JPWO2002026256A1 - 過剰抗体産生抑制物質およびその製造方法ならびに使用方法 - Google Patents

過剰抗体産生抑制物質およびその製造方法ならびに使用方法 Download PDF

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Abstract

この発明は、関節リウマチ疾患などの自己免疫疾患の自己抗体(イムノグロブリン)および/またはアレルギー疾患(花粉症、アトピー性皮膚炎、喘息等)のIgE抗体産生を抑制することができる糖類もしくは糖鎖付加卵黄抗体からなる過剰自己抗体産生抑制物質を提供する。免疫増進物質を、ニワトリなどの産卵動物に接種して採卵して、糖類もしくは糖鎖付加卵黄抗体からなる過剰自己抗体産生抑制物質を得ることからなる。また、この過剰自己抗体産生抑制物質を、関節リウマチ疾患などの自己免疫疾患の自己抗体(イムノグロブリン)および/またはアレルギー疾患(花粉症、アトピー性皮膚炎、喘息等)のIgE抗体産生を抑制して、自己免疫疾患および/またはアレルギー疾患の治療もしくは予防することからなる。

Description

技術分野
この発明は、糖付加卵黄抗体およびその製造方法ならびにその使用方法に関し、更に詳細には、自己免疫疾患の自己抗体(イムノグロブリン)および/またはアレルギー疾患によるIgE抗体産生を抑制する糖付加卵黄抗体およびその製造方法ならびにそれを用いての自己免疫疾患とアレルギー疾患との治療ならびに予防などに使用する使用方法に関するものである。
背景技術
生体には、細菌やウイルス、あるいは様々な異物(抗原)が侵入すると、免疫細胞が抗原を認識して、抗体を産生し抗原の侵入を防御する免疫反応による防御システムが備わっている。この免疫細胞は自己と非自己とを識別し、自己抗原に対しては免疫寛容(トレランス)が作用して免疫反応を抑制するのに対して、非自己抗原に対しては免疫反応を誘導する。つまり、一般には、同一個体内では、自己抗原に対する免疫寛容のバランスは制御されているが、この免疫寛容のバランスが一旦破綻してしまうと、自己抗原に対しても自己抗体(イムノグロブリン)が産生され、自己組織などの自己抗原に対しても攻撃するという問題が起こってくる。こうした現象を自己免疫反応といい、この自己免疫反応により種々の自己免疫疾患が引き起こされる。
自己免疫疾患は、自己抗原に対する免疫応答が原因となって起こる疾患であり、その成因については不明な点が多い。また、その症例は多岐に亘っていて、主たる疾患例としては、例えば、甲状腺の自己免疫疾患、SLE(全身性エリテマトーデス)、リウマチ様関節炎、糸球体腎炎、自己免疫性血液疾患(自己免疫性溶血性貧血、悪性貧血等)などが知られている。
これら疾患に対する治療法としては、例えば、上述した重篤な症状をもたらすSLEなどに対しては免疫抑制療法が施されている。また、症状として代謝異常を引き起こすものについては欠損している代謝酵素、ホルモンなどを投与することが行われている。しかしながら、こうした治療は対処療法にすぎず、根本的な自己免疫疾患の治療が図れていないのが現状である。
上述したように、免疫反応は、生体が生存するためには不可欠で有益な反応であるが、この免疫反応が生体に対して不都合をもたらすことがあり、このような不利益になる免疫反応が自己免疫疾患と言われている。抗体は、その分子構造の違いからいくつかのクラスに分けられるが、アレルギー反応を起こす抗体は主にIgE抗体である。
一般にアトピーといわれるのはIgE抗体が関与するアレルギー反応をいい、このIgE抗体が関与するアレルギー反応は、肥満細胞と結合しているIgE抗体に抗原が再結合して、肥満細胞に連鎖反応が起こり化学伝達物質が放出されて組織障害を起こすタイプであり、花粉症、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎などの一般的アレルギー疾患の大部分がこのアレルギー反応で起こるものである。
アレルギー疾患の予防には環境から抗原を除去するのが重要であるが、環境から抗原を完全に除去することは至難である。また、アレルギー疾患治療薬としてよく使用されるのは、抗ヒスタミン薬、β−交感神経刺激剤、テオフィリン製剤、ステロイド剤などである。一般に、アレルギー疾患の治療は長い期間を要し、医薬品の長期服用による副作用も懸念される。
したがって、自己免疫疾患の自己抗体(イムノグロブリン)とアレルギー疾患の際に産生するIgE抗体を抑制する抗体産生抑制物質そのものを開発することは、自己免疫疾患やアレルギー疾患の原因物質の産生を抑制することから、自己免疫疾患やアレルギー疾患を原因から絶つことができ、極めて有用であり、かかる抗体産生抑制物質の開発が強く要望され続けている。
発明の開示
この発明者は、このような観点から、自己免疫疾患の自己抗体(イムノグロブリン)とアレルギー疾患の際に産生するIgE抗体を抑制する抗体産生抑制物質について鋭意研究をした結果、アジュヴァント単独又は混合して産卵動物に接種することにより得られた卵黄抗体がノーマル卵黄抗体よりガラクトースまたはN−アセチルガラクトサミンがより多く付加されていることを見出した。さらには、この糖付加卵黄抗体が免疫疾患の自己抗体(イムノグロブリン)および/またはアレルギー疾患の際、IgE抗体の産生を抑制することを見出して、この発明を完成するに至った。
