JPWO2004000795A1 - ビニルパーフルオロアルカンスルホン酸エステル誘導体の製造法 - Google Patents
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Abstract
(式中、R1、R2、R3、R4およびR5は同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルコキシ等を表し、R17はトリフルオロメチル等を表し、R18、R19、R20、R21およびR22は同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル等を表す)例えば、上記一般式(I)で表されるカルボニル化合物を、上記一般式(II)で表されるパーフルオロアルカンスルホン酸無水物と、パーフルオロアルカンスルホン酸無水物に対して0.1〜1.0当量の上記一般式(III)で表されるピリジン誘導体存在下、反応させることを特徴とする、医薬品、天然物等の合成における有用な中間体である上記一般式(IV)で表されるビニルパーフルオロアルカンスルホン酸エステル誘導体の安価で簡便な製造する方法を提供する。
Description
本発明は、医薬品、天然物等の合成における有用な中間体であるビニルパーフルオロアルカンスルホン酸エステル誘導体の製造法に関する。
ビニルパーフルオロアルカンスルホン酸エステル誘導体は、医薬品および天然物合成における有用な中間体として幅広く利用されており[例えば、シンセシス(Synthesis)、735頁(1993年)、テトラヘドロン・レターズ(Tetrahedron Lett.)、23巻、117頁(1982年)、同24巻、979頁(1983年)、ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、56巻、3486頁(1991年)、同57巻、976頁(1992年)、同63巻、4135頁(1998年)等]、その安価で簡便な製造法が求められている。
ビニルパーフルオロアルカンスルホン酸エステル誘導体の合成法のひとつとして、塩基の存在下、パーフルオロアルカンスルホン酸無水物をカルボニル化合物に反応させる方法が知られている[シンセシス(Synthesis)、735頁(1993年)]。ケトンまたはアルデヒド等のカルボニル化合物にパーフルオロアルカンスルホン酸無水物を反応させるこの方法では、非常に強い酸であるパーフルオロアルカンスルホン酸が生成し、これによりアルドール縮合体等が副生成物として生成することが大きな問題点である。
これを抑制するためには、塩基の添加が必須であり、ペンテン、クロロホルム、塩化メチレンまたは四塩化炭素溶媒中にカルボニル化合物を溶解し、ピリジン、トリエチルアミン等を塩基としてトリフルオロメタンスルホン酸無水物に対して過剰に添加した後、トリフルオロメタンスルホン酸無水物を添加する方法が報告されている[オーガニック・シンセシス(Org.Synth.)、54巻、79頁(1974年)、シンセシス(Synthesis)、85頁(1982年)]。しかし、この方法では塩基とトリフルオロメタンスルホン酸無水物との塩が生成する。その結果、ビニルトリフルオロメタンスルホン酸エステル誘導体の生成率が低いことや、タール状物質が生じることにより精製が困難であることが記載されている。
上述した問題点を解決する手段として報告されているのが、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルピリジンを塩基として用い、カルボニル化合物にトリフルオロメタンスルホン酸無水物を反応させる方法である[ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ(J.Am.Chem.Soc.)、111巻、8320頁(1989年)、シンセシス(Synthesis)、283頁(1980年)、同49頁(1987年)、同735頁(1993年)]。この2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルピリジンは、立体的因子によりトリフルオロメタンスルホン酸無水物との塩は形成せず、トリフルオロメタンスルホン酸とのみ効率よく塩を形成する。その結果、アルドール縮合体等の副生が抑制され、ビニルトリフルオロメタンスルホン酸エステル誘導体の生成率が向上している。
しかし、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルピリジンは、実験室スケールでの合成には有用であるが、1.大量入手が困難であること、2.高価であること、3.反応系からの除去が困難であることから、製造スケールでの使用には不適切である。
一方、大量入手が容易であり、安価であり、反応系からの除去が容易な炭酸カリウムを塩基として用い、シクロヘキサノンにトリフルオロメタンスルホン酸無水物を反応させるビニルトリフルオロメタンスルホン酸エステル誘導体の製造法[シンセティック・コミュニケーションズ(Synthetic Communications)、29巻、409頁(1999年)]が報告されているが、ビニルトリフルオロメタンスルホン酸エステル誘導体の生成率は低く、大量合成法として満足のゆく方法ではない。
ビニルパーフルオロアルカンスルホン酸エステル誘導体の合成法のひとつとして、塩基の存在下、パーフルオロアルカンスルホン酸無水物をカルボニル化合物に反応させる方法が知られている[シンセシス(Synthesis)、735頁(1993年)]。ケトンまたはアルデヒド等のカルボニル化合物にパーフルオロアルカンスルホン酸無水物を反応させるこの方法では、非常に強い酸であるパーフルオロアルカンスルホン酸が生成し、これによりアルドール縮合体等が副生成物として生成することが大きな問題点である。
これを抑制するためには、塩基の添加が必須であり、ペンテン、クロロホルム、塩化メチレンまたは四塩化炭素溶媒中にカルボニル化合物を溶解し、ピリジン、トリエチルアミン等を塩基としてトリフルオロメタンスルホン酸無水物に対して過剰に添加した後、トリフルオロメタンスルホン酸無水物を添加する方法が報告されている[オーガニック・シンセシス(Org.Synth.)、54巻、79頁(1974年)、シンセシス(Synthesis)、85頁(1982年)]。しかし、この方法では塩基とトリフルオロメタンスルホン酸無水物との塩が生成する。その結果、ビニルトリフルオロメタンスルホン酸エステル誘導体の生成率が低いことや、タール状物質が生じることにより精製が困難であることが記載されている。
上述した問題点を解決する手段として報告されているのが、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルピリジンを塩基として用い、カルボニル化合物にトリフルオロメタンスルホン酸無水物を反応させる方法である[ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ(J.Am.Chem.Soc.)、111巻、8320頁(1989年)、シンセシス(Synthesis)、283頁(1980年)、同49頁(1987年)、同735頁(1993年)]。この2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルピリジンは、立体的因子によりトリフルオロメタンスルホン酸無水物との塩は形成せず、トリフルオロメタンスルホン酸とのみ効率よく塩を形成する。その結果、アルドール縮合体等の副生が抑制され、ビニルトリフルオロメタンスルホン酸エステル誘導体の生成率が向上している。
しかし、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルピリジンは、実験室スケールでの合成には有用であるが、1.大量入手が困難であること、2.高価であること、3.反応系からの除去が困難であることから、製造スケールでの使用には不適切である。
一方、大量入手が容易であり、安価であり、反応系からの除去が容易な炭酸カリウムを塩基として用い、シクロヘキサノンにトリフルオロメタンスルホン酸無水物を反応させるビニルトリフルオロメタンスルホン酸エステル誘導体の製造法[シンセティック・コミュニケーションズ(Synthetic Communications)、29巻、409頁(1999年)]が報告されているが、ビニルトリフルオロメタンスルホン酸エステル誘導体の生成率は低く、大量合成法として満足のゆく方法ではない。
本発明の目的は、安価で大量入手が容易な試薬を用い、医薬品、天然物等の合成における有用な中間体であるビニルパーフルオロアルカンスルホン酸エステル誘導体を安価で簡便に大量スケールで製造する方法を提供することにある。
本発明は、以下の(1)〜(17)に関する。
(1)一般式(I)
{式中、R1、R2、R3、R4およびR5は同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルコキシ、置換もしくは非置換の低級アルコキシカルボニル、置換もしくは非置換の低級アルカノイル、置換もしくは非置換の低級アルカノイルオキシ、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換の低級アルカジエニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のシクロアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルカジエニル、置換もしくは非置換のアラルキル、置換もしくは非置換のアラルキルオキシ、置換もしくは非置換のアラルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアリールオキシ、置換もしくは非置換のアリールオキシカルボニル、置換もしくは非置換の複素環基、ニトロ、ニトロソ、ハロゲン、カルボキシ、−S(O)nR6(式中、nは0または1を表し、R6は置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のアラルキルまたは置換もしくは非置換のアリールを表す)、−P(O)mR6aR6b(式中、mは0または1を表し、R6aおよびR6bは同一または異なって、それぞれ前記R6と同義である)または−NR7R8[式中、R7およびR8は同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のアラルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の低級アルコキシカルボニル、置換もしくは非置換の低級アルカノイル、置換もしくは非置換の低級アルカノイルオキシ、−CONR6cR6d(式中、R6cおよびR6dは同一または異なって、それぞれ前記R6と同義である)または−SO2R6e(式中、R6eは前記R6と同義である)を表す]を表すか、
R1とR2が隣接する炭素原子と一緒になってR9(式中、R9は、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のシクロアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルカジエニルまたは置換もしくは非置換の複素環基を表す)を形成するか、
R4とR5が隣接する炭素原子と一緒になってR10(式中、R10は前記R9と同義である)を形成するか、
R1とR2とR3が隣接する炭素原子と一緒になってR11(式中、R11は置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の複素環基を表す)を形成するか、
R1とR4がそれぞれが隣接する2つの炭素原子およびそれらの間の炭素原子と一緒になって置換もしくは非置換の炭素環または置換もしくは非置換の脂環式複素環を形成するか、または
R1、R2、R3、R4およびR5がそれぞれが隣接する2つの炭素原子およびそれらの間の炭素原子と一緒になって置換もしくは非置換の炭素環、置換もしくは非置換の脂環式複素環または置換もしくは非置換の縮合環を形成する}で表されるカルボニル化合物を、一般式(II)
(式中、R17はフッ素またはパーフルオロアルキルを表す)で表されるパーフルオロアルカンスルホン酸無水物と、パーフルオロアルカンスルホン酸無水物に対して0.1〜1.0当量の一般式(III)
(式中、R18、R19、R20、R21およびR22は同一または異なって、水素原子、ハロゲン、置換もしくは非置換の低級アルキルまたは置換もしくは非置換の低級アルコキシを表すが、ただしR18およびR22がtert−ブチルであるとき、R19およびR21が水素原子であり、かつR20がメチルであることはない)で表されるピリジン誘導体の存在下、反応させることを特徴とする一般式(IV)
(式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR17はそれぞれ前記と同義である)で表されるビニルパーフルオロアルカンスルホン酸エステル誘導体の製造法。
(2)一般式(I)
(式中、R1、R2、R3、R4およびR5はそれぞれ前記と同義である)で表されるカルボニル化合物を、一般式(II)
(式中、R17は前記と同義である)で表されるパーフルオロアルカンスルホン酸無水物とパーフルオロアルカンスルホン酸無水物に対して0.1〜1.0当量の一般式(III)
(式中、R18、R19、R20、R21およびR22はそれぞれ前記と同義である)で表されるピリジン誘導体を含有する懸濁液または溶液に添加し、上記懸濁液または溶液中、一般式(III)で表されるピリジン誘導体が一般式(II)で表されるパーフルオロアルカンスルホン酸無水物に対して1.0当量含有されている場合は、さらに上記一般式(II)で表されるパーフルオロアルカンスルホン酸無水物、水、酸または酸無水物を添加して反応させることを特徴とする一般式(IV)
(式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR17はそれぞれ前記と同義である)で表されるビニルパーフルオロアルカンスルホン酸エステル誘導体の製造法。
(3)一般式(I)
(式中、R1、R2、R3、R4およびR5はそれぞれ前記と同義である)で表されるカルボニル化合物を、一般式(V)
