JPWO2004029713A1 - 超短レーザーパルス発生方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
本願発明は、レーザーパルスを非線形光学作用を用いて一旦他の波長に変換し時間的なパルスピークとその前部に対する強度比を大きくし、その変換されたレーザー光を再び元の波長に非線形光学作用を用いて再変換することによって、該パルスの前方部分のコントラストを著しく高めると同時に用いたレーザー増幅器により増幅することを可能にし、そのパルスを飽和増幅することによって超短パルスを形成する。超短エキシマレーザーパルスの生成において、高価なモードロックレーザーを用いずに、超短エキシマレーザーパルスの生成を行う。
Description
本願発明は、レーザー加工、レーザー分光、クラスター生成、レーザー薄膜生成等に使用されるレーザー技術に関する。
パルス幅がピコ秒、あるいはフェムト秒領域の超短エキシマレーザーパルスを発生させるためには、一般的にはモードロック発振器、増幅器、波長変換を組み合わせて用いてきた。このモードロック法は、レーザーの共振器内の縦モードの位相を過飽和色素、カー効果などの手法を用いて揃えることによって、超短パルスのパルス列を発生させる手法である。また、発振器そのものからの出力は小さく、実用上、増幅器をもちいて出力を増大させる必要が有る。さらに、一般にはこれら発振器の動作波長は赤外から可視域なため、紫外域のエキシマレーザー波長への変換を要する。
発振器は、強力な連続発振をする励起レーザーを必要とし、増幅システムにはチャープパルス増幅法が用いられ、加えて高次の波長変換の必要性など、必然的にシステムは、複雑かつ高価なものになっていた。
エキシマレーザーそのものをモードロック動作させようとする試み、あるいは長パルスエキシマレーザー出力を誘導散乱等で圧縮する試みもあったが、いずれも数10から数百ps以上の長パルス生成に留まっていた(下記特許文献1ないし3及び非特許文献1ないし3参照)。
特開平6−21550号公報 特開2000−2804号公報 特開2002−25949号公報 D.E.Spence,P.N.Kean and W.Sibbett:Optics Letters,No.16,1991,p.42 D.T.Hon,Optics.Letters,Vol.5,No.12,1980,p516 O.L.BOURNE,A.J.ALCOCK,Applied Physics B,Vol.36,No.4,1985,p.181
発振器は、強力な連続発振をする励起レーザーを必要とし、増幅システムにはチャープパルス増幅法が用いられ、加えて高次の波長変換の必要性など、必然的にシステムは、複雑かつ高価なものになっていた。
エキシマレーザーそのものをモードロック動作させようとする試み、あるいは長パルスエキシマレーザー出力を誘導散乱等で圧縮する試みもあったが、いずれも数10から数百ps以上の長パルス生成に留まっていた(下記特許文献1ないし3及び非特許文献1ないし3参照)。
本願発明の目的は、超短エキシマレーザーパルスの生成において、高価なモードロックレーザーを用いずに、超短エキシマレーザーパルスの生成を行うことである。
本願発明は、レーザーパルスを非線形光学作用を用いて一旦他の波長に変換し時間的なパルスピークとその前部に対する強度比を大きくし、その変換されたレーザー光を再び元の波長に非線形光学作用を用いて再変換することによって、該パルスの前方部分のコントラストを著しく高めると同時に用いたレーザー増幅器により増幅することを可能にし、そのパルスを飽和増幅することによって超短パルスを形成する。
本願発明は、レーザーパルスを非線形光学作用を用いて一旦他の波長に変換し時間的なパルスピークとその前部に対する強度比を大きくし、その変換されたレーザー光を再び元の波長に非線形光学作用を用いて再変換することによって、該パルスの前方部分のコントラストを著しく高めると同時に用いたレーザー増幅器により増幅することを可能にし、そのパルスを飽和増幅することによって超短パルスを形成する。
第1図は、機器配置の概念図である。
第2図は、放電励起KrFレーザー発振器の出力パルス等の光電管により計測された波形図である。
第3図は、後方ラマン散乱によって波長変換したパルスのストリークカメラにより得られた高時間分解能の波形図である。
第4図は、後方ラマン散乱によって波長変換したパルス、および四波混合過程により生成されたパルスのスペクトル図である。
第5図は、最終増幅出力パルス幅の自己相関パルス幅計測結果図である。
第2図は、放電励起KrFレーザー発振器の出力パルス等の光電管により計測された波形図である。
第3図は、後方ラマン散乱によって波長変換したパルスのストリークカメラにより得られた高時間分解能の波形図である。
