JPWO2002090538A1 - Methods for synthesizing nucleic acids - Google Patents
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Abstract
本発明は、3’末端において互いに相補的な塩基配列を有し、5’末端において自身を構成する塩基配列の任意の領域に対して相補的な塩基配列を有する、少なくとも2つの核酸を利用し、標的塩基配列を含む核酸を合成する方法に関する。本発明は、LAMP法用プライマーと、インサートプライマーを利用し、鋳型と鎖置換を伴う相補鎖合成反応を触媒するDNAポリメラーゼを等温でインキュベートすることで、容易に実施することができる。The present invention utilizes at least two nucleic acids having a base sequence complementary to each other at the 3 ′ end and a base sequence complementary to any region of the base sequence constituting itself at the 5 ′ end. And a method for synthesizing a nucleic acid containing a target base sequence. The present invention can be easily carried out by incubating a DNA polymerase catalyzing a complementary strand synthesis reaction involving strand displacement with a template using a primer for LAMP method and an insert primer at an isothermal temperature.
Description
技術分野
本発明は、鋳型に対して相補的な塩基配列で構成される核酸を合成する方法に関する。
背景技術
核酸塩基配列の相補性に基づく分析方法は、遺伝的な特徴を直接的に分析することが可能である。そのため、遺伝的疾患、癌化、微生物の識別等には非常に有力な手段である。また遺伝子そのものを検出対象とするために、例えば培養のような時間と手間のかかる操作を省略できる場合もある。
とはいえ試料中に存在する目的の遺伝子量が少ない場合の検出は一般に容易ではなく、標的遺伝子そのものを、あるいは検出シグナル等を増幅することが必要となる。標的遺伝子を増幅する方法の一つとしてPolymerase Chain Reaction(PCR)法が知られている(Science,230,1350−1354,1985)。PCR法は、in vitroにおける核酸の増幅技術として現在最も一般的な方法である。その指数的な増幅効果に基づく高い感度により優れた検出方法として定着した。また、増幅生成物をDNAとして回収できることから、遺伝子クローニングや構造決定などの遺伝子工学的手法を支える重要なツールとして幅広く応用されている。しかしPCR法においては、実施のために特別な温度調節装置が必要なこと;増幅反応が指数的に進むことから定量性に問題があること;試料や反応液が外部からの汚染を受け、誤って混入した核酸が鋳型として機能してしまうコンタミネーションの影響を受け易いこと等の問題点が指摘されている。
ゲノム情報の蓄積に伴って、1塩基多型(SNPs;single nucleotide polymorphism)の解析が注目されている。プライマーの塩基配列にSNPsを含むように設計することによってPCRを利用したSNPsの検出が可能である。すなわち、反応生成物の有無によってプライマーに相補的な塩基配列の有無を知ることができる。しかしPCRにおいては、万が一誤って相補鎖合成が行われてしまった場合には、その生成物が以降の反応の鋳型として機能して誤った結果を与える原因となる。現実には、プライマーの末端における1塩基の相違のみでは、PCRを厳密に制御することは難しいといわれている。したがって、PCRをSNPsの検出に利用するには特異性の改善が必要とされている。
一方リガーゼに基づく核酸合成方法も実用化されている。LCR法(Ligase Chain Reaction,Laffler TG;Carrino JJ;Marshall RL;Ann.Biol.Clin.(Paris),1993,51:9,821−6)は、検出対象となる配列上において隣接する2つのプローブをハイブリダイズさせ、リガーゼによって両者を連結する反応が基本原理になっている。標的塩基配列が存在しない場合には2つのプローブを連結することはできないので、連結生成物の存在は標的塩基配列の指標となる。LCR法も合成した相補鎖と鋳型との分離に温度制御が必要となることから、PCR法と同じ問題点を伴っている。LCRについては、隣接するプローブの間にギャップを設け、これをDNAポリメラーゼで充填する工程を加え特異性を改善する方法も報告されている。しかし、この改良方法によって期待できるのは特異性のみであり、温度制御を要求する点については依然として課題を残している。しかも、必要な酵素が増えるため、コストを犠牲にしているといえる。
検出対象配列を鋳型として相補的な配列を持つDNAを増幅する方法には、Strand Displacement Amplification(SDA)法[Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89,392−396;1992][Nucleic Acid.Res.,20,1691−1696;1992]と呼ばれる方法も知られている。SDA法は、ある塩基配列の3’側に相補的なプライマーを合成起点として相補鎖合成を行うときに、5’側に2本鎖の領域が有るとその鎖を置換しながら相補鎖の合成を行う特殊なDNAポリメラーゼを利用する方法である。なお以下本明細書において単に5’側、あるいは3’側と表現するときには、いずれも鋳型となっている方の鎖における方向を意味している。5’側の2本鎖部分が新たに合成された相補鎖によって置換(displacement)されることからSDA法と呼ばれている。SDA法では、プライマーとしてアニールさせた配列に予め制限酵素認識配列を挿入しておくことによって、PCR法においては必須となっている温度変化工程の省略を実現できる。すなわち、制限酵素によってもたらされるニックが相補鎖合成の起点となる3’−OH基を与え、そこから鎖置換合成を行うことによって先に合成された相補鎖が1本鎖として遊離して次の相補鎖合成の鋳型として再利用される。このようにSDA法はPCR法で必須となっていた複雑な温度制御を不要とした。
しかし、SDA法では鎖置換型のDNAポリメラーゼに加え、必ずニックをもたらす制限酵素を組み合わせる必要がある。必要な酵素が増えるということは、コストアップの要因である。また、用いる制限酵素によって2本鎖の切断ではなくニックの導入(すなわち一方の鎖だけの切断)を行うために、一方の鎖には酵素消化に耐性を持つように合成の際の基質としてαチオdNTPのようなdNTP誘導体を利用しなければならない。このため、SDAによる増幅産物は天然の核酸とは異なった構造となり、制限酵素による切断や、増幅産物の遺伝子クローニングへの応用といった利用は制限される。またこの点においてもコストアップの要因を伴っているといえる。加えて、未知の配列にSDA法を応用するときには、合成される領域の中にニック導入のための制限酵素認識配列と同じ塩基配列が存在する可能性を否定できない。このようなケースでは完全な相補鎖の合成が妨げられる心配がある。
DNA−RNAのキメラオリゴヌクレオチドを利用して、RNA部分を酵素的に除去することにより、3’−OH基を供給する方法も公知である。たとえばIsothermal and Chimeric primer−initiated Amplification of Nucleic acids(ICAN法、WO00/56877)と名付けられた核酸の合成方法においては、3’側がRNAで構成されたキメラオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いる。相補鎖合成の後に、RNAseHの作用によってこのオリゴヌクレオチドのRNA部分が消化され、新たな3’−OH基が連続的に供給される。一連の反応は等温で進行させることができるとされている。しかし、プライマーに用いるオリゴヌクレオチドは、DNA−RNAキメラオリゴヌクレオチドでなければならない。また、RNAを除去するための酵素なども必要となるため、前述のSDA法と同様の問題点を有するといえる。
複雑な温度制御を不要とする核酸の増幅方法として、Nucleic Acid Sequence−based Amplification(NASBA、TMA/Transcription Mediated Amplification法とも呼ばれる)が公知である。NASBAは、標的RNAを鋳型としてT7プロモーターを付加したプローブでDNAポリメラーゼによるDNA合成を行い、これを更に第2のプローブで2本鎖とし、生成する2本鎖DNAを鋳型としてT7 RNAポリメラーゼによる転写を行わせて多量のRNAを増幅する反応系である(Nature,350,91−92,1991)。NASBAは2本鎖DNAを完成するまでにいくつかの加熱変性工程を要求するが、以降のT7 RNAポリメラーゼによる転写反応は等温で進行する。しかし、逆転写酵素、RNaseH、DNAポリメラーゼ、そしてT7 RNAポリメラーゼといった複数の酵素の組み合わせが必須となることから、SDAと同様にコストの面では不利である。また複数の酵素反応を行わせるための条件設定が複雑なので、一般的な分析方法として普及させることが難しい。このように公知の核酸増幅反応においては、複雑な温度制御の問題点、あるいは複数の酵素が必要となることといった課題が残されている。
更に、これらの公知の核酸合成反応について、特異性やコストを犠牲にすることなく核酸の合成効率を更に向上させる試みについては、ほとんど報告が無い。たとえば、Rolling−circle amplification(RCA)と呼ばれる方法では、標的塩基配列の存在下でパドロックプローブ(padlock probe)に相補的な塩基配列が連続した1本鎖のDNAを継続して合成できることが示された(Paul M.Lizardi et al,Nature Genetics 19,225−232,July,1998)。RCAでは、1本のオリゴヌクレオチドの5’末端と3’末端がLCRにおける隣接プローブを構成する特殊な構造のパドロックプローブが利用される。そして鎖置換型の相補鎖合成反応を触媒するポリメラーゼを組み合わせることにより、標的塩基配列の存在下でライゲーションされ環化したパドロックプローブを鋳型とする連続的な相補鎖合成反応がトリガーされる。同じ塩基配列からなる領域が繰り返し連続した構造を持った1本鎖核酸が生成される。この1本鎖核酸に対して更にプライマーをアニールさせてその相補鎖の合成を行って、高度な増幅を実現している。しかし、複数の酵素が必要な点は依然として残された課題である。また、相補鎖合成のトリガーは、2つの隣接領域の連結反応に依存しており、その特異性は原理的にLCRと同じレベルである。
3’−OHの供給という課題に対しては、3’末端に同一鎖上の塩基配列に相補的な配列を持たせ、末端でヘアピンループを形成させる方法が公知である(Gene 71,29−40,1988)。このようなヘアピンループからは、自身を鋳型とした相補鎖合成が行われ、相補的な塩基配列で構成された1本鎖の核酸を生成する。たとえばPCT/FR95/00891では、相補的な塩基配列を連結した末端部分で同一鎖上にアニールする構造を実現している。しかしこの方法では、末端が相補鎖との塩基対結合(base pairing)を解消して改めて同一鎖上で塩基対結合を構成するステップが必須である。このステップは塩基対結合を伴う相補的な塩基配列同士の末端における微妙な平衡状態に依存して進むとされている。すなわち、相補鎖との塩基対結合と、同一鎖上での塩基対結合との間で維持される平衡状態を利用し、同一鎖上の塩基配列とアニールしたもののみが相補鎖合成の起点となる。したがって、高度な反応効率を達成するためには、厳密な反応条件の設定が求められるものと考えられる。更にこの先行技術においては、プライマー自身がループ構造を作っている。そのためプライマーダイマーがいったん生成すると、標的塩基配列の有無にかかわらず自動的に増幅反応が開始され非特異的な合成産物を形成してしまう。これは重大な問題点といえる。更に、プライマーダイマーの生成とそれに伴う非特異的な合成反応によるプライマーの消費が、目的とする反応の増幅効率の低下につながる。
その他に、DNAポリメラーゼに対して鋳型とならない領域を利用して同一鎖にアニールする3’末端構造を実現した報告(EP713922)がある。この報告も末端部分における動的平衡を利用している点、あるいはプライマーダイマー形成にともなう非特異的な合成反応の可能性においては先のPCT/FR95/00891と同様の問題点を持つ。更に、DNAポリメラーゼの鋳型とならない特殊な領域をプライマーとして用意しなければならない。
また前記NASBAの原理を応用した各種のシグナル増幅反応においては、2本鎖のプロモーター領域を供給するためにしばしば末端でヘアピン状の構造を伴ったオリゴヌクレオチドが利用される(特開平5−211873)。しかしこれらは、相補鎖合成の3’−OHの連続的な供給を可能とするものではない。更に特表平10−510161(WO96/17079)においては、RNAポリメラーゼによって転写されるDNA鋳型を得ることを目的として同一鎖上に3’末端をアニールさせたヘアピンループ構造が利用されている。この方法では、RNAへの転写と、RNAからDNAへの逆転写を利用して鋳型の増幅が行われる。しかし、この方法も複数の酵素を組み合わせなければ反応系を構成できない。
この他、5’末端にプライマーの伸長生成物の塩基配列に相補的な塩基配列を有するプライマーを用いた核酸の増幅反応が報告されている。この報告によれば、相補鎖が合成されると、プライマーの5’末端が相補的な塩基配列に対して結合し、その結果として初めにプライマーがアニールした領域が開放され、新たなプライマーのアニールが起きるとされている(EP971039)。この報告は、等温でプライマーのアニールが可能な領域を連続的に供給することは実現するが、基本的な原理はPCR等に頼っている。したがって、先に述べたような、PCRにおける反応特異性の問題を改善することはできない。
これに対して本出願人は、等温条件で実施することができ、しかもPCRに比較して、反応特異性を高い水準に維持することができる新規な核酸の合成方法を開発し特許出願した(WO00/28082)。そしてこの方法をLoop−mediated isothermal amplification(以下LAMP法と省略する)と名付けた(T.Notomi et al.,Nucleic Acid Res.,2000,Vol.28,No.12,e63)。
更に本出願人は、LAMP法を応用したSNPsの検出方法についても報告している(The 3rd International Workshop on Advanced Genomics 2000.11.13〜14;Yokohama,A Novel SNP Typing Technology Based on the Nucleic Acid Amplification Method,LAMP KANDA,Hidetoshi et al.)。LAMP法には、鋳型の塩基配列が設計とは異なっていたときに核酸の増幅反応が著しく阻害されるという特徴がある。この特徴により、LAMP法に基づく変異の検出方法は、検出感度を犠牲にすることなく高い特異性を実現した。
発明の開示
本発明の課題は、LAMP法の反応原理を応用した新たな核酸の合成方法を提供することである。
LAMP法は、高度な反応特異性を等温で達成することができる核酸の合成方法である。本発明者は、この方法を応用して、更に新たな核酸の合成原理を確立するために研究を重ねた。その結果、特定の構造を有する核酸とLAMP法を応用することによって、新しい原理で核酸の合成を行うことができることを見出した。更に、この反応原理に基づいて、公知のLAMP法では知られていなかった、様々な効果を達成できることを見出し本発明を完成した。すなわち本発明は、以下の核酸の合成方法、そのためのキット、並びにそれらの用途に関する。
〔1〕次の工程を含む、標的塩基配列を含む核酸の合成方法。
(1)5’側から3’側にかけて次の領域(a)−(d)を含む、少なくとも2種類の1本鎖の核酸を生成する工程、ここで前記2種類の1本鎖核酸は、その3’末端において相補的な塩基配列を有し、かつ標的塩基配列から選択された塩基配列を含む。
(a)同一鎖上の任意の領域に相補的な塩基配列からなる領域、
(b)領域(a)が同一鎖上の任意の領域に対してハイブリダイズしたときにループを形成する領域、
(c)領域(a)に相補的な塩基配列を含む領域、および
(d)3’末端を構成する塩基配列からなる領域
(2)工程(1)の少なくとも2種類の1本鎖の核酸を、その3’末端においてアニールさせ、鎖置換を伴う相補鎖合成反応を触媒するポリメラーゼによって相補鎖を合成する工程、および
(3)工程(2)で合成された核酸の3’末端を、同一鎖上の相補的な塩基配列からなる領域にアニールさせ、その3’末端を起点として相補鎖を合成し、標的塩基配列からなる1本鎖の核酸を合成する工程、
〔2〕工程(1)の1本鎖の核酸の少なくとも1種類が、領域(a)と領域(c)のハイブリダイズによって、相補鎖を伴わない3’末端を形成する構造を有する核酸である〔1〕に記載の方法。
〔3〕工程(1)の1本鎖の核酸の少なくとも1種類が、領域(a)と領域(c)のハイブリダイズによって、相補鎖を伴った3’末端を形成する構造を有する核酸である〔1〕、または〔2〕に記載の方法。
〔4〕工程(1)の1本鎖の核酸を、以下の工程によって生成する〔1〕に記載の方法。
i)標的塩基配列を含む核酸を鋳型として、少なくとも1組のインサートプライマーを用いて相補鎖を合成する工程;ここでインサートプライマーを起点として合成された相補鎖は、その5’末端を構成する塩基配列が互いに相補的な塩基配列からなっており、そして
ii)工程i)の生成物を鋳型として、標的塩基配列の5’末端に相補的な塩基配列を3’末端に有し、かつその5’末端に前記3’末端を起点として合成される相補鎖の任意の領域に対して相補的な塩基配列を有するインナープライマーで相補鎖を合成し、工程(1)に記載の1本鎖核酸を生成する工程
〔5〕インサートプライマーが、互いに相補的な塩基配列を5’末端に有する少なくとも1組のインサートプライマーである〔4〕に記載の方法。
〔6〕インサートプライマーが、その5’末端における互いに相補的な塩基配列がRNAで構成され、かつ3’末端がRNase耐性のポリヌクレオチドから構成されており、DNAとハイブリダイズした該RNAをRNaseによって消化する工程を含む〔5〕に記載の方法。
〔7〕インサートプライマーが、標的塩基配列中の任意の領域において相補鎖の合成起点となる第1のインサートプライマーと、このインサートプライマーを起点とする伸長生成物に含まれる標的塩基配列中の任意の領域において相補鎖の合成起点となる第2のインサートプライマーとの組み合わせからなる〔4〕に記載の方法。
〔8〕工程(1)の1本鎖の核酸を、以下の工程によって生成する〔1〕に記載の方法。
i)次の条件を有する少なくとも2種類の1本鎖の核酸を生成する工程、
a)5’末端を含む領域と3’末端を含む領域が相補的な塩基配列で構成される、
b)a)の相補的な塩基配列からなる領域がハイブリダイズしたときにループを形成する塩基配列によって、この相補的な塩基配列が連結されている、
c)一方の核酸の3’末端は他方の核酸の3’末端に相補的な塩基配列を有する、および
d)該1本鎖核酸を構成する塩基配列が、標的塩基配列から選択される塩基配列を含む
ii)工程i)の1本鎖の核酸におけるループにアニールして相補鎖合成の起点となるプライマーであって、その5’末端に該プライマーを起点として合成される相補鎖に相補的な塩基配列を有するプライマーをアニールさせ、その3’末端を起点として鎖置換を伴う相補鎖合成反応を触媒するDNAポリメラーゼによって、相補鎖を合成するとともに、工程i)の1本鎖の核酸の3’末端を置換して塩基対結合が可能な状態とする工程、
iii)工程ii)によって塩基対結合が可能となった3’末端を相互にアニールさせ、その3’末端を起点として相補鎖を合成するとともに、工程ii)で合成した相補鎖を置換して工程(1)の1本鎖の核酸を生成する工程、
〔9〕前記工程(1)の1本鎖の核酸を以下の工程によって生成する〔1〕に記載の方法。
(a)標的塩基配列を含む核酸を鋳型としてインナープライマーをアニールさせ、その3’末端を起点として相補鎖を合成する工程;ここでインナープライマーは、標的塩基配列の5’末端に相補的な塩基配列を3’末端に有し、かつその5’末端に前記3’末端を起点として合成される相補鎖の任意の領域に対して相補的な塩基配列を有し、
(b)工程(a)の生成物にインサートプライマーをアニールさせ、その3’末端を起点として相補鎖を合成する工程;ここでインサートプライマーは工程(a)の生成物の任意の領域に対して相補的な塩基配列を3’末端に備え、かつその5’末端の塩基配列は〔1〕における2種類の1本鎖核酸のいずれかの3’末端を構成する塩基配列に相補的な塩基配列からなり、そして
(c)工程(b)で合成された相補鎖を1本鎖とし、その3’末端を自身にアニールさせ、その3’末端を起点として相補鎖を合成し、前記工程(1)の1本鎖の核酸を生成する工程
〔10〕工程(a)の標的塩基配列を含む核酸が、〔1〕における工程(2)の生成物である〔9〕に記載の方法。
〔11〕2種類の1本鎖の核酸が、いずれも同一の鋳型に由来する塩基配列を含む、〔1〕に記載の方法。
〔12〕2種類の1本鎖の核酸に含まれる塩基配列が、鋳型において連続している〔11〕に記載の方法。
〔13〕2種類の1本鎖の核酸に含まれる塩基配列が、鋳型において連続していない〔11〕に記載の方法。
〔14〕2種類の1本鎖の核酸が、異なる鋳型に由来する塩基配列を含む、〔1〕に記載の方法。
〔15〕次の工程を含む標的塩基配列を含む核酸の増幅方法。
(1)5’側から3’側にかけて次の領域(a)−(d)を含む、少なくとも2種類の1本鎖の核酸を生成する工程、ここで前記2種類の1本鎖核酸は、その3’末端において相補的な塩基配列を有し、かつ標的塩基配列から選択された塩基配列を含む。
(a)同一鎖上の任意の領域に相補的な塩基配列からなる領域、
(b)領域(a)が同一鎖上の任意の領域に対してハイブリダイズしたときにループを形成する領域、
(c)領域(a)に相補的な塩基配列を含む領域、および
(d)3’末端を構成する塩基配列からなる領域
(2)工程(1)の少なくとも2種類の1本鎖の核酸を、その3’末端においてアニールさせ、鎖置換を伴う相補鎖合成反応を触媒するポリメラーゼによって相補鎖を合成する工程、
(3)工程(2)で合成された核酸の3’末端を、同一鎖上の相補的な塩基配列からなる領域にアニールさせ、その3’末端を起点として相補鎖を合成し、標的塩基配列からなる1本鎖の核酸を合成する工程、
(4)工程(3)の生成物を鋳型として、インナープライマー、および/またはインサートプライマーの3’末端を起点として、鎖置換を伴なう相補鎖合成反応を触媒するDNAポリメラーゼによって相補鎖を合成する工程、
(5)各プライマーからの伸長生成物の5’側に位置する他のプライマーの伸長生成物を置換して前記工程(1)の1本鎖の核酸を生成するか、または該1本鎖の核酸が、その3’末端に同一鎖に対する相補的な塩基配列を有するときには、該3’末端を自身にアニールさせ、その3’末端を起点として相補鎖を合成して前記工程(1)の1本鎖の核酸を生成する工程、および
(6)工程(5)で生成した核酸を用いて〔1〕に記載の方法を繰り返し、標的塩基配列からなる核酸を増幅する工程
〔16〕〔2〕−〔9〕のいずれかに記載の方法によって生成された1本鎖の核酸を用いて、〔1〕−〔7〕のいずれかに記載の方法を開始する工程を含む、標的塩基配列を含む核酸の増幅方法。
〔17〕以下の要素をインキュベートする工程を含む、標的塩基配列を含む核酸を合成する方法。
(a)インナープライマーF;ここでインナープライマーFはその3’末端において前記標的塩基配列を構成する一方の鎖の3’側を規定する領域に対してアニールし、かつインナープライマーFの5’末端には、このプライマーを起点とする相補鎖合成反応生成物の任意の領域に対して相補的な塩基配列を有する、
(b)インナープライマーR;ここでインナープライマーRはその3’末端において前記標的塩基配列を構成する一方の鎖の3’側を規定する領域に対してアニールし、かつインナープライマーRの5’末端には、このプライマーを起点とする相補鎖合成反応生成物の任意の領域に対して相補的な塩基配列を有する、
(c)インサートプライマーF;ここでインサートプライマーFはその3’末端において前記標的塩基配列を構成する一方の鎖の任意の領域に対して相補的な塩基配列を有する、
(d)インサートプライマーR;ここでインサートプライマーRはその3’末端において前記標的塩基配列を構成する他方の鎖の任意の領域に対して相補的な塩基配列を有し、かつインサートプライマーFとインサートプライマーRの各プライマーを起点とする合成生成物は、両者の5’末端を含む領域に互いに相補的な塩基配列を有する、
(e)標的塩基配列を含む鋳型核酸、
(f)ヌクレオチド基質、および
(g)鎖置換を伴う相補鎖合成反応を触媒するDNAポリメラーゼ
〔18〕更に付加的に次の要素を存在させる〔17〕に記載の方法。
(h)アウタープライマーF;ここでアウタープライマーFは、鋳型におけるインナープライマーFがアニールすべき領域の3’側を起点とする相補鎖合成反応の起点となる、および
(i)アウタープライマーR;ここでアウタープライマーRは、鋳型におけるインナープライマーRがアニールすべき領域の3’側を起点とする相補鎖合成反応の起点となる、
〔19〕更に付加的に次の要素を存在させる〔17〕に記載の方法。
(j)ループプライマーF;ここでループプライマーFの3’末端を含む領域は、前記インナープライマーFの5’末端を含む領域が、インナープライマーFを起点とする相補鎖合成反応生成物の任意の領域に対してハイブリダイズすることによって形成されるループ内の任意の領域に対してアニールする、および
(k)ループプライマーR;ここでループプライマーRの3’末端を含む領域は、前記インナープライマーRの5’末端を含む領域が、インナープライマーRを起点とする相補鎖合成反応生成物の任意の領域に対してハイブリダイズすることによって形成されるループ内の任意の領域に対してアニールする
〔20〕鋳型核酸における前記標的塩基配列が2本鎖であり、前記各プライマーを起点とする相補鎖合成が可能な条件下でインキュベートすることによって、各プライマーがアニールすべき領域を塩基対結合が可能な状態とする工程を含む、〔17〕に記載の方法。
〔21〕鋳型核酸における前記標的塩基配列が2本鎖であり、変性工程の後にインキュベートを開始する〔17〕に記載の方法。
〔22〕融解温度調整剤の存在下でインキュベートする〔17〕に記載の方法。
〔23〕融解温度調整剤が、ベタイン、プロリン、ジメチルスルホキシド、およびトリメチルアミンN−オキシドからなる群から選択される少なくとも1つの化合物である〔22〕に記載の方法。
〔24〕〔1〕、または〔17〕に記載の核酸の合成方法、若しくは〔15〕に記載の核酸の増幅方法の反応生成物の量を測定する工程を含む、試料中に含まれる鋳型核酸の検出方法。
〔25〕〔24〕に記載の鋳型核酸の検出方法に基づいて鋳型核酸における変異を検出する方法であって、〔15〕に記載の核酸の増幅方法において、インサートプライマーの3’末端を起点とする相補鎖合成反応が、鋳型核酸の塩基配列が予測される塩基配列でなかったときに妨げられることを特徴とする、変異の検出方法。
〔26〕〔24〕に記載の鋳型核酸の検出方法に基づいて鋳型核酸における変異を検出する方法であって、〔1〕、または〔17〕に記載の核酸の合成方法において、1本鎖の核酸の3’末端を起点とする相補鎖合成反応が、鋳型核酸の塩基配列が予測される塩基配列でなかったときに妨げられることを特徴とする、変異の検出方法。
〔27〕〔4〕に記載の核酸の合成方法、または〔15〕に記載の核酸の増幅方法を利用した変異の導入方法であって、インサートプライマーが鋳型核酸に含まれる塩基配列とは異なる塩基配列を含むことを特徴とする、変異の導入方法。
〔28〕鋳型核酸に含まれる塩基配列とは異なる塩基配列が、インサートプライマーの塩基配列に対する置換、欠失、および/または付加によって構成されている〔27〕に記載の方法。
〔29〕以下の要素で構成される、標的塩基配列を含む核酸を合成するためのキット。
(a)インナープライマーF;ここでインナープライマーFはその3’末端において前記標的塩基配列を構成する一方の鎖の3’側を規定する領域に対してアニールし、かつインナープライマーFの5’側には、このプライマーを起点とする相補鎖合成反応生成物の任意の領域に対して相補的な塩基配列を有する、
(b)インナープライマーR;ここでインナープライマーRはその3’末端において前記標的塩基配列を構成する一方の鎖の3’側を規定する領域に対してアニールし、かつインナープライマーRの5’側には、このプライマーを起点とする相補鎖合成反応生成物の任意の領域に対して相補的な塩基配列を有する、
(c)インサートプライマーF;ここでインサートプライマーFはその3’末端において前記標的塩基配列を構成する一方の鎖の任意の領域に対して相補的な塩基配列を有する、
(d)インサートプライマーR;ここでインサートプライマーRはその3’末端において前記標的塩基配列を構成する他方の鎖の任意の領域に対して相補的な塩基配列を有し、かつインサートプライマーFとインサートプライマーRの各プライマーを起点とする合成生成物は、両者の5’末端を含む領域に互いに相補的な塩基配列を有する、
(e)ヌクレオチド基質、および
(f)鎖置換を伴う相補鎖合成反応を触媒するDNAポリメラーゼ
〔30〕更に付加的に次の要素を含む、〔29〕に記載のキット。
(g)アウタープライマーF;ここでアウタープライマーFは、鋳型におけるインナープライマーFがアニールすべき領域の3’側を起点とする相補鎖合成反応の起点となる、および
(h)アウタープライマーR;ここで第6のプライマーは、鋳型におけるインナープライマーRがアニールすべき領域の3’側を起点とする相補鎖合成反応の起点となる、
〔31〕更に付加的に次の要素を含む、〔29〕に記載のキット。
(i)ループプライマーF;ここでループプライマーFの3’末端を含む領域は、前記インナープライマーFの5’末端を含む領域が、インナープライマーFを起点とする相補鎖合成反応生成物の任意の領域に対してハイブリダイズすることによって形成されるループ内の任意の領域に対してアニールする、および
(j)ループプライマーR;ここでループプライマーRの3’末端を含む領域は、前記インナープライマーRの5’末端を含む領域が、インナープライマーRを起点とする相補鎖合成反応生成物の任意の領域に対してハイブリダイズすることによって形成されるループ内の任意の領域に対してアニールする
〔32〕標的塩基配列が、一つの鋳型核酸に由来する〔29〕に記載のキット。
〔33〕インサートプライマーが、鋳型核酸の塩基配列が予測と異なる塩基配列であったときに、インサートプライマーの3’末端、および/またはインサートプライマーの5’末端を鋳型として合成された相補鎖の3’末端を起点とする相補鎖合成反応が妨げられる塩基配列からなる、〔29〕に記載のキット。
〔34〕試料中に含まれる鋳型核酸の検出に用いるための〔29〕に記載のキット。
〔35〕核酸の検出剤を付加的に含む〔34〕に記載のキット。
〔36〕インサートプライマーが鋳型核酸に含まれる塩基配列とは異なる塩基配列を含むことを特徴とする、〔29〕に記載のキット。
〔37〕標的塩基配列が異なる鋳型核酸に由来する塩基配列を有する〔29〕に記載のキット。
〔38〕インナープライマーFおよびインサートライマーFの3’末端が第1の鋳型核酸に由来する塩基配列を合成するための起点となり、インナープライマーRおよびインサートプライマーRが第2の鋳型核酸に由来する塩基配列を合成するための起点となり、かつインサートプライマーFとインサートプライマーRの5’末端を含む領域において互いに相補的な塩基配列からなる領域を含むことを特徴とする、〔37〕に記載のキット。
〔39〕融合蛋白質をコードする遺伝子を合成するための、〔37〕に記載のキット。
〔40〕付加的に、融合パートナーをコードする遺伝子を含む、〔39〕に記載のキット。
核酸:本発明において、核酸とは、DNA、またはRNA、あるいはそれらのキメラ分子であることができる。核酸は、天然のものであることもできるし、人工的に合成されたものであることもできる。また部分的に、あるいは全体が完全に人工的な構造からなるヌクレオチド誘導体であっても、それが塩基対結合を形成しうるものであるかぎり本発明の核酸に含まれる。このような分子としては、たとえばホスホチオエート結合によってバックボーンが形成されているポリヌクレオチド誘導体などを示すことができる。
本発明における核酸の構成塩基数は、制限されない。核酸は、用語ポリヌクレオチドと同義である。一方本発明におけるオリゴヌクレオチドとは、ポリヌクレオチドの中でも特に構成塩基数が少ないものを示す用語として用いる。一般にオリゴヌクレオチドは、2〜100、より一般的には、2〜50程度の塩基数のポリヌクレオチドを指してオリゴヌクレオチドと呼ぶが、これらの数値には限定されない。
本発明の核酸は、一般に生物学的な試料に含まれる。生物学的試料とは、動物、植物、あるいは微生物の組織、細胞、培養物、排泄物あるいはそれらの抽出物を示すことができる。本発明の生物学的試料には、ウイルスやマイコプラズマのような細胞内寄生体のゲノムDNA、あるいはRNAが含まれる。また本発明の核酸は、前記生物学的試料に含まれる核酸から誘導されたものであってもよい。たとえば、mRNAをもとに合成されたcDNAや、生物学的試料に由来する核酸をもとに増幅された核酸は、本発明における核酸の代表的なものである。
標的塩基配列:本発明において標的塩基配列とは、合成すべき核酸の塩基配列を意味する。すなわち、本発明において合成を目的とする核酸を構成する塩基配列が、標的塩基配列である。また本発明の核酸の合成方法に基づいて、核酸の増幅を行う場合には、増幅すべき核酸を構成する塩基配列が標的塩基配列である。一般に核酸の塩基配列は、5’側から3’側に向けてセンス鎖の塩基配列を記載する。本発明における標的塩基配列とは、センス鎖の塩基配列に加えて、その相補鎖、すなわちアンチセンス鎖の塩基配列も含む。すなわち、用語「標的塩基配列」とは、合成すべき塩基配列、およびその相補鎖の少なくともいずれかを意味する用語として用いる。
本発明において、標的塩基配列は、鋳型として利用する核酸の塩基配列に制限されない。したがって、標的塩基配列は、鋳型と同じ塩基配列からなる場合もあるし、異なる塩基配列とすることもできる。鋳型の塩基配列に変異を導入したり、あるいは鋳型の塩基配列の一部をつなぎ合わせた塩基配列からなる標的塩基配列を合成することもできる。
3’末端、あるいは5’末端:3’末端、あるいは5’末端とは、単にいずれかの末端の1塩基のみならず、末端の1塩基を含み、かつ末端に位置する領域を意味する。より具体的には、いずれかの末端から500塩基、望ましくは100塩基、あるいは少なくとも20塩基は、3’末端、あるいは5’末端に含まれる。これに対して、末端の1塩基や末端付近に存在する特定の位置の塩基を示すためには、その位置を数値で特定することによって示すものとする。また3’末端が相補鎖合成の起点となるというときには、その3’末端の−OH基が相補鎖合成の起点となっていることを意味する。
鋳型と相補鎖:本発明において用いられる鋳型という用語は、相補鎖合成の鋳型となる側の核酸を意味する。鋳型に相補的な塩基配列を持つ相補鎖は、鋳型に対応する鎖としての意味を持つが、両者の関係はあくまでも相対的なものに過ぎない。すなわち、相補鎖として合成された鎖は、再び鋳型として機能することができる。つまり、相補鎖は鋳型になることができる。
本発明においては、鋳型核酸に含まれる塩基配列をそのまま標的塩基配列として合成する場合と、鋳型核酸とは異なる塩基配列を有する核酸の合成を目的とする場合とがある。鋳型核酸とは異なる塩基配列を有する核酸とは、たとえば鋳型核酸に含まれる塩基配列に対して変異を導入したり、あるいは鋳型核酸上で離れて存在する領域を連続する塩基配列として合成する場合が挙げられる。更に本発明における標的塩基配列は、異なる核酸に由来する塩基配列を連結した塩基配列とすることもできる。
