JPWO2003063719A1 - 開皮外科手術支援システム - Google Patents
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Abstract
テレビカメラ(15)で生体(1)と、生体(1)の表面に接触させたプローブ(7)を撮像する。撮像されたプローブ(7)に取付けられたマーカーの画像は、プローブ位置信号分離部(21)で全体画像から分離され、位置取得部(41)でマーカーの位置情報を取得し、軌跡信号生成部(43)でマーカーの軌跡信号(45)を生成する。プローブ(7)が検出したセンシング信号は、硬さ算出部(47)および硬さ信号生成部(49)を経て硬さ信号(51)を生成する。重畳部(23)において、マーカーの軌跡信号(45)と硬さ信号(51)とを、全画面信号(35)と重畳し、生体画像等と、プローブの現在位置および移動軌跡と関係付けした硬さの情報画像とを重畳して、ディスプレイ(25)上に表示する。
Description
技術分野
本発明は、生体の皮膚部分を開き、内部の患部に処置を施す開皮外科手術を支援する、開皮外科手術支援システムに関する。
背景技術
生体の皮膚部分を開き、内部の患部に処置を施す開皮外科手術においては、処置を施す部位、すなわち生体の患部とそれ以外の部分を判別することが重要である。一般に、患部は硬変等他の部分と異なる硬さを持つ。そこで、術者が開皮した生体の表面を手で触診し、患部と他の部分との硬さの差を触覚で判別することが行われる。また、患部の硬さの程度を定量的に測定するものとして、特開平9−145691号公報は、周波数偏差検出回路を利用した硬さ測定器において、軟質の被測定物から硬質の被測定物までの広い範囲において硬さ情報を正確に測定する手段を開示する。
このように、従来技術において、術者の触覚により、患部と他の部分との硬さの差を判別し、患部の硬さの程度を硬さ測定器の数値表示で知ることができる。しかし、術者の触覚による方法は経験が必要で、患部と他の部分との判別に術者の個人差が現われる。また、硬さ測定器の表示は数値のみであるので、患部と他の部分との硬さの差を、術中においてリアルタイムで視覚的に知ることができない。
本発明の目的は、かかる従来技術の課題を解決し、術者の触覚によらず、術中においてリアルタイムに、患部と他の部分との硬さの差を視覚的に表示する開皮外科手術支援システムを提供することである。
発明の開示
上記目的を達成するため、本発明に係る開皮外科手術支援システムは、開皮外科手術の際に、生体の患部と他の部分との硬さの差異を検出し、手術を支援する手術支援システムであって、生体の手術対象領域を撮像し、画面に写し出す撮像・表示手段と、生体に接触するプローブを有し、生体の硬さを検出する生体硬さ検出手段と、を備え、前記撮像・表示手段は、前記プローブを生体上で動かしたときの移動軌跡を、前記生体の手術対象領域画像に重畳して表示するプローブ軌跡重畳部と、プローブの移動軌跡に対応した前記生体の硬さを表示する軌跡対応硬さ表示部と、を含むことを特徴とする。
また、本発明に係る開皮外科手術支援システムにおいて、さらに、前記プローブの生体に対する接触圧を検出する接触圧検出センサを備えることが好ましい。
また、本発明に係る開皮外科手術支援システムにおいて、前記軌跡対応硬さ表示部は、一定の接触圧の下の生体の硬さを表示することが好ましい。
また、本発明に係る開皮外科手術支援システムにおいて、前記生体硬さ検出手段は、先端に振動子と、振動検出センサとが設けられ、振動子に接続される入力端子と、振動検出センサに接続される出力端子を備えるプローブ部と、プローブの出力端子に入力端が接続される増幅器と、増幅器の出力端とプローブの入力端子との間に設けられ、プローブの振動子への入力波形と振動検出センサからの出力波形に位相差が生じるときは、周波数を変化させて前記位相差をゼロにシフトする位相シフト回路と、を備え、プローブと生体を含む閉ループの共振状態を維持しつつ、生体の硬さが変化することで生ずる前記周波数変化から、生体の硬さを算出することが好ましい。
また、本発明に係る開皮外科手術支援装置において、さらに、前記プローブの動きと連動するマーカーと、を備えることが好ましい。
また、本発明に係る開皮外科手術支援装置において、前記マーカーは、前記プローブに設けられた半球状の光反射体であることが好ましい。
本発明に係る開皮外科手術支援システムは、生体の手術対象領域を撮像し、画面に写し出す撮像・表示手段と、生体に接触するプローブを有し、生体の硬さを検出する生体硬さ検出手段とを備える。そして、プローブを生体上で走査するように移動し、その移動範囲の硬さを測定したとき、プローブの移動軌跡を、撮像・表示手段のディスプレイに表示するとともに、移動軌跡に対応した硬さの変化を同じディスプレイに重ねて表示する。したがって、術者の触覚によらず、術中においてリアルタイムに、患部と他の部分との硬さの差を視覚的に表示することができる。
プローブの移動軌跡の表示について、プローブの現在位置の前後に、移動した範囲の画面の色を変え、例えば生体の部分はカラー表示のとき、プローブの移動軌跡を白黒で表示することができる。このことで、プローブの生体上の現在位置と、移動軌跡との位置関係が明確化する。
また、移動軌跡に対応した硬さの変化の表示は、プローブの移動軌跡表示の妨げにならないディスプレイの表示領域、例えばディスプレイ画面の下部に帯状に、横軸に移動軌跡の場所を示す指標、縦軸に硬さをとったグラフで示すことができる。また、例えばグラフ上の白丸で、プローブの現在位置の硬さを示すことができる。この他、硬さの変化の表示は、移動軌跡の領域内部について、硬さの違いに応じて色の濃淡を異ならせ、またはメッシュの粗さを異ならせる等で表すこともできる。このことで、硬さ表示において、プローブの生体上の現在位置が明確になり、硬さの差異が、プローブの現在位置からみてどの位置にあるかが明確になり、術者の触覚によらず、術中においてリアルタイムに、患部と他の部分との硬さの差を視覚的に表示することができる。
また、本発明に係る開皮外科手術支援システムにおいて、さらに、前記プローブの生体に対する接触圧を検出する接触圧検出センサを備える。この接触圧センサの出力をディスプレイに表示する等により、接触圧をモニタしつつ生体の硬さの測定ができ、生体の硬さに与える接触圧の影響を考慮した手術支援ができる。 また、本発明に係る開皮外科手術支援システムにおいて、接触圧センサを用い、一定の接触圧の下の生体の硬さを表示する。したがって、生体の状況、例えばやわらかい組織には低い接触圧を設定する等、設定する接触圧を変え、硬さに与える接触圧の影響を考慮した手術支援ができる。
また、本発明に係る開皮外科手術支援システムにおいて、前記生体硬さ検出手段は、先端に振動子と振動検出センサとが設けられたプローブと、生体を含む閉ループに、増幅器と位相シフト回路を設ける。そして位相シフト回路は、振動子への入力波形と振動検出センサからの出力波形に位相差が生じるときは、周波数を変化させて前記位相差をゼロにシフトするので、プローブと生体を含む閉ループの共振状態を維持しつつ、生体の硬さが変化することで生ずる前記周波数変化から、生体の硬さを算出することができる。したがって、この硬さをグラフ、色の違い等を用いてディスプレイ上にあらわすことで、術者の触覚によらず、術中においてリアルタイムに、患部と他の部分との硬さの差を視覚的に表示することができる。