(式中、R19、R20およびR21はそれぞれ前記と同義であり、R18aおよびR22aは同一または異なって水素原子、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシまたはイソプロピルオキシを表す)で表される1−(パーフルオロアルカンスルホニル)ピリジニウムパーフルオロアルカンスルホン酸塩と反応させることを特徴とする一般式(IV)
(式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR17はそれぞれ前記と同義である)で表されるビニルパーフルオロアルカンスルホン酸エステル誘導体の製造法。
(4)一般式(II)
(式中、R17は前記と同義である)で表されるパーフルオロアルカンスルホン酸無水物と一般式(IIIa)
(式中、R18a、R19、R20、R21およびR22aはそれぞれ前記と同義である)で表されるピリジン誘導体から一般式(V)
(式中、R18a、R19、R20、R21およびR22aはそれぞれ前記と同義である)で表される1−(パーフルオロアルカンスルホニル)ピリジニウムパーフルオロアルカンスルホン酸塩を調製し、これを一般式(I)
(式中、R1、R2、R3、R4およびR5はそれぞれ前記と同義である)で表されるカルボニル化合物と反応させることを特徴とする一般式(IV)
(式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR17はそれぞれ前記と同義である)で表されるビニルパーフルオロアルカンスルホン酸エステル誘導体の製造法。
(5)R18およびR22が同一または異なって水素原子、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシまたはイソプロピルオキシである上記(1)または(2)記載の製造法。
(6)R18およびR22が同一または異なって水素原子、ハロゲンまたはメチルである上記(1)または(2)記載の製造法。
(7)R19およびR21が水素原子である上記(1)〜(6)のいずれかに記載の製造法。
(8)R20が水素原子またはメチルである上記(7)記載の製造法。
(9)R18、R19、R20、R21およびR22が水素原子である上記(1)または(2)記載の製造法。
(10)R18a、R19、R20、R21およびR22aが水素原子である上記(3)または(4)記載の製造法。
(11)一般式(II)
(式中、R17は前記と同義である)で表されるパーフルオロアルカンスルホン酸無水物、水、酸または酸無水物を、一般式(II)で表されるパーフルオロアルカンスルホン酸無水物との反応途中でさらに添加することを特徴とする上記(1)〜(10)のいずれかに記載の製造法。
(12)R17がフッ素、トリフルオロメチルまたはノナフルオロ−n−ブチルである上記(1)〜(11)のいずれかに記載の製造法。
(13)R17がフッ素またはトリフルオロメチルである上記(1)〜(11)のいずれかに記載の製造法。
(14)溶媒として塩化メチレン、トルエン、クロロベンゼン、トリフルオロトルエンおよびジクロロベンゼンからなる群より選ばれる少なくとも1種の溶媒を使用する上記(1)〜(13)のいずれかに記載のビニルパーフルオロアルカンスルホン酸エステル誘導体の製造法。
(15)R1とR4がそれぞれが隣接する2つの炭素原子およびそれらの間の炭素原子と一緒になって置換もしくは非置換の炭素環または置換もしくは非置換の脂環式複素環を形成するか、またはR1、R2、R3、R4およびR5がそれぞれが隣接する2つの炭素原子およびそれらの間の炭素原子と一緒になって置換もしくは非置換の炭素環、置換もしくは非置換の脂環式複素環または置換もしくは非置換の縮合環を形成する上記(1)〜(14)のいずれかに記載のビニルパーフルオロアルカンスルホン酸エステル誘導体の製造法。
(16)R1、R2、R3、R4およびR5がそれぞれが隣接する2つの炭素原子およびそれらの間の炭素原子と一緒になって置換もしくは非置換の炭素環を形成する上記(1)〜(14)のいずれかに記載のビニルパーフルオロアルカンスルホン酸エステル誘導体の製造法。
(17)R1、R2、R3、R4およびR5がそれぞれが隣接する2つの炭素原子およびそれらの間の炭素原子と一緒になって置換もしくは非置換の縮合環を形成する上記(1)〜(14)のいずれかに記載のビニルパーフルオロアルカンスルホン酸エステル誘導体の製造法。
以下、一般式(I)、(II)、(III)、(IIIa)、(IV)および(V)で表される化合物を、それぞれ化合物(I)、(II)、(III)、(IIIa)、(IV)および(V)という。他の式番号で表される化合物についても同様である。
一般式(I)、(II)、(III)、(IIIa)、(IV)および(V)の各基の定義において、
(a)低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシカルボニル、低級アルカノイル、低級アルカノイルオキシおよびパーフルオロアルキルのアルキル部分としては、例えば直鎖または分枝状の炭素数1〜9のアルキル、具体的にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、ノニル、デシル等があげられる。
(b)低級アルケニルとしては、例えば直鎖または分枝状の炭素数2〜6のアルケニル、具体的にはビニル、アリル、1−プロペニル、メタクリル、クロチル、1−ブテニル、3−ブテニル、2−ペンテニル、4−ペンテニル、2−ヘキセニル、5−ヘキセニル等があげられる。
(c)低級アルキニルとしては、例えば直鎖または分枝状の炭素数2〜6のアルキニル、具体的にはエチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル等があげられる。
(d)低級アルカジエニルとしては、例えば直鎖または分枝状の炭素数2〜8のアルカジエニル、具体的には1,3−ブタジエニル、1,3−ペンタジエニル、2,4−ペンタジエニル、1,5−ジメチル−1,4−ヘキサジエニル等があげられる。
(e)シクロアルキルとしては、例えば炭素数3〜8のシクロアルキル、具体的にはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等があげられる。
(f)シクロアルケニルとしては、例えば炭素数4〜8のシクロアルケニル、具体的にはシクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル等があげられる。
(g)シクロアルキニルとしては、例えば炭素数4〜8のシクロアルキニル、具体的にはシクロブチニル、シクロペンチニル、シクロヘキシニル、シクロヘプチニル、シクロオクチニル等があげられる。
(h)シクロアルカジエニルとしては、例えば炭素数4〜8のシクロアルカジエニル、具体的にはシクロブタジエニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプタジエニル、シクロオクタジエニル等があげられる。
(i)アラルキル、アラルキルオキシおよびアラルキルオキシカルボニルのアルキレン部分は、前記低級アルキルの定義から水素原子を1つ除いたものと同義である。
(j)アリール、アリールオキシ、アリールオキシカルボニル、アラルキル、アラルキルオキシおよびアラルキルオキシカルボニルのアリール部分としては、例えば炭素数6〜14のアリール、具体的にはフェニル、ナフチル、アントリル等があげられる。
(k)複素環基としては、芳香族複素環基および脂環式複素環基があげられる。
芳香族複素環基としては、例えば窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む5員または6員の単環性芳香族複素環基、3〜8員の環が縮合した二環または三環性で窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む縮環性芳香族複素環基等があげられ、具体的にはピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ベンゾイミダゾリル、2−オキソベンゾイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、プリニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾジオキソリル、インダゾリル、インドリル、イソインドリル、プリニル、キノリル、イソキノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、ピロリル、ピラゾリル、キナゾリニル、シンノリニル、トリアゾリル、テトラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チエニル、フリル等があげられる。
脂環式複素環基としては、例えば窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む5員または6員の単環性脂環式複素環基、3〜8員の環が縮合した二環または三環性で窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む縮環性脂環式複素環基等があげられ、具体的にはピロリジニル、2,5−ジオキソピロリジニル、チアゾリジニル、オキサゾリジニル、ピペリジル、ピペリジノ、ピペラジニル、ホモピペラジニル、ホモピペリジル、ホモピペリジノ、モルホリニル、モルホリノ、チオモルホリニル、チオモルホリノ、ピラニル、テトラヒドロピリジル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロキノリル、テトラヒドロイソキノリル、オクタヒドロキノリル、インドリニル等があげられる。
(l)ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素の各原子があげられる。
(m)それぞれが隣接する2つの炭素原子およびそれらの間の炭素原子と一緒になって形成される縮合環としては、例えば炭素数6〜60の、好ましくは炭素数6〜30の、3〜8員の環が縮合した二環〜九環系の縮合環等があげられ、各環は飽和でも不飽和でもよく、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等の原子を含んでいてもよい。具体的にはピレン、シクロペンタノフェナンスレン、ジベンゾペンタフェン、ビオラントレン等、ステロイド系骨格を有する例えばゴナン、プレグナン、エストラン、コレスタン、アンドロスタン、エストラ−1,3,5(10)−トリエン等のエストラトリエン、アンドロスタ−4−エン等のアンドロスタエン、プレグナ−4−エン、エストラペンタエン、コレスタ−4−エン、コレスタ−5−エン、コレスタ−7−エン等のコレスタエン、コレスタ−3,5−ジエン等のコレスタジエン等があげられる。
(n)それぞれが隣接する2つの炭素原子およびそれらの間の炭素原子と一緒になって形成される炭素環としては、例えばシクロアルカン、シクロアルケン、シクロアルキン、シクロアルカジエン等があげられる。
シクロアルカンとしては、例えば炭素数3〜8のシクロアルカン、具体的にはシクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等があげられ、シクロアルケンとしては、例えば炭素数4〜8のシクロアルケン、具体的にはシクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン等があげられ、シクロアルキンとしては、例えば炭素数4〜8のシクロアルキン、具体的にはシクロブチン、シクロペンチン、シクロヘキシン、シクロヘプチン、シクロオクチン等があげられ、シクロアルカジエンとしては、例えば炭素数4〜8のシクロアルカジエン、具体的にはシクロブタジエン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロヘプタジエン、シクロオクタジエン等があげられる。
(o)それぞれが隣接する2つの炭素原子およびそれらの間の炭素原子と一緒になって形成される脂環式複素環としては、例えば窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む5員または6員の単環性脂環式複素環基、3〜8員の環が縮合した二環または三環性で窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む縮環性脂環式複素環基等があげられ、具体的にはピロリジン、イソチアゾリジン、イソオキサゾリジン、ピラゾリジン、ピペリジン、ホモピペラジン、ホモピペリジン、テトラヒドロピリジン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロキノリン、テトラヒドロイソキノリン、オクタヒドロキノリン、インドリン等があげられる。
(p)置換低級アルキル、置換低級アルコキシ、置換低級アルコキシカルボニル、置換低級アルカノイルおよび置換低級アルカノイオキシにおける置換基としては、同一または異なって置換数1〜置換可能な数(該置換可能な数とは、化合物の構造上置換可能である数のことを示す)の、好ましくは置換数1〜3の、例えば置換もしくは非置換の低級アルコキシ、置換もしくは非置換の低級アルコキシカルボニル、置換もしくは非置換の低級アルカノイル、置換もしくは非置換の低級アルカノイルオキシ、シクロアルキル、ハロゲン、ニトロ、ニトロソ、カルボキシ、ヒドロキシ、オキソ、置換もしくは非置換の複素環基等があげられる。また、隣接する2つの炭素原子上もしくは1つの炭素原子上の2つの置換基が、それぞれが隣接する炭素原子と一緒になって、例えば置換もしくは非置換の炭素環、置換もしくは非置換の芳香族炭素環等の環を形成してもよい。置換位置は特に限定されない。
ここで示した低級アルコキシ、低級アルコキシカルボニル、低級アルカノイルおよび低級アルカノイルオキシの低級アルキル部分、シクロアルキル、ハロゲンならびに複素環基は、それぞれ前記低級アルキル(a)、シクロアルキル(e)、ハロゲン(l)および複素環基(k)と同義である。
また、ここで示した2つの置換基が、それぞれが隣接する2つの炭素原子もしくは同一炭素原子と一緒になって形成される炭素環は前記それぞれが隣接する2つの炭素原子およびそれらの間の炭素原子と一緒になって形成される炭素環(n)と同義であり、芳香族炭素環としては、例えばベンゼン、ナフタレン、アントラセン、インダン等があげられる。
