JPWO2003030762A1 - 医療用補助具 - Google Patents
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Abstract
乳房などの体の検査や手術の際に体を傷つけることなく検査や手術に適するように体を固定するのに適する医療用補助具を提供する。医療用補助具10は、頂部1、側部2、肩部3、開口部4からなる。生検の際に、医療用補助具10を用いて乳房を吸引固定することで、乳房内の組織を固定でき、組織を取るための生検針を刺入するとき、腫瘍が逃げにくく、針を腫瘍に当てやすくなる。
Description
技術分野
本発明は、医療用補助具に関し、特に、乳房などの体の検査や手術の際にその検査や手術に適するように体を固定するのに適する医療用補助具に関する。
背景技術
従来、乳ガン等の検査をするために、マンモグラフィ(レントゲンによる乳房撮影)を行う際に乳房を固定するために2枚の板で乳房を挟んで固定する装置が知られている。
また、乳房から組織の一部を切りとって、検査する生検に際しては、手で直接乳房を固定して行っていた。
腹腔内における内視鏡を用いた検査又は手術の際は、視野空間又は操作空間を確保するために、トロッカーを用いて腹腔内に二酸化炭素、笑気又は空気などを入れて内腔を広げ(気腹法)、腹壁に小切開を加えて腹腔鏡を挿入して手術している。また、バルーンを腹腔内に挿入しておいて、そのバルーンに送気して行う方法(気嚢法)も知られている。
皮膚に針又は鉤を通し、これを持ち上げることで空間を確保する方法(吊り上げ法)も知られている。
発明の開示
しかし、板で乳房を固定する装置では、乳房が不自然な形に変形されることになるので、強い痛みを伴う。
手で乳房を固定する場合には、しっかりと乳房全体を変形させずに固定することが困難である。生検の際に、仮に乳房を板で挟んで固定するとすると、挟む板が固いのでこれに針を通すことはできず、乳腺内の腫瘍組織を採取する時に生検針を通すルートがかなり狭く限定される。
気腹法は、(1).癌の進展を助長する、(2).肝臓の障害を増悪させる、(3).腹腔内や組織内が冷却し、乾燥する、(4).血液の循環を悪化させる、(5).炭酸ガスを圧入すると、血中の炭酸ガス濃度が上がり、人口呼吸器を調節する必要があり、同時に組織内部に炭酸ガスが拡散されて組織を破壊することがある、などの問題がある。
吊り上げ法は、(1).皮膚又は皮下組織を破壊しやすい(狭い部分の皮膚しか持ち上げられない)、(2).皮膚の一部を吊り上げるため視野空間又は操作空間が狭い、(3).出血をきたす、(4).腹部の皮膚又は皮下組織に鍼を通すとき、腸管(消化管)も一緒に貫いてしまうことがある、(5).吊り上げ位置を柔軟任意に変化移動することができない、などの問題点がある。
本発明は、上記問題点に鑑み、乳房などの体の検査や手術の際に体を傷つけることなく検査や手術に適するように体を固定するのに適する医療用補助具を提供することを目的とする。
本発明の医療用補助具は、可撓性があり皮膚を吸引保持する。
また、シリコーンゴムを主成分とするで、皮膚との密着性が高く、使用時には皮膚に密着させて皮膚を吸着して皮膚及びその周辺部を吊り上げ固定することができる。
また、頂部に牽引部があることで、簡単な構成で容易に吊り上げることができる。
また、内側の開口部近くに凸条リング部を有することで、牽引力を強めかつ長時間機能させることができる。
また、凸条リング部が複数あることで、内部が複数の空間に仕切られることにより、吸着の機能が落ちて脱落する際に、急に脱落してしまうのでなく、段階を追って徐々に脱落するので、不測の事態を避けることができる。
また、透明であることで、吸着機能が落ちて脱落する場合にも事前にその様子を外側から視認して事態に対処することができる。
また、開口部近傍が他の部分より厚いことで、弾性を高め吸引力を強化することができる。
また、頂部に吸引のための低気圧を保持する吸引機構があることで、長時間にわたって安定して牽引することができる。
また、前記吸引機構は、シリンダ及びピストンを有することで、動力が必要ないので電気配線がなく、メンテナンスも容易である。
また、前記シリンダは前記ピストンが脱落することを防止するストッパを有することで、ピストンのシリンダからの脱落を防止することができる。
また、吸引のための貫通穴の周囲に突起を有することで、皮膚によって貫通穴がふさがれることが防止され、長時間にわたって安定して牽引することができる。
また、本発明の医療用補助具は、乳房を包み込み固定する。
また、シリコーンゴムを主成分とすることで、X線、磁力線、超音波等を効率良く通過させ、また小さな針等を刺しても急激に吸引する機能を失うことがない。
また、頂部が平面であることで、肩部を他の部分よりも厚くして強度を強くできる。
また、乳房を吸引固定することで、乳房内の組織を固定でき、組織を取るための生検針を刺入するとき、腫瘍が逃げにくく、針を腫瘍に当てやすくなる。
また、透明であることで、肌の目印や目的物や対象を外側から視認することができる。
本明細書は本願の優先権の基礎である特願2001−306992の明細書及び/又は図面に記載される内容を包含する。
発明を実施するための最良の形態