また、本発明に係る開皮外科手術支援装置において、さらに、前記プローブの動きと連動するマーカーを備える。また、前記マーカーは、前記プローブに設けられた半球状の光反射体であることが好ましい。半球状の光反射体からの反射光を撮像・表示手段が撮像することで、プローブの姿勢によらず、プローブの現在位置を認識することができる。
また、前記軌跡対応硬さ表示部は、算出された生体の硬さに応じて移動軌跡の輪郭内の色を選択し、生体の硬さを表す画像を形成して表示することが好ましい。上記構成により、硬さを色の違いで表示する。したがって、患部と他の部分との硬さの差を視覚的に表示することができる。
また、生体の硬さを表す画像の形成は、生体の手術対象領域の色と識別できる硬さ表示色を用い、生体の硬さに応じて硬さ表示色の濃淡を選択し、移動軌跡輪郭内の生体の色を硬さ表示色に置き換えて、硬さがより硬いときはより濃い硬さ表示色に、より軟らかいときはより淡い硬さ表示色になるように選択することが好ましい。
上記構成により、例えば、手術対象領域が赤色系のときには硬さの表示色を青に選び、移動軌跡輪郭内の色を赤色系から青色に置き換える。そして、青色の範囲の中で濃淡をつけ、硬さがより硬い部分は濃紺に、より軟らかい部分はライトブルーにする。したがって、患部と他の部分を明確に区別でき、また硬さの差を視覚的に表示することができる。
また、生体の硬さを表す画像の形成は、前記生体の手術対象領域画像と識別できる硬さ表示色を用い、生体の硬さに応じ、硬さ表示色と前記移動軌跡内の生体の色との混色比を選択し、硬さがより硬いときは硬さ表示色の割合を多く、より軟らかいときは生体の色の割合を多くなるように選択することが好ましい。
上記構成により、例えば、手術対象領域が赤色系のときには硬さの表示色を青に選び、移動軌跡輪郭内の色を赤色系と青色との混色とする。そして、混色度を硬さに応じて選択し、硬さがより硬い部分はより青色に、より軟らかい部分はより赤色にする。したがって、硬さについて赤色を背景色として青色で表示することになり、硬さ表示を行ってもその下地に生体の手術対象領域の色が透けて見えるようにでき、生体の硬さをその部分の生体の色を見えるようにして視覚的に表示することができる。
また、本発明に係る開皮外科手術支援システムにおいて、複数の硬さ画像間における生体の手術対象領域画像の色を、各硬さ画像を構成する色に基づいて選択し、補間された硬さ画像を形成する補間硬さ画像形成部を備えることが好ましい。
上記構成により、移動軌跡内において硬さを表示するのみならず、複数の移動軌跡すなわち硬さ表示画像があるときに、その移動軌跡の間の領域についても補間により硬さ表示をする。したがって、広い領域の硬さ分布を補間により表示でき、開皮外科手術支援を効率的に行うことができる。
本発明を実施するための最良の形態
以下、図面を用いて、本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は、生体1の開皮外科手術を支援する開皮外科手術支援システム3のブロック図である。開皮外科手術支援システム3は、生体1の手術対象領域を撮像し画面に写し出す撮像・表示手段5と、生体1に接触して生体の硬さを検出するプローブ7を備え、プローブ7は、さらに、プローブ7の生体に対する接触圧も検出する。
撮像・表示手段5は、生体表面からの反射光11とプローブ先端に取付けられたマーカーからの反射光13により、生体1とマーカーを含むプローブ7を撮像するテレビカメラ15を備える。また、中間信号処理として、テレビカメラ15が撮像した全画面の信号の中からプローブのマーカーの反射光部分の信号を抜き出し、全画面信号17と別にプローブ位置信号19を生成するプローブ位置信号分離部21を備え、全画面信号17と後に詳述する軌跡信号、硬さ信号、接触圧信号とを重畳する重畳部23を備える。さらに、重畳部23により重畳された信号による重畳画像を表示するディスプレイ25を備える。
また、開皮外科手術支援システム3は、プローブ位置信号37からプローブ位置を取得する位置取得部41を備え、軌跡信号生成部43において、プローブ7を生体上で走査するように移動したときの各プローブの位置を記憶し、プローブ7の移動軌跡を表す軌跡信号45を生成する。
また、プローブ7からのセンシング信号を処理し、硬さ算出部47および硬さ信号生成部49を経て、硬さを画面上に表示するための硬さ信号51を生成する。
また、プローブ7からのセンシング信号を処理し、接触圧算出部53および接触圧信号生成部55を経て、接触圧を画面上に表示するための接触圧信号57を生成する。
かかる構成の作用を説明する。生体1を開皮手術する際、生体1の真上にテレビカメラ15をセットし、ディスプレイ25にその手術対象領域を写し出す。次に、手術を施す術者は、プローブ7を生体1の表面に接触させる。そしてディスプレイ25を見ながらプローブ7を生体1の表面を走査するように移動する。
テレビカメラ15で撮像されたプローブ7に取付けられたマーカーの画像は、プローブ位置信号分離部21で全体画像から分離され、マーカーの位置に関する信号が得られる。この信号を用いて、位置取得部41でマーカーの時々刻々の位置情報を取得し、軌跡信号生成部43でマーカーの移動した範囲の位置情報を接続し移動軌跡として、軌跡信号45を生成する。この軌跡信号45を全画面信号17と重畳部23において重畳することで、生体画像等と移動軌跡の画像とが重畳して、ディスプレイ25上に表示される。
また、プローブ7が検出したセンシング信号は、硬さ算出部47および硬さ信号生成部49を経て硬さ信号51が生成される。この硬さ信号51を全画面信号35と軌跡信号45と重畳部23において重畳することで、生体画像等と、プローブの現在位置および移動軌跡と関係付けした硬さの情報画像とが重畳して、ディスプレイ25上に表示される。接触圧信号による画像をさらに重畳することもできる。
図2は、ディスプレイ上の画面の重畳を説明するため、その要素を、全画面信号からの画面61と、軌跡信号からの画面63と、硬さ信号からの画面65とに分け、相互の関係を示した図である。全画面信号からの画面61は、生体の表面画像71と、生体の上に接触したプローブの画像73が表示される。また、プローブの先端に設けられたマーカーの画像75も表示される。これらの画像は、フルカラーで表示することで、外科手術を施す術者が、ディスプレイの画面の像と、実際の生体とを容易に比較できる。
軌跡信号からの画面63は、マーカーの現在位置の画像77と、所定の期間におけるマーカーの移動範囲を示す軌跡画像79が表示される。所定の期間は、例えば術者がスタートボタンを押してからの期間とすることができる。このとき、軌跡画像は、スタートボタンが押されてから現在までの期間のマーカーの移動範囲を示す軌跡画像となる。マーカーの移動した軌跡の軌跡画像79は、色を変えて表示することができる。例えば、全画面信号からの画面61がフルカラーであるとき、所定の期間においてマーカーが移動した範囲の生体画像を白黒表示とすることで、マーカーの移動軌跡を他の部分と容易に区別できる。マーカーの現在位置の画像77と、軌跡画像79は区別して表示されるので、図2の軌跡信号からの画面63の例のように、マーカーが一度移動した軌跡を元に戻ったときでも、前の一度移動した軌跡はそのまま表示される。このことで、マーカーの現在位置と、移動軌跡との関係が明確になる。