また、ここで示した置換低級アルコキシ、置換低級アルコキシカルボニル、置換低級アルカノイル、置換低級アルカノイルオキシ、置換複素環基、置換炭素環および置換芳香族炭素環における置換基としては、同一または異なって例えば置換数1〜3の、ハロゲン(該ハロゲンは前記ハロゲン(l)と同義である)、低級アルコキシ(該低級アルコキシの低級アルキル部分は前記低級アルキル(a)と同義である)、低級アルキル(該低級アルキルは前記低級アルキル(a)と同義である)等があげられる。
(q)置換低級アルケニル、置換低級アルキニル、置換低級アルカジエニル、置換シクロアルキル、置換シクロアルケニル、置換シクロアルキニル、置換シクロアルカジエニル、置換アリール、置換アリールオキシ、置換アリールオキシカルボニル、置換アラルキル、置換アラルキルオキシ、置換アラルキルオキシカルボニル、置換複素環基、それぞれが隣接する2つの炭素原子およびそれらの間の炭素原子と一緒になって形成される置換炭素環、それぞれが隣接する2つの炭素原子およびそれらの間の炭素原子と一緒になって形成される置換脂環式複素環およびそれぞれが隣接する2つの炭素原子およびそれらの間の炭素原子と一緒になって形成される置換縮合環における置換基としては、同一または異なって置換数1〜置換可能な数(該置換可能な数とは、例えば化合物の構造上置換可能である数のことを示す)の、例えば前記置換低級アルキルにおける置換基(p)であげた基に加え、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の複素環基等があげられる。置換位置は特に限定されない。
ここで示した低級アルキル、アリールおよび複素環基は、それぞれ前記低級アルキル(a)、アリール(j)および複素環基(k)と同義である。
また、ここで示した置換低級アルキル、置換アリールおよび置換複素環基における置換基は、前記置換低級アルキルにおける置換基(p)と同義である。
本発明において、
(r)酸としては、例えば塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸等があげられる。
(s)酸無水物としては、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸等の無水物等があげられる。
(t)化合物(II)と化合物(III)を含有する懸濁液または溶液としては、化合物(II)と化合物(III)を例えばペンテン、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、N−メチルピペリドン、酢酸エチル、トルエン、トリフルオロトルエン等にまたはそれらの混合溶媒に懸濁または溶解したもの等があげられる。中でも塩化メチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トルエンまたはトリフルオロトルエンに懸濁または溶解したものがより好ましい。
以下に、化合物(IV)の製造法の例について説明する。
製造法1:
化合物(IV)は、以下の工程により製造することができる。
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R17、R18、R19、R20、R21およびR22は、それぞれ前記と同義である)
化合物(IV)は、化合物(II)に対して0.1〜1.0当量、好ましくは0.3〜1.0当量、より好ましくは0.8〜1.0当量の化合物(III)の存在下、化合物(I)を溶媒に溶解または懸濁し、得られた溶解液または懸濁液に化合物(II)を添加攪拌し、反応させることにより得ることができる。なお、化合物(II)を添加する際には、これを一括で添加してもよいが、反応の進行に合わせて滴下してもよい。
化合物(II)は、化合物(I)に対して好ましくは1.0〜5.0当量、より好ましくは1.0〜2.5当量、さらに好ましくは1.0〜1.5当量用いられる。
また、反応の途中で、適宜化合物(II)、水、酸または酸無水物等を、化合物(I)に対して好ましくは0.005〜1.0当量、より好ましくは0.01〜0.5当量をさらに追加添加することも可能である。酸としては、例えば塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸等が用いられ、酸無水物としては、例えば酢酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸等の無水物等が用いられる。なお、この追加添加は、反応の進行にあわせて適宜数回行ってもよい。
溶媒としては、例えばペンテン、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、N−メチルピペリドン、酢酸エチル、トルエン、トリフルオロトルエン等があげられ、それらは単独でまたは混合して用いられ、中でも塩化メチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トルエン、トリフルオロトルエン等がより好ましい。
反応は、0℃から用いる溶媒の沸点の間の温度で、より好ましくは15℃から50℃の間の温度で行われ、通常2〜72時間で終了する。
製造法2:
化合物(IV)は、以下の工程によっても製造することができる。
化合物(IV)は、化合物(I)を、化合物(II)と化合物(II)に対して0.1〜1.0当量の化合物(III)を含有する懸濁液または溶液に添加攪拌し、反応させることにより得ることができる。ただし、化合物(III)が化合物(II)に対して1.0当量である場合には、化合物(II)、水、酸または酸無水物をさらに添加する。なお、化合物(I)を添加する際には、これを一括で添加してもよいが、反応の進行に合わせて分割添加または滴下してもよい。
化合物(II)は、化合物(I)に対して好ましくは1.0〜5.0当量、より好ましくは1.0〜2.5当量、さらに好ましくは1.0〜1.5当量用いられる。
化合物(III)は、化合物(II)に対して0.1〜1.0当量用いられるが、好ましくは0.3〜1.0当量、より好ましくは0.8〜1.0当量用いられる。
また、反応の途中で、適宜化合物(II)、水、酸または酸無水物等を、化合物(I)に対して好ましくは0.005〜1.0当量、より好ましくは0.01〜0.5当量をさらに追加添加することも可能である。酸としては、例えば塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸等が用いられ、酸無水物としては、例えば酢酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸等の無水物等が用いられる。なお、この追加添加は、反応の進行にあわせて適宜数回行ってもよい。
化合物(II)と化合物(III)を含有する懸濁液または溶液としては、化合物(II)と化合物(III)を例えばペンテン、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、N−メチルピペリドン、酢酸エチル、トルエン、トリフルオロトルエン等にまたはそれらの混合溶媒に懸濁または溶解したもの等があげられる。中でも塩化メチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トルエンまたはトリフルオロトルエンに懸濁または溶解したものがより好ましい。
また、化合物(I)を添加するとき、必要に応じて溶媒に溶解して添加することも可能である。溶媒としては、例えばペンテン、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、N−メチルピペリドン、酢酸エチル、トルエン、トリフルオロトルエン等があげられ、それらは単独でまたは混合して用いられ、中でも塩化メチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トルエン、トリフルオロトルエン等がより好ましい。
反応は、0℃から用いる溶媒の沸点の間の温度で、より好ましくは15℃から50℃の間の温度で行われ、通常2〜72時間で終了する。
製造法3:
化合物(IV)は、以下の工程によっても製造することができる。
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R17、R18a、R19、R20、R21およびR22aは、それぞれ前記と同義である)
工程1:化合物(V)の調製
化合物(II)を溶媒に溶解または懸濁する。得られた溶液または懸濁液に化合物(IIIa)を冷却下で添加し、0℃から40℃の間の温度で、15分間から2時間攪拌することにより化合物(V)の溶液または懸濁液が調製される。得られる化合物(V)は精製することなく次工程の反応に用いることができ、化合物(V)の溶液または懸濁液としてそのまま用いることもできるが、該溶液または懸濁液を濃縮、濾過等に付すことにより得られる固体を次工程の反応に用いてもよい。
化合物(IIIa)は、化合物(II)に対して0.1〜1.0当量用いられるが、好ましくは0.3〜1.0当量、より好ましくは0.8〜1.0当量用いられる。
溶媒としては、例えばペンテン、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、N−メチルピペリドン、酢酸エチル、トルエン、トリフルオロトルエン等があげられ、それらは単独でまたは混合して用いられ、中でも塩化メチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トルエン、トリフルオロトルエン等がより好ましい。
工程2:
化合物(I)を溶媒中で、工程1で得られる化合物(V)と反応させることにより化合物(IV)を得ることができる。この際、化合物(I)を溶媒に溶解または懸濁し、ここへ化合物(V)を添加してもよいが、化合物(V)の溶液または懸濁液に、化合物(I)を添加することも可能である。なお、化合物(V)または化合物(I)を添加する際には、これを一括で添加してもよいが、溶媒に溶解または懸濁して反応の進行に合わせて滴下してもよい。
化合物(V)は、化合物(I)に対して好ましくは1.0〜5.0当量、より好ましくは1.0〜3.0当量用いられる。
また、化合物(V)または化合物(I)の添加後、反応の途中で、適宜化合物(II)、水、酸または酸無水物を、化合物(I)に対して好ましくは0.005〜1.0当量、より好ましくは0.01〜0.5当量をさらに追加添加することも可能である。酸としては、例えば塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸等が用いられ、酸無水物としては、例えば酢酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸等の無水物が用いられる。なお、この追加添加は、反応の進行にあわせて適宜数回行ってもよい。
溶媒としては、例えばペンテン、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、N−メチルピペリドン、酢酸エチル、トルエン、トリフルオロトルエン等があげられ、それらは単独でまたは混合して用いられ、中でも塩化メチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トルエン、トリフルオロトルエン等がより好ましい。
反応は、0℃から用いる溶媒の沸点の間の温度で、より好ましくは15℃から50℃の間の温度で行われ、通常2〜72時間で終了する。
なお、上記の各製造法において、反応はアルゴンまたは窒素雰囲気下で行われることが好ましいが、通常の大気中で実施することも可能である。
原料化合物(I)は、市販品としてまたは既知のカルボニル化合物合成法[例えば新実験化学講座14(有機化合物の合成と反応II)、751頁(1977年)、丸善、第4版実験化学講座(有機合成III)、21巻、149頁(1991年)、丸善、オーガニック・ファンクショナル・グループ・プレパレーションズ・セカンド・エディション(Organic Functional Group Preparations Second Edition)、サンドラー(S.R.Sandler)、カロ(W.Karo)著、アカデミック・プレス(Academic Press)(1989年)、サーベイ・オブ・オーガニック・シンセシス(Survey of Organic Synthesis)、2巻、バウラー(C.A.Buehler)、パーソン(D.E.Pearson)著、ワイリー−インターサイエンス・パブリケーション・ジョン・ワイリー・アンド・サンズ(Wiley−Interscience Publication John Wiely & Sons)(1992年)等]等により得られる。
なお、上記の各製造法において、化合物(I)の定義した基が反応条件下で変化するか、または方法を実施するのに不適切な場合、有機合成化学で常用される方法、例えば官能基の保護、脱保護[例えば、プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス第3版(Protective Groups in Organic Synthesis,third edition)、グリーン(T.W.Greene)著、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ・インコーポレイテッド(John Wiley & Sons Inc.)(1999年)]等の手段に付すことにより容易に製造を実施することができる。また、上記の各製造法において、化合物(I)の定義した基に化合物(II)と塩を形成すると考えられる窒素原子を有する場合には、予め例えばトリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸またはそれらの無水物等と該窒素原子で塩を形成させたものを原料として反応に用いるのが好ましい。
上記各製造法で得られる化合物(IV)および化合物(V)は、有機合成化学で常用される分離精製法、例えば、濾過、抽出、洗浄、乾燥、濃縮、再結晶、蒸留、活性炭処理、各種クロマトグラフィー等に付して単離精製することができる。とりわけ、反応後に残存する化合物(II)、化合物(III)および副生する化合物(III)のパーフルオロアルカンスルホン酸塩に関しては、濾過、抽出、洗浄等を適宜組み合わせることにより簡便に除去できる。
また、化合物(V)は、特に精製することなく上記製造法に使用することも可能である。さらに、化合物(IV)は、特に精製することなく、医薬品、天然物等の合成中間体として、次反応にそのまま使用することも可能である。