したがって、この発明は、糖類もしくは糖鎖含有卵黄抗体または糖類もしくは糖鎖付加卵黄抗体からなる過剰自己抗体産生抑制物質を提供することを目的としている。また、好ましい態様として、糖類もしくは糖鎖含有卵黄抗体または糖類もしくは糖鎖付加卵黄抗体からなる過剰自己抗体産生抑制物質が、自己の臓器または自己の臓器が生産した物質に対する自己抗体の過剰産生を抑制する物質であることからなる過剰自己抗体産生抑制物質を提供することである。別の好ましい態様としては、過剰自己抗体産生抑制物質が、自己免疫疾患の自己抗体(イムノグロブリン)産生抑制作用および/またはアレルギー疾患に関与するイムノグロブリン、特にIgE抗体の産生を抑制する作用を有している過剰自己抗体産生抑制物質を提供することである。なお、本明細書において、単に糖類もしくは糖鎖含有卵黄抗体または糖類もしくは糖鎖付加卵黄抗体のいずれか1方を使用する場合があるが、いずれの場合にもその用語に限定する意図は一切なく、特段の定めがない限り、いずれの意味をも有する意図で使用しているものと理解さるべきである。また、糖類もしくは糖鎖含有卵黄抗体ならびに糖類もしくは糖鎖付加卵黄抗体として使用している含有および付加ならびにこれらと関連とする用語にしても、糖類もしくは糖鎖と卵黄抗体との共存状態を限定する意図で一切使用しているものではなく、あらゆる併存状態、例えば結合などの状態を包含する意図で使用しているものと理解さるべきである。
更に、この発明の好ましい態様として、糖類もしくは糖鎖含有卵黄抗体または糖類もしくは糖鎖付加卵黄抗体からなる過剰自己抗体産生抑制物質における糖類もしくは糖鎖がガラクトース、マンノース、グルコース、フコース、N−アセチルグルコサミン、N−アセチルガラクトサミンもしくはシアル酸またはこれら糖類を含む糖鎖である過剰自己抗体産生抑制物質を提供することである。この発明の更に好ましい態様として、糖類もしくは糖鎖含有卵黄抗体または糖類もしくは糖鎖付加卵黄抗体からなる過剰自己抗体産生抑制物質における抗体が卵黄抗体である過剰自己抗体産生抑制物質を提供することである。この発明の更に好ましい態様として、免疫卵、免疫卵黄または免疫卵黄抗体分画に存在している過剰自己抗体産生抑制物質を提供することである。
また、この発明は、免疫増進効果を有する物質(以下、免疫増進物質ともいう)を産卵動物に接種することにより糖類もしくは糖鎖含有卵黄抗体または糖類もしくは糖鎖付加卵黄抗体からなる過剰自己抗体産生抑制物質を産生させることからなる過剰自己抗体産生抑制物質の製造方法を提供することを別の目的としている。この発明の好ましい態様として、アジュヴァントとの混合物として使用することからなる過剰自己抗体産生抑制物質の製造方法を提供することである。
この発明の別の好ましい態様として、過剰自己抗体産生抑制物質が自己免疫疾患の自己抗体(イムノグロブリン)および/またはアレルギー疾患の際、IgE抗体の産生を抑制する作用を有する過剰自己抗体産生抑制物質を製造する製造方法を提供することを別の目的としている。また、この発明の別の好ましい態様として、糖類もしくは糖鎖含有卵黄抗体または糖類もしくは糖鎖付加卵黄抗体からなる過剰自己抗体産生抑制物質における糖類もしくは糖鎖がガラクトース、マンノース、グルコース、フコース、N−アセチルグルコサミン、N−アセチルガラクトサミンもしくはシアル酸またはこれら糖類を含む糖鎖である過剰自己抗体産生抑制物質を製造する製造方法を提供することである。この発明の特に好ましい態様としては、アジュヴァントを産卵動物に接種することによって卵黄抗体にガラクトースまたはN−アセチルガラクトサミンが付加されたガラクトース等付加卵黄抗体を製造することからなる過剰自己抗体産生抑制物質の製造方法を提供することである。また、この発明の別の好ましい態様としては、糖類もしくは糖鎖含有卵抗体または糖類もしくは糖鎖付加卵抗体からなる過剰自己抗体産生抑制物質における抗体が卵黄抗体である過剰自己抗体産生抑制物質を製造する製造方法を提供することである。この発明の更に好ましい態様として、免疫卵、免疫卵黄または免疫卵黄抗体分画として過剰自己抗体産生抑制物質を製造する製造方法を提供することである。
更に、この発明は、糖類もしくは糖鎖含有卵黄抗体または糖類もしくは糖鎖付加卵黄抗体からなる過剰自己抗体産生抑制物質を、神経系、呼吸器系、循環器系、消化器系、泌尿生殖器系、血液系、眼系、耳鼻咽喉系または皮膚系疾患の抗体の過剰産生を抑制するために使用することからなる過剰自己抗体産生抑制物質の使用方法を提供することである。この発明の好ましい態様においては、自己免疫疾患の自己抗体(イムノグロブリン)および/またはアレルギー疾患の際、IgE抗体の産生を抑制する作用を有する過剰自己抗体産生抑制物質を、自己免疫疾患および/またはアレルギー疾患の際に生じる過剰抗体の産生を抑制することによって、自己免疫疾患および/またはアレルギー疾患の治療もしくは予防の為に使用する使用方法を提供することである。この発明の好ましい態様として、過剰自己抗体産生抑制物質が免疫卵、免疫卵黄もしくは免疫卵黄抗体分画としてまたは免疫卵から抽出したもしくは精製した状態で、自己免疫疾患の自己抗体(イムノグロブリン)産生および/またはアレルギー疾患のIgE抗体産生を抑制するために過剰自己抗体産生抑制物質を使用する方法を提供することである。
この発明の更なる目的、特長ならびに利点は、本明細書の下記記載と添付図面から明らかになるであろう。
発明を実施するための最良の形態
この発明に係る過剰自己抗体産生抑制物質は、糖含有卵抗体または糖付加卵抗体、つまり、糖含有または糖付加卵黄抗体である。また糖類もしくは糖鎖としては、ガラクトース、マンノース、グルコース、フコース、N−アセチルグルコサミン、N−アセチルガラクトサミンもしくはシアル酸が挙げられるが、ガラクトースおよびN−アセチルガラクトサミンが特に好ましい。この過剰自己抗体産生抑制物質は、特に、自己免疫疾患の自己抗体(イムノグロブリン)産生および/またはアレルギー疾患の際、IgE抗体産生を抑制する作用があることを特徴とする。
この発明に係る過剰自己抗体産生抑制物質は、免疫増進効果を有する物質(以下、免疫増進物質ともいう)を産卵動物に接種することによって製造することができる。かかる免疫増進物質は、単独もしくは他の同様な効果を有する物質と組み合わせて使用することができる。
