した性能を確保することができる。
また、この好ましい構成によれば、筒状樹脂ハウジング部は、コイル、積層鉄心、検出手段及びターミナルを被覆して一体的に樹脂モールド成形してあるため、従来の金属製のモータカバーの役目も兼用することができる。従って、筒状樹脂ハウジング部により、ブラシレスモータを減速機に装着することができ、従来の金属製のモータカバーを不要にすることができ、部品点数や組立工数の削減を図ることができ、製造コストを低減することができる。
さらに、第3発明の電動パワーステアリング装置において、前記筒状樹脂ハウジング部は、反減速機側の開口を閉塞すると共に、前記2個の軸受のうち一方の軸受を保持する閉塞壁を有することが好ましい。この好ましい構成によれば、筒状樹脂ハウジング部は、反減速機側の開口を閉塞すると共に、2個の軸受のうち一方の軸受を保持する閉塞壁を有している。そのため、この一方の軸受を容易に閉塞壁に取付けることができる。
さらに、第3発明の電動パワーステアリング装置において、前記2個の軸受のうち他方の軸受は、前記ステータの内径側であって、前記回転駆動用永久磁石と前記被検出体との間に、配置してあることが好ましい。この好ましい構成によれば、2個の軸受のうち他方の軸受は、ステータの内径側であって、回転駆動用永久磁石と被検出体との間に、配置してある。即ち、軸受は、検出手段とコイルとの間の誤作動を防止するための空間に配置してあり、これにより、ロータの全長を短縮することができ、ひいては、ブラシレスモータの全長を短縮することができる。また、この好ましい構成において、軸受は、検出手段とコイルとの間の誤作動を防止するための空間に配置してあり、軸受が磁性体である場合には、軸受は、コイルからの磁束を閉じ込める磁路を形成するため、コイルから発生する磁束が検出手段に与える影響が小さくなり、検出手段の感度を向上することができる。
さらに、第3発明の電動パワーステアリング装置において、前記ステータは、その内径が軸方向に段階的に変化していることが好ましい。この好ましい構成によれば、前記ステータは、その内径が軸方向に段階的に変化している。即ち、ステータの内径は、その開口側が大径であり、奥側に進むにつれて大径から小径に段階的に変化している。そのため、樹脂成形・硬化後に、金型の芯金を引っ掛かりなく引き抜くことができ、型抜きをスムーズに行うことができる。また、前記ステータは、その内径が軸方向に段階的に変化している。即ち、ステータの内径は、その開口側が大径であり、奥側に進むにつれて大径から小径に段階的に変化している。そのため、軸受を取付けたロータは、最大径を有する開口部側から挿入することができ、組立作業性を改善することができる。
従って、組み立てに際しても、ブラシレスモータを単体で組み立てた後、減速機に組み付けることができるため、組立作業性を損なうことがなく、また、ブラシレスモータ単体で、その性能等の検査を行うことができる。
さらに、第3発明の電動パワーステアリング装置において、前記ステータは、電線接続端子を一体的に有していることが好ましい。この好ましい構成によれば、ステータは、電線接続端子を一体的に有している。即ち、ステータには、コイルと接続している端子、及び検出手段の信号を出力する端子のための電線接続端子(コネクター)が一体的に成形してあるため、従来電線コードをはんだ付け等により結線していた作業を不要にすることができ、部品点数や組立工数を削減することができる。
さらに、第3発明の電動パワーステアリング装置において、前記筒状樹脂ハウジング部は、その外面に、前記ブラシレスモータを前記減速機に装着するためのフランジを有することが好ましい。この好ましい構成によれば、筒状樹脂ハウジング部は、その外面に、ブラシレスモータを減速機に装着するためのフランジを有している。そのため、この筒状樹脂ハウジング部のフランジにより、ブラシレスモータを減速機に装着することができ、従来必要とされてきた金属製のモータカバーやその取付フランジを不要にすることができ、部品点数や組立工数の削減を図ることができ、製造コストを低減することができる。また、このフランジがステータ軸長方向中心付近に備えられることにより、モータ重心とモータ取付けの為のフランジの距離を短くすることが出来振動等によりフランジに発生する力が減少するので、フランジの必要強度を下げるすなわち重量や大きさを小さくすることが出来る。
上述のような本発明の第3の目的は、モールド成形されたステータの内径とロータの軸受の中心との同軸精度を向上させ、騒音が少なくハンドル操舵感触の良さを保持しながら、放熱性のより優れた電動パワーステアリング装置用のブラシレスモータを提供することにある。
第3目的を達成する第4発明は、円柱状のロータと、全体が樹脂モールド成形され、前記ロータを内側に挿入して収納する円筒状のステータとを有するブラシレスモータにおいて、前記ステータに、前記ロータを支持するための軸受を固定する軸受支持部材が少なくとも一つ設置され、前記軸受支持部材が前記ステータと一体で樹脂モールド成形されていることを特長とする。
また、第4発明のブラシレスモータにおいて、前記ロータと前記ステータとの同軸度を良くするために、前記軸受支持部材に設置したボスと、前記ステータを構成するステータコアの内周に、外周に,内周に近い端面に、又は外周に近い端面に設置した切欠きとを有し、前記ボスと前記切欠きとを嵌合させることが好ましい。
さらに、好ましくは、前記切欠きの位置は、前記切欠きによって発生する前記ステータコアの磁束の変化が最小となる位置である。また、第4発明のブラシレスモータにおいて、前記切欠きの位置は、前記切欠きによって発生する前記ステータコアの磁束の変化が最小となる位置であることが好ましく、前記切欠きの位置は、前記ステータコアのティースの中心線上にある。
また、第4発明のブラシレスモータにおいて、前記ロータと前記ステータとの同軸度を良くするために、前記ステータを構成するステータコアの外径に対して嵌合可能な範囲で最小の口径となる内径を有する前記軸受支持部材を有し、前記軸受支持部材と前記ステータとを嵌合させることが好ましい。
また、第4発明のブラシレスモータにおいて、前記軸受支持部材が剛性を有する部材よりなること好ましい。また、前記剛性を有する部材が好ましくは、鉄材、アルミ材又は樹脂系部材からなる。また、好ましくは、前記ブラシレスモータは電動パワーステアリング装置に用いられる。
図1は、本発明の第1実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の縦断面図である。
図2は、本発明の第2実施の形態の変形例に係る電動パワーステアリング装置の縦断面図である。
図3は、本発明の第3実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の縦断面図である。
図4は、本発明の第4実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の縦断面図である。
図5は、本発明の第5実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の縦断面図である。
図6は、本発明の第6実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の縦断面図である。
図7は、本発明の第7実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の縦断面図である。
図8は、本発明の第8実施形態のブラシレスモータの縦断面図である。
図9は、第8実施形態のステータコアと軸受支持部材の組み合わせ状態を示す斜視図である。
図10A−10Cは、第8実施形態のリア側の軸受支持部材とステータコアを示す図である。
図11A−11Cは、第8実施形態のフロント側の軸受支持部材とステータコアを示す図である。
図12A−12Cは、第8実施形態の第1変形例のリア側の軸受支持部材とステータコアを示す図である。
図13A−13Cは、第8実施形態の第1変形例のフロント側の軸受支持部材とステータコアを示す図である。
図14A−14Cは、第8実施形態の別の変形例のリア側の軸受支持部材とステータコアを示す図である。
図15A−15Cは、第8実施形態の別の変形例のフロント側の軸受支持部材とステータコアを示す図である。
図16は、従来の電動パワーステアリング装置の一例の縦断面図である。
図17A、17Bは、従来のモールドされた送風機用モータを示す図である。
図2は、本発明の第2実施の形態の変形例に係る電動パワーステアリング装置の縦断面図である。
図3は、本発明の第3実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の縦断面図である。
図4は、本発明の第4実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の縦断面図である。
図5は、本発明の第5実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の縦断面図である。
図6は、本発明の第6実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の縦断面図である。
図7は、本発明の第7実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の縦断面図である。
図8は、本発明の第8実施形態のブラシレスモータの縦断面図である。
図9は、第8実施形態のステータコアと軸受支持部材の組み合わせ状態を示す斜視図である。
図10A−10Cは、第8実施形態のリア側の軸受支持部材とステータコアを示す図である。
図11A−11Cは、第8実施形態のフロント側の軸受支持部材とステータコアを示す図である。
図12A−12Cは、第8実施形態の第1変形例のリア側の軸受支持部材とステータコアを示す図である。
図13A−13Cは、第8実施形態の第1変形例のフロント側の軸受支持部材とステータコアを示す図である。
図14A−14Cは、第8実施形態の別の変形例のリア側の軸受支持部材とステータコアを示す図である。
図15A−15Cは、第8実施形態の別の変形例のフロント側の軸受支持部材とステータコアを示す図である。
図16は、従来の電動パワーステアリング装置の一例の縦断面図である。
図17A、17Bは、従来のモールドされた送風機用モータを示す図である。
以下、本発明の実施の形態に係る電動パワーステアリング装置を図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の第1実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の縦断面図である。
図1に示すように、ステアリングホイール(図示略)に連結した入力軸(図示略)に、トーションバー(図示略)等を介して出力軸1が連結してあり、出力軸1に、ウォームギヤ減速機構のウォームホイール2が固定してある。
このウォームホイール2には、ギヤハウジング3に軸受4a、4bにより回転自在に支持したウォーム5が噛合してある。
ギヤハウジング3には、ブラシレスモータのモータカバー7が連結してある。ブラシレスモータのロータ10と、ウォーム5とは、スプライン嵌合部11により接続してあり、両者は、軸方向移動自在且つ相対回転不能になっている。
ロータ10の外径側には、筒状の回転駆動用永久磁石12が後述する積層鉄心16に対向して取付けてあると共に、リング状のセンシング用永久磁石13(被検出体)が取付けてある。
モータカバー7の内径側には、筒状のステータ30が設けてある。このステータ30は、コイル15を巻回した積層鉄心16と、センシング用永久磁石13(被検出体)の磁界を検出して、ロータ10の回転角度を検出するホールIC17(検出手段)と、このホールIC17を搭載した基板18と、コイル15を結線するターミナル(ブスバー)19と、コイル15と接続している端子及びホールIC17(検出手段)の信号を出力する端子のための電線接続端子(コネクター)31とを一体的に樹脂モールド成形して構成してある。
なお、電線接続端子(コネクター)31は、モールド成形する樹脂と同材質であっても、異なる材質であってもよい。
本実施の形態では、ステータ30の内径側であって、回転駆動用永久磁石12とセンシング用永久磁石13(被検出体)との間に、ロータ10のウォーム側を回転自在に支持する軸受8が配置してある。
具体的には、軸受8は、筒状ブラケット34を介して、樹脂モールド成形したステータ30の内径側に取り付けてある。但し、ブラケット34を設けることなく、軸受8がステータ30の内径側に直接取り付けてあってもよい。
なお、モータカバー7には、ロータ10の反ウォーム側を回転自在に支持する軸受9が設けてある。
軸受8は、ホールIC17(検出手段)とコイル15との間の誤作動を防止するための空間に配置してあり、これにより、ロータ10の全長を短縮することができ、ひいては、ブラシレスモータの全長を短縮することができる。
また、軸受8は、ホールIC17(検出手段)とコイル15との間の誤作動を防止するための空間に配置してあり、軸受8が磁性体である場合には、軸受8は、コイル15からの磁束を閉じ込める磁路を形成するため、コイル15から発生する磁束がホールIC17(検出手段)に与える影響が小さくなり、ホールIC17(検出手段)の感度を向上することができる。又、このロータ10の角度検出のための検出手段・被検出体は、ホールIC・永久磁石だけでなく、レゾルバやインダクトコーダ等を用いてもよい。
また、樹脂モールド成形したステータ30は、その内径が軸方向に段階的に変化している。即ち、ステータ30の内径は、その開口側が大径であり、奥側に進むにつれて大径から小径に段階的に変化している。
そのため、樹脂成形・硬化後に、金型の芯金を引っ掛かりなく引き抜くことができ、型抜きをスムーズに行うことができる。
また、ステータ30の内径は、その開口側が大径であり、奥側に進むにつれて大径から小径に段階的に変化しているため、軸受8を取付けたロータ10は、最大径を有する開口部側から挿入することができ、組立作業性を改善することができる。
従って、組み立てに際しても、ブラシレスモータを単体で組み立てた後、ウォームギヤ機構に組み付けることができるため、組立作業性を損なうことがなく、また、ブラシレスモータ単体で、その性能等の検査を行うことができる。
さらに、樹脂モールド成形したステータ30には、コイル15と接続している端子及びホールIC17(検出手段)の信号を出力する端子のための電線接続端子(コネクター)31が一体的に樹脂モールド成形してあるため、従来電線コードをはんだ付け等により結線していた作業を不要にすることができ、部品点数や組立工数を削減することができる。
図2は、本発明の第2実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の縦断面図である。
図2に示すように、ステアリングホイール(図示略)に連結した入力軸(図示略)に、トーションバー(図示略)等を介して出力軸1が連結してあり、出力軸1に、ウォームギヤ減速機構(減速機)のウォームホイール2が固定してある。
このウォームホイール2には、ギヤハウジング3に軸受4等により回転自在に支持したウォーム5が噛合してある。
ブラシレスモータのロータ10と、ウォーム5とは、スプライン嵌合部11により接続してあり、両者は、軸方向移動自在且つ相対回転不能になっている。
ロータ10の外径側には、筒状の回転駆動用永久磁石12が後述する積層鉄心15に対向して取付けてあると共に、リング状のセンシング用永久磁石13(被検出体)が取付けてある。
モータカバー7の内径側には、筒状のステータ30が設けてある。このステータ30は、コイル15を巻回した積層鉄心16と、センシング用永久磁石13(被検出体)の磁界を検出して、ロータ10の回転角度を検出するホールIC17(検出手段)と、このホールIC17を搭載した基板18と、コイル15を結線するターミナル(ブスバー)19と、コイル15と接続している端子及びホールIC17(検出手段)の信号を出力する端子のための電線接続端子(コネクター)31とを一体的に樹脂モールド成形して構成してある。また、ステータ30は、その外面に、ブラシレスモータをウォームギヤ機構(減速機)に装着するためのフランジ33を一体的に有している。又、このロータ10の角度検出のための検出手段・被検出体は、ホールIC・永久磁石だけでなく、レゾルバやインダクトコーダ等を用いてもよい。
なお、電線接続端子(コネクター)31は、モールド成形する樹脂と同材質であっても、異なる材質であってもよく、一般的にコネクターに使用されているPBTやPA6にて成形し、後にステータ30と一体的に成形してもよい。
ステータ30は、コイル15、積層鉄心16、ホールIC17(検出手段)、基板18及びターミナル(ブスバー)19を被覆して一体的に樹脂モールド成形してあるため、従来の金属製のモータカバー(7)の役目も兼用することができる。
従って、ステータ30のフランジ33により、ブラシレスモータをウォームギヤ機構に装着することができ、従来の金属製のモータカバー(7)やその取付フランジを不要にすることができ、部品点数や組立工数の削減を図ることができ、製造コストを低減することができる。
本実施の形態では、ステータ30の内径側であって、回転駆動用永久磁石12とセンシング用永久磁石13(被検出体)との間に、ロータ10のウォーム側を回転自在に支持する軸受8が配置してある。
具体的には、軸受8は、筒状ブラケット34を介して、樹脂モールド成形したステータ30の内径側に取り付けてある。但し、ブラケット34を設けることなく、軸受8がステータ30の内径側に直接取り付けてあってもよい。
また、ステータ30は、反ウォーム側の開口を閉塞すると共に、ロータ10を回転自在に支持する軸受9を保持する閉塞壁35を有している。具体的には、軸受9は、閉塞壁35の凹部36に収納して保持してある。
このように、ロータ10を回転自在に支持する2個の軸受8,9は、ステータ30に支持してあることから、ステータ30の積層鉄心16と、ロータ10との間の径方向ギャップは、厳密に一定に維持することができ、振動等の伝達を少なくして、低騒音であって常に安定した性能を確保することができる。
軸受8は、ホールIC17(検出手段)とコイル15との間の誤作動を防止するための空間に配置してあり、これにより、ロータ10の全長を短縮することができ、ひいては、ブラシレスモータの全長を短縮することができる。
また、軸受8は、ホールIC17(検出手段)とコイル15との間の誤作動を防止するための空間に配置してあり、軸受8が磁性体である場合には、軸受8は、コイル15からの磁束を閉じ込める磁路を形成するため、コイル15から発生する磁束がホールIC17(検出手段)に与える影響が小さくなり、ホールIC17(検出手段)の感度を向上することができる。
また、樹脂モールド成形したステータ30は、その内径が軸方向に段階的に変化している。即ち、ステータ30の内径は、その開口側(ウォーム側)が大径であり、奥側(反ウォーム側)に進むにつれて大径から小径に段階的に変化している。
そのため、樹脂成形・硬化後に、金型の芯金を引っ掛かりなく引き抜くことができ、型抜きをスムーズに行うことができる。
また、ステータ30の内径は、その開口側(ウォーム側)が大径であり、奥側(反ウォーム側)に進むにつれて大径から小径に段階的に変化しているため、軸受8を取付けたロータ10は、最大径を有する開口部側から挿入することができ、組立作業性を改善することができる。
従って、組み立てに際しても、ブラシレスモータを単体で組み立てた後、ウォームギヤ機構に組み付けることができるため、組立作業性を損なうことがなく、また、ブラシレスモータ単体で、その性能等の検査を行うことができる。