上記各製造法における原料化合物または中間体の中には、反応条件等により、例えばトリフルオロメタンスルホン酸塩、塩酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩等の塩の形態で存在し得るものもあるが、これらは、そのまままたは遊離の形で使用することができる。これら原料化合物または中間体を、塩の形態で使用または取得したい場合には、原料化合物または中間体の塩が得られるときはそのまま使用または取得すればよい。また原料化合物または中間体を遊離の形で使用または取得したい場合には、これらを適当な溶媒に溶解または懸濁し、例えば炭酸水素ナトリウム水溶液等の塩基、塩酸、酢酸等の酸等で中和することにより遊離の形へ変換できる。
化合物(I)および(IV)の中には、位置異性体、幾何異性体または光学異性体のような異性体が存在し得るものもあるが、これらを含め可能な全ての異性体および該異性体のいかなる比率における混合物も本発明の原料として使用されまたは本発明で製造され得る。
化合物(IV)の塩を取得したい場合には、化合物(IV)の塩が得られるときはそのまま精製すればよく、また化合物(IV)が遊離の形で得られるときは化合物(IV)を適当な溶媒に溶解または懸濁し、酸または塩基を加えて塩を形成させればよい。
また、化合物(IV)は、水または各種溶媒との付加物の形で存在することもあるが、これらの付加物も本発明の製造法で製造され得る。
本発明によって得られる化合物(IV)の具体例を第1表に示す。
本発明の製造法により得られる化合物(IV)は、医薬品、天然物等の合成における有用な中間体であり、例えば鈴木−宮浦反応、クロスカップリング反応、炭素−炭素結合形成反応、CO導入反応、野崎−檜山反応等[例えば、シンセシス(Synthesis)、735頁(1993年)、テトラヘドロン・レターズ(Tetrahedron Lett.)、23巻、117頁(1982年)、同24巻、979頁(1983年)、ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chm.)、56巻、3486頁(1991年)、同57巻、976頁(1992年)、同63巻、4135頁(1998年)、シンセティック・コミュニケーションズ(Synthetic Communications)、29巻、409頁(1999年)等]に使用される。
本発明は、以下の(1)〜(17)に関する。
(1)一般式(I)
{式中、R1、R2、R3、R4およびR5は同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルコキシ、置換もしくは非置換の低級アルコキシカルボニル、置換もしくは非置換の低級アルカノイル、置換もしくは非置換の低級アルカノイルオキシ、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換の低級アルカジエニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のシクロアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルカジエニル、置換もしくは非置換のアラルキル、置換もしくは非置換のアラルキルオキシ、置換もしくは非置換のアラルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアリールオキシ、置換もしくは非置換のアリールオキシカルボニル、置換もしくは非置換の複素環基、ニトロ、ニトロソ、ハロゲン、カルボキシ、−S(O)nR6(式中、nは0または1を表し、R6は置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のアラルキルまたは置換もしくは非置換のアリールを表す)、−P(O)mR6aR6b(式中、mは0または1を表し、R6aおよびR6bは同一または異なって、それぞれ前記R6と同義である)または−NR7R8[式中、R7およびR8は同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のアラルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の低級アルコキシカルボニル、置換もしくは非置換の低級アルカノイル、置換もしくは非置換の低級アルカノイルオキシ、−CONR6cR6d(式中、R6cおよびR6dは同一または異なって、それぞれ前記R6と同義である)または−SO2R6e(式中、R6eは前記R6と同義である)を表す]を表すか、
R1とR2が隣接する炭素原子と一緒になってR9(式中、R9は、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のシクロアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルカジエニルまたは置換もしくは非置換の複素環基を表す)を形成するか、
R4とR5が隣接する炭素原子と一緒になってR10(式中、R10は前記R9と同義である)を形成するか、
R1とR2とR3が隣接する炭素原子と一緒になってR11(式中、R11は置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の複素環基を表す)を形成するか、
R1とR4がそれぞれが隣接する2つの炭素原子およびそれらの間の炭素原子と一緒になって置換もしくは非置換の炭素環または置換もしくは非置換の脂環式複素環を形成するか、または
R1、R2、R3、R4およびR5がそれぞれが隣接する2つの炭素原子およびそれらの間の炭素原子と一緒になって置換もしくは非置換の炭素環、置換もしくは非置換の脂環式複素環または置換もしくは非置換の縮合環を形成する}で表されるカルボニル化合物を、一般式(II)
(式中、R17はフッ素またはパーフルオロアルキルを表す)で表されるパーフルオロアルカンスルホン酸無水物と、パーフルオロアルカンスルホン酸無水物に対して0.1〜1.0当量の一般式(III)
(式中、R18、R19、R20、R21およびR22は同一または異なって、水素原子、ハロゲン、置換もしくは非置換の低級アルキルまたは置換もしくは非置換の低級アルコキシを表すが、ただしR18およびR22がtert−ブチルであるとき、R19およびR21が水素原子であり、かつR20がメチルであることはない)で表されるピリジン誘導体の存在下、反応させることを特徴とする一般式(IV)
(式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR17はそれぞれ前記と同義である)で表されるビニルパーフルオロアルカンスルホン酸エステル誘導体の製造法。
(2)一般式(I)
(式中、R1、R2、R3、R4およびR5はそれぞれ前記と同義である)で表されるカルボニル化合物を、一般式(II)
(式中、R17は前記と同義である)で表されるパーフルオロアルカンスルホン酸無水物とパーフルオロアルカンスルホン酸無水物に対して0.1〜1.0当量の一般式(III)
(式中、R18、R19、R20、R21およびR22はそれぞれ前記と同義である)で表されるピリジン誘導体を含有する懸濁液または溶液に添加し、上記懸濁液または溶液中、一般式(III)で表されるピリジン誘導体が一般式(II)で表されるパーフルオロアルカンスルホン酸無水物に対して1.0当量含有されている場合は、さらに上記一般式(II)で表されるパーフルオロアルカンスルホン酸無水物、水、酸または酸無水物を添加して反応させることを特徴とする一般式(IV)
(式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR17はそれぞれ前記と同義である)で表されるビニルパーフルオロアルカンスルホン酸エステル誘導体の製造法。
(3)一般式(I)
(式中、R1、R2、R3、R4およびR5はそれぞれ前記と同義である)で表されるカルボニル化合物を、一般式(V)
(式中、R19、R20およびR21はそれぞれ前記と同義であり、R18aおよびR22aは同一または異なって水素原子、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシまたはイソプロピルオキシを表す)で表される1−(パーフルオロアルカンスルホニル)ピリジニウムパーフルオロアルカンスルホン酸塩と反応させることを特徴とする一般式(IV)
(式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR17はそれぞれ前記と同義である)で表されるビニルパーフルオロアルカンスルホン酸エステル誘導体の製造法。
(4)一般式(II)
(式中、R17は前記と同義である)で表されるパーフルオロアルカンスルホン酸無水物と一般式(IIIa)
(式中、R18a、R19、R20、R21およびR22aはそれぞれ前記と同義である)で表されるピリジン誘導体から一般式(V)
(式中、R18a、R19、R20、R21およびR22aはそれぞれ前記と同義である)で表される1−(パーフルオロアルカンスルホニル)ピリジニウムパーフルオロアルカンスルホン酸塩を調製し、これを一般式(I)
(式中、R1、R2、R3、R4およびR5はそれぞれ前記と同義である)で表されるカルボニル化合物と反応させることを特徴とする一般式(IV)
(式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR17はそれぞれ前記と同義である)で表されるビニルパーフルオロアルカンスルホン酸エステル誘導体の製造法。
(5)R18およびR22が同一または異なって水素原子、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシまたはイソプロピルオキシである上記(1)または(2)記載の製造法。
(6)R18およびR22が同一または異なって水素原子、ハロゲンまたはメチルである上記(1)または(2)記載の製造法。
(7)R19およびR21が水素原子である上記(1)〜(6)のいずれかに記載の製造法。
(8)R20が水素原子またはメチルである上記(7)記載の製造法。
(9)R18、R19、R20、R21およびR22が水素原子である上記(1)または(2)記載の製造法。
(10)R18a、R19、R20、R21およびR22aが水素原子である上記(3)または(4)記載の製造法。
(11)一般式(II)
(式中、R17は前記と同義である)で表されるパーフルオロアルカンスルホン酸無水物、水、酸または酸無水物を、一般式(II)で表されるパーフルオロアルカンスルホン酸無水物との反応途中でさらに添加することを特徴とする上記(1)〜(10)のいずれかに記載の製造法。
(12)R17がフッ素、トリフルオロメチルまたはノナフルオロ−n−ブチルである上記(1)〜(11)のいずれかに記載の製造法。
(13)R17がフッ素またはトリフルオロメチルである上記(1)〜(11)のいずれかに記載の製造法。
(14)溶媒として塩化メチレン、トルエン、クロロベンゼン、トリフルオロトルエンおよびジクロロベンゼンからなる群より選ばれる少なくとも1種の溶媒を使用する上記(1)〜(13)のいずれかに記載のビニルパーフルオロアルカンスルホン酸エステル誘導体の製造法。
(15)R1とR4がそれぞれが隣接する2つの炭素原子およびそれらの間の炭素原子と一緒になって置換もしくは非置換の炭素環または置換もしくは非置換の脂環式複素環を形成するか、またはR1、R2、R3、R4およびR5がそれぞれが隣接する2つの炭素原子およびそれらの間の炭素原子と一緒になって置換もしくは非置換の炭素環、置換もしくは非置換の脂環式複素環または置換もしくは非置換の縮合環を形成する上記(1)〜(14)のいずれかに記載のビニルパーフルオロアルカンスルホン酸エステル誘導体の製造法。
(16)R1、R2、R3、R4およびR5がそれぞれが隣接する2つの炭素原子およびそれらの間の炭素原子と一緒になって置換もしくは非置換の炭素環を形成する上記(1)〜(14)のいずれかに記載のビニルパーフルオロアルカンスルホン酸エステル誘導体の製造法。
(17)R1、R2、R3、R4およびR5がそれぞれが隣接する2つの炭素原子およびそれらの間の炭素原子と一緒になって置換もしくは非置換の縮合環を形成する上記(1)〜(14)のいずれかに記載のビニルパーフルオロアルカンスルホン酸エステル誘導体の製造法。
以下、一般式(I)、(II)、(III)、(IIIa)、(IV)および(V)で表される化合物を、それぞれ化合物(I)、(II)、(III)、(IIIa)、(IV)および(V)という。他の式番号で表される化合物についても同様である。
一般式(I)、(II)、(III)、(IIIa)、(IV)および(V)の各基の定義において、
(a)低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシカルボニル、低級アルカノイル、低級アルカノイルオキシおよびパーフルオロアルキルのアルキル部分としては、例えば直鎖または分枝状の炭素数1〜9のアルキル、具体的にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、ノニル、デシル等があげられる。
(b)低級アルケニルとしては、例えば直鎖または分枝状の炭素数2〜6のアルケニル、具体的にはビニル、アリル、1−プロペニル、メタクリル、クロチル、1−ブテニル、3−ブテニル、2−ペンテニル、4−ペンテニル、2−ヘキセニル、5−ヘキセニル等があげられる。
(c)低級アルキニルとしては、例えば直鎖または分枝状の炭素数2〜6のアルキニル、具体的にはエチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル等があげられる。
(d)低級アルカジエニルとしては、例えば直鎖または分枝状の炭素数2〜8のアルカジエニル、具体的には1,3−ブタジエニル、1,3−ペンタジエニル、2,4−ペンタジエニル、1,5−ジメチル−1,4−ヘキサジエニル等があげられる。
(e)シクロアルキルとしては、例えば炭素数3〜8のシクロアルキル、具体的にはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等があげられる。
(f)シクロアルケニルとしては、例えば炭素数4〜8のシクロアルケニル、具体的にはシクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル等があげられる。