硬さ信号からの画面65は、プローブの模型マークで現在位置を表示する現在位置画像81と、細い帯状のパターンで移動軌跡の範囲を示す移動軌跡範囲画像83と、横軸に移動軌跡の位置座標、縦軸に硬さをとった硬さ−位置関係グラフ枠画像85と、グラフ枠内に示される硬さの位置による変化曲線画像87とが表示される。これらの画像の表示領域は、ディスプレイの全体画面の下方の、生体の全体画像等の観察の妨げにならない領域にとられる。また、これらの画像の表示領域を、ディスプレイの全体画面の範囲内で移動可能とし、生体の全体画像等の観察の妨げにならない領域に任意に移動することもできる。また、現在位置画像81、移動軌跡範囲画像83は、変化曲線画像87に含めて表示することもできる。例えば、変化曲線の横軸の範囲を移動軌跡の範囲であるように表示し、現在位置を変化曲線上の輝点で示すことができる。
図3は、ディスプレイ上の重畳表示について別の実施の形態を示す図である。ここでは、マーカーの現在位置の画像77、マーカーの移動した軌跡画像89とともに、軌跡画像89の領域内に、硬さの違いをメッシュの粗さの違いで直接表示する。画面には、メッシュの粗さと硬さの関係を示すカーソル91が設けられる。メッシュの粗さの違いのほか、色の違い、色の濃淡の違い等で硬さの違いを表示してもよい。
重畳部23において、全画面信号17、軌跡信号45、硬さ信号51を重畳することで、ディスプレイ25には、上述の全画面信号からの画面61と、軌跡信号からの画面63と、硬さ信号からの画面65とを重畳した画面が表示される。さらに接触圧信号57による画面を重畳することもできる。
図4は、プローブ7の断面図と、硬さ算出部47と接触圧算出部53との接続関係を示す図である。プローブ7は、筐体101に、板バネ103の一端が固定され、板バネ103の先端には、略半球状の生体接触ボール105と振動体107と振動検出センサ109との積層体が取付けられる。また、板バネ103の反対側には、接触パッド111が設けられ、接触パッド111に対向する筐体101の部分に、接触圧検出センサ113が取付けられる。振動体107と振動検出センサ109は、それぞれ信号線115,117により硬さ算出部47と接続され、接触圧検出センサ113は信号線119により接触圧算出部53と接続される。生体接触ボール105の位置に対応した筐体101の外壁に、略半球状の光反射体121が取付けられる。
光反射体121は金属製、プラスチックに光沢メッキを施して得ることができ、大きさは3−5mmが好適である。接触圧検出センサは、ひずみゲージで構成することができる。板バネ103の先端に、略半球状の生体接触ボール105、振動体107、振動検出センサ109を取付ける方法は、接着の他、ネジ止め等でも良い。硬さ検出についての部分の構成は、後に図5を用いて詳細に説明する。
図4に示す構成のプローブ7につき、硬さ検出の詳細を除く作用について説明する。生体の硬さを検出するため、術者は、筐体101の図示していないハンドル部をもち、生体接触ボール105の部分を生体に接触させる。その接触により、生体接触ボール105が取付けられた先端部分は、板バネ103を介して、図4における上方、すなわち筐体101の天井部分に向かって移動し、板バネ103の先端部分の反対側に設けられた接触パッド111が、接触圧検出センサ113に押し付けられる。ひずみゲージで構成される接触圧検出センサ113は、押し付けられた圧力、すなわち、生体接触ボール105が生体から受ける反力に応じたひずみをセンシングでき、そのセンシング信号を信号線119により接触圧算出部53に入力して、接触圧を算出することができる。
接触圧算出部53は、接触圧を算出する他、予め一定の接触圧を設定しておき、その一定値に接触圧が達した時に一定接触圧信号を出すこともできる。この一定接触圧信号を硬さ算出部47または硬さ信号生成部49に送り、一定接触圧信号が送られたときのみ硬さを算出し、または硬さ信号を生成するようにできる。このことで、一定の接触圧の下の生体の硬さを表示することが可能になる。
また、プローブ7の上方にはテレビカメラがセットされ、生体の状況、プローブ7の動きを画像として検出する。ここで、光反射体121は、略半球状で、生体接触ボール105の位置に対応して設けられているので、テレビカメラが捕らえる光反射体121の像の位置は、プローブ7の姿勢が変化しても、ほぼ生体接触ボール105が生体に接触する位置を示す。すなわち、光反射体121はプローブの動きと連動するマーカーとして用いることができる。
次に、硬さ検出に係る部分につき詳細に説明する。図5は、プローブの構成要素のうち、硬さ検出にかかわる部分を抜き出したブロック図である。生体接触ボール105の上部に振動体107、振動検出センサ109が接着により積層される。振動検出センサ109からの信号線117と、振動体107への信号線115は、硬さ算出部47と接続される。硬さ算出部47は、振動検出センサ109からの信号線117が増幅器131に接続され、増幅器131と振動体107への信号線115との間に位相シフト回路133が設けられる。位相シフト回路133に、周波数偏差検出器135が接続され、さらに、周波数偏差検出器135に硬さ換算器137が接続される。
位相シフト回路133は、振動子への入力波形と振動検出センサからの出力波形に位相差が生じるときは、周波数を変化させて位相差をゼロにシフトする回路であり、その内部構成とその作用については、特開平9−145691号公報に詳しく述べられている。生体接触ボール105は、プラスチック等の絶縁体を略半球状に成形して得ることができる。振動体107と振動検出センサ109は、圧電素子等で得ることができる。振動体107、振動検出センサ109は、接着により積層されるほか、分割電極を用いて一体型としたものを用いることができる。
この構成のもとで、生体接触ボール105を生体1に接触させると、振動体107からの振動が生体接触ボール105を介し生体1に与えられ、生体の硬さに対応し位相、振動数が変化した振動が生体接触ボール105を介して返ってくる。この返ってきた振動を振動検出センサ109で検出し、増幅器131で増幅したのち、位相シフト回路133が、振動体107への入力信号と、振動検出センサ109からの出力信号との位相差をゼロにするよう周波数を変化させる。この周波数の変化、すなわち周波数偏差は生体の硬さに応じた値であるので、これを周波数偏差検出器135で検出し、硬さ換算器137で硬さに換算して、生体の硬さを得ることができる。
図6から図9は、ディスプレイ上の画面の合成において、硬さの表示について他の実施の形態を説明する図である。硬さの表示においては、生体の手術対象領域の色と識別できる色を硬さ表示色として選択し、移動軌跡の輪郭内を硬さ表示色に基づいて着色することでその部分の硬さを表すことができる。一般的には生体の手術対象領域の色は、ピンク系から赤色系が多いので、硬さ表示色としては青色、緑色、黄色系を選択することができる。移動軌跡の輪郭内の着色の仕方には、その部分の生体の色を硬さ表示色で置き換えてしまう置換法と、その部分の生体の色を背景色として残し、背景色が透けて見えるようにその部分の生体の色と硬さ表示色とを混色させる透かし法とを用いることができる。
図6は、説明のために、全画像信号からの画面からプローブの画像を抜いた画像161を上段に、マーカーの移動軌跡の中心線181に沿った各点X1,X2,X3の色データを下段に示した図である。例えば、生体を開皮し、肝臓を露出させた場合において、画像161は肝臓部分の画像171と、その外側における肝臓以外の生体組織の画像173が含まれる。色データはRGBの各256階調で示すことができる。この例では、肝臓部分の点X2の色は純赤色で、肝臓以外の生体組織部分の点X1,X3の色は薄い赤色つまりピンクがかった色として表される。