さらに、樹脂モールド成形したステータ30には、コイル15と接続している端子及びホールIC17(検出手段)の信号を出力する端子のための電線接続端子(コネクター)31が一体的に樹脂モールド成形してあるため、従来電線コードをはんだ付け等により結線していた作業を不要にすることができ、部品点数や組立工数を削減することができる。
次に、図3は、本発明の第3実施の形態の変形例に係る電動パワーステアリング装置の縦断面図である。
本第3実施形態では、筒状の樹脂製のステータ30が設けてある。すなわち、このステータ30は、コイル15を巻回した積層鉄心16と、センシング用永久磁石13(被検出体)の磁界を検出して、ロータ10の回転角度を検出するホールIC17(検出手段)と、このホールIC17を搭載した基板18と、コイル15を結線するターミナル(ブスバー)19と、コイル15と接続している端子及びホールIC17(検出手段)の信号を出力する端子のための電線接続端子(コネクター)31とを一体的に樹脂モールド成形して構成してある。
ステータ30のモータ出力側端部と反対側の厚肉端部に、ホールIC17(検出手段)と、基板18と、ターミナル(ブスバー)19と、電線接続端子(コネクター)31とが配置してある。
また、ステータ30のモータ出力側端部と反対側の軸受9は、筒状ブラケット9aを介して、この厚肉端部に設けてある。
さらに、センシング用永久磁石(被検出体)13は、モータ出力側端部と反対側のロータ10の端部に設置してある。これにより、ギヤハウジング3と電線接続端子31の干渉部分をなくし、形状の簡略化、防塵、防水性の向上を図ることができ、モータ組立単体時の内部への鉄くず等の侵入を防止することが可能となる。また、センシング用永久磁石(被検出体)13と、ロータ10の端部とは、は、閉塞壁35の凹部36内に収納してある。
さらに、センシング用永久磁石(被検出体)13は、モータ出力側端部と反対側のロータ10の端部に設置してある。これにより、ギヤハウジング3と電線接続端子31の干渉部分をなくし、形状の簡略化、防塵、防水性の向上を図ることができ、モータ組立単体時の内部への鉄くず等の侵入を防止することが可能となる。
さらに、ステータ30は、その外面に、減速機に装着するためのフランジ33を有している。そのため、このステータ30のフランジ33により、ブラシレスモータを減速機に装着することができ、従来の金属製のモータカバーやその取付フランジを不要にすることができ、部品点数や組立工数の削減を図ることができ、製造コストを低減することができる。
しかも、このフランジ33は、ステータ30の軸長方向中心付近に備えられることにより、モータ重心とフランジ33の距離を短くすることが出来、振動等によりフランジ33に発生する力が減少するので、フランジ33の必要強度を下げる、すなわち、重量や大きさを小さくすることができる。
図4は、本発明の第4実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の縦断面図である。
図4に示すように、ステアリングホイール(図示略)に連結した入力軸(図示略)に、トーションバー(図示略)等を介して出力軸1が連結してあり、出力軸1に、ウォームギヤ減速機構(減速機)のウォームホイール2が固定してある。なお、減速機は、ウォームギヤ減速機構に限定されない。
このウォームホイール2には、ギヤハウジング3に軸受4等により回転自在に支持したウォーム5が噛合してある。
ブラシレスモータのロータ10と、ウォーム5とは、スプライン嵌合部11により接続してあり、両者は、軸方向移動自在且つ相対回転不能になっている。
ロータ10の外径側には、筒状の回転駆動用永久磁石12が後述する積層鉄心15に対向して取付けてあると共に、リング状のセンシング用永久磁石13が取付けてある。
モータカバー7の内径側には、筒状のステータ30が設けてある。このステータ30は、コイル15を巻回した積層鉄心16と、センシング用永久磁石13(被検出体)の磁界を検出して、ロータ10の回転角度を検出するホールIC17(検出手段)と、このホールIC17を搭載した基板18と、コイル15を結線するターミナル(ブスバー)19と、コイル15と接続している端子及びホールIC17(検出手段)の信号を出力する端子のための電線接続端子(コネクター)31と、これらコイル15、積層鉄心16、ホールIC17(検出手段)、基板18及びターミナル(ブスバー)19を被覆する筒状樹脂ハウジング部32とを一体的に樹脂モールド成形して構成してある。また、筒状樹脂ハウジング部32は、その外面に、ブラシレスモータをウォームギヤ機構(減速機)に装着するためのフランジ33を一体的に有している。又、センシング用永久磁石とホールICの替わりに、ロータ10の角度検出のための検出手段・被検出体として、レゾルバやインダクトコーダ等を用いてもよい。
なお、電線接続端子(コネクター)31は、モールド成形する樹脂と同材質であっても、異なる材質であってもよく、一般的にコネクターに使用されているPBTやPA6にて成形し、後にステータ30と一体的に成形してもよい。
筒状樹脂ハウジング部32は、コイル15、積層鉄心16、ホールIC17、基板18及びターミナル(ブスバー)19を被覆して一体的に樹脂モールド成形してあるため、従来の金属製のモータカバー(7)の役目も兼用することができる。
従って、筒状樹脂ハウジング部32のフランジ33により、ブラシレスモータをウォームギヤ機構に装着することができ、従来の金属製のモータカバー(7)やその取付フランジを不要にすることができ、部品点数や組立工数の削減を図ることができ、製造コストを低減することができる。
本第4実施の形態では、ステータ30の内径側であって、回転駆動用永久磁石12とセンシング用永久磁石13との間に、ロータ10のウォーム側を回転自在に支持する軸受8が配置してある。
具体的には、軸受8は、筒状ブラケット34を介して、樹脂モールド成形したステータ30の内径側に取り付けてある。但し、ブラケット34を設けることなく、軸受8がステータ30の内径側に直接取り付けてあってもよい。
また、筒状樹脂ハウジング部32は、反ウォーム側の開口を閉塞すると共に、ロータ10を回転自在に支持する軸受9を保持する閉塞壁35を有している。具体的には、軸受9は、閉塞壁35の凹部36に収納して保持してある。
このように、ロータ10を回転自在に支持する2個の軸受8,9は、筒状樹脂ハウジング部32に支持してあることから、ステータ30の積層鉄心16と、ロータ10との間の径方向ギャップは、厳密に一定に維持することができ、振動等の伝達を少なくして、低騒音であって常に安定した性能を確保することができる。
軸受8は、ホールIC17とコイル15との間の誤作動を防止するための空間に配置してあり、これにより、ロータ10の全長を短縮することができ、ひいては、ブラシレスモータの全長を短縮することができる。
また、軸受8は、ホールIC17とコイル15との間の誤作動を防止するための空間に配置してあり、軸受8が磁性体である場合には、軸受8は、コイル15からの磁束を閉じ込める磁路を形成するため、コイル15から発生する磁束がホールIC17に与える影響が小さくなり、ホールIC17の感度を向上することができる。
また、樹脂モールド成形したステータ30は、その内径が軸方向に段階的に変化している。即ち、ステータ30の内径は、その開口側(ウォーム側)が大径であり、奥側(反ウォーム側)に進むにつれて大径から小径に段階的に変化している。
そのため、樹脂成形・硬化後に、金型の芯金を引っ掛かりなく引き抜くことができ、型抜きをスムーズに行うことができる。
また、ステータ30の内径は、その開口側(ウォーム側)が大径であり、奥側(反ウォーム側)に進むにつれて大径から小径に段階的に変化しているため、軸受8を取付けたロータ10は、最大径を有する開口部側から挿入することができ、組立作業性を改善することができる。
従って、組み立てに際しても、ブラシレスモータを単体で組み立てた後、ウォームギヤ機構に組み付けることができるため、組立作業性を損なうことがなく、また、ブラシレスモータ単体で、その性能等の検査を行うことができる。
さらに、樹脂モールド成形したステータ30には、コイル15と接続している端子及びホールIC17の信号を出力する端子のための電線接続端子(コネクター)31が一体的に樹脂モールド成形してあるため、従来電線コードをはんだ付け等により結線していた作業を不要にすることができ、部品点数や組立工数を削減することができる。
次に、本第4実施の形態では、ステータ30の内径側であって、回転駆動用永久磁石12とセンシング用永久磁石13との間に、軸受8が配置してあることから、ウォームギヤ機構と、ブラシレスモータとの間の境界部が開口して、ウォームギヤ機構と、ブラシレスモータとが連通する結果、ウォームギヤ機構内の鉄屑等の異物やグリースがブラシレスモータに向けて浸入するといった虞れがある。
そこで、本第4実施の形態では、ウォームギヤ機構とブラシレスモータとの間の境界部を遮蔽する遮蔽部材40が設けてある。この遮蔽部材40は、薄板金属製のリング状円板であって、ブラシレスモータのロータ10に取付けてロータ10と共に回転すると共に、ブラシレスモータのステータ30との間に所定の微小隙間Gを有している。
なお、微小隙間Gは、異物やグリースの浸入を阻止するシール性を発揮しつつ、遮蔽部材40の回転を許容するものであり、本実施の形態では、ブラシレスモータの静止側であるステータ30と、遮蔽部材40との間に形成しているが、ウォームギヤ機構の静止側であるギヤハウジング3と、遮蔽部材40との間に形成してあってもよい。
従って、ウォームギヤ機構内の鉄屑等の異物やグリースがブラシレスモータに向けて浸入しようとしたとしても、遮蔽部材40によって、これら異物やグリースの浸入を確実に阻止することができる。
図5は、本発明の第5実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の縦断面図である。
図5に示すように、本第5実施の形態では、ステータ30の内径側であって回転駆動用永久磁石12とセンシング用永久磁石13との間に配置してあった軸受8を廃止して、より一層小型化を図っている。
第5実施の形態においても、この軸受8を廃止したことから、ウォームギヤ機構と、ブラシレスモータとの間の境界部が開口して、ウォームギヤ機構と、ブラシレスモータとが連通する結果、ウォームギヤ機構内の鉄屑等の異物やグリースがブラシレスモータに向けて浸入するといった虞れがある。
そこで、第5実施の形態においても、ウォームギヤ機構とブラシレスモータとの間の境界部を遮蔽する遮蔽部材40が設けてある。この遮蔽部材40は、薄板金属製のリング状円板であって、ブラシレスモータのロータ10に取付けてロータ10と共に回転すると共に、ブラシレスモータのステータ30との間に所定の微小隙間Gを有している。
なお、微小隙間Gは、異物やグリースの浸入を阻止するシール性を発揮しつつ、遮蔽部材40の回転を許容するものであり、本実施の形態では、ブラシレスモータの静止側であるステータ30と、遮蔽部材40との間に形成しているが、ウォームギヤ機構の静止側であるギヤハウジング3と、遮蔽部材40との間に形成してあってもよい。
従って、ウォームギヤ機構内の鉄屑等の異物やグリースがブラシレスモータに向けて浸入しようとしたとしても、遮蔽部材40によって、これら異物やグリースの浸入を確実に阻止することができる。
図6は、本発明の第6実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の縦断面図である。
図6に示すように、第6実施の形態では、第4実施の形態と同様に、ステータ30の内径側であって、回転駆動用永久磁石12とセンシング用永久磁石13との間に、軸受8が配置してある。
この場合にも、ウォームギヤ機構と、ブラシレスモータとの間の境界部が開口して、ウォームギヤ機構と、ブラシレスモータとが連通する結果、ウォームギヤ機構内の鉄屑等の異物やグリースがブラシレスモータに向けて浸入するといった虞れがある。
そこで、第6実施の形態においても、ウォームギヤ機構とブラシレスモータとの間の境界部を遮蔽する遮蔽部材40が設けてある。
この遮蔽部材40は、薄板金属製のリング状円板であって、ブラシレスモータのロータ10に取付けてロータ10と共に回転すると共に、ブラシレスモータのステータ30との間に所定の微小隙間Gを有している。この微小隙間Gは、異物やグリースの浸入を阻止するシール性を発揮しつつ、遮蔽部材40の回転を許容するものである。
しかし、第6実施の形態では、リング状円板の遮蔽部材40は、さらに、その周縁部41が軸方向に折曲してある。
これにより、微小隙間Gは、ブラシレスモータの静止側であるステータ30と、遮蔽部材40との間に形成してあるだけでなく、ウォームギヤ機構の静止側であるギヤハウジング3と、遮蔽部材40の周縁部41との間に形成してあり、微小隙間Gのシール性をより一層向上している。
従って、第6実施の形態においても、ウォームギヤ機構内の鉄屑等の異物やグリースがブラシレスモータに向けて浸入しようとしたとしても、遮蔽部材40及びその周縁部41によって、これら異物やグリースの浸入を確実に阻止することができる。
また、リング状円板の遮蔽部材40は、その周縁部41が軸方向に折曲してあることから、ギヤハウジング3と周縁部41との間の微小隙間Gのシール性を向上することができ、特に、グリース等の液体がロータ10を伝ってブラシレスモータ側に浸入しようとする場合に、周縁部41は、グリース等の浸入を効果的に阻止することができる。
図7は、本発明の第7実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の縦断面図である。
図7に示すように、第7実施の形態では、第4及び第6実施の形態と同様に、ステータ30の内径側であって、回転駆動用永久磁石12とセンシング用永久磁石13との間に、軸受8が配置してある。
この場合にも、ウォームギヤ機構と、ブラシレスモータとの間の境界部が開口して、ウォームギヤ機構と、ブラシレスモータとが連通する結果、ウォームギヤ機構内の鉄屑等の異物やグリースがブラシレスモータに向けて浸入するといった虞れがある。
そこで、第7実施の形態においても、ウォームギヤ機構とブラシレスモータとの間の境界部を遮蔽する遮蔽部材40が設けてある。
この遮蔽部材40は、薄板金属製のリング状円板であって、ブラシレスモータのロータ10に取付けてロータ10と共に回転すると共に、ブラシレスモータのステータ30との間に所定の微小隙間Gを有している。この微小隙間Gは、異物やグリースの浸入を阻止するシール性を発揮しつつ、遮蔽部材40の回転を許容するものである。
しかし、第7実施の形態では、リング状円板の遮蔽部材40は、さらに、その周縁部41が軸方向に折曲してあると共に、遮蔽部材40の周縁部41と、ブラシレスモータのステータ30とウォームギヤ機構のギヤハウジング3とは、協働して、両者間の所定の微小隙間Gをラビリンス効果を発揮する微小隙間としている。
従って、微小隙間Gのシール性をより一層向上することができ、本実施の形態においても、ウォームギヤ機構内の鉄屑等の異物やグリースがブラシレスモータに向けて浸入しようとしたとしても、遮蔽部材40及びその周縁部41によって、これら異物やグリースの浸入を確実に阻止することができる。
また、リング状円板の遮蔽部材40は、その周縁部41が軸方向に折曲してあると共に、遮蔽部材40の周縁部41と、ブラシレスモータのステータ30とウォームギヤ機構のギヤハウジング3とは、協働して、両者間の所定の微小隙間Gをラビリンス効果を発揮する微小隙間としていることから、ギヤハウジング3と周縁部41との間の微小隙間Gのシール性をより一層向上することができ、特に、グリース等の液体がロータ10を伝ってブラシレスモータ側に浸入しようとする場合に、周縁部41は、グリース等の浸入を効果的に阻止することができる。
以下、第8実施の形態について詳細に説明する。
本実施例は、ロータの軸受が2ヵ所に設置された場合の例で、図8、図9、図10A−10C及び図11A−11Cを用いて説明する。図8は電動パワーステアリング装置のブラシレスモータの縦断面を示す図である。
このブラシレスモータは、全体として、ブラシレスモータ(以下モータと記す)部1とウオーム部2とから構成されている。ここで、便宜上モータ部1のウオーム部2に近い方をフロント側と呼び、ウオーム部2から遠い方をリア側と呼ぶ。モータ部1は主にロータ10とステータ20とから構成されている。ロータ10は、円柱状の構造からなり、ロータシャフト11を中心として、ロータ10の外周面には永久磁石12が貼り付けられている構成となる。ロータシャフト11には回転位置を検出するためのセンサー用永久磁石13が取り付けられている。一方ステータ20は、円筒状の構造からなり、ステータコア21に絶縁部材40を介して巻き付けられた巻線22で構成され、ハウジング41に収納されている。ロータ10はステータ20に挿入された状態で回転する。この場合ロータ10がステータ20に接触せず、スムーズに回転するようにロータシャフト11を支持する必要がある。そのため本実施形態において、ロータシャフト11はフロント側で金属円筒部材14−1aおよび軸受14−1を介してフロント側軸受支持部材15−1に支持され、またリア側で軸受14−2を介してリア側軸受支持部材15−2に支持されており、これらフロント側およびリア側の軸受支持部材15−1、15−2はそれぞれステータ20に支持されている。
これら軸受支持部材15−1および15−2は、軸受部材14−1,14−1a,14−2をステータ20に対して正しい位置関係に固定させるためのものであり、それぞれステータ20に嵌め込み支持される部分と半径方向の中心部に軸受14−1、14−2を支持する部分とを有している。ステータ20の円筒形の中心線と軸受14−1,14−2の中心線とは同軸上に一致されている。フロント側の軸受14−1の内輪と円筒部材14−1aとは一体であってもよい。
図9は、リア側の軸受支持部材15−2とステータコア21とを嵌め込む様子を示す斜視図である。
図10Aはステータコア21の正面図、図10Bはリア側軸受支持部材15−2の背面図、および図10Cは軸受支持部材15−2の径方向断面図である。ステータコア21の外周には円周方向等間隔に4つの切欠き25−2−1、25−2−2、25−2−3、25−2−4が形成されている。軸受支持部材15−2は、ステータコア21の円環状部とほぼ同径同一サイズで該円環状部に密接するフラットな円環状部15−2aと該円環状部15−2aの内径部から軸方向外方に突出する第1筒状部15−2bと該第1筒状部15−2bの底部内径側で、さらに軸方向外向きに突出する底付第2筒状部15−2cとを一体に形成している。これら第1および第2筒状部はともに、ステータコア21と同中心に形成されており、第2筒状部15−2cの内周には軸受15−2が支持される。軸受支持部材15−2の円環状部15−2aの外径側には、ステータコア21の4つの切欠き25−2−1、25−2−2、25−2−3、25−2−4にそれぞれ嵌合する4つのボス15−2−1、15−2−2、15−2−3、15−2−4が形成されていて、これらの嵌め合いにより軸受支持部材15−2は、ステータコア21により適位置に支持固定され、したがって、ステータコア21にモールド成形により乾燥収縮等があっても軸受14−2とステータコア21の同軸度は適切に保持される。
一方、軸受支持部材15−1も、フロント側のステータコア21の円環状部に密接する円環状部15−1aと、中間径の第1筒状部15−1bおよび最小径の第2筒状部15−1cを一体にかつ同中心に有している。第2筒状部15−1cは貫通孔であり、軸受14−1を介してシャフト11を支持している。ステータコア21への軸受支持部材15−1の支持の仕方は図11A−11Cを参照して後述する。
こうして軸受支持部材15−2とステータコア21は正しい位置関係に固定され、モールドの乾燥収縮等があっても軸受14−2とステータコア21の同軸度は正しく保たれる。