(g)シクロアルキニルとしては、例えば炭素数4〜8のシクロアルキニル、具体的にはシクロブチニル、シクロペンチニル、シクロヘキシニル、シクロヘプチニル、シクロオクチニル等があげられる。
(h)シクロアルカジエニルとしては、例えば炭素数4〜8のシクロアルカジエニル、具体的にはシクロブタジエニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプタジエニル、シクロオクタジエニル等があげられる。
(i)アラルキル、アラルキルオキシおよびアラルキルオキシカルボニルのアルキレン部分は、前記低級アルキルの定義から水素原子を1つ除いたものと同義である。
(j)アリール、アリールオキシ、アリールオキシカルボニル、アラルキル、アラルキルオキシおよびアラルキルオキシカルボニルのアリール部分としては、例えば炭素数6〜14のアリール、具体的にはフェニル、ナフチル、アントリル等があげられる。
(k)複素環基としては、芳香族複素環基および脂環式複素環基があげられる。
芳香族複素環基としては、例えば窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む5員または6員の単環性芳香族複素環基、3〜8員の環が縮合した二環または三環性で窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む縮環性芳香族複素環基等があげられ、具体的にはピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ベンゾイミダゾリル、2−オキソベンゾイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、プリニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾジオキソリル、インダゾリル、インドリル、イソインドリル、プリニル、キノリル、イソキノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、ピロリル、ピラゾリル、キナゾリニル、シンノリニル、トリアゾリル、テトラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チエニル、フリル等があげられる。
脂環式複素環基としては、例えば窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む5員または6員の単環性脂環式複素環基、3〜8員の環が縮合した二環または三環性で窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む縮環性脂環式複素環基等があげられ、具体的にはピロリジニル、2,5−ジオキソピロリジニル、チアゾリジニル、オキサゾリジニル、ピペリジル、ピペリジノ、ピペラジニル、ホモピペラジニル、ホモピペリジル、ホモピペリジノ、モルホリニル、モルホリノ、チオモルホリニル、チオモルホリノ、ピラニル、テトラヒドロピリジル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロキノリル、テトラヒドロイソキノリル、オクタヒドロキノリル、インドリニル等があげられる。
(l)ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素の各原子があげられる。
(m)それぞれが隣接する2つの炭素原子およびそれらの間の炭素原子と一緒になって形成される縮合環としては、例えば炭素数6〜60の、好ましくは炭素数6〜30の、3〜8員の環が縮合した二環〜九環系の縮合環等があげられ、各環は飽和でも不飽和でもよく、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等の原子を含んでいてもよい。具体的にはピレン、シクロペンタノフェナンスレン、ジベンゾペンタフェン、ビオラントレン等、ステロイド系骨格を有する例えばゴナン、プレグナン、エストラン、コレスタン、アンドロスタン、エストラ−1,3,5(10)−トリエン等のエストラトリエン、アンドロスタ−4−エン等のアンドロスタエン、プレグナ−4−エン、エストラペンタエン、コレスタ−4−エン、コレスタ−5−エン、コレスタ−7−エン等のコレスタエン、コレスタ−3,5−ジエン等のコレスタジエン等があげられる。
(n)それぞれが隣接する2つの炭素原子およびそれらの間の炭素原子と一緒になって形成される炭素環としては、例えばシクロアルカン、シクロアルケン、シクロアルキン、シクロアルカジエン等があげられる。
シクロアルカンとしては、例えば炭素数3〜8のシクロアルカン、具体的にはシクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等があげられ、シクロアルケンとしては、例えば炭素数4〜8のシクロアルケン、具体的にはシクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン等があげられ、シクロアルキンとしては、例えば炭素数4〜8のシクロアルキン、具体的にはシクロブチン、シクロペンチン、シクロヘキシン、シクロヘプチン、シクロオクチン等があげられ、シクロアルカジエンとしては、例えば炭素数4〜8のシクロアルカジエン、具体的にはシクロブタジエン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロヘプタジエン、シクロオクタジエン等があげられる。
(o)それぞれが隣接する2つの炭素原子およびそれらの間の炭素原子と一緒になって形成される脂環式複素環としては、例えば窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む5員または6員の単環性脂環式複素環基、3〜8員の環が縮合した二環または三環性で窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む縮環性脂環式複素環基等があげられ、具体的にはピロリジン、イソチアゾリジン、イソオキサゾリジン、ピラゾリジン、ピペリジン、ホモピペラジン、ホモピペリジン、テトラヒドロピリジン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロキノリン、テトラヒドロイソキノリン、オクタヒドロキノリン、インドリン等があげられる。
(p)置換低級アルキル、置換低級アルコキシ、置換低級アルコキシカルボニル、置換低級アルカノイルおよび置換低級アルカノイオキシにおける置換基としては、同一または異なって置換数1〜置換可能な数(該置換可能な数とは、化合物の構造上置換可能である数のことを示す)の、好ましくは置換数1〜3の、例えば置換もしくは非置換の低級アルコキシ、置換もしくは非置換の低級アルコキシカルボニル、置換もしくは非置換の低級アルカノイル、置換もしくは非置換の低級アルカノイルオキシ、シクロアルキル、ハロゲン、ニトロ、ニトロソ、カルボキシ、ヒドロキシ、オキソ、置換もしくは非置換の複素環基等があげられる。また、隣接する2つの炭素原子上もしくは1つの炭素原子上の2つの置換基が、それぞれが隣接する炭素原子と一緒になって、例えば置換もしくは非置換の炭素環、置換もしくは非置換の芳香族炭素環等の環を形成してもよい。置換位置は特に限定されない。
ここで示した低級アルコキシ、低級アルコキシカルボニル、低級アルカノイルおよび低級アルカノイルオキシの低級アルキル部分、シクロアルキル、ハロゲンならびに複素環基は、それぞれ前記低級アルキル(a)、シクロアルキル(e)、ハロゲン(l)および複素環基(k)と同義である。
また、ここで示した2つの置換基が、それぞれが隣接する2つの炭素原子もしくは同一炭素原子と一緒になって形成される炭素環は前記それぞれが隣接する2つの炭素原子およびそれらの間の炭素原子と一緒になって形成される炭素環(n)と同義であり、芳香族炭素環としては、例えばベンゼン、ナフタレン、アントラセン、インダン等があげられる。
また、ここで示した置換低級アルコキシ、置換低級アルコキシカルボニル、置換低級アルカノイル、置換低級アルカノイルオキシ、置換複素環基、置換炭素環および置換芳香族炭素環における置換基としては、同一または異なって例えば置換数1〜3の、ハロゲン(該ハロゲンは前記ハロゲン(l)と同義である)、低級アルコキシ(該低級アルコキシの低級アルキル部分は前記低級アルキル(a)と同義である)、低級アルキル(該低級アルキルは前記低級アルキル(a)と同義である)等があげられる。
(q)置換低級アルケニル、置換低級アルキニル、置換低級アルカジエニル、置換シクロアルキル、置換シクロアルケニル、置換シクロアルキニル、置換シクロアルカジエニル、置換アリール、置換アリールオキシ、置換アリールオキシカルボニル、置換アラルキル、置換アラルキルオキシ、置換アラルキルオキシカルボニル、置換複素環基、それぞれが隣接する2つの炭素原子およびそれらの間の炭素原子と一緒になって形成される置換炭素環、それぞれが隣接する2つの炭素原子およびそれらの間の炭素原子と一緒になって形成される置換脂環式複素環およびそれぞれが隣接する2つの炭素原子およびそれらの間の炭素原子と一緒になって形成される置換縮合環における置換基としては、同一または異なって置換数1〜置換可能な数(該置換可能な数とは、例えば化合物の構造上置換可能である数のことを示す)の、例えば前記置換低級アルキルにおける置換基(p)であげた基に加え、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の複素環基等があげられる。置換位置は特に限定されない。
ここで示した低級アルキル、アリールおよび複素環基は、それぞれ前記低級アルキル(a)、アリール(j)および複素環基(k)と同義である。
また、ここで示した置換低級アルキル、置換アリールおよび置換複素環基における置換基は、前記置換低級アルキルにおける置換基(p)と同義である。
本発明において、
(r)酸としては、例えば塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸等があげられる。
(s)酸無水物としては、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸等の無水物等があげられる。
(t)化合物(II)と化合物(III)を含有する懸濁液または溶液としては、化合物(II)と化合物(III)を例えばペンテン、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、N−メチルピペリドン、酢酸エチル、トルエン、トリフルオロトルエン等にまたはそれらの混合溶媒に懸濁または溶解したもの等があげられる。中でも塩化メチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トルエンまたはトリフルオロトルエンに懸濁または溶解したものがより好ましい。
以下に、化合物(IV)の製造法の例について説明する。
製造法1:
化合物(IV)は、以下の工程により製造することができる。
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R17、R18、R19、R20、R21およびR22は、それぞれ前記と同義である)
化合物(IV)は、化合物(II)に対して0.1〜1.0当量、好ましくは0.3〜1.0当量、より好ましくは0.8〜1.0当量の化合物(III)の存在下、化合物(I)を溶媒に溶解または懸濁し、得られた溶解液または懸濁液に化合物(II)を添加攪拌し、反応させることにより得ることができる。なお、化合物(II)を添加する際には、これを一括で添加してもよいが、反応の進行に合わせて滴下してもよい。
化合物(II)は、化合物(I)に対して好ましくは1.0〜5.0当量、より好ましくは1.0〜2.5当量、さらに好ましくは1.0〜1.5当量用いられる。
また、反応の途中で、適宜化合物(II)、水、酸または酸無水物等を、化合物(I)に対して好ましくは0.005〜1.0当量、より好ましくは0.01〜0.5当量をさらに追加添加することも可能である。酸としては、例えば塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸等が用いられ、酸無水物としては、例えば酢酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸等の無水物等が用いられる。なお、この追加添加は、反応の進行にあわせて適宜数回行ってもよい。
溶媒としては、例えばペンテン、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、N−メチルピペリドン、酢酸エチル、トルエン、トリフルオロトルエン等があげられ、それらは単独でまたは混合して用いられ、中でも塩化メチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トルエン、トリフルオロトルエン等がより好ましい。
反応は、0℃から用いる溶媒の沸点の間の温度で、より好ましくは15℃から50℃の間の温度で行われ、通常2〜72時間で終了する。
製造法2:
化合物(IV)は、以下の工程によっても製造することができる。
化合物(IV)は、化合物(I)を、化合物(II)と化合物(II)に対して0.1〜1.0当量の化合物(III)を含有する懸濁液または溶液に添加攪拌し、反応させることにより得ることができる。ただし、化合物(III)が化合物(II)に対して1.0当量である場合には、化合物(II)、水、酸または酸無水物をさらに添加する。なお、化合物(I)を添加する際には、これを一括で添加してもよいが、反応の進行に合わせて分割添加または滴下してもよい。
化合物(II)は、化合物(I)に対して好ましくは1.0〜5.0当量、より好ましくは1.0〜2.5当量、さらに好ましくは1.0〜1.5当量用いられる。
化合物(III)は、化合物(II)に対して0.1〜1.0当量用いられるが、好ましくは0.3〜1.0当量、より好ましくは0.8〜1.0当量用いられる。
