JPS648965B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は播種機の種子回収装置に関し、種子ボ
ツクスの底部に残つた種子の残量取出しを容易に
できるようにしたものである。

（従来の技術） 播種機は、種子タンクの下部側の種子ボツクス
内に、真空吸着式その他の各種型式の繰出装置を
設け、この繰出装置によつて所定量づつ種子を繰
出して播種シユート等を経て落下させるようにな
つている。この種の播種機において、播種作業の
終了後、或は他の種子に変更する場合、種子ボツ
クス内の残量種子を取出す必要がある。そこで、
従来は、種子ボツクスの底部に残量取出し用の開
口部を設け、この開口部を揺動又は摺動自在な底
蓋で開閉自在にしておき、この開口部から自然落
下で残量種子を取出すようにしている。

（発明が解決しようとする問題点） しかし、底蓋は、通常、播種機全体の中でも位
置的に操作し難い場所にあり、しかも多条型の場
合、すべての種子ボツクスの底蓋を手で開閉操作
するということは煩雑であり、従来、種子の残量
取出しは困難であつた。また、従来は単に底蓋を
開放するだけであり、種子を自然落下で取出して
いたので、完全かつ速やかな取出しは困難であ
り、種子を変えて播種を行なう場合には、前の種
子が残つて混入することもあつた。

（問題点を解決するための手段） 本発明は、かかる従来の問題点を解決せんとす
るものであつて、そのための具体的手段として、
種子繰出用の種子ボツクス９の底部側に吸引ホー
ス２４を介して回収ボツクス２２を接続すると共
に、種子ボツクス９内の種子を吸引ホース２４を
介して回収ボツクス２２内に吸引し回収するよう
に、回収ボツクス２２に連通してエヤー吸引装置
３２を設け、このエヤー吸引装置３２より吐出さ
れたエヤーを種子ボツクス９内に吹き出すよう
に、該エヤー吸引装置３２を吹出ホース３６を介
して種子ボツクス９に接続したものである。

（作用） 種子ボツクス９内の残量種子を取出す場合に
は、エヤー吸引装置３２を作動させると、エヤー
吸引装置３２の吸引力により、吸引ホース２４を
介して種子ボツクス９内の種子がエヤーと共に吸
引され、その種子を回収ボツクス２２内に回収す
る。一方、吸引装置３２より吐出されたエヤー
を、吹出ホース３６を介して種子ボツクス９内に
吹き出す。