核酸の合成(synthesis)と増幅(amplification):本発明における核酸の合成とは、合成起点となったオリゴヌクレオチドからの核酸の伸長を意味する。合成に加えて、更に他の核酸の生成と、この生成された核酸の伸長反応とが連続して起きるとき、一連の反応を総合して増幅という。
アニール:「アニール」と「ハイブリダイズ」は、核酸がワトソン−クリックのモデルに基づく塩基対結合によって2重らせん構造(double helix structure)を形成することを意味する。したがって、塩基対結合を構成する核酸鎖が1本鎖であっても、分子内の相補的な塩基配列が塩基対結合を形成すれば、アニール、あるいはハイブリダイズである。本発明において、アニールとハイブリダイズは、核酸が塩基対結合による2重らせん構造を構成する点で同義である。塩基対結合した3’末端が相補鎖合成の起点となるときに、特にアニールという場合がある。ただし、ハイブリダイズが相補鎖合成の起点となることを否定するものではない。
同一、あるいは相補的:本発明に用いるプライマーを構成する塩基配列の特徴付けのために用いられる同一、あるいは相補的という用語には、完全に同一、あるいは完全に相補的でない塩基配列が含まれる。すなわち、ある配列と同一とは、ある配列に対してアニールすることができる塩基配列に対して相補的な配列をも含むことができる。他方、相補的とは、ストリンジェントな条件下でアニールすることができ、相補鎖合成の起点を提供することができる配列を意味する。
本発明において、同一とは、塩基配列の相同性が、例えば90%以上、通常95%以上、より好ましくは98%以上であることを言う。また相補的とは、相補配列と同一の塩基配列を意味する。すなわち、相補配列に対して、塩基配列の相同性が、例えば90%以上、通常95%以上、より好ましくは98%以上であるときに相補的と言うことができる。なお、相補的な塩基配列は、それが相補鎖合成の起点として機能するときに、その3’末端の少なくとも1塩基が、相補配列と完全に一致することが望ましい。塩基配列の相同性は、BLAST等の公知の検索アルゴリズムによって決定することができる。
鎖置換を伴う相補鎖合成反応:本発明の核酸の合成には、鎖置換を伴う相補鎖合成反応を触媒するポリメラーゼが利用される。本発明において鎖置換を伴う相補鎖合成反応とは、次のような反応を言う。すなわち、プライマーを合成起点とする相補鎖合成反応の鋳型に他のポリヌクレオチドが既にハイブリダイズして2本鎖構造となっているときに、そのポリヌクレオチドを鋳型から分離しながら相補鎖合成が進行する反応を、鎖置換を伴う相補鎖合成反応と言う。このとき、分離されるポリヌクレオチドは、通常、そのホスホジエステル結合が維持される。したがって、相補鎖合成が行われた長さに相当する長さを有し、塩基対結合が可能な状態のポリヌクレオチドが生成されることになる。
鎖置換を伴う相補鎖合成反応を触媒するポリメラーゼとしては、SDAなどに用いられたDNAポリメラーゼと同様のものが用いられる。すなわち、ある塩基配列の3’側に相補的なプライマーを合成起点として相補鎖合成を行うときに、5’側に2本鎖の領域が有るとその2本鎖を置換しながら相補鎖の合成を行う特殊なポリメラーゼが公知である。本発明においては、更に相補鎖合成に必要な基質が添加される。
続いて本発明の反応原理について述べる。公知のLAMP法(T.Notomi et al.,Nucleic Acid Res.,2000,Vol.28,No.12,e63)では、3’末端と5’末端に自身の任意の領域に対して相補的な塩基配列を有する核酸を生成する。そしてこの核酸の3’末端がその相補的な塩基配列からなる領域にアニールしたときに形成されるループに対してアニールするプライマーとともにインキュベートすることにより、標的塩基配列からなる核酸が連続的に合成される。
実際には、前記のループに対してアニールするプライマーとして、その5’末端に、前記核酸の3’末端がアニールする領域と同じ塩基配列からなる領域を付加しておくことにより、単に、標的塩基配列を含む鋳型核酸とプライマーとをインキュベートするだけで、反応を開始することができる。しかも望ましい条件においては、鋳型とする核酸は、2本鎖のままであっても差し支えない。
公知のLAMP法に対して本発明においては、5’側から3’側にかけて次の領域(a)−(d)を含む、少なくとも2種類の1本鎖の核酸を利用することによって核酸を合成する。ここで前記2種類の1本鎖核酸は、その3’末端において相補的な塩基配列を含み、かつ標的塩基配列から選択された塩基配列を含む。
(a)同一鎖上の任意の領域に相補的な塩基配列からなる領域、
(b)領域(a)が同一鎖上の任意の領域に対してハイブリダイズしたときにループを形成する領域、
(c)領域(a)に相補的な塩基配列を含む領域、および
(d)3’末端を構成する塩基配列からなる領域
この構造を標的塩基配列と対比させると、次のような関係となる。まず前記少なくとも2種類の1本鎖の核酸は、標的塩基配列を構成する1組の相補的な塩基配列からなる核酸鎖のうちのいずれか一方の鎖を構成する連続する塩基配列を含む。次に、両者はその3’末端の領域(d)において互いに相補的な塩基配列を有している。そしてこれらの核酸はいずれもその5’末端において同一鎖の任意の領域に相補的な塩基配列からなる領域(a)を有する。前記同一鎖の任意の領域は、その核酸の任意の領域(c)であってよい。そして領域(a)は、領域(c)にハイブリダイズすることによってループを形成する。このとき形成されるループに相当する領域を(b)とする。以上の関係は、たとえば次のように示すことができる。
なおここでは各核酸の領域に対して同じ(a)〜(d)という記号を与えているが、その塩基配列が同一であることは要求されない。むしろ、通常これらの領域は、異なる塩基配列を有する。更に、各核酸の領域(a)と(d)は5’末端、あるいは3’末端に配置されなければならないが、領域(b)および領域(c)は、領域(a)と領域(d)の間の任意の位置に配置することができる。また、領域(c)については、領域(d)との間に他の塩基配列が介入することも許される。
望ましい位置関係としては、領域(a)および領域(d)を構成する塩基数が、10〜500塩基、通常10〜100塩基、好ましくは20〜50塩基となるようにする。一方、領域(c)を構成する塩基数は、領域(a)に対応する塩基数となる。
次に領域(c)と領域(a)のハイブリダイズによって形成されるループ領域(b)の大きさは、1〜200塩基、望ましくは10〜100塩基となるように設計する。領域(b)は領域(a)と領域(c)に挟まれる領域であることから、これらの領域を定めることにより、一義的に決定される。領域(c)は、領域(b)に隣接して存在し、領域(a)と相補的な塩基配列で構成される領域である。
更に領域(c)と領域(d)の間には、任意の数の塩基が介在することができる。したがって、標的塩基配列をたとえば200塩基を越えるような長い塩基配列とする場合には、(c)−(d)間に長い塩基配列が挿入された核酸を用いて本発明による核酸の合成方法を実施することができる。
本発明において、標的塩基配列は、前記1本鎖の核酸の一方の領域(a)から他方の領域(a)にかけての領域となる。標的塩基配列の長さは、各領域とその間に介在する領域との塩基数によって決定される。本発明における標的塩基配列の長さは制限されない。したがって、たとえば30〜5000塩基、通常50〜1000塩基、好ましくは500塩基以下、更に好ましくは400塩基の長さとすることができる。標的塩基配列を長くするには、通常領域(c)と領域(d)の間に介在する領域の塩基配列を長く取る。その他、前記各領域の長さを大きくすることにより、長い塩基配列からなる標的塩基配列とすることもできる。
公知のLAMP法では、標的塩基配列として、F2/R2間の塩基数としてたとえば90〜240塩基(F1とR1に挟まれた領域の塩基数としては10〜40塩基相当)の領域が選択されている。これに対して本発明では、より長い標的塩基配列を、正確に合成、あるいは増幅することができる。
また本発明においては、前記1本鎖の核酸を構成する塩基配列を組み合わせることによって、標的塩基配列全体を構成することができる。より具体的には、一方の1本鎖の核酸に対して他方の核酸が鋳型として作用し、相補鎖合成の結果、標的塩基配列を構成する1つの核酸の塩基配列を完成することができる。本発明における各1本鎖の、標的塩基配列に占める割合は、任意である。より長い塩基配列を合成するには、通常、標的塩基配列に対して、およそ1/2づつの長さとするのが合理的である。
本発明において、前記領域(c)は、独立して配置することもできるし、領域(d)と重複して配置することもできる。領域(c)が領域(d)と重複して配置される場合とは、前記1本鎖の核酸が5’末端側の塩基配列と3’末端側の塩基配列とが、ループ領域(b)を介してステムループ構造を形成している場合である。このような構造を図4に3または4として示した。
ステムループとは、ループと2本鎖構造のステムからなる構造を言う。同一分子に含まれる3’末端側の塩基配列と5’末端側の塩基配列とが、相補的な塩基配列で構成され、それらがハイブリダイズすることによってステムが形成される。このとき、5’末端側の塩基配列が完全に3’末端側の塩基配列に相補的な場合には、3’末端が相補鎖を伴って2本鎖となる。
さて、本発明において、前記1本鎖の核酸は、たとえば次のようにして酵素的に合成することができる。まず、次のような特徴を有する4種類のプライマー(インサートプライマー×2、インナープライマー×2)を用いて、鋳型となる核酸をもとに鎖置換を伴う相補鎖合成を触媒するDNAポリメラーゼにより、相補鎖を合成する。
以下にインサートプライマー、およびインナープライマーについて具体的に述べる。
インサートプライマー:
インサートプライマーは、標的塩基配列を含む鋳型核酸にアニールして相補鎖合成の起点となるプライマーであって、このプライマーによって合成された核酸には、前記インナープライマーがアニールする。更に、インサートプライマーFとインサートプライマーRの各プライマーを起点とする合成生成物は、両者の5’末端を含む領域に互いに相補的な塩基配列を有する。インサートプライマーは、本発明に固有の、前記領域(a)−(d)で構成される1本鎖の核酸を酵素的に合成するために考え出された、新規な特徴を有するプライマーである。
本発明においてインサートプライマーには、様々な組み合わせを想定することができる。以下にインサートプライマーの代表的な組み合わせを例示する。
[鋳型核酸中の連続する標的塩基配列を合成するためのインサートプライマー1]:
図1等に示すように、インサートプライマーは鋳型とする核酸を構成する塩基配列の一部に対して、それらの5’末端が重なるようにデザインされる。
[鋳型核酸中の連続する標的塩基配列を合成するためのインサートプライマー2]:
プライマー同士が相補的な塩基配列を有していない場合でも、前記領域(a)−(d)を有し、かつ3’末端が互いに相補的な塩基配列からなる2種類の1本鎖の核酸を生成することが可能である。たとえば、インサートプライマー/インナープライマー間の領域が重複するようにデザインすることにより、インサートプライマーそのものに相補的な塩基配列が無くとも、最終的な反応生成物の3’末端に相補的な塩基配列を与えることができる。
より具体的には、たとえば一方のインサートプライマーRの生成物に対してインナープライマーFIPがアニールして相補鎖が合成されるとする。他方のインサートプライマーFの生成物に対してインナープライマーRIPがアニールして相補鎖が合成される。このとき、インサートプライマーFとインサートプライマーRの伸長生成物が、重複する領域を合成するような位置関係にあれば良い。
このとき、インサートプライマーの5’末端を含む領域の塩基配列は、任意の塩基配列とすることができる。つまり、このような位置関係にあるインサートプライマーを用いるときには、標的塩基配列中で前記のような位置関係でインサートプライマーの3’末端が相補鎖合成の起点となれば、結果的に5’末端に互いに相補的な塩基配列を有する核酸が生成される。
ただし、両者の3’末端が重複するような位置関係の場合、プライマー同士がアニールして相補鎖合成を開始してしまう可能性がある。したがって両者の3’末端が重複する場合には、重複する部分の長さを反応条件下ではアニールできない程度の塩基数としておくのが望ましい。
[鋳型核酸中の分離した標的塩基配列を合成するためのインサートプライマー]:
インサートプライマーの塩基配列を選択することにより、鋳型核酸中に離れて位置する領域を連続する塩基配列として合成することができる。すなわち鋳型核酸において、領域Aと領域Bが領域Sを挟んで位置しているとき、領域Aと領域Bとで構成された標的塩基配列を合成することができる。
そのためには、まずインサートプライマーの3’側の塩基配列は、領域Aの領域Sとの境界領域に、同様に領域Bの領域Sとの境界領域に対して相補的な塩基配列となるようにする。そして5’側は、両者の塩基配列が相補的となるようにデザインする。このとき、領域Aと領域Bとでアミノ酸の翻訳フレームを一致させるために、互いの塩基配列を5’側で共有させることもできる。すなわち、たとえば3’側が領域Aに相補的な塩基配列からなる場合には、5’側には領域Bの塩基配列を付加する。ただし、共有する塩基配列が長い場合には、プライマーダイマーを形成してしまう可能性がある。したがって、翻訳フレームを一致させるためには、人為的なリンカー配列を介入させておくこともできる。
このようなインサートプライマーによって合成される核酸は、連続した塩基配列の任意の中間部分を欠失した塩基配列からなる。すなわち、鋳型とした核酸の欠失変異体を得ることができる。このときの鋳型となる塩基配列と、標的塩基配列の関係を図9に示した。すなわち、鋳型(図9の上)における「欠失」(DELETION)で示した部分が欠失した塩基配列からなる変異体(図9の下)を本発明によって合成することができる。
遺伝子によってコードされる蛋白質の機能解析の一つに、その蛋白質の活性ドメインを特定する手法がある。遺伝子の一部を欠失させた変異体を発現させ、欠失させた領域と活性の関係に基づいて、活性ドメインを推定する手法が一般に用いられる。欠失変異体の取得には、PCR法がしばしば応用される。遺伝子の連続する領域に対してデザインされたプライマーを用いてPCR法を実施すれば、目的とする領域を容易に得ることができる。しかしPCR法では、合成すべき核酸の両端にしかプライマーをデザインすることができない。したがって、中間部分を欠失した変異体を1ステップで合成することは困難である。本発明を応用すれば、任意の領域を欠失させて、鋳型において離れて存在する領域を1つの連続する塩基配列として合成することができる。
本発明の特徴は、ゲノムの解析においても有用である。真核生物のゲノムには、遺伝子がイントロンに分断されて存在している。細胞内では、ゲノムから転写されたRNAがスプライシングによってイントロンを除かれ、エキソンが連結したmRNAとなる。ゲノムにおけるエキソンとイントロンには、一定の法則が見出されつつあるが、少なくとも現在のところ、予測精度は十分とは言えない。したがって、ゲノムの構造が明らかにされたとはいえ、そこに含まれる遺伝子の解析は、依然として大きな研究課題と言って良い。
本発明の特徴を利用すれば、ゲノムの複数の領域を連結した核酸を1ステップで合成することができる。つまり、予測されたエキソンを連結した核酸を合成することができる。更に得られた核酸は、必要に応じて更に連結することができる。PCR法では、1ステップでは単一のエキソンしか合成できないことから、本発明の有用性は明らかである。
ゲノムの解析において、遺伝子の解析と並んで重要な課題となっているのが転写調節領域の解析である。本発明の核酸の合成方法は、転写調節領域の解析に利用することもできる。たとえば、本発明は、ゲノムにおけるプロモーター活性を有する領域の探索に有用である。プロモーターは遺伝子の上流に位置し、遺伝子の転写因子によって認識される領域である。
本発明を利用したプロモーター活性を有する領域の探索は、たとえば次のようにして実施することができる。まず、解析の対象となるゲノムの塩基配列と、その下流に接続されたレポーター遺伝子からなる発現カセットを、本発明によって合成する。つまり、ゲノムと、レポーター遺伝子のそれぞれに対して本発明のインナープライマー、およびインサートプライマーをデザインし、異なる核酸を鋳型とする核酸の合成方法を実施すれば良い。解析の対象となるゲノム上の領域に対して、様々な領域に対するプライマーをデザインすることにより、多種類の発現カセットを合成することができる。本発明によれば、プライマーのデザインにより、任意の領域を自由に発現カセットとして合成することができる。
得られた発現カセットを、適当な宿主において実際に発現させ、レポーター遺伝子のシグナルを観察することにより、プロモーター活性を評価することができる。
[異なる鋳型核酸に別々に含まれる標的塩基配列を合成するためのインサートプライマー]:
本発明の核酸の合成方法が、同一の鋳型に含まれる離れた領域を連結した核酸の合成に有用であることを先に述べた。この原理を更に発展させると、本発明によって、異なる鋳型に含まれる2つの領域を連結した核酸を合成することもできる。すなわち、本発明の核酸の合成方法における2種類の1本鎖の核酸として、異なる鋳型核酸に由来する塩基配列を含む核酸を用いて反応を開始することができる。その結果生成する核酸は、5’側と3’側とで、異なる鋳型核酸に由来する塩基配列が連結された核酸となる。
異なる鋳型核酸に由来する塩基配列を含む1本鎖の核酸は、たとえば以下のような方法によって得ることができる。本発明の核酸の合成方法に用いるプライマーとして、異なる鋳型核酸に対してプライマーとして作用するようにデザインされたインサートプライマー、およびインナープライマーを用いるのである。
異なる鋳型核酸FおよびRの二つの核酸を用い、それぞれの鋳型核酸の塩基配列から選択された任意の領域を連結しようとする場合には、次のようなプライマーが用いられる。まず鋳型核酸Fに対して、インナープライマーFおよびインサートプライマーFがデザインされる。インナープライマーFとインサートプライマーFの3’末端には、鋳型核酸Fの合成を目的とする領域を合成するためのプライマーとして作用する塩基配列が配置される。インナープライマーFの5’側には、その3’側を起点として合成される相補鎖の任意の領域に対して相補的な塩基配列が配置される。
一方鋳型核酸Rに対して、インナープライマーRおよびインサートプライマーRがデザインされる。インナープライマーRとインサートプライマーRの3’末端には、鋳型核酸Rの合成を目的とする領域を合成するためのプライマーとして作用する塩基配列が配置される。インナープライマーRの5’側には、その3’側を起点として合成される相補鎖の任意の領域に対して相補的な塩基配列が配置される。
そして、インサートプライマーFとインサートプライマーRの5’末端は、相補的な塩基配列で構成される。両者の塩基配列によってコードされる蛋白質を融合蛋白質として発現することができる遺伝子を合成するには、インフレームで連結できるように、インサートプライマーの5’側の塩基配列をデザインする。
このようなプライマーのデザインと、異なる鋳型核酸を用いる他は、全て同様の条件で本発明の核酸の合成方法、あるいは増幅方法を実施することができる。すなわち、2種類の鋳型核酸、すべてのプライマー、そして反応に必要なDNAポリメラーゼ、基質、緩衝液などを混合し、適切な条件下でインキュベートする。あるいは、異なる鋳型核酸に対して、対応するプライマーを加えて相補鎖合成反応を行い、1本鎖の核酸を生成させた後に両者を混合して、更に相補鎖合成反応を継続することもできる。
反応生成物から、標的塩基配列、あるいは標的塩基配列よりもサイズが大きい反応生成物を回収すれば、目的とする塩基配列を得ることができる。回収した核酸は、必要に応じて制限酵素で消化し、精製することができる。
本発明による核酸の合成方法、あるいは増幅方法に基づいて、異なる鋳型核酸の塩基配列を含む核酸を得る方法は、たとえば、次のような応用分野に有用である。
まず、本発明に基づいて、融合蛋白質をコードする遺伝子を合成することができる。公知の方法では、サイズの大きな遺伝子どうしを同時に合成することは困難であった。たとえばPCR法では、プライマーとして合成できる範囲であれば、標的塩基配列の末端に人工的な塩基配列を付加することができた。しかし、この方法で付加できる塩基配列の長さは限られていた。したがって、たとえばヒスチジンタグのような、小さな蛋白質しか付加することはできない。一方本発明では、付加すべき蛋白質をコードする遺伝子も相補鎖合成反応によって合成できることから、原理的には、自由な長さの遺伝子を融合させることができる。
プライマーとして付加することが難しい長い塩基配列を付加するには、予め必要な塩基配列を組み込んだベクターを用意しておき、このベクターに融合させる遺伝子を挿入する方法が用いられていた。しかしこの方法では、融合蛋白質を作るために融合パートナーを組み込んだベクターを予め用意しなければならない。これに対して本発明では、異なる鋳型核酸から、目的とする領域を自由に選択して、融合させることができる。
[インサートプライマーへの変異の導入]:
本発明に用いるインサートプライマーには、変異や付加的な塩基配列を導入しておくことができる。インサートプライマーには、その3’末端において特定の条件の塩基配列を有することが求められる。また、5’末端側には、インサートプライマーの塩基配列を鋳型として相補鎖合成反応によって生成する核酸が、5’末端において相互に相補的な塩基配列を有する限り、様々な塩基配列を自由に配置することもできる。更に、インサートプライマーの中間部分には、変異の導入や塩基配列の付加を許容する。
この特徴を利用して、鋳型が有する塩基配列に対して、変異や塩基配列を付加した塩基配列を合成することができる。インサートプライマーは標的塩基配列中に任意の場所に設定することができることから、本発明によれば、任意の場所に任意の変異を導入することができることになる。変異には、塩基の置換、欠失、あるいは付加が考えられる。これらの変異は、いずれも本発明によって導入可能である。
PCRのような公知の核酸合成方法では、希望するとおりの変異を導入できる個所が、末端部分に限られていた。プライマーの塩基配列を末端部分にしか導入できないためである。したがって、本発明のように、標的塩基配列中の任意の個所に、任意の変異を導入できる方法は有用である。
[複数セットのインサートプライマー]:
2つのインサートプライマーの5’側に配置された相補的な塩基配列が、特異的にハイブリダイズするとき、同時に複数組のインサートプライマーを用いることができる。複数組のインサートプライマーを用いることにより、各組の間で鋳型核酸に対する相互の置換が起き、より迅速な相補鎖合成を期待できる。
インサートプライマーの3’側を構成する塩基配列は、鋳型核酸が2本鎖のまま鋳型として用いられる場合にも、相補鎖合成の起点を与えることができるように設定することが望ましい。更に、インナープライマーやアウタープライマーによる相補鎖合成反応と同様の条件の下で、プライマーとして作用できることが望ましい。具体的には、前記領域(d)などと同様に、5−200塩基、より望ましくは10−50塩基とする。
更に、インサートプライマーの5’側を構成する領域は、この領域を鋳型として合成される相補鎖に対して、その3’末端が相補鎖合成の起点となるために必要な塩基配列を与える。したがって、3’側を構成する塩基配列と同様に、5−200塩基、より望ましくは10−50塩基とする。
インナープライマー:
3’末端に標的塩基配列の5’末端に相補的な塩基配列(X2)を備え、かつ5’末端にその3’末端を起点として合成される核酸の任意の領域(X1)に相補的な塩基配列(X1c)を有する。この5’末端の塩基配列は、前記1本鎖の核酸の5’末端を含む領域(a)を構成する。標的塩基配列を構成する2つの鎖のそれぞれに対して異なるインナープライマーが用いられる。通常それらは、フォーワード側、リバース側と呼ばれる。インナープライマーは、公知のLAMP法でも用いられたプライマーである。ただし公知のLAMP法では、基本的にはインナープライマーで反応が構成されている。インサートプライマーとインナープライマーとの組み合わせについては、現在のところ報告は無い。
以下の説明では仮に一方のインナープライマーにおけるX2およびX1cをF2およびF1c、他方のインナープライマーにおけるX2およびX1cをR2およびR1cとする。そして説明に用いるインナープライマーを、仮にFIPおよびRIPと名づける。FIPとRIPを構成する領域は、以下のとおりである。
本発明の核酸の合成方法においては、まず前記領域(a)−(d)からなる1本鎖の核酸を生成することが重要である。このような核酸は、前記インサートプライマーと、次の構造を持ったインナープライマーを利用した本発明に基づく核酸の合成反応によってその構造を与えることができる。この反応の詳細については、後に改めて述べる。
すなわち本発明の核酸の合成反応に用いるインナープライマーとは、少なくとも前記2つの領域X2およびX1cとで構成される。X2は3’末端を含む領域であり、X1cは5’末端を含む領域である。
本発明におけるインナープライマーの構造は、前記標的塩基配列によって決定される。標的塩基配列は、少なくともその一部の塩基配列が明らかとなっている、あるいは推測が可能な状態にある。塩基配列を明らかにすべき部分とは、前記領域X2cおよびその5’側に位置する領域X1cである。この2つの領域は、連続する場合、そして離れて存在する場合とを想定することができる。両者の相対的な位置関係により、生成物である核酸が自己アニールしたときに形成されるループ部分の状態が決定される。
また、生成物である核酸が分子間のアニールではなく自己アニールを優先的に行うためには、両者の距離が不必要に離れないほうが望ましい。したがって、両者の位置関係は、通常0−500塩基分の距離を介して連続するようにするのが望ましい。ただし、後に述べる自己アニールによるループの形成において、両者があまりにも接近している場合には望ましい状態のループの形成を行うには不利となるケースも予想される。ループにおいては、新たなオリゴヌクレオチドのアニールと、それを合成起点とする鎖置換を伴う相補鎖合成反応がスムーズに開始できる構造が求められる。したがってより望ましくは、領域X2cおよびその5’側に位置する領域X1cとの距離が、0〜100塩基、さらに望ましくは10〜70塩基となるように設計する。なおこの数値はX1cとX2を含まない長さを示している。ループ部分を構成する塩基数は、更にX2に相当する領域を加えた長さとなる。
標的塩基配列に対して本発明におけるインナープライマーを構成する領域X2およびX1cは、通常は重複することなく連続して配置される。あるいはもしも両者の塩基配列に共通の部分があるのであれば、部分的に両者を重ねて配置することもできる。X2はプライマーとして機能する必要があることから、常に3’末端となるようにしなければならない。
一方X1cは、後に述べるように、これを鋳型として合成された相補鎖の3’末端にプライマーとしての機能を与える必要があることから、5’末端に配置する。このオリゴヌクレオチドを合成起点として得られる相補鎖は、次のステップにおいては逆向きからの相補鎖合成の鋳型となり、最終的には本発明によるインナープライマー部分も鋳型として相補鎖に写し取られる。写し取られることによって生じる3’末端は塩基配列X1を備えており、同一鎖上のX1cにアニールするとともに、ループを形成する。
本発明におけるインナープライマーとは、標的塩基配列と相補的な塩基対結合を形成できること、そしてその3’末端において相補鎖合成の起点となる−OH基を与えること、の2つの条件を満たすものを意味する。したがって、そのバックボーンは必ずしもホスホジエステル結合によるものに限定されない。たとえばホスホチオエート体からなるものであることもできる。
また、塩基は、相補的な塩基対結合を可能とするものであれば良い。天然の状態では、一般にはACTGおよびUの5種類となるが、たとえばブロモデオキシウリジン(bromodeoxyuridine)といった類似体であることもできる。本発明に用いるオリゴヌクレオチドは、合成の起点となるのみならず、相補鎖合成の鋳型としても機能するものであることが望ましい。
本発明におけるインナープライマーは、以下に述べる各種の核酸合成反応において、与えられた環境の下で必要な特異性を維持しながら相補鎖との塩基対結合を行うことができる程度の鎖長を持つ。具体的には、5−200塩基、より望ましくは10−50塩基とする。配列依存的な核酸合成反応を触媒する公知のポリメラーゼが認識するプライマーの鎖長が、最低5塩基前後であることから、アニールする部分の鎖長はそれ以上である必要がある。加えて、塩基配列としての特異性を期待するためには、確率的に10塩基以上の長さを利用するのが望ましい。一方、あまりにも長い塩基配列は化学合成によって調製することが困難となることから、前記のような鎖長が望ましい範囲として例示される。
なお、ここで例示した鎖長はあくまでも相補鎖とアニールする部分の鎖長である。本発明によるインナープライマーは、少なくとも2つの領域X2およびX1cからなっている。したがって、ここに例示する鎖長は、インナープライマーを構成する各領域の鎖長と理解するべきである。
本発明におけるインサートプライマーとインナープライマーの関係を、図1および図2に示した。これらの図は、標的塩基配列(F2/R2c間)を含む核酸を鋳型とする標的塩基配列を含む核酸の合成方法を示している。図の中に示されたプライマーは、次のとおりである。
インサートプライマーF
インサートプライマーR
インナープライマーFIP(フォワード)
インナープライマーRIP(リバース)
アウタープライマーF3
アウタープライマーR3
図示されたインサートプライマーFおよびインサートプライマーRの3’末端には、標的塩基配列中の任意の領域に相補的な塩基配列が配置されていて、鋳型となる核酸にアニールすることにより相補鎖合成の起点となる。また各インサートプライマーの5’側は、互いに相補的な塩基配列を有するようにデザインされている。言いかえれば、2つのインサートプライマーは、標的塩基配列を構成する2本鎖の中の任意の領域において、互いの5’末端が重なるように設計されている。
他方アウタープライマーF3、あるいはR3は、標的塩基配列の5’末端よりも5’側の任意の領域F3cまたはR3cに相補的な塩基配列で構成される。アウタープライマーは、インナープライマーやインサートプライマーを起点として合成された鎖の置換のための相補鎖合成反応の起点を与えることを目的とする。
図1においては、インサートプライマーRの伸長生成物に、インナープライマーFIPがアニールして相補鎖が合成されている。合成された相補鎖はアウタープライマーF3によって置換され、1本鎖の核酸(1)として遊離する。この(1)は、本発明における前記領域(a)−(d)を有する核酸のひとつに他ならない。
一方、核酸(1)を生成する反応と同様の反応は、インサートプライマーFからも進行し(図2)、インナープライマーRIPに基づく相補鎖合成生成物が1本鎖の核酸(2)を形成している。核酸(1)と核酸(2)は、5’末端は自身の相補的な塩基配列を含む領域とハイブリダイズしているが、その3’末端を含む領域は1本鎖であり、かつ相互に相補的な塩基配列となっている。したがって、両者の3’末端を含む領域はハイブリダイズすることができる。
図3に示すように、核酸(1)と核酸(2)が3’末端においてハイブリダイズすることにより、その3’末端は相補鎖合成の起点となり、互いを鋳型とする新たな相補鎖合成が開始される。さて、1本鎖の核酸(1)と(2)とは、もともと鋳型となっていた核酸に含まれる標的塩基配列をもとに合成されている。そしてその塩基配列は、インサートプライマーとインナープライマーの間の塩基配列で構成されている。つまり、核酸(1)と核酸(2)とは、標的塩基配列を構成する塩基配列のうち、その5’側の塩基配列を含む一方、3’側の塩基配列を欠く構成となっている。更に、各鎖を構成する標的塩基配列の5’の塩基配列とは、互いに他方の鎖に欠けている3’側の塩基配列に対して相補的な塩基配列に他ならない。
したがって、これらの核酸の3’末端を起点とし、互いを鋳型に相補鎖を合成すれば、標的塩基配列に対して不足している各鎖の3’末端側の塩基配列が合成され、結果的に標的塩基配列が完成することになる。こうして本発明においては、標的塩基配列からなる核酸が合成される。
ところで、たとえば図1においてインサートプライマーがアニールする鋳型核酸は、1本鎖として描かれている。しかし本発明においては、鋳型となる核酸を1本鎖とするための変性工程は必ずしも要求されない。本発明を構成する相補鎖合成反応の大部分は、鎖置換を伴う相補鎖合成反応を触媒するDNAポリメラーゼによって行われる。この種のDNAポリメラーゼを利用する場合、適切な条件を与えれば2本鎖の核酸を鋳型とする相補鎖合成が可能である。
本発明者は、2本鎖の核酸を、変性によって1本鎖とすることなく鋳型として利用可能な条件を明らかにしている。すなわち、ある程度2本鎖が不安定化される条件を与えれば、変性工程無しで2本鎖核酸に対するプライマーのアニールと鋳型依存性の相補鎖合成が可能な条件を設定できることを見出している。本発明においてもこの条件を利用し、2本鎖の核酸を鋳型としてそのまま用いることができる。
より具体的には、たとえば1本鎖の核酸を鋳型として用いる場合よりも高く、かつ鋳型核酸を1本鎖に変性する温度よりも低い温度であって、利用するDNAポリメラーゼによる相補鎖合成反応が可能な温度に設定すれば良い。反応に必要な温度は、融解温度調整剤(以下、融解温度をTmと省略する)によって調整することができる。Tm調整剤については後に具体的に述べる。
さて、ここで核酸(1)と核酸(2)の組み合わせに基づいて生成された、標的塩基配列を含む核酸の構造に着目する。図3に示すように、このような組み合わせによって生成される核酸として、まず核酸(1)と核酸(2)が3’方向に伸長した生成物について説明する。鋳型となった核酸(1)と核酸(2)は、その5’末端に自身の任意の領域に対して相補的な塩基配列を有している。したがって相補鎖合成の結果として生成する核酸は、その3’末端に自身に相補的な塩基配列を有している。その結果、3’末端を含む領域が1本鎖構造となれば、自身にその3’末端をアニールさせ、相補鎖合成が開始される。
この工程が図3に示されている。すなわち、核酸(1)と核酸(2)から生成した2本鎖の核酸に、更にインサートプライマーがアニールして相補鎖合成を開始することにより、3’末端を含む領域が1本鎖とされる。3’末端は自身にアニールして自身を鋳型とする相補鎖合成を開始し、ループを介して標的塩基配列を連結した核酸を生成する(図3の下の2つの生成物)。
図3中、下の2つの生成物は、3’末端と5’末端に自身に相補的な塩基配列を有しており、かつループにインナープライマーのアニールが可能な状態にある。つまり、この核酸は、LAMP法の開始に必要な構造を備えている。したがって、いったんこのような構造が生成されれば、公知のLAMP法の原理に基づく核酸の合成反応が開始される。すなわち、以下の3つの反応が、連続的に、かつ理論的には無限に繰り返される。その結果、高度な核酸の増幅がもたらされる。
ループからの相補鎖合成による3’末端の開放、
1本鎖となった3’末端の自身を鋳型とする相補鎖合成、そして
3’末端から進行する相補鎖合成に伴うループから開始した相補鎖合成生成物の置換
なお図3においては、核酸(3)と核酸(4)が生成物として生じることも示されている。これらの核酸は、インサートプライマーを起点として合成された核酸で、前記の3’末端を自身にアニールさせて進行する相補鎖合成に伴って置換され生成する。これらの核酸も、後に述べるような反応を開始するための材料として、本発明の核酸の合成のための反応に貢献する。
さて、以上の説明では反応を開始するために、もともと3’側において1本鎖の構造を有する核酸を用いた。しかし本発明の核酸の合成方法は、前記1本鎖の核酸として3’末端を含む領域が1本鎖である場合に限定されない。3’末端において相補鎖を伴って2本鎖構造を有する場合であっても、相互の3’末端のアニールと、それに伴う標的塩基配列の合成を開始することができる。