軸受支持部材15−1,15−2の材質はモールド成形の乾燥収縮等で変形しないようにある程度の剛性を必要とする。具体的には鉄材とかアルミ材などを用いれば良い。また、エンジニアリングプラスチックのような樹脂系部材であってもモールド成形時の高温や乾燥収縮にも耐えられる程度の剛性を有すれば、軸受支持部材15−1,15−2が樹脂系部材から製作されても本発明の適用に問題はない。なお、軸受支持部材の材質については、後述する軸受支持部材16−1,16−2,17−1,17−2においても同様である。
切欠きはステータコア21の形状を変更する要素になり、ステータコア21を通過する磁束に影響を与える。そこで、切欠きの位置はなるべくステータコア21の磁束に影響を与えない位置に設置すべきである。図10Aにおいて、各切欠き25−2−1,25−2−2,25−2−3,25−2−4はティースの中心線を延長したステータコア21の外周の位置(図10AではA点)に設置されている。例えばティース同士の中間位置(図10AではB点)に設置されると、磁路の幅が狭くなって通過する磁束に大きく影響を与えるが、A点であれば、内周側に存在するティース部分による磁路を確保できるので影響が少なくてすむ。
なお、切欠きを入れるステータコア21の枚数については、ステータ20のフロント側およびリア側に軸受支持部材のボスが嵌め込めるだけの枚数に切欠きを入れても良いし、或いは切欠きの有り無しでステータコアの形状が2種類になり製作効率が悪くなるのを回避するため、ステータコア21の全数に切欠きを入れても良い。これを図9を用いて説明すると、切欠き25−2−2において、ボス15−2−2が嵌め込むだけの枚数、つまり実線で示すだけの枚数のステータコア21に切欠きをリア側、フロント側ともに入れても良いし、或いは、図9の切欠き25−2−2について破線で示すようにステータコア21の全枚数に切欠きを入れても良い。このことは、図9における他の切欠き25−2−1、25−2−3および25−2−4についても同様である。また、切欠きを設けるステータコアの枚数に関しては、図9、図10A−1−Cおよび図11A−11Cで示す切欠き25−2−1,25−2−2,25−2−3、25−1−1,25−1−2,25−1−3だけでなく、後述する図12A−12Cおよび図13A−13Cの切欠き26−2−1,26−2−2,26−2−3、26−1−1,26−1−2,26−1−3においても同様である。
図11A−11Cはフロント側の軸受支持部材15−1とステータコア21およびその嵌合手段を示した図である。図11Bで軸受支持部材15−1に大きく切欠きCが入っている理由は、モータに電源を供給するため、電線をコネクタ31を介し、さらにブスバー30を介しティーステータ20の巻線22に接続する必要があり、その電線を引き込むための空間を確保するためである。リア側と同じように、ボス15−1−1,15−1−2,15−1−3,15−1−4と切欠き25−1−1,25−1−2,25−1−3,25−1−4を各々嵌合させると軸受支持部材15−1とステータコア21は正しい位置関係に固定され、モールドの乾燥収縮等があっても軸受14−1とステータコア21との同軸度は正しく保たれる。
よって、フロント側の軸受支持部材15−1およびリア側の軸受支持部材15−2の作用により、ロータシャフト11とステータ20の中心線は同軸上に正確に設定される。つまり、ロータ10とステータ20の中心線は同軸上に正確に設定される。なお、ボスや切欠きの数は、ステータコアと軸受支持部材が正確な位置関係に固定できれば良いので数は実施例の4個に限らなくて良い。
本第8実施形態を用いれば、ステータがモールドされても、軸受支持部材の効果により、ステータの中心線とロータの中心線が同軸上に一致した状態で組み立てられ、ロータ10とステータ20の同軸精度が悪いことに起因するコギングトルクやフリクショントルクの発生を最小限に抑え、電動パワーステアリング装置のハンドル操作感触が良く、またモータの騒音も低いと言う優れた効果が得られる。
図12A−12Cおよび図13A−13Cに第8実施形態の変形例を示す。この変形例は、軸受支持部材の形状が小さくて、軸受支持部材はステータコアの内周に取りつける構造になっている。図12A−12Cはリア側の軸受支持部材16−2の形状およびボスの設置位置、つまりボス16−2−1,16−2−2,16−2−3、また、ステータコア21には前記ボスに対応した切欠き位置、つまり切欠き26−2−1,26−2−2,26−2−3を示す。一方、図13A−13Cはフロント側の軸受支持部材16−1およびボス16−1−1,16−2−2,16−2−3を示す。ステータコア21には前記ボスに対応した切欠き26−2−1,26−2−2,26−2−3が設置されている。この変形例の軸受支持部材を用いても軸受14−1および14−2をステータ20に対して正しい位置に固定でき、その結果、ロータ10とステータ20の同軸度は良くなる。そして、その効果として、同軸度が悪いことに起因するコギングトルクやフリクショントルクを発生させず、電動パワーステアリング装置のハンドル操作感触が良く、またモータの騒音も低いと言う優れた効果が得られる。
なお、図10A−10C、図11A−11Cの第8実施形態では切欠きを外周に設け、図12A−12C、図13A−13Cの変形例では切欠きを内周に設けた例について説明したが、切欠きを外周や内周といった縁に設けることに限定されるものではなく、ステータコア21の外周に近い端面に、或いは内周に近い端面に切欠きを設けて、軸受支持部材のボスと嵌合させても同じ効果を得られることは言うまでもない。
図14A−14Cおよび図15A−15Cに第8実施形態の別の変形例を示す。この変形例は、軸受支持部材17−1及び17−2とステータ20の位置関係を固定するために切欠きやボスを使用していない例である。円筒状のステータ20も円柱状のロータ10およびロータシャフト11も、さらに、軸受14−1,14−2も、断面は全て円であるから、円周方向にずれても同軸度は悪化しない。よって、軸受支持部材17−1,17−2の断面が円形で、軸受支持部材17−1,17−2の内径とステータコア21の外径が嵌合可能な範囲で同一径であれば、軸受支持部材17−1,17−2をステータコア21に嵌め込んだ場合、モールドするときにステータコア21と軸受支持部材17−1,17−2が円周方向にずれても、ステータ20とロータ10との同軸度は悪化しない。結局、ステータ20とロータ10の同軸度は正しく得られるので、本変形例を用いても、同軸度が悪いことに起因するコギングトルクやフリクショントルクを発生させず、電動パワーステアリング装置のハンドル操作感触が良く、またモータの騒音も低いという優れた効果が得られる。
なお、第8実施形態およびその変形例で説明したフロント側とリア側の軸受支持部材の組み合わせは、フロント側とリア側で全く独立なので、自由に組み合わせできる。例えば、リア側に図10A−10Cの軸受支持部材15−2とフロント側に図13A−13Cの軸受支持部材16−1の組み合わせであっても良い。
また、以上の第8実施形態およびその変形例では軸受支持部材を二つ用いたが、軸受支持部材を一つ用いて、例えばリア側にだけ軸受支持部材15−2を設置したり、或いはフロント側にだけ軸受支持部材15−1を設置しても良い。この場合の同軸度に関する効果は、軸受支持部材を2つ使用した場合よりは劣るが、従来の軸受支持部材を使用しない場合よりは大幅に優れている。
以上に説明したように、本第8実施形態およびその変形例のブラシレスモータによれば、放熱性を向上させつつ、ロータとステータの同軸度が高まり、大トルクで正逆回転が求められる駐車時の切り返しや緊急避難のためのハンドルの急操舵においても、モータ騒音が少なく、コギングトルクやフリクショントルクの発生が低く抑えられたハンドル操作感触が良い電動パワーステアリング装置を提供できる優れた効果がある。
図1は、本発明の第1実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の縦断面図である。
図1に示すように、ステアリングホイール(図示略)に連結した入力軸(図示略)に、トーションバー(図示略)等を介して出力軸1が連結してあり、出力軸1に、ウォームギヤ減速機構のウォームホイール2が固定してある。
このウォームホイール2には、ギヤハウジング3に軸受4a、4bにより回転自在に支持したウォーム5が噛合してある。
ギヤハウジング3には、ブラシレスモータのモータカバー7が連結してある。ブラシレスモータのロータ10と、ウォーム5とは、スプライン嵌合部11により接続してあり、両者は、軸方向移動自在且つ相対回転不能になっている。
ロータ10の外径側には、筒状の回転駆動用永久磁石12が後述する積層鉄心16に対向して取付けてあると共に、リング状のセンシング用永久磁石13(被検出体)が取付けてある。
モータカバー7の内径側には、筒状のステータ30が設けてある。このステータ30は、コイル15を巻回した積層鉄心16と、センシング用永久磁石13(被検出体)の磁界を検出して、ロータ10の回転角度を検出するホールIC17(検出手段)と、このホールIC17を搭載した基板18と、コイル15を結線するターミナル(ブスバー)19と、コイル15と接続している端子及びホールIC17(検出手段)の信号を出力する端子のための電線接続端子(コネクター)31とを一体的に樹脂モールド成形して構成してある。
なお、電線接続端子(コネクター)31は、モールド成形する樹脂と同材質であっても、異なる材質であってもよい。
本実施の形態では、ステータ30の内径側であって、回転駆動用永久磁石12とセンシング用永久磁石13(被検出体)との間に、ロータ10のウォーム側を回転自在に支持する軸受8が配置してある。
具体的には、軸受8は、筒状ブラケット34を介して、樹脂モールド成形したステータ30の内径側に取り付けてある。但し、ブラケット34を設けることなく、軸受8がステータ30の内径側に直接取り付けてあってもよい。
なお、モータカバー7には、ロータ10の反ウォーム側を回転自在に支持する軸受9が設けてある。
軸受8は、ホールIC17(検出手段)とコイル15との間の誤作動を防止するための空間に配置してあり、これにより、ロータ10の全長を短縮することができ、ひいては、ブラシレスモータの全長を短縮することができる。
また、軸受8は、ホールIC17(検出手段)とコイル15との間の誤作動を防止するための空間に配置してあり、軸受8が磁性体である場合には、軸受8は、コイル15からの磁束を閉じ込める磁路を形成するため、コイル15から発生する磁束がホールIC17(検出手段)に与える影響が小さくなり、ホールIC17(検出手段)の感度を向上することができる。又、このロータ10の角度検出のための検出手段・被検出体は、ホールIC・永久磁石だけでなく、レゾルバやインダクトコーダ等を用いてもよい。
また、樹脂モールド成形したステータ30は、その内径が軸方向に段階的に変化している。即ち、ステータ30の内径は、その開口側が大径であり、奥側に進むにつれて大径から小径に段階的に変化している。
そのため、樹脂成形・硬化後に、金型の芯金を引っ掛かりなく引き抜くことができ、型抜きをスムーズに行うことができる。
また、ステータ30の内径は、その開口側が大径であり、奥側に進むにつれて大径から小径に段階的に変化しているため、軸受8を取付けたロータ10は、最大径を有する開口部側から挿入することができ、組立作業性を改善することができる。
従って、組み立てに際しても、ブラシレスモータを単体で組み立てた後、ウォームギヤ機構に組み付けることができるため、組立作業性を損なうことがなく、また、ブラシレスモータ単体で、その性能等の検査を行うことができる。
さらに、樹脂モールド成形したステータ30には、コイル15と接続している端子及びホールIC17(検出手段)の信号を出力する端子のための電線接続端子(コネクター)31が一体的に樹脂モールド成形してあるため、従来電線コードをはんだ付け等により結線していた作業を不要にすることができ、部品点数や組立工数を削減することができる。
図2は、本発明の第2実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の縦断面図である。
図2に示すように、ステアリングホイール(図示略)に連結した入力軸(図示略)に、トーションバー(図示略)等を介して出力軸1が連結してあり、出力軸1に、ウォームギヤ減速機構(減速機)のウォームホイール2が固定してある。
このウォームホイール2には、ギヤハウジング3に軸受4等により回転自在に支持したウォーム5が噛合してある。
ブラシレスモータのロータ10と、ウォーム5とは、スプライン嵌合部11により接続してあり、両者は、軸方向移動自在且つ相対回転不能になっている。
ロータ10の外径側には、筒状の回転駆動用永久磁石12が後述する積層鉄心15に対向して取付けてあると共に、リング状のセンシング用永久磁石13(被検出体)が取付けてある。
モータカバー7の内径側には、筒状のステータ30が設けてある。このステータ30は、コイル15を巻回した積層鉄心16と、センシング用永久磁石13(被検出体)の磁界を検出して、ロータ10の回転角度を検出するホールIC17(検出手段)と、このホールIC17を搭載した基板18と、コイル15を結線するターミナル(ブスバー)19と、コイル15と接続している端子及びホールIC17(検出手段)の信号を出力する端子のための電線接続端子(コネクター)31とを一体的に樹脂モールド成形して構成してある。また、ステータ30は、その外面に、ブラシレスモータをウォームギヤ機構(減速機)に装着するためのフランジ33を一体的に有している。又、このロータ10の角度検出のための検出手段・被検出体は、ホールIC・永久磁石だけでなく、レゾルバやインダクトコーダ等を用いてもよい。
なお、電線接続端子(コネクター)31は、モールド成形する樹脂と同材質であっても、異なる材質であってもよく、一般的にコネクターに使用されているPBTやPA6にて成形し、後にステータ30と一体的に成形してもよい。
ステータ30は、コイル15、積層鉄心16、ホールIC17(検出手段)、基板18及びターミナル(ブスバー)19を被覆して一体的に樹脂モールド成形してあるため、従来の金属製のモータカバー(7)の役目も兼用することができる。
従って、ステータ30のフランジ33により、ブラシレスモータをウォームギヤ機構に装着することができ、従来の金属製のモータカバー(7)やその取付フランジを不要にすることができ、部品点数や組立工数の削減を図ることができ、製造コストを低減することができる。
本実施の形態では、ステータ30の内径側であって、回転駆動用永久磁石12とセンシング用永久磁石13(被検出体)との間に、ロータ10のウォーム側を回転自在に支持する軸受8が配置してある。
具体的には、軸受8は、筒状ブラケット34を介して、樹脂モールド成形したステータ30の内径側に取り付けてある。但し、ブラケット34を設けることなく、軸受8がステータ30の内径側に直接取り付けてあってもよい。
また、ステータ30は、反ウォーム側の開口を閉塞すると共に、ロータ10を回転自在に支持する軸受9を保持する閉塞壁35を有している。具体的には、軸受9は、閉塞壁35の凹部36に収納して保持してある。
このように、ロータ10を回転自在に支持する2個の軸受8,9は、ステータ30に支持してあることから、ステータ30の積層鉄心16と、ロータ10との間の径方向ギャップは、厳密に一定に維持することができ、振動等の伝達を少なくして、低騒音であって常に安定した性能を確保することができる。
軸受8は、ホールIC17(検出手段)とコイル15との間の誤作動を防止するための空間に配置してあり、これにより、ロータ10の全長を短縮することができ、ひいては、ブラシレスモータの全長を短縮することができる。
また、軸受8は、ホールIC17(検出手段)とコイル15との間の誤作動を防止するための空間に配置してあり、軸受8が磁性体である場合には、軸受8は、コイル15からの磁束を閉じ込める磁路を形成するため、コイル15から発生する磁束がホールIC17(検出手段)に与える影響が小さくなり、ホールIC17(検出手段)の感度を向上することができる。
また、樹脂モールド成形したステータ30は、その内径が軸方向に段階的に変化している。即ち、ステータ30の内径は、その開口側(ウォーム側)が大径であり、奥側(反ウォーム側)に進むにつれて大径から小径に段階的に変化している。
そのため、樹脂成形・硬化後に、金型の芯金を引っ掛かりなく引き抜くことができ、型抜きをスムーズに行うことができる。
また、ステータ30の内径は、その開口側(ウォーム側)が大径であり、奥側(反ウォーム側)に進むにつれて大径から小径に段階的に変化しているため、軸受8を取付けたロータ10は、最大径を有する開口部側から挿入することができ、組立作業性を改善することができる。
従って、組み立てに際しても、ブラシレスモータを単体で組み立てた後、ウォームギヤ機構に組み付けることができるため、組立作業性を損なうことがなく、また、ブラシレスモータ単体で、その性能等の検査を行うことができる。
さらに、樹脂モールド成形したステータ30には、コイル15と接続している端子及びホールIC17(検出手段)の信号を出力する端子のための電線接続端子(コネクター)31が一体的に樹脂モールド成形してあるため、従来電線コードをはんだ付け等により結線していた作業を不要にすることができ、部品点数や組立工数を削減することができる。
次に、図3は、本発明の第3実施の形態の変形例に係る電動パワーステアリング装置の縦断面図である。
本第3実施形態では、筒状の樹脂製のステータ30が設けてある。すなわち、このステータ30は、コイル15を巻回した積層鉄心16と、センシング用永久磁石13(被検出体)の磁界を検出して、ロータ10の回転角度を検出するホールIC17(検出手段)と、このホールIC17を搭載した基板18と、コイル15を結線するターミナル(ブスバー)19と、コイル15と接続している端子及びホールIC17(検出手段)の信号を出力する端子のための電線接続端子(コネクター)31とを一体的に樹脂モールド成形して構成してある。
ステータ30のモータ出力側端部と反対側の厚肉端部に、ホールIC17(検出手段)と、基板18と、ターミナル(ブスバー)19と、電線接続端子(コネクター)31とが配置してある。
また、ステータ30のモータ出力側端部と反対側の軸受9は、筒状ブラケット9aを介して、この厚肉端部に設けてある。
さらに、センシング用永久磁石(被検出体)13は、モータ出力側端部と反対側のロータ10の端部に設置してある。これにより、ギヤハウジング3と電線接続端子31の干渉部分をなくし、形状の簡略化、防塵、防水性の向上を図ることができ、モータ組立単体時の内部への鉄くず等の侵入を防止することが可能となる。また、センシング用永久磁石(被検出体)13と、ロータ10の端部とは、は、閉塞壁35の凹部36内に収納してある。
さらに、センシング用永久磁石(被検出体)13は、モータ出力側端部と反対側のロータ10の端部に設置してある。これにより、ギヤハウジング3と電線接続端子31の干渉部分をなくし、形状の簡略化、防塵、防水性の向上を図ることができ、モータ組立単体時の内部への鉄くず等の侵入を防止することが可能となる。
さらに、ステータ30は、その外面に、減速機に装着するためのフランジ33を有している。そのため、このステータ30のフランジ33により、ブラシレスモータを減速機に装着することができ、従来の金属製のモータカバーやその取付フランジを不要にすることができ、部品点数や組立工数の削減を図ることができ、製造コストを低減することができる。
しかも、このフランジ33は、ステータ30の軸長方向中心付近に備えられることにより、モータ重心とフランジ33の距離を短くすることが出来、振動等によりフランジ33に発生する力が減少するので、フランジ33の必要強度を下げる、すなわち、重量や大きさを小さくすることができる。