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。ただし、本発明はこれら実施の形態によりその技術的範囲が限定されるものではない。
図1は、本発明の第1実施の形態による医療用補助具20の(a)外観を示す斜視図及び(b)断面図である。図2は、(a)平面図、(b)正面図及び(c)底面図である。この医療用補助具20は、内視鏡による腹腔の検査や手術などに際して視野空間又は操作空間を確保するための一種の吊り上げ法を行うための針又は鉤の代わりになるもので、皮膚に吸着して吊り上げる吸盤の役割をする。この医療用補助具20は、基本的にはいわゆる吸盤の形状をしており、透明で可撓性があるシリコーンゴム製であり、皮膚との密着性が高く、使用時には皮膚に密着させて皮膚を吸着して皮膚及びその周辺部を吊り上げ固定する。この医療用補助具20は、頂部11と牽引部12と側部13と開口縁部14とからなり、底面部分は開口部16となっている。この実施の形態では、頂部11はほぼ平面としており、他の部分よりも厚くなっている。牽引部12は頂部11と連続しており、糸を巻いて吊り上げるためのものである。牽引部12は、巻いた糸が滑り抜けないように凸条部12aを有する。開口縁部14も他より厚くなっており、弾性を高め吸引力を強化している。内側には開口部16の近くで側部13と開口縁部14との境界付近に凸条リング部15を設け、牽引力を強めかつ長時間機能させることができる。すなわち、本医療用補助具20が皮膚に吸着して吊り上げている状態では、内部空間は気圧が低い状態になっているので、牽引部12を引けば引く程(すなわち荷重がかかる程)凸条リング部15は絞られ、皮膚に食い込み、皮膚の皺をリング状にカットしてスキマを少なくし、吸引力が落ちにくい。
内視鏡などを用いて検査又は手術をする際に、視野空間又は操作空間を確保するために、この医療用補助具20を用いて皮膚を吸着して皮膚及びその周辺を吊り上げることで、皮膚に針又は鉤を刺す(又は通す)ことなく皮膚を吸引保持して吊り上げることができる。このため、吊り上げるために、皮膚又は皮下組織を破壊したり出血する等の問題を解消することができる。また、本医療用補助具20の大きさを変えることによって、任意の範囲の皮膚を吊り上げることができ、その大きさを大きくすれば、広い視野空間又は操作空間を確保することができる。また、本医療用補助具20は皮膚を吸着して吊り上げるものであって皮膚を傷つけないため、吊り上げる位置を変更して吊り上げることは自在に行うことができる。
透明な材質とすることで、肌の目印や目的物や対象を外側から視認することができる。また、吸着機能が落ちて脱落する場合にも事前にその様子を外側から視認して事態に対処することができる。
シリコーンゴム製とすることで、適度な弾性、皮膚との密着性、及び皮膚との摩擦を得ることができる。また、長時間吸引しても皮膚に、悪影響を与えにくい。
図3は、本発明の第2実施の形態による医療用補助具30の(a)外観を示す斜視図及び(b)断面図である。図4は、(a)平面図、(b)正面図及び(c)底面図である。第2実施の形態は基本的に第1実施の形態と同じであり、形を小さくした場合の例を示している。頂部21、牽引部22、凸条部22a、側部23、開口縁部24、凸条リング部25、及び開口部26は、それぞれ頂部11、牽引部12、凸条部12a、側部13、開口縁部14、凸条リング部15、及び開口部16に対応する。
図5は、本発明の第3実施の形態による医療用補助具40の(a)外観を示す斜視図及び(b)断面図である。図6は、(a)平面図、(b)正面図及び(c)底面図である。第3実施の形態は基本的には第1及び第2実施の形態と同じであり、牽引部をその中心で牽引するのに特に適した構成にした場合の例を示している。頂部31、牽引部32、凸条部32a、側部33、開口縁部34、凸条リング部35、及び開口部36は、それぞれ頂部11、牽引部12、凸条部12a、側部13、開口縁部14、凸条リング部15、及び開口部16に対応する。
第3の実施の形態では、牽引部32に金属製でリブが付いている支柱37を埋め込んで、支柱37に金属製のリング38を引っかけて、牽引部32の中央をリング38で牽引することができる構成となっている。これは、牽引部32をその中心で牽引するのに特に適する構成である。このため安定して牽引することができる。これら支柱37及びリング38はアルミニウム製でも良いし、他の金属でも良い。
図7は、本発明の第4実施の形態による医療用補助具50の断面図である。第4実施の形態は基本的には第3実施の形態と同じであり、凸条リング部を2重にした場合の例を示している。頂部41、牽引部42、凸条部42a、側部43、開口縁部44、及び開口部46は、それぞれ頂部11、牽引部12、凸条部12a、側部13、開口縁部14、及び開口部16に対応する。凸条リング部15に対応して、内側凸条リング部45a及び外側凸条リング部45bを有し、凸条リング部が2重になっている。このため、内部が複数の空間に仕切られることにより、吸着の機能が落ちて脱落する際に、急に脱落してしまうのでなく、段階を追って徐々に脱落するので、不測の事態を避けることができる。