第4図は、後方ラマン散乱によって波長変換したパルス、および四波混合過程により生成されたパルスのスペクトル図である。
第5図は、最終増幅出力パルス幅の自己相関パルス幅計測結果図である。
第1図は、本発明を具体化する装置配置を例示する図である。装置は、本発明を具体化するためにレーザーパルスの品質を改善する準備部分、そして本発明の実施本体部分から成る。
まず準備部分に関して、フッ化クリプトン(KrF)エキシマレーザー発振器から出力された半値幅5ナノ秒程度のレーザーパルス(パルス波形第2図(a))をまずレンズにより集光しピンホールを通過させる。これにより、レーザー光のなかで集光特性の悪い成分はピンホールを通過できないため、レーザー光の空間的な品質が改善される。これは一般には空間フィルターと呼ばれる。ピンホールを通過した広がるレーザー光を再びレンズを用いて平行に戻し、次にエタロンを通過させることによってレーザー光の単色性を高める。これはこの後に用いる誘導散乱の利得を増大させるためである。これらの操作により強度が弱くなったレーザー光をKrFレーザー増幅器中を通過させることによって増幅する。この増幅ではパルス幅の長い、弱いレーザーパルスを増幅しているので、増幅は飽和状態に成らないため、増幅後の波形は大きく変化しない。これは、飽和増幅状態では入力波形に著しく依存し時間的に広がったり、急峻化したりするが、飽和増幅状態でなければ基本的には強度はそれぞれの時刻において利得倍になるためである。
本発明の最初の波長変換に相当する誘導ラマン散乱による効率的な変換を実現するために、予め発振器出力の5ナノ秒のパルス幅のレーザー光を誘導ブリルアン散乱によりパルス幅300ピコ秒程度にパルス圧縮しておく。先の増幅後のレーザーパルスを誘導ブリルアンセルに集光しながら入射する。予めλ/4波長板と偏光子を設置してこの誘導ブリルアン散乱光と入射レーザーを分離出来るようにしてある。誘導ブリルアンセル中にはフッ化炭素系の液体が充填されている。焦点付近に生じた散乱光は先に入射された光路を対向して伝搬しながら成長する。対向して伝搬することによって散乱レーザー光のパルスはその幅が入射レーザー光に対して短くなるパルス圧縮の効果が働く。そのパルスを光電管により計測した波形を第2図(b)に、より時間分解能の高いストリークカメラにより計測した波形を第3図(a)に示す。誘導ブリルアン散乱により形成されたパルスは音波による散乱であり、散乱レーザー光の波長は入射レーザー光の波長とほとんど変わらないため、KrFレーザーにより再び増幅することが可能である。
以上の準備部分から出力されたレーザー光は集光特性、単色性について改善された、時間幅300ピコ秒程度のパルスとなった。このパルスの前部のコントラストを改善して飽和増幅を行い、超短パルスを形成するのが本発明の実施本体部分である。これらの準備部分の必要性は用いる波長変換過程、必要とする最終出力レーザーパルス幅、および個々のレーザーの特性に依存するため、用途によって様々な形態に成りうる。例えば電気光学素子等を用いて上述のパルスを得ることも可能である。
一般に波長変換はレーザー光が相互作用する媒質の非線形な応答を用いるため、波長変換を行うことによってレーザーパルスのピークと前後部分の強度比、すなわちコントラストを大きくするという改善を行うことが出来る。本実施例では媒質の三次の非線形性に基づく誘導後方ラマン散乱という非線形過程により、入力レーザー光をより長波長のレーザー光に変換する。誘導ラマン散乱により形成された散乱レーザー光は分子の分極等による散乱であり、波長は入射レーザー光の波長から大きくシフトする。本実施例においては発振器出力は248nmであるが、メタン媒質を充填したセルにレンズを用いて集光しながら入射することによって誘導ラマン散乱により波長268nmの長波長のレーザー光が対向して伝搬する様に生成される。入射レーザー光と生成ラマン散乱光は波長選択鏡により分離する。他にも二次の非線形性を用いた二倍高調波レーザー光生成によっても同様なコントラストの改善を行うことが出来る。
この誘導ラマン散乱により長波長に変換されたレーザー波形を第3図(b)に、そのレーザー光の有するスペクトルを第4図の点線に示す。この誘導ラマン散乱では後方に散乱される配置を用いたためパルス圧縮効果があるために出力パルス幅は60ピコ秒になっている。点線のスペクトルにはもとのKrFレーザー波長の248nmの成分が無いことが分かる。