図7は、説明のために、マーカーの軌跡信号からの画像においてマーカーの移動軌跡の輪郭179内に硬さを表す色を施した画像163を上段に、移動軌跡の輪郭179内の各点X4,X5,X6,X7の色データを下段に示した図である。この例では、硬さを点X5において100、点X4,X6において50、点X5において25とし、硬さ表示色に青色を選択し、硬さデータ値と青色の色データ値とを対応させ、硬さデータ値100を色データ値256としている。
図8は、置換法により図6の画像161と図7の画像163とを合成した画像165を上段に、各点X1’〜X7’の色データを下段に示した図である。この例では、肝臓部分の各点X1’〜X7’の生体としての色データ値は元々それぞれRの255であるが、硬さに対応する色データ値、すなわちBの127,256,127,64に置き換えられている。したがって、移動軌跡の輪郭179が肝臓部分の画像171の中で明確に区別でき、移動軌跡の輪郭179内が硬さ表示色の濃淡に着色されて表示されるので、硬さを視覚的に認識できる。
図9は、透かし法により図6の画像161と図7の画像163とを合成した画像167を上段に、各点X1”〜X7”の色データを下段に示した図である。この例では、肝臓部分の各点X2”〜X6”の色データ値は、元々の生体としての色データ値であるRの255と、硬さに対応する色データ値、すなわちBの127,256,127,64とが混色率αで混色された混色データ値となっている。混色データ値X”は、肝臓部分の元々の色データ値をXとし、その部分の硬さ表示色の色データ値をYとし、混色率をαとすると、X”=(1−α)X+αYで与えられる。
混色率αは、硬さに対応する色データ値が最も大きいときに50%最も小さいときに0%とするのが好ましい。すなわち、最も硬い部分では背景の肝臓部分の色と半々で混色し、硬さが軟らかくなるにつれ背景の肝臓部分の色を強くする。混色率αの例を図7の下段に示した。このことで、視覚的には肝臓部分の色を背景色としてその上に透かしたように硬さ表示色の濃淡を表示できる。
図10、図11は、硬さを表す画像の他の実施の形態を示す図である。図10は、説明のために、マーカーの軌跡信号からの画像において2個のマーカー移動軌跡の輪郭211,213を示し、各移動軌跡の輪郭211,213内に硬さを表す色を施した画像201を示す。2個の移動軌跡に挟まれた領域215について、硬さを補間して表示しようとするのがこの実施の形態である。
図11に、2個の移動軌跡に挟まれた領域205について硬さを補間した画像203を上段に、移動軌跡の輪郭211内の各点X11,X12,X13、移動軌跡の輪郭213内の各点X21,X22,X23、移動軌跡に挟まれた領域215の各点X31,X32,X33の色データを下段に示す。この例では、肝臓部分の画像171との合成は置換法によるものとして、肝臓部分及び肝臓以外の生体組織の色データは省略した。移動軌跡に挟まれた領域215の各点の色データ値は、その領域を囲む複数の移動軌跡の輪郭内における色データ値に基づく補間により求めることができる。補間法には線形補間法を用いることができる。重み付け係数を用いて、重み付け補間を行うこともできる。
図11の例では、点X31の色データ値は、点X11の色データ値(B−127)と点X21の色データ値(B−127)に基づく補間により(B−127)と求められる。点X32の色データ値は、点X12の色データ値(B−255)と点X22の色データ値(B−64)に基づく補間により(B−160)と求められる。また、点X32の色データ値は、点X12と点X22との補間に加えて、点X13と点X21との補間及び点X11と点X23との補間をも考慮に入れることができる。このように、補間においては、補間をしたい点、例えば点X32を囲む各硬さ画像の色データ値をできるだけ多く補間に用いることで、広い領域に渡り滑らかな硬さの分布を表示することができる。
補間硬さ画像を得る際に、硬さ画像と生体の手術対象領域画像との合成は、置換法の代わりに透かし法を用いてもよい。この場合には、硬さの補間を行った後に、その補間硬さの色データ値と、背景の手術対象領域画像の色データ値との間で混色を行うことができる。
産業上の利用可能性
以上のように、本発明に係る開皮外科手術支援システムは、処置を施す部位、すなわち生体の患部とそれ以外の部分を判別して開皮外科手術を支援するシステムに有用である。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の実施の形態に係る開皮外科手術支援システムのブロック図である。
図2は、本発明の実施の形態に係る、ディスプレイ上の画面の重畳につき、全画面信号からの画面と、軌跡信号からの画面と、硬さ信号からの画面との相互の関係を示した図である。
図3は、本発明の実施の形態に係る、他のディスプレイ上の表示法を示す図である。
図4は、本発明の実施の形態に係るプローブの断面図である。
図5は、本発明の実施の形態に係る、プローブの構成要素のうち硬さ検出にかかわる部分を抜き出したブロック図である。
図6は、本発明の実施の形態において、全画像信号からの画面からプローブの画像を抜いた画像を上段に、マーカーの移動軌跡の中心線に沿った各点の色データを下段に示した図である。
図7は、本発明の実施の形態において、マーカーの軌跡信号からの画像においてマーカーの移動軌跡の輪郭内に硬さを表す色を施した画像を上段に、移動軌跡の輪郭内の各点の色データを下段に示した図である。
図8は、本発明の実施の形態において、置換法により図6の画像と図7の画像とを合成した画像を上段に、各点の色データを下段に示した図である。
図9は、本発明の実施の形態において、透かし法により図6の画像と図7の画像とを合成した画像を上段に、各点の色データを下段に示した図である。
図10は、本発明の実施の形態において、2個のマーカー移動軌跡の輪郭内に硬さを表す色を施した画像を示す図である。
図11は、本発明の実施の形態において、2個の移動軌跡に挟まれた領域について硬さを補間した画像を上段に、移動軌跡の輪郭内の各点及び移動軌跡に挟まれた領域の各点の色データを下段に示す。
本発明は、生体の皮膚部分を開き、内部の患部に処置を施す開皮外科手術を支援する、開皮外科手術支援システムに関する。
背景技術
生体の皮膚部分を開き、内部の患部に処置を施す開皮外科手術においては、処置を施す部位、すなわち生体の患部とそれ以外の部分を判別することが重要である。一般に、患部は硬変等他の部分と異なる硬さを持つ。そこで、術者が開皮した生体の表面を手で触診し、患部と他の部分との硬さの差を触覚で判別することが行われる。また、患部の硬さの程度を定量的に測定するものとして、特開平9−145691号公報は、周波数偏差検出回路を利用した硬さ測定器において、軟質の被測定物から硬質の被測定物までの広い範囲において硬さ情報を正確に測定する手段を開示する。
このように、従来技術において、術者の触覚により、患部と他の部分との硬さの差を判別し、患部の硬さの程度を硬さ測定器の数値表示で知ることができる。しかし、術者の触覚による方法は経験が必要で、患部と他の部分との判別に術者の個人差が現われる。また、硬さ測定器の表示は数値のみであるので、患部と他の部分との硬さの差を、術中においてリアルタイムで視覚的に知ることができない。
本発明の目的は、かかる従来技術の課題を解決し、術者の触覚によらず、術中においてリアルタイムに、患部と他の部分との硬さの差を視覚的に表示する開皮外科手術支援システムを提供することである。
