JPWO2002058287A1 - 光送受信機 - Google Patents

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猛史 太田
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Abstract

光送受信機本体から光ファイバが外れても人間の目に悪影響を与えず、また光ファイバの再装着(接続)を容易に弁別できる光送受信器。光ファイバが外れて相手方光送受信機から光信号が送られなく(O)なると、これを弁別し、スイッチ8を切り換えて第2基準電圧10が自動光出力制御機構7に送られてレーザダイオード5の電力が低減される。同時にスイッチ3により、正規信号に代えて低周波の第1ダミー信号(S1)が出力される。この時点で相手方光送受信機もダミー信号(S1)を出力する。片方の光ファイバ装着されると、第1ダミー信号(S1)が検出され、光送受信機は低出力の第2ダミー信号(S2)を送出する。もう一方の光ファイバが正しく装着されると、相手方の光送受信機において第2ダミー信号(S2)が検出され、相手方の送信信号が正規信号(N)に切り換えられるとともにレーザダイオードの出力が正規の大きな値となる。

Description

技術分野
本発明は光ファイバを用いた光通信システムにおける光送受信機に関する。本発明は光送受信機からのレーザ光が人間に対して与える悪影響を防ぐアイセーフ機構に関する。
背景技術
図9は従来の光ファイバ通信システムを示す概念図である。図9(a)において、光送受信機101から送信された光信号105は光ファイバ103を通って光送受信機102に伝送される。一方、光送受信機102から送信された光信号106は光ファイバ104を通って光送受信機101に伝送される。このような光通信システムのことをポイント・ツー・ポイント方式と呼ぶ。
図9(b)は受動型光分岐器115を用いた共有バス型光通信システムを示す概念図である。光送受信機111から送信された光信号は受動型光分岐器115によって分岐された後、光送受信機112又は114へと伝送される。一方、光送受信機112又は114から送信された光信号は受動型光分岐器115によって今度は合流された後、光送受信機111へと伝送される。実際の運用にあたっては時分割方式の採用などにより、光送受信機112及び114が同時に光信号送信することは無いように制御される。受動型光分岐器115は光信号の経路を集線する機能を司ると考えると良い。
図10は従来の光ファイバ通信システムにおける光信号の伝送される様子を示すタイムチャートである。図10(a)は図9(a)に示したポイント・ツー・ポイント方式の光ファイバ通信システムにおける光信号伝送の様子を示している。有効なデータ122及び124が無い時はアイドル信号121及び123が伝送されている。すなわち、正常動作時には常に何らかの光信号が二つの光送受信機101と102の間でやり取りされているのである。
これに対して図10(b)は図9(b)に示した共有バス型光通信システムにおける光信号の伝送される様子を示すタイムチャートである。有効なデータ125及び126の間にはアイドル信号は伝送されず、光信号が全く伝送されない期間が存在している。
上記のような光送受信機が光ファイバによってきちんと結線されている場合は問題が無いのであるが、図11(a)に示すように光送受信機131が光ファイバに接続されていない場合は、光送受信機131からのレーザ光132が自由空間に放出されて人間の目133に悪影響を及ぼすという問題が生じていた。また、光送受信機の光ファイバ挿入口に蓋などを設けたとしても、図11(b)に示すように光ファイバ134の一端が光送受信機131に差し込まれ、もう一端が自由空間に開放されている場合は、光信号135すなわちレーザ光136が自由空間に放出され人間の目133に悪影響を及ぼすという問題点が生じていた。従来は、これらの悪影響を避けるために光送受信機からのレーザ光出力を制限し、たとえ、レーザ光が自由空間に放出されたとしても人間の目に悪影響を与えないように光送受信機は設計されていた。このように人間の目に対する健康被害を防ぐ条件をアイセーフ条件、また、目に対する健康被害を防ぐ機構をアイセーフ機構と呼んでいる。
