JPWO2003049197A1 - 固体中核スピン量子演算素子 - Google Patents

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Abstract

強磁場中二次元電子系(101)上のゲート電極(103A)と(103B)に電圧を印加し、オーミック電極(102D)と(102S)間に流す電流極性を選択し、量子ホール端状態の電子の非平衡分布に基づく電子スピン反転を生起して核スピン偏極を初期化し、コプレーナ型導波路(104A)と(104B)に核磁気共鳴周波数の振動電場を印加して核スピン偏極を制御し、オーミック電極(102VA)と(102VB)によりホール抵抗を測定して核スピン偏極を読み出す。本発明の固体中核スピン量子演算素子によれば、半導体二次元電子系で実現される量子ホール効果素子に微細な金属ゲート構造を付加することにより製造可能で、かつ、少数の核スピンの制御、少数の核スピンの初期化、少数の核スピンのユニタリー変換、及び少数の核スピンの読み出しを行うことができる。

Description

技術分野
本発明は、固体中の核スピン系を利用した量子計算機に用いる量子演算素子に関する。
背景技術
量子計算機は、従来の古典的計算機では事実上計算不可能な特定の問題に対して圧倒的に早い計算速度を持つ計算機である。この量子計算機では、古典的計算機のビットに対応するものとして、量子ビットと呼ばれる量子2準位系が用いられる。演算には多数の量子ビットが用いられるが、もっとも基本的な動作は、任意の一つの量子ビットに対するユニタリー変換操作と、操作終了後の量子ビットの読み出しを行う量子演算素子によって行われる。
スピンを例にとって量子ビットの基本事項を説明する。一般に、1/2のスピン量子数を持つスピンに静磁場を印加すると、スピンの向きは静磁場に平行な(上向きの)状態(|0>)か、反平行な(下向きの)状態(|1>)をとることが可能であるが、それ以外に、磁場方向から傾いた状態も取り得る。この傾いた状態は、上向き状態|0>と下向き状態|1>の重ね合わせ状態(state of superposition)として、次の(1)式で記述される。
|s>=α|0>+β|1> (1)
ただし、αとβは、次の(2)式
|α|+|β|=1 (2)
を満たす複素数である。スピンの向きを測定すると、状態|s>は、“波束の収束”と呼ばれる変化を起こし、状態|0>か、状態|1>のいずれかの状態になる。その際、測定結果が状態|0>である確率が|α|、状態|1>である確率が|β|で与えられる。測定結果において同じ確率を与える状態、すなわち、|α|または|β|が同じであっても、αやβの異なる無数の状態が可能であり、その区別は、状態の“位相”によって与えられる。
(1)式で与えられる重ね合わせ状態が量子ビットとして機能する。すなわち、古典ビットは0か1のいずれかであるが、量子ビットでは|0>(|α|=1,|β|=0)か、|1>(|α|=0,|β|=1)か以外に、|0>と|1>の中間の状態(|α|と|β|がどちらも1や0ではない状態|s>)が無数にあり、さらに、位相の異なった状態も無数に存在する。ある状態|s>を何らかの作用によって別の状態|s’>に変化させることをユニタリー変換と呼ぶ。
一般に、量子計算機を構成するためには、以下の4つの機能を備える必要がある。第1は初期化である:すなわち、量子ビットの初期状態を、よく定義された状態、例えば、|0>または|1>に初期化する手段を有することである。
第2は状態の制御(量子演算ゲート)である:すなわち、用意された初期状態(例えば|0>または|1>)を任意の重ね合わせ状態|s>にユニタリー変換する手段を有することである。このことは、ユニタリー変換の間に、外界からの影響で、スピン状態が擾乱され位相を失う(decoherence)ことがない、という要求を潜在的に含んでいる。
第3は読み出しである:すなわち、ユニタリー変換した状態|s>を測定する手段、すなわち、|α|または|β|の値を決定する検出手段、を有することである。
第4は拡張性に関する:まず、2ビットについて条件付状態制御(controled not gate)が要求され、集積化によるさらに多数の量子ビットへの拡張が要求される。
