JPWO2003004138A1 - 液体試料の固体成分回収器具 - Google Patents

液体試料の固体成分回収器具 Download PDF

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Abstract

液体試料の固体成分を迅速かつ確実に、回収するための固体成分回収器具を提供する。吸引導入した液体試料が濾過手段2で固液分離され、その固体成分は濾過手段2に密閉保持される。濾過手段2に結合した支持部材14に押圧手段13を挿入することで、液体試料採取時の濾過手段2の吸出側から濾過材3に空気圧が負荷されて、固体成分が導管4から排出されて、回収される。

Description

技術分野
本発明は、液体試料の固体成分を回収するための固体成分回収器具と、それを用いた当該固体成分の回収方法に関する。
背景技術
従来より、生体由来の試料、特に、固体の試料(以下、単に「固体成分」と称する)の臨床分析にあっては、一般に、採取試料を遠心分離などの物理的処理をして得られたものが分析に供されている。
例えば、ヒトの尿の場合、被験者から得た尿を遠心分離し、上清を除去して得た尿沈渣が固体成分として分析に供されている。そして、この尿沈渣試料は、顕微鏡検査(鏡検)されて、試料(検体)中の血球、上皮細胞、円柱、結晶、塩類、原虫、細菌などの有無や、あるいは、これら尿沈渣試料を培養して、試料中の細菌や真菌の有無などが調べられる。
同様に、飲料水、水道水、生活廃水、事業所廃水、海水、河川水、湖沼水などを回収して得た試料原液も、それらを分析機関まで持ち帰り、そこで遠心分離することで、固体成分の分離・回収を行っていた。
このように、従来の固体成分の分析にあっては、試料原液を遠心分離などの分離作業に付すのが通常であった。しかしながら、この分離作業は、ある程度の自動化は図れるものの、分離作業において相応の作業労力と熟練が求められ、またその労力は、分析試料数の増大と共に相乗的に大きくなるものであった。
さらに、試料原液には、細菌、酸素、光などによる影響を受けて変質をきたす成分が少なくないため、正確な分析を行うためには、これらを分析時まで冷凍保存や冷蔵保存するのが通常である。とりわけ、多数の検査試料を短時間内で測定するためには、試料原液を、一旦、冷凍(冷蔵)状態で密栓保管し、測定時に解凍するといった非効率な処理方法に頼らざるを得なかった。
このように、試料原液の固体成分の迅速・確実な分離と回収が必要とされているにもかかわらず、従来の手法では、これら要望に応じきれていないのが実情である。
発明の開示
本発明は、従来技術において認識されていた課題に鑑みて完成されたものであり、その要旨とするところは、その外部と連通している流路を具備し、この流路を介してその内部に導入された液体試料(試料原液)を固液分離した後に固体成分を保持する濾過手段を備えた液体試料の固体成分回収器具にある。
この濾過手段の内部には、液体試料を固液分離するための濾過材が装着される。この濾過材としては、濾過材に自然着生した微生物の増殖を未然に予防する観点からして、滅菌済の濾過材を用いるのが好ましい。また、例えば、細菌を含む液体試料を対象とする場合には、それら細菌を通過せず、かつ不要な液体成分を円滑に通過させる観点からして、傾斜経口膜を濾過材としたり、孔径を約0.05μm〜約0.2μmとした濾過材を用いるのが好ましい。
また、本発明の固体成分回収器具は、その内部に導入された液体試料(試料原液)の固体成分を濾過手段の系外に出すための押圧手段をさらに具備している。
この場合、本発明の固体成分回収器具は、好ましくは、当該濾過手段に連結され、かつその内部を押圧手段が挿通可能な支持部材をさらに具備している。例えば、筒状の支持部材を用いる場合には、棒状の押圧手段が好適に利用される。
