JPS64637Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は、核燃料集合体におけるウオーターロ
ツドの回転拘束装置に関する 〔考案の技術的背景およびその問題点〕 一般に、原子炉用の燃料集合体においては、燃
料チヤンネル内に、上下両端部をそれぞれ上部タ
イプレートおよび下部タイプレートに支持された
複数本の燃料棒およびウオーターロツドが配列装
着されており、さらに上記燃料棒を整列支持し燃
料棒の横方向の振動を拘束するとともに冷却材の
流路を確保するためのスペーサが、上記燃料棒の
軸方向に複数個設けられている。

ところで、上記燃料棒とともに燃料集合体に組
込まれているウオーターロツドはスペーサを保持
する役目をもつており、ウオーターロツドの側壁
部に設けた突片によつてスペーサの上下を拘束
し、原子炉稼動中におけるスペーサの落下および
上昇を防止するようにしてある。

すなわち、第４図は上記ウオーターロツドの装
着状態を示す概略斜視図であつて、ウオーターロ
ツド１は、その下部端栓１ａを下部タイプレート
２のウオーターロツド端栓挿入孔３に挿入すると
ともに、上部端栓１ａを上部タイプレート４の端
栓挿入孔５に挿入することによつて所定位置に保
持され、さらに上記ウオーターロツド１の上部段
部１ｃと上部タイプレート４との間に介装された
膨張スプリングによつて燃料棒の膨張を許容する
ようにしてある。

ところで、上記ウオーターロツド１の側壁部に
は、スペーサ７装着部に対応して複数の突片８が
突設されており、その突片８を対応するスペーサ
７のセル７ａの隈角部に位置するようにしてウオ
ーターロツド１を上記セル７ａ内に挿通し、その
ウオーターロツド１を所定角度回動して、上記突
片８をスペーサ７を構成するバー７ｂ等の上下に
位置させ、そのスペーサ７の上下動を拘束するよ
うにしてある。そして、上記ウオーターロツド１
が回転することによつて上記突片８による拘束が
解け、スペーサ７の脱落が起らないように、下部
タイプレート２のウオーターロツド下部端栓挿入
孔３を断面角形とするとともに、その挿入孔に挿
入されるウオーターロツド１の下部端栓１ａが断
面角形としてある。

したがつて、上述の如き装置においては、ウオ
ーターロツドの回動防止のために上記下部端栓お
よび下部タイプレートに特別な加工を要し、高価
なものになるとともに、燃料集合体の組立に際し
てもまずウオーターロツドをスペーサに挿入して
そのスペーサの位置固定を行なつた後、燃料棒の
挿入および下部タイプレートへの装着等を行なわ
なければならず、その自動組立に対する一つのネ
ツクになる等の問題があつた。

〔考案の目的〕

本考案はこのような点に鑑み、スペーサ保持用
のウオーターロツドの下部端栓および下部タイプ
レートのウオーターロツド端栓挿入孔の断面をき
わめて単純な丸型にして加工費の低減を図るとと
もに、ウオーターロツドの回転拘束機能を十分果
し得るようにしたウオーターロツドの回転拘束装
置を得ることを目的とする。

〔考案の概要〕

本考案は、核燃料集合体におけるウオーターロ
ツドの上部端栓に軸線方向の溝を設けるととも
に、上記ウオーターロツドの上部端栓に設けられ
た溝と係合する爪片を突設したウオーターロツド
上部端栓挿入孔を中心に設け、放射方向四方先端
に燃料棒上部端栓挿入孔を設けた十字型のウオー
ターロツド回転拘束板を、膨張スプリングと上部
タイプレートとの間に介装したことを特徴とす
る。

〔考案の実施例〕

以下、第１図乃至第３図を参照して本考案の一
実施例について説明する。

第３図は本考案にかかるウオーターロツド１の
斜視図であつて、そのウオーターロツド１の下端
には燃料棒と同様に断面円形の下部端栓１ａが設
けられ、上端にも断面円形の上部端栓１ｂが設け
られており、さらに側壁部には従来のウオーター
ロツドと同様にスペーサの上下動拘束用の突片８
が突設されている。一方上記上部端栓１ｂには軸
方向に延びる溝１０が形成されている。

また、第１図は本考案のウオーターロツド回転
拘束装置の縦断側面図であつて、図示しないスペ
ーサによつて格子状に配列された多数の燃料棒１
１の中に上記ウオーターロツド１を配設し、上部
タイプレート４にそれらの上部端栓１１ｂ，１ｂ
が装着されており、ウオーターロツド１とそれに
隣接する燃料棒１１の上部端栓１ｂ，１１ｂに装
着された膨張スプリング６と上部タイプレート４
との間にはウオーターロツド回転拘束板１２が介
装されている。