しかしながら、光信号の伝送速度が高速化するにつれてより大出力のレーザ光を使わないと、光ファイバを長距離伝送して減衰した光信号を正しく受信できなくなるという事態が生じつつある。また、波長多重化技術の普及に伴い、アイセーフの問題はより重要となってきている。波長多重化技術では複数の波長の光信号を一本の光ファイバにまとめるために、個々の光信号がアイセーフ条件を満たしていても、複数の光信号が束ねられることによってアイセーフ条件を満たさなくなることがあるからである。
アイセーフ機構として光ファイバの分断の際に光増幅器の作動を局部的に自動中止させ、また、分断箇所の修復時の自動復帰させるアイセーフ機構の提案がなされている(特開平6−204948号公報)。
発明の開示
本発明はポイント・ツー・ポイントの光通信方式に適用される光送受信機の光送信出力を向上させても人間の目に悪影響を与えないような機構を提供することを目的としている。
本発明によれば、上述の目的を達成するために特許請求の範囲に記載のとおりの構成を採用している。ここでは、特許請求の範囲に関連して補充的な説明を行う。
上記課題を解決するために、本発明の光送受信機は、何も受信されない状態(O)においては、低出力の第1ダミー信号(S1)を送信し、第1ダミー信号(S1)が受信された場合においては、低出力の第2ダミー信号(S2)を送信し、第2ダミー信号(S2)が検出された場合においては、高出力の正規信号(N)を送信し、正規信号(N)が受信された場合においては、高出力の正規信号(N)を送信する構成としている。
上記構成によれば、ポイント・ツー・ポイント光ファイバ通信用光送受信機において、光ファイバの接続が外れた場合にレーザ光が自由空間に放出されて人間の目に健康被害を与えることを防ぐことができる。また、光ファイバが正しく再接続された時には光送受信機は自動的に正規の送信状態に復帰することができる。さらに、2本の光ファイバの片方のみが外れた場合にもレーザ光が自由空間に放出されて人間の目に健康被害を与えることを防ぐことができる。
なお、第1ダミー信号及び第2ダミー信号は周波数を異ならせる等して弁別することが可能である。また、同一の周波数の信号を用いる場合でも、異なるシーケンスをとるようにして弁別させることもできる。例えば、異なるエンベロープにしたり、一方のダミー信号を間欠的にしたり、中断を加えたりしても良い。要するに、相手方からのダミー信号を受信していることを示す情報を自らのダミー信号に含ませられればよい。
発明を実施するための最良の形態
以下、実施例を参照して本発明を詳細に説明する。
[第1実施例]
図1は本発明の第1実施例を示すブロック図である。図1において、電気信号は入力端子1に加えられ、信号切替スイッチ3を経てLDドライバ(レーザダイオードドライバ)4を経てレーザダイオード5を駆動する。レーザダイオード5から発せられたレーザ光(光信号)18は入力端子1に加えられた電気信号によって変調されている。信号切換スイッチ3には第1ダミー信号発振器2a及び第2ダミー信号発振器2bが接続されており、後述のように対向する光送受信機からの正規の光信号が検知されない場合は入力端子1からの信号に代えて第1ダミー信号発振器2a又は第2ダミー信号発振器2bからの信号が光信号18となって送信される。第1ダミー信号発振器2a及び第2ダミー信号発振器2bの発信周波数は通常の光信号の周波数に比べて十分に低い周波数に選ばれている。例えば、通常の光信号が1ギガビット/秒であった場合、第1ダミー信号発振器2aからの第1ダミー信号は1MHz、第2ダミー信号発振器2aからの第2ダミー信号は2MHzというような値に選ぶ。
一方、対向する光送受信機から光ファイバを通って送られてきた光信号19は光検出素子(フォトダイオード)11によって光電変換されて電流信号となる。この電流信号はトランスインピーダンスアンプ12によって電圧信号に変換された後、波形整形機能を有するポストアンプ13によってディジタル電気信号に変換されて出力端子17から出力される。