かかる免疫増進物質は、アジュヴァントと総称され、例えば、死活牛酪菌、死活牛型結核菌、死活人型結核菌、アスカリス、死活百日咳菌、カリミョウバン、クロムミョウバン、水酸化アルミニウム、エンドトキシン、Muramyl dipeptide(MDP)、トキシン類(リポポリサッカリド=LPSを含む)、Heat−labile enterotoxin、Heat−killed Mycobacterium butyricum等が挙げられる。また、コンプリートアジュヴァント、インコンプリートアジュヴァント、プリスタン、アジュヴァントペプチドの単独接種、更にはウシII型コラーゲンと免疫増進物質を混合したものであってもよい。また、かかる免疫増進物質と混合して使用することができる物質としては、例えば、ミネラルオイルの他に、植物由来もしくは動物由来のオイルや、界面活性剤などが挙げられる。
これらの免疫増進物質は、1種もしくは異なる種類を2種以上混合して同時にもしくは別個に産卵動物に対して接種することができる。なお、産卵動物に対して接種することが可能であれば、いずれの形態でも適用することができ、例えば、溶液、エマルジョンなどの形態で接種するのが好都合である。産卵動物に対するかかる免疫増進物質の接種は、毎週または1ヶ月ないし2ヶ月に1回程度の割合で行なうことができる。一般には、産卵動物に対する接種は、免疫増進物質の量を所定の間隔をおいて、例えば、2週間ないし4週間の間隔で注射などによって行うのが普通である。注射期間は、所定の間隔をおいて卵を採取後、卵黄成分中の糖付加卵黄抗体が、自己免疫疾患および/またはアレルギーモデル動物に対して抗体産生抑制効果を発現するまで接種を継続する。更に、免疫増進物質の接種量は、免疫増進物質の種類、産卵動物の種類などによって変わるが、一般には、0.01ないし20mg、好ましくは0.5ないし5mgであるのがよい。なお、免疫増進物質の接種量は、免疫増進物質を、例えばフロインドの完全アジュヴァントとして接種する場合には、一般には、0.1mlないし10ml/回/羽、好ましくは0.5mlないし2ml/回/羽の範囲であればよい。
この発明において、接種できる産卵動物としては、産卵動物であればいずれも利用することができるが、通常産卵動物といわれているニワトリ、アヒル、ダチョウ、ガチョウ、エミュー、七面鳥等などの鳥類が好ましい。これら産卵動物のうち、飼育数、産卵数などの点からしても、糖付加卵黄抗体を安定してかつ安価に供給できることから、ニワトリが特に好ましい。次に、この発明に従ってアジュヴァントを接種した産卵動物は、通常の飼育場で常法に従って飼育することができる。上記のようにして飼育した産卵動物から採卵した卵は、回収して、免疫卵を免疫卵黄または免疫卵黄抗体分画に必要に応じて常法に従って精製分離することができる。
接種した産卵動物から採卵をする時期は、自己免疫疾患の自己抗体(イムノグロブリン)産生抑制効果および/またはアレルギー疾患のIgE抗体産生抑制効果を、所定の評価方法で、この発明の過剰免疫産生抑制物質が卵中に所定濃度に達していることを確認後、使用することになる。なお、自己免疫疾患の自己抗体(イムノグロブリン)産生抑制効果の評価方法は、自己免疫疾患マウス(MRL/lpr)に一定量の糖付加卵黄抗体を経口投与し、MRL/lprマウスの血清中のリウマチ因子濃度を、非経口投与群と比較して抑制効果を確認することによって行うことができる。同様に、IgE抗体産生抑制効果の評価方法も、MRL/lprマウス血清中のIgE抗体濃度を非経口投与群と比較してIgE抗体産生抑制効果を確認することによって行うことができる。
上記したように、この発明に係る過剰抗体産生抑制物質は、自己免疫疾患の自己抗体(イムノグロブリン)産生抑制作用およびアレルギー疾患のIgE抗体産生抑制作用を有している。したがって、この発明に係る過剰抗体産生抑制物質は、自己免疫疾患および/またはアレルギー疾患の治療ならびに予防のために使用することができる。この目的のために、この発明に係る過剰抗体産生抑制物質は、上記のようにして常法により精製分離した免疫卵黄または免疫卵黄抗体分画は、必要に応じて加工して、それぞれの用途に使用することができる。なお、アレルギー疾患の治療ならびに予防のためにこの発明の過剰抗体産生抑制物質を使用する場合には、免疫卵黄抗体分画のみを使用するのがよい。また、この発明により得られた過剰抗体産生抑制物質は、例えば、必要に応じて他の物質と混合して、液状、粉状、粒状、クリーム状、コロイド状、固形状などの形態で使用することができる。また、この発明の過剰抗体産生抑制物質は、例えば、医薬品(治療薬、予防薬など)、食品(例えば機能性食品)、化粧品等に使用することができる。同様に、競走馬、家畜、ペット等の餌等に含有して使用することも可能である。この態様における特に好ましい具体的な実施例としては、食品が挙げられる。この発明に係る糖付加卵黄抗体を食品に使用する場合には、例えば成人1日卵換算量として0.1個から2個程度、好ましくは0.5個から1個程度飲用すればよい。
また、この発明に係る過剰抗体産生抑制物質は、神経系、呼吸器系、循環器系、消化器系、泌尿生殖器系、血液系、眼系、耳鼻咽喉系または皮膚系疾患の自己抗体の過剰産生を抑制するためまたはアレルゲン、例えば、動物性物質、植物性物質もしくは化学物質により外部から刺激されることによって自己において過剰に産生される抗体の過剰産生を抑制するために使用することができる。上記したように、この発明に係る過剰抗体産生抑制物質は、上記のような抗体の過剰産生を抑制する作用、特に自己免疫疾患の自己抗体(イムノグロブリン)産生抑制作用ならびにアレルギー疾患のIgE抗体産生抑制作用を有しているので、神経系、呼吸器系、循環器系、消化器系、泌尿生殖器系、血液系、眼系、耳鼻咽喉系または皮膚系疾患、特に自己免疫疾患ならびにアレルギー疾患の治療ならびに予防のために使用することができる。したがって、この発明に係る過剰抗体産生抑制物質が適用できる疾患の例としては、例えば、慢性関節リウマチ並びにアレルギー症状である関節の痛み、鼻汁、くしゃみ、鼻のかゆみ、咳、喘鳴、呼吸器困難、喉頭浮腫、嗄声、チアノーゼ、紅班、紫班、そう痒、蕁麻疹、湿疹、アトピー性皮膚炎、血管性浮腫、目のかゆみ、流涙、眼球結膜充血、眼臉浮腫、悪心、嘔吐、下痢、血便、腹痛、便秘、吸収不良、体重増加不良、蛋白尿、血尿、浮腫、亀頭炎、夜尿、頭痛、めまい、行動異常、貧血、血小板減少、ショック、アレルギー性緊張(allergic tension)、疲労シンドローム.(fatigue syndrome)、糖尿病などがあげられ、かかる症状の改善もしくは完治に有用である。更に、この発明に係る過剰抗体産生抑制物質は、自己免疫疾患ならびにアレルギー疾患の検査薬としても応用可能であり、例えば、各種の自己免疫疾患ならびにアレルギー疾患の検査に使用することができる。かかる検査としては、例えば、自己免疫疾患検査、アレルギー検査、抗膵島細胞抗体検査などが挙げられる。