図4は、本発明の第4実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の縦断面図である。
図4に示すように、ステアリングホイール(図示略)に連結した入力軸(図示略)に、トーションバー(図示略)等を介して出力軸1が連結してあり、出力軸1に、ウォームギヤ減速機構(減速機)のウォームホイール2が固定してある。なお、減速機は、ウォームギヤ減速機構に限定されない。
このウォームホイール2には、ギヤハウジング3に軸受4等により回転自在に支持したウォーム5が噛合してある。
ブラシレスモータのロータ10と、ウォーム5とは、スプライン嵌合部11により接続してあり、両者は、軸方向移動自在且つ相対回転不能になっている。
ロータ10の外径側には、筒状の回転駆動用永久磁石12が後述する積層鉄心15に対向して取付けてあると共に、リング状のセンシング用永久磁石13が取付けてある。
モータカバー7の内径側には、筒状のステータ30が設けてある。このステータ30は、コイル15を巻回した積層鉄心16と、センシング用永久磁石13(被検出体)の磁界を検出して、ロータ10の回転角度を検出するホールIC17(検出手段)と、このホールIC17を搭載した基板18と、コイル15を結線するターミナル(ブスバー)19と、コイル15と接続している端子及びホールIC17(検出手段)の信号を出力する端子のための電線接続端子(コネクター)31と、これらコイル15、積層鉄心16、ホールIC17(検出手段)、基板18及びターミナル(ブスバー)19を被覆する筒状樹脂ハウジング部32とを一体的に樹脂モールド成形して構成してある。また、筒状樹脂ハウジング部32は、その外面に、ブラシレスモータをウォームギヤ機構(減速機)に装着するためのフランジ33を一体的に有している。又、センシング用永久磁石とホールICの替わりに、ロータ10の角度検出のための検出手段・被検出体として、レゾルバやインダクトコーダ等を用いてもよい。
なお、電線接続端子(コネクター)31は、モールド成形する樹脂と同材質であっても、異なる材質であってもよく、一般的にコネクターに使用されているPBTやPA6にて成形し、後にステータ30と一体的に成形してもよい。
筒状樹脂ハウジング部32は、コイル15、積層鉄心16、ホールIC17、基板18及びターミナル(ブスバー)19を被覆して一体的に樹脂モールド成形してあるため、従来の金属製のモータカバー(7)の役目も兼用することができる。
従って、筒状樹脂ハウジング部32のフランジ33により、ブラシレスモータをウォームギヤ機構に装着することができ、従来の金属製のモータカバー(7)やその取付フランジを不要にすることができ、部品点数や組立工数の削減を図ることができ、製造コストを低減することができる。
本第4実施の形態では、ステータ30の内径側であって、回転駆動用永久磁石12とセンシング用永久磁石13との間に、ロータ10のウォーム側を回転自在に支持する軸受8が配置してある。
具体的には、軸受8は、筒状ブラケット34を介して、樹脂モールド成形したステータ30の内径側に取り付けてある。但し、ブラケット34を設けることなく、軸受8がステータ30の内径側に直接取り付けてあってもよい。
また、筒状樹脂ハウジング部32は、反ウォーム側の開口を閉塞すると共に、ロータ10を回転自在に支持する軸受9を保持する閉塞壁35を有している。具体的には、軸受9は、閉塞壁35の凹部36に収納して保持してある。
このように、ロータ10を回転自在に支持する2個の軸受8,9は、筒状樹脂ハウジング部32に支持してあることから、ステータ30の積層鉄心16と、ロータ10との間の径方向ギャップは、厳密に一定に維持することができ、振動等の伝達を少なくして、低騒音であって常に安定した性能を確保することができる。
軸受8は、ホールIC17とコイル15との間の誤作動を防止するための空間に配置してあり、これにより、ロータ10の全長を短縮することができ、ひいては、ブラシレスモータの全長を短縮することができる。
また、軸受8は、ホールIC17とコイル15との間の誤作動を防止するための空間に配置してあり、軸受8が磁性体である場合には、軸受8は、コイル15からの磁束を閉じ込める磁路を形成するため、コイル15から発生する磁束がホールIC17に与える影響が小さくなり、ホールIC17の感度を向上することができる。
また、樹脂モールド成形したステータ30は、その内径が軸方向に段階的に変化している。即ち、ステータ30の内径は、その開口側(ウォーム側)が大径であり、奥側(反ウォーム側)に進むにつれて大径から小径に段階的に変化している。
そのため、樹脂成形・硬化後に、金型の芯金を引っ掛かりなく引き抜くことができ、型抜きをスムーズに行うことができる。
また、ステータ30の内径は、その開口側(ウォーム側)が大径であり、奥側(反ウォーム側)に進むにつれて大径から小径に段階的に変化しているため、軸受8を取付けたロータ10は、最大径を有する開口部側から挿入することができ、組立作業性を改善することができる。
従って、組み立てに際しても、ブラシレスモータを単体で組み立てた後、ウォームギヤ機構に組み付けることができるため、組立作業性を損なうことがなく、また、ブラシレスモータ単体で、その性能等の検査を行うことができる。
さらに、樹脂モールド成形したステータ30には、コイル15と接続している端子及びホールIC17の信号を出力する端子のための電線接続端子(コネクター)31が一体的に樹脂モールド成形してあるため、従来電線コードをはんだ付け等により結線していた作業を不要にすることができ、部品点数や組立工数を削減することができる。
次に、本第4実施の形態では、ステータ30の内径側であって、回転駆動用永久磁石12とセンシング用永久磁石13との間に、軸受8が配置してあることから、ウォームギヤ機構と、ブラシレスモータとの間の境界部が開口して、ウォームギヤ機構と、ブラシレスモータとが連通する結果、ウォームギヤ機構内の鉄屑等の異物やグリースがブラシレスモータに向けて浸入するといった虞れがある。
そこで、本第4実施の形態では、ウォームギヤ機構とブラシレスモータとの間の境界部を遮蔽する遮蔽部材40が設けてある。この遮蔽部材40は、薄板金属製のリング状円板であって、ブラシレスモータのロータ10に取付けてロータ10と共に回転すると共に、ブラシレスモータのステータ30との間に所定の微小隙間Gを有している。
なお、微小隙間Gは、異物やグリースの浸入を阻止するシール性を発揮しつつ、遮蔽部材40の回転を許容するものであり、本実施の形態では、ブラシレスモータの静止側であるステータ30と、遮蔽部材40との間に形成しているが、ウォームギヤ機構の静止側であるギヤハウジング3と、遮蔽部材40との間に形成してあってもよい。
従って、ウォームギヤ機構内の鉄屑等の異物やグリースがブラシレスモータに向けて浸入しようとしたとしても、遮蔽部材40によって、これら異物やグリースの浸入を確実に阻止することができる。
図5は、本発明の第5実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の縦断面図である。
図5に示すように、本第5実施の形態では、ステータ30の内径側であって回転駆動用永久磁石12とセンシング用永久磁石13との間に配置してあった軸受8を廃止して、より一層小型化を図っている。
第5実施の形態においても、この軸受8を廃止したことから、ウォームギヤ機構と、ブラシレスモータとの間の境界部が開口して、ウォームギヤ機構と、ブラシレスモータとが連通する結果、ウォームギヤ機構内の鉄屑等の異物やグリースがブラシレスモータに向けて浸入するといった虞れがある。
そこで、第5実施の形態においても、ウォームギヤ機構とブラシレスモータとの間の境界部を遮蔽する遮蔽部材40が設けてある。この遮蔽部材40は、薄板金属製のリング状円板であって、ブラシレスモータのロータ10に取付けてロータ10と共に回転すると共に、ブラシレスモータのステータ30との間に所定の微小隙間Gを有している。
なお、微小隙間Gは、異物やグリースの浸入を阻止するシール性を発揮しつつ、遮蔽部材40の回転を許容するものであり、本実施の形態では、ブラシレスモータの静止側であるステータ30と、遮蔽部材40との間に形成しているが、ウォームギヤ機構の静止側であるギヤハウジング3と、遮蔽部材40との間に形成してあってもよい。
従って、ウォームギヤ機構内の鉄屑等の異物やグリースがブラシレスモータに向けて浸入しようとしたとしても、遮蔽部材40によって、これら異物やグリースの浸入を確実に阻止することができる。
図6は、本発明の第6実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の縦断面図である。
図6に示すように、第6実施の形態では、第4実施の形態と同様に、ステータ30の内径側であって、回転駆動用永久磁石12とセンシング用永久磁石13との間に、軸受8が配置してある。
この場合にも、ウォームギヤ機構と、ブラシレスモータとの間の境界部が開口して、ウォームギヤ機構と、ブラシレスモータとが連通する結果、ウォームギヤ機構内の鉄屑等の異物やグリースがブラシレスモータに向けて浸入するといった虞れがある。
そこで、第6実施の形態においても、ウォームギヤ機構とブラシレスモータとの間の境界部を遮蔽する遮蔽部材40が設けてある。
この遮蔽部材40は、薄板金属製のリング状円板であって、ブラシレスモータのロータ10に取付けてロータ10と共に回転すると共に、ブラシレスモータのステータ30との間に所定の微小隙間Gを有している。この微小隙間Gは、異物やグリースの浸入を阻止するシール性を発揮しつつ、遮蔽部材40の回転を許容するものである。
しかし、第6実施の形態では、リング状円板の遮蔽部材40は、さらに、その周縁部41が軸方向に折曲してある。
これにより、微小隙間Gは、ブラシレスモータの静止側であるステータ30と、遮蔽部材40との間に形成してあるだけでなく、ウォームギヤ機構の静止側であるギヤハウジング3と、遮蔽部材40の周縁部41との間に形成してあり、微小隙間Gのシール性をより一層向上している。
従って、第6実施の形態においても、ウォームギヤ機構内の鉄屑等の異物やグリースがブラシレスモータに向けて浸入しようとしたとしても、遮蔽部材40及びその周縁部41によって、これら異物やグリースの浸入を確実に阻止することができる。
また、リング状円板の遮蔽部材40は、その周縁部41が軸方向に折曲してあることから、ギヤハウジング3と周縁部41との間の微小隙間Gのシール性を向上することができ、特に、グリース等の液体がロータ10を伝ってブラシレスモータ側に浸入しようとする場合に、周縁部41は、グリース等の浸入を効果的に阻止することができる。
図7は、本発明の第7実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の縦断面図である。
図7に示すように、第7実施の形態では、第4及び第6実施の形態と同様に、ステータ30の内径側であって、回転駆動用永久磁石12とセンシング用永久磁石13との間に、軸受8が配置してある。
この場合にも、ウォームギヤ機構と、ブラシレスモータとの間の境界部が開口して、ウォームギヤ機構と、ブラシレスモータとが連通する結果、ウォームギヤ機構内の鉄屑等の異物やグリースがブラシレスモータに向けて浸入するといった虞れがある。
そこで、第7実施の形態においても、ウォームギヤ機構とブラシレスモータとの間の境界部を遮蔽する遮蔽部材40が設けてある。
この遮蔽部材40は、薄板金属製のリング状円板であって、ブラシレスモータのロータ10に取付けてロータ10と共に回転すると共に、ブラシレスモータのステータ30との間に所定の微小隙間Gを有している。この微小隙間Gは、異物やグリースの浸入を阻止するシール性を発揮しつつ、遮蔽部材40の回転を許容するものである。
しかし、第7実施の形態では、リング状円板の遮蔽部材40は、さらに、その周縁部41が軸方向に折曲してあると共に、遮蔽部材40の周縁部41と、ブラシレスモータのステータ30とウォームギヤ機構のギヤハウジング3とは、協働して、両者間の所定の微小隙間Gをラビリンス効果を発揮する微小隙間としている。
従って、微小隙間Gのシール性をより一層向上することができ、本実施の形態においても、ウォームギヤ機構内の鉄屑等の異物やグリースがブラシレスモータに向けて浸入しようとしたとしても、遮蔽部材40及びその周縁部41によって、これら異物やグリースの浸入を確実に阻止することができる。
また、リング状円板の遮蔽部材40は、その周縁部41が軸方向に折曲してあると共に、遮蔽部材40の周縁部41と、ブラシレスモータのステータ30とウォームギヤ機構のギヤハウジング3とは、協働して、両者間の所定の微小隙間Gをラビリンス効果を発揮する微小隙間としていることから、ギヤハウジング3と周縁部41との間の微小隙間Gのシール性をより一層向上することができ、特に、グリース等の液体がロータ10を伝ってブラシレスモータ側に浸入しようとする場合に、周縁部41は、グリース等の浸入を効果的に阻止することができる。
以下、第8実施の形態について詳細に説明する。
本実施例は、ロータの軸受が2ヵ所に設置された場合の例で、図8、図9、図10A−10C及び図11A−11Cを用いて説明する。図8は電動パワーステアリング装置のブラシレスモータの縦断面を示す図である。
このブラシレスモータは、全体として、ブラシレスモータ(以下モータと記す)部1とウオーム部2とから構成されている。ここで、便宜上モータ部1のウオーム部2に近い方をフロント側と呼び、ウオーム部2から遠い方をリア側と呼ぶ。モータ部1は主にロータ10とステータ20とから構成されている。ロータ10は、円柱状の構造からなり、ロータシャフト11を中心として、ロータ10の外周面には永久磁石12が貼り付けられている構成となる。ロータシャフト11には回転位置を検出するためのセンサー用永久磁石13が取り付けられている。一方ステータ20は、円筒状の構造からなり、ステータコア21に絶縁部材40を介して巻き付けられた巻線22で構成され、ハウジング41に収納されている。ロータ10はステータ20に挿入された状態で回転する。この場合ロータ10がステータ20に接触せず、スムーズに回転するようにロータシャフト11を支持する必要がある。そのため本実施形態において、ロータシャフト11はフロント側で金属円筒部材14−1aおよび軸受14−1を介してフロント側軸受支持部材15−1に支持され、またリア側で軸受14−2を介してリア側軸受支持部材15−2に支持されており、これらフロント側およびリア側の軸受支持部材15−1、15−2はそれぞれステータ20に支持されている。
これら軸受支持部材15−1および15−2は、軸受部材14−1,14−1a,14−2をステータ20に対して正しい位置関係に固定させるためのものであり、それぞれステータ20に嵌め込み支持される部分と半径方向の中心部に軸受14−1、14−2を支持する部分とを有している。ステータ20の円筒形の中心線と軸受14−1,14−2の中心線とは同軸上に一致されている。フロント側の軸受14−1の内輪と円筒部材14−1aとは一体であってもよい。
図9は、リア側の軸受支持部材15−2とステータコア21とを嵌め込む様子を示す斜視図である。
図10Aはステータコア21の正面図、図10Bはリア側軸受支持部材15−2の背面図、および図10Cは軸受支持部材15−2の径方向断面図である。ステータコア21の外周には円周方向等間隔に4つの切欠き25−2−1、25−2−2、25−2−3、25−2−4が形成されている。軸受支持部材15−2は、ステータコア21の円環状部とほぼ同径同一サイズで該円環状部に密接するフラットな円環状部15−2aと該円環状部15−2aの内径部から軸方向外方に突出する第1筒状部15−2bと該第1筒状部15−2bの底部内径側で、さらに軸方向外向きに突出する底付第2筒状部15−2cとを一体に形成している。これら第1および第2筒状部はともに、ステータコア21と同中心に形成されており、第2筒状部15−2cの内周には軸受15−2が支持される。軸受支持部材15−2の円環状部15−2aの外径側には、ステータコア21の4つの切欠き25−2−1、25−2−2、25−2−3、25−2−4にそれぞれ嵌合する4つのボス15−2−1、15−2−2、15−2−3、15−2−4が形成されていて、これらの嵌め合いにより軸受支持部材15−2は、ステータコア21により適位置に支持固定され、したがって、ステータコア21にモールド成形により乾燥収縮等があっても軸受14−2とステータコア21の同軸度は適切に保持される。
一方、軸受支持部材15−1も、フロント側のステータコア21の円環状部に密接する円環状部15−1aと、中間径の第1筒状部15−1bおよび最小径の第2筒状部15−1cを一体にかつ同中心に有している。第2筒状部15−1cは貫通孔であり、軸受14−1を介してシャフト11を支持している。ステータコア21への軸受支持部材15−1の支持の仕方は図11A−11Cを参照して後述する。
こうして軸受支持部材15−2とステータコア21は正しい位置関係に固定され、モールドの乾燥収縮等があっても軸受14−2とステータコア21の同軸度は正しく保たれる。
軸受支持部材15−1,15−2の材質はモールド成形の乾燥収縮等で変形しないようにある程度の剛性を必要とする。具体的には鉄材とかアルミ材などを用いれば良い。また、エンジニアリングプラスチックのような樹脂系部材であってもモールド成形時の高温や乾燥収縮にも耐えられる程度の剛性を有すれば、軸受支持部材15−1,15−2が樹脂系部材から製作されても本発明の適用に問題はない。なお、軸受支持部材の材質については、後述する軸受支持部材16−1,16−2,17−1,17−2においても同様である。
切欠きはステータコア21の形状を変更する要素になり、ステータコア21を通過する磁束に影響を与える。そこで、切欠きの位置はなるべくステータコア21の磁束に影響を与えない位置に設置すべきである。図10Aにおいて、各切欠き25−2−1,25−2−2,25−2−3,25−2−4はティースの中心線を延長したステータコア21の外周の位置(図10AではA点)に設置されている。例えばティース同士の中間位置(図10AではB点)に設置されると、磁路の幅が狭くなって通過する磁束に大きく影響を与えるが、A点であれば、内周側に存在するティース部分による磁路を確保できるので影響が少なくてすむ。
なお、切欠きを入れるステータコア21の枚数については、ステータ20のフロント側およびリア側に軸受支持部材のボスが嵌め込めるだけの枚数に切欠きを入れても良いし、或いは切欠きの有り無しでステータコアの形状が2種類になり製作効率が悪くなるのを回避するため、ステータコア21の全数に切欠きを入れても良い。これを図9を用いて説明すると、切欠き25−2−2において、ボス15−2−2が嵌め込むだけの枚数、つまり実線で示すだけの枚数のステータコア21に切欠きをリア側、フロント側ともに入れても良いし、或いは、図9の切欠き25−2−2について破線で示すようにステータコア21の全枚数に切欠きを入れても良い。このことは、図9における他の切欠き25−2−1、25−2−3および25−2−4についても同様である。また、切欠きを設けるステータコアの枚数に関しては、図9、図10A−1−Cおよび図11A−11Cで示す切欠き25−2−1,25−2−2,25−2−3、25−1−1,25−1−2,25−1−3だけでなく、後述する図12A−12Cおよび図13A−13Cの切欠き26−2−1,26−2−2,26−2−3、26−1−1,26−1−2,26−1−3においても同様である。