高いコントラストを有する波長変換された光は、一般に発振器レーザーの増幅可能な波長範囲から外れている。これを非線形な媒質の応答を用いて元の波長に再び戻す再変換を行う。本実施例では前述の誘導ラマン散乱と同じメタン媒質を用いた四波混合過程を用いて、波長268nmの散乱レーザー光を波長248nmに戻す。具体的にはレンズを用いてセルに集光しながら入射する。焦点付近で波長268nmのレーザー光とそこから形成された波長291nmの光がラマン媒質の非線形性とパラメトリックに相互作用して波長248nmの光を形成する。このプロセスも3次の非線形性に基づいているためコントラストの改善に寄与する。この実施例の出力光のスペクトルを第4図の実線で示す。長波長の高次ストークス光とともに、元のKrFレーザー発振器波長である248nmの成分が形成されていることがわかる。これらのプロセスはパルス立ち上がり部分で、メタン媒質の横緩和時間の約30psより短い時間範囲で過渡状態にあり、生成された光の立ち上がり部分は非常に急峻なものになる。
このようにして形成された非常に高いコントラストを有するレーザー光をレーザー増幅器により飽和増幅すると、立ち上がり部分に短いパルス幅のレーザーが形成される。この飽和増幅とは、個々のレーザーに固有の飽和エネルギー密度よりも高いエネルギー密度を有するレーザーパルスを増幅することである。
KrFレーザー増幅器により飽和増幅後の出力パルス幅を計測した自己相関パルス幅計測結果を第5図に示す。これによるとパルス幅は1.1ピコ秒の超短パルスが形成されていることが示された。この様な著しい短パルス化は、4光波混合セル出力光のKrFレーザー波長成分の立ち上がり部分が、非常に高いコントラストを有していたため、その飽和増幅により実現された。原理的にパルス幅はレーザーのスペクトル幅で制限される値程度である。実施例のKrFエキシマレーザーではそのパルス幅はおよそ100フェムト秒程度になる。
レーザーとしては、KrFエキシマレーザーを用いたが、本発明はエキシマレーザーに限定されることなく、飽和増幅を行うことができる高いレーザーパワーに対するダメージしきい値を有するレーザーであれば用いることが出来る。
まず準備部分に関して、フッ化クリプトン(KrF)エキシマレーザー発振器から出力された半値幅5ナノ秒程度のレーザーパルス(パルス波形第2図(a))をまずレンズにより集光しピンホールを通過させる。これにより、レーザー光のなかで集光特性の悪い成分はピンホールを通過できないため、レーザー光の空間的な品質が改善される。これは一般には空間フィルターと呼ばれる。ピンホールを通過した広がるレーザー光を再びレンズを用いて平行に戻し、次にエタロンを通過させることによってレーザー光の単色性を高める。これはこの後に用いる誘導散乱の利得を増大させるためである。これらの操作により強度が弱くなったレーザー光をKrFレーザー増幅器中を通過させることによって増幅する。この増幅ではパルス幅の長い、弱いレーザーパルスを増幅しているので、増幅は飽和状態に成らないため、増幅後の波形は大きく変化しない。これは、飽和増幅状態では入力波形に著しく依存し時間的に広がったり、急峻化したりするが、飽和増幅状態でなければ基本的には強度はそれぞれの時刻において利得倍になるためである。
本発明の最初の波長変換に相当する誘導ラマン散乱による効率的な変換を実現するために、予め発振器出力の5ナノ秒のパルス幅のレーザー光を誘導ブリルアン散乱によりパルス幅300ピコ秒程度にパルス圧縮しておく。先の増幅後のレーザーパルスを誘導ブリルアンセルに集光しながら入射する。予めλ/4波長板と偏光子を設置してこの誘導ブリルアン散乱光と入射レーザーを分離出来るようにしてある。誘導ブリルアンセル中にはフッ化炭素系の液体が充填されている。焦点付近に生じた散乱光は先に入射された光路を対向して伝搬しながら成長する。対向して伝搬することによって散乱レーザー光のパルスはその幅が入射レーザー光に対して短くなるパルス圧縮の効果が働く。そのパルスを光電管により計測した波形を第2図(b)に、より時間分解能の高いストリークカメラにより計測した波形を第3図(a)に示す。誘導ブリルアン散乱により形成されたパルスは音波による散乱であり、散乱レーザー光の波長は入射レーザー光の波長とほとんど変わらないため、KrFレーザーにより再び増幅することが可能である。
以上の準備部分から出力されたレーザー光は集光特性、単色性について改善された、時間幅300ピコ秒程度のパルスとなった。このパルスの前部のコントラストを改善して飽和増幅を行い、超短パルスを形成するのが本発明の実施本体部分である。これらの準備部分の必要性は用いる波長変換過程、必要とする最終出力レーザーパルス幅、および個々のレーザーの特性に依存するため、用途によって様々な形態に成りうる。例えば電気光学素子等を用いて上述のパルスを得ることも可能である。
一般に波長変換はレーザー光が相互作用する媒質の非線形な応答を用いるため、波長変換を行うことによってレーザーパルスのピークと前後部分の強度比、すなわちコントラストを大きくするという改善を行うことが出来る。本実施例では媒質の三次の非線形性に基づく誘導後方ラマン散乱という非線形過程により、入力レーザー光をより長波長のレーザー光に変換する。誘導ラマン散乱により形成された散乱レーザー光は分子の分極等による散乱であり、波長は入射レーザー光の波長から大きくシフトする。本実施例においては発振器出力は248nmであるが、メタン媒質を充填したセルにレンズを用いて集光しながら入射することによって誘導ラマン散乱により波長268nmの長波長のレーザー光が対向して伝搬する様に生成される。入射レーザー光と生成ラマン散乱光は波長選択鏡により分離する。他にも二次の非線形性を用いた二倍高調波レーザー光生成によっても同様なコントラストの改善を行うことが出来る。