本発明の固体成分回収器具の濾過手段で固液分離され、そこに保持される固体成分は、回収器具外部の細菌、酸素、光等との接触が阻止されるので、その変質を効果的に防ぐことができ、また、冷凍や冷蔵などの処理を経ずとも、固体成分の長期保存が可能となる。
さらに、本発明の固体成分回収器具によれば、濾過手段の内部に保持された固体成分は、濾過手段の吸出側から気体を供給および/または空気圧を負荷することで、濾過手段の系外に出される。あるいは、濾過手段の内部に保持された固体成分は、濾過手段の吸出側から水などの液体を供給および圧力負荷することによっても、濾過手段の系外に出すことができる。
このように、本発明によれば、遠心分離の作業を経ずとも液体試料の固体成分の分離・回収が可能となり、検体の調製作業の労力軽減も図れるのである。
発明を実施するための最良の形態
以下に、本発明を詳細に説明する。
まず、本明細書で使用する「液体試料」なる語は、試料原液の語と同義的に使用されるものであって、血液、腹水、透析液、尿、髄液、膿、痰、精液などの生体成分由来の液体や、飲料水、水道水、生活廃水、事業所廃水、海水、河川水、湖沼水などの環境水に由来する液体を指す。
本発明の固体成分回収器具は、まず、その外部と連通している流路を具備し、この流路を介してその内部に導入された液体試料を固液分離した後に固体成分を保持する濾過手段を必須的に含む。
濾過手段2とは、第1図を参照すれば、その内部空間Aに濾過材3が収納され、また、液体試料採取時の吸引側には導管4が、そして、吸出側には連結部5が、それぞれ設けられている。また、試料採取時以外は、導管4と連結部5の各開口端にはそれぞれ栓体6、7が嵌着されている。これにより、濾過手段2の内部空間と外部との連絡が遮断されるのである。
従って、実際の試料採取時には、まず、栓体6、7を濾過手段2から取り外し、次いで、連結部5と連絡した吸引手段(図示せず)を稼働することで濾過手段2内部の気圧が減圧され、液体試料が導管4、濾過材3および連結部5の順に通って吸出側に誘導される。これにより、濾過手段2の内部に導入された液体試料は、濾過手段2の内部に装着された濾過材3によって瞬時に固体成分と液体成分に固液分離され、そして、固体成分は濾過手段2の内部に保持される。その後、改めて、栓体6、7を導管4と連結部5の各開口端に嵌着して(第2図に記載の状態)、採取試料を、用時まで密閉保存する。
濾過材3としては、固体成分(例えば、タンパク質)の吸着性が低いセルロースアセテートやポリスルホン、それにポリエーテルスルホンなどをその素材とすることが好ましい。また、濾過材3に自然着生した微生物の増殖を未然に予防する観点からして、滅菌済の濾過材を用いるのが好ましい。また、細菌を通過せず、かつ不要な液体成分を円滑に通過させる観点からして、傾斜経口膜を濾過材としたり、孔径を約0.05μm〜約0.2μmとした濾過材を用いるのが好ましい。
濾過手段2での導管4や連結部5などは、それぞれ個別にガラスや合成樹脂などの素材から作製し、また、その柔軟性や寸法を適宜調整することができる。あるいは、当然のことながら、濾過材3以外の濾過手段2の構成部材を同じ素材から作製することも可能である。
第3図に、本発明の固体成分回収器具の主要な構成要素を例示した。これらの要素の内でも、本発明の固体成分回収器具は、その内部に導入された液体試料を固体成分と液体成分とに固液分離した後に固体成分を保持する濾過手段2を必須的に具備する。
本発明の固体成分回収器具の好ましい態様によれば、液体試料の液体成分を回収するために、まず、濾過手段2の導管4に、その長手方向に内部空間が連通している針状の中空管8aを具備した先端具8を嵌着する。この先端具8を用いなくとも導管4で直接に液体試料の回収を行うことも可能であるが、これを利用することで、液体試料の量が微量であったり、採取箇所が入り組んだ組織内にある場合などに、その採取が容易となる。なお、先端具8として、市販のノンベベル針などが、本発明において好適に利用できる。