また、反応の途中で、適宜化合物(II)、水、酸または酸無水物等を、化合物(I)に対して好ましくは0.005〜1.0当量、より好ましくは0.01〜0.5当量をさらに追加添加することも可能である。酸としては、例えば塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸等が用いられ、酸無水物としては、例えば酢酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸等の無水物等が用いられる。なお、この追加添加は、反応の進行にあわせて適宜数回行ってもよい。
化合物(II)と化合物(III)を含有する懸濁液または溶液としては、化合物(II)と化合物(III)を例えばペンテン、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、N−メチルピペリドン、酢酸エチル、トルエン、トリフルオロトルエン等にまたはそれらの混合溶媒に懸濁または溶解したもの等があげられる。中でも塩化メチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トルエンまたはトリフルオロトルエンに懸濁または溶解したものがより好ましい。
また、化合物(I)を添加するとき、必要に応じて溶媒に溶解して添加することも可能である。溶媒としては、例えばペンテン、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、N−メチルピペリドン、酢酸エチル、トルエン、トリフルオロトルエン等があげられ、それらは単独でまたは混合して用いられ、中でも塩化メチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トルエン、トリフルオロトルエン等がより好ましい。
反応は、0℃から用いる溶媒の沸点の間の温度で、より好ましくは15℃から50℃の間の温度で行われ、通常2〜72時間で終了する。
製造法3:
化合物(IV)は、以下の工程によっても製造することができる。
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R17、R18a、R19、R20、R21およびR22aは、それぞれ前記と同義である)
工程1:化合物(V)の調製
化合物(II)を溶媒に溶解または懸濁する。得られた溶液または懸濁液に化合物(IIIa)を冷却下で添加し、0℃から40℃の間の温度で、15分間から2時間攪拌することにより化合物(V)の溶液または懸濁液が調製される。得られる化合物(V)は精製することなく次工程の反応に用いることができ、化合物(V)の溶液または懸濁液としてそのまま用いることもできるが、該溶液または懸濁液を濃縮、濾過等に付すことにより得られる固体を次工程の反応に用いてもよい。
化合物(IIIa)は、化合物(II)に対して0.1〜1.0当量用いられるが、好ましくは0.3〜1.0当量、より好ましくは0.8〜1.0当量用いられる。
溶媒としては、例えばペンテン、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、N−メチルピペリドン、酢酸エチル、トルエン、トリフルオロトルエン等があげられ、それらは単独でまたは混合して用いられ、中でも塩化メチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トルエン、トリフルオロトルエン等がより好ましい。
工程2:
化合物(I)を溶媒中で、工程1で得られる化合物(V)と反応させることにより化合物(IV)を得ることができる。この際、化合物(I)を溶媒に溶解または懸濁し、ここへ化合物(V)を添加してもよいが、化合物(V)の溶液または懸濁液に、化合物(I)を添加することも可能である。なお、化合物(V)または化合物(I)を添加する際には、これを一括で添加してもよいが、溶媒に溶解または懸濁して反応の進行に合わせて滴下してもよい。
化合物(V)は、化合物(I)に対して好ましくは1.0〜5.0当量、より好ましくは1.0〜3.0当量用いられる。
また、化合物(V)または化合物(I)の添加後、反応の途中で、適宜化合物(II)、水、酸または酸無水物を、化合物(I)に対して好ましくは0.005〜1.0当量、より好ましくは0.01〜0.5当量をさらに追加添加することも可能である。酸としては、例えば塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸等が用いられ、酸無水物としては、例えば酢酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸等の無水物が用いられる。なお、この追加添加は、反応の進行にあわせて適宜数回行ってもよい。
溶媒としては、例えばペンテン、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、N−メチルピペリドン、酢酸エチル、トルエン、トリフルオロトルエン等があげられ、それらは単独でまたは混合して用いられ、中でも塩化メチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トルエン、トリフルオロトルエン等がより好ましい。
反応は、0℃から用いる溶媒の沸点の間の温度で、より好ましくは15℃から50℃の間の温度で行われ、通常2〜72時間で終了する。
なお、上記の各製造法において、反応はアルゴンまたは窒素雰囲気下で行われることが好ましいが、通常の大気中で実施することも可能である。
原料化合物(I)は、市販品としてまたは既知のカルボニル化合物合成法[例えば新実験化学講座14(有機化合物の合成と反応II)、751頁(1977年)、丸善、第4版実験化学講座(有機合成III)、21巻、149頁(1991年)、丸善、オーガニック・ファンクショナル・グループ・プレパレーションズ・セカンド・エディション(Organic Functional Group Preparations Second Edition)、サンドラー(S.R.Sandler)、カロ(W.Karo)著、アカデミック・プレス(Academic Press)(1989年)、サーベイ・オブ・オーガニック・シンセシス(Survey of Organic Synthesis)、2巻、バウラー(C.A.Buehler)、パーソン(D.E.Pearson)著、ワイリー−インターサイエンス・パブリケーション・ジョン・ワイリー・アンド・サンズ(Wiley−Interscience Publication John Wiely & Sons)(1992年)等]等により得られる。
なお、上記の各製造法において、化合物(I)の定義した基が反応条件下で変化するか、または方法を実施するのに不適切な場合、有機合成化学で常用される方法、例えば官能基の保護、脱保護[例えば、プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス第3版(Protective Groups in Organic Synthesis,third edition)、グリーン(T.W.Greene)著、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ・インコーポレイテッド(John Wiley & Sons Inc.)(1999年)]等の手段に付すことにより容易に製造を実施することができる。また、上記の各製造法において、化合物(I)の定義した基に化合物(II)と塩を形成すると考えられる窒素原子を有する場合には、予め例えばトリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸またはそれらの無水物等と該窒素原子で塩を形成させたものを原料として反応に用いるのが好ましい。
上記各製造法で得られる化合物(IV)および化合物(V)は、有機合成化学で常用される分離精製法、例えば、濾過、抽出、洗浄、乾燥、濃縮、再結晶、蒸留、活性炭処理、各種クロマトグラフィー等に付して単離精製することができる。とりわけ、反応後に残存する化合物(II)、化合物(III)および副生する化合物(III)のパーフルオロアルカンスルホン酸塩に関しては、濾過、抽出、洗浄等を適宜組み合わせることにより簡便に除去できる。
また、化合物(V)は、特に精製することなく上記製造法に使用することも可能である。さらに、化合物(IV)は、特に精製することなく、医薬品、天然物等の合成中間体として、次反応にそのまま使用することも可能である。
上記各製造法における原料化合物または中間体の中には、反応条件等により、例えばトリフルオロメタンスルホン酸塩、塩酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩等の塩の形態で存在し得るものもあるが、これらは、そのまままたは遊離の形で使用することができる。これら原料化合物または中間体を、塩の形態で使用または取得したい場合には、原料化合物または中間体の塩が得られるときはそのまま使用または取得すればよい。また原料化合物または中間体を遊離の形で使用または取得したい場合には、これらを適当な溶媒に溶解または懸濁し、例えば炭酸水素ナトリウム水溶液等の塩基、塩酸、酢酸等の酸等で中和することにより遊離の形へ変換できる。
化合物(I)および(IV)の中には、位置異性体、幾何異性体または光学異性体のような異性体が存在し得るものもあるが、これらを含め可能な全ての異性体および該異性体のいかなる比率における混合物も本発明の原料として使用されまたは本発明で製造され得る。
化合物(IV)の塩を取得したい場合には、化合物(IV)の塩が得られるときはそのまま精製すればよく、また化合物(IV)が遊離の形で得られるときは化合物(IV)を適当な溶媒に溶解または懸濁し、酸または塩基を加えて塩を形成させればよい。
また、化合物(IV)は、水または各種溶媒との付加物の形で存在することもあるが、これらの付加物も本発明の製造法で製造され得る。
本発明によって得られる化合物(IV)の具体例を第1表に示す。
本発明の製造法により得られる化合物(IV)は、医薬品、天然物等の合成における有用な中間体であり、例えば鈴木−宮浦反応、クロスカップリング反応、炭素−炭素結合形成反応、CO導入反応、野崎−檜山反応等[例えば、シンセシス(Synthesis)、735頁(1993年)、テトラヘドロン・レターズ(Tetrahedron Lett.)、23巻、117頁(1982年)、同24巻、979頁(1983年)、ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chm.)、56巻、3486頁(1991年)、同57巻、976頁(1992年)、同63巻、4135頁(1998年)、シンセティック・コミュニケーションズ(Synthetic Communications)、29巻、409頁(1999年)等]に使用される。
以下、本発明を実施例および参考例によりさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されることはない。
実施例1:ビニルトリフルオロアルカンスルホン酸エステル誘導体(化合物(IV))の合成
ピリジン(142mg、1.80mmol)をトルエンまたは塩化メチレン(5.0mL)に溶解し、25℃でトリフルオロメタンスルホン酸無水物(550mg、1.95mmol)を加えて30分間撹拌した。ここに対応するカルボニル化合物(化合物(I))(1.50mmol)を加えて2時間〜27時間撹拌した。反応後にアセトニトリルを加え、ビニルトリフルオロアルカンスルホン酸エステル誘導体の生成率を液体高速クロマトグラフィー(HPLC)分析またはガスクロマトグラフィー(GLC)分析により算出した。算出した生成率を第2表に示す。なお、HPLCの測定条件およびGLC測定条件は以下の通りである。
HPLC条件(化合物2、3および5の測定に使用)
機器:日立製作所製
カラム:Cadenza CD−C−18,75mm×4.6mm(インタクト株式会社製)
移動相:CH3OH/0.01mol/L KH2PO4水溶液=2/1
温度:35℃
流速:0.8mL/分
検出:UV(215nm)
GLC条件(化合物1および4の測定に使用)
機器:島津製作所製
カラム:TC−5,30m×0.25mm,I.D.0.25μm(GLサイエンス社製)
キャリアガス:He
温度:インジェクション250℃,ディテクション260℃,
カラム初期温度100℃(5分),
昇温速度5℃/分(5分〜),
最終温度250℃
検出:FIDサンプル
注入:スプリット・メソッド(split method)
実施例2:ビニルトリフルオロアルカンスルホン酸エステル誘導体(化合物2)の合成
ピリジン(154mg、1.95mmol)をトルエンまたは塩化メチレン(5.0mL)に溶解し、25℃でトリフルオロメタンスルホン酸無水物(550mg、1.95mmol)を加えて30分間撹拌した。ここにα−テトラロン(219mg、1.50mmol)と、第3表に記載の添加物(0.15mmol)を加えて25℃で1〜30時間撹拌した。反応後にアセトニトリルを加え、ビニルトリフルオロアルカンスルホン酸エステル誘導体の生成率をHPLC分析により算出した。算出した生成率を第3表に示す。なお、HPLCの測定条件は実施例1に記載の条件と同じである。
実施例3:4−エトキシカルボニルシクロヘキセン−1−イルトリフルオロメタンスルホネート(化合物1)の合成
ピリジン(10.19g)をトルエン(350mL)に溶解し、15℃でトリフルオロメタンスルホン酸無水物(36.68g)を加えて30分間撹拌した。ここに4−エトキシカルボニルシクロヘキサノン(20.00g)を加え、40℃で撹拌した。10時間後および12時間後にそれぞれトリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.17g)を加え、さらに2時間撹拌した。反応液に水を加えて30分間撹拌した後、分液した。得られた有機層にシリカゲル(60g)を加えて室温で30分間撹拌した。シリカゲルを濾去した後、溶媒を留去して化合物1(31.6g,収率89%)を黄色液体として得た。
なお、得られた有機層および化合物1の黄色液体中には、それぞれGLC測定(GLC測定条件は実施例1に記載の条件と同じである)および1H−NMR測定により、ピリジンが残存していないことが確認された。
1H−NMR(CDCl3,δ,ppm)1.27(t,J=7.1Hz,3H),1.86−1.99(m,1H),2.09−2.18(m,1H),2.38−2.48(m,4H),2.53−2.64(m,1H),4.16(q,J=7.1Hz,2H),5.77−5.79(m,1H).