図11A−11Cはフロント側の軸受支持部材15−1とステータコア21およびその嵌合手段を示した図である。図11Bで軸受支持部材15−1に大きく切欠きCが入っている理由は、モータに電源を供給するため、電線をコネクタ31を介し、さらにブスバー30を介しティーステータ20の巻線22に接続する必要があり、その電線を引き込むための空間を確保するためである。リア側と同じように、ボス15−1−1,15−1−2,15−1−3,15−1−4と切欠き25−1−1,25−1−2,25−1−3,25−1−4を各々嵌合させると軸受支持部材15−1とステータコア21は正しい位置関係に固定され、モールドの乾燥収縮等があっても軸受14−1とステータコア21との同軸度は正しく保たれる。
よって、フロント側の軸受支持部材15−1およびリア側の軸受支持部材15−2の作用により、ロータシャフト11とステータ20の中心線は同軸上に正確に設定される。つまり、ロータ10とステータ20の中心線は同軸上に正確に設定される。なお、ボスや切欠きの数は、ステータコアと軸受支持部材が正確な位置関係に固定できれば良いので数は実施例の4個に限らなくて良い。
本第8実施形態を用いれば、ステータがモールドされても、軸受支持部材の効果により、ステータの中心線とロータの中心線が同軸上に一致した状態で組み立てられ、ロータ10とステータ20の同軸精度が悪いことに起因するコギングトルクやフリクショントルクの発生を最小限に抑え、電動パワーステアリング装置のハンドル操作感触が良く、またモータの騒音も低いと言う優れた効果が得られる。
図12A−12Cおよび図13A−13Cに第8実施形態の変形例を示す。この変形例は、軸受支持部材の形状が小さくて、軸受支持部材はステータコアの内周に取りつける構造になっている。図12A−12Cはリア側の軸受支持部材16−2の形状およびボスの設置位置、つまりボス16−2−1,16−2−2,16−2−3、また、ステータコア21には前記ボスに対応した切欠き位置、つまり切欠き26−2−1,26−2−2,26−2−3を示す。一方、図13A−13Cはフロント側の軸受支持部材16−1およびボス16−1−1,16−2−2,16−2−3を示す。ステータコア21には前記ボスに対応した切欠き26−2−1,26−2−2,26−2−3が設置されている。この変形例の軸受支持部材を用いても軸受14−1および14−2をステータ20に対して正しい位置に固定でき、その結果、ロータ10とステータ20の同軸度は良くなる。そして、その効果として、同軸度が悪いことに起因するコギングトルクやフリクショントルクを発生させず、電動パワーステアリング装置のハンドル操作感触が良く、またモータの騒音も低いと言う優れた効果が得られる。
なお、図10A−10C、図11A−11Cの第8実施形態では切欠きを外周に設け、図12A−12C、図13A−13Cの変形例では切欠きを内周に設けた例について説明したが、切欠きを外周や内周といった縁に設けることに限定されるものではなく、ステータコア21の外周に近い端面に、或いは内周に近い端面に切欠きを設けて、軸受支持部材のボスと嵌合させても同じ効果を得られることは言うまでもない。
図14A−14Cおよび図15A−15Cに第8実施形態の別の変形例を示す。この変形例は、軸受支持部材17−1及び17−2とステータ20の位置関係を固定するために切欠きやボスを使用していない例である。円筒状のステータ20も円柱状のロータ10およびロータシャフト11も、さらに、軸受14−1,14−2も、断面は全て円であるから、円周方向にずれても同軸度は悪化しない。よって、軸受支持部材17−1,17−2の断面が円形で、軸受支持部材17−1,17−2の内径とステータコア21の外径が嵌合可能な範囲で同一径であれば、軸受支持部材17−1,17−2をステータコア21に嵌め込んだ場合、モールドするときにステータコア21と軸受支持部材17−1,17−2が円周方向にずれても、ステータ20とロータ10との同軸度は悪化しない。結局、ステータ20とロータ10の同軸度は正しく得られるので、本変形例を用いても、同軸度が悪いことに起因するコギングトルクやフリクショントルクを発生させず、電動パワーステアリング装置のハンドル操作感触が良く、またモータの騒音も低いという優れた効果が得られる。
なお、第8実施形態およびその変形例で説明したフロント側とリア側の軸受支持部材の組み合わせは、フロント側とリア側で全く独立なので、自由に組み合わせできる。例えば、リア側に図10A−10Cの軸受支持部材15−2とフロント側に図13A−13Cの軸受支持部材16−1の組み合わせであっても良い。
また、以上の第8実施形態およびその変形例では軸受支持部材を二つ用いたが、軸受支持部材を一つ用いて、例えばリア側にだけ軸受支持部材15−2を設置したり、或いはフロント側にだけ軸受支持部材15−1を設置しても良い。この場合の同軸度に関する効果は、軸受支持部材を2つ使用した場合よりは劣るが、従来の軸受支持部材を使用しない場合よりは大幅に優れている。
以上に説明したように、本第8実施形態およびその変形例のブラシレスモータによれば、放熱性を向上させつつ、ロータとステータの同軸度が高まり、大トルクで正逆回転が求められる駐車時の切り返しや緊急避難のためのハンドルの急操舵においても、モータ騒音が少なく、コギングトルクやフリクショントルクの発生が低く抑えられたハンドル操作感触が良い電動パワーステアリング装置を提供できる優れた効果がある。
本発明は、車両用電動パワーステアリング装置および該装置に好適なブラシレスモータに関する。
車両の電動パワーステアリング装置として、補助操舵トルクとなる電動モータの回転出力を歯車装置により減速して操舵機構の出力軸に伝達し、ステアリングホイールに印加された操舵力を補助して、車輪の操舵を行うように構成したものが知られている。このような電動パワーステアリング装置においては、ハウジング内に設けられた動力伝達機構を用いて、電動モータの回転を減速しつつ出力軸に動力を伝達している。
この電動パワーステアリング装置に用いる電動モータは、ブラシ付きモータが主流であったが、近年、信頼性の向上と更なる効率の改善のため、ブラシレスモータに移行しつつある。
このブラシレスモータを備えた電動パワーステアリング装置が図16に示してある。ステアリングホイール(図示略)に連結した入力軸(図示略)に、トーションバー(図示略)等を介して出力軸1が連結してあり、出力軸1に、ウォームギヤ減速機構のウォームホイール2が固定してある。
このウォームホイール2には、ギヤハウジング3に軸受4等により回転自在に支持したウォーム5が噛合してある。
ギヤハウジング3には、仕切板となっているフランジ6を介してブラシレスモータのモータカバー7が連結してある。フランジ6と、モータカバー7とには、それぞれ、軸受8,9を介して、ブラシレスモータのロータ10が回転自在に支持してある。このロータ10と、ウォーム5とは、スプライン嵌合部11により接続してあり、両者は、軸方向移動自在且つ相対回転不能になっている。
ロータ10の外径側には、筒状の回転駆動用永久磁石12が後述する積層鉄心16に対向して取付けてあると共に、リング状のセンシング用永久磁石13が取付けてある。
モータカバー7の内径側には、筒状のステータ14が設けてある。このステータ14は、コイル15を巻回した積層鉄心16と、センシング用永久磁石13の磁力を検出するホールIC17と、このホールIC17を搭載した基板18と、コイル15を結線するターミナル(ブスバー)19とを一体的に樹脂モールド成形して構成してある。
また、ターミナル(ブスバー)19には、コイル15と接続している端子、及びホールIC17の信号を出力する端子のための電線コード20がはんだ付け等により結線してある。
電動パワーステアリング装置は、昨今、搭載する車種の増加に伴って要求出力が増大しており、モータは、その出力の増大化が要望されている一方、省スペース化の観点から、そのサイズの小型化も要望されている。
また、ホールIC17は、コイル15に近付け過ぎると、コイル15から発生する磁力によって誤作動する虞れがあるため、コイル15とは、所定間隔(所定空間)離間して配置する必要があり、モータ全長を短縮することは、困難であるといったことがある。
さらに、ステータ14の外周若しくは端面に、軸受8,9を支持するブラケットやフランジを取付ける必要があり、ロータ10の軸受8,9を含めた軸方向長さを短縮することは、困難であるといったことがある。
なお、国際公開第99/65758号パンフレットには、モータの全長を短縮するため、ロータの軸受とウォームの軸受とを共用したブラシレスモータが開示してある。
しかしながら、この場合には、ウォームの負荷変動によりロータの径方向位置が変位し、これに伴って、振動が発生したり、特性が変化する等の問題がある。また、組み立てに際しても、回転駆動用永久磁石を備えたロータへの鉄屑等の付着を防止するため、管理を厳しくする必要があり、ロータやステータを別々に組み込まねばならず、組立作業性を損なうため、組立工数も増加するといった問題がある。さらに、ウォームギヤ機構とブラシレスモータを組み立た後でなければ、モータを検査することができず、モータ単体で、その性能等の検査を行えないといったことがある。
ところで、図16に示した電動パワーステアリング装置では、ウォームギヤ機構と、ブラシレスモータとの間の境界部には、フランジ6(仕切板)と、このフランジ6(仕切板)の内径に取付けた軸受8とが配置してある。
従って、ウォームギヤ機構内の鉄屑等の異物やグリースがブラシレスモータに向けて浸入しようとしたとしても、上記のフランジ6(仕切板)と、軸受8が有するシール性とによって、これら異物やグリースの浸入を阻止することができる。
ところが、ブラシレスモータの小型化を図る場合、上述した軸受8を廃止した構造、又は、軸受8の取付位置を変更した構造が考えられる。
しかしながら、軸受8の廃止・位置変更を行うと、ウォームギヤ機構と、ブラシレスモータとの間の境界部が開口して、ウォームギヤ機構と、ブラシレスモータとが連通する結果、ウォームギヤ機構内の鉄屑等の異物やグリースがブラシレスモータに向けて浸入するといった虞れがある。
さらに、電動パワーステアリング装置の小型化のためやモータ低騒音化ある
いはモータの放熱の容易性などの観点から樹脂モールド成形されたブラシレスモータが望まれるようになってきている。
いはモータの放熱の容易性などの観点から樹脂モールド成形されたブラシレスモータが望まれるようになってきている。
しかし、現在、電動パワーステアリング装置に用いられるモータでモールド成形されたものはない。ただ、家電機器の送風機に用いられる駆動用モータではモールド成形されたものが一般的に使用されている状況である。
モールド成形された送風機駆動のモータについて図17A、17Bを用いて説明する(例えば、特開平10−271720号公報(第2頁、図1、図2、図9、図10)参照)。ここで、図17Aは送風機用のモータ200を斜め上から見た図で、図17Bは、モータ200の断面図を示したものである。図17Aおよび図17Bにおいて、ステータ201は、ステータ鉄心202と巻線203を囲むように合成樹脂204によってモールドされている。一方、シャフト211と一体になったロータ208には永久磁石209が装着され、ステータ201に納められており、シャフト211は軸受ハウジング205に納められた軸受206および軸受ブラケット213に納められた軸受214で支持されている。このような軸受構造の場合、ステータ201とロータ208との同軸度を良くすることは難しいが、家電機器の送風機用モータという使用目的から、特に、同軸度に関し、必要以上の精度の良さは求められないことはない。
そこで、上述した送風機用のモータと同じような構造で、電動パワーステアリング装置用のブラシレスモータのステータ側をモールド成形した場合、次のような問題が発生する。即ち、電動パワーステアリング装置用のモータでは、駐車時の切り返しや緊急避難時のハンドルの急操舵の場合、モータには大トルクによる正逆回転動作が求められため、騒音やトルクリップルを抑制するために極めて高い精度の同軸度が要求される。
一般的に、樹脂一体成形によるベアリング室を設けたロータ軸受支持構造では、ベアリング室は成形時の条件のバラツキ、或いは樹脂の成形方向による収縮率の違い、或いはウエルド等によって精度を上げることが困難である。ベアリング室の精度が悪い場合、或いはステータの内径に対する同軸度が悪い場合、円筒状のステータとそこに挿入され回転する円柱状のロータの同軸度が悪くなる。その結果、モータのコギングトルクの増大やフリクショントルクの増大、また、モータ騒音の増大を招く。コギングトルクの増大は直接運転手の手に伝わり運転手に不快感を与え、フリクショントルクの増大はモータのパワーロスとなるばかりでなく、モータ制御信号に対する応答性の悪化につながるといった問題がある。
本発明は上述のような事情から成されたものであり、本願発明は、性能や組立作業性を損なうことなく、全長を短縮することができる電動パワーステアリング装置を提供することを第1の目的とする。
上記の第1の目的を達成するため、本願第1発明に係る電動パワーステアリング装置は、ステアリングホイールに印加された操舵トルクに対応して、ブラシレスモータから補助操舵トルクを発生して、減速機により減速して操舵機構の出力軸に伝達する電動パワーステアリング装置において、
ロータには、筒状の回転駆動用永久磁石と、前記ロータの回転角度を検出するための被検出体とが取付けてあり、
前記ロータに対向した筒状のステータには、コイルを巻回した積層鉄心と、前記被検出体から前記ロータの回転角度を検出する検出手段と、コイルを結線するターミナルとが一体的に樹脂モールド成形してあり、
前記ステータの内径側であって、前記回転駆動用永久磁石と前記被検出体との間に、前記ロータを回転自在に支持する少なくとも1個の軸受が配置してあることを特徴とする。
ロータには、筒状の回転駆動用永久磁石と、前記ロータの回転角度を検出するための被検出体とが取付けてあり、
前記ロータに対向した筒状のステータには、コイルを巻回した積層鉄心と、前記被検出体から前記ロータの回転角度を検出する検出手段と、コイルを結線するターミナルとが一体的に樹脂モールド成形してあり、
前記ステータの内径側であって、前記回転駆動用永久磁石と前記被検出体との間に、前記ロータを回転自在に支持する少なくとも1個の軸受が配置してあることを特徴とする。
このように、第1発明によれば、ステータの内径側であって、回転駆動用永久磁石と被検出体との間に、ロータを回転自在に支持する少なくとも1個の軸受が配置してある。即ち、軸受は、検出手段とコイルとの間の誤作動を防止するための空間に配置してあり、これにより、ロータの全長を短縮することができ、ひいては、ブラシレスモータの全長を短縮することができる。
また、軸受は、検出手段とコイルとの間の誤作動を防止するための空間に配置してあり、軸受が磁性体である場合には、軸受は、コイルからの磁束を閉じ込める磁路を形成するため、コイルから発生する磁束が検出手段に与える影響が小さくなり、検出手段の感度を向上することができる。
また、第1発明の電動パワーステアリング装置において、前記ステータは、その内径が軸方向に段階的に変化していることが好ましい。この好ましい構成によれば、前記ステータは、その内径が軸方向に段階的に変化している。即ち、ステータの内径は、その開口側が大径であり、奥側に進むにつれて大径から小径に段階的に変化している。そため、樹脂成形・硬化後に、金型の芯金を引っ掛かりなく引き抜くことができ、型抜きをスムーズに行うことができる。
また、前記ステータは、その内径が軸方向に段階的に変化している。即ち、ステータの内径は、その開口側が大径であり、奥側に進むにつれて大径から小径に段階的に変化している。そのため、軸受を取付けたロータは、最大径を有する開口部側から挿入することができ、組立作業性を改善することができる。
従って、組み立てに際しても、ブラシレスモータを単体で組み立てた後、ウォームギヤ機構に組み付けることができるため、組立作業性を損なうことがなく、また、ブラシレスモータ単体で、その性能等の検査を行うことができる。
さらに、第1発明の電動パワーステアリング装置において、前記ステータは、電線接続端子を一体的に有していることが好ましい。この好ましい構成によれば、ステータは、電線接続端子を一体的に有している。即ち、ステータには、コイルと接続している端子、及び検出手段の信号を出力する端子のための電線接続端子(コネクター)が一体的に成形してあるため、従来電線コードをはんだ付け等により結線していた作業を不要にすることができ、部品点数や組立工数を削減することができる。
さらに、第1発明の電動パワーステアリング装置において、前記被検出体は、モータ出力側端部と反対側のロータ端部に設置されていることが好ましい。この好ましい構成によれば、被検出体を、モータ出力側端部と反対側のロータ端部に備えることにより、ギヤハウジングと電線接続端子の干渉部分をなくし、形状の簡略化、防塵、防水性の向上を図ることができ、モータ組立単体時の内部への鉄くず等の侵入を防止することが可能となる。
さらに、第1発明の電動パワーステアリング装置において、前記ステータは、その外面に、前記ブラシレスモータを前記減速機に装着するためのフランジを有し、そのフランジは、ステータ軸長方向中心付近に配置してあることが好ましい。この好ましい構成によれば、ステータは、その外面に、減速機に装着するためのフランジを有している。そのため、このステータのフランジにより、ブラシレスモータを減速機に装着することができ、従来の金属製のモータカバーやその取付フランジを不要にすることができ、部品点数や組立工数の削減を図ることができ、製造コストを低減することができる。さらに、このフランジが、ステータ軸長方向中心付近に備えられることにより、モータ重心とフランジの距離を短くすることが出来、振動等によりフランジに発生する力が減少するので、フランジの必要強度を下げる、すなわち、重量や大きさを小さくすることができる。
上記第1の目的を達成するため、第2発明に係る電動パワーステアリング装置は、ステアリングホイールに印加された操舵トルクに対応して、ブラシレスモータから補助操舵トルクを発生して、減速機により減速して操舵機構の出力軸に伝達する電動パワーステアリング装置において、
ロータには、筒状の回転駆動用永久磁石と、前記ロータの回転角度を検出するための被検出体とが取付けてあり、
前記ロータに対向した筒状のステータには、コイルを巻回した積層鉄心と、前記被検出体から前記ロータの回転角度を検出する検出手段と、コイルを結線するターミナルとが一体的に樹脂モールド成形してあり、
前記ロータを回転自在に支持する2個の軸受は、前記ステータに支持してあることを特徴とする。
ロータには、筒状の回転駆動用永久磁石と、前記ロータの回転角度を検出するための被検出体とが取付けてあり、
前記ロータに対向した筒状のステータには、コイルを巻回した積層鉄心と、前記被検出体から前記ロータの回転角度を検出する検出手段と、コイルを結線するターミナルとが一体的に樹脂モールド成形してあり、
前記ロータを回転自在に支持する2個の軸受は、前記ステータに支持してあることを特徴とする。
このように、第2発明によれば、ロータを回転自在に支持する2個の軸受は、ステータに支持してあることから、ステータの積層鉄心と、ロータとの間の径方向ギャップは、厳密に一定に維持することができ、振動等の伝達を少なくして、低騒音であって常に安定した性能を確保することができる。
また、ステータは、コイル、積層鉄心、検出手段及びターミナルを被覆して一体的に樹脂モールド成形してあるため、従来の金属製のモータカバーの役目も兼用することができる。従って、ステータにより、ブラシレスモータを減速機に装着することができ、従来の金属製のモータカバーを不要にすることができ、部品点数や組立工数の削減を図ることができ、製造コストを低減することができる。
また、第2発明の電動パワーステアリング装置において、前記ステータは、反減速機側の開口を閉塞すると共に、前記2個の軸受のうち一方の軸受を保持する閉塞壁を有することが好ましい。この好ましい構成によれば、ステータは、反減速機側の開口を閉塞すると共に、2個の軸受のうち一方の軸受を保持する閉塞壁を有している。そのため、この一方の軸受を容易に閉塞壁に取付けることができる。