次いで、濾過手段2の連結部5に設けられた流路口5aに、その長手方向に内部空間が連通している連結具9の吸引管9aが嵌挿されて、濾過手段2に連結具9が取り付けられる。次いで、支持具10の下端10aと連結部5とを係合しすることで、支持具10に濾過手段2を結合する。この場合において、本発明の固体成分回収器具は、好ましくは、支持具10に挿通可能で、かつその内部に液体試料の液体成分が導入される(吸引手段として機能する)回収容器11を具備している。第4図を参照すると、これら一連の部材をもってして、本発明の固体成分回収器具1が構築される。
ところで、回収容器11は、例えば、空気の出入を遮断するような材質および構造とし、容器11内を窒素ガスなどの不活性ガスで一旦充満させて減圧状態にした後に、合成ゴム製などの栓体12によって密栓される。回収容器11は、液体試料の液体成分が容器11内に十分量回収できる程度に減圧する必要があり、圧力の維持効率や容器の耐久性などの観点から、極端な減圧は避けることとし、構成材質にもよるが、通常の大気圧下での使用にあっては、約0.1〜約0.5気圧の範囲の圧力に調整する。回収容器11の大きさや形状は、一般的な分析装置に装着できるような試験管やビンのような形状をしたものが好ましいが、支持具10に挿通可能であり、好ましくは、支持具10の内端に設置された連結具9の尖った先端によって栓体12が穿設されるように挿入できるものであれば、特に限定されない。回収容器11に、遮光機能を付与することで、光による試料成分の変質を軽減することもできる。
また、本発明の固体成分回収器具は、第5図にその主要構成要素を例示した、濾過手段内に取り込まれた固体成分をその系外に出すための押圧手段も具備している。この押圧手段とは、濾過手段2に保持された固体成分をその系外に出す手段であればよく、例えば、濾過手段2への圧縮空気の負荷や水の連続供給などが含まれる。ちなみに、第5図に例示した構成要素での押圧手段としては、押圧手段13と、濾過手段2に連結され、かつ押圧手段13がその内部を挿通可能な支持部材14との組み合わせがこれに該当する。押圧手段13は、支持部材14に挿通可能な構造であればよく、好ましくは、支持部材14内部の気密性を保ちながら挿通可能な構造のものを採用する。例えば、第4図を参照すれば、筒状の支持部材14に対しては、通常は、棒状の押圧手段13が用いられる。なお、支持部材14や押圧手段13は、それぞれ個別にガラスや合成樹脂などの素材から作製し、また、その柔軟性を適宜調整することができる。あるいは、支持部材14と押圧手段13の双方を同じ素材から作製することも可能である。
なお、押圧手段13の内径は、支持部材14内部の気密性を保ちながら挿通可能であれば、いずれの大きさでも利用可能である。なお、支持部材14の下端には、その内面に溝15が螺設された結合部が具備されており、濾過手段2の連結部5が溝15に螺着することで、支持部材14に濾過手段2が結合する。また、連結部5が溝15へ螺着される時に、排出管15aは、吸出口5aに嵌挿され、支持部材14の内部と濾過手段2の内部が連通する。
次に、本発明の固体成分回収器具の使用方法を説明する。
まず、第1図を参照すれば、栓体6、7を濾過手段2から取り外し、次いで、濾過手段2の連結部5に連絡した吸引手段(図示せず)を稼働して濾過手段2内部の気圧を減圧することで、液体試料が、導管4および濾過手段2を介して濾過手段2の連結部5側に誘導される。濾過手段2の内部に導入された液体試料の固体成分は、濾過手段2に装着された濾過材3によって分離され、そして、濾過手段2の内部に保持される。
第6図を参照すれば、本発明の固体成分回収器具1の濾過手段2に保持された固体成分を回収すべく、まず、支持部材14の結合部内面に螺設された溝15(第5図)に連結部5を螺着して、支持部材14に濾過手段2を結合する(第6図(a))。