レーザダイオード5からの光信号の一部20はモニター光検出器(フォトダイオード)6に送られ光電変換されて自動光出力制御機構7に送られる。自動光出力制御機構7は出力切換スイッチ8によって選ばれた第1基準電圧9又は第2基準電圧10のどちらかに合わせて送信される光信号出力を一定値に制御する。第1基準電圧9は正常動作時の光信号出力を規定し、例えばレーザ光出力が+6dBm(4mW)になるような基準電圧が選ばれている。一方、第2基準電圧10は、光ファイバの接続が外れて対向する光送受信機からの信号が正しく受信されない時に送信電力を人間の目に障害を与えないレベル、例えば−6dBm(0.25mW)となるような基準電圧が選ばれている。
図1に示すような光送受信機31及び32を互いに接続した場合を図2に示す。図2(a)はふたつの光送受信機31及び32が光ファイバ33及び34によって正しく接続されている状態を示す。図2(b)はふたつの光送受信機31及び32の接続が外れた状態を示す。そして、図2(c)は外れていたふたつの光送受信機31及び32の片方の光ファイバ34のみが再接続されたまさにその瞬間を示している。図2(d)は光送受信機31及び32の片方の光ファイバ34は接続されていて、さらに外れていたもう一方の光ファイバ33が再接続されたまさにその瞬間を示している。図2(e)は光送受信機31及び32の挙動を示す図である。何の信号も受信されない状態(O)においては第1ダミー信号S1(1MHzの信号)を送信し、第1ダミー信号S1が受信された場合は第2ダミー信号S2(2MHzの信号)を送信し、第2ダミー信号S2が受信された場合は正規の光信号N(1Gbpsの8B/10B符号)が送信され、そして、正規信号Nが受信された場合は正規信号Nが送信される。
光送受信機31、32は正しく接続されている時は高出力モード(+6dBm)で正規の光信号(1ギガビット/秒)を送信するが、光ファイバの接続が外れて相手の信号が受信できなくなると、人間の目に安全な低出力モード(−6dBm)に切り替わり送信する信号も正規の光信号ではなく低速のダミー信号S1(1MHz)に切り替わる。ここで、光信号をゼロにせずに低出力光を送信するのは、光送受信機同志が再接続された時に接続の復帰を検知するためである。光信号が完全に遮断されたままでは、再接続を検知できない。
しかしながら、ダミー信号S1が受信されたら正規信号を送信するとしたら、片側の光ファイバのみが接続された状態(図2(c))では光送受信機31からの正規信号出力が光ファイバ33を経て自由空間に放出されてしまう。このような問題が生じることを防ぐために、本実施例では2種類のダミー信号を用意している。図2(c)のようなケースでは光送受信機31は第2ダミー信号S2を送信する。なぜなら、光送受信機31は第1ダミー信号S1を受信しているからである。一方、光送受信機は何も信号を受信していない(O)のでダミー信号S1を送信する。
さらに、図2(d)に示すようにもう一方の光ファイバ33も接続されると、光送受信機32はダミー信号S2を受信するので正規信号Nを送信し始める。次いで光送受信機32からの正規信号Nを受信し始めた光送受信機31も正規信号Nを送信し始めることになる。
図3は光送受信機31、32の上記のような動作を模式的に示したタイムチャートである。正しい接続が得られているときは光送受信機31、32は正規信号Nを送信し、接続が切れた時には低出力低周波数のダミー信号S1、S2を出力する。
再び図1に戻り、上記のような挙動を実現するための機構について説明を行う。図1において、トランスインピーダンスアンプ12からの出力はポストアンプ13に送られるばかりでなく、正規信号検出器14、第1ダミー信号検出器15a及び第2ダミー信号検出器15bにも送られる。正規信号検出器14は正常な光信号を検出する。一方、第1ダミー信号検出器15a及び第2ダミー信号検出器15bは対向する光送受信機からのダミー信号(S1もしくはS2)を検出する働きを有している。