本発明は、上記4つの機能の内、第1から第3までの機能を有する量子演算素子を提供することを目的とする。従って、本発明の量子演算素子を用いて、直ちに量子計算機を構成することはできないが、本発明の量子演算素子は量子計算機の構成に必要不可欠な構成要素である。
次に、1ビットのユニタリー変換の方法について、基本的事項を説明する。核スピンを量子ビットとする場合、スピンの偏極(向き)は(1)式の状態|s>で指定される。すなわち、上向きなら(1)式において|α|=1、|β|=0であり、下向きなら|α|=0、|β|=1である。傾いた偏極を持つ状態は、これら以外の値を持つαとβを指定することで定義される。スピンが磁場に平行な状態|0>のエネルギーEは、反平行な状態|1>のエネルギーEより低い。E、Eのエネルギー差に等しい周波数、
hf=E−E (h:プランクの定数) (3)
を核磁気共鳴(Nuclear Magnetic Resonance:NMR)周波数という。初期状態が|0>の場合、NMR周波数を持つ振動磁場を静磁場に垂直方向に印加すると、スピンの状態は、一般に時間tとともにユニタリー変換され、その時間発展(time evolution)は、(1)式のα、βが、次式(4),(5)のように時間変化することによって表される。
|α(t)|=cos(2πFΔt) (4)
|β(t)|=sin(2πFΔt) (5)
ただし、Fは印加する振動磁場の振幅に比例する定数である。核スピン状態のユニタリー変換は、核磁気共鳴(NMR)周波数の振動磁場をパルス的に印加することで実行される。すなわち、パルス幅Δtの振動磁場パルスを印加すると、印加後に状態は、|s>=α|0>+β|1>、ただし、
|α|=cos(2πFΔt) (6)
|β|=sin(2πFΔt) (7)
に変換される。
図6は理論的に提案されている、固体中のただ一つの核スピン制御を利用した固体中核スピン演算素子の一例を示す概念図である(文献:Nature,Vol.393,p.133(1998)参照)。
この例においては、シリコン601中にリン(31P)602が配置された構造において、バリアー603を介して、金属ゲート604が用意されている。シリコン(28Si)は核スピンを持たず、リンの持つ量子数1/2の核スピンが量子ビットとして機能する。シリコンは4価であるのに対してリンは5価であるので金属ゲート604にバイアス電圧を印加することにより、リン602が持つ余分の電荷を原子核から遠ざけたり近づけたりすることができる。そのため、電子スピンと核スピンとの超微細相互作用(hyperfine interaction)を強めたり弱めたりすることができる。その結果、以下に述べる核磁気共鳴(Nuclear Magnetic Resonance:NMR)の共鳴周波数をゲート電圧で制御することができる。さらに、図には示さないが、同様な構造を横並びに隣接して多数配置することによって、多数の量子ビットを連結することができる。
このような、従来の固体中核スピン演算素子の理論的提案では、NMRを引き起こす高周波磁場パルスによって核スピンの状態|s>を制御することにより、上記のユニタリー変換操作が行われ、量子ビットに対する演算を行う。
このような構成の量子計算機においては、素子の微少化と高速動作のために、できるだけ少数の核スピンを含む素子に対して核スピンの制御と読み出しを高速で行うことが必要である。上記の理論的提案では、シリコン結晶中の不純物の完全な除去や、シリコン結晶中の正確な位置に31Pイオンを埋め込む方法、0.05ミクロン程度の微細加工等、の困難な課題を含んでおり、現在の半導体技術では実現不可能である。
一方、図7は極低温かつ強磁場中におかれた半導体中二次元電子系で実現される量子ホール端状態を用いて、核スピンの集団について、その偏極の読み出しを行う素子の一例を示す概念図である(文献:Physical Review B,Vol.56,p.4743(1997)参照)。この例では、半導体ヘテロ構造701に電極702及び金属ゲート703が作製されている。コイル704に高周波電流を与えることによって半導体ヘテロ構造に高周波磁場変調を加え、核スピンを検出する。