発明の開示
上記目的を達成するため、本発明に係る開皮外科手術支援システムは、開皮外科手術の際に、生体の患部と他の部分との硬さの差異を検出し、手術を支援する手術支援システムであって、生体の手術対象領域を撮像し、画面に写し出す撮像・表示手段と、生体に接触するプローブを有し、生体の硬さを検出する生体硬さ検出手段と、を備え、前記撮像・表示手段は、前記プローブを生体上で動かしたときの移動軌跡を、前記生体の手術対象領域画像に重畳して表示するプローブ軌跡重畳部と、プローブの移動軌跡に対応した前記生体の硬さを表示する軌跡対応硬さ表示部と、を含むことを特徴とする。
また、本発明に係る開皮外科手術支援システムにおいて、さらに、前記プローブの生体に対する接触圧を検出する接触圧検出センサを備えることが好ましい。
また、本発明に係る開皮外科手術支援システムにおいて、前記軌跡対応硬さ表示部は、一定の接触圧の下の生体の硬さを表示することが好ましい。
また、本発明に係る開皮外科手術支援システムにおいて、前記生体硬さ検出手段は、先端に振動子と、振動検出センサとが設けられ、振動子に接続される入力端子と、振動検出センサに接続される出力端子を備えるプローブ部と、プローブの出力端子に入力端が接続される増幅器と、増幅器の出力端とプローブの入力端子との間に設けられ、プローブの振動子への入力波形と振動検出センサからの出力波形に位相差が生じるときは、周波数を変化させて前記位相差をゼロにシフトする位相シフト回路と、を備え、プローブと生体を含む閉ループの共振状態を維持しつつ、生体の硬さが変化することで生ずる前記周波数変化から、生体の硬さを算出することが好ましい。
また、本発明に係る開皮外科手術支援装置において、さらに、前記プローブの動きと連動するマーカーと、を備えることが好ましい。
また、本発明に係る開皮外科手術支援装置において、前記マーカーは、前記プローブに設けられた半球状の光反射体であることが好ましい。
本発明に係る開皮外科手術支援システムは、生体の手術対象領域を撮像し、画面に写し出す撮像・表示手段と、生体に接触するプローブを有し、生体の硬さを検出する生体硬さ検出手段とを備える。そして、プローブを生体上で走査するように移動し、その移動範囲の硬さを測定したとき、プローブの移動軌跡を、撮像・表示手段のディスプレイに表示するとともに、移動軌跡に対応した硬さの変化を同じディスプレイに重ねて表示する。したがって、術者の触覚によらず、術中においてリアルタイムに、患部と他の部分との硬さの差を視覚的に表示することができる。
プローブの移動軌跡の表示について、プローブの現在位置の前後に、移動した範囲の画面の色を変え、例えば生体の部分はカラー表示のとき、プローブの移動軌跡を白黒で表示することができる。このことで、プローブの生体上の現在位置と、移動軌跡との位置関係が明確化する。
また、移動軌跡に対応した硬さの変化の表示は、プローブの移動軌跡表示の妨げにならないディスプレイの表示領域、例えばディスプレイ画面の下部に帯状に、横軸に移動軌跡の場所を示す指標、縦軸に硬さをとったグラフで示すことができる。また、例えばグラフ上の白丸で、プローブの現在位置の硬さを示すことができる。この他、硬さの変化の表示は、移動軌跡の領域内部について、硬さの違いに応じて色の濃淡を異ならせ、またはメッシュの粗さを異ならせる等で表すこともできる。このことで、硬さ表示において、プローブの生体上の現在位置が明確になり、硬さの差異が、プローブの現在位置からみてどの位置にあるかが明確になり、術者の触覚によらず、術中においてリアルタイムに、患部と他の部分との硬さの差を視覚的に表示することができる。
また、本発明に係る開皮外科手術支援システムにおいて、さらに、前記プローブの生体に対する接触圧を検出する接触圧検出センサを備える。この接触圧センサの出力をディスプレイに表示する等により、接触圧をモニタしつつ生体の硬さの測定ができ、生体の硬さに与える接触圧の影響を考慮した手術支援ができる。 また、本発明に係る開皮外科手術支援システムにおいて、接触圧センサを用い、一定の接触圧の下の生体の硬さを表示する。したがって、生体の状況、例えばやわらかい組織には低い接触圧を設定する等、設定する接触圧を変え、硬さに与える接触圧の影響を考慮した手術支援ができる。
また、本発明に係る開皮外科手術支援システムにおいて、前記生体硬さ検出手段は、先端に振動子と振動検出センサとが設けられたプローブと、生体を含む閉ループに、増幅器と位相シフト回路を設ける。そして位相シフト回路は、振動子への入力波形と振動検出センサからの出力波形に位相差が生じるときは、周波数を変化させて前記位相差をゼロにシフトするので、プローブと生体を含む閉ループの共振状態を維持しつつ、生体の硬さが変化することで生ずる前記周波数変化から、生体の硬さを算出することができる。したがって、この硬さをグラフ、色の違い等を用いてディスプレイ上にあらわすことで、術者の触覚によらず、術中においてリアルタイムに、患部と他の部分との硬さの差を視覚的に表示することができる。
また、本発明に係る開皮外科手術支援装置において、さらに、前記プローブの動きと連動するマーカーを備える。また、前記マーカーは、前記プローブに設けられた半球状の光反射体であることが好ましい。半球状の光反射体からの反射光を撮像・表示手段が撮像することで、プローブの姿勢によらず、プローブの現在位置を認識することができる。
また、前記軌跡対応硬さ表示部は、算出された生体の硬さに応じて移動軌跡の輪郭内の色を選択し、生体の硬さを表す画像を形成して表示することが好ましい。上記構成により、硬さを色の違いで表示する。したがって、患部と他の部分との硬さの差を視覚的に表示することができる。
また、生体の硬さを表す画像の形成は、生体の手術対象領域の色と識別できる硬さ表示色を用い、生体の硬さに応じて硬さ表示色の濃淡を選択し、移動軌跡輪郭内の生体の色を硬さ表示色に置き換えて、硬さがより硬いときはより濃い硬さ表示色に、より軟らかいときはより淡い硬さ表示色になるように選択することが好ましい。
上記構成により、例えば、手術対象領域が赤色系のときには硬さの表示色を青に選び、移動軌跡輪郭内の色を赤色系から青色に置き換える。そして、青色の範囲の中で濃淡をつけ、硬さがより硬い部分は濃紺に、より軟らかい部分はライトブルーにする。したがって、患部と他の部分を明確に区別でき、また硬さの差を視覚的に表示することができる。
また、生体の硬さを表す画像の形成は、前記生体の手術対象領域画像と識別できる硬さ表示色を用い、生体の硬さに応じ、硬さ表示色と前記移動軌跡内の生体の色との混色比を選択し、硬さがより硬いときは硬さ表示色の割合を多く、より軟らかいときは生体の色の割合を多くなるように選択することが好ましい。
上記構成により、例えば、手術対象領域が赤色系のときには硬さの表示色を青に選び、移動軌跡輪郭内の色を赤色系と青色との混色とする。そして、混色度を硬さに応じて選択し、硬さがより硬い部分はより青色に、より軟らかい部分はより赤色にする。したがって、硬さについて赤色を背景色として青色で表示することになり、硬さ表示を行ってもその下地に生体の手術対象領域の色が透けて見えるようにでき、生体の硬さをその部分の生体の色を見えるようにして視覚的に表示することができる。
また、本発明に係る開皮外科手術支援システムにおいて、複数の硬さ画像間における生体の手術対象領域画像の色を、各硬さ画像を構成する色に基づいて選択し、補間された硬さ画像を形成する補間硬さ画像形成部を備えることが好ましい。