正規信号検出器14の構造は図4(a)に示されている。正規信号検出器14は帯域通過フィルタ51a、実効値検波器52a、基準電圧54a、電圧比較器53aから成り立っている。入力信号は帯域通過フィルタ51a通過後、実効値検波器52aによって光信号の実効値に対応する直流電圧に変換される。電圧比較器53aはこの直流電圧の値と基準電圧54aとを比較して、基準電圧を上回る実効値の場合にはハイレベルのディジタル信号を出力する。帯域通過フィルタ51aは正規信号N(1Gbpsの8B/10B符号)を通過させる特性を有している
第1ダミー信号検出器15aの構造は図4(b)に示されている。第1ダミー信号検出器15aは帯域通過フィルタ51b、実効値検波器52b、基準電圧54b、電圧比較器53bから成り立っている。入力信号は低周波フィルタ51b通過後、実効値検波器によって光信号の実効値に対応する直流電圧に変換される。電圧比較器53bはこの直流電圧の値と基準電圧54bとを比較して、基準電圧を上回る実効値の場合にはハイレベルのディジタル信号を出力する。
第2ダミー信号検出器15bの構造は図4(c)に示されている。第2ダミー信号検出器15bは帯域通過フィルタ51c、実効値検波器52c、基準電圧54c、電圧比較器53cから成り立っている。入力信号は低周波フィルタ51c通過後、実効値検波器52cによって光信号の実効値に対応する直流電圧に変換される。電圧比較器53cはこの直流電圧の値と基準電圧54cとを比較して、基準電圧を上回る実効値の場合にはハイレベルのディジタル信号を出力する。
図4(d)は帯域通過フィルタ51a、51b、及び51cの通過帯域特性と正規信号N、第1ダミー信号S1、及び第2ダミー信号S2との関係を示す図である。帯域通過フィルタ51aは例えば60MHz(120Mbpsに相当)から625MHz(1.25Gbpsに相当)を通過する特性57が選ばれている。また、前述のように、第1ダミー信号S1の周波数は1MHz、第2ダミー信号S2の周波数は2MHzであり、帯域通過フィルタ51b、及び51cはそれぞれ対応する通過特性55、及び56がそれぞれ定められている。
図1において、正規信号検出器14の出力は信号検知端子21に出力されると共に、論理和回路16によって第2ダミー信号検出器15bの出力との論理和が取られて、信号切換スイッチ3及び出力切換スイッチ8の制御に用いられる。第1ダミー信号検出器15aの出力は信号切換スイッチ3の制御に用いられる。正規信号検出器14は正常な信号を検出する機能を有しているので、正規信号検出器14の出力がハイレベルであれば、光ファイバが正しく接続されていると判断することができる。また、第1ダミー信号検出器15aは第1ダミー信号S1を検出できるので、第1ダミー信号検出器15aがハイレベルであれば、片方の光ファイバの接続のみが回復したと判断できる。第2ダミー信号15bがハイレベルであれば、双方の光ファイバの接続が回復したと判断できる。そして、正規信号検出器14、第1ダミー信号検出器15a、及び第2ダミー信号検出器15bの出力がいずれもローレベルのままであれば光ファイバの接続が外れた状態であると判断できる。
論理和回路16は正規信号検出器14と第2ダミー信号検出器15bの出力の論理和を出力する。論理和回路16の出力がローレベルの時には、出力切換スイッチ8は第2基準電圧10を選択し、自動光出力制御機構7はレーザダイオード5の出力を低出力モード(−6dBm)に設定する。また、論理和回路16の出力がローレベルの時には、信号切換スイッチ3は第2ダミー信号発振器2bを選択してLDドライバ4に送るので、結果的に低出力(−6dBm)低周波数(1MHzないし2MHz)のダミー信号が光送受信機から発せられることになる。
光ファイバの接続が回復すると、まず、第1ダミー信号S1が検出されて第1ダミー信号検出器15aの出力がハイレベルになり、信号切換スイッチ3は第2ダミー信号発振器2bの出力を出力するように切り換えられる。この結果、光ファイバが2本とも正しく接続されている場合は相手局が第2ダミー信号S2を受信することになるので、相手局は正規信号Nを送信開始する。すると、自局では正規信号Nが検出されるので、論理和回路16の出力はハイレベルとなり、信号切換スイッチ3は正規信号を選択し、出力切換スイッチ8は第1基準電圧9を選択し、正規信号Nが高出力モードで送信されることになる。