以下、この発明を実施例により更に詳細に説明する。
(実施例1−1)
接種アジュヴァント:
メーカー名:株式会社ヤトロン
製品名:コンプリートアジュヴァント(Freund)
組成:界面活性剤:     1.5ml/10ml
流動パラフイン:   8.5ml/10ml
免疫増進物質:    BCG死菌(加熱死菌)
コントロール:       注射用生理食塩水(大塚製薬製)
産卵動物:ニワトリ(白色レグホン種)
雌雄: メス
体重: 平均2Kg
飼料: くみあい配合飼料セレクトハイ(成鶏飼育配合飼料)、全農(JA
)供給
給水: 水道水
接種:
エマルジョン作製方法:
エマルジョン量:アジュヴァント 1ml/羽 +生理食塩水 1ml/羽
接種部位:   皮下
接種量:    1回/月、2回接種
接種期間:   2ヶ月
採卵期間:13日間
採卵数(鶏数 各群N=2の平均値,単位は個)
A)アジュヴァント接種群(アジュヴァントのみを接種した)
採卵数:計11個(1−8日目、10−12日目)
B)アジュヴァント+免疫増進物質量を増量した群
採卵数:計5個(8−10日目、12−13日目)
C)注射用生理食塩水接種群
採卵数:計13個(1−13日目まで連続)
採卵した卵は、全採卵が終了するまで家庭用冷蔵庫に保管した。
(実施例1−2)
(1)接種アジュヴァント:
メーカー名:株式会社ヤトロン
製品名:コンプリートアジュヴァント(Freund)
組成: 界面活性剤:  1.5ml/10ml
流動パラフイン:    8.5ml/10ml
免疫増進物質:     BCG死菌(加熱死菌)
(2)免疫増進物質
メーカー名:株式会社ペプチド研究所
製品名:アジュヴァントペプチド Lot 470910
組成: ムラミルジペプチド (MDP)
(3)エマルジュン作製方法ならびに免疫方法
(1)アジュヴァント 1ml/羽 + (2)アジュヴァントペプチ
ド 2mg/羽
接種部位:   皮下
接種回数:   1ヶ月目:2回/月接種
2ヶ月以後:1回/月接種
(4)使用動物
産卵動物:ニワトリ(白色レグホン種)
雌雄: メス
体重: 平均2Kg
飼料: くみあい配合飼料セレクトハイ(成鶏飼育配合飼料)、全農(
JA)供給
投与数: 8羽
(5)産卵数
採卵期間:61日間
採卵数: 48〜60個/羽
採卵した卵は、全採卵が終了するまで家庭用冷蔵庫に保管した。
上記実施例1−1および1−2の試験結果より経済的に産卵率を落とさず回収可能な上記アジュヴァント接種群の卵を以下の試験に使用した。
(実施例2)
自然発症自己免疫疾患マウスによる自己抗体産生抑制効果試験
使用マウス:
自然発症免疫疾患マウス:MRL/lpr(深町知博他:MRL/lprマウス自然発症関節炎;炎症と免疫:Vol.2,No.2,pp.104−114,1994)
ブリーダー名:日本チャールスリバー製
雌雄:♂
6週令で入荷後6週間予備飼育
Balb/cマウス
ブリーダー名:日本チャールスリバー製
雌雄:♂
8週令で入荷後6週間予備飼育
投与試験:
週令:MRL/lprマウスは12週令より投与試験開始
Blb/cマウスは14週令より投与試験開始
N数:各群5匹
餌: CE−2(日本クレア製)
給水:滅菌水道水
照度:午前7時から午後7時まで
投与量:免疫卵全成分並びにノーマル卵全成分 35μl/匹/回。
投与方法:経口ゾンデを使用して直接投与
投与回数:2〜3日間間隔
投与期間:16日間
コントロール群(対象群):
免疫卵の全成分投与群(Balb/cマウスへ投与)
ノーマル卵の全成分投与群(Balb/cマウスへ投与)
ノーマル卵の全成分投与群(MRL/lprマウスへ投与)
未投与群(MRL/lpr)
試験群
免疫卵の全成分投与群(MRL/lprマウスへ投与)
評価方法:
MRL/lprマウスは加齢とともに自らの血清中に自己抗体であるIgG型リウマチ因子を大量に産生するがBalb/cマウスは自然発症自己免疫疾患の発症がない。
そこで、Balb/cマウスでの免疫卵全成分投与群、ノーマル卵全成分投与群、自然発症自己免疫疾患マウス(MRL/lprマウス)での免疫卵全成分投与群とノーマル卵全成分投与群のIgG型リウマチ因子濃度を比較することにより効果判定が可能である。
測定方法:
試薬:IgG型マウスリウマチ因子測定法(市川厚編:関節炎(3)MRL/lマウス関節炎、炎症とアレルギー(I−2)、廣川生物薬科学実験講座12巻、廣川書店、1993)に従って調製した。
操作方法:96ウェルに固相化した抗原(IgG型マウスリウマチ因子と反応する蛋白)ウェルに検体(MRL/lprマウス血清を一定量希釈した液:100μl/ウェル)を添加して室温で2時間反応させた。反応後、未反応部分を洗浄液で洗浄して、POD標識マウスIgG抗体を100μl/ウェルの割合で添加して室温でさらに2時間反応させた。反応後、未反応部分を洗浄液で洗浄して、発色液(TMB)を100μl/ウェルの割合で添加して室温で20分間反応させた後、反応停止液を100μl/ウェルの割合で添加して反応を停止させた。次いで、各ウェルをイムノリーダー(450nm)で測定した。
評価結果