上記構成により、移動軌跡内において硬さを表示するのみならず、複数の移動軌跡すなわち硬さ表示画像があるときに、その移動軌跡の間の領域についても補間により硬さ表示をする。したがって、広い領域の硬さ分布を補間により表示でき、開皮外科手術支援を効率的に行うことができる。
本発明を実施するための最良の形態
以下、図面を用いて、本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は、生体1の開皮外科手術を支援する開皮外科手術支援システム3のブロック図である。開皮外科手術支援システム3は、生体1の手術対象領域を撮像し画面に写し出す撮像・表示手段5と、生体1に接触して生体の硬さを検出するプローブ7を備え、プローブ7は、さらに、プローブ7の生体に対する接触圧も検出する。
撮像・表示手段5は、生体表面からの反射光11とプローブ先端に取付けられたマーカーからの反射光13により、生体1とマーカーを含むプローブ7を撮像するテレビカメラ15を備える。また、中間信号処理として、テレビカメラ15が撮像した全画面の信号の中からプローブのマーカーの反射光部分の信号を抜き出し、全画面信号17と別にプローブ位置信号19を生成するプローブ位置信号分離部21を備え、全画面信号17と後に詳述する軌跡信号、硬さ信号、接触圧信号とを重畳する重畳部23を備える。さらに、重畳部23により重畳された信号による重畳画像を表示するディスプレイ25を備える。
また、開皮外科手術支援システム3は、プローブ位置信号37からプローブ位置を取得する位置取得部41を備え、軌跡信号生成部43において、プローブ7を生体上で走査するように移動したときの各プローブの位置を記憶し、プローブ7の移動軌跡を表す軌跡信号45を生成する。
また、プローブ7からのセンシング信号を処理し、硬さ算出部47および硬さ信号生成部49を経て、硬さを画面上に表示するための硬さ信号51を生成する。
また、プローブ7からのセンシング信号を処理し、接触圧算出部53および接触圧信号生成部55を経て、接触圧を画面上に表示するための接触圧信号57を生成する。
かかる構成の作用を説明する。生体1を開皮手術する際、生体1の真上にテレビカメラ15をセットし、ディスプレイ25にその手術対象領域を写し出す。次に、手術を施す術者は、プローブ7を生体1の表面に接触させる。そしてディスプレイ25を見ながらプローブ7を生体1の表面を走査するように移動する。
テレビカメラ15で撮像されたプローブ7に取付けられたマーカーの画像は、プローブ位置信号分離部21で全体画像から分離され、マーカーの位置に関する信号が得られる。この信号を用いて、位置取得部41でマーカーの時々刻々の位置情報を取得し、軌跡信号生成部43でマーカーの移動した範囲の位置情報を接続し移動軌跡として、軌跡信号45を生成する。この軌跡信号45を全画面信号17と重畳部23において重畳することで、生体画像等と移動軌跡の画像とが重畳して、ディスプレイ25上に表示される。
また、プローブ7が検出したセンシング信号は、硬さ算出部47および硬さ信号生成部49を経て硬さ信号51が生成される。この硬さ信号51を全画面信号35と軌跡信号45と重畳部23において重畳することで、生体画像等と、プローブの現在位置および移動軌跡と関係付けした硬さの情報画像とが重畳して、ディスプレイ25上に表示される。接触圧信号による画像をさらに重畳することもできる。
図2は、ディスプレイ上の画面の重畳を説明するため、その要素を、全画面信号からの画面61と、軌跡信号からの画面63と、硬さ信号からの画面65とに分け、相互の関係を示した図である。全画面信号からの画面61は、生体の表面画像71と、生体の上に接触したプローブの画像73が表示される。また、プローブの先端に設けられたマーカーの画像75も表示される。これらの画像は、フルカラーで表示することで、外科手術を施す術者が、ディスプレイの画面の像と、実際の生体とを容易に比較できる。
軌跡信号からの画面63は、マーカーの現在位置の画像77と、所定の期間におけるマーカーの移動範囲を示す軌跡画像79が表示される。所定の期間は、例えば術者がスタートボタンを押してからの期間とすることができる。このとき、軌跡画像は、スタートボタンが押されてから現在までの期間のマーカーの移動範囲を示す軌跡画像となる。マーカーの移動した軌跡の軌跡画像79は、色を変えて表示することができる。例えば、全画面信号からの画面61がフルカラーであるとき、所定の期間においてマーカーが移動した範囲の生体画像を白黒表示とすることで、マーカーの移動軌跡を他の部分と容易に区別できる。マーカーの現在位置の画像77と、軌跡画像79は区別して表示されるので、図2の軌跡信号からの画面63の例のように、マーカーが一度移動した軌跡を元に戻ったときでも、前の一度移動した軌跡はそのまま表示される。このことで、マーカーの現在位置と、移動軌跡との関係が明確になる。
硬さ信号からの画面65は、プローブの模型マークで現在位置を表示する現在位置画像81と、細い帯状のパターンで移動軌跡の範囲を示す移動軌跡範囲画像83と、横軸に移動軌跡の位置座標、縦軸に硬さをとった硬さ−位置関係グラフ枠画像85と、グラフ枠内に示される硬さの位置による変化曲線画像87とが表示される。これらの画像の表示領域は、ディスプレイの全体画面の下方の、生体の全体画像等の観察の妨げにならない領域にとられる。また、これらの画像の表示領域を、ディスプレイの全体画面の範囲内で移動可能とし、生体の全体画像等の観察の妨げにならない領域に任意に移動することもできる。また、現在位置画像81、移動軌跡範囲画像83は、変化曲線画像87に含めて表示することもできる。例えば、変化曲線の横軸の範囲を移動軌跡の範囲であるように表示し、現在位置を変化曲線上の輝点で示すことができる。
図3は、ディスプレイ上の重畳表示について別の実施の形態を示す図である。ここでは、マーカーの現在位置の画像77、マーカーの移動した軌跡画像89とともに、軌跡画像89の領域内に、硬さの違いをメッシュの粗さの違いで直接表示する。画面には、メッシュの粗さと硬さの関係を示すカーソル91が設けられる。メッシュの粗さの違いのほか、色の違い、色の濃淡の違い等で硬さの違いを表示してもよい。
重畳部23において、全画面信号17、軌跡信号45、硬さ信号51を重畳することで、ディスプレイ25には、上述の全画面信号からの画面61と、軌跡信号からの画面63と、硬さ信号からの画面65とを重畳した画面が表示される。さらに接触圧信号57による画面を重畳することもできる。
図4は、プローブ7の断面図と、硬さ算出部47と接触圧算出部53との接続関係を示す図である。プローブ7は、筐体101に、板バネ103の一端が固定され、板バネ103の先端には、略半球状の生体接触ボール105と振動体107と振動検出センサ109との積層体が取付けられる。また、板バネ103の反対側には、接触パッド111が設けられ、接触パッド111に対向する筐体101の部分に、接触圧検出センサ113が取付けられる。振動体107と振動検出センサ109は、それぞれ信号線115,117により硬さ算出部47と接続され、接触圧検出センサ113は信号線119により接触圧算出部53と接続される。生体接触ボール105の位置に対応した筐体101の外壁に、略半球状の光反射体121が取付けられる。