第1及び第2ダミー信号を正規信号より低周波としたのは、次の理由による。図5に示すように光ファイバ35を光信号36が伝搬する間に減衰して光信号37となったとする。光信号37は、高出力モードにおいて受信できる下限の信号レベルまで落ちる可能性がある。ここで、光ファイバの接続が外れると、光送受信機31、32は低出力モードに切り替わる。すると、高出力モードで受信可能な最低レベルであったのにさらに出力を落とすわけであるから、接続が回復しても、そのような低レベルの信号は検出できないことになってしまう。
ところが、正規信号(1ギガビット/秒)に比べて低周波数(1MHzないし2MHz)のダミー信号であれば、信号検出器の帯域を制限することによって入力換算雑音を低く抑えることができる。このため、正規信号では受信できなくても、ダミー信号なら受信できるように信号検出器を設計することができるのである。
このような関係を図6に示す。図6は信号レベルダイアグラムである。参照番号61は正規信号の最低受信レベルを、参照番号62は帯域を1GHz(正規信号の帯域)とした場合の入力換算雑音レベルをしめす。また、参照番号63はダミー信号の最低受信レベル、参照番号64は帯域を1MHz以内とした時の入力換算雑音レベルを示している。
[第2実施例]
図7は本発明の第2実施例を示すブロック図である。ダミー信号発振器2a、2bに置き換えて別のダミー信号を発振するダミー信号発振器23a、23bを備えている。また、第1実施例(図1)の正規信号検出器14、第1ダミー信号検出器15a、第2ダミー信号検出器15bとを、エンベロープフィルタ70、ゲート71、タイマー72、カウンタ73、正規信号検出ディジタル比較器74a、第1ダミー信号検出ディジタル比較器74c、第2ダミー信号検出ディジタル比較器74bに置き換えられている。そして、レーザ光の出力制御はひとつの基準電圧9に対してのみ行われ、基準電圧の切換機構は取り除かれている。
本実施例では、ダミー信号が第1実施例と異なる。低周波数で低出力のダミー信号を発振するのでは無く、図8(b)及び図8(c)に示すように、デューティ比の低い高出力パルスをダミー信号として用いるのである。なお、図8(a)には正規信号の波形を示している。図8に示されているように正規信号のピーク値(図8中ピーク1として表示の線)とダミー信号のピーク値(図8中ピーク2として表示の線)は概略同等の水準に選ばれている。しかし、デューティ比が低いのでダミー信号の実効値(図8中RMS−2として表示の線)は正規信号の実効値(図8中RMS−1として表示の線)に比べて低い値となる。人間の目に対するレーザ光の被爆量の限界は、数百ミリ秒というようなオーダーのかなり長い所定時間の積分値で規定されているので、図8(b)及び図8(c)に示すようなダミー信号であっても、人間の目に対する健康被害を防ぐことができる。
一例として、図8(b)の第1ダミー信号は、パルス幅6μ秒、パルス周期100μ秒に設定され、図8(c)の第2ダミー信号はパルス幅3μ秒、パルス周期50μ秒に設定される。いずれもデューティ比が100:6(光が放出される時間割合が6%)に設定されている。したがって、正規信号出力が+6dBm(4mW)であるとすると、ダミー信号出力時は−6dBm(0.24mW)に抑えられる。
図7において、ポストアンプ13の出力はエンベロープフィルタ70、ゲート71を経てカウンタ73に加えられる。ゲート71はタイマー72からの信号で所定時間開かれる。カウンタ73はラッチ機能も有していてタイマーからの信号によって所定時間のパルスカウント数をカウント及びラッチする。タイマー72は、例えば、1ミリ秒周期の信号を出す。
正規信号検出ディジタル比較器74a、第1ダミー信号検出ディジタル比較器74c、第2ダミー信号検出ディジタル比較器74bは、カウンタ(ラッチ)73からのカウント数とプリセットされた数値とを比較して、正規信号、第1ダミー信号、第2ダミー信号を検出する。
正規信号が受信されている場合、エンベロープフィルタ70を通過後は常にハイの状態として検出されるので、1ミリ秒の間のカウンタ(ラッチ)73の出力は概略ゼロである。これに対して、第1ダミー信号が受信されている場合、エンベロープフィルタ70を通過後、1ミリ秒の間にカウンタ(ラッチ)73は10近辺の値をカウントする。同様に第2ダミー信号が受信されている場合はカウンタ(ラッチ)73は5近辺の値をカウントする。このカウント数によって受信されている信号の状態を検出することができる。