そこに、支持部材14に押圧手段13を挿入することで、濾過手段2の吸出側から濾過材3に空気圧が負荷され、導管4から固体成分が出される(第6図(b)および(c))。出てきた固体成分は、適宜の回収容器(例えば、栓付試験管など)に回収されて、そこに密閉保存される。
あるいは、本発明の固体成分回収器具1の濾過手段2に保持された固体成分の他の回収態様としては、水圧などの液体による圧力を利用する方法がある。例えば、第7図を参照すれば、まず、支持部材14の結合部内面に螺設された溝15(第5図)に連結部5を螺着して、支持部材14に濾過手段2を結合する(第7図(a))。次いで、支持部材14の内部に水などの液体を注ぎ(第7図(b))、そして、支持部材14の内部に押圧手段13を挿入することで、濾過手段2の吸出側から濾過材3に水圧(液圧)が負荷され、これにより、濾過手段2の濾過材3に堰き止められている固体成分が、液体と共に導管4から出される(第7図(c)および(d))。ここで用いられる液体としては、固体成分の変質を招かないものであれば、いずれも利用可能であり、例えば、脱イオン水、滅菌水、蒸留水、精製水、生理食塩水、低濃度ホルマリン液などが利用可能である。なお、液体培地を用いれば、固体成分と液体培地が同時に濾過手段2の系外に出され、細菌等を検査時まで生存した状態で維持できる。また、水を用いて濾過手段2の系外に出された固体成分を固体培地上に置くことによっても、細菌等を検査時まで生存した状態で維持できる。
出てきた固体成分は、適宜の回収容器(例えば、栓付試験管など)に回収されて、そこに密閉保存される。なお、導管4から出てくる液体の量は、支持部材14の内部に注入する液体の量(水量)を加減することで調整できる。
以下に、本発明の実施例を具体的に説明するが、本願発明は、これら実施例の開示によって限定的に解釈されるべきものではない。
実施例1
まず、液体試料として、以下の試料を取り揃えた。
試料 1:日常生活廃水(一般家庭の排出汚水)
試料 2:河川水(神戸市垂水区の福田川河川水)
試料 3:水道水(集合住宅の上水道水)
試料 4:水道水(学校校舎の上水道水)
試料 5:工場廃水(クリーニング工場廃液)
試料 6:ミネラルウォーター(商品名:エビアン)
試料 7:緑 茶(商品名:生茶)
試料 8:新鮮尿(健常成人女性の尿)
試料 9:新鮮尿(健常成人女性の尿)
次に、その内部に濾過材が充填収納され、かつ液体試料採取時の吸引側に導管を、また吸出側に連結部を具備した濾過手段を準備した。そして、導管および連結部の開口端から栓体を取り外し、次いで、濾過手段の連結部に設けられた流路口に、連結具の吸引管を嵌挿して、濾過手段に連結具を取り付けた。次いで、支持具の下端と連結部とを係合して、支持具に濾過手段を結合した。その後、液体試料の回収容器を、その栓体側から支持具の内部に入れて、連結具の尖った先端の手前まで挿入した。
試料1〜9を、それぞれ個別のカップに採取した。そして、各試料に導管を浸した後に、支持具の下端に向けて回収容器を挿入して、連結具の先端で栓体を穿設した。なお、本実施例では、導管の先端に先端具を嵌着していないが、作業者の任意に基づいて、先端具を利用することも当然に可能である。
これにより、減圧密閉された回収容器の引圧により、カップ内の液体試料は、導管から濾過手段に導かれた。濾過手段の内部に導入された液体試料は、そこで固体成分と液体成分とに固液分離され、固体成分は濾過手段内に止まった。その後、液体成分が入った回収容器を支持具から取り出し、そのままの状態で、室温下で保存した。
なお、濾過材として、セルロースアセテートを材質にした口径が0.2μmの傾斜口径膜(滅菌済:直径50mm)を用いた。また、回収容器として、ゴム栓によって密閉されて、−50kPa〜−80kPaに減圧密閉した褐色のプラスチック製試験管を用いた。