しかし、この素子ではスピン状態(量子ビット)の読み出しが行われる数ミクロン程度の微小な領域に比べてずっと大きな(直径数ミリメートル)コイルによる高周波磁場によって核磁気共鳴を行うため、二次元電子系全体、電極、リード線等が発熱して量子ホール効果が破壊され、高速での核スピン制御を行うことができない。さらに二次元電子系の領域全体に存在する核スピンに対してもスピン操作が同時に行われてしまうという難点を有している。
従来の理論的提案による、固体中核スピンによる量子ビットでは、現在の技術レベルでは実現できない半導体の微細構造を必要とするために製造不可能であるか、または、少数の核スピンの制御と読み出しを行うことができなかった。
本発明は、半導体二次元電子系で実現される量子ホール効果素子に微細な金属ゲート構造を付加することにより製造可能な、かつ、少数の核スピンの制御、少数の核スピンの初期化、少数の核スピンのユニタリー変換、及び少数の核スピンの読み出しを行うことができる固体中核スピン量子演算素子を提供することを目的とする。
発明の開示
上記目的を達成するため、本発明の固体中核スピン量子演算素子は、半導体材料中に作製された、強磁場中二次元電子系における量子ホール端状態を利用して半導体の局所的領域の核スピン偏極の初期化を行う初期化手段と、バイアス電圧を印加して核スピンのNMR周波数を調節すると共に、高周波電場パルスまたは高周波磁場パルスを印加して核スピン偏極の方向を制御して量子力学的重ね合わせ状態を制御する制御手段と、制御された核スピン偏極に依存して変化するホール抵抗値を利用して上記量子力学的重ね合わせ状態を検出する検出手段とを有することを特徴とする。
上記局所的領域の核スピン偏極の初期化を行う初期化手段は、二次元電子系上に設けた金属ゲートに電圧を印加して発生させる量子ホール端状態の電子スピンの非平衡分布を利用することを特徴とする。
また、上記量子力学的重ね合わせ状態を検出する検出手段は、核スピン偏極の制御に伴う実効的なゼーマン分裂エネルギーの変化によって引き起こされるホール抵抗値の変化に基づくことを特徴とする。
また、上記NMR周波数を調節すると共に、量子力学的重ね合わせ状態を制御する制御手段は、量子ホール端からサブミクロン以内の近傍に配置された高周波導波路を利用することを特徴とする。高周波導波路は、コプレーナー型導波路でもよく、ストリップ型導波路であってもよい。
本発明によれば、半導体中二次元電子系で実現される量子ホール端状態間の散乱に伴う電子スピンの反転を伴う散乱によって、局所的領域の核スピンを反転させ、量子ビット演算前の初期状態の準備が可能になる。
また、本発明によれば、チャネル端近傍に付加した微細な高周波導波路にバイアス電圧を印加することによって、核スピンのNMR周波数を調節することができる。
さらに、本発明によれば、上記の微細な高周波導波路に高周波電場を印加し、局所的領域の核スピンに高周波電場または高周波磁場を印加することによって、必要な微少領域のみに核磁気共鳴をおこして、核スピン状態のユニタリー変換が可能になる。
また、本発明によれば、核スピン偏極の制御に伴う実効的なゼーマン分裂エネルギーの変化によって引き起こされるホール抵抗値の変化によって、核スピン偏極制御後の局所的領域の核スピン偏極を検出して、量子ビット操作後の読み出しが可能になる。
さらに本発明によれば、上記全操作を通して制御される核スピンの数は10から10程度であるが、初期化がほぼ100%行われるために関与する全スピン状態が揃って制御され、かつ外界との相互作用が小さいために、全体として1ビットとして動作することが可能である。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の固体中核スピン量子演算素子の代表例の一つの構成を示す平面図である。
101は固体材料を用いた二次元電子系、102S,102D,102VA及び102VBは金属からなるオーミック電極、103A,103Bは金属からなるショットキーゲート電極、104Aは金属からなるコプレーナー導波路芯線、104Bは金属からなるコプレーナー導波路グラウンド線である。
本発明の構成例の代表例のもう一つは、図2の通りである。図2において、201は固体材料を用いた二次元電子系、202S,202D,202VA及び202VBはオーミック電極、203A,203Bは金属からなるショットキーゲート電極、204Aは金属からなる微少ストリップ導波路である。