光反射体121は金属製、プラスチックに光沢メッキを施して得ることができ、大きさは3−5mmが好適である。接触圧検出センサは、ひずみゲージで構成することができる。板バネ103の先端に、略半球状の生体接触ボール105、振動体107、振動検出センサ109を取付ける方法は、接着の他、ネジ止め等でも良い。硬さ検出についての部分の構成は、後に図5を用いて詳細に説明する。
図4に示す構成のプローブ7につき、硬さ検出の詳細を除く作用について説明する。生体の硬さを検出するため、術者は、筐体101の図示していないハンドル部をもち、生体接触ボール105の部分を生体に接触させる。その接触により、生体接触ボール105が取付けられた先端部分は、板バネ103を介して、図4における上方、すなわち筐体101の天井部分に向かって移動し、板バネ103の先端部分の反対側に設けられた接触パッド111が、接触圧検出センサ113に押し付けられる。ひずみゲージで構成される接触圧検出センサ113は、押し付けられた圧力、すなわち、生体接触ボール105が生体から受ける反力に応じたひずみをセンシングでき、そのセンシング信号を信号線119により接触圧算出部53に入力して、接触圧を算出することができる。
接触圧算出部53は、接触圧を算出する他、予め一定の接触圧を設定しておき、その一定値に接触圧が達した時に一定接触圧信号を出すこともできる。この一定接触圧信号を硬さ算出部47または硬さ信号生成部49に送り、一定接触圧信号が送られたときのみ硬さを算出し、または硬さ信号を生成するようにできる。このことで、一定の接触圧の下の生体の硬さを表示することが可能になる。
また、プローブ7の上方にはテレビカメラがセットされ、生体の状況、プローブ7の動きを画像として検出する。ここで、光反射体121は、略半球状で、生体接触ボール105の位置に対応して設けられているので、テレビカメラが捕らえる光反射体121の像の位置は、プローブ7の姿勢が変化しても、ほぼ生体接触ボール105が生体に接触する位置を示す。すなわち、光反射体121はプローブの動きと連動するマーカーとして用いることができる。
次に、硬さ検出に係る部分につき詳細に説明する。図5は、プローブの構成要素のうち、硬さ検出にかかわる部分を抜き出したブロック図である。生体接触ボール105の上部に振動体107、振動検出センサ109が接着により積層される。振動検出センサ109からの信号線117と、振動体107への信号線115は、硬さ算出部47と接続される。硬さ算出部47は、振動検出センサ109からの信号線117が増幅器131に接続され、増幅器131と振動体107への信号線115との間に位相シフト回路133が設けられる。位相シフト回路133に、周波数偏差検出器135が接続され、さらに、周波数偏差検出器135に硬さ換算器137が接続される。
位相シフト回路133は、振動子への入力波形と振動検出センサからの出力波形に位相差が生じるときは、周波数を変化させて位相差をゼロにシフトする回路であり、その内部構成とその作用については、特開平9−145691号公報に詳しく述べられている。生体接触ボール105は、プラスチック等の絶縁体を略半球状に成形して得ることができる。振動体107と振動検出センサ109は、圧電素子等で得ることができる。振動体107、振動検出センサ109は、接着により積層されるほか、分割電極を用いて一体型としたものを用いることができる。
この構成のもとで、生体接触ボール105を生体1に接触させると、振動体107からの振動が生体接触ボール105を介し生体1に与えられ、生体の硬さに対応し位相、振動数が変化した振動が生体接触ボール105を介して返ってくる。この返ってきた振動を振動検出センサ109で検出し、増幅器131で増幅したのち、位相シフト回路133が、振動体107への入力信号と、振動検出センサ109からの出力信号との位相差をゼロにするよう周波数を変化させる。この周波数の変化、すなわち周波数偏差は生体の硬さに応じた値であるので、これを周波数偏差検出器135で検出し、硬さ換算器137で硬さに換算して、生体の硬さを得ることができる。
図6から図9は、ディスプレイ上の画面の合成において、硬さの表示について他の実施の形態を説明する図である。硬さの表示においては、生体の手術対象領域の色と識別できる色を硬さ表示色として選択し、移動軌跡の輪郭内を硬さ表示色に基づいて着色することでその部分の硬さを表すことができる。一般的には生体の手術対象領域の色は、ピンク系から赤色系が多いので、硬さ表示色としては青色、緑色、黄色系を選択することができる。移動軌跡の輪郭内の着色の仕方には、その部分の生体の色を硬さ表示色で置き換えてしまう置換法と、その部分の生体の色を背景色として残し、背景色が透けて見えるようにその部分の生体の色と硬さ表示色とを混色させる透かし法とを用いることができる。
図6は、説明のために、全画像信号からの画面からプローブの画像を抜いた画像161を上段に、マーカーの移動軌跡の中心線181に沿った各点X1,X2,X3の色データを下段に示した図である。例えば、生体を開皮し、肝臓を露出させた場合において、画像161は肝臓部分の画像171と、その外側における肝臓以外の生体組織の画像173が含まれる。色データはRGBの各256階調で示すことができる。この例では、肝臓部分の点X2の色は純赤色で、肝臓以外の生体組織部分の点X1,X3の色は薄い赤色つまりピンクがかった色として表される。
図7は、説明のために、マーカーの軌跡信号からの画像においてマーカーの移動軌跡の輪郭179内に硬さを表す色を施した画像163を上段に、移動軌跡の輪郭179内の各点X4,X5,X6,X7の色データを下段に示した図である。この例では、硬さを点X5において100、点X4,X6において50、点X5において25とし、硬さ表示色に青色を選択し、硬さデータ値と青色の色データ値とを対応させ、硬さデータ値100を色データ値256としている。
図8は、置換法により図6の画像161と図7の画像163とを合成した画像165を上段に、各点X1’〜X7’の色データを下段に示した図である。この例では、肝臓部分の各点X1’〜X7’の生体としての色データ値は元々それぞれRの255であるが、硬さに対応する色データ値、すなわちBの127,256,127,64に置き換えられている。したがって、移動軌跡の輪郭179が肝臓部分の画像171の中で明確に区別でき、移動軌跡の輪郭179内が硬さ表示色の濃淡に着色されて表示されるので、硬さを視覚的に認識できる。
図9は、透かし法により図6の画像161と図7の画像163とを合成した画像167を上段に、各点X1”〜X7”の色データを下段に示した図である。この例では、肝臓部分の各点X2”〜X6”の色データ値は、元々の生体としての色データ値であるRの255と、硬さに対応する色データ値、すなわちBの127,256,127,64とが混色率αで混色された混色データ値となっている。混色データ値X”は、肝臓部分の元々の色データ値をXとし、その部分の硬さ表示色の色データ値をYとし、混色率をαとすると、X”=(1−α)X+αYで与えられる。
混色率αは、硬さに対応する色データ値が最も大きいときに50%最も小さいときに0%とするのが好ましい。すなわち、最も硬い部分では背景の肝臓部分の色と半々で混色し、硬さが軟らかくなるにつれ背景の肝臓部分の色を強くする。混色率αの例を図7の下段に示した。このことで、視覚的には肝臓部分の色を背景色としてその上に透かしたように硬さ表示色の濃淡を表示できる。
図10、図11は、硬さを表す画像の他の実施の形態を示す図である。図10は、説明のために、マーカーの軌跡信号からの画像において2個のマーカー移動軌跡の輪郭211,213を示し、各移動軌跡の輪郭211,213内に硬さを表す色を施した画像201を示す。2個の移動軌跡に挟まれた領域215について、硬さを補間して表示しようとするのがこの実施の形態である。