図8は、本発明の第5実施の形態による医療用補助具60の外観を示す正面図である。図9は、その使用の形態を示す概観図である。この第5実施の形態では、第1実施の形態の頂部11、側部13、開口縁部14、及び開口部16に対応する頂部51、側部53、開口縁部54、及び開口部56を有し、これらは第1〜第4実施の形態のいずれの構成のものでもよい。そして、この第5実施の形態では、牽引部12の代わりに、頂部51を介して空気が通じる円筒部52を有し、この円筒部52にシリンダ57とピストン58とから成る注射器から針を支持する先端部分をカットしたものを差し込んだ構成とする。この注射器部分は開口部56から少しずつ漏れて入ってくる空気を吸引する吸引機の役割を果たす。これにより吸盤の機能を安定的に維持することができる。円筒部52の外周にはゴムリング61を嵌めて注射器部分がはずれないようにする。ただし、使用に際して中は気圧が低い状態になるので、はずれる心配は少ない。シリンダ57の後端にはストッパ59を設けて、ピストン58がシリンダ57から抜けきらないようにして、脱落を防止している。
この医療用補助具60は次のようにして使う。まず、ピストン58にコイルバネ62を介してステンレス製のワイヤ63を接続する。コイルバネ62は衝撃を吸収するためのものである。そのワイヤ63には、天井又はベッドの上部に横に渡した支柱から吊るした第1プーリ64及び第2プーリ65を介して、重り68を吊るすことでワイヤ63を一定の力で牽引する。重り68はフリーストッパ67を用いて吊るすとよい。フリーストッパ67はワイヤ63に対して一方向(図9では上方向)には自由に移動するが、他方向(図9では下方向)にはロックされていて移動しないで、ロックを外す(例えばピンを押し込む)ことで移動する機具である。重り68で牽引することで、呼吸などで患者が多少動いて医療用補助具60の位置が上下に移動したとしても、一定の力で牽引することができる。重り68の重さは1kg程度が適当である。第2プーリ65と重り68とはチェーン66でつないでおくことで落下防止を図り、安全度を高めることができる。
この医療用補助具60を内視鏡手術をシミュレーションして実際に使ってみると、常に一定の牽引力を安定して供給して、確実な視野空間及び操作空間を確保することができた。2〜3時間の手術にも何の支障もなく牽引し続けた。個々に異なり、また、変化する人間の肌に柔軟に対応し、かつ、吸引及び牽引を長時間、安定、確実に、合併症や人体を傷つけることなく簡単に行えた。
人間の肌の特徴として、以下の点がある。
(1).柔らかく変形しやすい。伸び縮みしやすく皺になりやすい。
(2).表皮は皺だらけである。
(3).性別、年令、体質、体形等で個々の違いが大きい。
(4).同じ人でも部位によって異なる。
(5).体調によっても、日々、時間によっても異なる。
(6).環境(気温、温度)及びストレスによっても異なる。
これに対し第5実施の形態では、吸引機構を採用しているので、少々の汗でははずれない安定した牽引を長時間にわたって実現し、かつ、動力を使わないため電気配線がなく、メンテナンスも容易である。さらに、動力を使わないので、適度な強さの吸引を安定して実現し、皮膚にうっ血や壊死等の悪影響を及ぼす心配も少ない。
図10は、本発明の第6実施の形態による医療用補助具60の外観を示す斜視図である。図11は、その(a)断面図及び(b)要部断面図である。図12は、その使用の形態を示す概観図である。この第6実施の形態では、第5実施の形態の頂部51、円筒部52、側部53、開口縁部54、開口部56、シリンダ57、ピストン58、及びストッパ59に対応する頂部71、円筒部72、側部73、開口縁部74、開口部76、シリンダ77、ピストン78、及びストッパ79を有し、これらは第1〜第5実施の形態のいずれの構成のものでもよい。そして、この第6実施の形態では、第5実施の形態の内部の吸引のための貫通穴81の周りに、皮膚によって貫通穴81がふさがれることを防止するための4つの突起82を設け、内部の凸条リング部15、25、35、内側凸条リング部45a、外側凸条リング部45bの代わりに、波状リング部75を設けた構成とする。4つの突起82は望ましくは4〜5mmの長さを有し、この突起82があるために、注射器の針穴83に通じる貫通穴81が皮膚によってふさがれることがなくなりスムーズに減圧して、長時間に渡って吸盤の機能を安定的に維持することができる。波状リング部75は、文字通り波状のリングであり、本医療用補助具80が皮膚に吸着している際に、波状リング部75と共に、絞られる皮膚の皺を波の間に収納してスキマが生じないようにする。
この医療用補助具80は次のようにして使う。まず、ピストン78にコイルバネ92を介してステンレス製のワイヤ93を接続する。コイルバネ92は衝撃を吸収するためのものである。そのワイヤ93には、ベッドの上部に横に渡した水平支持バー85に水平方向に調節可能に固設されているプーリ84、及びラック87に沿ってハンドル86Aによって上下に移動可能な昇降器86を介して、重り88を吊るすことでワイヤ93を一定の力で牽引する。水平支持バー85は昇降器86と一体となって上下移動可能である。重り88はラック87に沿って上下に移動可能な状態とする。万が一医療補助具80がはずれた場合でも重り88が長い距離を落下することがないようにストッパ89を設けておく。ベッド固定具91はベッドに横に渡してある支柱(図示せず)に固設される。ストッパ90は、ベッド固定具91にラック87を支持する。