ここで、前記1本鎖の核酸が3’末端において相補鎖を伴う構造について、改めて説明する。たとえば図1、図2、あるいは図3において、前記のような反応に伴って生成している核酸(3)や核酸(4)は、3’末端において自身の5’末端に含まれる相補的な塩基配列からなる領域を伴って2本鎖構造を形成している。このような構造は、なんらかの手段によって、その3’末端を1本鎖とすれば他の核酸にアニールさせることができる。本発明において、核酸(3)や核酸(4)の3’末端を1本鎖の構造とするための手法として、ループ部分にアニールするプライマーを起点とする相補鎖合成と、この相補鎖合成に伴う置換を利用することができる。
図中に用いられているインナープライマーFIPは、その3’末端がF2cで構成されている。F2cはF2に相補的な塩基配列であるから、核酸(3)のループに存在するF2cにアニールし、相補鎖合成の起点を与える。ループ内から開始された相補鎖合成は鋳型である核酸(3)の5’方向に進行し、5’末端に達する。このとき、もともと核酸(3)の5’末端にハイブリダイズしていたその3’末端は、新たな相補鎖の合成に伴って置換され、1本鎖の状態となる。RIPでも同様に、核酸(4)のループ部分にアニールして、その3’末端を1本鎖として開放する。
1本鎖となった核酸(3)と核酸(4)の3’末端はアニールし、前記核酸(1)と核酸(2)による反応と同様に、互いを鋳型とする相補鎖合成反応を開始し、その3’側の塩基配列を獲得して標的塩基配列の合成が完成する。
更に、本発明における前記1本鎖の核酸は、その3’末端を積極的に1本鎖とするまでもなく、相補鎖合成の起点として機能することができる。先に述べたように、2本鎖の核酸は、条件しだいで変性工程を経ることなく鋳型として利用することもできる。このような条件を利用することにより、核酸(3)と核酸(4)とは、その3’末端をアニールさせることが可能である。
また、RNA−DNAキメラプライマーを利用することによって、核酸(3)と核酸(4)との反応を開始することもできる。具体的には、核酸(3)や核酸(4)の5’側をRNAで構成しておき、相補鎖を伴っているときには、RNAで構成される部分を分解できるようにしておくのである。核酸(3)と核酸(4)は、その3’側を自身の5’末端領域にハイブリダイズさせた構造を有している。そのため、5’末端を構成する領域を除去すれば、3’側は塩基対結合が可能な状態となる。両者の3’末端は相互に相補的な塩基配列で構成されているから、両者はアニールして、互いを鋳型とする相補鎖合成反応が開始される。RNA/DNAハイブリッドにおけるRNAの消化は、RNAseHなどの酵素を利用して行うことができる。
核酸(3)や核酸(4)の5’末端をRNAで構成するには、これらの核酸を合成するときに用いるプライマーとして、その5’末端を含む領域がRNAで構成されたプライマーを利用すれば良い。なお当該プライマーの3’末端を含む領域は、DNA等のRNAseH耐性を有する構造とする必要がある。プライマーの3’末端側を含む領域をRNAで構成した場合には、核酸(3)や核酸(4)を合成した段階で鋳型とのRNA/DNAハイブリッドが構成され、核酸(3)や核酸(4)に必要な3’末端の合成が行われなくなってしまうためである。
本発明にRNA−DNAオリゴヌクレオチドを利用するとき、RNAの消化工程を伴う点は前述のICAN法と共通する。しかし本発明では、RNAは核酸(3)や核酸(4)の5’末端側になければならないことから、ICAN法とは原理が相違することは明らかである。
核酸(3)と核酸(4)とは、いずれも3’末端において2本鎖構造を有しているが、この領域がループにアニールするプライマーによってやがて1本鎖となることは既に述べた。また積極的に1本鎖とする工程を経ないまま、プライマーのアニールを可能とする条件についても先に示した。更に5’末端をRNAとしておき、このRNAを消化することによって、その3’末端を塩基対結合が可能な状態とすることもできる。こうして、前記領域(a)−(d)を有する1本鎖の核酸により、本発明の核酸の合成方法が実施される。
本発明において、核酸(3)と核酸(4)の組み合わせで生成する核酸は、いずれも標的塩基配列に加えて、付加的な塩基配列を有している。付加的な塩基配列は、核酸(3)および核酸(4)がループから5’末端にかけて有している塩基配列に相当する。したがって、核酸(3)と核酸(4)の組み合わせから生成される核酸は、標的塩基配列の5’側と3’側に付加的な塩基配列を有する。また、核酸(3)または核酸(4)と、核酸(1)または核酸(2)との組み合わせでは、標的塩基配列の5’側または3’側のいずれかに付加的な塩基配列を有する核酸を生成する。そしてその付加的な塩基配列を有する3’末端、あるいは5’末端は、インサートプライマーに由来する塩基配列となることから、自身に相補的な塩基配列を持たない。したがって、この核酸そのものは、直接的にLAMP法の反応を開始できる状態にはない。しかし、この核酸には、インサートプライマーからインナープライマーにかけての塩基配列がその5’末端を含む領域に保存されている。
したがって、この領域を鋳型とし、インナープライマーRIPあるいはFIPに基づいて、新たに核酸(1)あるいは核酸(2)を生成することができる。生成された核酸(1)あるいは核酸(2)は、インナープライマーの5’側にアニールする他の核酸からの相補鎖合成によって置換され、1本鎖の核酸として鋳型から遊離する。このように、図1−図5に示すとおり、インサートプライマーとインナープライマー、更に望ましくはアウタープライマーを利用することにより、核酸(1)、核酸(2)、核酸(3)、および核酸(4)が連続的に合成され、標的塩基配列を含む核酸が合成される。更にこれらの反応に伴って、LAMP法に基づく反応を開始する構造が生成し、新たな鋳型として機能する。これらの反応は、標的塩基配列を含む核酸を合成するとともに、反応生成物が新たな反応を開始するための出発物質として機能することから、核酸の増幅反応を構成する。
なおここでインナープライマーやインサートプライマーは、2本鎖の状態にある核酸を鋳型とすることになる。2本鎖の鋳型を変性工程を経ることなく鋳型として利用可能な条件については、既に述べたとおりである。
以上が本発明による核酸の合成方法の反応原理である。以上の説明から明らかなように、結局、本発明による核酸の合成方法に必要なプライマーを標的塩基配列を含む鋳型となる核酸とともに、相補鎖合成が開始できる条件下でインキュベートすることにより、以上に述べたような反応を実施することができる。このとき、望ましい条件下においては、全ての反応を共通の条件下で実施することができる。すなわち、望ましい条件においては、核酸の変性などを目的として、加熱などの処理を施す必要が無い。
すなわち本発明は、以下の要素をインキュベートする工程を含む、標的塩基配列を含む核酸を合成する方法に関する。
(a)インナープライマーF;ここでインナープライマーFはその3’末端において前記標的塩基配列を構成する一方の鎖の3’側を規定する領域に対してアニールし、かつインナープライマーFの5’末端には、このプライマーを起点とする相補鎖合成反応生成物の任意の領域に対して相補的な塩基配列を有する、
(b)インナープライマーR;ここでインナープライマーRはその3’末端において前記標的塩基配列を構成する一方の鎖の3’側を規定する領域に対してアニールし、かつインナープライマーRの5’末端には、このプライマーを起点とする相補鎖合成反応生成物の任意の領域に対して相補的な塩基配列を有する、
(c)インサートプライマーF;ここでインサートプライマーFはその3’末端において前記標的塩基配列を構成する一方の鎖の任意の領域に対して相補的な塩基配列を有する、
(d)インサートプライマーR;ここでインサートプライマーRはその3’末端において前記標的塩基配列を構成する他方の鎖の任意の領域に対して相補的な塩基配列を備え、かつインサートプライマーFとインサートプライマーRの各プライマーを起点とする合成生成物は、両者の5’末端を含む領域に互いに相補的な塩基配列を有する、
(e)標的塩基配列を含む鋳型核酸、
(f)ヌクレオチド基質、および
(g)鎖置換を伴う相補鎖合成反応を触媒するDNAポリメラーゼ
本発明による核酸の合成方法においては、反応液中に更に付加的に次の要素を存在させることができる。
(h)アウタープライマーF;ここでアウタープライマーFは、鋳型におけるインナープライマーFがアニールすべき領域の3’側を起点とする相補鎖合成反応の起点となる、および
(i)アウタープライマーR;ここでアウタープライマーRは、鋳型におけるインナープライマーRがアニールすべき領域の3’側を起点とする相補鎖合成反応の起点となる。
また本発明による核酸の合成方法においては、反応液中に更に付加的に次の要素を存在させることができる。
(j)ループプライマーF;ここでループプライマーFの3’末端を含む領域は、前記インナープライマーFの5’末端を含む領域が、インナープライマーFを起点とする相補鎖合成反応生成物の任意の領域に対してハイブリダイズすることによって形成されるループ内の任意の領域に対してアニールする、および
(k)ループプライマーR;ここでループプライマーRの3’末端を含む領域は、前記インナープライマーRの5’末端を含む領域が、インナープライマーRを起点とする相補鎖合成反応生成物の任意の領域に対してハイブリダイズすることによって形成されるループ内の任意の領域に対してアニールする
本発明の核酸の合成方法においては、様々な塩基配列からなるループを有する核酸が連続的に生成される。このうち、前記インナープライマーがアニールするループは、インナープライマーを起点とする相補鎖合成を開始するための重要なループとなる。一方、インナープライマーの5’末端を含む領域が、インナープライマーを起点とする相補鎖合成反応生成物の任意の領域に対してハイブリダイズすることによって形成されるループには、インナープライマーはアニールしない。このループに対してアニールして相補鎖合成の起点を与えるプライマーが、反応速度を向上させることを、本発明者は見出している(WO 02/24902)。本発明において、インナープライマーがアニールしないループにおいて相補鎖合成の起点を与えるプライマーをループプライマーと呼ぶ。
本発明におけるループプライマーは、インナープライマーFに対するループプライマーF、並びにインナープライマーRに対するループプライマーRの少なくとも2種類のループプライマーをデザインすることができる。本発明においては、こうしてデザインされるループプライマーの少なくとも1種類が用いられる。好ましいループプライマーは、ループプライマーFおよびループプライマーRの2種類のループプライマーである。あるいは、同一のループ内の異なる領域にアニールすることができるループプライマーを組み合せて、3種類以上のループプライマーを用いてもよい。ループプライマーを本発明の核酸の合成方法に応用すれば、反応速度の向上が期待できる。
本発明の標的塩基配列を含む核酸を合成する方法において、インサートプライマーFは、インナープライマーFに対して、たとえば0.1〜100倍、好ましくは0.1〜50倍、より好ましくは0.2〜5倍の濃度で用いる。インサートプライマーRとインナープライマーRの濃度比も同様に設定することができる。更に、1種類の鋳型に対しては、インサートプライマーFとインサートプライマーR、あるいはインナープライマーFとインナープライマーRは、通常それぞれほぼ等しい濃度で用いられる。鋳型となる核酸が複数種であって、しかも各鋳型の量が異なっているときには、少ない方の鋳型にアニールするプライマーの濃度を高めることにより、効率的な合成反応が期待できる場合もある。
またプライマーや酵素の使用量は、予想される鋳型の濃度、反応時間、反応温度、反応に用いる酵素の活性などの条件に応じて、効率的な反応が行われるように適切な条件を設定することができる。より具体的には、たとえばプライマーの濃度は、通常100〜4000nM、好ましくは250〜3000nM、更に好ましくは500〜3000nMとすることにより、6コピー以上の鋳型に基づいて、確認可能なレベルの増幅生成物を生じることができる。
アウタープライマーの第1の目的は、インナープライマーを起点として合成される鎖を、より3’側からの相補鎖合成反応によって置換することにある。したがって、インナープライマーを起点とする相補鎖合成反応が、アウタープライマーのそれよりも優先的に開始されることが望ましい。そのために、通常、アウタープライマーのTmがインナープライマーのTmよりも低くなるようにデザインされる。なおここで、インナープライマーのTmとは、相補鎖合成の起点となる3’末端を含む領域の鋳型核酸に対するTmを言う。
更にアウタープライマーをインナープライマーよりも低い濃度で用いることにより、インナープライマーの相補鎖合成を優先的に行わせることができる。アウタープライマーの使用濃度は、たとえばインナープライマーに対して1/2以下、好ましくは1/10以下、あるいは1/100以下とすることができる。
また本発明にループプライマーを利用する場合には、ループプライマーの使用濃度をインナープライマーの使用濃度に対して、たとえば1/10〜等量とするのが望ましい。より具体的には、1/3〜1/2とすることができる。ループプライマーFとループプライマーRとは、通常、等量とする。
本発明において、アウタープライマーの使用は必須の条件ではない。なぜなら、インナープライマーを置換によって鋳型核酸から遊離させなくても、その伸長反応生成物は、新たな鋳型として機能することができる。1本鎖とする工程を省略しても、一定の確率でプライマーに基づく相補鎖合成反応が開始される場合のあることは既に述べたとおりである。この現象はインナープライマーからの伸長生成物においても期待できるので、アウタープライマーを用いることなく、インサートプライマーや、他方のインナープライマーを起点とする相補鎖合成反応が開始できる可能性はある。
しかし、鋳型核酸に依存してインナープライマーを起点として生成する伸長生成物は、本発明の核酸の合成方法の、最初のステップを構成する生成物である。したがって、その生成速度は、本発明の合成方法の効率を大きく左右する。そのため、この伸長生成物を効率的に鋳型として機能させるためにアウタープライマーを利用することは、本発明の核酸の合成方法において望ましい条件の一つである。
同様に、ループプライマーも、本発明において必須ではない。しかし、ループプライマーの使用によって、反応速度の向上を期待できる。したがって、ループプライマーの使用は、本発明の核酸の合成方法において望ましい条件の一つである。
本発明に用いる各種のプライマーは、化学的に合成することができる。あるいは天然の核酸を制限酵素などによって切断し、上記のような塩基配列で構成されるように改変する、あるいは連結することも可能である。
更に、本発明におけるインサートプライマーやインナープライマーは、公知の標識物質によって標識することができる。標識物質としては、ジゴキシンやビオチンのような結合性リガンド、酵素、蛍光物質や発光物質、あるいは放射性同位元素などを示すことができる。あるいは、インナープライマーを構成する塩基を蛍光性のアナログに置換する技術(WO95/05391,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,91,6644−6648,1994)も公知である。
この他本発明におけるインサートプライマーやインナープライマーは、鋳型としての機能を妨げない方法で、それ自身を固相に結合させておくこともできる。あるいは、これらのプライマーの任意の部分をビオチンのような結合性のリガンドで標識しておき、これを固相化アビジンのような結合パートナーによって間接的に固相化することもできる。固相化したプライマーを合成開始点とする場合には、核酸の合成反応生成物が固相に捕捉されることから、分離が容易となる。分離された生成物に対して、核酸特異的な指示薬や、あるいは更に標識プローブをハイブリダイズさせることによって、検出を行うこともできる。あるいは、任意の制限酵素で消化することによって、目的とする核酸の断片を回収することもできる。
加えて本発明による核酸の合成方法において、反応液は前記の要素と、適切な反応条件を維持する緩衝液によって構成することができる。更に反応液には、酵素の保護剤や、Tmの調整剤などを加えることもできる。
反応に用いる各要素について更に具体的に述べる。
一連の反応は、酵素反応に好適なpHを与える緩衝剤、酵素の触媒活性の維持やアニールのために必要な塩類、酵素の保護剤、更には必要に応じて融解温度(Tm)の調整剤等の共存下で行う。緩衝剤としては、Tris−HCl等の中性から弱アルカリ性に緩衝作用を持つものが用いられる。pHは使用するDNAポリメラーゼに応じて調整する。塩類としてはKCl、NaCl、MgCl2、MgSO4、あるいは(NH4)2SO4等が、酵素の活性維持と核酸の融解温度(Tm)調整のために適宜添加される。酵素の保護剤としては、ウシ血清アルブミンや糖類が利用される。
更に融解温度(Tm)の調整剤には、ベタイン、プロリン、ホルムアミド、ジメチルスルホキシド(以下、DMSOと省略する)、あるいはトリメチルアミンN−オキシド(以下、TMANOと省略する)が一般に利用される。融解温度(Tm)の調整剤を利用することによって、前記オリゴヌクレオチドのアニールを限られた温度条件の下で調整することができる。更にベタイン(N,N,N,−trimethylglycine)やテトラアルキルアンモニウム塩は、そのisostabilize作用によって鎖置換効率の向上にも有効である。ベタインは、反応液中0.2〜3.0M、好ましくは0.5〜1.5M程度の添加により、本発明の核酸増幅反応の促進作用を期待できる。これらの融解温度の調整剤は、融解温度を下げる方向に作用するので、塩濃度や反応温度等のその他の反応条件を考慮して、適切なストリンジェンシーと反応性を与える条件を設定する。
Tm調整剤を利用することにより、酵素反応に好適な温度条件を容易に設定することができる。またTm調整剤を反応液中に共存させることによって、2本鎖を鋳型とする相補鎖合成反応を迅速に進めることが可能となる。Tmは塩基配列とその長さによって変動する。したがって、酵素活性を維持できる条件と、本発明の条件を満たすインキュベーションの条件とが一致するように、Tm調整剤の使用量を調整することが望ましい。本発明の開示に基づいて、プライマーの塩基配列に応じて適切なTm調整剤の使用量を設定することは、当業者が通常行いうる。たとえば、アニールする塩基配列の長さとそのGC含量、塩濃度、およびTm調整剤の濃度に基づいて、Tmを算出することができる。
このような条件下における2本鎖の核酸に対するプライマーのアニールは、おそらく不安定であると推測される。しかし鎖置換を伴う相補鎖合成反応を触媒するポリメラーゼとともにインキュベートすることにより、不安定ながらプライマーを合成起点として相補鎖が合成される。相補鎖合成の進行にともなって、合成された相補鎖と鋳型核酸とのハイブリダイズは次第に安定化されることになる。以下に示すようなDNAポリメラーゼは、2本鎖からなる鋳型核酸に対してプライマーを合成起点として、相補鎖の合成を触媒することができる。
本発明による核酸の合成方法を支えているのは、鎖置換を伴う相補鎖合成反応を触媒するDNAポリメラーゼである。この種のDNAポリメラーゼには、以下のようなものが知られている。また、これらの酵素の各種変異体についても、それが配列依存型の相補鎖合成活性と鎖置換活性を有する限り、本発明に利用することができる。ここで言う変異体とは、酵素の必要とする触媒活性をもたらす構造のみを取り出したもの、あるいはアミノ酸の変異等によって触媒活性、安定性、あるいは耐熱性を改変したもの等を示すことができる。
これらのDNAポリメラーゼは、反応条件のもとで必要な反応を達成できる量が用いられる。たとえば、Bst DNAポリメラーゼであれば、反応液25μLあたりたとえば2〜20U、通常5−10Uとすることにより、短時間で十分な量の合成生成物を生じることができる。
Bst DNAポリメラーゼ
Bca(exo−)DNAポリメラーゼ
DNA ポリメラーゼIのクレノウ・フラグメント
Vent DNAポリメラーゼ
Vent(Exo−)DNAポリメラーゼ(Vent DNAポリメラーゼからエクソヌクレアーゼ活性を除いたもの)
DeepVent DNAポリメラーゼ
DeepVent(Exo−)DNAポリメラーゼ(DeepVent DNAポリメラーゼからエクソヌクレアーゼ活性を除いたもの)
Φ29ファージDNAポリメラーゼ
MS−2ファージDNAポリメラーゼ
Z−Taq DNAポリメラーゼ(宝酒造)
KOD DNAポリメラーゼ(東洋紡績)
これらの酵素の中でもBst DNAポリメラーゼやBca(exo−)DNAポリメラーゼは、ある程度の耐熱性を持ち、触媒活性も高いことから特に望ましい酵素である。本発明は、場合により2本鎖の状態にある核酸に対して、プライマーを合成起点とする工程と、相補鎖合成反応とを同一条件下で行う。このような反応は、しばしばある程度の加温を必要とすることから、酵素が耐熱性であることは望ましい条件の一つである。耐熱性の酵素を用いることにより、幅広い反応条件に対応することができる。
たとえばVent(Exo−)DNAポリメラーゼは、鎖置換活性と共に高度な耐熱性を備えた酵素である。ところでDNAポリメラーゼによる鎖置換を伴う相補鎖合成反応は、1本鎖結合タンパク質(single strand binding protein)の添加によって促進されることが知られている(Paul M.Lizardi et al,Nature Genetics 19,225−232,July,1998)。この作用を本発明に応用し、1本鎖結合タンパク質を添加することによって相補鎖合成の促進効果を期待することができる。Vent(Exo−)DNAポリメラーゼに対しては、1本鎖結合タンパク質としてT4 gene 32が有効である。
なお3’−5’エクソヌクレアーゼ活性を持たないDNAポリメラーゼには、相補鎖合成が鋳型の5’末端に達した部分で停止せず、1塩基突出させた状態まで合成を進める現象が知られている。本発明では、相補鎖合成が末端に至ったときの3’末端の配列が次の相補鎖合成の開始につながるため、このような現象は望ましくない。しかし、DNAポリメラーゼによる3’末端への塩基の付加は、高い確率でAとなる。したがって、dATPが誤って1塩基付加しても問題とならないように、3’末端からの合成がAで開始するように配列を選択すれば良い。また、相補鎖合成時に3’末端がたとえ突出してしまっても、これを消化してblunt endとする3’→5’エクソヌクレアーゼ活性を利用することもできる。たとえば、天然型のVent DNAポリメラーゼはこの活性を持つことから、Vent(Exo−)DNAポリメラーゼと混合して利用することにより、この問題を回避することができる。
これらのDNAポリメラーゼに対して、PCRなどで一般に用いられているTaqポリメラーゼ等のDNAポリメラーゼは、通常の条件では鎖置換作用は実質的に見られない。しかし、この種のDNAポリメラーゼであっても、鎖置換が可能な条件を与えることができる場合には、本発明に利用することができる。
本発明の核酸の合成方法は、核酸を鋳型として用いる。鋳型とする核酸のタイプは限定されない。したがって、2本鎖、1本鎖、あるいは3本鎖、更にDNA−RNAハイブリッド、あるいは人工的なヌクレオチド誘導体を含むDNAやRNAの誘導体等を鋳型とすることができる。
本発明の核酸は、精製されていても良いし、未精製であることもできる。また、細胞内に存在する状態(in situ)で、本発明の方法を適用することもできる。細胞内の2本鎖核酸を鋳型とすることによって、ゲノムのin situ解析が可能となる。また細胞内のmRNA(1本鎖核酸)を鋳型として利用することもできる。
本発明においてcDNAを鋳型として用いる場合、cDNAを合成する工程と、本発明に基づく核酸の合成方法とを、同一の条件下で実施することができる。RNAを鋳型としてcDNAの第1鎖を合成すると、DNA−RNAハイブリッドによる2本鎖核酸が完成する。この2本鎖核酸を本発明における鋳型として、核酸の合成方法を実施することができる。本発明の核酸の合成方法に用いるDNAポリメラーゼが、逆転写酵素活性を備えるものであれば、単一の酵素を用い、同一の条件下で核酸の合成を行うことができる。たとえばBca DNAポリメラーゼは、鎖置換活性を有し、逆転写酵素活性を併せ持つDNAポリメラーゼである。なお、第2鎖を合成したうえで完全な2本鎖cDNAとした後に、本発明による核酸の合成方法を適用しうることは言うまでも無い。
本発明においては、2本鎖の状態にある核酸を鋳型とするとき、任意のプライマーを加え、このプライマーを起点とする相補鎖合成反応が達成できる条件のもとでインキュベートすることにより、インサートプライマーやインナープライマーがアニールすべき領域を塩基対結合が可能な状態とすることができる。
任意のプライマーとは、各種のプライマーがアニールすべき領域を塩基対結合可能な状態とするために用いられる。したがって、任意のプライマーは、鋳型となる2本鎖核酸の、インサートプライマーやインナープライマーがアニールすべき核酸鎖に対して、その相補鎖を鋳型として相補鎖合成を開始できるものである必要がある。更に、本発明における任意のプライマーを合成起点とする相補鎖合成は、インサートプライマーやインナープライマーがアニールすべき領域に向かって進行するような位置関係にあるべきである。
言いかえれば、インナープライマーやインサートプライマーを起点とする相補鎖合成反応において鋳型として機能する領域の、任意の領域において合成起点を与えるようにデザインすることができる。任意のプライマーは、この条件を満たす限り、任意の領域に相補的な塩基配列からなることができる。たとえば、インナープライマーやインサートプライマーのセットの一方を、任意のプライマーとして用いることもできる。このような態様は反応に必要な成分を少なくすることから、本発明における望ましい態様の一つである。
特に、異なる鋳型核酸に対してインサートプライマーとインナープライマーを用いる場合には、インナープライマーやインサートプライマーは、1つの鋳型に対して1セットしか与えられない。このようなケースでは、これらのプライマーに加えて、任意のプライマーを加え、これらのプライマーがアニールすべき領域を塩基対結合が可能な状態とすることで、迅速な反応を期待できる。
なお任意のプライマーによる2本鎖の状態にある核酸を鋳型とする相補鎖合成反応が達成できる条件とは、実際には次の複数の工程を同じ条件下で進めることができる条件ということができる。
i)2本鎖の状態にある鋳型核酸に対して任意のプライマーが合成起点を与える
ii)前記合成起点を利用して相補鎖合成反応が進む
プライマーは少なくともそれがアニールすべき領域が1本鎖でなければ合成起点を与えることはできないと考えられていた。そのため従来は、2本鎖の核酸を鋳型とする場合には、プライマーのアニールに先立って必ず変性によって1本鎖とする工程が実施されてきた。しかし必ずしも完全な1本鎖としなくとも、何らかの手段によって2本鎖が不安定化される条件のもとで、プライマーとインキュベートすることにより、合成起点を与えることができる。2本鎖が不安定化される条件としては、たとえば融解温度(Tm)近くにまで加温する方法を示すことができる。あるいは、更にTm調整剤を存在させることも有効である。
2本鎖核酸が不安定化する条件下で、プライマーをインキュベートすることによって相補鎖が合成される現象は、既に報告されている(特表平11−509406;WO97/00330)。しかし報告された条件では、実際にはごくわずかな量の合成生成物しか期待できない。2本鎖核酸の不安定化を利用してプライマーを合成起点として相補鎖合成を行うことは、原理的には可能であるが、1本鎖の核酸を鋳型とする反応ほど効率的な反応を期待できないのである。PCR法のような温度変化を必要とする相補鎖合成反応との組み合わせにおいては、2本鎖の不安定化を利用した相補鎖合成反応の効率が全ての相補鎖合成反応に影響するので、実用的な反応効率を達成することは困難である。このことが公知の方法における不十分な増幅効率の原因となっていた。
一方本発明では、2本鎖核酸の不安定化に基づく相補鎖合成反応を、もともと等温で進行する核酸合成反応のためのプライマーがアニールすべき領域を供給することに応用したことによって、2本鎖の不安定化に基づく相補鎖合成の効率の低さを補うことができるという新規な知見に基づいている。
本発明の核酸の合成方法、あるいは増幅方法において、鋳型核酸には任意の核酸を用いることができる。まず鋳型核酸は、1本鎖、2本鎖、あるいは3本鎖であることができる。1本鎖でなくとも、適切な条件を与えれば、変性工程無しで鋳型核酸として利用しうることは既に述べた。また鋳型とする核酸は、DNAであってもRNAであっても良い。RNAを鋳型とするときには、RNAを鋳型として鋳型依存性の相補鎖合成反応を触媒する酵素を利用することができる。RNAを鋳型とする逆転写酵素活性を有し、かつ鎖置換を伴う相補鎖合成反応を触媒するDNAポリメラーゼが知られている。たとえばBca DNAポリメラーゼは、鎖置換活性を有し、逆転写酵素活性を併せ持つDNAポリメラーゼである。なお、第2鎖を合成したうえで完全な2本鎖cDNAとした後に、本発明による核酸の合成方法を適用しうることは言うまでも無い。本発明において、核酸の由来は制限されない。通常核酸は生体材料に由来するが、人工的に合成された核酸を鋳型とすることもできる。
本発明に基づく核酸の合成方法、あるいは核酸の増幅方法は、DNAチップに固定するためのDNAの合成に有用である。以下に本発明を利用して、DNAチップを調製する工程を例示する。
まず、DNAチップに固定すべき核酸の塩基配列に基づいて、本発明のプライマーをデザインする。本発明の開示に基づいて、所望の核酸の増幅に必要なプライマーをデザインすることは、当業者が通常行いうる。デザインされたプライマーを、本発明の核酸の増幅反応に必要な成分とともに、適当な条件下でインキュベートすることにより、反応液中には、目的とする塩基配列が連結したLAMP法に特有の構造を有する核酸が多量に生成される。得られた生成物は、そのまま、あるいは適当な処理の後に、公知の方法によって基板上に固定される。基板には、ガラススライドやナイロンメンブレンなどが用いられる。基板上に核酸を固定化する方法は公知である。
本発明に基づいてDNAチップに固定するための核酸を合成するとき、鋳型としては任意の核酸を利用することができる。より具体的には、様々な細胞に由来するcDNAクローン等を鋳型として用いる。あるいはゲノムを鋳型として、任意の領域を本発明によって増幅し、DNAチップに固定化することもできる。
たとえばLAMP産物は、インバーテットリピート構造になることが構造上の特徴である。すなわち、相補的な塩基配列が、交互に連結された構造である。このような構造を持つ核酸においては、相補的な塩基配列からなる領域同士で分子内アニールが起きハイブリ効率に影響を与えることが予想される。しかし分子内アニールによる問題は、簡単な処理で容易に解消することができる。LAMP産物は、たとえば特定の位置に導入しておいた制限酵素サイトを利用して、制限酵素処理により断片化することができる。いったん断片化された核酸は、もはや分子内アニールを起こすことは無い。
一般に、固定化されているDNAの長さが長いほどプローブとの反応性は良いとされている。これまでにLAMP法で合成された核酸は、インナープライマーに挟まれた領域の長さが20−100bp程度のものであった。この程度の長さでは、プローブとの反応性を高めることが難しい。本発明によれば、これまでに試みられたことの無い、比較的長いDNAをLAMP法に基づいて増幅することができる。その結果、本発明の合成生成物を利用して調製したDNAチップは、公知のLAMP法で合成した核酸を用いたチップに比べて効率よくシグナルを検出できる。
DNAチップを用いた遺伝子の解析方法として、たとえば次のような手法が一般に用いられている。まず異なる2つの細胞に由来するmRNA試料から調製した標識cDNAをマイクロアレイに対してハイブリダイズさせる。次に、DNAチップに固定化した核酸にハイブリダイズしたプローブのシグナルを測定する。各核酸ごとにシグナルを測定し、シグナル強度を解析すれば、各々のmRNAの相対的な発現レベルが比較される。このとき、チップ上に固定化された核酸の間でハイブリダイズ効率にばらつきがあると、解析結果の信頼性が失われる原因となる。したがって、より長い核酸を固定し、十分な反応性を与えることには意義がある。
更に、本発明に基づいて2つの異なる遺伝子に由来する塩基配列を連結した標的塩基配列からなるポリヌクレオチドを合成し、DNAチップにおけるプローブとして用いることもできる。一般にDNAチップにおいては、遺伝子ごとにプローブを用意しなければならない。一方本発明によって合成された異なる遺伝子由来の塩基配列を連結したポリヌクレオチドを利用すれば、1つのポリヌクレオチドが2つの遺伝子に対するプローブとして機能する。さらに、それぞれの遺伝子に対するプローブの量が均等になるので、シグナルを較正(ノーマライズ)する必要がない。
本発明の核酸の合成方法は、遺伝子のクローニングに応用することができる。PCR法に基づく遺伝子のクローニングは、PCR法の反応産物を制限酵素で消化し、クローニングベクターに組み込んで行われる。本発明においても同様に、LAMP産物を適当な制限酵素で消化すれば、クローニングベクターに組み込むための断片とすることができる。
LAMP産物は、DNAチップに固定すべき核酸の合成の他、標識プローブの調製に利用することもできる。すなわち、LAMP産物を鋳型としてプライマーエクステンションによる標識プローブを調製することができる。LAMP法では多量のDNAを生成するので、標識プローブを容易に、かつ多量に調製することができる。このようにして調製された標識プローブは、ハイブリダイゼーションアッセイや、DNAチップによる解析用のプローブとして有用である。
また本発明の核酸の増幅方法は、発現用の遺伝子の取得に利用することができる。ヒトのゲノムドラフトの塩基配列情報から、蛋白質を構成するアミノ酸の平均は352アミノ酸であると予測された。これは1056bpのDNAに相当する。本発明の方法では、少なくとも約500bp前後のDNAを増幅することができる。つまりヒトの平均的な蛋白質の約半分の領域をカバーすることができることになる。タンパク質の機能解析はポストゲノム世代の重要な研究テーマに位置付けられている。そしてそのためには、蛋白質を発現させる必要がある。本発明は、遺伝子の翻訳領域の増幅に貢献できると考える。
更に本発明の核酸の増幅方法による生成物を指標として、核酸を検出、あるいは定量することができる。すなわち、特定の塩基配列の増幅を目的としてデザインされたプライマーを用いたときに、多量の生成物が生じた場合には、その塩基配列が試料中に存在していることがわかる。更に、シグナルの強度や、一定のシグナル強度に達するまでの反応時間を指標として、試料中の標的塩基配列を含む核酸の存在量を比較することもできる。
合成される核酸を測定する方法は公知である。LAMP法によって合成された核酸は、1本鎖とは言え相補的な塩基配列から構成されるため、その大部分が塩基対結合を形成している。この特徴を利用して、合成生成物の検出が可能である。エチジウムブロマイド、SYBR Green I、あるいはPico Greenのような2本鎖特異インターカレーターである蛍光色素の存在下で本発明による核酸の合成方法を実施すれば、生成物の増加に伴って蛍光強度の増大が観察される。
これをモニターすれば、閉鎖系でリアルタイムな合成反応の追跡が可能である。この種の検出系はPCR法への応用も考えられているが、プライマーダイマー等によるシグナルの発生と区別がつかないことから問題が多いとされている。しかし本発明に応用した場合には、非特異的な塩基対結合が増加する可能性が非常に低いことから、高い感度と少ないノイズが同時に期待できる。2本鎖特異インターカレーターと同様に、均一系の検出系を実現する方法として、蛍光エネルギー転移の利用が可能である。
加えて、本発明の核酸の増幅方法に基づいて、変異を検出することができる。鋳型核酸が予測された塩基配列でなかった場合に、本発明の核酸の合成方法、あるいは増幅方法を構成する、いずれかの相補鎖合成反応が阻害されるようにしておけば、反応生成物の量、あるいは有無を指標として変異を検出することができる。本発明による変異の検出方法について、以下に具体的に述べる。
本発明の核酸の合成方法、あるいは増幅方法は、複数の相補鎖合成反応によって構成される。このうち、インサートプライマーの3’末端を起点とする相補鎖合成反応、あるいはインサートプライマーを鋳型として合成された相補鎖の3’末端を起点とする相補鎖合成反応は、本発明に固有の反応である。本発明による変異の検出方法においては、これらインサートプライマーに関連する2種類の相補鎖合成反応の、少なくともいずれかが、鋳型核酸の塩基配列によって調節されるようにする。
