JPS649803B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は制御プラグを改良した配電盤に関す
る。

〔発明の背景〕

一般に制御盤、コントロールセンター、閉鎖配
電盤等の配電箱は、内部に一次固定断路部を設け
ている。しや断器が配電箱内を進入して行くと、
しや断器が一次固定断路部と接続していない試験
位置と、しや断器が一次固定断路部と接続してい
る運転位置とがある。これらの各位置では、制御
プラグが電気的に接続した状態で、しや断器の投
入、しや断試験を行う。制御プラグは制御可動プ
ラグと制御固定プラグとから成り、制御可動プラ
グはしや断器に、制御固定プラグは配電箱に、そ
れぞれ取付けられている。このため、しや断器を
配電箱内に出入させるのに応じて、制御可動プラ
グと制御固定プラグとが電気的に接離をする。し
たがつて、配電箱の内部から外部にしや断器を引
出すと、配電箱内に制御固定プラグが露出してい
る。この状態で、作業員が一次固定断路部、電源
母線等を保守・点検する時に露出している制御固
定プラグに触れて、感電する恐れがある。そこ
で、配電箱よりしや断器を引出した後、手動にて
制御固定プラグを絶縁シートで被い感電を防止す
る装置が実開昭55−94114号公報により提案され
ている。

しかしながら、感電防止装置を設ければ、しや
断器を配電箱から引出した後、感電防止装置と配
電盤底面との間の挿入口が狭まくなり、作業員が
保守・点検時に配電盤内外に出入りしにくい欠点
を生ずる。

〔発明の目的〕

本発明の目的は、作業員が容易に電気室の内外
に出入りできる配電盤の制御プラグを提供するこ
とにある。

〔発明の概要〕

本発明の制御プラグは、制御固定プラグおよび
制御可動プラグに固定側ガイドおよび可動側ガイ
ドを取付け、可動側ガイドが固定側ガイドに接離
するのに応じて、制御固定プラグが制御可動プラ
グに接離するので、しや断器を配電箱から引出し
た後、配電箱の挿入口を大きくできる。したがつ
て、作業員が配電箱内に出入するのが容易にな
り、配電箱内の作業が容易になつた。

以下、本発明の実施例を第１，２図に示す閉鎖
配電盤１により説明する。

配電箱２は内部に設けた隔壁板３を介して母線
室４および電気室５を形成している。隔壁板３に
取付けられた一次固定断路部４Ａの両端は、母線
４および電気室５に露出している。母線室側の一
次固定断路部端には、電源側母線６および負荷側
母線７を接続している。変流器８は負荷側母線７
に接続している。電気室５は一端に開閉自在な扉
９を取付け、電気室内の隔壁板３は扉方向に延び
る仕切板１０を取付けて、上段および下段電気室
５を形成している。引出型電気機器たとえばしや
断器１１は電気室内に出入して、一次固定断路部
４Ａと電気的に接離する。しや断器１１の天井面
１１Ａに取付けられた制御可動プラグ１２Ｂは、
制御固定プラグ１２Ａと接続している。制御固定
プラグ１２Ａは配電箱２の天井面２Ａおよび仕切
板１０に取付けられている。しや断器１１が電気
室５から引出された第２図Ａの状態では、隔壁板
３および仕切板１０に設けられた取付板３Ａ，１
０Ａを取外すことができると共に、制御固定プラ
グ１２Ａは制御可動プラグ１２Ｂより遠ざかる方
向に移動する。制御可動プラグ１２Ｂと制御固定
プラグ１２Ａとから成る制御プラグ１２の詳細
は、第２図Ｂないし第４図により説明する。

制御可動プラグ１２Ｂは制御線１２Ｃを介して
しや断器１１の制御器具（図示せず）に接続し、
かつ可動側ガイド金具１３に取付けられている。
可動側ガイド金具１３は長穴１３Ａと両端を制御
固定プラグ側に折曲げた突出部１３Ｂとを形成し
ている。長穴１３Ａに調整ボルト１４を挿入し
て、可動側ガイド金具１３をしや断器１１の天井
面１１Ａに固定している。調整ボルト１４を緩め
れば、可動側ガイド金具１３を左右方向に移動で
きるので、制御固定プラグ１２Ａとの接触状態を
調整することができる。突出部１３Ｂの内面に取
付けられた可動側ガイド１５は、先端が制御固定
プラグ側に折曲げた挿入部１５Ａを形成してい
る。挿入部１５Ａは案内ローラ１６Ａ，１６Ｂの
挿入を容易にすると共に、可動側ガイド１５は案
内ローラ１６Ａ，１６Ｂに接触する。