Balb/cマウスへノーマル卵全成分投与群と免疫卵全成分投与群のマウス血清中のIgG型リウマチ因子濃度は変化がなかったが、MRL/lprマウスへ投与した群の内、ノーマル卵全成分投与群と未投与群のIgG型マウスリウマチ因子濃度は上昇した。しかし、MRL/lprマウスへ免疫卵全成分投与群はIgG型マウスリウマチ因子濃度の上昇は抑制された。(図1)(各週令のOD値は平均値で表示)
(実施例3)
実施例1のアジュヴァント接種群卵のどの分画にIgG型マウスリウマチ因子濃度の上昇を抑制した成分があるのかを探索する為に、次のようにして卵を分画した。
分離精製工程:
ノーマル卵並びに免疫卵(以下、ニワトリにアジュヴァントを接種後、回収した卵を免疫卵と言う。)を割って卵黄を分離した。次いで、卵黄をデキストラン(シグマ社製;添加量:最終濃度0.1%)で吸着後、卵黄を遠心分離してその上清を回収して脱脂した。この回収した上清をゲルろ過カラムクロマトグラフィに付した。ゲルろ過カラムクロマトグラフィの条件は次のとおりである。
カラム:  Sephacryl S−300クロマトグラフィ(アマシャム・
ファルマシア社製)
バッファ: 10mMリン酸バッファ:pH7.2;0.15M NaCl
フローレート:0.7ml/min
波長:    254nm、280nm
測定機器:  AKTA explorer(アマシャム・ファルマシア社製)
ゲルろ過カラムクロマトグラフィから免疫卵の分画−1、−2、−3および−4を回収した。
ゲルろ過カラムクロマトグラフィの測定結果は図2に示すとおりである。
(実施例4)
実施例3で得られた免疫卵の分画−1、−2、−3および−4を自然発症自己免疫疾患マウスによる自己抗体産生抑制効果試験をした。
使用マウス:
自然発症免疫疾患マウス:MRL/lpr(深町知博他:MRL/lprマウス自然発症関節炎;炎症と免疫:Vol.2,No.2,pp.104−114,1994)
8週令で入荷後、1週間予備飼育した。
ブリーダー名:日本エスエルシー製
雌雄:メス
投与試験:
週令:9週令より投与試験開始
N数:各群7匹
餌: CE−2(日本クレア製)
給水:滅菌水道水
照度:午前7時から午後7時まで
投与量:免疫卵並びにノーマル卵の全卵成分 35μl/匹/回。
各卵分画  全卵換算の70μl相当量/匹/回。
投与方法:経口ゾンデを使用して直接投与
投与回数:3回/週
投与期間:8週間
コントロール群(対象群):滅菌水道水を投与。
評価方法:
MRL/lprマウスが加齢とともに自らの血清中に自己抗体であるIgG型リウマチ因子を大量に産生すると同時に手足関節の膨らみが観察できた。したがって、免疫卵全成分並びに各分画をMRL/lprマウスに経口投与して、投与されたMRL/lprマウス血清中のIgG型リウマチ因子濃度を比較することにより、免疫卵中のどの分画に免疫疾患に伴なう過剰抗体産生抑制物質が含有されているかを判定する事が可能である。
測定方法:
試薬:IgG型マウスリウマチ因子測定法(市川厚編:関節炎(3)MRL/lマウス関節炎、炎症とアレルギー(I−2)、廣川生物薬科学実験講座12巻、廣川書店、1993)に従って調製した。
操作方法:96ウェルに固相化した抗原(IgG型マウスリウマチ因子と反応する蛋白)ウェルに検体(MRL/lprマウスから採血した血清を一定量希釈した液:100μl/ウェル)を添加して室温で2時間反応させた。反応後、未反応部分を洗浄液で洗浄して、POD標識マウスIgG抗体を100μl/ウェルの割合で添加して室温でさらに2時間反応させた。反応後、未反応部分を洗浄液で洗浄して、発色液(TMB)を100μl/ウェルの割合で添加して室温で20分間反応させた後、反応停止液を100μl/ウェルの割合で添加して反応を停止させた。次いで、各ウェルをイムノリーダー(450nm)で測定した。
評価結果
コントロール群(対照群)と、免疫卵分画−3と免疫卵分画−4とをそれぞれ投与した免疫卵分画投与群のMRL/lprマウスは、飼育加齢と共に、IgG型リウマチ因子濃度が上昇した。これに対して、免疫卵分画−1投与群のMRL/lprマウスのIgG型リウマチ因子濃度は上昇しないので、自己免疫疾患の自己抗体産生を抑制する作用があることが証明された。また、免疫卵分画−2投与群のMRL/lprマウスのIgG型リウマチ因子濃度は、僅かに上昇した後、減少し、自己免疫疾患の自己抗体産生を抑制する作用があることが証明された。更に、免疫卵全体も、MRL/lprマウスのIgG型リウマチ因子濃度は、対象群に比較して低く、自己免疫疾患の自己抗体産生を抑制する作用を有していると言える(図3)。
したがって、実施例1の処理をした免疫卵全成分の内、免疫卵黄を脱脂した免疫卵分画−1並びに−2に自己免疫疾患である関節リウマチの治療並びに予防効果がある成分が含有されている事が証明された。
(実施例5)
IgE抗体産生抑制効果試験:
使用マウスならびに検体:
実施例3の免疫卵分画−1をMRL/lprマウスに経口投与した投与群と、滅菌水のみをMRL/lprマウスに投与した免疫卵分画−1未投与群(コントロール群)のIgE抗体濃度を比較することにより効果を判定した。
コントロール群:滅菌水道水 2匹(15週令)
免疫卵分画−1を投与したMRL/lprマウス群:2匹(15週令)
評価方法
測定キット:(株)森永生科学研究所製:モリナガELISAマウスIgE
抗体キット
測定範囲:0.5ng/ml〜32ng/ml
評価結果
Figure 2002026256
上記の結果から、コントロール投与群のMRL/lprマウス15週令のIgE抗体濃度は161.1ng/mlであって加齢とともに上昇したが、免疫卵分画−1投与群のMRL/lprマウス15週令のIgE抗体濃度は感度以下の0.406ng/mlであった。この結果から、免疫卵分画−1はMRL/lprマウスのIgE抗体産生を抑制したことを確認した。従って、免疫卵黄を脱脂した免疫卵分画−1はアレルギー疾患の治療並びに予防に効果があることが証明された。
(実施例6)