実際に皮膚に装着する際は、吸盤部分(側部73、開口縁部74)を裏返しておいて皮膚にあてがい、皮膚との間にスキマを作らないように注意深く元に戻すと吸盤と皮膚との間が減圧状態となって本医療用補助具が皮膚に保持される。
図13は、本発明の第7実施の形態による医療用補助具10の(a)外観を示す斜視図及び(b)断面図である。図14は、(a)平面図、(b)正面図及び(c)底面図である。この医療用補助具10は、乳ガン等の検査をするために、マンモグラフィ等を行う際に乳房を固定するために用いる。また、生検に際して、乳房を固定するために用いる。この医療用補助具10は、乳房に覆いかぶさる大きさ及び形をしており、透明で可撓性があるシリコーンゴム製であり、皮膚との密着性が高く、使用時には乳房に密着させて覆いかぶせて乳房を吸引固定する。この医療用補助具10は、頂部1と側部2と両者の境界の肩部3とからなり、底面部分は開口部4となっている。この実施の形態では、頂部1はほぼ平面としており、そのため肩部3は他の部分よりも厚くなっている。
生検の際に、この医療用補助具10を用いて乳房を吸引固定することで、乳房内の組織を固定でき、組織を取るための生検針を刺入するとき、腫瘍が逃げにくく、針を腫瘍に当てやすくなる。このように、乳房の形を著しく変形させることなく腫瘍等が本来あるがままの位置で生検をすることができる。また、乳房を無理に変形させることがないので、腫瘍などを拡散させてしまうこともない。
透明な材質とすることで、肌の目印や目的物や対象を外側から視認することができる。
シリコーンゴム製とすることで、X線、磁力線、超音波等を効率良く通過させ、また小さな針等を刺しても急激に吸引する機能を失うことがない。
MRI(Magnetic Resonance Imaging)やマンモグラフィの際に、この医療用補助具10を用いて乳房を吸引固定することで、乳房内の組織内圧が下がり、造影剤の乳房内や乳房内にある腫瘍内への滞留が強くなる。これにより、腫瘍(腫瘤)の抽出及び発見性を良くすることができる。
弾性を有することで、生検のために小さな穴を開ける程度では真空度が下がらないようにすることができる。
シリコーンゴム製である必要はないが、効率良く吸引固定するためには可撓製があって皮膚との密着性が高いことが望ましい。
実施の形態では頂部を平面とし肩部を厚くしたが、全部を同じ厚みとして、より乳房の形に似た形状のものとしても良い。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
吊り上げ法は、内視鏡による検査又は手術以外の、例えば開腹手術にも使うことができる。
吊り上げ法は、腹腔の検査又は手術以外でも、例えば乳房の検査又は手術にも使うことができる。
凸条リング部15、25は複数の凸条リング部であってもよい。これにより、より空気が進入しにくくなり、吸着力が増す。さらに、内部が複数の空間に仕切られることにより、吸着の機能が落ちて脱落する際に、急に脱落してしまうのでなく、段階を追って徐々に脱落するので、不測の事態を避けることができる。
産業上の利用の可能性
以上のように、本発明によれば、皮膚を傷つけずに吊り上げ固定して、検査又は手術する際に用いることができる。また、乳房を自然な形で固定して、マンモグラフィなど又は生検に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の第1実施の形態による医療用補助具の(a)外観を示す斜視図及び(b)断面図である。
図2は、本発明の第1実施の形態による医療用補助具の外観を示す(a)平面図、(b)正面図及び(c)底面図である。
図3は、本発明の第2実施の形態による医療用補助具の(a)外観を示す斜視図及び(b)断面図である。
図4は、本発明の第2実施の形態による医療用補助具の外観を示す(a)平面図、(b)正面図及び(c)底面図である。
図5は、本発明の第3実施の形態による医療用補助具の(a)外観を示す斜視図及び(b)断面図である。
図6は、本発明の第3実施の形態による医療用補助具の外観を示す(a)平面図、(b)正面図及び(c)底面図である。
図7は、本発明の第4実施の形態による医療用補助具の断面図である。
図8は、本発明の第5実施の形態による医療用補助具の外観を示す正面図である。
図9は、本発明の第5実施の形態による医療用補助具の使用の形態を示す概観図である。
図10は、本発明の第6実施の形態による医療用補助具の外観を示す斜視図である。
図11は、本発明の第6実施の形態による医療用補助具の(a)断面図及び(b)要部断面図である。
図12は、本発明の第6実施の形態による医療用補助具の使用の形態を示す概観図である。
図13は、本発明の第7実施の形態による医療用補助具の(a)外観を示す斜視図及び(b)断面図である。
図14は、本発明の第7実施の形態による医療用補助具の外観を示す(a)平面図、(b)正面図及び(c)底面図である。
本発明は、医療用補助具に関し、特に、乳房などの体の検査や手術の際にその検査や手術に適するように体を固定するのに適する医療用補助具に関する。
背景技術
従来、乳ガン等の検査をするために、マンモグラフィ(レントゲンによる乳房撮影)を行う際に乳房を固定するために2枚の板で乳房を挟んで固定する装置が知られている。
また、乳房から組織の一部を切りとって、検査する生検に際しては、手で直接乳房を固定して行っていた。