案内ローラ１６Ａ，１６Ｂは固定側ガイド金具
１７の側面に取付けられている。固定側ガイド金
具１７は内部に制御固定プラグ１２Ａを取付けて
いる。制御固定プラグ１２Ａは一端を中央制御部
と連絡して制御線１２Ｄを接続している。固定側
ガイド金具１７の一端の両側面および中間部には
固定側ガイド１８および突出部１９を形成してい
る。固定側挿入部１８は内側に折曲げられて、挿
入部１５Ａを挿入しやすいようにしている。突出
部１９は、ばね挿入穴１９Ａおよび第１切欠部１
９Ｂを形成している。第１切欠部１９Ｂは収納金
具２０の第２切欠部２０Ａに嵌め込まれている。
このため、突出部１９は第２切欠部２０Ａを支点
として、移動をする。つまり、固定側ガイド金具
１７は第２切欠部２０Ａを支点として制御固定プ
ラグ側方向に接離する。

収納金具２０はしや断器１１の移動方向側両端
を天井面２Ａおよび仕切板１０側に折曲げた支持
部２０Ｂを形成し、支持部２０Ｂは天井面２Ａお
よび仕切板１０に取付けられている。支持部２０
Ｂ間の収納金具２０には、角穴２０Ｃと角穴より
小さいばね角穴２０Ｄとを形成している。角穴２
０Ｃは内部に固定側ガイド金具１７を出入させ
る。

ばね棒２１はばね挿入穴１９Ｄおよびばね角穴
２０Ｄに挿入されている。ばね棒２１の先端がば
ね角穴２０Ｄに挿入され、他端は押え板２２に固
定されている。ばね角穴２０Ｄと押え板２２との
間のばね棒２１には、受板２１Ａ（第４図参照）
および圧縮ばね２３を嵌込んでいる。圧縮ばね２
３は可動側ガイド１５と案内ローラ１６とが接触
していない時に、押え板２２を押圧している。可
動側ガイド１５と案内ローラ１６とが接触してい
る時に、圧縮ばね２３を圧縮してエネルギーを蓄
積している。この時、固定側ガイド金具１７は、
収納金具２０から引出され、収納金具２０に取付
けられている制御固定プラグ１２Ａと制御可動プ
ラグ１２Ｂとは接触するように構成している。

次に、制御プラグ１２の作用について第４図Ａ
〜Ｄにより説明する。

しや断器１１が第４図Ａに示す如く、矢印方向
X₁に移動し、可動側ガイド１５が案内ローラ１
６に接触していない時は、押え板２２が圧縮ばね
２３に押圧されて、案内ローラ１６Ｂが収納金具
２０に当接しているので、可動側ガイド１５と対
応する制御固定プラグ１２Ａの一端側がこれと反
対側端より高くなる状態で傾斜している。この状
態で、更にしや断器１１を矢印方向X₁に移動す
れば、同図Ｂ，Ｃに示す如く、可動側ガイド１５
が案内ローラ１６Ａ，１６Ｂに順次接触し、突出
部１９Ａが第２切欠部２０Ａを支点として固定側
ガイド金具１７を傾斜状態から水平状態に移動す
ると共に、圧縮ばね２３は圧縮されて、エネルギ
ーを蓄積している。そして、可動側ガイド１５が
案内ローラ１６Ａ，１６Ｂと完全に接触〔同図
Ｄ〕すれば、制御固定プラグ１２Ａは制御可動プ
ラグ１２Ｂに自動的に接触する。

制御固定プラグ１２Ａが制御可動プラグ１２Ｂ
と接触した状態で、しや断器１１を矢印方向X₂
に移動すれば、上述の動作と逆になり、同図Ｄか
らＡの状態になり、可動側ガイド１５と案内ロー
ラ１６との接触状態が無くなり、圧縮ばね２３の
蓄積エネルギーは釈放される。このため、固定側
ガイド金具１５はしや断器１１と遠ざかる方向に
自動的に上昇して、同図Ａの状態になる。

このように、本発明の制御プラグには、しや断
器を電気室５に挿入したり、引出したりするのに
応じて、制御固定プラグ１２Ａが制御可動プラグ
１２Ｂに自動的に接離しながら、制御固定プラグ
１２Ａを収納金具２０に出入する。このため、作
業員が電気室内を保守・点検する時に、制御固定
プラグを仕舞忘れても、しや断器１１を電気室５
から引出す時に、固定側ガイド金具１７は上昇す
ると共に、制御固定プラグ１２Ａは固定側ガイド
金具内に収納されるので、安全である。また、電
気室５からしや断器１１を引出せば、固定側ガイ
ド金具１７は上昇するので、第２図Ｂに示す如く
電気室５のしや断器挿入口５Ａの高さ寸法Ｈは、
固定側ガイド金具１７を上昇させた分だけ広くで
きる。したがつて、作業員が電気室５に出入する
のが容易になり、組立・保守・点検等の作業がし
やすくなつた。