免疫卵分画−1の成分を分析する為に、つぎに、この免疫卵分画−1を2回目のゲルろ過カラムクロマトグラフィによって処理した。ゲルろ過カラムクロマトグラフィの条件は次のとおりである。
カラム:   Sephadex G−75クロマトグラフィ(アマシャム・フ
ァルマシア社製)
バッファ:  10mMリン酸バッファ;pH7.2、0.15M NaCl
フローレート:0.7ml/min
波長:    254nm、280nm
測定機器:  AKTA explorer(アマシャム・ファルマシア社製)
上記ゲルろ過カラムクロマトグラフィで得られたメインピークを回収して、イオン交換カラムクロマトグラフィによって処理した。イオン交換カラムクロマトグラフィの条件は次のとおりである。
カラム:   Resource Sクロマトグラフィ(アマシャム・ファルマ
シア社製)
バッファA: 10mM Tris−HCl,pH8.0
バッファB: 10mM Tris−HCl,pH8.0,0.3M NaCl
バッファA→バッファB: Linear gradient
フローレート:0.7ml/min
波長:    254nm、280nm
測定機器:  AKTA explorer(アマシャム・ファルマシア社製)
上記ゲルろ過カラムクロマトグラフィで得られた免疫卵分画−1をイオン交換カラムクロマトグラフィに掛けた結果は図4に示す通りである。同様に、上記ゲルろ過カラムクロマトグラフィで得られたノーマル卵分画−1をイオン交換カラムクロマトグラフィに掛けた結果は図5に示す通りである。
次に、上記イオン交換カラムクロマトグラフィで得られたメインピークを回収した。さらに、回収したメインピークをSDS−PAGE試験によって処理した。SDS−PAGE試験条件は次のとおりである。
電気泳動装置: テフコ社製SDS−PAGE電気泳動装置
電気泳動条件: 18mA定電流,60分
サンプル量 : 非還元処理 1μg/lane
染色条件
銀染色: 2D−銀染色試薬II(第一化学薬品製)
試験結果:
ノーマル卵黄(脱脂)ならびに免疫卵黄(脱脂)を、上記のようにゲルろ過カラムクロマトグラフィを2回とイオン交換カラムクロマトグラフィを1回行うことによって精製分離した結果、卵黄抗体の分子量に相当する18万の部分にバンドが1本確認された。(図6)
図6において、レーン2はHyE F−1(GGI)(ゲルろ過カラムクロマトグラフィを2回、イオン交換クロマトグラフィを1回行なって精製した免疫卵分画−1を示す。レーン3はNE F−1(GGI)ゲルろ過クロマトグラフィを2回、イオン交換カラムカラムクロマトグラフィを1回行なって精製したノーマル卵分画−1を示す。レーン4はHyE F−1(GG)(ゲルろ過クロマトグラフィを2回のみ精製した免疫卵分画−1)を示す。レーン5はNE F−1(GG)(ゲルろ過カラムクロマトグラフィを2回のみ精製したノーマル卵分画−1)を示す。
次に、免疫卵、免疫卵黄、免疫卵黄を脱脂後ゲルろ過クロマトグラフィ2回・イオン交換カラムカラムクロマトグラフィ1回精製した試料、ノーマル卵、ノーマル卵黄、ノーマル卵黄を脱脂後ゲルろ過クロマトグラフィ2回・イオン交換カラムカラムクロマトグラフィ1回精製した試料をイムノドット試験によって判定した。
イムノドット作業工程
Zeta−Probe Blottingメンブレン(BIO−RAD社製)(1μl/Dot)を風乾した後、室温で1時間ブロッティング(10%Block Ace/10mM PBS)した。ブロッティングした後、3回洗浄をして抗ニワトリIgYヤギ血清(ロットIC−003:SYC社製)を10mM PBSで3000倍希釈して、室温で1時間反応した。反応後、洗浄液で3回洗浄し、抗ヤギIgG−HRPO標識(Cappel社製)を10mM PBSで5000倍希釈液を加えて室温で1時間更に反応した。洗浄液で3回更に洗浄して、発色液(BIO−RAD社製)を用いて発色して判定した。
試験結果:
上記の試験結果から、免疫卵黄(脱脂)並びにノーマル卵黄(脱脂)をゲルろ過カラムクロマトグラフィ2回とイオン交換カラムクロマトグラフィ1回精製した試料、卵黄成分、全卵とは、抗原抗体反応はするが、PBSとは反応していないことが判明した。
また、ゲルろ過カラム2回とイオン交換カラム1回を通して精製分離した試料は図6並びに図7からノーマル卵黄抗体と免疫卵黄抗体であることが確認された。
(実施例7)
免疫卵並びにノーマル卵を卵黄分離して脱脂した後、ゲルろ過カラムクロマトグラフィを2回とイオン交換カラムクロマトグラフィを1回精製して回収した免疫卵黄抗体並びにノーマル卵黄抗体との相違点を検討した。
免疫卵由来卵黄抗体結合ガラクトース・N−アセチルガラクトサミン(以下、NAGAと言う)量と、ノーマル卵由来卵黄抗体に結合したガラクトース・NAGA量を比較した。
測定方法:
各卵黄抗体3μg/mlを0.1M炭酸バッファ、pH9.5に溶解した溶液を100μl/ウェルの割合で96ウェル(ヌンク社製)の各ウェルに添加して、25℃で2時間コーテイングした。コーティング後、3回洗浄液(10mMリン酸バッファ、pH7.2;150mM NaCl;0.05%Tween20)で洗浄した後、各ウェルにコーティング液(25%Block Ace;10mMリン酸バッファ、pH7.2;150mM NaCl;0.05%Tween20)を250μl/ウェルの割合で添加し、25℃で2時間コーテイングした。次いで、洗浄液(10mMリン酸バッファ、pH7.2;150mM NaCl;0.05%Tween20)で3回洗浄した後、反応液(Biotin conjugated RCA120*;*RCA120:ガラクトースおよびN−アセチルガラクトサミン残基特異結合レクチン)を100μl/ウェルの割合で各ウェルに添加し、25℃で1時間反応させた。次に、各ウェルにAvidin conjugated HRPを100μl/ウェルの割合で添加し、25℃で1時間反応させた。反応後、各ウェルを洗浄液(10mMリン酸バッファ、pH7.2;150mM NaCl;0.05%Tween20)で3回洗浄した。洗浄後、発色液(TMB)を100μl/ウェルの割合で添加して室温で10分間反応させた後、反応停止液(1MHSO)を100μl/ウェルの割合で添加して反応を停止させた。次いで、各ウェルをイムノリーダーで吸光度(450nm/620nm)を測定した。