（実施例） 以下、図示の実施例に基づいて本発明を詳述す
ると、第１図及び第２図において、１はツールバ
ーで、トラクタ後方に三点リンク機構を介して取
付けられている。２は種子吸引装置で、ツールバ
ー１の中央部上方位置にフレーム３等を介して取
付けられている。４は播種ユニツトで、播種機フ
レーム５、駆動輪６、作溝器７、種子タンク８、
種子ボツクス９、後部鎮圧輪１０等から成り、ツ
ールバー１の後方側に横方向に複数個設けられて
いる。フレーム５は平行リンク１１を介してツー
ルバー１に上下動自在に連結され、このフレーム
５の左右両側に駆動輪６、下方に作溝器７が夫々
設けられている。種子タンク８及び種子ボツクス
９は、種子タンク８が種子ボツクス９より上方に
位置し、かつ互いに連通するようにしてフレーム
５に取付けられており、その種子ボツクス９内に
は繰出装置１２が設けられている。繰出装置１２
は横軸廻りに回転自在な回転体１３と、これの外
周に放射状に突設された種子ノズル１４とを有
し、種子ノズル１４の先端部側に、種子ボツクス
９内の種子を真空吸着し、回転体３の回転に伴な
つて、その種子を播種シユート１５を経て下方に
落下させるように構成されている。なお回転体１
３は伝動機構１５ａを介して駆動輪６に連動連結
され、また種子ノズル１４は回転体１３及び正負
圧用の２本のホース１６，１７等を介して種子吸
着装置２に接続されている。種子ボツクス９の底
部には、第３図に示すように開口部１８が形成さ
れると共に、これを開閉する底蓋１９が設けられ
ている。底蓋１９は一端の蝶番２０で枢支され、
かつ他端の係止金具２１で閉状態に係止されてい
る。２２は種子ボツクス９内の残量種子を回収す
る回収ボツクスで、この回収ボツクス２２には、
第４図に示すように下部から内部上方に突出する
パイプ２３が設けられ、このパイプ２３は蛇腹状
等の可撓性を有する吸引ホース２４を介して底蓋
１９の接続部２５に接続されている。回収ボツク
ス２２は把持部２６を有する他、取付部２７を介
して、フレーム５後部のマスト２８に設けられた
ブラケツト２９にボルト３０等により着脱自在に
取付けられている。また回収ボツクス２２は上方
が開放した開口状であつて、その開口部側にはカ
バー３１が適宜係合爪を介して着脱自在に取付け
られ、そのカバー３１内にエヤー吸引装置３２が
組込まれている。エヤー吸引装置３２は種子ボツ
クス９内の種子を吸引ホース２４を介して回収ボ
ツクス２２側に吸引するためのものであつて、こ
れは吸引フアン３３とこれを駆動するモータ３４
とから成り、また吸引フアン３３の回収ボツクス
２２側にはカバー３１に着脱自在に嵌着されたフ
イルター３５が設けられている。３６は吹出ホー
スで、エヤー吸引装置３２から吐出されたエヤー
を種子ボツクス９内に吹き出すように、カバー３
１と種子ボツクス９とに跨つて２本設けられてい
る。この吹出ホース３６は可撓性を有し、種子ボ
ツクス９の天板側に、下方へとエヤーを吹出すよ
うに設けられている。なお吹出ホース３６の取付
位置は、実線のように種子ボツクス９の左右一側
の前後両端位置にしても良いし、また後方側方の
吹出ホース３６を第１図の仮想線位置に配置し
て、２本が対向線方向に並ぶようにしても良い。
３７は前部鎮圧輪で、播種ユニツト４の前方に位
置するようにツールバー１に取付けられている。

上記構成において、播種作業時には、種子タン
ク８に種子を入れておけば、それが種子ボツクス
９内に送られ、繰出装置１２の種子ノズル１４の
先端部側に吸着された後、繰出装置１２の回転に
伴なつて順次播種シユート１５へと繰出され、播
種溝へと落下せしめられる。そして、その播種
後、覆土して後部鎮圧輪１０で鎮圧して行くので
ある。

播種作業の終了後に、種子ボツクス９内の残量
種子を回収する際には、次のようにして行なう。
即ち、エヤー吸引装置３２のモータ３４を起動し
て吸引フアン３３を回転させる。すると吸引力が
発生し、種子ボツクス９の底部側にある残量種子
は、エヤーと共に吸引ホース２４を経て回収ボツ
クス２２へと吸引し回収された後、フイルター３
５で分離されて種子が回収ボツクス２２にたま
る。この場合、回収ボツクス２２内にパイプ２３
があるので、回収した種子が吸引ホース２４側に
詰まることがなく、速やかに回収できる。一方、
フイルター３５を通過したエヤーは、吹出ノズル
３６を経て種子ボツクス９内に上方から吹き出し
て行くので、その風力によつて種子ボツクス９の
内部に付着する種子を確実に落下させることがで
きると共に、種子以外の付着物等も除去でき、種
子ボツクス９内の清掃が可能である。また吐出エ
ヤーを種子ボツクス９内に吹き出すため、種子タ
ンク８及び種子ボツクス９が密閉状であつても、
エヤー吸引装置３２の負荷を軽減でき、従つて、
軽負荷で確実かつ速やかに残量種子の回収が可能
である。しかも、フイルター３５を通過した小さ
いゴミ等は、種子ボツクス９に再び戻り、循環す
る間に回収ボツクス２２に回収されるため、外部
へ放出するものに比較して安全でもある。