第５図、第６図は本発明の他の実施例として示
した制御プラグ１２を説明する。

第５図Ａ，Ｂの制御プラグ１２は、収納金具２
０に垂直ピン２１を取付け、垂直ピン内に圧縮ば
ね２３および固定側金具１７の底面１７Ａを挿入
している。制御固定プラグ１２Ａは底面１７Ａに
取付けられている。固定側金具１７の外側面１７
Ｂは案内ローラ１６Ａ，１６Ｂ，１６Ｃを取付け
ると共に、外側面１７Ｂの一端は内側に折曲げて
挿入部１８を形成して、可動側ガイド１５を挿入
しやすいようにしている。

この制御プラグ１２は、第５図Ａ，Ｂに示す如
く矢印方向X₁にしや断器１１を移動すると、可
動側ガイド１５は順次案内ローラ１６Ａ，１６
Ｂ，１６Ｃに接触し、固定側ガイド金具１７は圧
縮ばね２３を押圧しながら垂直方向に移動し、同
図Ｂの状態になり、制御固定プラグ１２Ａは制御
可動プラグ１２Ｂに自動的に接触する。また、し
や断器１１が上述と反対方向に移動すれば、圧縮
ばね２３の圧縮エネルギーが釈放され、制御固定
プラグ１２Ａは上方に移動をする。

第６図Ａ，Ｂの制御プラグ１２は、収納金具２
０の側面に受案内部３０を取付けている。受案内
部内はローラ３０Ａおよびローラガイド３０Ｂを
挿入し、ローラガイド３０Ｂは受案内部内を移動
する。ローラ３０Ａおよびローラガイド３０Ｂは
固定側ガイド金具１７に取付けられている。した
がつて、受案内部内をガイドローラ３０Ｂが移動
するのに応じて、固定側ガイド金具１７も移動す
るため、ストツパー３１Ａ，３１Ｂで制御する。
板バネ３１は収納金具２０に固着され、板バネ３
１の両端に形成したストツパー３１Ａ，３１Ｂ
は、固定ガイド金具１７が下に行過ぎたり、上に
行過ぎたりするのを防止する。固定側ガイド金具
１７の内側はガイドレール３２を取付けると共
に、一端側は内側に折曲げて挿入部１８を形成し
ている。ガイドレール３２は挿入部側から反対側
に行くに従い順次高さ寸法を高く形成している。
可動側ガイド金具１３に取付けられた案内ローラ
１６Ｄは、ガイドレール３２内を摺動する。

そうすると、固定側ガイド金具１７は下側に移
動して、同図Ｂに示す如く、制御固定プラグ１２
Ａが制御可動プラグ１２Ｂに自動的に接触をす
る。しや断器１１を矢印方向X₁と反対方向に移
動すれば、固定側ガイド金具１７は上方に移動
し、制御固定プラグ１２Ａと制御可動プラグ１２
Ｂとが自動的に離れる。

上述の実施例では、制御プラグをしや断器およ
び配電箱の天井面に設けたが、しや断器および配
電箱の側面或いは底面に設けてもよい。

〔発明の効果〕 以上のように、本発明の制御プラグは、電気機
器を電気室から引出す時に、制御固定プラグが電
気室の一方側に移動し、電気機器挿入口を大きく
できるので、作業員が電気室内外に出入するのが
容易になり、電気室内の作業能率が向上した。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第２図Ａは本発明の実施例として
示した閉鎖配電盤の側断面図、第２図Ｂは第１
図、第２図Ａの制御プラグ附近を拡大して示した
側断面図、第３図は第１図ないし第２図Ｂで使用
した制御プラグの斜視図、第４図Ａないし同図Ｄ
は第３図の制御プラグの動作を示す側断面図、第
５図ないし第６図Ａ，Ｂは本発明の他の実施例と
して示した制御プラグの側断面図である。 ２……配電箱、１１……しや断器、１２……制
御プラグ、１２Ａ……制御固定プラグ、１２Ｂ…
…制御可動プラグ、１５……可動側ガイド、１６
……案内ローラ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 制御可動プラグを取付けた電気機器と、配電
   箱内に電気機器を移動させるのに応じて、配電箱
   内に取付けた制御固定プラグと制御可動プラグと
   が電気的に開閉する制御プラグにおいて、配電箱
   内に収納具を取付け、収納具内に制御固定プラグ
   を有する固定側ガイドを配置し、上記固定側ガイ
   ドと接離するのに応じて制御固定プラグが収納具
   から出入して、可動制御プラグと電気的に開閉す
   る可動側ガイドを電気機器に設けることを特徴と
   する配電盤の制御プラグ。