本発明において、インサートプライマーの5’末端を変異を検出すべき領域に相当するようにデザインするときには、2つのインサートプライマーの5’末端の塩基配列が相補的な塩基配列とならないようにするのが望ましい。具体的には先に述べたインサートプライマーの具体例のうち、[鋳型核酸中の連続する標的塩基配列を合成するためのインサートプライマー2]として説明したようなインサートプライマーを用いれば良い。この例では、インサートプライマーを鋳型として合成された相補鎖は、常に標的塩基配列からなる領域にアニールして、塩基配列のチェック機構が作用することになる。
これに対して、インサートプライマーの5’末端が相補的な塩基配列で構成されていた場合には、インサートプライマーを鋳型として合成された核酸は、インサートプライマーの塩基配列に由来する塩基配列に対してアニールすることになる。標的塩基配列に由来する塩基配列に対してアニールしなければ、塩基配列をチェックすることはできない。
鋳型依存型の相補鎖合成反応は、合成起点となる3’末端付近の塩基配列の組み合わせに大きな影響を受ける。したがって、インサートプライマーの3’末端、および/または5’末端付近を、変異を検出すべき領域に相当するように、インサートプライマーをデザインすればよい。より具体的には、3’末端から5塩基、より望ましくは2〜4塩基の領域に検出すべき変異が位置するようにデザインすれば、鋳型核酸における塩基配列の変化によって相補鎖合成反応を調節することができる。インサートプライマーを鋳型として合成された相補鎖の3’末端で、相補鎖合成を調節する場合にも、同様の条件で、塩基配列をデザインできることは言うまでもない。
本発明に基づいて鋳型核酸の塩基配列の変異を検出するとき、インナープライマーの3’末端、あるいはインナープライマーを鋳型として合成された相補鎖の3’末端を起点とする相補鎖合成反応を、鋳型核酸の変異によって調節することもできる。そのためには、前記のように、相補鎖合成の起点となる3’末端付近が、検出すべき変異に相当するように各プライマーの塩基配列をデザインする。特に、インナープライマーを鋳型として合成される相補鎖の3’末端は、鋳型に由来する塩基配列からなる領域に対して何度もアニールして相補鎖合成の起点となることから、変異のチェック機構を厳しくすることができる。インサートプライマーに合わせて、インナープライマーを利用して変異の検出を行えば、1組のプライマーによって、複数個所の変異を同時に解析することができる。本発明においては、インサートプライマーとインナープライマーの間隔を自由に設定することができるので、検出すべき変異が離れて存在していても、問題とならない。
本発明の変異の検出方法を利用して複数の変異を同時に解析するときには、検出すべき変異の種類に合わせて、様々な解析手法を利用することができる。たとえば、2つのSNPsAおよびBが特定の形質とリンクしている場合を例に、本発明による解析手法を説明する。AとBが特定の塩基の組み合わせであるときに、特定の形質が発現するときには、その組み合わせに限って、相補鎖合成反応が構成されるように、プライマーをデザインする。反応生成物の生成は、試料に含まれる核酸におけるAとBの塩基が、いずれも検出すべき塩基であることを意味している。
あるいは、4×4=16とおりの組み合わせのプライマーを用いれば、2つのSNPsに対して、あらゆる塩基の組み合わせを検出することができる。なお、全ての組み合わせを検出しようとするとき、必ずしも16とおりの組み合わせの全てを実験的に確認する必要はない。たとえばAが塩基aであるときに、Bの塩基を決定する場合、Bについてa、t、およびcのためのプライマーをデザインして3通りの実験を行えば、反応生成物が観察されない場合には、Bはatcのいずれでもないこと、すなわちgであることが推測できる。したがって、この核酸の塩基は、A−a/B−gであると決定することができる。すなわち、12通りの組み合わせによって、2点の塩基の全ての組み合わせを決定することもできる。
このように、複数個所の変異を同時に確認できることは、本発明の大きな特徴である。しかも本発明による変異の検出方法は、特異性に優れる。PCR法では、プライマーを鋳型として写し取った核酸に対してプライマーがアニールし、相補鎖合成反応が行われるので、1塩基の変異の検出を検出することは困難とされる。しかし本発明では、相補鎖合成反応が、鋳型に由来する塩基配列に対してアニールする領域によってコントロールされる。つまり、より特異的に変異を検出することができる。
本発明による核酸の合成方法、あるいは増幅方法に必要な各種の試薬類は、あらかじめパッケージングしてキットとして供給することができる。具体的には、本発明のために、インサートプライマー、インナープライマー、アウタープライマー、あるいはループプライマーとして必要な各種のオリゴヌクレオチド、相補鎖合成の基質となるdNTP、鎖置換をともなって相補鎖合成を行うDNAポリメラーゼ、酵素反応に好適な条件を与える緩衝液、更に必要に応じて合成反応生成物の分離や切断のために必要な試薬類で構成されるキットが提供される。たとえば本発明のキットが、核酸の検出を目的とする場合には、本発明の合成方法によって合成される核酸を検出するための検出剤を組み合せることができる。あるいは、本発明に基づいて融合蛋白質をコードするDNAを得ることを目的とするキットにおいては、融合パートナーをコードするDNAをキットに組み合せることができる。
特に、本発明の望ましい態様においては、反応途中で試薬の添加が不要なことから、1回の反応に必要な試薬を反応容器に分注した状態で供給することにより、サンプルの添加のみで反応を開始できる状態とすることができる。必要なDNAの調製を反応容器のままで行えるようなシステムとすれば、反応後の容器の開封を全面的に廃止することができる。これは、コンタミネーションの防止上、たいへん望ましいことである。
なお本明細書において引用された全ての先行技術文献は、参照として本明細書に組み入れられる。
発明を実施するための最良の形態
実施例1:
<インサートプライマーの設計>
LAMP法に基づく核酸増幅反応において、反応系に付加的なプライマーを加えることについて検討した。プライマーを設計する場所は、インナープライマーに挟まれた領域である。またプライマーの方向は、F1あるいはR1と同じ向きとし、これらのプライマーの5’部分が重なるように設計した。R1あるいはF1とは、LAMP法において、自身を鋳型とする相補鎖合成反応にあたり、自身にアニールする3’末端を含む領域である。この付加的なプライマーをインサートプライマー(Insert primer)と名付けた。各プライマーと標的塩基配列との位置関係を図6に示した。
<インサートプライマーを用いた反応>
pBSTspRIベクターに挿入した387bp DNA断片を鋳型として用い、以下に示す反応条件で本発明に基づく核酸の合成反応を行った。鋳型として用いた核酸の塩基配列を配列番号:1(ヒト・インターロイキン8遺伝子の塩基配列)に示した。配列番号:1の塩基配列は、各プライマーが認識する領域を含む。この鋳型核酸に対して、以下に記載の塩基配列からなる各種のプライマーを合成して用いた。
反応液組成(25μL中)
20mM Tris−HCl pH8.8
10mM KCl
10mM(NH4)2SO4
4mM MgSO4
1M Betaine
0.1% Triton X−100
0.4mM dNTPs
8U Bst DNAポリメラーゼ(NEW ENGLAND BioLabs)
プライマー:
1600nMインナープライマーF/Inner F
1600nMインナープライマーR/Inner R
400nMアウタープライマーF/Outer F
400nMアウタープライマーR/Outer R
鋳型とした核酸は熱変性をしないものを用意し、反応液を65℃でオーバーナイトインキュベートした。このとき、インサートプライマー(インサートプライマーF/Insert FとインサートプライマーR/Insert R)を終濃度10、20、30、40、50pmol/25μLになるように同時に加えた。この条件で、インサートプライマーの添加量は、インナープライマー(1600nM=40pmol/25μL)に対して、0.25〜1.25倍となる。上記反応液の5μLに5μLのloading bufferを添加し、2%アガロースゲル(0.5% TBE)を使って、0.5時間、100Vで電気泳動した。分子サイズマーカーとして、100bp DNAラダー(NEW ENGLAND BioLabs)を使用した。泳動後のゲルをエチジウムブロマイド(EtBrと省略する)で染色して核酸を確認した。結果は図7に示すとおりである。各レーンは次のサンプルに対応している。
レーン1:100bp DNAラダー
レーン2:インサートプライマー10pmol/25μL添加
レーン3:インサートプライマー20pmol/25μL添加
レーン4:インサートプライマー30pmol/25μL添加
レーン5:インサートプライマー40pmol/25μL添加
レーン6:インサートプライマー50pmol/25μL添加
この結果、インサートプライマーの濃度が増加するのに従い予想されるサイズの明瞭なバンドが確認できた。これは、インサートプライマーによって、期待された反応が進行していることを示している。一方、インサートプライマーを加えない場合にはスメアなバンドが観察され、非特異的な増幅が起きている可能性が示唆された。
<反応産物のBamHI消化>
上記反応産物が目的とする構造を有することを確認するためにBamHIで消化した。制限酵素を使った消化によって理論どおりの断片を生じる一方、図7で観察された高サイズのスメアなパターンや泳動されないバンドが消滅すれば、これらがいずれも本発明によって合成された1本鎖上に相補的な塩基配列を連結した核酸であることが確認できる。ここでは40pmol/25μLのインサートプライマーを使用した反応産物を使用した。
25μLの反応液をQIAquick PCR purification kit(QIAGEN)を用いて精製し、50μLのTris/HCl pH8.0で溶出した。このうち1μLをBamHIにて37℃、1時間消化した。消化物を2%アガロースゲルを使って100Vで30分間泳動した。泳動後、ゲルをEtbrで染色し核酸を検出した。分子量マーカーは100bp DNAラダー(NEW ENGLAND BioLabs)を用いた。結果は図8に示すとおりである。各レーンは次のサンプルに対応している。
レーン1:100bp DNAラダー
レーン2:−:生成物のBamHI消化物(インサートプライマーを用いないとき)
レーン3:+:生成物のBamHI消化物(インサートプライマーを用いたとき)
インサートプライマーを加えていないものでは目的とするバンドが確認できなかったのに対して、加えたものでは400bp付近にバンドが検出された。なおインナープライマーで挟まれた領域は396bpである。
以上の結果より、インサートプライマーを用いると、比較的長い標的塩基配列を容易に、しかも特異的に増幅できることが確認された。
実施例2:
<インサートプライマーを用いたLAMP反応>
pBSTspRIベクターに挿入したラムダDNA断片(528bp Sau3AI断片;配列番号15)を鋳型として用い、以下に示す反応条件でLAMP反応を行った。図11にはプライマーの位置、および制限酵素切断部位を示す。このとき、以下に記載の塩基配列からなるインサートプライマー(InsFとInsR、あるいはInsF2とInsR2)を終濃度400nMになるように同時に加えた。インナープライマーおよびアウタープライマーの濃度は以下の通りである。またインナープライマーとアウタープライマーの塩基配列は実施例1と同じである。インナープライマーFおよびインナープライマーR=800nM,アウタープライマーFおよびアウタープライマーR=200nM。増幅後、2%アガロースゲル電気泳動し、EtBrで染色した。この結果、予想される位置にバンドが確認できた(図12)。
<LAMP産物のBssHII消化>
上記LAMP産物が目的とする構造を有することを確認するためにBssHII消化を行った。反応産物を含む25μlの反応液をQIAquic PCR purification kitを用いて精製し、50μlのTris/HCl pH8.0で溶出した。このうち1μlをBssHIIにて37℃、1時間消化した。図12のラダーを形成した増幅産物をBssHIIで消化すれば、図11の中のBssHIIで挟まれた配列に相当する部分が約600bpのメインバンドとして生成するはずである。
消化物を2%アガロースゲルを使って100Vで30分間電気泳動した。泳動後、ゲルをEtBrで染色し核酸を検出した。マーカーは100bp DNAラダー(NEW ENGLAND BioLabs)を用いた。この結果、予想される位置にバンドが確認できた(図13)。今回、インナープライマーで挟まれた領域は536bpである。以上より、別の鋳型を用いたときでもインサートプライマーを用いると、比較的長い鋳型を容易に増幅することができた。また、本実施例では2種類のインサートプライマー(InsF/R、およびInsF2/R2)を設計し、いずれのプライマーでも増幅することが可能であった。
実施例3:
<プライマーの設計>
本発明の方法に基づいて、鋳型核酸の任意の部分の欠失変異体を合成できること、並びに中央部分に塩基配列の変異を導入した標的塩基配列の合成が可能であることを確認した。鋳型(λDNA、配列番号:8)に対して、以下の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドをインナープライマー、インサートプライマー、およびアウタープライマーとして用いた。
インサートプライマーの5’側には、リンカー配列として任意の配列CATCAAATATのセンスあるいはアンチセンスをそれぞれ付加した。上記インサートプライマーF/Insert Fおよび、インサートプライマーR/Insert Rは、それぞれλDNAの離れた領域に対してアニールする。その結果、図9に示すように中間部分に位置する[欠失]で示した部分を欠失(deletion)し、リンカー配列CATCAAATATを介して、矢印で挟まれた2つの領域を連結した塩基配列からなる標的塩基配列が合成されるはずである。このとき鋳型の塩基配列と標的塩基配列とを比較すると、図9におけるF1/R1間の塩基数で、鋳型においては525bp(図9の上)だったものが、46bpの標的塩基配列(図9の下)として合成される。
ターゲットDNAとして、λDNAは熱変性をしないものを用意し、実施例1と同じ組成の反応液に次の濃度のプライマーを加え、65℃で4時間反応させた。
プライマー:
800nMインナープライマーF/Inner F
800nMインナープライマーR/Inner R
800nMインサートプライマーF/Insert F
800nMインサートプライマーR/Insert R
200nMアウタープライマーF/Outer F
200nMアウタープライマーR/Outer R
<変異導入用インサートプライマーを用いたLAMP反応>
λDNA(1x106分子)を鋳型として用い、上記に示す条件で本発明の核酸の合成反応を行った。25μLの反応液をQIAquick PCR purification kit(QIAGEN)を用いて精製し、50μLのTris/HCl pH8.0で溶出した。このうち1μLをEcoRVにて37℃、1時間消化した。
消化物を2%アガロースゲルを使って100Vで30分間泳動した。泳動後、ゲルをEtbrで染色し核酸を検出した。分子量マーカーには100bp DNAラダー(NEW ENGLAND BioLabs)を用いた。結果は図10に示すとおりである。左側のレーンは100bp DNAラダー(NEW ENGLAND BioLabs)である。また各レーンは次のサンプルに対応している。図10から、欠失したときに予測される位置にバンドが検出された。
レーン1:100bp DNAラダー
レーン2:反応生成物EcoRV消化前
レーン3:反応生成物をEcoRVで消化後
<EcoRV消化物のクローニング>
上記反応生成物の塩基配列を決定した。予めEcoRVで消化したベクター(pBlue script)とEcoRVで消化した反応生成物をライゲーションして、pBS525/EcoRVとした。更にこのベクターをコンピテントセル(DH5α)にトランスフォーメーションした。トランスフォームした大腸菌をクローニングし、増殖させた後、大腸菌からアルカリSDS法でプラスミドを回収した。
<塩基配列の決定>
シーケンシング反応はCy5.5標識ベクター特異的プライマー、ThermoSequenase Cycle Sequencing Kit(Amersham pharmacia biotech)を用い、ダイプライマー法を利用して塩基配列を決定した。DNA塩基配列は自動蛍光DNAシーケンサー(ファルマシア社製モデルSeq4x4)を使用して決定した。
<結果>
インサートプライマーにはそれぞれ10塩基のリンカー配列(CATCAAATAT)を付けており、これらは相補的な塩基配列になっている。インサートプライマーを用いたLAMP反応では、この配列を介してアニールが起こりDNA合成が開始される。これによりインサートプライマーで挟まれた領域(図9の[欠失])を欠失した配列が得られることが期待できる。
塩基配列を決定した結果、予測された塩基配列からなるDNAが合成されたことを確認できた。以上より、インサートプライマーを用いることにより欠失変異を得ることが可能であることが示された。更に、標的塩基配列以外の塩基配列を付加したインサートプライマーを使用することにより、増幅配列中に塩基を挿入することができた。
今回の実験により、塩基の欠失および挿入を同時に示すことができた。
産業上の利用の可能性
本発明によって、LAMP法の原理を利用しながら、公知のLAMP法では知られていなかった新たな核酸の合成方法が提供された。本発明の核酸の合成方法によれば、以下のような新たな利点を期待することができる。
まず、本発明の核酸の合成方法は、長い標的塩基配列を塩基配列特異的に合成することができる。標的塩基配列の末端領域にプライマーを設定する公知のLAMP法では、条件によっては、長い標的塩基配列の合成にあたり、非特異的な合成生成物が生じてしまうことがあった。非特異的な合成生成物は、核酸の合成においては、収率の低下を意味している。
これに対して本発明の方法では、たとえば400塩基を越えるような長い標的塩基配列であっても、非特異的な副生物の産生を抑制し、しかも迅速に目的とする核酸を合成することができる。
本発明の核酸の合成方法は、DNAマイクロアレイに固定化するためのプローブの合成に有用である。DNAマイクロアレイに固定化するプローブには数百塩基の長さを有するDNAが必要とされていることは既に述べた。本発明によれば、400塩基以上の長さのDNAを迅速に、かつ容易に合成することができる。また、LAMP法がもともと鋳型に対して高度に特異的な合成を期待できる方法であることから、その合成生成物には、高い正確性が期待できる。
次に、本発明の核酸の合成方法においては、標的塩基配列の末端のみならず、中間にもプライマーを設定する。この特徴を利用して、標的塩基配列の中間にも変異を導入することができる。現在遺伝子の合成方法として広く普及しているPCR法においても、プライマーは標的塩基配列の末端部分にしか設定しない。したがって、本発明のように、標的塩基配列の中央部分にも変異を導入することができる技術は、遺伝子操作のための技術としてたいへん有用である。
本発明の遺伝子の合成方法、あるいは増幅方法によって、鋳型核酸において離れて位置する複数の領域を連結した塩基配列からなる核酸を得ることができる。この特徴によって本発明は、鋳型核酸の任意の領域を欠失した変異体を自由に合成することを可能とする。
更に本発明の核酸の合成方法、あるいは増幅方法によって、異なる鋳型核酸から選択される任意の領域を、一つの連続する塩基配列として有する核酸を得ることができる。この特徴によって本発明は、任意の融合蛋白質をコードする遺伝子を、自由に合成することを可能とする。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明による核酸の合成方法の、基本的な反応原理を示す図。図中、各鎖の3’末端を矢印で示した。
図2は、本発明による核酸の合成方法の、基本的な反応原理を示す図(図1の続き)。
図3は、本発明による核酸の合成方法の、基本的な反応原理を示す図(図2の続き)。
図4は、本発明による核酸の合成方法の、基本的な反応原理を示す図(図3の続き)。
図5は、本発明による核酸の合成方法の、基本的な反応原理を示す図(図4の続き)。
図6は、実施例において設定したインナープライマーとインサートプライマーの鋳型とする核酸に対する位置関係を模式的に示す図。
図7は、インサートプライマーを用いたLAMP法の反応生成物をアガロース電気泳動した結果を示す写真である。各レーンは左から順に次の結果を示している。
レーン1:100bp DNAラダー
レーン2:インサートプライマーなし
レーン3:インサートプライマー10pmol/25μL添加
レーン4:インサートプライマー20pmol/25μL添加
レーン5:インサートプライマー30pmol/25μL添加
レーン6:インサートプライマー40pmol/25μL添加
レーン7:インサートプライマー50pmol/25μL添加
図8は、インサートプライマーを用いたLAMP法の反応生成物を、制限酵素BamHIで消化しアガロース電気泳動した結果を示す写真である。各レーンは左から順に次の結果を示している
レーン1:100bp DNAラダー
レーン2:−:生成物のBamHI消化物(インサートプライマーを用いないとき)
レーン3:+:生成物のBamHI消化物(インサートプライマーを用いたとき)
図9は、鋳型核酸の塩基配列と、各プライマーの位置関係を示す図。
図10は、鋳型上において離れた位置にアニールするインサートプライマーを用いたLAMP法の反応生成物を、制限酵素EcoRVで消化しアガロース電気泳動した結果を示す写真である。
レーン1:100bp DNAラダー
レーン2:反応生成物EcoRV消化前
レーン3:反応生成物をEcoRVで消化後
図11は、インサートプライマーの設計位置を示す図。
図12は、LAMP産物の電気泳動した結果を示す写真である。
レーン1:マーカー
レーン2:インサートプライマー無し
レーン3:インサートプライマーInsF/R
レーン4:インサートプライマーInsF2/R2
図13は、LAMP産物を制限酵素BssHIIで消化しアガロースゲル電気泳動した結果を示す写真である。
レーン1:マーカー
レーン2:InsF/R、BssHII未消化物
レーン3:InsF/R、BssHII消化物
レーン4:InsF2/R2、BssHII未消化物
レーン5:InsF2/R2、BssHII消化物 Technical field
The present invention relates to a method for synthesizing a nucleic acid composed of a base sequence complementary to a template.
Background art
Analysis methods based on nucleobase sequence complementarity can directly analyze genetic characteristics. Therefore, it is a very effective means for identifying genetic diseases, canceration, microorganisms, and the like. In addition, in some cases, a time-consuming and troublesome operation such as culturing can be omitted in order to detect the gene itself.
However, detection when the amount of the target gene present in the sample is small is generally not easy, and it is necessary to amplify the target gene itself or the detection signal. The Polymerase Chain Reaction (PCR) method is known as one of the methods for amplifying a target gene (Science, 230, 1350-1354, 1985). The PCR method is currently the most common method for amplifying nucleic acids in vitro. High sensitivity based on its exponential amplification effect has established itself as an excellent detection method. Further, since the amplification product can be recovered as DNA, it is widely applied as an important tool for supporting genetic engineering techniques such as gene cloning and structure determination. However, in the PCR method, a special temperature controller is required for implementation; the amplification reaction progresses exponentially, so that there is a problem in quantitative performance; It has been pointed out that the contaminated nucleic acid is susceptible to contamination that functions as a template.
With the accumulation of genomic information, analysis of single nucleotide polymorphisms (SNPs; single nucleotide polymorphism) has attracted attention. By designing SNPs to be included in the base sequence of the primer, it is possible to detect SNPs using PCR. That is, the presence or absence of a base sequence complementary to the primer can be known from the presence or absence of the reaction product. However, in the case of PCR, if the complementary strand is synthesized by mistake, the product functions as a template for the subsequent reaction and causes an incorrect result. In reality, it is said that it is difficult to strictly control PCR by only one base difference at the end of the primer. Therefore, there is a need for improving specificity in order to use PCR for detecting SNPs.
On the other hand, a nucleic acid synthesis method based on ligase has been put to practical use. The LCR method (Ligase Chain Reaction, Laffler TG; Carrino JJ; Marshall RL; Ann. Biol. Clin. (Paris), 1993, 51: 9, 821-6) is two probes adjacent on the sequence to be detected. Is a basic principle of a reaction in which the two are hybridized and the two are linked by ligase. If the target base sequence is not present, the two probes cannot be ligated, so the presence of the ligation product is an indicator of the target base sequence. The LCR method also has the same problem as the PCR method because temperature control is required for separating the synthesized complementary strand from the template. As for LCR, a method has been reported in which a gap is provided between adjacent probes and a step of filling the gap with a DNA polymerase to improve specificity is performed. However, only the specificity can be expected from this improved method, and there is still a problem in requiring temperature control. Moreover, the cost is sacrificed because more enzymes are required.
As a method for amplifying a DNA having a complementary sequence using the sequence to be detected as a template, a Strand Displacement Amplification (SDA) method [Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 89, 392-396; 1992] [Nucleic Acid. Res. , 20, 1691-1696; 1992] is also known. In the SDA method, when a complementary strand is synthesized using a primer complementary to the 3 ′ side of a certain base sequence as a synthesis starting point, if there is a double-stranded region on the 5 ′ side, the complementary strand is synthesized while substituting the strand. Is a method utilizing a special DNA polymerase. In the following, in the present specification, the expression “5 ′ side” or “3 ′ side” means the direction of the template strand. This is called the SDA method because the 5'-side double-stranded portion is replaced by a newly synthesized complementary strand. In the SDA method, by inserting a restriction enzyme recognition sequence in advance into the sequence annealed as a primer, the temperature change step, which is essential in the PCR method, can be omitted. In other words, the nick provided by the restriction enzyme gives a 3′-OH group serving as a starting point for complementary strand synthesis, and by performing strand displacement synthesis therefrom, the previously synthesized complementary strand is released as a single strand to release the next strand. Reused as a template for complementary strand synthesis. As described above, the SDA method eliminates the need for complicated temperature control that has been essential in the PCR method.
However, in the SDA method, in addition to the strand displacement DNA polymerase, it is necessary to always combine a restriction enzyme that causes a nick. The increase in required enzymes is a factor of cost increase. In addition, since the restriction enzyme used introduces a nick instead of cutting a double strand (ie, only one strand is cut), one of the strands is used as a substrate during synthesis so as to be resistant to enzymatic digestion. DNTP derivatives such as thiodNTP must be utilized. For this reason, the amplification product by SDA has a different structure from natural nucleic acid, and its use such as restriction enzyme digestion and application of the amplification product to gene cloning is limited. Also in this regard, it can be said that there is a factor of cost increase. In addition, when applying the SDA method to an unknown sequence, the possibility that the same base sequence as the restriction enzyme recognition sequence for nick introduction exists in the region to be synthesized cannot be denied. In such a case, there is a concern that the synthesis of a completely complementary strand is hindered.