測定結果:
上記のようにしてノーマル卵と免疫卵の各3個より精製した卵黄抗体結合ガラクトース・NAGA量を測定した結果、ノーマル卵由来卵黄抗体結合ガラクトース・NAGA量のAbs.値(吸光度)を100%としたときに、免疫卵由来卵黄抗体結合ガラクトース・NAGA量は154%であったことが判明した。
この測定結果より、ノーマル卵と比較して、アジュヴァント接種により卵黄抗体結合ガラクトース・NAGA量が1.5倍も付加されたことが判る(図8)。
発明の効果
この発明によって、アジュヴァントを接種して得た糖付加卵黄抗体は、関節リウマチ疾患の自己抗体(イムノグロブリン)並びにアレルギー疾患(花粉症、アトピー性皮膚炎、喘息等)のIgE抗体産生を抑制することが判明した。このことから、この発明に係る糖付加卵黄抗体は、自己免疫疾患および/またはアレルギー疾患の治療ならびに/もしくは予防に有効である。従って、この発明に係る糖付加卵黄抗体は、自己免疫疾患および/またはアレルギー疾患の治療もしくは予防に対して効果を付与する飲食品、医薬品,化粧品、飼料等の素材として有用である。
【図面の簡単な説明】
図1は自己免疫疾患モデルマウス(MRL/lprマウス)に免疫卵全成分、ノーマル卵全成分の投与実験、マウスIgG型リウマチ因子濃度の経時変化を示すグラフである。
図2は、ゲルろ過カラムクロマトグラフィ(Sephacryl S−300クロマトグラフィ)での免疫卵分画−1、−2、−3、−4の分画パターンを示すパターン図である。
図3は、自己免疫疾患モデルマウス(MRL/lprマウス)に免疫卵全成分、免疫卵分画−1、−2、−3、−4を投与した免疫卵投与実験、マウスIgG型リウマチ因子濃度の経時変化を示すグラフである。
図4は、イオン交換カラムクロマトグラフィ(Resource Sクロマトグラフィ)で免疫卵分画−1をさらに精製したパターンを示すパターン図である。
図5は、イオン交換カラムクロマトグラフィ(Resource Sクロマトグラフィ)でノーマル卵分画−1をさらに精製したパターンを示すパターン図である。
図6は、ノーマル卵分画−1と免疫卵分画−1のSDS−PAGE試験結果を示す電気泳動図である。
図7は、イムノドット試験結果を示す写真である。
図8は、免疫卵由来卵黄抗体(IgY)結合ガラクトース等量とノーマル卵由来卵黄抗体(IgY)結合ガラクトース等量の比較を示すグラフである。

Claims (30)

  1. 糖類もしくは糖鎖含有卵抗体または糖類もしくは糖鎖付加卵抗体からなることを特徴とする過剰自己抗体産生抑制物質。
  2. 請求の範囲第1項に記載された過剰自己抗体産生抑制物質において、前記糖類もしくは糖鎖含有卵抗体または糖類もしくは糖鎖付加卵抗体における卵抗体が卵黄抗体(IgY)であることを特徴とする過剰自己抗体産生抑制物質。
  3. 請求の範囲第1項または第2項に記載された過剰自己抗体産生抑制物質において、前記糖類もしくは糖鎖含有卵黄抗体または糖類もしくは糖鎖付加卵黄抗体における糖類もしくは糖鎖がガラクトース、マンノース、グルコース、フコース、N−アセチルグルコサミン、N−アセチルガラクトサミンもしくはシアル酸またはこれら糖類を含む糖鎖であることを特徴とする過剰自己抗体産生抑制物質。
  4. 請求の範囲第1項ないし第3項のいずれか1項に記載された過剰自己抗体産生抑制物質において、前記糖類もしくは糖鎖含有卵黄抗体に糖類もしくは糖鎖が付加または糖類もしくは糖鎖含有抗体の新たな結合部位に糖類もしくは糖鎖が結合されていることを特徴とする過剰自己抗体産生抑制物質。
  5. 請求の範囲第1項ないし第4項のいずれか1項に記載された過剰自己抗体産生抑制物質において、前記過剰自己抗体産生抑制物質が自己抗体産生抑制作用またはアレルギー疾患のIgE抗体産生抑制作用を有することを特徴とする過剰自己抗体産生抑制物質。
  6. 請求の範囲第1項ないし第5項のいずれか1項に記載された過剰自己抗体産生抑制物質において、前記過剰自己抗体産生抑制物質が自己の臓器または自己の臓器が生産した物質に対する自己抗体の過剰産生を抑制する物質であることを特徴とする過剰自己抗体産生抑制物質。
  7. 請求の範囲第1項ないし第5項のいずれか1項に記載された過剰自己抗体産生抑制物質において、前記過剰自己抗体産生抑制物質が外因性アレルゲンにより刺激されることによって自己において過剰に産生される抗体の過剰産生を抑制する物質であることを特徴とする過剰自己抗体産生抑制物質。
  8. 請求の範囲第7項に記載された過剰自己抗体産生抑制物質において、前記アレルゲンが動物性物質、植物性物質または化学物質であることを特徴とする過剰自己抗体産生抑制物質。
  9. 免疫増進物質を産卵動物に接種することにより糖類もしくは糖鎖含有卵黄抗体または糖類もしくは糖鎖付加卵黄抗体からなる過剰自己抗体産生抑制物質を産生させることを特徴とする過剰自己抗体産生抑制物質の製造方法。
  10. 請求の範囲第9項に記載された過剰自己抗体産生抑制物質の製造方法において、前記産卵動物がニワトリ、ダチョウ、ガチョウ、七面鳥、エミュー、アヒル等の鳥類であることを特徴とする過剰自己抗体産生抑制物質の製造方法。
  11. 請求の範囲第9項または第10項に記載された過剰自己抗体産生抑制物質の製造方法において、前記糖類もしくは糖鎖含有卵抗体または糖類もしくは糖鎖付加卵抗体が卵黄抗体であることを特徴とする過剰自己抗体産生抑制物質の製造方法。
  12. 請求の範囲第9項または第11項のいずれか1項に記載された過剰自己抗体産生抑制物質の製造方法において、前記糖類もしくは糖鎖含有卵黄抗体または糖類もしくは糖鎖付加卵黄抗体における糖類もしくは糖鎖がガラクトース、マンノース、グルコース、フコース、N−アセチルグルコサミン、N−アセチルガラクトサミンもしくはシアル酸またはこれら糖類を含む糖鎖であることを特徴とする過剰自己抗体産生抑制物質の製造方法。