腹腔内における内視鏡を用いた検査又は手術の際は、視野空間又は操作空間を確保するために、トロッカーを用いて腹腔内に二酸化炭素、笑気又は空気などを入れて内腔を広げ(気腹法)、腹壁に小切開を加えて腹腔鏡を挿入して手術している。また、バルーンを腹腔内に挿入しておいて、そのバルーンに送気して行う方法(気嚢法)も知られている。
皮膚に針又は鉤を通し、これを持ち上げることで空間を確保する方法(吊り上げ法)も知られている。
発明の開示
しかし、板で乳房を固定する装置では、乳房が不自然な形に変形されることになるので、強い痛みを伴う。
手で乳房を固定する場合には、しっかりと乳房全体を変形させずに固定することが困難である。生検の際に、仮に乳房を板で挟んで固定するとすると、挟む板が固いのでこれに針を通すことはできず、乳腺内の腫瘍組織を採取する時に生検針を通すルートがかなり狭く限定される。
気腹法は、(1).癌の進展を助長する、(2).肝臓の障害を増悪させる、(3).腹腔内や組織内が冷却し、乾燥する、(4).血液の循環を悪化させる、(5).炭酸ガスを圧入すると、血中の炭酸ガス濃度が上がり、人口呼吸器を調節する必要があり、同時に組織内部に炭酸ガスが拡散されて組織を破壊することがある、などの問題がある。
吊り上げ法は、(1).皮膚又は皮下組織を破壊しやすい(狭い部分の皮膚しか持ち上げられない)、(2).皮膚の一部を吊り上げるため視野空間又は操作空間が狭い、(3).出血をきたす、(4).腹部の皮膚又は皮下組織に鍼を通すとき、腸管(消化管)も一緒に貫いてしまうことがある、(5).吊り上げ位置を柔軟任意に変化移動することができない、などの問題点がある。
本発明は、上記問題点に鑑み、乳房などの体の検査や手術の際に体を傷つけることなく検査や手術に適するように体を固定するのに適する医療用補助具を提供することを目的とする。
本発明の医療用補助具は、可撓性があり皮膚を吸引保持する。
また、シリコーンゴムを主成分とするで、皮膚との密着性が高く、使用時には皮膚に密着させて皮膚を吸着して皮膚及びその周辺部を吊り上げ固定することができる。
また、頂部に牽引部があることで、簡単な構成で容易に吊り上げることができる。
また、内側の開口部近くに凸条リング部を有することで、牽引力を強めかつ長時間機能させることができる。
また、凸条リング部が複数あることで、内部が複数の空間に仕切られることにより、吸着の機能が落ちて脱落する際に、急に脱落してしまうのでなく、段階を追って徐々に脱落するので、不測の事態を避けることができる。
また、透明であることで、吸着機能が落ちて脱落する場合にも事前にその様子を外側から視認して事態に対処することができる。
また、開口部近傍が他の部分より厚いことで、弾性を高め吸引力を強化することができる。
また、頂部に吸引のための低気圧を保持する吸引機構があることで、長時間にわたって安定して牽引することができる。
また、前記吸引機構は、シリンダ及びピストンを有することで、動力が必要ないので電気配線がなく、メンテナンスも容易である。
また、前記シリンダは前記ピストンが脱落することを防止するストッパを有することで、ピストンのシリンダからの脱落を防止することができる。
また、吸引のための貫通穴の周囲に突起を有することで、皮膚によって貫通穴がふさがれることが防止され、長時間にわたって安定して牽引することができる。
また、本発明の医療用補助具は、乳房を包み込み固定する。
また、シリコーンゴムを主成分とすることで、X線、磁力線、超音波等を効率良く通過させ、また小さな針等を刺しても急激に吸引する機能を失うことがない。
また、頂部が平面であることで、肩部を他の部分よりも厚くして強度を強くできる。
また、乳房を吸引固定することで、乳房内の組織を固定でき、組織を取るための生検針を刺入するとき、腫瘍が逃げにくく、針を腫瘍に当てやすくなる。
また、透明であることで、肌の目印や目的物や対象を外側から視認することができる。
本明細書は本願の優先権の基礎である特願2001−306992の明細書及び/又は図面に記載される内容を包含する。
発明を実施するための最良の形態
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。ただし、本発明はこれら実施の形態によりその技術的範囲が限定されるものではない。
図1は、本発明の第1実施の形態による医療用補助具20の(a)外観を示す斜視図及び(b)断面図である。図2は、(a)平面図、(b)正面図及び(c)底面図である。この医療用補助具20は、内視鏡による腹腔の検査や手術などに際して視野空間又は操作空間を確保するための一種の吊り上げ法を行うための針又は鉤の代わりになるもので、皮膚に吸着して吊り上げる吸盤の役割をする。この医療用補助具20は、基本的にはいわゆる吸盤の形状をしており、透明で可撓性があるシリコーンゴム製であり、皮膚との密着性が高く、使用時には皮膚に密着させて皮膚を吸着して皮膚及びその周辺部を吊り上げ固定する。この医療用補助具20は、頂部11と牽引部12と側部13と開口縁部14とからなり、底面部分は開口部16となっている。この実施の形態では、頂部11はほぼ平面としており、他の部分よりも厚くなっている。牽引部12は頂部11と連続しており、糸を巻いて吊り上げるためのものである。牽引部12は、巻いた糸が滑り抜けないように凸条部12aを有する。開口縁部14も他より厚くなっており、弾性を高め吸引力を強化している。内側には開口部16の近くで側部13と開口縁部14との境界付近に凸条リング部15を設け、牽引力を強めかつ長時間機能させることができる。すなわち、本医療用補助具20が皮膚に吸着して吊り上げている状態では、内部空間は気圧が低い状態になっているので、牽引部12を引けば引く程(すなわち荷重がかかる程)凸条リング部15は絞られ、皮膚に食い込み、皮膚の皺をリング状にカットしてスキマを少なくし、吸引力が落ちにくい。