固体材料を用いた二次元電子系101または201の形成方法は周知の形成方法でよく、例えば、GaAs基板上に、二次元電子系101,201の形状に合わせて、不純物をドープしたGaAl1−xAs(0<x<1)エピタキシャル層を形成し、GaAs等のキャップ層で覆って形成できる。
次に、本量子演算素子の動作を説明する。
図3は本量子演算素子の動作を説明する模式図である。なお、図においては、説明を分かりやすくするため、図1、図2におけるオーミック電極の表示を省略している。
本量子演算素子の表面に垂直な方向、すなわち、図において紙面垂直方向に磁場を印加することによって、二次元電子系101(または201)を量子ホール状態にする。ここでランダウ準位充填率が2である状態になるように磁場を調整する。すなわち、最低ランダウ準位のスピンSが上向きと下向きの状態だけが電子で満たされる。この場合、図3に示すようにスピンが上向きと下向きの2本のエッジチャネルE1,E2が二次元電子系端Hに形成される。ここで、エッジチャネルとは、二次元電子系端Hでランダウ準位のエネルギーが上昇し、フェルミエネルギーとの交点に生じる擬一次元的な電子状態であり、磁場中での電気伝導をになう一次元的な電子の導波路として働く。古典的には電子のスキッピング軌道に相当する。
ここで、ショットキーゲート電極103A,103B(または、203A,203B)に負の電圧を印加することによって、ショットキーゲート電極下の領域のランダウ準位充填率が1になるように電圧値を調整する。この場合、図3の点線で示すように、外側(スピン上向き)のエッジチャネルE1はショットキーゲート電極103A,103B(または、203A,203B)によって形成されたポテンシャル障壁は通過するが、内側(スピン下向き)のエッジチャネルE2はポテンシャル障壁で反射される。
従って、図1または図2において、右下のオーミック電極102S(または202s)を電気化学ポテンシャルμに、左上のオーミック電極102D(または202D)を電気化学ポテンシャルμにバイアスして電流を流すと、図3の点線で囲んだ領域Tにおいて、上向きスピンのエッジチャネルE1がμまで電子が詰まっているのに対して、下向きスピンのエッジチャネルE2はμまで電子が詰まっている状態が実現される。これをエッジチャネル間の非平衡分布と呼ぶ(文献:Physical Review B,Vol.40,p.12566(1989)参照)。
ここで、μがμよりも大きい場合、電子は外側のエッジチャネルE1から内側のエッジチャネルE2にスピン反転を伴ってトンネリングするため、図3の一点鎖線で囲んだ領域Tのエッジチャンネルに沿う部分では、上向きから下向きへの電子スピンの反転が連続的に生じる。電子スピンの反転が生じた場合、それに伴って核スピンが逆の反転をおこす(文献:Physical Review B,Vol.56,p.4743(1997)参照)。そのため、上向きから下向きへの電子スピン反転に伴って、核スピンは下向きから上向きへと反転する。その結果、正の核スピン偏極を生じる。一方、μがμよりも小さい場合、電子は内側のエッジチャネルE2から外側のエッジチャネルE1にスピン反転を伴ってトンネリングするため、下向きから上向きへの電子スピンの反転が連続的に生じ、下向きから上向きへの電子スピン反転に伴って、核スピンは上向きから下向きへと反転する。その結果、負の核スピン偏極を生じる。μとμの大小関係は、オーミック電極102D,102S(または202D,202S)間に与えられる電流極性により決定されるため、電流極性を選択することによって、核スピン偏極の向きを制御することができる。すなわち、量子ビット演算前の核スピン偏極の初期化ができる。
二次元電子系にGaAl1−xAs/GaAs系を用いた場合には、Ga及びAsの核スピンモーメントは1/2であるので、Ga及びAsの核スピンが上向き又は下向きに偏極した初期化状態が形成される。
次に、本量子演算素子のユニタリー変換について説明する。ここでは核スピンモーメントが1/2の系、及び、初期化状態が、核スピンが全て上向きになった状態、すなわち正の核スピン偏極状態である場合を例に説明する。
