JPWO2002054892A1 - シガレット - Google Patents

Abstract

シガレットは、柱状のタバコ充填材と柱状タバコ充填材の外周を巻装する少なくとも１枚のセルロースベースの巻紙とから構成されるタバコ部を有する。巻紙の内、最も外側の巻紙は０．５Ｗ・Ｋ−１ｍ−１以上の熱伝導度を有する。

Description

技術分野
本発明は、シガレットに係り、特に、着火後一定時間喫煙をしないと消火し得るシガレットに関する。
背景技術
葉巻は、一定時間喫煙をしていないと火種が消えてしまうといういわゆる自己消火性現象を示すことは周知である。その原因については、諸説あるが、葉巻のタバコ刻みを覆うラッパー（タバコ葉もしくは葉タバコを加工したシート）が燃えにくいということが一因であることは論を待たない。一方で、シガレットについても、燃焼しにくい巻紙を用いて自己消火性シガレットを作る試みがなされている。そのような巻紙として、例えば、特開昭５５−２９９５５号公報には、金属を配合した巻紙が提案され、特開昭５９−２１８００号公報には、セピオライトを混合した巻紙が提案されている。また、特開昭６０−１６４４７２号公報には、アルミ箔のような不燃性材料を巻紙の周りに円環状に設け、一定時間喫煙をしない場合に円環状不燃材料において燃焼を停止させるようにした自己消火性シガレットが開示されている。
従来の自己消火性喫煙物品の設計技術は、単に自己消火するシガレットを提供するという点だけをみると、満足し得るものであるということができる。しかし葉巻等を喫煙する場合に火付きが悪いと非常に不愉快であり、また喫煙中に立ち消えすることも快適な喫煙時間を台無しにしてしまう。このような問題は、従来の自己消火性シガレットについても生じていた。その原因は従来のシガレット設計技術が自己消火性ばかりに注目し、一般的な人間の喫煙動作を無視してなされているからにほかならない。標準喫煙状態（ＩＳＯ）では１のパフと次のパフとの間の時間（自然燃焼時間）を５８秒と規定しているが、喫煙とは個人の楽しみであるからこのように一律に規定すればよいものというものではない。しかしながら、長期間自然燃焼を続けるようなシガレットは火災防止の観点から望ましくないものである。
従って、本発明の目的は、通常の喫煙動作ではありえないような自然燃焼時間を２分〜４分程度と想定し、２分以上自然燃焼を続けると自己消火するシガレットを提供することである。
発明の開示
本発明者等は自然な喫煙環境で一定時間後に自己消火するシガレットについて鋭意検討した結果、タバコ充填材を巻装する巻装材を構成する巻紙の内、最も外側の巻紙が０．５Ｗ・Ｋ^−１・ｍ^−１以上の熱伝導度を有すれば、着火したシガレットが一定時間後に自己消火することを見いだした。本発明はこの知見に基づく。
すなわち、本発明は、柱状のタバコ充填材と前記柱状タバコ充填材の外周を巻装する少なくとも１枚のセルロースベースの巻紙を含む巻装材とから構成されるタバコ部を有し、前記巻装材において最も外側の巻紙が０．５Ｗ・Ｋ^−１ｍ^−１以上の熱伝導度を有するシガレットを提供する。
本発明において、最も外側の巻紙は、０〜６重量％の割合で填料を含むことが好ましい。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明をより詳しく説明する。
本発明のシガレットは、柱状のタバコ充填材と柱状タバコ充填材の外周を巻装する少なくとも１枚のセルロースベースの巻紙を含む巻装材とから構成されるタバコ部を有する。
本発明のシガレットにおいて、タバコ部を巻装する巻装材は、少なくとも１枚の巻紙を含む。巻装材を構成する少なくとも１つの巻紙は、セルロースベースのものであり、亜麻パルプ、木材パルプ等通常の巻紙に使用されるパルプをベースとすることができる。巻装材を構成する巻紙のうちの最も外側の巻紙は、０．５Ｗ・Ｋ^−１・ｍ^−１以上の熱伝導度を有する。巻紙の熱伝導度は、ベースのパルプに添加する填料（通常は炭酸カルシウムや水酸化マグネシウム等）およびパルプ量の増減や紙層構造の制御等により行うことができる。最も外側の巻紙は、０〜６重量％の割合で填料を含有することが好ましい。最も外側の巻紙には、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム等の燃焼調節剤を例えば０〜１．０重量％の割合で添加することもできる。本発明において、最も外側の巻紙は、通常、０．６Ｗ・Ｋ^−１・ｍ^−１までの熱伝導度を有し得る。最も外側の巻紙は、０．５２〜０．５６Ｗ・Ｋ^−１・ｍ^−１の範囲内の熱伝導度を有することが好ましい。また、最も外側の巻紙の坪量には特に制限はないが、１５〜３５ｇ／ｍ^２程度であることが好ましい。
本発明において、タバコ充填材を巻装する巻装材は、０．５Ｗ・Ｋ^−１・ｍ^−１以上の熱伝導度を有する巻紙のみにより構成されていてもよい。しかしながら、現状の０．５Ｗ・Ｋ^−１・ｍ^−１以上の熱伝導度を示す巻紙は透明度が高く、この巻紙単独でタバコ充填材を巻装すると、その巻紙を通して内側のタバコ充填材が透視でき、通常のシガレット喫煙者に違和感を与えるおそれがある。そこで、タバコ充填材を通常のシガレット巻紙（内側巻紙）で巻装し、その外側を０．５Ｗ・Ｋ^−１・ｍ^−１以上の熱伝導度を示す巻紙でさらに巻装することが好ましい。そのような内側巻紙は、１０〜３０ｇ／ｍ^２の坪量を有し得、填料を２０〜３５重量％の割合で、燃焼調節剤を０〜１．０質量％の割合で含有し得る。
本発明において、タバコ充填材は、従来からシガレットに用いられているものと何ら異なるものではなく、通常のタバコ刻みのほか、他の代替喫煙物であってもよい。タバコ充填材の充填密度も通常のシガレットにおけるタバコ充填材と異なるものではない。
また、本発明のシガレットは、タバコ部の一端に通常のフィルターを備えることができる。
以下本発明の実施例を説明する。
下記表１に示す仕様の各１枚の巻紙を用いてシガレットを常法により製造した。各巻紙の熱伝導度、坪量、填料（炭酸カルシウムの重量％）、燃焼調節剤（クエン酸カリウムの重量％）を表１に示す。各シガレットにおいて、タバコ刻みは通常の商用アメリカンブレンドであり、その充填密度は、２３７ｍｇ／ｃｍ^３であった。また、各シガレットの円周は、２４．８ｍｍであった。シガレットの自然燃焼速度は、シガレットを横置きにし、無風状態で測定した。巻紙の熱伝導度は、非定常平面熱源法により測定した。またシガレットを自然燃焼させた際、シガレットが燃焼停止するまでの時間も測定した。結果を表１に併記する。

表１から明らかなように、本発明のシガレットは２分〜４分程度自然燃焼を続けた後自己消火する機能を有している。

Claims (2)

1. 柱状のタバコ充填材と該柱状タバコ充填材の外周を巻装する少なくとも１枚のセルロースベースの巻紙を含む巻装材とから構成されるタバコ部を有し、該巻装材において最も外側の巻紙が０．５Ｗ・Ｋ^−１ｍ^−１以上の熱伝導度を有するシガレット。
2. 最も外側の巻紙が、０〜６重量％の割合で填料を含む請求項１に記載のシガレット。