内視鏡などを用いて検査又は手術をする際に、視野空間又は操作空間を確保するために、この医療用補助具20を用いて皮膚を吸着して皮膚及びその周辺を吊り上げることで、皮膚に針又は鉤を刺す(又は通す)ことなく皮膚を吸引保持して吊り上げることができる。このため、吊り上げるために、皮膚又は皮下組織を破壊したり出血する等の問題を解消することができる。また、本医療用補助具20の大きさを変えることによって、任意の範囲の皮膚を吊り上げることができ、その大きさを大きくすれば、広い視野空間又は操作空間を確保することができる。また、本医療用補助具20は皮膚を吸着して吊り上げるものであって皮膚を傷つけないため、吊り上げる位置を変更して吊り上げることは自在に行うことができる。
透明な材質とすることで、肌の目印や目的物や対象を外側から視認することができる。また、吸着機能が落ちて脱落する場合にも事前にその様子を外側から視認して事態に対処することができる。
シリコーンゴム製とすることで、適度な弾性、皮膚との密着性、及び皮膚との摩擦を得ることができる。また、長時間吸引しても皮膚に、悪影響を与えにくい。
図3は、本発明の第2実施の形態による医療用補助具30の(a)外観を示す斜視図及び(b)断面図である。図4は、(a)平面図、(b)正面図及び(c)底面図である。第2実施の形態は基本的に第1実施の形態と同じであり、形を小さくした場合の例を示している。頂部21、牽引部22、凸条部22a、側部23、開口縁部24、凸条リング部25、及び開口部26は、それぞれ頂部11、牽引部12、凸条部12a、側部13、開口縁部14、凸条リング部15、及び開口部16に対応する。
図5は、本発明の第3実施の形態による医療用補助具40の(a)外観を示す斜視図及び(b)断面図である。図6は、(a)平面図、(b)正面図及び(c)底面図である。第3実施の形態は基本的には第1及び第2実施の形態と同じであり、牽引部をその中心で牽引するのに特に適した構成にした場合の例を示している。頂部31、牽引部32、凸条部32a、側部33、開口縁部34、凸条リング部35、及び開口部36は、それぞれ頂部11、牽引部12、凸条部12a、側部13、開口縁部14、凸条リング部15、及び開口部16に対応する。
第3の実施の形態では、牽引部32に金属製でリブが付いている支柱37を埋め込んで、支柱37に金属製のリング38を引っかけて、牽引部32の中央をリング38で牽引することができる構成となっている。これは、牽引部32をその中心で牽引するのに特に適する構成である。このため安定して牽引することができる。これら支柱37及びリング38はアルミニウム製でも良いし、他の金属でも良い。
図7は、本発明の第4実施の形態による医療用補助具50の断面図である。第4実施の形態は基本的には第3実施の形態と同じであり、凸条リング部を2重にした場合の例を示している。頂部41、牽引部42、凸条部42a、側部43、開口縁部44、及び開口部46は、それぞれ頂部11、牽引部12、凸条部12a、側部13、開口縁部14、及び開口部16に対応する。凸条リング部15に対応して、内側凸条リング部45a及び外側凸条リング部45bを有し、凸条リング部が2重になっている。このため、内部が複数の空間に仕切られることにより、吸着の機能が落ちて脱落する際に、急に脱落してしまうのでなく、段階を追って徐々に脱落するので、不測の事態を避けることができる。
図8は、本発明の第5実施の形態による医療用補助具60の外観を示す正面図である。図9は、その使用の形態を示す概観図である。この第5実施の形態では、第1実施の形態の頂部11、側部13、開口縁部14、及び開口部16に対応する頂部51、側部53、開口縁部54、及び開口部56を有し、これらは第1〜第4実施の形態のいずれの構成のものでもよい。そして、この第5実施の形態では、牽引部12の代わりに、頂部51を介して空気が通じる円筒部52を有し、この円筒部52にシリンダ57とピストン58とから成る注射器から針を支持する先端部分をカットしたものを差し込んだ構成とする。この注射器部分は開口部56から少しずつ漏れて入ってくる空気を吸引する吸引機の役割を果たす。これにより吸盤の機能を安定的に維持することができる。円筒部52の外周にはゴムリング61を嵌めて注射器部分がはずれないようにする。ただし、使用に際して中は気圧が低い状態になるので、はずれる心配は少ない。シリンダ57の後端にはストッパ59を設けて、ピストン58がシリンダ57から抜けきらないようにして、脱落を防止している。