二次元電子系端H近傍に付加した微細なコプレーナー型導波路104A,104B(または微小ストリップ204)にNMR周波数をもつ振動電場パルスを印加する。図1に示した例においては、コプレーナー型導波路芯線104Aとコプレーナー型導波路グラウンド線104Bとの間にNMR周波数をもつ振動電場パルスを印加することにより、104Aと104Bの間の領域の核スピンが静磁場に垂直方向の電場変調を受ける。図2に示した例においては、微小ストリップ導波路204にNMR周波数をもつ振動電場パルスを印加することにより、微小ストリップ導波路204の直下の核スピンが静磁場に垂直方向の磁場変調を受ける。電場変調、磁場変調を問わず、振動周波数が核スピンの核磁気共鳴周波数に一致すると核磁気共鳴が生じる(文献:Physical Review B,Vol.64,195304(2001)参照)。
また、高周波導波路は、二次元電子系端Hからサブミクロン以内の近傍に配置されているので、二次元電子系端Hからサブミクロン以内の局所領域の核スピンのみが電場変調または磁場変調され、二次元電子系101(または201)の他の領域の核スピンは電場変調または磁場変調されない。
また、コプレーナー型導波路芯線104Aとコプレーナー型導波路グラウンド線104Bのバイアス電圧を調節すれば、核スピン系と電子系の超微細相互作用が変化する(文献:Nature,Vol.393,p.133(1998)参照)ので、NMR周波数を任意に制御することができる。同様に、微小ストリップ導波路204と基板との間にバイアス電圧を印加してNMR周波数を任意に制御することができる。
パルス印加以前に上向き核スピンの状態にあった核スピンは、NMR周波数の電場パルスまたは磁場パルスのパルス幅Δtの間、上向き核スピンの状態から下向き核スピンの状態に向かって時間発展する。パルス幅Δtを制御することにより、核スピンが任意の向きの状態、すなわち、上向き核スピンの状態と下向き核スピンの状態の任意の重ね合わせ状態を実現できる。これは、核スピン偏極を制御して量子力学的重ね合わせ状態を制御することに対応し、これが1量子ビットの演算に対応する。
次に、量子ビット演算結果の読み出しについて説明する。
核スピン系と電子スピン系の相互作用により、核スピン偏極に応じて電子のゼーマン分裂エネルギーが変化する(文献:Physical Review B,Vol.56,p.4743(1997)参照)。正の核スピン偏極の存在下では、電子の実効的なゼーマン分裂エネルギーが減少するために、エッジチャネルE1,E2間の距離が近づき、エッジチャネルE1,E2間のトンネリングが促進される。逆に、負の核スピン偏極の存在下では、電子の実効的なゼーマン分裂エネルギーが増大するために、エッジチャネルE1,E2間の距離が広がり、エッジチャネルE1,E2間のトンネリングが抑制される。すなわち、量子ビット演算後の核スピン偏極の向きに応じてゼーマン分裂エネルギーが変化し、その結果、エッジチャネル間のトンネリング確率が変化する。
エッジチャネル間のトンネリング確率の変化は、ホール抵抗値の量子化ホール抵抗値からのズレを引き起こす(文献:Physical Review B,Vol.40,p.12566(1989)参照)。すなわち、量子ビット演算後、オーミック電極102VA、102VB(または202VA、202VB)間に電流を流し、オーミック電極102VA、102VB間を流れる電流とオーミック電極102VA、102VB間の電圧からホール抵抗を測定すれば、そのホール抵抗値から、量子ビット演算後の核スピン偏極を知ることができ、量子ビット演算結果の読み出しが可能である。
また、本発明の量子演算素子を1量子ビットとして並列に複数配置し、各量子ビットの核スピン系と電子系との超微細相互作用を介して互いに相互作用させることにより、多ビット間にまたがる量子演算が可能になる。さらに、この量子演算を条件付状態制御演算とすれば、量子コンピュータの実現が可能になる。
なお、本発明は、他のランダウ準位充填率において動作する固体核スピン量子演算素子を除外するものではない。
また、ここでは核スピンモーメント1/2の例を考えたが、核スピンモーメント3/2等の多準位をもつ系においても、電気四重極子相互作用により、それぞれの準位の縮退がとけるため、特定の2準位に対して同様の量子演算が可能である。