上記ウオーターロツド回転拘束板１２は、第２
図に示すように十字型をしており、その中心部に
ウオーターロツド上部端栓挿入孔１３が設けら
れ、放射方向四方先端には燃料棒上部端栓挿入孔
１４が形成されており、さらに上記ウオーターロ
ツド上部端栓挿入孔１３の内縁には、前記ウオー
ターロツド１が所定位置に回動されてスペーサの
上下動を拘束するようになつたときに、ウオータ
ーロツドの上部端栓１ｂに形成された溝１０に係
合する突片１５が突設されている。

しかして、燃料集合体の組立に際しては、スペ
ーサによつて所定間隔をもつて配列された多数の
燃料棒１１の間に配設されたウオーターロツド１
の上部端栓１ｂおよび上記各燃料棒１１の上部端
栓１１ｂにそれぞれ膨張スプリング６を装着した
後、ウオーターロツド１の上部端栓１ｂにウオー
ターロツド回転拘束板１２の中央に設けられたウ
オーターロツド上部端栓挿入孔１３を嵌挿し、そ
の溝１０と爪片１５とを係合させるとともに、そ
のウオーターロツド１の前後左右に隣接する４つ
の燃料棒１１の上部端栓１１ｂに、上記ウオータ
ーロツド回転拘束板１２の放射方向四方先端に設
けられた燃料棒上部端栓挿入孔１４を嵌挿する。
そしてその後各上部端栓に上部タイプレート４が
装着される。

このように、上記ウオーターロツド回転拘束板
１２は、ウオーターロツド１の前後左右の各燃料
棒１１の上部端栓１１ｂに嵌挿されていることに
より、その位置が固定され軸線まわりの回動が確
実に拘束され、しかも、ウオーターロツド１の上
部端栓１ｂに形成された溝１０とウオーターロツ
ド回転拘束板１２のウオーターロツド上部端栓挿
入孔１３の爪片１５とが係合されているために、
ウオーターロツド１はその軸線まわりの回転が確
実に阻止され、原子炉の稼動中等において、ウオ
ーターロツド１が回動してその突片８とスペーサ
との係合が離脱しスペーサの落下或は上昇が発生
するようなことが確実に防止される。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案はウオーターロツ
ドの上部端栓に軸線方向の溝を設けるとともに、
上記ウオーターロツドの上部端栓に設けられた溝
と係合する爪片を突設したウオーターロツド上部
端栓挿入孔を中心に設け、放射方向四方先端に燃
料棒上部端栓挿入孔を設けた十字型のウオーター
ロツド回転拘束板を、膨張スプリングと上部タイ
プレートとの間に介装したので、上記ウオーター
ロツド回転拘束板の爪片と上部端栓に設けられた
溝との係合によつて、ウオーターロツドの回動が
確実に防止され、スペーサの落下等が確実に防止
される。しかも、ウオーターロツドの下部端栓お
よび下部タイプレートの下部端栓挿入孔を断面角
形等にする必要がなく、単なる断面円形状に形成
してよいので、その加工が簡単であるばかりでな
く、その費用をきわめて低価なものとすることが
できる。さらに、上部タイプレートを装着する前
にスペーサの固定が行なわれるので、ウオーター
ロツドの挿入順序にこだわらなくてもよく、自動
組立化をきわめて容易にすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案のウオーターロツドの回転拘
束装置の縦断側面図、第２図は第１図の−線
に沿う平断面図、第３図は本考案におけるウオー
ターロツドの斜視図、第４図は従来のウオーター
ロツドの回転拘束装置を示す概略説明図である。 １……ウオーターロツド、１ｂ……ウオーター
ロツド上部端栓、４……上部タイプレート、７…
…スペーサ、１０……溝、１２……ウオーターロ
ツド回転拘束板、１３……ウオーターロツド上部
端栓挿入孔、１５……爪片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 核燃料集合体におけるウオーターロツドの上部
   端栓に軸線方向の溝を設けるとともに、上記ウオ
   ーターロツドの上部端栓に設けられた溝と係合す
   る爪片を突設したウオーターロツド上部端栓挿入
   孔を中心に設け、放射方向四方先端に燃料棒上部
   端栓挿入孔を設けた十字型のウオーターロツド回
   転拘束板を、膨張スプリングと上部タイプレート
   との間に介装したことを特徴とする、核燃料集合
   体におけるウオーターロツドの回転拘束装置。