  13. 請求の範囲第9項ないし第12項のいずれか1項に記載された過剰自己抗体産生抑制物質の製造方法において、アジュヴァントを産卵動物に接種することによって卵黄抗体にガラクトースもしくはN−アセチルガラクトサミンが付加された卵黄抗体を製造することを特徴とする過剰自己抗体産生抑制物質の製造方法。
  14. 請求の範囲第9項ないし第13項のいずれか1項に記載された過剰自己抗体産生抑制物質の製造方法において、前記過剰自己抗体産生抑制物質を含有する免疫卵黄抗体分画を分離することを特徴とする過剰自己抗体産生抑制物質の製造方法。
  15. 請求の範囲第9項ないし第14項のいずれか1項に記載された過剰自己抗体産生抑制物質の製造方法において、前記免疫増進物質がアジュヴァントならびにその他の物質と混合されていることを特徴とする過剰自己抗体産生抑制物質の製造方法。
  16. 請求の範囲第9項ないし第15項のいずれか1項に記載された過剰自己抗体産生抑制物質の製造方法において、前記免疫増進物質がアジュヴァントとその他の物質との混合物として接種されることを特徴とする過剰自己抗体産生抑制物質の製造方法。
  17. 請求の範囲第9項ないし第16項のいずれか1項に記載された過剰自己抗体産生抑制物質の製造方法において、前記免疫増進物質が0.01ないし20mgの割合で接種されることを特徴とする過剰自己抗体産生抑制物質の製造方法。
  18. 請求の範囲第9項ないし第17項のいずれか1項に記載された過剰自己抗体産生抑制物質の製造方法において、前記免疫増進物質を、アジュヴァントとその他の物質との混合物として接種する場合には、前記アジュヴァントの接種量は、0.1mlないし10ml/回/羽であることを特徴とする過剰自己抗体産生抑制物質の製造方法。
  19. 請求の範囲第9項ないし第18項のいずれか1項に記載された過剰自己抗体産生抑制物質の製造方法において、前記過剰自己抗体産生抑制物質が自己抗体産生抑制作用またはアレルギー疾患のIgE抗体産生抑制作用を有することを特徴とする過剰自己抗体産生抑制物質の製造方法。
  20. 請求の範囲第1項ないし第8項のいずれか1項に記載された過剰自己抗体産生抑制物質が、請求の範囲第9項ないし第19項のいずれか1項に記載された過剰自己抗体産生抑制物質の製造方法によって得られた免疫卵黄抗体分画に存在していることを特徴とする過剰自己抗体産生抑制物質。
  21. 糖類もしくは糖鎖含有卵黄抗体または糖類もしくは糖鎖付加卵黄抗体からなる過剰自己抗体産生抑制物質を、神経系、呼吸器系、循環器系、消化器系、泌尿生殖器系、血液系、眼系、耳鼻咽喉系または皮膚系疾患の抗体過剰産生を抑制するために使用することを特徴とする過剰自己抗体産生抑制物質の使用方法。
  22. 請求の範囲第21項に記載された過剰自己抗体産生抑制物質の使用方法において、前記過剰自己抗体産生抑制物質を、自己抗体産生抑制またはアレルギー疾患のIgE抗体産生抑制のために使用することを特徴とする過剰自己抗体産生抑制物質の使用方法。
  23. 請求の範囲第21項または第22項に記載された過剰自己抗体産生抑制物質の使用方法において、前記糖類もしくは糖鎖含有卵抗体または糖類もしくは糖鎖付加卵抗体における卵抗体が卵黄抗体であることを特徴とする過剰自己抗体産生抑制物質の使用方法。
  24. 請求の範囲第21項ないし第23項のいずれか1項に記載された過剰自己抗体産生抑制物質の使用方法において、前記糖類もしくは糖鎖含有卵黄抗体または糖類もしくは糖鎖付加卵黄抗体における糖類もしくは糖鎖がガラクトース、マンノース、グルコース、フコース、N−アセチルグルコサミン、N−アセチルガラクトサミンもしくはシアル酸またはこれら糖類を含む糖鎖であることを特徴とする過剰自己抗体産生抑制物質の使用方法。
  25. 請求の範囲第21項ないし第24項のいずれか1項に記載された過剰自己抗体産生抑制物質の使用方法において、前記過剰自己抗体産生抑制物質を含有する免疫卵または免疫卵黄分画として精製した状態で使用することを特徴とする過剰自己抗体産生抑制物質の使用方法。
  26. 請求の範囲第21項ないし第25項のいずれか1項に記載された過剰自己抗体産生抑制物質の使用方法において、前記過剰自己抗体産生抑制物質を、自己抗体産生抑制のために免疫卵黄抗体の分画として使用することを特徴とする過剰自己抗体産生抑制物質の使用方法。
  27. 請求の範囲第21項ないし第26項のいずれか1項に記載された過剰自己抗体産生抑制物質の使用方法において、前記過剰自己抗体産生抑制物質を、アレルギー疾患のIgE抗体産生抑制のために、卵黄抗体分画として使用することを特徴とする過剰自己抗体産生抑制物質の使用方法。
  28. 請求の範囲第21項ないし第27項のいずれか1項に記載された過剰自己抗体産生抑制物質の使用方法において、前記過剰自己抗体産生抑制物質が経口、経皮または経粘膜によって投与されることを特徴とする過剰自己抗体産生抑制物質の使用方法。
  29. 請求の範囲第21項ないし第28項のいずれか1項に記載された過剰自己抗体産生抑制物質の使用方法において、前記過剰自己抗体産生抑制物質が液状、粉状、粒状、クリーム状、コロイド状もしくは固形状の形態で投与されることを特徴とする過剰自己抗体産生抑制物質の使用方法。
  30. 請求の範囲第21項ないし第29項のいずれか1項に記載された過剰自己抗体産生抑制物質の使用方法において、前記過剰自己抗体産生抑制物質を、自己免疫疾患および/またはアレルギー疾患の際による過剰抗体産生抑制の治療もしくは予防をするために、医薬品、食品、化粧品または飼料として投与することを特徴とする過剰自己抗体産生抑制物質の使用方法。
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