この医療用補助具60は次のようにして使う。まず、ピストン58にコイルバネ62を介してステンレス製のワイヤ63を接続する。コイルバネ62は衝撃を吸収するためのものである。そのワイヤ63には、天井又はベッドの上部に横に渡した支柱から吊るした第1プーリ64及び第2プーリ65を介して、重り68を吊るすことでワイヤ63を一定の力で牽引する。重り68はフリーストッパ67を用いて吊るすとよい。フリーストッパ67はワイヤ63に対して一方向(図9では上方向)には自由に移動するが、他方向(図9では下方向)にはロックされていて移動しないで、ロックを外す(例えばピンを押し込む)ことで移動する機具である。重り68で牽引することで、呼吸などで患者が多少動いて医療用補助具60の位置が上下に移動したとしても、一定の力で牽引することができる。重り68の重さは1kg程度が適当である。第2プーリ65と重り68とはチェーン66でつないでおくことで落下防止を図り、安全度を高めることができる。
この医療用補助具60を内視鏡手術をシミュレーションして実際に使ってみると、常に一定の牽引力を安定して供給して、確実な視野空間及び操作空間を確保することができた。2〜3時間の手術にも何の支障もなく牽引し続けた。個々に異なり、また、変化する人間の肌に柔軟に対応し、かつ、吸引及び牽引を長時間、安定、確実に、合併症や人体を傷つけることなく簡単に行えた。
人間の肌の特徴として、以下の点がある。
(1).柔らかく変形しやすい。伸び縮みしやすく皺になりやすい。
(2).表皮は皺だらけである。
(3).性別、年令、体質、体形等で個々の違いが大きい。
(4).同じ人でも部位によって異なる。
(5).体調によっても、日々、時間によっても異なる。
(6).環境(気温、温度)及びストレスによっても異なる。
これに対し第5実施の形態では、吸引機構を採用しているので、少々の汗でははずれない安定した牽引を長時間にわたって実現し、かつ、動力を使わないため電気配線がなく、メンテナンスも容易である。さらに、動力を使わないので、適度な強さの吸引を安定して実現し、皮膚にうっ血や壊死等の悪影響を及ぼす心配も少ない。
図10は、本発明の第6実施の形態による医療用補助具60の外観を示す斜視図である。図11は、その(a)断面図及び(b)要部断面図である。図12は、その使用の形態を示す概観図である。この第6実施の形態では、第5実施の形態の頂部51、円筒部52、側部53、開口縁部54、開口部56、シリンダ57、ピストン58、及びストッパ59に対応する頂部71、円筒部72、側部73、開口縁部74、開口部76、シリンダ77、ピストン78、及びストッパ79を有し、これらは第1〜第5実施の形態のいずれの構成のものでもよい。そして、この第6実施の形態では、第5実施の形態の内部の吸引のための貫通穴81の周りに、皮膚によって貫通穴81がふさがれることを防止するための4つの突起82を設け、内部の凸条リング部15、25、35、内側凸条リング部45a、外側凸条リング部45bの代わりに、波状リング部75を設けた構成とする。4つの突起82は望ましくは4〜5mmの長さを有し、この突起82があるために、注射器の針穴83に通じる貫通穴81が皮膚によってふさがれることがなくなりスムーズに減圧して、長時間に渡って吸盤の機能を安定的に維持することができる。波状リング部75は、文字通り波状のリングであり、本医療用補助具80が皮膚に吸着している際に、波状リング部75と共に、絞られる皮膚の皺を波の間に収納してスキマが生じないようにする。
この医療用補助具80は次のようにして使う。まず、ピストン78にコイルバネ92を介してステンレス製のワイヤ93を接続する。コイルバネ92は衝撃を吸収するためのものである。そのワイヤ93には、ベッドの上部に横に渡した水平支持バー85に水平方向に調節可能に固設されているプーリ84、及びラック87に沿ってハンドル86Aによって上下に移動可能な昇降器86を介して、重り88を吊るすことでワイヤ93を一定の力で牽引する。水平支持バー85は昇降器86と一体となって上下移動可能である。重り88はラック87に沿って上下に移動可能な状態とする。万が一医療補助具80がはずれた場合でも重り88が長い距離を落下することがないようにストッパ89を設けておく。ベッド固定具91はベッドに横に渡してある支柱(図示せず)に固設される。ストッパ90は、ベッド固定具91にラック87を支持する。
実際に皮膚に装着する際は、吸盤部分(側部73、開口縁部74)を裏返しておいて皮膚にあてがい、皮膚との間にスキマを作らないように注意深く元に戻すと吸盤と皮膚との間が減圧状態となって本医療用補助具が皮膚に保持される。
図13は、本発明の第7実施の形態による医療用補助具10の(a)外観を示す斜視図及び(b)断面図である。図14は、(a)平面図、(b)正面図及び(c)底面図である。この医療用補助具10は、乳ガン等の検査をするために、マンモグラフィ等を行う際に乳房を固定するために用いる。また、生検に際して、乳房を固定するために用いる。この医療用補助具10は、乳房に覆いかぶさる大きさ及び形をしており、透明で可撓性があるシリコーンゴム製であり、皮膚との密着性が高く、使用時には乳房に密着させて覆いかぶせて乳房を吸引固定する。この医療用補助具10は、頂部1と側部2と両者の境界の肩部3とからなり、底面部分は開口部4となっている。この実施の形態では、頂部1はほぼ平面としており、そのため肩部3は他の部分よりも厚くなっている。
生検の際に、この医療用補助具10を用いて乳房を吸引固定することで、乳房内の組織を固定でき、組織を取るための生検針を刺入するとき、腫瘍が逃げにくく、針を腫瘍に当てやすくなる。このように、乳房の形を著しく変形させることなく腫瘍等が本来あるがままの位置で生検をすることができる。また、乳房を無理に変形させることがないので、腫瘍などを拡散させてしまうこともない。