MASS ESI(+)(m/z)303(M+H).
実施例4:1,2−ジヒドロナフタレン−4−イルトリフルオロメタンスルホネート(化合物2)の合成
ピリジン(3.56g)をトルエン(100mL)に溶解し、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(13.75g)を加え、25℃で1時間撹拌した。ここにα−テトラロン(5.48g)を加え、25℃で20時間撹拌した。反応液に2%炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて分液し、有機層を1mol/L 塩酸、5%食塩水で順に洗浄した後、活性炭(0.50g)を加えて室温で1時間撹拌した。活性炭を濾去した後、溶媒を留去して化合物2(10.08g,97%)を淡褐色液体として得た。
1H−NMR(CDCl3,δ,ppm)2.46−2.53(m,2H),2.86(t,J=8.2Hz,2H),6.00(t,J=4.8Hz,1H),6.88−7.19(m,1H),7.21−7.29(m,2H),7.32−7.37(m,1H).
MASS ESI(+)(m/z)279(M+H).
実施例5:3−アセトキシ−1,3,5(10),16−エストラテトラエン−17イルトリフルオロメタンスルホネート(化合物5)の合成
17−オキソ−1,3,5(10)−エストラトリエン−3−イルアセテート(5.90g)をトルエン(59mL)に溶解し、ピリジン(1.80g)とトリフルオロメタンスルホン酸無水物(6.94g)を加え、25℃で26時間撹拌した。反応液に水を加えて酢酸エチルで抽出し、抽出液を5%炭酸水素ナトリウム水溶液、1mol/L塩酸、5%食塩水で順に洗浄した後、活性炭(0.59g)を加えて室温で30分間撹拌した。活性炭を濾去した後、溶媒を留去して化合物5の粗結晶(8.12g,97%)を得た。得られた粗結晶をヘプタン(30mL)より再結晶して、化合物5(6.70g,80%)を無色結晶として得た。
融点68℃(分解)
1H−NMR(CDCl3,δ,ppm)1.00(s,3H),1.38−1.67(m,4H),1.79(dt,J=6.2Hz,11.0Hz,1H),1.88−1.96(m,2H),2.10(ddd,J=1.6Hz,11.0Hz,14.9Hz,1H),2.28(s,3H),2.28−2.50(m,3H),2.88−2.92(m,2H),5.62(dd,J=1.6Hz,3.3Hz,1H),6.81(d,J=2.6Hz,1H),6.85(dd,J=2.6Hz,8.4Hz,1H),7.25(d,J=8.4Hz,1H).
MASS ESI(+)(m/z)445(M+H).
比較例1:2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルピリジンを用いた4−エトキシカルボニルシクロヘキセン−1−イルトリフルオロメタンスルホネート(化合物1)の合成
4−エトキシカルボニルシクロヘキサノン(1.00g)を塩化メチレン(20mL)に溶解し、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルピリジン(1.81g、8.81mmol)を添加した。この溶液に15℃でトリフルオロメタンスルホン酸無水物(2.15g、7.63mmol)を加えて還流下で3時間撹拌した。反応終了後(生成率82.7%)、反応液を氷冷し、析出した不溶物(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルピリジンおよびそのトリフルオロメタンスルホン酸塩)を濾別した(精製1)。同じ操作を2回繰り返した後、濾液を水、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した(精製2)。得られた溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィにて精製することにより化合物1(1.16g,収率65.3%)を黄色液体として得た。なお精製1および2で得られた溶液中には、GLC測定(GLC測定条件は実施例1に記載の条件と同じである)により多量に2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルピリジンが残存していることが確認された。また、得られた化合物1の黄色液体中には、1H−NMR測定により、微量ながら2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルピリジンが残存していることが確認された。
比較例2:ピリジンを用いた4−エトキシカルボニルシクロヘキセン−1−イルトリフルオロメタンスルホネート(化合物1)の合成
4−エトキシカルボニルシクロヘキサノン(100mg)を塩化メチレン(2mL)に溶解し、ピリジン(69.7mg、0.88mmol)を添加した。この溶液に15℃でトリフルオロメタンスルホン酸無水物(199mg、0.70mmol)を加えて還流下で4時間撹拌した。反応液にアセトニトリルを加え、4−エトキシカルボニルシクロヘキサノンの生成率をGLC測定により算出した(生成率0.1%)。なお、GLC測定条件は実施例1に記載の条件と同じである。
比較例3:ビニルトリフルオロアルカンスルホン酸エステル誘導体(化合物2)の合成
ピリジン(154mg、1.95mmol)をトルエン(5.0mL)に溶解し、25℃でトリフルオロメタンスルホン酸無水物(550mg、1.95mmol)を加えて30分間撹拌した。ここにα−テトラロン(219mg、1.50mmol)を加えて25℃で30時間撹拌した。反応後にアセトニトリルを加え、ビニルトリフルオロアルカンスルホン酸エステル誘導体の生成率をHPLC分析により算出した(生成率0.4%)。なお、HPLCの測定条件は実施例1に記載の条件と同じである。
実施例1:ビニルトリフルオロアルカンスルホン酸エステル誘導体(化合物(IV))の合成
ピリジン(142mg、1.80mmol)をトルエンまたは塩化メチレン(5.0mL)に溶解し、25℃でトリフルオロメタンスルホン酸無水物(550mg、1.95mmol)を加えて30分間撹拌した。ここに対応するカルボニル化合物(化合物(I))(1.50mmol)を加えて2時間〜27時間撹拌した。反応後にアセトニトリルを加え、ビニルトリフルオロアルカンスルホン酸エステル誘導体の生成率を液体高速クロマトグラフィー(HPLC)分析またはガスクロマトグラフィー(GLC)分析により算出した。算出した生成率を第2表に示す。なお、HPLCの測定条件およびGLC測定条件は以下の通りである。
HPLC条件(化合物2、3および5の測定に使用)
機器:日立製作所製
カラム:Cadenza CD−C−18,75mm×4.6mm(インタクト株式会社製)
移動相:CH3OH/0.01mol/L KH2PO4水溶液=2/1
温度:35℃
流速:0.8mL/分
検出:UV(215nm)
GLC条件(化合物1および4の測定に使用)
機器:島津製作所製
カラム:TC−5,30m×0.25mm,I.D.0.25μm(GLサイエンス社製)
キャリアガス:He
温度:インジェクション250℃,ディテクション260℃,
カラム初期温度100℃(5分),
昇温速度5℃/分(5分〜),
最終温度250℃
検出:FIDサンプル
注入:スプリット・メソッド(split method)
実施例2:ビニルトリフルオロアルカンスルホン酸エステル誘導体(化合物2)の合成
ピリジン(154mg、1.95mmol)をトルエンまたは塩化メチレン(5.0mL)に溶解し、25℃でトリフルオロメタンスルホン酸無水物(550mg、1.95mmol)を加えて30分間撹拌した。ここにα−テトラロン(219mg、1.50mmol)と、第3表に記載の添加物(0.15mmol)を加えて25℃で1〜30時間撹拌した。反応後にアセトニトリルを加え、ビニルトリフルオロアルカンスルホン酸エステル誘導体の生成率をHPLC分析により算出した。算出した生成率を第3表に示す。なお、HPLCの測定条件は実施例1に記載の条件と同じである。
実施例3:4−エトキシカルボニルシクロヘキセン−1−イルトリフルオロメタンスルホネート(化合物1)の合成
ピリジン(10.19g)をトルエン(350mL)に溶解し、15℃でトリフルオロメタンスルホン酸無水物(36.68g)を加えて30分間撹拌した。ここに4−エトキシカルボニルシクロヘキサノン(20.00g)を加え、40℃で撹拌した。10時間後および12時間後にそれぞれトリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.17g)を加え、さらに2時間撹拌した。反応液に水を加えて30分間撹拌した後、分液した。得られた有機層にシリカゲル(60g)を加えて室温で30分間撹拌した。シリカゲルを濾去した後、溶媒を留去して化合物1(31.6g,収率89%)を黄色液体として得た。
なお、得られた有機層および化合物1の黄色液体中には、それぞれGLC測定(GLC測定条件は実施例1に記載の条件と同じである)および1H−NMR測定により、ピリジンが残存していないことが確認された。
1H−NMR(CDCl3,δ,ppm)1.27(t,J=7.1Hz,3H),1.86−1.99(m,1H),2.09−2.18(m,1H),2.38−2.48(m,4H),2.53−2.64(m,1H),4.16(q,J=7.1Hz,2H),5.77−5.79(m,1H).
MASS ESI(+)(m/z)303(M+H).
実施例4:1,2−ジヒドロナフタレン−4−イルトリフルオロメタンスルホネート(化合物2)の合成
ピリジン(3.56g)をトルエン(100mL)に溶解し、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(13.75g)を加え、25℃で1時間撹拌した。ここにα−テトラロン(5.48g)を加え、25℃で20時間撹拌した。反応液に2%炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて分液し、有機層を1mol/L 塩酸、5%食塩水で順に洗浄した後、活性炭(0.50g)を加えて室温で1時間撹拌した。活性炭を濾去した後、溶媒を留去して化合物2(10.08g,97%)を淡褐色液体として得た。
1H−NMR(CDCl3,δ,ppm)2.46−2.53(m,2H),2.86(t,J=8.2Hz,2H),6.00(t,J=4.8Hz,1H),6.88−7.19(m,1H),7.21−7.29(m,2H),7.32−7.37(m,1H).
MASS ESI(+)(m/z)279(M+H).