さらに、第2発明の電動パワーステアリング装置において、前記2個の軸受のうち他方の軸受は、前記ステータの内径側であって、前記回転駆動用永久磁石と前記被検出体との間に、配置してあることが好ましい。この好ましい構成によれば、2個の軸受のうち他方の軸受は、ステータの内径側であって、回転駆動用永久磁石と被検出体との間に、配置してある。即ち、軸受は、検出手段とコイルとの間の誤作動を防止するための空間に配置してあり、これにより、ロータの全長を短縮することができ、ひいては、ブラシレスモータの全長を短縮することができる。
また、軸受は、検出手段とコイルとの間の誤作動を防止するための空間に配置してあり、軸受が磁性体である場合には、軸受は、コイルからの磁束を閉じ込める磁路を形成するため、コイルから発生する磁束が検出手段に与える影響が小さくなり、検出手段の感度を向上することができる。
さらに、第2発明の電動パワーステアリング装置において、前記ステータは、その内径が軸方向に段階的に変化していることが好ましい。この好ましい構成によれば、前記ステータは、その内径が軸方向に段階的に変化している。即ち、ステータの内径は、その開口側が大径であり、奥側に進むにつれて大径から小径に段階的に変化している。そため、樹脂成形・硬化後に、金型の芯金を引っ掛かりなく引き抜くことができ、型抜きをスムーズに行うことができる。
また、前記ステータは、その内径が軸方向に段階的に変化している。即ち、ステータの内径は、その開口側が大径であり、奥側に進むにつれて大径から小径に段階的に変化している。そのため、軸受を取付けたロータは、最大径を有する開口部側から挿入することができ、組立作業性を改善することができる。
従って、組み立てに際しても、ブラシレスモータを単体で組み立てた後、減速機に組み付けることができるため、組立作業性を損なうことがなく、また、ブラシレスモータ単体で、その性能等の検査を行うことができる。
さらに、第2発明の電動パワーステアリング装置において、前記ステータは、電線接続端子を一体的に有していることが好ましい。この好ましい構成によれば、ステータは、電線接続端子を一体的に有している。即ち、ステータには、コイルと接続している端子、及び検出手段の信号を出力する端子のための電線接続端子(コネクター)が一体的に成形してあるため、従来電線コードをはんだ付け等により結線していた作業を不要にすることができ、部品点数や組立工数を削減することができる。
さらに、第2発明の電動パワーステアリング装置において、前記ステータは、その外面に、前記ブラシレスモータを前記減速機に装着するためのフランジを有し、そのフランジは、ステータ軸長方向中心付近に配置してあることが好ましい。この好ましい構成によれば、ステータは、その外面に、減速機に装着するためのフランジを有している。そのため、このステータのフランジにより、ブラシレスモータを減速機に装着することができ、従来の金属製のモータカバーやその取付フランジを不要にすることができ、部品点数や組立工数の削減を図ることができ、製造コストを低減することができる。さらに、このフランジが、ステータ軸長方向中心付近に備えられることにより、モータ重心とフランジの距離を短くすることが出来、振動等によりフランジに発生する力が減少するので、フランジの必要強度を下げる、すなわち、重量や大きさを小さくすることができる。
さらに、第2発明の電動パワーステアリング装置において、前記被検出体は、モータ出力側端部と反対側のロータ端部に設置されていることが好ましい。この好ましい構成によれば、被検出体を、モータ出力側端部と反対側のロータ端部に備えることにより、ギヤハウジングと電線接続端子の干渉部分をなくし、形状の簡略化、防塵、防水性の向上を図ることができ、モータ組立単体時の内部への鉄くず等の侵入を防止することが可能となる。
本願発明は、減速機内の鉄屑等の異物やグリースが電動モータ内に浸入することを確実に阻止することができる電動パワーステアリング装置を提供することを第2の目的とする。
上記第2の目的を達成するため、本願第3の発明に係る電動パワーステアリング装置は、ステアリングホイールに印加された操舵トルクに対応して、電動モータから補助操舵トルクを発生して、減速機により減速して操舵機構の出力軸に伝達する電動パワーステアリング装置において、
前記減速機と前記電動モータとの間の境界部を遮蔽し、前記電動モータのロータに取付けて当該ロータと共に回転すると共に、前記電動モータ又は前記減速機の静止側との間に所定の微小隙間を有する遮蔽部材を具備することを特徴とする。
前記減速機と前記電動モータとの間の境界部を遮蔽し、前記電動モータのロータに取付けて当該ロータと共に回転すると共に、前記電動モータ又は前記減速機の静止側との間に所定の微小隙間を有する遮蔽部材を具備することを特徴とする。
このように、第3発明によれば、減速機と電動モータとの間の境界部を遮蔽し、電動モータのロータに取付けてロータと共に回転すると共に、電動モータ又は減速機の静止側との間に所定の微小隙間を有する遮蔽部材を具備している。従って、減速機内の鉄屑等の異物やグリースが電動モータに向けて浸入しようとしたとしても、遮蔽部材によって、これら異物やグリースの浸入を確実に阻止することができる。
また、第3発明の電動パワーステアリング装置は、前記遮蔽部材と、前記電動モータ又は前記減速機の静止側とは、協働して、両者間の所定の微小隙間をラビリンス効果を発揮する微小隙間としていることが好ましい。この好ましい構成によれば、遮蔽部材と、電動モータ又は減速機の静止側とは、協働して、両者間の所定の微小隙間をラビリンス効果を発揮する微小隙間としていることから、より一層、異物やグリースの浸入を確実に阻止することができる。
さらに、第3発明の電動パワーステアリング装置において、前記電動モータは、ブラシレスモータであり、
前記ロータには、筒状の回転駆動用永久磁石と、前記ロータの回転角度を検出するための被検出体とが取付けてあり、
前記ロータに対向した筒状のステータには、コイルを巻回した積層鉄心と、前記被検出体から前記ロータの回転角度を検出する検出手段と、前記コイルを結線するターミナルと、これら前記コイル、前記積層鉄心、前記検出手段及び前記ターミナルを被覆する筒状樹脂ハウジング部とが一体的に樹脂モールド成形してあり、
前記ロータを回転自在に支持する2個の軸受は、前記筒状樹脂ハウジング部に支持してあることが好ましい。このロータの角度検出のための検出手段・被検出体は、ホールIC・永久磁石だけでなく、レゾルバやインダクトコーダ等を用いてもよい。この好ましい構成によれば、ロータを回転自在に支持する2個の軸受は、筒状樹脂ハウジング部に支持してあることから、ステータの積層鉄心と、ロータとの間の径方向ギャップは、厳密に一定に維持することができ、振動等の伝達を少なくして、低騒音であって常に安定した性能を確保することができる。
前記ロータには、筒状の回転駆動用永久磁石と、前記ロータの回転角度を検出するための被検出体とが取付けてあり、
前記ロータに対向した筒状のステータには、コイルを巻回した積層鉄心と、前記被検出体から前記ロータの回転角度を検出する検出手段と、前記コイルを結線するターミナルと、これら前記コイル、前記積層鉄心、前記検出手段及び前記ターミナルを被覆する筒状樹脂ハウジング部とが一体的に樹脂モールド成形してあり、
前記ロータを回転自在に支持する2個の軸受は、前記筒状樹脂ハウジング部に支持してあることが好ましい。このロータの角度検出のための検出手段・被検出体は、ホールIC・永久磁石だけでなく、レゾルバやインダクトコーダ等を用いてもよい。この好ましい構成によれば、ロータを回転自在に支持する2個の軸受は、筒状樹脂ハウジング部に支持してあることから、ステータの積層鉄心と、ロータとの間の径方向ギャップは、厳密に一定に維持することができ、振動等の伝達を少なくして、低騒音であって常に安定した性能を確保することができる。
また、この好ましい構成によれば、筒状樹脂ハウジング部は、コイル、積層鉄心、検出手段及びターミナルを被覆して一体的に樹脂モールド成形してあるため、従来の金属製のモータカバーの役目も兼用することができる。従って、筒状樹脂ハウジング部により、ブラシレスモータを減速機に装着することができ、従来の金属製のモータカバーを不要にすることができ、部品点数や組立工数の削減を図ることができ、製造コストを低減することができる。
さらに、第3発明の電動パワーステアリング装置において、前記筒状樹脂ハウジング部は、反減速機側の開口を閉塞すると共に、前記2個の軸受のうち一方の軸受を保持する閉塞壁を有することが好ましい。この好ましい構成によれば、筒状樹脂ハウジング部は、反減速機側の開口を閉塞すると共に、2個の軸受のうち一方の軸受を保持する閉塞壁を有している。そのため、この一方の軸受を容易に閉塞壁に取付けることができる。
さらに、第3発明の電動パワーステアリング装置において、前記2個の軸受のうち他方の軸受は、前記ステータの内径側であって、前記回転駆動用永久磁石と前記被検出体との間に、配置してあることが好ましい。この好ましい構成によれば、2個の軸受のうち他方の軸受は、ステータの内径側であって、回転駆動用永久磁石と被検出体との間に、配置してある。即ち、軸受は、検出手段とコイルとの間の誤作動を防止するための空間に配置してあり、これにより、ロータの全長を短縮することができ、ひいては、ブラシレスモータの全長を短縮することができる。また、この好ましい構成において、軸受は、検出手段とコイルとの間の誤作動を防止するための空間に配置してあり、軸受が磁性体である場合には、軸受は、コイルからの磁束を閉じ込める磁路を形成するため、コイルから発生する磁束が検出手段に与える影響が小さくなり、検出手段の感度を向上することができる。
さらに、第3発明の電動パワーステアリング装置において、前記ステータは、その内径が軸方向に段階的に変化していることが好ましい。この好ましい構成によれば、前記ステータは、その内径が軸方向に段階的に変化している。即ち、ステータの内径は、その開口側が大径であり、奥側に進むにつれて大径から小径に段階的に変化している。そのため、樹脂成形・硬化後に、金型の芯金を引っ掛かりなく引き抜くことができ、型抜きをスムーズに行うことができる。また、前記ステータは、その内径が軸方向に段階的に変化している。即ち、ステータの内径は、その開口側が大径であり、奥側に進むにつれて大径から小径に段階的に変化している。そのため、軸受を取付けたロータは、最大径を有する開口部側から挿入することができ、組立作業性を改善することができる。
従って、組み立てに際しても、ブラシレスモータを単体で組み立てた後、減速機に組み付けることができるため、組立作業性を損なうことがなく、また、ブラシレスモータ単体で、その性能等の検査を行うことができる。
さらに、第3発明の電動パワーステアリング装置において、前記ステータは、電線接続端子を一体的に有していることが好ましい。この好ましい構成によれば、ステータは、電線接続端子を一体的に有している。即ち、ステータには、コイルと接続している端子、及び検出手段の信号を出力する端子のための電線接続端子(コネクター)が一体的に成形してあるため、従来電線コードをはんだ付け等により結線していた作業を不要にすることができ、部品点数や組立工数を削減することができる。
さらに、第3発明の電動パワーステアリング装置において、前記筒状樹脂ハウジング部は、その外面に、前記ブラシレスモータを前記減速機に装着するためのフランジを有することが好ましい。この好ましい構成によれば、筒状樹脂ハウジング部は、その外面に、ブラシレスモータを減速機に装着するためのフランジを有している。そのため、この筒状樹脂ハウジング部のフランジにより、ブラシレスモータを減速機に装着することができ、従来必要とされてきた金属製のモータカバーやその取付フランジを不要にすることができ、部品点数や組立工数の削減を図ることができ、製造コストを低減することができる。また、このフランジがステータ軸長方向中心付近に備えられることにより、モータ重心とモータ取付けの為のフランジの距離を短くすることが出来振動等によりフランジに発生する力が減少するので、フランジの必要強度を下げるすなわち重量や大きさを小さくすることが出来る。
上述のような本発明の第3の目的は、モールド成形されたステータの内径とロータの軸受の中心との同軸精度を向上させ、騒音が少なくハンドル操舵感触の良さを保持しながら、放熱性のより優れた電動パワーステアリング装置用のブラシレスモータを提供することにある。
第3目的を達成する第4発明は、円柱状のロータと、全体が樹脂モールド成形され、前記ロータを内側に挿入して収納する円筒状のステータとを有するブラシレスモータにおいて、前記ステータに、前記ロータを支持するための軸受を固定する軸受支持部材が少なくとも一つ設置され、前記軸受支持部材が前記ステータと一体で樹脂モールド成形されていることを特長とする。
また、第4発明のブラシレスモータにおいて、前記ロータと前記ステータとの同軸度を良くするために、前記軸受支持部材に設置したボスと、前記ステータを構成するステータコアの内周に、外周に,内周に近い端面に、又は外周に近い端面に設置した切欠きとを有し、前記ボスと前記切欠きとを嵌合させることが好ましい。
さらに、好ましくは、前記切欠きの位置は、前記切欠きによって発生する前記ステータコアの磁束の変化が最小となる位置である。また、第4発明のブラシレスモータにおいて、前記切欠きの位置は、前記切欠きによって発生する前記ステータコアの磁束の変化が最小となる位置であることが好ましく、前記切欠きの位置は、前記ステータコアのティースの中心線上にある。
また、第4発明のブラシレスモータにおいて、前記ロータと前記ステータとの同軸度を良くするために、前記ステータを構成するステータコアの外径に対して嵌合可能な範囲で最小の口径となる内径を有する前記軸受支持部材を有し、前記軸受支持部材と前記ステータとを嵌合させることが好ましい。
また、第4発明のブラシレスモータにおいて、前記軸受支持部材が剛性を有する部材よりなること好ましい。また、前記剛性を有する部材が好ましくは、鉄材、アルミ材又は樹脂系部材からなる。また、好ましくは、前記ブラシレスモータは電動パワーステアリング装置に用いられる。
以下、本発明の実施の形態に係る電動パワーステアリング装置を図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の第1実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の縦断面図である。
図1に示すように、ステアリングホイール(図示略)に連結した入力軸(図示略)に、トーションバー(図示略)等を介して出力軸1が連結してあり、出力軸1に、ウォームギヤ減速機構のウォームホイール2が固定してある。
このウォームホイール2には、ギヤハウジング3に軸受4a、4bにより回転自在に支持したウォーム5が噛合してある。
ギヤハウジング3には、ブラシレスモータのモータカバー7が連結してある。ブラシレスモータのロータ10と、ウォーム5とは、スプライン嵌合部11により接続してあり、両者は、軸方向移動自在且つ相対回転不能になっている。
ロータ10の外径側には、筒状の回転駆動用永久磁石12が後述する積層鉄心16に対向して取付けてあると共に、リング状のセンシング用永久磁石13(被検出体)が取付けてある。
モータカバー7の内径側には、筒状のステータ30が設けてある。このステータ30は、コイル15を巻回した積層鉄心16と、センシング用永久磁石13(被検出体)の磁界を検出して、ロータ10の回転角度を検出するホールIC17(検出手段)と、このホールIC17を搭載した基板18と、コイル15を結線するターミナル(ブスバー)19と、コイル15と接続している端子及びホールIC17(検出手段)の信号を出力する端子のための電線接続端子(コネクター)31とを一体的に樹脂モールド成形して構成してある。
なお、電線接続端子(コネクター)31は、モールド成形する樹脂と同材質であっても、異なる材質であってもよい。
本実施の形態では、ステータ30の内径側であって、回転駆動用永久磁石12とセンシング用永久磁石13(被検出体)との間に、ロータ10のウォーム側を回転自在に支持する軸受8が配置してある。
具体的には、軸受8は、筒状ブラケット34を介して、樹脂モールド成形したステータ30の内径側に取り付けてある。但し、ブラケット34を設けることなく、軸受8がステータ30の内径側に直接取り付けてあってもよい。
なお、モータカバー7には、ロータ10の反ウォーム側を回転自在に支持する軸受9が設けてある。
軸受8は、ホールIC17(検出手段)とコイル15との間の誤作動を防止するための空間に配置してあり、これにより、ロータ10の全長を短縮することができ、ひいては、ブラシレスモータの全長を短縮することができる。
また、軸受8は、ホールIC17(検出手段)とコイル15との間の誤作動を防止するための空間に配置してあり、軸受8が磁性体である場合には、軸受8は、コイル15からの磁束を閉じ込める磁路を形成するため、コイル15から発生する磁束がホールIC17(検出手段)に与える影響が小さくなり、ホールIC17(検出手段)の感度を向上することができる。又、このロータ10の角度検出のための検出手段・被検出体は、ホールIC・永久磁石だけでなく、レゾルバやインダクトコーダ等を用いてもよい。
また、樹脂モールド成形したステータ30は、その内径が軸方向に段階的に変化している。即ち、ステータ30の内径は、その開口側が大径であり、奥側に進むにつれて大径から小径に段階的に変化している。
そのため、樹脂成形・硬化後に、金型の芯金を引っ掛かりなく引き抜くことができ、型抜きをスムーズに行うことができる。
また、ステータ30の内径は、その開口側が大径であり、奥側に進むにつれて大径から小径に段階的に変化しているため、軸受8を取付けたロータ10は、最大径を有する開口部側から挿入することができ、組立作業性を改善することができる。
従って、組み立てに際しても、ブラシレスモータを単体で組み立てた後、ウォームギヤ機構に組み付けることができるため、組立作業性を損なうことがなく、また、ブラシレスモータ単体で、その性能等の検査を行うことができる。
さらに、樹脂モールド成形したステータ30には、コイル15と接続している端子及びホールIC17(検出手段)の信号を出力する端子のための電線接続端子(コネクター)31が一体的に樹脂モールド成形してあるため、従来電線コードをはんだ付け等により結線していた作業を不要にすることができ、部品点数や組立工数を削減することができる。
図2は、本発明の第2実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の縦断面図である。
図2に示すように、ステアリングホイール(図示略)に連結した入力軸(図示略)に、トーションバー(図示略)等を介して出力軸1が連結してあり、出力軸1に、ウォームギヤ減速機構(減速機)のウォームホイール2が固定してある。
このウォームホイール2には、ギヤハウジング3に軸受4等により回転自在に支持したウォーム5が噛合してある。
ブラシレスモータのロータ10と、ウォーム5とは、スプライン嵌合部11により接続してあり、両者は、軸方向移動自在且つ相対回転不能になっている。
ロータ10の外径側には、筒状の回転駆動用永久磁石12が後述する積層鉄心15に対向して取付けてあると共に、リング状のセンシング用永久磁石13(被検出体)が取付けてある。