この誘導ラマン散乱により長波長に変換されたレーザー波形を第3図(b)に、そのレーザー光の有するスペクトルを第4図の点線に示す。この誘導ラマン散乱では後方に散乱される配置を用いたためパルス圧縮効果があるために出力パルス幅は60ピコ秒になっている。点線のスペクトルにはもとのKrFレーザー波長の248nmの成分が無いことが分かる。
高いコントラストを有する波長変換された光は、一般に発振器レーザーの増幅可能な波長範囲から外れている。これを非線形な媒質の応答を用いて元の波長に再び戻す再変換を行う。本実施例では前述の誘導ラマン散乱と同じメタン媒質を用いた四波混合過程を用いて、波長268nmの散乱レーザー光を波長248nmに戻す。具体的にはレンズを用いてセルに集光しながら入射する。焦点付近で波長268nmのレーザー光とそこから形成された波長291nmの光がラマン媒質の非線形性とパラメトリックに相互作用して波長248nmの光を形成する。このプロセスも3次の非線形性に基づいているためコントラストの改善に寄与する。この実施例の出力光のスペクトルを第4図の実線で示す。長波長の高次ストークス光とともに、元のKrFレーザー発振器波長である248nmの成分が形成されていることがわかる。これらのプロセスはパルス立ち上がり部分で、メタン媒質の横緩和時間の約30psより短い時間範囲で過渡状態にあり、生成された光の立ち上がり部分は非常に急峻なものになる。
このようにして形成された非常に高いコントラストを有するレーザー光をレーザー増幅器により飽和増幅すると、立ち上がり部分に短いパルス幅のレーザーが形成される。この飽和増幅とは、個々のレーザーに固有の飽和エネルギー密度よりも高いエネルギー密度を有するレーザーパルスを増幅することである。
KrFレーザー増幅器により飽和増幅後の出力パルス幅を計測した自己相関パルス幅計測結果を第5図に示す。これによるとパルス幅は1.1ピコ秒の超短パルスが形成されていることが示された。この様な著しい短パルス化は、4光波混合セル出力光のKrFレーザー波長成分の立ち上がり部分が、非常に高いコントラストを有していたため、その飽和増幅により実現された。原理的にパルス幅はレーザーのスペクトル幅で制限される値程度である。実施例のKrFエキシマレーザーではそのパルス幅はおよそ100フェムト秒程度になる。
レーザーとしては、KrFエキシマレーザーを用いたが、本発明はエキシマレーザーに限定されることなく、飽和増幅を行うことができる高いレーザーパワーに対するダメージしきい値を有するレーザーであれば用いることが出来る。
超短エキシマレーザーパルスの生成において、高価なモードロックレーザーを用いずに、超短エキシマレーザーパルスの生成を行うことができる。
Claims (8)
- 超短レーザーパルスを発生させる方法において、レーザーパルスを一旦他の波長に変換し、再び元の波長に再変換することにより、該パルスの前方部分のコントラストを改善し、該レーザーの増幅により超短パルスを発生させる方法。
- 上記レーザーは、エキシマレーザーであることを特徴とする請求の範囲第1項記載の超短パルスを発生させる方法。
- 上記レーザーパルスを他波長に変換するのは、誘導ラマン散乱により行い、上記元の波長への再変換は、4光波混合により行うことを特徴とする請求の範囲第2項記載の超短パルスを発生させる方法。
- 上記レーザーの増幅は、飽和増幅であることを特徴とする請求の範囲第1項記載の超短パルスを発生させる方法。
- 超短パルス発生装置において、レーザーパルスを一旦他の波長に変換し、再び元の波長に再変換することにより、該パルスの前方部分のコントラストを改善し、該レーザーの増幅により超短パルスを発生させることを特徴とする超短パルス発生装置。
- 上記レーザーは、エキシマレーザーであることを特徴とする請求の範囲第5項記載の超短パルス発生装置。
- 上記レーザーパルスの他の波長への変換は、誘導ラマン散乱により行い、上記元の波長への再変換は、4光波混合により行うことを特徴とする請求の範囲第5項記載の超短パルス発生装置。
- 上記レーザーの増幅は、飽和増幅であることを特徴とする請求の範囲第5項記載の超短パルス発生装置。
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2003
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