透明な材質とすることで、肌の目印や目的物や対象を外側から視認することができる。
シリコーンゴム製とすることで、X線、磁力線、超音波等を効率良く通過させ、また小さな針等を刺しても急激に吸引する機能を失うことがない。
MRI(Magnetic Resonance Imaging)やマンモグラフィの際に、この医療用補助具10を用いて乳房を吸引固定することで、乳房内の組織内圧が下がり、造影剤の乳房内や乳房内にある腫瘍内への滞留が強くなる。これにより、腫瘍(腫瘤)の抽出及び発見性を良くすることができる。
弾性を有することで、生検のために小さな穴を開ける程度では真空度が下がらないようにすることができる。
シリコーンゴム製である必要はないが、効率良く吸引固定するためには可撓製があって皮膚との密着性が高いことが望ましい。
実施の形態では頂部を平面とし肩部を厚くしたが、全部を同じ厚みとして、より乳房の形に似た形状のものとしても良い。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
吊り上げ法は、内視鏡による検査又は手術以外の、例えば開腹手術にも使うことができる。
吊り上げ法は、腹腔の検査又は手術以外でも、例えば乳房の検査又は手術にも使うことができる。
凸条リング部15、25は複数の凸条リング部であってもよい。これにより、より空気が進入しにくくなり、吸着力が増す。さらに、内部が複数の空間に仕切られることにより、吸着の機能が落ちて脱落する際に、急に脱落してしまうのでなく、段階を追って徐々に脱落するので、不測の事態を避けることができる。
産業上の利用の可能性
以上のように、本発明によれば、皮膚を傷つけずに吊り上げ固定して、検査又は手術する際に用いることができる。また、乳房を自然な形で固定して、マンモグラフィなど又は生検に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の第1実施の形態による医療用補助具の(a)外観を示す斜視図及び(b)断面図である。
図2は、本発明の第1実施の形態による医療用補助具の外観を示す(a)平面図、(b)正面図及び(c)底面図である。
図3は、本発明の第2実施の形態による医療用補助具の(a)外観を示す斜視図及び(b)断面図である。
図4は、本発明の第2実施の形態による医療用補助具の外観を示す(a)平面図、(b)正面図及び(c)底面図である。
図5は、本発明の第3実施の形態による医療用補助具の(a)外観を示す斜視図及び(b)断面図である。
図6は、本発明の第3実施の形態による医療用補助具の外観を示す(a)平面図、(b)正面図及び(c)底面図である。
図7は、本発明の第4実施の形態による医療用補助具の断面図である。
図8は、本発明の第5実施の形態による医療用補助具の外観を示す正面図である。
図9は、本発明の第5実施の形態による医療用補助具の使用の形態を示す概観図である。
図10は、本発明の第6実施の形態による医療用補助具の外観を示す斜視図である。
図11は、本発明の第6実施の形態による医療用補助具の(a)断面図及び(b)要部断面図である。
図12は、本発明の第6実施の形態による医療用補助具の使用の形態を示す概観図である。
図13は、本発明の第7実施の形態による医療用補助具の(a)外観を示す斜視図及び(b)断面図である。
図14は、本発明の第7実施の形態による医療用補助具の外観を示す(a)平面図、(b)正面図及び(c)底面図である。
Claims (16)
- 可撓性があり皮膚を吸引保持することを特徴とする医療用補助具。
- シリコーンゴムを主成分とすることを特徴とする請求項1記載の医療用補助具。
- 頂部に牽引部があることを特徴とする請求項1又は2記載の医療用補助具。
- 内側の開口部近くに凸条リング部を有することを特徴とする請求項1乃至3記載の医療用補助具。
- 凸条リング部が複数あることを特徴とする請求項1乃至4記載の医療用補助具。
- 透明であることを特徴とする請求項1乃至5記載の医療用補助具。
- 開口部近傍が他の部分より厚いことを特徴とする請求項1乃至6記載の医療用補助具。
- 頂部に吸引のための低気圧を保持する吸引機構があることを特徴とする請求項1又は2記載の医療用補助具。
- 前記吸引機構は、シリンダ及びピストンを有することを特徴とする請求項8記載の医療用補助具。
- 前記シリンダは前記ピストンが脱落することを防止するストッパを有することを特徴とする請求項9記載の医療用補助具。
- 吸引のための貫通穴の周囲に突起を有することを特徴とする請求項8乃至10いずれかに記載の医療用補助具。
- 乳房を包み込み固定することを特徴とする医療用補助具。
- シリコーンゴムを主成分とすることを特徴とする請求項12記載の医療用補助具。
- 頂部が平面であることを特徴とする請求項12又は13記載の医療用補助具。
- 乳房を吸引固定することを特徴とする請求項12乃至14いずれかに記載の医療用補助具。
- 透明であることを特徴とする請求項12乃至15いずれかに記載の医療用補助具。
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