モータカバー7の内径側には、筒状のステータ30が設けてある。このステータ30は、コイル15を巻回した積層鉄心16と、センシング用永久磁石13(被検出体)の磁界を検出して、ロータ10の回転角度を検出するホールIC17(検出手段)と、このホールIC17を搭載した基板18と、コイル15を結線するターミナル(ブスバー)19と、コイル15と接続している端子及びホールIC17(検出手段)の信号を出力する端子のための電線接続端子(コネクター)31とを一体的に樹脂モールド成形して構成してある。また、ステータ30は、その外面に、ブラシレスモータをウォームギヤ機構(減速機)に装着するためのフランジ33を一体的に有している。又、このロータ10の角度検出のための検出手段・被検出体は、ホールIC・永久磁石だけでなく、レゾルバやインダクトコーダ等を用いてもよい。
なお、電線接続端子(コネクター)31は、モールド成形する樹脂と同材質であっても、異なる材質であってもよく、一般的にコネクターに使用されているPBTやPA6にて成形し、後にステータ30と一体的に成形してもよい。
ステータ30は、コイル15、積層鉄心16、ホールIC17(検出手段)、基板18及びターミナル(ブスバー)19を被覆して一体的に樹脂モールド成形してあるため、従来の金属製のモータカバー(7)の役目も兼用することができる。
従って、ステータ30のフランジ33により、ブラシレスモータをウォームギヤ機構に装着することができ、従来の金属製のモータカバー(7)やその取付フランジを不要にすることができ、部品点数や組立工数の削減を図ることができ、製造コストを低減することができる。
本実施の形態では、ステータ30の内径側であって、回転駆動用永久磁石12とセンシング用永久磁石13(被検出体)との間に、ロータ10のウォーム側を回転自在に支持する軸受8が配置してある。
具体的には、軸受8は、筒状ブラケット34を介して、樹脂モールド成形したステータ30の内径側に取り付けてある。但し、ブラケット34を設けることなく、軸受8がステータ30の内径側に直接取り付けてあってもよい。
また、ステータ30は、反ウォーム側の開口を閉塞すると共に、ロータ10を回転自在に支持する軸受9を保持する閉塞壁35を有している。具体的には、軸受9は、閉塞壁35の凹部36に収納して保持してある。
このように、ロータ10を回転自在に支持する2個の軸受8,9は、ステータ30に支持してあることから、ステータ30の積層鉄心16と、ロータ10との間の径方向ギャップは、厳密に一定に維持することができ、振動等の伝達を少なくして、低騒音であって常に安定した性能を確保することができる。
軸受8は、ホールIC17(検出手段)とコイル15との間の誤作動を防止するための空間に配置してあり、これにより、ロータ10の全長を短縮することができ、ひいては、ブラシレスモータの全長を短縮することができる。
また、軸受8は、ホールIC17(検出手段)とコイル15との間の誤作動を防止するための空間に配置してあり、軸受8が磁性体である場合には、軸受8は、コイル15からの磁束を閉じ込める磁路を形成するため、コイル15から発生する磁束がホールIC17(検出手段)に与える影響が小さくなり、ホールIC17(検出手段)の感度を向上することができる。
また、樹脂モールド成形したステータ30は、その内径が軸方向に段階的に変化している。即ち、ステータ30の内径は、その開口側(ウォーム側)が大径であり、奥側(反ウォーム側)に進むにつれて大径から小径に段階的に変化している。
そのため、樹脂成形・硬化後に、金型の芯金を引っ掛かりなく引き抜くことができ、型抜きをスムーズに行うことができる。
また、ステータ30の内径は、その開口側(ウォーム側)が大径であり、奥側(反ウォーム側)に進むにつれて大径から小径に段階的に変化しているため、軸受8を取付けたロータ10は、最大径を有する開口部側から挿入することができ、組立作業性を改善することができる。
従って、組み立てに際しても、ブラシレスモータを単体で組み立てた後、ウォームギヤ機構に組み付けることができるため、組立作業性を損なうことがなく、また、ブラシレスモータ単体で、その性能等の検査を行うことができる。
さらに、樹脂モールド成形したステータ30には、コイル15と接続している端子及びホールIC17(検出手段)の信号を出力する端子のための電線接続端子(コネクター)31が一体的に樹脂モールド成形してあるため、従来電線コードをはんだ付け等により結線していた作業を不要にすることができ、部品点数や組立工数を削減することができる。
次に、図3は、本発明の第3実施の形態の変形例に係る電動パワーステアリング装置の縦断面図である。
本第3実施形態では、筒状の樹脂製のステータ30が設けてある。すなわち、このステータ30は、コイル15を巻回した積層鉄心16と、センシング用永久磁石13(被検出体)の磁界を検出して、ロータ10の回転角度を検出するホールIC17(検出手段)と、このホールIC17を搭載した基板18と、コイル15を結線するターミナル(ブスバー)19と、コイル15と接続している端子及びホールIC17(検出手段)の信号を出力する端子のための電線接続端子(コネクター)31とを一体的に樹脂モールド成形して構成してある。
ステータ30のモータ出力側端部と反対側の厚肉端部に、ホールIC17(検出手段)と、基板18と、ターミナル(ブスバー)19と、電線接続端子(コネクター)31とが配置してある。
また、ステータ30のモータ出力側端部と反対側の軸受9は、筒状ブラケット9aを介して、この厚肉端部に設けてある。
さらに、センシング用永久磁石(被検出体)13は、モータ出力側端部と反対側のロータ10の端部に設置してある。これにより、ギヤハウジング3と電線接続端子31の干渉部分をなくし、形状の簡略化、防塵、防水性の向上を図ることができ、モータ組立単体時の内部への鉄くず等の侵入を防止することが可能となる。また、センシング用永久磁石(被検出体)13と、ロータ10の端部とは、は、閉塞壁35の凹部36内に収納してある。
さらに、センシング用永久磁石(被検出体)13は、モータ出力側端部と反対側のロータ10の端部に設置してある。これにより、ギヤハウジング3と電線接続端子31の干渉部分をなくし、形状の簡略化、防塵、防水性の向上を図ることができ、モータ組立単体時の内部への鉄くず等の侵入を防止することが可能となる。
さらに、ステータ30は、その外面に、減速機に装着するためのフランジ33を有している。そのため、このステータ30のフランジ33により、ブラシレスモータを減速機に装着することができ、従来の金属製のモータカバーやその取付フランジを不要にすることができ、部品点数や組立工数の削減を図ることができ、製造コストを低減することができる。
しかも、このフランジ33は、ステータ30の軸長方向中心付近に備えられることにより、モータ重心とフランジ33の距離を短くすることが出来、振動等によりフランジ33に発生する力が減少するので、フランジ33の必要強度を下げる、すなわち、重量や大きさを小さくすることができる。
図4は、本発明の第4実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の縦断面図である。
図4に示すように、ステアリングホイール(図示略)に連結した入力軸(図示略)に、トーションバー(図示略)等を介して出力軸1が連結してあり、出力軸1に、ウォームギヤ減速機構(減速機)のウォームホイール2が固定してある。なお、減速機は、ウォームギヤ減速機構に限定されない。
このウォームホイール2には、ギヤハウジング3に軸受4等により回転自在に支持したウォーム5が噛合してある。
ブラシレスモータのロータ10と、ウォーム5とは、スプライン嵌合部11により接続してあり、両者は、軸方向移動自在且つ相対回転不能になっている。
ロータ10の外径側には、筒状の回転駆動用永久磁石12が後述する積層鉄心16に対向して取付けてあると共に、リング状のセンシング用永久磁石13が取付けてある。
モータカバー7の内径側には、筒状のステータ30が設けてある。このステータ30は、コイル15を巻回した積層鉄心16と、センシング用永久磁石13(被検出体)の磁界を検出して、ロータ10の回転角度を検出するホールIC17(検出手段)と、このホールIC17を搭載した基板18と、コイル15を結線するターミナル(ブスバー)19と、コイル15と接続している端子及びホールIC17(検出手段)の信号を出力する端子のための電線接続端子(コネクター)31と、これらコイル15、積層鉄心16、ホールIC17(検出手段)、基板18及びターミナル(ブスバー)19を被覆する筒状樹脂ハウジング部32とを一体的に樹脂モールド成形して構成してある。また、筒状樹脂ハウジング部32は、その外面に、ブラシレスモータをウォームギヤ機構(減速機)に装着するためのフランジ33を一体的に有している。又、センシング用永久磁石とホールICの替わりに、ロータ10の角度検出のための検出手段・被検出体として、レゾルバやインダクトコーダ等を用いてもよい。
なお、電線接続端子(コネクター)31は、モールド成形する樹脂と同材質であっても、異なる材質であってもよく、一般的にコネクターに使用されているPBTやPA6にて成形し、後にステータ30と一体的に成形してもよい。
筒状樹脂ハウジング部32は、コイル15、積層鉄心16、ホールIC17、基板18及びターミナル(ブスバー)19を被覆して一体的に樹脂モールド成形してあるため、従来の金属製のモータカバー(7)の役目も兼用することができる。
従って、筒状樹脂ハウジング部32のフランジ33により、ブラシレスモータをウォームギヤ機構に装着することができ、従来の金属製のモータカバー(7)やその取付フランジを不要にすることができ、部品点数や組立工数の削減を図ることができ、製造コストを低減することができる。
本第4実施の形態では、ステータ30の内径側であって、回転駆動用永久磁石12とセンシング用永久磁石13との間に、ロータ10のウォーム側を回転自在に支持する軸受8が配置してある。
具体的には、軸受8は、筒状ブラケット34を介して、樹脂モールド成形したステータ30の内径側に取り付けてある。但し、ブラケット34を設けることなく、軸受8がステータ30の内径側に直接取り付けてあってもよい。
また、筒状樹脂ハウジング部32は、反ウォーム側の開口を閉塞すると共に、ロータ10を回転自在に支持する軸受9を保持する閉塞壁35を有している。具体的には、軸受9は、閉塞壁35の凹部36に収納して保持してある。
このように、ロータ10を回転自在に支持する2個の軸受8,9は、筒状樹脂ハウジング部32に支持してあることから、ステータ30の積層鉄心16と、ロータ10との間の径方向ギャップは、厳密に一定に維持することができ、振動等の伝達を少なくして、低騒音であって常に安定した性能を確保することができる。
軸受8は、ホールIC17とコイル15との間の誤作動を防止するための空間に配置してあり、これにより、ロータ10の全長を短縮することができ、ひいては、ブラシレスモータの全長を短縮することができる。
また、軸受8は、ホールIC17とコイル15との間の誤作動を防止するための空間に配置してあり、軸受8が磁性体である場合には、軸受8は、コイル15からの磁束を閉じ込める磁路を形成するため、コイル15から発生する磁束がホールIC17に与える影響が小さくなり、ホールIC17の感度を向上することができる。
また、樹脂モールド成形したステータ30は、その内径が軸方向に段階的に変化している。即ち、ステータ30の内径は、その開口側(ウォーム側)が大径であり、奥側(反ウォーム側)に進むにつれて大径から小径に段階的に変化している。
そのため、樹脂成形・硬化後に、金型の芯金を引っ掛かりなく引き抜くことができ、型抜きをスムーズに行うことができる。
また、ステータ30の内径は、その開口側(ウォーム側)が大径であり、奥側(反ウォーム側)に進むにつれて大径から小径に段階的に変化しているため、軸受8を取付けたロータ10は、最大径を有する開口部側から挿入することができ、組立作業性を改善することができる。
従って、組み立てに際しても、ブラシレスモータを単体で組み立てた後、ウォームギヤ機構に組み付けることができるため、組立作業性を損なうことがなく、また、ブラシレスモータ単体で、その性能等の検査を行うことができる。
さらに、樹脂モールド成形したステータ30には、コイル15と接続している端子及びホールIC17の信号を出力する端子のための電線接続端子(コネクター)31が一体的に樹脂モールド成形してあるため、従来電線コードをはんだ付け等により結線していた作業を不要にすることができ、部品点数や組立工数を削減することができる。
次に、本第4実施の形態では、ステータ30の内径側であって、回転駆動用永久磁石12とセンシング用永久磁石13との間に、軸受8が配置してあることから、ウォームギヤ機構と、ブラシレスモータとの間の境界部が開口して、ウォームギヤ機構と、ブラシレスモータとが連通する結果、ウォームギヤ機構内の鉄屑等の異物やグリースがブラシレスモータに向けて浸入するといった虞れがある。
そこで、本第4実施の形態では、ウォームギヤ機構とブラシレスモータとの間の境界部を遮蔽する遮蔽部材40が設けてある。この遮蔽部材40は、薄板金属製のリング状円板であって、ブラシレスモータのロータ10に取付けてロータ10と共に回転すると共に、ブラシレスモータのステータ30との間に所定の微小隙間Gを有している。
なお、微小隙間Gは、異物やグリースの浸入を阻止するシール性を発揮しつつ、遮蔽部材40の回転を許容するものであり、本実施の形態では、ブラシレスモータの静止側であるステータ30と、遮蔽部材40との間に形成しているが、ウォームギヤ機構の静止側であるギヤハウジング3と、遮蔽部材40との間に形成してあってもよい。
従って、ウォームギヤ機構内の鉄屑等の異物やグリースがブラシレスモータに向けて浸入しようとしたとしても、遮蔽部材40によって、これら異物やグリースの浸入を確実に阻止することができる。
図5は、本発明の第5実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の縦断面図である。
図5に示すように、本第5実施の形態では、ステータ30の内径側であって回転駆動用永久磁石12とセンシング用永久磁石13との間に配置してあった軸受8を廃止して、より一層小型化を図っている。
第5実施の形態においても、この軸受8を廃止したことから、ウォームギヤ機構と、ブラシレスモータとの間の境界部が開口して、ウォームギヤ機構と、ブラシレスモータとが連通する結果、ウォームギヤ機構内の鉄屑等の異物やグリースがブラシレスモータに向けて浸入するといった虞れがある。
そこで、第5実施の形態においても、ウォームギヤ機構とブラシレスモータとの間の境界部を遮蔽する遮蔽部材40が設けてある。この遮蔽部材40は、薄板金属製のリング状円板であって、ブラシレスモータのロータ10に取付けてロータ10と共に回転すると共に、ブラシレスモータのステータ30との間に所定の微小隙間Gを有している。
なお、微小隙間Gは、異物やグリースの浸入を阻止するシール性を発揮しつつ、遮蔽部材40の回転を許容するものであり、本実施の形態では、ブラシレスモータの静止側であるステータ30と、遮蔽部材40との間に形成しているが、ウォームギヤ機構の静止側であるギヤハウジング3と、遮蔽部材40との間に形成してあってもよい。
従って、ウォームギヤ機構内の鉄屑等の異物やグリースがブラシレスモータに向けて浸入しようとしたとしても、遮蔽部材40によって、これら異物やグリースの浸入を確実に阻止することができる。
図6は、本発明の第6実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の縦断面図である。
図6に示すように、第6実施の形態では、第4実施の形態と同様に、ステータ30の内径側であって、回転駆動用永久磁石12とセンシング用永久磁石13との間に、軸受8が配置してある。
この場合にも、ウォームギヤ機構と、ブラシレスモータとの間の境界部が開口して、ウォームギヤ機構と、ブラシレスモータとが連通する結果、ウォームギヤ機構内の鉄屑等の異物やグリースがブラシレスモータに向けて浸入するといった虞れがある。
そこで、第6実施の形態においても、ウォームギヤ機構とブラシレスモータとの間の境界部を遮蔽する遮蔽部材40が設けてある。
この遮蔽部材40は、薄板金属製のリング状円板であって、ブラシレスモータのロータ10に取付けてロータ10と共に回転すると共に、ブラシレスモータのステータ30との間に所定の微小隙間Gを有している。この微小隙間Gは、異物やグリースの浸入を阻止するシール性を発揮しつつ、遮蔽部材40の回転を許容するものである。
しかし、第6実施の形態では、リング状円板の遮蔽部材40は、さらに、その周縁部41が軸方向に折曲してある。
これにより、微小隙間Gは、ブラシレスモータの静止側であるステータ30と、遮蔽部材40との間に形成してあるだけでなく、ウォームギヤ機構の静止側であるギヤハウジング3と、遮蔽部材40の周縁部41との間に形成してあり、微小隙間Gのシール性をより一層向上している。
従って、第6実施の形態においても、ウォームギヤ機構内の鉄屑等の異物やグリースがブラシレスモータに向けて浸入しようとしたとしても、遮蔽部材40及びその周縁部41によって、これら異物やグリースの浸入を確実に阻止することができる。
また、リング状円板の遮蔽部材40は、その周縁部41が軸方向に折曲してあることから、ギヤハウジング3と周縁部41との間の微小隙間Gのシール性を向上することができ、特に、グリース等の液体がロータ10を伝ってブラシレスモータ側に浸入しようとする場合に、周縁部41は、グリース等の浸入を効果的に阻止することができる。
図7は、本発明の第7実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の縦断面図である。
図7に示すように、第7実施の形態では、第4及び第6実施の形態と同様に、ステータ30の内径側であって、回転駆動用永久磁石12とセンシング用永久磁石13との間に、軸受8が配置してある。
この場合にも、ウォームギヤ機構と、ブラシレスモータとの間の境界部が開口して、ウォームギヤ機構と、ブラシレスモータとが連通する結果、ウォームギヤ機構内の鉄屑等の異物やグリースがブラシレスモータに向けて浸入するといった虞れがある。
そこで、第7実施の形態においても、ウォームギヤ機構とブラシレスモータとの間の境界部を遮蔽する遮蔽部材40が設けてある。
この遮蔽部材40は、薄板金属製のリング状円板であって、ブラシレスモータのロータ10に取付けてロータ10と共に回転すると共に、ブラシレスモータのステータ30との間に所定の微小隙間Gを有している。この微小隙間Gは、異物やグリースの浸入を阻止するシール性を発揮しつつ、遮蔽部材40の回転を許容するものである。
しかし、第7実施の形態では、リング状円板の遮蔽部材40は、さらに、その周縁部41が軸方向に折曲してあると共に、遮蔽部材40の周縁部41と、ブラシレスモータのステータ30とウォームギヤ機構のギヤハウジング3とは、協働して、両者間の所定の微小隙間Gをラビリンス効果を発揮する微小隙間としている。
従って、微小隙間Gのシール性をより一層向上することができ、本実施の形態においても、ウォームギヤ機構内の鉄屑等の異物やグリースがブラシレスモータに向けて浸入しようとしたとしても、遮蔽部材40及びその周縁部41によって、これら異物やグリースの浸入を確実に阻止することができる。
また、リング状円板の遮蔽部材40は、その周縁部41が軸方向に折曲してあると共に、遮蔽部材40の周縁部41と、ブラシレスモータのステータ30とウォームギヤ機構のギヤハウジング3とは、協働して、両者間の所定の微小隙間Gをラビリンス効果を発揮する微小隙間としていることから、ギヤハウジング3と周縁部41との間の微小隙間Gのシール性をより一層向上することができ、特に、グリース等の液体がロータ10を伝ってブラシレスモータ側に浸入しようとする場合に、周縁部41は、グリース等の浸入を効果的に阻止することができる。
以下、第8実施の形態について詳細に説明する。