A method of supplying a 3'-OH group by enzymatically removing an RNA portion using a DNA-RNA chimeric oligonucleotide is also known. For example, in a method for synthesizing a nucleic acid named Isothermal and Chimeric primer-initialized Amplification of Nucleic acids (ICAN method, WO 00/56877), a chimeric oligonucleotide having RNA on the 3 'side is used as a primer. After complementary strand synthesis, the RNA portion of this oligonucleotide is digested by the action of RNAseH, and new 3'-OH groups are continuously supplied. It is said that a series of reactions can be carried out isothermally. However, the oligonucleotide used for the primer must be a DNA-RNA chimeric oligonucleotide. In addition, since an enzyme for removing RNA is also required, it can be said that it has the same problem as the above-mentioned SDA method.
As a nucleic acid amplification method that does not require complicated temperature control, a Nucleic Acid Sequence-based Amplification (NASBA, also referred to as TMA / Transscription Matched Amplification method) is known. NASBA performs DNA synthesis using a DNA polymerase with a probe to which a T7 promoter is added using a target RNA as a template, further converts the DNA into a double strand with a second probe, and transcribes the resulting double-stranded DNA with a template using T7 RNA polymerase. Is performed to amplify a large amount of RNA (Nature, 350, 91-92, 1991). NASBA requires several heat denaturation steps to complete double-stranded DNA, but the subsequent transcription reaction by T7 RNA polymerase proceeds isothermally. However, since a combination of a plurality of enzymes such as reverse transcriptase, RNase H, DNA polymerase, and T7 RNA polymerase is required, it is disadvantageous in cost as in SDA. Further, since the setting of conditions for performing a plurality of enzyme reactions is complicated, it is difficult to spread the method as a general analysis method. As described above, in the known nucleic acid amplification reaction, there remains a problem that complicated temperature control is required or a plurality of enzymes are required.
Furthermore, there are few reports on attempts to further improve the efficiency of nucleic acid synthesis without sacrificing specificity or cost in these known nucleic acid synthesis reactions. For example, a method called Rolling-circle amplification (RCA) shows that a single-stranded DNA having a continuous base sequence complementary to a padlock probe can be continuously synthesized in the presence of a target base sequence. (Paul M. Lizardi et al, Nature Genetics 19, 225-232, July, 1998). In RCA, a padlock probe having a special structure in which the 5 'end and 3' end of one oligonucleotide constitute adjacent probes in LCR is used. By combining a polymerase that catalyzes a strand displacement type complementary strand synthesis reaction, a continuous complementary strand synthesis reaction using a padlock probe ligated and cyclized in the presence of the target base sequence as a template is triggered. A single-stranded nucleic acid having a structure in which regions consisting of the same base sequence are repeated continuously is generated. This single-stranded nucleic acid is further annealed with a primer to synthesize its complementary strand, thereby realizing a high degree of amplification. However, the need for multiple enzymes remains a challenge. The trigger for complementary strand synthesis depends on the ligation reaction of two adjacent regions, and its specificity is in principle at the same level as LCR.
To solve the problem of 3′-OH supply, a method is known in which a 3 ′ end has a sequence complementary to a base sequence on the same strand to form a hairpin loop at the end (Gene 71, 29-). 40, 1988). From such a hairpin loop, synthesis of a complementary strand using itself as a template is performed, and a single-stranded nucleic acid composed of a complementary base sequence is generated. For example, PCT / FR95 / 00891 realizes a structure in which an end portion where a complementary base sequence is linked anneals on the same strand. However, in this method, a step of resolving the base pairing with the complementary strand at the end and re-establishing the base pairing on the same strand is essential. This step is said to proceed depending on a delicate equilibrium state at the ends of complementary base sequences involving base pairing. That is, utilizing the equilibrium state maintained between base pairing with the complementary strand and base pairing on the same strand, only those annealed with the base sequence on the same strand are the starting points for complementary strand synthesis. Become. Therefore, it is considered that strict setting of reaction conditions is required to achieve high reaction efficiency. Further, in this prior art, the primer itself forms a loop structure. Therefore, once the primer dimer is generated, the amplification reaction is automatically started regardless of the presence or absence of the target base sequence, and a nonspecific synthetic product is formed. This is a serious problem. Furthermore, the production of the primer dimer and the accompanying consumption of the primer by the nonspecific synthesis reaction leads to a decrease in the amplification efficiency of the target reaction.
In addition, there is a report (EP713922) which realizes a 3 'terminal structure that anneals to the same strand using a region that does not serve as a template for DNA polymerase. This report also has the same problem as that of PCT / FR95 / 00891 in that the dynamic equilibrium in the terminal portion is used, or the possibility of a nonspecific synthesis reaction accompanying the formation of primer dimers. Furthermore, a special region that does not serve as a template for DNA polymerase must be prepared as a primer.
In addition, in various signal amplification reactions to which the above-described NASBA principle is applied, an oligonucleotide having a hairpin-like structure at the end is often used to supply a double-stranded promoter region (Japanese Patent Laid-Open No. 5-218873). . However, these do not enable continuous supply of 3'-OH for complementary strand synthesis. Furthermore, Japanese Patent Application Laid-Open No. 10-510161 (WO96 / 17079) uses a hairpin loop structure in which the 3 'end is annealed on the same strand for the purpose of obtaining a DNA template transcribed by RNA polymerase. In this method, template amplification is performed using transcription to RNA and reverse transcription from RNA to DNA. However, this method cannot form a reaction system without combining a plurality of enzymes.
In addition, there has been reported a nucleic acid amplification reaction using a primer having a base sequence complementary to the base sequence of the extension product of the primer at the 5 'end. According to this report, when the complementary strand is synthesized, the 5 'end of the primer binds to the complementary base sequence, and as a result, the region where the primer has been annealed first is opened, and the new primer is annealed. (EP 971039). This report realizes continuous supply of a region where primer annealing can be performed at an isothermal temperature, but the basic principle relies on PCR or the like. Therefore, the problem of the reaction specificity in PCR as described above cannot be improved.
On the other hand, the present applicant has developed and applied for a patent for a novel nucleic acid synthesis method which can be carried out under isothermal conditions and which can maintain the reaction specificity at a high level as compared with PCR ( WO 00/28082). This method was named Loop-mediated isothermal amplification (hereinafter abbreviated as LAMP method) (T. Notomi et al., Nucleic Acid Res., 2000, Vol. 28, No. 12, e63).
Furthermore, the present applicant also reports a method for detecting SNPs using the LAMP method (The 3rd International Works on Advanced Genomics 2001.11.13 to 14; Yokohama, A Novel Technology Information Technology, Inc.). Method, LAMP KANDA, Hidetoshi et al.). The LAMP method is characterized in that the nucleic acid amplification reaction is significantly inhibited when the base sequence of the template is different from the designed one. Due to this feature, the mutation detection method based on the LAMP method has achieved high specificity without sacrificing detection sensitivity.
Disclosure of the invention
An object of the present invention is to provide a new nucleic acid synthesis method applying the reaction principle of the LAMP method.
The LAMP method is a method for synthesizing nucleic acids that can achieve high reaction specificity at an isothermal temperature. The present inventor has applied this method and conducted further studies to establish a new principle of nucleic acid synthesis. As a result, they have found that by applying the LAMP method to a nucleic acid having a specific structure, nucleic acid can be synthesized on a new principle. Further, based on this reaction principle, they have found that various effects, which were not known by the known LAMP method, can be achieved, and completed the present invention. That is, the present invention relates to the following nucleic acid synthesis methods, kits therefor, and uses thereof.
[1] A method for synthesizing a nucleic acid containing a target base sequence, comprising the following steps:
(1) a step of generating at least two types of single-stranded nucleic acids including the following regions (a) to (d) from the 5 ′ side to the 3 ′ side, wherein the two types of single-stranded nucleic acids are: It has a complementary base sequence at its 3 'end and contains a base sequence selected from a target base sequence.
(A) a region consisting of a base sequence complementary to any region on the same chain,
(B) a region that forms a loop when the region (a) hybridizes to an arbitrary region on the same chain,
(C) a region containing a nucleotide sequence complementary to the region (a), and
(D) A region consisting of a base sequence constituting the 3 'end
(2) a step of annealing the at least two kinds of single-stranded nucleic acids of step (1) at their 3 'ends, and synthesizing a complementary strand with a polymerase that catalyzes a complementary strand synthesis reaction involving strand displacement;
(3) annealing the 3 'end of the nucleic acid synthesized in step (2) to a region consisting of a complementary base sequence on the same strand, synthesizing a complementary strand starting from the 3' end, Synthesizing a single-stranded nucleic acid consisting of
[2] At least one kind of the single-stranded nucleic acid in step (1) is a nucleic acid having a structure that forms a 3 ′ end without a complementary strand by hybridizing the region (a) and the region (c). The method according to [1].
[3] At least one kind of the single-stranded nucleic acid in the step (1) is a nucleic acid having a structure forming a 3 ′ end with a complementary strand by hybridizing the region (a) and the region (c). The method according to [1] or [2].
[4] The method according to [1], wherein the single-stranded nucleic acid of step (1) is produced by the following steps.
i) a step of synthesizing a complementary strand using a nucleic acid containing a target base sequence as a template and using at least one set of insert primers; wherein the complementary strand synthesized starting from the insert primer has a base constituting the 5 ′ end thereof The sequence consists of mutually complementary base sequences, and
ii) Using the product of step i) as a template, a complementary sequence having a base sequence complementary to the 5 ′ end of the target base sequence at the 3 ′ end, and being synthesized at the 5 ′ end with the 3 ′ end as a starting point. Synthesizing a complementary strand with an inner primer having a base sequence complementary to an arbitrary region of the strand to generate a single-stranded nucleic acid according to step (1)
[5] The method according to [4], wherein the insert primer is at least one set of insert primers having mutually complementary nucleotide sequences at the 5 'end.
[6] The insert primer has a base sequence complementary to each other at the 5 ′ end thereof is composed of RNA, and the 3 ′ end is composed of an RNase-resistant polynucleotide, and the RNA hybridized with DNA is subjected to RNase. The method according to [5], comprising a step of digesting.
[7] The insert primer is a first insert primer which is a starting point of complementary strand synthesis in an arbitrary region in the target base sequence, and an arbitrary one in the target base sequence contained in an extension product starting from the insert primer. The method according to [4], which comprises a combination with a second insert primer which serves as a synthesis starting point of a complementary strand in the region.
[8] The method according to [1], wherein the single-stranded nucleic acid of step (1) is produced by the following steps.
i) generating at least two types of single-stranded nucleic acids having the following conditions:
a) the region containing the 5 'end and the region containing the 3' end are composed of complementary nucleotide sequences;
b) the complementary base sequences are linked by a base sequence that forms a loop when the region consisting of the complementary base sequences in a) hybridizes,
c) the 3 'end of one nucleic acid has a base sequence complementary to the 3' end of the other nucleic acid, and
d) the base sequence constituting the single-stranded nucleic acid contains a base sequence selected from a target base sequence
ii) a primer which anneals to the loop in the single-stranded nucleic acid of step i) and serves as a starting point for complementary strand synthesis, and a base sequence complementary to the complementary strand synthesized at the 5 ′ end thereof using the primer as a starting point And a DNA polymerase that catalyzes a complementary strand synthesis reaction involving strand displacement starting from the 3 ′ end of the primer is used to synthesize a complementary strand, and the 3 ′ end of the single-stranded nucleic acid in step i) is synthesized. Substituting to allow base pairing,
iii) annealing the 3′-ends that have become capable of base pairing in step ii), synthesizing a complementary strand starting from the 3′-end, and replacing the complementary strand synthesized in step ii) (1) a step of producing a single-stranded nucleic acid,
[9] The method according to [1], wherein the single-stranded nucleic acid of the step (1) is produced by the following steps.
(A) a step of annealing the inner primer using a nucleic acid containing the target base sequence as a template and synthesizing a complementary strand starting from its 3 ′ end; wherein the inner primer is a base complementary to the 5 ′ end of the target base sequence Having a sequence at the 3 ′ end, and having at its 5 ′ end a base sequence complementary to any region of the complementary strand synthesized starting from the 3 ′ end,
(B) annealing the insert primer to the product of step (a) and synthesizing a complementary strand starting from its 3 ′ end; wherein the insert primer is used for any region of the product of step (a). A complementary base sequence is provided at the 3 'end, and the 5' end base sequence is a base sequence complementary to the base sequence constituting the 3 'end of any of the two types of single-stranded nucleic acids in [1]. Consisting of, and
(C) making the complementary strand synthesized in step (b) a single strand, annealing its 3 ′ end to itself, synthesizing a complementary strand starting from the 3 ′ end, The process of producing nucleic acids in strands
[10] The method of [9], wherein the nucleic acid containing the target base sequence of step (a) is the product of step (2) in [1].
[11] The method of [1], wherein the two types of single-stranded nucleic acids each contain a base sequence derived from the same template.
[12] The method according to [11], wherein the base sequences contained in the two single-stranded nucleic acids are continuous in the template.
[13] The method according to [11], wherein the base sequences contained in the two single-stranded nucleic acids are not continuous in the template.
[14] The method of [1], wherein the two types of single-stranded nucleic acids contain nucleotide sequences derived from different templates.
[15] A method for amplifying a nucleic acid containing a target base sequence, comprising the following steps.
(1) a step of generating at least two types of single-stranded nucleic acids including the following regions (a) to (d) from the 5 ′ side to the 3 ′ side, wherein the two types of single-stranded nucleic acids are: It has a complementary base sequence at its 3 'end and contains a base sequence selected from a target base sequence.
(A) a region consisting of a base sequence complementary to any region on the same chain,
(B) a region that forms a loop when the region (a) hybridizes to an arbitrary region on the same chain,
(C) a region containing a nucleotide sequence complementary to the region (a), and
(D) A region consisting of a base sequence constituting the 3 'end
(2) a step of annealing at least two kinds of single-stranded nucleic acids of step (1) at their 3 'ends and synthesizing a complementary strand by a polymerase that catalyzes a complementary strand synthesis reaction involving strand displacement;
(3) annealing the 3 'end of the nucleic acid synthesized in step (2) to a region consisting of a complementary base sequence on the same strand, synthesizing a complementary strand starting from the 3' end, Synthesizing a single-stranded nucleic acid consisting of
(4) Using the product of step (3) as a template, a complementary strand is synthesized by a DNA polymerase that catalyzes a complementary strand synthesis reaction involving strand displacement starting from the 3 ′ end of the inner primer and / or the insert primer. Process,
(5) generating a single-stranded nucleic acid in the step (1) by substituting the extension product of another primer located on the 5 ′ side of the extension product from each primer, or When the nucleic acid has a complementary base sequence to the same strand at its 3 ′ end, the 3 ′ end is annealed to itself, and a complementary strand is synthesized starting from the 3 ′ end to obtain one of the above steps (1). Producing a single-stranded nucleic acid, and
(6) a step of amplifying a nucleic acid comprising a target base sequence by repeating the method described in [1] using the nucleic acid generated in step (5)
[16] including a step of starting the method according to any of [1] to [7] using the single-stranded nucleic acid generated by the method according to any of [2] to [9]. And a method for amplifying a nucleic acid containing a target base sequence.
[17] A method for synthesizing a nucleic acid containing a target base sequence, comprising a step of incubating the following elements:
(A) inner primer F; wherein the inner primer F anneals at its 3 ′ end to a region defining the 3 ′ side of one of the strands constituting the target base sequence, and the 5 ′ end of the inner primer F Has a base sequence complementary to any region of the complementary strand synthesis reaction product starting from this primer,
(B) Inner primer R; wherein the inner primer R anneals to a region defining the 3 ′ side of one of the strands constituting the target base sequence at the 3 ′ end, and the 5 ′ end of the inner primer R Has a base sequence complementary to any region of the complementary strand synthesis reaction product starting from this primer,
(C) an insert primer F; wherein the insert primer F has a base sequence complementary to an arbitrary region of one of the strands constituting the target base sequence at its 3 'end.
(D) an insert primer R; wherein the insert primer R has a base sequence complementary to an arbitrary region of the other strand constituting the target base sequence at the 3 ′ end, and the insert primer F and the insert primer R A synthetic product starting from each of the primers R has a base sequence complementary to each other in a region containing the 5 ′ ends of both.
(E) a template nucleic acid containing a target base sequence,
(F) a nucleotide substrate, and
(G) a DNA polymerase that catalyzes a complementary strand synthesis reaction involving strand displacement
[18] The method according to [17], wherein the following element is additionally present.
(H) outer primer F; wherein the outer primer F serves as a starting point of a complementary strand synthesis reaction starting from the 3 'side of the region of the template to which the inner primer F is to be annealed, and
(I) outer primer R; wherein the outer primer R is a starting point of a complementary strand synthesis reaction starting from the 3 'side of a region of the template to which the inner primer R is to be annealed,
[19] The method according to [17], wherein the following element is additionally present.
(J) Loop primer F; the region containing the 3 'end of the loop primer F is the region containing the 5' end of the inner primer F, wherein the region containing the 5 'end of the inner primer F is any of the complementary strand synthesis reaction products starting from the inner primer F Annealing to any region in the loop formed by hybridizing to the region; and
(K) loop primer R; the region containing the 3 ′ end of the loop primer R is a region containing the 5 ′ end of the inner primer R is any region of the complementary strand synthesis reaction product starting from the inner primer R Anneal any region in the loop formed by hybridizing to the region
[20] By incubating under conditions where the target base sequence in the template nucleic acid is double-stranded and complementary strand synthesis starting from each of the primers is possible, the region to be annealed by each primer has a base pair bond. [17] The method according to [17], comprising a step of bringing the state into a possible state.
[21] The method of [17], wherein the target base sequence in the template nucleic acid is double-stranded, and incubation is started after the denaturation step.
[22] the method of [17], wherein the incubation is performed in the presence of a melting temperature regulator;
[23] The method according to [22], wherein the melting temperature regulator is at least one compound selected from the group consisting of betaine, proline, dimethyl sulfoxide, and trimethylamine N-oxide.
[24] a template nucleic acid contained in a sample, comprising a step of measuring an amount of a reaction product in the method for synthesizing a nucleic acid according to [1] or [17], or the method for amplifying a nucleic acid according to [15] Detection method.
[25] A method for detecting a mutation in a template nucleic acid based on the method for detecting a template nucleic acid according to [24], wherein in the method for amplifying a nucleic acid according to [15], the 3 'end of the insert primer is used as a starting point. A method for detecting a mutation, characterized in that the complementary strand synthesis reaction is prevented when the base sequence of the template nucleic acid is not the expected base sequence.
[26] A method for detecting a mutation in a template nucleic acid based on the method for detecting a template nucleic acid according to [24], wherein the method for synthesizing a nucleic acid according to [1] or [17] comprises a single-stranded nucleic acid. A method for detecting a mutation, wherein a complementary strand synthesis reaction starting from the 3 ′ end of a nucleic acid is prevented when the base sequence of the template nucleic acid is not the expected base sequence.
[27] A method for introducing a mutation using the method for synthesizing a nucleic acid according to [4] or the method for amplifying a nucleic acid according to [15], wherein the insert primer has a base different from the base sequence contained in the template nucleic acid A method for introducing a mutation, comprising a sequence.
[28] The method according to [27], wherein the base sequence different from the base sequence contained in the template nucleic acid is constituted by substitution, deletion, and / or addition to the base sequence of the insert primer.
[29] A kit for synthesizing a nucleic acid containing a target base sequence, comprising:
(A) inner primer F; wherein the inner primer F anneals to the region defining the 3 ′ side of one of the strands constituting the target base sequence at the 3 ′ end, and the 5 ′ side of the inner primer F Has a base sequence complementary to any region of the complementary strand synthesis reaction product starting from this primer,
(B) inner primer R; wherein the inner primer R anneals to a region defining the 3 ′ side of one of the strands constituting the target base sequence at the 3 ′ end, and the 5 ′ side of the inner primer R Has a base sequence complementary to any region of the complementary strand synthesis reaction product starting from this primer,
(C) an insert primer F; wherein the insert primer F has a base sequence complementary to an arbitrary region of one of the strands constituting the target base sequence at its 3 'end.
(D) an insert primer R; wherein the insert primer R has a base sequence complementary to an arbitrary region of the other strand constituting the target base sequence at the 3 ′ end, and the insert primer F and the insert primer R A synthetic product starting from each of the primers R has a base sequence complementary to each other in a region containing the 5 ′ ends of both.
(E) a nucleotide substrate, and
(F) DNA polymerase catalyzing complementary strand synthesis reaction involving strand displacement
[30] The kit of [29], further comprising the following elements:
(G) outer primer F; wherein the outer primer F serves as a starting point of a complementary strand synthesis reaction starting from the 3 'side of the region of the template to which the inner primer F is to be annealed, and
(H) outer primer R; wherein the sixth primer is a starting point of a complementary strand synthesis reaction starting from the 3 'side of the region of the template to which the inner primer R is to be annealed,
[31] the kit of [29], further comprising the following:
(I) loop primer F; the region containing the 3 ′ end of the loop primer F is the region containing the 5 ′ end of the inner primer F is any of the complementary strand synthesis reaction products starting from the inner primer F Annealing to any region in the loop formed by hybridizing to the region; and
(J) Loop primer R; the region containing the 3 'end of the loop primer R is the region containing the 5' end of the inner primer R, wherein the region containing the 5 'end of the inner primer R is any of the complementary strand synthesis reaction products starting from the inner primer R Anneal any region in the loop formed by hybridizing to the region
[32] The kit of [29], wherein the target base sequence is derived from one template nucleic acid.
[33] When the base sequence of the insert nucleic acid is different from the expected base sequence of the insert nucleic acid, the 3 ′ end of the insert primer and / or the 3 ′ end of the complementary strand synthesized using the 5 ′ end of the insert primer as a template. 'The kit according to [29], comprising a base sequence that prevents a complementary strand synthesis reaction starting from the terminus.
[34] The kit of [29], which is used for detecting a template nucleic acid contained in a sample.
[35] the kit of [34], further comprising a nucleic acid detection agent;
[36] the kit of [29], wherein the insert primer contains a nucleotide sequence different from the nucleotide sequence contained in the template nucleic acid;
[37] the kit of [29], wherein the target nucleotide sequence has a nucleotide sequence derived from a different template nucleic acid;
[38] The 3 ′ end of the inner primer F and the insert primer F serves as a starting point for synthesizing a base sequence derived from the first template nucleic acid, and the inner primer R and the insert primer R are bases derived from the second template nucleic acid. The kit according to [37], which is a starting point for synthesizing a sequence and includes a region comprising base sequences complementary to each other in a region including the 5 'end of the insert primer F and the insert primer R.
[39] the kit of [37], for synthesizing a gene encoding a fusion protein;
[40] the kit of [39], further comprising a gene encoding a fusion partner;
Nucleic acid: In the present invention, a nucleic acid can be DNA or RNA, or a chimeric molecule thereof. Nucleic acids can be natural or artificially synthesized. Further, even a nucleotide derivative partially or wholly entirely composed of an artificial structure is included in the nucleic acid of the present invention as long as it can form a base pair bond. Examples of such a molecule include a polynucleotide derivative having a backbone formed by a phosphothioate bond.
The number of constituent bases of the nucleic acid in the present invention is not limited. Nucleic acid is synonymous with the term polynucleotide. On the other hand, the term "oligonucleotide" in the present invention is used as a term indicating a polynucleotide having a small number of constituent bases among polynucleotides. Generally, an oligonucleotide refers to a polynucleotide having a base number of 2 to 100, more generally about 2 to 50, and is referred to as an oligonucleotide, but is not limited to these numerical values.
The nucleic acids of the invention are generally included in a biological sample. A biological sample can refer to animal, plant, or microbial tissues, cells, cultures, excreta, or extracts thereof. The biological sample of the present invention includes genomic DNA or RNA of an intracellular parasite such as a virus or mycoplasma. The nucleic acid of the present invention may be derived from the nucleic acid contained in the biological sample. For example, cDNA synthesized based on mRNA and nucleic acid amplified based on nucleic acid derived from a biological sample are typical examples of the nucleic acid in the present invention.
Target base sequence: In the present invention, the target base sequence means a base sequence of a nucleic acid to be synthesized. That is, the base sequence constituting the nucleic acid to be synthesized in the present invention is the target base sequence. When nucleic acid is amplified based on the nucleic acid synthesis method of the present invention, the base sequence constituting the nucleic acid to be amplified is the target base sequence. Generally, the base sequence of a nucleic acid describes the base sequence of the sense strand from the 5 'side to the 3' side. The target base sequence in the present invention includes, in addition to the base sequence of the sense strand, its complementary strand, that is, the base sequence of the antisense strand. That is, the term “target base sequence” is used as a term that means at least one of the base sequence to be synthesized and its complementary strand.
In the present invention, the target base sequence is not limited to the base sequence of the nucleic acid used as a template. Therefore, the target base sequence may be composed of the same base sequence as the template, or may be a different base sequence. It is also possible to introduce a mutation into the base sequence of the template, or to synthesize a target base sequence consisting of a base sequence obtained by joining a part of the base sequence of the template.
3 'end or 5' end: 3 'end or 5' end means not only one base at any end but also a region containing one base at the end and located at the end. More specifically, 500 bases, desirably 100 bases, or at least 20 bases from either end are included at the 3 'end or 5' end. On the other hand, in order to indicate one base at the end or a base at a specific position near the end, the position is indicated by specifying a numerical value. When the 3 'end is the starting point for complementary strand synthesis, it means that the -OH group at the 3' end is the starting point for complementary strand synthesis.
Template and complementary strand: The term template used in the present invention means a nucleic acid on the side that serves as a template for complementary strand synthesis. A complementary strand having a base sequence complementary to the template has a meaning as a strand corresponding to the template, but the relationship between the two is merely relative. That is, a chain synthesized as a complementary chain can again function as a template. That is, the complementary strand can serve as a template.
In the present invention, there are cases where the base sequence contained in the template nucleic acid is directly synthesized as the target base sequence and cases where the purpose is to synthesize a nucleic acid having a base sequence different from that of the template nucleic acid. A nucleic acid having a base sequence different from that of a template nucleic acid may be, for example, a case where a mutation is introduced into a base sequence contained in the template nucleic acid, or a case where a region that exists separately on the template nucleic acid is synthesized as a continuous base sequence. No. Furthermore, the target base sequence in the present invention can be a base sequence obtained by linking base sequences derived from different nucleic acids.
Synthesis and amplification of nucleic acid: Synthesis of nucleic acid in the present invention means elongation of nucleic acid from an oligonucleotide which is a starting point of synthesis. When, in addition to synthesis, the generation of another nucleic acid and the elongation reaction of the generated nucleic acid occur continuously, a series of reactions is collectively referred to as amplification.
Annealing: "Annealing" and "hybridizing" mean that the nucleic acid forms a double helix structure by base pairing based on the Watson-Crick model. Therefore, even if the nucleic acid chain constituting the base pair bond is a single strand, annealing or hybridization occurs if the complementary base sequence in the molecule forms a base pair bond. In the present invention, annealing and hybridization are synonymous in that a nucleic acid forms a double helix structure by base pairing. When the 3 'end that has undergone base pairing becomes the starting point for complementary strand synthesis, it may be particularly referred to as annealing. However, this does not deny that the hybridization becomes the starting point of the complementary strand synthesis.
Identical or complementary: The terms identical or complementary used for characterization of the nucleotide sequence constituting the primer used in the present invention include a completely identical or not completely complementary nucleotide sequence. That is, the same as a certain sequence may include a sequence complementary to a base sequence that can anneal to a certain sequence. On the other hand, complementary refers to sequences that can anneal under stringent conditions and provide a starting point for complementary strand synthesis.
In the present invention, the term “identical” means that the homology of the nucleotide sequences is, for example, 90% or more, usually 95% or more, and more preferably 98% or more. The term "complementary" means the same base sequence as the complementary sequence. That is, when the homology of the base sequence to the complementary sequence is, for example, 90% or more, usually 95% or more, more preferably 98% or more, it can be said to be complementary. When the complementary base sequence functions as a starting point for complementary strand synthesis, it is desirable that at least one base at the 3 'end of the complementary base sequence completely matches the complementary sequence. The homology of the nucleotide sequences can be determined by a known search algorithm such as BLAST.
Complementary strand synthesis reaction involving strand displacement: In the synthesis of the nucleic acid of the present invention, a polymerase that catalyzes a complementary strand synthesis reaction involving strand displacement is used. In the present invention, the complementary strand synthesis reaction involving strand displacement refers to the following reaction. That is, when another polynucleotide has already hybridized to the template of the complementary strand synthesis reaction using the primer as a starting point to form a double-stranded structure, complementary strand synthesis proceeds while separating the polynucleotide from the template. Is referred to as a complementary strand synthesis reaction involving strand displacement. At this time, the polynucleotide to be separated usually maintains its phosphodiester bond. Therefore, a polynucleotide having a length corresponding to the length at which the complementary strand was synthesized and capable of base pairing is produced.
As a polymerase that catalyzes a complementary strand synthesis reaction involving strand displacement, the same DNA polymerase as used in SDA or the like is used. That is, when a complementary strand is synthesized using a primer complementary to the 3 ′ side of a certain base sequence as a synthesis starting point, if there is a double-stranded region on the 5 ′ side, the complementary strand is synthesized while displacing the two strands. Specialized polymerases that perform In the present invention, a substrate required for complementary strand synthesis is further added.
Next, the reaction principle of the present invention will be described. In the known LAMP method (T. Notomi et al., Nucleic Acid Res., 2000, Vol. 28, No. 12, e63), the 3 ′ end and the 5 ′ end are complementary to an arbitrary region of itself. A nucleic acid having a base sequence is generated. By incubating with the primer that anneals to the loop formed when the 3 ′ end of the nucleic acid anneals to the region consisting of the complementary base sequence, the nucleic acid consisting of the target base sequence is continuously synthesized. You.
In practice, as a primer that anneals to the loop, a region having the same base sequence as the region to which the 3 ′ end of the nucleic acid anneals is added to the 5 ′ end of the primer to simply obtain the target base. The reaction can be started only by incubating the primer with the template nucleic acid containing the sequence. In addition, under desirable conditions, the nucleic acid used as the template may remain double-stranded.
Compared to the known LAMP method, in the present invention, a nucleic acid is synthesized by using at least two types of single-stranded nucleic acids including the following regions (a) to (d) from the 5 ′ side to the 3 ′ side. I do. Here, the two types of single-stranded nucleic acids include a complementary base sequence at the 3 'end and a base sequence selected from a target base sequence.
(A) a region consisting of a base sequence complementary to any region on the same chain,
(B) a region that forms a loop when the region (a) hybridizes to an arbitrary region on the same chain,
(C) a region containing a nucleotide sequence complementary to the region (a), and
(D) A region consisting of a base sequence constituting the 3 'end
When this structure is compared with the target base sequence, the following relationship is obtained. First, the at least two types of single-stranded nucleic acids include a continuous base sequence constituting one of the nucleic acid chains consisting of a set of complementary base sequences constituting the target base sequence. Next, both have a base sequence complementary to each other in the 3'-terminal region (d). Each of these nucleic acids has a region (a) consisting of a base sequence complementary to an arbitrary region of the same chain at the 5 'end. The arbitrary region of the same chain may be an arbitrary region (c) of the nucleic acid. The region (a) forms a loop by hybridizing to the region (c). An area corresponding to the loop formed at this time is defined as (b). The above relationship can be shown, for example, as follows.
Here, although the same symbols (a) to (d) are given to the regions of each nucleic acid, it is not required that the nucleotide sequences are identical. Rather, these regions usually have different base sequences. Furthermore, regions (a) and (d) of each nucleic acid must be located at the 5 'end or 3' end, while regions (b) and (c) are regions (a) and (d) Can be arranged at any position in between. In addition, for the region (c), another base sequence may be allowed to intervene with the region (d).
Desirable positional relationship is such that the number of bases constituting the region (a) and the region (d) is 10 to 500 bases, usually 10 to 100 bases, and preferably 20 to 50 bases. On the other hand, the number of bases constituting the region (c) is the number of bases corresponding to the region (a).
Next, the size of the loop region (b) formed by hybridization between the region (c) and the region (a) is designed to be 1 to 200 bases, preferably 10 to 100 bases. Since the region (b) is a region sandwiched between the region (a) and the region (c), it is uniquely determined by defining these regions. The region (c) is a region existing adjacent to the region (b) and composed of a base sequence complementary to the region (a).
Further, an arbitrary number of bases can be interposed between the region (c) and the region (d). Therefore, when the target base sequence is, for example, a long base sequence exceeding 200 bases, the method for synthesizing a nucleic acid according to the present invention using a nucleic acid having a long base sequence inserted between (c) and (d) is used. Can be implemented.