実施例5:3−アセトキシ−1,3,5(10),16−エストラテトラエン−17イルトリフルオロメタンスルホネート(化合物5)の合成
17−オキソ−1,3,5(10)−エストラトリエン−3−イルアセテート(5.90g)をトルエン(59mL)に溶解し、ピリジン(1.80g)とトリフルオロメタンスルホン酸無水物(6.94g)を加え、25℃で26時間撹拌した。反応液に水を加えて酢酸エチルで抽出し、抽出液を5%炭酸水素ナトリウム水溶液、1mol/L塩酸、5%食塩水で順に洗浄した後、活性炭(0.59g)を加えて室温で30分間撹拌した。活性炭を濾去した後、溶媒を留去して化合物5の粗結晶(8.12g,97%)を得た。得られた粗結晶をヘプタン(30mL)より再結晶して、化合物5(6.70g,80%)を無色結晶として得た。
融点68℃(分解)
1H−NMR(CDCl3,δ,ppm)1.00(s,3H),1.38−1.67(m,4H),1.79(dt,J=6.2Hz,11.0Hz,1H),1.88−1.96(m,2H),2.10(ddd,J=1.6Hz,11.0Hz,14.9Hz,1H),2.28(s,3H),2.28−2.50(m,3H),2.88−2.92(m,2H),5.62(dd,J=1.6Hz,3.3Hz,1H),6.81(d,J=2.6Hz,1H),6.85(dd,J=2.6Hz,8.4Hz,1H),7.25(d,J=8.4Hz,1H).
MASS ESI(+)(m/z)445(M+H).
比較例1:2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルピリジンを用いた4−エトキシカルボニルシクロヘキセン−1−イルトリフルオロメタンスルホネート(化合物1)の合成
4−エトキシカルボニルシクロヘキサノン(1.00g)を塩化メチレン(20mL)に溶解し、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルピリジン(1.81g、8.81mmol)を添加した。この溶液に15℃でトリフルオロメタンスルホン酸無水物(2.15g、7.63mmol)を加えて還流下で3時間撹拌した。反応終了後(生成率82.7%)、反応液を氷冷し、析出した不溶物(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルピリジンおよびそのトリフルオロメタンスルホン酸塩)を濾別した(精製1)。同じ操作を2回繰り返した後、濾液を水、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した(精製2)。得られた溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィにて精製することにより化合物1(1.16g,収率65.3%)を黄色液体として得た。なお精製1および2で得られた溶液中には、GLC測定(GLC測定条件は実施例1に記載の条件と同じである)により多量に2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルピリジンが残存していることが確認された。また、得られた化合物1の黄色液体中には、1H−NMR測定により、微量ながら2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルピリジンが残存していることが確認された。
比較例2:ピリジンを用いた4−エトキシカルボニルシクロヘキセン−1−イルトリフルオロメタンスルホネート(化合物1)の合成
4−エトキシカルボニルシクロヘキサノン(100mg)を塩化メチレン(2mL)に溶解し、ピリジン(69.7mg、0.88mmol)を添加した。この溶液に15℃でトリフルオロメタンスルホン酸無水物(199mg、0.70mmol)を加えて還流下で4時間撹拌した。反応液にアセトニトリルを加え、4−エトキシカルボニルシクロヘキサノンの生成率をGLC測定により算出した(生成率0.1%)。なお、GLC測定条件は実施例1に記載の条件と同じである。
比較例3:ビニルトリフルオロアルカンスルホン酸エステル誘導体(化合物2)の合成
ピリジン(154mg、1.95mmol)をトルエン(5.0mL)に溶解し、25℃でトリフルオロメタンスルホン酸無水物(550mg、1.95mmol)を加えて30分間撹拌した。ここにα−テトラロン(219mg、1.50mmol)を加えて25℃で30時間撹拌した。反応後にアセトニトリルを加え、ビニルトリフルオロアルカンスルホン酸エステル誘導体の生成率をHPLC分析により算出した(生成率0.4%)。なお、HPLCの測定条件は実施例1に記載の条件と同じである。
本発明により、安価で大量入手が容易な試薬を用い、医薬品、天然物等の合成における有用な中間体であるビニルパーフルオロアルカンスルホン酸エステル誘導体を安価で簡便に製造する方法が提供される。
Claims (17)
- 一般式(I)
{式中、R1、R2、R3、R4およびR5は同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルコキシ、置換もしくは非置換の低級アルコキシカルボニル、置換もしくは非置換の低級アルカノイル、置換もしくは非置換の低級アルカノイルオキシ、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換の低級アルカジエニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のシクロアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルカジエニル、置換もしくは非置換のアラルキル、置換もしくは非置換のアラルキルオキシ、置換もしくは非置換のアラルキルオキシカルボニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアリールオキシ、置換もしくは非置換のアリールオキシカルボニル、置換もしくは非置換の複素環基、ニトロ、ニトロソ、ハロゲン、カルボキシ、−S(O)nR6(式中、nは0または1を表し、R6は置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のアラルキルまたは置換もしくは非置換のアリールを表す)、−P(O)mR6aR6b(式中、mは0または1を表し、R6aおよびR6bは同一または異なって、それぞれ前記R6と同義である)または−NR7R8[式中、R7およびR8は同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のアラルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の低級アルコキシカルボニル、置換もしくは非置換の低級アルカノイル、置換もしくは非置換の低級アルカノイルオキシ、−CONR6cR6d(式中、R6cおよびR6dは同一または異なって、それぞれ前記R6と同義である)または−SO2R6e(式中、R6eは前記R6と同義である)を表す]を表すか、
R1とR2が隣接する炭素原子と一緒になってR9(式中、R9は、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のシクロアルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルカジエニルまたは置換もしくは非置換の複素環基を表す)を形成するか、
R4とR5が隣接する炭素原子と一緒になってR10(式中、R10は前記R9と同義である)を形成するか、
R1とR2とR3が隣接する炭素原子と一緒になってR11(式中、R11は置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の複素環基を表す)を形成するか、
R1とR4がそれぞれが隣接する2つの炭素原子およびそれらの間の炭素原子と一緒になって置換もしくは非置換の炭素環または置換もしくは非置換の脂環式複素環を形成するか、または
R1、R2、R3、R4およびR5がそれぞれが隣接する2つの炭素原子およびそれらの間の炭素原子と一緒になって置換もしくは非置換の炭素環、置換もしくは非置換の脂環式複素環または置換もしくは非置換の縮合環を形成する}で表されるカルボニル化合物を、一般式(II)
(式中、R17はフッ素またはパーフルオロアルキルを表す)で表されるパーフルオロアルカンスルホン酸無水物と、パーフルオロアルカンスルホン酸無水物に対して0.1〜1.0当量の一般式(III)
(式中、R18、R19、R20、R21およびR22は同一または異なって、水素原子、ハロゲン、置換もしくは非置換の低級アルキルまたは置換もしくは非置換の低級アルコキシを表すが、ただしR18およびR22がtert−ブチルであるとき、R19およびR21が水素原子であり、かつR20がメチルであることはない)で表されるピリジン誘導体の存在下、反応させることを特徴とする一般式(IV)
(式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR17はそれぞれ前記と同義である)で表されるビニルパーフルオロアルカンスルホン酸エステル誘導体の製造法。 - 一般式(I)
(式中、R1、R2、R3、R4およびR5はそれぞれ前記と同義である)で表されるカルボニル化合物を、一般式(II)
(式中、R17は前記と同義である)で表されるパーフルオロアルカンスルホン酸無水物とパーフルオロアルカンスルホン酸無水物に対して0.1〜1.0当量の一般式(III)
(式中、R18、R19、R20、R21およびR22はそれぞれ前記と同義である)で表されるピリジン誘導体を含有する懸濁液または溶液に添加し、上記懸濁液または溶液中、一般式(III)で表されるピリジン誘導体が一般式(II)で表されるパーフルオロアルカンスルホン酸無水物に対して1.0当量含有されている場合は、さらに上記一般式(II)で表されるパーフルオロアルカンスルホン酸無水物、水、酸または酸無水物を添加して反応させることを特徴とする一般式(IV)
(式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR17はそれぞれ前記と同義である)で表されるビニルパーフルオロアルカンスルホン酸エステル誘導体の製造法。 - 一般式(I)
(式中、R1、R2、R3、R4およびR5はそれぞれ前記と同義である)で表されるカルボニル化合物を、一般式(V)
(式中、R19、R20およびR21はそれぞれ前記と同義であり、R18aおよびR22aは同一または異なって水素原子、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシまたはイソプロピルオキシを表す)で表される1−(パーフルオロアルカンスルホニル)ピリジニウムパーフルオロアルカンスルホン酸塩と反応させることを特徴とする一般式(IV)
(式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR17はそれぞれ前記と同義である)で表されるビニルパーフルオロアルカンスルホン酸エステル誘導体の製造法。 - 一般式(II)
(式中、R17は前記と同義である)で表されるパーフルオロアルカンスルホン酸無水物と一般式(IIIa)
(式中、R18a、R19、R20、R21およびR22aはそれぞれ前記と同義である)で表されるピリジン誘導体から一般式(V)
(式中、R18a、R19、R20、R21およびR22aはそれぞれ前記と同義である)で表される1−(パーフルオロアルカンスルホニル)ピリジニウムパーフルオロアルカンスルホン酸塩を調製し、一般式(I)
(式中、R1、R2、R3、R4およびR5はそれぞれ前記と同義である)で表されるカルボニル化合物と反応させることを特徴とする一般式(IV)
(式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR17はそれぞれ前記と同義である)で表されるビニルパーフルオロアルカンスルホン酸エステル誘導体の製造法。 - R18およびR22が同一または異なって水素原子、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシまたはイソプロピルオキシである請求の範囲1または2記載の製造法。
- R18およびR22が同一または異なって水素原子、ハロゲンまたはメチルである請求の範囲1または2記載の製造法。
- R19およびR21が水素原子である請求の範囲1〜6のいずれかに記載の製造法。
- R20が水素原子またはメチルである請求の範囲7記載の製造法。
- R18、R19、R20、R21およびR22が水素原子である請求の範囲1または2記載の製造法。
- R18a、R19、R20、R21およびR22aが水素原子である請求の範囲3または4記載の製造法。
- R17がフッ素、トリフルオロメチルまたはノナフルオロ−n−ブチルである請求の範囲1〜11のいずれかに記載の製造法。
- R17がフッ素またはトリフルオロメチルである請求の範囲1〜11のいずれかに記載の製造法。
- 溶媒として、塩化メチレン、トルエン、クロロベンゼン、トリフルオロトルエンおよびジクロロベンゼンからなる群より選ばれる少なくとも1種の溶媒を使用する請求の範囲1〜13のいずれかに記載のビニルパーフルオロアルカンスルホン酸エステル誘導体の製造法。
- R1とR4がそれぞれが隣接する2つの炭素原子およびそれらの間の炭素原子と一緒になって置換もしくは非置換の炭素環または置換もしくは非置換の脂環式複素環を形成するか、またはR1、R2、R3、R4およびR5がそれぞれが隣接する2つの炭素原子およびそれらの間の炭素原子と一緒になって置換もしくは非置換の炭素環、置換もしくは非置換の脂環式複素環または置換もしくは非置換の縮合環を形成する請求の範囲1〜14のいずれかに記載のビニルパーフルオロアルカンスルホン酸エステル誘導体の製造法。
- R1、R2、R3、R4およびR5がそれぞれが隣接する2つの炭素原子およびそれらの間の炭素原子と一緒になって置換もしくは非置換の炭素環を形成する請求の範囲1〜14のいずれかに記載のビニルパーフルオロアルカンスルホン酸エステル誘導体の製造法。
- R1、R2、R3、R4およびR5がそれぞれが隣接する2つの炭素原子およびそれらの間の炭素原子と一緒になって置換もしくは非置換の縮合環を形成する請求の範囲1〜14のいずれかに記載のビニルパーフルオロアルカンスルホン酸エステル誘導体の製造法。
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