本実施例は、ロータの軸受が2ヵ所に設置された場合の例で、図8、図9、図10A−10C及び図11A−11Cを用いて説明する。図8は電動パワーステアリング装置のブラシレスモータの縦断面を示す図である。
このブラシレスモータは、全体として、ブラシレスモータ(以下モータと記す)部1とウオーム部2とから構成されている。ここで、便宜上モータ部1のウオーム部2に近い方をフロント側と呼び、ウオーム部2から遠い方をリア側と呼ぶ。モータ部1は主にロータ10とステータ20とから構成されている。ロータ10は、円柱状の構造からなり、ロータシャフト11を中心として、ロータ10の外周面には永久磁石12が貼り付けられている構成となる。ロータシャフト11には回転位置を検出するためのセンサー用永久磁石13が取り付けられている。一方ステータ20は、円筒状の構造からなり、ステータコア21に絶縁部材40を介して巻き付けられた巻線22で構成され、ハウジング41に収納されている。ロータ10はステータ20に挿入された状態で回転する。この場合ロータ10がステータ20に接触せず、スムーズに回転するようにロータシャフト11を支持する必要がある。そのため本実施形態において、ロータシャフト11はフロント側で金属円筒部材14−1aおよび軸受14−1を介してフロント側軸受支持部材15−1に支持され、またリア側で軸受14−2を介してリア側軸受支持部材15−2に支持されており、これらフロント側およびリア側の軸受支持部材15−1、15−2はそれぞれステータ20に支持されている。
これら軸受支持部材15―1および15ー2は、軸受部材14−1,14−1a,14−2をステータ20に対して正しい位置関係に固定させるためのものであり、それぞれステータ20に嵌め込み支持される部分と半径方向の中心部に軸受14−1、14−2を支持する部分とを有している。ステータ20の円筒形の中心線と軸受14−1,14−2の中心線とは同軸上に一致されている。フロント側の軸受14−1の内輪と円筒部材14−1aとは一体であってもよい。
図9は、リア側の軸受支持部材15−2とステータコア21とを嵌め込む様子を示す斜視図である。
図10Aはステータコア21の正面図、図10Bはリア側軸受支持部材15−2の背面図、および図10Cは軸受支持部材15−2の径方向断面図である。ステータコア21の外周には円周方向等間隔に4つの切欠き25−2−1、25−2−2、25−2−3、25−2−4が形成されている。軸受支持部材15−2は、ステータコア21の円環状部とほぼ同径同一サイズで該円環状部に密接するフラットな円環状部15−2aと該円環状部15−2aの内径部から軸方向外方に突出する第1筒状部15−2bと該第1筒状部15−2bの底部内径側で、さらに軸方向外向きに突出する底付第2筒状部15−2cとを一体に形成している。これら第1および第2筒状部はともに、ステータコア21と同中心に形成されており、第2筒状部15−2cの内周には軸受14−2が支持される。軸受支持部材15−2の円環状部15−2aの外径側には、ステータコア21の4つの切欠き25−2−1、25−2−2、25−2−3、25−2−4にそれぞれ嵌合する4つのボス15−2−1、15−2−2、15−2−3、15−2−4が形成されていて、これらの嵌め合いにより軸受支持部材15−2は、ステータコア21により適位置に支持固定され、したがって、ステータコア21にモールド成形により乾燥収縮等があっても軸受14−2とステータコア21の同軸度は適切に保持される。
一方、軸受支持部材15−1も、フロント側のステータコア21の円環状部に密接する円環状部15−1aと、中間径の第1筒状部15−1bおよび最小径の第2筒状部15−1cを一体にかつ同中心に有している。第2筒状部15−1cは貫通孔であり、軸受14−1を介してシャフト11を支持している。ステータコア21への軸受支持部材15−1の支持の仕方は図11A−11Cを参照して後述する。
こうして軸受支持部材15−2とステータコア21は正しい位置関係に固定され、モールドの乾燥収縮等があっても軸受14−2とステータコア21の同軸度は正しく保たれる。
軸受支持部材15−1,15−2の材質はモールド成形の乾燥収縮等で変形しないようにある程度の剛性を必要とする。具体的には鉄材とかアルミ材などを用いれば良い。また、エンジニアリングプラスチックのような樹脂系部材であってもモールド成形時の高温や乾燥収縮にも耐えられる程度の剛性を有すれば、軸受支持部材15−1,15−2が樹脂系部材から製作されても本発明の適用に問題はない。なお、軸受支持部材の材質については、後述する軸受支持部材16−1,16−2,17−1,17−2においても同様である。
切欠きはステータコア21の形状を変更する要素になり、ステータコア21を通過する磁束に影響を与える。そこで、切欠きの位置はなるべくステータコア21の磁束に影響を与えない位置に設置すべきである。図10Aにおいて、各切欠き25−2−1,25−2−2,25−2−3,25−2−4はティースの中心線を延長したステータコア21の外周の位置(図10AではA点)に設置されている。例えばティース同士の中間位置(図10AではB点)に設置されると、磁路の幅が狭くなって通過する磁束に大きく影響を与えるが、A点であれば、内周側に存在するティース部分による磁路を確保できるので影響が少なくてすむ。
なお、切欠きを入れるステータコア21の枚数については、ステータ20のフロント側およびリア側に軸受支持部材のボスが嵌め込めるだけの枚数に切欠きを入れても良いし、或いは切欠きの有り無しでステータコアの形状が2種類になり製作効率が悪くなるのを回避するため、ステータコア21の全数に切欠きを入れても良い。これを図9を用いて説明すると、切欠き25−2−2において、ボス15−2−2が嵌め込むだけの枚数、つまり実線で示すだけの枚数のステータコア21に切欠きをリア側、フロント側ともに入れても良いし、或いは、図9の切欠き25−2−2について破線で示すようにステータコア21の全枚数に切欠きを入れても良い。このことは、図9における他の切欠き25−2−1、25−2−3および25−2−4についても同様である。また、切欠きを設けるステータコアの枚数に関しては、図9、図10A−1−Cおよび図11A−11Cで示す切欠き25−2−1,25−2−2,25−2−3、25−1−1,25−1−2,25−1−3だけでなく、後述する図12A−12Cおよび図13A−13Cの切欠き26−2−1,26−2−2,26−2−3、26−1−1,26−1−2,26−1−3においても同様である。
図11A−11Cはフロント側の軸受支持部材15−1とステータコア21およびその嵌合手段を示した図である。図11Bで軸受支持部材15−1に大きく切欠きCが入っている理由は、モータに電源を供給するため、電線をコネクタ31を介し、さらにブスバー30を介しティーステータ20の巻線22に接続する必要があり、その電線を引き込むための空間を確保するためである。リア側と同じように、ボス15−1−1,15−1−2,15−1−3,15−1−4と切欠き25−1−1,25−1−2,25−1−3,25−1−4を各々嵌合させると軸受支持部材15−1とステータコア21は正しい位置関係に固定され、モールドの乾燥収縮等があっても軸受14−1とステータコア21との同軸度は正しく保たれる。
よって、フロント側の軸受支持部材15−1およびリア側の軸受支持部材15−2の作用により、ロータシャフト11とステータ20の中心線は同軸上に正確に設定される。つまり、ロータ10とステータ20の中心線は同軸上に正確に設定される。なお、ボスや切欠きの数は、ステータコアと軸受支持部材が正確な位置関係に固定できれば良いので数は実施例の4個に限らなくて良い。
本第8実施形態を用いれば、ステータがモールドされても、軸受支持部材の効果により、ステータの中心線とロータの中心線が同軸上に一致した状態で組み立てられ、ロータ10とステータ20の同軸精度が悪いことに起因するコギングトルクやフリクショントルクの発生を最小限に抑え、電動パワーステアリング装置のハンドル操作感触が良く、またモータの騒音も低いと言う優れた効果が得られる。
図12A−12Cおよび図13A−13Cに第8実施形態の変形例を示す。この変形例は、軸受支持部材の形状が小さくて、軸受支持部材はステータコアの内周に取りつける構造になっている。図12A−12Cはリア側の軸受支持部材16−2の形状およびボスの設置位置、つまりボス16−2−1,16−2−2,16−2−3、また、ステータコア21には前記ボスに対応した切欠き位置、つまり切欠き26−2−1,26−2−2,26−2−3を示す。一方、図13A−13Cはフロント側の軸受支持部材16−1およびボス16−1−1,16−1−2,16−1−3を示す。ステータコア21には前記ボスに対応した切欠き26−1−1,26−1−2,26−1−3が設置されている。この変形例の軸受支持部材を用いても軸受14−1および14−2をステータ20に対して正しい位置に固定でき、その結果、ロータ10とステータ20の同軸度は良くなる。そして、その効果として、同軸度が悪いことに起因するコギングトルクやフリクショントルクを発生させず、電動パワーステアリング装置のハンドル操作感触が良く、またモータの騒音も低いと言う優れた効果が得られる。
なお、図10A−10C、図11A−11Cの第8実施形態では切欠きを外周に設け、図12A−12C、図13A−13Cの変形例では切欠きを内周に設けた例について説明したが、切欠きを外周や内周といった縁に設けることに限定されるものではなく、ステータコア21の外周に近い端面に、或いは内周に近い端面に切欠きを設けて、軸受支持部材のボスと嵌合させても同じ効果を得られることは言うまでもない。
図14A−14Cおよび図15A−15Cに第8実施形態の別の変形例を示す。この変形例は、軸受支持部材17−1及び17−2とステータ20の位置関係を固定するために切欠きやボスを使用していない例である。円筒状のステータ20も円柱状のロータ10およびロータシャフト11も、さらに、軸受14−1,14−2も、断面は全て円であるから、円周方向にずれても同軸度は悪化しない。よって、軸受支持部材17−1,17−2の断面が円形で、軸受支持部材17−1,17−2の内径とステータコア21の外径が嵌合可能な範囲で同一径であれば、軸受支持部材17−1,17−2をステータコア21に嵌め込んだ場合、モールドするときにステータコア21と軸受支持部材17−1,17−2が円周方向にずれても、ステータ20とロータ10との同軸度は悪化しない。結局、ステータ20とロータ10の同軸度は正しく得られるので、本変形例を用いても、同軸度が悪いことに起因するコギングトルクやフリクショントルクを発生させず、電動パワーステアリング装置のハンドル操作感触が良く、またモータの騒音も低いという優れた効果が得られる。
なお、第8実施形態およびその変形例で説明したフロント側とリア側の軸受支持部材の組み合わせは、フロント側とリア側で全く独立なので、自由に組み合わせできる。例えば、リア側に図10A−10Cの軸受支持部材15−2とフロント側に図13A−13Cの軸受支持部材16−1の組み合わせであっても良い。
また、以上の第8実施形態およびその変形例では軸受支持部材を二つ用いたが、軸受支持部材を一つ用いて、例えばリア側にだけ軸受支持部材15―2を設置したり、或いはフロント側にだけ軸受支持部材15―1を設置しても良い。この場合の同軸度に関する効果は、軸受支持部材を2つ使用した場合よりは劣るが、従来の軸受支持部材を使用しない場合よりは大幅に優れている。
以上に説明したように、本第8実施形態およびその変形例のブラシレスモータによれば、放熱性を向上させつつ、ロータとステータの同軸度が高まり、大トルクで正逆回転が求められる駐車時の切り返しや緊急避難のためのハンドルの急操舵においても、モータ騒音が少なく、コギングトルクやフリクショントルクの発生が低く抑えられたハンドル操作感触が良い電動パワーステアリング装置を提供できる優れた効果がある。
Claims (29)
- ステアリングホイールに印加された操舵トルクに対応して、ブラシレスモータから補助操舵トルクを発生して、減速機により減速して操舵機構の出力軸に伝達する電動パワーステアリング装置において、
ロータには、筒状の回転駆動用永久磁石と、前記ロータの回転角度を検出するための被検出体とが取付けてあり、
前記ロータに対向した筒状のステータには、コイルを巻回した積層鉄心と、前記被検出体から前記ロータの回転角度を検出する検出手段と、コイルを結線するターミナルとが一体的に樹脂モールド成形してあり、
前記ステータの内径側であって、前記回転駆動用永久磁石と前記被検出体との間に、前記ロータを回転自在に支持する少なくとも1個の軸受が配置してあることを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 前記ステータは、その内径が軸方向に段階的に変化していることを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
- 前記ステータは、電線接続端子を一体的に有していることを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
- 前記被検出体は、モータ出力側端部と反対側のロータ端部に設置されていることを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
- 前記ステータは、その外面に、前記減速機に装着するためのフランジを有し、そのフランジは、ステータ軸長方向中心付近に配置してあることを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
- ステアリングホイールに印加された操舵トルクに対応して、ブラシレスモータから補助操舵トルクを発生して、減速機により減速して操舵機構の出力軸に伝達する電動パワーステアリング装置において、
ロータには、筒状の回転駆動用永久磁石と、前記ロータの回転角度を検出するための被検出体とが取付けてあり、
前記ロータに対向した筒状のステータには、コイルを巻回した積層鉄心と、前記被検出体から前記ロータの回転角度を検出する検出手段と、コイルを結線するターミナルとが一体的に樹脂モールド成形してあり、
前記ロータを回転自在に支持する2個の軸受は、前記ステータに支持してあることを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 前記ステータは、反減速機側の開口を閉塞すると共に、前記2個の軸受のうち一方の軸受を保持する閉塞壁を有することを特徴とする請求項6に記載の電動パワーステアリング装置。
- 前記2個の軸受のうち他方の軸受は、前記ステータの内径側であって、前記回転駆動用永久磁石と前記被検出体との間に、配置してあることを特徴とする請求項6に記載の電動パワーステアリング装置。
- 前記ステータは、その内径が軸方向に段階的に変化していることを特徴とする請求項6に記載の電動パワーステアリング装置。
- 前記ステータは、電線接続端子を一体的に有していることを特徴とする請求項6に記載の電動パワーステアリング装置。
- 前記ステータは、その外面に、前記減速機に装着するためのフランジを有し、そのフランジは、ステータ軸長方向中心付近に配置してあることを特徴とする請求項6に記載の電動パワーステアリング装置。
- 前記被検出体は、モータ出力側端部と反対側のロータ端部に設置されていることを特徴とする請求項6に記載の電動パワーステアリング装置。
- ステアリングホイールに印加された操舵トルクに対応して、電動モータから補助操舵トルクを発生して、減速機により減速して操舵機構の出力軸に伝達する電動パワーステアリング装置において、
前記減速機と前記電動モータとの間の境界部を遮蔽し、前記電動モータのロータに取付けて当該ロータと共に回転すると共に、前記電動モータ又は前記減速機の静止側との間に所定の微小隙間を有する遮蔽部材を具備することを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 前記遮蔽部材と、前記電動モータ又は前記減速機の静止側とは、協働して、両者間の所定の微小隙間をラビリンス効果を発揮する微小隙間としていることを特徴とする請求項13に記載の電動パワーステアリング装置。
- 前記電動モータは、ブラシレスモータであり、
前記ロータには、筒状の回転駆動用永久磁石と、前記ロータの回転角度を検出するための被検出体とが取付けてあり、
前記ロータに対向した筒状のステータには、コイルを巻回した積層鉄心と、前記被検出体から前記ロータの回転角度を検出する検出手段と、前記コイルを結線するターミナルと、これら前記コイル、前記積層鉄心、前記検出手段及び前記ターミナルを被覆する筒状樹脂ハウジング部とが一体的に樹脂モールド成形してあり、
前記ロータを回転自在に支持する2個の軸受は、前記筒状樹脂ハウジング部に支持してあることを特徴とする請求項13に記載の電動パワーステアリング装置。 - 前記筒状樹脂ハウジング部は、反減速機側の開口を閉塞すると共に、前記2個の軸受のうち一方の軸受を保持する閉塞壁を有することを特徴とする請求項15に記載の電動パワーステアリング装置。
- 前記2個の軸受のうち他方の軸受は、前記ステータの内径側であって、前記回転駆動用永久磁石と前記被検出体との間に、配置してあることを特徴とする請求項16に記載の電動パワーステアリング装置。
- 前記ステータは、その内径が軸方向に段階的に変化していることを特徴とする請求項15に記載の電動パワーステアリング装置。
- 前記ステータは、電線接続端子を一体的に有していることを特徴とする請求項15に記載の電動パワーステアリング装置。
- 前記筒状樹脂ハウジング部は、その外面に、前記ブラシレスモータを前記減速機に装着するためのフランジを有することを特徴とする請求項15に記載の電動パワーステアリング装置。
- スプライン結合部開口側がモータ側にあることを特徴とする請求項15に記載の電動パワーステアリング装置。
- 円柱状のロータと、全体が樹脂モールド成形され、前記ロータを内側に挿入して収納する円筒状のステータとを有するブラシレスモータにおいて、前記ステータに、前記ロータを支持するための軸受を固定する軸受支持部材が少なくとも一つ設置され、前記軸受支持部材が前記ステータと一体で樹脂モールドされていることを特徴とするブラシレスモータ。
- 前記ロータと前記ステータとの同軸度を良くするために、前記軸受支持部材に設置したボスと、前記ステータを構成するステータコアの内周に、外周に,内周に近い端面に、又は外周に近い端面に設置した切欠きとを有し、前記ボスと前記切欠きとを嵌合させた請求項22に記載のブラシレスモータ。
- 前記切欠きの位置は、前記切欠きによって発生する前記ステータコアの磁束の変化が最小となる位置である請求項23に記載のブラシレスモータ。
- 前記切欠きの位置は、前記ステータコアのティースの中心線上にある請求項24に記載のブラシレスモータ。
- 前記ロータと前記ステータとの同軸度を良くするために、前記ステータを構成するステータコアの外径に対し嵌合可能な範囲で最小の口径となる内径を有する前記軸受支持部材を有し、前記軸受支持部材と前記ステータとを嵌合させた請求項22に記載のブラシレスモータ。
- 前記軸受支持部材が剛性を有する部材よりなる請求項22に記載のブラシレスモータ。
- 前記剛性を有する部材が鉄材、アルミ材又は樹脂系部材からなる請求項27に記載のブラシレスモータ。
- 前記請求項22に記載のブラシレスモータを用いた電動パワーステアリング装置。
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JP2003115379 | 2003-04-21 | ||
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2003
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