In the present invention, the target base sequence is a region from one region (a) to the other region (a) of the single-stranded nucleic acid. The length of the target base sequence is determined by the number of bases in each region and the region interposed therebetween. The length of the target base sequence in the present invention is not limited. Therefore, the length can be, for example, 30 to 5000 bases, usually 50 to 1000 bases, preferably 500 bases or less, and more preferably 400 bases. In order to lengthen the target base sequence, the base sequence of the region interposed between the normal region (c) and the region (d) is lengthened. In addition, by increasing the length of each of the above regions, a target base sequence consisting of a long base sequence can be obtained.
In the known LAMP method, a region having, for example, 90 to 240 bases (corresponding to 10 to 40 bases in the region between F1 and R1) as the number of bases between F2 / R2 is selected as the target base sequence. I have. On the other hand, in the present invention, a longer target base sequence can be synthesized or amplified accurately.
In the present invention, the entire target base sequence can be constituted by combining the base sequences constituting the single-stranded nucleic acid. More specifically, the other single nucleic acid acts as a template for one single-stranded nucleic acid, and as a result of complementary strand synthesis, the base sequence of one nucleic acid constituting the target base sequence can be completed. In the present invention, the ratio of each single strand to the target base sequence is arbitrary. In order to synthesize a longer nucleotide sequence, it is usually reasonable to make the length about 1/2 of the target nucleotide sequence.
In the present invention, the region (c) can be arranged independently or can be arranged so as to overlap with the region (d). The case where the region (c) is arranged so as to overlap with the region (d) means that the single-stranded nucleic acid has a 5 ′ terminal base sequence and a 3 ′ terminal base sequence in a loop region (b). This is the case where the stem-loop structure is formed via the. Such a structure is shown as 3 or 4 in FIG.
The stem loop refers to a structure including a loop and a double-stranded stem. The base sequence at the 3 'end and the base sequence at the 5' end included in the same molecule are composed of complementary base sequences, and a stem is formed by hybridizing them. At this time, when the base sequence at the 5 'end is completely complementary to the base sequence at the 3' end, the 3 'end becomes a double strand with a complementary strand.
Now, in the present invention, the single-stranded nucleic acid can be synthesized enzymatically, for example, as follows. First, using four types of primers having the following characteristics (insert primer × 2, inner primer × 2), a DNA polymerase that catalyzes complementary strand synthesis involving strand displacement based on a template nucleic acid is used. Synthesize the complementary strand.
The insert primer and the inner primer are specifically described below.
Insert primer:
The insert primer is a primer that anneals to a template nucleic acid containing a target base sequence and serves as a starting point for complementary strand synthesis. The inner primer anneals to a nucleic acid synthesized by this primer. Further, a synthetic product starting from each of the insert primer F and the insert primer R has a base sequence complementary to each other in a region including the 5 'end of both. The insert primer is a primer unique to the present invention, which has been devised for enzymatically synthesizing a single-stranded nucleic acid composed of the regions (a) to (d), and has novel characteristics.
In the present invention, various combinations can be assumed for the insert primer. The following shows typical combinations of insert primers.
[
As shown in FIG. 1 and the like, the insert primer is designed such that its 5 'end overlaps a part of the base sequence constituting the nucleic acid used as a template.
[
Even when the primers do not have complementary nucleotide sequences, two types of single-stranded nucleic acids having the above-mentioned regions (a) to (d) and having 3'-terminal complementary nucleotide sequences are provided. Can be generated. For example, by designing the region between the insert primer and the inner primer to overlap, a base sequence complementary to the 3 ′ end of the final reaction product can be obtained even if there is no base sequence complementary to the insert primer itself. Can be given.
More specifically, for example, suppose that the inner primer FIP anneals to the product of one insert primer R to synthesize a complementary strand. The inner primer RIP anneals to the product of the other insert primer F to synthesize a complementary strand. At this time, it is only necessary that the extension products of the insert primer F and the insert primer R have a positional relationship such that an overlapping region is synthesized.
At this time, the base sequence of the region including the 5 'end of the insert primer can be any base sequence. In other words, when an insert primer having such a positional relationship is used, if the 3 ′ end of the insert primer becomes the starting point of complementary strand synthesis in the target base sequence in the above positional relationship, it will end up at the 5 ′ end. Nucleic acids having base sequences complementary to each other are generated.
However, in the case of a positional relationship where the 3 'ends of the two overlap, there is a possibility that the primers anneal to start the complementary strand synthesis. Therefore, when both 3 'ends overlap, it is desirable to set the length of the overlapping portion to a number of bases that cannot be annealed under the reaction conditions.
[Insert primer for synthesizing the separated target base sequence in the template nucleic acid]:
By selecting the base sequence of the insert primer, a region located separately in the template nucleic acid can be synthesized as a continuous base sequence. That is, when the region A and the region B are located across the region S in the template nucleic acid, a target base sequence composed of the region A and the region B can be synthesized.
For this purpose, first, the base sequence on the 3 ′ side of the insert primer should be a base sequence complementary to the boundary region between the region A and the region S, and similarly to the boundary region between the region B and the region S. I do. The 5 'side is designed so that both base sequences are complementary. At this time, the base sequences of the regions A and B may be shared on the 5 'side in order to match the translation frames of the amino acids. That is, for example, when the 3 'side is composed of a base sequence complementary to the region A, the base sequence of the region B is added to the 5' side. However, when the shared base sequence is long, a primer dimer may be formed. Therefore, in order to match the translation frames, an artificial linker sequence can be intervened.
The nucleic acid synthesized by such an insert primer comprises a base sequence in which an arbitrary intermediate portion of a continuous base sequence has been deleted. That is, a deletion mutant of the nucleic acid used as a template can be obtained. FIG. 9 shows the relationship between the base sequence serving as a template and the target base sequence at this time. That is, a mutant (lower part of FIG. 9) consisting of a nucleotide sequence in which the portion indicated by “deletion” in the template (upper part of FIG. 9) is deleted can be synthesized by the present invention.
One of the functions of a protein encoded by a gene is to identify the active domain of the protein. A method of expressing a mutant in which a part of a gene is deleted and estimating an active domain based on the relationship between the deleted region and the activity is generally used. For obtaining deletion mutants, the PCR method is often applied. If a PCR method is performed using primers designed for a continuous region of a gene, a target region can be easily obtained. However, in the PCR method, primers can be designed only at both ends of a nucleic acid to be synthesized. Therefore, it is difficult to synthesize a mutant lacking the intermediate portion in one step. When the present invention is applied, an arbitrary region can be deleted, and a region that exists apart in the template can be synthesized as one continuous base sequence.
The features of the present invention are also useful in genome analysis. In the genome of eukaryotes, genes are present in the form of introns. In cells, RNA transcribed from the genome is spliced to remove introns, resulting in exon-linked mRNA. Although certain laws are being found for exons and introns in the genome, the accuracy of prediction is not sufficient at least at present. Therefore, although the structure of the genome has been elucidated, the analysis of the genes contained therein remains a major research topic.
By utilizing the features of the present invention, a nucleic acid linking a plurality of regions of a genome can be synthesized in one step. That is, a nucleic acid in which predicted exons are linked can be synthesized. Further, the obtained nucleic acid can be further ligated as needed. The usefulness of the present invention is apparent from the fact that only a single exon can be synthesized in one step by the PCR method.
In the genome analysis, analysis of the transcription regulatory region has become an important issue as well as gene analysis. The method for synthesizing a nucleic acid of the present invention can also be used for analyzing a transcription regulatory region. For example, the present invention is useful for searching for regions having promoter activity in the genome. A promoter is a region located upstream of a gene and recognized by the transcription factor of the gene.
Searching for a region having promoter activity using the present invention can be carried out, for example, as follows. First, an expression cassette comprising a genome sequence to be analyzed and a reporter gene connected downstream thereof is synthesized according to the present invention. In other words, the inner primer and the insert primer of the present invention may be designed for each of the genome and the reporter gene, and a method for synthesizing nucleic acids using different nucleic acids as templates may be used. By designing primers for various regions with respect to the region on the genome to be analyzed, various types of expression cassettes can be synthesized. According to the present invention, an arbitrary region can be freely synthesized as an expression cassette by designing a primer.
The obtained expression cassette is actually expressed in a suitable host, and the promoter activity can be evaluated by observing the signal of the reporter gene.
[Insert primer for synthesizing target base sequences separately contained in different template nucleic acids]:
It has been described above that the method for synthesizing nucleic acids of the present invention is useful for synthesizing nucleic acids in which distant regions contained in the same template are linked. If this principle is further developed, according to the present invention, a nucleic acid in which two regions included in different templates are linked can be synthesized. That is, the reaction can be started using nucleic acids containing base sequences derived from different template nucleic acids as the two types of single-stranded nucleic acids in the nucleic acid synthesis method of the present invention. The resulting nucleic acid is a nucleic acid in which base sequences derived from different template nucleic acids are linked on the 5 'and 3' sides.
A single-stranded nucleic acid containing a base sequence derived from a different template nucleic acid can be obtained, for example, by the following method. As a primer used in the nucleic acid synthesis method of the present invention, an insert primer and an inner primer designed to act as primers for different template nucleic acids are used.
When two nucleic acids of different template nucleic acids F and R are used to link an arbitrary region selected from the base sequence of each template nucleic acid, the following primers are used. First, an inner primer F and an insert primer F are designed for a template nucleic acid F. At the 3 'end of the inner primer F and the insert primer F, a base sequence that acts as a primer for synthesizing a region for synthesizing the template nucleic acid F is arranged. On the 5 'side of the inner primer F, a base sequence complementary to an arbitrary region of the complementary strand synthesized starting from the 3' side is arranged.
On the other hand, an inner primer R and an insert primer R are designed for the template nucleic acid R. At the 3 'end of the inner primer R and the insert primer R, a base sequence that acts as a primer for synthesizing a region intended for the synthesis of the template nucleic acid R is arranged. On the 5 'side of the inner primer R, a base sequence complementary to an arbitrary region of a complementary strand synthesized starting from the 3' side is arranged.
The 5 'ends of the insert primer F and the insert primer R are composed of complementary base sequences. In order to synthesize a gene capable of expressing the protein encoded by both base sequences as a fusion protein, the base sequence on the 5 'side of the insert primer is designed so that the gene can be linked in frame.
The method for synthesizing or amplifying a nucleic acid of the present invention can be carried out under the same conditions except that the design of such primers and the use of a different template nucleic acid. That is, two kinds of template nucleic acids, all primers, a DNA polymerase, a substrate, a buffer, and the like necessary for the reaction are mixed and incubated under appropriate conditions. Alternatively, a complementary primer synthesis reaction can be performed by adding a corresponding primer to a different template nucleic acid to generate a single-stranded nucleic acid, and then the two can be mixed to further continue the complementary strand synthesis reaction.
The target base sequence can be obtained by recovering the target base sequence or a reaction product having a size larger than the target base sequence from the reaction product. The recovered nucleic acid can be digested with a restriction enzyme and purified if necessary.
The method for obtaining a nucleic acid containing the base sequence of a different template nucleic acid based on the nucleic acid synthesis method or amplification method according to the present invention is useful, for example, in the following application fields.
First, based on the present invention, a gene encoding a fusion protein can be synthesized. With the known method, it was difficult to synthesize large-sized genes simultaneously. For example, in the PCR method, an artificial base sequence could be added to the end of the target base sequence as long as it could be synthesized as a primer. However, the length of the base sequence that can be added by this method has been limited. Thus, only small proteins, such as histidine tags, can be added. On the other hand, in the present invention, since a gene encoding a protein to be added can also be synthesized by a complementary strand synthesis reaction, a gene of any length can be fused in principle.
In order to add a long base sequence that is difficult to add as a primer, a method has been used in which a vector having a required base sequence incorporated therein is prepared in advance and a gene to be fused to this vector is inserted. However, in this method, a vector incorporating a fusion partner must be prepared in advance to produce a fusion protein. On the other hand, in the present invention, a target region can be freely selected and fused from different template nucleic acids.
[Introduction of mutation into insert primer]:
Mutations or additional base sequences can be introduced into the insert primer used in the present invention. The insert primer is required to have a base sequence under specific conditions at its 3 'end. In addition, various base sequences can be freely arranged on the 5 'end as long as the nucleic acid generated by the complementary strand synthesis reaction using the base sequence of the insert primer as a template has a mutually complementary base sequence at the 5' end. You can also. Furthermore, the introduction of a mutation or the addition of a nucleotide sequence is allowed in the middle of the insert primer.
By utilizing this feature, a base sequence obtained by adding a mutation or a base sequence to the base sequence of the template can be synthesized. Since the insert primer can be set at any position in the target nucleotide sequence, according to the present invention, any mutation can be introduced at any position. Mutations can be substitutions, deletions, or additions of bases. Any of these mutations can be introduced by the present invention.
In a known nucleic acid synthesis method such as PCR, a place where a desired mutation can be introduced is limited to a terminal portion. This is because the base sequence of the primer can be introduced only into the terminal portion. Therefore, a method that can introduce an arbitrary mutation at an arbitrary position in a target base sequence as in the present invention is useful.
[Multiple sets of insert primers]:
When the complementary base sequences located on the 5 'side of two insert primers specifically hybridize, a plurality of sets of insert primers can be used at the same time. By using a plurality of sets of insert primers, mutual replacement of the template nucleic acid occurs between each set, and more rapid complementary strand synthesis can be expected.
The base sequence constituting the 3 'side of the insert primer is desirably set so that it can provide a starting point for complementary strand synthesis even when the template nucleic acid is used as a template with a double strand. Further, it is desirable that the primer can function as a primer under the same conditions as in the complementary strand synthesis reaction using the inner primer or the outer primer. Specifically, similarly to the above-mentioned region (d), it is 5 to 200 bases, more preferably 10 to 50 bases.
Further, the region constituting the 5 'side of the insert primer provides a base sequence necessary for the complementary strand synthesized using this region as a template, so that the 3' end thereof becomes the starting point of the complementary strand synthesis. Therefore, as in the case of the base sequence constituting the 3 'side, it is 5 to 200 bases, more preferably 10 to 50 bases.
Inner primer:
A base sequence (X2) complementary to the 5 ′ end of the target base sequence is provided at the 3 ′ end, and complementary to an arbitrary region (X1) of the nucleic acid synthesized starting from the 3 ′ end at the 5 ′ end. It has the base sequence (X1c). The base sequence at the 5 'end constitutes the region (a) containing the 5' end of the single-stranded nucleic acid. Different inner primers are used for each of the two strands constituting the target base sequence. Usually they are called forward side and reverse side. The inner primer is a primer used in the known LAMP method. However, in the known LAMP method, the reaction is basically constituted by an inner primer. There is no report on the combination of the insert primer and the inner primer at present.
In the following description, it is assumed that X2 and X1c in one inner primer are F2 and F1c, and X2 and X1c in the other inner primer are R2 and R1c. Then, the inner primers used for the description are tentatively named FIP and RIP. The areas constituting the FIP and the RIP are as follows.
In the nucleic acid synthesis method of the present invention, it is important to first generate a single-stranded nucleic acid consisting of the regions (a) to (d). Such a nucleic acid can be given its structure by a nucleic acid synthesis reaction based on the present invention using the insert primer and an inner primer having the following structure. The details of this reaction will be described later.
That is, the inner primer used for the nucleic acid synthesis reaction of the present invention comprises at least the two regions X2 and X1c. X2 is a region including the 3 'end, and X1c is a region including the 5' end.
The structure of the inner primer in the present invention is determined by the target base sequence. The target base sequence is in a state where at least a part of the base sequence is known or can be estimated. The part whose base sequence is to be clarified is the region X2c and the region X1c located on the 5 'side thereof. The two regions can be assumed to be continuous and separated. The relative positional relationship between the two determines the state of the loop portion formed when the product nucleic acid self-anneals.
In addition, in order for the product nucleic acid to preferentially perform self-annealing rather than intermolecular annealing, it is desirable that the distance between the two is not unnecessarily large. Therefore, it is desirable that the positional relationship between the two is usually continuous over a distance of 0 to 500 bases. However, in the formation of a loop by self-annealing, which will be described later, a case where both are too close may be disadvantageous in forming a loop in a desirable state. In the loop, a structure that can smoothly initiate annealing of a new oligonucleotide and a complementary strand synthesis reaction involving strand displacement using the new oligonucleotide as a synthesis starting point is required. Therefore, more preferably, the distance between the region X2c and the region X1c located on the 5 'side thereof is designed to be 0 to 100 bases, more preferably 10 to 70 bases. This numerical value indicates a length not including X1c and X2. The number of bases constituting the loop portion is a length obtained by further adding a region corresponding to X2.
The regions X2 and X1c constituting the inner primer of the present invention with respect to the target base sequence are usually arranged continuously without overlapping. Alternatively, if there is a common part in both base sequences, they may be partially overlapped. Since X2 must function as a primer, it must be always at the 3 'end.
On the other hand, as described later, X1c is arranged at the 5 'end because it is necessary to give a function as a primer to the 3' end of the complementary strand synthesized using this as a template. In the next step, the complementary strand obtained using this oligonucleotide as a synthesis starting point becomes a template for complementary strand synthesis from the opposite direction, and finally the inner primer portion according to the present invention is copied to the complementary strand as a template. The 3 'end produced by copying has the base sequence X1, anneals to X1c on the same strand, and forms a loop.
The inner primer in the present invention is a primer that satisfies the two conditions of being capable of forming a complementary base pair bond with a target base sequence and providing a -OH group at the 3 'end thereof as a starting point of complementary strand synthesis. means. Therefore, the backbone is not necessarily limited to the phosphodiester bond. For example, it may be composed of a phosphothioate form.
The base may be any one that enables complementary base pairing. In the natural state, there are generally five types, ACTG and U, but it can also be an analog such as, for example, bromodeoxyuridine. The oligonucleotide used in the present invention desirably functions not only as a starting point for synthesis but also as a template for complementary strand synthesis.
The inner primer according to the present invention has a chain length that enables base pairing with a complementary strand while maintaining necessary specificity in a given environment in various nucleic acid synthesis reactions described below. . Specifically, it is 5-200 bases, more preferably 10-50 bases. Since the length of a primer recognized by a known polymerase that catalyzes a sequence-dependent nucleic acid synthesis reaction is at least about 5 bases, the length of the portion to be annealed needs to be longer. In addition, in order to expect specificity as a base sequence, it is desirable to use a length of 10 bases or more stochastically. On the other hand, an extremely long base sequence is difficult to prepare by chemical synthesis, and thus the above-mentioned chain length is exemplified as a desirable range.
Note that the chain length exemplified here is the chain length of the portion that anneals to the complementary strand. The inner primer according to the invention consists of at least two regions X2 and X1c. Therefore, the chain length exemplified here should be understood as the chain length of each region constituting the inner primer.
The relationship between the insert primer and the inner primer in the present invention is shown in FIG. 1 and FIG. These figures show a method for synthesizing a nucleic acid containing a target base sequence using a nucleic acid containing the target base sequence (between F2 / R2c) as a template. The primers shown in the figure are as follows.
Insert primer F
Insert primer R
Inner primer FIP (forward)
Inner primer RIP (reverse)
Outer primer F3
Outer primer R3
A base sequence complementary to an arbitrary region in the target base sequence is arranged at the 3 ′ end of the insert primer F and the insert primer R shown in FIG. The starting point. The 5 'side of each insert primer is designed to have complementary nucleotide sequences to each other. In other words, the two insert primers are designed such that the 5 'ends of the two primers overlap each other in an arbitrary region in the double strand constituting the target base sequence.
On the other hand, the outer primer F3 or R3 is composed of a nucleotide sequence complementary to an arbitrary region F3c or
In FIG. 1, an inner primer FIP anneals to the extension product of the insert primer R to synthesize a complementary strand. The synthesized complementary strand is displaced by the outer primer F3 and released as a single-stranded nucleic acid (1). This (1) is nothing but one of the nucleic acids having the regions (a) to (d) in the present invention.
On the other hand, a reaction similar to the reaction for producing the nucleic acid (1) also proceeds from the insert primer F (FIG. 2), and the complementary strand synthesis product based on the inner primer RIP forms a single-stranded nucleic acid (2). ing. Nucleic acid (1) and nucleic acid (2) hybridize at the 5 ′ end with a region containing its own complementary base sequence, but have a single-stranded region containing the 3 ′ end, and It has a complementary base sequence. Therefore, the region containing both 3 'ends can hybridize.
As shown in FIG. 3, when the nucleic acid (1) and the nucleic acid (2) hybridize at the 3 ′ end, the 3 ′ end becomes a starting point of complementary strand synthesis, and new complementary strand synthesis using each other as a template is performed. Be started. The single-stranded nucleic acids (1) and (2) are synthesized based on the target base sequence contained in the nucleic acid originally used as the template. The base sequence is composed of a base sequence between the insert primer and the inner primer. That is, the nucleic acid (1) and the nucleic acid (2) have a configuration in which the base sequence constituting the target base sequence includes the base sequence on the 5 'side and lacks the base sequence on the 3' side. Furthermore, the 5 'base sequence of the target base sequence constituting each chain is nothing but a base sequence complementary to the 3' base sequence lacking in the other chain.
Therefore, if complementary strands are synthesized using the 3 ′ end of these nucleic acids as a starting point and each other as a template, the base sequence on the 3 ′ end side of each strand that is lacking with respect to the target base sequence is synthesized. Finally, the target base sequence is completed. Thus, in the present invention, a nucleic acid comprising the target base sequence is synthesized.
By the way, in FIG. 1, for example, the template nucleic acid to which the insert primer anneals is depicted as a single strand. However, in the present invention, a denaturation step for converting a nucleic acid serving as a template into a single strand is not always required. Most of the complementary strand synthesis reactions constituting the present invention are performed by a DNA polymerase that catalyzes a complementary strand synthesis reaction involving strand displacement. In the case of using this kind of DNA polymerase, the synthesis of a complementary strand using a double-stranded nucleic acid as a template is possible under appropriate conditions.
The present inventors have clarified conditions under which a double-stranded nucleic acid can be used as a template without being denatured into a single strand. That is, it has been found that, if conditions for destabilizing the double strand to some extent are given, conditions that allow annealing of the primer to the double-stranded nucleic acid and template-dependent complementary strand synthesis can be set without a denaturation step. In the present invention, utilizing these conditions, a double-stranded nucleic acid can be directly used as a template.
More specifically, for example, when the temperature is higher than when a single-stranded nucleic acid is used as a template and lower than the temperature at which the template nucleic acid is denatured into a single strand, the complementary strand synthesis reaction by the DNA polymerase to be used is performed. What is necessary is just to set it as possible temperature. The temperature required for the reaction can be adjusted with a melting temperature regulator (hereinafter, the melting temperature is abbreviated as Tm). The Tm regulator will be specifically described later.
Here, attention is paid to the structure of the nucleic acid containing the target base sequence, which is generated based on the combination of the nucleic acid (1) and the nucleic acid (2). As shown in FIG. 3, as a nucleic acid generated by such a combination, first, a product in which nucleic acid (1) and nucleic acid (2) are extended in the 3 'direction will be described. The nucleic acids (1) and (2) used as templates have a base sequence complementary to an arbitrary region of their own at the 5 'end. Therefore, a nucleic acid generated as a result of complementary strand synthesis has a base sequence complementary to itself at the 3 'end. As a result, if the region including the 3 'end has a single-stranded structure, the 3' end is annealed to itself, and complementary strand synthesis is started.
This step is shown in FIG. That is, the region including the 3 ′ end is made into a single strand by further annealing the insert primer to the double-stranded nucleic acid generated from the nucleic acid (1) and the nucleic acid (2) to start complementary strand synthesis. . The 3 'end anneals to itself to initiate complementary strand synthesis using itself as a template to generate a nucleic acid having a target base sequence linked via a loop (the lower two products in FIG. 3).
In FIG. 3, the lower two products have base sequences complementary to themselves at the 3 'end and the 5' end, and are in a state where annealing of the inner primer to the loop is possible. That is, the nucleic acid has a structure necessary for starting the LAMP method. Therefore, once such a structure is generated, a nucleic acid synthesis reaction based on the principle of the known LAMP method is started. That is, the following three reactions are repeated continuously and theoretically infinitely. The result is a high degree of nucleic acid amplification.
Opening of the 3 'end by complementary strand synthesis from the loop,
Complementary strand synthesis using the 3'-terminal itself as a template as a template, and
Replacement of a complementary strand synthesis product initiated from a loop accompanying complementary strand synthesis proceeding from the 3 'end
FIG. 3 also shows that nucleic acid (3) and nucleic acid (4) are produced as products. These nucleic acids are synthesized with the nucleic acid synthesized from the insert primer as a starting point, and are substituted and produced as the complementary strand synthesis proceeds by annealing the 3 'end to itself. These nucleic acids also contribute to the reaction for synthesizing the nucleic acid of the present invention as a material for initiating the reaction as described later.
In the above description, a nucleic acid having a single-stranded structure originally on the 3 'side was used to start the reaction. However, the method for synthesizing a nucleic acid of the present invention is not limited to the case where the region including the 3 'end is single-stranded as the single-stranded nucleic acid. Even in the case of having a double-stranded structure with a complementary strand at the 3 'end, annealing of the mutual 3' end and the accompanying synthesis of the target base sequence can be started.
Here, the structure in which the single-stranded nucleic acid has a complementary strand at the 3 'end will be described again. For example, in FIG. 1, FIG. 2 or FIG. 3, the nucleic acid (3) or nucleic acid (4) generated by the above-described reaction has a complementary 3 ′ end contained in its own 5 ′ end. A double-stranded structure is formed with a region consisting of a base sequence. Such a structure can be annealed to other nucleic acids by some means if its 3 'end is single-stranded. In the present invention, as a method for forming a single-stranded structure at the 3 ′ end of the nucleic acid (3) or the nucleic acid (4), a complementary strand synthesis starting from a primer that anneals to a loop portion, and Accompanying substitutions can be used.
The 3 'end of the inner primer FIP used in the figure is composed of F2c. Since F2c is a nucleotide sequence complementary to F2, it anneals to F2c present in the loop of nucleic acid (3) to provide a starting point for complementary strand synthesis. The complementary strand synthesis initiated from within the loop proceeds in the 5 'direction of the nucleic acid (3) as a template and reaches the 5' end. At this time, the 3 'end, which originally hybridized to the 5' end of the nucleic acid (3), is replaced with the synthesis of a new complementary strand, and becomes a single-stranded state. Similarly, RIP also anneals to the loop portion of nucleic acid (4) to open its 3 'end as a single strand.
The 3 ′ ends of the single-stranded nucleic acids (3) and (4) are annealed to initiate a complementary strand synthesis reaction using each other as a template in the same manner as in the reaction by the nucleic acids (1) and (2). Then, the 3′-side nucleotide sequence is obtained, and the synthesis of the target nucleotide sequence is completed.
Furthermore, the single-stranded nucleic acid of the present invention can function as a starting point for complementary strand synthesis without the need to positively change the 3 'end of the single-stranded nucleic acid. As described above, a double-stranded nucleic acid can be used as a template without undergoing a denaturation step under some conditions. By using such conditions, the nucleic acid (3) and the nucleic acid (4) can be annealed at their 3 'ends.
In addition, the reaction between nucleic acid (3) and nucleic acid (4) can be initiated by using the RNA-DNA chimeric primer. Specifically, the 5'-side of the nucleic acid (3) or the nucleic acid (4) is constituted by RNA, and when a complementary strand is involved, a portion constituted by RNA can be decomposed. The nucleic acid (3) and the nucleic acid (4) have a structure in which the 3 'side is hybridized to its own 5' terminal region. Therefore, if the region constituting the 5 'end is removed, the 3' side is ready for base pairing. Since the 3 'ends of both are composed of mutually complementary base sequences, they anneal to start a complementary strand synthesis reaction using each other as a template. The digestion of RNA in the RNA / DNA hybrid can be performed using an enzyme such as RNAseH.
In order to constitute the 5 ′ end of the nucleic acid (3) or the nucleic acid (4) with RNA, a primer whose region including the 5 ′ end is composed of RNA is used as a primer used when synthesizing these nucleic acids. Good. The region including the 3 'end of the primer needs to have a structure having resistance to RNAse H such as DNA. When the region including the 3 ′ end of the primer is composed of RNA, an RNA / DNA hybrid with a template is constructed at the stage of synthesizing nucleic acid (3) or nucleic acid (4), and nucleic acid (3) or nucleic acid ( This is because the synthesis of the 3 ′ end required in 4) is not performed.
When an RNA-DNA oligonucleotide is used in the present invention, a point involving an RNA digestion step is common to the above-mentioned ICAN method. However, in the present invention, since the RNA must be located at the 5 'end of the nucleic acid (3) or the nucleic acid (4), the principle is clearly different from the ICAN method.
Although both the nucleic acid (3) and the nucleic acid (4) have a double-stranded structure at the 3 'end, it has already been described that this region is eventually made single-stranded by a primer that anneals to the loop. The conditions under which the primer can be annealed without the step of positively making a single strand are also described above. Furthermore, by setting the 5 'end as RNA and digesting this RNA, the 3' end can be brought into a state capable of base pairing. Thus, the method for synthesizing a nucleic acid of the present invention is performed using a single-stranded nucleic acid having the regions (a) to (d).
In the present invention, each of the nucleic acids generated by the combination of the nucleic acid (3) and the nucleic acid (4) has an additional base sequence in addition to the target base sequence. The additional nucleotide sequence corresponds to the nucleotide sequence that the nucleic acid (3) and the nucleic acid (4) have from the loop to the 5 'end. Therefore, the nucleic acid generated from the combination of the nucleic acid (3) and the nucleic acid (4) has an additional base sequence on the 5 'side and 3' side of the target base sequence. In the combination of the nucleic acid (3) or the nucleic acid (4) with the nucleic acid (1) or the nucleic acid (2), a nucleic acid having an additional base sequence on either the 5 ′ side or the 3 ′ side of the target base sequence Generate Since the 3 'end or 5' end having the additional base sequence is a base sequence derived from the insert primer, it does not have a base sequence complementary to itself. Therefore, the nucleic acid itself is not in a state where the reaction of the LAMP method can be directly started. However, in this nucleic acid, the nucleotide sequence from the insert primer to the inner primer is preserved in a region including the 5 'end.
Therefore, a new nucleic acid (1) or a new nucleic acid (2) can be generated using this region as a template and based on the inner primer RIP or FIP. The generated nucleic acid (1) or nucleic acid (2) is displaced by complementary strand synthesis from another nucleic acid that anneals to the 5 'side of the inner primer, and is released from the template as a single-stranded nucleic acid. As described above, as shown in FIGS. 1 to 5, the nucleic acid (1), the nucleic acid (2), the nucleic acid (3), and the nucleic acid (4) are obtained by using an insert primer and an inner primer, more preferably an outer primer. Are continuously synthesized, and a nucleic acid containing the target base sequence is synthesized. Further, with these reactions, a structure that initiates a reaction based on the LAMP method is generated, and functions as a new template. These reactions constitute a nucleic acid amplification reaction because they synthesize a nucleic acid containing a target base sequence and the reaction product functions as a starting material for initiating a new reaction.
Here, the inner primer and the insert primer use a double-stranded nucleic acid as a template. The conditions under which a double-stranded template can be used as a template without going through a denaturation step are as described above.
The above is the reaction principle of the nucleic acid synthesis method according to the present invention. As is clear from the above description, after all, by incubating the primers required for the method for synthesizing nucleic acids according to the present invention together with the nucleic acid as a template containing the target base sequence under conditions under which complementary strand synthesis can be initiated, The reaction as described can be carried out. At this time, under desirable conditions, all reactions can be carried out under common conditions. That is, under desirable conditions, it is not necessary to perform a treatment such as heating for the purpose of denaturing the nucleic acid.
That is, the present invention relates to a method for synthesizing a nucleic acid containing a target base sequence, comprising a step of incubating the following elements.
(A) inner primer F; wherein the inner primer F anneals at its 3 ′ end to a region defining the 3 ′ side of one of the strands constituting the target base sequence, and the 5 ′ end of the inner primer F Has a base sequence complementary to any region of the complementary strand synthesis reaction product starting from this primer,
(B) Inner primer R; wherein the inner primer R anneals to a region defining the 3 ′ side of one of the strands constituting the target base sequence at the 3 ′ end, and the 5 ′ end of the inner primer R Has a base sequence complementary to any region of the complementary strand synthesis reaction product starting from this primer,
(C) an insert primer F; wherein the insert primer F has a base sequence complementary to an arbitrary region of one of the strands constituting the target base sequence at its 3 'end.