回収ボツクス２２に回収した種子は、回収ボツ
クス２２をブラケツト２９から取外し、カバー３
１を開けた後、回収ボツクス２２を下向きに傾む
けて他の容器に移し取れば良い。

なお上記実施例では、底蓋１９に吸引ホース２
４を接続したが、底蓋１９は必ずしも必要ではな
い。また繰出装置１２はロール型でも良く、その
場合には当然種子ボツクス９の形状も実施例とは
変わつたものとなる。従つて、種子ボツクス９の
形状、構造等は実施例に限定されるものではな
い。回収ボツクス２２及びエヤー吸引装置３２は
播種ユニツト４夫々に設ける他、全ユニツトに対
して１組設けるだけで夫々の種子ボツクス９に吸
引ホース２４を介して接続しても良い。また回収
ボツクス２２とエヤー吸引装置３２とは別々に分
離して設け、ホースで連通させても良い。播種機
はトラクタ用、テイラー用等の別を一切問わな
い。回収ボツクス２２の構造も実施例に限定され
るものではない。

更に、回収ボツクス２２を第４図の仮想線で示
すように、把持部２６の下側で上部ボツクス２２
ａと下部ボツクス２２ｂとに２分割し、上部ボツ
クス２２ａに下部ボツクス２２ｂを下方から嵌脱
自在に嵌合させると共に、把持部２６のボタン３
６に連動する係合爪（図示せず）で下部ボツクス
２２ｂをロツクするようにしておけば、ボタン３
６を押すことにより下部ボツクス２２ｂのみを取
外すことができ、従つて、回収ボツクス２２内の
種子を他の容器に移す都度、それをブラケツト２
９から取外す必要もなくなり、作業が更に容易に
なる。

また第４図の下部側に仮想線で示すように、回
収ボツクス２２に形成しためねじ孔３７に螺着す
る等によつて、容器３８を回収ボツクス２２に対
して着脱自在に取付けておき、これで種子を受け
るようにすることも可能である。

（発明の効果） 本発明によれば、種子ボツクス９内の残量種子
をエヤー吸引装置３２の吸引力で吸引して回収ボ
ツクス２２内に回収するようにしているので、従
来に比較して残量種子の取出しを簡単かつ確実に
行なえる。またエヤー吸引装置３２からのエヤー
を吹出ホース３６を経て種子ボツクス９内に吹き
出すようにしているから、種子ボツクス９内の種
子その他の付着物を除去し清掃できると共に、種
子ボツクス９側が密閉状であつても、吸引装置３
２の負荷を軽減でき、吸引装置３２の小型化が可
能である。またエヤーが循環するため、小さいゴ
ミ等が外部に飛散することがなく安全である。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示し、第１図は一部
破断側面図、第２図は平面図、第３図は種子ボツ
クス底部の破断背面図、第４図は回収ボツクス部
の破断側面図である。 ４……播種ユニツト、８……種子タンク、９…
…種子ボツクス、１２……繰出装置、２２……回
収ボツクス、２４……吸引ホース、３２……エヤ
ー吸引装置、３６……吹出ホース。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 種子繰出用の種子ボツクス９の底部側に吸引
   ホース２４を介して回収ボツクス２２を接続する
   と共に、種子ボツクス９内の種子を吸引ホース２
   ４を介して回収ボツクス２２内に吸引し回収する
   ように、回収ボツクス２２に連通してエヤー吸引
   装置３２を設け、このエヤー吸引装置３２より吐
   出されたエヤーを種子ボツクス９内に吹き出すよ
   うに、該エヤー吸引装置３２を吹出ホース３６を
   介して種子ボツクス９に接続したことを特徴とす
   る播種機の種子回収装置。