図11に、2個の移動軌跡に挟まれた領域205について硬さを補間した画像203を上段に、移動軌跡の輪郭211内の各点X11,X12,X13、移動軌跡の輪郭213内の各点X21,X22,X23、移動軌跡に挟まれた領域215の各点X31,X32,X33の色データを下段に示す。この例では、肝臓部分の画像171との合成は置換法によるものとして、肝臓部分及び肝臓以外の生体組織の色データは省略した。移動軌跡に挟まれた領域215の各点の色データ値は、その領域を囲む複数の移動軌跡の輪郭内における色データ値に基づく補間により求めることができる。補間法には線形補間法を用いることができる。重み付け係数を用いて、重み付け補間を行うこともできる。
図11の例では、点X31の色データ値は、点X11の色データ値(B−127)と点X21の色データ値(B−127)に基づく補間により(B−127)と求められる。点X32の色データ値は、点X12の色データ値(B−255)と点X22の色データ値(B−64)に基づく補間により(B−160)と求められる。また、点X32の色データ値は、点X12と点X22との補間に加えて、点X13と点X21との補間及び点X11と点X23との補間をも考慮に入れることができる。このように、補間においては、補間をしたい点、例えば点X32を囲む各硬さ画像の色データ値をできるだけ多く補間に用いることで、広い領域に渡り滑らかな硬さの分布を表示することができる。
補間硬さ画像を得る際に、硬さ画像と生体の手術対象領域画像との合成は、置換法の代わりに透かし法を用いてもよい。この場合には、硬さの補間を行った後に、その補間硬さの色データ値と、背景の手術対象領域画像の色データ値との間で混色を行うことができる。
産業上の利用可能性
以上のように、本発明に係る開皮外科手術支援システムは、処置を施す部位、すなわち生体の患部とそれ以外の部分を判別して開皮外科手術を支援するシステムに有用である。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の実施の形態に係る開皮外科手術支援システムのブロック図である。
図2は、本発明の実施の形態に係る、ディスプレイ上の画面の重畳につき、全画面信号からの画面と、軌跡信号からの画面と、硬さ信号からの画面との相互の関係を示した図である。
図3は、本発明の実施の形態に係る、他のディスプレイ上の表示法を示す図である。
図4は、本発明の実施の形態に係るプローブの断面図である。
図5は、本発明の実施の形態に係る、プローブの構成要素のうち硬さ検出にかかわる部分を抜き出したブロック図である。
図6は、本発明の実施の形態において、全画像信号からの画面からプローブの画像を抜いた画像を上段に、マーカーの移動軌跡の中心線に沿った各点の色データを下段に示した図である。
図7は、本発明の実施の形態において、マーカーの軌跡信号からの画像においてマーカーの移動軌跡の輪郭内に硬さを表す色を施した画像を上段に、移動軌跡の輪郭内の各点の色データを下段に示した図である。
図8は、本発明の実施の形態において、置換法により図6の画像と図7の画像とを合成した画像を上段に、各点の色データを下段に示した図である。
図9は、本発明の実施の形態において、透かし法により図6の画像と図7の画像とを合成した画像を上段に、各点の色データを下段に示した図である。
図10は、本発明の実施の形態において、2個のマーカー移動軌跡の輪郭内に硬さを表す色を施した画像を示す図である。
図11は、本発明の実施の形態において、2個の移動軌跡に挟まれた領域について硬さを補間した画像を上段に、移動軌跡の輪郭内の各点及び移動軌跡に挟まれた領域の各点の色データを下段に示す。
Claims (10)
- 開皮外科手術の際に、生体の患部と他の部分との硬さの差異を検出し、手術を支援する手術支援システムであって、
生体の手術対象領域を撮像し、画面に写し出す撮像・表示手段と、
生体に接触するプローブを有し、生体の硬さを検出する生体硬さ検出手段と、を備え、
前記撮像・表示手段は、
前記プローブを生体上で動かしたときの移動軌跡を、前記生体の手術対象領域画像に重畳して表示するプローブ軌跡重畳部と、
プローブの移動軌跡に対応した前記生体の硬さを表示する軌跡対応硬さ表示部と、
を含むことを特徴とする開皮外科手術支援システム。 - 請求の範囲1に記載の開皮外科手術支援システムにおいて、
さらに、前記プローブの生体に対する接触圧を検出する接触圧検出センサを備えることを特徴とする開皮外科手術支援システム。 - 請求の範囲2に記載の開皮外科手術支援システムにおいて、
前記軌跡対応硬さ表示部は、一定の接触圧の下の生体の硬さを表示することを特徴とする開皮外科手術支援システム。 - 請求の範囲1ないし請求の範囲3のいずれか一つに記載の開皮外科手術支援システムにおいて、
前記生体硬さ検出手段は、
先端に振動子と、振動検出センサとが設けられ、振動子に接続される入力端子と、振動検出センサに接続される出力端子を備えるプローブ部と、
プローブの出力端子に入力端が接続される増幅器と、
増幅器の出力端とプローブの入力端子との間に設けられ、プローブの振動子への入力波形と振動検出センサからの出力波形に位相差が生じるときは、周波数を変化させて前記位相差をゼロにシフトする位相シフト回路と、
を備え、プローブと生体を含む閉ループの共振状態を維持しつつ、生体の硬さが変化することで生ずる前記周波数変化から、生体の硬さを算出することを特徴とする開皮外科手術支援システム。 - 請求の範囲1ないし請求の範囲4に記載の開皮外科手術支援装置において、
さらに、前記プローブの動きと連動するマーカーと、を備えることを特徴とする開皮外科手術支援装置。 - 請求の範囲5に記載の開皮外科手術支援装置において、
前記マーカーは、前記プローブに設けられた半球状の光反射体であることを特徴とする開皮外科手術支援装置。 - 請求の範囲1に記載の開皮外科手術支援システムにおいて、
前記軌跡対応硬さ表示部は、算出された生体の硬さに応じて移動軌跡の輪郭内の色を選択し、生体の硬さを表す画像を形成して表示することを特徴とする開皮外科手術支援システム。 - 請求の範囲7に記載の開皮外科手術支援システムにおいて、
生体の硬さを表す画像の形成は、生体の手術対象領域の色と識別できる硬さ表示色を用い、生体の硬さに応じて硬さ表示色の濃淡を選択し、移動軌跡輪郭内の生体の色を硬さ表示色に置き換えて、硬さがより硬いときはより濃い硬さ表示色に、より軟らかいときはより淡い硬さ表示色になるように選択することを特徴とする開皮外科手術支援システム。 - 請求の範囲7に記載の開皮外科手術支援システムにおいて、
生体の硬さを表す画像の形成は、前記生体の手術対象領域画像と識別できる硬さ表示色を用い、生体の硬さに応じ、硬さ表示色と前記移動軌跡内の生体の色との混色比を選択し、硬さがより硬いときは硬さ表示色の割合を多く、より軟らかいときは生体の色の割合を多くなるように選択することを特徴とする開皮外科手術支援システム。 - 請求の範囲7に記載の開皮外科手術支援システムにおいて、
複数の硬さ画像間における生体の手術対象領域画像の色を、各硬さ画像を構成する色に基づいて選択し、補間された硬さ画像を形成する補間硬さ画像形成部を備えることを特徴とする開皮外科手術支援システム。
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