(D) an insert primer R; wherein the insert primer R has a base sequence complementary to an arbitrary region of the other strand constituting the target base sequence at the 3 ′ end, and the insert primer F and the insert primer A synthetic product starting from each primer of R has a base sequence complementary to each other in a region including the 5 ′ end of each of them.
(E) a template nucleic acid containing a target base sequence,
(F) a nucleotide substrate, and
(G) a DNA polymerase that catalyzes a complementary strand synthesis reaction involving strand displacement
In the method for synthesizing a nucleic acid according to the present invention, the following components can be further added to the reaction solution.
(H) outer primer F; wherein the outer primer F serves as a starting point of a complementary strand synthesis reaction starting from the 3 'side of the region of the template to which the inner primer F is to be annealed, and
(I) Outer primer R; Here, the outer primer R is a starting point of a complementary strand synthesis reaction starting from the 3 'side of the region of the template to which the inner primer R is to be annealed.
In the method for synthesizing a nucleic acid according to the present invention, the following components can be further added to the reaction solution.
(J) Loop primer F; the region containing the 3 'end of the loop primer F is the region containing the 5' end of the inner primer F, wherein the region containing the 5 'end of the inner primer F is any of the complementary strand synthesis reaction products starting from the inner primer F Annealing to any region in the loop formed by hybridizing to the region; and
(K) loop primer R; the region containing the 3 ′ end of the loop primer R is a region containing the 5 ′ end of the inner primer R is any region of the complementary strand synthesis reaction product starting from the inner primer R Anneal any region in the loop formed by hybridizing to the region
In the nucleic acid synthesis method of the present invention, nucleic acids having loops composed of various base sequences are continuously produced. Among these, the loop in which the inner primer anneals becomes an important loop for starting complementary strand synthesis starting from the inner primer. On the other hand, the inner primer does not anneal to the loop formed by hybridization of the region including the 5 'end of the inner primer to any region of the complementary strand synthesis reaction product starting from the inner primer. The present inventors have found that a primer that anneals to this loop to provide a starting point for complementary strand synthesis improves the reaction rate (WO 02/24902). In the present invention, a primer that provides a starting point for complementary strand synthesis in a loop where the inner primer does not anneal is referred to as a loop primer.
As the loop primer in the present invention, at least two types of loop primers, a loop primer F for the inner primer F and a loop primer R for the inner primer R, can be designed. In the present invention, at least one kind of loop primer designed in this way is used. Preferred loop primers are two types of loop primers, loop primer F and loop primer R. Alternatively, three or more types of loop primers may be used in combination with loop primers that can anneal to different regions in the same loop. If the loop primer is applied to the method for synthesizing a nucleic acid of the present invention, an improvement in the reaction rate can be expected.
In the method of the present invention for synthesizing a nucleic acid containing a target base sequence, the insert primer F is, for example, 0.1 to 100 times, preferably 0.1 to 50 times, more preferably 0.2 to 100 times the inner primer F. Use up to 5 times the concentration. The concentration ratio between the insert primer R and the inner primer R can be similarly set. Furthermore, for one type of template, the insert primer F and the insert primer R, or the inner primer F and the inner primer R are usually used at almost the same concentration. When there are a plurality of nucleic acids to be used as templates and the amounts of the respective templates are different, an efficient synthesis reaction may be expected by increasing the concentration of the primer that anneals to the smaller template.
In addition, appropriate amounts of primers and enzymes are set according to conditions such as expected template concentration, reaction time, reaction temperature, activity of the enzyme used in the reaction, and the like so that an efficient reaction is performed. be able to. More specifically, for example, when the concentration of the primer is usually 100 to 4000 nM, preferably 250 to 3000 nM, and more preferably 500 to 3000 nM, a confirmable level of the amplification Things can happen.
A first purpose of the outer primer is to displace a strand synthesized from the inner primer by a complementary strand synthesis reaction from the 3 'side. Therefore, it is desirable that the complementary strand synthesis reaction starting from the inner primer be initiated preferentially over that of the outer primer. Therefore, the outer primer is usually designed so that the Tm of the outer primer is lower than the Tm of the inner primer. Here, the Tm of the inner primer refers to the Tm of the region including the 3 'end, which is the starting point of complementary strand synthesis, with respect to the template nucleic acid.
Furthermore, by using the outer primer at a lower concentration than the inner primer, the complementary strand synthesis of the inner primer can be preferentially performed. The usage concentration of the outer primer can be, for example, 以下 or less, preferably 1/10 or less, or 1/100 or less with respect to the inner primer.
When a loop primer is used in the present invention, it is preferable that the concentration of the loop primer used is, for example, 1/10 to equal to the concentration of the inner primer. More specifically, it can be set to 1/3 to 1/2. The amount of the loop primer F and the amount of the loop primer R are usually equal.
In the present invention, the use of the outer primer is not an essential condition. This is because even if the inner primer is not released from the template nucleic acid by substitution, the extension reaction product can function as a new template. As described above, even if the step of making a single strand is omitted, the complementary strand synthesis reaction based on the primer may be started at a certain probability. Since this phenomenon can be expected in the extension product from the inner primer, there is a possibility that a complementary strand synthesis reaction starting from the insert primer or the other inner primer can be started without using the outer primer.
However, an extension product generated from the inner primer as a starting point depending on the template nucleic acid is a product constituting the first step of the nucleic acid synthesis method of the present invention. Therefore, its production rate greatly affects the efficiency of the synthesis method of the present invention. Therefore, the use of an outer primer in order for the extension product to efficiently function as a template is one of the desirable conditions in the method for synthesizing a nucleic acid of the present invention.
Similarly, a loop primer is not required in the present invention. However, the use of loop primers can be expected to improve the reaction rate. Therefore, the use of a loop primer is one of the desirable conditions in the nucleic acid synthesis method of the present invention.
Various primers used in the present invention can be chemically synthesized. Alternatively, it is also possible to cleave a natural nucleic acid with a restriction enzyme or the like, and modify or ligate the nucleic acid to have the above-described nucleotide sequence.
Furthermore, the insert primer and the inner primer in the present invention can be labeled with a known labeling substance. Examples of the labeling substance include binding ligands such as digoxin and biotin, enzymes, fluorescent substances and luminescent substances, and radioisotopes. Alternatively, a technique of replacing a base constituting the inner primer with a fluorescent analog (WO95 / 05391, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 91, 6644-6648, 1994) is also known.
In addition, the insert primer and the inner primer of the present invention may be themselves bound to a solid phase in a manner that does not hinder the function as a template. Alternatively, any part of these primers may be labeled with a binding ligand such as biotin, and then immobilized indirectly with a binding partner such as immobilized avidin. When the solid-phased primer is used as the synthesis starting point, the synthesis reaction product of the nucleic acid is captured on the solid phase, which facilitates separation. Detection can also be performed by hybridizing a nucleic acid-specific indicator or a labeled probe to the separated product. Alternatively, a fragment of the target nucleic acid can be recovered by digestion with an optional restriction enzyme.
In addition, in the method for synthesizing a nucleic acid according to the present invention, the reaction solution can be composed of the above-described components and a buffer that maintains appropriate reaction conditions. Further, a protective agent for the enzyme, a regulator for Tm, and the like can be added to the reaction solution.
Each element used in the reaction will be described more specifically.
A series of reactions include a buffer for giving a pH suitable for the enzyme reaction, salts necessary for maintaining and annealing the catalytic activity of the enzyme, a protective agent for the enzyme, and, if necessary, a regulator for the melting temperature (Tm). And so on. As the buffering agent, one having a neutral to weakly alkaline buffering action such as Tris-HCl is used. The pH is adjusted according to the DNA polymerase used. Salts include KCl, NaCl, MgCl2, MgSO4Or (NH4)2SO4Etc. are appropriately added for maintaining the activity of the enzyme and adjusting the melting temperature (Tm) of the nucleic acid. Bovine serum albumin and saccharides are used as enzyme protecting agents.
Furthermore, betaine, proline, formamide, dimethyl sulfoxide (hereinafter abbreviated as DMSO), or trimethylamine N-oxide (hereinafter abbreviated as TMANO) is generally used as a regulator for the melting temperature (Tm). By utilizing a melting temperature (Tm) modifier, the annealing of the oligonucleotide can be adjusted under limited temperature conditions. Further, betaine (N, N, N, -trimethylglycine) or a tetraalkylammonium salt is also effective in improving the strand displacement efficiency by its isostabilizing action. Betaine can be expected to promote the nucleic acid amplification reaction of the present invention by adding 0.2 to 3.0 M, preferably 0.5 to 1.5 M, of the reaction solution. Since these melting temperature regulators act in the direction of lowering the melting temperature, conditions that give appropriate stringency and reactivity are set in consideration of other reaction conditions such as salt concentration and reaction temperature.
By using a Tm adjuster, a temperature condition suitable for an enzyme reaction can be easily set. In addition, the coexistence of a Tm modifier in the reaction solution allows the complementary strand synthesis reaction using the double strand as a template to proceed rapidly. Tm varies depending on the base sequence and its length. Therefore, it is desirable to adjust the amount of the Tm modifier used so that the conditions that can maintain the enzyme activity and the incubation conditions that satisfy the conditions of the present invention match. Based on the disclosure of the present invention, a person skilled in the art can usually set an appropriate amount of the Tm adjusting agent according to the base sequence of the primer. For example, Tm can be calculated based on the length of the base sequence to be annealed, its GC content, salt concentration, and concentration of the Tm regulator.
Under such conditions, annealing of the primer to the double-stranded nucleic acid is probably presumed to be unstable. However, by incubating with a polymerase that catalyzes a complementary strand synthesis reaction involving strand displacement, the complementary strand is synthesized with the primer being a synthesis starting point while being unstable. As the complementary strand synthesis proceeds, the hybridization between the synthesized complementary strand and the template nucleic acid is gradually stabilized. A DNA polymerase as shown below can catalyze the synthesis of a complementary strand using a primer as a starting point for synthesis of a double-stranded template nucleic acid.
Supporting the nucleic acid synthesis method of the present invention is a DNA polymerase that catalyzes a complementary strand synthesis reaction involving strand displacement. The following are known as this kind of DNA polymerase. In addition, various mutants of these enzymes can be used in the present invention as long as they have a sequence-dependent complementary strand synthesis activity and a strand displacement activity. As used herein, the term "mutant" refers to a product obtained by extracting only a structure that provides the catalytic activity required by an enzyme, or a product obtained by altering the catalytic activity, stability, or heat resistance by amino acid mutation or the like.
These DNA polymerases are used in amounts that can achieve the required reaction under the reaction conditions. For example, in the case of Bst DNA polymerase, a sufficient amount of a synthetic product can be produced in a short time by using, for example, 2 to 20 U, usually 5 to 10 U per 25 μL of a reaction solution.
Bst DNA polymerase
Bca (exo-) DNA polymerase
Klenow fragment of DNA polymerase I
Vent DNA polymerase
Vent (Exo-) DNA polymerase (Vent DNA polymerase excluding exonuclease activity)
DeepVent DNA polymerase
DeepVent (Exo-) DNA polymerase (DeepVent DNA polymerase excluding exonuclease activity)
Φ29 phage DNA polymerase
MS-2 phage DNA polymerase
Z-Taq DNA polymerase (Takara Shuzo)
KOD DNA polymerase (Toyobo)
Among these enzymes, Bst DNA polymerase and Bca (exo-) DNA polymerase are particularly desirable enzymes because they have some heat resistance and high catalytic activity. In the present invention, a step of using a primer as a synthesis starting point and a complementary strand synthesis reaction are performed under the same conditions for a double-stranded nucleic acid as the case may be. Since such reactions often require some degree of heating, it is one of the desirable conditions that the enzyme be thermostable. By using a thermostable enzyme, it is possible to cope with a wide range of reaction conditions.
For example, Vent (Exo-) DNA polymerase is an enzyme having high heat resistance together with strand displacement activity. Incidentally, it is known that the complementary strand synthesis reaction involving strand displacement by DNA polymerase is promoted by addition of a single-strand binding protein (Paul M. Lizardi et al, Nature Genetics 19, 225). -232, July, 1998). Applying this effect to the present invention, the effect of promoting the complementary strand synthesis can be expected by adding a single-stranded binding protein. For Vent (Exo-) DNA polymerase, T4 gene 32 is effective as a single-stranded binding protein.
It is known that DNA polymerases having no 3'-5 'exonuclease activity have a phenomenon in which complementary strand synthesis does not stop at the 5' end of the template but proceeds to a state where one base is protruded. I have. In the present invention, such a phenomenon is undesirable because the sequence at the 3 'end when the complementary strand synthesis reaches the end leads to the start of the next complementary strand synthesis. However, addition of a base to the 3 'end by a DNA polymerase results in A with a high probability. Therefore, the sequence may be selected so that synthesis from the 3 'end starts at A so that there is no problem even if dATP is added by one base by mistake. In addition, even if the 3 'end protrudes during the synthesis of the complementary strand, the 3'-> 5 'exonuclease activity can be utilized by digesting the 3'-end and converting it to blunt end. For example, since natural Vent DNA polymerase has this activity, this problem can be avoided by mixing and using Vent (Exo-) DNA polymerase.
In contrast to these DNA polymerases, DNA polymerases such as Taq polymerase generally used in PCR and the like have substantially no strand displacement effect under ordinary conditions. However, this type of DNA polymerase can be used in the present invention if it can provide conditions that allow strand displacement.
The nucleic acid synthesis method of the present invention uses a nucleic acid as a template. The type of nucleic acid used as a template is not limited. Therefore, a double-stranded, single-stranded or triple-stranded DNA-RNA hybrid, or a DNA or RNA derivative containing an artificial nucleotide derivative can be used as a template.
The nucleic acid of the present invention may be purified or unpurified. In addition, the method of the present invention can be applied in a state where the method is present in a cell (in situ). By using a double-stranded nucleic acid in a cell as a template, in situ analysis of the genome becomes possible. Alternatively, mRNA (single-stranded nucleic acid) in the cell can be used as a template.
When cDNA is used as a template in the present invention, the step of synthesizing the cDNA and the method of synthesizing a nucleic acid according to the present invention can be performed under the same conditions. When the first strand of cDNA is synthesized using RNA as a template, a double-stranded nucleic acid based on a DNA-RNA hybrid is completed. Using this double-stranded nucleic acid as a template in the present invention, a nucleic acid synthesis method can be performed. If the DNA polymerase used in the nucleic acid synthesis method of the present invention has reverse transcriptase activity, nucleic acid synthesis can be performed using a single enzyme under the same conditions. For example, Bca DNA polymerase is a DNA polymerase that has strand displacement activity and also has reverse transcriptase activity. Needless to say, the method for synthesizing a nucleic acid according to the present invention can be applied after synthesizing the second strand to obtain a complete double-stranded cDNA.
In the present invention, when a double-stranded nucleic acid is used as a template, an insert primer is added by adding an arbitrary primer and incubating under conditions that can achieve a complementary strand synthesis reaction starting from this primer. Alternatively, the region to which the inner primer is to be annealed can be brought into a state where base pairing is possible.
The term “arbitrary primer” refers to a state in which a region to be annealed by various primers is capable of base pairing. Therefore, any primer must be capable of initiating complementary strand synthesis using the complementary strand as a template with respect to the nucleic acid strand of the double-stranded nucleic acid to be annealed with the insert primer or inner primer. Furthermore, the complementary strand synthesis starting from an arbitrary primer in the present invention should be in a positional relationship such that the insert primer or the inner primer proceeds toward the region to be annealed.
In other words, it can be designed to provide a synthesis starting point in an arbitrary region of a region functioning as a template in a complementary strand synthesis reaction starting from an inner primer or an insert primer. Any primer can be composed of a base sequence complementary to any region as long as this condition is satisfied. For example, one of a set of an inner primer and an insert primer can be used as an arbitrary primer. Such an embodiment is one of the desirable embodiments in the present invention because it reduces the components required for the reaction.
In particular, when an insert primer and an inner primer are used for different template nucleic acids, only one set of the inner primer and the insert primer is provided for one template. In such a case, a quick reaction can be expected by adding an arbitrary primer in addition to these primers and setting a region where these primers are to be annealed to a state where base pairing is possible.
The conditions under which a complementary strand synthesis reaction using a double-stranded nucleic acid as a template with an arbitrary primer can be achieved can be referred to as conditions under which the next plurality of steps can actually proceed under the same conditions. .
i) An arbitrary primer provides a starting point for the synthesis of a double-stranded template nucleic acid
ii) The complementary strand synthesis reaction proceeds using the above-mentioned synthesis origin.
It was thought that a primer could not provide a synthetic origin unless at least the region to be annealed was single-stranded. Therefore, conventionally, in the case where a double-stranded nucleic acid is used as a template, a step of denaturing the single-stranded nucleic acid prior to annealing of the primer has always been performed. However, the starting point of the synthesis can be given by incubating with the primer under the condition that the double strand is destabilized by some means, even if it is not necessarily a single strand. As a condition for destabilizing the double strand, for example, a method of heating to near the melting temperature (Tm) can be shown. Alternatively, it is also effective to further include a Tm regulator.
A phenomenon in which a complementary strand is synthesized by incubating a primer under the condition that a double-stranded nucleic acid is destabilized has already been reported (Japanese Patent Application Laid-Open No. 11-509406; WO97 / 00330). However, under the reported conditions, only very small amounts of synthetic products can be expected in practice. Although it is possible in principle to perform complementary strand synthesis using primers as a starting point for destabilization of double-stranded nucleic acid, the more efficient the reaction, the more the reaction using single-stranded nucleic acid as a template. I can't expect it. In a combination with a complementary strand synthesis reaction requiring a temperature change, such as the PCR method, the efficiency of the complementary strand synthesis reaction utilizing the instability of the double strand affects all the complementary strand synthesis reactions. It is difficult to achieve efficient reaction efficiency. This has caused insufficient amplification efficiency in known methods.
On the other hand, in the present invention, a complementary strand synthesis reaction based on destabilization of a double-stranded nucleic acid was applied to supply a region to be annealed by a primer for a nucleic acid synthesis reaction which originally proceeds at an isothermal temperature. It is based on the novel finding that the low efficiency of complementary strand synthesis based on strand destabilization can be compensated.
In the nucleic acid synthesis method or amplification method of the present invention, any nucleic acid can be used as the template nucleic acid. First, the template nucleic acid can be single-stranded, double-stranded, or triple-stranded. Even if it is not single-stranded, it can be used as a template nucleic acid without a denaturation step if appropriate conditions are given, as described above. The nucleic acid used as a template may be DNA or RNA. When RNA is used as a template, an enzyme that catalyzes a template-dependent complementary strand synthesis reaction using RNA as a template can be used. DNA polymerases having reverse transcriptase activity using RNA as a template and catalyzing a complementary strand synthesis reaction involving strand displacement are known. For example, Bca DNA polymerase is a DNA polymerase that has strand displacement activity and also has reverse transcriptase activity. Needless to say, the method for synthesizing a nucleic acid according to the present invention can be applied after synthesizing the second strand to obtain a complete double-stranded cDNA. In the present invention, the origin of the nucleic acid is not limited. Usually, nucleic acids are derived from biological materials, but artificially synthesized nucleic acids can be used as templates.
The method for synthesizing a nucleic acid or the method for amplifying a nucleic acid according to the present invention is useful for synthesizing DNA to be immobilized on a DNA chip. Hereinafter, a process for preparing a DNA chip using the present invention will be exemplified.
First, the primer of the present invention is designed based on the base sequence of the nucleic acid to be immobilized on the DNA chip. One of ordinary skill in the art can usually design primers necessary for amplification of a desired nucleic acid based on the disclosure of the present invention. By incubating the designed primer with components necessary for the amplification reaction of the nucleic acid of the present invention under appropriate conditions, the reaction solution has a structure unique to the LAMP method in which the target base sequence is linked. A large amount of nucleic acid is produced. The obtained product is fixed on a substrate by a known method as it is or after an appropriate treatment. A glass slide, a nylon membrane, or the like is used for the substrate. Methods for immobilizing nucleic acids on a substrate are known.
When synthesizing a nucleic acid to be immobilized on a DNA chip according to the present invention, any nucleic acid can be used as a template. More specifically, cDNA clones and the like derived from various cells are used as templates. Alternatively, an arbitrary region can be amplified by the present invention using the genome as a template and immobilized on a DNA chip.
For example, a structural feature of a LAMP product is that it has an inverted repeat structure. That is, it has a structure in which complementary base sequences are alternately linked. In a nucleic acid having such a structure, it is expected that intramolecular annealing occurs between regions having complementary base sequences, which affects hybridization efficiency. However, the problem caused by intramolecular annealing can be easily solved by a simple treatment. The LAMP product can be fragmented by treatment with a restriction enzyme using, for example, a restriction enzyme site introduced at a specific position. Once fragmented, nucleic acids no longer undergo intramolecular annealing.
Generally, it is considered that the longer the length of the immobilized DNA, the better the reactivity with the probe. Until now, the nucleic acid synthesized by the LAMP method has a length of about 20-100 bp between the inner primers. With such a length, it is difficult to increase the reactivity with the probe. ADVANTAGE OF THE INVENTION According to this invention, comparatively long DNA which has not been tried before can be amplified based on LAMP method. As a result, a DNA chip prepared using the synthetic product of the present invention can detect signals more efficiently than a chip using a nucleic acid synthesized by a known LAMP method.
As a method of analyzing a gene using a DNA chip, for example, the following method is generally used. First, labeled cDNA prepared from mRNA samples derived from two different cells is hybridized to the microarray. Next, the signal of the probe hybridized to the nucleic acid immobilized on the DNA chip is measured. If the signal is measured for each nucleic acid and the signal intensity is analyzed, the relative expression level of each mRNA is compared. At this time, if the hybridization efficiency varies among the nucleic acids immobilized on the chip, this may cause a loss of the reliability of the analysis result. Therefore, it is significant to immobilize longer nucleic acids and provide sufficient reactivity.
Furthermore, based on the present invention, a polynucleotide comprising a target nucleotide sequence obtained by linking nucleotide sequences derived from two different genes can be synthesized and used as a probe in a DNA chip. Generally, in a DNA chip, a probe must be prepared for each gene. On the other hand, if polynucleotides synthesized by the present invention and having linked nucleotide sequences derived from different genes are used, one polynucleotide functions as a probe for two genes. Furthermore, there is no need to calibrate (normalize) the signal since the amount of probe for each gene is equal.
The nucleic acid synthesis method of the present invention can be applied to gene cloning. Cloning of a gene based on the PCR method is performed by digesting the reaction product of the PCR method with a restriction enzyme and inserting the resulting product into a cloning vector. Similarly, in the present invention, a fragment for integration into a cloning vector can be obtained by digesting the LAMP product with an appropriate restriction enzyme.
The LAMP product can be used not only for synthesizing a nucleic acid to be immobilized on a DNA chip, but also for preparing a labeled probe. That is, a labeled probe can be prepared by primer extension using the LAMP product as a template. Since a large amount of DNA is generated by the LAMP method, a large amount of labeled probe can be easily prepared. The labeled probe thus prepared is useful as a probe for a hybridization assay or analysis using a DNA chip.
Further, the nucleic acid amplification method of the present invention can be used for obtaining a gene for expression. From the nucleotide sequence information of the human genome draft, the average of the amino acids constituting the protein was predicted to be 352 amino acids. This corresponds to 1056 bp of DNA. In the method of the present invention, DNA of at least about 500 bp can be amplified. In other words, about half the area of the average human protein can be covered. Functional analysis of proteins is positioned as an important research theme in the post-genome generation. For that purpose, it is necessary to express the protein. It is believed that the present invention can contribute to the amplification of the translation region of a gene.
Furthermore, nucleic acids can be detected or quantified using the product of the nucleic acid amplification method of the present invention as an index. That is, when a large amount of product is generated when a primer designed for the purpose of amplifying a specific base sequence is used, it is understood that the base sequence is present in the sample. Furthermore, the abundance of the nucleic acid containing the target base sequence in the sample can be compared using the signal intensity or the reaction time required to reach a certain signal intensity as an index.
Methods for measuring a synthesized nucleic acid are known. Since the nucleic acid synthesized by the LAMP method is composed of a complementary base sequence even though it is a single strand, most of the nucleic acid forms a base pair bond. By utilizing this feature, it is possible to detect a synthetic product. If the method for synthesizing a nucleic acid according to the present invention is performed in the presence of a fluorescent dye that is a double-strand-specific intercalator such as ethidium bromide, SYBR Green I, or Pico Green, the fluorescence intensity increases with an increase in the product. Is observed.
By monitoring this, it is possible to track the synthesis reaction in a closed system in real time. Although this type of detection system is also considered to be applied to the PCR method, it is said that there are many problems since it is indistinguishable from the generation of a signal by a primer dimer or the like. However, when applied to the present invention, the possibility of increasing non-specific base pairing is very low, so high sensitivity and low noise can be expected at the same time. As with the double-strand-specific intercalator, fluorescence energy transfer can be used as a method for realizing a homogeneous detection system.
In addition, mutations can be detected based on the nucleic acid amplification method of the present invention. If the template nucleic acid is not the expected base sequence, the method for synthesizing the nucleic acid of the present invention, or constituting the amplification method, if any complementary strand synthesis reaction is inhibited, the reaction product Mutation can be detected using the amount or the presence or absence as an index. The method for detecting a mutation according to the present invention will be specifically described below.
The method for synthesizing or amplifying a nucleic acid of the present invention comprises a plurality of complementary strand synthesis reactions. Of these, the complementary strand synthesis reaction starting from the 3 ′ end of the insert primer or the complementary strand synthesis reaction starting from the 3 ′ end of the complementary strand synthesized using the insert primer as a template is a reaction unique to the present invention. is there. In the method for detecting a mutation according to the present invention, at least one of the two types of complementary strand synthesis reactions relating to these insert primers is regulated by the base sequence of the template nucleic acid.
In the present invention, when designing the 5 ′ end of the insert primer so as to correspond to the region where mutation is to be detected, it is important that the base sequence at the 5 ′ end of the two insert primers is not a complementary base sequence. desirable. Specifically, among the specific examples of the insert primer described above, the insert primer described as [
On the other hand, when the 5 ′ end of the insert primer is composed of a complementary base sequence, the nucleic acid synthesized using the insert primer as a template is not compatible with the base sequence derived from the base sequence of the insert primer. Annealing will be performed. If the base sequence derived from the target base sequence is not annealed, the base sequence cannot be checked.
A template-dependent complementary strand synthesis reaction is greatly affected by a combination of base sequences near the 3 'end, which is a synthesis starting point. Therefore, the insert primer may be designed such that the 3'-end and / or the vicinity of the 5'-end of the insert primer correspond to the region where mutation is to be detected. More specifically, if the mutation to be detected is designed to be located in a region of 5 bases, more preferably 2 to 4 bases from the 3 ′ end, the complementary strand synthesis reaction is regulated by a change in the base sequence in the template nucleic acid. can do. It is needless to say that the base sequence can be designed under the same conditions even when regulating the synthesis of the complementary strand at the 3 'end of the complementary strand synthesized using the insert primer as a template.
When detecting a mutation in the base sequence of the template nucleic acid according to the present invention, the complementary strand synthesis reaction starting from the 3 ′ end of the inner primer or the 3 ′ end of the complementary strand synthesized using the inner primer as a template is performed by the template It can also be regulated by nucleic acid mutation. For this purpose, as described above, the base sequence of each primer is designed so that the vicinity of the 3 'end, which is the starting point of complementary strand synthesis, corresponds to the mutation to be detected. In particular, since the 3 'end of the complementary strand synthesized using the inner primer as a template becomes a starting point for complementary strand synthesis by repeatedly annealing to a region consisting of a base sequence derived from the template, a mutation checking mechanism is provided. Can be stricter. If mutations are detected using the inner primers in accordance with the insert primers, mutations at a plurality of locations can be analyzed simultaneously with one set of primers. In the present invention, the interval between the insert primer and the inner primer can be freely set, so that there is no problem even if the mutation to be detected exists at a distance.
When a plurality of mutations are analyzed simultaneously using the mutation detection method of the present invention, various analysis methods can be used according to the type of mutation to be detected. For example, the analysis method according to the present invention will be described by taking as an example a case where two SNPs A and B are linked to a specific trait. When a specific trait is expressed when A and B are a combination of specific bases, primers are designed so that a complementary strand synthesis reaction is formed only for that combination. The generation of the reaction product means that the bases A and B in the nucleic acid contained in the sample are both bases to be detected.
Alternatively, by using 4 × 4 = 16 combinations of primers, any combination of bases can be detected for two SNPs. When all combinations are to be detected, it is not always necessary to experimentally confirm all 16 combinations. For example, when determining the base of B when A is the base a, if primers for a, t, and c are designed for B and three experiments are performed, when no reaction product is observed, Can be inferred that B is not any of atc, that is, g. Therefore, the base of this nucleic acid can be determined to be Aa / Bg. That is, all combinations of two bases can be determined by 12 combinations.
As described above, a feature of the present invention is that mutations at a plurality of positions can be simultaneously confirmed. Moreover, the method for detecting a mutation according to the present invention is excellent in specificity. In the PCR method, the primer anneals to a nucleic acid copied using the primer as a template, and a complementary strand synthesis reaction is performed. Therefore, it is difficult to detect a single base mutation. However, in the present invention, the complementary strand synthesis reaction is controlled by the region that anneals to the base sequence derived from the template. That is, the mutation can be detected more specifically.
Various reagents necessary for the nucleic acid synthesis method or amplification method according to the present invention can be packaged in advance and supplied as a kit. Specifically, for the present invention, various oligonucleotides required as insert primers, inner primers, outer primers, or loop primers, dNTPs serving as substrates for complementary strand synthesis, and complementary strand synthesis are performed with strand displacement. There is provided a kit comprising a DNA polymerase, a buffer for providing suitable conditions for an enzymatic reaction, and, if necessary, reagents necessary for separation and cleavage of a synthesis reaction product. For example, when the kit of the present invention is for detecting nucleic acids, a detecting agent for detecting nucleic acids synthesized by the synthesis method of the present invention can be combined. Alternatively, in a kit for obtaining DNA encoding a fusion protein according to the present invention, DNA encoding a fusion partner can be combined with the kit.
In particular, in a desirable embodiment of the present invention, since the addition of reagents during the reaction is not necessary, the reagent necessary for one reaction is supplied in a dispensed state to the reaction vessel, so that the reaction can be performed only by adding the sample. Can be started. If the system is such that the necessary DNA can be prepared in the reaction vessel, the opening of the vessel after the reaction can be completely eliminated. This is very desirable in preventing contamination.
All prior art documents cited in this specification are incorporated herein by reference.
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Example 1
<Design of insert primer>
In a nucleic acid amplification reaction based on the LAMP method, addition of an additional primer to the reaction system was examined. The place where the primer is designed is a region sandwiched between the inner primers. The direction of the primer was the same as that of F1 or R1, and the primers were designed so that the 5 'portions of the primers overlap. R1 or F1 is a region including the 3 'end that anneals to itself in a complementary strand synthesis reaction using itself as a template in the LAMP method. This additional primer was designated as insert primer. FIG. 6 shows the positional relationship between each primer and the target base sequence.
<Reaction using insert primer>
Using the 387 bp DNA fragment inserted into the pBSTspRI vector as a template, a nucleic acid synthesis reaction according to the present invention was performed under the following reaction conditions. The nucleotide sequence of the nucleic acid used as the template is shown in SEQ ID NO: 1 (the nucleotide sequence of the human interleukin 8 gene). The nucleotide sequence of SEQ ID NO: 1 includes a region recognized by each primer. For this template nucleic acid, various primers having the base sequences described below were synthesized and used.
Reaction solution composition (in 25 μL)
20 mM Tris-HCl pH 8.8
10 mM KCl
10 mM (NH4)2SO4
4 mM MgSO4
1M Betaine
0.1% Triton X-100
0.4 mM dNTPs
8U Bst DNA polymerase (NEW ENGLAND BioLabs)
Primer:
1600 nM inner primer F / Inner F
1600 nM inner primer R / Inner R
400 nM outer primer F / Outer F
400 nM outer primer R / Outer R
A nucleic acid used as a template was prepared without heat denaturation, and the reaction solution was incubated at 65 ° C. overnight. At this time, insert primers (insert primer F / Insert F and insert primer R / Insert R) were added simultaneously to a final concentration of 10, 20, 30, 40, 50 pmol / 25 μL. Under these conditions, the addition amount of the insert primer is 0.25 to 1.25 times that of the inner primer (1600 nM = 40 pmol / 25 μL). 5 μL of loading buffer was added to 5 μL of the reaction solution, and electrophoresis was performed at 100 V for 0.5 hour using a 2% agarose gel (0.5% TBE). A 100 bp DNA ladder (NEW ENGLAND BioLabs) was used as a molecular size marker. The gel after electrophoresis was stained with ethidium bromide (abbreviated as EtBr) to confirm the nucleic acid. The results are as shown in FIG. Each lane corresponds to the next sample.