次に、本発明の実施例を示す。
図1に示した構造の本発明の固体中核スピン量子演算素子を、GaAl1−xAs/GaAsヘテロ構造を用いて作製した。電極は金ゲルマニウムを蒸着後、アルゴン雰囲気中でアニールすることにより作製した。ショットキーゲート電極、及びコプレーナー型導波路は金及びチタニウムの蒸着によって作製した。導波路の芯線及びグラウンド線の太さ、及び、芯線とグラウンド線の間隔は、全て2ミクロンで作製した。
上記のようにして作製した量子演算素子の表面に垂直な方向に磁場を印加することによって、二次元電子系101をランダウ準位充填率が2である量子ホール状態にした。また、ショットキーゲート103A、103Bに負の電圧を印加し、ショットキーゲート103A、103Bの直下の領域のランダウ準位充填率が1になるようにした。この状態で、オーミック電極102Dと102S間に一定電流IDSを流し、同時に、オーミック電極102VAと102VB間でホール抵抗を測定した。
図4は、核スピンの初期化が時間と共に進む状況をホール抵抗の変化として観測した結果を示す図である。図4(a)は、試料を正の核スピン偏極に初期化し、オーミック電極102Dの電気化学ポテンシャルμを102Sの電気化学ポテンシャルμよりも小さく設定して一定電流IDS=−6nAを流し、同時にホール抵抗値の時間変化を観測した図であり、図4(b)は、試料を負の核スピン偏極に初期化し、μをμより大きくして一定電流IDS=12nAを流し、同時にホール抵抗値の時間変化を観測した図である。縦軸はホール抵抗値、横軸は電流を流し始めた時点からの経過時間である。図中の矢印は核スピンの向きを表している。
図4(a)から、ホール抵抗値は、一定電流IDSを流す時間が経過するに従って増大することがわかる。この現象は、図3で説明したように、領域Tのエッジチャンネルに沿う部分で、下向きから上向きへの電子スピンの反転が連続的に生じ、下向きから上向きへの電子スピン反転に伴って核スピンが上向きから下向きへと反転して負の核スピン偏極が増大し、負の核スピン偏極の増大により実効的なゼーマン分裂エネルギーが増大し、ゼーマン分裂エネルギーの増大によりエッジチャネル間の距離が増大し、エッジチャネル間の距離の増大によりエッジチャネル間のトンネリングが抑制され、その結果、ホール抵抗値が増大したものである。
図4(b)から、ホール抵抗値は、一定電流IDSを流す時間が経過するに従って減少することがわかる。この現象は、図3で説明したように、領域Tのエッジチャンネルに沿う部分で、上向きから下向きへの電子スピンの反転が連続的に生じ、上向きから下向きへの電子スピン反転に伴って核スピンが下向きから上向きへと反転して正の核スピン偏極が増大し、正の核スピン偏極の増大により実効的なゼーマン分裂エネルギーが減少し、ゼーマン分裂エネルギーの減少によりエッジチャネル間の距離が減少し、エッジチャネル間の距離の減少によりエッジチャネル間のトンネリングが促進され、その結果、ホール抵抗値が減少したものである。
図4の結果は、本発明の固体中核スピン量子演算素子の核スピン初期化機能と量子演算結果の読み出し機能を実証するものである。
次に、本発明の固体中核スピン量子演算素子の量子ビット演算機能を実証する例を示す。二次元電子系端H近傍に付加した微細なコプレーナー型導波路104A,104Bに高周波電場を印加し、同時にホール抵抗を測定した。
図5は、高周波電場による核スピン偏極の制御をホール抵抗の変化として観測した結果を示す図である。試料を正の核スピン偏極に初期化し、印加する高周波電場の周波数を変化させて、ホール抵抗値の変化を測定した。縦軸はホール抵抗を示し、横軸は高周波電場の周波数を示す。
図5から明らかなように、48.98MHz付近にホール抵抗値のピーク構造が観測される。48.98MHzはAsの核磁気共鳴周波数であり、Asの核磁気共鳴周波数に一致する周彼数において核磁気共鳴が生じ、正の核スピン偏極が減少し、その結果として、ホール抵抗値が増大したことを示している。印加する高周波電場の時間Δtを制御することにより、ホール抵抗値のピーク高さを任意に制御できる。すなわち、量子力学的重ね合わせ状態を任意に制御することができる。図5の結果は、本発明の固体中核スピン量子演算素子の量子演算機能を実証するものである。