本実施例では、ダミー信号送信時のレーザ光の出力制限はダミー信号の波形パターンそのもので行っているので、ピーク値制御型自動光出力制御機構24には基準電圧の切換機構を組み合わせる必要が無い。ただし、レーザ光の出力制御はレーザ光のピーク値に合わせて出力を制御する必要がある。
発明の利用可能性
以上、本発明によればポイント・ツー・ポイント光通信用光送受信機において、光ファイバの接続が外れた場合にレーザ光が自由空間に放出されて人間の目に健康被害を与えることを防ぐことができる。また、光ファイバが正しく再接続された時には光送受信機は自動的に正規に送信状態に復帰することができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の光送受信機の第1実施例のブロック図である。
図2は、本発明の光送受信機の動作を模式的に示したタイムチャートである。
図3は、本発明の光送受信機の送信状態と受信状態を示す図である。
図4は、正規信号検出器14とダミー信号検出器15の構造を説明する図である。
図5は、光ファイバによって信号が減衰されて相手方の光送受信機に伝送される様子を示す図である。
図6は、正規信号、ダミー信号、ノイズとの関係を示す信号レベルダイアグラムである。
図7は、本発明の光送受信機の第2実施例を示すブロック図である。
図8は、本発明の光送受信機の第2実施例における正規信号とダミー信号の波形の関係を示す概略図である。
図9は、ポイント・ツー・ポイント方式と共有バス方式を示す概念図である。
図10は、ポイント・ツー・ポイント方式と共有バス方式の信号パターンを示すタイムチャートである。
図11は、開放された光送受信機あるいは開放された光ファイバからの光が人間の目に悪影響を与えかねないことを示す概略図である。

Claims (8)

  1. 光ファイバに接続して一対一の光通信システムを形成すべく用いられる光送受信機において、
    何も受信されない状態(O)においては、低出力の第1のダミー信号(S1)を送信し、
    第1のダミー信号(S1)が受信された場合においては、低出力の第2のダミー信号(S2)を送信し、
    第2のダミー信号(S2)が検出された場合においては、高出力の正規信号(N)を送信し、
    正規信号(N)が受信された場合においては、高出力の正規信号(N)を送信することを特徴とする光送受信機。
  2. 上記第1及び第2のダミー信号は正規信号に対して低周波の信号とした請求の範囲1記載の光送受信機。
  3. 上記送信電力の低減をパルスのデューティ比を小さくして行うようにした請求の範囲1記載の光送受信機。
  4. 第1のダミー信号と第2のダミー信号の周期を変えてダミー信号識別を行うこととした請求の範囲1記載の光送受信機。
  5. 光ファイバに接続して一対一の光通信システムを形成すべく用いられる光送受信機において、
    第1のダミー信号発生手段と、
    第2のダミー信号発生手段と、
    相手方の光送受信機からの正規信号の検出手段と、
    相手方の光送受信機からの第1のダミー信号の検出手段と、
    相手方の光送受信機からの第2のダミー信号の検出手段と、
    正規信号、第1のダミー信号、第2のダミー信号の切換手段と、
    送信電力の変更手段とを備え、
    相手となる光送受信機から信号が検出されない時、及び、第1のダミー信号が検出された時は送信電力を低減することを特徴とする光送受信機。
  6. 上記第1及び第2のダミー信号は正規信号に対して低周波の信号とした請求の範囲5記載の光送受信機。
  7. 上記送信電力の低減をパルスのデューティ比を小さくして行うようにした請求の範囲5記載の光送受信機。
  8. 第1のダミー信号と第2のダミー信号の周期を変えてダミー信号識別を行うこととした請求の範囲5記載の光送受信機。
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