固体成分を回収するために、まず、濾過手段から支持具と連結具を取り外した。そして、支持部材の結合部内面に設けられた溝に濾過手段の連結部を螺着して、支持部材に濾過手段を結合せしめた。この時、支持部材の排出管は、濾過手段の吸出口に嵌挿され、両者の内部が連通した。濾過手段が結合した支持部材の内部に精製水を注いだ。精製水が注がれた筒状の支持部材に、棒状の押圧手段を挿入すると、濾過手段内の固体成分が精製水と共に導管から排出され、これら出てきた液体をプラスチック製試験管に回収した。
試料1〜9の試料原液と、上記手順に従って個別に回収した液体成分と固体成分のそれぞれに関して、pH、化学的酸素要求量(COD)、尿糖・尿タンパク質、および細菌の有無について測定を行った。
試料のpHは、pHインジケーター(商品名:Whatman社製)によって測定した。
試料のCODは、COD測定キット(水質検査パックテスト:株式会社共立理化学研究所製)によって測定した。
試料の尿糖・尿タンパク質は、体外診断医薬品プレテスト(和光純薬工業株式会社)によって測定した。
試料中の細菌の有無は、固体培地と液体培地を用いて確認した。
すなわち、固体培地として、LB培地[培地11当たり;ペプトン(10g)、酵母抽出物(5g)、塩化ナトリウム(5g)、寒天(15g)]を調製した。これを、プレート1枚当たり20ml塗設し、次いで、50μlの各液体試料を塗布した後に、室温にて静置培養して、細菌によるコロニー形成、つまり、細菌の存在を確認した。
同様に、液体培地として、FT培地[培地1リットル当たり;バクトカシトン(15g)、バクト酵母抽出物(5g)、バクトデキストロース(5.5g)、塩化ナトリウム(2.5g)、L−システイン(0.5g)、チオグリコレートナトリウム(0.5g)、バクトアガー(0.75g)、レサズリン(0.001g)]を調製した。これを、試験管1本当たり10ml注ぎ、次いで、0.5mlの各液体試料を添加した後に、室温にて静置培養して、細菌による培地の濁化、つまり、細菌の存在を確認した。
各液体試料に関する測定結果を、以下の表1にまとめた。
Figure 2003004138
表1に記載の結果から明らかなように、pH、CODおよび尿糖・尿タンパク質の測定結果に関しては、液体成分と固体成分との間に差異は認められなかった。また、液体試料の原液および固体成分において細菌の存在が確認された試料については、いずれも、対応する液体成分では細菌の存在が認められなかった。
これら結果から、本発明の固体成分回収器具は、液体試料での液体成分と固体成分を確実に分離していることが確認された。
実施例2
実施例1での結果を踏まえ、透析患者(慢性腎不全患者等)の自然尿を液体試料として、実施例1に記載の方法と同様にして液体成分の回収までを行った。そして、固体成分の回収は、以下の3方法に従って実施した。
方法1: 液体成分の回収後に直ちに、濾過手段から支持具と連結具を取り外し、そして、支持部材の結合部内面に設けられた溝に濾過手段の連結部を螺着して、支持部材に濾過手段を結合せしめた。その後、棒状の押圧手段を支持部材に挿入して緩やかに空気圧を負荷し、導管から出てきた液をプラスチック製試験管に回収した。
方法2: 液体成分の回収後、濾過手段から支持具と連結具を取り外し、しばらく静置して後、支持部材の結合部内面に設けられた溝に濾過手段の連結部を螺着して、支持部材に濾過手段を結合せしめた。そして、棒状の押圧手段を支持部材に挿入して緩やかに空気圧を負荷し、導管から出てきた液をプラスチック製試験管に回収した。
方法3: 液体成分の回収後、濾過手段から支持具と連結具を取り外し、濾過手段に振動を与えた後、支持部材の結合部内面に設けられた溝に濾過手段の連結部を螺着して、支持部材に濾過手段を結合せしめた。そして、棒状の押圧手段を支持部材に挿入して緩やかに空気圧を負荷し、導管から出てきた液をプラスチック製試験管に回収した。
