JPS647396Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はバーコードラベル自動読取装置（バー
コードリーダ）の光源部の改良に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

近年自動倉庫、配送センターあるいは工場等に
おいて商品情報の自動収集、自動仕分け、作業指
示等を行なうためにバーコードリーダが広く用い
られるようになつた。バーコードリーダはバーコ
ードラベル面からの反射光（又は透過光）を受け
てデータを認識する装置であり、読取ヘツド部
と、マイクロ・プロセツサを組込んだバーコード
の内容を解読するデコーダ部を備えている。そし
てバーコードを光学的に読取る方式には大別して
２通りのものがある。その一つは光源部から細い
光ビーム（スポツト）を発生させ、その光ビーム
を用いて各バーコードからの反射光を一つの受光
素子によつて順次読取る方式である。もう一つ
は、光源に蛍光灯又は白色光等を用いてバーコー
ド面上を均等に照射し、各バーからの反射光をそ
れに対応させて設けた複数個の受光素子によつて
同時に読取る方式である。

本考案は前者の方式、すなわち細い光ビームを
用いるものの光源部に関するので、先ずその光源
部について原理的構成と動作を簡単に説明する。

第２図はバーコードリーダの光学系統の原理的
な構成と動作の説明図である。図において、１は
光源でありレーザ管（He−Neガスレーザ）を用
いている。２はレーザ光のスポツトを絞るための
焦点調整用レンズ系、３はレーザ光の進路を変え
るミラー、４は該ミラー３を支持する透明なガラ
ス板、５は走査用ミラー、６は該走査用ミラー５
の角度を変えるスキヤンモータ、７は受光素子で
ある。

レーザ管（光源１）から出た光線束８は焦点調
整用レンズ系２で絞り込まれ、バーコード９上を
走査するビーム（スポツト）となる。ビームは走
査用ミラー５の動きによつてバーコード９上を走
査し、その反射光１０は走査用ミラー５で反射さ
れガラス板４を通つて集光レンズ１１により集光
されて受光素子７に入る。受光素子７で光電変換
されたバーコードデータはデコーダ部（図示せ
ず）で解読・演算・判定が行なわれる。

ところで従来のバーコードリーダの光源部は、
第２図に見られるように光源１と焦点調整用レン
ズ系２で構成されており、バーコード上を走査す
るビーム（スポツト）の大きさは光源のレーザ管
から発振される光線束の径の大きさと焦点調整用
レンズ系の定数により一義的に決まつていた。

〔解決しようとする問題点〕

上述したように、従来のバーコードリーダの光
源部はビームのスポツト径を調整することができ
なかつた。そのため次のような問題点が発生す
る。

バーコードは容器や包装等に直接印刷するか又
はラベルに印刷したものを貼付することによつて
表示するのが一般的であるが、現状を考えた場
合、バーコードリーダは細かく精度のよい印刷を
したバーコードを読取るために使用する場合もあ
れば、ダンボールへ印刷したような太いバーコー
ドを読取るために使用する場合もあり、様々な印
刷精度のバーコードの読取りが要求される。細か
く精度のよいバーコードを読取るためには細いビ
ームのスポツトが必要になるのは当然であるが、
例えばダンボールに印刷したような太いバーのバ
ーコードを読取る場合にはビームのスポツト径は
ある程度大きいことが望ましい。その理由は、ス
ポツト径を小さく絞りすぎていると太いバーコー
ドを印刷した印刷面の凹凸（ダンボールの目）に
よる反射光の散乱の影響や、バーコードの印刷む
ら等による影響を受け、それらが読取りデータに
雑音として加わり、解読時にさまたげとなるから
である。すなわち、使用しているバーコードの大
きさ（バーの幅）に応じ、それに適したビームの
スポツト径が必要になるが、従来はその調整がで
きなかつた。

本考案の目的は上記問題点を解消し、ビームの
スポツト径を調整可能にした光源部を備えたバー
コードリーダを提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の目的を達成するために、本考案の光源部
は、光源と光ビームを絞るための焦点調整用レン
ズ系との間に、光源からの光線束の太さを変える
ことのできるアフオーカル系のレンズを配設し
た。

〔作用〕

本考案の光源部は上述したようにアフオーカル
系のレンズを付加したので、光源（レーザ管）か
らの光線束の大きさ（平行光線の径）を自在に調
整できるようになり、バーコードラベル面上での
ビームのスポツト径を変えることができる。

〔実施例〕

次に本考案の実施例につき図面を参照して説明
する。

第１図は本考案のバーコードリーダの光源部の
一実施例を示す構成図である。図において前出の
ものと同一符号のものは同一又は均等部分を示す
ものとする。１２が本考案により付加されたアフ
オーカル系のレンズである。光源１にはレーザ管
（例えばHe−Neガスレーザ）を用いる。該レー
ザ管から出射した光線束（平行光線）８はアフオ
ーカル系のレンズ１２に入射され、ここで入射光
とは径の異なる平行光線に変えられる。アフオー
カル系のレンズ１２を出た光線束（平行光線）は
焦点調整用レンズ系２に入射され、このレンズ系
によつてバーコード面を走査するビーム（スポツ
ト）が形成される。

なお、上記のアフオーカル系のレンズ１２は、
例えば第１図に示したように焦点距離の異なる２
つの凸レンズ（焦点距離をそれぞれf₁，f₂とす
る）をそれぞれの焦点位置が合致するように光軸
を合せて配置すれば構成できる。すなわちこのレ
ンズによれば、平行入射光が、使用したレンズの
レンズ定数によつて定まる径の平行出射光とな
る。従つてレンズ定数の異なる複数個のアフオー
カル系レンズをタレツト式に設けるなどして、必
要に応じて交換を行うようにすることが望まし
い。

〔効果〕

以上説明したように本考案の光源部を備えたバ
ーコードリーダは、バーコードの幅に合わせたビ
ーム（スポツト）径を選択・調整することができ
るので、バーコードの読取性能が向上する。ま
た、ビーム径が自在に変えられるために、かすれ
たバーコードや細いバーコードの読取りにも対応
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のバーコードリーダの光源部の
構成図、第２図はバーコードリーダの光学系統の
説明図である。 １……光源、２……焦点調整用レンズ系、８…
…光線束、１２……アフオーカル系のレンズ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 光源と、該光源から出射した平行光線束の径を
   変えるアフオーカル系のレンズと、該アフオーカ
   ル系のレンズの出射光を絞つてバーコード上を走
   査するビームを形成する焦点調整用レンズ系を備
   えて構成したバーコードリーダの光源部。