Lane 1: 100 bp DNA ladder
Lane 2: insert
Lane 3: Addition of 20 pmol / 25 μL of insert primer
Lane 4: Insert primer 30 pmol / 25 μL added
Lane 5: insert primer 40 pmol / 25 μL added
Lane 6: Add 50 pmol / 25 μL of insert primer
As a result, a clear band having the expected size was confirmed as the concentration of the insert primer increased. This indicates that the expected reaction is progressing with the insert primer. On the other hand, when no insert primer was added, a smear band was observed, suggesting that non-specific amplification may have occurred.
<BamHI digestion of reaction product>
The reaction product was digested with BamHI to confirm that it had the desired structure. If digestion with the restriction enzyme yields the theoretical fragment, while the high-sized smeared pattern and unmigrated bands observed in FIG. 7 disappear, all of these will be present on the single strand synthesized according to the present invention. It can be confirmed that the nucleic acid is a nucleic acid in which a nucleotide sequence complementary to is linked. Here, a reaction product using a 40 pmol / 25 μL insert primer was used.
25 μL of the reaction solution was purified using a QIAquick PCR purification kit (QIAGEN) and eluted with 50 μL of Tris / HCl pH 8.0. Of these, 1 μL was digested with BamHI at 37 ° C. for 1 hour. The digest was run on a 2% agarose gel at 100 V for 30 minutes. After electrophoresis, the gel was stained with Etbr to detect nucleic acids. As the molecular weight marker, a 100 bp DNA ladder (NEW ENGLAND BioLabs) was used. The results are as shown in FIG. Each lane corresponds to the next sample.
Lane 1: 100 bp DNA ladder
Lane 2:-: BamHI digest of the product (when no insert primer is used)
Lane 3: +: BamHI digest of product (when insert primer was used)
In the case where the insert primer was not added, the target band could not be confirmed, whereas in the case where the insert primer was added, the band was detected at around 400 bp. The region between the inner primers is 396 bp.
From the above results, it was confirmed that a relatively long target base sequence can be easily and specifically amplified using the insert primer.
Example 2:
<LAMP reaction using insert primer>
Using the lambda DNA fragment (528 bp Sau3AI fragment; SEQ ID NO: 15) inserted into the pBSTspRI vector as a template, a LAMP reaction was performed under the following reaction conditions. FIG. 11 shows the positions of the primers and the restriction enzyme cleavage sites. At this time, an insert primer (InsF and InsR, or InsF2 and InsR2) consisting of the base sequence described below was added simultaneously to a final concentration of 400 nM. The concentrations of the inner primer and the outer primer are as follows. The base sequences of the inner primer and the outer primer are the same as in Example 1. Inner primer F and inner primer R = 800 nM, outer primer F and outer primer R = 200 nM. After amplification, it was subjected to 2% agarose gel electrophoresis and stained with EtBr. As a result, a band was confirmed at an expected position (FIG. 12).
<BssHII digestion of LAMP product>
BssHII digestion was performed to confirm that the LAMP product had the desired structure. 25 μl of the reaction solution containing the reaction product was purified using the QIAquick PCR purification kit, and eluted with 50 μl of Tris / HCl pH 8.0. 1 μl of these was digested with BssHII at 37 ° C. for 1 hour. If the amplification product forming the ladder of FIG. 12 is digested with BssHII, a portion corresponding to the sequence sandwiched by BssHII in FIG. 11 should be generated as a main band of about 600 bp.
The digest was electrophoresed on a 2% agarose gel at 100 V for 30 minutes. After electrophoresis, the gel was stained with EtBr to detect nucleic acids. As a marker, a 100 bp DNA ladder (NEW ENGLAND BioLabs) was used. As a result, a band was confirmed at an expected position (FIG. 13). This time, the region sandwiched by the inner primers is 536 bp. As described above, even when another template was used, a relatively long template could be easily amplified by using the insert primer. In this example, two types of insert primers (InsF / R and InsF2 / R2) were designed, and it was possible to amplify any of the primers.
Example 3
<Primer design>
Based on the method of the present invention, it was confirmed that a deletion mutant of any part of the template nucleic acid can be synthesized, and that a target base sequence having a base sequence mutation introduced at the center can be synthesized. Oligonucleotides having the following nucleotide sequences were used as the inner primer, insert primer, and outer primer for the template (λDNA, SEQ ID NO: 8).
On the 5 'side of the insert primer, a sense or antisense of an arbitrary sequence CATCAAATAT was added as a linker sequence. The insert primer F / Insert F and the insert primer R / Insert R each anneal to distant regions of λDNA. As a result, as shown in FIG. 9, the portion indicated by [deletion] located in the middle portion was deleted (deletion), and the two regions sandwiched by the arrows were linked via the linker sequence CATCAAATAT. Should be synthesized. At this time, when the base sequence of the template is compared with the target base sequence, the number of bases between F1 / R1 in FIG. 9 is 525 bp (upper in FIG. 9) in the template, but the target base sequence of 46 bp (FIG. Below).
As the target DNA, λDNA not heat-denatured was prepared, a primer having the following concentration was added to a reaction solution having the same composition as in Example 1, and reacted at 65 ° C. for 4 hours.
Primer:
800 nM inner primer F / Inner F
800 nM inner primer R / Inner R
800 nM insert primer F / Insert F
800 nM insert primer R / Insert R
200 nM outer primer F / Outer F
200 nM outer primer R / Outer R
<LAMP reaction using insert primer for mutation introduction>
λ DNA (1 × 106The synthesis reaction of the nucleic acid of the present invention was carried out under the above-mentioned conditions using the above molecule as a template. 25 μL of the reaction solution was purified using a QIAquick PCR purification kit (QIAGEN) and eluted with 50 μL of Tris / HCl pH 8.0. Of these, 1 μL was digested with EcoRV at 37 ° C. for 1 hour.
The digest was run on a 2% agarose gel at 100 V for 30 minutes. After electrophoresis, the gel was stained with Etbr to detect nucleic acids. A 100 bp DNA ladder (NEW ENGLAND BioLabs) was used as a molecular weight marker. The results are as shown in FIG. The left lane is a 100 bp DNA ladder (NEW ENGLAND BioLabs). Each lane corresponds to the next sample. From FIG. 10, a band was detected at the position predicted when the deletion occurred.
Lane 1: 100 bp DNA ladder
Lane 2: reaction product before EcoRV digestion
Lane 3: after digestion of the reaction product with EcoRV
<Cloning of EcoRV digest>
The nucleotide sequence of the above reaction product was determined. The vector (pBluescript) previously digested with EcoRV and the reaction product digested with EcoRV were ligated to obtain pBS525 / EcoRV. This vector was further transformed into competent cells (DH5α). After cloning and growing the transformed Escherichia coli, the plasmid was recovered from the Escherichia coli by the alkaline SDS method.
<Determination of base sequence>
The sequencing reaction was carried out using a Cy5.5-labeled vector-specific primer, ThermoSequenase Cycle Sequencing Kit (Amersham Pharmacia biotech), and the base sequence was determined using the die primer method. The DNA base sequence was determined using an automatic fluorescent DNA sequencer (Pharmacia model Seq4x4).
<Result>
Each of the insert primers has a linker sequence (CATCAAATAT) of 10 bases, which are complementary base sequences. In a LAMP reaction using an insert primer, annealing occurs via this sequence to initiate DNA synthesis. Thus, it can be expected that a sequence in which the region flanked by the insert primers ([deletion] in FIG. 9) is deleted is obtained.
As a result of determining the nucleotide sequence, it was confirmed that DNA having the predicted nucleotide sequence was synthesized. As described above, it was shown that a deletion mutation can be obtained by using an insert primer. Furthermore, by using an insert primer to which a base sequence other than the target base sequence was added, a base could be inserted into the amplified sequence.
In this experiment, it was possible to simultaneously show base deletion and insertion.
Industrial potential
According to the present invention, a new method for synthesizing a nucleic acid, which was not known by the known LAMP method, is provided while utilizing the principle of the LAMP method. According to the nucleic acid synthesis method of the present invention, the following new advantages can be expected.
First, the nucleic acid synthesis method of the present invention can synthesize a long target base sequence in a base sequence-specific manner. In the known LAMP method in which a primer is set at the terminal region of a target base sequence, a non-specific synthetic product may be generated in the synthesis of a long target base sequence depending on conditions. Non-specific synthesis products mean reduced yield in nucleic acid synthesis.
On the other hand, in the method of the present invention, it is possible to suppress the production of non-specific by-products and to quickly synthesize the target nucleic acid even if the target base sequence has a long length of more than 400 bases. it can.
The nucleic acid synthesis method of the present invention is useful for synthesizing a probe to be immobilized on a DNA microarray. It has already been described that a probe having a length of several hundred bases is required for a probe to be immobilized on a DNA microarray. According to the present invention, a DNA having a length of 400 bases or more can be synthesized quickly and easily. In addition, since the LAMP method is originally a method that can be expected to be highly specific to a template, high accuracy can be expected for the synthesized product.
Next, in the nucleic acid synthesis method of the present invention, a primer is set not only at the end of the target base sequence but also at the middle. By utilizing this feature, a mutation can be introduced even in the middle of the target base sequence. Even in the PCR method, which is now widely used as a method for synthesizing a gene, primers are set only at the terminal portion of a target base sequence. Therefore, a technique capable of introducing a mutation into the central portion of a target base sequence as in the present invention is very useful as a technique for gene manipulation.
By the method for synthesizing or amplifying the gene of the present invention, a nucleic acid consisting of a base sequence in which a plurality of regions located separately in a template nucleic acid are linked can be obtained. This feature allows the present invention to freely synthesize mutants in which any region of the template nucleic acid has been deleted.
Furthermore, a nucleic acid having an arbitrary region selected from different template nucleic acids as one continuous base sequence can be obtained by the nucleic acid synthesis method or amplification method of the present invention. This feature enables the present invention to freely synthesize a gene encoding any fusion protein.
[Sequence list]
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing a basic reaction principle of a nucleic acid synthesis method according to the present invention. In the figure, the 3 'end of each chain is indicated by an arrow.
FIG. 2 shows the basic reaction principle of the method for synthesizing a nucleic acid according to the present invention (continuation of FIG. 1).
FIG. 3 shows the basic reaction principle of the method for synthesizing nucleic acids according to the present invention (continuation of FIG. 2).
FIG. 4 is a view (continuation of FIG. 3) showing the basic reaction principle of the nucleic acid synthesis method according to the present invention.
FIG. 5 is a diagram showing the basic reaction principle of the nucleic acid synthesis method according to the present invention (continuation of FIG. 4).
FIG. 6 is a diagram schematically showing a positional relationship between an inner primer and an insert primer set in an example with respect to a nucleic acid used as a template.
FIG. 7 is a photograph showing the result of agarose electrophoresis of a reaction product of the LAMP method using an insert primer. Each lane shows the following results in order from the left.
Lane 1: 100 bp DNA ladder
Lane 2: no insert primer
Lane 3:
Lane 4: 20 pmol / 25 μL of insert primer added
Lane 5: Insert primer 30 pmol / 25 μL added
Lane 6: insert primer 40 pmol / 25 μL added
Lane 7: insert primer 50 pmol / 25 μL added
FIG. 8 is a photograph showing the results of agarose electrophoresis after digestion of the reaction product of the LAMP method using an insert primer with the restriction enzyme BamHI. Each lane shows the following result from left to right
Lane 1: 100 bp DNA ladder
Lane 2:-: BamHI digest of the product (when no insert primer is used)
Lane 3: +: BamHI digest of product (when insert primer was used)
FIG. 9 is a diagram showing a base sequence of a template nucleic acid and a positional relationship between respective primers.
FIG. 10 is a photograph showing the results of agarose electrophoresis of a reaction product of the LAMP method using an insert primer that anneals to a distant position on a template, digested with a restriction enzyme EcoRV.
Lane 1: 100 bp DNA ladder
Lane 2: reaction product before EcoRV digestion
Lane 3: after digestion of the reaction product with EcoRV
FIG. 11 is a diagram showing a design position of an insert primer.
FIG. 12 is a photograph showing the result of electrophoresis of a LAMP product.
Lane 1: marker
Lane 2: no insert primer
Lane 3: insert primer InsF / R
Lane 4: insert primer InsF2 / R2
FIG. 13 is a photograph showing a result of digesting a LAMP product with a restriction enzyme BssHII and performing agarose gel electrophoresis.
Lane 1: marker
Lane 2: InsF / R, undigested BssHII
Lane 3: InsF / R, BssHII digest
Lane 4: InsF2 / R2, undigested BssHII
Lane 5: InsF2 / R2, BssHII digest
Claims (40)
(1)5’側から3’側にかけて次の領域(a)−(d)を含む、少なくとも2種類の1本鎖の核酸を生成する工程、ここで前記2種類の1本鎖核酸は、その3’末端において相補的な塩基配列を有し、かつ標的塩基配列から選択された塩基配列を含む。
(a)同一鎖上の任意の領域に相補的な塩基配列からなる領域、
(b)領域(a)が同一鎖上の任意の領域に対してハイブリダイズしたときにループを形成する領域、
(c)領域(a)に相補的な塩基配列を含む領域、および
(d)3’末端を構成する塩基配列からなる領域
(2)工程(1)の少なくとも2種類の1本鎖の核酸を、その3’末端においてアニールさせ、鎖置換を伴う相補鎖合成反応を触媒するポリメラーゼによって相補鎖を合成する工程、および
(3)工程(2)で合成された核酸の3’末端を、同一鎖上の相補的な塩基配列からなる領域にアニールさせ、その3’末端を起点として相補鎖を合成し、標的塩基配列からなる1本鎖の核酸を合成する工程、A method for synthesizing a nucleic acid containing a target base sequence, comprising the following steps.
(1) a step of generating at least two types of single-stranded nucleic acids including the following regions (a) to (d) from the 5 ′ side to the 3 ′ side, wherein the two types of single-stranded nucleic acids are: It has a complementary base sequence at its 3 'end and contains a base sequence selected from a target base sequence.
(A) a region consisting of a base sequence complementary to any region on the same chain,
(B) a region that forms a loop when the region (a) hybridizes to an arbitrary region on the same chain,
(C) a region containing a base sequence complementary to region (a), and (d) a region consisting of a base sequence constituting the 3 ′ end (2) at least two types of single-stranded nucleic acids in step (1) Synthesizing a complementary strand with a polymerase that anneals at its 3 ′ end and catalyzes a complementary strand synthesis reaction involving strand displacement, and (3) combining the 3 ′ end of the nucleic acid synthesized in step (2) with the same strand Annealing the region consisting of the above complementary base sequence, synthesizing a complementary strand starting from the 3 ′ end thereof, and synthesizing a single-stranded nucleic acid consisting of the target base sequence;
i)標的塩基配列を含む核酸を鋳型として、少なくとも1組のインサートプライマーを用いて相補鎖を合成する工程;ここでインサートプライマーを起点として合成された相補鎖は、その5’末端を構成する塩基配列が互いに相補的な塩基配列からなっており、そして
ii)工程i)の生成物を鋳型として、標的塩基配列の5’末端に相補的な塩基配列を3’末端に有し、かつその5’末端に前記3’末端を起点として合成される相補鎖の任意の領域に対して相補的な塩基配列を有するインナープライマーで相補鎖を合成し、工程(1)に記載の1本鎖核酸を生成する工程The method according to claim 1, wherein the single-stranded nucleic acid of the step (1) is produced by the following steps.
i) a step of synthesizing a complementary strand using a nucleic acid containing a target base sequence as a template and using at least one set of insert primers; wherein the complementary strand synthesized starting from the insert primer has a base constituting the 5 ′ end thereof The sequence is composed of base sequences complementary to each other, and ii) has a base sequence complementary to the 5 ′ end of the target base sequence at the 3 ′ end using the product of step i) as a template, and A complementary strand is synthesized with an inner primer having a base sequence complementary to an arbitrary region of a complementary strand synthesized at the 'end at the 3' end as a starting point, and the single-stranded nucleic acid according to step (1) is synthesized. Generation process
i)次の条件を有する少なくとも2種類の1本鎖の核酸を生成する工程、
a)5’末端を含む領域と3’末端を含む領域が相補的な塩基配列で構成される、
b)a)の相補的な塩基配列からなる領域がハイブリダイズしたときにループを形成する塩基配列によって、この相補的な塩基配列が連結されている、
c)一方の核酸の3’末端は他方の核酸の3’末端に相補的な塩基配列を有する、および
d)該1本鎖核酸を構成する塩基配列が、標的塩基配列から選択される塩基配列を含む
ii)工程i)の1本鎖の核酸におけるループにアニールして相補鎖合成の起点となるプライマーであって、その5’末端に該プライマーを起点として合成される相補鎖に相補的な塩基配列を有するプライマーをアニールさせ、その3’末端を起点として鎖置換を伴う相補鎖合成反応を触媒するDNAポリメラーゼによって、相補鎖を合成するとともに、工程i)の1本鎖の核酸の3’末端を置換して塩基対結合が可能な状態とする工程、および
iii)工程ii)によって塩基対結合が可能となった3’末端を相互にアニールさせ、その3’末端を起点として相補鎖を合成するとともに、工程ii)で合成した相補鎖を置換して工程(1)の1本鎖の核酸を生成する工程、The method according to claim 1, wherein the single-stranded nucleic acid of the step (1) is produced by the following steps.
i) generating at least two types of single-stranded nucleic acids having the following conditions:
a) the region containing the 5 ′ end and the region containing the 3 ′ end are composed of complementary base sequences;
b) the complementary base sequences are linked by a base sequence that forms a loop when the region consisting of the complementary base sequences in a) hybridizes,
c) the 3 'end of one nucleic acid has a base sequence complementary to the 3' end of the other nucleic acid, and d) a base sequence in which the base sequence constituting the single-stranded nucleic acid is selected from a target base sequence Ii) a primer which anneals to the loop in the single-stranded nucleic acid of step i) and serves as a starting point for the synthesis of a complementary strand, the 5 ′ end of which is complementary to the complementary strand synthesized starting from the primer A primer having a base sequence is annealed, a complementary strand is synthesized by a DNA polymerase which catalyzes a complementary strand synthesis reaction accompanied by strand displacement starting from the 3 ′ end, and the 3 ′ of the single-stranded nucleic acid in step i) is synthesized. A step of substituting the termini to enable base pairing, and iii) annealing the 3 ′ termini capable of base pairing in step ii) with each other, and using the 3 ′ terminus as a starting point, a complementary strand is formed. Synthesize Replacing the complementary strand synthesized in step ii) to produce a single-stranded nucleic acid in step (1),
(a)標的塩基配列を含む核酸を鋳型としてインナープライマーをアニールさせ、その3’末端を起点として相補鎖を合成する工程;ここでインナープライマーは、標的塩基配列の5’末端に相補的な塩基配列を3’末端に有し、かつその5’末端に前記3’末端を起点として合成される相補鎖の任意の領域に対して相補的な塩基配列を有し、
(b)工程(a)の生成物にインサートプライマーをアニールさせ、その3’末端を起点として相補鎖を合成する工程;ここでインサートプライマーは工程(a)の生成物の任意の領域に対して相補的な塩基配列を3’末端に備え、かつその5’末端の塩基配列は請求項1における2種類の1本鎖核酸のいずれかの3’末端を構成する塩基配列に相補的な塩基配列からなり、そして
(c)工程(b)で合成された相補鎖を1本鎖とし、その3’末端を自身にアニールさせ、その3’末端を起点として相補鎖を合成し、前記工程(1)の1本鎖の核酸を生成する工程The method according to claim 1, wherein the single-stranded nucleic acid of the step (1) is produced by the following steps.
(A) a step of annealing the inner primer using a nucleic acid containing the target base sequence as a template and synthesizing a complementary strand starting from its 3 ′ end; wherein the inner primer is a base complementary to the 5 ′ end of the target base sequence Having a sequence at the 3 ′ end, and having at its 5 ′ end a base sequence complementary to any region of the complementary strand synthesized starting from the 3 ′ end,
(B) annealing the insert primer to the product of step (a) and synthesizing a complementary strand starting from its 3 ′ end; wherein the insert primer is used for any region of the product of step (a). 3. A base sequence complementary to the base sequence constituting the 3 'end of any of the two types of single-stranded nucleic acids according to claim 1, wherein a complementary base sequence is provided at the 3' end. And (c) making the complementary strand synthesized in step (b) a single strand, annealing its 3 ′ end to itself, synthesizing a complementary strand starting from the 3 ′ end, A) producing a single-stranded nucleic acid
(1)5’側から3’側にかけて次の領域(a)−(d)を含む、少なくとも2種類の1本鎖の核酸を生成する工程、ここで前記2種類の1本鎖核酸は、その3’末端において相補的な塩基配列を有し、かつ標的塩基配列から選択された塩基配列を含む。
(a)同一鎖上の任意の領域に相補的な塩基配列からなる領域、
(b)領域(a)が同一鎖上の任意の領域に対してハイブリダイズしたときにループを形成する領域、
(c)領域(a)に相補的な塩基配列を含む領域、および
(d)3’末端を構成する塩基配列からなる領域
(2)工程(1)の少なくとも2種類の1本鎖の核酸を、その3’末端においてアニールさせ、鎖置換を伴う相補鎖合成反応を触媒するポリメラーゼによって相補鎖を合成する工程、
(3)工程(2)で合成された核酸の3’末端を、同一鎖上の相補的な塩基配列からなる領域にアニールさせ、その3’末端を起点として相補鎖を合成し、標的塩基配列からなる1本鎖の核酸を合成する工程、
(4)工程(3)の生成物を鋳型として、インナープライマー、および/またはインサートプライマーの3’末端を起点として、鎖置換を伴なう相補鎖合成反応を触媒するDNAポリメラーゼによって相補鎖を合成する工程、
(5)各プライマーからの伸長生成物の5’側に位置する他のプライマーの伸長生成物を置換して前記工程(1)の1本鎖の核酸を生成するか、または該1本鎖の核酸が、その3’末端に同一鎖に対する相補的な塩基配列を有するときには、該3’末端を自身にアニールさせ、その3’末端を起点として相補鎖を合成して前記工程(1)の1本鎖の核酸を生成する工程、および
(6)工程(5)で生成した核酸を用いて請求項1に記載の方法を繰り返し、標的塩基配列からなる核酸を増幅する工程A method for amplifying a nucleic acid containing a target base sequence, comprising the following steps.
(1) a step of generating at least two types of single-stranded nucleic acids including the following regions (a) to (d) from the 5 ′ side to the 3 ′ side, wherein the two types of single-stranded nucleic acids are: It has a complementary base sequence at its 3 'end and contains a base sequence selected from a target base sequence.
(A) a region consisting of a base sequence complementary to any region on the same chain,
(B) a region that forms a loop when the region (a) hybridizes to an arbitrary region on the same chain,
(C) a region containing a base sequence complementary to the region (a), and (d) a region consisting of a base sequence constituting the 3 ′ end (2) at least two types of single-stranded nucleic acids in step (1). Synthesizing a complementary strand with a polymerase that anneals at its 3 ′ end and catalyzes a complementary strand synthesis reaction involving strand displacement,
(3) annealing the 3 'end of the nucleic acid synthesized in step (2) to a region consisting of a complementary base sequence on the same strand, synthesizing a complementary strand starting from the 3' end, Synthesizing a single-stranded nucleic acid consisting of
(4) Using the product of step (3) as a template, a complementary strand is synthesized by a DNA polymerase that catalyzes a complementary strand synthesis reaction involving strand displacement starting from the 3 ′ end of the inner primer and / or the insert primer. Process,
(5) generating a single-stranded nucleic acid in the step (1) by substituting the extension product of another primer located on the 5 ′ side of the extension product from each primer, or When the nucleic acid has a complementary base sequence to the same strand at its 3 ′ end, the 3 ′ end is annealed to itself, and a complementary strand is synthesized starting from the 3 ′ end to obtain one of the above steps (1). A step of generating a nucleic acid of the present strand, and (6) a step of amplifying the nucleic acid comprising the target base sequence by repeating the method according to claim 1 using the nucleic acid generated in the step (5).
(a)インナープライマーF;ここでインナープライマーFはその3’末端において前記標的塩基配列を構成する一方の鎖の3’側を規定する領域に対してアニールし、かつインナープライマーFの5’末端には、このプライマーを起点とする相補鎖合成反応生成物の任意の領域に対して相補的な塩基配列を有する、
(b)インナープライマーR;ここでインナープライマーRはその3’末端において前記標的塩基配列を構成する一方の鎖の3’側を規定する領域に対してアニールし、かつインナープライマーRの5’末端には、このプライマーを起点とする相補鎖合成反応生成物の任意の領域に対して相補的な塩基配列を有する、
(c)インサートプライマーF;ここでインサートプライマーFはその3’末端において前記標的塩基配列を構成する一方の鎖の任意の領域に対して相補的な塩基配列を有する、
(d)インサートプライマーR;ここでインサートプライマーRはその3’末端において前記標的塩基配列を構成する他方の鎖の任意の領域に対して相補的な塩基配列を有し、かつインサートプライマーFとインサートプライマーRの各プライマーを起点とする合成生成物は、両者の5’末端を含む領域に互いに相補的な塩基配列を有する、
(e)標的塩基配列を含む鋳型核酸、
(f)ヌクレオチド基質、および
(g)鎖置換を伴う相補鎖合成反応を触媒するDNAポリメラーゼA method for synthesizing a nucleic acid containing a target base sequence, comprising a step of incubating the following elements:
(A) inner primer F; wherein the inner primer F anneals at its 3 ′ end to a region defining the 3 ′ side of one of the strands constituting the target base sequence, and the 5 ′ end of the inner primer F Has a base sequence complementary to any region of the complementary strand synthesis reaction product starting from this primer,
(B) Inner primer R; wherein the inner primer R anneals to a region defining the 3 ′ side of one of the strands constituting the target base sequence at the 3 ′ end, and the 5 ′ end of the inner primer R Has a base sequence complementary to any region of the complementary strand synthesis reaction product starting from this primer,
(C) an insert primer F; wherein the insert primer F has a base sequence complementary to an arbitrary region of one of the strands constituting the target base sequence at the 3 ′ end thereof;
(D) an insert primer R; wherein the insert primer R has a base sequence complementary to an arbitrary region of the other strand constituting the target base sequence at the 3 ′ end, and the insert primer F and the insert primer R A synthetic product starting from each of the primers R has a base sequence complementary to each other in a region containing the 5 ′ ends of both.
(E) a template nucleic acid containing a target base sequence,
(F) a nucleotide substrate, and (g) a DNA polymerase that catalyzes a complementary strand synthesis reaction involving strand displacement.
(h)アウタープライマーF;ここでアウタープライマーFは、鋳型におけるインナープライマーFがアニールすべき領域の3’側を起点とする相補鎖合成反応の起点となる、および
(i)アウタープライマーR;ここでアウタープライマーRは、鋳型におけるインナープライマーRがアニールすべき領域の3’側を起点とする相補鎖合成反応の起点となる、18. The method according to claim 17, further comprising the following additional elements.
(H) an outer primer F; wherein the outer primer F is a starting point of a complementary strand synthesis reaction starting from the 3 ′ side of a region to be annealed by the inner primer F in the template; and (i) an outer primer R; The outer primer R serves as a starting point of a complementary strand synthesis reaction starting from the 3 ′ side of the region of the template to which the inner primer R is to be annealed.
(j)ループプライマーF;ここでループプライマーFの3’末端を含む領域は、前記インナープライマーFの5’末端を含む領域が、インナープライマーFを起点とする相補鎖合成反応生成物の任意の領域に対してハイブリダイズすることによって形成されるループ内の任意の領域に対してアニールする、および
(k)ループプライマーR;ここでループプライマーRの3’末端を含む領域は、前記インナープライマーRの5’末端を含む領域が、インナープライマーRを起点とする相補鎖合成反応生成物の任意の領域に対してハイブリダイズすることによって形成されるループ内の任意の領域に対してアニールする18. The method according to claim 17, further comprising the following additional elements.
(J) Loop primer F; the region containing the 3 'end of the loop primer F is the region containing the 5' end of the inner primer F, and the region containing the 5 'end of the inner primer F Annealing to any region in the loop formed by hybridizing to the region, and (k) loop primer R; wherein the region containing the 3 'end of loop primer R is the inner primer R Anneals to any region in the loop formed by hybridizing to any region of the complementary strand synthesis reaction product starting from the inner primer R.
(a)インナープライマーF;ここでインナープライマーFはその3’末端において前記標的塩基配列を構成する一方の鎖の3’側を規定する領域に対してアニールし、かつインナープライマーFの5’側には、このプライマーを起点とする相補鎖合成反応生成物の任意の領域に対して相補的な塩基配列を有する、
(b)インナープライマーR;ここでインナープライマーRはその3’末端において前記標的塩基配列を構成する一方の鎖の3’側を規定する領域に対してアニールし、かつインナープライマーRの5’側には、このプライマーを起点とする相補鎖合成反応生成物の任意の領域に対して相補的な塩基配列を有する、
(c)インサートプライマーF;ここでインサートプライマーFはその3’末端において前記標的塩基配列を構成する一方の鎖の任意の領域に対して相補的な塩基配列を有する、
(d)インサートプライマーR;ここでインサートプライマーRはその3’末端において前記標的塩基配列を構成する他方の鎖の任意の領域に対して相補的な塩基配列を有し、かつインサートプライマーFとインサートプライマーRの各プライマーを起点とする合成生成物は、両者の5’末端を含む領域に互いに相補的な塩基配列を有する、
(e)ヌクレオチド基質、および
(f)鎖置換を伴う相補鎖合成反応を触媒するDNAポリメラーゼA kit for synthesizing a nucleic acid containing a target base sequence, comprising:
(A) inner primer F; wherein the inner primer F anneals to the region defining the 3 ′ side of one of the strands constituting the target base sequence at the 3 ′ end, and the 5 ′ side of the inner primer F Has a base sequence complementary to any region of the complementary strand synthesis reaction product starting from this primer,
(B) inner primer R; wherein the inner primer R anneals to a region defining the 3 ′ side of one of the strands constituting the target base sequence at the 3 ′ end, and the 5 ′ side of the inner primer R Has a base sequence complementary to any region of the complementary strand synthesis reaction product starting from this primer,
(C) an insert primer F; wherein the insert primer F has a base sequence complementary to an arbitrary region of one of the strands constituting the target base sequence at the 3 ′ end thereof;
(D) an insert primer R; wherein the insert primer R has a base sequence complementary to an arbitrary region of the other strand constituting the target base sequence at the 3 ′ end, and the insert primer F and the insert primer R A synthetic product starting from each of the primers R has a base sequence complementary to each other in a region containing the 5 ′ ends of both.
(E) a nucleotide substrate, and (f) a DNA polymerase that catalyzes a complementary strand synthesis reaction involving strand displacement.
(g)アウタープライマーF;ここでアウタープライマーFは、鋳型におけるインナープライマーFがアニールすべき領域の3’側を起点とする相補鎖合成反応の起点となる、および
(h)アウタープライマーR;ここで第6のプライマーは、鋳型におけるインナープライマーRがアニールすべき領域の3’側を起点とする相補鎖合成反応の起点となる、30. The kit of claim 29, further comprising the following additional components:
(G) outer primer F; where outer primer F is a starting point of a complementary strand synthesis reaction starting from the 3 ′ side of the region to be annealed by inner primer F in the template; and (h) outer primer R; The sixth primer serves as a starting point of a complementary strand synthesis reaction starting from the 3 ′ side of the region to which the inner primer R of the template is to be annealed.
(i)ループプライマーF;ここでループプライマーFの3’末端を含む領域は、前記インナープライマーFの5’末端を含む領域が、インナープライマーFを起点とする相補鎖合成反応生成物の任意の領域に対してハイブリダイズすることによって形成されるループ内の任意の領域に対してアニールする、および
(j)ループプライマーR;ここでループプライマーRの3’末端を含む領域は、前記インナープライマーRの5’末端を含む領域が、インナープライマーRを起点とする相補鎖合成反応生成物の任意の領域に対してハイブリダイズすることによって形成されるループ内の任意の領域に対してアニールする30. The kit of claim 29, further comprising the following additional components:
(I) loop primer F; the region containing the 3 ′ end of the loop primer F is the region containing the 5 ′ end of the inner primer F is any of the complementary strand synthesis reaction products starting from the inner primer F Annealing to any region in the loop formed by hybridizing to the region, and (j) loop primer R; wherein the region containing the 3 'end of loop primer R is the inner primer R Region anneals to any region in the loop formed by hybridizing to any region of the complementary strand synthesis reaction product starting from the inner primer R.
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