なお、本発明は例示的な実施例について説明したものであり、本発明の要旨及び範囲を逸脱することなく、実施例での種々の変更、省略、追加が可能である。従って本発明は実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された要素によって規定される範囲及びその均等範囲を包含するものとして理解されなければならない。
産業上の利用可能性
上記説明から理解されるように、本発明によれば、半導体材料中に作製された強磁場中二次元電子系における量子ホール端状態を利用するので半導体の局所的領域の核スピン偏極の初期化を行うことができる。また、二次元電子系端の近傍の局所領域に導波路を有するので、局所領域の核スピン偏極を制御して量子力学的重ね合わせ状態を制御することができる。また、核スピン偏極に依存して変化するホール抵抗値を検出するので量子力学的重ね合わせ状態を読み出すことができる。従って、本発明の固体中スピン量子演算素子を用いれば、実用的な固体量子コンピュータが実現できる。
【図面の簡単な説明】
本発明は以下の詳細な説明及び本発明の実施例を示す添付図面によって、よりよく理解されるものとなろう。なお添付図面に示す実施例は本発明を特定するものではなく、説明及び理解を容易とするものである。
図1は本発明の固体中核スピン量子演算素子の代表例の一つの構成を示す平面図である。
図2は本発明の固体中核スピン量子演算素子の代表例の他の一つの構成を示す平面図である。
図3は本発明の固体中核スピン量子演算素子の動作を説明する模式図である。
図4は本発明の固体中核スピン量子演算素子の核スピンの初期化が時間と共に進む状況をホール抵抗の変化として観測した結果を示す図である。
図5は本発明の固体中核スピン量子演算素子の高周波電場による核スピン偏極の制御をホール抵抗の変化として観測した結果を示す図である。
図6は従来の、理論的に提案されている固体中のただ一つの核スピン制御を利用した固体中核スピン演算素子の一例を示す概念図である
図7は従来の極低温かつ強磁場中におかれた半導体中二次元電子系で実現される量子ホール端状態を用いて、核スピンの集団について、その偏極の読み出しを行う素子の一例を示す概念図である

Claims (6)

  1. 半導体材料中に作製された、強磁場中二次元電子系における量子ホール端状態を利用して上記半導体の局所的領域の核スピン偏極の初期化を行う初期化手段と、
    バイアス電圧を印加して上記核スピンのNMR周波数を調節すると共に、高周波電場パルスまたは高周波磁場パルスを印加して上記核スピン偏極を制御して量子力学的重ね合わせ状態を制御する制御手段と、
    上記制御された核スピン偏極に依存して変化するホール抵抗値を検出して上記量子力学的重ね合わせ状態を読み出す検出手段とを有することを特徴とする、固体中核スピン量子演算素子。
  2. 前記局所的領域の核スピン偏極の初期化を行う初期化手段は、前記二次元電子系上に設けた金属ゲートに電圧を印加して発生させる前記量子ホール端状態の電子スピンの非平衡分布を利用することを特徴とする、請求項1に記載の固体中核スピン量子演算素子。
  3. 前記量子力学的重ね合わせ状態を読み出す検出手段は、前記核スピン偏極の制御に伴う実効的なゼーマン分裂エネルギーの変化によって引き起こされるホール抵抗値の変化を利用することを特徴とする、請求項1または2に記載の固体中核スピン量子演算素子。
  4. 前記NMR周波数を調節すると共に、量子力学的重ね合わせ状態を制御する制御手段は、前記二次元電子系端からサブミクロン以内の近傍に配置された高周波導波路を利用することを特徴とする、請求項1〜3の何れかに記載の固体中核スピン量子演算素子。
  5. 前記高周波導波路は、コプレーナー型導波路であることを特徴とする、請求項4に記載の固体中核スピン量子演算素子。
  6. 前記高周波導波路は、ストリップ型導波路であることを特徴とする、請求項4に記載の固体中核スピン量子演算素子。
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