方法1〜3で得た固体成分について鏡検を行い、各固体成分での尿成分(赤血球、上皮細胞類、円柱類)の計数を行った。同じ試料について遠心沈殿法(従来法)によって得た固体成分についても、同様にして鏡検と尿成分の計数を行った。それらの結果を、以下の表2にまとめた。
なお、鏡検は400倍の拡大条件下で行った。また、方法1〜3で得た固体成分に関する計測数は、遠心沈殿法によって得た数を100とした百分率で示した。
Figure 2003004138
表2に記載の結果から明らかなように、鏡検計測数については、従来法と本発明の方法との間に有意の差異は認められなかった。
これら結果から、本発明の固体成分回収器具は、液体試料の固体成分を、その構成成分の変質を招くことなく分離していることが確認された。
産業上の利用可能性
このように、本発明の固体成分回収器具によれば、所期の目的であった、液体試料の固体成分を、液体試料(試料原液)の採取現場で瞬時に分離・回収できる手段を実現するものである。
また、本発明の固体成分回収器具の濾過手段から得られる固体成分は、定性分析および培養試験の試料として直ちに使用できるので、従来の試料調製時に必要とされていた固体成分の遠心分離の作業が不要となる。
さらに、本発明の固体成分回収器具によると、分離された固体成分の冷凍・冷蔵保存も不要となり、これら作業にかかる労力の軽減化と設備コストの削減も大いに期待される。
【図面の簡単な説明】
第1図は、濾過手段の構成を示す一部切り欠き斜視図である。
第2図は、濾過手段の構成を示す斜視図である。
第3図は、本発明の固体成分回収器具の構成の一実施例を示す分解斜視図である。
第4図は、本発明の固体成分回収器具の構成の一実施例を示す斜視図である。
第5図は、本発明の固体成分回収器具の押圧手段の構成の一実施例を示す分解斜視図である。
第6図は、本発明の固体成分回収器具による固体成分の回収プロセスの一実施例の説明図である。
第7図は、本発明の固体成分回収器具による固体成分の回収プロセスの他の実施例の説明図である。

Claims (10)

  1. その外部と連通している流路を具備し、この流路を介してその内部に導入された液体試料を固液分離した後に固体成分を保持する濾過手段を含む、ことを特徴とする液体試料の固体成分回収器具。
  2. 前記濾過手段が、液体試料を固液分離する濾過材を具備している請求の範囲第1項に記載の液体試料の固体成分回収器具。
  3. 前記濾過材が、滅菌済である請求の範囲第2項に記載の液体試料の固体成分回収器具。
  4. 前記濾過材が、傾斜口径膜である請求の範囲第2項または第3項に記載の液体試料の固体成分回収器具。
  5. 前記濾過材の孔径が、0.05μm〜0.2μmである請求の範囲第2項乃至第4項のいずれかに記載の液体試料の固体成分回収器具。
  6. 液体試料の固体成分を前記濾過手段の系外に出すための押圧手段をさらに含む請求の範囲第1項乃至第5項のいずれかに記載の固体成分回収器具。
  7. 前記濾過手段に連結可能で、かつ前記押圧手段が挿通可能な支持部材をさらに含む請求の範囲第6項に記載の液体試料の固体成分回収器具。
  8. 請求の範囲第1項乃至第7項7のいずれかに記載の液体試料の固体成分回収器具を用いた液体試料の固体成分の回収方法であって、液体試料を前記濾過手段に吸引導入した後に固液分離し、および固液分離して得た固体成分を前記濾過手段に保持する工程を含む、ことを特徴とする液体試料の固体成分の回収方法。
  9. 前記固体成分を、押圧手段によって、前記濾過手段の流路から出す工程をさらに含む請求の範囲第8項に記載の液体試料の回収方法。
  10. 前記固体成分が、液体培地と共に出される請求の範囲第9項に記載の液体試料の回収方法。
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